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「HER-SYS」ここらで見直しましょうか
- 2022/06/22(Wed) -
新型コロナ感染者情報管理システム「HER-SYS」について、昨夜のNHKが詳しく取り上げてくれました。
その入力項目が多すぎる問題に対して、昨日の田中アナの素直な驚き方はなかなか良かったですね。
今からでも決して遅くないので、HER-SYSは撤廃してシステムをまるっと取り替えていただきたいものです。

かつてHER-SYSが登場した頃、「彼女のシス(HER-SITH)? 暗黒面?」などと書いたことがあります。
じつはその時、もう一つ連想していた言葉がありました。不謹慎ながら敢えて書きますが、「はー死す」です。

山口弁では、「はー」はよく使う言葉です。「もう」の意味の副詞です。
「はーやれんいね」(もう、やってられませんよ)のような使い方が一般的です。
なので「はーしす」は、まるでHER-SYSの入力作業の辛さを訴えた「もう死ぬ」に聞こえるのです。

何年も前に、自転車(販売)業界が、「ハース」というキャンペーンを張っていたことがあります。
「Heart(ハート)」+「Earth(アース)」=「Hearth(ハース)」という造語なんだそうです。

ですがCMで流れる音声は、「Hearth」ではなく「Hearse」に聞こえました。これは「霊柩車」の意味です。
思わず、業界の事務局に電話してしまいました。

私「ハース、ハースと宣伝してますけど、ハースって霊柩車の意味です。自転車に使うのはいかがなものか」
業「ハースはハートとアースから作った言葉です」
私「しかしそれなら、語尾は『th』の発音でなければなりませんが、聞いてると『se』の発音ですよ」
業「はぁ?」
てな具合に、噛み合いませんでした。でもその後、いつのまにか「Hearth」は姿を消したようですね。

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もしや感染者数が増加に転じてませんか
- 2022/06/20(Mon) -
当院は火曜・金曜が休診日なので、「休前日」の高揚感に浸れるのが、月曜・木曜ということになります。

盆正月を除くと、臨時休診でもしない限り私に「連休」はありません。
たとえば世間で言う「ハッピーマンデー」は、当院では土・日・祝の「3連診」の最終日。疲れ果てる日です。

もう1年半以上「発熱外来」をやっていますが、日曜祝日はいつも、発熱者の受診で大変混雑します。
受診者の多くが、「発熱患者専用ダイヤル」等からの紹介で当院を初受診する、いわゆる「一見さん」です。
近所の方は少なく、いつかまた当院に来る可能性の低い方ばかり。ある意味「一期一会」な方々です。

昨日の発熱外来では、抗原検査を7人、PCR検査は22人に行いました。この29人のうち25人が初診でした。
その抗原検査では2人が陽性、PCR検査では陽性が15人(陽性率68%)と、いまだに高い陽性率です。

何度も書いてきたように、陽性率が高いのは検査数が足りていない証拠。実際の感染者はもっと多いのです。

今日の熊本県の新規感染者数は271人。週のなかで最も数値が減る月曜日としては、約1カ月ぶりの高値です。
東京都でも、3日連続で前の週の同じ曜日を上回る感染確認のようで、全国的に増加傾向かもしれません。

「大型連休の影響はあまり無かった」という分析結果を受けて、人々はますます開放的になっています。
そりゃ私だって、北海道とか沖縄に飛んでいきたいですよ。でもどっちみち連休が取れませんけどね。

この暑い中、防護具を着けて炎天下の駐車場をウロウロするのは地獄。早く終わりにしてもらいたい。
でも東南アジアや沖縄なんかに旅行したら、熱帯の猛暑を楽しめたりするんですよね。どうしてなんだろ。

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「みなし陽性」は、判断基準がとても大事
- 2022/05/31(Tue) -
熊本市の今日の新型コロナ新規感染者は217人。このうち臨床診断により届出された「疑似症患者数」は3人。
これは検査をせずに感染者と診断する、いわゆる「みなし陽性」例です。だいたい毎日1〜2人程度ですね。

じつは私はまだ、みなし陽性判定は一度もしたことがありません。
もちろん、濃厚接触者でかつ、高熱などの症状がある方には、しばしば遭遇します。
でも、確認のため、やはりPCR検査をします。その結果が出るまでに、半日から長くて2日かかります。
もしも検査をせずにみなし陽性とすれば、その分早く、感染者(ただし疑似症患者)と認定できるはずです。

しかし考えてみると、その少しばかり早い「みなし判定」は、患者さんにとってメリットがあるのでしょうか。
濃厚接触者であればどっちみち、自宅待機が必要です。トータルの待機期間の短縮にはつながりません。

私がよく経験するのは、PCR検査の結果が出た頃にはもう、下熱してとても元気な「陽性者」がいることです。
このような方を「みなし陽性」で済ませていたら、「ホントに陽性だったんですかね」という疑念が生じます。

さらにもう一つ。みなし陽性の過剰診断ともいえる「みなし偽陽性」の問題も、考慮しなければなりません。

2月にも同じことを考えて自験例を集計したら、約半数が「みなし偽陽性」となり得るという結論でした。
その時は、「何らかの症状がある同居家族内濃厚接触者」をみなし陽性とする、やや甘い基準でした。
おそらく、発熱条件を盛り込むなど基準を厳しくすれば、偽陽性は減ると思われます。
いつか時間のあるときに集計して、「正しいみなし陽性を出すための条件」を探ってみましょう。

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「健康保険証原則廃止へ」と言うけれど
- 2022/05/25(Wed) -
「マイナンバーカード保険証」の普及がなかなか進まず、政府もあの手この手を繰り出そうとしています。
ついには、「もう健康保険証は廃止するからね。知らんよ」と最後通牒をかまし始めました。

患者側の問題だけでなく、医療機関側の「オンライン資格確認」システムの導入が遅いことが実は問題です。
当院もまだ導入していないので、偉そうなことは言えません。

私は元々、先進システムにはすぐ飛びつくタイプなのですが、当院の電子カルテとの連携に問題がありました。
でもこれは最近解決したようで、そろそろ当院もシステム導入に乗り出そうかと、いま考え始めたところです。

現時点で、オンライン資格確認の運用を行っている医療機関は全体の19%、診療所に限れば13%です。
後藤厚労相は昨日、「令和5年3月末までに概ねすべての医療機関で導入することを目指す」と述べました。

そう簡単に言いますけど、導入にはいろんな問題があるのです。
まず、オンライン資格確認システムに必要な顔認証付きカードリーダーの設置には、数か月かかるようです。
おまけに初期費用が高くつき(補助金の上限を超える)ほか、ランニングコストがかなりかかります。

そこで医療機関へのインセンティブとして4月から、システムを導入した場合は診療報酬が加算されています。
しかしこの加算措置は、結果的に患者負担を増やすため批判が出ており、早くも見直しが検討されています。

新しい医療システムを始める時に、医療機関に設備投資の負担をさせるという発想がまず、ダメだったのです。

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医療機関は無料検査所ではありません
- 2022/05/12(Thu) -
くまもと県北病院が、保健所から委託された濃厚接触者のPCR検査について、医療費を誤って請求していた件。

検査料は徴収しなかったものの、初診料などの医療費を請求していたことが問題となっています。
つまりこの病院は本来、委託された「検査」のみを行い、それに伴う「診療」への請求はできなかったのです。

最近は減りましたが2月頃までは、濃厚接触者は原則として全員PCR検査を行うよう保健所は勧めていました。
当時は毎日のように、保健所からPCR検査をするよう言われた方が何人も、当院の発熱外来に来ていました。

ところがその中には少数ですが、会計の段になって「えっ、料金がかかるんですか?」と驚く方がいました。

おそらく保健所は、「PCR検査は無料で受けられますよ」と説明していたのでしょう。
たしかに当院で行うPCR検査は「行政検査」扱いなので無料ですが、初診料などは別途かかります。
しかし保健所の説明では、「完全無料」だと誤解してしまう可能性があったのです。

その反対に、一般の医療機関のように「診療」してしまったのが、今回のくまもと県北病院の誤りなのでした。

となるとポイントは、本件でのPCR検査の「委託料」がいくらだったのかという点ですね。
保険診療でPCR検査をした場合の診療報酬の総額と比べて、格段に低額だったのかもしれません。
病院には委託検査の制度解釈を誤った非があるとしても、低料金で買い叩かれていた背景はないのでしょうか。

それなりのリスクを負って検査を行うのですから、医療行為全体への報酬はキッチリ認められるべきです。

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休日の医療・検査体制の充実を
- 2022/05/08(Sun) -
東京も熊本も福岡も、新型コロナ感染者数が2日連続で前の週の同じ曜日(つまり日曜日)を上回りました。

大都市圏と地方都市の感染者数が同じタイミングで増えるのは、本当の感染再拡大とは思えません。
昨日も書いたように、検査体制の不備によって抑え込まれていた感染報告が、連休後にまとめて出ただけです。

と思いたい気持ちとは裏腹に、今日の発熱外来受診者が異常に多かったのは、どういうワケなんでしょうね。
今日は朝9時台には「新型コロナ感染症専用相談窓口」に電話して、当院への紹介を止めていただきました。

残念ながら熊本では、休日診療している医療機関が少なく、当番医でも発熱外来をしないところがあります。
それに加えて、検査会社が休日体制でフル稼働していないので、PCR検査はたいてい休み明けに回されます。

という具合に昨日と同じことをまた書いてますが、それほどまでに私は、休日に弱い医療体制を憂えています。
しかし、検査会社が暦通りに休業するのは、役所や一般企業と同じで職員を休ませる目的があります。

ですが一方で小売店などのサービス業では、休日営業こそが重要で、従業員もそれを理解して働いています。
医療サービスも同じこと。年中無休でフル稼働する検査会社が、市内に1つぐらいあってもいいでしょうに。
それが無理でも、日曜祝日だけ検査をするような、休日に特化した検査センターがあれば、それで十分です。

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発熱外来は、来月もやるしかなさそう
- 2022/03/30(Wed) -
熊本市の保健所は最近、無症状の濃厚接触者の積極的なPCR検査を行わない方針に切り替えています。
発症したら検査を考えましょう、という姿勢です。検査態勢のひっ迫を考慮したものかもしれません。

しかしそのおかげで、濃厚接触者の感染の有無が不明のまま、自宅療養が解除されていきます。
遅れて発症した濃厚接触者に遭遇することも多く、検査を抑制することの弊害は、すでに出始めています。

「オミクロン株」の派生型「BA.2」の感染者が、昨日熊本県内で初めて確認されました。
お隣の鹿児島県では、熊本よりも11日早い今月18日に初感染が確認されています。

その鹿児島は、先週から新規感染者数が上昇に転じており、昨日からは2日連続で過去最多を更新しています。
これがBA.2の拡大によるものであるのなら、熊本でも同様の事態が今週末ごろから始まることでしょう。
ちょうど春休み・新年度の人の移動(異動)の多い時期なので、タイミングとしては最悪かもしれません。

感染の再拡大があろうとも、発熱外来の診療報酬は4月から大幅に引き下げられることになっています。
なので当院の発熱外来も規模を縮小しようかなと思っていましたが、しばらくはまだ無理そうですね。

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PCR検査の診療報酬に、わずかばかりの救済措置
- 2022/03/18(Fri) -
マンボウを予定通り21日にすべての地域で解除することを、政府は決定しました。
けっして感染が終息したわけではなく、むしろ感染再拡大の懸念の残る中で、あえて舵を切ったわけです。

発熱外来をやっていると、たしかにピークは過ぎたと感じますが、ダラダラと感染者が減らない印象です。

そんな中、4月からPCR検査の診療報酬がほぼ半減するなど、医療機関には大打撃が待ち構えていました。
以前は18,000円だったものが、12/31から13,500円、4月からは7,000円と、大幅に減額される予定でした。

診療報酬と検査用経費の差が医療機関の収入ですが、ヘタをすると赤字になりそうなぐらいの「改悪」です。
このままでは検査すればするほど損をする、ならばPCR検査なんてやめようかという人も出てくるほどです。

そう思っていたら、診療報酬の引き下げが少しだけ、ほんの3カ月間だけ、緩和されることになりました。
4/1から6/30までは8,500円という「経過措置」を、中医協(中央社会保険医療協議会)が提案したのです。
まったくケチな見直しですが、じゃなくて、中医協の皆さまには、格別のご配慮、痛み入ります。

一方で検査センターには、検査委託料のさらなる引き下げをお願いします。
ていうかそもそも、最初から委託料が高すぎたのです。医療機関が利に走っているわけではありませんので。

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システムダウンをきっかけに、脱「HER-SYS」へ
- 2022/02/25(Fri) -
HER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)」が、システムダウンしました。
今日の昼間の出来事です。そのおかげで私の1日は、バタバタでした。

毎週日曜日や祝日には、熊本市内外から当院の発熱外来を受診する方が大勢います。
PCR検査用の検体は、翌日の朝、検査センターに提出し、その結果は夜遅くに判明します。
さらにその翌日の朝から、患者さんに検査結果の連絡を行い、続いてHER-SYSへの入力作業が始まります。

そのHER-SYSがシステムダウンしたので、今日は33件分のPCR陽性者の「発生届」が出せなくなりました。
発生届が提出されなければ、保健所は感染者の発生を正式に受理できず、その後の対応も進みません。

保健所に電話で問い合わせてみると、「こっちもHER-SYSが動かなくて困ってますぅ」という返事。
手書きの発生届が提出された場合、それを保健所の職員がHER-SYSに入力しなければならないからです。

私には、1件当たり10分以上かかる手書きの発生届を、33件分も作成するような時間も体力もありません。
そこで、当院で使ってる自作の患者データベースを改修し、発生届が出力できるようにしました。

この作業に軽く2時間かかりましたが、結果的には、その方が近道だったと思います。
慌てて作ったのでバグだらけで、保健所から疑義照会の電話がかかってきました。申し訳ありません。
でも、さらに修正を加えて完成度が上がりました。次からはバッチリでしょう。
これでもう、HER-SYS入力の必要がなくなりました。今思えば、アレってすごく面倒だったんですよ。

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療養解除時の確認検査は不要です
- 2022/02/18(Fri) -
新型コロナ感染から回復した方にとっては、「いつから出勤できるのか」ということが、最大の関心事です。
感染者の、いわゆる「退院・療養解除基準」は、
(1)有症状の場合:発症日から10日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過していること
(2)無症状の場合:検査日から7日間経過した時点、ただし途中で症状が出たらその日から10日間

療養解除に際して、解除当日に保健所から電話かSMSが届き、後日「就業制限解除通知書」が郵送されます。

ただし、その「通知書」がなかなか届かない方も多いようで、保健所が言うには、
「非常に感染者が多く、(就業制限解除通知書の)郵送まで2週間~1か月お時間をいただいております」だと。

ここまで遅いのでは、職場復帰時には使えません。おかげで当院などに「診断書」を求める方が出てきます。
あるいは、「自宅療養が終わるんで、確認のためPCR検査をしてもらえますか」という方も目立ちます。
会社等が、PCR検査による「陰性証明」を求めるのでしょうけど、当院でそのような検査は行っていません。

規定通りの療養期間を経過すれば、療養解除時の検査は不要です。証明書等も不要ということになっています。
それに、もしも検査して「陽性」が出たら解釈がヤヤコシイですからね。

というわけで当院では、「自費でもいいから」と言われても、「陰性証明」としての検査は行っておりません。
それは、本当に検査が必要な方に発熱外来の時間を割くためであり、また検査資源の節約のためでもあります。

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「みなし陽性」の運用が始まります
- 2022/02/10(Thu) -
熊本県でも、いわゆる「みなし陽性」の運用が、明日から可能になります。
医師の判断により、検査を行わず、臨床症状で「新型コロナ感染者」とみなすことができます。

その取扱には、次の2つの条件を満たす必要があります。
(1)陽性者の濃厚接触者で、同居家族または同居している方が有症状となった場合
(2)PCR検査の試薬や抗原定性検査キットが不足していることにより、 検査の実施に支障が生じている

みなし陽性の運用によって、検査に伴う医療資源が節約でき、陽性診断とその後の対処も格段に早まります。

当院で今月PCR検査または抗原定性検査を行ったのは186人。このうち同居家族内濃厚接触者は53人でした。
そのうち来院時に何らかの症状のあった方は36人で、これらは(1)の条件でみなし陽性と判断できる方です。

ところが実際に検査で陽性だったのは36人中19人でした。残る17人は「みなし偽陽性」かもしれない人です。
もちろん、PCR検査等の「偽陰性」も否定できないので、有症状濃厚接触者はつねに要注意対象です。
とは言え、みなし陽性の「過剰診断」には留意すべきだと、自験例を集計してみて改めて気付いた次第です。

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感染してもすぐに職場復帰
- 2022/02/09(Wed) -
新型コロナの感染が確定すると、病状や重症化リスク等に応じた療養場所が、保健所から指示されます。
(1)入院
(2)宿泊療養
(3)自宅療養

感染者に電話して様子を聞くと、たいていの方は(3)ですが、たまに(2)の方がいます。(1)は少数です。
ところが最近は、第4のパターンの方も出始めていて、驚きます。
(4)職場復帰

「感染者なのに職場復帰?」と驚くのですが、話を聞けばその事情は切実です。
老健施設等の感染者エリアでの勤務に、軽症感染者の職員が駆り出されている、というわけです。
なるほど、よく考えたものです。感染者には当面、新たな感染のリスクはありませんからね。

感染者の病棟を、感染した医療スタッフが担当することが、大都市圏の病院等では、すでに行われています。
医療者はつねに感染のリスクに晒されており、しかも感染したらしたで、都合良く働かされるわけです。

でも考えてみると、無症状・軽症感染者はある意味「無敵状態」です。この好機を生かさない手はありません。
万一私が感染して、しかも元気なら、どこかの病院のコロナ病棟に手伝いに行きたくなるかもしれませんね。

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「家庭内濃厚接触」には、やはり早期PCR検査かな
- 2022/02/08(Tue) -
毎週火曜の休診日は、日曜と月曜に行ったPCR検査の結果報告と届出を行う日として、完全に定着しています。

今日、PCR検査の結果を電話で伝えた方は77人。検査数自体は、先週より減ってます。
このうち陽性は34人。陽性率は44%。これほど陽性率が高いうちは、まだ流行がおさまる気がしません。

電話では結果を伝えるだけではなく、この1日2日の病状の変化を尋ねます。
それらの情報をもとに、発生届をHER-SYSに入力し、入院チェックシートをFAXするまでが今日の仕事です。

あいかわらず家庭内感染が多いですね。
先週ぐらいまでは、家族内に感染者が1人出たので、他の家族のPCR検査を求めるケースが主流でした。
ところが今週は、家族に複数の感染者が出たので、残り全員のPCR検査を希望するような例が増えています。

家族の場合はたいてい「濃厚接触者」となりますが、その中にはしばしば、無症状の方が含まれています。
しかし実際に今日もPCRの結果を電話で伝えていると、無症状だった濃厚接触者が何人か発症していました。

「家族内感染者との濃厚接触→無症状だけどPCR検査→その後発症→PCR陽性が判明」というパターンです。

検査・医療資源の節約をうるさく言うなら、無症状濃厚接触者の検査は控えるべきだという考え方があります。
しかし私は、感染者が多数勢力であるような家庭では、残りの家族全員のPCR検査を原則として行います。
前述したように、診察時にはたとえ無症状でも、やがて大半が発症することが経験上わかっているからです。

あとで陽性とわかるほどなら、一刻も早く「陽性判定」を出した方が、医学的にも社会的にも有益です。
家庭内での面倒な隔離・動線分離や消毒等は、家族全員が感染したことがわかった時点で、もう不要ですし。

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「6カ月間隔で1日100万回」の実現へ
- 2022/02/07(Mon) -
「新型コロナワクチンの3回目接種1日100万回」を、今月の後半には達成したいと、岸田首相が述べました。
野党議員から突き上げられて答弁したような流れです。たしかに、もっと早く表明して欲しかった。

首相が何をぶち上げたところで、自治体が従うのはあくまでも、中央省庁(厚労省)からの指示です。
厚労省は、これまでの政策との整合性をとりながら理屈を付けて次の施策を決定するので、時間がかかります。
自治体は、厚労省からの指示を元に、大慌てで動き出します。医療機関への通知が出るのもその頃です。

ところが国民は、首相が言ったのなら明日からでも実現するのだろうと、そのぐらいの感覚でとらえます。
「今月中に100万回」と急に言い出すのではなく、「来月中に100万回」と1カ月前に言っといてほしかった。

2回目の接種からの間隔も、ようやく「全対象者で6カ月」ということになりそうです。
熊本市でも今週木曜日から、64歳以下であっても6カ月以上の間隔で実施、という規定に変わる予定です。

市の予約システムにおける予約受付も前倒しされ、「接種券が届き次第可能」とする運用に変わります。
しかも実際には、たとえ接種券が届いてなくても、2回目から6カ月経っていれば接種は可能です。
ただし、予約の混乱を回避するために、市は接種券を段階的に送付しています。
市民の皆さまにおかれては、混乱を避けるべく、「接種券が届いてから予約を入れる」ようお願いします。

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保健所の仕事が早くなってる!
- 2022/02/05(Sat) -
PCR検査を委託している検査センターで昨日また、機器のトラブルがありました。
昨夜のうちには判明する予定だった検査結果が、翌朝(つまり今朝)になるという連絡が昨夕ありました。
以前にも経験済みのことなので、対処法は心得ています。まずは連絡を待つ患者さんへお詫びの電話連絡です。

PCR陰性か陽性かで家庭生活が大違いになりますが、結果判明が延びると言われたら待つしかありません。
その待ち時間をできるだけ減らそうと、今朝は6時台に出勤して、7時から電話連絡を始めました。
検査した11人のうち8人が陽性でしたが、8人といっても3家族です。家庭内での複数感染が多いのです。

診療開始までに、電話連絡と追加問診と、発生届の入力と、保健所へのFAXを終えなければなりません。
バタバタしたものだから、発生届(HER-SYS入力)のうち1件の送信ボタンのクリックを忘れてしまいました。
そしたら朝のうちに保健所から電話が入り、FAXと比較して発生届が1件足りません、と。

驚きました。保健所の仕事が早くなってる!(失礼)
入力した発生届なんていつ読んでくれるのやらと、以前は思っていましたが、認識を改めなければなりません。

発生届が迅速に処理されているところを見ると、その後の動きもきっと、早くなっていると期待できます。
感染者数が千人レベルにも耐えうるまでに、保健所のマンパワーが増強されているのでしょう。
昨日は、感染者の住所確認で保健所から電話がかかりましたが、市内の有名な町名の読みを間違えていました。
もしかすると、市外(あるいは県外)からの応援の方かもしれませんね。

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「家庭内濃厚接触」は、なかなか避けがたい
- 2022/02/04(Fri) -
家族に陽性者が出た、という方の受診が増えています。新型コロナはもう、身近な感染症になってきました。

発症の前から感染力が強いのがコロナの特徴なので、発症後に対策を始めても家庭内ではほぼ手遅れです。
もちろん発症後の隔離がムダだとは言いませんが、現実的には難しい場合も多く、結局、感染が広がります。

「濃厚接触者である同居家族等の待機時間について」という通知が、2日前に厚労省から出ています。

エッセンシャルワーカーかどうかにかかわらず、待機期間については次のように規定されています。
(1)陽性者の発症日(無症状なら検査日)か住居内で感染対策を講じた日の、遅い方から8日目に解除する
(2)別の家族が発症した場合は、改めてその発症日を0日として起算する

家族内で新たに「発症者」が出たらその都度、待機期間がリセットされ、8日間のカウントをやり直しです。
それを考えると、とくに人数の多い家庭では、感染対策(動線分離等)の迅速な導入が本当に重要になります。
さらに、住居内感染対策が難しいご家庭では、濃厚接触者の待機期間は毎日リセットされてしまいます。

PCR検査で陰性だったとしても、検査日以降に新たに感染するリスクが高いのが、家族内濃厚接触の特徴です。
感染しているのなら早く発見してあげることが、家庭全体の感染症管理に役立つだろうと私は思っています。

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「PCR陽性」判定を再検査する必要ある?
- 2022/01/30(Sun) -
この時期の日曜日ですから、予想以上に激しい発熱外来でした。
午前中のうちに夕方の予約枠まで埋まってしまい、午後の予約は早々と中止する羽目になりました。
県の新型コロナ感染症相談窓口には、今日はもう紹介をしないでくれと、かなり早い時間帯に連絡しました。

どうしても検査して欲しいと電話してきた方を何人もお断りしなければならず、申し訳ありませんでした。
今日はPCR検査だけでも63人でした。予約電話を全部受け入れていたら100人を超えていたかもしれません。

今日PCR検査をしてくれるのはそちらだけだと聞いた、という方もいて、断るのが辛い一日でした。
相談センターからの紹介なのだからなんとか検査してくれ、という方も、何人もいらっしゃいました。
どうして検査できないのか(こちらは困っているのに)、とお怒りの方も、実は少なくありませんでした。

前にも書いたように、無料PCR検査で陽性だったので検査してくれ、という方の受診が今日も目立ちました。
すでにPCR陽性と判定されたのに、また検査を受けるなど二度手間の極みです。
ところが聞いてみると、無料検査所からの指示で、当院で確定検査を受けるように名指しされたとのこと。

その「確定検査」のために、医療資源(検査試薬と医療費)を費やし、時間を2,3日ムダにするんですよ。
再検査の必要な「PCR陽性判定」など無意味です。陽性判定を出した人が、責任をもって確定してください。

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検査キットが足りません
- 2022/01/27(Thu) -
新型コロナのPCR検査や抗原検査を行うための「検査キット」の不足が問題となっています。

医療機関以外の、家庭や事業者等での検査数が増えたことも、その原因のひとつでしょう。
しかしこれは医療機関の負担を減らすための「予備検査」的な位置づけとして、推奨されている面もあります。

「市販の抗原検査で陽性だった」とか「無料PCR検査で陽性だった」と来院する方は、たしかに増えています。
「市販の抗原検査では陰性だったけど」とか「無料PCR検査では陰性だったけど」と言って来る方さえいます。

家庭や事業所レベルで一種の「トリアージ」が行われているわけで、使い方によってはとても有益です。

しかしここまで感染が拡大することを業界も想定していなかったのか、検査キットが足りなくなりました。
地域によっては、発熱外来での検査を抑制、あるいは休止せざるを得ない一大事になっているようです。

当院では、抗原検査キットの在庫にはまだ余裕がありますが、来週以降どうなるかはわかりません。心配です。
さらに今日、検査センターから、PCR検査用の唾液検体採取容器が足りないという連絡を受けました。
医療用の特殊な試薬やキットではなく、単なる容器の不足なのに、PCR検査ができなくなりかねない事態です。
交渉の末、来週までの想定検査数をカバーできる程度の容器は入手できましたが、先行きはまったく不透明。

検査関連消耗品を増産するだけでよいのか、あるいは検査の流れを変えるべきなのか、抜本的対策が急務です。

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濃厚接触者の未検査での臨床診断は妥当
- 2022/01/26(Wed) -
平日だというのに、今日も発熱外来受診者が多数いました。
その多くが、同居家族に感染者が出た人たち、すなわち「濃厚接触者」でした。

今週日曜と月曜に当院でPCR検査または抗原検査をした90人のうち28人、約3割が濃厚接触者でした。

その28人のうち検査結果が陽性だったのは11人で、そのほとんど(10人)は発熱等の症状がありました。
一方、検査で陰性だった濃厚接触者17人のうち6人にも、微熱や咽頭痛や咳などの症状を認めました。

有症状の濃厚接触者は16人。新しく示された基準では、その全員を検査なしで感染者と診断できます。
しかし実際には、そのうち6人は、臨床診断によって誤って感染者とみなされてしまうことになります。

さて今日は、30人の方が当院でPCRまたは抗原検査を受けました。家族内の濃厚接触者は11人(36.6%)。
濃厚接触者の割合は、どんどん増えてきている印象です。このうち有症状者は8人。うち1人は抗原陽性でした。

オミクロン株だから濃厚接触者が増えているのではなく、検査を希望する濃厚接触者が増えている印象です。
そして無症状の方よりは、たしかに有症状の方の方が明らかに、陽性率は高いようです。
医療ひっ迫対策としては、有症状濃厚接触者を未検査で感染者とみなすのは、いまは妥当と言えそうです。

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たしかに濃厚接触者の検査が多すぎます
- 2022/01/25(Tue) -
新型コロナの感染者数が増える中で、病床だけでなく、検査態勢が熊本でも急激にひっ迫しています。
当院のPCR検査を委託している検査センターも最近はパンク気味で、ついに今夜はトラブって大変な事態です。

当初は、朝11時までの検体提出なら当日夕方に、夕方までの提出なら翌日昼には検査結果が出ていました。
ところが最近は、朝出した検体の結果判明が夜遅くなり、ついに夜中を回るようになりました。
また、夕方提出した検体の検査結果も、翌日夜にやっと判明するようになりましたが、今夜はそれも厳しい。

あまりにも検査数が多くなりすぎたのは、単純に感染者数が増えただけではありません。
感染力が強くてあちこちでクラスターが発生し、家庭内感染も多く、濃厚接触者が増えすぎているのです。

当院でも、陽性診断をした翌日に、その家族が数名まとまって発熱外来を受診するようなケースが増えました。

後藤厚労相は今日、「有症状の濃厚接触者では医師の判断で未検査でも感染が診断できる」方針を示しました。
先日の「若年層は検査をせず症状だけで診断可」には反対ですが、濃厚接触者なら話は別。賛同できます。

「過剰診断」のリスクよりも、検査や診療の資源を減らす効果の方が、いまは確実に有意義でしょう。

ただ、濃厚接触者本人が、そのような「状況証拠」に基づく確定診断に納得してくれるかどうか。
納得が不十分だと「感染者意識」が希薄で、その後の自粛や隔離が不十分になりはしないかと、心配です。

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「若者は検査せずに診断」は提言に盛り込まれなくて良かった
- 2022/01/21(Fri) -
「オミクロン株の特徴にふさわしい効果的な対策を早期に打つべき」と言うのは、政府分科会の尾身会長。

オミクロン株は感染力が極めて強いけれど、重症化はしにくいことがわかっています。
これを、重症化率が低くても感染力が強ければ重症者数は同じ。だから対策は緩めるな、と言う人もいます。

しかし、重症者数が同じとすれば、感染者数が多い方が社会機能への影響は大きくなります。
現に、感染者数が多いこと自体が、すでに医療現場や検査体制をひっ迫させています。

そこで政府は「オミクロン株特有のメリハリの付いた対策」を打ち出そうとしているわけです。
たとえば、濃厚接触者の待機期間が短縮されます。そこまではまあ、いいでしょう。

しかし、「若年層は検査をせず、症状だけで診断することも検討すべき」という提案はちょっと、いけません。

当院の発熱外来受診者にも10代から30代がとても多く、症状は様々。ほぼ無症状の濃厚接触者も多数います。
PCR検査の結果に一定の傾向はなく、まさかの陽性が出たり、意外な陰性が出たりと、予測がつきません。
そのような方たちを私は、「診察」しただけでコロナかどうか「診断」できるとは思えません。
検査せずに診断しろというなら、とりあえず安全のために全員コロナと診断することになるかもしれません。

だんだんと「普通の風邪」っぽくなってきたコロナですから、病状だけで診断するのはいよいよ不可能です。
とくに軽症の方は、検査もせずコロナだと言われても、自宅で2週間待機する気にはならないでしょう。
感染者の社会生活への影響が極めて大きい診断をくだすのであれば、それなりの根拠が欲しいですね。

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あっちこっちがキャパオーバー
- 2022/01/18(Tue) -
大阪の5千人超えに驚いていたら、熊本も600人超え。新型コロナ感染者は各地で過去最多を更新しています。

当院の発熱外来受診者も、すでに第5波のピーク時に匹敵、いや上回っているかもしれません。
とくに日曜や祝日は、「相談センター」や「専用ダイヤル」から紹介を受けた方からの問合せが多いですね。
当院のキャパをかなりオーバーするぐらい受け入れてはいるのですが、それでもまったく追いつきません。
毎日多くの方の受診・検査をお断りすることになります。申し訳ありません。

PCR検査を数多く行えば、それに伴ってPCR陽性者も多数出てきますが、それ以上に陽性率が高くなりました。
この日曜・月曜に当院で行ったPCR検査の陽性率は、なんと35.8(24/67)%という異常高値でした。
つまり、これだけ検査数を増やしても、まだ感染者数の増加ペースに追いついていないということです。

検査センターも厳しい状況のようですね。結果判明時刻がどんどん遅くなって、ついに真夜中になりました。
昨夜出るはずだったPCR検査の結果は、今朝早くから、患者さんにお伝えすることになってしまいました。
電話連絡を終え、発生届を入力し、それから保健所にFAXしようとしたら、こんどはFAXがつながりません。
電話で問い合わせると、保健所のFAXがパンクしているとのこと。

今日の昼から夕方に判明するはずだった、昨日実施分のPCR検査結果は、20時半にやっと出ました。
もう明日からは、「PCR検査の結果は2日後に判明します」と言った方がよさそうです。

オミクロン株の急拡大で真っ先にひっ迫するのは、医療態勢よりもまず、検査態勢かもしれません。

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「PCR等検査無料化事業実施事業」の中途半端さ
- 2022/01/15(Sat) -
「市販の新型コロナ抗原検査キットで陽性だった」という方が、発熱外来の受診者の中に時々います。
当院でまた同じ抗原検査をしてもしょうがないので、PCR検査で白黒を付けることになります。

「街のPCR検査所で陽性だった」という人も現れるようになりました。
熊本県の「感染拡大傾向時の一般検査事業に伴うPCR等検査無料化事業実施事業者」で検査を受けた方です。
県のサイトによると、1/8時点で検査事業所は県内に28カ所。当院の近所にも1カ所あります。

「検査所ではPCR陽性だったので医療機関を受診するように言われた」という理由で、当院を受診されます。
でも、県が正式に認める検査所で陽性が出た方に対して、当院は何をすればいいのでしょう。

(1)その検査所のPCR検査の結果を根拠に、当院で「確定例」と診断し、保健所に発生届を提出する
(2)当院であらためてPCR検査を行って陽性を再確認し、「確定例」診断した上で発生届を提出する

実は正解は、(3)検査所の提携医療機関の医師が保健所に発生届を提出する、だと思われます。
しかし、検査所の説明が悪いのか、患者さんたちの多くが「新型コロナ相談センター」に相談するようです。
そしてその相談センターは、土日にも発熱外来をしている当院を、今日も紹介してくれるわけです。

その流れで当院を受診された方に対して、症状や状況を踏まえて(2)の方向で検査を進めているところです。
(1)や(3)に比べて(2)は、発生届が2日ほど遅れます。それに伴う治療・隔離・疫学調査も遅れます。

民間検査所は検査だけやりっ放しにせず、発生届の提出(=保健所への報告)までキチッとしてほしいですね。

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感染しても診療はできる
- 2022/01/12(Wed) -
「医師は感染しても無症状なら、自宅などからオンライン診療を行える」とする通知を厚労省が出しました。
新型コロナ感染の拡大による、医療ひっ迫(医療従事者の不足)を受けたものです。

私もこれには基本的には賛成です。ていうか、以前からそうあるべきだと書いてきました。
ただしそれは、地域全体の医療ひっ迫を踏まえたものというより、もう少し個人的な考え方です。
つまり、私が感染者または濃厚接触者として突然休診すると、確実に困る人がいるからです。
もちろん、経営上の問題もありますが、そんなことよりもやはり、かかりつけの患者さんへの影響です。

たとえば生活習慣病の方の薬が切れては困ります。なんとか処方だけでもしなければなりません。
ワクチンの接種を急に中止すれば、予約者には大迷惑です。とくに新型コロナワクチンの場合はそうです。

なので私がもしも感染したら、院長室にこもってオンライン診療しようかと思っていました。
このたびの厚労省の通知によって、それが公式に認められるなら、好都合です。
ただし「自宅などから」という部分に、「十分に隔離された院長室」を含めることが許容されるかどうか。

使用している電子カルテが「クラウド型」であれば、自宅でログインし、薬を処方することも可能でしょう。
しかし当院のように「オンプレミス型」だと、院内LANに接続できなければ電子カルテが使えません。
院長室から一歩も出ないことを条件に、院長室からの「遠隔診療」を認めてもらえると助かるのですが。

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たとえ弱毒でも、感染力が強ければストレスです
- 2022/01/08(Sat) -
新型コロナの感染者が急増し、「医療ひっ迫」の心配がまた出てきました。
とくにオミクロン株は過去にないスピードで感染が急拡大しているので、ひっ迫の懸念も顕著です。
今回は、病床のひっ迫だけでなく、医療従事者の感染等による診療制限も問題視されつつあります。

いやこの問題は、2年近く前から想定してきたことです。
(1)自分が感染した場合、院長室と診察室を結んで「遠隔診療」をすることは可能か
(2)当院職員が感染した場合に備えて、職員間の濃厚接触を最小限にするためには日頃からどうすべきか
(3)職員の家族や知人・友人等が感染した場合の対処法を、マニュアル化しておくべきではないか

さいわい、昨年までは前述したようなケースには該当しませんでしたが、今後はわかりません。
第5波の収束後からはとくに、院内の休憩室でのマスク着用や黙食が、必ずしも徹底されていませんでした。
ここは改めて初心を忘れないよう気を付けようと、職員みんなで確認し合ったのはほんの2,3日前のことです。

オミクロン株が感染力は高いけど重症化しにくいことは、一般市民にとっては安心材料です。
感染者数が驚くほど多くても、その数字を見て右往左往する必要は無いと言う人もいます。

しかしいくら弱毒でも、医療機関で受診者に感染させるわけにはいきません。
その意味では、弱毒かどうかには関係なく、これまでと同等以上に院内感染の予防に努めなければなりません。
たとえ重症化しにくくても、感染力が高ければ医療現場には大きなストレスがかかるのです。

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新型コロナ治療薬「モルヌピラビル」承認
- 2021/12/29(Wed) -
メルクが開発した新型コロナの内服薬「モルヌピラビル」の国内での使用が承認され、出荷が始まっています。
日本での商品名は「ラゲブリオ」。赤いカプセルです。1回4カプセルを1日2回、5日間内服します。

安定的な入手が可能になるまで一般流通は行われず、厚労省が所有し、要請に応じて配給されるとのこと。
医師が処方し、薬局から患者宅に薬が配送される仕組みだそうですが、その詳細がどうもよくわかりません。

そう思っていたら昨夜遅くに、熊本県健康危機管理課から、次のような趣旨のメールが届きました。
「診療・検査医療機関はモルヌピラビルを在庫としてストックできるようにリスト化させていただきました」

日本語的には少し読みにくいメールでしたが、「モルヌピラビル登録ホームページ」へのリンクがありました。

クリックするとMSDの「ラゲブリオ登録センター」に飛び、さまざまな「同意文書」への同意を迫られます。
「次へ」のボタンと「閉じる」のボタンの位置関係が紛らわしく、たびたび閉じてしまい、やり直しです。
次いで、施設情報と、代表医師の情報と、薬剤師(いなければ医師)の情報と、問い合わせ先を入力します。
それらは全部同じ内容なのに、「上記と同じ方でもご入力が必要」とあるので、4回入力を繰り返します。
パスワードと秘密の質問とその答も設定し、ようやく登録完了となりました。

さて、登録したけどどう使うのってことで、今朝、熊本県健康危機管理課に電話して尋ねてみました。
どうやらまだ詳細は決まってないようです。そうですか、こちらも別に急ぎませんけど。なら電話するな?
年明けには、「ラゲブリオ取扱い指針」みたいなのが出ることを期待しています。
PCR陽性なら薬局から発送、抗原陽性ならその場で手渡し、ていうのが私の望むイメージですけどね。

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新型コロナ検査価格の大幅改定が唐突すぎます
- 2021/12/08(Wed) -
新型コロナウイルス感染のPCR検査や抗原検査の診療報酬が、大幅に減額されることになりそうです。
今日行われた「中央社会保険医療協議会(中医協)総会」の提案は、まさに青天の霹靂、寝耳に水の大激震。

現在の診療報酬は、PCR委託検査が1,800点(18,000円)、抗原定性検査は600点(6,000円)です。
これを今年12月31日から、それぞれ1,350点と300点に、来年4月からは700点と300点にせよ、との提案。
検査センターに支払っている委託料や、抗原検査キットの原価をも大きく下回ってしまう、異常な改定です。

この改定は、「誰もが簡易かつ迅速に利用できる検査の環境整備」のためだそうです。
つまり、診療報酬の設定が高すぎるから自費検査価格も高いのだと、そういう理屈です。
たしかに、PCR検査は本来はもっと安価な検査法なのだという意見には、一理あります。

しかしそれにしても、この大幅な改定を大晦日から施行するなんて、性急すぎませんか。
当院でも、定価6,000円の抗原検査キットを値切って購入して大量に在庫してますが、300点では大損害です。
検査すればするほど赤字になるなんて、まるで「なるべく検査するな」と言ってるようなものでしょう。

無症状や軽症の感染者が多い「オミクロン株」は、念のための検査こそが早期発見のカギじゃないですか。
いやそれとも来年からはもう、コロナはいちいち見つけなくてもいいよ、ていう世界になるんですかね。
将来はともかく、いまはまだ違うんじゃないの?

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医師会PCRセンターでインフル検査してどうなるの
- 2021/12/04(Sat) -
「熊本市医師会PCRセンター」は、来週水曜から、インフルエンザの抗原検査も行うことになるようです。
インフルエンザ単独では検査せず、あくまで、PCR検査に付随するオプション検査のような位置づけです。
ただし、これまでと同様に、医療機関からの紹介状が必要です。
また、インフルエンザが陽性と判明しても、PCRセンターではタミフル等の処方はできません。

つまり、こういうことです。
(1)患者はまず、一般の医療機関を受診して診察を受け、PCRセンターへの紹介を依頼する
(2)医療機関がPCRセンターに電話で予約し、診療情報提供書等の書類をFAXで送付する
(3)患者は、指定通りPCRセンターに赴き、自家用車内でコロナのPCR検査とインフルの抗原検査を受ける
(4)もしもインフルが陽性であれば、患者はまた医療機関を受診し、タミフル等の処方を受ける

面倒臭くないですか。
それに、インフルの検査をしておきながら、その場では治療薬が処方できないなんてのは、ダメでしょう。
おまけに、インフルが陽性の場合に、PCR検査が希望により中止できないのもオカシイ。

なのでPCR検査はともかくインフルの抗原検査だけは、(1)の時点で医療機関でしておくべきだと思います。
その場で陽性ならすぐタミフル出せるし、じゃあコロナじゃなさそうだからPCRやめとこう、って言えるし。
私なら(1)の時点でインフルとコロナの抗原検査をして、両方とも陰性のときPCR検査を考慮しますけど。

そんなことより、PCRセンターでのPCR検査には、医療機関からの紹介を不要にしてほしいですね。
紹介状のためだけに患者が医療機関を受診するのは、時間と労力とお金のムダだし、感染のリスクさえある。

むしろ医者が当番制でPCRセンターの方に詰めて、そこで問診等を担当すればいいじゃないですか。
患者は車で直接PCRセンターに行き、受付前を通り、問診医の前を通り、検査場で検体採取を受け、帰宅する。
自己完結型の、完全ドライブスルーPCRセンターです。解熱剤ぐらいなら処方も行います。

インフルの抗原検査を追加してもいいですよ。陽性ならタミフルを処方できる。これ、いいんじゃないの。

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命名のセンスが無いから取り違える
- 2021/11/16(Tue) -
医薬品「カナリア配合錠」と「カナグル錠」の取り違えが起きたという、注意喚起のメールが届きました。

よくある案件とは異なる点は、両者がいずれも糖尿病の治療薬、しかも成分が半分同じだということです。
じゃあ、たとえ取り違えても、薬の作用が強まるか弱まるかの違いだけか、と考えるのは早計です。
副作用が原因で薬を変更した患者へ、取り違えによってまた同じ成分を含む薬を処方した事例だったからです。

「カナリア配合錠」は、「テネリア錠」と「カナグル錠」の成分を配合した「配合錠」です。
「テネリア」と「カナグル」から2文字ずつとって結合して「カナリア」というわけです。

このような命名法によって、配合錠として認知されやすくしたつもりでしょうけど、センスがないですね。
たしかに「カナリア」自体は覚えやすいですが、配合した元の薬の名称の存在感が希薄なのが問題なのです。

「テネリア」の個性は「テネ」にあるし、「カナグル」の特徴は「グル」ですよ。
なので、両者の存在感を残しつつ結合するなら「テネグル」しかないでしょう。

配合錠でいうなら、以前書いた「ミカルディス」+「アムロジン」→「ミカムロ」、は良い命名例ですね。
センスの良い命名は、覚えやすいだけでなく配合内容がよく分かるし個性的なので、取り違えも防げます。
前から言ってますけど、医薬品に命名する前にひとこと私に相談してくれたら、きっと良い名前を考えるのに。

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反ワクチンメディアは、何があっても反ワクチン
- 2021/10/13(Wed) -
「小学生が新型コロナワクチンの接種後に死亡した」という誤った情報がSNSで拡散し、問題となりました。
概略はこんな感じでしょうか。

・反ワクチンの医師が発信したデマを、反ワクチンの議員が拡散したのが発端
・それを信じた一般市民が、善意で情報を広め、正義感から学校や市に対して抗議活動を起こした
・学校が否定しても「隠蔽」と捉えられ、接種を不安視していた保護者らの反発がかえって強まった

悪意ある発信、善意の拡散、否定すれば炎上、まさにSNS時代の「冤罪」パターンですね。

読売の記事はこの件を、「不確かな話に惑わされないでほしい」という医師のコメントで締めくくりました。
常識的なまとめ方だと思います。

しかし、「正確な情報は必要だが、ワクチンに対する不安感は強まっている」と書くような新聞もあります。
冤罪は認めながらも、疑われたアンタも悪い、と言ってるようなもので、良心的な態度ではありません。

地元の某紙でもしばしば、反ワクチンにつなげるように論点をねじ曲げた記事が目に付くのでムカつきます。
何かコトが起きたとき、まずは、そこから得られる教訓を真正面に論じるのが誠実な態度です。
斜に構えた論調で、いかにもわかったようなことを結論に持ってくるメディアには辟易します。

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やはり起きたワクチンの取り違え
- 2021/10/12(Tue) -
インフルエンザワクチンの時期が来たら、きっと起きると思っていました。
インフルワクチン希望者に、新型コロナワクチンを接種してしまったという過誤が報じられました。

その医療機関を訪れた、接種ワクチンの異なる「同姓」の2組の夫婦を、まるっと取り違えたようです。
報道番組では、医者の確認が不十分だ、被接種者本人も気を付けよう、などと当たり前のことを言ってます。

何度も言ってきましたけど、医療過誤やヒヤリハットは、そんな「心構え」じゃ防げないんです。
今回の件で言うなら、接種の時間帯を分離して、取り違えが物理的に起こり得ないようにすべきでした。

少なくとも、当院ではそうしています。なぜなら、時間帯が重なると、いつか間違いそうな気がするからです。
今月は、新型コロナワクチンはできるだけ平日には接種しないことにしました。インフル優先です。
被接種者の利便性を考えて、土曜日には両方のワクチンを接種しますが、時間帯は完全に分離しています。

ただ時間帯は分離しても、実際に接種してると、今期のインフルには独特の注意点があることに気付きました。
それは皮下注射。このところ新型コロナの筋注ばかりしてきた私には、インフルの皮下注が慣れないのです。

乳幼児の定期接種では、皮下注射に違和感はありません。その小さな腕を見れば、筋注など思いもつきません。
ところが大人の腕を見ると、これはインフルだから皮下注だぞ、という確認のひと呼吸が要るんです。
インフルとコロナのワクチンを同じ時間帯に混在させ並行して接種するなど、私には怖くてできません。

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熊本県の新型コロナ、久々にゼロ
- 2021/10/08(Fri) -
熊本県の今日の新型コロナ新規感染確認は、ゼロでした。3カ月ぶりですか。感慨もひとしおですね。
全国的にも同様の傾向が見られます。とりあえず、第5波の収束は確定。次の波に備えましょう。

ところで、日本の感染者が減っているのは政府が数字を改ざんしてるからだそうですね、某国の報道によると。
となると、当院のPCR検査が最近軒並み陰性なのも、政府が検査センターに手を回しているというわけですか。
このところ、発熱外来の受診者自体が減ってますが、それも政府が・・・んなアホな。

感染者が減ればオカシイと言い、感染が再拡大すればそら見たことかと言うのでしょうね、きっと某国の方は。
しかし私が言いたいのは隣国の批判ではなく、最初から他国につけ込まれないようにすべきだということです。
日々のPCR検査の実数や陽性率などのデータは、できるだけ早く正確に公表していただきたい。
これらは市民にとっても、自治体にとっても、そして医療機関にとっても重要なデータなのです。

一部の医療機関は、「G-MIS」というシステムに発熱外来の検査数などを入力しています。
これは発熱外来の稼働内容を把握するためのシステムであって、検査結果については関知していません。

一方で医療機関は、「HER-SYS」というシステムを使って新型コロナ新規感染者の「発生届」を提出します。
これはPCR陽性者等の詳細を報告するためのシステムなので、陰性者については報告しません。

このように、検査数と陽性者数を紐つける仕組みがないので、正確な陽性率は計算できません。
妙な憶測が立ち入る隙のない、正確で迅速な検査・感染者把握システムはできないものですかね。

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医療用抗原検査キット、薬局で販売へ
- 2021/09/28(Tue) -
「研究用」ではなく、正式な「医療用」新型コロナウイルス抗原検査キットが、薬局で買えるようになります。
ニュース画面に出ている大塚製薬の「クイックナビ-COVID19 Ag」はまさに、当院が日頃使ってる製品です。
10回分で定価66,000円(税込)と高額ですが、販売量が増えることで、今後の値下がりを期待しています。

検査キットの販売拡大はしかし、感染の早期発見には有用でも、陰性証明としての利用が増えるなら問題です。
今朝の北村先生(日大の)は、抗原の自己採取方法が重要だと、次のように発言していました。
「(綿棒は)できるだけ鼻の奥の方にしっかりと、オエッとなるぐらい入れる必要がある」

あー、困りますねえ。北村先生は、発熱外来の現場、とくに抗原検査の実際をよくご存じないのでしょうか。

昨年10月、「鼻腔ぬぐい液」が検体として認められ、厚労省のガイドラインには次のように記載されました。

・鼻孔から2cm 程度スワブ(=綿棒のこと)を挿入し、挿入後スワブを5回程度回転させ、十分湿らせる
・被検者自身が採取する際は、鼻出血が起こりやすい部位である点にも配慮し、医療従事者の管理下で実施する
・検体採取に当たり、医療従事者に一定の曝露があるため、個人防護具の装着による感染 防御を要する
・被検者自身による自己採取による場合においては、サージカルマスク及び手袋を着用することで対応が可能

このガイドラインは、第2版では次のような記載に変わっており、最新版(第4版)でも同じ内容です。
・鼻腔に沿って2cm程度スワブを挿入し、挿入後スワブを5回程度開店させ、5秒程度静置し湿らせる。

当院では、マスクとフェイスガードと手袋を着けた私が被検者に綿棒を手渡して、次の説明を行っています。
「その綿棒を、鼻に2cmほど入れて、ゆっくり5回ほど回して、5秒ほど待ってから、抜いてください」と。

「患者にやらせて大丈夫なのか」というクレームも時々頂戴しますが、正式な方法なのだと説明しています。
北村先生の言うようなオエッとなるまで綿棒を入れ込む方法は、医療機関での自己採取法では用いていません。

厚労省も、「検出感度には引き続き検討が必要だが、実用性と医療者の感染予防の面から有用」としています。
というわけで今後も、当院の抗原検査では、鼻腔ぬぐい液の自己採取を原則としますので、ご理解のほどを。

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市販の抗原検査キットを使う方が増えています
- 2021/09/24(Fri) -
新型コロナの抗原検査に関しては何度か書きましたが、誤解の無いように、あらためて整理しておきます。

(1)抗原検査は、PCR検査に比べると感度が低い(このこと自体は、ある程度知られています)
(2)抗原検査には、「定量検査」と「定性検査」がある(両者は感度がまるで違います。これが問題)
(3)空港等で用いられている定量検査に比べると、診療所等で行っているのは定性検査なので感度は低い
(4)市販の抗原検査キットには、医療用レベルのものもあれば、粗悪品もある

イメージとしては、新型コロナウイルスの検出感度は、
PCR検査 >= 抗原定量検査 > 抗原定性検査(医療機関) >= 市販キット >> 粗悪品

当院で行った抗原検査で陰性でも、念のため同時に行ったPCR検査では陽性だった方が、何人もいます。
まして、市販キットで陰性だったとしても、その方が感染していないとはまったく言えません。

その代わり、それほどに感度の低い検査で陽性が出た場合には、ほぼ間違いなく、感染しています。
以前、抗原検査が陽性であることに納得できない方など数名に、同時にPCR検査をしたことがあります。
全員、PCRも陽性でした。つまり、抗原検査に「偽陽性」はないと考えてよいでしょう。

市販の抗原検査キットで陽性が出たので、再検査をしてほしい、と言って来院される方が時々います。
この場合、PCR検査をしてもよいのですが、早期診断・早期対処のために、抗原検査を行うのが普通です。
そのような方は必ず、医療用の抗原検査キットでも、陽性です。

実はいちばんよく出会うのが、市販のキットで陰性だったのでもう検査しなくても大丈夫、という方です。
先ほどから書いているように、抗原検査は、まして市販キットでは、陰性証明にはなりませんからね。

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往診で「抗体カクテル療法」を
- 2021/09/16(Thu) -
新型コロナウイルス感染症の「抗体カクテル療法」について、厚労省は往診での使用を認める方向のようです。

この療法は重症化予防に有効で、当初は発症早期の軽症・中等症の入院患者にだけ使うことになっていました。
これが宿泊療養施設や外来での使用に拡大され、さらに今回、往診でも使えるようにしようというわけです。
自宅療養者への往診投与は、早期治療・重症化予防のためにはとても有用だと思います。

しかしこのようなとき必ず問題となるのは、自宅で副作用が起きたらどうするのかという懸念です。
実際に、数千人に投与した中の1%程度で、副作用が疑われる発熱や嘔吐等の症状が報告されています。
このような体調変化に、誰がどのように気付き、適切な対処が出来るのか、ということが心配になるのです。

でもそれを言うなら、そもそも自宅療養中の軽症中等症患者の体調変化こそ、もっと心配すべきでしょう。
重症化しても誰も気づかずに自宅で亡くなるような事例が、各地で起きています。
自宅療養者のフォロー自体が不十分なのに、治療後の副作用ばかり心配するのは本末転倒でしょう。

軽症中等症の患者を自宅療養と称してほったらかすほどなら、有効性のある治療をする方がよっぽどマシです。

治療薬の有益性よりも、その副作用の方を過剰に心配するのは、とりわけ日本人に特有のものかもしれません。
これはちょうど、感染症よりもワクチンの副反応を恐れる体質と同じです。
往診投与後の経過観察に懸念はありますが、コロナの場合、治療の有益性の方がずっと優先すると思います。

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コロナ対策「担当相」の役割分担ってどうなってるの
- 2021/09/12(Sun) -
「ワクチン2回接種が5割超」と西村担当相。「今月末には6割を超えて英国やフランス並みの水準になる」

ニュースの見出しの「担当相」に引っかかります。ワクチン担当って、河野太郎氏じゃありませんでしたっけ?

西村康稔氏:経済再生担当相、新型コロナウイルス感染症対策担当相
河野太郎氏:行政改革担当相、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種推進担当相

少なくとも、西村氏がワクチン接種の実績について発言した際に「担当相」と呼ぶのは、正確ではありません。

ていうか、西村・河野両氏に田村憲久厚労相も加えた3人の大臣の役割分担が、いまだによく分かりません。
違いがあるとすれば、河野氏は目立ってるし、田村氏は変なこと言うし、西村氏は影が薄いですね。

自民党総裁選に際して、厚労省改革についての議論が活発になっています。
河野氏は、厚生省と労働省の分割案も提示しています。でしょう。もともと両者の統合に無理があったのです。

職員を雇用したら、似たような書類を年金機構とハローワークの両方に出さなければなりません。
いずれの書類にも、いまや個人番号を記入してるんだから、役所内部で情報を融通すればいいのに。
社会保険と労働保険って、今後もずっと別立てで続けるつもりなんですかね。
厚生省と労働省を統合して20年も経つというのに、いまだに本当の意味では統合できてませんけど。

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熊本の病床ひっ迫も、かなりヤバいです
- 2021/08/28(Sat) -
家族内に新型コロナウイルス感染者が出ると、家庭内での隔離やら動線分離などのやりくりが大変です。
感染者以外の家族みんなが濃厚接触者と認定されたとしても、その全員が実際に感染しているとは限りません。
なので、濃厚接触者どうしでも、互いになるべく接触をしないように、注意しなければなりません。
厳密に言うなら、家族全員がそれぞれ居住空間や動線を分離しなければなりませんが、それは難しいでしょう。

最近は、家族内にひとり感染者が出ると結局、残りの全員が陽性になります。デルタ株のせいかもしれません。
濃厚接触者である家族を全員検査したら全員陽性という悲惨な事例に、当院でもしばしば遭遇します。
ひとつ良いこと(良くもないけど)があるとすれば、家庭内での隔離や動線分離が必要なくなります。

小中学生の感染に遭遇することはもう当たり前になりました。感染者の年齢層は明らかに低年齢化しています。
もちろん大人の、中高年の感染者もいますが、たいていの方はワクチン未接種です。
ワクチンが接種できない小学生や乳幼児は、親からの家庭内感染から逃れるすべがありません。
逆に子どもが幼稚園や学校で感染して家庭に持ち込むケースもあって、親も油断できません。

当院で診断した感染者の多くは自宅で経過観察となっていますが、なかには自宅で病状が急変する方もいます。
最近、救急車で病院に搬送され、しかし入院できずに自宅に戻り、その後さらに病状が悪化した方もいました。

熊本は東京などに比べれば感染者数は少ないですが、病床のキャパも小さいので病床のひっ迫度も急変します。
医療崩壊はもう始まっています。

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やむを得ないとしても、自宅待機は危険です
- 2021/08/25(Wed) -
平日だというのに今日は、「濃厚接触者」の方の検査受診がとても目立ちました。
家族の感染で保健所から濃厚接触者と認定されたのにPCR検査がすぐに受けられない「検査難民」の方々です。
保健所が行う検査まで3,4日待たされるようで、それが待ちきれずに当院に来られるのです。

最近は保健所から直接、PCR検査依頼の電話が入ってきます。当院のキャパの範囲で受け入れています。
濃厚接触者だけでなく実際に発症した人も、検査を受けて結果が出るまでに、かなり日数がかかっています。

たとえば当院で日曜日にPCR検査をする方の多くは、金曜日か土曜日ごろに発熱等で発症した方々です。
採取した検体(唾液)は所定の方法で梱包し、冷蔵保存します。日曜には検査センターの回収がないからです。
月曜の朝、検査センターに検体回収を依頼し、その日のうちに検査が行われ、夜遅くに結果報告が入ります。
その結果を、患者本人と保健所に電話連絡し、厚労省のHER-SYSに入力し、保健所にFAXを送ります。

保健所から感染者に連絡が入り、病状に応じた対処が始まるのは深夜以降、場合によっては翌日になります。
多くは自宅待機となり、パルスオキシメーターが貸し出され、保健所による経過観察が始まります。

今朝、ある感染者から当院に電話があり、Spが83%だと相談を受けました。保健所に電話がつながらないと。
家庭内に感染が拡大し、幼児を含め家族全員が感染した事例も珍しくありません。自宅待機は危険です。

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熊本でも、たぶんデルタ株?増えてますね
- 2021/08/23(Mon) -
昨日行った33人のPCR検査のうち、陽性は10名(陽性率は30.3%)でした。ほぼ予想通りの結果です。

まあそれにしても今日は、PCR検査の結果が出るのが遅かったですね。ものすごく混み合っていたのでしょう。
検査センターから報告が入ったのは、午後9時半。患者さん全員への連絡を終えたのは、10時過ぎでした。

患者さんには、午後5〜8時頃に結果を連絡すると伝えていたものだから、大変お待たせしてしまいました。
結果はまだかと、多くの方から電話がかってきます。みなさん、イライラされていますが、そりゃ当然です。
PCR検査の結果が陽性か陰性か、これは健康上の問題だけでなく、社会的にも重大問題ですからね。
こういうときは、たとえ私のせいじゃないとしても、ここは低姿勢な態度で接するに限ります。

「す・み・ま・せ〜ん、大変、お待たせしていますが、まだ検査センターから報告が来ないんですよ〜」
「私も電話の前で、夕方からず〜っと、待ってるところなんですが、今日は検査がすごく多いみたいです」
「結果が出しだい、か・な・ら・ず、今晩中にお電話しますから、もうしばらくお待ち下さいね」

いやもう、ホント、もう少し検査のキャパが増えないものですかね。毎晩これじゃあ、たまりませんが。
しかしそれよりも、10代の方や10歳未満のお子さんの感染者が増えてますね。こっちの方が、たまりません。

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「院長は濃厚接触者ですが大丈夫です」
- 2021/08/19(Thu) -
医療従事者が濃厚接触者になっても、医療に従事する目的であれば、自宅待機は不要で外出可能になりました。

悪く言えば、感染の疑いがあっても働けと言うことですが、医療者にしてみれば動きやすくなったと思います。
ただし万一感染していた場合は、医療に従事することで患者さん等への感染拡大が懸念されます。
なので濃厚接触者が働く場合には、周囲の人の感染を防ぐために、個人防護具を使わなければなりません。

コロナ禍の初期の頃から、もしも自分がコロナに感染した時、どのように振る舞うべきかを考え続けています。

体調さえ許すなら、院長室にこもって電子カルテを操作すれば、患者さんの診療や処方を行うことができます。
同じ院内にいながらも、遠隔診療や電話診療と同様の手順です。なんなら酸素を吸いながらでも診療できます。

そんなアホな診療アルカイダと思うかもしれませんが、濃厚接触程度で診療に穴を開けてはならないのです。

厚労省はつい6日前に、濃厚接触者となった医療従事者が新型コロナ診療を行う事を認めたばかりでした。
それが昨日になって、新型コロナに限らず、全ての医療行為に拡大して認めることになったわけです。

濃厚接触者でありながら従事する場合は、毎朝PCR検査か抗原検査を行い、陰性を確認する必要があります。
しかし実際に院内で、どのような体制で診療等にあたるべきか、明確な指針は示されていないようです。

厚労省が認めたからといって、自分が濃厚接触者であることを隠して診療するのは問題でしょう。
「院長は濃厚接触者ですが、感染に注意して診療を行っています」みたいに院内掲示しなければなりません。
それでも通常通りの対面診療は難しいかもしれませんね。やはり安全を考えたら「院内遠隔診療」になるのか。
ていうかそれ以前に、来院者があるのかどうか。

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乳幼児でもコロナを警戒する事態になりました
- 2021/08/18(Wed) -
PCR検査の陽性率が上がっていると先日書いたら、先生方は大丈夫なんですか、と心配する方がいました。
おそらくは、先生のクリニックに行っても大丈夫ですか、という気持ちもお持ちなのでしょう。

当院の発熱外来においては、動線と時間帯は徹底的に分離しています。だから大丈夫、なはずです。
何とも頼りないお答えですが、もはや「絶対大丈夫」とは言い切れない状況なのです。

軽い風邪症状で微熱の方でも、本人は鼻炎だと思っている平熱の方でも、コロナではない保証はありません。
これまでは、おもに症状のある大人に注意していましたが、いまは小中学生でも油断できません。
近隣の幼稚園(2カ所!)では園児の感染者が出ています。乳幼児の診察も、なかなか厳しくなってきました。

さらに、電話でご説明しても玄関前に掲示物を出しても、ズカズカと待合室に入ってくる発熱者がいます。
発熱外来は完全予約制なのですが、早く診てもらいたい方が予約せずに来院されることもあります。

何度も言わせてください。発熱外来には時間通りに、できるだけ自家用車で来院してください。

コロナ病棟の従事者の方々の苦労に比べれば、発熱外来従事者などまだ甘っちょろいものかもしれません。
しかし、コロナか風邪か区別のつかない方が毎日何人もやって来る発熱外来は、けっこうな緊張感があります。

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PCR陽性率の急上昇がヤバい
- 2021/08/16(Mon) -
当院の発熱外来でのPCR検査を希望する方が増えていますが、曜日や時間帯によっては、お断りしています。
人員や診察室や駐車場のキャパオーバーのためです。それに検査センターへの検体提出時間帯も限られます。

8月9日の振替休日には32人のPCR検査を行いましたが、そのうち5人が陽性で、その陽性率に驚きました。
報告を受けた保健所の方も、「げっ、先生のおかげで熊本市100人越えですよ」とやんわり苦情を口にします。

ところが、昨日の日曜日に行った22人のPCR検査では、8人が陽性であることが今日判明しました。
保健所の反応は「げげっ!」ですね。陽性率36%は、首都圏並みにヤバい数字です。

PCR検査の結果が出たらまず、陰性判明者への電話連絡をします。今日はそれが、午後7時頃でした。
「はい、そうですか」という方から、「えっ、陰性!良かったぁ〜」と歓喜する方まで、反応はさまざま。

続いて、PCR陽性者8人に対して一人一人、ある意味で「不幸の電話」をかけていかなければなりません。
「あー、そうですか」みたいな弱い反応が意外に多いのは、コトの重大さにピンと来てないのかもしれません。

病状を聞き直し、持病の有無や行動歴などを確認し、「発生届」に必要な情報を得ていきます。それを8人分。
ついで、なじみの保健所に電話します。それが前述したような反応なのです。

それから、厚労省のHER-SYSへのデータ入力です。これが自動的に、保健所へ提出する発生届となります。
その次は、「入院チェックリスト」の作成。8人分作り、印刷して、保健所にFAXしました。
ここまでの手順でようやく作業終了。時刻は午後8時40分。今日の診療自体は6時に終わったんですけどね。

日本各地がそうであるように、熊本もいま大変な状況になりつつあります。絶対に油断はできません。

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東京も熊本も全国も、新規感染者数が過去最多を更新中
- 2021/08/05(Thu) -
当院の発熱外来受診者は、まだ1月頃ほどには多くはありませんが、PCR陽性者は少しずつ出始めました。
若い方が多く、しかもみなさん比較的軽症です。うっかり夏風邪と思ってしまいそうで怖いですね。

緊急事態宣言やマンボウの対象地域が広がりました。熊本もマンボウです。さて、宣言で何か変わるのか。
「何も変わらないんじゃないの?」と街頭インタビューに答えている方。まず、アナタが変わらなければ。
「人出が多いですねぇ」と銀座で苦々しく語っている方。まず、アンタが家にいなさいよ。

今日の参院厚生労働委員会の質疑を見ていても、田村厚労相の答弁はいつものようにダメダメですね。

自民「政治家は希望をもたらすことを言いたがる」(自見氏、自民議員にしては的を射たことを言います)
田村「何時までも我慢をする社会ではない。ちょっとずつ我慢を緩めていく社会にしたい」(は?)

立憲「中等症でも原則自宅療養は、重大な方針転換ではないか」(ですね)
田村「中等症原則、これは入院であります」(おい!)

公明「中等症の自宅療養が全国一律でないのなら、説明してほしい」(でしょう)
田村「軽症でも急激に悪化する可能性が高いと判断されれば入院となります」(こらこら)

菅首相を筆頭に、ほとんどの閣僚の答弁がズレてます。質問に対して真っ直ぐに答える気がないようです。

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自宅療養が増えれば、外来診療がひっ迫するのでは
- 2021/08/04(Wed) -
新型コロナは、首都圏や沖縄・関西・福岡のみならず、熊本も感染者数がドンドコ増えています。
「5大臣(御大尽)会合」が開かれ、ついに熊本にもマンボウが適用されることになりました。

政府が打ち出した「中等症以下の感染者は自宅療養」という原則に対しては、批判が集中しています。

誰もが心配するのは、自宅で病変が急変した場合に迅速な医療対応が受けられるかということです。
この点について田村厚労相は、「往診に関して(診療報酬の)加算によって積極的に進める」と述べました。
これはつまり、「医者にボーナス出して働かせるから大丈夫」という、まことに遺憾な考え方です。
こんなことだと、自宅療養を基本とする方針がうまくいかなければ、それは医者のせいだと言われかねません。

自宅療養の患者が増えて往診にエネルギーが割かれると、その代わり、外来など別の部署にしわ寄せが来ます。
たとえ病床稼働率は減らせても、外来診療のパワーが奪われることにならないか、それも心配になります。

熊本市は、自宅療養者が受診できる医療機関リストを整備するため、各医療機関に意向調査を行いました。
当院は、一般診療と発熱外来とワクチン接種で手一杯なので、現時点ではリスト入りを申し出ませんでした。
しかし今後、感染者がさらに増えて自宅療養者だらけになった場合、「感染者外来」が必要になるでしょう。
首都圏の医療機関ではすでに、そんな状況になっているのかもしれません。ひっ迫するのは外来も同じです。

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切り札のワクチンが、なかなか届きませんが
- 2021/07/31(Sat) -
当院としては2回目の、新型コロナワクチンの「大規模接種」を、今日の午後から行いました。今日も60人。

当院のような小規模医療機関での、まとまった人数の接種に際しては、さまざまな点を考慮しています。
・院内待機者がなるべく少人数になるよう、予約時間枠を細かく分け、できるだけ時間通りに来てもらう
・ワクチンの希釈調整時間と接種時間の間隔を意識して、綿密なタイムスケジュールを組む
・調整ミス等によるワクチン不足を避けるため、予備ワクチンを確保しておく
・急なキャンセルに対応できるよう、キャンセル待ちの方を確認しておく

今日も体調不良によるキャンセル1名と、熱がある方の見合わせが1名。別の方にすぐ来ていただきました。
しかしこのような綱渡りが、いつもうまくいくとは限りません。
このワクチンは、6の倍数の人数で接種する必要があるので、キャンセルした方たちの振替が難しいのです。

さて9月以降は、ワクチンの供給量がまだ定まっていません。
熊本市からは、「新型コロナワクチン接種に関する意向調査」なる問い合わせFAXが届きました。
9月13日以降の接種を希望するのであれば、接種可能上限量は接種実績を元に算定する、という内容です。

意向を表明しても、何人分のワクチンが届くのか、わかりません。予約者に全員接種できるかどうかも不明。
菅首相は、ワクチン接種が切り札だと言いますが、それなら必要量をさっさと現場に届けて欲しいものです。

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手指消毒液の添加剤でサラサラからのヌメヌメ
- 2021/07/30(Fri) -
新型コロナ感染急拡大の中、熊本城ホールの新型コロナワクチン大規模集団接種会場へ出動してまいりました。
今週は火曜と金曜の出動なので休診日丸潰しですが、今日の通算8回目でついに、出動は最後です。
熊本城ホールでの大規模集団接種自体が、今週で終了となり、来週からは小規模接種会場となるようです。

今日の来場者は約2,000人。私が予診を担当したのは、過去最多の170人でした。
単純計算では、全体の12分の1を問診したことになります。今日は出動医師数が少なかったのかもしれません。
今日も全員が2回目の接種で、やはり大半(106人)が基礎疾患のない60歳未満の方でした。

予診を一人終えるたびに、備え付けの手指消毒液「ステアジェル(カワモト)」を手指にしっかり塗布します。
このようなジェルタイプの液は、最初はベトベトしますが、しばらくするとスッと乾き、サラサラになります。

成分を見ると、エタノールの他、ヒアルロン酸Na、PG、カルボキシビニルポリマー、TEAが含まれています。
ヒアルロン酸は、よく知られた保湿剤。PG(プロピレングリコール)も、よく使われる保湿剤のようです。
カルボキシビニルポリマーも代表的な高分子ポリマーらしく、TEA(トリエタノールアミン)はpH調整剤。
なんと、ジェルタイプの消毒液って、保湿剤だらけじゃないですか。

エタノールが揮発しても保湿剤は残るので、ジェルを使うたびに、手指に保湿剤が残留していくはずです。
その多量の保湿剤が皮膚に厚く付着しているのを、サラサラ・スベスベに感じて有り難がっているわけです。

ところが、トイレに行って手を水洗いした瞬間、皮膚に堆積していた保湿剤が突然、存在を露わにします。
保湿剤が一気に水を含んで手がベトベト・ヌメヌメになるのです。洗っても洗ってもヌメリがとれません。

手指消毒液は、仕事柄、毎日100回も200回も使うので、手荒れを防ぐための保湿剤の配合は有益です。
しかしジェルタイプは、携帯用には便利だとしても、医療現場で固定的に使うには添加剤が多すぎますね。

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予約対象を拡大してはみたけど
- 2021/07/03(Sat) -
12歳〜64歳の方への、新型コロナワクチン接種の予約受付を、当院でも始めています。
ワクチンの供給に不安があるので、当面は原則として当院かかりつけの方とそのご家族の方が対象です。

個別接種の促進策として厚労省は、1日で50人以上接種した医療機関には支援金を出すと言っています。
その甘い言葉につられて、一部の土曜や祝日に、当院なりの「大規模接種日」を計画しています。

ところが、ここに来てワクチンが希望通りに配送されるかどうかが、不透明になってきました。
予約を受け付けたのに接種はできない、なんて詐欺みたいなことが、今後起きるかもしれません。

かつて、日本の接種率が上がらないのは「打ち手」が足りないからだと言われてきました。
医師会や医者、とくに開業医が非協力的だなどと、テレビで非難する「ジャーナリスト」もいました。

なので一生懸命に接種プランを工夫して予約をとってきた医療機関はいま、ワクチン不足に閉口しています。
ワクチンが確保できず2回目が接種できない方や、1回目すら接種ができなくなる人も出てきそうです。

大事な大事なワクチンなのに、予約を受け付けておきながら接種はできません、なんてとても言い難い。
集団接種の場合にはブーイングで済んだとしても、個別接種では医療機関の信頼にかかわる大問題ですから。

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諸事情あって集団接種は「中規模」でした
- 2021/06/26(Sat) -
熊本城ホールで今週から行われている、新型コロナワクチンの大規模集団接種に、今日も出動してきました。
今日は午後だけの担当です。なので当院の診療は「半ドン」(=午後休診)にしました。

当院の開院当初は、全日休診(全ドン)は毎週金曜日だけで、火曜日は半ドンでした。
半ドンとはいえ、午前中受付の受診者の診療がとぎれるまで、しばしば午後3時ごろまで診療をしていました。
しかし今日は、午後から外出(出動)しなければならず、心を鬼にして昼からの診療をお断りしたのでした。

発熱外来の問い合わせも数件ありましたが、申し訳ないですが今日は、PCR検査も抗原検査もしませんでした。
今日は当院でのワクチン接種はなく、午後はもっぱら、集団接種会場でのお勤めとなりました。

さて、熊本城ホールに早く着きすぎたので、サクラマチをブラブラした挙げ句、くまモンのハンカチを購入。
それから14時前に現地入りすると、なんと会場の半分が「マイナビ転職フェア」会場になっています。
どうやら、熊本城ホールの「展示ホール」のうち一部が、他の催しに使われているようです。
今日・明日に限り、熊本城ホールの集団接種は、大規模ではなく中規模になっているわけです。

会場面積が半分なので、予診室も半減。全部で8室でした。医師も8人。接種予約者は約1000人。
私は午後だけ4時間の担当で、全部で47人を予診。約5分に一人を問診する、適度にヒマな作業でした。

外待ちから予診に至る被接種者の動線は、前回よりもムダが少なく、一目で洗練されてきたことがわかります。
日々の経験を元に改善し続けているのでしょう。来週また行きますが、その時どうなっているか楽しみです。

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こんなときに「チャンピックス」が出荷停止
- 2021/06/24(Thu) -
「ファイザー」といえば新型コロナワクチンですが、禁煙補助薬「チャンピックス」も作っています。

当院でも行っている「禁煙外来」では、3カ月間で4回ほどチャンピックスを処方して、禁煙に導きます。

ところがそのチャンピックスが今月、突然「出荷保留」となりました。供給が完全に止まりました。
他国に出荷された特定ロットにおいて、発がん物質の一種「ニトロソアミン」が検出されたのがその原因。
念のため、出荷済および製造中の全ロットにおいて検査をすることになり、出荷保留となったわけです。

困るのは禁煙外来通院中の方です。薬が切れると禁煙の継続が困難になる恐れがあり、禁煙外来が台無しです。
メーカーの都合で禁煙外来が中断し、それが原因で結果的に禁煙に失敗することにでもなれば大問題です。
11年前にも、チャンピックスの欠品騒ぎで迷惑を被ったことがありましたが、今回はそれよりもタチが悪い。

そもそも禁煙は、タバコに含まれるニコチンやニトロソアミンなどの有害物質の体への影響をなくすのが目的。
ところがその禁煙補助薬に、どうしてニトロソアミンが混入するんですかね。

当院ではもう、隣の薬局が持っている在庫の範囲でしかチャンピックスを処方できません。わずかな量です。
計算上、いま禁煙外来通院中または通院予約済の方の分しか薬がなく、もう新規予約は受け付けられません。

「コロナに罹ったら重症化しやすいですよ」という新手の「殺し文句」で、禁煙外来を勧めて来たというのに。

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大規模集団接種に出動しました
- 2021/06/22(Tue) -
熊本城ホールで昨日から行われている新型コロナワクチンの大規模集団接種に、本日、出動して参りました。

被接種者数は1,880人でした。予診医師数は16名。
私は8時間勤務(休憩1時間)、つまり正味7時間で、88人ほどの予診を担当しました。一人平均4,5分です。
しかし実際に3分間以上も時間を要した方は数人で、あとはみな1,2分程度、ほとんどが1分で終わりました。
だって、持病なし、内服薬なし、アレルギー歴なし、体調すこぶる良好の方に、あと何を聞きますか。
というわけで、予診1,2分+休憩3分、という作業を、今日は80回以上も繰り返したわけです。

間違いのない接種ができるよう、被接種者の順路は基本的に、入場から退場まで「一方通行」です。
私が仕事をした「予診室」は入口と出口が異なり、ここを通り抜けなければ次に進めない「関所構造」です。

ところがその予診室を出てから「接種室」までの間に通路があり、接種室には出入口が一つしかないのが問題。
つまりその通路で、接種前の人と接種済の人が混在してウロウロすることになるのです。
こんなことでは、いつか間違えて、1人に2回接種してしまうようなミスが起きるかもしれません。
スタッフが目を光らせて監視してはいますが、人の注意に頼る前に、間違いの起き得ない設計にすべきです。

あと、私は利用しませんでしたが、スタッフ用の休憩室が、マスク外しておしゃべりルームになっていたとか。
大規模集団接種会場クラスターなんてのが起きたら、シャレになりませんよ。

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