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オーバーシュートより前に医療現場が機能不全に陥る、という予測
- 2020/04/01(Wed) -
「全世帯に2枚ずつ、布マスクを配布する」
安倍首相が今日、このように表明しました。マスクを1億枚確保して、5千万世帯に2枚ずつ送付するとのこと。
「一家に2枚」っていうのが、喜ばれるのか批判されるのか微妙な枚数ですが、まあゼロよりはいい。

そういえば今日は、他の閣僚らがサージカルマスクを着けている中で、安倍さんだけが布マスクでした。
それが配布予定の現物のようです。安倍さんにはサイズが小さくて、顎丸出しのちんちくりんでしたけどね。

まあ配らないよりはいいですが、それよりもまず、医療機関に配って欲しいですね。できればサージカルを。

医師会がときどき、医療機関にマスクを配布しますが、慌てて取りに行っても品切れだったりします。
市の中心部から離れている当院は、先着順システムには不利なのです。
明日は貴重な「N95マスク」が配られるようなので、当院職員が朝5時から並ぶ予定です(うそ)。

専門家会議は今日、「オーバーシュートの前に医療現場が機能不全に陥る」という厳しい見通しを示しました。

それでも安倍首相は今日も、「緊急事態宣言を出す状況ではない」と明言しました。
まさか、オーバーシュートが現実のものとなってから、おもむろに判断しようとしているのでしょうか。
拙速な決断によって、あとで批判を浴びることを恐れているのかもしれません。

いつも厳しい発言をする北海道大の西浦教授は、日本は欧州と同等の被害規模(死亡者数)になると言います。
それを少しでも食い止めるためには、早すぎるぐらいの先手を打つことが必要だと思うのですが。

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緊急事態宣言を出すなら、いまがラストチャンスかもしれません
- 2020/03/30(Mon) -
志村けんさんが、新型コロナウイルス感染に倒れました。懸命の治療もむなしく、亡くなられました。
年齢や元々の肺機能や肝機能等を考慮すると、ECMOによる救命治療はかなり厳しい状況だったと想像します。

TVへの露出が多い気さくな雰囲気の方なので、その死は国民にはとても身近に感じるものでした。
新型コロナウイルス感染症が、身近な人に悲劇を生む可能性があることを、国民は思い知らされました。
自分は大丈夫だろうとタカをくくることの誤りに、多くの若者が気づかされたかもしれません。

「これから1,2週間が瀬戸際だ」と言って、安倍首相が全国一斉休校を決断したのは1カ月前のこと。
その2週間はとっくに過ぎ、東京では感染がどんどん拡大しています。もう瀬戸際は過ぎてませんか。
それでも官房長官は今日も「ぎりぎり持ちこたえている」と言うばかり。ギリギリが長すぎませんか。

「今の東京は、2週間前のニューヨークと同じ」だと、最近よく言われます。
3/11のニューヨークの感染者数が216人に対して、その2週間後の3/25の東京が212人。
ニューヨークはその後、1週間ごとに10倍以上ずつ増え、いまや6万人に達する惨状です。
一方で東京は4日で2倍程度と、増加の勢いはまだ弱いですが、いずれ指数関数的に推移すると思われます。

つまり、いったん増加し始めたら爆発的に増えていきます。そうなってからでは、もう打つ手がありません。

パンデミック対策の目的を突き詰めるなら、できるだけ人を死なせないことです。
そのために、首都圏のロックダウンは奥の手ですが、社会的・経済的には重大な副作用をもたらす劇薬です。
しかしもう躊躇している場合ではないかもしれません。病が進行してしまってからでは、劇薬も無意味です。

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東京も熊本も、結局はオーバーシュートに向かっているのか
- 2020/03/28(Sat) -
東京のみならず熊本でも、この週末の外出自粛要請が出される事態となってしまいました。
「人混みを避け、不要不急の外出を避けるように」ということなので、私も自宅と職場を往復したのみです。

「密閉」「密集」「密接」が、イベントや集会で注意すべき「3つの『密』」ということになっています。

でも少し前までは表現が異なり、集団感染が確認された場に共通するのは、次の3つの条件とされていました。
(1)換気の悪い密閉空間
(2)多くの人が密集
(3)近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声

このうち(1)は「密閉」(2)は「密集」と短縮できても、(3)は短縮できずに中途半端でした。
ところが、誰が思いついたのか最近になって、(3)が「密接」で置き換えられました。これはナイス!

当院近隣の温浴施設がクラスターになりかけているようで、とても心配です。
クリニックの入口や予約サイト等には、現在次のように掲示しています。院内感染を防ぐためです。

・当該温浴施設を最近利用した方は、濃厚接触者の可能性があるので、当院では診療できません。
・熱や咳のある方は、院内での接触を避けるために、自家用車内でお待ちいただきます。
・当院ではPCR検査はできません。感染が疑われる方は、当院へは来院されないようにお願いします。

もっと流行が進むと、厳密に院内感染を防ぎながらの診療は、なかなか難しくなるかもしれません。
さらにオーバーシュートともなると、医療崩壊が危惧されるバタバタになるでしょう。
ちょうどよいペースで、ジワジワ流行してくれると良いのですが、そううまくはいかんでしょうね。

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普通の風邪で医療機関を受診するのは、「不要不急」な外出です。
- 2020/03/27(Fri) -
ニューヨークはいま、新型コロナウイルス感染のオーバーシュートで医療崩壊が起きています。
1台の人工呼吸器を2人で使うという、想像を絶することを行っているようですね。どんな工夫か知りたい。

日本でも、油断したらたちまち感染者数は指数関数的に増えますから、まったく他人事ではありません。
熊本県内の人工呼吸器は660台とのこと。オーバーシュートが起きたら、初日から足りなくなりそうです。

当院の来院者数は、今月はおおむね3〜4割程度減っています。
軽い風邪症状で受診するという「不要不急な外出」が控えられているようです。至極まっとうな考え方です。
新型コロナ終息後にもこの傾向が続いたとしても、たぶん気にしません。もともとそうあるべきなのです。

志村けんが、新型コロナ感染による呼吸不全で「ECMO(エクモ)」という装置を使った治療を受けています。
これは、心臓外科手術に使う人工心肺装置を簡略化して、人工肺として患者の肺のかわりを務める装置です。
装置を使っている間は、脳や心臓など重要臓器の酸素濃度を保ち、なおかつ自己肺を休ませることができます。
新型コロナウイルス感染の最重篤例では、救命のための最終手段、切り札として使うことになります。

ただし、ECMOは人工的な体外循環回路を使う関係上、強力な抗凝固治療が必要で、感染のリスクもあります。
循環動態や回路の状態を厳しく監視する必要があり、医師や看護師や臨床工学技士が張り付いて管理します。

ECMOは熊本県に19台あるそうですが、つまり、同時にECMO治療ができるのはたった19人ということです。
装置が足りなくならないように、新型コロナはとにかく流行のピークを低くすることが、なによりも重要です。

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日本国民の8割が感染するより前に、ワクチンの完成を
- 2020/03/23(Mon) -
新型コロナウイルス感染の「集団免疫」については、メディア側の理解が乏しいのか、報じ方が不正確です。

英国のジョンソン首相が「集団免疫戦略」を打ちだしたら批判を浴び、方針を転換した顛末がありました。
「じっと耐えて感染症の自然の成り行きに任せる」というのはたしかに、あまりにも無策で無謀でした。

しかし、成り行き任せではなく、感染拡大速度を制御しつつ集団免疫の完成を待つのなら、正しい戦略です。

なぜなら、新型コロナウイルス感染を終息させるための抑止力は、最終的には集団免疫しかないからです。
そして、人間が免疫を獲得する方法は2つ。実際にウイルスに感染するか、ワクチンを接種することです。

周囲のほとんどの人間が免疫を持っていれば、免疫を持っていない人間も、感染を免れることができます。
たとえば麻疹は、地域のワクチン接種率が95%以上であれば、集団免疫が維持され、大流行を抑止できます。
それでもときどき小流行が起きるのは、ワクチン接種率が低い集団の中で感染者が出た場合です。

新型コロナウイルス感染症も、国民の大多数が免疫を持ったら、それ以上の感染拡大は止まるでしょう。
専門家会議が「最終的に人口の79.9%が感染する」と言ったのは、8割が感染したら終息するという意味です。
残りの2割の未感染者は、周囲に8割も既感染者がいるので、新たな感染の機会が減るというわけです。

では、集団免疫が完成するまではどうすべきか。イタリア北部の流行例などを教訓にしなければなりません。
有効な隔離や適度な外出制限等を維持して、気を抜かず、感染拡大の防止に努めるしかありません。
医療が崩壊しない程度に感染者数を抑えつつ、日本国民の8割が感染するまで粘るということでしょうか。
できればそれよりも先に、ワクチンが完成してほしいものです。

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新型コロナとの戦いは長期戦。気を抜くとオーバーシュートが起きます
- 2020/03/20(Fri) -
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が昨夜、状況分析と提言を行いました。
それによれば、日本はいま「持ちこたえているが、一部で感染が拡大している」とのこと。
言い換えれば、「なんとか持ちこたえてきたけど、もう限界かも」というギリギリの状況かもしれません。

「オーバーシュート」という恐ろしい言葉も登場しました。患者が爆発的に増えた流行状態を意味します。
患者が多すぎると医療がパンクして、コロナだけでなく他の病気も含めて、十分な対応ができなくなるのです。
たとえばイタリアなどでこの状況が起きています。ヨーロッパの広い範囲が、該当するかもしれません。

医療従事者として、いちばん危惧するのは医療崩壊であり、その原因たるオーバーシュートを恐れます。

日本で医療崩壊が起きていないのは、検査数が少なくて、感染者が病床を埋めていないからだとも言われます。
その面は否定しませんが、日本の感染防御対策が奏功して感染者数が抑えられていることも大きいでしょう。

今後、気を緩めたらいつでもオーバーシュートがおきる可能性があり、その可能性はずっと続きます。
オーバーシュートが起きないように工夫すればするほど、流行は長期化するかもしれません。
提言でも、長期戦を覚悟する必要があると言っており、いったん収束してもぶり返す可能性に言及しています。

さらに提言では、「最終的に人口の79.9%が感染する」という可能性も、あらためて強調しています。
1億2600万人の79.9%は約1億人。私が予測したよりもずいぶん多いですが、十分考えられる数値です。

提言に従い、「密閉+密集+会話」をできるだけ避け、ともかくオーバーシュートを防がねばなりません。
その態勢をいつまで続ければ良いのか、まだわかりません。ともかく、長期戦であることは間違いないですね。

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朝晩の体温を測ることが、新型コロナ早期発見の第一歩です
- 2020/03/17(Tue) -
朝晩の検温は、いまや全国民が行っていると思いますが、当院職員も例外ではありません。
私の場合、起床時、出勤直後、午後、寝る前、の4回測っています。
では37.5度以上あったらどうするか。無症状で倦怠感もない場合は、とりあえず再検ですね。
でも何度測っても高ければ、これはちょっと大変です。

微熱があるのに診療したら、万一あとで新型コロナだと判明した場合、大問題になります。

群馬の70代の医師は、体調不良を押して診療を続けたものの、悔しいかな、コロナに倒れいまや重症。
ところが知事は、「体調不良と分かっていながら診療を続けるとは遺憾」だと、厳しく批判しています。
一方で、医師を擁護する意見も出ています。もう少し早く休診できなかったのか、事情を知りたいところです。

感染拡大を防ぐという意味では、医療機関に限らず、他人と対面で仕事する業種はすべて同じことです。
その中でも医師は、きわめて感染しやすい環境で必死に身を守りながら働く、難しい仕事をしています。

朝の検温で微熱があれば、念のためその日は臨時休診すべきかもしれません。
苦肉の策として、院長室にこもり、電話問診と処方や紹介状発行を行う診療でしのぐのも、アリでしょうか。
対面での診察や検査はできませんので、その際には、ご了承ください。

新型コロナウイルスには、1,2年のうちに国民の大半が1度は感染すると思います。そんな感染症です。
私もおそらく感染します。そのとき大事なのは、感染の早期察知と、その後の対応なのでしょう。
ただ、医者が体調が悪いぐらいですぐ休診できるのか、新型コロナ蔓延期には、考え方も変わるんでしょうね。

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新型コロナ迅速検査キットは、やはり早く実用化してもらいたい
- 2020/03/12(Thu) -
風邪と新型コロナウイルス感染症の初期症状は、ほとんど区別がつきません。
いま、軽い風邪では安易に医療機関を受診しないようにと言われていますが、そう単純にはいかないものです。
たとえば、高熱が出たり咳がひどい方は、発症の1日目か2日目には来院されます。
とくに周囲にインフルエンザや溶連菌感染などが出ている場合、早期診断早期治療を求めるのは当然です。

鼻咽腔から検体を採取するインフルエンザの検査では常に、医師がインフルに感染するリスクがあります。
日頃私は、マスクだけの防御で検査を行いますが、それはインフルエンザには罹らない自信があるからです。
ところが患者が新型コロナウイルス感染者だったら、そうはいきません。私は濃厚接触者となってしまいます。
北海道の医師も、インフルエンザの検査を行った際に、新型コロナに感染したことがわかっています。

いま私は、マスクのほかにゴーグルも付けて診察を行っていますが、検査の際の防御策としてはまだ不十分。
手袋やヘアキャップに加えて長袖のガウンも必要なのですが、これがなかなか手に入らず、院内在庫はわずか。
そのような完全防御ができない医療機関では、今後はインフルエンザの検査自体も控えなければなりません。

なのでインフルエンザは病状と状況証拠で診断して、検査はしないままで治療薬を処方することになります。
それが本当にインフルなら良いのですが、抗インフルエンザ薬が効かなければ別の疾患を疑うことになります。

来週、血液1滴で15分で判定できる新型コロナウイルスの簡易検査キットが、発売されることになりました。
今回はまだ研究用ですが、このような迅速診断キットが、早く臨床用に使えるようになってほしいものです。
もちろん、「新型コロナではない」ことを知って安心するために安易に検査を行うべきではありません。
しかし、適切な治療を早めに開始するためには、やはり診断は早いほうが良いですね。

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6月〜7月ごろにピークが来るという新型コロナの恐るべき想定
- 2020/03/11(Wed) -
「最悪の事態を想定して、医療提供体制を準備してもらうための、目安として示した」そうです。

厚労省が一昨日発表した、新型コロナウイルス感染のピーク時に予測される感染者数は、なかなかの数値です。
ちなみに流行のピークとは、経路が追えないくらいに感染が拡大した時点から「おおむね3カ月後」とのこと。

日頃から重大事案をなるべく矮小化して公表する傾向のある官庁にしては、なかなか激しい想定をしています。

熊本県だと、ピーク時には1日あたり6,020人の外来患者数ですか。入院は3,320人。だいぶ多いですね。
その日1日で済むわけではなく、ピーク前後数週間は、毎日千人以上の患者が出ると考えるべきでしょう。

日本全体だと、毎日新たに十万人以上が感染していくわけで、累計で1千万人は楽々越えそうな勢いです。
こうなるともう、現在と同様の診療態勢ではまったくさばききれません。考え方を変える必要があります。

感染者の隔離はあきらめ、軽症者も診療の対象とせず、重症者の治療にのみ集中する。それしかなさそうです。

結局のところ、蔓延期になってしまえば、新型コロナはもう、ただの風邪と同じ対処法になるわけです。
もちろん、ワクチンや治療薬が開発されるのであれば、それまで少しでも時間稼ぎをする意味はあります。

日本の今のPCR検査能力の不足が図らずも、病床が軽症者で埋まるのを防いでいる側面もあるわけです。

そんな折、「まずは100万人分のPCR検査を無償で提供する」とぶち上げた孫正義氏。
う〜ん、それをやると感染者数はある程度正確にわかるかもしれませんが、医療機関は大混乱でしょうね。
感染症病床が軽症者で埋まってしまい重症者の治療に支障を来たすのだけは、絶対に避けねばなりません。
孫氏も夜になって「評判悪いから、やめようかな」とトーンダウンしてますが、はたしてどうなるのやら。

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国内のクラスターが問題なのに、まだ「水際作戦」を強化する?
- 2020/03/05(Thu) -
新型コロナウイルスは、人類にとっては初モノのウイルスなので、

(1)全ての人類が、このウイルスには遅かれ早かれ一度は感染する。(ただし無症状の場合も多い)
(2)やがて集団免疫が働き、未感染者のまま経過する人も出てくる。(でもいつかは感染する可能性あり)

この春に感染を免れても、夏に感染するかもしれないし、結局いつかは感染すると覚悟しておきましょう。

大流行して医療崩壊を招くのを防ぐために、流行のピークを低くしようとするのは、正しい対処法です。
そのための、ありとあらゆる工夫を、遅ればせながら日本でも行いつつあります。

安倍首相は今日、いまさらですが、「中国と韓国からの入国者の待機要請」を表明しました。
もはや国内で次々に感染者が出ているいま、水際作戦の強化は遅きに失しているとの批判は当然でしょう。
それに、潜伏期が長く検査の偽陰性も多いこの感染症では、水際対策の難しさを、すでに誰もが知っています。

そんな中で、IOCのバッハ会長が今日、「予定通りの(東京五輪)開催を確信した」と述べました。
どうしてそのような、楽観的な発言を今あえてするのか。悲観的な気分の裏返しのようにも感じてしまいます。
「予定通りの開催ができるよう手を尽くしている日本を支援し、見守りたい」ぐらいにしとけばいいのに。

たしかにうまくいけば日本では、5月か6月頃には新型コロナウイルス感染の拡大が収束するかもしれません。
しかし、世界のそのほかの国々では、日本や韓国やイタリアよりも遅れて、流行が始まる可能性があります。
日本が大丈夫でも、世界の人々が7月に日本に来ることができる状態かどうか、そっちが問題かもしれません。

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若い人が感染を広げていると言いますが、彼らに罪は無いのです
- 2020/03/03(Tue) -
「若い世代は重症化しにくく、人と接する活動が多いため、気づかないうちに感染を広げている可能性がある」

新型コロナウイルス感染が広がっている北海道のデータから、冒頭のような知見が発表されました。
こんなことを言うとナンですが、んなことは前からわかってますよ。
でも彼らとて、好き好んで高齢者にうつしているわけでは無いのです。重症化する原因は高齢者側にあります。

季節性インフルエンザは、ワクチンがあるのに、毎年約1千万人が罹患しています。
そのうち約1万人が亡くなっており、死亡するのはやはり、高齢者が主体です。
インフルよりも感染力が強く、ワクチンもない新型コロナが、1千万人以下の感染で済むはずがありません。
また、特効薬も無いのに、インフルよりも少ない死亡者数で済む保証もありません。

今現在、全国に何人ぐらいの感染者がいるのでしょう。私はすでに100万人以上の可能性もあると思います。

タチが悪いのは、新型コロナの初期症状はインフルほど激しくなく、風邪そっくりだということです。
軽い症状の若者が、自分が新型コロナだとは思わずに過ごすことは、十分にあり得ることです。
また医療機関でも、普通の風邪と思って診療した患者さんに、新型コロナが混入している可能性があります。

私も最近、完璧ではありませんが、念のためゴーグルのようなメガネカバーを装着して診察をしています。
診察時に顔に咳のしぶきをかけられることがあるので、目を保護するためにはとても役立ちます。
しかし、すべての風邪症状の患者さんを、そのゴーグルを着けて診察するのは、けっこうめんどくさいです。

近日中に、新型コロナウイルスのPCR検査が保険適用となり、検査数も増えることになるでしょう。
ただし、すべての医療機関で検査ができるわけではありません。当院でも検査はできません。仲介も不可です。
大事なことなので二度三度言います。当院ではPCR検査はできません。検査目的での来院はご遠慮願います。

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報道番組では、主観的な意見の言いっぱなしは無責任です
- 2020/03/01(Sun) -
新型コロナウイルス関連では、メディアやネット上を無数の情報が飛び交っており、少々混乱しています。
テレビを見ていると、客観的で有益な発言をする先生もいれば、有害無益で偏ったことを話す出演者もいます。

そんな中で、国民が誤った情報に翻弄されないようにと、情報整理を試みるブログ等も目立ちます。
ある医師は「新型コロナで『情報汚染』されたメディアが報じない『5つの真実』」と題してまとめています。

1.「医療崩壊」は起きていない(いま現在、医療崩壊は起きてない。今後も冷静に対処すれば良い)
2. 「全員にPCR検査すべき」は適切ではない(陽性だと入院が必要になるので医療崩壊が起こりかねない)
3. 患者の「ドクターショッピング」が問題(1つの医療機関で経過を見なければ区別が付きにくい)
4. 「不安だから病院に行く」が感染リスクを高める(むやみに病院に行かない方がよい)
5. 陰性でも仕事に行ってはいけない場合がある(検査で偽陰性の可能性がある)

最近のコロナ報道の偏りに警鐘を鳴らし、バランスをとろうとする文章であり、その意図はよくわかります。
しかし、私に言わせればこの文章もまた誤解を招きかねないと思いました。ひとつひとつ難癖を付けていくと、

1.「医療崩壊」はまだ起きていないが、厚労省・保健所と患者との板挟みで、現場は徐々に混乱しつつある
2. 「全員にPCR検査すべき」は適切ではないが、検査には意義があり、必要なら躊躇せず検査すべき
3. 患者の「ドクターショッピング」が問題とはいえ、症状がだんだん悪化する過程では、誰でも医者を変える
4. 「不安だから病院に行く」が感染リスクを高めることは事実だが、患者判断で自宅待機を続けるリスクもある
5. 陰性でも仕事に行ってはいけない場合がある、というのは簡単だが、出勤の可否の判断はきわめて困難である

などと後付けで批判することは簡単ですが、報道の偏りや過ちに警鐘を鳴らすことは、専門家の務めです。
紹介した文章のように、バランスを取ろうとする情報・広報・啓蒙が必要であることは、間違いありません。

テレビのコメンテーターの無責任で主観的な発言は、もうたくさん。専門家が意見を戦わせる番組が見たい。

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いまこそ、全国一律の自粛要請に踏み切るタイミングではないのか
- 2020/02/25(Tue) -
政府が決定した「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」は、さほど目新しい内容でもありませんでした。

「イベント等の開催について、現時点で全国一律の自粛要請を行うものではない」なんて、軽すぎませんか。
「今後1~2週間が瀬戸際」だとするのなら、国民が驚くほどの強硬な措置をとるのかと思っていましたが。

感染拡大のリスクが高いとされる「対面・近距離・長時間・多人数」の接触を、本気で徹底的に避けたいなら、

・学校は全面的に休校、卒業式等は中止、入学試験はすべて延期
・電車の窓開け運行(可能なら)と乗車制限:そのために企業活動は可能な限りテレワークまたは休業
・映画館・劇場等の閉館、競技会やコンサートや寄席や集会の中止、大型店舗やモールは閉店または入店制限
・医療機関の受診制限:慢性疾患は処方箋のみ交付、急性疾患は新型コロナの疑いの有無で医療機関を分ける

などを考慮すべきですが、どうしても中途半端。近隣の国々の方がよっぽど思い切りが良いですね。
Jリーグが公式戦の延期を決定したのは英断です。大相撲は開催か無観客開催か中止か悩み中。プロ野球は?

感染が疑われる方のPCR検査条件の緩和が具体的に盛り込まれるかと思いましたが、いまだに曖昧です。
これまで通り、37.5度以上が4日(基礎疾患があれば2日)続いたら相談センターに連絡するというルール。

しかしいま実際に当院を受診されるのは、昨夜39度出たとか、38度以上が2日続いているという方がほとんど。
これらの患者さんがインフルエンザが陰性だった場合、さてどうすべきかが悩むことになりますね。
残念ながら、たとえ高熱であっても、4日続かなければPCR検査をしてもらえないのが実情なのです。

「今後1~2週間が瀬戸際」だとしても、検査態勢が変わらなければ、医療機関も対応を変えようがありません。

今後患者数が大幅に増えた場合についての方針も記載されていますが、いまそれ重要?って言いたくなります。
だって、何度も言いますけど、「今後1~2週間が瀬戸際」なんでしょう? 大胆な手を打つなら、いまでしょ。

悲観的なコトは言いたくないけど、この程度の基本方針なら、アウトブレイクに突き進むしかありませんね。

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医療機関は、ウイルスを集めてばらまくクラスターにならないか?
- 2020/02/24(Mon) -
新型コロナウイルス感染は、若い方の重症者がいることも気がかりだし、感染拡大が大問題になってきました。
「今後1~2週間が瀬戸際」と言いますが、できるだけ延ばしたい感染のピークは、どんどん五輪に近づきます。

そんな大事なときなのに、厚労省の異常な不手際ばかりが目に付きます。クルーズ船関係でまとめてみると、

・船内にウイルスを封じ込めたと思ってたのに、船内隔離の実態はザル。むしろウイルス培養状態だった。
・それを告発した学者にかみついた政治家が出した画像もまた、隔離の不備を裏付ける動かぬ証拠となった。
・2週間隔離したのだから問題ないと乗客を帰宅させたら国内外からの批判に遭い、自宅待機を指示する泥縄。
・心配していた通り、帰宅者から感染者が出てしまうし、多くの乗客を無検査で帰宅させていたことも判明。
・船内業務に従事した役人らが未検査だったのは、陽性者が多く出たら業務に影響するという驚くべき理由。
・なので一緒に船内業務を行っていた仲間が発症しても、自分が発症するまでは検査も受けずに業務を続ける。

つまり、きちんと感染制御を行っている建前上、新たに感染者が出ることは認めたくないし調べたくもない。
彼らの「検査して陽性者が出たらどうするんだ」という論理には、ある種の恐怖すら感じます。

いまやクルーズ船など相対的に小さな問題となりましたが、厚労省の体質だけは改めてもらう必要があります。

当院のような一般の医療機関に感染者が押し寄せる日が、もうすぐ来るでしょう。
PCR検査には余計な条件など付けず、医師の指示があれば全員受けられるような態勢を作ってもらいたい。
また安全な診療を続けるためにも、医療従事者自身の感染の有無を毎日チェックできるようにしてほしい。
そうしないと医療機関は、感染者からのウイルスを非感染者にばらまく「クラスター」になってしまいます。

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B型インフルエンザなぜか少し増えてますけど、どうしたものか
- 2020/02/23(Sun) -
残念ながら、クルーズ船とは関係なく、すでに巷には新型コロナウイルスが広がってきた様相です。
とはいえクルーズ船は、いまだに毎日のように新たな問題点を繰り出してくるので、まったく油断できません。

船内業務を行った国の職員がウイルス検査を受けてなかった問題は、むしろ後日談の方が気になります。
問題を指摘されて、慌てて検査を行うことにしたようですが、医師や看護師や検疫官は検査の対象外とのこと。
その理由は、「医療関係者は感染を予防する技術を習熟し、十分に対策しているから」だと。もう、ガッカリ。

医療従事者への意地悪としか思えません。こんなバカな指示を、誰が出してるんですか。まさか、副大臣?

医師や看護師に予防技術があっても、彼らが真っ先に感染するリスクがある現状が、わかってないようです。
クルーズ船のみならず、医療の最前線に立つ医療従事者は、病人への接触の濃厚さが違うんです。

「医療関係者は感染しないはず」という勘違いを前提に、「だから検査は不要」と結論づけるとは呆れます。
「船室内で隔離したから感染してないはず」「だから下船後の隔離は不要」と乗客を帰宅させた失態と同じ。

すでに日本国内には、数千人、数万人の新型コロナウイルス感染者がいると推測している専門家もいます。

日頃診察している「風邪」の患者さんの中にも、最近はもしかすると感染者が紛れているかもしれません。
今日は、やたらとB型インフルエンザの患者さんが多かったですが、原因不明の発熱者もいました。

わかっている感染者数は熊本県内ではまだ3人という少数ですが、それは検査対象が限られているからです。
仮に、風邪の患者さんを片っ端からPCR検査したらどれほどの感染者が判明するのか、それはわかりません。
いまはただ、厚労省の基準を考慮しつつ日々の診療を行い、場合によっては保健所に相談する段階です。

簡易検査キットと治療薬とワクチン。日本の科学技術力を総動員して、大至急開発してもらいたい。

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遠からずこうなると思っていましたが、市中感染が広がっています
- 2020/02/22(Sat) -
熊本でもいつかは出ると思っていた新型コロナウイルス感染者ですが、いきなり来るとショックですね。
昨夜、1例目のニュース速報に衝撃を受けたばかりなのに、今日はもう3例目まで報じられています。

最初の2人は、医療従事者とその家族。3人目は、北海道で感染した後で熊本に来たと思われる方。
前者では院内感染がとても心配になるし、後者では感染者の移動・拡散の問題がクローズアップされます。

医師や看護師や教師や老健施設の職員の感染は、もっともうつしたくない対象に感染を広げる危険があります。
いずれにしても我々はもう、市中感染が次々に起きる国内感染期に突入したと認めなければなりません。

その市中感染による感染の急拡大を少しでも遅らせるために、さまざまな催しの中止や延期が決まっています。
私に関係あるものでは、来月の循環器学会(京都)が延期されました。航空券の取消手数料が高額でした。
同じく来月の心臓血管外科学会は今のところ開かれるようですが、こんどはウイルス感染が心配になります。

クルーズ船から下船した乗客の中に、下船前のウイルス検査をしていない乗客がいたと報じられました。
そして恐れていた通り、ウイルス陰性として下船した日本人の、ウイルス感染が確認されました。
いずれも、感染制御が不十分であったことの証であり、官僚や大臣が何を弁明しても説得力がありません。

さらに、クルーズ船内で業務した厚労省職員の多くが、ウイルス検査をせずに職場復帰したと報じられました。
彼らはその後、霞が関に感染を拡大させたかもしれません。こう言っちゃナンですが、これからが見ものです。

当院を今日受診した発熱者の中の何人かが、新型コロナウィルス感染を心配していました。
さいわい、「帰国者・接触者相談センター」に電話しようかと思うようなケースはありませんでした。
今後はしかし、やや過剰気味であっても、とりこぼしのないように検査を勧めなければならないでしょう。
いよいよ、深刻なステージに突入です。

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清潔・不潔の区別は、医療従事者の基本中の基本ですけどね
- 2020/02/21(Fri) -
ついに熊本市でも、新型コロナウイルス感染者が出てしまいました。看護師のようですが、現時点で詳細不明。
明日からの診療は、感染防御のための患者動線の管理など、昨日までとはだいぶ異なる雰囲気になりそうです。
マスクや手洗いはもちろんのこと、発熱来院者すべてに新型コロナウイルス感染の疑いをもつ必要があります。

クルーズ船で感染した2人が亡くなりました。また、船内の隔離が不十分である証拠が次々と出てきています。
いまいちばんの話題は、岩田健太郎教授の告発動画に対する、橋本岳厚労副大臣のツイートでしょうか。
橋本氏がゾーニングの証拠として見せた画像は、逆にゾーニングの不備を見事に裏付ける証拠となりました。

「左手が清潔ルート、右側が不潔ルートです」と書かれてますが、笑っちゃうほど隔離ができてない状況です。
だって、入口だけが区別されていても、その手前のホールも向こう側の部屋も、まったく同じ空間ですからね。
ここで「不潔ルート」と書いてあるのは、「防護服を脱ぐ方はこちら」ぐらいの意味しかありません。

医療の世界で「清潔」と言えば、通常は「無菌」と同義です。無菌の確証が無ければ、すべて「不潔」です。
今回の場合は、新型コロナウイルスに汚染されている可能性がわずかでもある場合に「不潔」と考えます。
なので「清潔」と言えるのは、空中にも壁にも床にも新型コロナウイルスがまったく存在しない場合だけです。

こんな状況を見て、「よし、ゾーニングOKだな」と画像をアップした橋本氏の医療水準には驚くばかりです。
この人がクルーズ船の感染制御のお目付役なのだから、もう何でもアリでしょう。

下船後にオーストラリアやイスラエルに帰国した乗客の中から、ウイルス感染者が出ました。
そのうち間違いなく、下船した日本人の中からも感染・発病者が出ますね。
でも厚労相や官僚はきっと、「下船後に市中感染した可能性も否定できない」などと言い出すはずです。
あー、それにしても、明日からは大変になりそう。

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「船内隔離だけで十分である」という建前を押し通して良いのか
- 2020/02/20(Thu) -
クルーズ船内で事務業務を行っていた厚労省と内閣官房の職員が、新型コロナウイルスに感染しました。
クリーンであるはずの事務作業場所がクリーンじゃなかったことが、これで実証されてしまったたわけです。

おりしも厚労省は今日、クルーズ船内の感染制御についての文書を発表したばかりでした。
ソフトな文体で書かれていますが、その実態は岩田教授の「告発動画」への反論です。その要旨は以下の通り。

・船内の感染管理について、感染制御支援チームの医師が見回りや指導等を連日実施してきた
・乗客へは、繰り返しアナウンスで指導し、スマホを配布して動画を配信し啓発を行った
・乗員へは、業務中のマスク・手袋の着用等の衛生や、食事を離れて摂るなどを徹底してきた
・医療従事者へは、乗船前に専門医等による講習を受けさせた

それぞれの文末に「はずだから、問題ない。」と付けるべきかもしれません。つまり全部、建前です。
建前ばかりを並べてみたのはよいけれど、実際にはまともに守られていなかったということです。

ところで、国立感染症研究所が昨日公表した「暫定的な結論」が、なかなか面白い。いくつか挙げると、

・クルーズ船の性質上、全ての乗員乗客を個別に隔離することは不可能であった
・客室数には限りがあり、乗員はクルーズ船の機能やサービスを維持するため任務を継続する必要があった
・船の運航を維持するために、検疫期間中乗員は乗客ほど完全に隔離はされていなかった

さすがに感染研は科学者。厚労省が示した建前が現場では守られてなかったことを、すでに白状しています。
この調子では残念ながら、下船して帰宅した人たちの中から、感染者が次々に現れそうです。

諸外国は、日本が行った船内隔離を信用してないので、下船・帰国後の乗客らを、さらに2週間隔離します。
日本はしかし、下船後の隔離をしません。船内隔離だけで十分であるという建前があるからです。

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クルーズ船内告発動画を批判する人たちが、どうもうさん臭い
- 2020/02/19(Wed) -
神戸大感染症内科の岩田健太郎教授が昨夜YouTubeに投稿した動画が、恐ろしいほどの波紋を呼んでいます。
これは岩田氏が昨日、横浜のクルーズ船に乗り込んで見た「惨状」を告発したものです。

岩田氏は日頃から、感染症を分かり易く解説する文章を書いており、オカシなことを言う人物ではありません。
彼がアップロードした動画の内容には驚くばかりですが、残念なことに、決して意外ではありませんでした。
動画は多くのメディアで取り上げられ、また多くの人々が驚きをもって各自のブログ等で拡散しつつあります。

ところが一方で、この動画に対する批判的意見もまた、一部で噴出しています。
ただ、それらは岩田氏の動画の内容を真っ向から覆すものではなく、苦し紛れの揚げ足取りにしか見えません。
学者生命を賭けた岩田氏の告発を批判する人たちに、政権に近い方々がいるのも、よけいうさん臭い。

真実は何なのか、どちらが正しいのか、双方ともに嘘があるのか、私にはまったくわかりません。
しかし、昨今の国会審議を見ていると、政治家や官僚の言い分をすんなりと信じる気にはなれません。
ソレとコレとは別だと言われそうなので、この件はこれ以上は膨らませないでおきます。

いずれにせよ、実際にクルーズ船内にいた乗客や乗員の証言が得られる日は、そう遠くないでしょう。
一部のDMATの医師は、汚染したガウンでクリーンなエリアに入る人もいた、などと証言し始めています。
船内の様子を撮影した乗客も多数いたはず。岩田氏の告発がデマか真実か、じき分かります。

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ウイルス検査陰性の乗客らが、下船・帰宅後に発症しないことを祈る
- 2020/02/18(Tue) -
クルーズ船から88人、船外では、東京3人、横浜1人、和歌山では3人の感染者が新たに判明しました。
東京の3人のうち2人(80代と50代)は重症、横浜の1人(60代)も呼吸管理中とのこと。
東京の残り1人と和歌山の1人は、すでに感染が判明している医師の子ども(20代と10代)でした。

重症者の割合が多い印象がありますが、重症だから検査した、という側面があるのでしょう。
すでに判明している感染者との濃厚接触者の中に、次々と新たな感染者が出ているようにも見えます。
しかしそれも、濃厚接触者だから検査したのであって、検査したから感染が発覚しただけの話。

つまり、検査などしていない「風邪症状」の感染者が、全国の市中に無数に存在している可能性があります。
毎日のように風邪やインフルの診療をしていますが、その中に新型コロナがやがて入り込んでくるのでしょう。

クルーズ船の乗員乗客約3,000人のうち、ウイルス検査が陰性で無症状の方は、明日から下船が始まります。
14日間船室に閉じ込められた方々が、本当に確実に隔離されていたかどうかは不明です。
もしも不確実なら、下船後さらに14日間隔離して経過を見るべきかもしれませんが、それはもう酷でしょうね。

何度も書きましたが、できるだけ早く下船させて隔離しておけば、ここまで感染は拡大しなかったはず。
これにはしかし、日本政府の問題だけでなく、外国船籍だからこその難しさもあったと、指摘されています。

にしても、このたびのクルーズ船問題では、日本は諸外国から大いに非難されています。
「(日本は)1回決まったら最後まで(方針を変えず)ずーっと行ってしまう。自分で間違ったと反省しない」
そのように言うイタリア人がいました。これは痛い。日本のお役人の体質をよくおわかりで。

「クルーズ船の対応で良かったこと悪かったこと、しっかり検証して次につなげていきたい」と菅官房長官。
過去形で言うにはまだ早いですよ。明日からの下船方法やその後のフォローも、世界中が注目してますから。

「ここはウイルス培養船だ。3日前に検査して陰性だったが、3日もここにいたら陽性に変わる」
下船を前に、そう嘆く乗客もいました。ホントにそう思います。下船する乗客乗員の今後が、とても心配です。

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「帰国者・接触者相談センター」って名称が、すでにダメっぽい
- 2020/02/17(Mon) -
言うまいと思えど今日の寒さかな( You might think today’s some fish.)。今夜、熊本には雪が積もるとか。
書くまいと思へど今日もクルーズ船。今日は99人ですか。船外でもまた、あちこちで感染者が出ています。

新型コロナウイルス感染の拡大は、とどまる様相がありません。そろそろ「国内蔓延期」も近いですね。

厚労省は今日、この感染症を疑うケースを「帰国者・接触者相談センター」に相談する目安を公表しました。
・かぜの症状や37.5度以上の発熱が4日以上続いている人や、強いだるさや息苦しさがある人
・高齢者や持病のある方は上記の症状が2日程度続く場合に、妊婦は早めに

さらに、センターに相談した場合は、センターから勧められた医療機関を受診すること、となっています。
また、発熱などの風邪症状が見られるときは、学校や会社を休むように、とのこと。

これらはあくまで「目安」ですから、現場の医師による判断も重視されるのだとは思っています。

先週、湖北省近隣の都市からの帰国者が当院を受診されたので、念のため保健所に相談してみました。
すると保健所は、「湖北省ではないのでPCR検査の対象ではない」との理由で、経過観察するようにとの返答。
いまなら保健所の対応も異なるかもしれませんが、先週はまだ強力な「湖北省縛り」があったのです。

厚労省からの指示や通知に100%従うのが自治体や保健所ですから、臨機応変な対応など存在しないようです。
もとより、やり過ぎて叩かれることを何よりも恐れるのが、お役人の体質です。
しかし、中央省庁が後手後手の対応しかできていない現状では、地方のお役人が勇気を持って当たってほしい。

今後日本中で、そして熊本でも、感染疑いケースが出始めてくることでしょう。
感染症指定医療機関でも何でもない当院は、不安な場合は相談センターに問い合わせることになります。
しかし、相談したら的確な対応があるのか、大事をとって最大限の配慮をしてくれるのか、それが心配です。

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武漢からの観光客が置いて帰った時限爆弾が、各地で爆発を始めた?
- 2020/02/16(Sun) -
クルーズ船からまた70人感染者が出たというニュースにも、もはや驚かなくなってしまいました。
全員が感染するまで船内軟禁を続けるつもりかよ、なんてのが冗談ではなくなりそうな勢いです。

400人近い米国人乗客の内の大半が、今夜から米政府のチャーター機で帰国することになりました。
香港政府も、330人を帰国させるためのチャーター機を派遣する方針とのこと。他の国々も同様の動きです。

各国政府が国内世論におされる形なのか、「汚染国からの自国民救出」を始めたということでしょう。

船内から新型コロナウイルス感染者が出たのなら、すぐ横浜で全員下船させて個別隔離すべきでした。
それなのに、隔離もせず船内で自由に飲食や観劇などが行われていたあの時期が、どうしても悔やまれます。

乗客ら全員の下船・隔離等を実現するためには、移動手段や宿泊施設など、膨大で困難な作業を伴います。
なので外国人が帰国してくれることは、日本としては願ったり叶ったりですが、なんか格好良くはないですね。

本来であれば、日本政府主導で計画的に、サクサクと船内全員の下船なり隔離なりを進めて欲しかった。

そのクルーズ船以上の大問題になりつつあるのが、別ルートからの国内感染の拡大です。
もちろん、別ルートとはいえ、新型コロナウイルス感染はすべて、元をたどれば「武漢」です。

最初に報じられた日本人の国内感染者は、武漢からのツアー客を乗せた、奈良のバスの運転手でした。
しかし、1月に武漢から日本に来た観光客は、一説には1万人以上と言われます。バスなら数百台分です。

その中に感染者がいて日本各地に感染を広げ、いまや全国中に無数の感染者が分布している可能性があります。
発症して重症化した患者が念のためPCR検査を受けたら感染が発覚した、ということなのかもしれません。
感染ルート不明な感染者が、あちこちで次々に現れ始めるフェーズが、いまちょうど始まったのでしょう。

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「新しいフェーズに入った」と言うけれど、大流行はやはり避けたい
- 2020/02/15(Sat) -
新型コロナウイルス感染症は、この2,3日で「新しいフェーズに入った」と、しきりに言われています。

特段に致死率の高い病気ではないので、インフルエンザと同じように予防(手洗い等の励行)すれば、大丈夫。
という考え方を基本として、重症化しやすい高齢者らを守ろう、という方向にシフトしつつあります。

しかし、インフルエンザと大きく違う点があることを、よく認識しておかなければなりません。
(1)誰も免疫をもっていない(過去に感染して獲得した免疫もなければ、予防接種による免疫もない)
(2)初期症状はインフルよりも軽い(最初から高熱が出ることが少なく、徐々に悪化する)
(3)潜伏期がインフルよりも長く、潜伏期間中でも感染力がある(知らないうちに感染が広がりやすい)
(4)簡易検査法がない(一般の医療機関では診断ができず、状況証拠で判断するしかないが、それも困難)
(5)特効薬がない(インフルに対するタミフルのような切り札がなく、対症療法しかない)

では、新型コロナウイルスの感染規模はどうなるでしょう。もしもインフルと同等だとしたら、一大事です。

季節性インフルエンザは、毎年約1千万人が罹患し、その結果、約1万人が亡くなっています(超過死亡)。
前述の(1)〜(5)を考慮すれば、新型コロナがインフルよりも大規模な流行になる可能性すらあります。
すなわち最悪の場合、1千万人以上が新型コロナに感染し、1万人以上死亡するかもしれないということです。

軽症なので広がりやすく、でも一部で重症化しやすい新型コロナウイルス感染症って、ほんと、タチが悪い。

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もはや封じ込めが無理っぽいので、早期治療に集中すべき段階ですね
- 2020/02/14(Fri) -
「東京五輪はできるのか」
テレビの報道番組でも今日あたりから、そのような発言を少し耳にするようになりました。

日本は、悪い事を口にすれば、「そんなことを言うとホントにそうなるぞ」と批判される「言霊」の国です。
しかしいま、最悪かどうかはわかりませんが、日本がより悪い方向に向かっていることは間違いありません。

もちろんまだ諦めるには早い。最善を尽くせばなんとかなるはず。やれることは何でも迅速にやりましょう。

新型コロナウイルス感染におけるクルーズ船の乗客乗員の取り扱いは、諸外国にバカにされるほどの失策です。
発症したら濃厚接触者も含めて検査し、陽性なら隔離するという、まさに「感染待ち」作戦ですからね。
感染者を順次隔離していき、最終的に全員が感染した時点で、「よし封じ込めた」と言うつもりだったのか。 

このような、密室閉じ込め作戦の誤りに、いまごろ気がつき始めたようですが、だいぶ遅かったですね。
イヤなこと言わせてもらうなら、乗員約千人はほぼ全員、乗客も数百人レベルで感染してるような気がします。

それに加えて、日本国内のあちこちで、すでに感染が広がっていることが、やっとわかってきました。
皮肉なことに、クルーズ船の問題は相対的に重要度が下がってしまいました。

決して恐ろしい疫病ではなく、「正しく恐れる」なんて表現がよく使われますが、具体的には難しいことです。
感染者が増えれば、それに比例して重症者や死者も出てしまいます。
しかし無症状の方や軽症者があまりに多くて、感染者の把握も封じ込めも、もはや不可能かもしれません。

一般の医療機関としては、肺炎患者は迅速に高次医療機関へと搬送する、というスタンスで良いのでしょうか。
中国縛りはもはや無意味。ではどのような病状で新型コロナウイルス感染を疑えばいいのか。難しいですね。

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感染経路不明の新型コロナウイルス感染者が、次々に出現し始めた
- 2020/02/13(Thu) -
もう、クルーズ船どころの騒ぎではなくなってきました。新型コロナウイルス感染症は、予想外の展開です。

(1)神奈川の80代の女性が死亡
中国ともクルーズ船とも接点なし。1月22日に発症し、2月1日に肺炎と診断され入院。状態悪化し本日死亡。

(2)都内の70代のタクシー運転手が感染
死亡した80代女性の義理の息子。1月29日発症。乗客からうつったのか、義母からうつったのかは不明。

(3)和歌山県内の50代の男性勤務医(外科医)が感染
1月31日発症。中国人との接触なし。発症してから3日間は通常勤務。同僚の医師らにも肺炎患者が出ている。

(4)千葉県内の20代の男性会社員が感染
2月2日発症。中国人や肺炎患者との接触なし。発熱後も3日間勤務していた。

いずれも、クルーズ船やチャーター機とは別ルートの、市中や病院外来等における感染と考えられます。
当初は新型コロナウイルス感染と想定されなかったため、医療機関では通常の診療を受けたと思われます。
感染経路も不明なら、その後に感染が拡大した可能性とその経路もまた、不明です。

クルーズ船での感染拡大を毎日ずっと心配してきましたが、もう、その心配も無意味かもしれません。

われわれ医療従事者は、現時点では、来院した患者さんの中国渡航歴に目を光らせて診療する日々です。
ですが、これほどまでに国内での二次・三次感染が広がれば、中国縛りはもう余計なバイアスとなります。

かといって、肺炎患者全員を隔離したりPCR検査するわけにもいきません。難しいフェーズに入って来ました。

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感染症対策が後手後手なのはしょうがないとして、今後どうするかです
- 2020/02/12(Wed) -
クルーズ船からまた、新たに39人の感染者が判明しました。
だからずっと言ってるように、一刻も早く全員を順次船から下ろし、別の施設で個別隔離しなくちゃ。
幸運にもまだ感染していない人を(そんな人がいるのかどうか分かりませんが)、確実に保護するためです。

検疫官にも感染者が出ました。これは今後の医療従事者の感染を予感させる、ショックな出来事です。

新型コロナウイルス感染者は、感染症指定医療機関における感染症病床に入院させる規定になっています。
しかし緊急その他やむを得ない場合、感染症指定医療機関以外の医療機関に入院させることが可能です。
厚労省はここに来て、その例外規定を強調するような通知を出しています。感染症病床が足りないからです。

となると、感染症指定医療機関以外の医療機関で医療従事者が感染しないか、それがいちばん心配になります。

件の検疫官は、マスクと手袋を付け、防護服は着用せず、乗客から質問票の回収作業等を行っていたとのこと。
ウイルスに感染したのは、マスクや手袋の外し方に問題があったんじゃないかと言う人もいます。
しかし検疫官に不手際があったとしても、それを誘発したのは膨大な仕事量に伴う過労ではなかったのか。

検疫作業の際に防護服を着用していなかったことが、今となっては悔やまれます。
その当時は、防護服など必要ないと、感染力を過小評価したということなのでしょう。厚労省の判断ミスです。
そんなことだから、感染者が出てもしばらくは乗客を船室で個別隔離せず、船内で自由に交流させたのです。
二次感染者が出てうろたえる、ド素人のような初期対応をした挙げ句が、いまの感染者数なのです。

まあ済んでしまったことは後日みっちり検証するとして、大事なのは今後です。
検査して下船なんてことを言ってたら、キリがないですよ。一刻も早く全員下船させ、地上で個別隔離です。
もちろん隔離施設は、前にも書いた「選手村」です。もう選択の余地も猶予もありません。

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クルーズ船の方々は全員感染者、と考えるぐらいの対処が必要では?
- 2020/02/10(Mon) -
「新型コロナウイルス感染」の話題ばかりを書きたくはないのですが、何しろ毎日新事実が出てきます。

クルーズ船の乗客乗員から、また新たに65人の感染者が確認されました。これはまた、急に増えましたね。
おそらく、たった一人の男性(香港在住の80歳の男性)から、合計135人まで感染者が広がったわけです。
二次感染か三次感染か、はたまた四次感染か、それはもう、どうでもいいことです。
最終的に、乗客乗員全員が感染するんじゃないかと、そんな突拍子もない予想にも、現実味が出てきます。

船内に残る約3,600人は、あと9日間は船室で隔離される予定です。ホントに厳しい居住環境が続きます。

今日の65人との濃厚接触者や、発熱などの発症者は、今後ウイルス検査が行われるでしょう。
それ以外の、期日まで無症状でしのいだ人たちには、下船前に全員検査が行われることになりそうです。

その下船前検査によってウイルス陽性となれば、その本人は病院に送られます。
また、そのウイルス陽性者との濃厚接触者は、たとえウイルス陰性でも、隔離(経過観察)が必要です。
感染初期には、検査で「偽陰性」となる場合があるからです。

何日も同じ船室で過ごせば、中から誰か一人でも感染者が出たら、同室の全員が感染していることでしょう。

ここまできたらもう、乗客乗員全員がすでに感染者と考えて、先手を打って対処すべきではないですか。
たとえウイルス検査が陰性でも、今後しばらくは隔離、またはそれに近い管理が必要です。
船内の方々には酷な話です。最大限の心身のケアが必要なことは、言うまでもありません。
なにしろ人数が多いですから、いまのうちから少しずつ、隔離施設への移動を始めた方がいいと思いますけど。

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新型コロナウイルス感染のおかげで、インフル少なめ?
- 2020/02/06(Thu) -
この時期にしては、あまりインフルエンザが出ませんね。毎日患者さんは来ますが、かなり少数です。

流行開始が早くて、予防接種率が上がった可能性があります。昨年の当院での接種数は、過去最多水準でした。
新型コロナウイルス感染対策が国民全体に浸透し、そのおかげでインフルも減った、という分析もあります。

米国では今、過去10年で最悪レベルのインフルエンザ流行のようです。しかも驚くべきことに、B型です。
B型の流行は約30年ぶりとのこと。すでに死者1万人超。もやは新型コロナウイルスどころじゃないのです。

一方で日本では、A型はすでに下火で、B型もわずか。全体的には流行期が終了したような印象です。
もちろん今後、インフルエンザの流行が再燃する可能性はあるので、油断は禁物です。
B型だと予防接種がよく効くはずです。なんなら今から接種してもいいんですよ。ワクチンの在庫あります。

ところで、「新型コロナウイルス感染」って、「SARS」「MERS」みたいな略称がなくて困ります。
メディアでは「新型肺炎」というところもあるし、「新型コロナ」と言ってるニュースキャスターもいる。

「新型コロナ」は、ひところのトヨタ車のことですから、そんな風には略さない方がいい。
70年代に、私が自動車学校で教習を受けたときの車も「コロナ」でした。たぶん、当時としては新型。

今後、全国各地で新型コロナウイルス感染者が出てくる様になったら、もう水際作戦は終了。次の段階です。
最終的には、インフルエンザと同様の対処で臨むということでしょう。インフルエンザ並に恐れましょう。

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船内留置は不完全だし、もう限界。むしろ陸上で隔離すべきでは?
- 2020/02/05(Wed) -
大方の予想通り、クルーズ船内での感染は起きていました。たぶん今後、ウイルス陽性者は増えるでしょう。
感染者は入院となり、それ以外の乗客は全員、あと2週間ほど船内に留められるとのこと。これはキツイ。

厚労省はの現在の方針は、次のようです。
・症状の出ていない乗客乗員についても、感染拡大を防ぐために14日間程度、船内にとどまるよう求める
・高齢者や持病がある人については症状がなくても検査することも検討している

つまり、こういうことです。
・まだ感染していない乗客乗員には、今後新たに感染するかもしれない機会が14日間続く
・高齢者や持病がある人でもない限り、症状が出るまでは検査はしない

2週間後にまた乗客にウイルス検査をして、また何人か感染が判明したら、次はどうするんでしょうね。
さらに2週間延長ですか。さすがに人道的に問題ありませんか。しまいにゃ乗客が全員感染しますよ。

昨日も書きましたが、大事なことなので2度でも3度でも言います。船内留置では感染が拡大する一方です。

乗客乗員全員を確実に個室に隔離できればよいですが、船の上では完璧にはいかないでしょう。
食事その他、誰がどのように3千人の世話をするのか。当然ながら、乗員も隔離対象ですからね。
同室の夫婦は、今後もずっと相部屋です。どちらか一人でも感染していたら、最終的には夫婦共倒れです。

こうなったら一刻も早く、陸上での確実な隔離に切り替えるべきじゃないのでしょうか。

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クルーズ船は、濃厚接触が延々と続く劣悪閉鎖空間になっていないか
- 2020/02/04(Tue) -
新型コロナウイルス感染の潜伏期は、最大で10日だということになりました。
一方で、中国での感染者数は10万人以上、そのうち半分は潜伏期間中に感染したとする推計もあります。

感染者が乗っていたクルーズ船は、いまだに横浜港沖に停泊しています。
熱や咳などの症状がある乗客とその濃厚接触者に対して、ウイルス検査を行うためです。

残念ながら、ウイルス陽性者が出る可能性は十分あります。その場合、どのような対応になるのでしょうか。

ウイルス陽性者は即入院(隔離)ですが、陰性の方でも「偽陰性」の可能性を考慮しなければなりません。
数日後に再度のウイルス検査を行うまで、陰性の方も隔離しておいた方がよいでしょう。

一方で、無症状で未検査の乗客は、明日にも下船・帰宅・自宅待機とするような話が出ていました。
厚労省は、香港で感染者が下船してから10日経過したので大丈夫だといいますが、少々あさはかな理屈です。

感染源を、香港で降りた人に限定するのは危険です。船内での二次感染の方こそ大いに心配すべきです。
理論的には、船内で今日感染した人がいるかもしれず、明日下船しても、本来なら10日間の隔離が必要です。
自宅待機となれば、家族への感染拡大が懸念されます。横浜港から自宅までの移動手段も大いに気になります。

いま、クルーズ船の乗客たちは、食事や観劇などを含め、船内では比較的自由に過ごしているようです。
陸から見れば、船というのは絶好の隔離環境ですが、船内自体は、濃厚接触が可能な状態が続く劣悪環境です。
検疫に時間をかけることが、かえって船内感染を拡大させることになっているのかもしれません。

無症状なので検査を受けなかったけど、実は感染していて潜伏期の乗員乗客が、はたして何人いるのか。
その方々が明日、下船することになるのでしょうか。それが百人千人の規模でないことを祈るばかりです。

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国だけじゃなく、医療機関レベルでの水際対策も重要なので準備中
- 2020/02/01(Sat) -
世界の国々が、新型コロナウイルスに対する「水際対策」を強化しています。
米国は、中国滞在歴のある外国人の入国を拒否し、湖北省滞在歴のある米国人は2週間隔離するとのこと。
さすがに米国のやることは徹底しています。それと比べると、わが国の対応は数歩遅れていますね。

決して強毒性ではありませんが、感染者数がどんどん増えれば、いつか日本でも犠牲者が出るかもしれません。

われわれ医療従事者にとっては、院内感染を防ぐために、外来における水際対策も重要です。
効率を考えるなら、現時点ではやはり武漢や湖北省といったキーワードで判断するしかないかもしれません。

新型コロナウイルス関連の院内掲示物を作ろうと思っていたら、医師会からpdfファイルが提供されました。
ダウンロードしてみると、「患者さんへのお願い」というタイトルの掲示用資料がが2パターンあります。

その一方(1)には、武漢滞在歴や濃厚接触歴等があれば「受付にその旨お申し出ください」とあります。
もう一方(2)には、武漢滞在歴や濃厚接触歴等があれば「必ず事前に電話で相談してください」とある。

院内掲示用として(2)は不適切、ていうか手遅れ。なので(2)は、入口の外に掲示する必要があります。
一方で(1)を入口に掲示すると、そのまま受付まで入ってきてしまうので、外には貼らない方がいい。
ということで、入口には(2)だけ、受付には(1)だけを掲示する、という運用が正解。

などと、どーでもいいこと考えるヒマがあったら、もっと良いポスターを自分で作れよ、って話ですよね。

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新型肺炎の拡散対策の参考までに、アウトブレイク映画を観てみた
- 2020/01/31(Fri) -
ニュースを見れば「新型コロナウイルス」関連ばかり。「桜」や「IR」や「EU」は付け足し程度。

WHOがようやく「緊急事態宣言」を出しましたが、それを待たずに日本は「指定感染症」に指定しました。
日本の決定について評価する人もいれば、遅すぎる、あるいは効果不十分だという専門家もいます。

休診日の今日、強毒性ウイルス感染症のアウトブレイクについて復習するために、映画を2本観てみました。
(ネタバレあり)

『アウトブレイク』(1995年)
エボラに似た症状の出血熱が、米国本土でアウトブレイクして大騒ぎという、ちょっと前の映画ですね。
じつは軍事機密に関係があったりします。ハリウッド映画らしい結末はお約束。

『コンテイジョン』(2011年)
コウモリ由来。咳と熱で発症し、脳炎で死亡。香港から始まり、東京でも発生するという、イヤな展開です。
空港等で感染が拡大し、ついにパニックへ。自分の顔を触るのが感染の元だと強調していました。コレ重要。

安倍首相は、湖北省滞在歴等のある外国人は、症状の有無を問わず、明日から入国を拒否すると表明しました。
思い切った措置にも見えますが、諸外国に比べれば遅くて生ぬるい対応かもしれません。
なにしろ武漢在住邦人の帰国では、帰国後の隔離措置があまりにも場当たり的で不完全でしたからね。

今日はついに、三次感染が確定的な国内感染者が出ました。武漢関連者だけを恐れても無意味なフェーズです。

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バス運転手の感染は、日本での新型コロナウイルス感染大流行の前兆?
- 2020/01/28(Tue) -
熊本空港で今日、米海兵隊のオスプレイ3機を見かけました。あのプロペラって、折りたためるんですね。

いや、そんなことより新型コロナウイルスです。空港内もマスクの人きわめて多し。警備の警察官も黒マスク。
搭乗口前の待合イスに座ったら、隣の家族が中国語で会話を始めたので、そっとその場を離れました。

毎日衝撃的なニュースが飛び込んできますが、ついに恐れていたことが起きましたね。日本人の国内感染。
武漢からのツアー客を乗せたバスの運転手の感染が、本日確認されたようです。ヒトからヒトへの感染です。

ツアー客の中に感染者がいたはずですが、潜伏期だったかもしれません。しかも1人とは限りません。
バスという閉鎖空間で長時間過ごしたわけですから、最終的には乗客全員が感染した可能性すらあります。

飲食店やホテルや空港等で、そのツアー客と接触して咳をあびたりした日本人が、他にもいるかもしれません。
しかし、武漢との関連を自覚できてなければ、もし発熱しても新型コロナウイルス感染は疑わないでしょうね。

奈良の運転手は、武漢からの旅行者との接触という根拠があったからこそ、感染が疑われたわけですから。

ヒト–ヒト感染が明らかに増えつつある今となっては、もうそろそろ武漢にこだわるのは危険です。
となると、風邪やインフルエンザとはどのように区別できるのか。患者側も、診療する側も、困った事態です。
果たしてこの感染症は、どのように終息していくのか、いかないのか、まったくイメージできません。

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「熱+咳+武漢」
- 2020/01/24(Fri) -
正代が堂々たる相撲を取り、炎鵬も痛快に勝ち越す。久々に、見てて楽しい場所ですね。
一方で、新型コロナウイルス(Coronavirus)は不気味だし、国会論戦は不愉快です。

武漢市では、新型コロナウイルス感染者専用の病院の建設が始まったと、さきほどニュースで見ました。
広大な更地に、無数の重機がウヨウヨ動いています。驚くべきことに、来月2日には完成予定とのこと。
どんだけ突貫工事ですか、中国。二次災害が心配になります。

中国の報道を見ていると、「新型冠状病毒」という文字が目に付きますね。
ほう、ウイルスは「病毒」と書くのですか。ちなみにコンピュータウイルスは「计算机病毒」のようです。
「冠状」で連想するのは、心臓の「冠状動脈(coronary artery)」です。なるほど「corona」ですね。

日本でも、すでに2人の感染者が確認されています。2人とも、武漢から帰国または来日した中国人男性です。
いずれも、中国で発症した後の日本入国です。水際作戦は機能していなかったということです。
さらに今日は、武漢から来日した中国人女性が感染を疑われているようです。確認されれば3人目となります。

これだけ人の移動があるのに、日本の感染者はまだ2人か3人だけ。しかも全員が武漢から来てる。
となると、武漢から来たのではなければ、新型コロナウイルス感染の可能性は低いように思えてきます。

しかしその点には注意が必要です。この3人は、武漢から来たからこそ疑われたからです。
北京や上海や深圳から来日した発熱者は、現時点では新型コロナウイルス感染を疑う対象ではありません。
昨日も書いたように、「熱+咳+武漢」というのが、いまのところ本疾患を疑う3要素なのです。

ただ、実際にこの3要素を満たす患者が来院したとき、実際にどのように対処すれば良いのでしょうね。
国立感染症研究所のマニュアルには、必ず咽頭拭い液を採取し、保健所に相談するようにと書かれています。
熊本市のサイトにも、そのような患者を診察した際は保健所に連絡するようにと、記載されています。
さて、土日祝日に保健所に連絡が取れるのか、まずそこからが心配ですけどね。明日、ためしに電話してみよ。

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新型コロナウイルス
- 2020/01/23(Thu) -
「新型コロナウイルス」感染については、いつ書こうかと躊躇している間にも、刻々と事態が変化しています。

武漢市ではついに、公共交通機関の運行が停止されました。なんと1100万人都市を封鎖ですか。さすが中国。

「SARS」で懲りたのか中国当局は珍しく情報を開示しているようですが、それでも鵜呑みにはできません。
武漢市外でもすでに、多数感染していると考えるべきでしょう。それが今後、国内外でさらに広がるわけです。

おりしも「春節」の大型連休が明日から始まり、のべ30億人が国内外を移動すると言われています。
14億人の中国人が、この7日間に1人あたり平均2回ずつ旅行をするというイメージでしょうか。
このうちの一部(700万人)が国外旅行をすると見込まれており、日本にも大勢来ることでしょう。

潜伏期間中の感染者に対しては、通常の水際対策など無意味です。いったいどうやって防げばいいのやら。

国立感染症研究所は、新型コロナウイルス感染症の疑いを次のように定義し、保健所への相談を促しています。
以下の1および2を満たす場合を、「疑い例」とする。
1.発熱かつ呼吸器症状を有している。
2.発症から2週間以内に、以下の(ア), (イ)のいずれかを満たす。
(ア) 武漢市への渡航歴がある。
(イ)「武漢市への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状を有する人」との接触歴がある。

しかしヒト–ヒト感染が疑われる今、もはや武漢市への渡航歴に限定する意味は薄れつつあります。
上記(ア), (イ)の「武漢市」は、「中国」に置き換えて考えるべきかもしれません。
まだインフルエンザの流行もおさまっていない今、発熱者への対応がとても難しくなるかもしれませんね。

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りんご病が警報レベル
- 2020/01/16(Thu) -
「新型コロナウイルス」の感染が、ついに国内でも確認されました。
いつかは日本にも上陸するだろうと思っていましたが、予想外に早い展開ですね。
感染者が解熱鎮痛剤を服用して下熱した状態で入国すれば、水際で防ぐことができない危険も判明しました。
だいたい、成田空港の検疫のゲートなんて、面倒に巻き込まれないように皆さんテキトーに通過してますよね。

全国ニュースが新型コロナウイルス肺炎なら、熊本の今日のニュースは「りんご病(伝染性紅斑)」ですね。
熊本県では、今年第2週における定点あたりの患者数が2.0となり、りんご病は警報レベルに達しました。
昨年末にもけっこう流行していましたが、今年に入ってまた、勢いづいて増えている印象です。

頬が赤くなり、次いで前腕、さらに下腿に、モワモワッとしたまだらな赤味(レース状紅斑)が出てきます。
上腕や大腿、おなかに発疹が出る場合もあります。手足がベタッと赤く腫れることもあります。
冬なので寒くて顔の赤いお子さんは多いですが、りんご病の紅斑(発赤)は妙に境界が明瞭なのが特徴です。

りんご病の面白いところは、感染性があるのは紅斑が出る前までということです。

よく保育園等が「登園許可証」を求めてきますが、りんご病に関してはナンセンスですね。
だって、りんご病だと診断できるのは顔が赤くなってからですが、その時点ですでに感染力がないからです。
つまり理論上、りんご病と診断がついて、なおかつ登園ができないお子さんは(ほぼ)いないのです。

それなのに、昨日も今日も、りんご病の子の登園許可証を書きました。何だかなぁ、てな感じですね。

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まだインフル多かった
- 2020/01/13(Mon) -
成人の日が1月15日ではないことには、いまだに違和感のある私です。
昨日は「終息レベルに感じる」と書いたインフルエンザの流行ですが、訂正します。まだまだ流行中です。
この時期、日曜祝日には多くの急病患者が当院を受診されますが、今日もその大半がインフルエンザでした。

明らかな症状を呈している方は、検査の有無等にかかわらず治療を開始することは、昨日も書きました。
しかしその治療と言っても、抗インフルエンザ薬を使うか使わないか、選択肢は(あるには)あります。

「インフルと診断→すぐ抗インフル薬」という回路ができあがっているのは、実は日本人特有のものです。
「家族にインフルがいる→念のため薬希望」という方も多いですが、当院ではそのような投薬はしていません。

健常な成人が予防の目的で抗インフルエンザ薬を使うのは、明らかに過剰反応です。
それに、世界中のタミフルの75%は日本人が消費している、という話は何年も前からあります。

欧米人ならば、「高熱→インフルかもね→自宅で安静」という治し方を選択するのが普通だといいます。
でも日本人は、「高熱→すぐ医療機関受診→ともかく薬」となってしまうんですね。

しかし一方で、「子宮頸がんで毎年3千人死亡→ともかくワクチン」とはならないのが不思議なところ。
治療薬は副作用も気にせずすぐに飲みたがるのに、ワクチンは副作用ばかりを気にするのが日本人なのです。
目先のことばかりが気になって、長期的・合理的な思考が不得意なのでしょう。

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インフル情報の変遷
- 2020/01/12(Sun) -
体感的には警報レベル」だと11月に書いたインフルエンザですが、今はすでに「終息レベル」に感じます。
いやもちろん、油断は禁物ですけど。

異例の早期流行で始まった19/20シーズンですが、昨年最終週の熊本市の定点あたり報告数は24.12でした。
それが警報レベルの30に満たないまま、今年第1週は8.28と報告数は急減しています。

ちょうど流行のピーク直前に年末年始を迎え、学校等での感染拡大が抑えられたのかもしれません。
ある意味、全国一斉に「学校閉鎖」が行われたようなものです。
しかし一方で、全国レベルで人が移動した後の新学期が始まった今、再び患者数が増える可能性はあります。

インフルエンザに関しては、テレビ番組やネットからの情報量も多く、患者さんの理解の助けになっています。

たとえば、インフル発症直後に検査をしても陽性反応が出ないため、少し待ってから来院する方が増えました。
ある意味では妥当な考え方ですが、高熱で苦しんでいるのに、無理矢理長時間待つ必要はありません。
病状と所見等によって、インフルエンザと診断することもできます。検査は絶対必要なものではありません。

インフルエンザによる異常行動が、必ずしもタミフルのせいではないことは、よく知られるようになりました。
前述のように、少し待ってから受診する方が増え、待っている間に異常行動が発生するケースも増えています。
もしも発症後にすぐタミフルを飲んだら、異常行動はタミフル内服の直後に起きるのでしょう。
タミフルに濡れ衣が着せられたのは、そのような例が多かったためだと推測されます。

出席停止期間についても、多くの方が正しく理解しています。順調な経過でも、登校は発症の6日後からです。
最近では成人でも、出勤停止期間を気にする方が増えています。正しい考え方だと思います。

テレビでオカシなことを喋る医者も時々いますが、おおむね適正で有用な情報がメディアから広がっています。
番組で言ってることが、われわれ医療機関の説明とあまり食い違わなくなってきたのは、なによりです。

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ゾフルーザ中断中
- 2019/12/03(Tue) -
昨年発売された抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」を、今年は慎重に使っていることは先日書いた通りです。
おもに子どもにおいて、ゾフルーザは耐性ウイルスを作りやすいことが、昨シーズンわかったからです。

日本感染症学会は、12歳未満の小児には慎重に投与するようにと提言しています。
日本小児科学会も、12歳未満の小児には積極的な投与を推奨しないという指針を公表しました。

とくに5歳以下の子どもへの投与は控えるべきだというのが、コンセンサスの得られているところでしょうか。

さらに最近、ゾフルーザ耐性ウイルスが通常のウイルスと同程度の感染力を持つことが、報告されました。
となると、ゾフルーザ耐性ウイルスによる大流行が起きる可能性があり、これは一大事です。

ゾフルーザは画期的な新薬だという理由で、昨年「先駆け審査指定制度」が適用され、迅速に発売されました。
ところが最近になって、もう少し時間をかけて審査しても良かったのではないか、などと言われ始めています。

昨シーズンは一時期、抗インフルエンザ薬の売上トップにも躍り出たゾフルーザです。
作用機序が画期的だと薬としても優れているように思えてしまい、1年前には私も飛びついてしまいました。
しかし、発売前から耐性ウイルス問題はわかっており、昨シーズン途中から雲行きが怪しくなりました。

前評判とのギャップが大きいと過剰に反応してしまうのが、日本人の気質です。
かく言う私もとりあえず静観の態度で、いまのところゾフルーザの処方は中断しています。
とくに耐性ウイルスの感染が報じられて以来、子どもには処方できん薬だなぁ、というのが正直な気持ちです。

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ノドにイクラ
- 2019/12/02(Mon) -
インフルエンザと感染性胃腸炎が同程度に流行しています。
伝染性紅斑(リンゴ病)と咽頭結膜熱(プール熱)もそこそこ、溶連菌感染も少し出ています。

以前から、インフルエンザには特徴的な咽頭所見「インフルエンザ濾胞」があるとされています。
今シーズンはとくに、その「イクラ」のようにプリッと膨らんだ、淡いリンパ濾胞の配列をよく見かけます。
もしかすると、いま流行しているのがA(H1)pdm09(旧・新型インフル)だからかもしれません。

咽頭後壁のリンパ濾胞といえば、インフルエンザに限らず、アデノウイルス感染でも特徴的な所見の1つです。
ただしアデノのイクラは大きく球体で醤油漬けしたような色調ですが、インフルでは半球状で半透明です。

また今シーズンのアデノは、イクラよりも滲出性扁桃炎が顕著なケースが多く、インフルとの区別は容易です。
ただし、その滲出性扁桃炎の白い「苔」が妙に多いとき、じつは溶連菌感染であるケースによく遭遇します。
溶連菌感染の咽頭炎は、もっと手前側が燃えるように赤くベタッとするものですが、しばしば例外があります。

アデノウイルス感染も溶連菌感染も、咽頭を綿棒でぬぐって行う迅速検査で確定診断がつきます。
両方とも疑われる場合、より疑わしい方から検査すべきところですが、私は綿棒2本重ねで咽頭をぬぐいます。
オエッとなるイヤな検査なので、いちどで済ませたいからです。

ところが時々、保険者からレセプトが突き返されます。絨毯爆撃的な検査をするなという理由でしょう。
保険者の理屈では、患者さんを2度「オエッと」言わせてでも検査は1つずつやれと、そういうことなのです。

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体感的には警報レベル
- 2019/11/23(Sat) -
インフルエンザは、すでに流行期に入っていますが、今日の診療からは「警報レベル」も間近だと感じました。
いまのところ、小学校の高学年から中学生ぐらいの患者がいちばん多く、乳幼児には比較的少ない印象です。
保育園や幼稚園よりも、小中学校での流行がいま爆発しているのでしょう。

抗インフルエンザ薬では、昨年一時もてはやされた「ゾフルーザ」は、今期はまだ一度も処方していません。
当院での処方薬は事実上、イナビルかタミフルの2択です。

ただし本音を言えば、軽症のインフルエンザの場合には、抗インフルエンザ薬の処方は不要と思っています。
しかし日本人には薬をほしがる人が多く、処方をしなければ苦情が出そうな雰囲気なので、処方しています。
嫌われても悪評を書き込まれても良いから処方はしない、なんて強気に出る勇気はありません。
せいぜい、うちではゾフルーザは出しません、ぐらいの態度をなんとか維持している程度です。

ところで、流行の指標としてよく使われるのが、「定点医療機関あたりの患者報告数」ですね。
これが1週間に10を超えると「注意報レベル」、30を超えると「警報レベル」ということになります。

土日祝日診療をしている当院へは、この時期かなりの人数のインフルエンザ患者が集まります。
患者数はたいてい「定点医療機関あたりの患者報告数」よりかなり多く、いつも流行を先取りする格好です。
そのような、インフル患者が集中しがちな当院が、定点医療機関に選定されることはなさそうですね。

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大腸ポリープ消失
- 2019/11/16(Sat) -
完璧な準備によって極めてスムーズな腸管洗浄ができたおかげで、昨日の人間ドックは超快速・腸快適でした。
その前夜には寒気がして、健診の直前にインフル発症かと心配しましたが、単に寝室が寒かっただけでした。

待合室で他人の問診をそれとはなしに聞いていたら、胃腸の検査は生まれて初めてという初老の方がいました。
そのほかにも、胃カメラは3年ぶりだが大腸検査は今回が初めてだと言う問診も、丸聞こえてきます。
ああいう混み合った場所で、既往歴やら検査歴やらを根掘り葉掘り尋ねるのも、いまどきどうかと思いますね。

そういえば、昨年の検査で指摘されていた大腸ポリープが、昨日は1個も見つかりませんでした。
どうやら「消えた」ようです。私はこれを、ブロッコリーの抗腫瘍効果だと見ています(個人の意見です)。

私が毎晩ブロッコリーを1株食べるようになって、いったい何年経つのか。
5年ぐらいかと思ってましたが、調べてみたら9年近いようです。われながら驚き、呆れます。

それ以前の私にとっては、ブロッコリーと言えば何かの「付け合わせ」でしかなく、しかも残していました。
あるいは、映画『007シリーズ』のプロデューサーが、アルバート・ブロッコリだというぐらいです。

今ではほぼ毎晩、ブロッコリーを1株食べていますが、正確に言えば、一部は愛犬・花ちゃんが食べています。
花ちゃんはブロッコリーが大好きで、けなげにも私の横にお座りしてヨダレを流して待っているのです。
食べ過ぎない程度に与えていますが、毎晩食べてもいまのところ体調に悪影響はなさそうです。
もちろん私の体調も、すこぶる良好です。抗酸化・抗腫瘍効果にも、けっこう期待しています。

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インフル流行かなり早い
- 2019/11/15(Fri) -
インフルエンザが、全国的な流行期に入ったようです。過去20年では2番目に早いペースとか。
その1番早かったのは、2009年の「新型インフルエンザ(AH1pdm09型:H1型)」大流行のときです。

現在流行中のインフルエンザのウイルス型は、ほとんどがA型。しかも「H1型」のようです。

近年のA型インフルは、「AH3型(H3型:A香港型)」と「H1型」が交代で流行するパターンでした。
4年前は、1月から「H1型」の流行が始まり、その後B型は出ましたが「H3型」は出ませんでした。
3年前は、11月から3月頃まで、ほぼ「H3型」一色でした。

ところが2年前からは、両方の型のA型インフルエンザが、1カ月程度の時間差で流行するようになりました。
2年前も昨年も、12月から「H1型」が流行し始め、1月以降は徐々に「H3型」に変わるパターン。
シーズン途中で両方の型の流行が混在し、全体としての流行のピークは1〜2月にひとつでした。

さて、今シーズンも「H1型」から流行が始まっていますが、過去数年と比べて1カ月以上早いですね。
もしも「H3型」の流行が例年通り1月以降に始まるとすれば、A型流行のピークが2つになるかもしれません。

2つのA型インフルエンザが間隔を空けて流行すると、全体としてかなり長期間の流行になるかもしれません。
1シーズンに2回罹患してしまう人が増えたり、学級閉鎖の日数が増えたりする可能性も出てきます。

残念ながら、一方のA型に罹っても、もう一方のA型インフルエンザの免疫は獲得できません。
両方の免疫を同時に獲得できるのはワクチン接種だけです。ワクチンだと、B型の免疫も付くのでオトクです。

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大腸検査前の裏技
- 2019/11/13(Wed) -
お食事中の方は、念のため今日のブログをこれ以上は読み進まないよう、最初に申し上げておきます。

さて、2日後の金曜日に、人間ドックで大腸検査をします。大腸がん検診として私が毎年している検査です。
あれの何が大変かって、前処置ですよね。大量の下剤内服と、何度も排便を繰り返すトイレ行脚です。
検査当日は、下剤が良く効いて腸内が十分にきれいになった者から順に、検査を受けることができます。
昨年私は、何人かの被検者の中では最初に検査を受けることができ、以後すべての待ち時間が最短でした。

このような栄冠を勝ち取るためには、実は周到な準備がありました。そして今年も同様の準備で臨んでいます。

あらかじめ検査センターから、下剤類とともに、検査前日に食べる「低残渣食」3食分が届いています。
低残渣食とは、食物繊維を少なくし、消化管に負担を掛けないように調整した食事のことです。
要は、食べても「便」になりにくいように工夫された食事とも言えます。

この低残渣食を、検査の前日に3食摂るような指示ですが、私はこれを2食分前倒しすることにしました。
まず今夜は、明日の朝と昼に食べる予定の低残渣食2食分を、まとめて食べました。
明日の早朝には、本来は明日の夕方摂る予定の低残渣食を食べます。その後は検査までずっと絶食します。

要は、検査前の24時間には、固形物を何も食べないということです。これが私の裏技、または奥義です。
もちろん、一般の方にオススメできる方法ではありません。よい子はマネしないでくださいね。

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インフル異常行動の集計
- 2019/11/02(Sat) -
「インフルエンザに罹り異常行動を起こした患者が、昨シーズン42人いたことがわかった」

厚労省の発表を受けて、メディアがこのように報じていますが、世間が気にするのは薬との関連でしょうか。
治療薬別にみると、タミフル服用者が19人、ゾフルーザ16人、リレンザ4人、イナビル3人だったとのこと。

この42人というのはメーカーが収集した副作用件数であり、厚労省研究班による報告数とは異なります。
「インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動に係る全国的な動向に関する研究」による異常行動例数は72です。
治療薬別にみると、ゾフルーザ25、タミフル12、イナビル12、リレンザ7などと、ゾフルーザの分が悪い。

面白いことに、NHKや読売は42人で報じ、朝日は72人の方を取り上げています。
いずれにしても、細かい分析や解説はありません。治療薬との影響を疑わせるような、誤解を招く記事です。

厚労省研究班の報告では、治療薬以外にさまざまな事柄と異常行動との関連を調べています。

たとえば、異常行動を起こした人の80%が、ワクチンを接種していました。
これを聞いて、うわぁワクチン危ない!、なんて思う人がいるのでしょうか。いるかもしれません。

さらに言うと、異常行動を起こした人の99%が、医療機関でインフルエンザの迅速検査を受けていました。
これを聞いて、インフルエンザの迅速診断検査は受けない方がいい、って思う人はいるでしょうか。まさかね。

迅速検査もワクチンの接種も、単なる相関関係であって、異常行動とは何の因果関係もありません。
治療薬との関係も同様。よく使う薬であればあるほど、異常行動との関連性を疑われてしまうだけの話です。
現に、異常行動72人のうち37人に使われていた最も「怪しい」薬は、解熱剤アセトアミノフェンでした。

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そろそろインフル季節?
- 2019/10/21(Mon) -
インフルエンザが、そろそろ流行期にさしかかろうとしています。
すでに8月にはチラホラ出始めたのですが、よく考えたら、5月頃にもインフルエンザ患者はいました。
5月は前シーズンの名残り、8月は今シーズンの走り、なんて区別することに意味はないのかもしれません。

日本が猛暑にあえいでいる頃、真冬の南半球ではインフルエンザが大流行していました。
地球規模で考えたら、インフルエンザには特定の流行期などないのです。

「今年は流行が早そうですね」などとよく聞きますが、それは昨年も聞きました。しかも9月に。
「今年は暑いですね」と言うのと同じで、今回は特別だと思いたがる、一種のバイアスかもしれません。

昨シーズン、新しいインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」が華々しく登場しました。
しかし前評判が高かった割に、その耐性が問題となってシーズン後半は尻すぼみでした。

日本感染症学会は今月、12歳未満の小児へのゾフルーザ投与は慎重にすべきだとする見解を発表しました。
このような考え方が主流になりつつある今期、当院としてもゾフルーザの処方はかなり限定的になりそうです。

一方で塩野義製薬は、ゾフルーザをインフルエンザの予防に使えるように、効能効果の追加申請を行いました。
医学的には有益なのかもしれませんが、耐性問題に揺れているの最中のそのような動きには疑問を感じます。

そういえば8月にインフルエンザと診断した患者さんから、「こんな真夏にも罹るんですか」と尋ねられて、
「南半球はいま2月ですよ」と言ってしまいましたが、その場では、2人とも間違いに気づきませんでした。

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夢をすぐ忘れる仕組み
- 2019/09/25(Wed) -
いま見た夢をすぐ忘れる仕組みを解明したと、名古屋大学の研究者が発表しました。とても興味深い研究です。

夢を覚えているということはREM睡眠から目覚めたことを意味すると、先日当ブログで書いたばかり。
でもたしかに、今の今まで生々しく覚えていた夢の内容を、その数秒後には思い出せないことがよくあります。
だから夢日記は、枕元に用意しておいたノートに、覚醒直後直ちに書かなければならないのです。

それほどまでに、夢が記憶として定着しにくく急速に忘れてしまうのには、何か理由があるはず。

と思っていたら、その通りだったんですね。脳内に、夢を強制的に忘れさせる仕組みがあるようです。
視床下部の「メラニン凝集ホルモン産生神経(MCH神経)」が、REM睡眠中に記憶を消去しているそうです。

ならば、MCH神経を選択的に抑制するか、MCH神経の伝達物質をブロックすれば、夢は消えないわけですか。
いやそうではなく、MCH神経を活性化するとREM睡眠の時間が増加すると、名大の研究者は言っています。

つまりMCH神経は、人間に夢を見させておいて、しかもそれを消すという不思議な働きをしているわけです。

それならば、起床時には消えることになっている夢を、なぜわざわざいったん見るのでしょう。
しかも、夢の記憶は完全には消えておらず、わずかに覚えている状態で目覚めるというのも、意味ありげです。

もしもMCH神経作動薬の開発でも始まったら、臨床治験のボランティアには真っ先に手を挙げたいですね。

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何度も夢を見る
- 2019/09/06(Fri) -
『夢の操縦法』(エルヴェ・ド・サン=ドニ侯爵 著)を読んでいるところですが、なかなか捗りません。
「夢のように未来的な操縦法」という意味ではありません。「夢を操縦する方法」について書かれた本です。

「夢研究史上の最重要著作」とか、「夢の実験家による一大奇書」などとも評されている、一種の研究書です。

次元はまったく異なりますが、私もかつては夢日記を書いたりしていた「夢の素人研究家」(の端くれ)です。
なので、ある種の睡眠剤を処方した翌月に「夢ばかり見て困る」と訴える患者さんの、気持ちがわかりません。
思わず「そりゃ良かったですね」と言いたくなるぐらいですが、もちろんそんな事は決して口にはしません。

自分は夢はあまり見ないという人がいますが、私のように夢をよく見る人間と、何が違うのでしょう。
以前は、見ても覚えてないだけだろう、ぐらいに思っていましたが、つい最近、その答が見つかりました。

『睡眠がみえる!』(河合真・立花直子 著)という近著の、最終ページの最終段落に、こうありました。

実は夢を見ているのはREM睡眠だと言われているのだが、そのまま次のNREM睡眠へ移行すると夢の記憶はなくなってしまうと言われている。すなわち夢を覚えているということはREM睡眠から目覚めたと言うことを意味している。例えば複数の夢を一晩で覚えている人がいるが、それはすなわち複数回REM睡眠から目覚めたということである。(引用終わり)

おそらく、REM睡眠後半の眠りが浅くなりすぎるタイプの人間は、その都度少し目覚めてしまうのでしょう。
そして覚醒のたびに、いま見た夢を思い出しつつまた入眠する。そんなことを繰り返すので、何度も夢を見る。
私の眠りって、たぶんそんな具合になってるのだと思います。

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PET検査と安静
- 2019/07/30(Tue) -
自分のがん検診の一環として、今年も「PET-CT」検査を、去年と同じ済生会病院で受けて来ました。

この検査でからだに注射する、ブドウ糖に似た「18F-FDG」という物質は、半減期110分の放射性物質です。
比較的短い半減期なので、使用する直前に製造しなければ使い物になりません。
私に投与されたのは、久留米市の某社で今朝製造されたばかりの薬だそうです。

経験者ならご存じの通り、注射の後は約1時間、FDGが細胞に取り込まれるのを待ちます。
がん細胞は増殖が盛んなためブドウ糖をたくさん消費しており、FDGも他の細胞よりも多く取り込まれます。

からだを動かすと筋肉細胞にもFDGが取り込まれてしまうので、じっと安静にして待つのが大事です。
待っている間にケータイ等で電話すると、手や口にFDGが集積し、口腔などのがんを見つけにくくなります。
暗い待機室で、横になって目を閉じて、体をなるべく動かさず、なんなら寝て待つぐらいが良いのです。

そうそう、その待機室なんですが、壁際に置かれたリクライニングチェアがちょっと問題でした。
横になってイスが少し動いた時、左手の小指がイスと壁に挟まれてしまい、ひどい激痛に見舞われました。
イスと壁の間隔が2センチ程度で、イスが自由に回転するという、指を挟まない方がおかしい配置なのです。

注射後はしばらく安静にしておく必要があるのに、出だしから激痛に悶える羽目になりました。

その約1時間後、突然、撮影時間が来た旨を告げるインターホンがなりました。
爆睡していた私は驚いて身を起こし、しまった、激しく動いてはいかんと思い出して再び仰臥位になる。
ところがその瞬間、またまた左手の小指を激しく挟んで悶絶。痛みに耐えながらの撮影開始となりました。

痛みに気を取られていたため、撮影台上での体位に気を遣う余裕がなく、あちこちに不具合が起きました。
とくに背中の皮膚(皮下脂肪?)の「たくれ」を修正せぬまま体を固定されたのが、いちばん不本意でした。

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風疹対策ようやく始動
- 2019/07/29(Mon) -
風疹(風しん)の追加的対策」は、熊本市では7月末までズレ込みましたが、ようやく始動したようです。

本対策の政令が施行したのは2月1日。熊本市ではその実施までに約半年を要したわけです。
初年度の対象者(昭和47年4月2日〜昭和54年4月1日生まれ)に、熊本市からクーポンが届き始めています。
そして昨日は、当院第1号の対象者が、風しん抗体検査を受けるために来院されました。

そうかと思えば今日は、他の自治体での検査結果をふまえて、ワクチン接種のために来院した方もいます。
おそらくその自治体では、熊本市よりはだいぶ早い時期に、クーポンの送付が始まっていたのでしょう。

このように、本対策の開始時期には自治体間で差があり、風疹対策への意気込みの違いを感じてしまいます。

そういえば、消費税増税に際しての「キャッシュレス・消費者還元事業」の方も、だいぶ遅れてますね。
どの店で買えば5%のポイント還元が受けられるか、私はその情報を早く知りたくてウズウズしているのに。

経産省のサイトによれば、対象中小店舗の公表は7月下旬に行われるというスケジュールになっています。
ところがもう7月29日になったというのに「近日公開予定」のまま。7月はあと2日しかないですよ。

いてもたってもいられず、今日の昼休みに経産省の「ポイント還元窓口 消費者向け」に電話してみました。

この手の窓口はかなり待たされるだろうと思いきや、1コールですぐにオペレーターが出たので慌てました。
オペレーターを大幅に増員して待機しているというよりも、たぶん、問い合わせ自体が少ないのでしょう。

「いったい、いつになったら公開するのか」と問いただしましたが、「まだなんです」との返答のみ。
ただ、そのオペレーターの女性がアニメ声だったので、なんとなく私も強気になれず、電話を切ったのでした。

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