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役者の罪と出演作品
- 2019/11/04(Mon) -
「大河ドラマ『いだてん』は 10月1日にすべての収録を終了しています
 徳井義実さん演じる 日本女子バレーボールの大松博文監督を描くシーンについては
 編集などで できるだけ配慮をして放送いたします」

昨日のNHK大河ドラマの放送冒頭に、このような白抜きのテロップがしばらく映されました。
このテロップの文章って、どうなの。まったく言葉足らずで意味不明じゃないですか。

「すべての収録を終了しています」と書いてますけど、だから何?
「できるだけ配慮をして放送いたします」って、何をどう配慮するの?

所得隠し等が指摘されて活動自粛中の徳井義実氏の出演部分は、どうしてもカットできなかったようです。
再編集はされたとのことですが、実際見てみると、徳井氏は重要な役で思いのほか長時間出演していました。
でも私には、まったく違和感がありませんでした。なかなか良い演技じゃないですか。

「罪を憎んで人を憎まず」なんて言葉がありますが、「たとえ人を憎んでも作品は憎まず」でしょう。

劇中では役になりきるのが役者。ドラマで大松監督を演じている徳井氏に、徳井氏本人の人格はありません。
彼は脚本と監督の指示通りに演じただけです。脱税したことと演技内容は、何も関係ありません。

犯罪の悪質度にもよりますが、法に基づいて罰する対象は罪を犯した人物であって、作品ではないはずです。

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ドラ・クレ放送枠移動
- 2019/09/08(Sun) -
「ドラ・クレ」というのは、「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」を合わせた造語です(いま作った)。

金曜日の午後7時台に放送されてきた2つのアニメが、10月から土曜日の夕方5時前後の放送に変わります。
ま、いまの私にはどうでもいいコトなのですが、あえて童心に返って(帰って)、考察してみました。

私が子どもの頃は土曜が半ドンだったので、一週間のうちでいちばん気分が高揚したのは土曜の昼でした。
学校から帰って、出前一丁でも食べながら母とテレビで吉本新喜劇を見る、あのけだるい開放感が好きでした。
もちろんその逆に、暗く落ち込む時間帯と言えば日曜夕方の「サザエさん」のとき。これは今も同じでしょう。

週休2日が完全に定着し、土日月の3連休も珍しくなくなった今、いちばん盛り上がるのは金曜の夜ですよね。
その金曜の夜に放送される「ドラ・クレ」は、休みに突入するファンファーレみたいなものでしょう。

一方で土曜の夕方なんてのは、連休のど真ん中。どうかすると、高揚感も峠を越えようかという気分の時です。

定番の長寿番組の放送枠というのは、人々の生活リズムと密接に関わっています。
それを放送局側の都合で、うかつにいじってはならないのです。テレビ朝日には猛省を促したい。
この件と同じ轍を踏まぬよう、フジテレビにも釘を刺しておきます。「サザエさん」枠は移動しないようにと。

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台風10号の進路
- 2019/08/10(Sat) -
東日本か西日本か、いったいどっちに来るのか気を揉んでいた台風10号は、どうやら西日本に向かってます。
このことをニュースキャスターが、「台風が西にそれる」と言ったのを、私は聞き逃しませんでした。
「西へそれても、関東地方は進路の東側なので油断はできません」とも。

うっかり「関東目線」の発言をしてしまったのでしょうけど、テレビ局なんて、だいたいそんなもんです。

この台風10号はちょうどお盆休みに日本を直撃しそうなので、誰もがその進路に注目し、心配していました。
キャスターは思わず、関東に来なくて良かったぁ〜、という素直な気持ちになってしまったのでしょう。

私はその時期に、航空機による移動(旅行?)を計画しているので、台風がどっちに向かっても困ります。
とは言いながらも、九州直撃ではなく四国に向かっているのを見て、少しほっとしたのは事実。
なのでキャスターの発言は責められないのです。

日頃の台風だって、自分の都合しか考えてないかもしれません。すくなくとも私はそう。
「対馬海峡に抜けました」と聞けば、やれやれとひと安心し、対馬の人々のことはほぼ忘れてます。
「朝鮮半島に上陸」となれば、台風についての心配は終了。半島の人のことなど気にしたことがありません。
まあそれを言い出せば、台湾やフィリピン人のことを、いちいち心配するのかって話ですけどね。

ただ、その安心から出たひと言を、報道番組のキャスターがテレビで口にしたのは失態でしたね。
某復興大臣がかつて「(東日本大震災は)まだ東北でよかった」と発言したことと、本質的には同じことです。

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『新聞記者』
- 2019/07/12(Fri) -
映画『新聞記者』を観てきました。
ネット等でやたらに話題の「政権批判」映画です。ここは、参議院選挙前に観ておかなければなりますまい。

ところが、いつものように近所のTOHOシネマズのサイトを見たら、なんと上映してないじゃないですか!
熊本県内では唯一、イオンシネマだけです。全国的にも、TOHOシネマズでは一切上映していないようです。
まさかTOHOは、政権に忖度してるのでしょうか(ホントは配給会社の関係だと思いますが)。

いつものTOHOなら自宅から車で2分なのに、イオンシネマまでは九州自動車道に2区間ほど乗りました。
出かける前にネット予約しておいたのですが、慌てていたので「夫婦50割引」を適用するのを忘れました。
高速代とガソリン代まで加えたら、映画1本観るためとしては、かなりの出費となりました。

さて、映画の内容については、ネタバレになるのであまり詳しくは書きませんが、それでもネタバレ注意です。
(以下は、自己責任でお読みください)

映画の冒頭からいきなり、カメラワークに酔いました(悪い意味で)。画面が揺れるのでムカムカしてきます。
何らかの効果を狙ったのでしょうけど、ちょっとやり過ぎ。乗り物酔いしやすい人は見ない方がいいかも。

事実を元にしたストーリーですが、あくまでフィクションです。フィクションなので自由に描けます。
そのために、最も重要な部分が少々荒唐無稽に感じられて、ややリアリティーを失ったのは残念です。

映画が終わってエンドロールが流れている間、誰一人立ち上がる観客がいませんでした。
ひどく考えさせられるラストシーンのため、立ち上がる気分になれないのです。
館内の照明が灯ってからようやく、観客はみな重苦しい雰囲気で立ち去って行きました。

ある意味で予想外の結末でしたが、かといって驚きはなく、全体的にはやや消化不良のまま終わりました。
「政権を批判します」という映画ではなく、「政権批判は難しい」という映画だったのかもしれません。

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ガッテンできない
- 2019/07/10(Wed) -
今日のNHKの『ガッテン』は、「急増中!風疹&帯状ほう疹 徹底対策SP」でした。

以前からこの番組を見ていると、まどろっこしくて要点がわかりにくいムダな展開に、いつもイライラします。
科学的・統計学的には疑問のある実験や調査で時間を費やし、導かれる結論はしばしば独善的で扇動的です。

しかし文句ばかりを言ってもアレなので、今日の放送内容に沿って、おさらいをしてみましょう。

前半は、なぜ40〜57歳の男性だけに風疹無料クーポン券が届くのか、という疑問から始まります。
その取っ掛かりはヨシとしても、過去のワクチン制度の不備が今の問題につながる理由の説明がわかりにくい。

医学情報を正しく届けるためには、出演者の問答は、良い意味できちんと計算された台本に基づくべきです。
まさか今日のアレで台本通りだというのなら、番組の構成自体がダメですね。

番組後半の帯状疱疹の部分は、時間が短くて取って付けた感じ。誤解を招きかねない消化不良な内容でした。

しかしそれよりも問題なのは、風疹と帯状疱疹を、「湿疹」ができる疾患として一緒くたにしていた点です。
どちらもワクチンで予防できる疾患ですが、その予防のメカニズムはまったく異なります。
両者をひとまとめに放送したおかげで、かえって混乱を招くのではないかと、私は心配になりました。

要点はこうです。
(1)妊婦に風疹をうつさない環境を作るために、免疫保有率の低い男性成人に対する予防接種が始まった。
(2)水痘の免疫力が維持されにくい環境となり帯状疱疹を発症しやすくなったので、予防接種が推奨される。

こう書いても、わかりにくい。志の輔さんも言ってたように、どうにも「ガッテン」できない放送でした。

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お試し視聴期間
- 2019/06/12(Wed) -
「ガイアの夜明け」というテレビ東京の番組で、JALとANAのハワイ便対決の特集が2週連続でありました。
この番組は熊本でもRKKで放送されているのですが、その放送内容がなんと、5週間と5日遅れなんですね。

旬の話題を扱った特集番組を、見たいタイミングで見られない。この遅れ方はちょっとひどすぎます。
こういったとき、早いうちにこの番組を見る手段が、いくつかあります。

(1)東京か、遅延なく放送をしている局がある地域まで出かけて、番組を見て帰って来る(やりすぎ)
(2)テレビ東京の、オンデマンド放送を見る(有料)
(3)TVerによる配信を見る(期間限定)
(4)ネット上の動画を探す(不正動画)

このうち、(1)と(4)は除外して、結局私は(2)の「ビジネス オン デマンド」を選択しました。
月500円なのですが、1カ月間無料お試しキャンペーンをやってたので、1カ月だけ入会することにしました。
魅力的なバックナンバーがあったので、この1カ月の間にいろいろ見てやろうと思ったのです。
もちろん、無料期間の今月中に解約するつもりです。あくまで、お試しですから。

試したあげくに、万一、継続しても良いと思えたら、続ける場合もあるでしょう。
そういえば、Amazon Primeも、Apple Musicも、お試しで入会したまま有料会員になって現在に至ります。
なんとなく解約の機会を逸してそのままズルズル使ううちに、まあ、このまま続けとこうかという感じです。

お試し期間が終わって有料になる前に、メール等で連絡してくれることもありますけど、不十分ですよね。
解約忘れを狙うつもりがないのなら、もっとしつこく、本当に続けて良いんですか?って、何度も聞かなきゃ。
むしろいったん仮解約状態にして、再開したいなら本会員の手続きしてください、ぐらいにしても良いと思う。

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外科医の無力感
- 2019/05/26(Sun) -
5夜連続のドラマ『白い巨塔』が完結しました。ズッシリと重い最終回でした。

天才外科医が登場し、大学内の権力闘争を経て、医療過誤から裁判劇。昨日まではただ、面白いドラマでした。
ところが今日は打って変わって、人間味のある深いドラマになっていました。

すでにわかっているストーリーなのですが、全体を見終わってみると、良い作品だったと思います。
主人公が最後に、人の優しさと医師の良心を思い出してくれたことで、彼も周囲の者も救われました。

医療現場のリアリティーを完璧には求めてない点も、今となっては許せます。そんなこと重要じゃないのです。

よくある「医者モノ」のドラマと比べて、手術シーンは少なく、抑制的だけど効果的でした。
とくに試験開腹に終わった最後の手術は、私自身の昔の経験を思い出してしまう、ショッキングなものでした。

腹膜播種を目にした瞬間の無力感と悲しみは、本当にやりきれません。
外科医はしかし、そのようなケースにたびたび遭遇します。

だから私のように、すでに外科から離れて久しいと、色んな意味で手術が恐ろしく思えて仕方がありません。
自分が人の命を左右するという点と、外科医の力ではどうにもできない事があるという点においてです。

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『白い巨塔』始まる
- 2019/05/22(Wed) -
5夜連続ドラマスペシャル『白い巨塔』(テレビ朝日)が、今夜始まりました。
山崎豊子の原作刊行から50年を経て、内容はかなり今風にアレンジされているはずです。楽しみです。
ドラマとしての面白さは全体を見なければ評価できませんが、とりあえず「第一夜」の感想を書いておきます。

医者(とくに外科医)が主人公のドラマには、とくに厳しい視聴態度で臨むのが、いつもの私のスタンス。
その観点で言うと今日最もガッカリしたのは、主人公が「腹腔鏡」を「フククウキョウ」と発音した事です。

「フククウキョウ」なんて発音を、少なくとも私は医療現場で聞いたことがありません。
もう何度も何度も言ってきましたけど、「腹腔鏡」の現実的な発音は「フックウキョウ」なのです。

「腹腔」の読みは本来「フクコウ」が正しかったのですが、最近のメディアは「フククウ」を使い始めました。
さらに医療現場では、「フククウ」ではなく「フックウ」と促音化して発音するのが普通です。

よく使われる言葉は、発音しやすい方向に変化するもの。
「腹筋」の読みが「フクキン→フッキン」へと促音化したのは、この言葉がよく使われてきたからです。
「腹腔」の読みが「フククウ→フックウ」と変わるのも、この言葉をよく使う医療現場では自然な流れです。

NHKは、4年前の放送用語委員会でようやく、「フックウ」も許容することに決めました。
しかし、あくまで推奨する読み方は「フククウ」であり、放送で「フックウ」は登場しません。
民放もおおむね、NHKに準じて「フククウ」を使っているのだと思われます。

でも、私は異を唱えたい。これは報道番組でもなければ教育番組でもない、ドラマなのです。
医者や病院や医学部や医療現場をリアルに描くのであれば、臨床場面とくに手術シーンでは手抜き厳禁です。
だからこそ、ドラマで医者の口からは「フックウキョウ」としゃべらせて欲しかった。
どっちみち、「フックウキョウ」が一般的な言い方になるのは、時間の問題ですから。

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人情話に弱いです
- 2019/05/11(Sat) -
休日(休診日)の午前中、なんとなくテレビを見ていたら、あるご夫婦の苦労話を放送していました。
波瀾万丈の人生が、切々と綴られます。そんな苦労をどうやって乗り越えたんだろうな、と思っていたら、
「そんなときに出会ったのが、○○の青汁だったのです」

やられた。まんまと青汁のCM番組に見入ってました。なんなら感情移入してましたよ、不覚にも。
そのドキュメンタリー自体にウソは無いとしても、番組の作為的な構成に私は騙されてしまったのでした。

最近、某テレビ局が放送したある社労士事務所の広告番組内に、CMを流さなかったことが問題になりました。
ドキュメンタリー風の広告には、それが広告放送であることがわかるようにCMを挟む必要があるそうですね。
そいういうルールの存在は知りませんでしたが、そりゃ必要でしょう。

冒頭の青汁番組も、ドキュメンタリー部分だけ流してCM無しで終了したら、誤解を招きかねません。
CMが流れてはじめて、やっぱり青汁の宣伝番組かよ、と確信できるわけですから。

実はだいぶ前にも、休日に見ていた番組が青汁の広告放送と判明してガッカリしたことを思い出しました。
そのことをすっかり忘れていて、私は2度も青汁話に感情移入してしまったことに、愕然とします。

どうしても人情話には弱いのです。結末がわかっていても、吉本新喜劇では涙が出るのです。

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吹き替え版でボヘミアン
- 2019/04/18(Thu) -
昨日の「クイーンの日」に発売された映画『ボヘミアン・ラプソディ』のBlu-rayが、今日届きました。
劇場では字幕版でしたが、Blu-rayでは吹き替え版も選べたので、今夜はあえて吹き替え版で視聴しました。

何度観ても、良いですね。感動的でした。
吹き替えの声(日本人)と、オリジナル音源の歌声との相違・違和感が心配でしたが、杞憂でした。

そのオリジナル音源の歌声にも、実は3人の声が使われていることは、わりと最近知りました。

ひとつは、クイーンのマスターテープから取った、フレディ・マーキュリー本人の歌声。
これは本当の意味でのオリジナルです。役者の方が音源に合わせて口パクすることになります。

フレディ役のラミ・マレック本人も、喋りからの流れを自然に見せるときに限定的に歌っています。

それ以外に、明らかにフレディの声なんだけど、そんな音源って保存してあったの?、的な歌声がありますね。
これらは、某ロックバンドのボーカリストの、マーク・マーテルという人の歌声だそうですね。
ネットでその人の声を聞いてみたら、これがフレディそっくり。ていうか、フレディより少し上品な感じ。

重要な歌声はすべて、フレディ本人かマークの声であって、ラミや日本人声優の声ではありません。
その意味では、この映画は字幕版で観ても吹き替え版で観ても、音楽的にはまったく差がないのです。
ですからこれからBlu-rayを観ようかという皆さん、安心して吹き替えをお選びください。

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ブログを止めるな!
- 2019/03/08(Fri) -
『カメラを止めるな!』という、少し前に話題になった映画を、テレビで観ながらいまこれを書いています。

休診日でしたが今日はやることが色々あって、気がつくと夜9時になっていました。
当ブログは、7年近く前から毎日連続投稿を続けています。その記録を止めるわけにはいきません。

投稿の締切は深夜0時まで。そこで、やおら執筆しようと思ったその時、ちょうどその映画が始まったのです。
録画して後日観るのが通常なのですが、あえて今日は、ブログを執筆しながら観てやろうと考えました。

誤解を招かないように言っておきますが、私が映画を観るときは集中して観ます。ながら視聴は普通しません。
しかし今日の映画『カメラを止めるな!』は、「ワンカットの生中継」という設定が売り。
ならば私も、映画の開始とともに執筆を開始し、映画が終わるまでに書き終わってやろうと考えたわけです。
言うなれば「ワンカットの生執筆」にチャレンジしようという、まさに実験的企画です。

と、たったここまで書くのに1時間半もかかったのは、映画から目がなかなか離せなかったからです。
ちょうどうまい具合にCMが入るので、その間にチョコチョコッと書いて、本編が始まったら鑑賞に戻ります。
上映時間96分の短めの映画なので、ノーカットで放送しても、11時までには終わりそうです。

さて、物語は終盤。どうやらスリラー映画じゃない雰囲気になってきました。むしろコメディ。
三谷幸喜を通り越して、吉本新喜劇に近いノリですね。伏線の回収具合が、わざとらしいまでに痛快です。
ていうか、今頃言うのもアレですが、今日のブログはネタバレ注意でしたね。視聴終了。

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『いだてん』
- 2019/03/03(Sun) -
NHK大河ドラマ『いだてん』について、私はこれまで一度も当ブログで書いたことがありません。
西郷どん』も『おんな城主 直虎』も『真田丸』も、初回放送日には必ず取り上げたというのに、です。

もしかすると、『西郷どん』最終回のラストの、壮絶な戦闘シーンがトラウマになったからかもしれません。

あのラストの描き方には批判も出ましたが、大河ドラマの締めくくりとしては迫力があったと私は思います。
難を言うなら、大久保利通の最期は唐突すぎましたね。咀嚼して西郷の死とのバランスをとる余裕がなかった。

そんな重苦しい最終回を引きずりながら、年が明けて見始めた『いだてん』はどうも、ノリが軽いのです。
いえ、三谷幸喜やジェームス三木のような調子の良いドラマは好きなのですが、それにしてもタイミングがね。

ただ決して、面白くないドラマではありません。むしろ面白い。宮藤官九郎だし。
キャスティングにしても、NHKが大河ドラマで見せる「遊び」が相変わらす健在で、楽しめます。
日曜劇場『陸王』で主人公に敵対していた靴会社の部長は、『いだてん』では主人公の靴を作ってますしね。

今日の放送では、ハルビン駅で射殺された伊藤博文が『西郷どん』の伊藤と同一キャスト(浜野謙太)でした。
ていうか、朝の連ドラ『まんぷく』の牧善之介でした。

このように2年連続で同じ役を大河ドラマで演じた俳優は、私の記憶では仲村トオルがいます。
そんな事が可能なのは、2つのドラマで描かれている時代が連続しているがゆえです。
しかし、近接した時代を2年連続で取り上げればマンネリを招きかねず、難しさもあろうかと思います。
それを面白くするのは、一にも二にも、脚本の力でしょうね。今後の展開に期待します。

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ラミ・マレック
- 2019/03/02(Sat) -
2日連続のアカデミー賞関連になりますが、やはり主演男優賞のラミ・マレックについて書かざるを得ません。
ボヘミアン・ラプソディ』では、フレディ・マーキュリーが憑依したのかと思うような演じぶりでした。

顔や喋り方をマネすることよりも、目や手足や体幹の動きを再現することに重点を置いていたようです。
モーションコーディネーターがラミに、フレディの体の動かし方を完璧にコピーさせたといいます。

そのラミ・マレックがいま主人公を演じている人気ドラマ『MR. ROBOT』を、今日初めて観てみました。
たぶんこっちの方が、彼らしい役柄なのでしょうね。ボヘミアンの方は、よほど特別なケースです。

次の『007シリーズ』の悪役にラミ・マレックが抜擢されるかも、という話がいま飛び出しています。
007の悪役といえば、容赦なくボンドを窮地に追い詰めるしぶとい存在ですが、必ず最後に成敗されます。

それで思い出すのは、ドラマ『24 –TWENTY FOUR–』(シーズン8)で見かけた、若い頃のラミです。
見た方も多いでしょうけど、テロリストの手下で、最後は爆弾ベストを着て自爆する下っ端の役でした。
その彼に、母親の声を聞かせるなどの説得が奏功し、彼はついに投降。バウアーが時限爆弾の解除を行います。

大抵の映画なら、このような場合は通常、残り時間1秒か2秒を残してギリギリで解除に成功するものです。
ですが24の場合は、そうはいきません。ついにバウアーは解除を諦め、爆発2秒前に彼を突き飛ばします。

そんな悲惨な最期を遂げた心の優しいテロリストが、ボヘミアンを観る前までの私のラミ・マレック像でした。
なので仮に007に悪役として登場しても、心底は憎めない哀れなキャラになりそうな予感がするのです。

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『グリーン ブック』
- 2019/03/01(Fri) -
『グリーンブック』が、アカデミー作品賞を受賞しましたが、この映画について、私はよく知りませんでした。
私の興味はもちろん、『ボヘミアン・ラプソディー』が何賞を受賞するかという、その点だけでした。

残念ながら作品賞は逃しましたが、ボヘミアンは主演男優賞などの4部門を受賞したので、一応満足です。

しかしそのボヘミアンに作品賞を受賞させなかったグリーン ブックは、やはり観ておかなけれなまりません。
ちょうど今日がその封切り日。というわけで、今朝の第1回上映を観に行ってきました。好きですね。

もちろん内容については、ネタバレになるので書きませんが、まあ良かった。しっとりと心にしみました。
日本人にはやや縁遠いテーマのようであっても、意識の底に通じるものは万国共通です。

スパイもテロリストも異星人も出てこないので、必ずしも映画館の大画面で観る必要はないかもしれません。
あ、そうそう、ボヘミアンのような音楽モノも、大画面・大音響がいいですね。じゃあグリーン ブックも?

鑑賞後、帰宅してネットを見てみたら、この映画の作品賞受賞には批判的な意見が多いことに驚きました。
観る前には、ネット記事は一切読まないで出かけたので、そのようなことはまったく知りませんでした。

詳細をぼかして書くので意味不明かもしれませんが、私はそのような批判的な気持ちにはなれません。
多くは「特殊な状況を描いただけだ」みたいな意見です。別の言い方だと「んなことあるかい」でしょうか。

でも私は、その意見は的外れだと思います。そもそも映画なんてのは、特殊な状況だからこそ描くのです。
誰もが普通に経験する当たり前の日常なんて、「それは描かんのよ」です。わざわざ映画にしないのです。

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二度観の感動もある
- 2018/11/13(Tue) -
「感動した」「泣けた」と話題沸騰中の大ヒット映画といえば、『ボヘミアン・ラプソディ』ですね。
封切り日に観に行った話を書いたのはつい4日前の事ですが、今日もまた、映画館に行ってしまいました。

感動がさめ始めた頃に再び観ることによって、感動を再燃・持続させようという「ブースター効果」狙いです。
ていうか、2度目ならではの発見や感動がまたあるだろうという目論見です。そして、また観て良かった。
それどころか、1回目よりもずっと深い感動がありました。展開がわかるからこそのカタルシスなのでしょう。
そしてまた、ドラマよりも音楽の要素が大きい映画だからこそ、何度も観たくなるのでしょう。

ジョン・ディーコン役やEMIのオッサン役の俳優が誰かなど、小ネタも仕込んでから観るとまた楽しめますね。
サントラはもちろん、Apple Musicでダウンロードして毎日聴いてます。本編のBlu-rayが出たら買います。
これはもう、公開期間が終わる前にもう一度(3回目!)観るしかありません。

これだけ話題になっているのに、今日の観客数は封切り日よりも少し多い15人程度でした。まあいいけど。

この映画の内容に批判的な方もいます。フレディ・マーキュリーの描き方が不正確だという意見もあります。
小説ならそうかもしれませんが、圧倒的な映像と音楽・音響でつくられる映画というのは、また別物です。
その意味で、いつか自宅でBlu-rayで鑑賞する場合には、近隣から苦情が出るぐらいの音量が必要ですね。

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『ボヘミアン・ラプソディ』
- 2018/11/09(Fri) -
映画『ボヘミアン・ラプソディ』が、本日から劇場公開されているので、さっそく観に行きました。
「クイーン」ファンとしては、初日に観るのがマナーでしょう。そして、観に行って良かった。

最近の映画は金曜日に封切られることが多くて、金曜日が休日(休診日)の私には都合が良いですね。
M:I』も『インフェルノ』も『スティーブ・ジョブズ』も『天使と悪魔』も、みな封切り日に観ました。
客の入りは『M:I』よりもだいぶ少なく、ほぼ『スティーブ・ジョブズ』並みといったところか。

映画の内容に関連したことを書くので、いちおう「ネタバレ注意」と前置きしておきます。
ただし、ストーリーはすでに知られている事実だし、音楽もよく知っている曲ばかりですけどね。

中学3年の冬、アルバム『オペラ座の夜』でクイーンファンになり、高1のときはそればかり聴いてました。
自分で買ったレコードとしてもクラシック以外では2枚目でした(1枚目はビートルズのホワイトアルバム)。

クイーン最高傑作のひとつ『ボヘミアン・ラプソディ』も、このアルバムに含まれています。
この曲の演奏時間6分という長さが、当時のラジオ放送のネックでしたが、『預言者の唄』の方がもっと長い。
どちらの曲も、中間部のオペラ部分が特徴的で、友達とよく口ずさんでいたものです。とくに後者の方を。

フレディ・マーキュリー役のラミ・マレックは、決して、フレディのそっくりさんじゃありません。
しかしその、ステージ上のカラダの動きが、極めて似ています。ていうか、似せています。
歌声はフレディ本人の声を使っているそうなので、その点は完璧。音楽の使い方や編集も上手いですね。
音楽総指揮はブライアン・メイとロジャー・テイラーだし、ファンなら観て間違いのない映画でしょう。

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紙幣の登場人物
- 2018/10/31(Wed) -
一般の小売店と同様に医療機関でも、現金払いの際に必要な十分量の釣り銭を、あらかじめ準備しています。
当院のレジには、5千円札と千円札と硬貨6種類を、それぞれ一定数、配置しています。
診療終了後に釣り銭の増減をきちんと確認し、必要なら補充し、それぞれを定数に揃え、翌朝に備えます。

毎晩毎晩そのような現金勘定をしていると、ひどく汚れた硬貨や、破れかけた紙幣に出くわします。
真っ二つにちぎれそうなお札や、一部欠損して面積が小さくなったものにも出会います。
ごくたまに、夏目漱石の千円札が登場します。色合いは野口英世に似ていますが、なんか間抜けな感じです。

子どもの頃の千円札は、伊藤博文でした。今の青っぽい札とは異なり、金色っぽかった思い出があります。

いまの一万円札は福沢諭吉ですが、昔は聖徳太子でした。当時「聖徳太子」と言えば一万円札と同義でしたね。
五千円札というのは微妙な立ち位置にある紙幣ですが、今の樋口一葉も、先代の新渡戸稲造も、微妙。

記憶に新しい発行停止紙幣は岩倉具視の五百円札で、小学生時代にいちばんよく使ったのは板垣退助の百円札。

なぜこんな話をするのかというと、きっかけは大河ドラマ『西郷どん』で笑福亭鶴瓶が演じる岩倉具視です。
私の中では、蝶ネクタイでキリッとした五百円札の肖像が岩倉具視なので、鶴瓶とはギャップがありすぎです。

ついでに言うならドラマの板垣は、あの百円札のギネスもののヒゲの印象が強い板垣退助とはまったく違う。
さらに言えば伊藤博文だって、千円札とはまるで別人。朝の連ドラ『まんぷく』の牧善之介にしか見えません。
たぶん、岩倉も板垣も伊藤も、紙幣はその晩年の姿なのでしょうけど、染みついた観念は変えられません。

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一度探した場所
- 2018/10/30(Tue) -
物忘れが激しくなると探し物が増えます。探すために時間を浪費し、見つかっても見つからなくても疲れます。
このようなことをテーマに、以前も書いたことがあります。調べたら6年半前のブログでした。

日頃の探し物で多いのは、最近ではスリッパです。
冬になると裸足でフローリングを歩くのが冷たくて履くのですが、脱いだスリッパをよく見失います。
脱ぎ捨てる場所は、ソファーかイスの周囲か、風呂か玄関に決まっていますが、それがなかなか見つからない。

理由は2つ。探し方が不十分か、愛犬・花ちゃんがどこかに持って行ってしまったか。
最近経験したのは前者。最初の探し方が悪いと、後に見つけるのがとても困難になるという典型例でした。

書斎の机の下に脱ぎ捨てたスリッパは、まさかと思いながらも2度目にそこを探したら、見つかりました。
すでにその場所は探したという記憶が邪魔をして、なかなか2回も探そうとは思わなかったのが、敗因。

一度捜索を受けた場所に死体を移し替えて隠すという完全犯罪も、似たような心理を応用したものでしょうか。
最近放送されたドラマ『相棒』(第1・2話)でも登場したトリックです。(すみません、ネタバレ展開中です)

死体が見つからない事件で、敢えて住宅の基礎を掘り返して捜索したのは、移し替えを誘導したものでした。
「いったん調べの入ったここ以上に安全な場所はない」
これは、トリックを見破った杉下警部が、犯人に告げたセリフです。

でも多くの視聴者が第1話の途中から、このトリックを予想してたんじゃないでしょうかね。
だって、刑事コロンボ『パイルD-3の壁』とまったく同じ展開ですから。あれも、基礎工事でした。

確認のため、録画してある刑事コロンボを観てみました。ラストでコロンボ警部が犯人に告げたセリフは、
「アンタに欲しいのは、間違っても見つからない場所だ。それには一度捜査を受けた所がうってつけだ」

ここに隠したら完璧、と思うような隠し場所が急に現れたら、まず、怪しむことですね(犯人目線)。

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弁護士ドラマ
- 2018/10/12(Fri) -
弁護士モノのドラマが2つ始まったので、観てみました。
月曜がフジテレビの『SUITS/スーツ』で、昨日はテレビ朝日の『リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子』。
小鳥が遊ぶところには鷹は居ない、ということで「小鳥遊」と書いて「たかなし」と読むのですか。へぇ。

『スーツ』は視聴率14.2%。そこそこの数字だと言いますが、評判は必ずしも芳しくありません。
たしかに、海外ドラマの『SUITS』と比べたら少しガッカリする完成度ですが、今後に期待しましょう。
できれば、もっと徹底的にオシャレに、キザに、そしてストーリーはもっと重厚にしてもらいたい。

一方の『リーガルVは』は、視聴率の15%こそ拮抗していますが、わりと好評価ですね。私も賛同します。
医者モノの『ドクターX』の弁護士版なわけですが、カタルシスの得られるストーリー展開も悪くない。
癖のあるキャラがあちこちに居て、伏線も十分です。来週も観たくなりました。

初回の印象はどうしても、前評判や期待とのギャップに影響を受ける嫌いがあります。
シリアスで重厚な展開を期待した『スーツ』と、破天荒な主人公の活躍を期待した『リーガルV』の違いか。

医者モノのドラマを観てガッカリするのとは違って、畑違いの弁護士モノは単純に楽しめますね。
少々説明調なセリフが出てきても許せるし、ディテールのあら探しをすることもないですから。

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『M:I フォールアウト』
- 2018/08/03(Fri) -
『ミッション:インポッシブル フォールアウト』 観てきました。
本日封切りの映画ですから、どのように注意して書いてもネタバレになりかねませんが、注意して書きます。
(でもなるべく読まないでくださいね、今後観に行く予定の方は)

朝9時前に映画館に行くと、子どもたちが大行列。目的は『インクレディブル・ファミリー』でしょうか。
『フォールアウト』の方は、客の入りは2割程度か。まあこれでも、他の映画の封切り日よりはだいぶ多い方。
ざっと客席を眺めたら、40〜60代ぐらいのオッサンがやたら多くて、ちょっと妙な雰囲気でした。

「007」シリーズでもそうですが、この手の映画は、誰が味方で誰が敵か、最後までわからないのが困ります。
昔のようにKGBが出てくれば単純明快なのですが、今は各国の諜報機関とテロリストが絡むのでややこしい。
もはや同盟国でも、自国組織ですら油断なりません。しかも逆転につぐ逆転。

もともと「M:I」シリーズは、二重スパイや裏切りが得意ですが、それがますます複雑になっています。
少しでも居眠りしたら置いてかれますからね。まあ、あのアクションだから、居眠りはできないでしょうけど。
どんでん返しには慣れているつもりですが、それでも結局、裏切られてしまいます。もちろん良い意味で。

それにしても「お面」ですよ、変装の。いくら精巧にできてるからって、そばで見ててバレないんですかね。
シリーズ第2作などは、ちょっと使いすぎじゃないのと思いましたが、今回はなかなか抑制的で効果的でした。

なんといっても、トム・クルーズのアクションには驚きます。どんな危険なスタントも、全部自分でやる。
撮影中に骨折して、しかもそのまま撮影を続けたとか。ああ、このシーンかと、映画見ながら思いました。
こんなことしてると、次は骨折じゃ済みませんよ。重症・重体になったらなったで、そのシーンも使うのかも。

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ジュラシック・シリーズ
- 2018/07/28(Sat) -
映画『ジュラシック・ワールド 炎の王国』を観たので、その感想文です。
(以下、ストーリーそのものを書くわけではないですが、どうしてもネタバレになりますのでご注意ください)

『ジュラシック・○○』シリーズの最新作(第5作)です。第1作の公開は1993年。もう25年も前なんですね。
第1作のCGはあまりにも衝撃的でしたが、さすがに25年もたつと、観る方もすっかりCG慣れしてますね。

シリーズのカテゴリーとしては、人間のエゴへの警鐘を強調したSFスリラー、とでも言うべきでしょうか。
テーマが恐竜なのに、人が次々と殺害されてしまうので、小さい子どもには見せられないレベルですね。

全作品に共通するのは、悪人たちは必ず最後には、恐竜に食べられてしまうということでしょう。
一般市民も多少は被害に遭いますが、とくに悲惨な最期を遂げるのは、金儲けに目がくらんだ悪人たちです。
逃げ延びようとする悪人たちに最後に鉄槌が下るシーンには、恐怖と同時にカタルシスを得てしまいます。

一方で、主人公とその周囲の人々は生き延びます。善人はなるべく殺さないのが、暗黙のルールなのか。

それでも、最新作と以前の4作品とでは、大きな違いがありました。終わり方です。
前4作は、大混乱の末にもそれなりの収束を迎え、そこそこ心穏やかなエンディングとなった気がします。
ところが今回の第5作ときたら、もうどうにでもなれという、投げやりな(やけくそな)終わり方でした。

次回作を作りやすくするための伏線のレベルを超えて、もう、次を作る気は無いのかと思わせます。

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映画とハンセン病
- 2018/07/11(Wed) -
加藤剛さんが亡くなりました。
ドラマ『大岡越前』や映画『砂の器』が代表作ですが、最近の映画では『舟を編む』で見かけました。

昨夜は約30年ぶりに『砂の器』を観てみたら、加藤氏の若々しいこと。その他の俳優の方々もみな、若い。
この映画の特徴は、終盤の構成の巧さでしょうね(以下、ネタバレあり)

成功した音楽家のコンサートと、事件の背景を解き明かしていく捜査会議とが、同時進行で描かれます。
『ゴッドファーザー』で、洗礼シーンとボスらの殺害シーンが並行して描かれた、あのラストに似てますね。

「業病」との位置づけで描かれている「ハンセン病(癩病)」が、この映画の根底を流れる重いテーマです。
松本清張氏が原作を書いたのは昭和35年。私が生まれた年です。映画ができたのが昭和49年。

ハンセン病を差別的に描いたのは、戦前の回想シーンに限定されており、一定の配慮はなされていました。
映画の最後にも、ハンセン病患者の社会復帰を拒むものは非科学的な偏見と差別のみだと、字幕が出ます。

この病気のことを昔の人たちは、本当に恐れ、差別してきたのでしょうね。他の映画でも見かけます。

有名どころでは『ベン・ハー』でしょう。主人公の母と妹が罹患しますが、キリストの奇跡で完治します。
私の好きな『ブラザー・サン シスター・ムーン』でも、ハンセン病患者が差別され、隔離されていました。
これらの映画はハンセン病患者を、救済の必要な存在として、慈悲をもって描いていた気がします。

一方で、中学時代に観た『パピヨン』では、ハンセン病がひたすら不気味な存在でした。
最近(?)では『もののけ姫』にも、ハンセン病患者とおぼしき、隔離された人々が登場してました。

どのように描いても批判を招きかねない難しい題材ですから、今後この病気はとりあげにくいでしょうね。

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『ブラックペアン』最終回
- 2018/06/24(Sun) -
サッカーの試合と放送時間が重ならなくて良かったドラマ『ブラックペアン』最終回。(ネタバレ注意)

「今日、すべて終わらす」と言い放つ、主人公の渡海先生。そりゃそうでしょう、最終回だし。
今日もツッコミ所(=間違い探しポイント)は満載でした。

いきなりの衝撃的なシーンは、例の秘密患者のレントゲン撮影でしょうか。
病室でのポータブル撮影は、プロテクターなし。居合わせた4名全員が、まるっと被爆してます。

おまけにそのレントゲン画像には「立位 P→A」とある。立位で背中側からX線を放射した場合の表示です。
そのディテールを、監修者が間違えるはずはありません。どう考えても、医療従事者向けのサービスですね。

CMタイムも気が抜けません。「花王アタック抗菌EX」のCM。あれ(=アタックNo.1)はなんですか!
「家庭教師のトライ」か「漂流教室xモンスト」のCMに匹敵するふざけ具合じゃないですか。

見てていちばん胸が苦しくなったのが、術中心臓マッサージ(心マ)のシーンですね。
まず、心マの手つきがダメ。アレじゃ蘇生しませんよ。
その証拠に、心マ中のモニターは、心電波形も動脈圧も完全にフラットでしたからね。
しかも、「諦めるな、諦めたら終わるぞ」と叫んだばかりの執刀医が、すぐに諦めてしまうってどうなの。

人工血管の縫合を終了して大動脈の遮断を解除したら、VF(心室細動)になりました。
それを予測したかのように、渡海先生はあらかじめ「いちおうDC用意しとけ」と叫んでましたね。
でもね、DC(=直流除細動器)なんて、言われなくても準備してあるはずですけど。

「ブラックペアン」の謎が、ついに解明されました。
ただ、術前には必ずレントゲン撮るので、渡海一郎氏がペアン置き忘れの罪をかぶるはずはないですけどね。
そこがこのドラマでいちばん、私が引っかかったところでした。まあ、全体的には面白かったけど。

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制限時間は1時間
- 2018/06/17(Sun) -
どのような超難関手術でも、最後は必ず成功するので安心して見ていられるドラマ『ブラックペアン』第9話。

「タイムリミットは1時間」みたいな局面が、今日も訪れました。
心臓の筋肉は、病気や手術によって血流が途絶する(=虚血)と、その細胞が障害されてしまいます。
「心筋虚血時間」が長くなればなるほど心筋障害が強まり、最悪の場合、その心臓はついに動かなくなります。

なので心臓外科手術では、虚血時間をできるだけ短くするように、手を尽くします。
心臓を止めて行う一般的な手術でも、今日のドラマのような心筋梗塞直後の手術でも、考え方は同じでしょう。

このように、心臓手術にはしばしばタイムリミットが存在するので、ドラマにすると適度な緊張感を生みます。
まるでテロリストが仕掛けた時限爆弾を処理するシーンのように、スリリングに描くことができるわけです。
心臓外科が他の外科手術よりもドラマ化されやすい理由のひとつは、時間のファクターがあることでしょうね。

しかし現実には、制限時間を1秒でもオーバーしたらダメで、1秒でも下回ればOK、なんてことはありません。

今日の「1時間」だって、その症例の諸条件を考慮して経験的に考えられる、おおざっぱな数値にすぎません。
70分かかっても問題無いかもしれないし、50分でも致命的な結果になることだってあるでしょう。
なので、1時間という数字を絶対視してこだわっていたシーンが、少々ゲーム的で私にはなじめませんでした。
ドラマですから、いちいち目くじらは立てませんけどね。さて、来週は最終回。

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怒鳴る執刀医
- 2018/06/10(Sun) -
素早く縫合しメッツェンで糸を切る。手術操作のシーンはそればっかりの『ブラックペアン』第8話。
ドラマ全体(たぶん、全10話)の終盤に近づいてきたので、人間ドラマ的側面がメインになってきました。

おかげで手術シーンはますます減っています。
おまけに「手術支援ロボット・カエサル」による手術操作が主体なので、術野(心臓)がほとんど見えません。
しかし、術野に頼らず、トラブルと怒号によってリアリティーを出そうという手法は、今日も健在でした。

外科医はしばしば、手術中には人が変わったように、せっかちで、自己中心的で、荒っぽくなります。
自分が思った通りに、助手や看護師やその他のスタッフが動いてくれないとき、ひどくイラつくのです。
いやそれ以上に、自分がイメージした通りに自分の手が動かないとき、もっとイラつき、周囲にあたるのです。

その反対に、自分の手が思い通りに動いたときは、きわめて温和で寛大な気持ちになります。
助手が少々ヘマをしてもすぐ対処でき、イラつきません。手術の出来不出来は結局、執刀医が左右するのです。

逆説的な言い方ですが、いちばんイラつかない方法は、助手をあてにしないことかもしれません。

一流の外科医はしばしば、助手の動きを限定し、基本的には一人で黙々と執刀します。
助手はまるでロボットのように、その手を執刀医に操られ、動かされたり固定されたりします。
ロボットなので、その動きの責任はすべて、執刀医にあります。
もしも執刀医が怒鳴ることがあるとすれば、助手が人間的な(勝手な、未熟な)動きをしたときでしょう。

助手がヘマして執刀医が逆上、そこへ現れた主人公がうまく処理する。ちょうどこのドラマのお約束ですね。

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ツッコみながら懐かしむ
- 2018/06/03(Sun) -
術野を映さずに手術を描写するパターンが定着してきたドラマ『ブラックペアン』第7話。
今日の私のツボは2カ所。いずれも今回のメインの手術ではないことを、最初にお断りしておきます。

1例目は、人工心肺回路の接続を間違えた医療ミスの回想シーン。
イラついた執刀医が、モタつく看護師から奪い取って大動脈への送血管に接続したのは、脱血用のチューブ。
そのまま体外循環を開始したものだから、致命的な循環動態になってしまいましたが、そんなことあり得ない。

まず、送血管と脱血管は、コネクタの太さがまったく違います。接続を間違えること自体が不可能です。
人工心肺回路は必要最小限の長さにしてあるので、脱血用チューブが送血管のところまで届くのも不可解。
送血管に接続してすぐに体外循環を開始するなど、まったくナンセンス。脱血管はどうしたの、って話です。
トラブルをリアルに描きたいのであれば、とことん正確に描写してほしいものです。

おまけに、執刀医が自分のミスを他人のせいにしたシーンを見て、女子医大の事件を思い出してしまいました。

2例目は、術中に発症した心筋梗塞に対して、緊急冠動脈バイパス手術を行ったシーン。
主人公が、バイパスに使う「内胸動脈」を剥離しつつ、「お前サフェナ取れ」と助手に命じます。
「サフェナ」というのは、やはりバイパスに用いる下腿の「大伏在静脈(saphenous vein)」のことです。

私にも、「サフェナ取れ」と指導医に命じられた経験が何度もあるので、その言葉は妙に懐かしく響きました。
サフェナ取りは基本的な手術手技ですが、その出来具合は重要で、若手心臓外科医の腕の見せ所なんですよね。
このドラマ、毎度ツッコミどころ満載なのに見てしまうのは、そのような懐かしさゆえかもしれません。

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左房粘液腫
- 2018/05/27(Sun) -
複雑な人間関係が明らかになってきて、逆に手術シーンがつまらなくなってきた『ブラックペアン』第6話。

今日の手術は、心臓の腫瘍「粘液腫」の切除と、その残存腫瘍の摘出と、そのまた合併症への対処手術でした。
一粒で3度の、美味しくない、でも臨床現場ではありがちな設定でした。

粘液腫の多くは、左心房にできる「左房粘液腫」で、組織としては良性なのですが、生命の危険があります。
なぜなら、左房の出口である僧帽弁にはまり込んだり、腫瘍の一部がちぎれて脳まで流れたりするからです。

術前検査で、大きな粘液腫が心臓の拍動と伴に動き回る映像を見るのは、実に心臓に悪いものです。
担当患者の巨大な粘液腫が、まるで鞠のように心臓の中を転げ回っている様子を目にしたこともあります。
体の向きで粘液腫の動き方が変わり、何かの拍子に僧帽弁にはまり込み、突然死することもあり得ます。

手術中に粘液腫を見ると、表面が少し房状になった、ぷるんぷるんの赤いゼリーのような外観です。
つるんっと取れればいいのですが、下手に触るとぐじゃっと砕けます。
砕けた腫瘍のほんのごく一部でも、あとで脳に流れて行けば極めて重大な脳梗塞を引き起こします。

ロボットで粘液腫を切除するのは、ホントに高度な技術が必要だろうと思いますが、現実に行われています。
ただそのような難手術が、このドラマではあまり詳細に描かれておらず、それほど難しそうに見えません。
監修の渡邊剛先生からすれば、簡単な手術だからでしょうか。

いつも思うのですが、手術描写の大半は、左房かどこかの切開部の縫合シーンという、どうでもいい部分です。
最後に「メッツェン」で縫合糸を切る瞬間をたいそう重々しく描いているのを見ると、何かガッカリします。
もっと、ホントに難しい手術手技の部分を、一度でもまともに描写してほしい。

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感染性心内膜炎の手術
- 2018/05/20(Sun) -
最新鋭の医療機器による手術の失敗を、主人公が驚異的な技術で挽回するドラマ『ブラックペアン』第5話。

今日の前座は、両側肺動脈血栓除去術でした。
ファロー四徴症根治術後の癒着があるため、正中切開ではアプローチできない、さてどうする、というケース。
左開胸で臨んだところに驚きました。そっちの方がよっぽどリスキーじゃないの?
正中切開で慎重に剥離して、良い視野を出した方が安全に思えますが、まあケースバイケースでしょうかね。

さてメインは、7歳の女の子の心房中隔感染巣の除去術です。「感染巣」とは感染した組織という意味です。
心臓内の感染「感染性心内膜炎」は、そこに人工物が関与している場合、それを除去するしかありません。
人工弁置換術後や心内欠損閉鎖術後に感染性心内膜炎を来して、とても苦労した経験が私にもあります。

血行動態が許せば、まず強力な薬物治療によって感染の沈静化を図り、その後、感染巣除去術を行います。
ドラマでも、何かの薬物治療の後にロボット手術が行われましたが、その終盤に、お約束のトラブル発生です。

そこでようやく、主人公の活躍が始まりました。今日は主人公の執刀シーンはここだけ。
輸血のできないその子に対して、いつのまにか貯血していた自己血を使って対処したというところがミソ。
どうやら、ロボット手術の失敗を見越して、造血剤を注射しながら貯血して開胸手術に備えていたようです。

でも、感染性心内膜炎で、敗血症を示すプロカルシトニンが異常値の患者の自己血って、使えるんでしょうか。
その血を輸血したら、感染巣を切除・縫合した部分に、また心内膜炎が起きそうな気がしてなりません。
きっと術後にものすごく苦労したと思うのですが、そこを描くのは省いたのでしょうね、ドラマ的には。

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人工弁の向きはOK?
- 2018/05/13(Sun) -
心臓病って「僧帽弁閉鎖不全症」しかないのかと、誤解を招きそうなドラマ『ブラックペアン』第4話。

外科医の腕の見せ所の描き方は、例によって2パターン。
X線透視を見ながらの慎重な手術操作と、やたらと素早い縫合結紮シーン。なんだかなぁ。

これまでの「スナイプ」はすべて、左心室の心尖部から挿入して、僧帽弁置換を行ってきました。
これを「経心尖アプローチ」といい、左室から左房へ向けて人工弁を留置するものでした。

ところが今日の2例目は、諸事情あって、大腿部からカテーテルを使ってスナイプ挿入することになりました。
大静脈から右房に至り、先天的に開存していた心房中隔の小欠損孔を経て、左房に到達する経路です。
これは「経心房中隔アプローチ」であり、人工弁は左房から左室に向けて留置されました。

私はその一部始終を見ていて、老婆心ながら、人工弁の向きは大丈夫なんだろうかと心配になりました。
「経心尖」と「経心房中隔」とでは、留置する弁の向きが逆だからです。
「あっ、人工弁が逆向きだった!」なんてことになったら、笑い話にもなりません。

ずいぶん昔のことですが、人工弁を逆向きに縫着しそうになった手術現場を、私は目撃したことがあります。
人工弁を心臓に縫い付けるためには、十数本の糸を心臓と人工弁に掛けていき、最後にまとめて結紮します。
ところが、執刀医がその人工弁を左手に持つときの持ち方を間違えて、最初から逆向きに持っていたのです。

そのことに、周囲の誰も気付きませんでした。最終段階で外科医全員が同時に気付き、一瞬、固まりました。
もちろん、縫着操作を全部やり直して事なきを得ましたので、ご安心ください。

スナイプの逆向き挿入シーンを見て、思わずそのような昔のことを思い出してしまい、変な汗が出ました。
当然、最初から弁が逆向きのスナイプを用いたのだとは思いますが、その説明がなかったので心配しました。

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TVドラマに異議あり
- 2018/05/10(Thu) -
ドラマ『ブラックペアン』に異議ありと、日本臨床薬理学会がTBSに抗議したという話。
架空ドラマにそこまでムキにならなくても、とは思うのですが、学会にも言い分があるのでしょう。
医者への接待を繰り返す「治験コーディネーター」の描かれ方が、現実とはまったく異なるのが問題だと。

医学部や病院や医者をどれほど汚く、あくどく、あるいは荒唐無稽に描いても、だれも文句はいいません。
しかし、あまり知られていない職業の治験コーディネーターを悪く描くと、一般人の誤解を招くというのです。

たしかに『ブラックペアン』では、治験コーディネーターの露骨な接待が、強調して描かれています。
しかしこれも、ドラマを面白くするための演出なので、目くじらを立てる必要などまったくありません。

学会の立場や心配もわかりますが、視聴者はそんなに単純じゃないですよ。
破天荒な主人公も、教授たちの確執も、コーディネーターの接待も、みなフィクションだとわかってます。
それぞれが、ひどく極端な人物として描かれていることなど、百も承知。それがドラマなのです。

それを真に受けてテレビ局に抗議するなど、学会は医療ドラマのいい加減さをわかってないのでしょうか。
それとも、アホなフィクションに対してわざとマジギレしてみせるという、学会の高度なジョークなのか。

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エコー画像に異議あり
- 2018/05/06(Sun) -
ドラマ『ブラックペアン』第3話は、今回も題材は僧帽弁手術。その一貫した姿勢に感服します。
今日は肝心の「ブラックペアン」すら登場しませんでした(たぶん)。

手術患者は2人。「僧帽弁閉鎖不全症」の若者と、「僧帽弁狭窄症」の中年男性(田崎真也氏)。
その若者の術前超音波検査風景が一瞬出ましたが、どう見ても「僧帽弁狭窄症」の画像だったので驚きました。
僧帽弁はひどく肥厚して開口が制限され、逆流もあるだろうけど確実に狭そうな弁。心拍もおそらく心房細動。
僧帽弁閉鎖不全症であれば、逆流所見をカラードプラで見せるのがてっとり早いのに、それも無い。

どこでどう間違えて、あのような画像を使ったのか。
さてはこのドラマ、本筋だけでなく間違い探しでも楽しめる趣向の、一粒で二度美味しい演出なのか。

当院では、開院以来10年間使ってきた超音波(エコー)診断装置を、ようやく買い替えることにしました。
ドラマ『A LIFE』でキムタクが使っていた、GEのノートパソコン型のエコー装置を見て、そう決断しました。
そのドラマで一瞬登場したのは、激しく逆流する大動脈弁のカラードプラ像でした。それが美しかった。

だから言ってるのです。先ほどの若者のエコー像は、色鮮やかな逆流所見でなければならなかったのです。

キムタクのエコーは、調べてみたら「定価」が3,350万円の製品でした。まったく話にならない価格です。
しかし業者から見積をとったら、500万円を切る金額が提示されました。これまたふざけた値引き価格です。
こういった医療機器の定価って、なんなのでしょうね。
結局は、ワンランク下の機種を購入することにしましたが、やはり、その値引き額は意味不明でした。

来週、当院には新しいエコー装置が登場します。やはりGEの画質は美しい、と私は思ってます。
なお、その装置を操作する医師は、キムタクではありませんので(キムタク似かどうかもわかりません)。

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ドラマの特殊性
- 2018/05/04(Fri) -
あまり見てないのだけど、とか言いながらちょいちょい見ているのが、テレビドラマです。
映画もたまに、休診日にNetflixなどで鑑賞することがあります。映画館にはもう、だいぶ行ってません。

最近の医療系ドラマには、ある程度のリアリティーを感じる反面、ウソのような展開もしばしば見受けます。
それが荒唐無稽なものなら、所詮フィクションかと諦めもつき、漫画を読むような視聴態度になります。

ところが、医学的にはあり得るけど、普通は遭遇しないような疾患が、平然と登場したりするのが困るのです。
そんな稀なことが起こってたまるかい、と私がツッコんで済む事じゃない。一般の方に示しがつきません。
世の中の方は、そのようなひどく特殊な疾患や病状が、日常的に医療現場で現れるのかと錯覚してしまいます。

とは思うのですが、ここで私は何十年ぶりかで、旧友・松谷君の言葉を思い出しました。
「それは描かんのよ」

そうなのです。世の中の病院や手術室で起きていることのほとんどは、そのまま描いてもドラマになりません。
滅多に起きないけどたまに起きる、ドラマティックな出来事を選んで描くからこそ、ドラマなのです。

学生時代に、仲間で8ミリ映画を製作したことがあります。松谷君はそのときの監督です。
スマホ動画でもなければ、ビデオ映像ですらない、当時はまだ、8ミリ映画の時代(の末期)でした。

その頃はよく映画を観に行きました。そして、あとで皆でああだこうだ論評したものです。そんな時代でした。
映画のストーリー展開が作為的である、普通ならこうだ、なんて議論になると、先ほどのセリフが出るのです。
「それは描かんのよ」

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「ドベイキー」の日
- 2018/04/29(Sun) -
心臓外科手術トラブル逆転修復ドラマ『ブラックペアン』第2話は、今日も出血との戦いでした。

術式は突飛だし、あちこちのディテールには閉口しますが、全体の雰囲気は意外と、リアルですね。
左室内に脱落してしまった人工弁を取り出すシーンを書き起こすと、こんな感じでした。

メッツェン、ドベイキー」と指示し、そのドベイキーを左室内に挿入して、人工弁の取り出しを始める渡海。
「ドベイキーで、直接人工弁を捕まえるというのか?!」と驚く手術スタッフ。
「ドベイキーで人工弁を?、弁に絡んでいる心筋が見えているというのか?!」と口にする准教授。

都合3回、何の説明も無く登場した「ドベイキー」が、今日の私の「ツボ」でした。
渡海が、左室内から人工弁をつかみ出すときに使った、そのピンセットの名称こそが「ドベイキー」なのです。

ドベイキーは、細い先端部の内側に細かい歯がびっしりと付いているのが特徴。物をしっかりつかみます。
持ち手の部分にも、他のピンセットには無い独特の窪みがあって、とにかく物をつかむことに徹した構造です。

その名前は、10年前に99歳で亡くなった心臓外科のパイオニア、マイケル・ドベイキー教授に由来します。
心臓外科医にとっては神様みたいな人ですが、ロシアのエリツィン大統領の手術を指揮した事でも知られます。
「大動脈解離」という病気では、「ドベイキー分類」という分類法もよく使います。

「ドベイキー」という言葉がドラマで何度も飛び交うのを見て、「サテンスキー事件」を思い出しました。
リアリティーのために、何の解説もなく特殊な用語を連発するという、以前のドラマではあり得ない手法です。

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『ブラックペアン』
- 2018/04/22(Sun) -
TBSの日曜劇場『ブラックペアン』が、今日から始まりました。心臓外科モノなので、見るしかありません。

タイトルの「ブラックペアン」からまず想像したことは、天才外科医の繊細な「ペアンさばき」でした。
ちなみに「ペアン」というのは、何かを挟むときに使う手術器械で、大小様々な形のものがあります。

この手の医者モノのドラマ、とくに外科医モノは、『A LIFE』以来、リアリティーの追求が進んでますね。
今日の手術シーンは、ブタの心臓を使っていると想像しますが、本物の術野によく似せた描写でした。

リアリティーを出すなら出血だと言わんばかりに、やたらに出血する場面も多かったですね。
たしかにトラブルを描くなら、出血はわかり易い。私も勤務医時代の緊迫した局面を思い出してしまいました。
ただし、細かいことを言わせていただければ、血液噴出に拍動がなく、まるでホースから出る水のようでした。

さて、ブラックペアンと聞いて最初に思い出したのは、私の恩師、徳永皓一先生(元九大心臓外科教授)です。
徳永先生は、手術中の重要な局面でしばしば、「ブラックだ、ブラックを出せ」と指示を出されました。
この場合の「ブラック」とは、「スーパーメッツェンバウム」という種類のハサミのことを指していました。

手術で使うハサミには多くの種類がありますが、「メッツェンバウム」は、細長くて繊細な形のものです。
その中でも、組織が滑らずに切れるように刃に加工してあるものが、いわゆる「スーパーメッツェン」。
他のメッツェンと区別するために、持ち手の部分が黒く塗られています。だから通称「ブラック」なのです。

「ブラックペアン」と言うからには、よほど特別なペアンだろうと期待して、今日のドラマを見ていました。
しかし、裏切られました。なんなら、ズッコケたと言ってもいいでしょう。

教授が執刀を終えて、人工心肺のチューブを遮断する段になって、その特別な黒いペアンが登場したからです。
固いチューブを、その特別なペアンで挟むこたぁないでしょう。頑丈なチューブクランプを使えばいいのに。
せっかく面白いドラマなのですが、今後も毎回、ブラックペアンが登場するたびにズッコケそうです。

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『半分、青い。』
- 2018/04/12(Thu) -
これまで気にも留めてなかった、NHKの連続テレビ小説『半分、青い。』を、今日から見ています。

ドラマで「ムンプス難聴」の話が出ていると小耳に挟んだので、今日の診療の合間に見てみました。
全録レコーダーという文明の利器と今日の診療が暇だったおかげで、第1回放送分から「一気見」できました。

70年前後の大阪万博とかマグマ大使とかの映像が、60年生まれの私にはなんとも懐かしくてたまりませんね。

主人公が難聴を発症し、おたふくかぜの合併症であるムンプス難聴と診断されたのが、今日の放送でした。
当ブログでも何度も書いてきたように、おたふくかぜを侮れないのは、難聴になる危険性があるからです。

欧州や北米南米の各国では、子どもの難聴を防ぐために、おたふくかぜワクチンの定期接種を行っています。
韓国も中国もロシアも定期接種しています。アフリカ諸国と北朝鮮はやっていません。そんなレベルの話です。

かつて日本でこのワクチンを定期接種として導入したら副反応が出たため、任意接種に格下げされたのです。
この時は、ワクチンそのものにも問題があったのですが、それにしても、日本人は副反応を恐れすぎます。
感染症を防ぐという予防接種本来の目的よりも、副反応を防ぐ方を優先させる、不思議な国民性なのです。

ムンプスウイルスはヒト以外に宿主がないので、予防接種さえ徹底すれば、おたふくかぜは根絶可能です。

連ドラの脚本は、自身も片耳が難聴の北川悦吏子さんです。さもありなん、と思える描写が随所にありますね。
さいわいドラマでは、ムンプス難聴になった主人公が、明るく前向きに描かれているので救われます。

しかし、ドラマの時代から半世紀近くたったのに、いまだに日本の子どもたちは難聴の危険に晒されています。
国はそろそろ腹をくくって欲しい。この連ドラが、弱腰の厚労省の後押しをしてくれるとよいのですが。

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日曜の定番番組
- 2018/04/01(Sun) -
仕事から帰って、風呂に入り、髪を乾かしてからリビングのテレビを見ると、サザエさんをやってました。
小3の時(1969年)に始まって以来、サザエさんと言えば東芝だったのですが、ついにスポンサー降板です。

ドラマ中、宅配便が届くシーンがありました。新スポンサーのひとつAmazonに、気を遣ったのでしょうか。
業者の制服は、ヤマトを思わせる緑色。でも荷物はとても小さな箱だったので、Amazonじゃないことは確か。

毎週楽しみにしている大河ドラマ『西郷どん』は、残念ながら今夜は本編ではなく、スペシャル番組でした。
このような中断はドラマの流れを途切れさせてしまう、と苦言を呈しているのは脚本家のジェームズ三木氏。

私も最初はそう思ったのですが、見なければさらにブランクが空く気がして、スペシャルを見てしまいました。
それにNHKだって、視聴率を上げたいのだから、見ててシラけるようなスペシャル番組は作らないはず。
実際、主役らの撮影裏話に的を絞ってあり、全体的にネタバレの少ない、抑制の利いた構成でした。

どっちみちこの先、ドラマは間違いなく、薩長同盟、王政復古から西南戦争へと向かいます。
その結末はわかっているのに、涙したりカタルシスを得たりしながら、年末まで見続けることになるのです。
だからこそ歴史ドラマ、とくに大河ドラマは、その脚本の面白さがすべてと言ってもいいでしょう。

1年間感情移入して見続けるためには、できれば主役級の俳優の方々を、大河以外で見かけたくはありません。
スペシャル番組で談笑している島津斉彬と西郷隆盛など、本当は見たくないのです。(見たけど)
まして、ハズキルーペのCMなんかに、いま出ちゃダメでしょう、渡辺謙さん。

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パイロットの訓練
- 2018/02/04(Sun) -
昨夜テレビで、『ハッピーフライト』という映画を放送していました。
私には、年末に緊急着陸騒ぎのANA便に搭乗した生々しい経験があるので、この映画は興味深く観ました。

旅客機の運航に携わるいろんな部署の人たちが描かれていた中で、私の興味は「機長昇格訓練」です。
副操縦士の機長昇格のための審査を兼ねていた、自動車で言うなら路上検定が、そのドタバタ劇の舞台でした。

こういうのを見るとすぐ連想するのは、外科医の実地修練です。
ただし外科医の場合は、資格のための検定ではなく、おもに、純粋に経験を積む(積ませる)ためのものです。

映画では、緊急事態が起きますが、機長の手の負傷ということもあって、訓練生が最後まで操縦していました。
手術でも、緊急事態(想定外の病変・多量出血・臓器損傷等)があっても、修練医がギリギリまで執刀します。
そのような修羅場をくぐらなければ、いつまでたっても独り立ちできないからです。

人の命がかかっているのに修練とは何事かと、そう思う方もいるでしょうけど、どうしても必要な事なのです。
外科医は、手術見学→助手→指導下での執刀、という手順を踏んだ後、単独で執刀できるようになります。
このうち、指導医による指導の下での執刀という段階は、もっとも緊張する、その術式のデビュー戦です。
と同時に、指導医にとっても、どこまで修練医に任せきれるかという、これまたある意味、修練の場です。

副操縦士を褒めたり怒鳴ったりしながら、最後までやりきらせる機長にも、相当な力量が必要なのです。
ただしその修練現場は、乗客にはとても見せられません。それは外科手術の修練現場でも同じです。

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『西郷どん』始まる
- 2018/01/07(Sun) -
NHK大河ドラマ『西郷どん(せごどん)』が始まりました。これはかなり、楽しめそうな予感がします。
大河ドラマが面白いか面白くないか、それを決めるのは、題材・原作・脚本・主役・脇役、の5つでしょうか。

(1)題材:西郷隆盛と幕末
幕末を描いても、主人公が無名の人物だと盛り上がりに欠けた前歴があるのですが、西郷どんなら文句なし。

(2)原作:林真理子
この人の作品は、日経連載中の『愉楽にて』しか読んだことがないので、西郷をどう描くのか想像できません。

(3)脚本:中園ミホ
Doctor-X 外科医・大門未知子』やNHK連続テレビ小説『花子とアン』を書いた人ですか。じゃ面白そう。

(4)主役:鈴木亮平
すみません。よく知りません。今日の放送はまだ子役の回なので評価不能ですが、第一印象は悪くない。

(5)脇役:渡辺謙、西田敏行(語り)、沢村一樹
とりあえず、好きな俳優が3人出るので満足です。あと大村崑も出てますね。メガネはかけてませんでした。

私の独断で言うなら、ドラマに興味が湧くかどうかは題材しだいですが、面白いかどうかは脚本で決まります。
そして最終的に、そのドラマが好きになるかどうかは俳優によります。なので今回は、期待できそうなのです。

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リアルな手術ドラマ
- 2018/01/04(Thu) -
『DOCTORS~最強の名医~』が、新春スペシャルとして3年ぶりの復活です。あれから3年たちましたか。

医療界のドロドロ部分や、少し泣かせる人間ドラマ的側面よりも、私の最大の興味はいつも手術シーンです。
残念ながら、『Doctor-X』と同じく、医療監修が森田豊氏なので、リアリティーはいまいちです。

ですが今日の新春スペシャルは、3年前よりはマシでした。
たぶん、昨年放送された『A LIFE』のマニアックさに影響を受けたのでしょう。

森田氏が、外科医としてどれほどの経験・技量があるかは存じませんが、少なくとも、テレビに出過ぎです。
外科医として過ごす時間が短すぎる、ということを言いたいのではありません。
テレビ番組にたびたび登場するうちに、番組制作者に迎合するスタンスになっているフシがあるのです。
それはたとえば、手術シーンをついつい分かりやすくしてしまうような部分です。

いまの視聴者は、海外ドラマや映画で、徹底的にリアルな手術シーンや救急現場を見ています。
なので逆説的ですが、詳細不明でよくわからない部分があればあるほど、そこにリアリティーを感じるのです。
説明調なセリフを聞いたとたん、シラけてしまい、緊迫したシーンが台無しになってしまうのです。

その意味で、今日の新春スペシャルの手術シーンは、森田氏にしては、そこそこリアルでした。70点。
今後放送されるであろう続編では、より一層リアリティーを追求してもらいたいものです。
コメディー基調のドラマに、リアルすぎる手術シーンというギャップこそ、面白いと思うのです。

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『コウノドリ』
- 2017/10/20(Fri) -
TBSのドラマ『コウノドリ』を、今日初めて見ました。わりと良かった。
民放のTVドラマは日頃あまり見ないのですが、医療系のものは例外的に、あら探しとツッコミ目的で見ます。
いやそうじゃなくて、病気や医療や医療従事者に対する世間やメディアのとらえ方を知るために、見るのです。

今日の第2回目の放送内容に興味があり、それならばと、1回目の放送をまず、TBSオンデマンドで見ました。
なるほど、そういう感じのドラマですか。基本的にいい人ばっかり登場しますね。『Doctor X』と大違い。

1回目は、産婦人科の現場のご紹介、という感じでしょうか。意外と違和感のない作りでした。
女性の仕事や家庭環境が、どれほど妊娠出産を難しくしているか、という社会問題もからめてます。
『Doctor X』とか『A LIFE』のような、外科手術のテクニックがどうのこうの、という話は一切出ません。

さて今日の2回目は、妊婦の「子宮頸がん」の問題を取り上げていました。
子宮頸がんと診断された妊婦が、妊娠継続をどうするか、がんの手術をどうするか。とても深刻なテーマです。

がんの進行度によっては子宮全摘が必要で、その後の妊娠が不可能になるので、妊婦じゃなくても大問題です。
つまり子宮頸がんは、早期発見・早期治療も大事ですが、可能なら(可能なので)予防すべきなのです。
ところが日本では、この悲惨な病気をワクチンで予防しようという動きが、もう4年以上も止まっています。

このことについてドラマでは、登場人物にもしつこく語らせており、ワクチンを推奨する姿勢を感じました。
欲を言えば、毎年約1万人がこの病気に罹患し、約3千人が亡くなっていることにも、少し触れてほしかった。

本来このような啓蒙活動は、報道系の特集番組で行うべきものですが、ドラマも効果的かもしれませんね。

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ロジャー・ムーア死去
- 2017/05/24(Wed) -
与謝野馨氏が亡くなったそうですが、今日の話題は、昨日89歳で亡くなったロジャー・ムーア氏の方です。
映画「007シリーズ」では、6人が演じてきたジェームズ・ボンド役の、3代目でした。

私が映画に目覚めた中学生の頃、新作の「007シリーズ」はちょうどその、ロジャー・ムーアの時代でした。

初代のショーン・コネリーの出演作は、たいていテレビの洋画劇場で観ました。渋くて好きな俳優ですね。
2代目のジョージ・レーゼンビーの作品は、ずっと後になって観ましたが、ボンドとしての印象が薄すぎ。

4代目のティモシー・ダルトンは、ロジャー・ムーアとのギャップ大きすぎ。面白味がなく好きじゃなかった。
5代目のピアーズ・ブロスナンは、ショーン・コネリーとロジャー・ムーアの中間。ボンドらしくて良かった。
6代目はダニエル・クレイグ。もはやこれが新しいボンド像なのかと、諦めてますが、人気は高いようですね。

私が子どもの頃には、スパイ映画と言えば007、みたいな圧倒的な存在感がありましたが、いまは違います。
最近の映画には、ダニエル・クレイグのようなハードなアクションをこなす主人公は、いくらでもいます。

考え方が古いのかもしれませんが、007はアクション映画というよりスパイ映画だと、私は思っています。
そのウリはアクションよりも、諜報活動や、異国情緒や、駆け引きや、ボンドカーや、秘密の小道具です。
それに加えて、ユーモア(お茶目)の要素を盛り込んでくれたロジャー・ムーアが、いちばん好きですね。

ロジャー・ムーアはボンド史上最年長だったようで、いま思えばたしかに、アクションのキレは今一歩でした。
しかしそれを補って余りある、とぼけた紳士ぶり。吹き替えが広川太一郎というのがまた、ツボですね。

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まだ視聴しています
- 2017/03/26(Sun) -
クリニックの待合室のテレビは、通常、子ども向けのアニメ番組にしています。
以前は「カートゥーン・ネットワーク」という、アニメを放映しているチャンネルに合わせていました。
クリニック2階の多目的室(予防接種後などにしばらく過ごす部屋)では、テレビ放送などを流していました。

このたびその両方を、Netflixに切り替えることにしました。が、どうしても解決しないトラブルが発生です。
アニメなどを連続再生していると、突然再生が停止して、「まだ視聴していますか?」と表示されるのです。

1話ずつ再生している場合には、問題は起きません。延々と自動連続再生しているときにアラートが出ます。

番組のつけっぱなしで、ネットのトラフィックがムダに占有されることを防ぐための仕組みなのでしょう。
再生操作等が何もなされずしばらく経つと、いったん再生が止まり、視聴中かどうか確認する設定のようです。
おかげで連続再生の途中で何度も、当方がまだ視聴している旨を、Netflixに返答しなければなりません。

そもそも、BGM的にストリーミングビデオを放映すること自体が、間違っているのかもしれません。
世の中がみな、このようなトラフィックの無駄遣いをし始めたら、ネットがパンクしてしまうでしょう。

それにしても、世界で9400万人が利用しているというNetflixの映像が、いつも安定しているのには驚きます。
どうやらその映像コンテンツは、世界中に配置されたサーバーに蓄積されているそうです。
日本国内にも複数のサーバーがあるので、コマ落ちなく高画質の映像を見ることができているのでしょう。
ただし、ずっと見ていると「まだ視聴していますか?」と表示されて再生が途切れるのは、いただけません。

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専門外の手術を見て
- 2017/03/20(Mon) -
最終回を迎えたドラマ『A LIFE』は、おおむね予想通りの、つまんないけどまあ許容範囲の展開でした。
興味深かったのは、脳外科手術のシーン、とくに再手術(残存腫瘍摘出術)の方です。

まず、何がどうなってるのやら、術野的には何も見えない。ひたすら血の海の中の手術だったということ。
私はまったく専門外なので、脳外科の手術の執刀はおろか、助手についたことすらありません。
しいて言うなら、学生実習で2,3回だけ、手術見学をしたことがある程度です。

ただ、心臓手術の場合でも、深い術野のそのまた奥の方の操作では、似たような視野になります。
周囲の血液を吸引しながら、その吸引操作自体が手術の邪魔にならないようにしながら、手術を進めます。
脳外科手術は、とにかく術野確保との戦いなんだなと、このたび改めて感じた次第です。

その緊迫した手術シーンは、ほとんど術野が見えない割には、妙にリアリティーを感じました。
画像的に何も出せない代わりに、術者と助手の言葉のやりとりが、たぶん生々しかったからでしょう。

しかしこのシーンを脳外科医が見たら、はたしてどう思ったのでしょうね。
「あー、ウソ臭い」とか「そんなこと、言わんぞ」などとクレームが出るのかもしれません。

このドラマ、心臓手術の場面で細かい違和感を感じたのは、たぶん私が(元)心臓外科医だからでしょう。
一般の方から見ると、すべての手術シーンが、とてもリアルに映ったのかもしれません。
つまりそれは、本当の手術場面を知らない者が、想像を膨らませて見ているからこそのリアリティーです。
今回、脳外科手術シーンを見て私がリアリティーを感じたのも、脳外科をよく知らないからなんでしょうね。

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手術と準備
- 2017/03/13(Mon) -
手術シーンが減って、どんどんつまらなくなってきたドラマ『A LIFE』第9話ですが、まだ見てます。

「○○術を始めます」と始まる手術は、術野をほとんど写さないまま、短時間で創閉鎖シーンに至ります。
キムタクの心臓手術も、浅野忠信の脳外科手術も、ともに執刀医が皮膚縫合を最後まで行っていました。

そんなことってあるんでしょうか。皮膚縫合の段階で、若手医師が執刀を交替するのが普通じゃないですか。
外科医はそのように、簡単な手術手技から修練を積み重ね、だんだんと難しい部分を担当していくものです。

「メッツェン」という指示で手渡されたハサミで、今日も執刀医たちは皮膚縫合の糸を切っていました。
そんなことってあるんでしょうか。皮膚の縫合糸ごときを、大切な「メッツェンバウム」で切るなんて。
普通は「クーパー」か、百歩譲って「メイヨー」でしょう、そんな糸を切るときは。

そんな問題点はあったものの、今日は良いシーンもありました。それは「シャドーオペレーション」です。
手術操作の流れを具体的にイメージしつつ、手を動かし声を出して「通し練習」をすることです。

私も研修医時代からずっと、大事な手術の前日には必ず、シャドーオペレーションをしました。
手術の最初から最後までのすべての手順を、実際に行う通りに、きわめて細かく進めていきました。
執刀医として一人で行うこともあれば、助手やナースも参加させてチームで行う場合もありました。

私が初めて心臓手術を執刀したときの、手術前夜のシャドーオペレーションは、今でもよく覚えています。
テーブルを隔てて指導医と向かい合って立ち、「メス」という言葉からシミュレーションを始めました。
次に何をやるのか、たびたび手順がわからなくなり、自分の勉強不足・準備不足を思い知ったものです。
そんなことを思い出させてくれたので、今回の『A LIFE』はまあ、許すことにしますが、次回がもう最終回。

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近親者を執刀する
- 2017/03/07(Tue) -
ドラマ『A LIFE』第8話では、キムタクが父親の心臓手術を執刀して、ちょっとしたトラブルが起きました。

「近親者は執刀しないのが外科の通例」だと、ドラマで言ってましたが、私には経験が無いのでわかりません。
それを敢えて執刀したキムタクが、手術のごく初期段階で肺動脈を傷つけ、かなり出血させてしまいました。

手術操作の準備として、大動脈に牽引用のヒモを回しておきます。これを「テーピング」といいます。
用いるのは、赤テープと決まっています。私の経験ではどこの病院でも赤だったし、ドラマでも赤テープ。
ついでに言うなら、上下大静脈は青テープ、肺動脈は黄テープというのも、たぶん全国共通でしょう。

大動脈の裏側に「直角鉗子」を入れ込んだ後、その先を少し広げ、テープの一端をつかみ、引き出します。
テープをつかむとき、大動脈のすぐそばにある肺動脈の壁も、同時に薄く挟み込んでしまうことがあります。
鉗子を引き出すときに抵抗があるので気付きますが、うっかり無理やり引き出すと、肺動脈が裂けます。

おそらくそのようないきさつで、キムタクも肺動脈壁を損傷したのでしょう。なんとか修復はできました。

近親者の執刀だから、余計な緊張をしていたということなのでしょうけど、そんなことってあるんでしょうか。
むしろ、手術の現場でよく見かけるのは、特別な患者を執刀する際の「格好つけ」の問題です。
手術の見学者がいたりVIP患者の執刀の場合、日頃よりもカッコよく手術したいと、つい思いがちです。
なので自信なさげに見える慎重な操作や、くどすぎる確認作業を、そのような時に限って省いてしまうのです。

魔が差すというのは、まさにそういう時です。
手術は、緊張しすぎて失敗するよりも、油断して失敗することの方が、ずっと多いと思います。

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音楽・映画の所有欲減退
- 2017/02/28(Tue) -
映画『ラ・ラ・ランド』はすでに、熊本でも公開されていました。
昨日のブログでは未公開のように書いたのを後悔し、今朝いちばんの上映を観に行きました。
新しい映画なので、ネタバレ禁止です。良い映画でしたが、内容については書きません。

ドラマ『サバイバー 宿命の大統領』がどうしても観たくなり、今日の午後からNetflixの会員になりました。
もちろん、1カ月間の無料体験終了後に脱会する予定です。いや、脱会できるかどうかはわかりません。
Apple Musicがとても快適でやめられないように、Netflixも病みつきになるかもしれません。

以前は、そうはなるまいと思ってましたが、音楽も映画も、将来的にはストリーミングに向かう気がします。
このブログも、『ラ・ラ・ランド』のサントラを聴きながら書いています。買わなくてもすぐ聴ける。便利。
音楽や映画のライブラリーを、個人で所有する量にも限界があるし、そもそも所有欲が減退してきました。

NHKも民放も、オンデマンドと称する有料サービスがあり、パソコン等で過去の番組を見ることができます。
固定電話をもたない家が増えているのと同様に、やがてテレビのない家も増えてくるのでしょうか。

そんなことを考えながら、お約束のドラマ『A LIFE』(第7話)レビューですけどね。
14歳の乳がんを、頭から否定する乳腺外科医って、どうなの。
もうこのドラマは、リアリティーの追求を諦めたのかもしれません。手術シーンは減ったし術野も見えない。

キムタクが「腹腔鏡」を「ふっくうきょう」ではなく「ふくくうきょう」と発音したのにも、ガッカリです。
医療従事者は好んで使うのにメディアは使わない「ふっくうきょう」の方を、ドラマでは使うべきでした。

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『ラ・ラ・ランド』
- 2017/02/27(Mon) -
『ラ・ラ・ランド』がアカデミー作品賞受賞、と発表されたのが間違いだったとは、前代未聞のハプニング。
「な・な・なんで?」と言いたくもなったでしょうね、すでに受賞の喜びをスピーチしていた関係者は。

ぬか喜びさせられた『ラ・ラ・ランド』が気の毒ですが、でも日本で公開されたら、真っ先に見たい映画です。
(追記→あ、もう公開されてました。そのうち観に行きます)
というわけで、その『ラ・ラ・ランド』ってタイトルから空想を広げて、こんな映画どうよ、シリーズ。

『イ・イ・インド』 
カレー会社の社員が主人公。休暇をとって旅行したインドに魅せられ移住を決意するも、妻の反対に遭い・・・

『お・お・音頭』 
和風ミュージカル。夏祭りにかける若者と老人たちとの、葛藤と絆。少し涙あり。いい話になりそうです。

『サ・サ・サンド』
「笹かまぼこ」にヒントを得て「サ・サ・サンド」を発売した商店主と、悪徳製パン会社との、商標権争い。

『せ・せ・鮮度』
いま話題の東京・築地市場。その現場に24時間密着した、リアルタイム・ドキュメンタリー、全24話。長い。

『ど・ど・どんど』
ある村で、小正月に松飾りを焼く、その火柱の高さを競い合う風習が、年々エスカレートして大変なことに。

『ね・ね・ねんど』
映画『キンダガートン・コップ』の日本版。潜入捜査官(大泉洋)が、園児たちに翻弄されるドタバタ劇。

以下、タイトルのみ、『ハ・ハ・ハンド』、『フ・フ・憤怒』、『ほ・ほ・本土』、・・・
あまり悪ノリすると怒られそうなので、これぐらいにしておきます(エ・エ・エンド)。

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手術は現場で見ろ
- 2017/02/22(Wed) -
ドラマ『A LIFE』の視聴率が、第6話でV字回復したとのこと。わが家ではずっと、100%ですけどね。

今回、手術はたった1例。「ドベイキーI型動脈解離」に対する「トータルアーチリプレイスメント」でした。
大動脈弓部(=アーチ)をすべて(=トータル)、人工血管で置換(=リプレース)する術式です。

術式名を聞いた及川光博が「トータルアーチかぁ」とつぶやきますが、まさに現場でありがちなセリフです。
こういうディテールをさらっと流すところが、このドラマのマニアックなところ。
従来のドラマならきっと、「全弓部置換かぁ」と説明調のセリフだったはずです。

右鎖骨下動脈送血で人工心肺を開始(=ポンプオン)したのは良かったのですが、トラブルが発生します。
心臓の挙動が急におかしくなります。心臓が張ってきます。こういうのは、手術中に見る最悪の兆候です。

それをモニターで見るやいなや、「逆行性の解離だ」と言い切る副院長もまた、凄い「脳外科医」です。
ところが心臓外科医たちの手が止まる。その時間が長すぎ。いや、効果的に長く見せてるのかもしれません。

その緊迫した術野が大写しになると、人工心肺回路の脱血管には、薄〜い赤インクのような液体が見えます。
おまけにその液体が流れてない。こういうのが興ざめっていうんですよ。せっかくのディテールが、中途半端。

さらに、いつも言いますけど、手術室内のスタッフが少なすぎます。
心臓外科医3人の他に、麻酔科医と看護師と臨床工学技士。全部で8人ぐらいか。
他の心臓外科医はみな、医局でモニターを見てるなんて、どうかしてますね。どうしてオペ室に行かないの?

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手術は低侵襲へ向かう
- 2017/02/14(Tue) -
ドラマ『A LIFE』は、視聴率が少し上向いたそうですが、手術シーンはどんどん減ってきています。
第5話のキーワードは、「医療ミス」と「恩師との確執」。医者モノでは普遍的なテーマです。

登場した外科用語のひとつが、「MICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery;低侵襲心臓手術)」でした。
ドラマでは「ミックス」という言葉が連発したので、「何と何のMixなんだろう」と疑問に思われたかも。

「低侵襲」の定義は本当は難しいのですが、「傷口の小さな心臓手術」と考えても大間違いではありません。

皮膚を小さく切って筋肉や骨の切開も少ないので、術後の痛みが軽く、治りが早いのがメリットとされます。
そのかわり、狭い間口からのぞき込んで手術をするので視野が悪く、手術には時間がかかるのがデメリット。
視野の悪い手術は技術的にも難しく、したがって安全性にも多少なりとも影響するのが、懸念するところ。
しかし、心臓手術に限らず、多くの手術が小切開・低侵襲に向かっているので、これは外科の潮流でしょう。

武田鉄矢が演じる心臓外科の権威が、MICSの手術を急ぐあまりに、不完全な手術をしたという筋書き。
そんな権威が、いちいち普通のMICSを執刀し、しかもすぐ修復できそうな異常を放置するとも思えませんが。

キムタクが心エコー検査をしてました。装置はGEの「Vivid iq」ですか。良いモノ使ってますね。欲しい。
僧帽弁の逆流が中等度以上で、大動脈弁の逆流も見えました。左室が拡張し動きがひどく悪い。大丈夫か?

さて手術では、僧帽弁の逆流テストを繰り返すばかりで、肝心の僧帽弁形成術は描かれていませんでした。
このドラマの手術シーンは、マニアック路線を突き進んでいるようです。大丈夫か?

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副大統領が上院議長
- 2017/02/08(Wed) -
米国副大統領が上院議長を兼務していることって、常識なんでしょうか。恥ずかしながら私は今朝知りました。
米上院で賛否が50対50と割れた採決で、議長決裁票を投じた上院議長こそが、ペンス副大統領だったと。

このことによって、長年の私の疑問が解決しました。それはつまり、大統領権限継承順位です。
順位は17位まで決められていて、何があっても誰かが大統領を引き継ぐ体制になっているようです。

『24 -TWENTY FOUR-』などのドラマや映画で、私は大統領権限継承の瞬間を何度も目にしてきました。
大統領職を引き継いだ副大統領が、すぐに殺害されて、下院議長が大統領に就任した映画もありました。

でも、副大統領の次がどうして上院議長じゃなく下院議長なのか。ずっと疑問だったのですが、今朝解決です。

じゃあ、大統領と継承順位17位までが全員、テロで死んだらどうするんだ、とアホなこと考えてしまいます。
ところが、すでにそのことも考慮されているようで、さすがアメリカ。恐れ入ります。
18人全員が、同時に連邦議会議事堂には集まらないようにして、誰かが生き残るようにしているそうですね。

大規模なテロが起きて、順位が終わりの方の閣僚が大統領になる、なんてことが、ドラマになったりします。
『サバイバー: 宿命の大統領』は、キーファー・サザーランド演じる下っ端閣僚が、大統領になる話とか。
あれだけ国家に尽くしたジャック・バウアーなんだから、もう大統領になったって、いいでしょう。

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