アイコスの余計なお世話
- 2018/05/21(Mon) -
なかなか禁煙できない方に、禁煙補助薬による治療をお勧めするのですが、たいてい反応がよくありません。
当院の禁煙外来は自分の意志で受診する方が多く、私が勧めた方はなかなか治療に踏み切ってくれません。
自ら進んで禁煙したいのであって、人に言われるのはイヤ。そんな天の邪鬼な気持ちがあるのでしょうか。

「勉強しなさい」と母親に叱責され、「今やろうと思ったのに。もう勉強せん!」と言う子どもに似ています。

「アイコスに変えましたから」と、禁煙が半分成功しているかのように言う方にも、よく出会います。
アイコスを始めたけど、紙巻きたばこも「併用」していて、合計本数はむしろ増えている方もいます。

シンガポールやタイに紙巻きたばこは持ち込めますが、電子たばこや加熱式は持ち込みが禁止されています。
私にはその理由がよくわかりませんが、これらの国では、アイコスを所有しているだけで厳しく罰せられます。
紙巻きよりも環境や健康への害が少なそうに見えることが逆に良くない、という理屈なのかもしれません。

アイコスが「IoTデバイス」であることが最近も報じられ、むしろ私にはそのことが恐ろしく感じました。

ユーザーの喫煙状況データが、アイコスの内臓チップによって収集され、フィリップモリスへ送信されるとか。
そのデータを受けたフィリップモリスは、例えばユーザーに対して次のようなメッセージを届けるそうです。

「今日はアイコスを使ってないようですが、禁煙したのですか、それとも紙巻に戻ってしまったのですか」
まったく余計なお世話です。禁煙しかけている人に、アイコスの存在を思い出させる効果しかないでしょう。

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福岡で麻疹9人
- 2018/05/16(Wed) -
福岡県内でも、昨日までに9人の麻疹患者が確認され、県からプレスリリースが出ています。
熊本から見て、沖縄はまだ「海外」でしたが、福岡は「隣県」。ずいぶん近づいてきました。
その9人の患者のプロフィールを見ると、問題点がいくつか浮き彫りになります。

1例目の方の情報は非公表なので、詳細不明ですが、二次感染はないとされています。
福岡での発端者は、実質的に2例目の20代男性です。沖縄を含む流行地への旅行歴はなく、感染場所が不明。
その後の3例目から9例目までの7人が全員、2例目の方との接触が疑われています。

麻疹の流行において、いつも気になるのは、患者の年代とワクチン接種歴です。
福岡の2例目から9例目までの8人のうち、成人は5人、小児は3人(0歳2カ月、3歳、10歳)でした。

成人5人の全員が、ワクチン接種歴1回または不明の方です。過去のワクチン行政の不備が悔やまれます。
この年代の方を感染から守るためには、接種歴2回未満の方へのワクチン接種を行うしかありません。

もっと問題なのは、3人のお子さんです。全員、MRワクチンの接種歴がありませんでした。
0歳2カ月のお子さんは、もともとMRワクチンの接種が想定されていない年齢層で、どうしようもありません。
3歳のお子さんは、1歳の時に定期接種の機会があるのに、MRワクチンを接種していませんでした。
10歳のお子さんに至っては、MRワクチン定期接種の1期も2期も受けていなかったということになります。

どうして定期接種を受けないのでしょう。健康問題や家庭環境など、さまざまな点が心配になります。

当院受診者の中にも、定期予防接種歴がまるっと抜けているお子さんに、ときどき遭遇します。
確固たる信念を持って接種を受けない方など、めったにいません。ほとんどは、認識不足によるものです。
その原因は、行政の啓蒙不足です。もちろん、医療機関にも責任はあります。
麻疹の流行が話題になっているいまこそ、予防接種全体の啓蒙活動を進めるためには大事な機会でしょう。

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人生100年時代
- 2018/05/08(Tue) -
「人生100年時代」の到来については、だいぶ前から議論されていますが、いつもホットな話題です。

平成28年簡易生命表によると、日本人の平均寿命は、男が80.98年、女が87.14年でした。

私はいま、57.5歳。平均余命は約25.8年なので、平均的には83.3歳まで生きる計算になります。
でもってその83歳になると平均余命はまだ7.3年あり、90歳になっても4.3年、94歳でも3.1年残っています。
さらに97歳になっても2.4年、99歳で2.1年、101歳でも1.7年の余命が残っています。
まるでアキレスと亀のように、余命まで生きたらまた次の余命があり、際限なく生き続けていくのです。

先月、世界最高齢だった鹿児島県喜界島の田島ナビさんが、117歳8カ月で亡くなりました。
19世紀最後の年(1900年)から今世紀まで、足かけ3世紀生きた方でした。

足かけ3世紀生きた有名人と言えば、英国のトーマス・パーでしょう。愛称「オールドパー」で知られます。
152歳まで生きたというのは伝説だとしても、当時(15〜17世紀)としてはかなり長生きした人物のはず。
彼にちなんで名づけられたスコッチウイスキー(ブレンデッド)は、かつて私のお気に入りでした。

最近は、ウイスキーはその個性的な香りが重要なのだと思って、私はシングルモルト中心に飲んできました。
しかしたまに、安らぎを求めてオールドパーを飲むと、そのバランスの良い深い味わいの広がりに、驚きます。

長寿社会で大事なのは、晩年の心身が健康であるかどうかです。
平均寿命と健康寿命の差は、男は8.8年、女は12.4年だといいます。女性でとくに長いのが私には意外です。
いやそれとも、男は健康問題を抱えたら一気に弱っていく、と解釈できるのかもしれません。
やがて人生100年が当たり前になるとしても、QOLの低下した晩年が長くなるだけでは、暗い未来ですね。

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沖縄の麻疹90人
- 2018/05/07(Mon) -
沖縄での麻疹患者は、合計90人になりました。5月1日〜3日の間に新たに確認された麻疹患者は8人です。
沖縄県地域保健課は、連休中も麻疹の疑い患者の精密検査を行っているようです。ご苦労さまです。
愛知県など、沖縄県外での発生患者も含めると、現在確定している3月以降の国内の麻疹患者数は123人です。

発端者の台湾人男性が沖縄を訪れたのは、3/17のことでした。
沖縄県の集計表を見ると、発端者から感染したいわゆる「一次感染者」は、3/25から症状が出始めています。
つまりこのケースでは、潜伏期は8日でした。教科書的には10〜12日とされているので、8日とは驚きます。

家庭内感染した宜野湾市の3歳女児が、4月2日に発症しています。この子が最初の「二次感染者」でしょう。
その子の感染源は、3/25に発症した一次感染者の6歳男児であろうと推測します。
となると、やはり潜伏期は8日か、兄の発症の前日から感染力があったとしても9日です。短いですね。

麻疹は、発熱の前日、発疹が出る数日前から感染力があり、発疹が消えて平熱になっても感染力が続きます。
まだ無症状なのに麻疹が感染するというのが、この病気の拡散を防ぐ上で、とても難しい点です。
しかも潜伏期は、8〜14日程度の幅をもって考えなければなりません。

いま、熊本ではインフルエンザが局所的に流行していますが、麻疹への警戒も怠るわけにはいきません。
また、ワクチンの接種を希望される方には、1日も早く接種をしてあげるのが、医療機関の務めです。

成人はもちろん、0歳児や、第2期接種を待ちきれない3,4歳児などにも、当院では接種を行っています。
熊本では絶対に麻疹を流行させない。その意気込みで、予防接種希望者は誰も断らないのが、当院の姿勢です。

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喫煙習慣の拡散
- 2018/04/28(Sat) -
「大人の何%がたばこを吸っていると思うか」
中学生にアンケートをとったら、「男性の6割・女性の4割が喫煙者」だと誤解していた、という調査結果。
静岡の保健所長が、先週開催された日本小児科学会で発表しました。
残念ながら、私はその学会に参加できず詳細がわからないので、以下は、推測を交えて書き進めます。

コンビニ等でたばこを目にする機会が多いことなどが誤解を招いているのではないか、と分析されています。
男性の90%が吸っていると回答した生徒もいたらしいので、喫煙者が目に付くことは間違いないでしょう。

男性の6割・女性の4割というのは、中学生からみた、いわば「体感喫煙率」と考えるべきかもしれません。

目の前でたばこを吸っている大人は当然、喫煙者ですが、いま喫煙していなくても非喫煙者とは限りません。
電車やバスの乗客は誰も喫煙していませんが、その人たちの中には喫煙を我慢している人だっているはずです。
そのような「想像」も含めると、周りの大人の多くが、喫煙者に思えてしまうのかもしれません。

たばこは、自分の趣味や嗜好の目的で吸い始めるというよりも、最初は興味や勧誘がきっかけでしょう。
若者の周囲の喫煙率が高いと、やがて喫煙を始める可能性も高くなるだろうと推測できます。
現に、雀荘にもパチンコ店にも入り浸ることがなかった私には、ついに喫煙習慣が付かずに済みました。

同様に、いったん喫煙を始めた者が禁煙に成功するかどうかにも、周囲の環境の影響が大きいと思います。
社会の喫煙者の分布には「濃淡」があり、喫煙率が日本の平均値よりもはるかに高い集団が存在します。
そのような職場の喫煙者は、個人的には禁煙の意志はあっても、実際にはなかなか成功しません。

当院の禁煙外来で禁煙に成功した方が、後に喫煙を再開してしまうのは、たいてい同僚との飲み会からです。
禁煙しきれない者が、禁煙に成功していた同僚を、悪の道にそそのかすのです。

受動喫煙の問題も重要ですが、若者に喫煙習慣を拡散させない方策の方が、長期的にはより重要でしょう。

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私は重度の柑皮症
- 2018/04/09(Mon) -
「黄疸が出たのですが」と、皮膚の色を心配して当院に来られる方のほぼ全員が、「柑皮症」です。
ミカンなど、カロテンを多く含む食物の摂り過ぎなどが原因で、手のひらなどが黄色になった状態です。

もちろんたまには本物の黄疸の方も来られます。たいていは胆道系の病気ですが、当院ではとても稀なこと。
逆に勤務医時代には多くの黄疸患者を診てきましたが、柑皮症患者の診療を行うことなどありませんでした。

黄疸の場合は眼球結膜(白目)が黄色になりますが、柑皮症では白いままです。両者は明確に区別できます。
「白目が黄色くないので黄疸ではないですよ」と説明すると、おおむね納得されます。

それでも心配な方には、私の両手を見せます。私の手掌の方が、間違いなく、よほど黄色いからです。
この数年、私よりも黄色い手の方にお目にかかったことがありません。

原因はわかっています。毎朝欠かさずに飲んでいる野菜ジュースです。トマトと人参がたっぷりのやつ。
さらに緑黄色野菜でも柑皮症になるそうで、ならば毎晩1株食べているブロッコリーも原因の一つでしょう。

「トマトが赤くなると医者が青くなる」などと言いますが、私の場合は黄色くなりました。

柑皮症は、原因の食品の過剰摂取をやめれば、自然に数か月のうちに改善すると言われています。
私もいちど、本当に改善するのか調べるために、食生活を抜本的に見直そうかと思ったことがあります。
しかし、やめました(見直すことをやめました)。
野菜ジュースは美味しくて飲んでるわけじゃないし、ブロッコリーなんて、どちらかと言えばマズい。
ほとんど惰性で摂取しているので、何カ月も中断したら、もう再開できなくなるような気がするのです。

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春ときどきPET
- 2018/03/20(Tue) -
約2年ぶりに「PET-CT検査」を受けてきました。愛犬の精密検査ではなく、自分のがん検診の一環です。

前回は、熊本地震から復旧したばかりの、日赤の健康管理センターで検査しました。前々回も日赤です。
ところが1年前に、日赤のPET-CT診断センターは業務を止めたので、今回は済生会病院に行きました。

まず、菊陽から行くには少々遠いですね、済生会。
遅刻しないように早めに家を出たら、早く着きすぎました。とにかく、待ち時間ばかりの1日でした。
(1)受付前で、1時間待つ
(2)血液検査などの予備検査
(3)PET検査室の前で、1時間待つ
(4)説明を受けた後、ブドウ糖に似た「FDG」に放射性同位元素「フッ素18」をつけた薬剤を注射
(5)FDGが全身にいきわたり、もしもがん細胞があればそこに集まるのを、1時間ほど安静にして待つ
(6)スキャナーの中に入り、約30分かけて陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography)する
(7)また安静にして1時間待つ
(8)食事
(9)1時間待つ
(10)結果説明

読み物(文庫本)を持って行くのを忘れたので、(1)と(3)と(9)は雑誌熟読でしのぎました。
PET検査中の(5)と(7)は、読書もスマホも音楽も禁止なので、ボーッと寝てるしかありません。
フッ素18の半減期は110分。明朝には、私から出る放射線量は2800分の1以下になってますので、ご安心を。

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インフルの次は胃腸炎?
- 2018/03/03(Sat) -
第8週(2/19-25)の定点当たりインフルエンザ観測数は、全国22.64、熊本県19.00、熊本市15.60でした。
いずれも前週より減っていますが、とくに流行の早かった熊本では、全国に先駆けて終息に向かっています。

そのかわり、いま目立って増えているのが感染性胃腸炎です。
今シーズンのインフルエンザは胃腸炎症状を伴うケースが多いので、よけいややこしくなります。

胃腸炎で困るのは、乳幼児の脱水症や年長児などの低血糖症状と、家族内で感染を広げやすいことです。
便のウイルス検査をすることもありますが、ウイルスが検出されたからと言って、治療法は変わりません。
この時期、食中毒はあまりないので、たいていは、ウイルス性と決めつけて対症療法あるのみです。

そうはいっても、とくに年長児や成人の場合には、発症の数日前に食べた食事内容をいちおう尋ねます。
ノロウイルスのように、潜伏期が1日、2日のものもあれば、O157のように1週間近いものもあるのです。

思い当たるものは無いという方でも、よくよく尋ねると、鳥刺しやBBQなどを思い出してくれたりします。
外食後に胃腸炎を発症した方が、同じ店で食べた友人も2,3人同じ症状だと言う場合は、保健所に連絡です。
これまでに3,4回、そのような連絡をした記憶があります。有名な某居酒屋チェーン店もありました。

国際線の旅客機では、機長と副操縦士が、機内食で別メニューを食べることはよく知られています。
万一の食中毒に備えて、2人がともに発病するリスクを考慮したものです。
でも、その万一が起きた時、ヘタしたら、乗客の約半分が胃腸炎を発症するわけですよね。こりゃ大変。
考えただけで修羅場です。トイレは足りるのか。
機内食の調理等には厳しい衛生管理をしているとは思いますが、くれぐれもしっかり、お願いします。

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節煙は無意味か
- 2018/02/26(Mon) -
禁煙指導のキモは「完全禁煙」であって「節煙」ではないことは、よく知られていることです。
喫煙本数と喫煙リスクは、必ずしも比例しないからです。

ある研究によれば、心筋梗塞や脳卒中のリスクは、1日1本吸うだけでも1日20本喫煙の4割程度あるとのこと。
毎日の喫煙本数を20本から1本に減らしたところで、完全禁煙に比べれば五十歩百歩だというわけです。

ある記事によると、「禁煙でやってはいけないこと」と称して、以下の4点が提示されていました。
・だんだんと減らそうとすること
・軽いたばこに変えること
・加熱式たばこ、電子たばこに変えること
・「1本くらいなら」と甘くみること

理解できる考え方ですが、しかし私は異を唱えたい。少なくとも、だんだん減らすことには意味があります。

禁煙外来では完全禁煙を指導するわけですが、そうすると脱落する人が出てきます。
「目標は0本ですが、とりあえず5本まで減らしましょうか」ぐらいのハードルの低さも大事です。
節煙すれば、まず発がんリスクが減ります。受動喫煙も減らせます。禁煙の意志を周囲にアピールできます。

医療現場での実体に即せば、理想を目指すよりもまず、一歩前進の方が重要です。
いきなり完全禁煙できる人ばかりではありません。禁煙外来も、人それぞれの対応でいいじゃないですか。

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頭痛の日
- 2018/02/22(Thu) -
2月22日は「頭痛の日」だそうですね。知りませんでした。今日知りました。
これがあと4年後だと、2022年2月22日で、さらに2が並びます。「頭痛が痛い日」とでも言いましょうか。
さらに2222年2月22日ともなると、「頭の頭痛が痛い日」ぐらいの勢いですね。(ふざけてすみません)

「日本頭痛協会」と「日本頭痛学会」が、「片頭痛を予防しよう」という啓発ポスターを作っています。
ただ、そのポスターに描かれているモデルが外国人(っぽい)女性なのが、どうしても気になります。

日本の団体が作成したポスターじゃないんですかね。もしかして、国際団体のポスターからの流用?
でも少なくとも、2月22日を頭痛に結びつける国って、日本だけですよね。
過去の啓発ポスターを見たら、2013年以降ずっと、外国人(っぽい)女性がモデルじゃないですか。
「頭痛=外国人女性」という固定観念でもあるのでしょうか。それとも、協会代表者の趣味?

「頭痛の日」にするのなら2月2日の方がしっくりきますが、その日はかつて、存在していました。
ジョンソン・エンド・ジョンソンが2001年に制定したけども、翌年には廃れたという幻の「頭痛の日」です。
その、メーカーが制定したのと同じ日を使うのがためらわれたために、2月22日が選ばれたのかもしれません。
「22」の部分で「頭痛」と読むのであれば、2月でなくても構わない気がします。毎月22日は頭痛の日です。

「片頭痛」は、その前兆として、「閃輝暗点」と呼ばれる視野の異常が現れる場合があります。
私は頭痛持ちではありませんが、仕事中にいちど閃輝暗点を見たことがあります。
突然視界に、アルミホイルを弧状の短冊にしたようなものが、チンアナゴのように、ニュッと出てきたのです。
最初は驚き、戸惑ったものの、それが生まれて初めての閃輝暗点だと気づき、その後の片頭痛を待ちました。

待ちましたが頭痛は起きず、むしろ脳梗塞じゃないかと不安になり、後日脳外科でMRI検査を受けたのでした。
もちろん、脳には異常なし。その後2年ぐらい経ちますが、いまだにチンアナゴには再会できてません。

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喫煙者の医療保険
- 2018/01/30(Tue) -
米国では、喫煙の年齢制限を21歳以上に引き上げる州が増えつつあるようです。
若い頃に試しに喫煙した者は、たいていそのまま習慣的な喫煙者になるともいわれます。
つまり、若者にはできるだけ、喫煙の機会を与えないことが大事だということになります。
その意味で、喫煙年齢の引き上げは、喫煙者を減らすための有効な手段かもしれません。
隠れて吸う若者もいるでしょうけど、法的に規制されていれば、ある程度は抑止できるでしょう。

一方でわが国には、喫煙年齢制限を「実情に合わせて」引き下げようかと、バカなことを言う人がいます。

私も若い頃に(何歳かは忘れましたが)、何本か吸ったことがありますが、幸い習慣にはなりませんでした。
たぶん、喫煙した場所(パチンコ店や雀荘等)になじめなかったのでしょう(パチンコも麻雀も下手だった)。
パチンコや麻雀が上手かったら、私の人生(健康状態を含む)も変わったかもしれません。

タバコが原因で起きるさまざまな疾患の治療に対して、非喫煙者と同等に保険が利くのは釈然としませんね。
喫煙者の医療保険の自己負担額を増やすとか、何か差別化を図るべきでしょう。
喫煙に関連した疾患・病状であることが統計学的・疫学的に認められたら、窓口負担割合を増やす、とか。

その際の自己負担増を補償するために、喫煙者専用の医療保険制度を作ってみたらどうでしょう。
保険料はタバコ代に含んでおけば、すべての喫煙者を被保険者にすることができます。「喫煙者皆保険」です。
タバコ代は、保険料のぶん値上げです。喫煙者は、喫煙本数に比例して保険料を負担することになります。
この制度、いいなあ。厚労省と財務省とJTでよく検討してみてください。

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ストレスと疾患
- 2018/01/20(Sat) -
「ストレスが高いと長期的に感じている男性は、そうでない男性に比べがんにかかるリスクが高まる」

国立がん研究センターが国内で行った、長期間の大規模な観察型研究の結果が、最近公表されました。
40〜69歳の約10万人を約20年間追跡して、「自覚的ストレス」と「がん罹患」との関連を調べたものです。

「日常あなたの受けるストレスは多いと思われますか? 」
この質問に対して、少ない、普通、多い、という3つのストレスレベルを選択させ、5年後に比較しています。

その結果、持続的に高ストレス、または5年間でストレスが高まった者で、がん罹患リスクが増加しました。
とくに男性で強く認めました。メカニズムは不明ですが、ストレスによる免疫機能の低下も考えられています。

ところで、生活習慣病の場合には、ずっと以前からストレスとの関連が指摘されています。

血圧や血糖値が悪化したり、体重が急に増えた人には、私はいつも診察しながらお決まりの質問をします。
「最近、ストレスはありませんか」「あるんです」「やはりそうですか」「そうなんですよ」「ですよね」
言ってみれば、「最近、寒いですねぇ」「寒いですね」「ですね」みたいな、当たり障りのない会話です。

しかしそのような世間話をきっかけにして、やや深刻な問題が見つかることもあり、問診はやはり重要です。

たまに、「ストレスありませんか」と尋ねると、キッパリ「ないですね」と応える方もいて、逆に驚きます。
本人はそうだとしても、周囲の家族のストレスはどうなんだろうと思うケースも、しばしば見受けますけどね。
あ、私のことだったりして。

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加熱式は禁煙にあらず
- 2018/01/03(Wed) -
元旦から禁煙している方へ。それが3日坊主にならないための方法はただ1つ。決して1本も吸わないことです。

昨年から「非燃焼・加熱式タバコ」が問題視され、日本呼吸器学会など各種団体が、その害を警告しています。
前にも書いたように、加熱式タバコでも、喫煙者の健康には悪影響があるし、受動喫煙の可能性もあります。
ところが、喫煙者にも周囲の人間にも、そのような認識が不足していることが問題なのです。

受動喫煙についてはとくに、東京五輪との兼ね合いもあって、近年社会問題化しています。
喫煙者自身の健康問題よりも、受動喫煙の問題の方がクローズアップされているのは、新しい傾向です。
そのためか、周囲に煙をまき散らさない加熱式タバコへのシフトが加速しているように感じます。

実際はPM2.5を含むエアロゾルが拡散する加熱式タバコですが、目に見えない分、気にならないのでしょう。
私の外来を訪れる生活習慣病の方にも、紙巻きタバコを加熱式に切り替えた方が目立ちます。

気になるのは、当院の禁煙外来受診者が激減していることです。
昨年、禁煙外来を新たに受診した方は20人でした。一昨年までの7年間は、年平均39.4人だったのにです。

加熱式に切り替えることで少し安心して、禁煙する意識が薄れてしまった方がいるのかもしれません。
しかし加熱式でも、ニコチンをガッツリ吸い続けることになります。「ニコチン依存症」は治りません。
加熱式タバコが発売されたばっかりに、喫煙率の減少傾向が鈍化しないかと心配です。

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ビワのタネは危険
- 2017/12/08(Fri) -
「ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう」
農水省から、こんなお知らせが出ました。ビワの種子を粉末にした食品から、有害物質が検出されています。

アーモンドや梅のタネの毒性については、前にも書きましたが、ビワも同系列の植物なんですね。
「アミグダリン」という成分がそれらの毒性の元であり、腸内で分解されると猛毒の青酸が生じるとのこと。

ところがこれが健康食品のように扱われ、ネットではビワのタネを使ったレシピも掲載されているそうです。
ググってみたら、ビワ種粉末の通販ってすごく盛況ですね。
アミグダリン=ビタミンB17だと書いているサイトもありますが、これは誤りです。

ネットの情報がいい加減なのは周知の事実ですが、鵜呑みにすると健康を脅かしかねません。

ビワといえば、屋敷にビワの木を植えたら病人が出る、なんて話を、むかし聞いたことがあります。
もちろん迷信ですが、迷信は迷信なりに、しばしばその根拠となる理屈があります。

たとえば、ビワの薬効を求めてケガ人や病人が集まって来る、なんてのもそのひとつ。
若い頃にバイトに行ってた某病院の入り口にも、立派なビワの木が植えられていたことを思い出します。
あれって、病院における招き猫のような意味合いで、わざと植えてたんでしょうかね。

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抗インフル薬注意喚起
- 2017/11/27(Mon) -
「抗インフルエンザウイルス薬の使用上の注意に関する注意喚起の徹底について」
厚労省は今日、このような通知を出しました。
以前から問題となっている、抗インフルエンザウイルス薬投与後の異常行動の発現についての、注意喚起です。

この異常行動は薬を服用していない子でも見られており、インフルエンザよる熱せん妄と考えられています。

そのことをわかっている厚労省ですが、自分たちがタミフルに濡れ衣を着せたことは認めません。そのかわり、
「抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無によらず」注意喚起を徹底せよと言っています。
タミフルは無実とは言わないけれど、タミフル以外にも原因を拡大して、なんとなくウヤムヤにする作戦です。

「具体的な注意喚起の例」として厚労省の通知では、転落防止等を考慮して、以下の2項目をあげています。
(1)高層階の住居においては(略)ベランダに面していない部屋で療養を行わせること
(2)一戸建てに住んでいる場合は(略)出来る限り1 階で療養を行わせること

どうでもいいとは言いませんが、なんかスケールの小さな、本質を見失った通知に思えてなりません。
もうそろそろ、異常行動はタミフルのせいではありませんでしたっ!、と明言してもらえませんかね。

なぜなら現実には、異常行動の原因はタミフルだと思い込んでいる患者さんが、いまだに多いのです。
裏を返せばそれが、タミフルさえ飲まなければ異常行動の心配はない、という誤解につながっています。
タミフルだけが10代への処方が禁止されていることが、問題の根源ですが、いつ解禁されるのでしょうね。

誤って止めてしまったタミフルを、まだ再開できずにいる厚労省の姿は、HPVワクチンの場合と同じです。

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受動喫煙防止ザル法案
- 2017/11/17(Fri) -
「モリカケ」問題がどう決着するのかと思ってたら、こんどは「ザル」ですか。

受動喫煙防止策は結局、店舗面積150平方メートル以下の飲食店での喫煙を認める法案に決着しそうですね。
「健康増進法」という名称が、ギャグにしか思えません。

当初の厚労省案の「30平方メートル以下」から比べると大幅な後退だ、なんて言う意見が出ています。
しかし私に言わせれば、30だって甘い。喫煙できるのは個人宅だけ、ぐらいの規制でもいいぐらいです。

国に対抗して、東京都がどのような条例をぶつけてくるのかが見物ですが、いまとなっては期待薄ですね。
小池都知事の勢いは、すっかり消沈してしまいました。都議会公明党の全面的協力を得るのも、難しそうです。
公明党は「知事とは一線を画し是々非々で判断する」と言っています。ここはぜひ「是」としてもらいたい。

東京都福祉保健局は今年9月に、「東京都受動喫煙防止条例(仮称)の基本的な考え方」を公表しました。
それによると、飲食店、百貨店、事業所、駅、空港なども原則屋内禁煙という、なかなか厳しい内容です。
例外は、面積30平方メートル以下のバー・スナックで、従業員が同意し、未成年を立ち入らせない場合だと。
また、一定要件を満たした「喫煙専用室」の設置は認めるようで、煙や臭いの流出がどのぐらい防げるのやら。

いっそのこと、街中のところどころに、「阿片窟」のような愛煙家専用バーを作ったらどうでしょう。
喫煙者を追いやらずに、むしろ集めるわけですよ。都営の「喫煙所」を、あちこちに配置してもいい。
なんなら、タバコを焚いて部屋中に煙を充満させた「受動喫煙所」なんてのを作ってもいいかもしれません。

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加熱式タバコ問題
- 2017/10/29(Sun) -
「加熱式タバコ」が広まりつつありますが、その問題点について啓発する動きも、このところ活発です。
当院でも禁煙外来を行っており、加熱式タバコについての理解を深めるための院内勉強会を、先月行いました。

禁煙外来には、紙巻きタバコと加熱式を併用している方が、時々いらっしゃいます。
喫煙本数としては、どのようにカウントすればいいのでしょうね。

喫煙には、喫煙者本人の健康問題と、周囲の人の健康問題(環境問題)があります。
煙の出ない加熱式に変えた方には、周囲には迷惑をかけないのだからいいだろう、という意識があります。
さらに言うなら自分の健康被害も、紙巻きタバコよりはマシだろうという思い(願い)があります。

いずれも誤解です。
加熱式タバコでも受動喫煙があります。煙が見えないのでそれを自覚しにくく、かえって危険かもしれません。
紙巻きタバコより健康被害が少ないと誤解することで、喫煙量がむしろ増えてしまうリスクさえあります。

「タバコはもう加熱式に変えましたよ」と、まるで禁煙が半分成功しているようにおっしゃる方が時々います。
これも大きな誤解です。実際には、禁煙のキの字にもなりません。まあ、言葉の上では禁「煙」ですけどね。

危険なモノは「見える化」して避けるべきなのに、加熱式タバコはそれを「見えない化」しているのです。

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ポカリで熱中症対策?
- 2017/08/11(Fri) -
川崎市内の工事現場の、「熱中症対策自動販売機」と張り紙がされた、ポカリ1本50円の自販機が話題です。
ポカリ代金の差額は大和ハウスが負担しているそうで、名目は「熱中症対策費用」だとか。

中学生の時、下校中に山口県庁に立ち寄り、職員用自販機で10円のファンタを買ってたことを思い出します。
県庁職員の福利厚生としての格安飲料だったのでしょうけど、私がとがめられることはありませんでした。

それはさておき、ポカリです。熱中症対策として推奨されていますが、場合によっては危険な飲料です。

先日、ひどい熱中症で、全身熱痙攣を起こしている方が来院されました。
作業でひどく汗をかいた後に、発症したようです。熱中症としては最重症のIII度です。
救急車を呼ぶ時間がもったいないので、当院ですぐ点滴しました。病状は劇的に改善しました。

ここまで熱中症がひどくなった原因は、ポカリの飲み過ぎです。

汗には塩分が含まれます。日頃あまり汗をかかない人が急に発汗すると、とくに塩分が出やすいといわれます。
塩分を多量に喪失した時には、塩分を摂らなければなりませんが、大事なのは飲料の水と塩のバランスです。

塩分を失った人が、体液よりも塩分濃度の低い飲料を飲めば、からだの塩分濃度はますます薄まります。
残念ながらポカリは、体液よりもずっと塩分濃度の低い飲料です。飲めば飲むほど体の塩分濃度は低下します。
塩分濃度が下がると、体は水分が過剰と判断して利尿作用が働き、ますます脱水になるおそれがあります。

普通の発汗のときはポカリでも良いですが、ひどい発汗時にポカリを過信しては危険です。塩が足りません。
熱中症対策として、その治療にポカリが最適であるかのようなメディアの扱い方には、問題があります。

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厚労省のダジャレ
- 2017/07/27(Thu) -
2年前にやっと「麻疹排除国」に認定されたばかりの日本ですが、麻疹は今なおたびたび集団発生しています。
その多くは、幕張メッセとか関西空港とかの例のように、海外で感染した方が日本に持ち込んだケース。

かつて「麻疹輸出国」と揶揄されていた日本が、いまは晴れて「麻疹輸入国」の仲間入りです。
などと冗談を言ってる場合ではなく、海外渡航者に対する麻疹予防の啓発が喫緊の課題となりました。

厚労省のキャッチコピーは、『マジンガーZ』とコラボして、「みんなで目指そう『麻しんがゼロ』」だと。
なるほど「麻しんがーゼロ → マジンガーZ」って、誰ですか、その苦しいダジャレを採用した責任者は。

今日からダウンロードできる、マジンガーZをフィーチャーしたポスターは、まあ悪くない仕上がりですけど。

それにしても最近の厚労省は、啓発ポスターのダジャレがひどすぎませんか。
たとえば、デング熱ジカウイルス感染症など、海外の蚊は意外に危険だという趣旨のポスターのコピーは、
「蚊意外にキケンあり」「キケンな蚊、どうする蚊?」

思わずズッコケながら、ポスターを詳しく見ると、さらに悪ノリしています。
「さされないために何ができる蚊?」「さされるとどんな病気にかかるの蚊?」

鳥インフルエンザ発生地域への旅行者に対する啓蒙ポスターでは、ニワトリやアヒルに近づかないようにと、
「鳥扱い注意」「海外での鳥扱い説明書」

あのね、厚労省の方。少々ふざけ過ぎ鳥ません蚊?(ありゃ、うつった)

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フレイル対策
- 2017/07/17(Mon) -
先月公表された、厚労省の「平成28年 国民生活基礎調査の概況」で「介護の状況」をみると、
「要支援」となった原因の第1位は「関節疾患」、2位が「高齢による衰弱」、3位「骨折・転倒」でした。
「要介護」となった原因の第1位は「認知症」で、2位は「脳卒中」、3位が「高齢による衰弱」でした。

「要支援」も「要介護」も、「高齢による衰弱」が主要な原因だったというのがポイントです。

ちなみに平成28年の「国民生活基礎調査」には、熊本県が含まれていません。
熊本県ではこの年、震災で調査どころではなかったのです。県内の介護認定も滞った年でした。

厚労省は「高齢者の虚弱(フレイル)に対する総合対策」を打ち出しましたが、その「フレイル」って何?
お役人だけが悪いとは思いませんが、このようなカタカナ言葉を登場させられても、市民はピンときません。

「加齢とともに心身の活力が低下し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの危険性が高くなった状態」
これが厚労省による「フレイル」の定義ですが、つまり簡単に言えば「老衰」のことですよね。

医学・医療が進歩し、がんでも心臓病でも脳卒中でも感染症でも、昔のようには死ななくなった。
人間は、その心身能力の限界まで生きるようになってきたわけで、その最終段階がフレイル(老衰)なのです。

後期高齢者の保健事業の在り方として、「フレイルの進行を予防する取組が重要」だと厚労省は言っています。
でも、たとえ老衰の進行を予防できたとしても、結局その先に待っているのは、老衰なんですけどね。

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がん検診の見落とし報道
- 2017/07/14(Fri) -
青森県が行ったがん検診の調査検査を、NHKが大きく取り上げて、波紋を呼んでいます。
NHKは「胃がんと大腸がんでは、4割が見落とされていた可能性がある」などと報じました。

これに対して国立がん研究センターが、今回の調査では評価困難だととの声明を発表しました。

青森県がん情報サービスのサイトで調査結果をよく見てみると、ほぼNHKの誤報ですね。問題点は2つ。
(1)症例数が少なすぎる
(2)観察期間が短すぎる

これは青森県の責任ではありません。予備的調査として、10町村の検診結果をまとめてみただけなのです。
たとえば胃がん。ある1年間で見つかった胃がん患者は、全部で10人。
そのうち検診で要精査とされていたのが6人。あとの4人は精査不要と言われていた。だから見落とし4割だと。

たったの10人ですよ。この人数で、どれだけ正しい評価ができるというのでしょう。
調査対象の10町村の、それぞれの町村1つずつの結果を見ていくと、その問題がもっとはっきりします。

ある町(村)では、胃がん患者は1人だけ。この人は検診で要精査だったので、この町(村)は見落としゼロです。
一方で別の町(村)では、胃がん3人が全員、検診では精査不要との判定だったので、なんと見落とし10割です。

このように、少人数の患者の調査で、的中率だとか見落とし率だと言うこと自体、ナンセンスなのです。
せめて、がん患者100人単位で調べた結果なら、多少は統計学的に意味があるでしょうけどね。

もちろんこのことは青森県もわかっていて、やがて全県に広げるつもりの調査の、あくまで予備調査なのです。
ところがNHKはその数値の部分に食いついて、大きく報じたわけです。統計学的な思考が全く欠けています。

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血圧人体実験
- 2017/06/30(Fri) -
ナイスじゃないカップ麺について、昨日書きましたが、塩分が多い食事を摂ると、ただちに血圧が上がるのか?
これは科学的に検証する必要があります。つまり、実験です。人体実験です。

そこで今晩、問題のカップ麺摂食前後の血圧、とくにスープを飲む前後の血圧を精密に測定してみました。
血圧は、オムロンの上腕式血圧計HEM-7600Tを使って、毎回2度計測してその平均値を測定値としました。
この血圧計は、測定値がBluetoothによってリアルタイムにiPhoneに送信され、記録・管理できます。

入浴後、ビールを2本飲み、地鶏焼きとカボチャコロッケと佐賀牛を食べ終わってから、実験開始です。
「カップヌードル ナイス 濃厚! ポーク しょう油」を、硬麺の状態で食べました。汁は全部飲みました。

まず、言いたい。塩辛いことこの上なし。カップの底に、濃厚な辛いスープが沈殿しており、のどが痛みます。
コクやうま味よりも、とにかく塩辛い。やっぱりダメでしょう、この味付けは。で、血圧は、
食前:116/73 → 麺食直後:108/68 → スープ飲んだ直後:101/62 → その30分後:108/70

めちゃ塩辛いスープを飲んだ直後は、血圧はむしろ下がっています。カーッとして、血管が拡張したのか。
その後、スコッチをロックで2杯飲み、1時間後に血圧を測ってみると、血圧はさらに下がって94/65。
食塩摂取による血圧上昇は、もっと後で起きるのでしょう。飲酒による血圧低下作用の方が強く現れています。
アルコールって、思いのほか血圧下げますね。飲酒後の入浴が危険なはずです。

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サングラスで日焼け対策?
- 2017/05/01(Mon) -
今日から私はまた2連休。天気もいい。自転車を清掃・整備して、昼から近場を少し走ってみました。
半袖のポロシャツでちょうど良い気温と日差しでした。でもこんな日こそ、紫外線対策が必要なんでしょうね。

最近よく聞くのは、日焼け対策にはサングラスが有効、という話。
目が紫外線を感知すると、脳神経と内分泌を介して、皮膚のメラニン合成を促進するからだそうです。
その仕組みを逆手にとって、目に入る紫外線をブロックすることで皮膚の日焼けを防ごう、というわけです。

でも、そんなことしていいのでしょうか。
そもそも日焼けは、皮膚細胞のDNAが紫外線の影響を受けにくくするための、防御反応のはず。
メラニン色素は、紫外線が皮膚に深く入り込んでいくのをブロックする、バリアーじゃないのですか。
日焼けは、体に備わっている紫外線対策(発がん対策)ではないのですか。

サングラスを着用すれば、目そのものを紫外線から守ることはできます。
しかし皮膚を紫外線から守るためには、日傘や衣類や日焼け止めクリームを使うべきです。
サングラスをかけて日焼けを防ぐのは、皮膚がんを防ぐ目的では、まったく本末転倒。逆効果。
とは思いながらも何しろ外はまぶしいので、この季節からの自転車は、やっぱりサングラスが必要ですね。

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受動喫煙問題
- 2017/04/11(Tue) -
自民党内でも意見が分かれる事柄はいくつもありますが、受動喫煙対策の論争は、いただけませんね。
対立軸は「禁煙」vs「分煙」。「党受動喫煙防止議連」vs「党たばこ議連」と言い換えることもできます。

「受動喫煙防止議連」は、このたびの厚労省案に従って、受動喫煙の規制を強化せよ、という人たちです。
一方で「たばこ議連」は、飲食店に「喫煙・分煙・禁煙」の表示を義務づける、という対案を出しています。

たばこ議連というのはつまり、愛煙家の集まりですよね。いま、肩身が狭くなりつつある人たちです。

その自民党の愛煙家のオッサンたちの肩を持つ報道をしているメディアがあり、禁煙学会が反発しています。
先月、各メディアが行った世論調査の結果が、真逆だからです。

朝日新聞:原則禁煙(厚労省案)「賛成」が64%
毎日新聞:原則禁煙(厚労省案)「妥当」が58%
産経新聞:たばこ議連の案を支持する声が60.3%

日本禁煙学会が発表した調査結果では、圧倒的に厚労省案が支持されており、産経の調査には疑問があります。
調査対象中の喫煙者の割合などの詳細を公表しておらず、客観性に問題があるかもしれません。
アンケートなんて、調査対象の選び方によっては、恣意的な結果が出せるということの見本ですね。

世界が禁煙を推進しているいま、「愉しみを奪うな」と厚労省案に反対する議員には、未来はありません。

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先輩の急逝に思う
- 2017/03/27(Mon) -
大学の医局の先輩が、2日前に急逝されました。64歳でした。
その2日前には、長時間の心臓手術を執刀するなど、まったく普通に仕事をされていたそうです。
死因は心筋梗塞だったと聞きました。就寝中の出来事です。

このような、比較的若い年齢での突然死には、長患いの後に亡くなる場合とは異なる、怖さを感じます。

ひとつは、自分の身辺整理も、家族や職場へ何か言い残すことも、何もできないということです。
やりかけの仕事や懸案の問題に対して、まったく中途半端なことになってしまい、ひどく不本意でしょう。
残された者にもやりきれない悲しみと喪失感とショックを与え、同時に多大な混乱を引き起こします。

何も苦しまないまま突然亡くなる、いわゆる「ポックリ病」が望ましい死に方だと言う人が、昔はいました。
しかし、ポックリ病の実態は致死性不整脈による突然死の場合が多く、比較的若い方が命を落とします。
そのような死に方が、望ましかろうはずがありません。

助かる命は助けなければなりません。致死性不整脈の多くは、適切な心肺蘇生によって救命しうるものです。
最近では当たり前となった、AED(自動体外式除細動器)も、その有力な救命道具です。
当院にもAEDを設置していますが、それは患者さんのためでもあり、私のためでもあります。

そういえば、自宅にAEDが無いことが、なんだかひどく気になってきました。
もっとも、たとえ家にAEDを設置しても、いざという時に適切に使ってもらえるかどうかが問題ですけどね。
なんにせよ、日々の健康管理が第一だと、あらためて感じた次第です。

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「金沢宣言」
- 2017/03/25(Sat) -
日本循環器学会(通称「日循」)は、金沢で先週開催した学術集会で、「金沢宣言」を採択しました。
「脳卒中と循環器病の多くは生活習慣の改善で予防できる」ということを、あらためてアピールしたものです。

金沢宣言に異を唱えるわけではありませんが、ふと、生活習慣の「改善」って何だろう、と思いました。

おそらく、結果として生活習慣病につながるような生活習慣が、「悪い生活習慣」なのでしょう。
そしてそのような生活習慣をしないように改めることが、「生活習慣の改善」なのでしょう。

しかし生活習慣の悪い部分を改善すると言うのは簡単ですが、その方法はケースバイケースです。
私は何年も前から1日1食ですが、この方法を開始して減量できたので、私には悪い習慣とは思っていません。

運動によって体重が減って活気が出てくる人もいますが、食事制限がストレスになる人もいます。
生活習慣を改善するように言い続けてると、ついに当院に通院されなくなる方も、稀ですがいらっしゃいます。

将来、心臓病や脳卒中になったら困りますが、その予防がストレスになってもいけません。
重要なのはモチベーションでしょう。私の経験上、適度な具合の「成功体験」が必要だと思います。
何を指標にして、ゴールをどこに置くか。そのペース配分と適切な評価が、医者の務めかもしれません。

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マキロンの成分
- 2017/03/18(Sat) -
子どもの頃、外で転んで膝を擦りむいたら、いつもオキシドールと赤チンで消毒していました。
その2つの組合せが最強だと、私なりに思っていたのです。
その後、赤チンには水銀が入っているので良くないということになり、黄色のアクリノールを使い始めました。
やがて、使いやすくて色が付かない消毒液「マキロン」が発売されたら、そればかり使うようになりました。

薬剤の色が薄くなるにつれて、有効性はともかく、毒性(副作用)もないだろうと安心して使っていました。
しかし、その認識は間違いだったかもしれません。マキロンの成分には、毒性があったからです。

最近、医療系サイトにもマキロン関連の記事が出ていたので、注意喚起のために書き留めておきます。
問題となったのは、「マキロン」に含まれていた「ナファゾリン」という血管収縮薬の毒性です。
小児の内服致死量は、体重1kgあたり0.1mgとされているので、1歳の赤ちゃん(体重10kg)だと1mg。
マキロンへの含有量は1mlあたり1mgなので、たった1ml飲んだだけで死んでしまうということになります。

この点が問題となり、10年ほど前から、ナファゾリンが取り除かれた「マキロンs」に切り替わっています。
つまり、いま日本国民が「マキロン」と思って買っている消毒薬は、じつは「マキロンs」なのです。
確認のため、わが家のマキロンを見るとしかし、それは「マキロンs」ですらなく、「マッキンZ」でした。

コスモスで買ったのはマキロンの類似品でした。そしてその容器には、ナファゾリン含有と書かれていました。
このように、マキロンの類似品には、かつて問題となった成分がいまだに含まれているということです。

何か問題が起きると、成分と商品名をこっそり変えるのは、大手製薬メーカーのやり口です。
しかし類似薬では、そのような面倒なことをしてないので、問題が残ったままになります。要注意です。

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インフル油断せずに
- 2017/03/11(Sat) -
インフルエンザの先週の定点当たり報告数は、熊本県が16.41、熊本市が11.68と、流行の終息基準間近です。
しかし流行はピークを越えたとはいえ、まだくすぶっています。
1月にA型に罹った方が、最近になってB型を発症するようなケースも目立ちます。
A型に感染しても、B型の免疫は獲得できないのです。その逆もまたしかり。

それどころか、A型インフルエンザに2度罹った人も、複数います。
どちらも迅速検査で陽性反応が出ており、ほぼ間違いはないでしょう。
一方がA(H3;いわゆるA香港型)で、もう一方がA(H1 pdm09;ちょっと前の新型)かもしれません。

そんな中、1月2月を無事乗り越えた当院職員が、3月に入って次々とインフルエンザに罹ってしまいました。
型が変わったためでしょうか、決して油断したわけではないのです。
規定通り5日以上の出勤停止としているために、今日は同時に2名が出勤停止中という異常事態に陥りました。
マンパワー不足でてんてこ舞いの診療でしたが、これが1月のハイシーズンでなくてよかったと思います。

さて心配事は、もしも私がインフルエンザに感染したら、ということ。
開院して9年半になりますが、まだ一度もインフルエンザに罹っていません(←たぶん)。
だから一度も、クリニックを病欠したことはありません。そう言えば、その前の市民病院時代もそうでした。

その前の、某大学病院時代には、高熱で寝込んだことが一度ありました。ちょうど年末年始のこと。
医者にはかかりませんでしたが、たぶん、インフルエンザだったのでしょう。
12月30日から年賀状の準備をする予定が狂い、体調回復後の1月2日から準備を開始したことを思い出します。
油断大敵です。

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ガッテンできない話
- 2017/03/03(Fri) -
NHKの「ためしてガッテン」がいつの間にか、ただの「ガッテン!」になってます。
「ためして」無いのです。「ためさずガッテン!」です。偶然か、番組の質も落ちたような気がします。

今週は「決定版!コラーゲン100%活用SP」と題して、コラーゲンが皮膚や関節に効く、という話でした。

以前この番組では、「コラーゲンは食べたら消化分解されて、コラーゲンではなくなる」としていました。
今回はそれを覆し、「コラーゲンが十分に分解されなければ、またコラーゲンが作られやすい」という話。

ある研究を参考にして、必ずしも定説ではない理屈で、コラーゲン食品の効果を宣伝するような趣旨です。
これはまさしく先週の放送と同じで、一部の学説を過大に評価して、一般人に間違った知識を与えるものです。

大炎上したと言ってもよい先週のテーマは、「最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎」でした。
「特定の睡眠剤(2014年発売の『ベルソムラ』)を飲んで熟睡すると、血糖値が下がる」というのです。

たしかに、不眠は耐糖能を悪化させるので、睡眠剤によって熟睡できれば、血糖値が下がりやすくなります。
睡眠リズムが改善することは、食生活をはじめとする生活習慣の改善にもつながるでしょう。
また睡眠剤のなかでは、まったく新しいメカニズムで効く『ベルソムラ』が、最近の話題になっています。

ただそれだけの話だと私は思うのですが、まさか、糖尿病の治療のためにこの薬を処方するなど、論外です。
標準的でもなければ、保険も利かないような治療法を、NHKが大々的に取り上げるのは、問題です。

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きざみのりが犯人
- 2017/03/01(Wed) -
立川市で1,000人以上の食中毒を出した原因が、某メーカーが製造した「きざみのり」だと判明しました。
未開封の製品からノロウイルスが検出されたといいますから、これはもう、間違いなくクロでしょう。

おまけに、先日の和歌山県御坊市の食中毒事件でも、この製品が使われていたことまで明らかになりました。
調理場の工夫と意識改革が必要だと前には書きましたが、訂正します。給食室の問題ではなかったのです。

驚くことは、いろいろあります。
まず、たったひとつのメーカーの製品が、全国各地に大規模な食中毒を引き起こしたということ。
しかもノロウイルスとは無縁とも思える乾物に、ウイルスがしっかり長期間残留していたというのも衝撃的。
海苔は食べる前に加熱しないことも多いだけに、今後どのように対処すべきか、難しい問題となりました。

給食できざみのりを振りかけた親子丼を食べて、一番早いケースでは、翌日午前1時に発症したようです。
つまり潜伏期約12時間。これはノロウイルス感染にしては異常に早い。教科書を書きかえる必要があります。

食中毒と言えば、実は今朝、嘔吐症状を訴える複数のお子さんが、当院を受診しました。
同じ保育園に通っているお子さんたちです。同園では他にも多数、同様の症状のお子さんが出ているとのこと。
園内で園児たちが特定の食品を食べた直後から、一斉に症状が始まったということが、とくに問題です。

とても短時間で発症しているので、ノロウイルスなどの感染型ではなく、毒素型食中毒と私は睨んでいます。
現在、保健所が調査中です。園児たちの病状が軽くて済めばよいのですが。

(3月2日追記)
毒素型食中毒かと思っていた、当院近隣の保育園の胃腸炎は、その後も散発的に発症者が続いています。
どうやら、普通のウイルス性胃腸炎(感染性腸炎)だったようです。

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医者の喫煙
- 2017/02/25(Sat) -
「日本医師会員喫煙意識調査」(2016年調査)の結果が、先週報告されました。

これによると男性医師の喫煙率は、2000年の27.1%から2016年には10.9%に「激減」しています。
ちなみにJTの調査による一般男性の喫煙率は、2000年が47.4%で、2016年は29.7%です。
医師はもともと喫煙率が低く、とくに最近は一般男性よりもずっと速いペースで、禁煙が進んでいるようです。

しかし私が研修医の頃(80年代半ば)は、ひどかった。一般人でも医者でも、非喫煙者の方が少数でした。
病棟のナースステーションや廊下では、医師たちが人目もはばからず喫煙しながら談笑していました。
そういう時代でした。当時は「医師が率先して禁煙してみせよう」という発想など、なかったのです。

今回の調査で、診療科別の喫煙率は、呼吸器科が最低(3.5%)で、泌尿器科が最悪(17.5%)と判明。
呼吸器科の医師ですら、3.5%がタバコを吸っているというのも、どうかと思います。
日本呼吸器学会の呼吸器専門医は、「非喫煙者」であることが資格要件のひとつのはずなんですけどね。

当院では禁煙外来を行っており、「敷地内禁煙」を徹底しています。それが施設基準の条件だからです。
ところが、毎朝駐車場を掃除していると、必ず数本の吸い殻が見つかります。

生活習慣病の最大の要因のひとつが喫煙です。そのような方は、絶対に禁煙しなければなりません。
しかし患者さんの中にも、どうしても禁煙が出来ない方が、おおぜいいます。
毎月しつこく禁煙を勧めますが、喫煙の問題は最終的には自己責任だけに、そう簡単には説得できません。
まして、医師自身が喫煙者だと、このような場合の説得力はゼロでしょうね。

禁煙できない生活習慣病の方の診療というのは、まことに矛盾に満ちたもので、むなしくさえ感じます。
まるで、強い毒を飲み続けている人に、弱い解毒剤を一生懸命処方しているようなものなのです。

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あえ物で食中毒
- 2017/02/04(Sat) -
こんどは松山赤十字病院で、ノロウイルスの集団感染が起きました。今回も、給食が原因と考えられています。
そのメニューは、「アジの南蛮漬け、ほうれん草と豆腐の白あえ、キュウリのレモンあえ」など、だそうです。
どうも、「あえ物」が怪しいですね。

和歌山県御坊市で起きた、ノロウイルスが原因と思われる集団食中毒の原因メニューは、「磯あえ」でした。
下ゆでしたほうれん草ともやしと、加熱したちくわを「あえて」から、刻みのりを加えたものだったようです。

もしかすると「あえ物」って、製造工程で病原体に汚染され易いんじゃないですかね。よく知らんけど。
あえる食材はそれぞれ、あらかじめ加熱してあっても、あえた後には、あえて火を通さないんでしょう? 

給食レベルの大量製造においては、両手でわっさわっさとあえてるんじゃなかろうかと、想像したりもします。
ちゃんと手袋をしてるんでしょうけど、その手袋の使い方が正しく守られているのか、心配になります。
まず手袋の装着法からして、外科医のように厳密とは思えません。清潔と不潔の区別もそうです。

外科医が手袋で触ってもいいのは、消毒した皮膚と、体の内部と、滅菌済みの手術器械や材料だけです。
ところが調理の現場では、加熱済みの料理も、調理前の食材も、同じ手袋で触れてしまう可能性があります。
調理道具や調理器具のスイッチやエプロンなど、汚染されていると考えるべきものに、触るかもしれません。
そのようなモノに手袋で触れたなら、すぐに水道水で手袋を洗う必要があります。水洗いだけでも有効です。
あと、洗った後の手袋で蛇口に触れるのも、やめましょう。蛇口は、手を洗う前にも触るところだからです。
清潔な操作には、調理場の工夫と、意識改革が必要です。

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ギックリ診療
- 2017/01/25(Wed) -
人生には、3つの坂があるといいます。「登り坂」、「下り坂」、「まさか」。
震災の時に、このようなたとえ話を聞いて、結婚披露宴でよく聞く「3つの袋」の話を思い出しました。

今朝、イスから立ち上がり(登り)、また座った(下り)その瞬間に、まさかのギックリ腰です。
しばらく激痛に悶絶し、心を静めてゆっくり立ち上がると、なお痛い。痛すぎてもう、座れない。
歩き始めるとさらに痛み、かといって止まるのも痛くて、しばらくウロウロしながら、ゆっくり減速し停止。

前回のギックリ腰のときに使ったコルセットの存在を思い出し、探し出し、装着。多少いいか。
這うようにして出勤したものの、痛みのために動きが緩慢で、何をやっても時間がかかる。
膝を曲げ、尻を後ろに突き出し、腰は伸ばして、上体は前傾させ、そろそろ歩く。猿人のような体位です。

昼休みにダッシュで近所の整形外科に行き、レントゲンやら何やら検査して、処方を受け、仕事に戻りました。
いわゆるギックリ腰なのでしょうが、運動不足や加齢によるさまざまな増悪因子もありそうです。
鎮痛剤と湿布とコルセットに頼り、猿人スタイルで、なんとか夜まで診療を続けることができました。

急性期の今日は入浴しない方が良いのか、いや、風呂で腰を温めて、血流を改善した方が良いに違いない。
そう思って、敢えて熱めの風呂にじっくり入りました。どうやら、間違いではなさそうです、今のところは。
今日からしばらく、禁酒することは言うまでもありません。昨夜開栓したワインは、料理用となりました。

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元日からの禁煙のために
- 2016/12/26(Mon) -
禁煙補助薬「チャンピックス」を使った禁煙外来を始めて、6年以上たちます。
これまでに300人以上の方が、当院での禁煙治療を行いましたが、成功率は半々ぐらいかもしれません。
その正確な詳細は、じつはよくわかっていません。なぜなら、
(1)途中から来院されなくなった方が、禁煙に成功したのか、諦めたのか、区別がつかない
(2)禁煙外来を満了された方が、その後も禁煙を維持できているのかどうか、確認できない

これらの方には、最終来院日の半年後とか1年後とかに、電話か何かでお尋ねするという手もあるでしょう。

しかし、禁煙に失敗して後悔している方には、傷口に塩を塗るようなことになりそうで、躊躇します。
そのような方に、禁煙再挑戦を促すことは悪くないのでしょうけど、どこか押し売りっぽくも感じます。

いったん禁煙できていた方が、また喫煙生活に戻ってしまうきっかけの多くが、会社の飲み会です。
1本だけ、と思って吸った1本が、1本で済むことはほとんどありません。たいていは、喫煙生活に逆戻りです。
その1本を勧めた同僚を責めるのではなく、会社全体として禁煙に取り組まなければ、なかなか成功しません。

折しも、禁煙を始めるには絶好の「元旦」が近づいています。
チャンピックスは、内服開始とともに喫煙本数を減らし、その翌週から完全禁煙に移行するのが標準。
つまり、今週から内服を開始すれば、ちょうど元日からの禁煙を「補助」することができるわけです。

というわけで、元日から禁煙するなら、年内のうちに禁煙外来へ。まだ間に合います。

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孫の手
- 2016/12/10(Sat) -
「4年以内に、500億ドルを米国に投資し、5万人の雇用を米国に創出する」
ソフトバンクの孫正義社長が、米国でトランプ氏と電撃会談した際に、このように約束しました。
それを報じる新聞の見出し「孫社長の先手」という文字面から、「孫の手」を連想したのは私だけでしょうか。

ちょっと前まで引退をほのめかしていた孫社長ですが、ここにきて、かなり激しくやる気になってます。
しかし、今日私が書きたいのは「シンギュラリティ」のことではなく、孫の手の話です。

あの棒状の、しばしば竹製で民芸調の、背中を搔くやつ。どこのご家庭にもあるでしょう。ないですか。
わが家には、トイストーリーのキャラクターのものがあります。
しかしその孫の手が、なかなか痒いところに届かないのです。たぶん、先端が尖ってないからでしょうね。
痒いところはまず、いったん、痛いぐらいに強く搔きたいもの。それには通常の孫の手では力不足なのです。

で、私が作ったのは、市販の孫の手の先に、使い古した歯ブラシをくくりつけた、専用の背中搔き道具です。
痒いところにピンポイントで孫の手先が届きます。皆さんもぜひ、作ってみてください。

とは書きましたがこの季節、乾燥肌を掻いてますます痒くなり、傷だらけになって来院される方が多いです。
外用薬(保湿剤など)と内服薬(抗ヒスタミン薬)を処方しますが、皮膚を搔かないことがなにより大事です。
ひどい状態になる前に、(孫の手を工夫する暇があったら)、早めに治療を開始した方がよいでしょう。

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ヨーヨーダイエット
- 2016/12/02(Fri) -
「ヨーヨーダイエットで心突然死3.5倍」というニュースタイトルが目に付いたので、食いつきました。

ダイエット法にも色々あって、フラフープとか、ヨガとか、それにしてもヨーヨーというのは変わってるな。
そう思って記事を読んだら、全然違う。恥ずかしい勘違いでした。
減量とリバウンドを繰り返すことを「ヨーヨーダイエット(yo-yo-dieting)と言うとは、知らなかった。

だいたい、ヨーヨーってのは、元々どこの遊びですか。と、苦し紛れに矛先を変えたりします。
起源は中国だといわれますが、古代ギリシアという説もある。日本に入って来たのは江戸時代のようです。

私が子どもの頃から今までに、ヨーヨーの流行は何度かありましたが、大ブームではありませんでした。
大ブームでいうなら、アメリカンクラッカーでしょう。あれは凄かった。そして廃れるのも早かった。

珍しく元の話題に戻りますけど、ヨーヨーダイエット。最近の研究によると、体重の変動は危険、という話。
減量の後でリバウンドした女性は、最初から減量しなかった女性よりも、心臓突然死が多かったとのこと。

一見、衝撃的なニュースですが、よく読むと、そうでもない。
(1)標準的な体重の女性は、減量してリバウンドすると、心疾患による死亡リスクが高かった
(2)肥満女性では、体重の増減を繰り返しても、とくに死亡リスクに変化は無かった

今回の研究結果は、本来ヨーヨーダイエットが問題となる肥満気味の方には、あまり関係ない話でした。
標準体重よりは減らすなと、もし減らすならリバウンドしない覚悟でやれと、そういうことでしょうね。

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勝手に詰めてはダメ
- 2016/11/08(Tue) -
朝は野菜ジュース。昼はコーヒーのみ。間食なし。夕食はたらふく、しかもデザート付き。私の食生活です。

3日前の土曜の晩のこと。チャーハンを食べてる途中で、ガリッと硬いモノを噛みました。ごはん粒の塊?
口から出してみると、硬い物体は小さな銀色の十字架です。よく見るとそれは、歯の詰め物、銀歯でした。

歯の治療なんて、最後にしたのは学生時代。だからその銀歯も、30年以上ずっと持ち続けていたものです。
それが今になって、たかがチャーハンを食べたぐらいで、ポロッとはずれたわけです。

歯科で治療してもらわなければなりませんが、なにしろ土曜の夜です。まずは応急処置をしておきましょう。
鏡を見ながら、銀歯を右下奥の元の位置に納めたら、これがジャストフィット。当たり前か。
用心しながら、残りのチャーハンと、デザートの蜂楽饅頭を摂取。噛むのはもちろん、左側の歯です。

翌日は日曜日。『真田丸』のオープニングテーマが、もったいつけてなかなか出ない、と思ったらラストとは。
などと驚嘆したものだから、グラタンをうっかり右奥歯で噛んでしまい、またガリッ。あ、しまった。
でも大丈夫。すぐに装着。ジャストフィット。その後はもちろん、夕食を完食。デザートのケーキも。

昨夜は用心してましたが、テレビのニュースに熱中した瞬間に、シュウマイでガリッ。学習してませんね。
で、今日は休みなので歯科受診。接着剤付けて、きちんと詰めてもらいました。まだ長持ちしそうです。

あとでネットで調べたら、自分で勝手に詰め物をはめ込んではならない、とありました。
土台の歯が欠けたり、すぐに外れて飲み込んでしまうかもしれないからです。自己流の対処は禁物ですね。

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過活動膀胱の尿トレ
- 2016/10/23(Sun) -
「快尿!おしっこトラブル 全部解決の5秒ワザ」が、数日前のNHK「ためしてガッテン」のタイトル。

そこで取り上げていた5秒ワザというのが、「お尻体操」です。肛門を、5秒間締めたり緩めたりするもの。
もうひとつ、「おしっこトレーニング」も紹介していました。今日はそっちを掘り下げます。

頻尿の人の多くは、尿意を感じるのが異常に早くなってしまっている、という問題があります。
ちょっとした尿意ですぐトイレに行くと、ますます尿意センサーが過敏になってしまうという悪循環です。
それを克服するために、敢えて尿意をがまんして、尿意センサーを鈍感にしましょう、というわけです。

子どもの頃から、おしっこをがまんしすぎないように、と教えられてきた方には、少々抵抗のある話です。

職業柄(元外科医)私は、長時間の手術に従事しているうちに、尿意がどんどん鈍感になりました。
おかげで、飲まず・食わず・出さずで、12時間や16時間程度なら難なく乗り切れるカラダになりました。
ただしその弊害として尿管結石になってしまった話は、以前ご紹介した通りです。

開業してからは、いつでもトイレに行ける環境に慣れたためか、排尿間隔はほぼ人並みに戻ってしまいました。

子どもの夜尿症も、夕方以降の水分の摂り過ぎのほかに、「がまん尿」不足が原因のケースがよくあります。
頻尿気味の方はいちど、思いっきり尿意をがまんして、どれぐらい膀胱に溜められるか、測ってみましょう。
尿意をがまんする練習によって、その量をだんだんと増やせれば、過活動膀胱の症状が改善するでしょう。

冒頭で紹介した番組では、独特のヘアスタイルのウエブデザイナー大谷大氏の経験談が紹介されていました。
「朝一のトイレをいかに我慢できるかでその日の快適さが変わる」と、彼はブログに書いています。さらに、
「起きたらすぐにトイレに行くという習慣になっていたので、それをやめただけでかなり効果がありました」
これはもしかすると、過活動膀胱の方には、目からウロコのトレーニング法かもしれません。

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塩分と高血圧
- 2016/07/12(Tue) -
塩分と高血圧は、関係が深いもの。今夜のテレビ番組でも、それをとり上げていました。

私自身、ずいぶん前から、塩分控えめの食生活を意識しています。
刺身や冷や奴も醤油を使わず、ワサビや生姜だけで食べることには、すっかり慣れました。慣れるものです。

番組では、被験者に一定の食事を摂らせて、尿にどのぐらいの塩分が出ているかなどを検証していました。
それで思い出すのが、学生時代の3年生の時の、生理学の実習です。
摂取した水分とその内容によって、どのぐらいの水分と塩分が尿に出てくるか、それを人体実験するものです。

各班のメンバーが、それぞれ何を飲むかを、話し合い(またはじゃんけん)で決めます。
決められた時間のうちに、自分が担当する水分を摂取し、定期的に尿を採取して、その量と成分を分析します。

私に割り当てられたのは、「ビール1リットル」でした。これは、はっきり言ってラッキーです。
ラッキーですが、朝からビールをイッキ飲みするのは、ちょっと後ろめたいような感覚でした。
他の班員は、例えば、水1リットルとか、重曹水1リットルなど、ビールよりも厳しい飲料でした。

しばらくして、みな尿意を催すので、トイレで尿を採取し、尿中の塩分量などを計測します。
しかし、ビールを飲んだ連中だけは、なぜか実習室を離れ、ぬら〜っと、生協に集まりました。
そこにはつまみがあるからです。ビールだけ1リットル飲まされて、つまみナシはあり得ないでしょう。
私はたしか、烏賊の姿焼きみたいなのを食べました。何かの缶詰も食べたかもしれません。
さらに、つまみが入れば余計にビールを飲みたくなるもの。生協で、追加のビールを摂取してしまいました。

このようにして、規定の1リットルを大きく上回るビールを摂取し、実習など、どうでもよくなったのです。

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1日1食生活
- 2016/06/18(Sat) -
1日1食生活を始めて、10年以上たちます。
最近は、ついつい昼にグラノーラとかを食べていましたが、いけませんね。油断してました。

以前も書いたように、私の1日1食はもともと、「BOOCSダイエット」の一環です。
理屈は色々ありますが、以下の条件を全て満たすために私は、1日1食にするしかないのです。
(1)夕食は腹一杯食べたいし、食後には甘いものもタンマリと食べたい。
(2)ビールとかワインなどのアルコール類も、夜は心置きなく飲みたい。
(3)1日の総摂取カロリーは抑えたい。

よく知られていることですが、タモリも、たけしも、Gacktも、福山雅治も、1日1食派です。
同じく1日1食の水谷豊は、「夜には食べたい放題」と言っています。まさに私の言いたいのがこれです。

私の夕食の内容を聞けば、多くの人が「そりゃ食べ過ぎ」と言います。
満腹食べた挙げ句のデザートに、菓子パンとどら焼きとアイスクリームを食べたりするからです。

しかし、以前1日3食を食べていた頃と比べて、夕食の量はそれほど増えたわけではありません。
もともと夕食は、食べ過ぎていたのです。腹八分どころか、言ってみれば、腹十五分ぐらいだったのです。
だから1日1食、夕食だけを摂ることにすれば、朝と昼の食事がなくなった分、摂取カロリーが減るわけです。

このダイエット法は、夜にドカ食いしたい人には、うってつけの方法です。
有名人に1日1食派が多いことが知られるようになって、この方式もようやく、市民権を得つつあるようです。

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健診前はいつも通りに
- 2016/06/11(Sat) -
生活習慣病の方に血液検査をした場合、とくに大きな問題がなければ、翌月の来院時に検査結果を説明します。
この最近の1,2週間は、ちょうど震災後の混乱期に検査をした方々への結果説明が続いています。

多くの方で、糖尿病や高脂血症の数値の悪化が見られました。それを本人に伝えると、
「カップ麺やら炭水化物ばっかり食べよりましたもんねぇ」との返答があり、「ですよね」と私も応じます。
だいだいこのような会話が、このところ毎日繰り返されています。

地震直後の今回は特別としても、通常はこれではいけません。
「いま忙しくて運動する暇がないのです」と言う方は、たぶんこの先も、ずっと忙しいはずです。
「最近残業続きで」と言う方の「残業」は、残念ながら今後も減るとは思えません。
「飲み会が続いてたので」と言う方の「飲み会」についても同じこと。飲み会は、なくなりません。

多忙な毎日を送っている人は、その多忙な毎日における体調こそが、重要です。
不摂生な生活の人は、その不摂生な状況のままで検査をしなければ、正しい評価はできません。

人間ドック等では通常、絶食で検査に臨むため、血液検査も空腹時に行われます。
しかし、異常の早期発見が健診の目的とすれば、食後に検査を行う方が、理にかなっている面もあります。

欧州の学会で最近、中性脂肪など脂質代謝の検査は、空腹時にこだわらない実施が提唱されました。
血糖や血圧など、生活習慣病に関連する多くの検査で、同じことが言えます。

健診の直前の数日間だけ、断酒したり摂取カロリーを控えたりする人がいますが、それでは本末転倒なのです。

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人間ドックとコスト
- 2016/06/03(Fri) -
「人間ドッグ」と言う人が時々いますが、間違いです。それでは「人間犬」です。正しくは「ドック」です。

「ドック」は本来、船舶の「製造」や「修理」などを行う場所ですが、人間ドックで行うのは「点検」です。
点検によって不具合(病気)が見つかった場合、必要ならその治療を行うことになります。

しかし生活習慣病については、その基準に異を唱える意見が出ており、面倒なことになっています。
さらにガン健診も反論のある分野なのですが、私はやはり、早期発見早期治療を希望します。

そんなわけで今日は久々に、「PET-CT検査」を受けました。ガンを見つける検査ですが、問題もあります。
(1)被曝する
(2)すべてのガンが必ず見つかるとは限らない
(3)高額

こういった検査に否定的な人は、しばしば社会全体の検査コスト、とくに費用対効果を問題にします。
たとえば、人間ドックでガンが見つかった、という人が100人に1人いたとします。総費用は10万円とします。
その1人のガンを見つけるために、10万円x100人=1千万円かかったと、そういう計算になります。

しかし私は、そうは思いません。ガンが見つからなかった人も、安心を得ることができたからです。
医療コストを考えるとき、治療につながらなかった検査は無意味だと考えがちですが、そうではないのです。
現に私はいま、何も見つからなかった検査で、ちっとも損をした気分にはなっていません。

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老衰と医療費
- 2016/05/19(Thu) -
「都道府県別にみる老衰死率と高齢者一人あたり医療費」というグラフを見て、考えさせられました。
福岡県は、75歳以上死亡のうちの老衰死の割合は全国最低ですが、高齢者一人当たりの医療費は日本一です。
その反対に、老衰死の割合が多い都道府県ほど、高齢者一人当たりの医療費は安いことがわかります。

つまり、老衰死を受け入れるか、徹底的に高齢者に医療介入をするか、という考え方の違いが表れています。

老衰は自然現象であり、心肺機能や神経・骨格筋など、全身の臓器機能の低下が、並行して進行していきます。
それぞれが緩やかに、同時に機能低下をしていくとき、誰の目にもそれが老衰だと映ります。

ところが、どれかの臓器が突出して機能低下すると、治療の対象となります。
ひとつの治療を始めると、今度は別の臓器が問題となり、そっちの治療も始まります。
このように、老化現象に対する医療介入を行えば行うほど、自然な老衰への道は遠ざかります。

「一病息災」というのは、「医療介入による不自然な長寿」なのかもしれません。

老衰死の割合と高齢者医療費が逆相関することは、当然のことです。
どちらが善い悪いということではありません。ただ、どのような形を目指すべきなのでしょうか。

頭もカラダも内臓も「バランス良く老いていく」、というのが理想かもしれません。
そのためには、高齢になる前に、自分の弱点を補強してバランスを保ってておく、ということなのでしょうね。

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世界腎臓デー
- 2016/03/10(Thu) -
毎年3月の第2木曜日は「世界腎臓デー」。慢性腎臓病(CKD)の早期発見と治療について、啓発する日です。

成人8人に1人ともいわれる「CKD (Chronic Kidney Disease)」は、新たな国民病と位置づけられています。
「Chronic」は「慢性」の意味で、「Kidney」は「腎臓」、なので「CKD」で「慢性腎臓病」。

腎臓病は、自然に治らないことが問題。CKDと診断されたら、とにかく悪化させない工夫が必要です。
塩分を控え、食事のバランスを改善し、適度な運動して、血圧や血糖値も適正に保ち、ストレスも避けて・・・

まあ要するに、体にイイコト全部やれと、そういう管理法になります。

世界腎臓デーのイメージキャラクターは「そらまめくん」です。腎臓がそらまめに似た形だからです。
熊本市では、独自ののCKDイメージキャラクターを作っています。「ジンくん」と「ゾウちゃん」です。
いずれもそらまめの形ですが、「ゾウちゃん」が元気そうなのに比べて、「じんくん」は元気無く病的です。
そんな病的なキャラまで作らなきゃいいのに、って思います。いったい誰が考えるんでしょうね。

ドイツ車のBMWは、フロントに「キドニーグリル」という、豚鼻に似た意匠をあしらっています。
エンジンルームへの吸気口であるなら、「ノーズグリル」でも良いのですが、なぜかキドニーなのです。

かつては、縦長のそらまめ型だったのですが、最近のモデルでは、どんどん横長になってきています。
もはや、腎臓に似ているかどうかは関係なく、「キドニーグリル」なのです。
それにしても、なぜBMWは腎臓型のグリルを採用したのでしょうね。そのもともとの理由がわかりません。

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ジカ熱が流行中
- 2016/01/27(Wed) -
アメリカ大陸ではいま、治療法もワクチンもない「ジカ熱」が流行し、感染が拡大しています。
ジカ熱の病原体「ジカウイルス」は、デング熱の病原体「デングウイルス」に近いウイルスです。

ジカ熱はデング熱よりも軽症ですが、妊婦が感染すると、胎児の小頭症をもたらす可能性が指摘されています。
いずれもネッタイシマカのほかに、日本のデング熱騒ぎでも登場した、ヒトスジシマカでも媒介されます。
なので日本でデング熱が発生することがあれば、ジカ熱も紛れ込んでいる可能性があります。

現に一昨年、日本でデング熱が流行した時、タイ帰りの男性が、日本国内でジカ熱を発症していたようです。
ジカ熱は、デング熱よりも軽症だからこそ、患者に自覚が足りず、感染が拡大しやすい可能性があります。

そこで昨日、ジカ熱の現状と対策を探ろうと、厚労省のサイトを見ようとしたら、これが見られません。
ちょうど「アノニマス」によるサイバー攻撃を受け、ホームページが閲覧できない状態になっていたからです。
サーバーに大量のデータが送りつけられる「DDoS(ディードス)攻撃」です。

もうそろそろ復旧してないだろうかと、昨夜はたびたび厚労省のサイトを見ましたが、何度見てもダメ。
そのようなアクセスを何度も試すことが図らずも、DDoS攻撃の片棒を担ぐことになっていたかもしれません。

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禁煙しましょう
- 2016/01/04(Mon) -
「一年の計は元旦にあり」といいます。正月から禁煙している方も多いでしょう。
となると、禁煙外来がいちばん混雑するのは1月だろうと、そう思って当院の診療録を調べたら、違いました。

それどころか、禁煙外来の受診者数を初回来院月別に集計してみると、1年のうちで1月が最少でした。

つまり1月は、薬に頼らず「自力で」禁煙を開始する方が多い、ということなのかもしれません。
それとは対照的に2月は、1年のうちで2番目に、禁煙外来通院を開始する方が多い月でした。
正月から頑張ってはみたけれど、うまくいかず、ついに禁煙外来を訪れるのが2月と、そんな想像もできます。

一番多いのは、9月でした。これは、2010年10月のたばこ値上げ前の、駆け込み受診が多かったからです。

禁煙補助薬を使ってせっかく禁煙に成功しても、その後、また喫煙してしまう方も少なくありません。
喫煙再開のきっかけの多くが「飲み会」。まだ禁煙できていない悪友が誘惑したケースが、ほとんどです。
その誘いに乗って、「1本だけなら」と吸ったが最後、たいていは喫煙生活に逆戻りです。

禁煙治療に成功した方は、どれほど自信があっても、二度とタバコは手にしないことです。

私はもともと、喫煙習慣がありません。つくづく、若い頃に吸わなくて良かったと思っています。
勤務医の頃、喫煙者の異様にどす黒い肺を、手術中に何度も目にしてきました。
肺をあのように変えてしまう毒素を、毎日毎日肺に送り込んで、それで病気にならないわけがありません。
いま喫煙している方、とくに若い人には、一日でも早く、タバコとは縁を切ってもらいたいものです。

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トイレの手洗い
- 2015/12/15(Tue) -
ノロウイルス感染に限らず、トイレでの手洗いは、感染予防の第一歩です。
これには、自分を守る(自分が感染しない)ためと、他人を守る(感染を広げない)ための、2面があります。

まず、自分が感染しないためには、トイレはあちこちが汚染されていると考えて、警戒することでしょう。

トイレの個室に入ってドアをロックしたら、まず、いったん自分の手を消毒します。
トイレットペーパーの先が三角折りされている場合には、その部分を捨ててから、もう一度手を消毒します。
さらに、ドアノブやドアロックや、水洗のレバーやお尻洗浄ボタンや便座など、あちこちを拭き上げます。
このようなことを可能にするためには、携帯用の手指消毒液を持ち歩く必要があります。

次に、自分が何らかのウイルスに感染している場合は、感染を拡大しないように、細心の注意が必要です。

用便後から手洗いするまでの間の手は、ウイルスで汚染されていると考えなければなりません。
その手で触れた、水洗レバーや洗浄ボタンや、ドアロックやドアノブなどは、すべて汚染されてしまいます。
手洗いしてからパンツを穿く人などいません。だから当然、衣類も汚染されてしまいます。

ではどのようにすれば、感染拡大を防ぐことができるのか。その理想的な手順を考えてみました。
(1)用便後に水を流し、ドアロックを解除し、ドアを開いておく。
(2)レバーやボタンやロックやドアノブを、消毒液をしみこませたトイレットペーパーで拭き上げる。
(3)手をよく洗う
(4)パンツを穿く

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がんは早期発見
- 2015/11/20(Fri) -
厚労省が「がん対策加速化プラン」をまとめました。その柱は「予防」「治療・研究」「共生」の3つ。

進行がんの「予防」という意味では、早期発見が重要ですが、「がん検診」の受診率が低いことが問題です。
たとえば乳がん検診の受診率は、欧米では70〜80%以上なのに、日本ではまだ40%だそうです。
胃がんも、肺がんも、大腸がんも、子宮がん(子宮頸がん)も、検診率が50%を越えるものはありません。

治療や研究では世界最高の医学水準を誇る日本ですが、予防(検診)ではまだ、後進国なのです。

内閣府の調査によると、がん検診率が低い理由は、主なものから順に、
(1)受診する時間がない(勤務時間が長い、夜間・休日に検診がない)
(2)費用がかかる
(3)がんであるとわかるのが怖い
(4)健康に自信がある
(5)いつでも医療機関を受診できる
(6)検査に伴う苦痛が不安

などだそうです。健康のために、積極的に時間やお金を使うという発想が、日本人には乏しいのでしょうか。
女性の受診率が全般に男性よりも低いことを考えると、(1)や(2)が主因ではないかもしれません。

一般外科で研修していた頃、極度に進行したがんの患者さんを、何人も見かけました。
受診が遅くなった理由は、ほとんどが(3)でした。これこそ、日本人的情緒なのかもしれません。
誰だって、進行がんという告知は受けたくありません。許容できるのは、早期がん。だからこそ検診なのです。

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薬と眠気と運転
- 2015/11/09(Mon) -
病気が原因で起きた交通事故の話は、先日書きましたが、薬物の影響による事故も、問題です。

かぜ薬などには、眠気を催す成分が含まれていることがあり、居眠り運転につながる危険があります。
禁煙治療薬「チャンピックス」もまた、内服後の眠気で事故を起こした事例が、報告されています。

チャンピックスは、平成20年の発売時より、「めまい、傾眠」という副作用があることがわかっていました。
しかし、喫煙という「毒」に拮抗する画期的新薬なので、少々の副作用は軽視されていた嫌いがありました。

ところが発売後、意識障害によって自動車事故を引き起こした3つの事例が報告され、雲行きが変わりました。
ただちに「使用上の注意」が改訂され、本剤内服中は「自動車の運転に従事させない」と記載されました。

チャンピックス内服による禁煙治療は、通常12週間にわたって続けられます。その間、薬は毎日服用します。
なので「禁煙したけりゃ3カ月間は車を運転するな」ということになってしまいます。

現に、「車を運転する方には、禁煙治療薬を処方できません」という姿勢を貫いている医療機関もあります。
たしかにそれは正論です。他人を危険にさらしてまで、禁煙治療などしなくてよろしい、というわけです。

しかし、禁煙治療を希望する方のほとんどが、日常的に車を運転しています。
喫煙がもたらす疾病を減らそうというのなら、もっと現実的な対応をして、禁煙治療をしやすくすべきです。

私は「試しに内服して、もしも眠気がくるようなら、運転前には飲まないように」と指導して処方しています。
実際の印象としても、内服しても眠くならない方がほとんどです。
国やメーカーは、「運転禁止」と規定して責任回避ばかりせず、もっと現実的な運用を支援すべきです。

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絶食と体脂肪
- 2015/11/04(Wed) -
1日1食、夕食のみ」の生活を、ほぼ10年ほど続けています。たまに昼食も食べますが、それは例外的。
朝ヨーグルトを食べたり、昼はソイジョイを食べていた頃もありましたが、今は朝・昼とも、飲み物だけです。

1日1食には慣れましたが、胃腸の検査の前日、夕食も食べられなかった完全絶食の日は、さすがに辛かった。

比叡山延暦寺の荒行「堂入り」を、住職が無事「満行」したと、先日報じられました。
断食、断水、不眠、不臥の9日間を耐え、しかも達成後にしっかりした足取りで歩く住職の姿には驚きました。

榎木孝明氏の30日間の「不食」にも驚きましたが、荒行の方は断水かつ不眠です。
どうしてそのようなことが、医学的に可能なのか。ともかく、驚異的な精神力が必要だとは思います。

災害時などに「72時間の壁」という言葉がよく出てきます。
被災後は72時間を境に生存率が低下する、という経験則です。
しかし72時間を過ぎて、ほぼ絶望視されていた被災者が、無事救出されることが、ときどきあります。

飲まず食わず、寒さや痛みや絶望感にさいなまれて過ごす72時間超を、よく耐えられるものだと思います。
体温が下がり、意識レベルも下がり、基礎代謝が下がったことで、体力消耗を最小限にできたのでしょうか。
体内に備蓄していた脂肪を、きわめてゆっくりと消費して生き延びたのでしょう。

ちょうどクマが、秋に過食して蓄えた体内脂肪をエネルギー源にして、冬眠する仕組みと似ています。

そのような事を考えると、十分な体脂肪の蓄積こそ、極限状態を生き抜くための要件と言えるでしょう。
「脂肪の燃えやすいからだ」は、生活習慣病の予防には有利でも、被災時には不利な体質かもしれません。

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