余人をもって代えがたい「失言王」
|
- 2021/02/05(Fri) -
|
「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる。女性は競争意識が強い(略)それでみんな発言する」
このような、東京五輪組織委員会の森喜朗会長の発言が、波紋を広げています。 発言に異を唱えなかったJOC委員らの姿勢も含めて、もはや日本全体が、欧米からの非難を浴びています。 森氏の女性蔑視が第一の問題ですが、民主主義(=理事会での活発な発言)も気に入らないのでしょう。 多くの「失言」がしばしば、その人の本音や価値観をそのまま(うっかり)吐露した結果です。 今回も、言い間違いや勘違いじゃないので、発言そのものを撤回したところで、発言の真意は消滅しまません。 とは言え多くの人間には、程度の差こそあれ「裏表」があると、私は思っています。 ですが、教育や経験によって醸成された常識や良心によって、発言をコントロールできるのが大人です。 酩酊時や、諜報機関に捕まって特殊な薬剤を盛られたときにだけ、そのコントロールが外れてしまうのです。 森氏のように、つねに言いたいことを言ってしまうのは、それが森氏の「裏」ではないからでしょう。 非常識な本音を「表」として放言する生き方をしてきたので、それを抑制しようという発想がないのです。 周囲の取り巻きには、彼に諌言する者がいなかったとも言えるでしょう。言うなれば裸の王様です。 それだけの批判を浴びながらも、「余人をもって代えがたい」ので会長職を続投する(してもらう)方向とか。 東京五輪という国家的プジョジェクトの中心人物として、代えられる余人がいないことがまた、問題ですね。 |
小さな部分に費やす労力が、全体の大半を占めたりします
|
- 2021/01/30(Sat) -
|
「自治体の4割 “感染者から協力得られず調査に支障” 厚労省調査」
というニュースの見出しの「4割」に驚いてはみたものの、その数値にどれほどの意味があるのかと考えた件。 新型コロナ感染者に対しては、感染経路や濃厚接触者を特定するため、いわゆる疫学調査を保健所が行います。 しかしさまざまな理由で、感染者が調査に協力しない場合があることは、以前から問題になっています。 自治体のうち4割が、保健所の調査について「協力が得られず支障が生じた経験がある」と回答したようです。 調査対象とした155の自治体のうちの、回答のあった112件のうち48の自治体が、そのような返答だったと。 しかし、それぞれの自治体で、「疫学調査拒否」事例が感染者のどのぐらいの割合だったのかは、不明です。 たとえば拒否率が1割だったとしても、その自治体の回答は「協力が得られず支障が生じた経験がある」です。 112のうちの48自治体で1割拒否ならば、全体の拒否率は約4%と、単純に言えばそういう計算になります。 なので大事なのは、各保健所が、どのぐらいの回答拒否に遭って困っているかという、その具体的な内容です。 「自治体の4割」という表現はウソではなくても、感染者の協力拒否率が4割かとの勘違いを誘う見出しです。 とは言え、たとえ疫学調査に協力しない人が1割程度だったとしても、感染拡大防止の観点からは問題です。 少し意味合いは異なりますが、同様の苦労は私も経験します。PCR検査の結果を電話連絡するときです。 10人のうち、たった1人でも電話がつながらないと、その方のためにずっと電話し続けなければなりません。 その日のうちにお伝えしたい大事な連絡ですが、何度かけても、夜遅くまでつながらないことがあります。 たった1割の相手であっても、そこに費やす労力や全体に及ぼす影響は、とても大きいということです。 |
マスク拒否おじさん、第2弾現る
|
- 2021/01/19(Tue) -
|
大学入学共通テストで、試験中に鼻を覆わないマスク装着で指示に従わなかった受験生が、失格となりました。
試験中もその後も、周囲にかなり迷惑を掛けたお困り中年(49歳)だったようで、結局、逮捕されました。 「常にマスクを正しく着用してください」とセンターは指示していたそうですが、では正しい装着とはなにか。 サージカルマスクと比べたら、ウレタンマスクや薄い布マスクはそれ自体、「正しい装着」とは思えません。 その反対に、人の鼻からの呼気によるウイルス拡散が本当に問題になるのか、少々疑問ではあります。 しかしそうだとしても、いま、鼻出しマスクの正当性を主張するのは、協調性・公共性に欠ける考え方です。 李下に冠を正さずの気持ちで、疑われることはやらない、紛らわしい自己主張をしない、その態度が肝要です。 残念ながらこの「受験生」は、受験よりも自己主張の方が大事だったと見えます。 試験監督の指示を拒否した以上、途中で妥協したのでは自分の主張を否定することになると考えたのか。 振り上げた拳を降ろすタイミングを逸して、めんどうくせえオジサンになってしまいました。 この件に関して、次のような擁護的な発言(ツイート)をしている人物(34歳)がいます。 「40代の受験生を差別する必要もない(略)何歳になっても新しいことを学んでみたいと思うのは素晴らしい」 この人物こそ誰あろう、マスク装着を拒んで飛行機を着陸させた、いわゆる「マスク拒否おじさん」です。 残念ながら彼もその後の行動に問題があったようでで、今日このツイートの直後に逮捕されました。 2人とも、何を主張してもかまいませんが、実力行使は暴力です。言論を重んじる人間の行為ではありません。 |
変異種にも有効な、良いワクチンでありますように
|
- 2021/01/18(Mon) -
|
新型コロナウイルスの英国型の変異種への感染が、英国滞在歴のない3人から確認されたとのニュース。
これが市中感染だとすれば、この変異種はもう、日本にかなり入り込んでいるのかもしれません。 国内の感染がさらに拡大する可能性まで出てきました。 変異種が国内に広がる前にワクチンの接種が始まり、しかも変異種にもワクチンが効いてほしいものです。 そのワクチン接種の体制強化のため、河野規制改革担当相が「調整役」に抜擢されました。 普通に考えたら田村厚労相の仕事ですが、菅首相が敢えて河野氏を選んだのには、理由があるのでしょう。 省益を考慮する田村氏に任せていたのでは、厚生官僚の反対を突破することができないからかもしれません。 新型コロナウイルスワクチンは、通常の治験・承認の過程を経ておらず、きわめて例外的な事案ですからね。 日本のワクチン行政の規制や旧習を突破する必要があり、「規制改革担当相」が担うことになったのでしょう。 その河野氏といえば最近、東京五輪について、「何があるか分からない」と率直に述べて議論を呼んでいます。 一方で加藤官房長官は、「関係者はいま、感染対策を含めて準備に取り組んでいる」との従来型の見解。 加藤氏のように、望むことだけを述べ、悪い予測は口にしないのが、日本人らしい物の言い方です。 その反対に河野氏は、客観的・合理的発想で、なんでも率直に口にする、日本人らしからぬ部分があります。 異例のワクチンの導入には、河野氏のような合理的発想が必要なのかもしれません。 |
「緊急事態宣言」って、最初はガツンとやるべきじゃないの?
|
- 2021/01/09(Sat) -
|
緊急事態宣言は出ていますが、都内の繁華街の人出は春の宣言の時に比べるとまだずいぶん多いようです。
宣言の内容が前回よりも緩いので、人々の意識もそのぶん緩いのでしょうか。 マスクを外した状態での会話が悪い→飲食が悪い→飲食店の時短営業、というのが今回の宣言の基本です。 誰も感染していない集団からウイルスが湧いてくることはないはずですが、会食をきっかけに感染者が出ます。 それなのに会食をやめないのは、参加者がみな自分は感染していないと思い込んでいるからでしょう。 気心の知れた仲間内にも感染者がいると常に疑わなければならないことに、この感染症の難しさを感じます。 ここで、NHKニュースを見ていて気になった表現をひとつ。 客足が減ったことについて、「客側も来店を控えたとみられます」とのコメントに、違和感がありました。 「来店」とは、店に来た客についての店における表現であって、店に行こうとする客が使う言葉じゃないはず。 新しいパン屋さんができたニュースを見て、「よし、明日はあの店に来店してみよう」なんて、言わないし。 英語で「いま行きます」は、相手の立場に立って “I’m coming.” です。その理屈は理解できます。 しかし日本語で「いまからそっちへ来るよ」とは言いません。「そっち行くよ」です。 では、店に来ることが「来店」なら、店に行くことは何と言うのでしょう。 「行店」とは言いませんね。そんな言葉があったら仰天します。 「訪店」も日常的じゃない。「来日・訪日」みたいな対の言葉はありますけどね。 「店に行く」という意味の日本語は存在しないのかと疑問をお示しして、私からの挨拶とさせていただきます。 |
緊急事態宣言を出すにしても、難題だらけです
|
- 2021/01/05(Tue) -
|
緊急事態宣言をまた発令するのであれば、前回の宣言による「副作用」を教訓としなければなりません。
なので制限対象と区域を限定的にして、学校への影響も最小にしようという考え方には、賛同します。 感染リスクが高いのは飲食の場だから飲食店等を中心に営業制限をしよう、という短絡的発想も理解できます。 さて、実効性のある施策が打ち出せるのか。中途半端なことをすれば、時間が無駄に過ぎるだけですからね。 飲食店等の事業者への「罰則と補償」が、どう設定されるのかも大事。いわゆる「北風と太陽」問題です。 前回の緊急事態宣言では、「北風も太陽もない」と野党議員に批判されました。 今回はその反省を踏まえたとしても、たいした太陽光は差さないでしょう。どうせ、補償<減収分、なのです。 すでに疲弊しきった事業主の、罰金を払ってでも営業したい気持ちもわかります。北風には耐えるのみ。 その飲食業などとは全く別の意味で、多くの医療機関が、コロナ禍で苦難にあえいでいます。 ひと頃は、受診控えによる収入源も問題視されていましたが、今はもちろん、病院の病床ひっ迫が大問題。 入院治療では協力できない当院は、トリアージ業務で社会貢献することになります。「発熱外来」のことです。 いま診療時間の大半を発熱外来に当てていますので、普通の風邪などの方には、ご迷惑をおかけしています。 いつになるのかわかりませんが、この山場を超えるまで、しばらくは「有事体制」の外来診療が続きます。 |
感染急拡大で迎えたオリンピックイヤー
|
- 2021/01/04(Mon) -
|
緊急事態宣言がついに、1都3県を対象に発出されそうな雰囲気になってきました。
これを、遅すぎだと言う人もいれば、不要と言う人もいる。正解はありません。コトは単純ではないのです。 未曾有の国難の真っ最中には、為政者は何をやっても完璧にはいかないし、政策が後手後手になりがちです。 何かをやっても叩かれるし、遅きに失しても叩かれる。最終的な評価は、数年後のことでしょう。 東京オリンピックは、本当に開催できるのか。力尽くでもやるべきものなんでしょうか。 「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとする」なんて妄想は捨てましょう。もう間に合いませんから。 「人類が新型コロナウイルスに打ち勝つ力を見せよう」ぐらいの表現なら、ギリギリいけるのか。 ワクチンは残念ながら、しばらくは輸入に頼るしかないので、夏までの国内接種率はそう高くはないでしょう。 なので年内に国内で集団免疫が確立されるとは、とても思えません。地球全体で考えたら、なおさらです。 欧米の変異株がどのように「化ける」かも、まだまったく見通せません。むしろイヤな予感さえします。 オリンピックは、「コロナも先が見えたね」と思えるタイミングで開催を検討すべきです。 それこそが真に、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証」ですよ。さすがに半年後は厳しかろう。 |
事実は予測よりも深刻なり
|
- 2020/12/18(Fri) -
|
意外と減ったね、と思ってしまったのが、今日の東京都の新規感染者数664人でした。慣れって怖いです。
その意見が3割ぐらい共感できる、テレビ朝日の玉川氏が、今朝口にしていたので思い出したことがあります。 GoogleのAIによる「COVID-19 感染予測(日本版)」の存在です。 そのサイトで東京都の感染者数の予測を見ると、12/14時点での、12/15から1/11までの予測が出ています。 それによると予測値は、12/15:261人、12/16:520人、12/17:573人、12/18:645人、でした。 このうち12/15は火曜日なので報告数は少ないだろうと予測したようですが、実際には460という異常値。 翌12/16からの3日間の新規感染者の実数も、678、822、664、とGoogleのAI予測を上回っています。 早い話が、GoogleのAIを持ってしても予測できないほどに、日本の感染対策がダメだったというわけです。 このことはGoogle先生も早速学習して、次には修正した予測を打ち出してくるでしょう。 東京都の新規感染者数はさらに、12/21には千人を超え、12/27には2千人、1/1には3千人を超える予測です。 おそらく実際の感染者数が予測を上回ることは間違いなく、年末には東京の医療は崩壊の危機に瀕しますね。 なお、熊本県の予測値は意外と少ない数値のようですが、もちろん鵜呑みにはできません。 今後のさらなる対策の強化によって、AI予測値を下回る結果を出したいものです。 |
トラベルが悪いのではなく、会食で油断するのが悪いのです
|
- 2020/12/17(Thu) -
|
菅首相が「Go To トラベル」全国一斉停止を発表したその晩、8人で「会食」していたとはガッカリですね。
国民に対する誠実さに欠けるだけでなく、この感染症に対する菅氏の認識の甘さを露呈してしまいました。 大丈夫だと思って会食する油断が、感染拡大の最大の要因の一つだと言うことを、わかってないようです。 たしかに、いくら大人数が集まっても、未感染者ばかりの集団からウイルスが湧いてくることはありません。 マスクなしで大声出して会食しても、参加者の中に1人も感染者がいなければ、感染は決して広がりません。 なので会食で感染したと思われる事例では、参加者の中に元々感染者が1人以上紛れていたということです。 しかもその感染者はたぶん、無症状だったのです。(感染を自覚して参加していたら、それはそれで大問題) 会食は、ただの3密とはワケが違います。飲食する際にはたいてい、全員が同時にマスクをはずすからです。 菅氏の会食メンバーの中に感染者がいた可能性は、高くはありませんが、ゼロとも言えない。 もっとも、参加者全員が70代から80代の高齢者ですから、感染していたら無症状では済まないでしょうけど。 無症状者の中に感染者がいる確率は参加人数に比例するわけで、だからこそ大人数の会食は危険なのです。 菅氏らは、自分が感染するという最悪の場合にどんな問題が起きるか、という想像力に欠けています。 そんな甘い考えだから、「Go To は感染拡大に関係ない」と言い張って最悪のタイミングまで引っ張るのです。 |
Go To 停止でキャンセルになった部屋を他の客に安く売るのは合法?
|
- 2020/12/16(Wed) -
|
「Go To トラベル」全国一斉停止で、予約のキャンセルが殺到してるようですね。事業者の悲鳴が聞こえます。
特例的な支援として、事業者に対する補償の割合が、旅行代金の50%に引き上げられるとのこと。 ところで、旅行をキャンセルした人の、その理由って何でしょうね。 (1)料金の割引がなくなるんなら、旅行は中止っしょ (2)この際、感染対策として旅行を控えようと思います このうち前者が多いのなら、旅行業者には挽回策があります。 私が旅館の経営者なら、キャンセルで空いた部屋に、半額の料金で宿泊できるキャンペーンを打ちますね。 つまり、こうです。1泊1万円の予約をキャンセルされると、国からの補償が5千円入ります。 一方で、空いた部屋は「半額セール」とでも称して、5千円で売り出します。もちろんGo To の適用は無し。 旅館には合計1万円の満額が入るし、利用客もGo To 適用時並みの料金で宿泊できる、というわけです。 ただし、キャンセル客に、次のように特別価格での販売を持ちかけるのは御法度になるとのこと。 「いったん予約をキャンセルして、同じプランを再予約すれば、料金を半額にしますが、いかがですか?」 あくまで、同じ客にキャンセルと再予約を促してはダメ、ということなので、別の客なら良いのでしょう。 「キャンセル物件につき半額」みたいなセールが問題なければ、これは狙い目になるかもしれません。 もちろん、そんな裏技ばかりが横行すると、Go To トラベル停止の効果は減弱してしまいます。 「Go To キャンペーン」の制度設計が不完全なので、運用しても停止しても、ツッコミどころは満載です。 |
何を相手に勝負してるんでしたっけ?
|
- 2020/12/09(Wed) -
|
「勝負の3週間」のうち2週間が過ぎ、もう「勝負はあった」ようにも見えますね。もちろん「負け戦」です。
「Go To」は大枠で維持したまま、「みなさん、今が勝負です」と言われても、戦い方が分かりませんよ。 国民の多くが、やるべきことをやっていますが、それでも感染が拡大する理由が、どこかにあります。 無症状の感染者が多く、しかも発症の2日前から感染力がある点が、この感染症拡大の最大の要因でしょう。 私などは自宅と職場を往復するのみで、2月以来一度も外食していません。感染が怖くて動けないのです。 熊本県は今日、「診療・検査医療機関」として指定を受けている医療機関を、県のサイトに公表しました。 公表について同意する医療機関のみの掲載ですが、全部で141施設。そのうち熊本市内の医療機関は47です。 当院もその末席を汚しておりますが、受診者が多いのは、やはり日曜日ですね。 病状を踏まえて、PCR検査を提案すると、検査を断る方が時々いらっしゃいます。その言い分は、 「コロナじゃないので」(という根拠の無い自信あり。とりあえず経過観察となりますが、要注意) 「お高いんでしょう?」(行政検査なので無料ですと伝えたら、じゃ受けますぅ、となります) 「会社に迷惑がかかる」(私には信じられない発想の方が時々いらっしゃる) 陽性のはずがない、陽性なら知りたくない、陽性だと困る、と思う人がいるところがコロナの難しい点ですね。 |
目的地NGで、出発地OKには、深い理由があるのかも
|
- 2020/11/26(Thu) -
|
札幌市と大阪市を「目的地」とする旅行が、Go Toトラベルの対象から外されました。
一方で、その地を「出発地」とする旅行は、Go Toトラベルの対象からは除外されていません。 感染拡大地域が「目的地」なら問題で、「出発地」ならOK、というのは、少々理解に苦しむ理屈です。 西村大臣はその理由を、「医療ひっ迫地域に多くの人が訪れたら、病床に大きな影響が生じる」と言います。 感染地を「目的地」とする旅行の問題点は、旅先で感染して、地元にコロナを持ち帰ってしまうことです。 一方で、感染地を「出発地」とする旅行の問題点は、感染者が他の地域に感染を広げてしまうことでしょう。 そのいずれの場合も、感染拡大地域での医療ひっ迫には、直接的にはあまり関係がないように思えます。 しかしたしかに、旅行者が多数押し寄せれば、観光スポットや飲食店で「3密」が起きやすくなります。 そのことが原因で、感染地の住民にも感染がさらに広がり、結果的に、医療ひっ迫につながる懸念はあります。 「目的地」NGは、よく考えてみると意外に有効な方策なのかもしれません。 一方で、「出発地」OKを極論すれば、感染地の住民が旅先で医療を受けるのはかまわない、ということです。 その意味まで含んだ、感染拡大地域での医療ひっ迫軽減策とするなら、これはずいぶん考え抜かれたものです。 にしても、全国レベルでの感染拡大を食い止めるためには、「出発地」からも除外すべきことは明白です。 3週間程度の「短期集中策」だというのは、つまり、クリスマス前には制限を緩和したいということでしょう。 であるならば、中途半端なことはやらず、もっと思い切った感染拡大防御策を発動すべきじゃないですかね。 このままでは、史上最悪の年末年始になりゃしないかと、私は本気で心配しています。 |
「Go To トラブル」だと揶揄していた頃が懐かしい
|
- 2020/11/21(Sat) -
|
「Go To トラベル」事業はついに見直され、一部制限されることに決まりました。でしょうね。
感染拡大地域に限定して、強い措置を講じるとのこと。菅首相の決断は手遅れではないと思いたい。 「Go To トラベルが感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは、現在のところ存在しない」 昨日まではこのように言ってたお歴々ですが、その裏で方針転換の時機をうかがっていたことは明白です。 物証(エビデンス)がなくても、状況証拠はあります。尾身会長も西村大臣も、本心ではわかっていたはず。 感染を早く沈静化した方が、結果的には経済的なダ メージも少なくなる、という考え方に舵を切ったわけです。 「エビデンス」は、学者や医者が以前から、「科学的根拠」という意味でよく使っている言葉です。 そしてたぶん官僚らも、こういうカタカナ言葉が好きです。 さらに専門家会議等でこの言葉が頻出するモノだから汎用語になり、政治家まで使うようになったのでしょう。 「証拠が無い」と言われると、その柔軟性の無い言葉にムカつく人もいるでしょう。角が立つ表現です。 ところが「エビデンスが無い」と言われたら、「あ、そうなの。じゃ、いいですぅ」となりますね。ならんか。 どの様に方針転換を図ろうとも多少の混乱は招くでしょうけど、それを恐れていては先に進めません。 菅首相には、良心と科学に従って、バランスの良い政策を迅速に打ち出していただきたい。 |
「神のみぞ知る」発言を責めている場合ではありません
|
- 2020/11/20(Fri) -
|
感染が拡大して皆がイライラする中、西村・経済再生担当大臣の昨夜のうっかり発言が、批判を浴びています。
「どの程度の新規陽性者が想定されているのか(略)見通しを示していただきたい」と問われた西村氏が、 「感染がどうなるかってのは本当に、神のみぞ知るという、これはいつも尾身先生も言われてます」 と答えてしまいました。残念ながら、表現の仕方、言葉の順番が悪かったですね。 「いつも尾身先生が、感染がどうなるかは神のみぞ知るだと言われてますが、・・・」と言うべきでした。 「神のみぞ知る」は、あくまで尾身先生の口から出た言葉として、明瞭な引用形にしておかなきゃ。 で、その尾身氏の「神のみぞ知る」発言ですが、科学者は、自分が分かることと分からないことを区別します。 なので科学的に予測不可能であることをもって、「神のみぞ知る」と表現することもあり得ます。 しかし政治家が「神のみぞ知る」と言えば、無責任だと責められるのです。でもたぶん西村氏の本心ですよね。 西村氏は正直です。実際、感染がどう広がるかは神のみぞ知るですよ、本当に。全人類がそう思ってますよ。 だから野党も、そんな言葉尻を攻撃するなんてつまらないことせずに、もっと建設的なことで議論しましょう。 政府が感染対策を国民に丸投げしてきた結果が、この第3波なのです。やはりいま何か、国の施策が必要です。 回し始めた経済を止めたくない気持ちはわかりますが、もう「Go To キャンペーン」は修正すべき時期です。 キャンペーンの全停止ではなく、繊細で効果的な方策を全集中で考えてほしいものです。国民は従いますから。 |
コロナ禍中(渦中)での指導者交代が、吉と出ますように
|
- 2020/11/09(Mon) -
|
NHKの世論調査では、菅内閣を「支持する」と答えた人が先月より1ポイント上がって56%だったとのこと。
支持する理由のトップ2は、「他の内閣よりよさそうだから」27%、「人柄が信頼できるから」25%。 不支持の理由のトップ2は、「政策に期待が持てないから」36%、「人柄が信頼できないから」26%。 まず興味深いのは、不支持理由の中でも「他の内閣の方が良さそうだから」は少数だったということ。 つまり、菅内閣は支持しないけど、だからといって他に支持する内閣もないという、悲しい状況なのです。 また支持者にしたって、「政策に期待が持てるから」を挙げた人は多くなく、やはり消去法的な支持理由です。 本来、内閣支持理由には断トツで、「政策に期待が持てるから」が来るべきですけどね。 人柄への信頼が、支持理由としても不支持理由としても重要な因子のようです。 政策や実行力の評価ならともかく、人柄が真逆に評価されるというのは、つまり好みの問題なのでしょうね。 その極端な例が、米大統領選でのトランプ氏の得票率の意外な高さと、その支持者の熱狂ぶりです。 コロナ禍で彼の非常識さがあれほどまでに露呈しなければ、再選もあったかもしれません。 比較の問題か実際の人柄か、勝利したバイデン氏が、実にバランスのとれた堂々たる常識人に見えてきました。 理由は違うにせよ、日米ともに非常時に指導者が交代することになりましたが、真に大事なのはこの次です。 あえて私の菅内閣支持理由を言うなら、「いま指導者を支持しなくてどうする」。 |
大統領選挙は、開票で混乱する(かもしれない)のが毎回面白い
|
- 2020/11/04(Wed) -
|
アメリカ大統領選挙は、そうなったら面白い(失礼)と思っていた接戦になってるので、目が離せませんね。
バイデン氏は控えめに「勝利に向かっている」と言い、トランプ氏は大仰に「選挙に勝った」と言い切る。 その最終結果がいつ判明するのかわかりませんが、少なくとも今夜のブログには間に合いそうにありません。 開票速報など無意味だと書いたことがありますが、大統領選挙は別。だって開票過程自体が面白いですから。 「大阪都構想」の住民投票が、3日前に行われました。これもまた接戦でした。 現職の知事と市長が「改革」をぶち上げ、敵対勢力が「現状維持」を求めるという、一種のねじれが面白い。 そこそこ人気のある2人なので、余計なことをしなけりゃ現職に留まれるのに、敢えて賭けに出たんですね。 しかし何が問題なのか私にはよくわかりませんが、都構想は否決されました。 この住民投票のように「変化」か「維持」かを多数決で決める場合、「変化」の側が不利だろうとは思います。 なぜなら、「もう少し様子を見たい」という中間派は、とりあえず「現状維持」を選択するからです。 しかし選挙とか投票では、そのときの勢いが大きなうねりとなって予想外の結果が出る場合がありますよね。 だからイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票のように、あとで冷静になると自分の投票に後悔したりする。 大阪の2回目の住民投票でまた僅差で負けた知事・市長側は、都構想のうねりを作りきれてなかったわけです。 コロナ禍も当然、現状維持派への追い風です。どうしてこのタイミングで住民投票を断行したんでしょうね。 |
事故は過失でも、逃げるは故意です身の破滅
|
- 2020/11/01(Sun) -
|
某若手俳優が、車でバイクをひき逃げした件。その報道の中で、気づかされたことがあります。
自分が関与した交通事故では、たとえ自分に非が無くても負傷者を救護しなければならない、ということ。 これを守らなければ、ひき逃げになるそうですね。負傷者がその場では「大丈夫です」と言ってもです。 たとえば交差点で信号待ち中に、路肩を走ってきたバイクが、自分の車の左のドアミラーに接触したとします。 バイクは弾みで転倒。その時ちょうど信号が青になり、すぐ発車しなければ渋滞を招く状況。 バイクの兄ちゃんにケガはなさそうで、立ち上がってこっちに向かって、申し訳なさそうに会釈をしています。 窓越しに「大丈夫ですか?」と声を掛けたら、「大丈夫です。ミラーにぶつけてすみません」との返答あり。 このケースでも、私がそのまま車を発進させて走り去ったら、ひき逃げってことですよね。 20年ぐらい前に、家族を乗せた車でバイパスを走ってたら、前方でミニバイクが転倒していました。 その後ろには、別のバイクが道路上に停めてあり、その運転者が転倒したバイクの方に駆け寄っていました。 どういういきさつかわかりませんが、2人とも無事な様子なので、私はバイクの脇を徐行して通過しました。 ところがその時、どうしたことか、停めてあったバイクが私の車の方に倒れてきたのです。私は慌てて急停車。 車から降りて見てみると、車の右前輪とフェンダーの間にバイクのハンドルがはまり込んでいます。 バイクの兄ちゃんは呆然と立ち尽くしているので、私が一人で苦労してハンドルを引き出しました。 この一部始終を対向車から見たら、間違いなく、私が2台のバイクをはね飛ばした事故現場そのものですよ。 車を傷つけられたことに文句を言うより、いち早くその場を離れた方がよさそうなので、私は走り去りました。 私には何の落ち度も罪も無いはずですが、これが今だと、対向車のドラレコに撮られて大惨事でしょうね。 |
そこそこ期待されているうちに、あれこれ挽回して欲しい
|
- 2020/10/29(Thu) -
|
衆院本会議での代表質問なんて、見ててホントにつまらないのですが、ときどき面白い発言が飛び出しますね。
それが菅総理。安倍さん以上に舌足らずで、照れ笑いしながら発言する姿がどうにも憎めません、今のところ。 言葉としては「俯瞰的」が好きみたいですね。オレは大所高所から見てるんだ、という上からな表現です。 あと、「いずれにせよ」も多い。それまでの議論を一瞬にしてチャラにしてしまう、恐ろしい接続語です。 それに今日は、次のような、面白い発言が飛び出しました。 「まずは新型コロナ対策。そして経済の再生が最優先であり、国民の皆さんの政権への期待も、そこそこにあると思います。(場内爆笑、菅さん苦笑い)。まずは、これらに全力で取り組みたいと考えます」 「そこそこにある」は「そこにある」の言い間違いなんでしょうけど、狙って言ったとしたらかなりの上級者。 なにしろ現実に、国民の期待は「そこそこ」ですからね。 真偽はともかく、菅総理は「たたき上げの苦労人」イメージなのですから、ならばそれを裏切らないことです。 たとえば、日本学術会議の任命見送り問題に対しては、「違法ではない」と逃げるのはいただけません。 「政権にとって不都合な人選だと安易に考えて任命を拒否したものであり、それは全くの誤りであった」 「学術会議からは今後も、課題の解決に向けた提言を頂戴したい。6名の候補者は改めてただちに任命したい」 とりあえずそんな風に改めれば株が上がります。学術会議の問題については、もっと暇な時に考えましょうよ。 いずれにせよ、俯瞰的に考えたら、いま学術界と争ってる場合じゃないんです。 |
菅総理大臣の所信表明演説は、目標がわりと細かくて具体的でした
|
- 2020/10/26(Mon) -
|
菅総理大臣が、本日召集された臨時国会で所信表明演説を行いました。
その中で、とくにコロナ対策については、冒頭で次のように述べていました。 (1)地域の医療機関で1日平均20万件の新型コロナの検査能力を確保する (2)来年前半までにすべての国民に提供できる数量のワクチンを確保し、無料で接種できるようにする (3)雇用を守り事業が継続できるように、持続化給付金や無利子・無担保融資などの対策を続ける (4)Go Toキャンペーンにより、旅行、飲食、演劇やコンサート、商店街でのイベントを応援する ついでデジタル化については、 (5)来年3月から保険証とマイナンバーカードの一体化を始め、運転免許証のデジタル化も進める (6)デジタル庁は、来年の始動に向け、省益を排し民間の力を大いに取り入れながら、早急に準備を進める (7)すべての小中学生に1人1台のIT端末の導入を進め、オンライン教育を拡大し、新しい学びを実現する (8)行政への申請などにおける押印は、テレワークの妨げともなることから、原則すべて廃止する このほか、脱炭素社会の実現や地方創生や社会保障や安全保障についても、わりに具体的に述べています。 細かいコト言ってるな、というのが第一印象。悪く言えば羅列的ですが、箇条書き的でわかり易い演説でした。 これに対して石破元幹事長は、「抽象論ではなく具体論を語ることが菅総理大臣のカラーだ」と述べました。 公明党の山口代表も、「目指すべき課題について、具体的な政策目標をはっきり述べていた」と評価しました。 ところが立憲民主党の枝野代表は、「目次を羅列した中身で、ビジョンが示されていない」と批判するのです。 野党って、どうしてこうなんでしょう。ビジョンを示せばこんどは、具体的な中身が無いなんて言うのです。 「ビジョンがはっきりしないが、具体的な点は評価する。重要なのはその実現だ」ぐらいに言えばいいのに。 |
「Go To キャンペーン」って全部、制度設計がダメ
|
- 2020/10/08(Thu) -
|
「1万円以上のご利用で、千円分のポイントを差し上げます」みたいな店は、よくありますが、
「利用金額がいくらでも、千円分のポイント還元します」っていう店、ある? あったらバカですね。 ところが国が始めた「Go To イート」では、そのようなバカみたいな制度設計になっているようです。 そこにつけ込んで小金を稼ぐ「錬金術」は責められませんよ。制度を上手に利用しているだけですから。 私が学生だったら、血眼になってGo To 錬金術に励んだかもしれません。そういうの好きでしたから。 とは言え、グルメサイトに送客報酬を支払わなければならない飲食店が、結果的に被害に遭うわけです。 Go To 錬金術はたとえ合法的だとしても、決して褒められた行いではありませんね。 農水省はこの事態を、当初から想定していたとうそぶいていました。経済を回す効果はあるのだと。 しかしさすがに非常識だとわかったのか、ここに来て「錬金術封じ」に舵を切りました。 付与ポイント以下の利用金額の場合は、ポイントを付与しない方針に変更とのこと。そんなの当たり前じゃん。 政府の「Go To キャンペーン」は全般に、国民を待たせた割に完成度が低く、バグだらけです。 その制度の陰で儲けているのは、一部の広告代理店やグルメサイトだという構図も、だんだん見えてきました。 もうホント、火事場泥棒だらけじゃないですか。そんな日本の社会経済構造には、まったくムカつきます。 コロナ禍で困窮している人や企業を救済する制度のはずなのに、第三者ばかりが儲かる仕組みなのですから。 |
コロナ禍ですから、申請主義も性善説になってます
|
- 2020/10/02(Fri) -
|
「持続化給付金」の不正受給が全国で相次いでいるとのこと。でしょうね。なにしろ申請が簡単過ぎます。
しかしこのコロナ禍にあっては、助成金や給付金などの申請は、不正を覚悟でも簡便であるべきだと思います。 このような状況では、円鏡じゃないけど早いのが取り柄。何よりも、早い給付が最優先でしょう。 「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金給付事業」も申請は簡便で、提出する書類はごくわずかでした。 8月末に申請したら予定通り9月末に入金したので、同日中に、当院職員の個人口座に振り込みました。 迅速に処理してくれた県の関係者に敬意を表して、今日はさっそく恩返し。実績報告書を提出しました。 以前、「申請主義」の基本理念は「性悪説」だと書いたことがありますが、いまはすっかり「性善説」ですね。 緊急時だからしょうがない。そのかわり「性悪」な人がつけ込みやすく、不正受給天国みたいになっています。 こんな時に不正や詐欺を働く火事場泥棒に対しては、国があとでじっくり厳罰で対処してください。 今日は「医療施設静態調査」にも回答しました。3年ごとに行われる、診療機能を把握する統計調査です。 例によって厚労省お得意の、Windows版Excel文書を使ったオンライン調査票なんですよね。 「記入の負担を軽減できますので、ぜひオンライン調査を御利用ください」との記載にムカつきます。 そのMacユーザーの怒りをにじませた手書きの紙調査票を、今回もまた郵送した次第です。 |
遅れている日本のデジタル化を、この際、一気に進めてほしい
|
- 2020/09/24(Thu) -
|
菅政権の「デジタル化推進政策」は、動きが速そうな分、その結果も期待できる雰囲気があります。
安倍政権の継承と言いながらも、意外と大仕事をしてくれそうな気がします。気のせいでないといいのですが。 守旧派官僚や頭の固い経営者らからの反発に負けずに、「デジタル庁」には頑張っていただきたいものです。 マイナンバーを預貯金口座と連動させるのも、義務ではなく選択制にするとは良いバランス感覚ですね。 いろんな理由で反対する人がいますから、全員賛成を目指してたら何も進みません。 社会のデジタル化では当面、便利な世の中を望む人だけが便利になればいいのです。 運転免許証とか健康保険証のデジタルカード化(スマホ表示)なんて、技術的には楽勝でしょう。 JAFの「デジタル会員証」は、もう何年も前に導入されていますが、あんなヤツでいいわけですよ、だいたい。 なにより、マイナンバーカードこそ、真っ先にデジタル化すべきです。ICカードを持ち歩くよりよほどいい。 社会保障や納税と連動させるのは当然です。そうなったらもう、保険料納付も確定申告もしませんからね。 私の預金口座から勝手に引き落としていただいて結構。その他の税金もみなどうぞ。 個人情報がどうの、セキュリティがどうのという人もいるでしょうけど、それを言い出したらキリがない。 日本人はとかく、本来やるべき事よりも副作用の方を先に心配してしまいます。ワクチン行政と同じです。 世界水準以上の安全対策をして、少なくとも世界標準レベルのデジタル化を、チャッチャと進めましょうよ。 もちろん、情報漏洩による国民財産の損失に対しては、政府が完全に補償する仕組みをつくってください。 デジタル化を迅速に推進させることで得られる、国民とお役所のメリットの方が、もはやよほど大事です。 などと偉そうに言いながら、私はまだマイナンバーカードを作っていません。 だから言うんですけど、プラスチックのICカードはもう古い。やるなら一気にデジタル化でしょう。 |
懇親会なんて、不要不急の最たるモノでしょう
|
- 2020/08/08(Sat) -
|
熊本市医師会の会員懇談会(会務報告と懇親会)は、今月下旬に開催される予定でしたが中止になりました。
そりゃそうでしょ。参加者の中から1人でも、たった1人でも感染者が出たら、あとで大変なことになりますよ。 「医師が新型コロナウイルス感染 医師会懇親会に参加後に発症」そんな新聞見出しが目に浮かびます。 「こんな時期にお医者さんが懇親会するって、どうなんですかね」と、ワイドショーも食いつくでしょう。 しかしそんな非難よりも何よりも、クラスターの発生が懸念されます。医師会懇親会クラスターです。 クラスターの怖さは、それが発覚した時点ではすでに、感染がある程度拡大してしまっているということです。 市内のあちこちの医療機関の医師たちの感染が次々に発覚し、外来診療が次々に止まっていくなんて地獄です。 それに医師らは、感染しているとは知らずに何日間か診療を行っていたはず。最悪のパターンです。 他の職種・業種ならいざ知らず、医師会がそんなリスキーな会合を開いてどうしますか。 懇親会なんてまったく不要不急です。会務報告だけなら文書の配布で十分。 当初は、最大限に注意を払って懇談会を敢行する雰囲気でしたが、ギリギリのところで踏みとどまりました。 日本各地の感染状況を見ていると、市中感染も気にはなりますが、いまだにクラスターも大問題です。 この場所が、この施設が、この会合が、クラスターになりはしないかと、常に意識する行動が必要です。 |
帰省を規制する既成事実など規正したらどうかと藤井棋聖が言ったとか
|
- 2020/08/04(Tue) -
|
「自粛しろ 経済まわせ 家にいろ 旅行には行け 帰省はするな」
誰が詠んだかネットで出回っている短歌。上手い。上手いけど笑えない。チクハグな政策をディスる一句です。 ここに来て政権内からも、帰省は制限しないとの声が出始めましたが、人によって言うことがバラバラ。 新型コロナ感染では、誰にも予測できない展開が続いています。誰が担当しても政権運営は難しいのです。 「マスクしろ 隙間はなくせ 鼻出すな 二重顎なら 出してもいいよ」 いま作りました。ヘタですみません。例のアベノマスク。ご本人もついに、使うのやめちゃいましたね。 何をやっても、考えが足りない上に動きが遅い。アベノマスクのドタバタも、コロナ政策を象徴しています。 とは言え、熟慮して迅速にというのも無理な注文。ならば、毎日でも真摯に会見して、国民を味方にしなきゃ。 「過ちて改めざる、之を過ちと謂う」「過ちては改むるに憚ること勿れ」 結局これ。過ちそのものよりもむしろ、それを改めない硬直化した態度の方が問題。意地っ張りはダメ。 ただし、政策方針を転換・修正するときは、その都度誠実に丁寧に説明しないと、国民からは不信感が出ます。 このコロナ禍で、先々までずっと変更無く通用する政策などありません。朝令暮改は恥だが役に立つのです。 いまから言うのもアレですけど、今年の流行語大賞って、もう、候補が多すぎて選べませんね。 |
Go To トラベル開始日に国内感染者数が過去最多という間の悪さ
|
- 2020/07/22(Wed) -
|
度重なる修正を経ても中止や延期には至らず、ついに今日、「Go To トラベル」が始まりました。
安倍首相は「感染予防策を徹底しながら、慎重に経済活動を再開していく方針に変わりはない」と言います。 そういう、何が何でも方針は変えないと言い切ってしまうスタンス、その強がりがダメなんですよ。 どうしようもなくなるまで引っ張るだけ引っ張り、挙げ句の果てに前言を翻すから、世の中が混乱するのです。 東京を対象外にしたら、今度は大阪・愛知・福岡が過去最多の感染者を出すという、絵に描いたような展開。 全国の新規感染者数が746人という最多記録を更新しても、まだGo Toを中止するつもりはないようです。 8月からのイベントの開催制限緩和は、8月末まで延期されることになりましたが、でもGo Toは止めない。 集まるのはダメだけど、旅行には補助を出すから気をつけてやってくれという、なんとも難しい要求です。 児玉龍彦先生がいみじくも指摘したように、来月には「目を覆うばかり」の惨状になりはしないかと不安です。 ずっと落ち着いていた熊本市でも、この3日間は連続して感染者が出ています。なんとも不気味ですね。 そのうち2人は福岡から、今日の1人は東京から、いずれも県外から持ち込まれたウイルスです。 人の移動が自由になれば、流行地域から全国各地にウイルスが拡散していくことは、想像に難くありません。 事ここに至っては、やはり不要不急の移動は控えるべきでしょう。Go Toトラベルは、あまりにも間が悪い。 「進むも地獄、退くも地獄」と言われている通り、Go Toが延期になったらなったで、大混乱でしょうけどね。 |
感染拡大警報下で、恐る恐るGo Toキャンペーンする?
|
- 2020/07/15(Wed) -
|
小池都知事は、新型コロナ警戒レベルを最も深刻な水準へと引き上げ、「感染拡大警報」を発するとしました。
国はしかし意固地になって、「Go To キャンペーン」を前倒してまでして進めようとしています。 感染者が不気味に増えているこのタイミングで、敢えて「Go To」に突入する意味って何でしょう。 感染を抑えつつ経済も回すという、相反することを行うことについては、いろんな例えが出ています。 「冷房と暖房の両方をかけるようなこと」 小池都知事による表現です。「かける」と言う部分に古臭さを感じます。最近あまり聞きませんね。 たしかに冷暖房を同時に作動させるなど、家庭用エアコンで考えたら電気代のムダです。 でもカーエアコンだと、暖房はエンジンの熱を利用しており冷房とは別システム。冷暖房同時作動もアリです。 足元には暖房を、顔には冷風を当てるなんてことも日常的。冷暖房の両方をかけるのは、矛盾してないのです。 「アクセルとブレーキを同時に踏んでいるよう」 複数の政治家の方がこの表現を使っているところを見ると、いちばんしっくり来るのでしょう。 ちょうど今は、国がアクセル、都がブレーキを踏むような関係になっているかもしれません。 車を運転するとき、右足でアクセル、左足でブレーキを踏むのは、実際やってみるととても難しいですね。 左右の足の力加減が上手く協調できずに、ギクシャクした運転になってしまい、怖くて続けられません。 アクセルもブレーキも、必要な方を片方ずつ、ちょうど良い強さで踏むことがいちばん大事です。 |
未曾有の事態なのだから、今後の展開が想定できるはずがない
|
- 2020/07/09(Thu) -
|
豪雨災害のニュースにかき消されていたコロナが、その存在をアピールするかのような、いやな雰囲気です。
今日の東京都の感染者数224人には、驚きや落胆を通り越して、恐怖すらおぼえます。 先週あたり、今後爆発的に感染者数が増える予測グラフをどこかで見かけましたが、そうなるかもしれません。 以前、第2波の方が大きくなる場合もあると、誰かが言ってましたが、それもその通りになるかもしれません。 世の人々は得てして、悪い出来事に対して表面では大騒ぎをしつつも、心の中では甘く見ていたりします。 平静を装いながらも危機管理に抜かりないはずの小池都知事も、本心では危機感が欠けているかもしれません。 検査件数の増加が、感染者数(=感染が判明した人)の増加につながった、なんて都知事は言ってます。 それって、検査件数が少ない頃は感染者を見逃し、野放しにしていたことを認めるようなものですけどね。 いまでもまだ検査件数が足りないかもしれないと、そう思い至る余裕が都知事にあればよいのですが。 医療体制がひっ迫していない等の理由で、イベント開催制限の緩和などは明日予定通り行われるようです。 社会・経済への影響を考えると、やみくもに自粛すれば良いというものではありません。 たぶん答は無いのです。答は無くても政策は必要で、しかもどのような政策であれ、叩かれる運命です。 叩かれたくないことばかり考えて、何も動けない政治家が、最悪です。 |
第2波が来るのであれば、様子見よりも先手を打つべきでは?
|
- 2020/07/03(Fri) -
|
昼前に、東京都の新型コロナ感染者数が120人以上と速報されました。想定の範囲内とは言え、衝撃的です。
その数だけでなく、感染者数が報じられるタイミングの早さも驚きます。 昨日も昼過ぎには107人と発表されましたが、今日はさらに早まりました。どういうことなんでしょう。 昼前に報じられるということは、今日の午後に判明した数は、明日の発表分に含まれることになります。 これまで感染者数は夕方発表されていたのに、どうして昨日今日は発表時期を繰り上げたのでしょう。 毎日の感染者数を正しく比べるためには、検査や発表の締切時間を変えない方が良い気がするんですけどね。 うがった見方をすれば、感染者数を少なく見せるために発表時間を早めたんじゃないかと思えてしまいます。 ある報道番組のコメンテーターも私と同意見。だって、お役人のやりそうなことですからね。つまりこうです。 昨日、感染者数がひどく増えそうなのを嫌った都職員が発表時間を前倒ししたけど、100人超えしてしまった。 今日も感染者が多いので、さらに発表時間を早めるしかなく、しかしそれでも124人になってしまった。 明日の発表時間は、どうするんでしょう。ヘタしたら、朝のウチに発表するかもしれません。まさかね。 検査数自体が増えて来たので、4月5月ごろと同じ尺度で感染者数を評価することはできないかもしれません。 小池都知事は、少し様子をみましょう的な姿勢で一見落ち着いてます。良く言えば冷静。悪く言えば施行停止。 科学的根拠のある態度というよりも、もしかすると正常性バイアスが働いているのかもしれません。 しかし今こそ、都も国もむしろ先手を打って、行動自粛なり休業要請なりの策を打ち出すべきです。 第1波の経験を生かして、前回と同じ轍を踏まぬよう、的確かつキメ細やかな施策を期待します。 |
コロナの時代、現金の受け渡しは淘汰されるかも(賄賂等を除く)
|
- 2020/06/20(Sat) -
|
コロナの時代、他人との物品の受け渡しは最小限にしたいところですが、現金だけはどうにもなりませんね。
店舗等では可能な限りカード払いにしていますが、店によって、接触の程度=感染の危険度、が違います。 (1)カードを客がリーダーにかざすか、タッチするか、差し込んで引き抜く (2)カードを店員に渡し、暗証番号を押すかサインをした後、カードを受け取る このうち(1)は接触が少ないですが、それでも最後に紙のレシートを手渡されたら同じことです。 ならば、「レシートなど要らんわいっ!」と突っぱねるか。でもどうせ、商品を受け取りますけどね。 じゃあ安全なのは通販だけでしょうか。いや、配送された商品や外箱にも、油断してはなりません。 梱包を開けたらいちど手指消毒し、商品を取り出したらまた手指消毒。そこまでやりますか。やりませんけど。 宅配業者のボールペンを借りてサインしなくても良いように、玄関にはペンかシャチハタを置いときましょう。 現実にいま困っているのは、クリニックの会計窓口です。どうしても現金を受け取る必要があるからです。 手数料負担がイヤなので、カードなどのキャッシュレス決済は、当院では導入していません。 じゃあ現金は、手袋で受け取るか? おつりも手袋? 受け取った紙幣は消毒? そこまではね。 マイナンバーカードが保険証になれば、紐付いた預金口座から医療費が引き落とされる仕組みにできるはず。 診療終了と同時に、窓口負担分が患者の口座から医療機関の口座に送金されるシステムなんてどうでしょう。 もちろん、診療内容は支払団体にも即座に伝わるので、毎月のレセプト提出なんて不要です。いいなあ、これ。 |
「申請主義」の基本理念は「性悪説」
|
- 2020/06/18(Thu) -
|
自粛ムードが緩んでも診療患者数はまだ少ないですが、定期予防接種の子どもたちは、そこそこやって来ます。
昭和37年度~昭和53年度生まれの男性を対象とした「風しんの追加的対策」の対象者も、よく来院されます。 そのクーポン券を持参して来た方が最初に受ける「風しんの抗体検査」の、今日はその受診票にモノ申したい。 受診票の中段に、「下記に該当する場合、□に✓を入れてください」と、次のようなチェック項目があります。 「 □私は、風しんの抗体検査を受けることを希望いたしません 」 わざわざクーポン券持って来て受診票を書いた挙げ句に、しかし検査を希望しない中年男性っているんですか。 検査の資格はあるが希望はしないことを正式に表明しに来るヒマ人を想定した、チェック項目ですか。 似たような書類がありますよね。例の、新型コロナ対策に係る「特別定額給付金」の申請書です。 その、「 給付金受給を希望されない方はチェック欄(□)に×印を御記入ください 」という部分。 記入間違いを誘発して「受給を辞退させる」ことで有名なトラップですね。 これなどはもう、バカな書類設計と言うほかありません。作ったのは総務省。市民目線が欠けている証拠です。 一部の自治体は独自に「親切な」申請書を作り直し、国の愚策の尻拭いをする羽目になっています。 一般に、給付金や助成金の申請書類は、細かく面倒で添付書類もやたらに必要で不親切な設計になっています。 「性悪説」を基調とし、不正受給を防ぐためなら申請が面倒でもかまわないというのが基本理念だからです。 風しん抗体検査の受診票や特別定額給付金の申請書の妙なチェック項目も、そこから派生したものでしょう。 市民感覚からすれば、無意味で無駄で不親切で不誠実なチェック項目であり、結果的にはトラップです。 このように不親切な文言を平然と準備するお役人って、どういう思考回路(または性格)なんでしょうね。 市民サービスに関係する書類は、「性善説」を基調とした、もっと簡便で親切で優しい設計であるべきです。 |
新型コロナ対策予算が巨額すぎて、金銭感覚がおかしくなりそう
|
- 2020/06/09(Tue) -
|
新型コロナに関連する政府の金の使い方が、とんでもなくドンブリ勘定な感じですね。
ポンポン飛び出す兆円単位の巨額の予算に紛れて、千億円単位の事務委託費が平然とまかり通っています。 「持続化給付金」の事務委託費は、火事場泥棒の餌食になったようですね。他の事業でも同様でしょう。 観光需要喚起策は「強盗キャンペーン」と揶揄され、もはや安倍首相も「公認」する別名となりました。 どうせ受託業者と官僚や政治家は裏でつながっているのだろうと、証拠が無くたって誰でも想像することです。 医療従事者に対する慰労金も補正予算案に盛り込まれましたが、私は単純には喜べない心境です。 コロナ診療現場の従事者に20万、コロナ体制をとっただけで10万、それ以外には5万円ほど支払われるとか。 危険手当的な意味合いだそうですが、それならコロナ患者を扱う者には日額できちんと支払うべきでしょう。 さらに他国のように、コロナ診療医療機関自体に、経営を十分支えられる程度の補助金を交付すべきでしょう。 お金だけの問題ではありません。 医療従事者が、自分自身のPCR検査や抗体検査を、無症状でも一定頻度で受けられるようにしもらいたい。 無症状感染者が思いのほか多いことがわかってきたいま、医療従事者の感染の有無は重大な関心事のはず。 プロ野球選手を全員検査するのも結構ですが、医療従事者の全員検査の方がはるかに有意義でしょう。 私は5万か10万の慰労金をもらうより、抗体検査をまず1回と、定期的なPCR検査(唾液)を受けたいですね。 |
マイナンバーカードは、早く作らないと誰かに作られちゃうかも
|
- 2020/06/04(Thu) -
|
内閣府のサイトによると、マイナンバー制度には、次の3つの目的があるそうです。
1.公平・公正な社会の実現 「給付金などの不正受給の防止」 2.国民の利便性の向上 「面倒な行政手続きが簡単に」 3.行政の効率化 「手続をムダなく正確に」 残念ながらこのたびの「特別定額給付金」騒動では、国民には不便を強い、行政はムダな作業に追われました。 それに加えて、マイナンバーカードが容易に不正取得できることは、以前から問題になっています。 マイナンバー(個人番号)がわかれば、顔写真のない健康保険証などの身分証でカード申請が可能だからです。 書類上のつじつまが合えば、別人の顔でも、正規のマイナンバーカードが作れるということです。 現状のようにカードの取得率が低いと、誰かに偽造されてしまっても気がつかないでしょうね。 マイナンバーカードは、運転免許証と同程度の信頼度で、身分証(本人確認証)として使えます。 パスポートを作るときにも使えるし、運転免許証を再交付することもできます。 マイナンバーカードが不正取得しやすいばっかりに、他の重要な身分証までもが偽造できてしまうわけです。 じゃあ何がいちばん根本的な身分証になり得るのかと考えると、指紋のような生体情報だけかもしれません。 なので指紋は、生まれたらすぐにマイナンバーに紐つけるように登録する仕組みが理想的でしょうね。 一定の年齢(たとえば成人)になったら、顔認証も登録して紐つけるなどの「補強」をしてもいいでしょう。 技術の進歩により身分証は容易に偽造できるようになり、本人確認の精度とのイタチごっこは続きます。 マイナンバーを銀行口座や税や社会保障に紐つけるのであれば、絶対安全な仕組みが必要です。 プライバシー上の配慮はもちろん必要ですが、なりすましの身分証で悪用される方が私はいやです。 |
北九州市の感染者数増加は、クラスター潰しが徹底してきた証かも
|
- 2020/05/31(Sun) -
|
北九州市で、新型コロナウイルス感染の「第2波」かと思われるような、感染者の急増が見られています。
長いトンネルから抜け出したかと思っていた矢先、まさに出鼻をくじかれるガッカリな出来事です。 しかし第2波かどうか。別の要因もありそうで、警戒は必要ですがまだ悲観するには早いかもしれません。 市の担当者は「濃厚接触者のPCR検査方針を見直したためか」とも述べています。これは重大なことです。 それまでは症状のある人だけに行っていたPCR検査を、無症状者に対しても行う方針に切り替えたとのこと。 これによって、無症状の濃厚接触者の中から感染者を見つけ出すことができるようになったわけです。 つまりこれまでは、無症状だから検査しなかった濃厚接触者の中の感染者を見落としてきた、とも言えます。 担当者によれば、「感染確認が増えることは覚悟の上で、検査方針の見直しを行った」とのこと。 はて、検査方針を見直したら感染確認が増えるかもしれないと思うのは、なぜでしょう。 それは彼らが、これまで感染者を見落としてきた可能性を認識しているからです。だから覚悟しているのです。 濃厚接触者を徹底的に検査してクラスターを潰すのが、これまでの「日本方式」じゃなかったんですかね。 検査範囲を広めたが故の感染確認数の増加ならば、それは真実に近づくことであり、歓迎すべきです。 北九州の件が、クラスターをより完全に潰すための、重要な教訓になることを祈ります。 |
マイナンバーは本来、何かが便利になるために存在しているはず
|
- 2020/05/28(Thu) -
|
新型コロナ対策等を目的とした「第2次補正予算案」が昨日、閣議決定されました。
第1次と合わせて空前絶後の規模だと安倍首相は自画自賛しますけど、ともかく迅速な執行をお願いします。 コロナ騒動では全般に、他のIT先進国と比べて日本の政府や公的制度のIT利用の遅れが際立った気がします。 役所仕事の大事な部分がアナログだったり、IT慣れしてないから新機軸はたいていトラブります。 一騒動を巻き起こした「特別定額給付金」は、わが家にもようやく昨日振り込まれていました。 申請書郵送の6日後の入金なので、菊陽町の作業の早さはまずまず。ただしその申請書が来るまでが遅かった。 この給付金の申請において国は、ほとんど普及していないマイナンバーカード所持者に優先権を与えました。 これはカード普及を図る方策としては、泥縄すぎて実効力がありません。むしろ、見せしめの意味でしょう。 「ほら、カード作ってないから不便でしょ。カード作っときゃ良かったのに」と、そう言いたかったのです。 これを某財務相が口にしたら、ぴったりハマります。 ところが蓋を開けてみたら、カードの暗証番号忘れや複数申請の問題が勃発し、現場は3密の大混乱。 むしろカード所持者が馬鹿を見るという、逆転現象が起きてしまいました。 「よかった、カード作って無くて」という皮肉も言いたくなる状況です。 私の口座に振り込まれた給付金はさっそく、一部を固定資産税の納付に使わせていただきます。 にしても、菊陽町から振り込まれた給付金で、すぐに菊陽町に税金を払うなど、バカみたいな話ですけどね。 そんなもの、役場内で相殺処理してもらえば済む話。マイナンバーって、そういう使い方するものじゃないの? |
SNSでの誹謗中傷問題では、SNS自体が悪いわけではありません
|
- 2020/05/27(Wed) -
|
テレビ番組がきっかけでSNS上で非難され、それが元で自殺した可能性のある女性のことが、大きな話題です。
またこのような事件が起きるたびに、匿名発信が容易なSNSそのものがいつも問題視されます。 しかし、非難されるべきは誹謗中傷投稿をした人物であり、その次は件の番組であって、SNSではありません。 包丁で人が殺害される事件が起きても、その包丁を作ったメーカーが糾弾される筋合いはないはず。 でもたしかに、犯人が特定されにくいために犯罪抑止力が利かないことが、SNSなどのネット犯罪の問題です。 犯罪には至らなくても、匿名での言論はしばしば、責任を負わない立場に安住した無法な表現になりがちです。 私は、当ブログやFacebookのように、すべての言論活動を実名で行っています。 たまに政治批判めいたことも書きますが、毒にも薬にもならない投稿であり、匿名にする必要がありません。 誰かに意見したいときも、実名の方がたぶん効果的だと思うので、私は匿名は使いません。 逆に私が誰かから意見される際には、それは実名でも匿名でもかまいません。大事なのは意見の中身ですから。 要は、真摯で建設的な意見なら、実名でも匿名でも構わないということです。 逆に言うなら匿名の問題は、不誠実で攻撃的な意見を、誰にもとがめられず自由に発出できるということです。 匿名だから何でも言い放題というのは、捕まらないなら罪を犯してもいいという考え方と同じです。 その意味で、SNSの発信者特定はやむを得ない措置かもしれませんが、抜本的な解決ではないと思います。 京アニの放火殺人犯のように、捕まってもいいなら何でもできると思われてもかないませんからね。 |
「出口戦略」なんて言ってるけど、次の「入口」はすぐそこかも
|
- 2020/05/26(Tue) -
|
九州新幹線に乗っているとトンネルが多くて、抜けたと思ったらまたトンネル。明るくなってもまた暗くなる。
新型コロナの出口も見えてきましたが、このトンネルを抜けてもまた次が来ると、誰もがわかっています。 大事なのは、出口をどう抜けだし、次のトンネルに入るまでに何をすべきか、ですよね。 言うなれば、今の「出口戦略」と次の「入口戦略」。二つ合わせて「出入口戦略」だ! 甚大なダメージを受けてしまった、社会・経済・教育・文化活動を、どのように立て直すか。これが第一。 「第2波」への準備も重要です。とくに経済面や教育面では、同じ轍を踏まぬようにしなければなりません。 また医療面は、防護具の十分な準備、検査態勢の充実、隔離施設や病床の確保、診療報酬にも改善が必要です。 もちろん、いちばん期待するのは、治療薬やワクチンですけどね。 何度も言ってるように、「第 n 波」がどのような周期・振幅で現れるか、なかなか予測ができません。 たとえ日本で収束していても、諸外国からの「流入」がきっかけで急に次の山が来る可能性もあります。 東京都のロードマップ等を見ても、大規模なイベントの開催はしばらくは難しそうですね。 スポーツや文化行事は、当面無観客開催やネット配信になりそうですが、それもひとつの方向性でしょう。 企業等ではリモート就業へのシフトが進み、いくつかの学会はオンライン集会が企画されています。 東京五輪も、思い切って完全無観客開催の可能性を探ってはどうでしょう。テレビ中継とネット配信のみです。 どうせ競技場で生で観戦できる人って、たかだか数万人ですよ。あとの何億人かはテレビで観るわけですから。 それならば、競技場内に何百台という4K・8Kカメラを設置して、すごくリアルな中継をしたらどうですか。 パンデミック下での国際競技会のあり方として、日本の創造力と技術力を試す機会です。準備期間は1年。 |
キャッシュレス・ポイント還元事業は、やっぱり来月終わるんですよね
|
- 2020/05/22(Fri) -
|
来年に延期された東京五輪ですが、来年の開催が無理なら中止すると、IOCのバッハ会長が述べました。
誰もが薄々思って来たことです。不吉な事は口にしない国民性ですから、あまり話題になりませんけどね。 ついでに気になってるのが、「キャッシュレス・ポイント還元事業」です、私の場合。 消費税率引き上げ後の消費の冷え込み対策として、今年6月末まで行われる予定の政策です。 なぜ6月かといえば、翌7月からは東京五輪が開催され、またインバウンドの消費増が期待できるからでした。 キャッシュレス決済の店舗を増やし、来日外国人への利便性も狙っていました。 しかし、五輪は延期されました。では、ポイント還元はどうなるんでしょう。6月で終了?、それとも延長? この話題も、あまり表立って出てきませんが、経産省や政府内部では、当然検討中ですよね。 経産省のサイトのトップページは、以前は「キャッシュレス・ポイント還元事業」の表示が占拠していました。 ところが今日見てビックリ。「持続化給付金」やマスクや消毒液などのバナーばかりが目立ちます。 よく目をこらすと、小さく、「キャッシュレス・ポイント還元事業」の文字が埋もれていました。 サイトのどこをどう読んでも、キャッシュレス・ポイント還元事業の延長については微塵も感じさせません。 たしかに、いまさら延長したところで、コロナで冷え込んだ経済に対しては焼け石に水でしょう。 それに新型コロナ対策は、必要な対象への給付金等で対処するのがスジかもしれません。 ならば予定通り、国民が騒ぎ出す前に、ポイント還元は来月末でひっそりと終了させたいハラなのか。 ポイント還元のドタバタには半年付き合わされました。来月終わっても終わらなくても、どっちでもいいです。 |
世界各国の人々が集まる行事って、しばらくは無理っぽいですね
|
- 2020/05/10(Sun) -
|
今日の東京は22人ですか。本格的に減ってきましたね。まあ、ぬか喜びしないように注視しときましょう。
ところで、「9月入学案」って、来年8月までを今年度として、来年度は来年9月から始めることなんですね。 ならば私は、すっかり勘違いしてました。今年度を今年の9月開始にずらすのかと思っていたので。 まあ、生徒らにとってはほぼ同じことなんですけど、お役所の準備作業等がだいぶ異なります。 コロナはこのまま収束するんじゃ?、という幻想を抱きがちな昨今ですが、たしかにそうなるかもしれません。 ただし、集団免疫ができてない現状で警戒を緩めれば「第2波」が来るのは必定。再び緊急事態宣言でしょう。 そのように感染の拡大・収束を何度か繰り返しつつ、だんだん「波」が小さくなって終息に向かうのでしょう。 来年度から9月入学とするのなら、「第 n 波」がたまたま9月にぶち当たらないことを祈るしかありません。 9月の前には東京五輪もあるし、こうなったら来年の夏前までに完全終息させるしかありません。 つまり、見かけ上の抑え込みではなく集団免疫の確立ですが、はたして日本式の対策でそれができるのか。 それによく考えてみると、たとえ日本で終息していても、諸外国がどうなっているかは予測がつきません。 世界中で同時に集団免疫が出来上るとは思えません。従来型の五輪は、しばらくは難しいかもしれません。 国際スポーツ競技のあり方自体が、ポストコロナの「パラダイムシフト」を迎えることになるんでしょうかね。 |
新型コロナの感染者は減ってますが、もう少しダメ押しで自粛延長へ
|
- 2020/05/04(Mon) -
|
緊急事態宣言の延長が決定されました。今月末までです。
安倍首相はその背景を「感染者の減少が十分なレベルと言えず、医療現場が過酷な状況にある」と述べました。 「医療現場が過酷」だから「社会経済活動の停滞」やむなし、ともとれるこの表現は問題です。 「過酷」なのは、医療現場に限らず、さまざまな企業や家庭環境も、過酷と言えば過酷な状況だからです。 せめて医療がひっ迫していると、あるいは感染者数の減少がまだ確定的ではないと、そう言えばいいのに。 流行は抑えられつつあるけど、あと少しダメ押しが必要だと、そういうことですよね。 いまの感染者数は、ちょうど4月上旬と同程度になっています。1カ月後には、さらに減ることでしょう。 ただし6月になっても、国内に感染者が3月上旬並みには存在するかもしれません。 国内外にまだまだ感染者がいる中でも、社会経済活動を考慮して、6月に宣言を解除することになるわけです。 しかし、いま「実効再生産数」が1を切ったとは言え、自粛が緩めばそれは「基本再生産数」に近づきます。 ある程度の社会経済活動を再開させれば、当然、感染は再拡大するのです。そんなことなど想定内です。 なので時期が来ればまた、緊急事態宣言の発出です。それが例えば7月か8月。そしてまた2,3カ月で宣言解除。 こうして、国民の6割程度が感染して集団免疫が確立するまで、断続的に緊急事態宣言が繰り返されるのです。 大事なことは、医療と社会経済活動のバランスが常にうまくコントロールできるか、ということでしょう。 |
緊急事態宣言は、出したり引っ込めたりが今後も続くのでしょう
|
- 2020/05/01(Fri) -
|
安倍首相は今日、緊急事態宣言を1か月程度延長することを今月4日に決定する方針を、明らかにしました。
まあそうなると思ってましたけど、4日に決定する方針を本日明らかにした、っていうまどろっこしさは何。 今日から4日までの間に方針が覆るかもしれないのでまだ決定じゃないよ、ていう意味なん? それならば、緊急事態宣言を1か月程度延長するかどうかを今月4日に決定します、と言えばいいのに。 東京都の感染者(確認)数が最近だいぶ減ってきていただけに、峠を越えた感があったことは否めません。 しかしそれでも専門家会議は緊急事態宣言延長の必要性を提言し、首相もそれに添う意見を述べたのでしょう。 幸か不幸か今日の東京の感染者は165人。まだ油断ならんことを裏付ける数字が出て、よかったと言うべきか。 もしも緊急事態宣言が8月頃まで続くことになれば、まさか9月入学・新学期なんてあり得ないでしょう。 かといって6月に宣言を解除できても、その後また感染者が増えれば、9月頃には宣言が必要になるでしょう。 どう転んでも、9月入学・新学期は無理筋なのです。 日本の新型コロナ対策を見ていると、やることが場当たり的で、しかし強くは踏み込めずに中途半端です。 中韓や欧米諸国に比べると、PCR検査も中途半端なら行動制限も中途半端。 感染者の実数がまったくわからず、従って死亡率も正確に計算できません。が、たしかに死亡者数は多くない。 よく言えば、臨機応変で抑制が利いた日本流コロナ対策は、案外バランスの良い戦略なのかもしれまん。 ただしこのやり方だと、集団免疫が確立するまではだいぶ時間がかかりそうです。 宣言→解除→宣言→解除、を繰り返しながら、あと2年ぐらい行ったり来たりが続くのかもしれません。 |
9月入学への制度改革は妙案ですが、やはり飛びつけない気がします
|
- 2020/04/29(Wed) -
|
学校の休業が続き教育上の問題が叫ばれている中で、「9月入学・新学年開始」という話が急浮上しています。
日本も諸外国にならって秋入学にしてはどうかという話は、もう何年も前から、湧いては消えてきました。 ところがここに来て、新型コロナウイルス感染に伴う休校措置が続くせいで、その議論が再燃し始めました。 高校生たちの呼びかけがきっかけだといわれますが、たぶん多くの方が同様の思いを抱いていたことでしょう。 すでに全国で、5月末まで休校になりそうですが、このぶんだと6月も休校でしょう。7月だってわかりません。 ようやく8月か9月から学校が始まったとしても、失われた数カ間の学習時間をどう取り戻せるのか疑問です。 ならば5カ月間はなかったことにして、9月から新年度にしてしまえ、という発想はわからないでもない。 しかし本来であれば準備に何年もかけるべき制度改革を、急場しのぎで即断してよいものか、疑問は残ります。 安倍首相は、「大きな変化がある中においては、前広にさまざまな選択肢を検討していきたい」と述べました。 「前広に」なんて聞き慣れない言葉(ある種、業界用語)が、私はどうしても気になってしまいます。 「幅広く」とか「広い視野に立って」という意味ではなく、「あらかじめ」とか「前もって」ていう意味です。 どうしてこの言葉を使うのでしょう。事態が切羽詰まって時間的猶予がないだけに、余計にしっくりきません。 今年度からの9月入学が拙速だと慎重に考えているのなら、それを明言してほしい。宙ぶらりんはダメです。 残念ながら、私には9月にコロナが終息しているとは思えません。まだ行動自粛が必要な時期かもしれません。 華やかに新学年を迎えられる状況ではないでしょう。わざわざ9月入学にしたことを、結局後悔しそうです。 先がまったく読めないのに、科学的根拠のないまま重大な制度改革をするのは、あまりにも無謀に思えます。 今年度は1年間、腰を据えて病魔と闘うのみでしょう。苦しい年度にはなりますが、まず、落ち着きましょう。 |
新型コロナのPCR陽性率が上がっているのが、とても気になります
|
- 2020/04/18(Sat) -
|
「コロナが心配です」「コロナじゃないでしょうか」「コロナじゃないという診断書がほしい」
そのように訴える電話相談が、とても多くなりました。お気持ち、お察しします。 「んなこと証明できるわけないでしょ」などと、けんもほろろな対応をするはずがありません。 患者さんもご家族も、幼稚園も学校も、会社も、誰にも悪気は無く、ただただ心配なだけなのです。 残念ながら、他の感染症同様に、いやそれ以上に、感染していないことを立証することは困難です。 症状と状況からみて感染の可能性が低い場合は、どっちみち、PCR検査の対象にもなりません。 コロナでは無いと思いますが、絶対違うとも言えないので、少し経過をみましょうか、となります。 不気味なことに、PCR検査の「陽性率」が全国的に上昇していることが判明したようです。 新型コロナウイルス感染を疑う病状の方は、本当にコロナである確率が高まっているということですよね。 軽い病状でも油断ならないので、当院では現在ほぼ全ての「風邪」の方を、隔離室だけで診察しています。 ゴーグルやキャップやフェイスシールドの出番も増えました。一人診察が終わるたびに、部屋の換気清掃です。 相談センターに相談したら一般の医療機関を受診するように言われた、と来院する患者さんも多くなりました。 保健所も、また最終的に感染者を受け入れる病院も大変だと思います。 熊本地域医療センターの看護師の感染が判明しました。救急外来での患者対応で感染した可能性があります。 完璧な防護具を着けていたはずですが、どこかに感染につながる接点があったのかもしれません。 どれだけ注意して臨んでも、医療従事者の感染リスクは消えません。とくに救急外来はリスキーですね。 医療崩壊につながるのは、病床や医療機器や人員の不足よりも、院内感染の方が先かもしれません。 |
たとえ朝令暮改であっても、はばかることなかれ
|
- 2020/04/17(Fri) -
|
東京都で新たに確認された新型コロナウイルス感染者の200人越えは、驚きはしませんが、ガッカリですね。
ですがもう少し待ちましょう。緊急事態宣言によって事態が好転したかどうか、もうじき判明しますから。 すったもんだの現金給付は、減収世帯への30万円ではなく、国民一人あたり一律10万円に決まりました。 これまで一律10万円を主張していた野党と、最終的には同じ案になったわけです。 「おやおや、われわれの主張と一致しましたか。それは結構。結果オーライです。では急いで進めましょう」 そんな大人な反応をすればいいものを、どういうわけか野党の方々はみな、激おこぷんぷん丸です。 「自分たちで作ったものを自分たちで壊して(略)そんなリーダーは世界どこにもいないですよ」 そう息巻く立憲民主党の安住氏。お気持ちはわかりますが、首相が過ちを改めたのがそれほど問題ですか。 考えの異なる政策は激しく批判するし、それを改めて自分たちと同じ政策になったら「迷走ぶり」を批判する。 国民の多くから不評だった30万円給付をやめたことが、よほど気に入らないのかもしれません。 緊急事態において言い争ってるヒマはありません。こういうときは、譲歩した方がカッコイイのです。 朝令暮改を非難する野党よりも、それをはばからなかった安倍首相の方が、今日は分が良く見えます。 現金給付法は、郵送やオンライン手続きを検討中とのこと。ようやく、マイナンバーの出番でしょうか? マイナンバーにメインの銀行口座を1つ登録せよと言うのなら、明日にでもネット登録しますよ。 |
手指消毒用アルコールの代用として、ウォッカにお墨付き
|
- 2020/04/13(Mon) -
|
新型コロナ対策のために、特例措置が行われたりしますが、酒を消毒液代わりに使えようになるとは驚きます。
マスク不足と同様に、手指消毒やその他の消毒用のアルコールが足りません。医療現場では深刻な問題です。 そこで酒を消毒薬代わりに使うヤカラが出てきて、問題になっていました。本来、酒では代用できないのです。 たとえ消毒に適したアルコール濃度(80%前後)であっても、糖などの不純物の存在が問題になるといいます。 ところがここに来て、酒を消毒液として用いることを特例として認めると、厚労省が言い出しました。 もちろん時代劇みたいに、口に含んだ焼酎をプハ〜ッと吹きかける消毒法はダメでしょうけど。 使えるのはアルコール濃度が70%から83%のウォッカなどで、酒造メーカーの増産も始まっているとのこと。 酒で消毒するのは、「主に医療機関での消毒液の不足を解消するための特例措置」だと厚労省はいいます。 でも酒なんて誰でも手に入れられるわけですから、むしろ一般市民に使っていただくのがよくないですか。 少し前から厚労省は、高濃度エタノールを手指消毒用に応用することを、臨時的・特例的に認めていました。 そしてこのたび厚労省が、医療機関に高濃度の「特定アルコール」を無償配布することになりました。 アルコール濃度は95%で「一斗缶」単位の配布とか。なかなか豪気です。これを薄めて手指の消毒に使えと。 手引きによれば、「特定アルコール830ml+精製水適量=全量1000ml」となるように希釈せよとのこと。 精製水の量が「適量」となっているのは、水とアルコールを混和すると体積が減るから。なんか懐かしい。 一斗缶がもらえるなら、当院では今後2カ月程度は、手指消毒液の心配がなくなります。これは助かる。 ただ、市販の手指消毒薬のような添加剤が入りません。手がひどく荒れたりしないだろうかと、少し心配です。 |
コロナ禍が切羽詰まってるのに、政府のやることがまだ生ぬるい
|
- 2020/04/11(Sat) -
|
東京都の感染者数、今日は197人ですか。昨日が189人で一昨日が178人。
ズドンと一気には増えず、ジリジリといたぶりながら攻めてくるところが、なんともイヤらしい。 緊急事態宣言後の人出は、地域差はあるものの、2〜4割程度の減少が見られたようですが、まだ足りません。 安倍首相は今日になって、事業者は出勤者を最低7割減らすように要請すると述べましたが、これも生ぬるい。 東京が最悪の状態に陥る前に、いますぐ欧米みたいな外出制限を進めるべきじゃないのですか。 外出制限は法律的には難しい、なんて言いっこなし。法解釈なんてどうにでもなるでしょう、安倍政権なら。 うかうかしてたら、もっと厳しくしとけばオーバーシュートしなかったのに、と後悔することになりますよ。 緊急事態宣言は、北大の西浦教授が提唱した「人と人との接触を8割減らせ」という理論に基づいています。 しかしここにきて、8割削減が必要なのか、7割なのか、6割でもよいのか、「揺れ」が目立ちます。 そもそも安倍首相自身が、「最低7割、極力8割」などと、最初から弱気な態度を示しているのが良くない。 さらに、基本再生産数からの単純計算なら6割削減でよい、という数字が一人歩きしている面もあるようです。 最初は厳しい規制を作ろうとぶち上げても、途中で横やりが入って結局ザルになる、というのはよくある話。 しかしこのコロナ禍だけは、もはや業界や圧力団体への配慮をしている場合じゃないですよ。 |
この程度の措置で、人と人の接触が8割減るとは思えないのですが
|
- 2020/04/10(Fri) -
|
東京都の小池知事は、都が休業を要請する業態や施設を公表しました。
経済的影響等を考慮した国との調整の結果、都が休業を要請する業種は、一部妥協し一部押し切った形でした。 ・都が押し切って休業要請:パチンコ店、ネットカフェ、ゲームセンターなど ・都が妥協して要請対象外:理髪店、美容室、百貨店、ホームセンターなど 政権寄りの意見を言うT氏がTVで、東京都がパチンコ店を休業させるのは問題だと言ってました。 東京都だけが厳しくしたら、パチンコをやりたい客は他県に移動し、むしろ感染を都外に広げてしまうのだと。 この詭弁に対して、他の出演者がうまく反論できていなかったのが悔しかったので、ここで書いておきます。 (1)都外に出るパチンコ客に感染者がいるという前提なら、都内に留めてパチンコさせるのはもっと危険 (2)東京都のオーバーシュートを防ぐのが何よりも重要であり、周辺県に感染が広がるとしてもそれは別問題 (3)そもそもこの一大事というのに、パチンコ店の営業をどうしても維持したがる発想に違和感あり 理髪店は、換気を良くして会話を減らせば問題無いかもしれません。ホームセンターと百貨店も同様。 でも、本気で感染を減らすためなら、オーバーシュートして困っている欧米並に厳しくすべきです。 居酒屋を含む飲食店は、営業時間に制限を求めたものの営業を認めました。まだまだ甘いですね。 こんなことで、人と人の接触を何割減らせるのか。7〜8割減らすことなんて、まず不可能でしょう。 携帯電話の位置情報を使って、人の移動データが得られるようになっています。 明日以降、人の移動がどのぐらい減るのか。できるだけ早く、その実態を発表してもらいたいものです。 その結果によっては、休業要請範囲を格段に強めなくてはなりません。でなきゃもうホント、間に合いません。 |
緊急事態宣言は出たけども、実効性のある要請が出せるのか
|
- 2020/04/09(Thu) -
|
「感染者全体に占める男性の割合はおよそ6割だが、亡くなった人に占める男性の割合は7割強と承知している」
WHOが欧州の感染者に関する発表をしたこと受けて、菅官房長官が日本での統計値を説明しました。 そんな情報をいま聞かされても、なんにも役に立ちませんけどね。男は身構え、女は安心せよとでも? 緊急事態宣言が出されてもなお、感染者数はますます増えていますが、それは当然のことです。 今後「新たな感染」が減ったとしても、「新たな感染者数」が減るまでは2週間程度のタイムラグがあります。 もしも2週間後にまだ感染者数が増えてるようだと、それはつまり、「対策」が不十分だったということです。 それから慌てて自粛を強めても、オーバーシュートはもう避けられないかもしれません。 感染拡大への対応は、最初からガツンと厳しくすればするほど、効力を発揮するはずです。 その意味で、国が自粛対象業種をゆるめに設定しようとしているのは、まったく中途半端で甘い考えです。 様子を見ながら、効果が足りなければ必要に応じて規制を強めていこうか、なんて発想では間に合いません。 何を気にしているのか知りませんが、事ここに及んでなお、政府がやることには躊躇が見られます。 対して小池知事は比較的厳しい態度ですが、国との調整の結果、果たして明日どのような方策を打ち出すのか。 言っときますけど、国に合わせて生ぬるいことをやって、結局オーバーシュートに至るのが最悪ですからね。 |
高齢運転者による交通事故の現場を目撃して、思ったこと
|
- 2020/04/08(Wed) -
|
高齢者が運転する車の事故が、実際に増えているのか世間が注目しているからなのか、近年よく報じられます。
判断能力や運動能力が低下した高齢者には、運転中に求められる迅速な判断と俊敏な動作が難しくなります。 今朝、当院隣のサンピアン駐車場付近で車がフェンスに激突する事故があり、偶然私が目撃者となりました。 衝突してもなお車は前進を続け、フェンスを5メートル近く押しつぶしてようやく止まりました。 しかし、アクセルがしばらく踏まれ続けたため、激しく回転するタイヤと地面の摩擦で白煙が立ち上りました。 フェンスが激しく押しつぶされて衝撃を吸収する形になったためか、高齢の運転手にケガはありませんでした。 コロナのおかげで付近の人通りはいつも以上に少なく、巻き添えになった通行人はいませんでした。 実は昨日、当院の敷地入口の進入防止用チェーンを張るポールにトラックがぶつかるという事故がありました。 加害者側と私が今朝「現場検証」をしていた時、すぐ横の駐車場で、冒頭に書いた事故が起きたのでした。 事故にはたいてい教訓がありますが、今回の事例で考えるなら、道路とフェンスの設計が問題でしょう。 右カーブした道路の左側のフェンスが、弧を描かずに直線的に設置されており、カーブに沿っていません。 注意力が散漫な状態で運転していると、まっすぐなフェンスにだまされて直進してしまう可能性があります。 高齢者の交通事故を防ぐために、自動ブレーキ装置や急加速を防ぐシステムが導入されつつあります。 しかし車だけでなく、道路の側にも、運転ミスや錯覚を誘発しないような工夫が必要です。 |
緊急事態宣言を発令。とにかく人と人の接触をさけるために
|
- 2020/04/07(Tue) -
|
「まず冒頭、全国各地の医師、看護師、看護助手、病院スタッフの皆さん、そして感染対策に携わる保健所や専門家、臨床検査技師の皆さんに日本国民を代表して、心より感謝申し上げます。新型コロナウイルスとの戦いのまさに最前線で強い責任感を持って、今この瞬間も1人でも多くの命を救うため、献身的な努力をしてくださっていることに、心からの敬意を表したいと思います」
安倍首相が本日、緊急事態宣言を発令しました。その記者会見の冒頭に、前述した言葉がありました。 医療従事者に対して、最初にまずここまで言いますか。なかなか心にしみますね。 ただし私は、これまでに新型コロナの診療を行ってきたわけではなく、敬意を表される立場にはありません。 しかし今後、熊本でも多数の感染者が出る時期がもし来れば、やるだけやろうという気持ちにはなります。 たとえオーバーシュートになっても、逃げ出すわけにはいかない、重要な使命を帯びているのだと思います。 緊急事態宣言の直接的な目的は、人と人との接触機会を減らすことです。7,8割減らせれば成功だといいます。 一般市民には「3密」を避ける方法がありますが、医療従事者が感染者から逃げ回ることはできません。 なので、自分や職員やその家族等への影響を考えると、医療従事者には大きな肉体的・精神的負担があります。 身を守りつつも使命を果たす、そのバランスをどのように保つか、いまも今後もずっと課題です。 高齢者のいるご家庭には、異例の、感染におびえなければならない年になってしまいました。 お子さんのいる家では、とくに働くママさんのやりくりが大変です。国の施策に期待するしかありません。 私事ですが、今日、3人目の孫が生まれました。このたいへんな時期ですが、元気に育って欲しいと思います。 コロナの野郎には、早々に退散していただきたいものです。 |
いよいよ明日には緊急事態宣言へ。でも果たして間に合うのか
|
- 2020/04/06(Mon) -
|
安倍首相はようやく、「緊急事態宣言」に踏み切ることを決断しました。だいぶ待たされました。
もちろんその目的は、「医療現場が機能不全に陥るのを防ぐため」「医療提供体制を整えていくため」です。 ただし、「経済社会活動を可能な限り維持しながら感染拡大を防止する」という日本流でいくようです。 外出は自粛であって禁止ではなく、都市封鎖はせず、多くの人が集まる施設の使用制限に強制力はありません。 欧米のコロナ先進国では、各地でロックダウンが敢行され、それでもなお感染制御に悪戦苦闘しています。 ところが、その欧米の惨状を目にしているのに、日本のやり方はずいぶん控え目で、手ぬるいように思えます。 油断があるのか。それとも、従順な国民性だから強制しなくても外出は自粛すると思っているのでしょうか。 強制的に外出を制限されている欧米並みに、東京都民らがピタッと外出をやめるというのでしょうか。 事ここに及んでは、国民の自主性に頼らず、やるからには強制力のある措置を発動すべきだと思うのですが。 そもそも、「緊急事態宣言は、ロックダウンとは違う」などと、なぜか「緊急事態」が矮小化されがちです。 たしかに同義ではないにしても、緊急事態宣言はロックダウンへの第一歩であることは間違いありません。 今後どこかでオーバーシュートが起きれば、ロックダウンをせざるを得ない局面が出てくる可能性があります。 緊急事態宣言を出すからには、絶対にオーバーシュートを起こさないぐらいガッチリやらなければなりません。 まあともかく、日本の新型コロナ感染症が収束するかどうか、今月中にはその方向性が見えてきそうです。 |