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今年はインフルが流行するはず(3度目の正直)
- 2022/06/25(Sat) -
「今年はインフルエンザが流行する」
昨日今日の話題は、なんと言ってもコレでしょう。現に、流行の兆しは出始めています。
東京の(横田基地に程近い)小学校では学年閉鎖ですか。オーストラリアでは3年ぶりの大流行だとか。

2年前、コロナとインフルが同時流行しては大変と、インフルワクチンの接種は例年以上の盛り上がりでした。
しかしインフルは、まったく流行しませんでした。ウイルス干渉とか、いろんな説明がなされました。

昨年、前年にインフルが流行しなかった翌年は大流行になる、という話もあり、ワクチン接種者は多数。
しかしインフルは、まったく流行しませんでした。マスクなどのコロナ対策が奏功していると考えられました。

さて今年、世界中がポストコロナへと意識を転換しつつあり、街は3年前のような活況を呈してきました。
そこへ付け入るようにインフルが大流行するのも、やむを得ません。何しろ皆んなに免疫がないのですから。

インフル大流行を迎えた際に困るのは、2年前と同じく、インフルとコロナの区別がつかないことです。
2年前は実質的にインフルはいませんでしたが、今シーズンはインフルとコロナとの同時流行もあり得ます。

まずは、インフルワクチンの接種に力を入れる必要がありそうですが、果たして希望者は例年程度いるのか。
「コロナとインフルが同時に流行るぞ」と2年間言われ続けたのに、結果的にはコロナ単独の流行でした。
その2年連続の空振りが「オオカミ少年効果」にならなければ良いがと、心配しているところです。

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「サル痘」って、ネーミング的にも罹りたくない
- 2022/05/22(Sun) -
欧米で「サル痘」患者の確認が相次いでいます。昨日時点で世界で80人程度ですが、おそらく増えています。

天然痘」に似た症状だそうですが、そもそも天然痘をよく知らないので、ネットで調べることになります。
その類縁疾患の「水痘」とは、発疹の大きさや数や分布や、なによりも「見かけ」がずいぶん異なりますね。

水痘の発疹を見ても「豆」は連想しませんが、天然痘の発疹(の写真)はとても豆っぽく、艶があります。

調べてみると天然痘の発疹は、多数の発疹がほぼ一斉に、次のような経過をとるようです。
(1)丘疹:プクッとしたニキビのような盛り上がり
(2)疱疹:ニキビが水っぽく膨らんでくる
(3)膿疱:さらに大きく丸々と、強そうな、豆のようなデキモノになる
(4)痂皮:茶色く枯れる
水痘の場合は、(1)と(2)が混在し、あまり大きくならず(3)にもならず、順次(4)へ向かいます。

天然痘の発疹の分布は、顔にとても多く、四肢にも多くできて、躯幹(胴体)にはやや少ないのが特徴です。
一方で水痘は、躯幹がメインで顔や頭にも出来ますが、四肢にはそれほどできません。

サル痘の発疹は、水痘よりは天然痘にソックリで、もしも発症したら重症感が漂うイヤな印象でしょうね。
幸い「天然痘ワクチン」が有効らしいので、かつて「種痘」を受けた昭和50年生まれまでの方は、安心です。

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抗原検査は、陰性証明ではなく早期陽性診断にこそ使われるべき
- 2022/04/30(Sat) -
「PCR検査ではなく、結果が早くわかる抗原(定性)検査をしてもらえますか?」 よく頂戴するご要望です。

約1年前までは、抗原検査とPCR検査を同じ日に両方行っていたので、話は簡単でした。
「まず抗原検査を行い、それが陽性ならコロナ感染確定。陰性なら、より感度の高いPCR検査をしましょう」

ところがある時、PCR検査を抗原検査と同じ日には行ってはならない、と保険者からクレームが付きました。
抗原検査が陰性であった場合、翌日まで経過を見て、必要なら翌日PCR検査をすればよいのだと言うのです。

それ以来当院では、抗原検査実施例では原則としてPCR検査は翌日行う方針とし、結果判明が遅くなりました。
2日間の受診となり医療費も増えました。医療費削減を目論んだ保険者による規制が、裏目に出た格好です。

いま、冒頭のような質問を受けた場合、次のようなお答えをしています。
「自分が陽性だということを早く確定させたければ抗原検査を、陰性証明を得たければPCR検査が適切です」

たとえば低酸素血症のあるような、陽性かどうかを早く知りたいケースでは、すぐに抗原検査を行います。
そうでもなければ私は通常、唾液が採れる年齢の方にはPCR検査を第一選択とします。
陰性証明を得たい理由で抗原検査を希望する方には、その限界をしっかり説明しなければなりません。

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「ノババックス」承認へ
- 2022/04/18(Mon) -
「ノババックス」社の新型コロナワクチンが、日本で承認されることになりました。

「ファイザー」や「モデルナ」のような「mRNAワクチン」とは、まったく異なるメカニズムのワクチンです。
メカニズムは異なりますが、いずれも新型コロナウイルスの「スパイク蛋白」に対する免疫を付けるものです。

スパイク蛋白の「レシピ」を注射して体内でスパイク蛋白を作らせ、免疫反応させるのがmRNAワクチン。
一方でノババックスは、人工的に作ったスパイク蛋白の「完成品」を、体内に注射するものです。

レシピが体内に残存して、過剰なスパイク蛋白を作り続けないのか、というのがmRNAワクチンの懸念です。
そのようなことはない「はず」ですが、なにしろ人類初の試みですから、常に心配は付きまといます。

対するノババックスは、すでに実用化されている他のワクチンと同じ生産メカニズムなので、安心なのです。
しかも海外での臨床試験でも有効性が高く、副反応は少ないということまでわかっています。
副反応をことさらに嫌う日本人には、打って付けかもしれません。日本国内で製造される点も重要ポイント。

今後、mRNAワクチンと置き換わるのか、一定の棲み分けが起きるのか、まだ見当も付きません。
ただ、それでなくても接種率が低迷しているところへのノババックス参入は、一時的には混乱も起きそうです。
「ノババックス待ち」で若者などの接種控えが起きやしないか、私はそれがいちばん心配です。

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もはや「波」かどうかは重要ではないかも
- 2022/04/12(Tue) -
減りませんね、新型コロナ感染者数。むしろ増えてる。
今日の熊本の855人は、3月8日以来の800人台でした。その前の800人台は2月16日です。
直近1週間の人口当たり感染者数が多いのは、沖縄、東京、宮崎、佐賀、福岡と九州勢が並ぶのも不気味です。

ついに第6波が収束しないまま、なし崩し的に、第7波に突入しつつあるとみるべきでしょう。

欧米ではすでに、オミクロン株の変異株「BA.2」が大半を占め、日本の第7波もこれが主流になりそうです。
さらに「BA.2」よりも感染力の強い「XE」もとうとう、成田に上陸しました。第8波はこれでしょうか。

今後も、ますます感染力が強まった変異株の流行の波が、次々に連続して押し寄せ続けるのでしょう。
もはや独立した波ではなくなり、一定の水位を保った持続的な流行に移行するのかもしれません。

欧米諸国等は「with コロナ」モードに入っていますから、感染者数はしばらく減らないでしょう。
感染者が多ければ、感染者の体内で複数の株のコロナウイルスの「組換え」が起きる可能性も高まります。
そのようにして、「XE」のような変異株が次々に出現してくるのでしょう。

変異株が次々に出現し、さらに感染力も強まり、しかし弱毒化する、そんな方向に進むということでしょうか。
結局、最終的には「風邪」になるのかもしれません。願わくば、弱毒化のスピードが速まってほしいものです。

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エアロゾル感染を意識するなら、十分な換気を
- 2022/03/31(Thu) -
「新型コロナは『空気感染』すると感染研が認めた」
センセーショナルに報じられていますが、驚くほどでもないニュース。何を今さら、という反応が適切です。

たしかに以前は、新型コロナの感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」だと感染研は言ってきました。
しかし最近になって、「エアロゾル感染」も否定できない、と言い始めました。
そして3日前に、主な経路は「エアロゾル感染」「飛沫感染」「接触感染」の3つであると改めたわけです。

「飛沫」は、感染者の口から飛び出した、ウイルスを含む液体の大きな粒子で、数分以内に床に落下します。
「エアロゾル」は、飛沫が乾燥した小さな粒子で、軽いので空中を長時間浮遊するとされています。

両者は、元をたどれば同じモノであり、飛沫の一部がエアロゾルとなって漂うことは、誰でも想像できます。
これまでに部屋の換気が推奨されてきたのもエアロゾル対策であって、飛沫対策ではなかったはず。
すでに分かっていたことを改めて感染研が認めたとしても、今からやるべき対策は変わらないのです。

ただし飛沫とエアロゾルでは、それぞれに適した対策をとるべきです。診療における私の基本的な考え方は、
(1)飛沫対策:感染者等と対面するときは、十分な防護具を装着し、距離をとり、真正面を避ける
(2)エアロゾル対策:感染者等が滞在している(いた)個室は、つねに十分に換気し、長時間の滞在を控える

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子どものオミクロン
- 2022/03/16(Wed) -
子どもの感染が増えていると言われる、新型コロナのオミクロン株ですが、当院でも小児例が増えています。

昨年1年間のPCRまたは抗原陽性例は97人で、うち15歳以下は18例 (19%)、11歳以下は10例 (10%)でした。
ところが今年はこれまでの陽性例449例のうち、15歳以下は121例 (27%)、11歳以下は104例 (23%)でした。

当院の0歳児の陽性例も、昨年1年間で1人でしたが、今年はすでに3人ほど出ています。すべて8カ月児です。
1人は、38度台の熱以外に症状もなく元気で、突発性発疹かと思いましたが念のため検査したら、陽性。
2人目は、38度台の熱と鼻水。兄弟がコロナに罹患していたので検査したら、陽性。
3人目は、熱も無く下痢のみ。両親がともに風邪を引いている状況を怪しみ、念のため検査したら、陽性。

このように、風邪か胃腸炎か突発性発疹かと思うような、比較的元気なケースが、コロナでした。

日本小児科学会が最近、過去2年間の国内の小児新型コロナ感染者5,129例の調査結果をまとめました。
コロナ流行初期と、デルタ株流行期と、オミクロン株流行期の症状などを比較分析したものです。

その結果オミクロンでは、発熱・咽頭炎・頭痛・嘔吐の割合が多いことがわかり、私の経験にも一致します。
すなわちオミクロン株感染は、上気道炎や胃腸炎など、普通の風邪に近い症状に向かいつつあるようです。

岸田首相は今日の会見で、一般の事業所での濃厚接触者の特定をやめる方針を示しました。
マンボウも解除されるし、もうそろそろ隔離一辺倒な対応は見直す時期かもしれませんね。

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ワクチン打っても罹るとしても、重症化は予防できるはず(期待)
- 2022/03/10(Thu) -
発熱外来の受診者は減ってきた印象がありますが、PCR陽性率がまだ高く、油断なりません。

家庭内で1人感染者が出ると、通常はその他の同居家族全員が「濃厚接触者」ということになります。
このとき、感染者だけ隔離して、他の濃厚接触者全員は一緒に暮らして良いのか、という疑問をよく聞きます。

そうなのです。ひとくちに濃厚接触者と言っても、誰が感染者で誰が非感染者かわかりません。
ひとりでも感染者がいたなら、濃厚接触者同士がまとまって暮らすことで、感染が拡大するリスクがあります。

なので濃厚接触者同士が互いに濃厚接触してはならないのですが、実際にそれを徹底するのは難しいものです。
濃厚接触者が数名、1台の車で発熱外来を受診されたりしますが、感染拡大の観点からは心苦しい限りです。

多くの家庭で家族内に感染が広がり、ついには感染者の方が多数派、非感染者が少数派になっていきます。
最初は感染者を隔離していたのが、数日後には、非感染者の方を隔離することになります。
いっそのこと、家族全員が感染した方が、むしろ暮らしやすくなったりもします。

感染者の中には、ワクチンをしっかり2回接種、あるいは3回接種した方もしばしばいます。
私の経験だけで3回接種の感染予防効果を云々はできませんが、ともかく、3回打っても罹ります。
おそらく、3回打てば重症化しにくいんだろうなと期待はしますが、私の経験数ではその評価も下せません。
でも、これだけ感染が広がっているいま、個人として何ができるかと言えば、やはりワクチン接種でしょうね。

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「交互接種」推進運動
- 2022/02/19(Sat) -
ファイザー→ファイザーと打ってきたら、3回目はモデルナに切り替えた方が、より強い免疫が付くという話。
抗体価の上昇が、ファイザー54倍に対してモデルナで68倍だったという、国内データが出ました。
どっちも悪くないけど、モデルナの上昇率にはそそられますね、副反応の頻度が多かったとしても。

そのようなデータもあって、最近「交互接種」を推進する情報・報道が目立ちます。

接種するワクチンは選択できるはずですが、実際にはファイザーが足りないという「台所事情」があります。
しかし政府はそう言わず、「強さを求めるならモデルナ」「悩むならモデルナ」と喧伝・誘導するわけです。

ところが現実には、「安心を求めるならファイザー」「悩むならファイザー」のような考えの方が圧倒的です。
日本人が、副反応をことのほか恐れる気質であることは、HPVワクチン問題などの事例からもあきらかです。
「ワクチンを変えたばっかりに」と後悔する姿を、モデルナを打つ前から想像してしまうのでしょう。

ワクチンの副反応を避けるためなら、子宮頸がんになるリスクはやむを得ないとまで考えてきた日本人。
ところが新型コロナでは、少々副反応があってもワクチンを打って感染を防ぎたい、という考えが支配的です。
つまり日本人は、目の前の恐怖に弱いわけです。先々の利益と天秤にかける客観性がないのです。
その結果、より強い免疫が付くモデルナよりも、副反応がより弱いファイザーを好むのでしょう。

熊本市では来週、多くの市民に接種券が郵送される予定です。週の後半には予約が殺到することでしょう。
ファイザー枠はあっという間に埋まり、「モデルナならすぐ打てますよ」ということになりそうです。
いまの状況では、ワクチンは早く接種した方が良いし、選べるならモデルナの方が良いと私は思っています。

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マッターホルン型よりも富士山型
- 2022/02/13(Sun) -
発熱外来の受診希望者が、いっこうに減りません。とくに日曜日はひどく混み合います。
今日は新型コロナワクチンの3回目や子どもの予防接種の予約も一切入れず、発熱外来に時間を割きました。

しかし、結局いつもの日曜日と同様に、朝9時半までには夕方までの受診予約が埋まってしまいました。
なので「熊本県新型コロナウイルス感染症専用相談窓口」には、早々と紹介ストップの電話を入れました。
当院が受入を止めたら、相談窓口はどの医療機関を紹介するのかわかりませんが、やむを得ません。

第6波は、第5波に比べて急峻に立ち上がったので、逆にむしろ早期の収束を私も期待していました。
ところが、仮にピークアウトしても、その後の急激な「立ち下がり」が期待できない雰囲気になっていますね。

このピークを山にたとえた質問に対して、「マッターホルンよりも富士山型、あるいはもう少し」と尾身会長。

富士山だと、立ち上がりもなだらかなはずですが、そこには言及しないようです。
ともかく、ピークが思いのほか長くなるという意味なのでしょうけど、ほんとに富士山で済むのでしょうか。
延々とピークが続いたら、次は何と表現するんでしょう。デカン高原ですか、なんならギアナ高地ですか。

ピークが小刻みに増減を繰り返す場合には、根子岳型と呼ぶのが分かり易いですね、熊本県人には。
ていうか、たとえ話って、つい話の「上手さ」とか「辻褄」に気を取られて、本筋を忘れてしまいます。

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濃厚接触者の自宅待機期間の短縮は妥当
- 2022/01/14(Fri) -
オミクロン株は重症化しにくいと言われても、この感染者の増え方はどうしたもんですかね。それはさておき、

濃厚接触者の宿泊施設や自宅での待機期間が、現在の14日間から10日間に短縮されることになりました。
もちろんこれは、医学的なリスクを冒してでも社会経済活動を優先させよう、というわけではありません。
医学的に許容される範囲での、妥当な判断です。これまでの規定ではムダに用心しすぎだというわけですね。

医学的根拠があれば、隔離・待機時間は短縮しても良い、むしろそうすべきだと私も以前から思っていました。
ただし問題が2つ。

ひとつは、今回の変更が適用できる対象はオミクロン株であって、デルタ株には問題があるかもしれません。
オミクロン株への置き換わりが前提の、現実的な方針転換だとは思いますが、感染は少し増えるでしょうね。

もう一つ。エッセンシャルワーカーに限り、6日目の検査で陰性なら復職可という部分には、疑問を感じます。
警察・消防・教育・介護は社会にとって重要だから、感染リスクがあっても出勤して良いわけじゃありません。
6日間待機した上で検査して陰性なら、感染の可能性は無いとみなせるから職場復帰を認めるわけです。

でもそれならば、エッセンシャルワーカー以外の職業だって、医学的観点からの出勤要件は同じでしょう。

濃厚接触者の隔離・自粛期間は、社会的理由で決めるのではなく、純粋に医学的理由で決めるべきもの。
この際、医学的根拠をきちんと詰めて、職業を問わず濃厚接触者全員の行動規制の緩和を打ち出すときです。

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爆発的な第6波の予感
- 2022/01/07(Fri) -
3連休を前に、新型コロナのオミクロン株が日本中で猛威を振るい始めています。
今日の東京の新規感染者数は922人。昨日の641人の1.44倍でした。
沖縄はなんと1414人。奇しくも昨日の981人の1.44倍です。まさしく、2日で2倍のペースじゃないですか。

熊本も油断できません。一昨日の5人から昨日24人に増えたと思ったら、今日はもう31人。
もしも今後2日で2倍のペースで増え続けるなら、1カ月後には熊本県民が全員感染してしまう計算になります。

それは無いとしても、欧米のように日本全国で毎日数十万人の感染者が出る日が来る可能性はあります。
オミクロン株は軽症のようですが、感染者数がとても多ければ、一定数の重症者や死亡例も出ることでしょう。

しかし、今年1年間の日本の感染者数が1千万人に達することになったとしても、驚くことはありません。
いまは影を潜めている季節性インフルエンザの感染者数が、2年前までは毎年ほぼ1千万人だったからです。
そのインフルエンザの死亡数は約1万人だったので、死亡率は0.1%。
新型コロナは、インフルエンザに近いか、それよりも軽い感染症に落ち着こうとしているようにも見えます。

両者の大きな違いがあるとすれば、治療薬がまだ十分に普及していない点でしょう。
経口薬の「モルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)」は、ようやく一部の医療機関で処方が始まったばかりです。
当院でも処方できるように手続きはしていますが、まだ準備段階です。いや、もう処方できるのかな?
今日はその薬の「市販後調査」に関するWeb説明会が「Zoom」で行われたので参加しました。

どうやら当面は、副作用等の報告を定期的に(2週間毎に!)行うことになります。なかなか面倒臭いです。
いまのところは、インフルエンザに対するタミフルのように、気軽にホイホイ処方できる薬ではなさそうです。

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日本もついにオミクロン株が激増か
- 2022/01/05(Wed) -
新型コロナの新規感染者数が、沖縄623人、東京390人と発表され、一気に危機感が高まった気がします。
去年の正月は大変だったけど、今年はわりと平穏だなぁと思っていた自分を、訂正しなければなりません。

当院は今日が、新年最初の診療日でした。昨日の火曜日は当院の定期休診日だったためです。
「2月、3月には第6波を迎えるでしょう」と、職員を前にのんきな話をしたのは、つい今朝のこと。
欧米で感染者が激増していますが、すぐに日本に当てはまることでもなかろうと思っていたのでした。

オミクロン株に置き換わったがゆえの、指数関数的な増え方と考えられます。今後の予測もつきません。
東京の新規感染者の半数以上は、ワクチンを2回接種済だったといいます。もう接種歴はアテになりません。

もちろん、オミクロン株は比較的軽症ということだし、接種歴だってあながち無意味じゃないでしょう。
また、3回目の接種や経口薬に期待することもできます。
しかし当面、指数関数的な感染者数の増加に、迅速かつ効果的なブレーキをかける術はないでしょう。
マンボウとか緊急事態宣言という「劇薬」を使うとしたら、こんどは副作用の方が心配になります。

これまでの感染者数が欧米に比べて圧倒的に少なかったのが日本の奇跡だとしても、今後はわかりません。
デルタ株には比較的強かった日本人が、オミクロン株にはからっきし弱い、なんてことだってあり得ますから。

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「アルコール消毒」だけでは感染性胃腸炎は防げません
- 2021/12/27(Mon) -
「感染性胃腸炎」が多いですね。このことは1カ月前にも書きましたが、それからずっと、一貫して多いです。

熊本市の「感染症発生動向週報」では、感染性胃腸炎が断トツで、RSウイルス感染症も増加気味。
先月と同様に、ロタウイルスによる感染性胃腸炎は、ほぼゼロ状態。いま多いのはノロウイルスのようです。
野呂さんには申し訳ないですが、お役所にならって、私も略称の「ノロ」を使わせていただきます)

ノロに限らずロタもアデノも、胃腸炎ウイルスの多くは「ノンエンベロープウイルス」です。
これは、ウイルスの本体である核酸を包む殻が、脂質の膜「エンベロープ」に包まれていないウイルスです。

コロナウイルスのような「エンベロープウイルス」はアルコールで失活するので、アルコール消毒が有効です。
一方で「ノンエンベロープウイルス」は、アルコールに強いのが特徴であり問題です。

いま、どのご家庭にもアルコール消毒薬が完備されているでしょうけど、感染性胃腸炎には役に立ちません。
手指消毒は速乾性のアルコール消毒薬が便利なので、つい手洗いを怠りますが、それが問題なのです。
昨日も今日も一昨日も、感染性胃腸炎で「全滅」したご家族が、何組か受診されました。
手軽なアルコール消毒を過信して、胃腸炎ウイルスが家庭内にまん延することになったのかもしれません。

このことについては、役所やメディアや、もちろん医療者が、市民に正しい知識を広めなければなりません。
とは言え、この時期に感染性胃腸炎が多いのは例年並です。熊本市の資料では2016年とほぼ同じです。
なので、「アルコール消毒過信説」は、もっともらしいけど違うかもしれません。
考えてみたら、ロタウイルスによる感染性胃腸炎がまったく発生していないことにも、説明がつきませんしね。

でも私は、胃腸炎診療の後は、アルコール消毒→石けん・流水で手洗い、の2段構えです。面倒です。

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オミクロン株流行までの時間稼ぎする間に、前倒し接種を進めなきゃ
- 2021/12/24(Fri) -
あ〜あ、とうとう出ちゃいましたか。熊本では40日ぶりに新型コロナ感染者が確認されました。ガッカリです。
大阪府在住の方のようで、まさかオミちゃんじゃなかろうかと、ちょっと気になります。

その大阪や京都に加えて、今日は東京でも、オミクロン株の市中感染例が出ました。しかもクリニックの医師。
この医師の濃厚接触者は5人。いまのところ全員陰性、と聞いて私が思ったのは、たったの5人?、てこと。
どうやら、診察の際にはマスクとフェースガードを着用しており、患者は濃厚接触者には該当しないのだと。

念のため都は、クリニックの職員と受診患者の合計約100人に検査を受けるよう呼びかけているようです。
しかし、その100人の検査は任意だし、隔離もされず、普通の社会生活を送っているのでしょう。
てことは、マスクとフェイスガードを着用すれば、診療行為で患者に感染させることはないとの判断ですか。

であるなら、万一私が感染しても、マスクとフェイスガード装着で診療はできるのでしょうか?、まさかね。

入国者に対する水際対策が極めて厳しい割に、市中感染者の濃厚接触者の少なさはどうしても気になります。
あるいは濃厚接触者と認定されても、その全てが宿泊施設等への隔離に同意しているわけではありません。

今後また感染者が大幅に増えることは間違いなく、いま行っている対策はそれを遅らせる効果しかありません。
その時間稼ぎの間に、できるだけ速やかに、ワクチンの追加接種や内服薬の準備を行わなければなりません。

ところが、熊本市から医療機関に正式に前倒し接種方針の連絡が来たのは、つい今日の夕方のことです。
私や当院職員は、1月ではなく11月には接種できたはずですが、今頃言われてももはや前倒しは不可能です。

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大人も子どもも、胃腸炎がやたら多い
- 2021/11/29(Mon) -
ひところは手足口病が多かったのですが、最近は胃腸炎が増えています。
下痢は軽く嘔吐が主体で、それも1日ぐらいで改善する例が多く、風邪症状を伴っている方も目立ちます。
保育園などで流行していて、それが家庭に持ち込まれて大人にまで広まるケースが多い印象です。

熊本市の「感染症発生動向速報・疾患別グラフ」を久々に見てみると、今年はかなり特徴的で驚きました。

まずインフルエンザは、今年1月からずっと、報告数がゼロです。あり得ないほどゼロの連続です。
地球上のインフルウイルスが増殖する機会を逸して、なんなら絶滅しつつあるんじゃなかろうかと思えるほど。

驚いたことに、乳幼児の感染性胃腸炎のボス格とも言えるロタウイルス感染も、ほとんど発生していません。
いま流行している胃腸炎は、たぶん風邪のウイルスによる胃腸炎症状ということなのでしょう。

さらに、リンゴ病、おたふくかぜ、クラミジア肺炎、マイコプラズマ肺炎なども、今年は激減しています。
このような変化も全部、新型コロナウイルス感染対策の「副産物」なのでしょうか。

一方で、突発性発疹やプール熱はほぼ例年通りで、手足口病やRSウイルス感染は例年以上に大流行しました。
マスクや手洗いが徹底しにくい乳幼児がメインの感染症だからでしょうか。

ならば、新型コロナが乳幼児の間に広まりやすいように変異すると、これはもう一大事ということになります。
ワクチンはもちろんですが、インフルに使うタミフルのような、子どもでも使える特効薬が早く欲しいですね。

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「尾身苦労」なんて言ってる場合じゃないかも
- 2021/11/28(Sun) -
南アフリカで確認され、欧州に広がりつつある新型コロナ変異ウイルス「オミクロン株」が不気味ですね。
感染力が強く、ブレイクスルー感染が多いというのも気になります。

今後、デルタ株はどんどんオミクロン株に置き換えられていくのでしょう。喜ぶのはデルタ航空だけです。

「ゲームチェンジャー」だと期待してきたワクチンが、もしかすると役に立たなくなるかもしれません。
今度はオミクロン株の方が、新たな(悪い方向への)ゲームチェンジャーになるんでしょうか。
日本の奇跡が、絶妙なタイミングで一気に接種が進んだワクチンのおかげだとしたら、その威光も消えます。

ギリシャ文字のアルファベット順に命名していた変異株名を、WHOは2つ飛ばして「オミクロン」としました。
以前私が「予言」していた「クサイ」が、なぜ飛ばされたのか。何か臭いますね。ネットもその話で持ちきり。

WHOは、「クサイ」の英語表記「xi」が人名に使われるので、ガイドラインに基づいて避けたとしています。
でもはっきり言えば、習○平の「習 (xi) 」と同じ表記なので、WHOが中国に配慮したということですよね。

ちなみに「クサイ」の日本語表記は「臭」です。ふざけて「臭○平」なんて書いたら、絶対怒られます。

(おことわり)本日のブログが中国共産党のネット検閲組織に見つかったら困るので、一部伏せ字にしました。

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思春期の心雑音
- 2021/11/06(Sat) -
学校検診をしていると、しばしば心雑音が聞こえる子に遭遇します。
小学校の高学年で初めて指摘された心雑音では、心臓病は希で、たいていは貧血による「機能性心雑音」です。
よく尋ねてみると、立ちくらみがするとか、体力が落ちたとか、朝起きるのが辛くなった等の訴えがあります。
あるいはまた、微熱や舌の荒れなどの、明らかな貧血兆候が出ているお子さんもいます。

眼瞼結膜がまっ白な貧血例は多くなく、血液検査でわかる程度の軽い貧血と鉄欠乏を認めます。
あるいは、ヘモグロビンは正常だけど貯蔵鉄量を示す「フェリチン」が低値のケースにもよく遭遇します。
体内の鉄分が少ないと、すでに貧血の症状が出てきます。これが「潜在性鉄欠乏」です。
一般的な血液検査では貧血とは診断されないので、見逃されることも多いようです。

小学高学年から中学生は、からだの発育や運動量の増加によって、鉄やその他の栄養素が欠乏しがちです。
急に身長が伸びつつある時期や、部活で激しく運動しているお子さんは、しばしば鉄欠乏になっています。
それに加えて思春期は、月経が始まったりメンタル不安定だったりダイエットしたりと、鉄欠乏の要因だらけ。

鉄欠乏症状のお子さんの体調は、造血剤によって目に見えて改善し、たとえば部活の成績が向上したりします。
ただし薬の副作用で、下痢や便秘、食欲不振や吐き気を起こし、薬の中断を余儀なくされることもあります。
日頃から、鉄分を多く含む食品(たとえば赤みの肉や魚)を多く摂るような食生活を心がけるのが肝要です。

ちなみに私が中学生の頃、今風に言うと「鉄分が濃い」時期がありました。鉄道ファンだったということです。
そんな私も市民病院時代には、軽い貧血になったことがありました。4カ月で16キロ減量したときです。
いまでは「鉄分」(=鉄道への興味の度合い)はすっかり薄れていますが、体重は維持し貧血はありません。

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ワクチンの3回接種でコロナ収束を目指せるか
- 2021/09/18(Sat) -
新型コロナワクチンは、日本でも3回目の接種を行うことが正式に決まりそうです。歓迎します。
米国にならって、接種時期は2回目から8カ月後以降。私の場合は早くても来年1月ですか。

ブレークスルー感染が心配なので、3回目の接種で格段に抗体価が上がるという報告には、そそられます。
抗体価だけが免疫力の指標ではありませんが、私はもう、3回目を打つ気まんまんです。なぜなら、

・発熱外来をしており感染のリスクが高い(発熱者の一部が実際に感染者であるが、診療中にはわからない)
・自分の感染が周囲に及ぼす影響が大きい(発症前の無症状で感染力のある時期に、一般診療をしてしまう)
・ワクチンの接種を推進している立場でもある(副反応の心配よりも、感染防御の方が大事と力説している)
・3回接種率が高くなって初めて、集団免疫が成立すると信じている(つまりコロナが収束する有力な手段)

考え方は人それぞれで誰にも強制はしませんが、ワクチン接種には一定の公共性があると、私は思っています。

ニューヨークフィルの公演では、いかなる理由があっても未接種者は入場できないとしたことも理解できます。
医学的理由や思想信条の自由はあっても、感染予防のためには制限される人権もあるのです。少なくとも今は。

もちろん、接種していない人でも分け隔て無く社会活動ができる日が、一日も早く来て欲しいと願っています。

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もはや「集団免疫」の成立は無理なのか
- 2021/09/08(Wed) -
緊急事態宣言は、多くの都道府県で今月30日まで延長されることになりました。熊本のマンボウも延長です。
新規感染者数は減少傾向があっても重症者数が多く、医療体制の厳しい状況が続いているという判断でしょう。

そんな中で、ワクチンの接種による「集団免疫」の獲得は難しいと指摘され始めています。
従来言われてきた人口の6,7割の接種率では、デルタ株の感染力には太刀打ち出来ないとわかったからです。
「8,9割接種しても大丈夫か分からない」と専門家会議の脇田座長。じゃあ実質的に無理じゃん、て話です。

「やがて集団免疫が成立したら、あなたは周囲の人から守られますから、接種しなくても心配要りませんよ」
私はこれまでに、どうしてもワクチンを接種したくない方には無理強いせず、そのように説明してきました。

しかしどうやら、集団免疫に過度な期待はできないようです。自分の身を守るためには接種が必要なのです。

もちろん、何らかの理由でワクチンをどうしても接種したくない(できない)方もいるでしょう。
もしも可能なら、その方の家族や職場など、すぐ周囲の方のワクチン接種を強く推奨する手もあります。
周囲の社会での接種率が十分に高ければ、局所的には集団免疫が機能するでしょうから。
接種可能な年齢の家族がみな接種をすることで、接種のできない小さなお子さんを守ることもできるわけです。

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この機会に「名古屋スタディ」を取り上げるメディアはあるか
- 2021/09/01(Wed) -
名古屋市の河村たかし市長が新型コロナウイルスに感染したことが、今夜の話題です。
東京五輪で金メダルを獲得した選手の、その輝かしい金メダルに「ガブリ」とかみついた、無神経な御仁です。

あと1カ月時間がずれていたら、ウイルスだらけの唾液が金メダルに付着したのかと思うと、ゾッとします。

性格的にだいぶヤバい人だと私は思いますが、その河村氏で思い出すのは、「名古屋スタディ」でしょう。
HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)について6年前に行われた、国内初の大規模調査研究のことです。

名古屋市の、小学6年から高校3年までの女子に対するアンケート調査で、約3万人のデータが解析されました。
この調査の目的は、ワクチンの接種後に起きた「副反応」とワクチンとの因果関係を立証するためでした。
「薬害問題」に関心のある河村氏が、「ワクチン被害者団体」からの要望を受けて行ったものです。

被害者団体から提示された24の症状について、接種を受けた人と受けていない人での比較が行われました。
その結果、ワクチン接種の有無とそれらの「症状」とは無関係である、ということが明らかになりました。

当時私は、その結果を聞いて驚きましたが、いちばん驚いたのは被害者団体と河村市長本人でしょう。

画期的なその調査速報は、いったん名古屋市のサイトで公開されましたが、すぐに削除されました。
不都合な結果を認めたくない方面からの圧力によって、科学的な研究結果が事実上もみ消されたわけです。
結果の「生データ」は現時点でも掲載されていますが、それを踏まえた「考察」はなされていません。

さいわい、研究を主導した学者が独自に論文発表したので、名古屋スタディは日の目を見ることになりました。
それと同時に、河村市長や被害者団体の理不尽で非科学的な態度が、明らかになったのでした。

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ワクチンを接種しても感染することはあるので誤解なきように
- 2021/07/04(Sun) -
新型コロナワクチンの接種後に発熱が続いたと思ったら、新型コロナウイルスに感染してた!
そんな有名人の事例が報道されるので、副反応と発症とはどのように区別するんだ、って話になっています。
たとえば接種の6日後に発熱した額賀元財務相や、2日後に熱が出た気象予報士の依田さんのことです。

このような報道はしかし、誤解を招かぬよう、もう一歩踏み込んでほしいものです。

というのも、「ワクチンを打ったらコロナに罹ってしまうことがあるんですね」と言う方が最近いたからです。
「ワクチンを打っても」じゃなくて、「ワクチンを打ったら」てところが問題。
つまり「ワクチンから感染することがあるんですね」という意味なのです。これは誤解です。

新型コロナウイルスワクチンの成分で新型コロナウイルスに感染することは、あり得ません。

ここでワクチンのおさらい。
・生ワクチン:病原体を弱めて接種し、感染した時と同じような体の免疫反応を起こさせるもの
・不活化ワクチン:病原体を無毒化したもの(の一部)を接種して、からだに病原体の特徴を覚え込ませるもの
・mRNAワクチン:病原体の一部の設計図を接種して体内でそれを作らせ、その特徴を覚え込ませるもの

mRNAワクチンは人類未体験の新しいメカニズムの薬ですから、未知の副反応が絶対ないとは断言できません。
それでも接種が推奨されているのは、新型コロナに罹患することのリスクと天秤にかけた上での判断です。
基本的には接種推進派の私ですが、接種をためらう人には強くは勧めません。それが私の精一杯の良識です。

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新型コロナの「抗原検査」にも、いろいろあります
- 2021/06/20(Sun) -
東京五輪出場のために来日したウガンダ代表選手団9人のうち1人で、新型コロナ感染が確認されました。
成田空港到着時の抗原検査で陽性だった1人に、PCRで再検査を行ったら陽性だった、という経緯です。

「抗原定量検査『陽性』→PCR検査で確認」というのが、五輪海外選手らの来日時や滞在中の検査の流れです。
時間的制約や選手の負担を考慮したものでしょう。同じ唾液検体を用いて検査できるのが利点です。

「抗原定性検査『陰性』→PCR検査で確認」というのが、病状にもよりますが当院発熱外来での検査方針です。
鼻腔ぬぐい液を用いるこの検査法は簡便で判定時間も短いので、感染者の早期発見のためにはとても有用です。

同じ「抗原検査」ですが、定量検査はPCR検査並に感度が高いとされ、一方定性検査の感度はイマイチです。
なので抗原定性検査は、陰性証明のためには使えません。あくまで、陽性判定のために使う簡易ツールです。

とは言え、とりあえず抗原検査だけやってみましょうかというケースは、不本意ながら当院でも多いですね。
少なくとも発熱外来レベルでは、どのような検査も本人の承諾なしには行えません。
抗原検査なら応じるけどPCRはイヤ、という方に対して、PCR検査を無理強いすることはできません。

その「感度が低い」とされる抗原定性検査なので、もしも陽性だったら、もうPCRはせずコロナ確定です。
なので今回の五輪選手のような「抗原陽性→PCR検査」という報道があると、現場はやりにくくなるのです。

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熊本市の「高齢者の接種は7月末完了見込み」だそうです
- 2021/05/13(Thu) -
神戸市で、新型コロナワクチン960回分を誤って最長3時間ほど常温に置き、使用できなくなった件。

3時間は論外としても、5分や10分ほど放置した後に冷蔵するようなケースは、今後もあるかもしれません。
ワクチンの効果が減弱または消失しかねないようなルーズな管理に、現場の誰かが気づくかどうかです。

960回分がムダになったことよりも、温度管理の重要性と現場の認識の甘さが露呈した一件だと思います。
誰も気づかなければ、問題のワクチンはそのまま接種に使われます。見た目には何の異変もありませんから。

やっと接種出来た希望のワクチンが、じつは手違いで効果の無いものだったとなれば、なんと罪深いことか。

その意味では、ワクチンの希釈を間違えて、うっかり生理食塩水を注射してしまった奈良の事案も同じ事です。
使用後のバイアルに生食を注入した時点で、もはやこの液体がワクチンかどうかは見た目ではわかりません。

誰にも気付かれないまま、効果の無い液体が注射されたケースが他にないかどうか、確かめようもありません。

通常の予防接種でミスが起きにくいのは、準備から接種までの手順が確立し、作業が安定しているからです。
一方で新型コロナワクチンは、管理が難しく接種方法も新しいという、強い緊張を強いられる接種作業です。
それなのに、7月末までに接種を終えよ、などと無理筋な指示を受け、安全な接種が脅かされているのです。

昨日、各医療機関の9月初めまでの毎週の接種計画数を尋ねるFAXが、熊本市から届きました。
7月末までの接種数の総計で、熊本市の高齢者全員が2回接種できるか、調査したいのでしょう。
ただしその回答期限を待たず、熊本市は「高齢者の接種は7月末完了見込み」と発表してますけどね。

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新型コロナワクチンへの、期待と不安
- 2021/04/24(Sat) -
「屋外であっても、無風で密集していたら、マスクなしではコロナの感染リスクは高い」
スパコン「富岳」によるシミュレーションで、屋外での飲食でも油断できないことが判明したとのこと。

でもこれ、60x120cmのテーブルを10人で囲むという、いまどき誰もやらないような設定ですけどね。
まあともかく、屋外でも無風の時は密集するな、マスクを着けよ、ということなんでしょうね。

敢えて言わせていただければ、そんなコトよりも、富岳は治療薬に開発のために集中的に使っていただきたい。
と私が言わなくても、もちろん、あらゆる研究所や大学や企業が、いま全力で開発中だとは思います。
できれば日本から、画期的な特効薬を出したいですね。ワクチン開発では完全に、遅れをとりましたから。

それはともかく、とりあえずはワクチンですが、接種率はまだ低い上に、副反応への懸念もぬぐえません。
1日でも早く接種を受けたい人がいる反面、接種をためらう方も多く、考え方方はさまざまです。
予防接種のメリットとデメリットを天秤に掛けるようことを、全国民に無理強いするわけにもいきません。

少しでも心配な方は、あわてて接種せずに、国民の一定割合が接種を済ませた頃に考えれば良いと思います。
ものすごく心配な方は、国民の大多数が接種するまで待っても良いのです。
集団免疫が成立すれば、未接種の方も感染から守られる日が来ます。その考え方も許容されると私は思います。

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二重マスクだからと油断しないこと
- 2021/04/04(Sun) -
「二重マスク」の人が増えていますね。
2カ月前頃からでしょうか、日本だけでなく、アメリカのニュース映像を見ても、多くの方が二重です。
以前、マスクはファッションじゃない、などと河野大臣の二重マスクを批判的に書きましたが、訂正します。

基本性能に優れる不織布マスクと、オシャレな布マスク。二重マスクはいいとこ取りができますからね。

となるともちろん、内側が不織布で、外側が布になるように着けなければなりません。
もしもその反対に装着すると、隙間はあくし、見た目も不格好で、二重マスクのメリットがゼロです。

二重にすれば、二枚のマスクを貫いて正面に抜ける呼気の抵抗が増します。
その分、マスクの上下左右の隙間から逃げ出る呼気が増えやすくなります。だからフィットは重要です。
逆に、内側の不織布マスクが完璧に装着してあれば、感染防御の観点からは、一重でも十分とも言えます。

そう言いながら実は、最近私は診療中に、不織布のサージカルマスクを二重に着けています。
外側のマスクを、内側のマスクよりも数ミリ頭側にずらして着け、鼻の脇の隙間を完璧に塞ぐ魂胆です。

そのような二重マスクに加えて、発熱者等の診察では必ずゴーグルかフェイスシールドも着けています。
コロナの疑いが少しでもあれば、これにガウンと手袋と、場合によってはキャップも加わります。

そんなに物々しく防護を重ねていますが、私がいちんばん注意しているのは、最初の内側のマスクの装着です。
感染防護具として重要なのは、内側の不織布マスクが隙間なく装着されているかどうか、それに尽きます。
二重に着けていることで油断して、顔へのフィットをおろそかにすることは絶対避けなければなりません。

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季節はずれのRSウイルス感染症大流行
- 2021/03/23(Tue) -
「RSウイルス感染症」がいま、熊本で大流行しています。
この感染症は例年、秋口から冬に流行し、インフルエンザが流行り出すとまるで道を譲るように影を潜めます。
ところが今期は、そのライバルのインフル不在をいいことに、年明けからぐんぐん増えてきました。

いま3歳以下の、高熱+ひどい咳、のお子さんの大半は、RSウイルス感染症かもしれません。
いや、大きな子でも大人でも、病状は軽くてもRSウイルス感染による咳をしている方がいるかもしれません。
あちこちの保育園で流行しているので、「園で検査するように言われた」と来院する方が毎日何人もいます。

しかし、要望されたからといって検査(鼻咽腔ぬぐい液による迅速検査)するわけではありません。なぜなら、
(1)1歳以上では(原則として)検査に保険がきかない
(2)RSウイルス感染に特効薬はなく、RSであろうとなかろうと治療法は病状に応じた対症療法になる

ということで当院の場合、すぐに検査をするのは、0歳で高熱で呼吸音や顔色が悪い子などに限定しています。
3歳未満の子は医療費がタダなので、気軽に検査を希望する親御さんがいますが、そういう訳にはいきません。

1歳以上だと保険がきかないので自費診療となり、乳幼児医療の恩恵もなくなって窓口負担が生じます。
自費診療と保険診療を併用する「混合診療」は禁じられているので、規定により医療費は全額自費になります。
RSウイルスの検査をしたばっかりに、驚くほど高額な医療費を窓口で支払うことになりかねないのです。

そのような医療制度でありながらしかし、現実には必要に応じて1歳以上でもRSの検査を行うことはあります。
保険が利かないし、しかし混合診療にもできないので、結局、医療機関がサービスで検査しているのです。
園の要望だから検査するのではなく、その子の診断を確定させて納得して治療をしたいがための検査です。
当院に限らず多くの医師が、そのようなサービス検査をしているのが現状です。これは本当に問題なのです。

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優先接種の対象者は、見直さなくても良いのか
- 2021/02/25(Thu) -
「高齢者へは4月12日開始」という菅首相の発言に続いて、河野大臣が接種スケジュールを明らかにしました。

まず4/5の週に、東京・神奈川・大阪に4箱ずつ、他の道府県には2箱ずつ、計100箱を発送する予定だと。
このワクチンの接種を4/12から接種すれば、高齢者5万人の2回分の接種に相当するという説明です。

翌週は全国に500箱、その次の週にも500箱、ここまでがおそらく「4月中」に接種できる数量となります。
全部で1,100箱。全国3,600万人の高齢者のうちの55万人の、2回分の接種に相当する量です。

ずっとこの調子だと、高齢者の接種だけで2年以上かかりますけどね。5月からのペースアップを期待します。

「年寄りよりも、若い人が先に打ったらどうなの」
そう言う高齢者の方が時々いますね。誰も大きな声では言いませんが、私もそれには一理あると思います。

高齢者への接種を優先する理由は、高齢者がコロナに罹ると重症化しやすく、死亡する確率も高いからです。
一方で若者は、どちらかと言えば軽症で死なない。そのかわり感染拡大への関与が大きいとされています。

ワクチンに「重症化予防」を求めるなら高齢者優先であり、それは病床ひっ迫を軽減する意義もあるでしょう。
一方で「コロナ収束」が目的なら、若者など行動半径の広い人から接種する方が効率が良いはずです。

たとえば、活動的な人に優先的に接種して、しっかり経済を回してもらうって考え方はどうでしょう。
飲食店をよく利用する人とか、人前で喋る人(?)とか、そんな人が真っ先に接種したらいいんじゃないの。
せっかく感染者が減ってきたんだから、この機にワクチンを感染再拡大を防ぐ切り札にしたいものです。

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接種後のアナフィラキシーには、ビビらないこと
- 2021/02/21(Sun) -
米国CDCは、1カ月間に接種された新型コロナワクチンの、「接種後の健康への影響」を報告しました。
それによると、約1,380万回の接種後に、死亡した人が113人、アナフィラキシーは62件あったとのこと。

この数値を見て、アナフィラキシーどころか、死ぬ人が多いじゃん、ヤバくね?、と思う人もいるでしょうか。
死因を分析した結果、ワクチンとの「因果関係」はないことが判明しているので、そこは安心してください。
つまり、ワクチンを接種したあとで、たまたま別の原因(持病?)で亡くなったと、そういうことでしょう。

しかし、「前後関係」があるだけで関連性もあるかのような報道をしてきたのが、日本のメディアです。

例えばHPVワクチンは、ワクチン接種後に起きた異常な事象の映像を、テレビが繰り返し報じ続けました。
そこに因果関係があるかどうかの検証など無く、前後関係だけを強調して誤った情報を植えつける手法です。

ついには厚労省までが及び腰になり、積極的勧奨を中止してしまいました。それからもうじき8年になります。
この「失われた8年間 (以上?)」のせいで、将来何万人が子宮頸がんで死ぬのかと思うと、残念でなりません。

新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー発生率は、冒頭のCDC報告では100万回あたり約4.5件です。
日本でもその発生率なら、3月には毎週2,3人程度、アナフィラキシーが出てくることになります。

副反応騒ぎにすぐビビる厚労省が、新型コロナワクチンの接種を完遂できるのか、正直なところ私は不安です。
メディアの非科学的な扇情報道に惑わされず、あくまで科学的に、粛々と接種を進めてほしいものです。

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ワクチンへの「過度な期待」に対する警鐘
- 2021/01/25(Mon) -
ひとつのワクチンについて、国論を二分するような関心事になるとは、医者になって初めての経験です。
いつから、どこで、誰が、誰に、どのように接種するのか、実施計画はまだ、あらゆる段階で模索中です。

なかでもワクチンの効果や安全性については、日本ワクチン学会・岡田理事長の発言が波紋を広げています。
メディアはこぞって「過度な期待に対する警鐘」だと報じていますが、その報じ方自体が過度な印象です。

万一、日本での接種でアナフィラキシー等が起きたとき、メディアが張るキャンペーンがもう想像できます。
あの、HPVワクチンを巡る混乱と同じものが、また繰り返されるような気がしてなりません。

では、岡田先生の発言が問題なのかというと、私はそうだとは思いません。ここは謙虚に受け止めたい。
「(効果の持続性については)全くわからない」(全く新しい作用機序のワクチンですから)
「(各メーカーごとに)効き方も違うかもしれない」(まったく、その通りでしょう)
「100%有効で安全なワクチンはどこにもない」(ワクチンに限らず、すべての医薬品に言えることです)

ワクチン研究の第一人者が、この大事な時だからこそ、敢えて標準的な見解を念押ししているに過ぎません。
評論家やコメンテーターのようなヤカラが、聞きかじったことで論評するのとは、次元も重みも違います。

岡田先生の発言は、聞きようによっては「反ワクチン」的に受け取れ、それがメディアにはウケるのでしょう。
しかし彼は、反ワクチン発言をしているのではありません。強いて言うなら、反「過度な期待」発言か。
実績の無いワクチンなので、慎重の上にも慎重を期す必要があることは、言うまでもありません。

しかしメディアは、全体を見てバランス良く報じたりせず、面白そうな枝葉をつまみ食いするタチなのです。

コロナ禍の収束が何よりも優先するこの時期に、人々が浮かれないように、岡田先生は釘を刺しました。
ワクチンの導入が異例の早さなので、慎重に進めていきましょうという、至極まっとうなご意見なのです。

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新型コロナをおさらいしてみました
- 2021/01/03(Sun) -
長い連休をいただきましたが、明日から当院は、新年の診療を開始します。
今日はその準備の日として、新型コロナ関係のおさらい(最新情報の確認)に当てました。
途中、年賀状とかダーウィンとか麒麟が来たら中断です。

医療上の規定や通知は更新され続けているので、一次情報を中心に、ネットで確認していきます。
(1)厚労省の「医療機関向けの情報一覧(事務連絡等)」を、新しい方から2,3カ月分を読み返す
(2)自治体や医師会の資料は、最新分のみ再確認(多くは厚労省の情報とダブる)

学術的な情報の完成度は一般的に、書籍>雑誌>ネット、ですが、鮮度を優先すると順位は逆になります。
なので、学術機関・公的機関のサイトを中心に、最新のまとめを探します。
報道メディアのサイトにも新鮮な情報が掲載されていますが、飛ばしも混在しているので要注意です。
一方で、きわめて詳細な引用文献付のコロナまとめを随時更新している、素晴らしい個人ブログも見かけます。

厚労省が発行する「診療の手引き」は良くまとまっていて、最新版が出たばかり。一般の方も一読に値します。
そのほかにも、さまざまなまとめサイトがありますが、半年以上更新されていないものも目立ちます。
新型コロナに関しては、先がまったく読めないほどの展開を見せ続けているので、新しい情報が必要です。

とくにいま、私の注目点は次の3つ。
(1)ワクチンの、日本における接種開始時期や具体的な接種方法と、欧米における中期的安全性データ
(2)感染者数・重症者数の今後の推移と、緊急事態宣言を含む政策の動向
(3)変異株は、ただ感染しやすいだけではなく、子どもへの影響が大きい可能性があるのは本当か

ワクチンが完成した矢先に、人類をあざ笑うかのように出現した変異株がいま、猛威を振るい始めています。
高齢者だけでなく、いやむしろ、子どもにこそワクチンを優先接種しておくべきなのかもしれません。

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AI による感染流行予測では大晦日に千人越え
- 2020/12/29(Tue) -
日本中が毎日注目している東京都の感染確認数。今日は856人。火曜日の発表人数としては過去最多です。
「○曜日としては最多」という言われ方が、最近よく使われます。
曜日によって検査数にばらつきが多いため、前日よりも1週間前と比べる方が、たしかに適切かもしれません。

表計算ソフトに毎日の感染者数を入力すれば、曜日ごとの増減を自動的に計算することができます。
たぶんいま、日本中の多くの方が、そのようなワークシートを作っていいることでしょう。私もその一人。
NHKのサイトからデータをダウンロードすれば、そのまま表計算ソフトで開くことができます。

さて東京都の場合、12月9日以来、曜日ごとの増減はずっと正の数、つまり毎週増え続けています。
その増加幅は、数十人の日もあれば200人以上のこともあり、だんだんと加速している印象があります。

そこで、曜日ごとの増加幅の増減、いうなれば「二次微分値」を見てみました。
すると、二次微分値はこの5日間ずっとプラスでした。その前の5日間は、どちらかとマイナスが多い。
つまり今、感染者の増加ペース自体が増えている、ということです。グラフにすれば「下に凸」な上昇カーブ。

二次微分値は最近100程度。それが続くとして感染者数を予測すれば、明日は918、明後日は1,055と出ます。
あくまで私のAI(あやふやな印象)ですけども。

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あまりにもインフルエンザが出ないけど、ホントなのか
- 2020/12/21(Mon) -
毎年1千万人の日本人が罹患するインフルエンザと比べたら、コロナの流行なんてまだ小規模かもしれません。
毎年1万人が死亡(超過死亡)するインフルエンザと比べたら、コロナの死亡数はわずかかもしれません。

それなのにいま、コロナの方が例年のインフルエンザより深刻だと感じるのはなぜなのでしょう。
感染力が強い、特効薬がない、誰も免疫を持っていない、感染拡大が急激、インフルより合併症が多い・・・

いやもしかすると、単に、現時点でインフルエンザよりもコロナの方が感染者が多いからかもしれません。

今シーズンのインフルエンザ感染者は極端に少ないですね。報告数は例年の百分の1から千分の1レベル。
もしも例年通りの流行なら、この時期は毎日10万人以上のインフルエンザ感染者が出でもおかしくない。
ところが実際にはインフルエンザがまったく流行せず、相対的にコロナだけが目立っているという状況。

インフルが流行っていないのは、おそらくコロナ対策(マスク・手洗い、移動制限など)によるものでしょう。
ところが、その対策によってインフルが激減したのに、コロナはそこそこ流行しています。
ここで気を緩めたらインフルが流行り出し、コロナがさらに大流行する可能性があります。
仮に感染対策をゼロにしたら、インフルは1千万人、コロナはそれ以上の方が罹患すると考えるのが自然です。

今後もしもインフルの感染者が増えてきたら、コロナ対策が甘くなった兆候だと思わなければなりません。
その兆候を早くつかむため、というわけでもないですが、発熱者には原則としてインフルの検査もしています。
今シーズンいまのところ、インフル陽性が出たタメシがありません。出始めたらすごく面倒ですね。

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専門分野を理解させるためには、詳しく説明するのが王道
- 2020/12/06(Sun) -
「池上彰のニュースそうだったのか!!」ていうテレビ番組を時々やってますね。
昨日は『新型コロナワクチンを生放送で解説SP』だったので、いちおう、あまり期待せずに見てみました。

ツッコミどころはあちこちありましたが、とくに「mRNAワクチン」の解説部分はガッカリでしたね。
「従来のワクチンは、ウイルスを弱めたものを体内に入れて、免疫細胞に形を覚えさせる」
「コロナワクチンは、遺伝子情報をを体の中に入れて見た目がコロナにソックリな物を作ってしまう」

なんか違う。池上さんの解説は一般向けにかみ砕き過ぎていて、かえって理解しにくくなっているのです。
肝心のmRNAの説明を省いているものだから、このワクチンの最大の特徴が何も伝わりません。

専門的な分野は、手抜きせずに詳しく丁寧に説明した方が、むしろ一般の方に全体像を理解させる近道です。
池上さんがそれをしないのは、彼は意外と医学が不得意なんじゃないのかと、私は以前から疑っています。

でも池上さんの、どのようなテーマでも生放送で解説をしようという勇気には敬服します。
自分の知識や理解が足りない分野でも、少々誤魔化しながらでも解説し通してしまう力業には恐れ入ります。

とは言え、間違った情報を発信しかねませんから、医学テーマを生放送で解説しない方が良いと思います。
専門家を出演させず、素人芸能人を何人も並べて上から解説するようでは、正確な情報番組にはなり得ません。

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新型コロナワクチンは、懸念はあっても私は接種が待ち遠しい
- 2020/12/02(Wed) -
ファイザーが開発した「新型コロナウイルスワクチン」が英国政府に承認され、来週にも接種が始まります。
このワクチンは安全かつ有効だといいますが、手放しで喜んでもよいものか、気になることは山ほどあります。

「mRNAワクチン」という、まったく新しいメカニズムで効くワクチンです。
従来のワクチンのように、ウイルス(の一部)を体内に注射して、免疫反応を引き起こすものではありません。
ウイルスの遺伝情報を体内に注射して体内でウイルスの一部を作らせ、それに対する免疫を誘導するものです。

新たな理論で作られた史上初のワクチンが、異例のスピード承認を得て、もうじき世界中で使われ始めます。
時間をかけて研究をし、治験を行い、じっくりと検討を深めるべき医薬品ですが、今回はなにしろ急ぐのです。

急性期の副反応だけでなく、長期的な副反応の懸念もありますが、使いながら考えようというわけです。

これまでにも、研究機関や企業は必要に迫られて瞬発力を発揮し、科学技術を進歩させてきた歴史があります。
コロナ禍がまさに、世界の科学技術研究に飛躍をもたらすきっかけになったことは、間違いありません。
これを「必要は発明の母」というのか、「火事場の馬鹿力」と言うべきか。

ファイザーのワクチンは、来年には日本にも供給され、一定の優先順位のもとで接種が行われる予定です。
最初に接種を受けるのは、高齢者や医療従事者になりそうです。私も早めに接種を受けたいと思っています。
ワクチンへの懸念はゼロではありませんが、それよりも私は、可能な予防法は全部試したいからです。
十分な中和抗体価を確認した上で、不安なく診療できる日が早く来ることを願っています。

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いきなりGoogle予測を上回る感染者数が出ましたけど
- 2020/11/18(Wed) -
新型コロナの国内感染確認数が、ついに2,000人を超えて、Google予測をも上回る過去最多となりました。

東京都でも、第2波を超える過去最多の493人。ところが、意見を問われた小池都知事は、こう即答しました。
「実は過去最多がもう一つあります。検査数です」
まるで勝ち誇ったような顔で、小池氏は平然と言い放ちました。あ〜あ、そんなんじゃダメでしょう。

教えてあげますけどね、こういうときは、次のように言うものです。
「検査数が増えて感染確認数が増えた側面もありますが、それにしても、極めて深刻に受け止めております」

政権幹部はいつも、危機的な数値が出ても冷静を装い、事態を矮小化しようとします。都知事も同類です。
まったく動じない態度を見せることで、その程度のことは想定内であると、そう言いたいのでしょうか。

都知事は、「検査を(たくさん)することによって、無症状の人も陽性がわかってくる」とも述べました。
じゃあ、これまでは無症状感染者を野放しにしてきました、と認めるのでしょうか?

まあ、そんなことはどうでもいい。ともかく政治家には、数値を客観的に正しく評価してもらいたい。
政治家としての経験とか、手腕とか、人脈とか、力量とか、そんなことよりも今は、科学的であってほしい。
他の状況ならいざ知らずパンデミックにおいては、医学(科学)的見識こそが、いちばん望まれると思います。

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「京」の百倍速い「富岳」で、コロナ予測をお願いしたい
- 2020/11/17(Tue) -
NHKの番組で、イルカを何十年かぶりに見ました。来月70歳ですか。ぼぼ昔と同じ外見と声なんですけど。
それはともかく...
Googleが、人工知能(AI)を活用した「COVID-19感染予測」の、日本版の公表を本日から始めました。
日本でもすでに同様の予測があるとしたら私の勉強不足ですが、Googleのサイトは私にはとても新鮮です。

AIを使った予測というのは、機械的と言うか「人工的」ですが、少々悲観的なデータを平気で出してきますね。

状況は流動的なのでこういう予測は鵜呑みにはできませんが、その反面、的中しかねない恐ろしさがあります。
「医療機関などに有効活用してもらいたい」とGoogleは言いますが、さて医療現場でどう活用したものか。

とりあえず、今日時点での予測ページを保存しました。4週間後の「実態」と比較してみたいからです。

Google予測によると、今後も感染者数はどんどん増え、毎日2千人ペースに達し、さらにそれを超えそうです。
地域別では北海道がダントツでヤバイ。Go Toトラベルもいい加減にした方がいいですね、少なくとも札幌は。

スパコンの世界ランキングで、理化学研究所の「富岳」が、再び世界一になりました。
「飛沫」の拡散シミュレーションではおなじみですが、「線状降水帯」の豪雨予測でも期待されています。
コロナ関係だと、ウイルスの蛋白構造だとか治療薬候補の研究でも、富岳が使われているようです。
ならばぜひ「富岳版コロナ予測」を毎日公表してほしい。Googleになんて頼らず、自前で予測しましょうよ。

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誰が見ても新型コロナ「第3波」が到来してますけど
- 2020/11/11(Wed) -
全国で新型コロナウイルス新規感染者数が増え、明らかに「第3波」の様相を呈しています。
検査数が増えているからだ、と強がる人もいますが、危機感を抱いて警戒感を強める方がよっぽど素直です。

「Go To キャンペーンの影響とは限らない」と言い張る政治家や専門家もいますが、その態度がダメ。
「Go To キャンペーン継続の可否も含めて、対応策を早急に検討すべきだ」と言うぐらいが良いのです。

原発事故の時もそうでしたが、政府や役人はどうしても、重大事案を矮小化したがります。
パニックを恐れるというよりも、一種の正常性バイアスか。本気で危機感が欠除しているのかもしれません。

春の「第1波」よりもずっと大きかった夏の「第2波」を、政府はついに、認めませんでした。
おそらくは、第2波と言ってしまうと緊急事態宣言再発出の議論を呼びかねないと考えたからでしょう。

第2波なのかと問われた西村大臣は、「第2波という方もいれば第3波と呼ぶ方もいる」とはぐらかしました。
「春の流行が第2波だったかもしれないので、必ずしも今回が第2波とは言えない」という理屈(詭弁)です。

あの大きな第2波を無視した手前、いまさら今回の第3波で慌てたのでは整合性がとれません。
過ちとは認めてないので改めることもできず、ズルズルと泥沼にはまっていくのでしょうか。
この第3波が、欧米並の巨大波にならぬことを祈るばかりです。

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インフルエンザが流行しなければ、むしろ平穏な冬になるのか
- 2020/11/06(Fri) -
開院して14年目ですが、コロナ禍のせいでたぶん、もっとも先の読めない冬を迎えようとしています。

新型コロナとインフルエンザが同時流行する可能性があり、それに対応するための準備に追われています。
国が新たに繰り出す施策はなかなか複雑で、自治体も医療機関もバタバタしています。

そんな中、インフルエンザワクチンの接種者数は、当院でも確実に過去最多になりそうな勢いです。
ワクチンの製造数を少し増やしたぐらいではまったく追いつかず、医療現場はワクチン不足で困っています。
厚労省はあれだけ接種の必要性を煽っておきながら、供給計画はまったくおそまつ。これは大失態レベルです。

さいわい、インフルエンザの流行は、近年では最小規模になりそうですね。
コロナ対策がインフル対策にもなっていることに加えて、「ウイルス干渉」の可能性も考えられています。

ウイルス干渉とは、ひとつのウイルスに感染すると免疫が強まり、別のウイルスに感染しにくくなる現象です。
私はしかし、日本ではコロナとインフルとでは感染者数が桁違いなので、ウイルス干渉については懐疑的です。
コロナが少々流行したところで、毎年1千万人以上が罹患するインフルエンザが抑えられるものなのか。
しかし逆に、もしもインフルエンザが大流行すれば、コロナが抑え込まれる可能性はあるかもしれません。

もちろんインフル大流行は避けたい。死亡率は低くても、1千万人単位の感染は多くの死者数をもたらします。
こう言っちゃナンですが、コロナよりもインフルの方が、乳幼児にとっては大きな脅威ですからね。
今年南半球では、原因は何であれ、奇跡的とも言えるほどインフルエンザは流行しませんでした。
インフルの「超過死亡」は毎年約1万人。これが激減するのであれば、結果的には福音となるかもしれません。

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「第2波」の定義はどうでもいいけど、「重症者」の定義は明確に
- 2020/08/19(Wed) -
「いままさに第2波の真っただ中にいるわけです」という、日本感染症学会の舘田理事長の率直な発言に対し、
「どういうことをもって『波』と言うか、必ずしも定義があるわけではない」と、加藤厚労相はうそぶき、
「大きな波になっていることは間違いない」けれど「第2波の定義があるわけではない」と、西村経済再生相。

絶対に「第2波」とは認めない大臣らは、きわめて一貫した姿勢ですが、でも定義なんてどうでもいいのです。
国民の肌感覚で「また来たぞ」が「第2波」でいいじゃないですか。それよりも、今後どうするかです。

どうやら最近は、「感染者数よりも重症者数に注意すべきだ」という方向にシフトしつつあります。
冷静な考え方にも見えますが、感染者数の増加を矮小化しようという意図が潜んでないか、気になります。

大阪府はついに、重症者数だけでなく感染者数でも、東京都を超えてしまいました。
そんな中で、大阪と東京では、「重症者」の基準・定義が異なることが露見しました。
大阪府の基準は、人工呼吸器の装着・ECMO装着・気管内挿管・ICU入室の4つ。東京では前者2つのみ。
気管内挿管すればたいてい人工呼吸器をつなぐことになるので、大きな差は「ICU入室」の部分です。

東京都は、「感染対策や病床の関係で重症でなくてもICUに入っている人」の存在を考慮したとのこと。
これは確かにリーズナブル。ICUに入っているからといって、必ず重症だとは限らないのは、その通りです。

ただ、呼吸器を着けるかどうか悩ましい程度の重症患者を、早めにICUに入れておくことは、よくあります。
あるいは、呼吸器から離脱(気管内チューブを抜去)したばかりの患者もまだ、もうしばらくICUにいるはず。
病床の関係でたまたまICUに入れた患者と、実際に重症な患者は、明確に区別してカウントすべきでしょう。

それに東京都が、重症者が少なく見える方向にシレっと基準を変えたことにも、インチキ臭さを感じます。
東京都は国とは一線を画す態度だと思って来ましたが、体質はほぼ同じようです。

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イソジンがコロナに効くという発言の勇み足
- 2020/08/05(Wed) -
「イソジンうがいがコロナに効く」(※本稿では、簡便のためポビドンヨードを「イソジン」と記載します)
吉村大阪府知事が昨日発表した「うそみたいな本当の話」は、賛否両論の大きな波紋を呼んでいます。

大阪はびきの医療センターの研究によれば、イソジンうがいをしたら唾液のPCR検査陽性率が減ったとのこと。

そりゃあ消毒した唾液でPCR検査をしたら、陰性になるのが当たり前じゃね?、というのが私の第一印象。
しかし考えてみると、唾液中のウイルスを減らせば、結果的に感染力を減らす可能性は否定できません。
なので私としては、まとまった研究データを待とうかという、賛否で言えば「賛」寄りの立場でした。

件の「イソジンうがい推奨」会見によって、昨日から薬局はイソジンが品切れ騒ぎのようです。
知事の発言は勇み足というか、少々思慮を欠くものでした。すなわち、
(1)科学的検証が不十分な研究成果を、公的立場の人間が断定的に公表した
(2)その発言によって引き起こされる混乱を考慮してなかった(または甘く見た)

残念なことに、吉村知事は今日の釈明会見で次のように述べました。まさしく二枚舌としか言いようがない。
「予防効果があるということは一切ないし、そういうことも言ってない」

あのね、感染症の予防効果が「一切ない」としたら、イソジンうがい薬の存在価値って何ですか。

ちなみに当院では、うがい液にはアズノールという薬をもっぱら処方しています。消炎目的のうがい薬です。
イソジンうがい液を処方することがなくなったので、隣の薬局にも、ほとんど在庫は置いてないはず。
なので「コロナ予防」の目的で当院に来られても、イソジンの処方はできかねますので、ご了承ください。
そうでなくても、6年前からイソジンうがい液単独の処方は保険適用外になってますので、ご注意ください。

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新型コロナウイルス感染症に関して、やれる研究は全部やろう
- 2020/08/03(Mon) -
新型コロナウイルスに感染してしまうことは、誰にとっても悲劇です。好きこのんで感染する人などいません。
どんないきさつがあったにせよ、わずかでも反省点があったとしても、当人がいちばん苦しんでいます。

隔離は必要ですが、感染者を責めたり濃厚接触者を差別するような行為は言語道断。明日は我が身ですから。

よほど有効なワクチンでもできない限り、全国民の半数はやがて感染するでしょう。
「イノベーター理論」になぞらえて言うなら、いま感染している人はある種「イノベーター」かもしれません。
感染経路は未知数、検査態勢は不十分、特効薬もまだ無い中で、コロナの海に飛び込んだわけですから。
その人の行動や診療経過やすべての経験が、ほかの大多数の人々の感染予防や早期治療にきっと、役立つはず。

純粋な医学的観点から言うなら、すべての感染者の血液や唾液等を採取して保管することを、私は提案したい。
検体中に存在する、あらゆる物質や遺伝情報を、スパコン「富岳」あたりで徹底的に解析してほしい。
感染後に起きる体内変化や重症化しやすい因子などを究明すれば、治療や予防のためにきっと役立つはず。
たとえ今は何も突き止められなくても、数年後に何かを調べたいとき、検体保存の意義は絶大です。

ずいぶん前、私の患者に投与した血液製剤が、後になって薬害エイズの原因だと判明したことがありました。
さいわいにも、たまたま保管してあった患者血液検体を調べることで、HIV陰性であることが確定しました。

いま分かっていないことが、後になって解明されたり、逆に問題化することなど、いくらでもあり得ます。
人類が初めて遭遇した「コロナ危機」に、いまこそ英知を結集し、役に立ちそうなことは全部やりましょう。

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日々の感染者数に一喜一憂して、何が悪い
- 2020/07/30(Thu) -
都知事は「第2波」だと言い始めてますが、国はまだ認めません。多分まだ、感染者数が足りないのでしょう。
今日の官房長官の発言は、
・(感染者が1000人を越えたが)「再び緊急事態宣言を出す状況にはない「状況を注視しながら対応する」
・(医療提供体制は)「直ちにひっ迫する状況にない」「状況を引き続き注視して対応していきたい」

「注視する」という言葉ほど、ナンセンスなものはありません。最近姿を見せない安倍首相も良く使います。

多くの都府県で、そして日本中で感染者数が過去最高を更新していますが、国は思考停止状態です。
第1波のときに経済を止めた副作用が、よほどトラウマになったのか。きっかけがつかめず、固まっています。

日々の数値で一喜一憂せず、直近1週間の平均値で全体的な傾向を把握すべきだ、という意見も出ています。
科学的(統計学的)評価を行う意味では、その通りかもしれませんが、私はその意見は誤りだと思います。

感染は間違いなく拡大しているのですから、緊張感や危機感をそぐことは、国民の利益にはなりません。
インパクトのある数字を、わざわざ小さく見せようとすることに、かえってうさん臭さを感じてしまいます。
そうでなくても、日々発表されるのは2週間前に起きた感染実態の結果です。すでに遅れた数字なのです。
それなのに、感染者急増が目立たないように、なだらかに増えているように見せたい理由って、なんでしょう。

不都合なデータは解釈を変えてでも矮小化するのが、日本の政権や官僚の常套手段です。
しかしどのように小細工を弄しても、感染者数や患者数をごまかすことはできません。
無意味に冷静を装う政府よりも、日々の数値に一喜一憂する国民の方が、よっぽど正直な態度だと思います。

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人の移動とクラスターで、状況は一変するってことですね
- 2020/07/28(Tue) -
多くの府県で、新型コロナの最多感染者数を更新しています。何よりも熊本で大幅に増えているのが怖い。
熊本県北部では複数のクラスターが発生し、さらに熊本市内でも感染者が急増しています。
これだけ暑くて湿度も高い日々が続いているのに感染拡大が続くって、どういうウイルスなんですか。

大西一史市長は、危機意識を市民に抱かせるためでしょう、昨夜次のようにツイートしました。

「今日の感染者が熊本市で過去最高の6名となりましたが、この数字は人口が熊本市の約20倍の東京都に置き換えると120名となります。本日の東京都の感染者数が131人ですから人口割ではほぼ同じ規模の感染者が出たということになります。そうイメージしてみると今の熊本市の状況は大変厳しい状況なのです。」

熊本「市」と東京「都」を比較するってどうなの、と最初は思ったのですが、あながち間違いでもなさそう。
昨日の熊本県(人口174万)の33人は、今日の東京都(1400万人)の266人にピッタリ一致します。

直近1週間の人口10万人あたりの感染者数では、熊本県は全都道府県の11位まで上がっています。
ひところは大人しかった熊本ですが、人の移動+クラスターで、あっという間に状況が一変してしまいました。

全国の感染者数の推移のグラフを見るとあらためて、よくこのタイミングでGo Toを始めたものだと思います。
この4連休の2週間後に何が起きるのか。「来月は目を覆うばかりの状況」という予言が的中しそうで恐ろしい。

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「安楽死」については、議論を避けるわけにはいきません
- 2020/07/25(Sat) -
京都で起きた「嘱託殺人」事件は、どんな理由があったとしても、決して許されることではありません。
「安楽死」は、短いブログで触れるにはあまりにも重いテーマですが、知らんぷりするわけにもいきません。
少し主題がずれますが、延命措置の中断について、かつて私が心臓外科医として経験した範囲で考えてみます。

一般に、延命措置を中断すれば死亡する患者さんは、世の中におおぜいいます。それは難病に限りません。
たとえば重症の新型コロナ患者に装着されたECMOや人工呼吸器も、それなしには生きられない延命手段です。

急性疾患で、その急場さえしのげれば明るい見通しがあるなら、延命措置を講ずることに異論はないでしょう。
しかし急病でも、回復は難しいと感じながら延命治療を続けることが、実際の臨床現場ではとても多いのです。
高度な医療を提供してもなお容態が改善しなければ、医療がどんどん濃厚になり、キリがなくなっていきます。

たとえば心臓手術後に全身臓器機能の回復が思わしくなくても、簡単には諦めず、高度な医療をつぎ込みます。
気がつくと、ECMOや透析回路が装着され、血液製剤が湯水のように投与されつづける事態になります。

助かる見込みがゼロではないなら、可能な限り治療を続けようという思いが、誰の胸に内もあるからです。

その努力が実って、奇跡的に回復に向かい始めると、皆が手を取り合って喜ぶほどの幸福に包まれます。
しかしその反対に病状がどんどん悪化すると、やってるコトがすべて時間稼ぎのように、虚しく思えてきます。

多臓器不全やDICや低酸素脳症等の合併症が起きてもなお、懸命に救命措置を続けますが、ほぼ、負け戦です。
このままでは数日で心臓が止まるだろうと、わかってきます。もしも装置を止めれば心停止は、数分以内です。
主治医も家族も引き金を引けず、治療を変えずに見守ることを選択し、この状況がさらに何日か続くのです。

そんな時、私は思っていました。何も意思表示できない患者さんは、実はすべてをお見通しなんじゃないかと。
主治医や家族が自分のベッドを取り囲んで喋っていることを、黙ってぼんやり聞いているんじゃなかろうかと。
だからどのような病状にあっても、私は枕元では、絶望的なことは口にしないように気をつけていました。

今日ここに書いた延命措置にかかわる問題は、今回起きた安楽死問題とはまったく、次元の違う話です。
ですが共通することがあるとすれば、それは「希望」と「絶望」です。この機にじっくり考えたいですね。

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夏風邪が増えてきたタイミングでコロナの第2波って、困る
- 2020/07/24(Fri) -
テレビで映画『バットマン』シリーズをやっていたので、一部を観てみました。
こういう、原作がコミックの映画って、男女で好みが分かれますよね。少なくともわが家では、そう。

映画の冒頭ではいつも、ワーナーのマークが黒くグニュっと変形して、バットマンのエンブレムに変わります。
それを見ると私は必ず連想してしまうのです。口腔内の診察所見を。
上に口蓋垂(こうがいすい=のどちんこ)、下に舌が、それぞれ2つずつ並んでるように見えてしまうのです。

舌はともかく、口蓋垂が二股に分かれている方なら時々見かけます。それほど珍しくはありません。
先っぽだけが割れている「逆Y字型」と、ほぼ根元から分かれている「逆V字型」がありますね。
分かれているので先は細く、「あー」と言ってもらうと、激しくビロビロと震えます。

臨床的に有意義なのは、口蓋垂よりもその付け根にの部分「軟口蓋(なんこうがい)」の病変です。
高熱が出て、軟口蓋に白い痛そうな発疹があれば、「ヘルパンギーナ」という病気です。いま増えています。
口腔内所見が特徴的で頻度も多い病気なので、夏になると当ブログでもしばしば取り上げてきました。

発熱してすぐに来院したお子さんの場合、ヘルパンギーナの発疹はまだ赤い水疱の状態のことがあります。
その段階では痛みも軽く確定診断を付けにくいのですが、翌日には発疹が潰れて白くなり、強く痛みだします。

いわゆる夏風邪の方が増えてきましたが、今年はどうしても、風邪症状の方には余計な心配がありますよね。
のどの発疹で確定診断がつけられるヘルパンギーナのような疾患は、コロナが確実に否定できるので安心です。

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「コロナパーティー」の愚は、他の感染症でも同じこと
- 2020/07/14(Tue) -
「新型コロナパーティー」の参加者がコロナに罹って死亡したというニュースが、米国から伝えられました。
テキサス州だけでなく、どうやら米国内のあちこちで似たようなパーティーが開催されているようです。
馬鹿げたゲームか、肝試しのような要素もあったのか、ともかく無謀な行為によって命を落としたわけです。

目的は異なりますが、本気で感染症に罹るための「パーティー」なら、世界中で行われて来ました。
代表的なのが「水痘(水ぼうそう)パーティー」。おたふくかぜや麻疹でも、同様のパーティーが存在します。

反ワクチンの人はともかく、予防するよりも罹った方が良いと信じている人には、考えを改めていただきたい。

たとえば、感染したら100%死ぬ伝染病があるとしたら、もちろん、誰も患者には近寄りませんよね。
では、致死率50%の病気ならどうでしょう。敢えて感染者と接触して免疫を付けたいでしょうか。まさかね。
となると、死亡率が何%ぐらいの病気なら、わざわざ感染するためのパーティーに参加したいですか?
私なら1%でもイヤですね。予防法があれば予防したい。ワクチンがないのなら、極力感染しないようにする。

水痘は、死亡率は高くありませんがゼロでもありません。感染すると将来帯状疱疹を起こすこともあります。
おたふくかぜは、髄膜炎などの併発症のほか、難聴を起こすのが問題。毎年数百人の聴力が失われています。
麻疹は、希に治癒後十年以上経ってSSPEという病気を発症することがあり、これは生命予後の悪い難病です。

これらの感染症に、わざわざ感染するためにパーティーに参加する理由が、どうしてもわかりません。
罹った方が「良い」免疫が付くと言うのなら、その良い免疫を付けたら何か良いことでもあるのでしょうか。
まさか、2度目の感染を防ぐためでしょうか。1度感染してでも2度目の感染を防ぎたい理由は何でしょう。

いくら考えても、私には理解できません。コロナも同じです。まずは、1度目の感染をしないことです。

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接触は最小限にしたいですが、やはり学校検診に聴診は必須ですね
- 2020/06/23(Tue) -
今年度、某小学校の学校医となり、新型コロナで延びていた内科検診を、ようやく今日行うことになりました。
確保されている時間と児童数を考慮すると、1時間あたり100人のペースで検診する必要があります。
初めての学校検診なのでペース配分が全くわからず、とりあえず1人30秒を目標としました。

児童は全員マスクを装着。間隔を開けて縦に並ぶので、最後尾が廊下のどこまで続いているのかわかりません。
私はフェイスシールドとマスクを装着。顔が暑い。ガウンやキャップや手袋は、今回は使いませんでした。

さて、子どもに挨拶して、姿勢と顔色を見て、上肢や躯幹などの皮膚を見て、胸郭を見て聴診したら30秒です。
打ち合わせでは、児童との接触を最小限にするため、問診等に異常がある子だけ聴診することにしていました。
しかし、症状を伴わない心雑音は、検診の時に聴いておかなければ誰も気づかないと、思い直したのでした。

小学生になって初めて聞こえる心雑音は、多くの場合は心臓に異常の無い「無害性心雑音」です。
今日は、明らかに無害性と思える子はスルーして、ある程度大きな音量の場合にのみ「要精査」としました。

「検診で初めて心雑音を指摘されました」と、当院を受診する小中学生のお子さんが、日頃から時々います。

聴診して必要と思えば、心エコー検査で心房中隔欠損や肺動脈弁狭窄等のチェックをすることになります。
そんな成り行きになると、「心雑音」という言葉に重大な響きがあるので、保護者の方はとても心配されます。

でもご安心を。ほとんどのお子さんの心雑音は無害性で、それがよく聞こえる原因はたいてい貧血です。
エコーは夏休みなどに行いますが、それまでに貧血を治せば、検査の頃には心雑音は小さくなってしまいます。

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新型コロナには、まだ日本人はほとんど感染していないということ
- 2020/06/16(Tue) -
厚労省が今月行った、新型コロナウイルスの抗体検査。待ちに待っていた陽性率は、東京で0.1%ですか。

先月の500人の検査では、微妙に納得のできる陽性率0.6%が出ましたが、今日の0.1%はちょっと意外でした。
都民のほぼ全員(99.9%)は、まだ新型コロナに罹っていない=今後罹る可能性がある、ということですから。

ただ、東京の検査対象者1,971人というのは、まだ少ないと思います。だって、陽性者はたったの2人ですよ。
これはまだ、偶然の入り込む余地がありあますね。やはり東京だけでも1万人調べなきゃ。
それと比べると、大阪の2,970人のうちの5人は、多少信頼感があります。
他社の(未承認の)検査キットを使うと、東京1.07%、大阪1.25%だったとか。はて、何が正しいのやら。

なんにしても、どうして東京・大阪で1万人ずつ調べるぐらいの規模にしなかったのでしょう。
まあいずれにせよ、99%か99.9%は未感染なわけで、結果的な意味合いは同じかもしれません。
ほとんどの国民が未感染と言うことが改めて判明したわけで、感染するのはこれから、ということです。

他国の抗体陽性率を見ると、ニューヨーク州は12.3%で、ストックホルム7.3%、イングランドは6.78%。
欧米諸国は日本とはレベルが違います。逆に言うなら、日本はよくもまあ感染を予防できてますね。
あるいは、日本人は感染しにくい何か特別な要因があるのかもしれません。

ところで、抗体検査による感染率は、検査対象者の集団によってだいぶ異なるはずです。
一般市民に対してが今回のデータとしたら、医療従事者や夜の街では、もっと高い陽性率が想定されます。
医療従事者にとって自分が抗体陽性かどうかは、単に興味の問題ではなく、今後の仕事に大きく影響します。
国の施策で、医療従事者の全員調査をぜひ、お願いしたいものです。万一陽性なら、すごく気が楽になるので。

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「夜の街」の感染制御が最後の課題か
- 2020/06/15(Mon) -
東京都の新型コロナは、昨日47人に急増したのを我慢していたら、今日は48人。厳しいとこ突いてきますね。
これが100人、200人なら諦めもつきますが、ジリジリと増やされたのでは、身動きもとれません。

本来なら再び警戒を強めるべき事態ですが、不思議と世間は、まあ待て慌てるなという落ち着いた雰囲気です。

「夜の街」の関係者や院内感染が大半を占めており、「御しやすい」状況と考えられるからかもしれません。
しかもホストクラブでの集団検査の結果が多く含まれており、必ずしも感染急拡大ではないとも解釈できます。

たしかに、怪しい場所は調べれば調べるほど陽性者が出て、見かけの感染確認者数は増えるでしょう。
小池知事も、「確認できているという点で、むしろ確かな数字になってきている」と開き直っています。
ですが逆に言うなら、検査が不十分のために、これまでの感染拡大を許してきた面もあるということです。

結局のところ、検査の網を広げることこそが、やはり感染症対策の王道なのでしょう。
ガンガン検査して、しっかり隔離して、非感染者が経済を回す。それが正解なのかもしれません。

ただし、夜の街で真面目に集団検診を受ける店は例外的で、むしろ闇営業や感染者の隠蔽が懸念されます。
「ウィズ・コロナ」の時代に、対面でなければ成立しない「接客業界」の感染制御はとても難しいですね。
治療薬とワクチンで、早く「アフター・コロナ」の時代にしてもらいたいものです。

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