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発熱外来の「空白の2カ月」始まる
- 2024/04/01(Mon) -
保険医療機関における診療行為に対する報酬、つまり医療機関のおもな収入である「診療報酬」の話です。

コロナ禍においては「診療報酬上の特例」措置がありましたが、昨年来、段階的に見直されてきています。

たとえば昨年9月までは「トリアージ加算」300点というものがありました。300点とは3,000円のことです。
これは発熱外来における、時間的・空間的分離や感染対策に必要な人員と物品の確保に対する報酬です。
時間や場所を工夫し、防護具も完備して診療する際に認められる、いわば「発熱外来手当」です。

昨年10月からは、その手当が147点に減りました。1,470円です。ちまちました話ですみません。
さらに今回の改定では、なんと20点に減額です。発熱外来の感染予防経費は、200円で抑えろということです。

動線や時間帯分離を緩和したり、手袋やガウンなども節約して使い回せと、そういうことなのでしょうか。
少なくとも私は今日も、昨日までと同じ防護具を使って検査等を行いましたが、今後どうすべきか悩みます。

ついでに言うなら、147点は3月末で終了したのに、20点が始まるのは6月からということです。
診療報酬の大幅な改定は、これまで4月に行われてきましたが、今回からは6月改定となりました。
つまり4月と5月の発熱外来には、それ専用の報酬がまったくありません。まさに「空白の2カ月」なんですね。
減額はしょうがないとしても、空白はおかしいでしょう。この不都合をどう思ってるんですかね、厚労省は。

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次の「新興感染症」に備えて
- 2024/03/19(Tue) -
コロナ禍は終息したわけではありませんが、もう、次の「新興感染症」のための動きが、始まっています。
令和4年末に成立した「改正感染症法」は、部分的な施行を経て、ついに来月1日、全面的な施行となります。

平時から、自治体と医療機関の機能・役割分担を確認しておくために、「医療措置協定」が締結されます。
今後、重大な感染症が発生・蔓延した際に、国や自治体や医療機関等が迅速かつ的確に動けるための準備です。
新興感染症の際、病床確保や発熱外来などの医療を提供することを、医療機関があらかじめ約束するものです。

今週がその協定締結の意向調査の締切ということで、当院も先週、電子申請サービスを介して回答しました。
もちろん次回も当院は、発熱外来を担うつもりです。それが何年後か何十年後のことか、わかりませんけど。

この協定には「流行初期医療確保措置」が含まれます。流行初期の医療機関の減収を、国が補填する措置です。
診療報酬収入が感染症流行前の同月の診療報酬収入を下回った場合、その差額が支援されるそうです。

これは太っ腹ですね。コロナ禍初期の頃には、いちばん望まれていた方策かもしれません。
しかし減収分しか補填しないというのは、コロナ禍で問題となった「焼け太り」への対策のような気もします。
いずれにしても、新興感染症の際に医療機関がすごく頑張ることへのモチベーションには、なりにくいですね。

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新型コロナ医療支援策終了へ
- 2024/03/05(Tue) -
新型コロナの医療における支援策は、今月末で終了することになっていましたが、それがが確定しました。

その中でメディアが大きく取り上げているのは、コロナ治療薬の自己負担額が高額になるということです。
たとえば「ラゲブリオ」は、3割負担の方で現在9千円の自己負担が、4月から約2万8千円になります。

この大幅な負担増によって、治療薬を希望しない人が増えることが懸念されていますが、そうでしょうか。
いや、そうだとは思いますが、もうすでに、昨年10月に処方が激減していますからね。

昨年9月までは、コロナ治療薬は「全額公費負担」でした。つまり自己負担ゼロです。
それが10月から3割負担で9千円になった時から、多くの方が、処方を希望しなくなってしまいました。
処方を希望するのはほぼ、1割負担(自己負担3千円)の高齢者だけになりました。
実情ではすでに、コロナ治療薬は高すぎて敬遠されているのです。4月から激減、というわけではありません。

ワクチンはしかし、これまで無料だった分、7千円程度の自己負担は大きく感じますね。
とはいえこれも、このところすでに接種希望者は少なく、有料になったから激減するわけでもないでしょう。
おもに高齢者など接種を強く希望する方には、有料だから接種しないという発想は無いかもしれません。

医療機関にとって実は、治療薬とかワクチンよりも、今回の診療報酬の改定の方が大問題なのですけどね。

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あてにならないコロナ感染者数
- 2024/02/18(Sun) -
日曜の診療の後半はいつも、発熱外来一色となります。今日はそれが38人。
コロナ陽性者は23人検査中6人(26%)、インフルエンザ陽性者は30人検査中の10人(すべてB型)でした。
ひと頃と比べて、コロナもインフルも、検査数や陽性率がそれぞれ減って来ています。

新型コロナは今年に入って定点あたり報告数が増え続けていましたが、2/5〜11の週では減少に転じています。
これは熊本市でも、熊本県でも、全国的にも、ほぼ同じ傾向です。
一方でインフルエンザは、年末に比べて1月は少し減ったもののまた増加に転じ、2月はさらに増えています。

感染者数の推移はそうかもしれませんが、定点あたり報告数の集計は、どこまで正しいのでしょう。

まず、コロナは検査費用が高いため、発熱者の検査希望は明らかに「インフル>コロナ」となっています。
このバイアスがあるので、インフルとコロナの感染者数を比較することは、ほとんどナンセンスです。

また小児は医療費の公費負担があるので、コロナの検査希望数は「小児>成人」となりがちです。
そのため、コロナ感染者の年齢分布を正確に分析することも、現状ではほとんど不可能です。

そのようなこともあって、当院発熱外来のデータ分析も、最近はあまり精密にはやらなくなりました。
4月から検査の診療報酬が「激減」します。これもまた、見かけ上の感染者数の減少につながりそうですね。

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開業医の働き方改革
- 2024/02/14(Wed) -
「働き方改革」(労働基準法の改正)によって5年前から、残業時間の上限が罰則付きで定められました。
医師にはその適用が5年間猶予されていましたが、今年4月から、残業は原則「年960時間」が上限となります。

これで本当に医師が働きやすくなるのか、病院は十分な医療を提供できるのか、懸念はたくさんあります。
とても大事なことなのでいつか日を改めて書くとして、今日は「開業医の働き方改革」について考えました。

いま世間で言われている「医師の働き方改革」の対象となるのは「勤務医」です。
その勤務医を、規則に違反して「残業させた」場合には、「使用者(雇用主)」が罰せられます。

同じ医師である「開業医」はしかし、誰かに指図を受けて残業するわけではないので、この罰則の対象外です。
開業医も残業することはありますが、これは地域医療に貢献するために自分の判断で決めたことだからです。

とは言え、開業医が時間外に行っている医療行為は、社会の要請に応じたものです。
もとより医師には、医療の提供を求められたら応じなければならないという「応招義務」があります。
しかし、医師が健康を害するほど長時間労働をすることは、あまり持続性のある働き方とは思えません。

また、たとえ医師本人は体力の許す限り診療したいとしても、医療行為には医療スタッフが必要です。
医師以外のスタッフの働き方改革の観点からも、開業医であろうとも、残業はできるだけ減らすべき時代です。

そういうわけで、勤務医のみならず開業医の働き方改革にも、世の中の理解が得られることを願っています。

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いつかは「3分(サンフン)クッキング」になるのか
- 2024/01/10(Wed) -
PCR検査等、コロナの「遺伝子検出検査」をした場合、レセプトにはその詳細を記載しなければなりません。
(1)検査が必要と判断した医学的根拠:簡潔な文章で記載する
(2)検査結果:陽性か陰性か
(3)検査の実施日時:何日の何時何分か

たとえば今日の12時23分に行った陽性例では、次の様に記載をします。
(1)発熱等COVID-19を疑う症状があり、検査を行った。
(2)陽性
(3)101223

まったくムダな作業ですが、レセプトの提出を受けた審査機関は、これをどうやって審査するのでしょう。
現状私は(1)はほぼ全症例で同じ文言で提出していますが、何の問題も起きていません。
陽性か陰性かは間違えないように記載しています。でも(3)の時刻は間違えても検証しようがないはずです。

それなのに律儀にも当院では、(3)の日時分を何度も確認するという、少々ムダに思える作業をしています。
このデータ必要なのかと、先日支払基金に電話で尋ねてみましたが、記載をしてくださいとの一点張りでした。

現状では、検査の際に時刻を看護スタッフが宣言し、それを聞いた私が記録し、事務員が後に検証しています。
たとえばスタッフが「12時23分(フン)です」と言うと、私が「12時23分(プン)ね」と復唱したりします。
最近の若い方は、「3フン」とか「4フン」のように「半濁音化」しないことが多くて、少し違和感があります。
私は敢えてそれを「3プン」とか「4プン」などと半濁音化して復唱する毎日です。

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現行の健康保険証、来年12月に廃止決定
- 2023/12/22(Fri) -
現行の健康保険証が、来年12月2日に廃止されることが決まりました。
これまで「来年秋に廃止」と言ってましたが、11月末までは秋だとしたら、まあほぼ既定路線通りです。
医療現場でどのような不具合、不便があろうと、「マイナ保険証」に一本化する方針は変わらないようです。
決めたのだから追いつけよ、ということです。

御上に逆らってもしょうがないので当院も、今年3月から「オンライン資格確認」システムを導入しています。
最初のうちは「保険証情報の紐付け遅れ」等の問題が頻発しましたが、最近はわりと安定していますね。
なんならマイナ保険証の方が便利だったりします。

そんな当院のような医療機関につけ込むような、少々珍妙な支援案が、このたび厚労省から発出されました。
マイナ保険証利用促進のインセンティブとなるような、利用率の増加や利用件数に応じた支援だといいます。

「今年10月の使用件数と比較して、来年何%増えたかに応じて、1件あたり20円〜120円支援しま〜す!」
「でも計算が面倒くさそう」「ご安心ください。医療機関からの申請は不要です!」「わあ、それはいい!」

「ちょっと待ってください。それだけじゃないんです」「まだあるの?」
「いまなら、マイナ保険証の利用が500件以上の月があると、顔認証リーダーをもう1台半額でプレゼント!」
「うわぁ、どんどん認証できちゃいそう!」(ていうか、狭いクリニックの受付にリーダー2台も要らん)

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診療報酬は、増えるか、減るか
- 2023/11/30(Thu) -
診療報酬の改定が話題になる時期にはいつも、増大する社会保障費をどうするのか、という議論が出てきます。

社会保障費を抑えるには医療費を削減する必要があり、そのためには診療報酬を減らすべきだという論法です。
この理屈に、一般国民はああそうかと納得するのかもしれませんが、実はまったくオカシな話です。

診療報酬というのは、保険診療への対価であり、医療機関や医療従事者の収入の原資となります。
それは医者の「働き」に比例して得られるものなので、頑張れば頑張るほど収入が増えるのは当然のことです。

その際の、さまざまな診療内容に対する「点数」は国が定めており、それを国は自由に「改定」できます。
医者の儲けの総額ともいえる国民医療費を抑えるのは簡単。その点数の設定を引き下げるだけで済むのです。

しかしそもそも、国民医療費が増えたのは、高齢化やコロナ禍などによって、医療の需要が増えたからです。
たとえ、医者が頑張って国民の寿命を延ばしてきたとしても、高齢化社会は医者の責任ではありません。

なのに、医療需要が増えたので、医療費を減らすために医者の儲けの単価を下げようという話なのです。
そして残念なことに、医者の儲けを減らして医療費を削減することに対して、世論はあまり反対しないのです。

医師の働き方改革や看護師などの給料アップが求められる中で、診療報酬の改定はどっちへ向かうのでしょう。

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コロナは激減、インフルはまだ注意報レベル
- 2023/10/27(Fri) -
コロナとインフルエンザの流行状況について、最近あまり書いていなかったので、久々にまとめてみます。

当院でも、熊本でも、全国的にも、コロナが減ってインフルエンザが増えています。

全国の新型コロナの定点あたり報告数は、最近の5週間は、11.0→8.8→5.2→3.8→3.3、と減り続けています。
熊本県でも、12.7→11.3→6.4→3.3→2.7、熊本市でも、12.6→10.4→5.1→3.0→2.2と、同じ傾向です。

一方でインフルは、熊本市では、9.8→10.0→17.2→11.0→13.0と、注意報レベルをウロウロしています。
どういうわけか、爆発的に増えて警報レベルに向かってる、というわけでもない、微妙な推移です。

同時期の当院での診断数は、コロナは36→18→12→14→8 インフルは46→21→16→28→31、でした。
これも同様に、コロナは激減したけど、インフルは激増というほどでもない中途半端な増え方です。
それでもおそらく、来月には警報レベル(=定点あたり30以上)にはなりそうです。

この流行状況に一致して、インフルワクチンの接種希望者はとても多く、コロナワクチン希望者はわずかです。
感染者も、検査数も、ワクチン接種も減って、もうコロナは「オワコン」なのでしょうか。
だとしてもコロナはまだゼロじゃないので、発熱外来はまだしばらく続けることになるんでしょうね。

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ジェネリック医薬品不足
- 2023/10/24(Tue) -
ジェネリック医薬品大手「沢井製薬」の胃薬「テプレノンカプセル」に、品質管理上の不正が発覚しました。

薬を包むカプセルの品質が悪くて劣化しやすいため、新しいカプセルに入れ替えて試験を行っていたようです。
新任の担当者が正しく検査をしてしまい、まったく溶けなかったカプセルがあることが発覚。お粗末な話です。

つまり、たとえ薬の主成分に問題が無くても、カプセルが悪くて効果不十分な医薬品だったということです。

「テプレノンカプセル」といえば、「レバミピド錠」と双璧をなす、日頃とてもよく使われる胃薬ですね。
先発品名はそれぞれ「セルベックス」と「ムコスタ」です。パッケージの外観も先発品と後発品は似ています。

ジェネリックを嫌う人にはその品質を疑う方が多く、以前なら、私はその考えをキッパリ否定していました。
それは偏見ですよ。大手メーカーのジェネリックの品質は信頼できますよ。問題ありませんよ、と。

でも実際は、問題大ありじゃないですか。「安かろう悪かろう」じゃないかと言われれば、反論できませんよ。

3年前の「小林化工」の不正事件に始まり、翌年は「日医工」の不正と、ジェネリック業界の問題が続きます。
メーカーの業務停止や自主回収などによって、医薬品の供給はいま極めて不安定で、品薄が続いています。
そのとどめが、今回の沢井製薬です。これで医薬品の品薄はますますひどくなるかもしれません。

いずれもしっかりしたメーカーだったのに、手抜きや不正をせざるを得なくなった要因があるのでしょう。

ジェネリックメーカーは数多くの医薬品を製造しており、その多くがひどく安価な不採算品目だそうです。
他のメーカーが業務停止や出荷停止をしても、それを補うために不採算の薬は増産しにくいわけです。
さらに2年に1度の薬価改定で約10%ほど薬価が下がるため、メーカーの儲けはどんどん減るといいます。

メーカーを追い詰めたのは、薬価制度や製薬行政に根本的な原因があるのかもしれません。

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まだ発熱外来は続けてますけど
- 2023/10/16(Mon) -
昨日・今日の発熱外来では、コロナ陽性者7人、インフルは25人。だいたいこんな比率ですね、最近の流行は。

コロナとインフルの検査は同時に行うことができますが、最近はインフルだけ検査するケースが増えました。
これは流行を反映したもので、またコロナの検査代が有料(しかも高額)になったことも背景にあります。

当院で行っているコロナの遺伝子検出検査(NEAR法)の診療報酬は700点。つまり7,000円と高額です。
しかしまあ聞いてください。検査の消耗品(検査キット)代が、1検体あたり約6,000円もかかるのです。

先日招集された厚生局の「集団的個別指導」は、じつは診療単価がある程度高い医療機関が対象でした。
「コルァ〜、検査しすぎやろうが、ええ加減にせえやぁ〜」という、国からの恫喝、じゃなくて指導なのです。

ですが当院では、国が推進するコロナ診療に真面目に対応して、目一杯発熱外来を行っただけです。
たしかに見かけ上の診療単価は高いですが、その大半が検査キット代に消えているのです。
つまり儲けているのは医療機器や検査キット会社ですからね。売り上げだけ見て評価しないでいただきたい。

結局、診療報酬という公定価格とそれを熟知した業者の間で、医者は上手い具合に働かされているのです。

検査や治療で四苦八苦するばかりじゃなく、いまは予防(ワクチン接種)にも力を入れようとしています。
ただしワクチンの納入価格がかなり高額なので、これまたかなり薄利です。どうにかなりませんかね。

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「集団的個別指導」
- 2023/10/11(Wed) -
厚生局熊本事務所による「集団的個別指導」に招集され、午後を臨時休診にして講演を聞きに行って来ました。
内容的には、保険診療における注意点についての懇切丁寧な説明であり、別の言い方をすれば「説教」です。

その「召集令状」が届いたのは1カ月前のこと。すでに今日は乳幼児の予防接種の予約などが入っていました。
発熱外来もまだ毎日行っており、できることなら急な臨時休診は避けたいと思っていました。
都合が悪い場合は不参加でも良さそうな雰囲気だったので、先日厚生局に電話してみました。

私「発熱外来を中止するのは市民の健康にも反するし、乳幼児の予防接種を急に変更するのもいかがなものか」
厚「参加できない方のために別日にも開催を予定しておりますので、そちらに参加していただきます」
私「別日とは、いつになりますか」
厚「その当日の1カ月前のご連絡になります」
私「それでは結局、今回と同じことですね。別日にも参加しないということは可能ですか」
厚「そうなりますと、『個別指導』を受けていただくことになります」

「個別指導」・・・医療機関がもっとも恐れる、恐怖の4文字ですね。「コベツシドウ」と書けば6文字です。
かつて新規開業直後に受けたことがありますが、準備が超々大変だし、確実に休診を余儀なくされます。
そのような、医療機関を困惑・狼狽・憔悴・疲弊させる招集をちらつかせるお役所のやり口は、嫌いですw。

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「オンライン資格確認」システムの補助金を申請
- 2023/09/22(Fri) -
「マイナ保険証」をカードリーダーにセットして顔認証する操作にも、慣れた患者さんが増えました。
医療機関が行っているのは「オンライン資格確認」ですが、これには実は2つの「確認」が含まれています。

(1)「本人確認」:顔認証や暗証番号の入力による
(2)「資格確認」:保険証情報がわかる

旧知の患者さんであれば(1)は省いても良いのですが、(2)のためにカードをセットしてもらっています。
ただし、オンラインで確認した(2)の情報が最新のものかどうかは、別問題。そこが面倒なところです。

この、オンライン資格確認のシステムを導入した医療機関には、きちんと申請すれば、補助金が支給されます。
その上限は、診療所の場合42万9千円。このシステムを導入するための初期費用は、当院では約60万円でした。
このように、システム導入が義務とされていながら、医療機関の手出しが大きいのです

補助金の申請期限が今月末に迫り、ついに今日、申請書類と添付書類(すべてpdfファイル)を提出しました。
取りかかったらすぐ終わる作業なのですが、どうにも気が重くて、腰を上げるまでに何か月もかかりました。

一部書類はExcelファイルをダウンロードして記入する必要があるので、Macユーザーのやる気をそぐのです。
結局は、Mac内にインストールしたWindowsで処理しました。たいした作業じゃないけど、ムカつきます。
せっかくペーパーレスで申請できるのだから、サイトのフォームへの入力で完結してほしいですね。

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コロナは高止まり、インフル右肩上がり、そしてワクチン
- 2023/09/17(Sun) -
インフルエンザが通年で流行していますが、いよいよこれから本来の「流行シーズン」を迎えます。

これだけ報じられているので、高熱が出たらインフルか?と思いがちですが、高熱でもコロナの方が多いです。
インフルの検査しか希望しなかった方が、陰性だったので念のためコロナの検査をしたら陽性だったりします。

今日の発熱外来は、最近の日曜日のなかでもとくに受診希望者が多く、かなり早い内に予約受付を止めました。

コロナとインフルの同時検査を今日行ったのは18人。そのうちコロナ陽性8人、インフル陽性2人でした。
インフルで学級閉鎖中だという39度台のお子さんも、両方検査したらインフルは陰性でコロナ陽性でした。
全体では、コロナ陽性16人に対しインフルエンザ陽性は5人と、インフルがコロナに迫りつつある印象です。
というのも、8月1カ月間のコロナ陽性診断112人に対してインフル陽性はわずかに13人だったのです。

熊本市の定点あたり報告数も、コロナとインフルを比べて見ると、当院の検査結果と同様です。
コロナがピークでほぼ横ばいなのに対して、インフルは右肩急上昇でコロナに迫っています。

あらためて免疫を付けるために、今シーズンこそは、インフルエンザワクチンを接種すべきかもしれません。
それに加えて新型コロナワクチンの「秋開始接種」も、今月下旬からはじまります。
まだ発熱外来が忙しくて、ワクチン接種枠の設定が定まっていません。希望者の方は少々お待ちください。

(蛇足)今日は私の、63回目の誕生日でした。「高齢者」まで、あと731日。

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報告数がピークアウトしたとしても、感染者は増えているかも
- 2023/07/30(Sun) -
新型コロナの感染者数の推移の指標は、毎週の「定点あたり報告数」です。
5月8日(月)以来の月曜〜日曜を単位として、都道府県毎の報告数が集計され、金曜までに公表されています。

熊本県は、2.06→2.30→2.41→3.54→5.43→6.38→8.75→9.58→11.99→15.93→22.05、という推移。
先週(7/17〜23)の報告数は、5類化最初の週(5/8〜14)の10.7倍に増えています。
5類化直前の週(5/1〜7)の新規感染者数が1日平均88.9人なので、いまは1日951人程度と推定できます。

最新週(7/24〜7/30)の定点あたり報告数の集計結果はもちろん、まだ出ていません。
当院の最新週までの陽性診断数は、5→7→9→13→15→27→29→31→30→36→46→34という推移でした。
これだけ見るとピークアウトした感もありますが、当院の少ないデータだけでは統計学的な意味はありません。

とくに最近、有症状の濃厚接触者などコロナ感染が確定的な方が、敢えて検査をしないケースが増えています。
いわゆる「みなし陽性」とも言える臨床診断事例ですが、いまは、検査代の節約がそのおもな要因です。

発熱等で電話相談があっても実際には受診しない方もいます。検査しないのなら、受診も不要なのです。

未検査だとコロナの自覚も乏しくなりがちで、下熱後すぐに出勤する方もいますが、それもやむなしです。
発症後5日間は外出を控えることが推奨されているとは言え、強制ではありませんから。

家族などの濃厚接触者の方には、無症状なら出勤OKなどと伝えていますが、まだ若干の抵抗は感じます。
そして案の定、出勤した日の夜から発熱したりします。こんな事態にはもう慣れるしかないんですかね。

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コロナ入院はすでに厳しい状況です
- 2023/07/29(Sat) -
土日祝日に発熱外来をしていると、予約の電話が引っ切りなしにかかってきます。
日頃のかかりつけや、自宅近所の民間病院や、当番医に連絡して断られた方からの電話も、少なくありません。
しかし高熱で具合の悪い方であっても、予約枠が満杯の場合は、当院でも受診をお断りすることになります。

とくに病状の重い方には救急要請するように伝えますが、なかには「救急車に断られた」という方がいます。
救急車は来たけれど、いまの病状では入院は難しいという救急救命士の判断で、搬送はしなかったそうです。
近隣の複数の病院に電話しても、コロナ受け入れ病床が空いていないとの返事で、どうしても入院できません。
保健所に相談しても、必要であれば救急要請するようにとの返答ばかりで、問題はなかなか解決しません。

5類化以降、コロナ医療の調整役が事実上不在です。最後まで面倒をみてくれる相談役がいなくなりました。

当院受診者で、すぐ入院が必要ではないけど軽い低酸素の方には、パルスオキシメーターをお貸ししています。
年齢や病状にもよりますが、酸素飽和度が○○%以下になったら救急要請してください、などと伝えています。
客観的な根拠(低酸素)がなければ、救急隊や救急病院への説得力がないからです。

熊本はいま、そんな状況です。報道されているコロナ情報と医療現場の実情は、大きく乖離しています。
これはコロナ禍の3年半では初の事態です。それも覚悟の上での5類化なのですが、現実は厳しいのです。
世間の関心は猛暑と猟奇事件や悪徳企業に向いていますが、最大の社会問題は今もコロナかもしれません。

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「ウィズコロナ」と言うけど、気分は「ポストコロナ」?
- 2023/07/22(Sat) -
なでしこジャパン。初戦を5−0の大勝で飾りました。
おおいに盛り上がる観客席もパブリックビューイングもスポーツバーも、マスク装着者なんて誰もいません。

とは言え、発熱外来をやっている医療従事者としては、少しばかり、コロナの現状に触れておきます。
皆様、ご記憶でしょうか。日本ではいま、コロナの定点あたり報告数が毎週発表されているのですよ。
5月8日の「5類化」以来、1週間毎の報告数が都道府県別に集計されています。

熊本県では、2.06→2.30→2.41→3.54→5.43→6.38→8.75→9.58→11.99→15.93、という推移です。

かつては、東京都の新規感染者数が日本全体の新型コロナの流行の指標のように、毎日報じられていました。
ところがその東京の最新(7/10〜7/16)の定点あたり報告数は8.25です。お隣の神奈川県も8.14です。
一方で九州7県はすべて10以上。福岡を除くと全県で15以上なのです。沖縄は別格で31.8です。

このように今回(第9波?)は明らかに「西高東低」です。ナゼナンダロウ、ドシテナンダロウ(タモリ風)。
沖縄との交流の多さでは説明が付きません。佐賀と宮崎での増加が福岡よりも著しいのですから。

そんな状況でも第8波までと違うのは、スポーツ観戦だけでなく、世の中全体の「ポストコロナ」気分ですね。
今日の発熱外来で1人、ノーマスクでの受診者がいました。もはや発熱外来でもポストコロナ気分なのか?

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当院がRSウイルス検査をサービスしない理由
- 2023/07/10(Mon) -
RSウイルス検査は、1歳以上は保険適用がないので当院では原則としてやってないことは、前にも書きました
ところが、他の医院では検査してもらえた、という患者さんもいて、なんともやりきれない気持ちになります。
当院がケチで融通が利かず、他院は温情ある医療機関に見えるからです。

1歳以上の幼児(とくに1,2歳児)へのRS検査は、医療機関によって次のいずれかで行われることになります。

(1)自費(=患者の10割負担)で検査を行う
この場合、RSの検査料金だけでなく、初診料や処方箋料や他の検査も、すべて自費診療となってしまいます。
なぜなら、保険診療と自費診療を混在させることは「混合診療」となり、禁止されているからです。
私を含め多くの医療従事者は、必要時の混合診療を認めて欲しいと思っているのですが、現状では御法度です。

(2)医療機関のサービスで検査を行う
RS検査の費用を医療機関が負担し、保険診療にも自費診療にもしないやり方です。
患者負担はRS検査以外の診療部分のみとなり、混合診療ではなくなります。すべて保険診療となります。
そして例えば1,2歳のお子さんの場合、熊本市だと元々医療費の自己負担がないので、患者負担はゼロです。

このうち(2)は、見かけ上はサービスですが、それで医療機関の負担が増えるわけではありません。
なぜなら、小児科で3歳未満は包括医療のため、何歳であっても元々検査代を請求できないからです。
RSウイルス検査の費用はどっちみち医療機関の手出しなので、(2)のサービス検査には抵抗がないのです。

しかし、包括医療なので手出しになることと、混合診療を避けるために手出しすることでは、意味が違います。
厳密に言えば(2)は、医療費を自治体と保険者に負担させて患者負担を回避する、グレーな「裏技」です。
これは、医療費を減らすためにRS検査の保険適用を0歳に限定している趣旨には、反することになります。

なので私は、検査が患者さんの医療に真に必要ならサービスもしますが、治療内容に影響しないならしません。
そもそも、RSウイルス感染に特効薬は無く、他の風邪と同様に病状に応じて治療を行うだけです。
園から言われたからとか、念のため程度の理由では、RSウイルスの検査をするわけにはいかないのです。

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すでに「第9波」なのかどうかは問題ではありません
- 2023/07/09(Sun) -
「5類感染症になっても、新型コロナウイルスが変わるわけでも、流行が終わるわけでもない」

そのように言われる一方で、社会の方は確実に変わり、人々の危機意識も全体的に希薄になっています。

いまひとつピンとこない「定点あたり報告数」はしかし、5/8の「5類化」以降、全国的に増える一方です。
たとえば熊本県の毎週の報告数は、2.06→2.30→2.41→3.54→5.43→6.38→8.75→9.58という推移です。
全国で熊本よりも数値が大きいのは、沖縄48.39、鹿児島13.48、千葉9.89、宮崎9.66の4県だけです。
人口と定点数の比率が必ずしも同じではないので単純な比較はできませんが、熊本の流行ぶりはわかります。

各県の報告数の推移を見ると、宮崎はほぼ熊本と同じ動きで、鹿児島は2週間ほど先行した増え方に見えます。
さらに沖縄は、その鹿児島よりも4週程度先を突き進んでいて、いま医療崩壊に瀕しています。
今後流れが変わる要素がないので、熊本も6週間後には沖縄のようになると考えた方が良いでしょう。

当院の今日の発熱外来は、朝のうちに夕方までの予約枠が埋まる勢いでした。体感的には、すでに第9波です。
全国各地の定点あたり報告数のグラフを見れば、第9波の坂を登り始めたことぐらい誰だって分かります。

ところが後藤担当相は、患者数が大きく伸びてないので現時点では第9波には当たらない、と強弁しています。
まあ、政治家が不都合な事実をできるだけ矮小化したがるのは、今に始まったことではありませんけど。
いま既に第9波かどうかの判定はどうでもいいので、政府のコロナ対策は先手を打って欲しいものです。

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いまの学級閉鎖は、ほぼコロナのクラスターです
- 2023/07/08(Sat) -
雨は本降りにはならず、また雨漏りもせずに今日の発熱外来を終えましたが、明日からの雨が心配です。

今日も夕方までの予約枠がすぐに埋まってしまい、何人もの受診をお断りしたのは第8波の時と同様でした。
沖縄ほどではないにしても、熊本でも感染者が急増していますが、それほどのニュースにはなっていません。
近隣の託麻西小学校は、今週は「休校」でした。学級閉鎖や学年閉鎖を超える「全校閉鎖」です。

熊本県は、県内の「インフルエンザ様疾患による休校・学年閉鎖等」の情報を、ほぼ毎日発表しています。
今日時点での学級閉鎖等は、託麻南小(学級閉鎖)、託麻西小(休校)、奥古閑小(学年閉鎖)の3校です。

「インフルエンザ様疾患」という表現が使われていますが、これは「インフルエンザ」とは異なります。
熱と急性呼吸器症状を呈した疾患の総称であり、インフルもコロナもそれ以外の風邪も含まれます。

私の知る限り、いま休校している託麻西小で大流行しているのは新型コロナです。
しかしその託麻西小は「インフルエンザ様疾患による休校」と報じられており、誤解を招きかねません。

発熱しても必ずコロナの検査を受けるわけではないので、学級閉鎖の原因が厳密には特定できなくなりました。
コロナだとわからなければ、下熱後すぐに登校することになるでしょうから、感染拡大の原因になります。
学校では、以前のような3密対策や厳格なマスク着用は行われていません。そこが去年までとは異なります。
こうしてコロナはいま、学校で大流行するステージに入りつつあるような気がします。

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コロナは、発症の5日後までの自宅待機が推奨されています
- 2023/07/01(Sat) -
5類化した新型コロナは、感染しても法律に基づく外出自粛は求められず、個人の判断での療養となります。
とは言え、検査陽性の方からは「いつまで休めば良いですか」と、ほぼ必ず尋ねられます。

厚労省は「外出を控えることが推奨される期間」を、次の(1)のように提示しています。

(1)発症日を0日目として5日間は外出を控えること
この「0日目」という言い方。私は嫌いですね。それにここで言う「5日間」は、明らかに誤解を招きます。

(2)発症日を0日目として5日目までは外出を控えること
せめてこう言えば、0日目から5日目までの「6日間」だと分かります。つまり「5日間」ではないのです。

(3)発症日の5日後までは外出を控えること
という表現が最もシンプルで間違いがないと思うので、当院ではそのように患者さんに伝えています。

法律用語で「1週間間隔」というと、「中7日」つまり「8日後」を意味してしまうそうです。
なのでお役所は、予防接種で「1週間間隔」や「1週間後」の意味で、「6日の間隔」という表現を使います。

このようなお役所用語の原則が曲げられないのであれば、(1)はせめて次のように併記してほしいものです。

(4)発症日を0日目として5日間(すなわち発症日の5日後まで)は外出を控えること

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超高齢感染者に対しては、保健所の積極的介入を希望します
- 2023/06/25(Sun) -
2日連続で書くのもくどいですが、日曜日は「週計」をする日なので、当院のデータをまとめてみます。

5類化後(5月8日以降)の、当院における毎週の陽性者数は、5→7→9→13→15→27→29という推移です。
これを頭打ちと判断するのは尚早。その29人の陽性者以外に、感染確定後の方の受診も増えているからです。
他院でコロナと診断された方の処方や、登園許可証を求めて来院するお子さんもいます。

自宅での抗原検査は、研究用キットでは偽陰性も偽陽性も見かけるので、参考程度にしておきます。
一方で医療用では偽陽性がほぼないので、陽性が出たら確定的ですが、偽陰性例にはしばしば遭遇します。

ある90代の方が「受診相談専用ダイヤル」に入院希望を伝えたら、必要なら救急車を呼べと言われたとのこと。
これではまるで、第8波の医療ひっ迫時と同じような状況です。
まだ第8波ほどの感染者数には至っていませんが、5類化したために保健所の対応が渋くなっているのです。

さいわいその高齢者は全身状態も酸素飽和度も良かったので、そのまま自宅療養としましたが、要注意です。

国が新たなコロナ対応方針に舵を切ったのだから仕方ない、と諦めるわけにはいきません。
たしかに感染拡大を抑える政策はもう終わっていますが、重症化対策だけは手を抜かないでいただきたい。
とくに超高齢の感染者については、発熱外来任せにせず、2類の時と同様に保健所に介入してもらいたい。

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ちょっとした風邪症状の方が、意外とコロナです
- 2023/06/24(Sat) -
毎週日曜日には、新型コロナの現状を書くことが多いですが、今日は1日前倒しして書きます。
というのも、今日の発熱外来では、かなり急激に感染者が増えている印象をもったからです。

発熱外来受診者22人のうち、コロナの遺伝子検出検査(NEAR法)を行ったのは11人。検査率50%でした。
その11人のうち、陽性者は8人。陽性率73%。年齢は5歳〜70歳。

周囲にコロナ感染者がいるので検査したら、やっぱり陽性だった、という方は8人のうち3人。
残る5人の陽性者は、風邪と思ってたらコロナですか、どこで感染したんだろう、みたいな方でした。
以前は前者のような方がほとんどでしたが、この2,3カ月は後者のような方が大半です。

ですがそれ以上に、検査を受けなかった発熱者が多く、大別すると次の2パターンあります。
(1)たぶんコロナじゃないので、検査しない
(2)たぶんコロナなので、もはや検査しない

検査費用の公費負担がなくなって(1)のような人が増えましたが、最近は(2)の方も目立ちます。
いずれも、適切に自主療養していただけるか、万一の重症化を早期発見できるか、そこがカギとなります。

はたして一律に公費負担をなくしてしまってもよかったのか、発熱外来をしていて今更のようにそう感じます。
高齢者や基礎疾患のある方に限って、医師の判断で検査の公費負担を認めるような特例はできませんかね。

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マイナ保険証ご利用の方は、必ず従来の保険証もご持参ください
- 2023/06/21(Wed) -
マイナ保険証が、医療機関の資格確認端末で「無効」と判定されてしまう問題。当院でも時々遭遇します。

加藤厚労相が昨日の会見で、マイナ保険証が無効と表示された場合の対応について、次のように述べました。

(1)職場が変わったなどで、まだ保険証が発行されていない場合(いわゆる「保険証切り替え中」のケース)
保険証の持参忘れの場合と同様、現行の取扱いで対応する。(つまり10割負担やむなし、ということですね)

(2)保険証は発行されているが、マイナ保険証システムへのデータ登録が完了していない(登録遅れ問題)
患者の自己負担は3割分等とし、医療機関は事後的に医療保険の資格情報を確認してレセプト請求を行う

(3)保険証は発行され、システムへのデータ登録も完了しているが、システムトラブルで資格確認ができない
患者の自己負担は3割分等とし、医療機関は事後的に医療保険の資格情報を確認してレセプト請求を行う

このうち(2)(3)、はマイナ保険証しか提示しないからこその、新手のトラブルです。
そしてその場合、患者に負担はさせられないので医療機関の側でなんとか工夫しろ、ということらしいです。

従来の保険証があれば即座に解決することなので、患者さんにはつねに保険証も携帯していただきたいですね。
保険証を持参してない方には、ご面倒でも家に取りに帰ってもらうか、後日再提示してもらうことになります。
将来、万一(?)保険証が廃止された場合には、どうなるんでしょうね、いったい。

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コロナ陽性者、ついに急増中
- 2023/06/18(Sun) -
日曜の発熱外来はいつも受診者・陽性者が多いですが、今日も予約の電話が引っ切りなしでした。
予約枠は早々にキャパオーバーとなり、多くの方の受診をお断りすることになってしまいました。
これはちょうど、第8波の頃と同じ状況です。

コロナ検査(NEAR法)22人中10人陽性でした。この高い陽性率は、感染者が増えているときの兆候です。
それに加えて今日は、自宅で抗原検査陽性だった方の受診も4人ありました。これも最近増えています。

5月8日以降の毎週の陽性者数は、当院では5→7→9→13→15→27と急増中です。

濃厚接触者かつ高熱の方は、以前なら「みなし陽性」の範疇ですが、いまはその判定すら求められません。
つまり、たぶんコロナという方にはもう、確定診断の必要性がないのです。治療や届出に差はないので。

そういえば、ここに来てインフルエンザがかなり減りました。今日の陽性者はたった1人でした。
近隣の小学校では学級閉鎖が出ていますが、これも今はインフルではなく、コロナの学級閉鎖です。

熱せん妄が出たお子さんは、インフルではなくコロナでした。せん妄はインフルだけの特徴ではないのです。
昨日他院で風邪薬の処方を受けたけど何も検査をしなかった、という陽性者がけっこういます。
発症から間が無かったということもありますが、それにしても、コロナがスルーされることはとても多いです。
そのような他院で、どのような隔離状態で診察を受けたかが気になります。

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電気自動車(EV)とマスクを作っている会社
- 2023/06/14(Wed) -
今日の発熱外来ではコロナの検査は6人にだけ行いましたが、全員が陽性でした。陽性率100%は初めてです。

「職場に発熱者がいた」という病歴のある、つまり職場で感染したと思われる方が目立ちます。
しかしそれが、「職場にコロナ感染者がいた」ではないところが、ウィズコロナ時代の難しいところです。

多少体調が悪くても微熱があっても、いまでは普通に出勤する方が多いのです、とくに検査も受けずに。
職場でも公共の場でもノーマスクのことが多くなったので、ある程度は感染が広がるのは仕方ないでしょう。

診療では、私は必ずマスクを装着してます。発熱外来ではさらに、フェイスシールドと手袋も着けています。
国か市か、どこからか支給されたマスクの在庫が院内にたくさんあります。
その中に「BYD」と刻印されたマスクがあります。中国製です。品質はまあ許容範囲です。

で、そのマスクを作ってるBYDって会社、あの中国最大のEVメーカーBYD(比亜迪)と同じ会社なんすね。
いまやテスラと並ぶ世界のEVの2強のひとつ。やがてテスラを追い越すだろうとも言われています。

にしても、EV(乗用車・バス・フォークリフト)とソーラーパネルとマスクを作ってるって、変な会社です。

BYDの利益の約6割は、EVではなくマスクによるものだという記事を、最近どこかで目にしました。
テスラもBYDも、マスクが引っぱってるんです・・・お後がよろしいようで。

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コロナはまもなく「風邪」扱いです
- 2023/06/04(Sun) -
真夏のような日差しの中、今日も暑い駐車場に行ったり来たりしながらの発熱外来。こっちも熱が出そうです。
発熱外来受診者36人のうち、コロナの遺伝子検出検査(NEAR法)を行った方は16人。うち陽性4人でした。

まず感じるのは、「5類化」以前に比べて発熱者の検査率が激減したことです。
検査料が有料化されたためだけでなく、自分がコロナかどうかを知りたい方が減っているようです。

インフルエンザだろうと受診して、念のためにコロナも検査したら陽性だった、というケースも目立ちます。
そのような方の周囲にコロナっぽい人はいなかったそうですが、でも確実に、誰か感染者がいたんでしょうね。

いま医療機関は、当院のようにいわゆる「発熱外来」スタイルを続けているところばかりではなさそうです。
土曜日に他院で普通に診察と処方を受け、日曜日に当院でコロナと診断される方も、珍しくはありません。
前日の医療機関の院内で、どれだけコロナを拡散させたのだろうかと、少々心配になります。

当院では、発熱者をいちいち隔離するものだから部屋が足りず、血液検査や点滴などの処置がはかどりません。
もはやコロナを特別視しないのが世の方向性なのかもしれませんが、なかなか私は踏み切れないのです。

とりあえず、「院内トリアージ実施料」が算定できる8月末までは、まじめに「トリアージ」を続けます。
それ以降のトリアージ算定は認められないわけですから、コロナは完全に「風邪」扱いで良いのでしょうね。

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定点把握で感染の推移を見る
- 2023/05/20(Sat) -
新型コロナウイルス感染症が「5類化」されて初めての、定点あたりの感染者数の集計結果が昨日出ました。

厚労省は、定点に指定した医療機関が昨年10月以降これまでに報告していた感染者数を、再集計しています。
これにより、感染者の実数ではなく定点報告数によって、昨年以来の感染の推移を見ることができるわけです。
さらに、定点あたり報告数から都道府県や全国の新規感染者数を推定することも、理論的には可能です。

とは言え、5類化によってコロナ診療医療機関が増えれば、一医療機関あたりの感染者数は相対的に減ります。
定点医療機関の報告数からの推定値では、全体の感染者数が低く見積もられる可能性はあります。

それで思うのですが、診療報酬を請求するときに提出するレセプトのデータって、利用できないんですかね。
PCRなどのコロナの遺伝子検査を行った場合、結果が陽性か陰性かをレセプトに記入しなければなりません。
あれって何のためでしょう。医療機関に面倒なことさせるのなら、そのデータを利用したらどうですかね。

ついでに言うなら、何時何分に検査したかをレセプトに記入しなければならない面倒なルールもあります。
コロナ診療や統計解析の役に立つなら多少の面倒も我慢しますが、検査時刻の正確なデータって必要ですか?
まるで、医者の架空検査・架空請求を防ぐために作られた障壁みたいで、気分悪いですよ。

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「5類化」第1週を終えて
- 2023/05/14(Sun) -
5月8日の「5類化」後、新型コロナの日々の新規感染者数がわからなくなっています。
全数の把握は完全に終了し、1週間単位の「定点把握」、つまりサンプリング調査に切り替わりました。

毎日一喜一憂するのはやめて、大きな流れがわかればいいと決めたわけですから、慣れるしかありません。

その定点把握の「第1週」は5月8日(月)〜14日(日)、つまり今日までの1週間です。
この1週間の集計結果が、5月19日(金)に発表されます。だいぶタイムラグがありますね。

当院が定点医療機関であれば、この期間の新規感染者は5人と報告することになります。
その前の1週間は8人なので減少傾向がありそうですが、当院のデータだけでは統計学的な意味はありません。

日曜日の発熱外来受診者はまだ多いですが、「有料化」したコロナ検査は希望しない人がやはり増えました。

周囲にコロナはいない、症状も軽い、どうせ薬が無い、検査料が高い、などが検査を受けない理由です。
今日は陽性者が3人出ましたが、3人とも、周囲にコロナはいないけど、という方の念のための検査でした。
軽症の潜在感染者が、もうあちこちにウヨウヨいるのでしょう。まさしく、(狭義の)ウィズコロナですね。

陽性が出たら面倒、会社が休めない、という方も増えて来ました。これもコロナが軽症化したゆえでしょう。
発熱者のコロナ検査率は今後ますます低くなるでしょうから、定点把握の数値の正確性もかなり疑問です。

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発熱外来は「外来対応医療機関」へ
- 2023/05/01(Mon) -
新型コロナの「5類化」に伴い、従来の「発熱外来」よりも幅広い医療機関が、診療を行う体制となります。

新型コロナ診療を行う医療機関は今後、「外来対応医療機関」と言うことになるようです。
すべての医療機関がコロナ診療を行うのであれば、あえて「外来対応」と明言する必要はありません。
しかし残念ながら、「外来非対応」の医療機関もあるわけで、そのような呼称になるのでしょう。

当院のような「診療・検査医療機関」(いわゆる発熱外来)は、そのまま外来対応医療機関にスライドします。
さらに多くの医療機関が、新たに外来対応医療機関として、コロナ診療に加わっていくことになるはずです。

外来対応医療機関は、原則として県などのサイトに公表され、発熱者などの受診への便宜が図られます。

しかしながら、日曜・祝日の外来対応医療機関は、おそらく今後もかなり限られることでしょう。
コロナ以前から、休日の医療体制は平日よりも圧倒的に貧弱でしたが、コロナ禍ではなおさらです。
流行のピークが来るたびに、当院の日曜・祝日は発熱者一色となり、それ以外の診療が困難になるほどでした。

多くの医療機関が休日に休診することには、もちろんそれぞれの言い分や事情があることでしょう。

休日診療には経営上のさまざまな困難があるのに、診療報酬にインセンティブが与えられてないのは問題です。
当番医が休日診療すれば休日加算が付きますが、元々休日診療をしている医療機関では、それが付きません。
「好きで休日診療してるんでしょ」みたいな、冷たい仕打ちなのです。国は、その考えを改めていただきたい。

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感染者は減っても、発熱外来は必要です
- 2023/04/30(Sun) -
連休2日目。発熱外来受診者は31人。そのうちコロナ検査(NEAR法)実施者19人。陽性3人(16%)でした。

この3人の周囲にコロナ感染者はおらず、うち2人は、最初はコロナ検査をするつもりはなかった方です。
検査をしなかった12人の中にも、コロナかもと思う方が何人もいましたが、検査の無理強いはしませんでした。
「5類化」目前のいま、コロナの疑いがある人の診断を絶対確定させる必要性は、もはや無いかもしれません。

「インフルなら薬があるけど、コロナは知ってもしょうがない」と言い放つ方もいらっしゃいます。
「そんなことはありませんよ」と強く反論する根拠もなく、結果的に検査率が低下しているのが現状です。

「連休中までは検査料が無料ですよ」と甘くささやいても、もはや乗ってくる方はほとんどいません。
そんな具合ですから、連休後(検査料有料化後)の検査希望者はほとんどいなくなるかもしれません。

熊本県の今日の新規感染者数は29人でした。実数報告が5/8に終了しても気にならないほど、少ない人数です。
とは言え、自分が感染しているかどうか知りたい方は、今後もなくなることはないでしょう。
高齢者と同居している方などはとくに、気になるところです。

抗原検査よりも確実なPCR検査などの遺伝子検査は、今後もどこかの医療機関が実施を続ける必要があります。
結局は、これまでの発熱外来のノウハウと設備を有する医療機関が、今後も担うことになるのでしょうね。

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新型コロナの「5類化」が正式決定
- 2023/04/27(Thu) -
新型コロナの感染症法上の位置づけが、5月8日から「5類」に移行することが正式に決定しました。

さらに、空港等での水際対策の解除は、連休初日の4月29日に前倒しする方針のようです。
帰国時の混雑対策としてだけでなく、連休を利用して社会・経済の活性化を早めようという狙いでしょうか。

その一方で、おもに高齢者などを守るために、また来月からワクチン接種の新シリーズが始まります。
熊本市では先週から接種券の送付が始まり、今週は接種券を受け取った方からの予約が入り始めています。

当院では今回も、当院での接種歴がある方に限定して、電話か窓口で予約を受け付けています。
そのようにする理由は、ネット等での予約が不得手なかかりつけの方に、確実に当院で接種を行うためです。
ワクチンの供給量が限られているために、当初からずっとその方針で接種を行ってきました。

モデルナに限れば、ワクチンは十分に確保できるので何人にでも接種出来ますが、いまさら手は広げません。
当院での接種が初回の、それどころか来院自体が初めての方への接種は、受付や確認等に時間を要します。
その時間があったら、まず、かかりつけの接種希望の方全員に、ご希望の日時に接種をしたいのです。

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大型連休中の発熱外来
- 2023/04/23(Sun) -
連休中に発熱外来をしますか、みたいな調査依頼が、熊本市と熊本県から別々に届きました。
両者ほぼまったく同じことを聞いてきたので、いったいどういう了見なのかと、県に問い合わせてみました。
すると県の担当者は、ほう、市でも調査してるんですね、みたいにとぼけるので、確認をお願いしました。

実際には、市の調査に回答すればそれで良いのでしょうが、県の担当者の認識不足がどうも気になりました。

コロナ行政が転換期を迎え、お役所もたいへんです。全職員が全てを把握するのは困難なのかもしれません。
「5類」に変わるタイミングに合わせなくてもいいのに、いやそうだからか、ワクチンの接種も始まります。
幸いなことは、新規感染者数が、少なくともその報告数が、ひと頃よりは激減していることです。

連休中の発熱外来の混み具合がどうなるか予測は付きませんが、当院としてはこれまで通り診療するのみです。

むしろ気になるのは「5類化後」、つまり5月8日以降です。
なにしろこの日から、コロナ診療の公費負担が(一部を除いて)なくなります。自己負担が急に増えます。
支払いで揉めないためには、検査前いや受診前に、検査費用が3割負担であることを説明する必要があります。
予約の段階でこれを説明すれば、検査を断ったり受診自体をキャンセルする方も増えるかもしれません。
逆に言えば、連休中が公費負担のある最後の期間となります。まさか「駆け込み検査」ってないでしょうね。

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コロナ感染者はジワジワ増えてますけど
- 2023/04/17(Mon) -
発熱外来の受診者はめっきり減りましたね、と書きたいところですが、このところ不気味に増えています。

3月1カ月間のコロナ陽性者(NEAR法)は、22人(検査数181人、陽性率12.2%)でした。
ところが、4月は今日までの17日間(実診療日13日)だけで陽性者は22人(検査数105人、陽性率20.0%)。
さらに、とくに昨日と今日では、26人検査して陽性6人(陽性率23%)と、ジワジワと増えている印象です。
この6人の年代は8〜43歳と、若い方が目立ちます。

最近のコロナは症状の軽い方が多い印象がありましたが、ここに来て、高熱の方が目立つようになっています。
4月の陽性者22人を見ても、熱が38度未満の方は5人だけでした。昨日・今日の6人は全員が38度以上でした。

ひところは、熱が低いからと言ってコロナじゃないとは限りませんよと言ってましたが、様相が変わりました。
今のコロナは逆に、また高熱が出やすくなってきたかもしれません。

最近の問題は、発熱していても処方のみを希望して、検査を希望しない方が多いことです。
おそらくこれは、世の中の感染者数が減っているし周囲に感染者がいない、というのがその理由でしょう。
ところが実際には、周囲にコロナがまったくいない、という方が検査して陽性が出ることが多いのです。
当院の4月の陽性者22人のうち、周囲にコロナ感染者がいた人は6人(27%)だけでした。

どこで感染したのか見当もつかないという人もいれば、そういえば同僚が熱を出していたという方もいます。
もはや発熱しても検査しない人が増えたため、感染ルートがわかりにくくなってきています。

このようにしてコロナは、ついに「普通の風邪」のように扱われていくのでしょうか。
当院のような発熱外来が、検査をして陽性者を一部あぶり出しても、社会的な意義は少ないのかもしれません。

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オンライン資格確認は、リアルタイム資格確認ではない
- 2023/04/10(Mon) -
「オンライン資格確認」を当院でも導入しましたが、これは「マイナ保険証」のためだけではありません。
従来の保険証でも、「オンライン」で被保険者の「資格」が有効かどうかを「確認」することができるのです。

このシステムによってたぶん、「資格喪失後受診」を防げるだろうと、私は期待していたのですが・・・

職場等が変わって被保険者資格を喪失している方が、うっかり、その保険証で当院を受診することがあります。
保険証に記載の有効期限の範囲内なら、医療機関としてはそれ以上疑わず、診療を受け入れることになります。
すると2,3カ月後に保険者から「資格喪失後受診のため診療報酬は払えません」という一方的な通告が来ます。

以前は、保険者の言いなりになって、診療報酬の再請求をしていましたが、今はそんなことしていません。
保険者からの理不尽な通告は拒絶しています。当院としては保険証の確認をしたのだから、当然でしょう。
すると今度は保険者が面倒な手続きを強いられることになりますが、そんなの私の知ったことではありません。

ある保険者は、マイナ保険証だと資格が有効かどうか確実にわかるんですけどね、と捨て台詞を吐きました。

ところが、です。オンライン資格確認では正確に資格確認ができないことが、本日判明してしまいました。
3月末で退職した方の旧保険証を、2日前にシステムで確認してみたら「有効」だと判定されたのです。
今日になってもう一度確認したら、こんどは「無効」でした。
つまり、保険証の有効性を判定する大元のデータが、退職の10日後になってやっと更新されたということです。

保険者に電話で尋ねると、職場から保険組合への連絡が遅れたようです、と他人事のような回答。
私はさほど驚きはしませんでした。リアルタイムで資格確認ができるなど、最初から期待してはいませんから。

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新型コロナの「5類」化と、医師の「応招義務」
- 2023/04/06(Thu) -
新型コロナの「5類感染症」への「位置づけ変更」に伴って、最近よく聞くのが「応招義務」という言葉です。

「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」
医師法19条のこの規定が、応招義務の根拠とされています。診療拒否には「正当な理由」が必要なのです。

新型コロナはこれまで、特定の医療機関での対応が制度上求められていたため、応招義務の例外扱いでした。
「うちは発熱外来してませんので」という理由で、発熱者の診療を断ることができたわけです。

しかし5月8日からは、「新型コロナに罹患またはその疑いのみを理由とした診療拒否」はできなくなります。
加藤厚労相は会見で、このことを明言しました。コロナ診療に参画する医療機関の増加を目指すためです。

一方で加藤氏は国会では、動線分離できないなど診療が不可能であれば他院紹介をお願いする、と述べました。

結局、コロナ診療はそれが可能な医療機関が担うという、これまでとあまり変わらない形になるのでしょうか。
あるいは、動線分離等を厳格には守れない(守らない)医療機関も、コロナ診療に加わっていくのか。
たぶん後者。マスク装着義務も撤廃されたことだし、院内感染のリスクも事実上許容されていくのでしょう。


メディアでは「応召義務」という記載をよく目にしますが、厚労省の文書では「応招義務」を使っています。
当ブログでは以前は「応召」と書いてきましたが、本稿からは「応招」に切り替えました。

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マイナ保険証とウィズコロナへの診療報酬改定
- 2023/04/01(Sat) -
「四月馬鹿」って、最近あまり言いませんね。昭和の頃は「エイプリルフール」と同程度に聞く言葉でしたが。

「ウソついてもいい日」にお知らせするのもナンですが、今日から当院の医療費が値上がりしたのは本当です。

「マイナ保険証」を持って来なかった人からは、「6点」ほど余計に初診料を頂戴しています。今日からです。
再診料だって、容赦はしません(ていうか、ルールなので値引きできません)。「2点」ほど頂いてます。
たとえマイナ保険証を持って来て一定の承諾が得られた方でも、初診料は「2点」高くなっています。

「オンライン資格確認」システムの維持費は、この6点や2点の「チリツモ」で工面することになります。
「一般名処方」に関連した加算も「2点」ほど、今日から増えています。

一方で、コロナ関連の診療報酬上の「特例」は、「五類」化へ向けて大幅に削減されていく方向です。
外来でも算定できる「二類感染症患者入院診療加算」は、昨日で終了しました。まだ「二類」ですけど。
コロナ患者への療養指導を行った場合に算定する「救急医療管理加算」は、5月8日から大幅減額です。
発熱外来の基本報酬であるコロナ疑い患者の診療で算定する「院内トリアージ実施料」は、8月で終了の予定。

このように診療報酬を削減していく一方でコロナを診る医療機関を増やそうというのは、少々無理筋ですかね。

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この忙しいのにマイナ保険証システムの準備中です
- 2023/02/23(Thu) -
「オンライン資格確認(オン資)」の導入を医療機関に強いるのは憲法違反だ、という訴訟が起きています。

「オン資」とは、マイナ保険証によって、本人確認と直近の資格情報や医療情報まで確認できるシステムです。
全国の医療機関が、そのシステムをすでに導入済みか、いままさに準備を進めているか、あるいは検討中です。
当院でもようやく顔認証付きカードリーダーや専用PCのセッティングが終わり、いまは最終調整中です。
初期費用には国からの補助が出ますが、足りません。さらに、その後の維持費はすべて、永久に自腹です。

マイナ保険証の仕組みはたしかに、やがて必要だとは思います。ただ、国の「やり方がマズい」のです。

まず、オン資より前に、現行の保険証を「ICカード化」するようなステップは踏めなかったんですかね。
保険証の券面に印字してある情報だけでもIC化されれば、とりあえず現場では十分です。
本来は電子カルテに手入力すべき情報をカードリーダーで読み取れるだけでも、医療機関はとても楽です。
ネット接続や専用PCは不要。汎用のカードリーダーさえあればいいので、導入コストはわずかです。
利用者(被保険者)も、受付で「ICカード保険証」をピッと読み取らせるだけなので、便利です。

そのようにして、国民がICカード保険証に慣れておけば、マイナ保険証への移行もスムーズでしょう。
並行して、「別の方法で」マイナカードを十分に普及させた後に、保険証を廃止すればいいじゃないですか。

マイナカード普及後に保険証にも用途を広げるべきなのに、保険証を人質にカード普及を狙うのは反則です。
医療機関は国のイヤらしいやり口に押し切られ、コロナ禍中だというのに余計な作業をさせられているのです。

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コロナは「受診率」が減ったかも
- 2023/02/12(Sun) -
今日の東京の新型コロナ新規感染者数は799人。熊本179人。曜日を考慮しても、かなり少ないですね。

昨日・今日の連休中、当院で行ったコロナ検査(NEAR法)は40件。そのうち陽性は9人(陽性率22.5%)。
同じ2日間に行ったインフルエンザの検査は52件。うち陽性は15人(陽性率28.8%)。

コロナは明らかに減っています。1月と比べると激減していると言っても良いでしょう。
一方で、コロナと置き換わるかのように増えて来たインフルも、まだそれほど大爆発な状況ではありません。

コロナの陽性率が低かったのは、「念のため」の検査が多かったからでしょう。
またインフルの陽性率があまり高くないのは、検査時期が早すぎた事例が多かったからかもしれません。

熱が出たばかりの方は、通常は検査をお断りしていますが、39度以上でキツそうだとなかなか断りにくいもの。
その結果、高熱→早めにインフル検査(陰性)→コロナも否定できないのでその検査(陰性)、となるのです。

「5類移行」の話が具体化してきた頃から、発熱者の受診率や検査率が低下してきた印象があります。
市民の意識の中で、コロナの扱いが早くも「普通感冒(風邪)」に近づいてきたということでしょうか。

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医療機関でのマスク装着が「推奨」って、弱くないですか
- 2023/02/10(Fri) -
マスクの着用は今後、個人の判断に委ねることになります。3月13日からだそうで、意外に急な話です。
新学期からは、学校でのマスク着用も求めないとのこと。とは言え、厚労省は次のようにも言っています。

(1)医療機関や高齢者施設を訪問する際や、混雑した電車やバスでは、マスクの着用を推奨する
(2)重症化リスクが高い人が流行期に混雑した場所に行く際は、マスクの着用が有効

このうち(1)は他人への感染を、(2)は自分が感染することを、それぞれ心配する場合のマスク着用です。
ただそのような場合でも、マスクの有効性はわかっているけど、着用は自己判断でOKだというわけです。

これによって、絶対に感染したくない人の居場所がなくなりはしないかと、私は懸念します。
とくに、重症化リスクの高い方が集まる医療機関は、なかなか難しい対応に迫られるかもしれません。

これまで当院では受診者のマスク装着が「必須」でしたが、今後はマスクを強いることは難しいのでしょうか。
当院の入口には、マスク装着を「お願い」する掲示を出す予定です。「推奨」ではなく「お願い」です。
さらに、「マスクを着けない方は、駐車場での診療となります」ぐらい、言ってもいいですかね。

どうしてもマスクを着けたくない方との一悶着が、いつかは起きそうです。
将来的に待合室では、マスクをしている人と着けていない人を、分離しなければならないかもしれません。

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マイナ保険証の利用は、ウィズコロナが前提です
- 2023/01/30(Mon) -
新しいモノゴトを覚えるのが苦手になりました。トシのせい+α+β(!)でしょうか。
興味があるコトですら、すぐ忘れる。いわんや、興味の無いコトをや。

キャパオーバーなのです。脳がどんどん萎縮して、記憶容量が減っているのです、きっと。
覚えたつもりの色んな事柄が、脳から溢れて脳のスキマの脳脊髄液を浮遊している情景が目に浮かびます。
そのスキマはどんどん広がってるので、記憶として取り出せない事柄であれば、いくらでも貯蔵できそうです。
ちょうど、書斎内に存在するはずだけれども行方不明の物品類のようです。

この3年間、それ以前の35年間の医者生活ではほぼ馴染みのなかった出来事に、翻弄され続けています。
新型コロナウイルス感染症、PCR検査、発熱外来、緊急事態宣言、mRNAワクチン等々です。
ついていけないスピードで制度が遷移し、届出だの申請だの入力だのと、無数の作業をやらされ続けています。

それに加えて、このややこしい時に、マイナ保険証やオンライン資格確認制度が着々と進められています。
これもまた、政府に脅されて期限ギリギリに申し込みを終え、来月はネットワーク工事の予定です。

春には新システムに移行する予定ですが、そもそもマイナ保険証を提示する人がどれほどいることやら。
発熱外来で「顔認証」なんてできるんだろうかと、ずっと疑問でしたが、今後はやるしかないのでしょう。
受診者が熱があろうとなかろうと、受付までは入ってもらうことになります。私はまだ抵抗がありますけど。

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「新規感染者数」に一喜一憂してきたけれど
- 2023/01/29(Sun) -
新型コロナ感染者の届出方法に誤りがあったために、これまで「新規感染者数」が少なく把握されていた件。

いま、医療機関が新型コロナの新規感染を診断した際に届け出るのは、次の2つです。
「発生届」:高齢者など特定の条件を満たす感染者については、詳細な患者情報をHER-SYS入力する
「日次報告」:日々の感染者の数のみを、年代別に報告(HER-SYS入力)する

ところが一部の医療機関で、発生届を出した症例を日次報告から除外していたのが、今回の問題の原因でした。
じつは私も当初は、発生届を出したケースを日次報告するのは二重報告にならないのか、少し不安でした。

国は、発生届とは関係なく日次報告のデータのみを毎日集計して、「新規感染者数」として公表しています。
なので、発生届が出された症例分を除外すると、新規感染者数が過小報告されることになってしまいます。

発生届には高齢者の症例が多いため、高齢者に報告漏れが集中するという、皮肉な結果を招いてしまいました。

とは言え、現状どれほど正確に感染者数が把握できているのかは疑問です。
自己検査で陽性でも届け出ない人もいるし、そもそもコロナの疑いがあっても検査しない方も増えて来ました。

どっちみち5月からは日次報告自体が不要になると思うと、すでに正確な報告のモチベーションも下がります。
感染者数の届出は流行動向を捉えるために有用ですが、それは「定点観測」だって良いわけですから。

ただ、全国民の毎日の一喜一憂のタネでもあった「新規感染者数」が消えるのかと思うと、感慨深いですね。

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正確な検査をしても報告を誤ったら台無しです
- 2023/01/28(Sat) -
鳥取の病院で、搬送された患者がPCR陽性と「誤診」されて点滴治療を受ける、という医療過誤が起きました。
検査結果の「入力ミス」が原因とのこと。誤って「陽性」と判定してしまった、いわば「誤陽性」事例です。

私も2年前に、市内の無料PCR検査所での「結果取り違え」事例に遭遇したことがあります。
無料検査で陽性、当院のPCRでは陰性だったため、無料検査所に問い合わせたら「間違いでした」だと。

保健所に調べてもらうと、その検査所ではその日、結果データの処理で複数の取り違えが起きていたそうです。
呆れるようなミスですが、問い合わせるまで何の連絡も無かった(=隠していた)点は大問題でしょう。

2年前と言えば、志村けんさんが亡くなった頃で、コロナに対する恐怖は今とは比べものになりませんでした。
当院のPCR検査結果を伝えられた方々はみな、陽性は地獄、陰性は天国、みたいな反応をされていましたから。

今回のような「誤陽性」があるのなら、「誤陰性」も無数に存在するはずです。
しかし、「陰性」報告を受けた人が次の検査で「陽転」した場合、通常は最初の判定を「偽陰性」と考えます。
なので「誤陰性」事例は表には出にくいと思われますが、感染対策の観点からは「誤陽性」よりも問題です。

当院のコロナ検査はいま、「NEAR法」による核酸増幅検査に一本化しています。PCRも抗原もやってません。
検査装置から、結果を印字した紙が出るので、それを「結果報告書」に貼付して、患者さんにお渡しします。
過誤が起きるとすれば、それは検査時に装置に入力する患者IDの誤りか、検体の取り違えです。
その2点を確実かつ容易に確認できる手順を作り、その手順を例外なく遵守する。そのことに尽きますね。

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「5類移行」決定
- 2023/01/27(Fri) -
新型コロナの感染症法上の位置づけが、5月8日から「5類」に移行する政府の方針が決定しました。
「2類相当」として求められてきた「私権制限」に見合った状態とは考えられない、というのがその理由です。
「今では過剰とも言える感染対策はできる限り早期に見直し」を行うべきだという「反省」も表明されました。

今回の決定に当たっての留意点として、厚労省の部会は次の4点を強調しています。

(1)医療費の自己負担分の公費支援については、段階的に移行する
いまは、検査代だけでなく、コロナ陽性と判定されるとそれ以降の療養期間中の医療費が「無料」です。
「コロナ治療薬の処方対象ですが」「高い薬ですか?」「無料です」「ください」という会話がよくあります。
しかしこれらが3割負担等になるのなら、検査も処方希望者も、なんなら受診者数自体が減るでしょうね。

(2)幅広い医療機関でコロナ患者が受診できるよう、段階的に移行する
当院のように発熱外来をやってきた医療機関の受診者が、今後は減るのか減らないのか、予測がつきません。
院内感染対策や検査体制のノウハウを考えると、今から新たにコロナ診療を行うのは、なかなか大変でしょう。

(3)発生届は終了し、定点サーベイランスに移行する
インフルエンザ等と同じで、新規感染者の実数はもうわからなくなりますが、流行の状況は把握できます。
それで十分でしょ。医療機関としては大歓迎です。大事なのは、重症例への対応だけですから。

(4)マスクや換気等の基本的な感染対策については、 個人の判断に委ねる
「状況によってはマスクが有効」としているので、「有効だけど強制はしない」という難しいスタンスです。
マスク装着率が下がった頃にまだマスクをしていると、逆に変な目で見られるようになるのでしょうか。

5月の「5類移行」の前までにコロナがほぼ収束していることが、いちばん混乱の無い理想型なんですけどね。

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春からも、たぶん完全予約制です
- 2023/01/23(Mon) -
新型コロナの感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方向です。

感染しても待機が不要となるなら、市民生活は一変するでしょう。しかし医療現場はどうでしょうか。
外来診療に限るなら、少なくとも当院の診療スタイルは、しばらくの間はあまり変わらないかもしれません。

「世の中の規制が緩んだので、今後は院内感染も覚悟してください」なんて言うわけにはいきません。

今後も「季節性インフルエンザ」程度には、院内感染を避けるための努力・工夫をしなければなりません。
高齢者や基礎疾患のある方と、発熱者や風邪症状のある方とでは、動線や時間帯を分離する必要があります。
たとえ同じ発熱者どうしでも、1カ所の「発熱者待合室」に集めることはできません。

そのためには結局、完全予約制にして駐車場待機を徹底する、これまでと同じ方法を続けるしかありません。

「診療・検査医療機関(いわゆる発熱外来)」が、制度上どうなるのか、まだわかりません。
すべての医療機関が原則として、コロナの診療・検査をしなければなりませんが、これはインフルと同じです。
季節性インフルエンザ並の診療でよいと言われても、外来診療はこれまでとほぼ同じかもしれません。
自分自身のリスクを考えたら、個人防護具もあまり手抜きしたくはありませんね。

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療養解除前の確認検査は不要、ということになっています
- 2023/01/11(Wed) -
発熱外来では、早く結果を知りたいという理由で、PCR検査ではなく抗原定性検査を希望する方がいます。
しかし、PCR検査と抗原定性検査は、単にその感度や所要時間の違いだけではなく、目的が異なります。

「感染の有無を調べるのがPCR検査で、感染力を調べるのが抗原検査」と考えましょう。

PCR検査は、ウイルス遺伝子(核酸)を増幅して調べる検査なので、感染しているかどうかを判断できます。
わずかな量の核酸を特殊な方法で無理くり増幅するので、感染初期でも無症状でも検出することができます。

抗原検査は、ウイルスが産生する特定のタンパクを調べるもので、ウイルスの活動性を知ることができます。
タンパク量が少なければ検出されにくく、感染の初期や症状が軽いうちは偽陰性が出やすくなります。

「療養解除日に自主的に抗原検査したら陽性が出た」という相談を時々受けます。出たのなら仕方ないですね。
感染力の残存を示すのか別の要因か、解釈に迷うばかりなので、解除前の抗原検査を私は推奨していません。

PCR検査も同様。ウイルスの残骸を検出することがわかっているので、感染後の検査はやはり推奨しません。
しかし、感染者の職場復帰前に、それらの「確認検査」を求める事業所等がいまだにあります。
当院ではそのような検査はお断りしてきましたが、それで困るのは患者さんです。どうしたものですかね。

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コロナとインフルの「同時感染」も珍しくはないかも
- 2023/01/10(Tue) -
この3連休の発熱外来を総括しますと、やはり、コロナ・インフルの同時流行が始まっているという印象です。

3日間の発熱外来受診者のうち、新型コロナのPCR検査または抗原定性検査を行った方は101人でした。
PCR検査は59件(うちインフル同時検査は39人)、抗原検査は43件(インフル同時検査は27人)でした。
あれ、合計102人じゃん、と思った方、するどい。例外的に、PCRと抗原検査を両方行った方が1人います。

PCR検査の陽性者は37人(陽性率63%)、抗原検査の陽性者は24人(陽性率56%)でした。
予想はしていたとは言え、コロナとインフルの同時感染者が2人いました。これは衝撃的です。

1人は、職場にコロナ、自宅にインフル、39℃の熱、さあどっち?、という方。両方陽性でした。
1人は、自宅にコロナ、でもコロナには昨年罹った、40度の熱、じゃあインフル?、という方。両方出ました。

2人とも、すぐにインフル陽性が判明したのですが、それで納得せず、PCR検査までしたのが正解でした。
いま熱が出たら、周囲にどのような感染症が出ていても、インフルとコロナを両方疑う必要がありそうです。

その2人に電話連絡する時に思ったのは、コロナの発症日って、いったいいつなんだろう、という疑問。
発症の7日後までの自宅療養を指示しようにも、最初の発症日って、どっちの発症日なんでしょうね。

症状はすべてインフルの症状であり、PCR検査時にはまだコロナは発症していなかった可能性すらあります。
あるいはPCR検査後に発症する可能性もありますが、インフル経過中にその発症日はわかりにくいでしょう。
同時感染例での療養時間は、従来のコロナよりも長めにした方が良いかもしれません。

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国民は緩んでも、医療機関の緊張感はMAXです
- 2022/12/31(Sat) -
コロナはいつまで続くのかと1年ほど前に人に訊かれ、「2月には収束(終息)するよ」と予言したのは私です。
しかし、ご存じの通り、年が明けたら第6波が襲来し、さらに夏には第7波、いまは第8波の真っただ中。

予想を大幅に上回り、ほぼ3年経っても終息しませんが、世の中の状況はずいぶん変わりました。
市民の行動制限がほぼありません。社会経済活動や教育の停滞を招かないことの方が、いまは重要なのです。
水際対策も撤廃され、旅行も出張もしやすくなりました(ただし今、中国は例外)。
診療報酬はかなり減額され、新たな補助金もほとんど無くなり、医療機関はまた厳しい状況になっています。

第8波で一番気になるのは、死亡者数が多いこと。おそらく、把握できている数より感染者は多いのでしょう。

「ゲームチェンジャー」だと期待されていた内服薬は、全体的に劇的な効果を生んでいるほどではありません。
同様にワクチンも、ようやく「オミクロン株対応」が登場したと思ったら、接種率が低迷しています。

これほど感染が再拡大していても、もはや社会・経済の再活性化の方が国民には喜ばれているようです。
観光地や空港の混雑ぶりを報道で目にします。もう、この流れを止めることはできないのだろうと思います。
しかし、いまも多くの死者が出ています。医療機関としては、来年も強い緊張感を持って臨むしかありません。

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「5類化」を前にして補助金を駆け込み申請
- 2022/12/29(Thu) -
「R4年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業費補助金」の交付が、なんとか認められそうです。
あらかじめ「事前相談」の書類を提出していたところ、ようやく、本申請の書類提出を求める連絡が来ました。

補助金による導入を考えているのは、「HEPAフィルター付空気清浄機」と「等温遺伝子増幅装置」です。
前者は、「陰圧隔離室」を前提として使用する物で、コロナ禍後にも役立つ重要な院内装備となる予定です。
後者は、「NEAR法」による検査装置で、PCR検査並の感度がありながら13分で結果が出る優れモノです。

新型コロナが「5類」になったとしても、それぞれの装置は今後長期的に有用であろうと考えています。

補助金交付の条件として、当院の隔離診察室の「陰圧化」が求められたため、その工事が必要となりました。
たしかに、窓全開だけでは換気には限界があります。風雨が強い日には窓が開けにくいこともありました。
風向きによっては、窓から入口ドアの方向に空気が流れることもあり、隔離室としては問題を感じていました。
今回の工事と清浄機設置は、これまでの懸案を解決する良い機会だと思っています。

検査装置の方は、ランニングコストが高いのがネック。いま外部委託しているPCR検査代よりも高額なのです。
現行の診療報酬であればなんとかなりますが、今後それが「改悪」されたら、厳しいことになってしまいます。
しかし、すぐに結果が出ることは患者さんへのメリットだけではなく、私の仕事も効率的になるということ。
「5類化」によって感染者数や検査体制がどうなるか未知数ですが、いまやるべきことをやるのみでしょう。

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補助金で「焼け太り」とは言葉が過ぎませんか
- 2022/12/28(Wed) -
新型コロナ対策で支払われた補助金が病院を「焼け太り」させていると、批判的に報じられています。

コロナ患者を受け入れるために病床を空けた病院に支払われる「病床確保料」が、そのおもな標的です。
これはコロナ第1波で病院の収益が悪化したことを受け、減収分を補うために導入されたものでした。

病床を「確保」して稼働させないほど補助金額が大きくなるのは、たしかに制度設計上の問題かもしれません。
しかし、それまで赤字経営だった病院がこの補助金で「黒字化」したことを問題視するのは、いかがなものか。

これまで構造上の問題に苦しんできた病院が、この補助金によって図らずも息を吹き返したのです。
そしてそれがコロナ診療のモチベーションとなり、この3年間の日本の医療を支えてきんじゃないですか。

病院に限らず、当院のような発熱外来でも同様に、「発熱外来診療体制確保補助金」が支払われました。
発熱外来専用の時間枠を「確保」したのに実際に発熱患者が来なかった場合に支払われる補助金です。
これも、発熱患者を受け入れない方が補助金額が大きくなるという、矛盾をはらむ制度でした。

当院では、最大限の時間枠を発熱外来に充てることにして、いったん、かなり巨額の補助金を得ました。
しかしご存じの通り、実際に発熱患者を多数受け入れてきたので、補助金の多くを返還する必要があります。

その年内返還の可否を問う「不幸のメール」が厚労省から届いた話は、2カ月以上前に書きました。
しぶしぶ、年内返還可能と返信して待っていたところ、先日厚労省から、年内は無理だと連絡が入りました。
こっちは返す気になってるのに、まあ待てと、まだ返すなと。どんだけ厚労省忙しいんでしょうね。

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