熱中症対策をきっかけに、そろそろマスク外しますか?
|
- 2022/07/01(Fri) -
|
かつて県外に行くことには抵抗がありましたが、それは熊本より他県の方が感染者が多かった頃の話。
ところがいま熊本の新規感染者数は、4日連続で800人台。人口10万人あたりだと全国第2位が続きます。 もはや県外移動を恐れる理由なしと考え、今日は「所用のため」県外に行って来ました。 厚労相らが最近、「熱中症対策」の観点などから、「会話しなければマスク着用は不要」と言い始めています。 少し前まで体育の授業もマスクしてやってたのに、いま「マスクをはずせ」と指示するのはやや唐突です。 何も喋らず、距離もあるのに、今日屋内外で見かけた(すれ違った)人はほぼ全員、マスクをしていました。 でも私も本来は、誰も喋ってない環境で適度な距離があるなら、マスクを外してのびのび歩きたいところです。 欧米人と異なり日本人がかたくなにマスク装着を続けているのは、「同調圧力」のせいだと、よく言われます。 「他人に迷惑をかけたくない」とか「他人から変な目で見られたくない」ということなのでしょうか。 確かに、いま街中や公共交通機関でマスクをしていないと、「迷惑なやつだ」と変な目で見られるでしょう。 マスク装着のメリットとデメリット、感染対策と熱中症対策を天秤にかけることも、日本人には不得意です。 理屈よりも情緒を重んじる国民性が、さまざまな局面で日本人に不利益をもたらしているかもしれません。 マスク不要が言われ始めた頃から、偶然にも感染者数が増え始めたことも、やや不運な逆風になりそうです。 |
「内閣感染症危機管理庁」発足へ
|
- 2022/06/14(Tue) -
|
感染症対策の司令塔として、首相直轄の「内閣感染症危機管理庁」が、内閣官房に新設されるようです。
「今頃ですか」とは言いません。願わくば、形式だけじゃなく、本当に力のある組織にしていただきたい。 さらに専門家組織として、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合する計画も出てきました。 こっちの方が「日本版CDC」として機能することになるようです。 ところで私は、感染症危機管理庁のネーミングが気になります。通称はどうする。「感危庁」?「感管庁」? 前者だと「換気庁」と揶揄されかねませんね。あと「柑気楼」に似てるのも気になる。 後者では、響きがアレですね。トップの「感染症危機管理監」は略して「感管監」。すごく怒りっぽそう。 英語表記はどうなるんでしょうかね。 他の「庁」には「Agency」が使われているので、「Infection Crisis Control Agency」になるのでしょうか。 略称「ICCA」ですか。それで「イッカ」? 当初は「健康危機管理庁(仮称)」でしたが、政策目標を明確化するために「感染症...」に変えたようです。 でも例えば、ワクチンの供給や副反応対策までカバーするなら、「健康...」の方がしっくりきますけどね。 いずれにしても、省庁の寄せ集めの弊害(縦割りや縄張り争いなど)が起きないよう、お願いします。 初代管理監には、行動力・突破力のある方が必要ですね。最近見かけませんが、河野太郎氏なんて、どう? |
禁煙外来広告企画の顛末
|
- 2022/05/16(Mon) -
|
「5月31日は『世界禁煙デー』 禁煙外来で禁煙しましょう!」
そのようなタイトルの、某新聞社の広告企画の案内(広告依頼)が届いたのは、先月のことでした。 毎年この時期に行われる広告企画ですが、私が新聞広告を出したのはたぶん、禁煙外来を始めた頃だけです。 広告のおかげか受診者もそこそこ現れるようになり、以来、コンスタントに禁煙外来を続けてきました。 その「施設基準」を満たすために、呼気一酸化炭素濃度測定器を購入し、敷地内禁煙の掲示も出しました。 治療の主役は、ファイザー製の禁煙補助薬「チャンピックス」です。この内服を12週間ほど続ける治療です。 ところがその、禁煙外来必須アイテムである「チャンピックス」が、1年前に突然、出荷停止となりました。 特定ロットで発がん物質の一種「ニトロソアミン」が検出されたためで、いまなお全世界的に販売停止中です。 その後ファイザーも何かと忙しいのか、チャンピックスの製造・販売再開にはまだ、メドが立っていません。 現在、禁煙外来は完全に止まっています。受診希望者の受付をお断りし続けて、すでに1年たちました。 そんな折りに某新聞社は、「禁煙外来で禁煙しましょう!」という広告を打とうというのです。 担当者はチャンピックスの製造中止騒ぎを知らず、漫然と、年1回の企画を繰り返そうとしていたわけです。 私はすぐに担当者に電話して、日本のどこで禁煙外来やってるの。そんなアホなことするなと、忠告しました。 そしたら今日になって、件の広告は取りやめる旨の連絡が来ました。間に合ってよかったです。 |
帯状疱疹予防策としての「水痘パーティー」の勧め
|
- 2022/05/06(Fri) -
|
コロナ禍で帯状疱疹が増えていると、よく報じられます。
たしかに時々帯状疱疹の方が来院されますが、受診控えもあるのか、格段に増えた印象は私にはありません。 「コロナ禍で帯状疱疹が増えた」と思いたがるのは、「今年の夏は暑い」と毎年言ってるのと似ています。 例えばNHKの『ガッテン』が、「急増中!風疹&帯状ほう疹 徹底対策SP」を放送したのは、2019年でした。 『ガッテン』を鵜呑みにはしませんが、コロナ禍の前から、近年帯状疱疹は増えてきているようです。 コロナ禍のストレスが帯状疱疹の増加とは無関係とは言いません。しかしやはり主因は別にあります。 最大の原因は、水痘ワクチンの定期接種化によって、世の中の水痘の患者が激減したことだといわれます。 水痘はきわめて感染力が強いので、かつては知らず知らずのうちに巷で水痘ウイルスに接触していたのです。 接触するたびに、弱りかけていた水痘の免疫が補強される「ブースター効果」が発揮されてきたわけです。 ところがその接触機会が減り、免疫が維持できず、帯状疱疹を発症する可能性が高まってしまいました。 その意味では、コロナ禍で人が集まらなくなったことも、あながち無関係ではないかもしれませんね。 なのでいまや、帯状疱疹を予防するためには、ワクチンの接種によって免疫を維持しなければなりません。 帯状疱疹を予防するためのワクチンは、従来の生ワクチンに加え、最近では不活化ワクチンもあります。 不活化ワクチンの方が強い免疫がつきますが、2回の接種が必要で、副反応がやや強く、しかも高額です。 いちばん有効なのは、水痘ウイルスに直接接触して免疫を高めることでしょう。なにしろ「無料」ですし。 近所に水痘のお子さんがいたら、「水痘パーティー」でも開いて、みんなで免疫をわけてもらいましょう。 知り合いが帯状疱疹になったら、見舞いがてら、水疱を触らせてもらいましょう。 なおこれは、水痘罹患歴のある方に限ります。罹患歴の無い方がこれをすると、水痘に罹ってしまいますので。 |
血圧は、けっこう日内変動しています
|
- 2022/05/04(Wed) -
|
私は日頃、飲酒は必ず入浴後と決めています。飲酒後に入浴すると、溺れる危険があるからです。
日本人の溺水は圧倒的に入浴時(浴槽内)が多く、他の国とは全く異なる傾向が特徴的です。 しかもその多くが60歳以上で、温度変化による血圧変動や熱中症などの機序が考えられています。 風呂につかって温まると、皮膚などの血流が増えて血圧が下がります。 水圧によって血圧は保たれますが、浴槽から立ち上がろうとすると、血圧が急低下するわけです。 熱中症気味で脱力している時に、急な血圧低下で意識が低下すると、そのまま浴槽内で溺れかねません。 なので私は万一飲酒後に入浴する際は、温まりすぎず長湯せず、立ち上がる時はゆっくり、を意識しています。 少し早い時間帯から飲酒した今日、飲酒後の入浴となりましたが、その後血圧を測ってみると上が90台でした。 日頃の入浴後は110前後なので、やはり飲酒+入浴によって血圧はかなり下がっていました。 高血圧で治療中の方には、朝晩の血圧を測って記録して、可能ならグラフにしてもらっています。 朝の血圧測定はたいてい起床後か朝食後ですが、夜は人それぞれ。夕食前、夕食後、寝る前などさまざまです。 いつも同じタイミングで測ればそれで良いのですが、入浴後の夕食前や、飲酒後の寝る前は、低めになります。 治療上は、できれば高そうなタイミングの血圧を知りたいので、入浴前かつ夕食前の測定もお願いしています。 入浴前かつ夕食前だと、仕事から帰って来た直後になるので血圧が高く出てしまう、と言う方がいます。 なるほど。でもその血圧こそ、仕事の真っ最中の血圧に近いかもしれませんよ。それもあなたの血圧です。 |
「眠れない」のか「寝られない」のか
|
- 2022/04/23(Sat) -
|
睡眠薬などの「向精神薬」は、漫然と多種類・長期間処方してはならないことになっています。
当院では原則として、1人1種類のみ、1処方1カ月以内、ときどき休薬を促す、等を考慮して処方しています。 主たる標榜科は「内科(一般内科)」なので、睡眠薬だけの処方は行わない方針です。 ですが時々、睡眠薬(睡眠導入剤)が欲しくて来院する方がいて、処方内容や日数で「ひと悶着」あります。 一方で、生活習慣病等で定期的に来る方が「最近眠れん」と訴える場合に、睡眠薬を出すことはよくあります。 要は、薬物依存とか、副作用とか、あるいは万一の「横流し」を防ぐ意識が常に必要だということです。 睡眠不足を訴える方には、眠れない方と、睡眠時間がとれない方がいて、後者の方に睡眠薬は出しません。 短時間で良いから深く眠りたいという希望があったとしても、そのために薬を使うことはオススメできません。 「眠る」と似た言葉に「寝る」がありますが、意味は微妙に違います。 前者は睡眠状態に入りそれを維持することであり、後者は眠るための就寝行為を指す言葉だと思うのです。 なので不眠症は「眠れん」、睡眠不足は「寝られん」を使うのが、わりと的確かもしれません。 ちなみに「寝れん」は「ら抜き言葉」ですが、「寝られん」よりも「眠れん」に近いように感じます。 「最近寝れん」と聞けば睡眠障害かと思い、「寝られん」と聞くと忙しいのかと想像してしまうのです。 |
日本人がマスクを外す日は来るのか
|
- 2022/04/16(Sat) -
|
政治家らの記者会見を見ていると、いつも彼らのマスクの扱い方の、そのデリカシーの無さが気になります。
壇上でマイクを前にしてマスクを外し、背広の内ポケットに入れる、その動作があまりにも無造作なんです。 マスクは、ウイルスを含む飛沫を吸い込まないようにトラップ(捕捉)するためのフィルターです。 したがって、顔に接する側(内面)は清潔で、その反対側(外面)は不潔と認識しなければなりません。 ところが彼らは、いとも安易にマスクをポケットに入れたり出したり。それを何度も繰り返すわけです。 ポケット内でのマスクの表裏(外内)の向きが常に同じになるように注意しているとは、とても思えません。 マスクの効果を認めるのであれば、その効果を損ねるようなことはしないように、少しぐらい考えましょうよ。 ロンドン在住の日本人が、英国でのマスク事情を報告しているのを、昨日Clubhouseで聞きました。 最近のマスク装着率は、地下鉄で約2割、スーパーでは1割程度、一般のオフィスではほぼゼロだそうですね。 しかし、少数派になったマスク装着者を差別するわけでもなく、「マスクをする権利」は認めているとのこと。 つまり、誰も互いにマスク装着の有無を気にしなくなっているわけです。もう、どうでもいいと。 とはいえ、飛行機内ではマスク装着が義務付けられているので、マスクの有効性は認識しているのでしょう。 日本人の潔癖性からすると、衛生学的に有効だと思っている限り、マスクを外す気にはなれないでしょうね。 私のように、その表裏まで気になるようでは、なおさらです。 |
コロナ禍でも、検診は受けましょう
|
- 2022/04/08(Fri) -
|
春と言えば、私の場合は人間ドック(の中でもPET/CT検査)の季節です。今回も済生会病院に赴きました。
PET/CT検診は2015年から開始して通算6回目。その手順はすっかり慣れたものです。 2020年はコロナ禍にビビって見合わせましたが、去年からはコロナに惑わされずに検診を受けています。 予防医療センターは、ほどよく賑わっていました。皆さん、検診の重要性を認識されているようです。 センターの入口で「最近コロナ感染者との接触はありませんでしたか」などの質問に答える必要があります。 過去2週間で言うなら、100人ぐらいの感染者の診療をしてきたので、「はい」と答えました。 「診療においてのみです」との注釈を加えたので、無事、通過できました。 検査が終了し、結果説明の前に昼食です。日頃は1日1食(夕食のみ)の私ですが、こういうときは食べます。 何なんでしょうね。昼食が準備されていると思うと俄然食欲が出てきて、お腹がグーグー鳴り始めるのです。 すべて終わってクリニックに戻ると、ちょうど昨日のPCR検査の結果のFAXが届き始めていました。 今日の陽性率は80%。高い。熊本の感染者数はまだ多いし、隣の宮崎県は過去最多。全国的に高止まりです。 おまけに新たな変異株「XE」が登場して、もはやコロナ禍の収束は遠のく予感しかしません。 そんなわけですから、コロナはコロナでさておき、みなさん、人間ドックや検診はきちんと受けましょうね。 |
目が痒かったり痛かったり
|
- 2022/04/07(Thu) -
|
花粉症に悩まされています。鼻水が垂れるだけでなく、目がひどく痒い日もあります。皆様はいかがでしょう。
おそらく、何かが飛んでいるのでしょうけど、厳しくマスクを装着してるのにこの有様ですからね。 もしかすると、花粉よりも小さな粒子、火山灰とかPM2.5なんかが原因じゃなかろうか。 そうか、メガネとフェイスシールドでは、目が防御できてませんね。ゴーグルも常用すべき? 突然、目がチクチクっと痛むことが、最近私はよくあります。何か大きな異物が目に入り込んだ症状です。 慌ててまばたきをすると、かえって激痛になったりするので、まずは目を閉じて気持ちを落ち着けます。 で、ゆっくり目を開け、目薬を差し、その異物を角膜外に移動させるイメージで、何度か瞼を開閉してみます。 拡大鏡(LEDライト付き)に映してみると、私の場合たいてい、眼球に睫毛(まつげ)が張り付いています。 まばたきして睫毛を角膜(黒目)から遠ざけ、眼球結膜(白目)辺縁か眼瞼結膜(まぶた)まで移動させます。 それから指先でそっと睫毛に触れると、なぜか睫毛は指の方にひっつきます。 最後にまた目薬を差して終了。たまに、睫毛がもう1本抜けてたりするので、同じ処置を繰り返します。 「そんなに抜けるほど睫毛が多いのか?」と家人は疑いますが、逆です。抜けたから少ないのです。ほっとけ。 |
花粉症になりました
|
- 2022/03/27(Sun) -
|
晴天に恵まれた今日、花粉の飛散量も多かったのでしょうか。かなり厳しい一日となりました。
元々花粉症とは無縁の人生を歩んできた私ですが、2,3年前から怪しくなり、今年はもう、いけません。 鼻水だけなら風邪でも引いたかと思うところですが、コロナ禍の今、逆に風邪など引かないはずです。 それに加えて目が痒い。むしろ痒い。これはもう、花粉症を患ったと考えるしかありません。 私もついに、この歳になって、そちら側の人間になってしまったことを潔く認めざるを得ません。 マンボウが終わり、年度末になり、人の移動が増え、各地がコロナ前のように盛り上がっているようです。 発熱外来の受診者はしかしまだ多く、第6波の収束が見えません。まさかこのまま第7波に向かうのでしょうか。 診療報酬が、4月から大幅に削られることが決まっています。厚労省のやり口にはガッカリします。 マスクを装着していても鼻水が垂れます。花粉が防げてないのにウイルスを防御できるのか、不安になります。 我慢できずにアレグラを飲みました。しばらくすると鼻水は止まりましたが、鼻の奥がツンツンします。 いまのところ、私の鼻炎症状は左の鼻だけです。なのでまだ「左花粉症」です。なんなら半人前の状態です。 これが両側になってやっと「花粉症で辛いねぇ」と顔をしかめることができるのでしょう(個人の見解です)。 |
毎朝が踏ん張りどき
|
- 2022/03/01(Tue) -
|
「足置きを置いたら子どもの便秘が治りました」という方がいました。
そうなのです。子どもに限らず、ていうかむしろ大人こそ、排便時の姿勢は大事です。 直腸から肛門まで一直線にするためには、「うんこ座り」がベスト。洋式トイレよりも和式の方が良いのです。 私は毎朝、洋式トイレではありますが、そのかわり、便座にはかなりの前傾姿勢で座ります。 上体の重みを大腿部に置いた両肘で支え、手にしたiPhoneでニュースでもつらつら眺めます。 そのように、和式トイレで踏ん張るときと同じような体位をとると、直腸内様物がスルッと出易いのです。 おそらく、「踏ん張る」の語源は「糞ばる」なのでしょう(個人の意見です)。 「ばる」は「排泄をする」という意味なので、「糞ばる」なら「大便をする」という意味になります(個人)。 考えてみると、そこから派生した言葉は意外と多いですね。(すべて個)。 【きばる】気合いを入れて「ばる」、というのが原義です。できれば、力まずに出したいですが。 【ねばる】あきらめないこと。【がんばる】に近い。 【へばる】屁もセットで出たヤツですね。勢いがある。 【ちらばる】汚しちゃいましたね。 【ほおばる】(ノーコメント) 【さばいばる】震災などのとき、屋外避難所周辺でいちばん困るのは、トイレです。 わが家の愛犬・花ちゃんも、体を屈曲させて排便します。出しやすい体位を本能的に知っているのでしょう。 ヤンキーには便秘がいないともいいます(個)。 |
ぶら下がり健康器で背が伸びた?(個人の意見です)
|
- 2022/02/28(Mon) -
|
いまさら「ぶら下がり健康器」を買いました。毎日朝晩、起床時と就寝前にぶら下がっています。
最初は、ぶら下がった瞬間に肩と背骨が悲鳴をあげました。ギシギシと、聞こえるほどの異音がしたほどです。 しかし、ぶら下がり続けることで、きっとあちこちが力を付けていくはず。頑張るしかありません。 ぶら下がり始めたとき、懸垂を試みてみましたが、体は1ミリも上がりませんでした。 なにしろ握力も腕力も落ちてるし、肩関節も肩甲骨も固まってるし、だいたい体重が重すぎです。 とは言え、最近は握力や肩関節に余力が出てきました。懸垂はまだ無理ですが、ぶら下がり続けるのみです。 ある朝、それまではギリギリ床に付く程度だったつま先が、体重を支えるほどにガッチリ床に着いていました。 もしかすると、毎日のぶら下がりによって背が伸びた可能性があります。きっと脊椎の間が開いたのでしょう。 人間ドックのたびに縮んでいる身長に気付かされますが、それが一気に挽回したと考えても良いでしょう。 と考えたのですが気が付くと、私はスリッパを履いていました。だから足が床に届いたというわけです。 そんなつまらない、オチにもならない話ですが、私は何でも続けると決めたら意地でも続ける性分です。 このブログもそうです。中断したあとで後悔するのが怖くて中断ができない「継続神経症」なのです。 と言うわけで、何があっても朝晩ぶら下がり続けてみます。健康になるかどうかはもはや、関係ありません。 |
夜のトイレを我慢する生き方
|
- 2022/01/13(Thu) -
|
夜間頻尿でお困りの方から、相談を受けることがしばしばあります。
私もときどき、夜間(おもに明け方)尿意で目覚めることがありますが、たいていは朝まで我慢します。 我慢しているうちに寝入ってしまいます。そして朝の目覚ましで覚醒した途端に、激しい尿意が再発します。 このような場合の尿意はかなり強烈で、寝室を出て階段を降りる足運びも、かなりぎこちなくなります。 そして、いよいよトイレの扉の前に到達する頃には、尿意Maxとなります。 あと数秒後には排尿できるとわかったことで、膀胱が臨戦態勢に入り、その内圧を上げるのでしょうか。 ところが希に、トイレが使用中などの不測の事態が勃発することがあります。大ピンチです。 大ピンチですが経験上、1,2分程度ならなんとかしのげます。 そして驚くべきことに、1,2分我慢しているうちに、ス〜っと、ウソのように尿意が消えたりします。 つまり、トイレに到着する段になって急激に尿意が高まっていたのは、おそらく排尿準備反応だったんですね。 実際には、物理的に膀胱が満タンでもうこれ以上1秒も待てない、という状況ではないのです。 なので何らかの理由で排尿が急に先延ばしされても、決して破綻(お漏らし)はしないのです。 あと、便意もだいたい似た感じですが、ここでは割愛します。 |
胃腸検査の前日に絶食すると前処置が楽です
|
- 2021/11/30(Tue) -
|
人間ドックに行ってきました。
ちょうど半年前にPET/CT検査をしたので、今回はその「裏」ドックです。 全大腸CT検査を行うため、前日に食べるための低残渣食が3食分届いていましたが、昨日は絶食しました。 「いい肉の日」だというのに、皮肉にも絶食です。朝からコンソメスープや牛乳などを飲んだだけです。 さらに一昨日の食事も、夕方低残渣食を食べただけです。 つまり過去2日間、ほとんどまともに食べずに、今日の検査に臨んだわけです。 おかげで、大腸検査の前処置完了は私が一番乗りでした。ていうかそもそも今日は、最初から残渣なしでした。 さて今回も、済生会病院に7時45分までに着くためには自宅を何時に出れば良いのか、それで悩みました。 前回までの試行錯誤の記録も記憶もないので、今日もまた、念のため早めに出発しなければなりませんでした。 学習してませんね。 案の定、6時半に自宅を出たら、済生会には7時10分に着いてしまいました。早すぎです。 そんなわけなので今回こそは、この情報を当ブログに記載しておきます。次回のために自戒を込めて。 諸検査の結果、重大な病変は何も見つかりませんでしたが、前回よりもまた少し、背が低くなっていました。 身長が毎回確実に縮んでいます。脊柱のあちこちが圧縮され、ついでに頭頂部も薄くなっているのでしょう。 |
胃もたれ注意報
|
- 2021/10/29(Fri) -
|
年齢のせいなのか、食べ過ぎなのか、はたまた何か重大な病気の前兆か、最近時々胃がもたれます。
症状の持続時間は長くないので、おそらく胃腸の機能が低下しているのだろうと、経過をみていました。 ところが、昨日は朝から晩までずっともたれてムカムカ。これは異常事態ではなかろうかと心配になりました。 今朝も目覚めた時からムカムカ。これはイカ〜ン、これはイカ〜ン。胃がイカン、夏ミカン(ジョイマン風)。 ちょうど今日は休診日。さっそく某クリニックに電話して予約を入れ、胃カメラ検査を受けることにしました。 今日は午前中に某保育園の園児検診、午後は某小学校で検診だったので、胃カメラができるのは昼休みだけ。 無理を言って12時頃に検査をしていただくことになりましたが、時間がギリギリでバタバタでした。 慌てたんですね、保険証を持っていくのを忘れました。取りに帰ったものだから、もう汗だくです。 やっと到着して受付に向かうと、「あ〜、クリニックはお隣ですね〜」と。私が飛び込んだのは薬局でした。 薬局を飛び出してクリニックに駆け込むと、「すみませんが、スリッパに履き替えていただけますか」。 気が付きませんでした。玄関に戻ると下駄箱があって、「土足厳禁」と書いてある。申し訳ないです。 時間が無くて鎮静剤は使いませんでしたが、先生の技量と看護師さんのアシストが良くて、検査は楽でした。 なお、胃には目立った異常はなく、機能低下だろうと。思った通りで安心しました。でもしばらくは禁酒です。 |
感染者は減っても、マスクは必須アイテムです
|
- 2021/10/09(Sat) -
|
マスクの違いによる新型コロナ感染のリスクについて、国立感染症研究所などが調査結果を発表しました。
東京都内の発熱外来などを今年6月から7月にかけて受診した、ワクチン未接種の成人が対象です。 ・会食でマスクを外していた人は、会食をしなかった人に比べて感染するリスクが3.92倍 ・会食していた人では、不織布マスクに比べて、ウレタンでは1.87倍、布やガーゼでは1.82倍 以前から言われてきた通りですが、いまだに当院の受診者にも、ウレタンマスクや布マスクの方が目立ちます。 不織布の方がいいですよと、やんわり告げたりもしますが、コスト面もありますから、あくまでやんわりです。 マスクなんてものは、息苦しくてナンボです。呼吸が楽であればあるほど、感染防御力は劣ると考えましょう。 せっかくの不織布マスクなのに、残念な着け方をして台無しにしている人をよく見かけます。 たとえば、鼻の部分のワイヤーをほとんど曲げてなくて、板状のマスクを顔に乗せているだけの人。 顔の凹凸にフィットしてないので鼻の両側がスカスカで、どう見てもウイルスの出入りが自由自在です。 テレビで政治家のマスクを見ると両極端ですね。マスクの着け方ひとつで、その人の信頼度がわかります。 前にも書いたように、診療中に私は、不織布マスクを2重に装着しています。 1枚目のマスクの上縁の漏れを塞ぐために、2枚目のマスクを少し高めにずらして着けます。 そのような目的であれば、2枚目を装着するかわりに、1枚目の上縁をテープで目張りしてもよいのです。 呼気が抜けてメガネが曇るのを防ぐために目張りする人がいますが、まさに同じ理屈です。 ただ、テープまけが心配なのと、目張りでは見かけがアレなので、少々暑苦しい2重マスクにしているのです。 |
済生会〜どう行くんかい、脂肪肝、サラダ館(ジョイマン風)
|
- 2021/06/01(Tue) -
|
新型コロナ感染者がちょっと減り始めた(ような気がする)いまのうちに、今日は人間ドックに行きました。
昨年はタイミングを逸したので、今日のPET-CTは2年ぶりです。 済生会まで行くのに、菊陽の自宅を何時に出たらいいのだろうと、今年もまた悩みながら家を出発しました。 前回、何時に出たら何時に着いたかを記録しておけば良かったのに、と後悔するのも2度目です。 Google先生に訊いたら、高速道路経由が最も早いと教えてくれましたが、それには従いませんでした。 ためしに高速に乗ったら、たまたま事故で大渋滞だった、というマーフィーの法則が気になるからです。 結局、だいぶ早く到着したので、駐車場の車内でしばらくTVニュースを見て時間を潰しました。 あれ、結局何時に家を出たんだっけ。今年もまた、所要時間が分からずじまい。 PET検査の結果、癌は見つかりませんでしたが、CTと超音波検査で脂肪肝が見つかりました。でしょうね。 毎晩アルコールを飲むことと、毎晩甘い物を食べ過ぎる私の食生活が原因だと、厳しく指摘されました。 週に1回「休肝日」を作れと言われましたが、私にそれは辛すぎます。甘い物を食べない方がまだマシです。 保健師の方と交渉の末、甘い物を食べない日を作ることで合意。てことで私の課題は、週に1回の「休甘日」。 |
慣らし保育で風邪の洗礼
|
- 2021/04/11(Sun) -
|
学校は新学期が始まり、乳幼児には「慣らし保育」の時期です。
これは園児が園生活に慣れるためだけでなく、母親が仕事と育児の両立生活に慣れるための期間でもあります。 その過渡期においては、夫や実家の協力は必須で、また職場では勤務シフトの調整が必要となります。 慣らし保育開始から数日のうちに受ける洗礼のひとつが、子どもの発熱でしょうか。 「慣らし保育で風邪をもらいました」と来院するお子さんが、先週からおおぜいいます。今日も数人来ました。 「今後半年の間に、10回ぐらい風邪を引きますよ。そうやって、ひとつひとつ、免疫を付けていくのです」 私はお母さんにそのように説明していますが、そう言えるのは病状が軽くて元気なお子さんの場合です。 高熱で咳がひどく、聴診で喘鳴を聴取するようなRSウイルス感染のお子さんにも、最近しばしば遭遇します。 肺炎などを疑うような症状と検査所見があれば、日赤などの病院に紹介することになります。 病状によってはそのまま入院となり、退院してもしばらくするとまた風邪を引いて、そこそこ手こずります。 ようやく園に復帰したと思ったら、2,3日後にはまた発熱したり下痢したり。親御さんの心配は尽きません。 かように慣らし保育というのは、子どもの病気に保護者が慣れるための期間でもあるんですね。 |
こむら返り予防法(重い掛け布団が好きな私の場合)
|
- 2021/03/28(Sun) -
|
「こむら返り」に悩まされている人は多いと思います。私も時々(油断したとき)、夜中に突然襲われます。
突然と言っても、少なくとも私の場合、前触れがあります。 こむら返る直前、たぶん1,2秒ぐらい前、ハッと目覚め、次の瞬間にやって来る激痛を予感するのです。 ちょうど、地震の「S波」が来る前の「P波」を感じたときに、「来るっ!」と身構える瞬間にも似ています。 残念ながら地震は、敏感にP波を察知できたところで次のS波を防ぐことはできません。ただ待つのみです。 一方で、こむら返りの場合は、予兆を感じた後に一切動かなければ、痙攣の開始を遅らせることはできます。 とにかくじっと動かず、次の激痛に耐える心の準備をして、それから受け入れ、悶えるのです。 患者さんにもよく相談されるので、私は次のような、こむら返り予防法をいつもお伝えしています。 (1)日頃から運動不足にならないようにすること(これ、私自身がいちばんできてない) (2)寝る前に水分を十分に摂ること(私は枕元に水筒を置いて、寝る前と夜間覚醒時に飲んでいます) 仰向けに寝て、つま先が伸びた(足関節が底屈した)状態は、こむら返りを誘発しやすいといわれます。 とくに私のように重い掛け布団に圧迫されて寝るのが好きな場合、足にはかなり負担がかかりるはず。なので、 (3)横向きに寝ること(夜中に、うっかり仰臥位で寝ていることに気付いたら、すぐ横を向くこと) このうち(1)(2)では完治しなかった私のこむら返りが、(3)の導入によってすっかり消え失せました。 寝始めぐらいは仰臥位になりたいのですが、うっかりそのまま寝入るのが怖くて、最近は最初から横向きです。 |
マスクはファッションではない、ってこと
|
- 2021/02/11(Thu) -
|
マスクの素材としては布よりも不織布の方が良い、という常識がようやく、公認されつつあります。
いつもオシャレな布マスクだった小池都知事が、今じゃサージカルマスクで記者会見に臨んでいますからね。 アベノマスクよりやや大型の布マスクをしていた菅首相も、今は白いサージカル。他の大臣らも同様です。 かつてマウスシールドを装着していた田村厚労相などは、2段階改善しています。 まあそこまではヨシとしても、残念ながら多くの方が着け方を間違えてますね。 一般に、濾過機能が優れているマスクほど空気抵抗が大きく、マスク周囲から空気が出入りしやすくなります。 したがって、サージカルマスク装着のキモは、マスクの周囲、とくに鼻の両側に隙間を作らないことです。 そのためには、内装されているワイヤーを曲げて、鼻と頬のラインにフィットさせなければなりません。 これが上手くいくと、隙間が埋まるだけでなく、ずり落ちにくくなるし、眼鏡も曇りにくくなります。 マスクを着けたら眼鏡が曇って困ると嘆いている人は、吐息が抜けていることを公言しているようなもの。 そのような人に近付く時は要注意です。 中川医師会会長を見ると、喋る時にマスクが口に吸い付いているのがわかります。フィットしている証拠です。 河野規制改革相は、オシャレにしたいのでしょうか、白いサージカルマスクの上に布マスクを重ねています。 有効性も高いとは思いますが、油断してしまったのか、ワイヤーの折り方が足りないようにも見えます。 コロナの予防は、手指消毒よりも何よりも、マスクが大事だとわかっています。マスクの装着法は大事です。 |
Go Toが拡大する一方で熊本のコロナも増えて、イヤな雰囲気です
|
- 2020/10/05(Mon) -
|
熊本のコロナ感染者が急増してて、イヤな雰囲気ですね。昨日今日の熊本は、九州で断トツじゃないですか。
一部のクラスターを反映している数字だとしても、その人たちからの広がりが今後どうなることやらです。 新型コロナウイルス感染を疑う患者さんは、当院では原則として自家用車での診察(?)を行っています。 疑いは強くないけど可能性がありそうな方は、隔離診察室内で、一定の防護具を着けて診察しています。 可能性は低いけどゼロでは無いような発熱者の方も、念のため隔離して診察することになります。 コロナの可能性はほぼゼロでも急性症状のある方はみな、少なくともゴーグル等は装着して診察しています。 今後インフルエンザが流行期に入り、発熱者が増えたら、ホントに面倒なことになりそうです。 米国のトランプ大統領のコロナ感染は、情報開示が不十分ですが、実は重症だったと報じられています。 入院中に外出して姿を見せたのには驚きましたが、たぶん選挙前の健康アピールなんでしょうね。 黒いマスクから酸素チューブが出ている様子はなかったので、すでに肺の酸素化は改善していると思われます。 いや、酸素不要の状態を支持者に見せるために、無理して酸素吸入を一時中断していたのかもしれません。 もしかすると、大統領専用車内に高濃度酸素を充満させて走っていた可能性だってあります。 レムデシビルやステロイドや抗体カクテル療法など、やれることは全部やる濃厚治療が行われています。 未承認の薬であっても投与を受けられるのは、さすが最高権力者ならでは。 なんとか回復したあかつきに、コロナの脅威や予防の必要性について何を語るのか、興味深いですね。 |
夜間のエアコンつけっぱなしって、昔なら非常識だったはず
|
- 2020/08/23(Sun) -
|
熱中症対策としてメディアは、「夜間のエアコンつけっぱなし」を、さも当たり前のように推奨しています。
でもそんな話、私はつい最近になって聞いたような気がします。10年20年前からそう言ってましたっけ? 最近わかってきた知見を、さも昔からの常識のように上から解説するメディアには、辟易します。 私が子どもの頃(昭和40年代)は、自宅にエアコンなんてありませんでした。夜は窓全開で寝るのみです。 扇風機はつけてましたが、ずっと風に吹かれると疲れるので、首振りやタイマーを使っていました。 真っ昼間にも、扇風機の熱い風に当たりながら、蝉時雨の中で夏休みの宿題をしていたのを思い出します。 今と当時(50年前)とでは気温が違うと言う人もいるでしょうけど、平均気温でせいぜい、1℃の違いです。 どうして人はこんなに暑がるようになったのでしょう。何が違うんでしょうね。まさか、人間のこらえ性? あるサイトには、夜間の室温は25〜26℃にせよと書いてありますが、これは賛同しかねます。寒すぎますよ。 私は27℃です。この室温なら、薄いタオルケットをかぶる程度で、ちょうど良い具合に眠れます。 でも去年までは26℃設定で、夜間に肌寒くなってエアコンを切ったり、またつけたり繰り返していました。 寝入りばなこそ少々涼しいぐらいがいいですが、深夜の良眠維持にはあまり涼し過ぎない方が良いですね。 理想的には、寝る前までにしっかり部屋を冷やしておき、寝るときには設定温度を上げるのが良いのでしょう。 たとえば、寝る1時間前から25℃設定でエアコンをつけておき、寝る段になったら27℃に上げる、とか。 でもね、何時に寝るかもわからないし、あらかじめエアコンをつけるのって、忘れるんですよね。 ONから2時間後に設定温度が1度上がるみたいに、温度をタイマー設定できるエアコンって、ないですかね。 |
風疹対策はやっぱり低調ですが、さてどうします?
|
- 2020/07/02(Thu) -
|
「風しんの追加的対策」の利用率が、20%にとどまっていると報じられました。まったく残念なことです。
昭和37〜53年度生まれの男性を対象とし、それを3分割して昨年度から始まった3年間の時限措置です。 開始がずれ込んだこともあり利用者が少なかった昨年度の対象者は、今年度も対象にする措置がとられました。 今年度は今年度で、コロナ禍の影響で受診者が低迷したため、時限措置は1年延長されることになりました。 しかし予想外の要因があってもなくても、この風疹対策はあまり成功しないだろうと、私は思っていました。 風疹対策の目的は先天性風疹症候群を減らすことであり、気になるのはおもに身近に妊婦がいる家庭です。 身近に妊婦がいなければ、自分の健康に直結するわけでもない検査を、中年男性が受ける動機がありません。 それに加えて、多忙な中年男性が、わざわざ仕事を休んで検査を受けに行くのもハードルが高いですね。 熊本市でこの事業が始まったのは昨年7月末。その後11カ月の間に、当院に来院した対象者は47人。 そのうち27人(57%)が、土曜午後か日曜祝日の来院でした。平日限定なら受診しなかったかもしれません。 対象を3分割して進めてきた制度設計も、対象者を混乱させ、モチベーションをそぐ結果となりました。 いちどに全員を対象とすると医療機関に対象者が殺到すると国が予測したのであれば、とんだ勘違いです。 官僚はいつも、彼らの机上の空論がもたらす「副作用」の方を心配しますが、思った通りにはいきませんって。 そんなことは、高齢者の肺炎球菌ワクチンの接種率低迷でわかってたはずです。 新事業がヒットして混乱を招くことを心配する前に、まずその事業が成功することに全力投球しなきゃ。 |
緊急事態宣言解除とは、新型コロナ第1波収束ってことですよね
|
- 2020/05/25(Mon) -
|
新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言は、ようやく、残る「5都道県」での解除が決まりました。
これが感染「第1波」の収束を意味する上に、今後の社会・経済の復興が期待でき、ちょっと明るい転機です。 今後各地で感染者数がどうなるか、再宣言の判断基準やタイミングをどうするか、課題山積ですけどね。 にしても、「都道県」って言葉、どうなの。耳慣れなくて違和感があって、他のニュースが入ってきません。 メディアによっては「1都3県と北海道」と言ってます。きっと「都道県」を使いたくなかったのでしょう。 「都」や「道」や「府」が含まれるかどうかで、いちいち言い方を変えるとは、日本人ってホント細かい。 さすがに、「都道県」とか「道府」はあまり聞きませんが、「都県」や「道府県」はよく使います。 ですが、その使い分けって必須ですかね。ざっくり全部「都道府県」じゃダメですか。ダメなんでしょうね。 それならば、「知事を首長とする自治体」を総称する言葉が欲しい。 “prefecture” の直訳、何かないですか。 ついでに言わせてもらうなら、「北海道」って、他の「都府県」とは異質・異次元の名称ですよね。 たとえば「東京」「大阪」「熊本」に並べて「北海」で済ませることはあり得ません。いつも「北海道」です。 歴史的経緯は理解しますが、「北海道」だけが例外であるところが、どうしても私は釈然としないのです。 その整合性の無さには目をつぶってるのに、「都道県」のような表現にはこだわる。不思議な国民性です。 という、どうでも良いことはさておき、明日は3カ月ぶりに、ハンズマンに行ってみます。私も活動再開です。 |
マスクの品切れは困りますが、そもそも使い方は正しいですか?
|
- 2020/02/02(Sun) -
|
医療従事者にとっては、一般の方以上にマスクが必需品なのですが、新型肺炎のせいで世の中マスク不足です。
当院も先週までになんとかかき集めましたが、今週はもう、追加購入が難しい状況になりました。 こんな製品って、メーカー在庫がたんまりあるんじゃないの? あるなら早く吐き出して欲しい。 ためしにAmazonを見てみると、ありきたりのマスクが異常な高値で売られていますね。あくどいです。 日本でコレですから、中国ではもっと深刻な事態になっていることが想像できます。 いや、訂正。中国は想像をはるかに超えていました。 なにしろマスクをペットボトルで作ってますからね。驚きを通り越して、もはや敬意を表したくなるレベル。 笑うしかない果物の皮のマスクも、決してウケ狙いじゃなく、真面目に装着してそうなところが怖い。 しかし翻って日本でも、一般の方がマスクを扱う様子には問題も多く、中国の状況を笑うことはできません。 マスクを扱う上で重要なのは、鼻周囲の隙間をなくすことと、内側(顔に接触する側)を清潔に保つことです。 しかし一般の方を見ていると、自由自在に取り外したり、適当にそこらへんに置いたりしています。 床に落ちた子どものマスクを拾い上げ、パンパンとはたいてから、また装着させる親もいます。 最近は立体的な形状のマスクがあり、私は使ったことがありませんが、鼻へのフィットが良さそうです。 この形だと、自然と内側には触れにくいので、清潔も保ちやすいですね。 ただ、一般の方が毎日使い捨てて使うだろうか、何日も使い続けるんじゃなかろうかと、そこが心配です。 まあ、昔のガーゼマスクよりはいいですけどね。あれは上下も裏表も区別してませんでしたから。 |
ルームランナーを11日間続けて体に起きた変化(速報)
|
- 2020/01/27(Mon) -
|
ルームランナーを購入した日からずっと毎日、運動してます。って言うのもおこがましい話ですが書きます。
傾斜6%、速度4km/hで、30分間歩行の設定です。「ランナー」とはほど遠い、超初心者のごく軽い運動です。 まあ見ててください。今後ジワジワとスピードアップしますから。しまいにゃ16km/hで走り出しますから。 実質11日連続、例外は1日だけ。その日は屋外で坂道を30分以上歩いたので、ランナーはパスしました。 今のところ、体重や体脂肪率に有意な変化はありませんが、別に悲観してはいません。予想通りですから。 現時点で実感できている、明らかな変化は2つ。 (1)同程度の負荷でも、心拍数が上がりにくくなった (2)階段を昇り降りするのが早くなった すぐに効果が出てきたのは(1)です。心肺機能の改善でしょうか。それまでの運動不足のなせるわざです。 1週間ぐらいして気づいたのは、階段を降りるときのスピードです。軽快なステップで降りられます。 というわけで現在は、夜帰宅後に7時のNHKニュースを見ながら走る(ていうか歩く)のが日課です。 新型コロナウイルス関連や大相撲などのニュースに集中していると、うっかり歩いていることを忘れます。 ニュースが終わって歩くのをやめるのが名残惜しいような、でも風呂にも入りたいしお腹も空いたし。 傾斜などの負荷を調整すれば、2時間や3時間の映画を観ながらでも、ずっと歩き続けることができそうです。 運動をしようとしていちばんのネック(あるいは言い訳)になるのが、時間が取れないってことでした。 なので、快適に「ながら歩行」できるのであれば、この運動はずっとストレス無く続けられそうな気がします。 テレビ視聴のときだけでなく、可能であれば、食事や読書や執筆の時間にも、ずっと歩き続けたいですね。 などと妄想するほど「ウォーカーズハイ」な気分になってきたことが、いちばん大きな変化かもしれません。 |
インフルと修学旅行
|
- 2019/12/09(Mon) -
|
インフルエンザが流行期に入りましたが、今シーズンなぜか多いのが中学生の患者さんです。
おりしも近隣の中学校は、ちょうど修学旅行のシーズン。この時期の京都・奈良って、めっちゃ寒そうです。 間の悪いことに、このタイミングでインフルエンザにかかる中学2年生が何人もいます。 昨日までに発症したお子さんは、治りが良ければ多分、土曜日からの修学旅行にギリギリ間に合います。 しかし、今日発症した生徒は、たとえすぐ下熱しても、土曜日から旅行に参加するわけにはいきません。 学校保健安全法等の法令によれば、インフル発症の5日後までは「出席停止」と決められているからです。 インフルエンザの検査を受けた子たちは、自分が陰性であることを祈る思いで結果を待っています。 偽陰性でもいいから、ともかく陰性が出ることを待ち望んでいます。 なので陽性判定が出ると、ホントにがっくりと肩を落とします。 こんなことなら、発熱しても医療機関を受診したがらない生徒も、なかにはいることでしょう。 そういったお子さんが、診断を確定させないまま、中途半端な体調で旅行に参加する可能性も大いにあります。 このようなインフルエンザシーズンに修学旅行が設定されていることが、まず第一の問題ですよね。 いや修学旅行に限らず、高校や大学等の入学試験が冬期に行われることだって、同じく問題です。 わざわざ一年中でいちばん寒い時期を選んでセンター試験を行うなど、考えてみたら不合理の極みですよ。 |
時差ボケ調整アプリ
|
- 2019/08/20(Tue) -
|
「時差ボケ調整アプリ」なるものがあるそうですね。ANAとニューロスペースが開発したソフトです。
ANAが社内で行ってきた実証実験を今後社外に拡大するそうで、一般向けには来年提供される予定とのこと。 たいして海外渡航(出張や旅行)を行ってるわけでもない私ですが、そのアプリの内容は気になります。 つまり、時差ぼけを解消するために、そのアプリはどのような事柄を重要視しているのか、という点です。 アプリは、出国前、渡航中、帰国後のいろんなタイミングで、さまざまな情報を利用者に提供するようです。 たとえば、その時々の光の浴び方、食事の摂り方、睡眠・仮眠の取り方、体の動かし方などです。 たしかに、渡航先や帰国直後の仕事が何より重要なビジネスマンなら、時差ボケ解消は最重要課題でしょうね。 しかし、私のようなシロウトは、渡航先での活動のために機内で適度に寝るなんてことは考えられません。 だって、飛行機に乗ったらワクワクするでしょう。寝るのがもったいなくて、ずっと起きてますよ。 思い出すのは小学5年のとき。寝台特急「あさかぜ」に乗って、防府から東京まで家族旅行をしたときのこと。 寝台列車は寝るための列車ですが、私はずっと起きていて、駅に停まるたびにノートに記録をしていました。 旅行は、目的地に着いてから始まるものではなく、家を出た時点から、もう始まっているのです。 その移動過程がすでに旅行なのです。もちろん、家に帰るまでが遠足です、じゃなくて旅行です。 そんな私なので、機内ではなかなか眠くなりません。むしろ、マックス覚醒しています。 海外旅行でリズムが乱れて困るのは、私の場合はただ1つ、便通です。 気が小さい私はいつも、機内のトイレで「大」ができず、空港で排便することになります。先週もそうでした。 クアラルンプールを出て、台湾上空から便意がありましたが、成田まで我慢しました。 |
ルームランナー買う?
|
- 2019/07/16(Tue) -
|
「形から入る」なんていう表現がありますね。私の場合はまさに、それです。とくに健康関係で。
数年前に「運動公園を走ろう」と思いつき、靴やウェアやウエストポーチを一揃え購入したことがあります。 しかし残念ながら、その後数年たった今まで、ただの一度も運動公園を走ったことがありません。 形から入る、というよりも、形だけで終わったパターンです。計画倒れです。よくあります。 「腹筋を鍛えよう」と、話題の健康器具を通販で購入してリビングに設置したのも数年前のこと。 残念ながら、使ったのは1回か2回。その後しばらく書斎に安置してましたが、やがて廃品回収に出しました。 似たような腹筋器具は、だいぶ前にも買ったことがあります。30年ぐらい前にはエアロバイクも買いました。 昔の健康器具はすごく重くて、引っ越しの際に業者に処分してもらいましたが、だいぶ嫌がられました。 そんな既往歴のある私ですが、ルームランナーなら続けられそうな気がしてきました。根拠はありません。 計画はこうです。仕事から帰ったらまず、1時間ほど走る。そして風呂。それからビール。食事。ブログ執筆。 時間がもったいないので、走っている間に、録画しておいた映画やテレビ番組を見てもいいでしょう。 なんなら、ブログ執筆等をしながら走れれば、それもいい。デスク付のルームランナーもあるようだし。 機種選定において、高額品を購入すればもったいないから続けるだろうという理屈は、私には通用しません。 しかし、安物は壊れやすいというネット情報も考慮するなら、やはり一流品を購入すべきかと考えています。 どうせ壊れるまでは使わないだろう、という考え方もありますが、最初からそんな弱気ではいけません。 予算以外で問題となるのは、設置場所です。毎日のように使いたくなるためには、リビングに置くべきです。 この件については今後、関係各所への根回し、もしくは便宜供与(金品贈与)等が必要になると思われます。 というわけで、まだ買うかどうか決まってもいないうちから書いてしまいました。計画段階が楽しいもので。 |
悲観論者と楽観論者
|
- 2019/07/15(Mon) -
|
世の中には、物事を悲観的に捉えがちな人と、楽観的に済ませてしまう人がいます。
とくにからだの不調や病気については、その考え方が両極端です。 自分の病状をいつも悪い方向に考えてクヨクヨ心配する人もいれば、まったく平然と構えている人もいます。 でもよく考えてみると、両者には本質的な違いは無いのかもしれません。 心配性な方は、自分が重病ではないことを早く確認して、いつも安心しておきたい気持ちなのでしょう。 楽観的な方は、自分は重病ではないのだから心配無用なのだと、そう思いたい気持ちがあるのかもしれません。 結局どちらも、自分が重病なのはイヤなのです。早く確認したいか考えないようにするか、その違いです。 予防医学の観点からは、前者(心配性)の方が良く、楽観主義ではしばしば早期発見のチャンスを失います。 しかし一方で、過度な心配はよけいなストレスを生み、病状悪化の悪循環を生じかねません。 そこで心配性の方に対しては、「心配無用」であることの根拠を理詰めで示すのが、医者の腕の見せ所です。 一方で楽観的に過ぎる方には、適度な心配をすることを勧めつつも、安心できる医療を提供することが肝要。 メディア等による医療情報はしばしば、一般人に無用な心配を煽り、医療をやりにくくしている面があります。 しかし逆に、その心配をうまく利用すれば、適切な予防医療を提供するキッカケにできるかもしれません。 そんなことが最近私もわかってきたので、テレビ番組等による情報を頭ごなしには否定しない方針です。 医療は基本的に、多少心配性気味なスタンスで良いのかもしれません。 |
奇跡の肩こり治療?
|
- 2019/07/02(Tue) -
|
「耳たぶにシワがあるのですが、大丈夫でしょうか」と深刻な顔の患者さん。ははあ、例の番組見たな。
「大丈夫です。この程度なら、年齢相応の変化ですよ」と、やんわり応えて安心していただきます。 たしかにテレビで、耳たぶのシワは脳梗塞や心筋梗塞の危険があるという話が出てましたね。私も見ました。 そういった情報を頭から否定するでもなく、肯定するでもなく、ひとつの「考え方」だというのが私の立場。 動脈硬化が進行して耳たぶの血流が低下すると萎縮してシワができる、という理屈は間違ってはいません。 ただ、耳たぶのシワを気にするわりに、血液の悪玉コレステロール値が高いことには意外と平気な方が多い。 検査結果や医者の言葉よりも、民間療法やテレビ番組の情報の方が、患者さんには抵抗無く入るようです。 かくいう私も実は、いま「ファイテン」にはまっているのです。肩こりに効くという、磁気ネックレスですね。 医者としてどうなのかと思いながらも、医者だからこそ、自ら検証するべきだという結論に至ったわけですよ。 私はもう10年以上も、頑固な肩こりに悩まされ続けています。磁気治療程度で簡単に治るとは思えません。 数年前に左右の五十肩も併発しましたが、これらはいずれも治癒しました。でも肩こりだけは続いてます。 毎日16時間ほどパソコン叩いてるのも、きっと悪いんでしょうね。などと今、パソコンで書いてますけどね。 通販で発注したファイテンが、本日届きました。直ちに装着。むむ、すぐに効果を感じました。マジですか。 これは奇跡の治療法なのか、はたまた顕著なプラセボ効果なのか。現時点では、肯定も否定もしません。 ともかく、検証を続けていきます。あと、ネットで見た「ファイテン+エレキバン併用療法」も気になります。 |
寝る前に水を一杯
|
- 2019/07/01(Mon) -
|
「からすまがりのようなったですもんね」
来院早々そのように経過報告をされた方に先月処方したのは、「芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)」。 「からすまがり=こむらがえり」でお困りの方によく処方する漢方薬です。 かくいう私も、今朝久しぶりに、ふくらはぎにこむら返りが起きました。泣きそうになる痛さですね。 もともと「こむら(腓)」は「ふくらはぎ」の意味ですが、私のこむらがえりは、足背部によく起きます。 その場合、本来は「こむら」返りではないのかもしれませんが、病態は同じでしょう。 しかし今朝は、もっとも一般的な部位である「腓腹筋」に、その激痛発作が起きました。 もう痛くてたまらないのですが、数分以内に必ず治ることを経験上知っているので、なんとか耐えられます。 これが1,2分で止まるのか何時間も続くのかわからないとなると、もう、絶望しますね。 「からすまがり」というのは熊本の方言かと思いきや、調べてみると似たような表現が全国にありました。 山形県の「からすがえり」とか、愛知県の「からすなえり」とか、沖縄県の「がらさまある」とか。 さすがに沖縄の方言には、少々エスニックな(ガラムマサラの)香りがします。 古い言葉を調べる時に見る「和名類聚抄」に、「古无良加倍利」と「加良須奈倍利」の記載がありました。 10世紀の辞書ですが、たぶんこれは「こむらかへり」と「からすなへり」と読むのだと思います。 「こむら」や「こぶら」は、ふくらはぎの意味だとして、では「からす」とはなんぞや。烏? 諸説ありますが、やはりふくらはぎの意味らしいですね。でも私としては「烏曲がり」語源説に一票。 漢方薬に頼る前に、寝る前に水分を摂って、深酒せず、運動不足を解消するよう、患者さんには勧めています。 そして、人に偉そうに言うばかりの自分の不養生に、ときどき罰が当たるのです。 |
風呂でのぼせないために
|
- 2019/05/03(Fri) -
|
某ホテルの大浴場で昨日、私の友人が入浴後に気分不良に陥り、しばらく介抱される出来事がありました。
先日は当院の患者さんが、温泉で気を失って溺れかけ、救急搬送されたという話も聞きました。 入浴中や入浴直後の体調不良は、元気な方にも起こり得ることです。 環境温度や体への水圧が急変動し、さらに多量に発汗するので、身体への負担は思いのほか大きいのでしょう。 入浴による血圧低下については以前にも書いた通りで、転倒による受傷や溺水の危険もあります。 溺死者数は毎年数千人で、その大半が浴槽で起きており、海や川やプールなどよりもずっと多いようです。 さらに、浴槽での溺死の多くが高齢者ですが、心臓や脳の異常がはっきりしないケースが多いとのこと。 つまり、単に一時的な低血圧・のぼせ・立ちくらみに近いものでも、浴槽内で起きるととても危険なのです。 かくいう私ですが、熱めの風呂に少し我慢して長時間浸かるような入浴が、実は好きです。 なので自分に課しているルールは、入浴前には少し水分を摂り、飲酒後には入浴しないということです。 また、浴槽から出るときには、ゆっくり慎重に立ち上がります。 うっかりしてスクッと起立した時に軽い立ちくらみを感じることは、月に1回ぐらいあります。 そういえば子どもの頃、浴槽に浸かったまま、蛇口から出てくる冷たい水を直接飲むのが好きでした。 ところが現在のわが家の浴室を改めてよく見たら、蛇口なんてないんですね。シャワーしかない。 そのかわり、浴槽の背もたれと反対側に、半身浴(腰湯)に使うような段があります。使ったことないけど。 風呂から上がる前に少し半身浴しながら、持ち込んでおいたお茶でも飲む、ってのが良いかもしれません。 |
Watchで不整脈監視
|
- 2019/04/28(Sun) -
|
「Apple Watch」を購入してから、もう4年経ちました。
私が毎日使っているのは「初代」Apple Watch。現在の最新版は「Series 4」です。 このSeries 4ってのが、評判良いらしいですね。 その「心電図機能」が、利用者の不整脈(とくに「心房細動」)を検知する事例が増えているからです。 残念ながらこの心電図機能は、欧米向けの限定機能なので、日本ではまだ使えません。 前例のない医療機器を販売するためのハードルは、米国(FDA)よりも日本(PMDA)の方が高いのです。 となると、私の初代Watchなんて何の取り柄も無いのかと言えば、そうじゃありません。 「心拍数」検知機能があります。手首で測定するので、厳密には心拍数ではなく「脈拍数」ですけどね。 Watchで測定している心拍数は、ペアリングしているiPhoneの「ヘルスケア」アプリ内に記録されます。 たとえばこの1カ月間の私の心拍数は、最大133,最小は54でした。 54のときの心電図はわかりませんが、心拍数がもっと少ない(=「徐脈」)なら、精密検査が必要です。 実際に、初代Watchで徐脈を発見して「洞不全症候群」が判明した米国人の話は、よく(?) 知られています。 発作性上室性頻拍症や心房細動や房室ブロックだって、心拍数に大きな変動があれば発見できるはずです。 つまり、心電図という形でなくても、心拍数やその変動を解析するだけでも、不整脈発見には事足ります。 就寝中に異常な頻脈が記録されたことがきっかけで、心房細動を発見し、無事治療をした人もいます。 心拍が安定しているはずの就寝中こそ、不整脈を発見しやすい時間帯なのかもしれません。 ためしに今夜から、就寝前までに充電を終えて、Watchを腕に装着したまま寝ることにしてみましょう。 何かがわかったら、ご報告します。 |
禁煙したら糖尿になる
|
- 2018/08/23(Thu) -
|
禁煙すると体重が増えますからと患者さんはよく言いますが、仮にそうだとしても、禁煙した方がマシです。
なかには、禁煙したら太ったのであわてて喫煙を再開しました、などという臨機応変な方もいらっしゃいます。 しかも、喫煙を再開したけど体重が思うように戻らないという、妙な悩みも聞きます。 太るから禁煙したくないなどという理屈は、言い訳に過ぎません。ずっと私はそのように指導してきました。 しかし、禁煙したら糖尿病になりやすくなることは、じつは医学的事実です。ある有名な研究によると、 ・新たに禁煙したら、その後5年間は、糖尿病になるリスクが高くなる ・禁煙後にたとえ体重が増えなくても、男性では糖尿病になるリスクが増える ・もともとの喫煙量の多かった男性が禁煙すると、よけいに糖尿病になりやすい そんなデータが禁煙外来の逆風になって困っていましたが、最近、禁煙に軍配を上げる研究が発表されました。 ・禁煙後に体重が増えると糖尿病のリスクは上昇するが、それは一時的なもの(禁煙後5〜7年)である ・禁煙によって最終的な死亡リスクは減った つまり、禁煙によって体重が増えようが糖尿病になろうが、その人の寿命は延びるということです。 それほどまでに、タバコの害は強いということなんでしょうね。 体重が気になる喫煙者は多いですが、四の五の言わずにまず、禁煙しましょう。減量はその次ということで。 |
大腸3D-CT検査
|
- 2018/08/10(Fri) -
|
「がんドック」を受けてきました。「カンドック」じゃありません。それは「チャングム」の養父。
とくにがん検診に的をしぼった、画像診断を主体とする人間ドックです。 今回も病院に早く着きすぎましたが、前回と同じ轍は踏みません。読み物を持って行きましたから。 その『日本史真髄』(井沢元彦著)がすごく面白くて、待ち時間が短く感じるほどでした。 井沢氏の『逆説の日本史』数冊分を凝縮したような内容ですが、最新ネタも加えてあって面白い。 『逆説』を以前読んだとき、面白いけど少々回りくどいと感じましたが、『真髄』は簡潔ですね。 それを熟読する合間に、検査を受けたような、そんな1日でした。 大腸のCT検査は、内視鏡検査よりもずいぶん楽でした。なにしろ、飲まされる下剤の量が少ないのです。 もちろん、多少の下剤や、それに加えてバリウムをあらかじめ飲みますが、それはたいしたことありません。 撮影時に、お尻から炭酸ガスを注入されますが、まったく苦痛ではありません。 64列マルチスライスCTなので、撮影時間も秒単位。それを体位を変えて撮る。以上。 検診センターでは、各検査部署の窓口でいちいち、名前と生年月日を言わされます。本人確認のためです。 自分の名前と年齢が、周囲の待合室の人たちに丸聞こえなのは、人によってはイヤかもしれませんね。 下剤を飲む専用の部屋では、十数人の男女が、下剤を飲んだりトイレに行ったりを繰り返しています。 そこへ職員が巡回して、便の色や状態はどうだったかと訊いて回ります。それを答えるのも女性には酷ですね。 そうそう、名前の書かれたリストバンドを待合室で装着するのですが、スタッフが次のように尋ねました。 「お尻を拭くときはどちらの手を使われますか?」 邪魔にならないように反対側の腕に着けるのが目的なのでしょうけど、尻の拭き方まで周囲に丸わかりです。 「1回目は念入りに右手ですが、2回目からはサクッと左手で、最後の仕上げはやっぱり右ですかね」 なんて言ってやろうかと思ったけど、実際には、常識人として振る舞いました。 |
名医が買っている市販薬
|
- 2018/07/30(Mon) -
|
「名医20人が自分で買って飲んでいる『市販薬』実名リストを公開!」(週刊現代)
この手の週刊誌記事を鵜呑みにする方は少ないとは思いますが、ホント、非科学的で問題の多い記事ですね。 本来は読む気にもならないのですが、患者さんに尋ねられた時のために、目を通してみました。 某有名医師は「20歳くらいのときからバファリンAを安心して使っている」そうです。 ある1人の医師が、ある薬を「安心して」飲んでいるからといって、それに何の科学的根拠があるのでしょう。 しかしこのような「個人の意見」でも、特集を組んで記事にすれば、それなりの説得力が備わってしまいます。 バファリンAの成分は「アスピリン」。子どもには原則として飲ませられない薬です。 なのにどうして、「安心して飲める」という個人の意見を、そのまま記事に使うのでしょうね。 子どもが使える消炎鎮痛剤は「アセトアミノフェン」だけなのに。 ある医師は「単なる対症療法にすぎない(略)総合感冒薬は服用しないし薦めない」と言っています。 そんなことはわかってます。 しかし、根治療法だけが治療ではありません。対症療法でも、それが必要な状況なら行う価値はあります。 のどが痛くて物が食べられないとか骨折して激痛があるとき、鎮痛はあくまで対症療法ですが、有意義です。 「私の場合、効き目が強すぎても困るので、処方薬はなるべく使わず、市販薬を飲んでいます」という医者。 アホですか。処方を受けておきながらその薬は飲まないと、医者がもっともらしく語ってどうしますか。 効き目が強すぎるのならその処方が悪いだけ。処方医との意思の疎通ができてない証でしょう。 こう考えてみると、「医者の個人的意見」というのが、いちばん有害な情報ですね。 |
鰯の頭も信心から
|
- 2018/07/27(Fri) -
|
『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(津川友介著)という本を、映画館の帰りに買いました。
たぶん、すごくいい本です。ちょっと読んだだけで、ピンときます。 ただ、まだやっと3ページ目まで読んだところなのですが、ちょっと気になるフレーズで引っかかっています。 「もう『○○だけ食べていれば健康になれる』といった類のあやしい健康本を購入する気にはならなくなる」 いや、私もかつて「ブロッコリー本」に荷担したことがありますが、怪しいことを書いたつもりはありません。 ブロッコリーのことを、面白おかしく紹介しただけです。たまにブロッコリー食べてみてはどうですか、的に。 だいいち、「ブロッコリーだけ食べていれば健康になれる」みたいなアホなことは、誰も考えてないでしょう。 せいぜい、「ブロッコリーも時々食べたらいいかもね」ぐらいの受け止めでしょう、今どきの読者は。 「ブロッコリーを続けると、何かいいことがありますか」という質問を、ときどき受けます。 「1年続けたら習慣になり、3年続けたらもう止められませんよ」と応えたくなりますが、そうは言いません。 当ブログと同じで、ある程度続けてると止めようにも止められなくなります。中断するのがもったいないから。 続けてること自体に満足してしまうのです。だからそれは、ブロッコリーでなくても何でもいいのです。 自己満足も捨てたモノじゃありませんよ。たぶん良いホルモンが出ますから。 巷の健康本にもそんな面があるのです。信じて読めば、それなりに効果はありますよ、きっと。 |
行事と熱中症
|
- 2018/07/18(Wed) -
|
今日も熱中症の子どもたちが多数、救急搬送されたと報じられました。
宮城県名取市の小学校で、朝9時から9時半の間に、校庭で人文字を作ろうとしていた児童たちです。 校長は「ちょっと長かった」と反省の弁。たった30分でも、長いと感じるほどの暑さだったのでしょう。 この事件を聞いて、現場の大人たち(教諭・校長・教育委員会など)を非難するのは簡単です。 どうしてもっと早く行事を中止しなかったのかと、あとでなら誰でも言えます。 しかし今回は、市制60周年記念の市内全校の統一行事であり、児童たちの写真が記念に残るものです。 まだそれほど気温が上がらない朝のうちに、ささっと済ませたい、という校長たちの気持ちもわかります。 逆に、安全面を考慮して早めに行事を中止したら、中止する必要はあったのかと、あとで必ず苦情が出ます。 早めに手を打って事なきを得たとき、その英断はなかなか理解されず、むしろ非難の的になりかねません。 これは防災のときでも同じ。災害を未然に防げたかどうかは立証が難しく、なかなか評価されないものです。 昨日の豊田市の、気温33度下での校外学習後に熱中症で亡くなった小学生の件は、たしかに手遅れでした。 しかし今日のケースは、児童たちの安全に配慮しながら注意して行ったので、重症者は出ませんでした。 この件を非難するというのであれば、この時期の野外活動は全面禁止にしなければなりません。 高校野球でも、実は全国で熱中症患者が出ているそうです。では、気温の高い日は必ず試合を延期するのか。 2年後の7月24日から開催される東京オリンピック。いくら気温が高くても日程は変更しないでしょう。 たしかにトップアスリートは鍛え方が違うかもしれませんが、競技場や沿道の観衆の熱中症が心配です。 |
受動喫煙防止条例成立
|
- 2018/06/28(Thu) -
|
東京都の「受動喫煙防止条例」が、昨日成立しました。従業員を雇っている飲食店を原則禁煙とするものです。
これで国の「健康増進法改正案」というザル法が、都内ではまったく意味をなさなくなりました。 例の「排除」発言ですっかり株を下げた小池都知事ですが、少なくとも私は今回、少し見直しましたよ。 厚労省の原案を大幅に後退させてしまった自民党の先生方も、都内に居る限り、条例には従う義務があります。 国の中枢が自治体の条例に縛られるとは、まことに痛快。それに不満なら、首都を移転しますか。 条例では、教育施設での屋外喫煙所の設置不可という点が国の法案よりも圧倒的に厳しくて、すばらしい。 一方で、病院や大学や官公庁の屋外喫煙場所設置が可能になると言う点は、残念です。 官公庁に対して甘くしたのは、ギリギリの妥協点なのかもしれません。 喫煙する権利を主張する人がいます。たしかにニコチンは合法ドラッグなので、摂取するのは自由です。 そのような方には、ニコチンだけを自由に摂取できる方法があればいいのです。煙は不要。迷惑なだけです。 この際、ガムやパッチや錠剤によるニコチン摂取を、もっと積極的に広めたらどうなのでしょう。 周囲の人に迷惑さえかけなければ、ニコチン摂取はあくまで自己責任ですから。 |
沖縄の麻疹終息
|
- 2018/06/15(Fri) -
|
沖縄県から今週、麻しん終息宣言が出されました。沖縄の患者は全部で99人。この程度で済んで良かった。
最後の患者が発生した5月11日以降4週間、新たな発生がなかったようです。 ただし、名古屋や福岡ではまだ発生しているので、全国的には終息していません。 それ以外の地域でも、今後新たに感染・流行が起きるかもしれません。油断はできません。 日本における現在の麻疹は、海外で感染した外国人または日本人が国内に持ち込んで、感染が広がります。 なので沖縄だって、今後また持ち込まれたら、麻しんが流行するかというと、必ずしもそうではありません。 今回の流行を機に、沖縄県内のワクチン接種が積極的に推奨・助成されたからです。 地域のワクチン接種率が95%になると、流行が阻止できるといわれます。これを「集団免疫」といいます。 個人的な理由(病気や信念)によってワクチンを接種しない人がいても、その割合が5%以下なら大丈夫。 ワクチンを接種しなかった人も、感染症から守られるのです。 ところで、沖縄県の保険医療部長による「患者発生状況の概要」に、以下のような記載がありました。 「初発患者は外国人観光客であり、はしかに罹患した状態で3月17日に来沖し、その後(以下略)」 「来沖」って言うんだ、というのが最初の感想。 熊本に来るという意味の「来熊」は、2000年に熊本に引っ越してくるまで、聞いたことがありませんでした。 驚いたのはその読み。「らいゆう」です。「熊」を音読みで「ゆう」と読むことを初めて知りました。 さて「来沖」です。当然、音読みで「らいちゅう」だろうと思ったら、一般的には「らいおき」らしいですね。 「来○」で重箱読みするケースには、長崎の「来崎(らいさき)」もあるようです。「来長」の方がいいのに。 熊本の「来熊(らいゆう)」は「来遊」にも通じるので、観光県としての熊本には、ピッタリかもしれません。 |
敷地内禁煙
|
- 2018/06/11(Mon) -
|
禁煙外来を行っている当院は、当然、「敷地内禁煙」です。
しかしそのように掲示していても、毎朝掃除のときに、駐車場の片隅でタバコの吸い殻を数本発見します。 診察をお待たせしたのは申し訳ありませんが、敷地内禁煙なので、せめて自分の車で吸ってほしいものです。 そして吸い殻は、車の灰皿に入れていただきたい。 そんなことは常識的なマナーだと思うのですが、(一部の)喫煙者は、吸い殻をポイ捨てするんですよね。 マナー違反が喫煙者のごく一部だとしても、その不快な行為が、喫煙者全体を嫌悪させることになるのです。 いま、受動喫煙を防止するための法案が議論されていますが、ポイ捨てについても厳しく規制してもらいたい。 たばこは、たとえば小さな子どもが誤食したら、急性ニコチン中毒で致命的な結果をもたらす場合があります。 胃酸があるので吸収されにくく、意外と安全だという理屈もありますが、それは楽観的です。 同時に摂った飲食物等の影響によっては、ニコチンが急速に吸収されてしまう可能性を考慮すべきです。 つまり、たばこは毒薬。吸い殻のポイ捨ては、毒物を公共の場所に遺棄・放置することなのです。 年に1回か2回、自宅で子どもがたばこを食べてしまった、という親御さんからの電話相談を受けます。 お子さんのために、迅速かつ適切な対応をするのは医者として当然としても、心底ガッカリする話です。 たばこの管理が悪かったと親はしきりに反省しますが、子どものいる家庭での喫煙自体が犯罪行為なのです。 「従業員のいる飲食店は原則禁煙」という、国よりもずっと進んだ姿勢を、東京都の条例案では示しています。 それが、未成年を含む非喫煙者従業員を保護する目的であるのなら、もっと踏み込んでみてはどうでしょう。 「未成年者のいる家庭では原則禁煙」 子どもを受動喫煙や誤食の危険から守ることが、街中での受動喫煙対策よりもよっぽど大事だと思うのですが。 |
アイコスの余計なお世話
|
- 2018/05/21(Mon) -
|
なかなか禁煙できない方に、禁煙補助薬による治療をお勧めするのですが、たいてい反応がよくありません。
当院の禁煙外来は自分の意志で受診する方が多く、私が勧めた方はなかなか治療に踏み切ってくれません。 自ら進んで禁煙したいのであって、人に言われるのはイヤ。そんな天の邪鬼な気持ちがあるのでしょうか。 「勉強しなさい」と母親に叱責され、「今やろうと思ったのに。もう勉強せん!」と言う子どもに似ています。 「アイコスに変えましたから」と、禁煙が半分成功しているかのように言う方にも、よく出会います。 アイコスを始めたけど、紙巻きたばこも「併用」していて、合計本数はむしろ増えている方もいます。 シンガポールやタイに紙巻きたばこは持ち込めますが、電子たばこや加熱式は持ち込みが禁止されています。 私にはその理由がよくわかりませんが、これらの国では、アイコスを所有しているだけで厳しく罰せられます。 紙巻きよりも環境や健康への害が少なそうに見えることが逆に良くない、という理屈なのかもしれません。 アイコスが「IoTデバイス」であることが最近も報じられ、むしろ私にはそのことが恐ろしく感じました。 ユーザーの喫煙状況データが、アイコスの内臓チップによって収集され、フィリップモリスへ送信されるとか。 そのデータを受けたフィリップモリスは、例えばユーザーに対して次のようなメッセージを届けるそうです。 「今日はアイコスを使ってないようですが、禁煙したのですか、それとも紙巻に戻ってしまったのですか」 まったく余計なお世話です。禁煙しかけている人に、アイコスの存在を思い出させる効果しかないでしょう。 |
福岡で麻疹9人
|
- 2018/05/16(Wed) -
|
福岡県内でも、昨日までに9人の麻疹患者が確認され、県からプレスリリースが出ています。
熊本から見て、沖縄はまだ「海外」でしたが、福岡は「隣県」。ずいぶん近づいてきました。 その9人の患者のプロフィールを見ると、問題点がいくつか浮き彫りになります。 1例目の方の情報は非公表なので、詳細不明ですが、二次感染はないとされています。 福岡での発端者は、実質的に2例目の20代男性です。沖縄を含む流行地への旅行歴はなく、感染場所が不明。 その後の3例目から9例目までの7人が全員、2例目の方との接触が疑われています。 麻疹の流行において、いつも気になるのは、患者の年代とワクチン接種歴です。 福岡の2例目から9例目までの8人のうち、成人は5人、小児は3人(0歳2カ月、3歳、10歳)でした。 成人5人の全員が、ワクチン接種歴1回または不明の方です。過去のワクチン行政の不備が悔やまれます。 この年代の方を感染から守るためには、接種歴2回未満の方へのワクチン接種を行うしかありません。 もっと問題なのは、3人のお子さんです。全員、MRワクチンの接種歴がありませんでした。 0歳2カ月のお子さんは、もともとMRワクチンの接種が想定されていない年齢層で、どうしようもありません。 3歳のお子さんは、1歳の時に定期接種の機会があるのに、MRワクチンを接種していませんでした。 10歳のお子さんに至っては、MRワクチン定期接種の1期も2期も受けていなかったということになります。 どうして定期接種を受けないのでしょう。健康問題や家庭環境など、さまざまな点が心配になります。 当院受診者の中にも、定期予防接種歴がまるっと抜けているお子さんに、ときどき遭遇します。 確固たる信念を持って接種を受けない方など、めったにいません。ほとんどは、認識不足によるものです。 その原因は、行政の啓蒙不足です。もちろん、医療機関にも責任はあります。 麻疹の流行が話題になっているいまこそ、予防接種全体の啓蒙活動を進めるためには大事な機会でしょう。 |
人生100年時代
|
- 2018/05/08(Tue) -
|
「人生100年時代」の到来については、だいぶ前から議論されていますが、いつもホットな話題です。
平成28年簡易生命表によると、日本人の平均寿命は、男が80.98年、女が87.14年でした。 私はいま、57.5歳。平均余命は約25.8年なので、平均的には83.3歳まで生きる計算になります。 でもってその83歳になると平均余命はまだ7.3年あり、90歳になっても4.3年、94歳でも3.1年残っています。 さらに97歳になっても2.4年、99歳で2.1年、101歳でも1.7年の余命が残っています。 まるでアキレスと亀のように、余命まで生きたらまた次の余命があり、際限なく生き続けていくのです。 先月、世界最高齢だった鹿児島県喜界島の田島ナビさんが、117歳8カ月で亡くなりました。 19世紀最後の年(1900年)から今世紀まで、足かけ3世紀生きた方でした。 足かけ3世紀生きた有名人と言えば、英国のトーマス・パーでしょう。愛称「オールドパー」で知られます。 152歳まで生きたというのは伝説だとしても、当時(15〜17世紀)としてはかなり長生きした人物のはず。 彼にちなんで名づけられたスコッチウイスキー(ブレンデッド)は、かつて私のお気に入りでした。 最近は、ウイスキーはその個性的な香りが重要なのだと思って、私はシングルモルト中心に飲んできました。 しかしたまに、安らぎを求めてオールドパーを飲むと、そのバランスの良い深い味わいの広がりに、驚きます。 長寿社会で大事なのは、晩年の心身が健康であるかどうかです。 平均寿命と健康寿命の差は、男は8.8年、女は12.4年だといいます。女性でとくに長いのが私には意外です。 いやそれとも、男は健康問題を抱えたら一気に弱っていく、と解釈できるのかもしれません。 やがて人生100年が当たり前になるとしても、QOLの低下した晩年が長くなるだけでは、暗い未来ですね。 |
沖縄の麻疹90人
|
- 2018/05/07(Mon) -
|
沖縄での麻疹患者は、合計90人になりました。5月1日〜3日の間に新たに確認された麻疹患者は8人です。
沖縄県地域保健課は、連休中も麻疹の疑い患者の精密検査を行っているようです。ご苦労さまです。 愛知県など、沖縄県外での発生患者も含めると、現在確定している3月以降の国内の麻疹患者数は123人です。 発端者の台湾人男性が沖縄を訪れたのは、3/17のことでした。 沖縄県の集計表を見ると、発端者から感染したいわゆる「一次感染者」は、3/25から症状が出始めています。 つまりこのケースでは、潜伏期は8日でした。教科書的には10〜12日とされているので、8日とは驚きます。 家庭内感染した宜野湾市の3歳女児が、4月2日に発症しています。この子が最初の「二次感染者」でしょう。 その子の感染源は、3/25に発症した一次感染者の6歳男児であろうと推測します。 となると、やはり潜伏期は8日か、兄の発症の前日から感染力があったとしても9日です。短いですね。 麻疹は、発熱の前日、発疹が出る数日前から感染力があり、発疹が消えて平熱になっても感染力が続きます。 まだ無症状なのに麻疹が感染するというのが、この病気の拡散を防ぐ上で、とても難しい点です。 しかも潜伏期は、8〜14日程度の幅をもって考えなければなりません。 いま、熊本ではインフルエンザが局所的に流行していますが、麻疹への警戒も怠るわけにはいきません。 また、ワクチンの接種を希望される方には、1日も早く接種をしてあげるのが、医療機関の務めです。 成人はもちろん、0歳児や、第2期接種を待ちきれない3,4歳児などにも、当院では接種を行っています。 熊本では絶対に麻疹を流行させない。その意気込みで、予防接種希望者は誰も断らないのが、当院の姿勢です。 |
喫煙習慣の拡散
|
- 2018/04/28(Sat) -
|
「大人の何%がたばこを吸っていると思うか」
中学生にアンケートをとったら、「男性の6割・女性の4割が喫煙者」だと誤解していた、という調査結果。 静岡の保健所長が、先週開催された日本小児科学会で発表しました。 残念ながら、私はその学会に参加できず詳細がわからないので、以下は、推測を交えて書き進めます。 コンビニ等でたばこを目にする機会が多いことなどが誤解を招いているのではないか、と分析されています。 男性の90%が吸っていると回答した生徒もいたらしいので、喫煙者が目に付くことは間違いないでしょう。 男性の6割・女性の4割というのは、中学生からみた、いわば「体感喫煙率」と考えるべきかもしれません。 目の前でたばこを吸っている大人は当然、喫煙者ですが、いま喫煙していなくても非喫煙者とは限りません。 電車やバスの乗客は誰も喫煙していませんが、その人たちの中には喫煙を我慢している人だっているはずです。 そのような「想像」も含めると、周りの大人の多くが、喫煙者に思えてしまうのかもしれません。 たばこは、自分の趣味や嗜好の目的で吸い始めるというよりも、最初は興味や勧誘がきっかけでしょう。 若者の周囲の喫煙率が高いと、やがて喫煙を始める可能性も高くなるだろうと推測できます。 現に、雀荘にもパチンコ店にも入り浸ることがなかった私には、ついに喫煙習慣が付かずに済みました。 同様に、いったん喫煙を始めた者が禁煙に成功するかどうかにも、周囲の環境の影響が大きいと思います。 社会の喫煙者の分布には「濃淡」があり、喫煙率が日本の平均値よりもはるかに高い集団が存在します。 そのような職場の喫煙者は、個人的には禁煙の意志はあっても、実際にはなかなか成功しません。 当院の禁煙外来で禁煙に成功した方が、後に喫煙を再開してしまうのは、たいてい同僚との飲み会からです。 禁煙しきれない者が、禁煙に成功していた同僚を、悪の道にそそのかすのです。 受動喫煙の問題も重要ですが、若者に喫煙習慣を拡散させない方策の方が、長期的にはより重要でしょう。 |
私は重度の柑皮症
|
- 2018/04/09(Mon) -
|
「黄疸が出たのですが」と、皮膚の色を心配して当院に来られる方のほぼ全員が、「柑皮症」です。
ミカンなど、カロテンを多く含む食物の摂り過ぎなどが原因で、手のひらなどが黄色になった状態です。 もちろんたまには本物の黄疸の方も来られます。たいていは胆道系の病気ですが、当院ではとても稀なこと。 逆に勤務医時代には多くの黄疸患者を診てきましたが、柑皮症患者の診療を行うことなどありませんでした。 黄疸の場合は眼球結膜(白目)が黄色になりますが、柑皮症では白いままです。両者は明確に区別できます。 「白目が黄色くないので黄疸ではないですよ」と説明すると、おおむね納得されます。 それでも心配な方には、私の両手を見せます。私の手掌の方が、間違いなく、よほど黄色いからです。 この数年、私よりも黄色い手の方にお目にかかったことがありません。 原因はわかっています。毎朝欠かさずに飲んでいる野菜ジュースです。トマトと人参がたっぷりのやつ。 さらに緑黄色野菜でも柑皮症になるそうで、ならば毎晩1株食べているブロッコリーも原因の一つでしょう。 「トマトが赤くなると医者が青くなる」などと言いますが、私の場合は黄色くなりました。 柑皮症は、原因の食品の過剰摂取をやめれば、自然に数か月のうちに改善すると言われています。 私もいちど、本当に改善するのか調べるために、食生活を抜本的に見直そうかと思ったことがあります。 しかし、やめました(見直すことをやめました)。 野菜ジュースは美味しくて飲んでるわけじゃないし、ブロッコリーなんて、どちらかと言えばマズい。 ほとんど惰性で摂取しているので、何カ月も中断したら、もう再開できなくなるような気がするのです。 |
春ときどきPET
|
- 2018/03/20(Tue) -
|
約2年ぶりに「PET-CT検査」を受けてきました。愛犬の精密検査ではなく、自分のがん検診の一環です。
前回は、熊本地震から復旧したばかりの、日赤の健康管理センターで検査しました。前々回も日赤です。 ところが1年前に、日赤のPET-CT診断センターは業務を止めたので、今回は済生会病院に行きました。 まず、菊陽から行くには少々遠いですね、済生会。 遅刻しないように早めに家を出たら、早く着きすぎました。とにかく、待ち時間ばかりの1日でした。 (1)受付前で、1時間待つ (2)血液検査などの予備検査 (3)PET検査室の前で、1時間待つ (4)説明を受けた後、ブドウ糖に似た「FDG」に放射性同位元素「フッ素18」をつけた薬剤を注射 (5)FDGが全身にいきわたり、もしもがん細胞があればそこに集まるのを、1時間ほど安静にして待つ (6)スキャナーの中に入り、約30分かけて陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography)する (7)また安静にして1時間待つ (8)食事 (9)1時間待つ (10)結果説明 読み物(文庫本)を持って行くのを忘れたので、(1)と(3)と(9)は雑誌熟読でしのぎました。 PET検査中の(5)と(7)は、読書もスマホも音楽も禁止なので、ボーッと寝てるしかありません。 フッ素18の半減期は110分。明朝には、私から出る放射線量は2800分の1以下になってますので、ご安心を。 |
インフルの次は胃腸炎?
|
- 2018/03/03(Sat) -
|
第8週(2/19-25)の定点当たりインフルエンザ観測数は、全国22.64、熊本県19.00、熊本市15.60でした。
いずれも前週より減っていますが、とくに流行の早かった熊本では、全国に先駆けて終息に向かっています。 そのかわり、いま目立って増えているのが感染性胃腸炎です。 今シーズンのインフルエンザは胃腸炎症状を伴うケースが多いので、よけいややこしくなります。 胃腸炎で困るのは、乳幼児の脱水症や年長児などの低血糖症状と、家族内で感染を広げやすいことです。 便のウイルス検査をすることもありますが、ウイルスが検出されたからと言って、治療法は変わりません。 この時期、食中毒はあまりないので、たいていは、ウイルス性と決めつけて対症療法あるのみです。 そうはいっても、とくに年長児や成人の場合には、発症の数日前に食べた食事内容をいちおう尋ねます。 ノロウイルスのように、潜伏期が1日、2日のものもあれば、O157のように1週間近いものもあるのです。 思い当たるものは無いという方でも、よくよく尋ねると、鳥刺しやBBQなどを思い出してくれたりします。 外食後に胃腸炎を発症した方が、同じ店で食べた友人も2,3人同じ症状だと言う場合は、保健所に連絡です。 これまでに3,4回、そのような連絡をした記憶があります。有名な某居酒屋チェーン店もありました。 国際線の旅客機では、機長と副操縦士が、機内食で別メニューを食べることはよく知られています。 万一の食中毒に備えて、2人がともに発病するリスクを考慮したものです。 でも、その万一が起きた時、ヘタしたら、乗客の約半分が胃腸炎を発症するわけですよね。こりゃ大変。 考えただけで修羅場です。トイレは足りるのか。 機内食の調理等には厳しい衛生管理をしているとは思いますが、くれぐれもしっかり、お願いします。 |