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「横好き」な数学
- 2022/04/10(Sun) -
「数学者は宇宙をつなげるか? abc予想証明をめぐる数奇な物語」
今夜のNHKスペシャルがまた、私の数学熱を少しだけ、呼び覚ましてくれました。

高校1年の時までは、数学者になることを夢見ていましたが、高3までに諦めて良かったと思っています。
努力して叶うものではないし、いくら運が良くてもダメです。つまり天才が必要なのです。

しかし今思えば、数字に対する偏執的な趣向は、小学時代からありました。
学校が休みの日は、外に出て遊ぶことなどほとんどなく、いつも自宅で「計算」をしていました。
たとえば、1、2,4,8,16と、2の累乗を筆算して、いつもより丁寧な字で、ノートに書き続けていました。
その数値の桁数がドンドン増えていくことに、一種の快感を覚えたのでした。

中学時代にはこれが、素数に置き換わります。数学好きなら誰でも通る道かもしれません。
フィールズ賞を受賞した、郷土出身の広中平祐氏が話題になったのもこの頃で、私の数学熱は最高潮でした。
ちなみに広中先生の講演を、20年ぐらい前に、その会場の最前列で聴いたことがあります。
内容はすばらしかったのですが、極端に話し下手で、ひっかかりもっかかりの特異点だらけでした。
そして最も印象的だったのは、演壇横に置いたカバンの角度を、講演中に何度も修正される先生の姿でした。

高1の担任は、外見がピグモンにそっくりな、若い数学の先生でした。
先生は私に「数学序説」という本を紹介してくれました。すぐに買いました。読みふけりました。
するとかえって、私の熱は冷めていきました。純粋な数学の世界に入り込めそうな気がしなくなったのです。

結局、医学部に入りましたが、数学の道に進んでいたらどうなってただろうと、今でもときどき思います。
なので今夜のような番組を見て、横好きな数学への興味が続いていることを再認識するのです。

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「順列組み合わせ」が好き
- 2022/03/26(Sat) -
「ファイザー」と言えば、いまや誰もが知る製薬会社です。新型コロナワクチンの代名詞とも言えるでしょう。

あるとき、「ハイザー打てますかね」と尋ねる高齢の方がいました。モデルナの副反応が気になるようです。
でもそれ以前に、「ハイザー」の響きが懐かしくて、言葉を訂正するようなことはしませんでした。

子どもの頃(60年代)、わが家に「ハイザー」がありました。「自動計量米びつ」のことですね。
当院スタッフの自宅や実家では、まだ大切に使っているお宅もあるようで、その寿命の長さには敬服します。

1・2・3のレバーがあって、押すとそれぞれ1合・2合・3合のお米が、はい、ザーッ、と出てきます。
4合以上必要なら、レバー操作を何回か繰り返せば目的量のお米が得られるという、画期的な台所用品です。

その、小さな数のたし算が必要だというところが、幼少期の私にはとても興味深い学習機材でもありました。
子ども心に、5合のときはどのレバーを押そうか、6合ならどうしようかと、シミュレーションしていました。
5合だと3→2の順なんですよね、2→3じゃなくて。最初になるべく多く確保したい気持ちのせいでしょうか。
6合は3→3が順当だけど、1→2→3もアリなはず。いや、3→2→1だって、2→1→1→2だってあるはず。

私は昔から、「数列」とか「順列組み合わせ」とかが好きでした。もちろん「純烈」とは無関係です。
でも、純烈のメンバーから2,3人のユニットが何通りできるか、という問題なら「純烈組み合わせ」ですかね。

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過払い金の返還額
- 2016/03/31(Thu) -
「過払い金」返還についてのテレビCMを、最近よく目にしますね。とくにアディーレ法律事務所。

「おひとりあたり平均160万円」という回収実績を謳っていますが、過払い金の平均値って何でしょう。
正規分布に従うはずもない過払い金を単純平均しても、何の情報にもならないどころか、誤解を招くだけです。

たとえば、こういうことです。過払い金返還の対象者が10人、回収額が平均160万円とします。
1人が突出して1,510万円、他の9人が10万円ずつ、合計1600万円、という場合でも、1人平均160万円です。

このように、金額の平均値というのは、とびぬけて巨額な事例によって、大きく上ぶれしてしまうのです。

アディーレ法律事務所は、その錯覚を利用して、返還金額を大きく見せようとしているような気がします。
確認のためアディーレのサイトを見ると、「過払い金事例紹介」として、6つのケースが挙げられていました。
その6つの事例の返還額はそれぞれ、60、396、430、98、92、246万円、平均220万円です。
これまた、返還額を大きく見せる事例ばかりを並べた印象があります。

「過払い金回収実績」を見ると、2つの数値が記載してありました。
過去全ての回収金額は、285,222件で1,614億324万円。平均額は約56万円。160万円には遠く及びません。
最近1カ月間の回収金額は、4,978件で31億165万円。これでも平均で約62万円。

テレビCMでいう「160万円」の根拠を探すと、「2014年1月~12月当事務所実績より算出」とあります。
つまり過去全体の実績でもなければ、最近の実績でもない、ちょっと古い実績を前面に出しているようです。

たぶんその頃の実績が、いちばん良かったのでしょう。そう考えてしまうので、余計うさん臭く感じるのです。

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手元に素数を
- 2016/01/26(Tue) -
史上最大の素数を、自分の目で見たい、できれば手元に置きたい(?)。素数好きなら、きっとそう思うはず。
探したら、ありました。その素数をダウンロードできるサイトが。さっそくゲットです。無料です。

しかしそれは、ただただ数字が延々と続く、約22MBのテキストファイルでした。そりゃそうでしょうけど。
文字数をカウントすると、22,338,618字。これは、報じられている素数の桁数に一致します。間違いない。
なるほど、1バイト文字が2200万あれば、22メガバイトになるんですね。そこにも納得。

それにしても、2200万桁の恐ろしく巨大な数値が、正確にダウンロードできるということに驚きます。
まあ、当たり前と言えば当たり前。単なる文章と思えば、2200万字なんて、・・・いや、かなりの分量です。

新聞一紙の文字数は、約11万文字(22万バイト)だそうなので、件の最大素数は新聞100日分に相当します。
紙面全体に素数だけ印刷しても、100日かかるというわけ。こりゃ3日目で飽きるか(初日から飽きる?)。

総文字数が約1500万字といわれる広辞苑があるのだから、素数だって1冊の本にできますね(誰が買う?)。

ダウンロードした文書は、1行に数字100個、1ページ57行、全3920ページ。印刷する気には、なりません。
最終ページだけは、3行と18文字。文字数を計算すると、100 x 57 x 3919 + 318 = 22,338,618。OK。

この文書を見れば、その史上最大の素数の何桁目の数字が何か、ということが一目瞭然。すばらしい。
たとえば、私の生年月日にちなんで19600917桁目の数値は、6です。私のプライムナンバーと言えましょう。
だからどうした、って話ですが。まあ、素数を手にしたという、所有欲は満たされました。(だからどうした)

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過去最大の素数発見
- 2016/01/24(Sun) -
過去最大となる、約2233万桁の素数が発見されました。「そーすか」とか言ってる場合じゃありません。
世界中の研究者が、より大きな素数を探すプロジェクトの中で、今回のそれは見つかりました。

「2のn乗-1」という形の素数を探そうという、「グレート・インターネット・メルセンヌ素数探索」。
インターネットを介して100万台以上のコンピュータを接続した、分散コンピューティングによる成果です。

これまでの最大素数は、2013年に発見された1742万桁。今回の発見で、桁数はずいぶん飛躍したものです。
素数は無限に存在するので、このような大発見は今後も限りなく繰り返されるのでしょうか。

いま「素数は無限に存在する」と書きましたが、なぜそんなことが言えるのか、その証明法は簡単です。

最大の素数をNとしたとき、すべての素数の積=2x3x5x...xNに1を加えた数は、どの素数でも割り切れません。
つまりそれは、新たな素数ということになります。これはNが最大の素数であることと矛盾します。てな感じ。

円周率の桁数追究とは異なり、素数探求の進歩は、暗号業界にも大きな影響を与えそうです。
前にも書いたように、よく使われている重要な暗号が、素数を利用しているからです。

でもいつか、だれか天才が、画期的な素数発見手法をあみ出すんでしょうね、きっと。
もうその頃には、素数なんて、偶数と同じぐらい簡単に見つかるものに、なっているかもしれません。

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棒グラフと折れ線グラフ
- 2015/11/25(Wed) -
「秋には本は売れないのに、なぜか『読書の秋』」という新聞記事に、目が留まりました。
3月4月や、年末年始や、夏休みなどに比べると、秋は相対的に売れ行きが鈍る時期だそうです。なるほど。
が、その内容よりも、月別の「書籍への支出額」の平均値を比較した棒グラフが、とても気になりました。

支出額が年間最高の12月と比べて、11月はその半分にも満たない、ように見えるからです。
実際には、12月は900円強、11月は700円弱なのに、棒グラフではその差がきわめて強調されています。
なぜなら、縦軸が途中で省略されていて、棒の高さが数値に比例していないのです。

棒グラフは、その長さの絶対値どうしを比べるのが本筋。縦軸は0から始まらなければなりません。
差を強調するために、棒の先っちょの部分だけを切り取って比較するのは、ルール違反です。
テレビや新聞ではしかし、縦軸を操作したインチキグラフをよく見かけます。

ところで、高血圧の方には、毎日朝晩の血圧を測定して、血圧手帳にグラフを描いてきてもらいます。
このように、血圧や体重や体温などの経時変化を記録するときは、折れ線グラフを使います。

折れ線グラフであれば、見たい範囲を強調するために、縦軸を自由に設定できます。
だから血圧や体重のグラフの縦軸が、0から始まる必要はありません。絶対値ではなく、変動を見たいのです。
体温に至っては、その数値は絶対値ですらありません。どうしても絶対値で描くなら、縦軸は絶対温度です。

科学雑誌のグラフにも間違いは散見されますが、テレビや新聞に登場するグラフはひどいのが多い。
縦軸に細工がしてある棒グラフを出すようなメディアは、科学的分析能力を疑わなければなりません。

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ジョン・ナッシュ氏死去
- 2015/05/25(Mon) -
「ゲーム理論」。と言っても、モンストとかパズドラとかの、攻略法の話ではありません。
経済分析に使われる理論で、これを突き詰めたジョン・ナッシュは、94年にノーベル賞を受賞しました。
そのナッシュ氏が昨日(日本時間)、死亡したとのこと。タクシー乗車中の事故というのが、残念です。

統合失調症と闘いながら、ついにノーベル賞を受賞したナッシュ氏の半生は、映画にも描かれました。
2001年のアカデミー作品賞などを受賞した「ビューティフル・マインド」は、私の大好きな映画です。
主演のラッセル・クロウも良かったけど、奥さん役のジェニファー・コネリーもまた、良かった。
人生ドラマの中に、私の好きな要素「スパイ」「暗号」「数学」が盛り込まれているところもポイント。

では「ゲーム理論」とはなんぞや。この機会に、ちょこっと勉強したので、私なりの解釈を書いてみます。

個人間でも企業間でも国家間でも、二者間でも三者間でもそれ以上でも、駆け引きというものがあります。
それぞれが自分の利益を考慮しつつも、相手の出方を想定し、裏をかかれないように、熟慮します。
メンバーがすべて、同様に合理的戦略を練ると、一定の均衡「ナッシュ均衡」に落ち着くというわけです。

一人勝ちすることよりも、一人負けしないことを重視する意思決定法、というのが私の理解です。違うかな。
違うかもしれないので、人に言わないでください。

そんなわけで今夜、ナッシュ氏追悼の意味で、急遽、「ビューティフル・マインド」を鑑賞しました。

精神的に病的な個性を持つ天才が、さまざまな苦悩の末、ついに大事を成し遂げて社会から賞賛される。
その天才を支え続けた奥さん。その2人が同時に事故で亡くなったというのが、なんともいたたまれません。

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かけ算の順序問題
- 2015/05/08(Fri) -
昔からある、かけ算の順序問題を、あらためて考えてみました。

「ひと皿にリンゴが5個、そのような皿が4つあります。リンゴはぜんぶで何個ですか」
「皿が4枚、それぞれの皿にリンゴが5個乗っています。リンゴはぜんぶで何個ですか」
いずれの設問も、式を書いて答えるなら「5x4=20(個)」でも「4x5=20(個)」でもよさそうです。

しかし、かけ算は「ひとつぶんの数xいくつ分」の順に書くのがきまりだ、という考え方があります。
一方で、かける順序などどうでもよい、という合理的な考え方もあります。答えは変わらないからです。

「皿にリンゴが5個、そのような皿がワゴンに4枚、そのようなワゴンが3台。リンゴはぜんぶで何個ですか」

自然に考えると「5x4x3=60(個)」です。リンゴの数が、かけ算で増えていくイメージが分かり易い。
これを「4x5x3」としたら、わずかながら違和感を感じます。
さらに「5x3x4」とすると、さらに強い違和感を感じます。かける順序が理に適っていないからです。
まず皿の数に着目して「4x3x5」というかけ順もあるでしょうが、これは少々へそ曲がりです。

かけ算の順序を意識することは、自分が求めようとしているものを、きちんと確認することになります。
その意味では最初に、求めるものの数(リンゴの数)を持ってくるのが、いちばん自然で理に適っています。

正答であればいいという合理性よりも、思考過程の理屈こそ、とりわけ教育上は重要だと思います。

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双子素数予想
- 2013/05/22(Wed) -
数学上の未解決の難問「双子素数予想」の解決につながる論文が出た、と報じられました。
これは、11と13のような間隔が2である素数のペア(双子素数という)は無限に存在する、という予想です。

ああそうですか、素数なんて私には何のかかわりもありませんけど、とおっしゃる方。それは大間違いです。
ネット上を飛びかう情報は、素数を利用して暗号化されているからです。そのひとつが「RSA暗号」。

RSA暗号については、たくさんの解説サイトがありますが、その多くが数式や図表を含み、複雑難解です。
そこで今日は、思いっきり簡略化した解説に挑戦してみます。双子素数の話はまた後日です。

(1)たとえば、「3」と「33」という2つの公開された鍵を使って、17という数値を暗号化する場合
17を3乗したものを33で割った余り29が暗号。3と33が公開されているので、だれでも暗号化が可能です。

(2)秘密の鍵「7」を使って、受け取った暗号29を復号する(元の数値に戻す)
29を7乗したものを33で割った余りがなんと、元の数値17になるのです。7を知っていれば復号は簡単です。

ある数値を3乗して33で割った余りを、7乗して33で割った余りは、必ず元の数値になるというのがミソ。
このような面白いことが起きるのには、3と33と7に、一定のルールがあるからです。

まず、33は2つの素数の積であること。33=3x11です。
次に3は、それらの素数から1を引いた数の積の約数ではないこと。3は(3-1)x(11-1)=20の約数じゃない。
そして7は、3との積が、先の素数から1を引いた数の積+1の倍数になるように選ぶ。7x3=20+1です。

このようにすればなぜ(1)(2)が成り立つのか。それを私に聞かないで下さい。

もちろん、33という小さな数値では、33=3x11と簡単に素因数分解され、秘密の7はすぐバレます。
実際のRSA暗号では、33の部分には、300桁程度の巨大な数(=2つの素数の積)を用いています。
このぐらい大きな数になると、いまのコンピュータを持ってしても、素因数分解には年単位かかるそうです。

桁数の大きな素数の積は、それを素因数分解するのがきわめて困難。これが暗号に利用される理由です。

だから、効率的に素因数分解を行う方法が見つかったとき、RSA暗号は破られるわけです。
双子素数だとかの、素数を巡る謎が解明されるたびに、暗号業界はドキッとしているのでしょう(たぶん)。

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因数分解
- 2012/10/28(Sun) -
数学が好きなのに、その道に進まなかったのは、数学でメシを食うのは厳しいと考えたからです。

私の高校時代は、スマホやインターネットどころか、パソコンすらほとんど見かけない時代。
当時、数学から連想する職業と言えば、学者か教職しかありませんでした。

ところが今の時代、数学だとかコンピュータなどの分野は、とても魅力的で未来的で花形です。
一方で、純粋に学問として数学を研究している人もまた、すばらしい。

「 x^n - 1(xのn乗マイナス1)を因数分解するときには、nの素因数分解がカギとなる」

ある大学の数学科のホームページで因数分解の解説を読んで、最初は「???」でした。
ところが、nを2から24まで試してみて、なるほど、思わず膝を打ちました。

名前が似ているくせに、まったく無関係だと思っていた「因数分解」と「素因数分解」。
この2つが、30数年を経てつながりました。

あまり面白くなかったですね、今日の話。

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数学好き
- 2012/10/03(Wed) -
こどもの頃、数学が好きでした。

小学生時代、休みの日には電卓で遊んでいました。友達が少なかったのかもしれません。
1960年代の終わり頃の電卓はサイズが大きく、ちょうど今のスーパーのレジスターみたいな感じでした。
で、私の遊びといえば、いろいろなかけ算や割り算をして、その記録を紙に書き残す、というものです。

中学生の頃、数学で好きだったのは「因数分解」。嫌いなのは「ベクトル」でした。
フィールズ賞を受賞した、郷里(山口県)出身の広中平祐氏が話題になったのも、その頃。
数学者になることを夢見ました。

高校生のとき、好きなのは「数列」、嫌いなのは「行列」。
数列は、規則性の発見にパズルのような楽しさがあって、今でも好きな分野です。
一方で行列は、いったい何の役に立つのかさっぱりわからず、面白くなかった。

ところが大学時代、教養科目として履修した物理学で登場したのは、ベクトルと行列でした。
嫌いなふたつが、そろいもそろって物理学では主役級の存在でした。あなどってはいけませんね。

ちなみに私がいちばん好きなのは「素数」です。

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計算癖
- 2012/07/09(Mon) -
運転中に、前を走っている車のナンバーを見ると、ついつい計算してしまいます。
何の計算? 
例えば、ナンバーが「1234」だったらこんな具合です。

1=2+3−4
こんな等式を思いつけば、クリア。
私のルールは、数字を順番に使うこと。
それから、数式記号は何を使ってもいいけど、定数(πやe)は使わないこと。
そして目標は、できるだけ多くの別解を見つけること。

1-2=3−4
これは先ほどの式の2を移項しただけ。別解としては認められません。
符号を変えただけのものや、両辺の平方根をとっただけもものもダメです。

1−2+3=ルート4
これならOK。4と9は平方根をとってみるのが基本。

(1の2乗)+3=4
ナイス別解。1のn乗はよく使う手法。

ー(1x2)+(3の階乗)=4
階乗は意外に使えます。ほかには、

1+(2分の(3の階乗))=4
とか、もっと上級編になると、

1x2x(ルート(3の階乗))=ルート(4の階乗)
もはや両辺が整数である必要もありません。

1÷2=ルート((3の階乗)÷(4の階乗))
これは前の式とは基本的に同じもので、ややグレーゾーンの別解。

1+2=(ルート3)の(ルート4)乗
平方根にして2乗する。使える手法です。

ログ((ルート(1+2))の3)=ルート4
対数を使うとさらに選択肢が広がりますね。

とか考えてるうちに、前の車が変わり、別のナンバーが登場。
再び計算が始まるのです。

計算神経症?
ていうか安全運転しましょう。

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たし算
- 2012/06/05(Tue) -
鶴亀算というのがあります。典型的な設問はこうです。
「鶴と亀があわせて6匹います。足の数をたすと全部で20本でした。鶴は何羽いるでしょう。」

足の数を数えられるほどなら、その前に鶴の数ぐらいわかりそうなものなのに、と子供の頃思いました。
それに、鶴の足の数と亀の足の数を「たす」こと自体に違和感があります。
両者があまり似ていないからです。
たし算には、同じようなものの数を合計する、という原則があると思うのです。

「家にある、鶏卵の数と米粒の数の合計はどれくらいか?」
この設問の場合は、圧倒的に数の違うものを合計することに違和感があります。

「あなたの身長と体重を合計するといくらですか?」
次元の異なるものをたす違和感。というか誤り。

「一郎と二郎、あわせて三郎」
元々たせない。


それで思い出すのは、ずいぶん前にテレビでやっていたお笑い芸人対抗のクイズ番組。
10対15ぐらいの点差で迎えた最終問題。
「数字を含む有名人の名前を30秒間で書けるだけ書け」だいたいそんな問題でした。
その数字の合計がそのままポイントに加算され、最終の勝敗が決まるという設定。

一方のチームは、坂上二郎や野口五郎などを書いて、着実にポイントを加算。
ところがもう一方のチームは、いきなり村田兆治を書いて1兆点以上を獲得。この結末には大笑いしました。

ちなみに兆の上は、京、垓、・・・と続き、最後の方に「極」が登場します。
いつか同様のクイズが出たら、「京極夏彦」でキマリですね。

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うるう年
- 2012/03/02(Fri) -
Microsoftが運営するクラウドサービスで、2月29日に大規模な障害が起きました。
その原因は、「うるう年」に関する計算ミスだったとのこと。
なんだか、Excelで日数計算するのが不安になるようなニュースです。

ここで、グレゴリオ暦のおさらい。
(1)4で割り切れる年はうるう年
(2)ただし、100で割り切れる年は、うるう年ではない
(3)ただし、400で割り切れる年は、やっぱりうるう年

Microsoftは元々「うるう年」に弱いようです。
かつてExcelで、1900/2/29というあり得ない日付を入力してもエラーにはならなかったという「前歴」があるそうです。
今はどうなのか、私はMac派なので検証しようがありません。

しょうがないので、Macではどうなのか、Mac純正の表計算ソフトで調べてみました。
すると1600年までは、うるう年が正しく認識されましたが、1500年もまた、うるう年との判断。
グレゴリオ歴が1582年に制定されたので、1500年についてはユリウス歴に従ってうるう年と判断したとすれば、ずいぶん「深い」プログラムですね。

では逆に、未来の日付では、いつまで正しく認識されるのか。これも調べてみました。
その結果、西暦144680年までOK、144684年からはうるう年の認識がうまくいきません。

このまま放置すれば、14万2672年後に、Macでトラブルが起きる危険があります。

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円周率
- 2010/08/31(Tue) -
かつて円周率を小数点以下数十ケタ覚えたことがあります。いまでも40ケタぐらいは言えます。
どうでもいいことなのに、数十年を経過してもなお、忘れることができません。
新しい記憶はわりとすぐ忘れます。

ところで最近のニュースはなんと言っても、自作パソコンで円周率を5兆ケタまで計算した会社員の話題です。
大学や研究機関の人間ではなく、「会社員」が「自作パソコン」で算出したことに感動します。5兆という桁数も想像を絶します。

ギネス申請予定とのことですが、ギネスブックの事務局に何か「証拠」を提出する必要があるのでしょうか。
その場合にはDVDなどのデジタルメディアで提出すると思われますが、紙にも印刷して添付するように求められたとしたら、いったい何枚になるのか。
私はこのたび、「自宅パソコン」でそれを算出したので、ここにご紹介します。

A4の紙に、1行100文字で100行印刷したとします。1枚に1万ケタ印刷できます。
5兆割る1万で5億枚。
500枚で5cmの厚みとして、5億枚は500万cm=5万メートル=50km。

そもそも印刷するのに、1枚1秒として、5億秒=約16年かかります。
途中で紙の補給やトナー交換、いやプリンタそのものも交換・・・
とかやっている間に、ギネス記録が塗り替えらることは必至です。


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統計
- 2009/05/19(Tue) -
勤務医時代のある日、集中治療室(ICU)にいた5人の患者さんの平均年齢を計算してみました。
およそ30歳ぐらいでした。

30歳と言えば、体力が充実し活力に満ちた年齢のはず。
さては深夜の交通事故で負傷した若者たちが一度に担ぎ込まれたのか・・・と想像してみることもできます。

タネを明かすと、5人の内訳は乳児(0歳)3人と高齢者2人。
0+0+0+70+80を5で割って30といったところです。すべて心臓手術後の患者さんでした。
平均年齢30歳という統計値には、何の意味も無いどころか、間違った印象を与えることがよくわかる典型的な事例です。

テレビの報道番組や特集を見ていて、視聴者に誤解を与える(または誘導する)統計値をしばしば目にします。
縦軸の目盛りがゼロから始まっていない棒グラフを出すような番組を、私は信用しないことにしています。

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数える
- 2008/06/24(Tue) -
子供のころ、「21世紀」といえば「未来」と同義語であり夢の時代でした。

6年生の時、友達の中村君と「21世紀まであと何秒あるか正確に計算しよう」ということになりました。
昭和47年(1972)ごろの話です。電卓なんてありません。筆算です。
「うるう年を忘れるな!」とか言いながら、ついにその何億秒だかの答えに到達したのですが、意外にその数値が小さいことに驚いたものでした。
そして「これぐらいの数なら、数えられるかもしれん!今から数えてみよう!」と興奮したことを思い出します。

子供ですね。まともに数えたら21世紀になってしまうことに気づいていないのです。
ちなみに、21世紀が西暦2000年ではなく2001年から始まるということを知ったのは、それからさらに10年ぐらい後のことですけど。

大人になった今、計算する数値はたいてい単位が「円」です。必要に迫られた計算が多くて「夢」がないです。

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