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優先接種の対象者は、見直さなくても良いのか
- 2021/02/25(Thu) -
「高齢者へは4月12日開始」という菅首相の発言に続いて、河野大臣が接種スケジュールを明らかにしました。

まず4/5の週に、東京・神奈川・大阪に4箱ずつ、他の道府県には2箱ずつ、計100箱を発送する予定だと。
このワクチンの接種を4/12から接種すれば、高齢者5万人の2回分の接種に相当するという説明です。

翌週は全国に500箱、その次の週にも500箱、ここまでがおそらく「4月中」に接種できる数量となります。
全部で1,100箱。全国3,600万人の高齢者のうちの55万人の、2回分の接種に相当する量です。

ずっとこの調子だと、高齢者の接種だけで2年以上かかりますけどね。5月からのペースアップを期待します。

「年寄りよりも、若い人が先に打ったらどうなの」
そう言う高齢者の方が時々いますね。誰も大きな声では言いませんが、私もそれには一理あると思います。

高齢者への接種を優先する理由は、高齢者がコロナに罹ると重症化しやすく、死亡する確率も高いからです。
一方で若者は、どちらかと言えば軽症で死なない。そのかわり感染拡大への関与が大きいとされています。

ワクチンに「重症化予防」を求めるなら高齢者優先であり、それは病床ひっ迫を軽減する意義もあるでしょう。
一方で「コロナ収束」が目的なら、若者など行動半径の広い人から接種する方が効率が良いはずです。

たとえば、活動的な人に優先的に接種して、しっかり経済を回してもらうって考え方はどうでしょう。
飲食店をよく利用する人とか、人前で喋る人(?)とか、そんな人が真っ先に接種したらいいんじゃないの。
せっかく感染者が減ってきたんだから、この機にワクチンを感染再拡大を防ぐ切り札にしたいものです。

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接種後のアナフィラキシーには、ビビらないこと
- 2021/02/21(Sun) -
米国CDCは、1カ月間に接種された新型コロナワクチンの、「接種後の健康への影響」を報告しました。
それによると、約1,380万回の接種後に、死亡した人が113人、アナフィラキシーは62件あったとのこと。

この数値を見て、アナフィラキシーどころか、死ぬ人が多いじゃん、ヤバくね?、と思う人もいるでしょうか。
死因を分析した結果、ワクチンとの「因果関係」はないことが判明しているので、そこは安心してください。
つまり、ワクチンを接種したあとで、たまたま別の原因(持病?)で亡くなったと、そういうことでしょう。

しかし、「前後関係」があるだけで関連性もあるかのような報道をしてきたのが、日本のメディアです。

例えばHPVワクチンは、ワクチン接種後に起きた異常な事象の映像を、テレビが繰り返し報じ続けました。
そこに因果関係があるかどうかの検証など無く、前後関係だけを強調して誤った情報を植えつける手法です。

ついには厚労省までが及び腰になり、積極的勧奨を中止してしまいました。それからもうじき8年になります。
この「失われた8年間 (以上?)」のせいで、将来何万人が子宮頸がんで死ぬのかと思うと、残念でなりません。

新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー発生率は、冒頭のCDC報告では100万回あたり約4.5件です。
日本でもその発生率なら、3月には毎週2,3人程度、アナフィラキシーが出てくることになります。

副反応騒ぎにすぐビビる厚労省が、新型コロナワクチンの接種を完遂できるのか、正直なところ私は不安です。
メディアの非科学的な扇情報道に惑わされず、あくまで科学的に、粛々と接種を進めてほしいものです。

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ワクチンへの「過度な期待」に対する警鐘
- 2021/01/25(Mon) -
ひとつのワクチンについて、国論を二分するような関心事になるとは、医者になって初めての経験です。
いつから、どこで、誰が、誰に、どのように接種するのか、実施計画はまだ、あらゆる段階で模索中です。

なかでもワクチンの効果や安全性については、日本ワクチン学会・岡田理事長の発言が波紋を広げています。
メディアはこぞって「過度な期待に対する警鐘」だと報じていますが、その報じ方自体が過度な印象です。

万一、日本での接種でアナフィラキシー等が起きたとき、メディアが張るキャンペーンがもう想像できます。
あの、HPVワクチンを巡る混乱と同じものが、また繰り返されるような気がしてなりません。

では、岡田先生の発言が問題なのかというと、私はそうだとは思いません。ここは謙虚に受け止めたい。
「(効果の持続性については)全くわからない」(全く新しい作用機序のワクチンですから)
「(各メーカーごとに)効き方も違うかもしれない」(まったく、その通りでしょう)
「100%有効で安全なワクチンはどこにもない」(ワクチンに限らず、すべての医薬品に言えることです)

ワクチン研究の第一人者が、この大事な時だからこそ、敢えて標準的な見解を念押ししているに過ぎません。
評論家やコメンテーターのようなヤカラが、聞きかじったことで論評するのとは、次元も重みも違います。

岡田先生の発言は、聞きようによっては「反ワクチン」的に受け取れ、それがメディアにはウケるのでしょう。
しかし彼は、反ワクチン発言をしているのではありません。強いて言うなら、反「過度な期待」発言か。
実績の無いワクチンなので、慎重の上にも慎重を期す必要があることは、言うまでもありません。

しかしメディアは、全体を見てバランス良く報じたりせず、面白そうな枝葉をつまみ食いするタチなのです。

コロナ禍の収束が何よりも優先するこの時期に、人々が浮かれないように、岡田先生は釘を刺しました。
ワクチンの導入が異例の早さなので、慎重に進めていきましょうという、至極まっとうなご意見なのです。

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新型コロナをおさらいしてみました
- 2021/01/03(Sun) -
長い連休をいただきましたが、明日から当院は、新年の診療を開始します。
今日はその準備の日として、新型コロナ関係のおさらい(最新情報の確認)に当てました。
途中、年賀状とかダーウィンとか麒麟が来たら中断です。

医療上の規定や通知は更新され続けているので、一次情報を中心に、ネットで確認していきます。
(1)厚労省の「医療機関向けの情報一覧(事務連絡等)」を、新しい方から2,3カ月分を読み返す
(2)自治体や医師会の資料は、最新分のみ再確認(多くは厚労省の情報とダブる)

学術的な情報の完成度は一般的に、書籍>雑誌>ネット、ですが、鮮度を優先すると順位は逆になります。
なので、学術機関・公的機関のサイトを中心に、最新のまとめを探します。
報道メディアのサイトにも新鮮な情報が掲載されていますが、飛ばしも混在しているので要注意です。
一方で、きわめて詳細な引用文献付のコロナまとめを随時更新している、素晴らしい個人ブログも見かけます。

厚労省が発行する「診療の手引き」は良くまとまっていて、最新版が出たばかり。一般の方も一読に値します。
そのほかにも、さまざまなまとめサイトがありますが、半年以上更新されていないものも目立ちます。
新型コロナに関しては、先がまったく読めないほどの展開を見せ続けているので、新しい情報が必要です。

とくにいま、私の注目点は次の3つ。
(1)ワクチンの、日本における接種開始時期や具体的な接種方法と、欧米における中期的安全性データ
(2)感染者数・重症者数の今後の推移と、緊急事態宣言を含む政策の動向
(3)変異株は、ただ感染しやすいだけではなく、子どもへの影響が大きい可能性があるのは本当か

ワクチンが完成した矢先に、人類をあざ笑うかのように出現した変異株がいま、猛威を振るい始めています。
高齢者だけでなく、いやむしろ、子どもにこそワクチンを優先接種しておくべきなのかもしれません。

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AI による感染流行予測では大晦日に千人越え
- 2020/12/29(Tue) -
日本中が毎日注目している東京都の感染確認数。今日は856人。火曜日の発表人数としては過去最多です。
「○曜日としては最多」という言われ方が、最近よく使われます。
曜日によって検査数にばらつきが多いため、前日よりも1週間前と比べる方が、たしかに適切かもしれません。

表計算ソフトに毎日の感染者数を入力すれば、曜日ごとの増減を自動的に計算することができます。
たぶんいま、日本中の多くの方が、そのようなワークシートを作っていいることでしょう。私もその一人。
NHKのサイトからデータをダウンロードすれば、そのまま表計算ソフトで開くことができます。

さて東京都の場合、12月9日以来、曜日ごとの増減はずっと正の数、つまり毎週増え続けています。
その増加幅は、数十人の日もあれば200人以上のこともあり、だんだんと加速している印象があります。

そこで、曜日ごとの増加幅の増減、いうなれば「二次微分値」を見てみました。
すると、二次微分値はこの5日間ずっとプラスでした。その前の5日間は、どちらかとマイナスが多い。
つまり今、感染者の増加ペース自体が増えている、ということです。グラフにすれば「下に凸」な上昇カーブ。

二次微分値は最近100程度。それが続くとして感染者数を予測すれば、明日は918、明後日は1,055と出ます。
あくまで私のAI(あやふやな印象)ですけども。

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あまりにもインフルエンザが出ないけど、ホントなのか
- 2020/12/21(Mon) -
毎年1千万人の日本人が罹患するインフルエンザと比べたら、コロナの流行なんてまだ小規模かもしれません。
毎年1万人が死亡(超過死亡)するインフルエンザと比べたら、コロナの死亡数はわずかかもしれません。

それなのにいま、コロナの方が例年のインフルエンザより深刻だと感じるのはなぜなのでしょう。
感染力が強い、特効薬がない、誰も免疫を持っていない、感染拡大が急激、インフルより合併症が多い・・・

いやもしかすると、単に、現時点でインフルエンザよりもコロナの方が感染者が多いからかもしれません。

今シーズンのインフルエンザ感染者は極端に少ないですね。報告数は例年の百分の1から千分の1レベル。
もしも例年通りの流行なら、この時期は毎日10万人以上のインフルエンザ感染者が出でもおかしくない。
ところが実際にはインフルエンザがまったく流行せず、相対的にコロナだけが目立っているという状況。

インフルが流行っていないのは、おそらくコロナ対策(マスク・手洗い、移動制限など)によるものでしょう。
ところが、その対策によってインフルが激減したのに、コロナはそこそこ流行しています。
ここで気を緩めたらインフルが流行り出し、コロナがさらに大流行する可能性があります。
仮に感染対策をゼロにしたら、インフルは1千万人、コロナはそれ以上の方が罹患すると考えるのが自然です。

今後もしもインフルの感染者が増えてきたら、コロナ対策が甘くなった兆候だと思わなければなりません。
その兆候を早くつかむため、というわけでもないですが、発熱者には原則としてインフルの検査もしています。
今シーズンいまのところ、インフル陽性が出たタメシがありません。出始めたらすごく面倒ですね。

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専門分野を理解させるためには、詳しく説明するのが王道
- 2020/12/06(Sun) -
「池上彰のニュースそうだったのか!!」ていうテレビ番組を時々やってますね。
昨日は『新型コロナワクチンを生放送で解説SP』だったので、いちおう、あまり期待せずに見てみました。

ツッコミどころはあちこちありましたが、とくに「mRNAワクチン」の解説部分はガッカリでしたね。
「従来のワクチンは、ウイルスを弱めたものを体内に入れて、免疫細胞に形を覚えさせる」
「コロナワクチンは、遺伝子情報をを体の中に入れて見た目がコロナにソックリな物を作ってしまう」

なんか違う。池上さんの解説は一般向けにかみ砕き過ぎていて、かえって理解しにくくなっているのです。
肝心のmRNAの説明を省いているものだから、このワクチンの最大の特徴が何も伝わりません。

専門的な分野は、手抜きせずに詳しく丁寧に説明した方が、むしろ一般の方に全体像を理解させる近道です。
池上さんがそれをしないのは、彼は意外と医学が不得意なんじゃないのかと、私は以前から疑っています。

でも池上さんの、どのようなテーマでも生放送で解説をしようという勇気には敬服します。
自分の知識や理解が足りない分野でも、少々誤魔化しながらでも解説し通してしまう力業には恐れ入ります。

とは言え、間違った情報を発信しかねませんから、医学テーマを生放送で解説しない方が良いと思います。
専門家を出演させず、素人芸能人を何人も並べて上から解説するようでは、正確な情報番組にはなり得ません。

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新型コロナワクチンは、懸念はあっても私は接種が待ち遠しい
- 2020/12/02(Wed) -
ファイザーが開発した「新型コロナウイルスワクチン」が英国政府に承認され、来週にも接種が始まります。
このワクチンは安全かつ有効だといいますが、手放しで喜んでもよいものか、気になることは山ほどあります。

「mRNAワクチン」という、まったく新しいメカニズムで効くワクチンです。
従来のワクチンのように、ウイルス(の一部)を体内に注射して、免疫反応を引き起こすものではありません。
ウイルスの遺伝情報を体内に注射して体内でウイルスの一部を作らせ、それに対する免疫を誘導するものです。

新たな理論で作られた史上初のワクチンが、異例のスピード承認を得て、もうじき世界中で使われ始めます。
時間をかけて研究をし、治験を行い、じっくりと検討を深めるべき医薬品ですが、今回はなにしろ急ぐのです。

急性期の副反応だけでなく、長期的な副反応の懸念もありますが、使いながら考えようというわけです。

これまでにも、研究機関や企業は必要に迫られて瞬発力を発揮し、科学技術を進歩させてきた歴史があります。
コロナ禍がまさに、世界の科学技術研究に飛躍をもたらすきっかけになったことは、間違いありません。
これを「必要は発明の母」というのか、「火事場の馬鹿力」と言うべきか。

ファイザーのワクチンは、来年には日本にも供給され、一定の優先順位のもとで接種が行われる予定です。
最初に接種を受けるのは、高齢者や医療従事者になりそうです。私も早めに接種を受けたいと思っています。
ワクチンへの懸念はゼロではありませんが、それよりも私は、可能な予防法は全部試したいからです。
十分な中和抗体価を確認した上で、不安なく診療できる日が早く来ることを願っています。

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いきなりGoogle予測を上回る感染者数が出ましたけど
- 2020/11/18(Wed) -
新型コロナの国内感染確認数が、ついに2,000人を超えて、Google予測をも上回る過去最多となりました。

東京都でも、第2波を超える過去最多の493人。ところが、意見を問われた小池都知事は、こう即答しました。
「実は過去最多がもう一つあります。検査数です」
まるで勝ち誇ったような顔で、小池氏は平然と言い放ちました。あ〜あ、そんなんじゃダメでしょう。

教えてあげますけどね、こういうときは、次のように言うものです。
「検査数が増えて感染確認数が増えた側面もありますが、それにしても、極めて深刻に受け止めております」

政権幹部はいつも、危機的な数値が出ても冷静を装い、事態を矮小化しようとします。都知事も同類です。
まったく動じない態度を見せることで、その程度のことは想定内であると、そう言いたいのでしょうか。

都知事は、「検査を(たくさん)することによって、無症状の人も陽性がわかってくる」とも述べました。
じゃあ、これまでは無症状感染者を野放しにしてきました、と認めるのでしょうか?

まあ、そんなことはどうでもいい。ともかく政治家には、数値を客観的に正しく評価してもらいたい。
政治家としての経験とか、手腕とか、人脈とか、力量とか、そんなことよりも今は、科学的であってほしい。
他の状況ならいざ知らずパンデミックにおいては、医学(科学)的見識こそが、いちばん望まれると思います。

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「京」の百倍速い「富岳」で、コロナ予測をお願いしたい
- 2020/11/17(Tue) -
NHKの番組で、イルカを何十年かぶりに見ました。来月70歳ですか。ぼぼ昔と同じ外見と声なんですけど。
それはともかく...
Googleが、人工知能(AI)を活用した「COVID-19感染予測」の、日本版の公表を本日から始めました。
日本でもすでに同様の予測があるとしたら私の勉強不足ですが、Googleのサイトは私にはとても新鮮です。

AIを使った予測というのは、機械的と言うか「人工的」ですが、少々悲観的なデータを平気で出してきますね。

状況は流動的なのでこういう予測は鵜呑みにはできませんが、その反面、的中しかねない恐ろしさがあります。
「医療機関などに有効活用してもらいたい」とGoogleは言いますが、さて医療現場でどう活用したものか。

とりあえず、今日時点での予測ページを保存しました。4週間後の「実態」と比較してみたいからです。

Google予測によると、今後も感染者数はどんどん増え、毎日2千人ペースに達し、さらにそれを超えそうです。
地域別では北海道がダントツでヤバイ。Go Toトラベルもいい加減にした方がいいですね、少なくとも札幌は。

スパコンの世界ランキングで、理化学研究所の「富岳」が、再び世界一になりました。
「飛沫」の拡散シミュレーションではおなじみですが、「線状降水帯」の豪雨予測でも期待されています。
コロナ関係だと、ウイルスの蛋白構造だとか治療薬候補の研究でも、富岳が使われているようです。
ならばぜひ「富岳版コロナ予測」を毎日公表してほしい。Googleになんて頼らず、自前で予測しましょうよ。

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誰が見ても新型コロナ「第3波」が到来してますけど
- 2020/11/11(Wed) -
全国で新型コロナウイルス新規感染者数が増え、明らかに「第3波」の様相を呈しています。
検査数が増えているからだ、と強がる人もいますが、危機感を抱いて警戒感を強める方がよっぽど素直です。

「Go To キャンペーンの影響とは限らない」と言い張る政治家や専門家もいますが、その態度がダメ。
「Go To キャンペーン継続の可否も含めて、対応策を早急に検討すべきだ」と言うぐらいが良いのです。

原発事故の時もそうでしたが、政府や役人はどうしても、重大事案を矮小化したがります。
パニックを恐れるというよりも、一種の正常性バイアスか。本気で危機感が欠除しているのかもしれません。

春の「第1波」よりもずっと大きかった夏の「第2波」を、政府はついに、認めませんでした。
おそらくは、第2波と言ってしまうと緊急事態宣言再発出の議論を呼びかねないと考えたからでしょう。

第2波なのかと問われた西村大臣は、「第2波という方もいれば第3波と呼ぶ方もいる」とはぐらかしました。
「春の流行が第2波だったかもしれないので、必ずしも今回が第2波とは言えない」という理屈(詭弁)です。

あの大きな第2波を無視した手前、いまさら今回の第3波で慌てたのでは整合性がとれません。
過ちとは認めてないので改めることもできず、ズルズルと泥沼にはまっていくのでしょうか。
この第3波が、欧米並の巨大波にならぬことを祈るばかりです。

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インフルエンザが流行しなければ、むしろ平穏な冬になるのか
- 2020/11/06(Fri) -
開院して14年目ですが、コロナ禍のせいでたぶん、もっとも先の読めない冬を迎えようとしています。

新型コロナとインフルエンザが同時流行する可能性があり、それに対応するための準備に追われています。
国が新たに繰り出す施策はなかなか複雑で、自治体も医療機関もバタバタしています。

そんな中、インフルエンザワクチンの接種者数は、当院でも確実に過去最多になりそうな勢いです。
ワクチンの製造数を少し増やしたぐらいではまったく追いつかず、医療現場はワクチン不足で困っています。
厚労省はあれだけ接種の必要性を煽っておきながら、供給計画はまったくおそまつ。これは大失態レベルです。

さいわい、インフルエンザの流行は、近年では最小規模になりそうですね。
コロナ対策がインフル対策にもなっていることに加えて、「ウイルス干渉」の可能性も考えられています。

ウイルス干渉とは、ひとつのウイルスに感染すると免疫が強まり、別のウイルスに感染しにくくなる現象です。
私はしかし、日本ではコロナとインフルとでは感染者数が桁違いなので、ウイルス干渉については懐疑的です。
コロナが少々流行したところで、毎年1千万人以上が罹患するインフルエンザが抑えられるものなのか。
しかし逆に、もしもインフルエンザが大流行すれば、コロナが抑え込まれる可能性はあるかもしれません。

もちろんインフル大流行は避けたい。死亡率は低くても、1千万人単位の感染は多くの死者数をもたらします。
こう言っちゃナンですが、コロナよりもインフルの方が、乳幼児にとっては大きな脅威ですからね。
今年南半球では、原因は何であれ、奇跡的とも言えるほどインフルエンザは流行しませんでした。
インフルの「超過死亡」は毎年約1万人。これが激減するのであれば、結果的には福音となるかもしれません。

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「第2波」の定義はどうでもいいけど、「重症者」の定義は明確に
- 2020/08/19(Wed) -
「いままさに第2波の真っただ中にいるわけです」という、日本感染症学会の舘田理事長の率直な発言に対し、
「どういうことをもって『波』と言うか、必ずしも定義があるわけではない」と、加藤厚労相はうそぶき、
「大きな波になっていることは間違いない」けれど「第2波の定義があるわけではない」と、西村経済再生相。

絶対に「第2波」とは認めない大臣らは、きわめて一貫した姿勢ですが、でも定義なんてどうでもいいのです。
国民の肌感覚で「また来たぞ」が「第2波」でいいじゃないですか。それよりも、今後どうするかです。

どうやら最近は、「感染者数よりも重症者数に注意すべきだ」という方向にシフトしつつあります。
冷静な考え方にも見えますが、感染者数の増加を矮小化しようという意図が潜んでないか、気になります。

大阪府はついに、重症者数だけでなく感染者数でも、東京都を超えてしまいました。
そんな中で、大阪と東京では、「重症者」の基準・定義が異なることが露見しました。
大阪府の基準は、人工呼吸器の装着・ECMO装着・気管内挿管・ICU入室の4つ。東京では前者2つのみ。
気管内挿管すればたいてい人工呼吸器をつなぐことになるので、大きな差は「ICU入室」の部分です。

東京都は、「感染対策や病床の関係で重症でなくてもICUに入っている人」の存在を考慮したとのこと。
これは確かにリーズナブル。ICUに入っているからといって、必ず重症だとは限らないのは、その通りです。

ただ、呼吸器を着けるかどうか悩ましい程度の重症患者を、早めにICUに入れておくことは、よくあります。
あるいは、呼吸器から離脱(気管内チューブを抜去)したばかりの患者もまだ、もうしばらくICUにいるはず。
病床の関係でたまたまICUに入れた患者と、実際に重症な患者は、明確に区別してカウントすべきでしょう。

それに東京都が、重症者が少なく見える方向にシレっと基準を変えたことにも、インチキ臭さを感じます。
東京都は国とは一線を画す態度だと思って来ましたが、体質はほぼ同じようです。

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イソジンがコロナに効くという発言の勇み足
- 2020/08/05(Wed) -
「イソジンうがいがコロナに効く」(※本稿では、簡便のためポビドンヨードを「イソジン」と記載します)
吉村大阪府知事が昨日発表した「うそみたいな本当の話」は、賛否両論の大きな波紋を呼んでいます。

大阪はびきの医療センターの研究によれば、イソジンうがいをしたら唾液のPCR検査陽性率が減ったとのこと。

そりゃあ消毒した唾液でPCR検査をしたら、陰性になるのが当たり前じゃね?、というのが私の第一印象。
しかし考えてみると、唾液中のウイルスを減らせば、結果的に感染力を減らす可能性は否定できません。
なので私としては、まとまった研究データを待とうかという、賛否で言えば「賛」寄りの立場でした。

件の「イソジンうがい推奨」会見によって、昨日から薬局はイソジンが品切れ騒ぎのようです。
知事の発言は勇み足というか、少々思慮を欠くものでした。すなわち、
(1)科学的検証が不十分な研究成果を、公的立場の人間が断定的に公表した
(2)その発言によって引き起こされる混乱を考慮してなかった(または甘く見た)

残念なことに、吉村知事は今日の釈明会見で次のように述べました。まさしく二枚舌としか言いようがない。
「予防効果があるということは一切ないし、そういうことも言ってない」

あのね、感染症の予防効果が「一切ない」としたら、イソジンうがい薬の存在価値って何ですか。

ちなみに当院では、うがい液にはアズノールという薬をもっぱら処方しています。消炎目的のうがい薬です。
イソジンうがい液を処方することがなくなったので、隣の薬局にも、ほとんど在庫は置いてないはず。
なので「コロナ予防」の目的で当院に来られても、イソジンの処方はできかねますので、ご了承ください。
そうでなくても、6年前からイソジンうがい液単独の処方は保険適用外になってますので、ご注意ください。

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新型コロナウイルス感染症に関して、やれる研究は全部やろう
- 2020/08/03(Mon) -
新型コロナウイルスに感染してしまうことは、誰にとっても悲劇です。好きこのんで感染する人などいません。
どんないきさつがあったにせよ、わずかでも反省点があったとしても、当人がいちばん苦しんでいます。

隔離は必要ですが、感染者を責めたり濃厚接触者を差別するような行為は言語道断。明日は我が身ですから。

よほど有効なワクチンでもできない限り、全国民の半数はやがて感染するでしょう。
「イノベーター理論」になぞらえて言うなら、いま感染している人はある種「イノベーター」かもしれません。
感染経路は未知数、検査態勢は不十分、特効薬もまだ無い中で、コロナの海に飛び込んだわけですから。
その人の行動や診療経過やすべての経験が、ほかの大多数の人々の感染予防や早期治療にきっと、役立つはず。

純粋な医学的観点から言うなら、すべての感染者の血液や唾液等を採取して保管することを、私は提案したい。
検体中に存在する、あらゆる物質や遺伝情報を、スパコン「富岳」あたりで徹底的に解析してほしい。
感染後に起きる体内変化や重症化しやすい因子などを究明すれば、治療や予防のためにきっと役立つはず。
たとえ今は何も突き止められなくても、数年後に何かを調べたいとき、検体保存の意義は絶大です。

ずいぶん前、私の患者に投与した血液製剤が、後になって薬害エイズの原因だと判明したことがありました。
さいわいにも、たまたま保管してあった患者血液検体を調べることで、HIV陰性であることが確定しました。

いま分かっていないことが、後になって解明されたり、逆に問題化することなど、いくらでもあり得ます。
人類が初めて遭遇した「コロナ危機」に、いまこそ英知を結集し、役に立ちそうなことは全部やりましょう。

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日々の感染者数に一喜一憂して、何が悪い
- 2020/07/30(Thu) -
都知事は「第2波」だと言い始めてますが、国はまだ認めません。多分まだ、感染者数が足りないのでしょう。
今日の官房長官の発言は、
・(感染者が1000人を越えたが)「再び緊急事態宣言を出す状況にはない「状況を注視しながら対応する」
・(医療提供体制は)「直ちにひっ迫する状況にない」「状況を引き続き注視して対応していきたい」

「注視する」という言葉ほど、ナンセンスなものはありません。最近姿を見せない安倍首相も良く使います。

多くの都府県で、そして日本中で感染者数が過去最高を更新していますが、国は思考停止状態です。
第1波のときに経済を止めた副作用が、よほどトラウマになったのか。きっかけがつかめず、固まっています。

日々の数値で一喜一憂せず、直近1週間の平均値で全体的な傾向を把握すべきだ、という意見も出ています。
科学的(統計学的)評価を行う意味では、その通りかもしれませんが、私はその意見は誤りだと思います。

感染は間違いなく拡大しているのですから、緊張感や危機感をそぐことは、国民の利益にはなりません。
インパクトのある数字を、わざわざ小さく見せようとすることに、かえってうさん臭さを感じてしまいます。
そうでなくても、日々発表されるのは2週間前に起きた感染実態の結果です。すでに遅れた数字なのです。
それなのに、感染者急増が目立たないように、なだらかに増えているように見せたい理由って、なんでしょう。

不都合なデータは解釈を変えてでも矮小化するのが、日本の政権や官僚の常套手段です。
しかしどのように小細工を弄しても、感染者数や患者数をごまかすことはできません。
無意味に冷静を装う政府よりも、日々の数値に一喜一憂する国民の方が、よっぽど正直な態度だと思います。

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人の移動とクラスターで、状況は一変するってことですね
- 2020/07/28(Tue) -
多くの府県で、新型コロナの最多感染者数を更新しています。何よりも熊本で大幅に増えているのが怖い。
熊本県北部では複数のクラスターが発生し、さらに熊本市内でも感染者が急増しています。
これだけ暑くて湿度も高い日々が続いているのに感染拡大が続くって、どういうウイルスなんですか。

大西一史市長は、危機意識を市民に抱かせるためでしょう、昨夜次のようにツイートしました。

「今日の感染者が熊本市で過去最高の6名となりましたが、この数字は人口が熊本市の約20倍の東京都に置き換えると120名となります。本日の東京都の感染者数が131人ですから人口割ではほぼ同じ規模の感染者が出たということになります。そうイメージしてみると今の熊本市の状況は大変厳しい状況なのです。」

熊本「市」と東京「都」を比較するってどうなの、と最初は思ったのですが、あながち間違いでもなさそう。
昨日の熊本県(人口174万)の33人は、今日の東京都(1400万人)の266人にピッタリ一致します。

直近1週間の人口10万人あたりの感染者数では、熊本県は全都道府県の11位まで上がっています。
ひところは大人しかった熊本ですが、人の移動+クラスターで、あっという間に状況が一変してしまいました。

全国の感染者数の推移のグラフを見るとあらためて、よくこのタイミングでGo Toを始めたものだと思います。
この4連休の2週間後に何が起きるのか。「来月は目を覆うばかりの状況」という予言が的中しそうで恐ろしい。

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「安楽死」については、議論を避けるわけにはいきません
- 2020/07/25(Sat) -
京都で起きた「嘱託殺人」事件は、どんな理由があったとしても、決して許されることではありません。
「安楽死」は、短いブログで触れるにはあまりにも重いテーマですが、知らんぷりするわけにもいきません。
少し主題がずれますが、延命措置の中断について、かつて私が心臓外科医として経験した範囲で考えてみます。

一般に、延命措置を中断すれば死亡する患者さんは、世の中におおぜいいます。それは難病に限りません。
たとえば重症の新型コロナ患者に装着されたECMOや人工呼吸器も、それなしには生きられない延命手段です。

急性疾患で、その急場さえしのげれば明るい見通しがあるなら、延命措置を講ずることに異論はないでしょう。
しかし急病でも、回復は難しいと感じながら延命治療を続けることが、実際の臨床現場ではとても多いのです。
高度な医療を提供してもなお容態が改善しなければ、医療がどんどん濃厚になり、キリがなくなっていきます。

たとえば心臓手術後に全身臓器機能の回復が思わしくなくても、簡単には諦めず、高度な医療をつぎ込みます。
気がつくと、ECMOや透析回路が装着され、血液製剤が湯水のように投与されつづける事態になります。

助かる見込みがゼロではないなら、可能な限り治療を続けようという思いが、誰の胸に内もあるからです。

その努力が実って、奇跡的に回復に向かい始めると、皆が手を取り合って喜ぶほどの幸福に包まれます。
しかしその反対に病状がどんどん悪化すると、やってるコトがすべて時間稼ぎのように、虚しく思えてきます。

多臓器不全やDICや低酸素脳症等の合併症が起きてもなお、懸命に救命措置を続けますが、ほぼ、負け戦です。
このままでは数日で心臓が止まるだろうと、わかってきます。もしも装置を止めれば心停止は、数分以内です。
主治医も家族も引き金を引けず、治療を変えずに見守ることを選択し、この状況がさらに何日か続くのです。

そんな時、私は思っていました。何も意思表示できない患者さんは、実はすべてをお見通しなんじゃないかと。
主治医や家族が自分のベッドを取り囲んで喋っていることを、黙ってぼんやり聞いているんじゃなかろうかと。
だからどのような病状にあっても、私は枕元では、絶望的なことは口にしないように気をつけていました。

今日ここに書いた延命措置にかかわる問題は、今回起きた安楽死問題とはまったく、次元の違う話です。
ですが共通することがあるとすれば、それは「希望」と「絶望」です。この機にじっくり考えたいですね。

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夏風邪が増えてきたタイミングでコロナの第2波って、困る
- 2020/07/24(Fri) -
テレビで映画『バットマン』シリーズをやっていたので、一部を観てみました。
こういう、原作がコミックの映画って、男女で好みが分かれますよね。少なくともわが家では、そう。

映画の冒頭ではいつも、ワーナーのマークが黒くグニュっと変形して、バットマンのエンブレムに変わります。
それを見ると私は必ず連想してしまうのです。口腔内の診察所見を。
上に口蓋垂(こうがいすい=のどちんこ)、下に舌が、それぞれ2つずつ並んでるように見えてしまうのです。

舌はともかく、口蓋垂が二股に分かれている方なら時々見かけます。それほど珍しくはありません。
先っぽだけが割れている「逆Y字型」と、ほぼ根元から分かれている「逆V字型」がありますね。
分かれているので先は細く、「あー」と言ってもらうと、激しくビロビロと震えます。

臨床的に有意義なのは、口蓋垂よりもその付け根にの部分「軟口蓋(なんこうがい)」の病変です。
高熱が出て、軟口蓋に白い痛そうな発疹があれば、「ヘルパンギーナ」という病気です。いま増えています。
口腔内所見が特徴的で頻度も多い病気なので、夏になると当ブログでもしばしば取り上げてきました。

発熱してすぐに来院したお子さんの場合、ヘルパンギーナの発疹はまだ赤い水疱の状態のことがあります。
その段階では痛みも軽く確定診断を付けにくいのですが、翌日には発疹が潰れて白くなり、強く痛みだします。

いわゆる夏風邪の方が増えてきましたが、今年はどうしても、風邪症状の方には余計な心配がありますよね。
のどの発疹で確定診断がつけられるヘルパンギーナのような疾患は、コロナが確実に否定できるので安心です。

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「コロナパーティー」の愚は、他の感染症でも同じこと
- 2020/07/14(Tue) -
「新型コロナパーティー」の参加者がコロナに罹って死亡したというニュースが、米国から伝えられました。
テキサス州だけでなく、どうやら米国内のあちこちで似たようなパーティーが開催されているようです。
馬鹿げたゲームか、肝試しのような要素もあったのか、ともかく無謀な行為によって命を落としたわけです。

目的は異なりますが、本気で感染症に罹るための「パーティー」なら、世界中で行われて来ました。
代表的なのが「水痘(水ぼうそう)パーティー」。おたふくかぜや麻疹でも、同様のパーティーが存在します。

反ワクチンの人はともかく、予防するよりも罹った方が良いと信じている人には、考えを改めていただきたい。

たとえば、感染したら100%死ぬ伝染病があるとしたら、もちろん、誰も患者には近寄りませんよね。
では、致死率50%の病気ならどうでしょう。敢えて感染者と接触して免疫を付けたいでしょうか。まさかね。
となると、死亡率が何%ぐらいの病気なら、わざわざ感染するためのパーティーに参加したいですか?
私なら1%でもイヤですね。予防法があれば予防したい。ワクチンがないのなら、極力感染しないようにする。

水痘は、死亡率は高くありませんがゼロでもありません。感染すると将来帯状疱疹を起こすこともあります。
おたふくかぜは、髄膜炎などの併発症のほか、難聴を起こすのが問題。毎年数百人の聴力が失われています。
麻疹は、希に治癒後十年以上経ってSSPEという病気を発症することがあり、これは生命予後の悪い難病です。

これらの感染症に、わざわざ感染するためにパーティーに参加する理由が、どうしてもわかりません。
罹った方が「良い」免疫が付くと言うのなら、その良い免疫を付けたら何か良いことでもあるのでしょうか。
まさか、2度目の感染を防ぐためでしょうか。1度感染してでも2度目の感染を防ぎたい理由は何でしょう。

いくら考えても、私には理解できません。コロナも同じです。まずは、1度目の感染をしないことです。

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接触は最小限にしたいですが、やはり学校検診に聴診は必須ですね
- 2020/06/23(Tue) -
今年度、某小学校の学校医となり、新型コロナで延びていた内科検診を、ようやく今日行うことになりました。
確保されている時間と児童数を考慮すると、1時間あたり100人のペースで検診する必要があります。
初めての学校検診なのでペース配分が全くわからず、とりあえず1人30秒を目標としました。

児童は全員マスクを装着。間隔を開けて縦に並ぶので、最後尾が廊下のどこまで続いているのかわかりません。
私はフェイスシールドとマスクを装着。顔が暑い。ガウンやキャップや手袋は、今回は使いませんでした。

さて、子どもに挨拶して、姿勢と顔色を見て、上肢や躯幹などの皮膚を見て、胸郭を見て聴診したら30秒です。
打ち合わせでは、児童との接触を最小限にするため、問診等に異常がある子だけ聴診することにしていました。
しかし、症状を伴わない心雑音は、検診の時に聴いておかなければ誰も気づかないと、思い直したのでした。

小学生になって初めて聞こえる心雑音は、多くの場合は心臓に異常の無い「無害性心雑音」です。
今日は、明らかに無害性と思える子はスルーして、ある程度大きな音量の場合にのみ「要精査」としました。

「検診で初めて心雑音を指摘されました」と、当院を受診する小中学生のお子さんが、日頃から時々います。

聴診して必要と思えば、心エコー検査で心房中隔欠損や肺動脈弁狭窄等のチェックをすることになります。
そんな成り行きになると、「心雑音」という言葉に重大な響きがあるので、保護者の方はとても心配されます。

でもご安心を。ほとんどのお子さんの心雑音は無害性で、それがよく聞こえる原因はたいてい貧血です。
エコーは夏休みなどに行いますが、それまでに貧血を治せば、検査の頃には心雑音は小さくなってしまいます。

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新型コロナには、まだ日本人はほとんど感染していないということ
- 2020/06/16(Tue) -
厚労省が今月行った、新型コロナウイルスの抗体検査。待ちに待っていた陽性率は、東京で0.1%ですか。

先月の500人の検査では、微妙に納得のできる陽性率0.6%が出ましたが、今日の0.1%はちょっと意外でした。
都民のほぼ全員(99.9%)は、まだ新型コロナに罹っていない=今後罹る可能性がある、ということですから。

ただ、東京の検査対象者1,971人というのは、まだ少ないと思います。だって、陽性者はたったの2人ですよ。
これはまだ、偶然の入り込む余地がありあますね。やはり東京だけでも1万人調べなきゃ。
それと比べると、大阪の2,970人のうちの5人は、多少信頼感があります。
他社の(未承認の)検査キットを使うと、東京1.07%、大阪1.25%だったとか。はて、何が正しいのやら。

なんにしても、どうして東京・大阪で1万人ずつ調べるぐらいの規模にしなかったのでしょう。
まあいずれにせよ、99%か99.9%は未感染なわけで、結果的な意味合いは同じかもしれません。
ほとんどの国民が未感染と言うことが改めて判明したわけで、感染するのはこれから、ということです。

他国の抗体陽性率を見ると、ニューヨーク州は12.3%で、ストックホルム7.3%、イングランドは6.78%。
欧米諸国は日本とはレベルが違います。逆に言うなら、日本はよくもまあ感染を予防できてますね。
あるいは、日本人は感染しにくい何か特別な要因があるのかもしれません。

ところで、抗体検査による感染率は、検査対象者の集団によってだいぶ異なるはずです。
一般市民に対してが今回のデータとしたら、医療従事者や夜の街では、もっと高い陽性率が想定されます。
医療従事者にとって自分が抗体陽性かどうかは、単に興味の問題ではなく、今後の仕事に大きく影響します。
国の施策で、医療従事者の全員調査をぜひ、お願いしたいものです。万一陽性なら、すごく気が楽になるので。

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「夜の街」の感染制御が最後の課題か
- 2020/06/15(Mon) -
東京都の新型コロナは、昨日47人に急増したのを我慢していたら、今日は48人。厳しいとこ突いてきますね。
これが100人、200人なら諦めもつきますが、ジリジリと増やされたのでは、身動きもとれません。

本来なら再び警戒を強めるべき事態ですが、不思議と世間は、まあ待て慌てるなという落ち着いた雰囲気です。

「夜の街」の関係者や院内感染が大半を占めており、「御しやすい」状況と考えられるからかもしれません。
しかもホストクラブでの集団検査の結果が多く含まれており、必ずしも感染急拡大ではないとも解釈できます。

たしかに、怪しい場所は調べれば調べるほど陽性者が出て、見かけの感染確認者数は増えるでしょう。
小池知事も、「確認できているという点で、むしろ確かな数字になってきている」と開き直っています。
ですが逆に言うなら、検査が不十分のために、これまでの感染拡大を許してきた面もあるということです。

結局のところ、検査の網を広げることこそが、やはり感染症対策の王道なのでしょう。
ガンガン検査して、しっかり隔離して、非感染者が経済を回す。それが正解なのかもしれません。

ただし、夜の街で真面目に集団検診を受ける店は例外的で、むしろ闇営業や感染者の隠蔽が懸念されます。
「ウィズ・コロナ」の時代に、対面でなければ成立しない「接客業界」の感染制御はとても難しいですね。
治療薬とワクチンで、早く「アフター・コロナ」の時代にしてもらいたいものです。

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理論的には効く薬でも、治験でうまくいくとは限らない
- 2020/06/13(Sat) -
「二重盲検法」という言葉を昨日書いたのを機に思い出した、昔(大学病院勤務時代)のエピソードを2つ。

心臓手術中の心筋を保護する作用が期待された、某製薬会社が開発した新薬の治験に、私が関わりました。
薬には通し番号が振ってありますが、それが本来の薬なのか、偽薬(プラセボ)なのかは区別できません。
区別できないまま、手順通り手術中の患者さんに投与し、さまざまな臨床データを記録して会社に渡します。
患者も医者も会社の担当者も、偽薬かどうかは分からずじまい。知っていたのは会社の解析担当者だけです。
その厳格な二重盲検法に則った比較試験によって結局、薬の有効性が統計学的には証明できず、開発は終了。
理論的には有望な薬でも、試験のデザインが悪くて有効性が立証できなかった、不幸なケースかもしれません。

心臓手術中の循環動態を安定させる作用があると考えて、某医師がある既存薬の臨床研究を行っていました。
薬は某技師が手術室内で調合し、その日の担当医師に手渡します。偽薬の場合は生理食塩水が手渡されます。
医師はそれが偽薬かどうかを本来なら知りませんが、技師の調合作業をチラ見すると、だいたいわかります。
結果、効果判定にも微妙なバイアスがかかり始め、その薬の有効性が立証される結果となりました。どうもね。
このような、結果ありきで立案・実施されたニセ盲検臨床研究もあるので、論文を読む側も注意が必要です。

ところでアビガンの治験方法は、医師が偽薬を知った上で使う「単盲検」。そこに微妙な怪しさを感じます。
しかもそれにもかかわらず、「良い」中間解析結果が出なかったようで、先行きはまったく不透明ですね。
よほど劇的に効く薬じゃないと、統計学的に有意な有効性が出ないのが、コロナの難しさなのかもしれません。

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アビガン、期待しすぎない方がいいかも
- 2020/06/12(Fri) -
日本発の薬が世界の新型コロナ治療に使える! と一瞬胸を張ったアビガンですが、なかなか承認されません。

「アビガン飲んだら熱が下がり始めた!」「飲んだ翌日から味覚が戻った!」
効果を実感した有名人がSNS等でアビガンを褒め称えるので、みんなの期待感が高まるのは当然です。

しかし、彼らの症状が改善したとしても、それはアビガンが効いた証拠にはなりません。
「アビガンを飲んだ」→「味覚が戻った」という、前後関係を述べているに過ぎないからです。
ちょうど病状が軽快し始める時期に、たまたまアビガンを飲んだだけなのかもしれません。

前後関係を因果関係と混同するのは、とくに日本人にはよくある考え方ですが、科学的ではありません。

偽の薬(プラセボ)であっても、特効薬だと思って飲んだら「効いた」と感じるのが「プラセボ効果」です。
アビガンを飲んだ有名人の場合も、プラセボ効果ではなかったという保証はありません。
元々の、新型インフルエンザ用の薬だけどコロナにも良く効くらしい、という前評判が高すぎたのです。
日本で開発された薬だから応援したいという気持ちが、余計に期待感を増幅した可能性もあるかもしれません。

アビガンを医薬品として使うためには、プラセボ効果を除外できるようなルールに則った証拠固めが必須です。

本来であれば、患者も医者もプラセボかどうか区別できない「二重盲検法」による治験を行う必要があります。
しかし現在行われている第3相臨床試験は、やや厳密さに欠ける「単盲検ランダム化比較試験」とのこと。
まあそれでもいいですけど、幸か不幸かコロナの患者数が減っていて、治験に時間がかかっているようです。
当初もくろんだ5月中の薬剤承認は無理でした。それどころか、今月中の目標症例数到達も難しそうだとか。

やがて治験が終了し、しかしアビガンは効かないということが判明しても、私は驚きません(落胆はします)。

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次亜塩素酸ナトリウムの使い途は、濃度しだい
- 2020/06/07(Sun) -
「次亜塩素酸水」の噴霧がダメだと昨日は書きましたが、今日は似て非なる「次亜塩素酸ナトリウム」の話。

家庭用「ハイター」の成分でもある次亜塩素酸ナトリウムは、間違いなく有効かつ強力な消毒薬です。
どんな病原体でも消毒できるので、医療現場で使う消毒薬としては最強の部類です(濃度によりますが)。
刺激が強いので、さすがに手指消毒には使えません。用途に応じて水で薄めて、モノを消毒するのに使います。

希釈すると時間とともに濃度が下がるので、当院では、その日使う消毒薬は毎朝始業時に希釈調整しています。

嘔吐物等で汚染した床などの消毒には0.1%、ソファーやドアノブ等には0.02%の希釈液を使います。
作製に使う原液は2%なので、前者は20倍、後者は100倍に希釈して、何本かの噴霧ボトルに詰めておきます。
もったいないようですが、使い残したものは夕方にはすべて廃棄します。原価の安い薬だからできることです。

この薬はしかし、私はニオイが嫌いです。たぶん誰もが嫌いでしょう。使用したらすぐ換気したくなります。
ただし、トイレや汚物処理室などは別。若干の塩素臭が残るぐらいが、むしろ信頼感があって安心ですね。

塩素臭があるのはプールの水も同じ。次亜塩素酸ナトリウムの消毒が効いている証拠です。
プール熱」や胃腸炎など、子どもたちの間で広まりやすい感染症を防ぐためには必須の消毒法です。
さらに言うなら水道水だって、浄水場で次亜塩素酸ナトリウムが混入され、蛇口まで塩素が残留しています。

そう言えば、子どもが下痢してるときの風呂はどうすべきかと、よく質問を受けます。浴槽の汚染の問題です。
できれば、下痢の子は浴槽に入れないこと。入れるならお尻を良く洗うこと。浴槽はあとでよく洗うこと。
あ、プールと同レベルの残留塩素濃度になるように、浴槽に適量のハイターを入れて入浴したらどうなんだろ。
もちろん、やめといた方がいいです。

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次亜塩素酸水の噴霧は、コロナに有効か無効かという以前に有害
- 2020/06/06(Sat) -
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が先週公表した新型コロナの消毒方法が、波紋を呼んでいます。

コロナ対策としてよく使われている「次亜塩素酸水」の噴霧は、やはり有効性が確認されませんでした。
でしょうね。そもそも「空間除菌」なんてこと自体が、うさん臭いものですから。
どのような薬剤であれ、私はその霧状の薬液を、自分の肺にダイレクトに吸い込みたいとは思いません。

NITEが公表する以前から、WHOは以下のように言ってました。
・消毒剤の噴霧やミスト散布による環境表面への日常的な使用は、COVID-19については推奨されない
・消毒剤を人体に噴霧することは、肉体的にも精神的にも有害である可能性があり、推奨されない

精神的にも有害だというところが面白い。そもそも人に薬を振りかけるな、ってことですかね。
ともかく、薬を噴霧したところで接触感染も飛沫感染も防げませんよ、というのがWHOの見解です。

厚労省も以前から同様の見解のはずなのですが、しかし現実には次亜塩素酸の噴霧がまかり通っています。
怪しげなメーカーの噴霧器や加湿器だけでなく、パナソニックも空間除菌脱臭機に力をいれています。

今回のNITE報告を受けて、さすがにパナソニックはすぐに釈明情報をサイトに出しました。曰く、
・当社の空間除菌脱臭機は、環境基準より低い濃度の次亜塩素酸を放出しています
・動物実験によって、安全性の評価を行っています
・当社としてはコロナウイルスに対する効果は検証しておりません

コロナに効くかどうかは知りませんが、ともかく低濃度にしているので大丈夫、てわけですか。なんとも。

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有望なワクチンの登場こそが、新型コロナ終息の決め手かも
- 2020/05/19(Tue) -
新型コロナウイルス感染は、一時的な「収束」と「第 n 波」を繰り返して、いつか「終息」するのでしょう。
自然感染かワクチンの接種によって、国民の6割が免疫を獲得することで集団免疫が確立すると考えられます。
でも国民の6割がコロナに罹るまで待つのはイヤですね。早くワクチンが開発されることを祈るばかりです。

米国モデルナ社が開発中のワクチンが、臨床試験(治験)の第一段階で有効性を確認されたと報じられました。
第一段階といえば、本来はワクチンの安全性を確認するものなので、ずいぶん前のめりな評価に驚きます。
被験者45人全員で、コロナ感染後に回復した人と同程度の抗体が獲得できたようで、なかなか有望です。
早ければ、米国内では来年1月に実用化されるとのこと。日本でも来年中には使えるかもしれません。

ちょっと前までは、ワクチンができるまでには1年半かかると言われていただけに、これは朗報です。
想定以上に「コロナ医学」が進歩するのは、世界中が危機的状況で火事場の馬鹿力が出ているのでしょう。

日本でワクチンが接種できるようになった場合、厚労省にはくれぐれもお願いしたいことがあります。
それは新型インフルエンザのときみたいな、妙な接種制限を作らないことです。あれは失策でしたからね。
お役人の机上の空論と柔軟性のなさが災いしてワクチンの接種が滞り、流行を食い止められませんでした。

今度はできれば最初のうちは「法定接種」にしていただきたい。原則として国民全員接種。もちろん無料。

日頃インフルエンザワクチンは打ってない人でも、コロナワクチンは接種しましょう。
自分の感染防御だけでなく、集団免疫を成立させるという重要な目的が、このワクチンにはあるからです。

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抗体検査はもっと精度を高めないと、誤った情報をもたらすかも
- 2020/05/15(Fri) -
東京の献血者の血液で新型コロナウイルスの抗体検査を行ったところ、0.6%が陽性だったと厚労省が公表。

これを聞いてワイドショーの方々は、「やっぱりそれぐらいいる」だの「まだまだ少ない」だのと言ってます。
単純に東京都の人口に当てはめれば、感染者は約8万人ということになります。そこそこ納得できる数値です。

しかし残念ながら、たった500人という小規模の調査では、統計学的には何の意味も無い気がします。
500人のうち3人が陽性というわけですが、たった1人増えるかどうかで大違い。3人なんて誤差範囲です。

おまけに、昨年1〜3月の関東地方の血液で調べて、も500人中で2人が陽性だったというじゃないですか。
まだ武漢でも患者が発生していない時期の血液ですよ。この「偽陽性」の多さは何ですか。

こうなるともう、この検査キットで感染率を云々することは、無理なんじゃなかろうかと思えてきます。
厚労省は、1万人規模の抗体検査を計画中だと言いますが、同じ検査方法でやるのなら、やめた方がいい。

いま、PCR検査や抗原検査の「偽陰性」が問題になっていますが、「偽陽性」が多いのも大問題ですよ。
もしかすると抗体検査は、臨床現場で使うのではなく、疫学調査としての利用に限定すべきかもしれません。
となると、疫学調査なら結果は急がないので、迅速検査ではなくIgGを定量すれば良さそうなものです。

今後行われる1万人の抗体検査の結果、感染率はせいぜい、0.5%か1%か、せいぜい2%程度でしょう。
日本人のほとんどはコロナ未感染だと判明し、改めて長期戦を覚悟する、そういうデータになりそうですね。

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東京はもしかすると収束の兆し? でも終息ではありませんので
- 2020/04/27(Mon) -
東京都で、新たに確認された新型コロナウイルス感染者数は39人。40人未満は約1カ月ぶりとのことです。

最近の経過を見ると、新たな感染者の数は明らかに減っています。ここは難癖をつけず、素直に喜びたい。
日頃、状況を厳し目に捉えている私も、この減少傾向はあながち誤差ではなさそうだと考えています。
なんならこのままどんどん減少して、新型コロナはいったん「収束」するかもしれないとさえ思っています。

ただし、勘違いしてはなりません。集団免疫が成立して、感染が「終息」したわけではありませんから。
外出自粛や3密の回避、マスクや手洗いが奏功して、感染拡大が一時的に抑え込めているだけの話です。

都民のほとんどが未感染のはず。気を緩めたらあっという間に、感染は再拡大し始めることでしょう。
つまり、外出自粛をこれからも延々と続けなければ、このような少ない感染者数は維持できないのです。
それがどのぐらいの期間かはわかりませんが、半年程度では済まないでしょう。

明日以降の東京都の感染確認数が激減したら、都民のみならず日本中で、自粛ムードが緩む危険があります。
そして2週間ぐらいしたら、また感染者が爆発的に増え、あわてて自粛ムードが高まる。
しばらくして、感染者数がピークを越えて収束してきたら、また自粛ムードが弱まる。以下繰り返しです。

熊本県内の学校はみな、来月末までの休校が決まりそうですが、来月下旬に状況が好転している気がしません。
夏休みまでずっと、休校が続くかもしれません。子どもたちとその保護者には、もう災難でしかありません。

新型コロナが経済に及ぼす影響に目が向きがちですが、教育や文化活動への悪影響も甚大です。
もちろん、医療への影響は言うに及ばず。癌やその他の病気の手術が遅滞しており、もう大問題なのです。

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無症状の感染者がとても多そうで、なかなか手ごわい病気です
- 2020/04/24(Fri) -
ニューヨーク州で、無作為に選んだ3,000人のうち13.9%で、新型コロナウイルス抗体が確認されたとのこと。
これが正しいなら、ニューヨーク州ではすでに270万人が、すでに感染していたということになります。

ほら、やっぱりね、というのが私の第一印象。調査の正確性には検証を要しますが、なかなかの感染者数です。

日本とは異なり、医療費がかかるから病院を受診しない感染者も多い、という背景はあるかもしれません。
しかしそれにしても、無症状の患者がとても多いことが、この感染症の重大な特徴のように思えてきます。

感染力は高いけど、感染してもほとんど無症状。一部が発症し、その一部が重症化し、一部は急に重篤化する。
市中感染が広がりやすく、感染者数がとても多くなるので、重症者も死者もそれなりに増えてしまう。

発症者とその濃厚接触者をPCR検査する日本の方法では、多くの感染者を見逃すことは間違いありません。
一方で今回行われたような抗体検査は、治療には直結しませんが、流行の全貌を把握することには役立ちます。

既感染者の割合が徐々に増えて、地域住民の50〜80%が免疫を獲得したら、集団免疫が成立するのでしょう。
残念ながらニューヨーク州ですらまだ14%ですが、大事なのは、これを50%までもっていくやり方です。

まだオーバーシュートに至っていない東京でも、油断したらニューヨークの二の舞です。
地域医療が追いつける程度のスピードで徐々に徐々に感染者を増やすという、きわどい管理が必要でしょう。
流行のピークを遅く低くするという当初からの戦略は、もしかすると年単位で、続ける必要がありそうです。

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本当の死者数と本当の感染者数が知りたい
- 2020/04/23(Thu) -
岡江久美子さんが、新型コロナウイルス感染による肺炎で、亡くなりました。
よく知っている人(もちろん、一方的に知ってるだけですが)だけに、コロナの恐ろしさを身近に感じます。
志村けんさんよりも私の年齢に近いので、よけいに深刻であり、ショックです。
これを機に、感染を広げないための国民の行動変容が加速することを祈るばかりです。

ところで、有名芸能人が2人も亡くなったのに、国内死亡者数が全部で約300人というのは少し不自然です。
もしかすると、新型コロナ感染とはわからぬまま亡くなっている人がたくさんいるのかもしれません。
さらに言うなら感染者数も、報告されているよりも何倍も何十倍も多い可能性を考慮しなければなりません。

昨日も少し触れたように、慶応大学病院が発表したPCR検査の結果は、その可能性を裏付けるものです。
新型コロナとは別の疾患の患者に行った、新型コロナのPCR検査の陽性率が、約6%もありました。
67人中4人陽性という少人数での集計であり、統計学的な信頼性はいまいちですが、十分に衝撃的です。
入院前の検査なので、これは市中感染率に近い数値と考えられ、いまの東京の実情を反映するものでしょう。

しかし6%で驚いてはいけません。PCR検査の感度が、70%とかそれ以下だとも考えられているからです。
仮に感度が60%とするなら、本当の感染率は6%ではなく10%と解釈すべきです。
となると、現在東京都内では、少なく見積もっても130万人以上が感染していると推定できます。
すでに治癒してPCRが陰転している人も多いとすれば、既感染者は数百万人規模かもしれません。

ここはぜひ、全国各地でIgGを抽出調査して、地域ごとの既感染者の総数を推計してもらいたいものです。
正確な数値がわからないと、「正しく怖がる」ことなんてできませんから。

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緊急事態宣言が出なくても、最悪の事態を想定して準備あるのみ
- 2020/04/05(Sun) -
今日は143人も増えました。でもまだ飛躍的な増加とは思わないのか、安倍首相の躊躇は続いているようです。
東京の感染者の増え方が、もう、爆発寸前のような気がします。ニューヨークの状況が他人事に思えません。

3週間前の米国が、ちょうど今の日本と同じ3千人台の感染者数でしたが、いまや30万人を超えています。
ある程度増えてしまうと、いきなり爆発的に増えてしまうのが、指数関数的な増加の恐ろしさです。

感染者数の推移のグラフでは、急峻な立ち上がりの欧米各国とは異なり、日本は比較的なだらかに見えます。
しかし、日本のカーブの立ち上がりは、単に後ろにずれただけであることを、よく考えておかねばなりません。
日本における感染症対策がそれなりに奏功して、当初の目論見通り、流行のピークが遅れているのです。

感染のピークを遅らせることはできましたが、結局ピークは来ます。そしてそのピークはこれからです。

ニューヨークの混乱を教訓にさせていただき、同じ轍を踏まぬよう、準備を進めなければなりません。
まだ少し猶予があるとするなら、この時期を最大限に生かさなければ、日本も大惨事を迎えるということです。

軽症者の隔離場所や重症者用の集中治療病床のほかに、人工呼吸器とECMO装置とその要員の確保も重要です。
たとえばECMOは国内に約1400台あるのに、要員不足のために300程度しか使えないといわれています。

ECMOは心臓外科手術に用いる人工心肺装置の簡略版です。心臓手術ができる病院ならその運用人材もいます。
その導入時には、医師や臨床工学技士や看護師など、心臓手術を行う時ぐらいの10人程度のチームが必要です。
しかし、ひとたび稼働すれば、1台管理するのも3台並べて管理するのも、必要な要員はそれほど変わりません。
なので、同じ施設にECMOを集約して集中管理するのであれば効率よく運用できるはず、と思うんですけどね。

人工呼吸器さえあれば、ECMOさえ導入できれば、と悔やむことのないように、とにかく準備しましょう。
東京がニューヨークになるまで、まだ2,3週間はあると思うので。

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すでに感染して、治って、十分な免疫を持っている体になりたい
- 2020/04/03(Fri) -
新型コロナウイルスは「瀬戸際が継続している状況」だそうです。まだ感染者数が足りないのか。

いま院内感染が大問題です。病院が大規模なクラスターになるケースが相次いでいます。
しかし北九州市の病院のように、外傷で救急搬送された平熱の人が入院後に発症することなど、想定困難です。

すべての来院者が感染している可能性があると疑って用心して診療するにしても、限度があります。
生活習慣病の方にも全員マスク着用をお願いしたいところですが、マスク不足を考慮すると無理は言えません。

自分も感染している可能性があるという前提なら、他人と接する時は誰でも必ずマスクを装着すべきです。
熱や倦怠感や風邪症状があるなら、仕事は休むべきでしょう。これは医療従事者であろうとなかろうと同じ。

重症者を優先的に治療するため、軽症・無症状感染者は自宅や宿泊施設で療養を行うことになりました。
日本の新型コロナ医療も一歩前進です。ひとまず良かった。これで医療崩壊が先延ばしできそうです。

こうなれば、ウイルス検査数をもっと増やして、感染者かどうかをどんどん調べていく方向に転ずるべきです。

できれば、面倒なPCR検査ではなく、インフルエンザのような迅速検査ができるようにもしてもらいたい。
例えば中国製のキットが研究用として輸入されているようです。少量の血液で、わずか15分で結果が出ます。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の免疫抗体「IgM」と「IgG」の両方を調べることができます。

「IgM陽性」であれば、いま新型コロナに罹ってるということです。これが15分でわかるのは助かります。
「IgG陽性」なら、過去に感染してすでに免疫を持っており、もう感染しないということを意味します。

医療従事者としては、この両者をすぐ調べたいものです。「IgM陽性」の無症状感染者だったら困りますから。
逆に自分が「IgG陽性」だとわかれば、もう何も恐れず心置きなく新型コロナ診療ができるんですけどね。

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こう言っちゃナンですが、いちばん守るべきは子どもでしょう
- 2020/04/02(Thu) -
東京だけでなく熊本でも、大型連休明けまでの休校延長が決まりました。子どもも家庭も大変だと思います。

そんな中、当院近隣の楠小学校のiPadを使ったネット授業が、今日の全国ニュースで取り上げられていました。
じつは熊本市の全公立小中学校へのiPad導入プロジェクトは、2年前から始まっているようです。
生徒の自宅のネット環境に依存せず使える様に、LTE版(セルラーモデル)のiPadを選んであります。

休校措置が5月で終了するとは限りません。フランスみたいに9月まで休校になる可能性だってあります。
そのような長期戦の場合、iPad授業ができるというのは、とても大きな武器になるでしょう。

ところで悲しいニュースと言えば、福岡や山梨で0歳児の新型コロナウイルス感染者が出たことです。
そのうち山梨の女児は重篤な状況のようです。米国では、生後6週間の女児が死亡しました。
「低年齢の小児に重症の割合が多い」とする中国のレポートも、今頃になって報じられています。

子どもは新型コロナに感染しにくいと、ひと頃まで言われていた都市伝説は、崩れました。
となると、こう言っちゃナンですが、高齢者よりもむしろ幼小児の感染の方が、とても心配になります。

マスクはしないし、何でも口に入れるし、乳幼児をウイルスから守ることって、とても大事で難しい。
保護者の責任が重大ですが、医療機関でも、院内感染予防には最大限の配慮をしなければなりません。

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オーバーシュートより前に医療現場が機能不全に陥る、という予測
- 2020/04/01(Wed) -
「全世帯に2枚ずつ、布マスクを配布する」
安倍首相が今日、このように表明しました。マスクを1億枚確保して、5千万世帯に2枚ずつ送付するとのこと。
「一家に2枚」っていうのが、喜ばれるのか批判されるのか微妙な枚数ですが、まあゼロよりはいい。

そういえば今日は、他の閣僚らがサージカルマスクを着けている中で、安倍さんだけが布マスクでした。
それが配布予定の現物のようです。安倍さんにはサイズが小さくて、顎丸出しのちんちくりんでしたけどね。

まあ配らないよりはいいですが、それよりもまず、医療機関に配って欲しいですね。できればサージカルを。

医師会がときどき、医療機関にマスクを配布しますが、慌てて取りに行っても品切れだったりします。
市の中心部から離れている当院は、先着順システムには不利なのです。
明日は貴重な「N95マスク」が配られるようなので、当院職員が朝5時から並ぶ予定です(うそ)。

専門家会議は今日、「オーバーシュートの前に医療現場が機能不全に陥る」という厳しい見通しを示しました。

それでも安倍首相は今日も、「緊急事態宣言を出す状況ではない」と明言しました。
まさか、オーバーシュートが現実のものとなってから、おもむろに判断しようとしているのでしょうか。
拙速な決断によって、あとで批判を浴びることを恐れているのかもしれません。

いつも厳しい発言をする北海道大の西浦教授は、日本は欧州と同等の被害規模(死亡者数)になると言います。
それを少しでも食い止めるためには、早すぎるぐらいの先手を打つことが必要だと思うのですが。

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緊急事態宣言を出すなら、いまがラストチャンスかもしれません
- 2020/03/30(Mon) -
志村けんさんが、新型コロナウイルス感染に倒れました。懸命の治療もむなしく、亡くなられました。
年齢や元々の肺機能や肝機能等を考慮すると、ECMOによる救命治療はかなり厳しい状況だったと想像します。

TVへの露出が多い気さくな雰囲気の方なので、その死は国民にはとても身近に感じるものでした。
新型コロナウイルス感染症が、身近な人に悲劇を生む可能性があることを、国民は思い知らされました。
自分は大丈夫だろうとタカをくくることの誤りに、多くの若者が気づかされたかもしれません。

「これから1,2週間が瀬戸際だ」と言って、安倍首相が全国一斉休校を決断したのは1カ月前のこと。
その2週間はとっくに過ぎ、東京では感染がどんどん拡大しています。もう瀬戸際は過ぎてませんか。
それでも官房長官は今日も「ぎりぎり持ちこたえている」と言うばかり。ギリギリが長すぎませんか。

「今の東京は、2週間前のニューヨークと同じ」だと、最近よく言われます。
3/11のニューヨークの感染者数が216人に対して、その2週間後の3/25の東京が212人。
ニューヨークはその後、1週間ごとに10倍以上ずつ増え、いまや6万人に達する惨状です。
一方で東京は4日で2倍程度と、増加の勢いはまだ弱いですが、いずれ指数関数的に推移すると思われます。

つまり、いったん増加し始めたら爆発的に増えていきます。そうなってからでは、もう打つ手がありません。

パンデミック対策の目的を突き詰めるなら、できるだけ人を死なせないことです。
そのために、首都圏のロックダウンは奥の手ですが、社会的・経済的には重大な副作用をもたらす劇薬です。
しかしもう躊躇している場合ではないかもしれません。病が進行してしまってからでは、劇薬も無意味です。

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東京も熊本も、結局はオーバーシュートに向かっているのか
- 2020/03/28(Sat) -
東京のみならず熊本でも、この週末の外出自粛要請が出される事態となってしまいました。
「人混みを避け、不要不急の外出を避けるように」ということなので、私も自宅と職場を往復したのみです。

「密閉」「密集」「密接」が、イベントや集会で注意すべき「3つの『密』」ということになっています。

でも少し前までは表現が異なり、集団感染が確認された場に共通するのは、次の3つの条件とされていました。
(1)換気の悪い密閉空間
(2)多くの人が密集
(3)近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声

このうち(1)は「密閉」(2)は「密集」と短縮できても、(3)は短縮できずに中途半端でした。
ところが、誰が思いついたのか最近になって、(3)が「密接」で置き換えられました。これはナイス!

当院近隣の温浴施設がクラスターになりかけているようで、とても心配です。
クリニックの入口や予約サイト等には、現在次のように掲示しています。院内感染を防ぐためです。

・当該温浴施設を最近利用した方は、濃厚接触者の可能性があるので、当院では診療できません。
・熱や咳のある方は、院内での接触を避けるために、自家用車内でお待ちいただきます。
・当院ではPCR検査はできません。感染が疑われる方は、当院へは来院されないようにお願いします。

もっと流行が進むと、厳密に院内感染を防ぎながらの診療は、なかなか難しくなるかもしれません。
さらにオーバーシュートともなると、医療崩壊が危惧されるバタバタになるでしょう。
ちょうどよいペースで、ジワジワ流行してくれると良いのですが、そううまくはいかんでしょうね。

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普通の風邪で医療機関を受診するのは、「不要不急」な外出です。
- 2020/03/27(Fri) -
ニューヨークはいま、新型コロナウイルス感染のオーバーシュートで医療崩壊が起きています。
1台の人工呼吸器を2人で使うという、想像を絶することを行っているようですね。どんな工夫か知りたい。

日本でも、油断したらたちまち感染者数は指数関数的に増えますから、まったく他人事ではありません。
熊本県内の人工呼吸器は660台とのこと。オーバーシュートが起きたら、初日から足りなくなりそうです。

当院の来院者数は、今月はおおむね3〜4割程度減っています。
軽い風邪症状で受診するという「不要不急な外出」が控えられているようです。至極まっとうな考え方です。
新型コロナ終息後にもこの傾向が続いたとしても、たぶん気にしません。もともとそうあるべきなのです。

志村けんが、新型コロナ感染による呼吸不全で「ECMO(エクモ)」という装置を使った治療を受けています。
これは、心臓外科手術に使う人工心肺装置を簡略化して、人工肺として患者の肺のかわりを務める装置です。
装置を使っている間は、脳や心臓など重要臓器の酸素濃度を保ち、なおかつ自己肺を休ませることができます。
新型コロナウイルス感染の最重篤例では、救命のための最終手段、切り札として使うことになります。

ただし、ECMOは人工的な体外循環回路を使う関係上、強力な抗凝固治療が必要で、感染のリスクもあります。
循環動態や回路の状態を厳しく監視する必要があり、医師や看護師や臨床工学技士が張り付いて管理します。

ECMOは熊本県に19台あるそうですが、つまり、同時にECMO治療ができるのはたった19人ということです。
装置が足りなくならないように、新型コロナはとにかく流行のピークを低くすることが、なによりも重要です。

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日本国民の8割が感染するより前に、ワクチンの完成を
- 2020/03/23(Mon) -
新型コロナウイルス感染の「集団免疫」については、メディア側の理解が乏しいのか、報じ方が不正確です。

英国のジョンソン首相が「集団免疫戦略」を打ちだしたら批判を浴び、方針を転換した顛末がありました。
「じっと耐えて感染症の自然の成り行きに任せる」というのはたしかに、あまりにも無策で無謀でした。

しかし、成り行き任せではなく、感染拡大速度を制御しつつ集団免疫の完成を待つのなら、正しい戦略です。

なぜなら、新型コロナウイルス感染を終息させるための抑止力は、最終的には集団免疫しかないからです。
そして、人間が免疫を獲得する方法は2つ。実際にウイルスに感染するか、ワクチンを接種することです。

周囲のほとんどの人間が免疫を持っていれば、免疫を持っていない人間も、感染を免れることができます。
たとえば麻疹は、地域のワクチン接種率が95%以上であれば、集団免疫が維持され、大流行を抑止できます。
それでもときどき小流行が起きるのは、ワクチン接種率が低い集団の中で感染者が出た場合です。

新型コロナウイルス感染症も、国民の大多数が免疫を持ったら、それ以上の感染拡大は止まるでしょう。
専門家会議が「最終的に人口の79.9%が感染する」と言ったのは、8割が感染したら終息するという意味です。
残りの2割の未感染者は、周囲に8割も既感染者がいるので、新たな感染の機会が減るというわけです。

では、集団免疫が完成するまではどうすべきか。イタリア北部の流行例などを教訓にしなければなりません。
有効な隔離や適度な外出制限等を維持して、気を抜かず、感染拡大の防止に努めるしかありません。
医療が崩壊しない程度に感染者数を抑えつつ、日本国民の8割が感染するまで粘るということでしょうか。
できればそれよりも先に、ワクチンが完成してほしいものです。

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新型コロナとの戦いは長期戦。気を抜くとオーバーシュートが起きます
- 2020/03/20(Fri) -
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が昨夜、状況分析と提言を行いました。
それによれば、日本はいま「持ちこたえているが、一部で感染が拡大している」とのこと。
言い換えれば、「なんとか持ちこたえてきたけど、もう限界かも」というギリギリの状況かもしれません。

「オーバーシュート」という恐ろしい言葉も登場しました。患者が爆発的に増えた流行状態を意味します。
患者が多すぎると医療がパンクして、コロナだけでなく他の病気も含めて、十分な対応ができなくなるのです。
たとえばイタリアなどでこの状況が起きています。ヨーロッパの広い範囲が、該当するかもしれません。

医療従事者として、いちばん危惧するのは医療崩壊であり、その原因たるオーバーシュートを恐れます。

日本で医療崩壊が起きていないのは、検査数が少なくて、感染者が病床を埋めていないからだとも言われます。
その面は否定しませんが、日本の感染防御対策が奏功して感染者数が抑えられていることも大きいでしょう。

今後、気を緩めたらいつでもオーバーシュートがおきる可能性があり、その可能性はずっと続きます。
オーバーシュートが起きないように工夫すればするほど、流行は長期化するかもしれません。
提言でも、長期戦を覚悟する必要があると言っており、いったん収束してもぶり返す可能性に言及しています。

さらに提言では、「最終的に人口の79.9%が感染する」という可能性も、あらためて強調しています。
1億2600万人の79.9%は約1億人。私が予測したよりもずいぶん多いですが、十分考えられる数値です。

提言に従い、「密閉+密集+会話」をできるだけ避け、ともかくオーバーシュートを防がねばなりません。
その態勢をいつまで続ければ良いのか、まだわかりません。ともかく、長期戦であることは間違いないですね。

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朝晩の体温を測ることが、新型コロナ早期発見の第一歩です
- 2020/03/17(Tue) -
朝晩の検温は、いまや全国民が行っていると思いますが、当院職員も例外ではありません。
私の場合、起床時、出勤直後、午後、寝る前、の4回測っています。
では37.5度以上あったらどうするか。無症状で倦怠感もない場合は、とりあえず再検ですね。
でも何度測っても高ければ、これはちょっと大変です。

微熱があるのに診療したら、万一あとで新型コロナだと判明した場合、大問題になります。

群馬の70代の医師は、体調不良を押して診療を続けたものの、悔しいかな、コロナに倒れいまや重症。
ところが知事は、「体調不良と分かっていながら診療を続けるとは遺憾」だと、厳しく批判しています。
一方で、医師を擁護する意見も出ています。もう少し早く休診できなかったのか、事情を知りたいところです。

感染拡大を防ぐという意味では、医療機関に限らず、他人と対面で仕事する業種はすべて同じことです。
その中でも医師は、きわめて感染しやすい環境で必死に身を守りながら働く、難しい仕事をしています。

朝の検温で微熱があれば、念のためその日は臨時休診すべきかもしれません。
苦肉の策として、院長室にこもり、電話問診と処方や紹介状発行を行う診療でしのぐのも、アリでしょうか。
対面での診察や検査はできませんので、その際には、ご了承ください。

新型コロナウイルスには、1,2年のうちに国民の大半が1度は感染すると思います。そんな感染症です。
私もおそらく感染します。そのとき大事なのは、感染の早期察知と、その後の対応なのでしょう。
ただ、医者が体調が悪いぐらいですぐ休診できるのか、新型コロナ蔓延期には、考え方も変わるんでしょうね。

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新型コロナ迅速検査キットは、やはり早く実用化してもらいたい
- 2020/03/12(Thu) -
風邪と新型コロナウイルス感染症の初期症状は、ほとんど区別がつきません。
いま、軽い風邪では安易に医療機関を受診しないようにと言われていますが、そう単純にはいかないものです。
たとえば、高熱が出たり咳がひどい方は、発症の1日目か2日目には来院されます。
とくに周囲にインフルエンザや溶連菌感染などが出ている場合、早期診断早期治療を求めるのは当然です。

鼻咽腔から検体を採取するインフルエンザの検査では常に、医師がインフルに感染するリスクがあります。
日頃私は、マスクだけの防御で検査を行いますが、それはインフルエンザには罹らない自信があるからです。
ところが患者が新型コロナウイルス感染者だったら、そうはいきません。私は濃厚接触者となってしまいます。
北海道の医師も、インフルエンザの検査を行った際に、新型コロナに感染したことがわかっています。

いま私は、マスクのほかにゴーグルも付けて診察を行っていますが、検査の際の防御策としてはまだ不十分。
手袋やヘアキャップに加えて長袖のガウンも必要なのですが、これがなかなか手に入らず、院内在庫はわずか。
そのような完全防御ができない医療機関では、今後はインフルエンザの検査自体も控えなければなりません。

なのでインフルエンザは病状と状況証拠で診断して、検査はしないままで治療薬を処方することになります。
それが本当にインフルなら良いのですが、抗インフルエンザ薬が効かなければ別の疾患を疑うことになります。

来週、血液1滴で15分で判定できる新型コロナウイルスの簡易検査キットが、発売されることになりました。
今回はまだ研究用ですが、このような迅速診断キットが、早く臨床用に使えるようになってほしいものです。
もちろん、「新型コロナではない」ことを知って安心するために安易に検査を行うべきではありません。
しかし、適切な治療を早めに開始するためには、やはり診断は早いほうが良いですね。

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6月〜7月ごろにピークが来るという新型コロナの恐るべき想定
- 2020/03/11(Wed) -
「最悪の事態を想定して、医療提供体制を準備してもらうための、目安として示した」そうです。

厚労省が一昨日発表した、新型コロナウイルス感染のピーク時に予測される感染者数は、なかなかの数値です。
ちなみに流行のピークとは、経路が追えないくらいに感染が拡大した時点から「おおむね3カ月後」とのこと。

日頃から重大事案をなるべく矮小化して公表する傾向のある官庁にしては、なかなか激しい想定をしています。

熊本県だと、ピーク時には1日あたり6,020人の外来患者数ですか。入院は3,320人。だいぶ多いですね。
その日1日で済むわけではなく、ピーク前後数週間は、毎日千人以上の患者が出ると考えるべきでしょう。

日本全体だと、毎日新たに十万人以上が感染していくわけで、累計で1千万人は楽々越えそうな勢いです。
こうなるともう、現在と同様の診療態勢ではまったくさばききれません。考え方を変える必要があります。

感染者の隔離はあきらめ、軽症者も診療の対象とせず、重症者の治療にのみ集中する。それしかなさそうです。

結局のところ、蔓延期になってしまえば、新型コロナはもう、ただの風邪と同じ対処法になるわけです。
もちろん、ワクチンや治療薬が開発されるのであれば、それまで少しでも時間稼ぎをする意味はあります。

日本の今のPCR検査能力の不足が図らずも、病床が軽症者で埋まるのを防いでいる側面もあるわけです。

そんな折、「まずは100万人分のPCR検査を無償で提供する」とぶち上げた孫正義氏。
う〜ん、それをやると感染者数はある程度正確にわかるかもしれませんが、医療機関は大混乱でしょうね。
感染症病床が軽症者で埋まってしまい重症者の治療に支障を来たすのだけは、絶対に避けねばなりません。
孫氏も夜になって「評判悪いから、やめようかな」とトーンダウンしてますが、はたしてどうなるのやら。

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国内のクラスターが問題なのに、まだ「水際作戦」を強化する?
- 2020/03/05(Thu) -
新型コロナウイルスは、人類にとっては初モノのウイルスなので、

(1)全ての人類が、このウイルスには遅かれ早かれ一度は感染する。(ただし無症状の場合も多い)
(2)やがて集団免疫が働き、未感染者のまま経過する人も出てくる。(でもいつかは感染する可能性あり)

この春に感染を免れても、夏に感染するかもしれないし、結局いつかは感染すると覚悟しておきましょう。

大流行して医療崩壊を招くのを防ぐために、流行のピークを低くしようとするのは、正しい対処法です。
そのための、ありとあらゆる工夫を、遅ればせながら日本でも行いつつあります。

安倍首相は今日、いまさらですが、「中国と韓国からの入国者の待機要請」を表明しました。
もはや国内で次々に感染者が出ているいま、水際作戦の強化は遅きに失しているとの批判は当然でしょう。
それに、潜伏期が長く検査の偽陰性も多いこの感染症では、水際対策の難しさを、すでに誰もが知っています。

そんな中で、IOCのバッハ会長が今日、「予定通りの(東京五輪)開催を確信した」と述べました。
どうしてそのような、楽観的な発言を今あえてするのか。悲観的な気分の裏返しのようにも感じてしまいます。
「予定通りの開催ができるよう手を尽くしている日本を支援し、見守りたい」ぐらいにしとけばいいのに。

たしかにうまくいけば日本では、5月か6月頃には新型コロナウイルス感染の拡大が収束するかもしれません。
しかし、世界のそのほかの国々では、日本や韓国やイタリアよりも遅れて、流行が始まる可能性があります。
日本が大丈夫でも、世界の人々が7月に日本に来ることができる状態かどうか、そっちが問題かもしれません。

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若い人が感染を広げていると言いますが、彼らに罪は無いのです
- 2020/03/03(Tue) -
「若い世代は重症化しにくく、人と接する活動が多いため、気づかないうちに感染を広げている可能性がある」

新型コロナウイルス感染が広がっている北海道のデータから、冒頭のような知見が発表されました。
こんなことを言うとナンですが、んなことは前からわかってますよ。
でも彼らとて、好き好んで高齢者にうつしているわけでは無いのです。重症化する原因は高齢者側にあります。

季節性インフルエンザは、ワクチンがあるのに、毎年約1千万人が罹患しています。
そのうち約1万人が亡くなっており、死亡するのはやはり、高齢者が主体です。
インフルよりも感染力が強く、ワクチンもない新型コロナが、1千万人以下の感染で済むはずがありません。
また、特効薬も無いのに、インフルよりも少ない死亡者数で済む保証もありません。

今現在、全国に何人ぐらいの感染者がいるのでしょう。私はすでに100万人以上の可能性もあると思います。

タチが悪いのは、新型コロナの初期症状はインフルほど激しくなく、風邪そっくりだということです。
軽い症状の若者が、自分が新型コロナだとは思わずに過ごすことは、十分にあり得ることです。
また医療機関でも、普通の風邪と思って診療した患者さんに、新型コロナが混入している可能性があります。

私も最近、完璧ではありませんが、念のためゴーグルのようなメガネカバーを装着して診察をしています。
診察時に顔に咳のしぶきをかけられることがあるので、目を保護するためにはとても役立ちます。
しかし、すべての風邪症状の患者さんを、そのゴーグルを着けて診察するのは、けっこうめんどくさいです。

近日中に、新型コロナウイルスのPCR検査が保険適用となり、検査数も増えることになるでしょう。
ただし、すべての医療機関で検査ができるわけではありません。当院でも検査はできません。仲介も不可です。
大事なことなので二度三度言います。当院ではPCR検査はできません。検査目的での来院はご遠慮願います。

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報道番組では、主観的な意見の言いっぱなしは無責任です
- 2020/03/01(Sun) -
新型コロナウイルス関連では、メディアやネット上を無数の情報が飛び交っており、少々混乱しています。
テレビを見ていると、客観的で有益な発言をする先生もいれば、有害無益で偏ったことを話す出演者もいます。

そんな中で、国民が誤った情報に翻弄されないようにと、情報整理を試みるブログ等も目立ちます。
ある医師は「新型コロナで『情報汚染』されたメディアが報じない『5つの真実』」と題してまとめています。

1.「医療崩壊」は起きていない(いま現在、医療崩壊は起きてない。今後も冷静に対処すれば良い)
2. 「全員にPCR検査すべき」は適切ではない(陽性だと入院が必要になるので医療崩壊が起こりかねない)
3. 患者の「ドクターショッピング」が問題(1つの医療機関で経過を見なければ区別が付きにくい)
4. 「不安だから病院に行く」が感染リスクを高める(むやみに病院に行かない方がよい)
5. 陰性でも仕事に行ってはいけない場合がある(検査で偽陰性の可能性がある)

最近のコロナ報道の偏りに警鐘を鳴らし、バランスをとろうとする文章であり、その意図はよくわかります。
しかし、私に言わせればこの文章もまた誤解を招きかねないと思いました。ひとつひとつ難癖を付けていくと、

1.「医療崩壊」はまだ起きていないが、厚労省・保健所と患者との板挟みで、現場は徐々に混乱しつつある
2. 「全員にPCR検査すべき」は適切ではないが、検査には意義があり、必要なら躊躇せず検査すべき
3. 患者の「ドクターショッピング」が問題とはいえ、症状がだんだん悪化する過程では、誰でも医者を変える
4. 「不安だから病院に行く」が感染リスクを高めることは事実だが、患者判断で自宅待機を続けるリスクもある
5. 陰性でも仕事に行ってはいけない場合がある、というのは簡単だが、出勤の可否の判断はきわめて困難である

などと後付けで批判することは簡単ですが、報道の偏りや過ちに警鐘を鳴らすことは、専門家の務めです。
紹介した文章のように、バランスを取ろうとする情報・広報・啓蒙が必要であることは、間違いありません。

テレビのコメンテーターの無責任で主観的な発言は、もうたくさん。専門家が意見を戦わせる番組が見たい。

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いまこそ、全国一律の自粛要請に踏み切るタイミングではないのか
- 2020/02/25(Tue) -
政府が決定した「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」は、さほど目新しい内容でもありませんでした。

「イベント等の開催について、現時点で全国一律の自粛要請を行うものではない」なんて、軽すぎませんか。
「今後1~2週間が瀬戸際」だとするのなら、国民が驚くほどの強硬な措置をとるのかと思っていましたが。

感染拡大のリスクが高いとされる「対面・近距離・長時間・多人数」の接触を、本気で徹底的に避けたいなら、

・学校は全面的に休校、卒業式等は中止、入学試験はすべて延期
・電車の窓開け運行(可能なら)と乗車制限:そのために企業活動は可能な限りテレワークまたは休業
・映画館・劇場等の閉館、競技会やコンサートや寄席や集会の中止、大型店舗やモールは閉店または入店制限
・医療機関の受診制限:慢性疾患は処方箋のみ交付、急性疾患は新型コロナの疑いの有無で医療機関を分ける

などを考慮すべきですが、どうしても中途半端。近隣の国々の方がよっぽど思い切りが良いですね。
Jリーグが公式戦の延期を決定したのは英断です。大相撲は開催か無観客開催か中止か悩み中。プロ野球は?

感染が疑われる方のPCR検査条件の緩和が具体的に盛り込まれるかと思いましたが、いまだに曖昧です。
これまで通り、37.5度以上が4日(基礎疾患があれば2日)続いたら相談センターに連絡するというルール。

しかしいま実際に当院を受診されるのは、昨夜39度出たとか、38度以上が2日続いているという方がほとんど。
これらの患者さんがインフルエンザが陰性だった場合、さてどうすべきかが悩むことになりますね。
残念ながら、たとえ高熱であっても、4日続かなければPCR検査をしてもらえないのが実情なのです。

「今後1~2週間が瀬戸際」だとしても、検査態勢が変わらなければ、医療機関も対応を変えようがありません。

今後患者数が大幅に増えた場合についての方針も記載されていますが、いまそれ重要?って言いたくなります。
だって、何度も言いますけど、「今後1~2週間が瀬戸際」なんでしょう? 大胆な手を打つなら、いまでしょ。

悲観的なコトは言いたくないけど、この程度の基本方針なら、アウトブレイクに突き進むしかありませんね。

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医療機関は、ウイルスを集めてばらまくクラスターにならないか?
- 2020/02/24(Mon) -
新型コロナウイルス感染は、若い方の重症者がいることも気がかりだし、感染拡大が大問題になってきました。
「今後1~2週間が瀬戸際」と言いますが、できるだけ延ばしたい感染のピークは、どんどん五輪に近づきます。

そんな大事なときなのに、厚労省の異常な不手際ばかりが目に付きます。クルーズ船関係でまとめてみると、

・船内にウイルスを封じ込めたと思ってたのに、船内隔離の実態はザル。むしろウイルス培養状態だった。
・それを告発した学者にかみついた政治家が出した画像もまた、隔離の不備を裏付ける動かぬ証拠となった。
・2週間隔離したのだから問題ないと乗客を帰宅させたら国内外からの批判に遭い、自宅待機を指示する泥縄。
・心配していた通り、帰宅者から感染者が出てしまうし、多くの乗客を無検査で帰宅させていたことも判明。
・船内業務に従事した役人らが未検査だったのは、陽性者が多く出たら業務に影響するという驚くべき理由。
・なので一緒に船内業務を行っていた仲間が発症しても、自分が発症するまでは検査も受けずに業務を続ける。

つまり、きちんと感染制御を行っている建前上、新たに感染者が出ることは認めたくないし調べたくもない。
彼らの「検査して陽性者が出たらどうするんだ」という論理には、ある種の恐怖すら感じます。

いまやクルーズ船など相対的に小さな問題となりましたが、厚労省の体質だけは改めてもらう必要があります。

当院のような一般の医療機関に感染者が押し寄せる日が、もうすぐ来るでしょう。
PCR検査には余計な条件など付けず、医師の指示があれば全員受けられるような態勢を作ってもらいたい。
また安全な診療を続けるためにも、医療従事者自身の感染の有無を毎日チェックできるようにしてほしい。
そうしないと医療機関は、感染者からのウイルスを非感染者にばらまく「クラスター」になってしまいます。

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B型インフルエンザなぜか少し増えてますけど、どうしたものか
- 2020/02/23(Sun) -
残念ながら、クルーズ船とは関係なく、すでに巷には新型コロナウイルスが広がってきた様相です。
とはいえクルーズ船は、いまだに毎日のように新たな問題点を繰り出してくるので、まったく油断できません。

船内業務を行った国の職員がウイルス検査を受けてなかった問題は、むしろ後日談の方が気になります。
問題を指摘されて、慌てて検査を行うことにしたようですが、医師や看護師や検疫官は検査の対象外とのこと。
その理由は、「医療関係者は感染を予防する技術を習熟し、十分に対策しているから」だと。もう、ガッカリ。

医療従事者への意地悪としか思えません。こんなバカな指示を、誰が出してるんですか。まさか、副大臣?

医師や看護師に予防技術があっても、彼らが真っ先に感染するリスクがある現状が、わかってないようです。
クルーズ船のみならず、医療の最前線に立つ医療従事者は、病人への接触の濃厚さが違うんです。

「医療関係者は感染しないはず」という勘違いを前提に、「だから検査は不要」と結論づけるとは呆れます。
「船室内で隔離したから感染してないはず」「だから下船後の隔離は不要」と乗客を帰宅させた失態と同じ。

すでに日本国内には、数千人、数万人の新型コロナウイルス感染者がいると推測している専門家もいます。

日頃診察している「風邪」の患者さんの中にも、最近はもしかすると感染者が紛れているかもしれません。
今日は、やたらとB型インフルエンザの患者さんが多かったですが、原因不明の発熱者もいました。

わかっている感染者数は熊本県内ではまだ3人という少数ですが、それは検査対象が限られているからです。
仮に、風邪の患者さんを片っ端からPCR検査したらどれほどの感染者が判明するのか、それはわかりません。
いまはただ、厚労省の基準を考慮しつつ日々の診療を行い、場合によっては保健所に相談する段階です。

簡易検査キットと治療薬とワクチン。日本の科学技術力を総動員して、大至急開発してもらいたい。

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