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成人男性に風疹ワクチン
- 2018/12/13(Thu) -
今年の風疹の発生数が2,454に達し、2012年の流行時の2,386人を超え、国はやっと対策に乗り出しました。
本日開催された厚生科学審議会では、以下のような対策(対応方針案)が示されました。

(1)定期接種の機会が1度もなかった世代(39〜56歳の男性)に絞って、重点的に対応する
(2)2020年の東京オリンピック開催までに、当該世代の抗体保有率を85%とすることを目指す
(3)ワクチンを効率的に活用するために、抗体検査とワクチン接種を組み合わせて対応する
(4)抗体検査を実施する人数が多数にのぼるので、抗体検査が適切に実施できる体制を構築する

つまり、39〜56歳の男性にできるだけ多く抗体検査を行い、必要ならワクチンを接種する、ということです。
しかも、風疹の輸入や拡大が起きやすいオリンピックまでになんとかしようという、切迫した状況です。

冒頭で風疹の発生数に触れましたが、実は最近いちばん流行したのは2013年で、報告数は14,344人でした。
当時の田村厚労相はこれを「風疹はまだ1万人」だと言って、批判を浴びました。
「特別の対応を取るところまではきていない」と、その異常事態を放置したのが、5年前のことです。
あの時点で、今回策定したような風疹対策を実行していれば、今年の流行は起きなかったことでしょう。

5年前よりもずっと小規模な流行なのに、国がようやく重い腰を上げた理由は、東京オリンピックです。
国際的な世間体や外圧がなければ動かない、日本の官僚らしい姿勢が、今回も発揮されたわけです。

さて今回の対策ですが、医療現場の混乱は避けられません。
対象世代は約1,600万人とされていますが、医療機関に抗体検査やワクチン接種がどれほど集中することか。
接種には、麻疹/風疹混合(MR)ワクチンを使うことになりますが、はたしてワクチンが足りるのか。
MRワクチンは、子どもの定期接種ワクチンでもあるだけに、ヘタをすると大変な事態になります。
それ以外にも、今回の風疹対策案には多くの問題があります。後日さらに詳しく考察してみます。

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