追加接種は急がない
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- 2023/05/27(Sat) -
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HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の接種間隔のことで、ときどき尋ねられることがあります。
以下は、4価(ガーダシル)または9価(シルガード9)のHPVワクチンの話として書きます。 規定では、1–2回目の間隔は標準2カ月(最短1カ月)、1–3回目は標準6カ月(2–3回目間は最短3カ月)です。 当院では、1–2回目を2カ月間隔、2–3回目は4,5カ月間隔で計画するようお勧めしています。 この、1–2回目は短めで2–3回目が長いのは新型コロナワクチンと似ていますが、同じ理屈によるものです。 1,2回目で初期免疫を付け、その免疫が低下する頃合いを見計らって3回目を接種するのが効果的だからです。 このような場合、最初の2回を「初回接種(2回なのに)」と言い、3回目を「追加接種」と呼びます。 この追加接種をまた「ブースター接種」とも言い、コロナのおかげで一般によく知られる言葉になりました。 同じ理由で、ヒブや4種混合や日本脳炎など他のワクチンでも、似たような接種パターンが規定されています。 新型コロナワクチンでは、3回目接種は当初2回目の8カ月後と規定され、やがて6カ月に短縮されました。 明確な医学的根拠はないものの、有効な「ブースター効果」のためには6カ月必要だと考えたからです。 それがどんどん前倒しされたのは、3回目を待っている間に感染するリスクを考慮したものです。 HPVワクチンも同じで、3回目は2回目からの間隔がある程度長い方が、強いブースター効果が得られます。 コロナとは異なり、HPV感染症がパンデミックというわけではないので、短縮するメリットはありません。 例外的に追加接種を短い間隔で行うことがあるとすれば、何か社会的理由がある場合に限ります。 定期接種は、開始は早めに(対象になったらすぐ)、間隔は長めに(規定範囲の上限で)、をお勧めします。 |
5月14日は種痘記念日
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- 2023/05/15(Mon) -
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5月14日は「種痘記念日」でした。1日遅れて書くのはダサいかもしれませんが書きます。
イギリスの外科医エドワード・ジェンナーが、世界で初めて「種痘」を行ったのが5月14日だそうです。 と書くと、いまの若い方には、「種痘」って何でしゅと?、てことになりますか。 「牛痘」に罹った人は「天然痘」に罹りにくい事実を知り、牛痘の水疱の液を人に接種したのが種痘です。 それじゃあ「天然痘」から書かなきゃだめですか。「牛痘」は勘弁してください。 天然痘は、何千年も前から人類を苦しめてきた感染症で、水痘(みずぼうそう)に類猿のウイルス疾患です。 死亡率は高く合併症も多い恐ろしい病気でしたが、種痘によって地球上から撲滅することが出来ました。 子どもの頃、ジェンナーは我が子に接種を試したと本で読み、研究者のもとに生まれたその子に同情しました。 ところが後に、実は使用人の子に接種したのだと知り、それはそれで複雑な心境になりました。 欧米でも日本でも、天然痘と種痘の歴史は人々の苦悩と共にあり、じつに興味深いですね。 種痘は、フォンデュのフォークを尖らせたような太い二又針を皮膚に刺して接種し、醜い瘢痕が一生残ります。 日本では1976年を最後に種痘が廃止されたので、だいたい48歳以上の方(肩)にだけ、その瘢痕があります。 近年は生物兵器対策として、さらに最近はサル痘にも交差免疫が得られるので、種痘は期待されています。 でも、もしもサル痘が大流行して種痘の臨時接種が始まるとイヤですね。接種する側としては気が進みません。 |
「令和5年春開始接種」開始
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- 2023/05/10(Wed) -
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「令和5年春開始接種」という枠組みの、新型コロナワクチンの接種が、全国的に一昨日から始まっています。
対象は高齢者などに限られます。これらの方は秋にも接種があり、今年度は「年2回接種」となります。 それ以外の方は「令和5年秋開始接種」の対象となり、「年1回接種」です。来年度のことは決まっていません。 当院では、2日遅れて今日から接種を始めました。私も「医療従事者等枠」で、6回目の接種をしました。 使用したのは「オミクロン株 BA4/5対応」の、モデルナのワクチンです。ファイザーは不足してるので。 6回目にして私には「初モデルナ」でしたが、他人に勧める以上、一度は自分も打っておこうと思ったのです。 と書くと偉そうですが、高熱はイヤなので、実はすでにカロナールを2回も飲んでしまったヘタレです。 解熱剤でワクチンの効果が減弱するとは思っていませんが、熱を完全にブロックしていいのかと少し不安です。 オミクロン株は、熱が高いとウイルスが増えないので重症化しにくいとの研究結果が、最近報じられました。 インフルエンザや風邪のウイルスでも同様の性質があり、やみくもに解熱しない方がいいと言われています。 もちろん、高熱によって脱水になったり体力を消耗することは不利なので、適度な解熱剤の使用は有益です。 ただ、発熱したら反射的に解熱するのは、熱に弱いウイルスの思うつぼ。患者本人が元気かどうかが重要です。 とりあえず、ワクチン接種はウイルス感染とはまったく別物なので、今日は反射的に解熱剤を飲んでおります。 |
新しい9価HPVワクチン、好評接種中
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- 2023/04/08(Sat) -
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孫がたまに家に来て、みんなで食卓を囲むことがあります。
よだれかけ、じゃなくて「スタイ」を着けてます。撥水性のある素材なので、汁物もガードできます。 なので「シルガード」って聞くといつもスタイを連想してしまうんですけど、この前置き要りませんかね。 「9価HPVワクチン・シルガード9」の接種を、今月から当院でも始めました。希望者は徐々に増えています。 新たに接種を始める方や、1,2回目まで済んでいる交互接種の方や、キャッチアップ接種の方もいます。 新型コロナワクチンは、熱狂的とも言える接種ブームは過ぎ去りましたが、来月から新制度が始まります。 このワクチンの「功罪」がさまざま言われる中で、私はHPVワクチン接種への好影響を挙げたいところです。 HPVワクチンに対して日本人は、官民ともに過剰なまでの拒否反応を示し、接種を事実上中断させていました。 副反応を疑った事象が科学的には「シロ」だと判明しても、「火のない所に煙は立たぬ」と忌み嫌ったのです。 そこへ、HPVワクチンよりも明確な副反応が報告されている、開発されたばかりの新型コロナワクチンが登場。 副反応よりもコロナの方が怖いという、至極真っ当な理屈が多数意見となり、人々は接種に殺到しました。 ついに日本人も、メリットとデメリットを天秤にかけ、科学的で客観的な選択をすることができたわけです。 となると、ほぼ世界中で長い間使われているHPVワクチンも、いまさら忌避する雰囲気ではなくなりました。 筋肉注射にも慣れたし、最近登場した9価ワクチンによって有効性もアップしました。 毎年3千人が亡くなる子宮頸がんの怖さだって、前から日本人にはわかっていたはずなのです。 |
「ゴービック」でGO!
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- 2023/04/02(Sun) -
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「4種混合ワクチン」の定期接種の開始時期が、今月から「生後2カ月」に早まりました。
この混合ワクチンは、百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ、の4種の成分を含有しています。 国内製品には、「クアトロバック」( KMB / Meiji )と「テトラビック」(ビケン/田辺三菱)があります。 クアトロバックは、「4」を表すイタリア語「クアトロ」と、ワクチンを表す英語「Vaccine」が命名の由来。 テトラビックは、4を表すギリシア語「テトラ」と、ビケン( BIKEN )の語頭を合わせたものだといいます。 当院でも、昨日は2カ月の赤ちゃんが、4種混合を含む5つのワクチンで「ワクチンデビュー」しました。 4種混合のほかには、ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎ワクチンの皮下注射と、内服のロタウイルスワクチンです。 大泣きさせながらチクチクと注射を4本接種し、最後にロタウイルスワクチンを飲ませる手順となります。 その注射本数を1本でも減らすべく、このたび「5種混合ワクチン」の製造販売が承認されました。 「4種」混合ワクチンにヒブワクチンも混合して「5種」混合。その名も「ゴービック( GOBIK )」! 「5」を表す「ペンタ」を使って「ペンタビック」かと思いきや「ゴー」ですか。「ゴーです」(郷ひろみ)。 まあなんにせよ、注射が1本減らせるので、赤ちゃんが泣く時間(痛みと恐怖の時間)を短縮できるのは朗報。 医療従事者側からしても、接種時間とワクチンを準備する手間も減り、理論的には過誤接種の確率も減ります。 なので解せないのは、名称だけです。ゴービック。その和洋折衷な重箱読みには、ビックりしたなぁ、もう。 |
「令和5年春開始接種」ワクチンの希望量調査
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- 2023/03/30(Thu) -
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従来の規定による新型コロナワクチンの接種は5月7日をもって終了となり、翌日から新制度に移行します。
5月8日から始まるのは、その名も「令和5年春開始接種」。お役所がそう名付けたので、そう呼びましょう。 その対象は、 ・重症化リスクの高い者(65歳以上の高齢者、基礎疾患を有している者) ・そのような人が集まる場所においてサービスを提供する医療機関、高齢者施設・障害者施設等の従事者 熊本市では、5〜6月の接種について、各医療機関にワクチンの希望量調査を行っています。締切は明日です。 それぞれの日に、ファイザーとモデルナをそれぞれ何人接種するつもりがあるのか、それを問うものです。 ただし、ファイザーのワクチンは国からの新規供給予定が無いため、市の在庫限りでの接種となるようです。 したがって、ファイザーは医療機関の希望がほとんど叶わず、モデルナなら希望通りに供給される見込みです。 診療の合間に専用の時間帯を設けて接種するのですから、接種計画が立てやすいのはモデルナの方でしょうか。 当院では、上の条件を満たし、なおかつ当院で4回目以降の接種を受けた方を対象に、接種を行う予定です。 ざっと300人の対象者がいますが、実際に接種を希望する方が何人いることやら見当がつきません。 とりあえず、ワクチン確保のために、接種率70%あたりを目安に希望量を申請しておこうと思っています。 ファイザー希望者には申し訳ありませんが、当院のこの春の接種は、実質的にモデルナ単独になりそうです。 |
定期接種ワクチンに変更あり
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- 2023/03/27(Mon) -
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4月から、子どもの定期接種ワクチンが変わります。その中でもとくに重要な事項をお知らせします。
(1)「4種混合ワクチン」の開始月齢が、「生後2カ月から」になります。 これまでは「生後3カ月から」だったので、ヒブワクチンなどの開始時期とのずれがあって面倒でした。 今後のワクチンデビューは、ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタ・4種混合の、5ワクチン同時接種となります。 2回目の接種はその4週間後で、まったく同じ組み合わせの5ワクチン接種です。わかりやすいですね。 3回目の接種はそのまた4週間後で、B型肝炎を除く4ワクチンの接種を行うことになります。 なお、予診票はいまだに各ワクチン毎なので、保護者の方には毎回4,5枚書いていただかなければなりません。 一部の自治体では、同時接種ワクチン一括の予診票を採用しています。熊本市もそうしてほしいものです。 (2)「HPVワクチン」に、新たに「9価ワクチン(商品名:シルガード)」が加わります。 これまでの「2価(サーバリックス)」や「4価(ガーダシル)」よりも、有効性は高くなります。 当院では、原則として9価に切り替えますので、2価や4価の接種をご希望の方は、早めにご相談ください。 現在行われている「キャッチアップ接種」は、従来の規定のまま、令和6年度まで継続されます。 キャッチアップ制度実施前に自費で接種した方への救済措置(費用助成)も続きますが、9価は対象外です。 3月までに2価・4価を途中まで接種してきた方は、残りの回数を9価に切り替える「交互接種」も可能です。 さらに、15歳未満で接種を開始した方は、2回の9価ワクチン接種で完了する「2回接種」も選択できます。 これらの交互接種や2回接種をご希望の場合は、詳しい説明が必要になるので、あらかじめご相談ください。 |
令和5年度は、定期接種が動きます
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- 2023/02/04(Sat) -
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「インフルエンザワクチン」は、接種人数が週に数名程度にまで減りましたが、今後も予約が入れば打ちます。
ただし、薬品卸から新たに入荷してまで接種を続ける予定はないので、院内在庫限りとさせていただきます。 「コロナワクチン」も希望者が減り、12歳以上も、5〜11歳も、4歳以下も、今後の予約はごくわずかです。 当院では、かかりつけの方だけを接種対象にしているので、まとまった人数が集まらなければ接種できません。 「帯状疱疹予防ワクチン・シングリックス」は、料金が高いのがネックですが、接種希望者はときどきいます。 「水痘ワクチン(生ワクチン)」を、その代わりに接種することも可能です。 「9価HPVワクチン」を用いた定期接種が、4月から始まる予定です。 そうでなくても遅れている日本の「HPVワクチン」事情ですが、世界標準はとっくに「9価」なのです。 年度をまたいで接種する方は、新年度の接種を9価に乗り換えるかどうかを選択できそうで、これは朗報です。 「4種混合ワクチン(百日咳・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオ)」は、接種開始時期が早まる見込みです。 生後2カ月という、ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタのワクチンと同じタイミングで開始できれば便利です。 近い将来、ヒブワクチンと混合した「5種混合ワクチン」になる方向なので、その準備段階ともいえます。 乳幼児の定期接種は数が多く、風邪を引いたりして接種を見合わせると、予定がどんどん遅れてしまいます。 なのでスケジュールはなるべくシンプルに、できるだけ混合ワクチンを採用する方向への進化を期待します。 「全種混合ワクチン(2カ月用・3カ月用・4カ月用)」なんてのが、できませんかね。 |
「接種間隔」をどんどん縮めてきたけども
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- 2023/01/24(Tue) -
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米国FDAが、新型コロナワクチンの接種を「原則年1回」にする方向で検討中だと報じられました。
いや、まあそうなるだろうとは思ってましたよ、長期的には。でも過渡期はどうしますかね。 予防接種「用語」に則れば、最初の2回の接種を「初回接種」、3回目以降の接種を「追加接種」と言います。 ワクチン接種によって獲得した免疫が落ち始める頃合いに、「ブースター効果」を狙うのが追加接種です。 当初(2021年11月)は、3回目接種までの間隔は、米国にならって「原則8カ月間隔」と決められました。 ただし、「クラスターの発生などの場合には自治体の判断で6か月以上の間隔」での接種も可能とされました。 さらにその翌月、「医療従事者等は6カ月、一般の高齢者は7カ月」と修正する方針が決まりました。 不足していたワクチンの供給量をにらんだ上での、対象を限定した前倒しです。 昨年2月、岸田首相が突然、「1日100万回接種する」と表明。接種間隔は「全対象者で6カ月」となりました。 待ち望まれていたこととは言え、急にぶち上げられたのでは、接種の実務を担う自治体がついていけませんよ。 5月に4回目接種も始まりました。対象は「3回目から5カ月以上経過した60歳以上または基礎疾患のある方」。 10月には「オミクロン株」対応ワクチンによる追加接種が始まりました。12歳以上全員が対象です。 さらに接種間隔も「3カ月以上」に短縮されることになりました。欧米での規定にならったものだといいます。 このように、たびたび接種間隔を前倒ししてきたのはもちろん、その方が有益だと考えられたからです。 なのでここにきて接種方針を「原則1年間隔」とするからには、その有効性についての十分な説明が必要です。 さらに過渡期はどうするのでしょう。前回は3カ月間隔で接種した、という方がかなりいらっしゃいます。 まずは、10〜12月に接種を受けた方の次の接種時期について、国は目安を早めに示してほしいですね。 |
コロナワクチンの接種に関する留意事項
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- 2023/01/16(Mon) -
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「新型コロナワクチン接種に関する留意事項について(その2)」という通知が、先日保健所から届きました。
ワクチン接種率がまだ低迷する一方で、間違い接種も起きやすいことを踏まえて、改めての注意喚起です。 (1)接種間隔の誤り 当院でも、予約段階では接種間隔を誤っていた事例がありましたが、実際の過誤接種には至りませんでした。 接種券(済証)の現物を確認すればこの過誤は回避できます。接種直前の最終確認を省略してはなりません。 (2)初回接種(1,2回目の接種)にオミクロン株対応ワクチンを使⽤する誤り 「オミクロン株対応ワクチン」は追加接種専用。初回接種には「武漢株対応ワクチン」しか接種できません。 この、いまから接種を始める人の意欲をそぐような杓子定規なルール、なんとかなりませんかね。 (3)オミクロン株対応ワクチンを2回接種する誤り 私自身、10月に4回目の接種した方に、今月5回目の接種をお勧めしそうになりました。危ない危ない。 このような方には5回目の接種券が届かないはず。その点からも、やはり接種券の確認が大事ですね。 特別な経緯で承認された新ワクチンですから、何かあったときのためにも、規則通りの接種が重要です。 でも、(2)や(3)の過誤接種って、医学的に重大な被害が起きるとは思えないんですけどね。 |
インフルワクチンの接種枠がなかなか作れないシーズンでした
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- 2022/12/27(Tue) -
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当院で使っているインフルエンザワクチンの予約サイトが、今年も利用者アンケートを実施しました。
毎年、皆さんの「ご意見」欄を読むのが楽しみです。そしていつも、反省したり元気が出たりしています。 例年とは異なる「良い点」を挙げるなら、「注射が痛くなかった」という意見が多かったことでしょうか。 今年は、消毒してから注射するまでの時間を「早く」、ワクチンを注入するスピードも「速く」しています。 「来るぞ!」「うっ!」「痛たた!」という一連の「恐怖の時間」を短縮したことが奏功したかもしれません。 一方で、予約時間通りに来たのに待たされたという意見も多く、これは申し訳なかったと反省しています。 また、せっかく早めに来てくれた方に、「3密」を避けるために駐車場に戻っていただいたこともありました。 そういった、全体の時間配分のまずさや、不都合が生じたときの説明が足りなかったと思っています。 今シーズン最大の問題は、ネット予約が取りにくかったことでしょう。苦情・苦言の大半がそのことです。 お子さんの2回目の予約がとれず、他院で接種した方も多数いらっしゃったようです。申し訳ありません。 接種予約枠が1回目の接種分ですぐ埋まってしまい、2回目を希望する多くの方にご迷惑をおかけしました。 コロナワクチンの接種も別の時間帯に行っており、インフルエンザ接種枠が多く作れなかったのが一因です。 またとくに日曜日には発熱外来の受診者が多く、ワクチンの接種を行うことがほぼ不可能でした。 年末の最終診療日である明日は、午後をすべてインフルワクチン接種に充てる予定ですが、焼け石に水ですね。 |
乳幼児への新型コロナワクチンの接種は、まだわずかです
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- 2022/12/19(Mon) -
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オミクロン株対応ワクチンの発症予防効果は71%だったことが、国立感染症研究所の分析で判明しました。
思いのほか良い数字だと思います。 面と向かって咳込まれたり、どうしても密着して診察する必要に迫られたとき、ワクチンの効果が頼りです。 毎日のように何人もの感染者と対峙している私は、防護具だけで感染が完璧に予防出来るとは思っていません。 ワクチンで獲得した免疫が、ウイルスを毎日適度に吸い込むことによって強く維持されていると考えています。 昨日行ったPCR検査43件のうち、陽性は32件でした。この陽性率74%は、第7波のピーク時に匹敵します。 ワクチンの接種が進んだ上での、この陽性率ですから、これまでよりも大きな波の到来になるかもしれません。 そんな中で、子どもへのワクチン接種が低迷しています。乳幼児に至っては、ほとんどゼロに近い接種率です。 定期接種時に親御さんに尋ねると、接種を前向きに検討している人がほとんどいません。 「悩み中」だと答える人もいますが、大半は「接種するつもりはない」という回答です。 遅ればせながら今週、当院では初めて乳幼児への接種を行う予定です。今日はそのワクチンが届きました。 配送してくれた方に尋ねると、乳幼児用ワクチンの配送はほとんどない、とのこと。 小児へのワクチン接種後の死亡事例が報じられ、そうでなくても低迷している接種が、ますます進みません。 オミクロン株対応でもないし、現時点で私は、乳幼児への接種を強く推奨する気にはなれないのです。 |
乳幼児の新型コロナワクチン、もしも接種を希望するならお早めに
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- 2022/12/09(Fri) -
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乳幼児への新型コロナワクチンの接種は、希望者が少ないため、当院ではまだ始めていません。
また、いざ接種するとなると、他の年齢層の新型コロナワクチンとの取り違えを防ぐ注意が必要です。 専用の時間帯を作らなければならないので、とりあえず今月中に1枠だけ、接種日(接種枠)を作りました。 しかし1枠作ると、2・3回目用の接種枠を、1回目のそれぞれ3・11週間後に設定する必要があります。 熊本市から今日、「特例臨時接種期間満了に伴う留意事項について」という連絡メールが届きました。 新型コロナワクチンの予防接種法の特例臨時接種の実施期間は来年3月末までなのでよろしく、との内容です。 ということは、乳幼児の3回目を期限内に終わらせるには、1回目を1月13日までに開始しなければなりません。 いま接種を決めかねている方や考え中の方には、もし接種するなら、年明け早々がリミットだということです。 定期接種を受けに来る方にいつも尋ねているのですが、新型コロナワクチン接種の希望者はわずかです。 しかも具体的な希望ではなく、多分打つ、世の中の様子を見てから時期を決める、みたいな方がほとんど。 ワクチンは希望する数だけ配給されるはずなので、ワクチン不足で接種できないことはありません。 ただ、早く接種計画を立てないと、規定上、接種ができなくなってしまうかもしれません。 慎重に構え過ぎてていたら打ち損ねる可能性があります。悩んでいる方は、とりあえず早めにご相談ください。 |
「1バイアルで1人」の贅沢接種もやむなし
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- 2022/11/29(Tue) -
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乳幼児(6カ月から4歳)に対する新型コロナワクチンの接種が、ひどく低迷しているようです。
対象者には先週までに接種券が届いたはずです。集団接種はなく、医療機関で接種を受ける必要があります。 しかし、接種実施医療機関として熊本市のサイトに掲載されている医療機関は、たった24カ所。 当院もそれに含まれますが、必ずしも、接種実施医療機関が少ないから接種が進んでいないとも思えません。 当院での接種を希望したり接種の可否を打診してくる方自体が、皆無ではありませんが少ないのです。 それに加え、ワクチン1バイアルが10人分なので、まとまった人数を集めなければ接種できません。 と思っていたら、ついに今日、市から次のような連絡メールが届きました。 「お一人以上の接種希望者がいる場合、ワクチンは必要なバイアル数を柔軟に配送いたします」 つまり、残り9人分は廃棄してもかまわないから、たった1人のために1バイアル使ってでも接種して欲しいと。 ワクチンの廃棄を気にしなくても良いなら、人数が集まらないので接種が進めにくかった問題は解決です。 これで、希望者1人単位で接種を計画できます。人数分のバイアルを消費するぐらいのつもりで臨めます。 ただし、小児用ワクチンは希釈が必要なので、オミクロン対応ワクチンよりも準備に時間がかかります。 できれば、成人〜高齢者のワクチン接種が一段落してからの開始に、させていただきたい。 ていうか、そちらの希望者がまだ多くて、しかもインフルもあるし、接種するための時間が足りないのです。 当院のような発熱外来に注力している医療機関には、ワクチン接種に割く時間がもうこれ以上作れません。 |
ワクチン接種量を勝手に微調整しちゃダメ
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- 2022/11/25(Fri) -
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岡山県の医療機関で、新型コロナワクチンを規定より少なく70人に接種していた件には、少々驚きました。
被接種者の健康状態や副反応歴、希望などを考慮して、ワクチンを1/2〜1/4に減らして接種したとのこと。 副反応を抑える目的だったらしく、有効性よりも安全性を重視した、ある意味、日本的な考え方です。 もちろん医薬品は、国が定めた通りに投与しなければなりません。 治験を経て承認された対象・用法・用量が守られなければ、有効性と安全性が保証されないからです。 ただし、接種量が半分なら効果も半分なのかと言えば、とくにワクチンの場合にはそうではありません。 たとえばインフルエンザワクチンの1回の接種量は、3歳未満0.25ml、3歳以上0.5mlと定められています。 今年3歳になったお子さんには、敢えて、「今回から大人と同じ量ですね〜」と言いながら接種しています。 するとたいていの親御さんが少し驚いたような顔つきになるので、私は次の様にたたみかけます。 「3歳でも20歳でも100歳でも、体重が10キロでも100キロでも、接種量は同じなんですよ」 ワクチンの効果を考えたとき、年齢や体重に相関した投与量という考え方が(あまり)ないのです。 なので、低年齢・高齢者や低体重の方に同じ量を接種する際には、副反応が心配になる気持ちもわかります。 岡山の先生は、高齢者施設の入所者などが接種対象だったため、接種量を「調節」してしまったのでしょう。 例によってメディアは「今のところ健康被害は確認されていない」などとアホなことを書いています。 規定よりも少なく接種したというのに、急性期にどんな健康被害が起きるっていうですかね。 |
ワクチンの間違い接種の原因は、製剤の統一性の無さ
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- 2022/11/21(Mon) -
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間違い接種をいかにして防ぐか。予防接種に携わる者にとっての永遠の課題です。
以前は子どもたちの定期接種における問題でしたが、最近はコロナワクチン絡みの過誤接種例が増えました。 ファイザーが「間違い接種防止対策のご案内」というパンフレットで、間違いを4類型に大別しています。 (1)被接種者の年齢確認漏れ 1回目を11歳のとき接種した後に12歳になったお子さんの2回目は、12歳未満用ワクチンを接種します。 2回目を11歳のとき接種した後に12歳になったお子さんの3回目は、12歳以上用ワクチンを接種します。 日本脳炎ワクチンの接種における年齢規定とは異なり、医学的にも納得できかねるので、間違いの元なのです。 (2)製剤の取り違い 同じ時間帯に異なる新型コロナワクチンを接種することなんて、私には怖くてできません。 たとえ同じ日に接種する場合でも、午前と午後で分けるなど、時間帯分離はきわめて重要です。 家族が同時に接種できるために、年代の異なる被接種者を同じ枠で接種するような便宜は図りたくないです。 (3)製剤ごとに対象年齢や用法・用量が異なることを知らなかった 規定を知らないのはダメですが、製剤によって希釈の有無が異なる設定は、明らかに制度設計のミスでしょう。 同じ新型コロナワクチンなのに、希釈するワクチンと希釈しないワクチンが存在する現状は是正すべきです。 (4)別年齢用の製剤の転用 医薬品は規定通りに使わなければなりませんが、有効成分の量が同じなら、その効果も同じはず。 と考えて、別年齢用の製剤を「有効利用」してしまった過誤接種もあるようです。 慌てて開発して適用年齢を拡大してきたワクチンなので、現行では製剤の使用法に統一性を欠きます。 将来的には、年齢ごとに用量のみを変える製剤へと向かうべきでしょう。いつまで接種するのかはともかく。 |
新型コロナワクチン、接種したくても時間がとれません
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- 2022/11/17(Thu) -
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新型コロナワクチンの「5回目接種」を受けました。前回(4回目)からちょうど5カ月の接種間隔でした。
当院でも今日から、「オミクロン株(BA.4/5型)対応ワクチン」の接種に切り替えたところです。 帰宅後、いつものように熱めの風呂に入り、しっかりと全身を温めました。 ワクチンの接種は、免疫系を刺激することですから、体温を上げるほど有効性は高まると考えたからです。 ただし接種部にジンワリと痛みを感じ始めたので、カロナールを600mgほど内服しました。 せっかく上げた体温が下がるんじゃないのかとツッコまれるかもしれませんが、痛みはイヤなのです。 新型コロナワクチンの接種について、当院では熊本市の予約システムは利用していません。 原則として当院でこれまでコロナワクチンを接種してきた方に限定して、窓口で、予約を受け付けています。 接種歴が把握できている当院かかりつけの方がほとんどなので、接種の手続きから実施まではスムーズです。 ただし、オミクロン株対応ワクチンの供給量は十分なのですが、現状では接種枠をあまりたくさん作れません。 発熱外来の受診者が多く、時間帯分離を考えると、ワクチンの接種に割ける時間が制限されるからです。 それに加えて、インフルエンザワクチンの接種にも時間をとっていることが、重くのしかかっています。 今思えば、「インフルとコロナの同時接種枠」を作って、効率よく接種を進める作戦も考慮すべきでした。 かつては、同時接種なんてするものか、と考えていましたが、時間の節約を考えたら同時接種に限りますね。 |
「9価HPVワクチン」の定期接種は4月から
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- 2022/11/09(Wed) -
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「9価HPVワクチン」の定期接種は、来年4月からの開始が決定しました。
そうなると、より効果的なワクチンの導入を待つ「接種控え」が問題となるので、厚労省はこう言ってます。 「どのワクチンでも予防効果があるので、なるべく早い時期に打てるワクチンを打つことを検討してほしい」 それはその通りだと思いますが、新ワクチンが出たときはいつも、同じジレンマに陥ります。 新ワクチンにメリットがあるからこそ切り替えるわけで、効果を考えたら明らかに新ワクチンに利があります。 新ワクチンの導入を待つことのデメリットがあるとすれば、「待っている間に感染するリスク」に尽きます。 これは新型コロナワクチンでも同じ。オミクロン株対応を待つべきか、BA.5対応を待つべきか、悩みますね。 ただし、ことHPVの場合は「待っている間に感染するリスク」は微妙。コロナとはだいぶ事情が異なります。 私はむしろ、定期接種対象学年の方なら、新ワクチンを待っても良いと思います。実際にそう説明しています。 その意味で、なるはやで打つべきなのは、より高年齢のキャッチアップ接種対象の方々かもしれません。 |
新型コロナワクチン、公費負担見直しへ
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- 2022/11/07(Mon) -
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新型コロナの新規感染者数が、47都道府県すべてで前の週よりも増加しています。
過去にも経験があり日本中の誰もがわかっているように、これは新たな波にさしかかったことを示す兆候です。 当院での昨日のPCR検査数30件は、第7波ピーク時の日曜と比べれば半分以下ですが、先週より増えています。 その陽性率はちょうど50%でした。これも徐々に上がってきています。 高熱や咽頭痛の強い方は相変わらず多いですが、入院を考慮するような重症例にはほとんど遭遇しません。 高齢者を中心にワクチンの接種率が高いので、目論見通り、重症化が予防出来ているのかもしれません。 そのワクチンの接種費用を国が全額負担している現行制度を見直そうと、財政制度審議会が意見しています。 昨年度は、新型コロナワクチンの接種に関連して、2兆3,400億円の国費が投入されたといいます。 厚労省がいつも感染者数や病床利用率などを扱うのと異なり、さすが財務省が気にするのはお金のことばかり。 でもおかげで、厚労省のサイトでは目にすることのなかった接種費用の詳細を、私は初めて知りました。 現行制度での接種単価は、約9,600円ですか。全額自己負担することになると、接種率は激減しそうですね。 一部は国費か自治体の補助が入ることを期待します。肺炎球菌ワクチンみたいに、半分公費とか。 高齢者とか基礎疾患を有する人だけは無料にしてもいいと思います。 でもいったい、あと何回接種するのでしょう。まさか、3カ月間隔で今後もずっと続くワケじゃないですよね。 |
ワクチン接種を推進していますが、強制はしません
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- 2022/11/05(Sat) -
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「反ワクチン」団体の方から、ときどきダイレクトメール(郵便物)が届きます。
ざっと目を通した上で、場合によってはスキャンしてから廃棄します。 未開封のままポイ捨てすることはありません。どんな意見でも、少しは知っておきたいからです。 「反ワクチン本」も「ワクチン推進本」も、それぞれ購入して読みました。あるいは読んでいる途中です。 書籍は、著者がそれなりに責任をもって真面目に書いているので、読みやすければ読むに値します。 一方でネットはダメ。反ワクチンのサイトや書き込みがとても多いですが、これらはほとんど読みません。 自分でブログを書いてて言うのもナンですが、ネット上の著述にはどうしても責任感を感じにくいのです。 抑制の利かない完成度の低い文章が多いのは、あとでいつでも自由に削除や訂正ができるからかもしれません。 最近、私はいったい純粋なワクチン推進派なのかどうか、もしかすると中間派なのか、じつは少し考え中です。 もちろん、前回の新型コロナワクチンの接種から3カ月たった人には、一度はワクチンの接種を勧めています。 それは情報提供であり、選択肢の提示です。打つにしろ打たないにしろ、その希望を叶えたいと思います。 希望者には接種を勧め、希望しない人には「その考え方を尊重します」と応じ、くどくど説得はしません。 明確に「私はワクチンは反対です」と言う方に対しても、理解を示すスタンスは続けたいと考えています。 |
結局、けっこう同時接種しています
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- 2022/11/03(Thu) -
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祝日ではありますが、一般診療は最小限にとどめて、今日はおもにワクチンの接種を行いました。
発熱外来受診の目的で電話が多数かかってきましたが、お断りしなければなりませんでした。 新型コロナワクチン(オミクロン株対応)を18人に、インフルエンザワクチンを86人に接種しました。 そのうち8人は、両者の同時接種です。過誤接種を避けるために、次のルールに則って、接種を行いました。 ・コロナワクチンとインフルワクチンは、別々の時間帯に準備し、シリンジやトレイも異なる外観の物を使う ・コロナワクチンとインフルワクチンは、原則として別々の時間帯に接種する ・同時接種はコロナワクチンの時間帯に行い、インフルの時間帯にはコロナを同時接種しない ・同時接種においては、同じ側の腕に、最初にコロナ筋注→次にインフル皮下注、の順に続けて接種する 以前は、別の時間帯に同日接種することも考えていましたが、むしろ間違いの元になりそうでやめました。 前述したように一定のパターンを作り、確認しやすい同時接種環境を構築したので不安はありませんでした。 なお、いちばん手がかかるのは、中ぐらいに大きな子どもが、急に接種を嫌がって暴れるときですね。 接種中止は最後の手段。なだめたりすかしたり、あの手この手を使ってなるべく接種を受けていただきます。 コロナもインフルも接種希望者が思いのほか多く、接種予約枠を作ればすぐに埋まっていきます。 いずれのワクチンも、今はほぼ欲しいだけ入手できているので、その点は助かっています。 第8波の兆候が見えるコロナよりも、まだ流行していないインフルを予防したい人の方が断然多い状況です。 効果はともかく、それぞれのワクチンに対する安心感の違いかもしれません。 |
接種券はもうじき届きます
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- 2022/11/02(Wed) -
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生活習慣病で定期的に受診されている方はみな、新型コロナワクチンの接種が推奨されている対象者です。
なのですべての来院者に一度は、接種の希望はないかとお尋ねしています。すると次のような質問が出ます。 「また打つんですか」→ あくまで任意接種です。ご希望の場合にのみ接種します。 「もう打つんですか」→ 前回の接種から3カ月間隔で打てるようになりました。 「こんなに早く打っても大丈夫ですか」→ ご不安なら、もう少しあとで接種してもよいですよ。 「オミクロン株対応ですか」→ 12歳以上用の追加接種ワクチンは、すべてオミクロン株対応です。 「接種券がまだ届いていませんが」→ 大丈夫です。もうじき届きます。届かなくても接種はできます。 接種間隔等の規定がコロコロ変わるので、対応に追われる自治体も大変。接種券が遅れるのも仕方ないです。 にしても、追加接種(3回目接種以降)の接種間隔が、どんどん狭まっているのが、不気味です。 以前は6カ月以上でしたが、それが5カ月間隔になり、いまでは3カ月間隔。 このままでは、いずれは「毎月接種」になりゃしないかと、今日も患者さんと談笑(?)したところです。 が、冗談抜きで、いったん狭まった接種間隔がまた広げられる根拠って、はたして出てくるのでしょうか。 いや、ブースター効果を考えると適度に長い接種間隔が必要なはず。その詳細な検討が待たれますね。 3カ月間隔のままで留まって、毎年4回のペースで打ち続けるなんて考えたくもありませんから。 |
間隔を気にせずインフル接種できるのは楽
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- 2022/10/30(Sun) -
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コロナとインフルのワクチン接種を進めていますが、接種を希望しない人も多く、その理由は様々ですね。
(1)新型コロナワクチンを接種したくない理由 ・不信:もともと打ちたくない、途中から(副反応に懲りて)打つのをやめた、KMBのワクチンを待ちたい ・不要:自分はコロナには罹らない、もう罹った、どっちみち罹る ・誤解:オミクロン株対応ワクチンを打ちたい、え?、もう対応してますか (2)インフルエンザワクチンを接種したくない理由 ・不要:打ったことがないけど罹らない、打ったけど罹ったことがある、去年も打ったけど流行しなかった ・負担:(無料のコロナに比べると、インフルの料金が際立つ) 当院の現状では、新型コロナワクチンよりもインフルエンザワクチンの方を、圧倒的に多くの方に接種中です。 両者の接種間隔の規定が撤廃されたおかげで、インフルエンザワクチンの接種作業が本当に楽ですね。 もしもこの規則が継続していたら、予約時に確認するだけでは不十分で、接種前に再確認せねばなりません。 そして接種直前になって「ありゃ、今日はインフル接種できませんね」となるケースが続出するところでした。 コロナとインフル以外のワクチンは、従来通り2週間以上の接種間隔が必要というのも、実はオカシな話です。 必要に迫られて検討が行われたインフルだけが同時接種OKとなったのは、いかにもご都合主義。 とは言え、おかげで助かってます。できれば、他のすべてのワクチンへの適用拡大を願います。 |
希釈するワクチンと希釈しないワクチン
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- 2022/10/25(Tue) -
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津奈木町の医療機関で、新型コロナワクチンを10歳以下の子どもに希釈せずに接種した事例が報じられました。
隣接する水俣市でも同様の過誤接種が報告されているとのこと。もちろん、この地域特有の話じゃありません。 オミクロン株対応ワクチンが出るまでの、従来株対応の新型コロナワクチンは、 (1)ファイザー:希釈して0.3ml接種 (2)モデルナ:希釈せずに0.25ml接種(初回接種は0.5ml) (3)小児用ファイザー:希釈して0.2ml接種 これがオミクロン株対応の「二価ワクチン」になったことによる変化は、 (1)ファイザー:希釈して0.3ml接種 → 希釈せずに0.3ml接種 (2)モデルナ:希釈せずに0.25ml接種 → 希釈せずに0.5ml接種 (3)小児用ファイザー:希釈して0.2ml接種 (オミクロン株対応ワクチンなし) さらに、0歳6カ月から4歳児専用のワクチンの接種も、やがて始まります。 (4)乳幼児用ファイザー:希釈して0.2ml このように、ワクチンの種類・用量や調整の有無が、実に混沌とした設定になってます。もはやトラップです。 接種に従事している者なら誰もが、いつか何らかの形で過誤接種が起きると思っているはずです。 12歳以上用ファイザーが希釈不要になったことは歓迎しますが、ならば小児用も希釈不要にしてほしかった。 製造段階であらかじめ薄く作っておけばいいだけの話、じゃないんですかね。しらんけど。 |
インフルワクチンと一緒に、日本脳炎ワクチンも接種しましょう
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- 2022/10/22(Sat) -
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熊本県内で先月死亡した70代の女性が日本脳炎に感染していたと、県が発表しました。
この女性が「日本脳炎で死亡した」と考えて良いのかどうかはわかりませんが、たぶんそうなのでしょう。 県内ではほかにも2人の感染者が出たようで、今年の現時点での国内患者5人の内3人が、熊本県内の症例です。 全国で毎年数人程度の希な発生ですが、西日本とくに九州に住んでいる者には、無視できない感染症です。 私の幼少期1960年代前半までは、毎年数千人レベルの患者が出て、しかも死亡率が高い恐怖の感染症でした。 当時の私は日本脳炎が本当に怖くて、蚊に刺されたらすぐキンカン(という薬)を塗っていました。 刺激の強いキンカンが、日本脳炎の「毒素」を中和してくれると信じていたからです。 もちろん、日本脳炎は蚊が媒介するウイルス感染症であり、刺された後でキンカンを塗っても無効です。 その後の国内環境の変化と我が国が開発したワクチンによって患者は激減し、現在に至っています。 しかしそのワクチンも、濡れ衣かもしれない副反応が原因で積極的勧奨接種が差し控えられた時期があります。 ひとたび副反応が起きると、感染症予防という本来の目的を忘れてワクチンを忌避するのが、日本人なのです。 ワクチンの製造法を変えてようやく接種の勧奨が再開し、未接種者を救済する特例接種制度もできました。 しかしそのようないきさつを知らず、ワクチン未接種のままで経過しているお子さんも、おおぜいいます。 インフルエンザワクチンを接種する今の時期、母子手帳の予防接種欄をチェックするのが私の仕事です。 そして日本脳炎ワクチンの未接種者・未完了者を見つけたら、なるべく同時接種をして帰っていただきます。 日本脳炎に限りませんが、定期接種が漏れているお子さんを、そのままでは放置できない性分なのです。 |
新型コロナワクチンの接種間隔が「3カ月以上」へ
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- 2022/10/20(Thu) -
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新型コロナワクチンの接種間隔の規定が、「3カ月以上」に短縮されることが決まりました。
厚労省のワクチン分科会がそのような結論に至った根拠は、 (1)有効性:臨床試験データで、接種間隔3〜6カ月での追加接種での中和抗体価の上昇が認められた (2)安全性:臨床試験データで、接種間隔3〜6カ月での追加接種での有害事象は従来ワクチンと同様だった (3)欧米での接種間隔は、米国では2カ月以上、欧州では3カ月以上と規定されている 高齢者らが年内に「5回目接種」を受けられるようにするのが目的だと、表向きは報じられています。 ですがその背景には、3回目や4回目の接種率の低迷があるのでしょう。そのためにワクチンも余っています。 当院かかりつけの方も、早く5回目を接種したい方と、もう接種しようとは思わない方とに二分されます。 概して、ご高齢の方ほど5回目を希望されるので、重症化予防が目的であるなら、それは理にかなっています。 私は5回目を接種するつもりですが、5カ月間隔なら来月中旬、3カ月間隔なら今すぐにでも接種可能です。 ですが結局は、オミクロン株(BA.4/5)対応ワクチンが接種できる来月中旬まで待つことにします。 来月は祝日が2回ありますが、いずれも、新型コロナワクチンとインフルワクチンの接種日にする計画です。 予約状況を見ると、コロナはボチボチですが、インフルの方はとても接種希望者が多くて枠がすぐ埋まります。 当初は気乗りしなかった「同時接種」も、むしろ積極的に推進しようかと、いま考えているところです。 |
インフルエンザワクチンの集団接種
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- 2022/10/17(Mon) -
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インフルエンザワクチンの接種を、毎日粛々と行っているところです。これから来月一杯がピークでしょう。
当院で接種を行っている方を大別すると、 (1)専用サイトからネット予約をした方:これが大半です (2)65歳以上の方の定期接種:多くの方が次の(3)の対象者と重なります (3)生活習慣病等で毎月来院される方:定期受診のついでに接種を受けて帰ってもらいます (4)定期接種で来院されるお子さん:希望者には、定期接種の際にインフルエンザワクチンも同時接種します (5)近隣事業所の方への集団接種:当院に集団で来院していただきます かつて当院では「出張接種」も行っていました。私とスタッフが近隣事業所に出向いて接種するものです。 しかしこれは、厳密には保健所に届出を出さなければならず、またスタッフには休日出勤を強いるものでした。 なので開院当初の数年感で出張接種はやめ、いまでは(5)のように集団を院内に受け入れるやり方です。 集団接種の良いところは、毎年ほぼ同じ顔ぶれなので、受付から接種の流れがスムーズであること。 接種料金は後日まとめての支払いにしているので、接種当日に金銭のやりとりがないこともメリットです。 近年、予防接種に積極的な企業も増えています。コロナ禍でなおさら、感染対策への意識が高まっています。 もう少し準備する期間があったら、コロナとインフルの集団同時接種を企画しても良かったと思っています。 よし、来年は同時接種作戦で行こう(もしも、来年もまだコロナワクチンを接種しているようであれば)。 |
いまのうちにインフルエンザワクチンを打ちましょう
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- 2022/10/15(Sat) -
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発熱外来の受診者は、明らかに減ってきています。
しかし日曜日に発熱外来をしている医療機関は少ないので、これまで通りに日曜の発熱外来は続けます。 そのかわり他の多くの医療機関も診療している土曜日を、できるだけワクチンの接種に充てることにしました。 というわけで今日は午前中に一般診療を、午後は約80人にインフルエンザワクチンなどを接種しました。 明日は午前中に一般診療を、昼休みにコロナワクチン、午後には発熱外来をすることになりそうです。 ちょっとした熱や風邪症状でも油断しないのが私の鉄則。これはコロナ禍で得た教訓です。 今日も、他院でインフルワクチンの接種を受けた後に発熱したお子さんに行った抗原検査が陽性でした。 ワクチンを接種した医療機関で感染した可能性を考えると、3密の回避はまだまだ重要だと思いました。 今シーズンはインフルエンザが大流行すると、専門家もメディアもみな、同じことを言っています。 さいわいワクチンの流通量が昨年よりもずっと多いので、接種予約の受け入れ数には余裕があります。 年明けには、インフルとコロナの同時流行が起きる懸念もあります。 コロナは自宅で診断し、インフルはオンライン診療を受けろと、国がまた無茶なことを言っています。 ですがたしかに、自宅でのスクリーニングをうまく使えば、一定の効果があるかもしれません。 でもそんなややこしい冬を迎える前に、まずはやれること=インフルワクチンの接種、でしょう。 |
粛々とワクチンを接種しています
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- 2022/10/08(Sat) -
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インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの接種が、なかなか複雑なことになりつつあります。
日頃のかかりつけの方には、ほぼ毎日、ご希望に応じてインフルエンザワクチンの接種を行っています。 それに加えて、ネットでも予約を受け付けており、明日も多くの予約が入っています。 その明日は、一般診療とインフルエンザワクチンの接種のほかに、新型コロナワクチンの接種も行います。 ワクチン接種と発熱外来は時間帯を完全に分離する必要があるので、明日はやりくりに苦労しそうです。 いま接種している、そして明日も接種する新型コロナワクチンは、オミクロン株(BA.1)対応ワクチンです。 これが来月15日からは、オミクロン株(BA.4/5)対応に切り替わります。当院への配分量も決まりました。 来月まで待てばBA.5対応が打てるのに、今BA.1対応を打つのか、という疑問を感じている方もいるでしょう。 そんなこともあってか、BA.1対応ワクチンの人気はあと一歩です。接種控えがあるのかもしれません。 さらに来月からは、0歳6カ月〜4歳児への新型コロナワクチンの接種も始まる予定です。 そのワクチンを接種する気があるか、医療機関への意向調査が昨日来たので、接種する旨を回答しました。 積極的に接種を勧めるつもりはありませんが、もしも希望者がいたら接種できるようにしておくためです。 乳幼児の場合、定期接種ワクチンの日程も立て込んでいるので、接種計画はけっこう複雑になりそうです。 新型コロナワクチンとインフル以外のワクチンには、2周間以上の接種間隔をあけなければならないからです。 さてインフルは流行するのでしょうか。コロナ(第8波)とインフルの同時流行が来ないよう祈るばかりです。 |
「9価HPVワクチン」の定期接種への導入決定
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- 2022/10/04(Tue) -
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HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の定期接種にようやく、「9価ワクチン」の導入が決まりました。。
HPVというウイルスには多くの「型」があり、そのうち何種類の型に効くワクチンかを示すのが「価数」です。 現在、日本で定期接種として使われているのは、GSKの「サーバリックス」とMSDの「ガーダシル」です。 「サーバリックス」は2価ワクチン。国内では最初に発売されたので、当院でも最初はこれを使っていました。 子宮頸部を意味する「Cervix」と、GSKの拠点があるベルギーの地名「Rixensart」を組み合わせた命名です。 最近よく耳にするGSKの帯状疱疹ワクチン「シングリックス」も、同じ語尾です。 「ガーダシル」は4価ワクチン。予防できるHPVの型を2つ増やし、尖圭コンジローマなどにも有効です。 子宮頸部の扁平上皮内病変(Squamous Intraepithelial Lesion:SIL)からガードするという意味の命名です。 当院では現在、他院で1回目にサーバリックスを接種した方以外は、ガーダシルがデフォルトです。 これら2つよりも高い感染予防効果があると期待されるのが、9価ワクチンであるMSDの「シルガード」です。 ガーダシルをひっくり返した命名、というよりもこちらの方が自然(SIL+ガード)。本命登場って感じです。 昨年から任意接種は可能ですが、かなり高額(3回で約8万円)なこともあり、当院ではまだ導入していません。 より有効性の高いワクチンがもうじき定期接種になる、となると問題は「接種控え」ということになりますね。 定期接種の対象(小6〜高1)なら、私は来年まで待っても良いと思いますが、それ以上の年齢はダメです。 |
インフルワクチンとコロナワクチン、同時接種するかも
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- 2022/09/25(Sun) -
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インフルエンザワクチンの接種予約枠は、順調に埋まりつつあります。現時点での受付はネットのみです。
例年同様、土日の枠に人気が集中していますが、遅れて平日枠も埋まっていくはずです。 例えば土日に3時間の接種枠を設けるとしても、最初は1時間分から、徐々に枠を広げるようにしています。 そうしないと、少人数づつ幅広い時間帯に予約が入ってしまい、接種効率が悪くなるからです。 新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種をするつもりはない、と先日書きました。 たしかに、インフルエンザワクチンを接種する時に、新型コロナワクチンを同時接種するつもりはありません。 しかし、新型コロナワクチンを接種する際には、インフルエンザワクチンを同時接種するかもしれません。 ん?、どゆこと? と思われた方へご説明。 インフルワクチンはネット予約を受け付けていますが、コロナワクチンは電話か窓口で予約受付をしています。 インフルワクチンの接種希望者に制限はありませんが、コロナワクチンは当院での接種歴のある方限定です。 なので、インフルのネット予約の際にコロナの同時接種を受け付けることは、システム上困難なのです。 逆に、コロナワクチンの予約受付時に、同時にインフルワクチンを接種するかどうかを尋ねることは可能です。 さらに言うなら、コロナワクチンの接種当日に、インフルワクチンも打っていくかと尋ねることもできます。 そのようなことができるのも、今年はインフルエンザワクチンが十分に流通しているからです。 そんなわけで、前言を撤回します。コロナとインフルの同時接種は、状況が許せば行うことにしました。 これは日頃の診療中に、両方のワクチン接種したい方が意外に多いことを知ったからです。 来月からは、発熱外来もきっと縮小できるはず(期待)。その時間をワクチン接種に振り分ける予定です。 |
インフルエンザの流行を前提に、ワクチンの予約受付を始めます
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- 2022/09/23(Fri) -
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コロナ禍の最初の年(2020年)の秋、新型コロナとインフルエンザの同時流行が懸念されました。
そこで創設されたのが「令和2年度インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業」。 コロナとインフルの同時流行で忙しくなるであろうとされる「診療・検査医療機関」に、補助金が出ました。 この補助金、とりあえず概算で(多めに)請求しておき、すぐに交付を受け、いずれ精算する手はずでした。 ところが、それから1年以上たちますが、精算(返還請求)がされる雲行きもなく、今に至っています。 なので実質的に借金状態。厚労省も忙しいのでしょう。返さなくても良いなら早く言ってくださいね。 2020年、インフルエンザワクチン接種者は過去最多レベルでしたが、結局、インフルは流行りませんでした。 コロナ対策がインフル対策にもなったためか、ウイルス干渉なのか、ともかくまったく流行しませんでした。 翌2021年、今年こそ流行するぞという話になり、ワクチン接種者も多数。でも結局、流行しませんでした。 そして今年は3度目の正直。南半球の流行等を考慮すると、こんどこそホントに大流行すると言われます。 だとすると、過去2年間空振りだったことが「オオカミ少年効果」を生まないか、予防の観点からは心配です。 今シーズンはインフルエンザワクチンの供給量が多く、流通も早く、当院でもすでに入荷済です。 接種は10月1日から始める予定です。オミクロン株対応新型コロナワクチンも10月接種開始です。 両者の接種がほぼ同時に始まるので、接種日や時間帯の割り振りには、知恵を絞らなければなりません。 インフルのネット予約の受付は、明日の朝から開始する予定です。さて、予約者は殺到するのか、閑古鳥か。 |
「オミクロン株対応ワクチン」特例承認
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- 2022/09/12(Mon) -
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「オミクロン株対応ワクチン」の製造販売が、特例承認されました。
承認前提で準備が進められており、予定通りの展開です。国から各自治体への配送は、来週始まります。 ワクチンはファイザー製とモデルナ製が同時に提供されますが、これまでとは異なる点がいくつかあります。 なによりもまず、配送量。ファイザー2800万回分に対してモデルナ200万回分と、大差がついています。 「不人気」のモデルナの方が多く流通していたこれまでの「ねじれ」が、今回はすっかり解消されそうです。 当院では、ファイザーとモデルナを両方とも申請していましたが、来るのは全部ファイザーとなりました。 そのファイザーのワクチンが「希釈調整不要」となったのも朗報です。接種準備に手間がかからなくなります。 さらに、冷蔵保管期間が10週間に延びました(ファイザーのみ)。これで接種計画に自由度が出ます。 しかも、室温保存期限が24時間、針刺し後の使用期限も12時間とは、実に現場に優しい仕様じゃないですか。 当院では現時点ではまだ「旧ワクチン」を使用していますが、今週中には在庫を一掃することになります。 月末には「新ワクチン」が入荷する予定ですが、多少ずれ込んでも良い様に、接種は10/7に始める計画です。 発熱外来と近接した時間帯に接種したくないので、一般診療を行わない接種専用日を設けることにしています。 あとは、インフルエンザワクチンの接種との日程・時間配分をどうするか。まだまだ考え中が続きます。 |
「オミクロン株対応ワクチン」接種を前倒しするのは良いけれど
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- 2022/09/03(Sat) -
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オミクロン株対応ワクチンは、接種が前倒しされて今月半ばにも始まりそうです。
従来の「武漢株」に「オミクロン株 (BA.1)」にも対応した成分を含有している「2価ワクチン」です。 前倒し接種の対象は、現在「4回目接種」を行っている、高齢者や重症化リスクの高い方や医療従事者です。 次いで10月半ばには、「初回接種(2回目までの接種)」を終えた12歳以上の全員が、接種対象となります。 従来の「1価ワクチン」を、そのまま2価ワクチンに切り替えていくようなので、移行は容易でしょう。 と書くと朗報ですが、現場は少々混乱気味です。 このワクチンをすぐにでも打ちたいと思っているのは、前々からワクチン接種に積極的な方々です。 ところが、そのような方はもう、4回目接種を済ませています。なのですぐに新ワクチンは接種できません。 逆に、これまで接種を先延ばししてきた人が、新ワクチンをまっ先に接種できる対象になるという妙な話。 今日の診療中にも、このことを「理不尽だ」とおっしゃる方がいました。たしかにその通りです。 厚労省は「4回目接種の対象者の多くは接種が未完了」だと言いますが、それは認識不足、あるいは詭弁です。 4回目の対象なのに未接種の方の中には、諸事情によって接種に消極的になった方が多く含まれています。 いまオミクロン株対応ワクチンについて尋ねてくるのは、4回目が済んでいる、おもにご高齢の方ばかり。 次期「BA.4/5対応型ワクチン」は、高齢者から接種できるようなタイミングで導入されることを願います。 |
コロナとインフルは「同時接種」しません(たぶん)
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- 2022/09/01(Thu) -
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新型コロナワクチンと他のワクチンの「同時接種」は、インフルエンザに限り例外的に認められています。
まだ検討中かと思ってたら、7月の審議会の結論をもって決定事項だったんですね。一応は朗報です。 当院では、子どものワクチンの同時接種を積極的に行ってます。早期接種完了のために有用だからです。 しかし2年前から、インフルエンザと他のワクチンの同時接種に限っては、原則として行っていません。 多くの人にインフルワクチンを接種する際に同時接種を行うと、接種作業が複雑になり手間がかかるからです。 このような場合の「手間」は得てして「確認不足」を誘発し、「過誤」を生む要因となりかねません。 新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種でも、同じ懸念があります。 コロナワクチンは1バイアルから複数人に接種する特殊性から、同じ時間帯に多人数を集めて接種しています。 一方でインフルも、接種枠を決めてまとめて予約を取る(原則としてネット予約)方式で接種してきました。 両者を同時接種することになれば、多人数への接種の流れが複雑になり、過誤の入り込む余地が生まれます。 なので今シーズンは、両者別々の接種枠を設定してそれぞれ単独接種を行い、同時接種は行わない方針です。 幸い、インフルとコロナの接種間隔には制限がないので、それぞれの接種を別々に独立して計画できます。 同じ人が午前中にインフル、午後にコロナを接種するような「同日接種」も、計画の自由度を高める裏技です。 それよりも問題は、今年のインフルワクチンの接種希望者が多いのか少ないのか、予測ができないことです。 おまけにコロナワクチンの入荷数も不透明。仮に両者を同時接種しようにも、計画の立てようがないのです。 |
「オミクロン株対応ワクチン」の接種希望量調査
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- 2022/08/12(Fri) -
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「オミクロン株対応ワクチン」の接種が、10月中には始まることになりそうです。
現在接種を行っている新型コロナワクチンは、オミクロン以前の「従来株」に効くように作られたものでした。 この従来株に加えてオミクロン株(BA.1)にも対応した、「2価ワクチン」の接種が決定しました。 接種対象や前回からの接種間隔など、詳細はまだ決まっていません。何よりも供給量がどうなるか心配です。 そんな中、熊本市から各医療機関にむけて、オミクロン株対応ワクチンの接種希望量の調査が始まりました。 10月11日〜12月31日の各日の、ファイザーとモデルナの接種予定人数(希望人数)を全部書けというもの。 この10〜12月と言えば、インフルエンザワクチンの接種時期とピッタリ重なります。 コロナワクチンとインフルワクチンに、これまで通り2週間の接種間隔が必要だと、かなり面倒です。 (追記:インフルワクチンに限り、コロナワクチンとの接種間隔の規定は撤廃されることになりました) そもそもインフルが流行するのかどうかもわかりません。去年と一昨年は完全に肩透かしを食らいましたから。 おまけに両方のワクチンの接種を並行して進めるときに、まさか発熱外来もまだ多忙だと困りますね。 そんな状況なのに、年末までの詳細な接種計画を今月中に決めて提出せよという、いつもの無理難題。 こんな調査にはもう慣れてます。詳しく計画を練ることもできず、アバウトな回答になるのも毎度のこと。 |
たまには接種専用日も
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- 2022/07/15(Fri) -
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毎週金曜日は休診日ですが、今日は特別に、予約者を集めて新型コロナワクチンの4回目の接種を行いました。
当院で3回目接種を2/14までに行った高齢者の中から、82人にモデルナのワクチンを接種しました。 待合室での「密」を避けるため、予約時間通りに来院していただき、接種15分後にお帰りいただく流れでした。 ですが皆さん、早め早めにいらっしゃる。10分前なんてのは遅い方で、たいていは20分前には到着されます。 1時間近く前にやって来る方も珍しくありません。たぶん、起床時刻から何からすべてが、早い方なのです。 徒歩で来院する方も多く、時間まで車でお待ちいただくこともできず、結局、予定より早めの接種となります。 このようにして、「早めに行ったら早めに診てもらえた」という記憶が強く定着していくのでしょうね。 接種(筋肉注射)はすべて、私が行いました。左利きの方1名以外全員が左肩への注射です。 登録作業や確認作業のうち私が行うのは、電子カルテへの記載と、院内データベースの確認と登録です。 私の作業内容だと、1人3分あればこなせますが、他のスタッフの作業を考慮すると1人4分ペースが妥当です。 なので1時間に15人、これはちょうどモデルナ1バイアルからとれる本数(公称値)に相当します。 実際には、ローデッドシリンジなら1バイアル20人分とれるし、慎重にやれば21本、ギリで22本いけます。 ただしワクチンは配給制で無料だし、とくに流通量の多いモデルナでは、あまり無理なことはしません。 一方でファイザーは品薄です。8月分の当院の配給数はたった5本でしたが、9月に至ってはわずかに2本です。 そんなわけで、これまでファイザーを3回打ってきた方も、4回目はほぼモデルナですのでご了承ください。 |
ワクチン+自然感染で、コロナ免疫を長期間維持する作戦
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- 2022/06/30(Thu) -
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新型コロナワクチン接種後の、自分の血液中の「抗体価」を調べてみました。
当院で4回目接種を受けた、私を含む2名の「SARS-CoV-2 スパイク蛋白(IgG)」を測定しました。 4回目接種のちょうど2週間後において、2人とも抗体価は約13,000 AU/mlでした。十分高い数値です。 新型コロナウイルスは、表面の「スパイク」という構造物がヒトの細胞表面と結合して、感染が成立します。 「mRNAワクチン」は、スパイク蛋白の設計図を接種することにより、人体内でスパイク蛋白を作らせます。 すると免疫反応によりスパイク蛋白に対する抗体が体内で製造され、これがウイルス防御の武器となります。 ワクチンの接種によって抗体価が上昇しても、残念ながらやがて徐々に低下していきます。 一説では、3カ月で半減し、4か月後には30%程度に下がるとも言われています。 そのようなワクチン効果の減弱によって、いま日本で感染再拡大が起きているという考え方もあります。 私が今、かなり強い免疫を持っているとしても、数カ月後には貧弱な免疫状態になってしまうのでしょう。 ではこれからも、何度も何度もワクチンの接種を繰り返さなければ、免疫は維持できないのでしょうか。 いや、自然感染による免疫の再強化、すなわち「ブースター効果」を期待する手もあります。 免疫力の強いうちに、発熱外来で感染者の飛沫を適度に浴びて刺激を受け続け、免疫を維持する手法です。 現状の感染防護態勢を敢えて緩めるという、少々危険な香りのする作戦ですが、上手に試したい気もします。 |
今からでも、ワクチン打ちましょう
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- 2022/06/29(Wed) -
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「もしや感染者数が増加に転じてませんか」と書いたのは9日前のこと。いやはや、確実に増えてますね。
「直近1週間の人口10万人あたりの感染者数」は、熊本県は沖縄県に次いで全国2位じゃないですか。 たしかに発熱外来多いです。とくに子どもの感染者が増えています。 近隣の小学校では、学級閉鎖や学年閉鎖が相次いでいます。 その学校の生徒はしかし、学年が違うと学級閉鎖のことなど知らない子もいます。 クラスの誰かが休んでも、その子がコロナなのか何なのか、「個人情報」を理由に明らかにはされません。 担任の先生がコロナで休んでも、子どもたちには明確には伝えられない有り様です。 集計するには1日早いですが、今月当院でPCRまたは抗原検査で陽性と診断した109人の内訳を調べると、 10歳未満29人(27%)、10代18人(17%)、20代9人(8%)と、ここまでで50%を超えました。 一方で、60歳以上はわずかに7人(6%)、65歳以上に限るとたったの3人でした。 感染者は圧倒的に小学生や未就学児に多く、彼らは最初は高熱が出ますが、すぐに解熱して元気になります。 大人の症状は2パターン。微熱のまま経過する方と、高熱が2,3日続く方。ほぼ、ワクチン接種歴の違いです。 18歳以上で今月PCR陽性になった60人のうち、ワクチン3回接種済の方は29人もいました。 ワクチン接種は、感染予防効果はゼロじゃないけど弱い。しかし言われている通り、症状は軽くなるようです。 今からでも決して遅くはないでしょう。3回目接種は、やっぱりオススメですね。 |
乳児の定期接種の「セット予診票」を望む
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- 2022/06/17(Fri) -
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赤ちゃん(乳児)の定期予防接種は、満2カ月から始まります。いわゆる「ワクチンデビュー」です。
デビュー後には毎月、数カ月間、定期接種に「通う」ようになります。接種ワクチンの概略はこうです。 (1)2カ月:ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタウイルスワクチン (2)3カ月:ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタウイルスワクチン・4種混合ワクチン (3)4カ月:ヒブ・肺炎球菌・ロタウイルスワクチン・4種混合ワクチン (4)5カ月:BCG・4種混合ワクチン (5)6カ月:日本脳炎ワクチン (6)7カ月:日本脳炎・B型肝炎ワクチン 保護者の方は、4種類5種類のワクチン接種のために、4枚5枚の予診票を書かなければなりません。 いちばん上の方に、住所・氏名(フリガナ)性別・生年月日・保護者氏名・体温・平熱を書く欄があります。 その下には、いくつもの質問事項が並ぶので記入したり、はい・いいえ、の該当する方を丸で囲みます。 1枚書き上げるのに数分程度を要します。複数のワクチンを接種する場合には、かなりの作業量になります。 昨日から鼻水が出ている場合、4枚5枚の予診票全てに、昨日から鼻水が出る旨を書かなければなりません。 それが面倒で、少々の体調不良は記載しない方がいるかもしれません。 1カ月以内に他のワクチンを接種したかどうかを問う設問もあり、ワクチン名をすべて書く必要があります。 4週間おきに複数のワクチンの接種を行っている方にとって、この欄の記載はかなり大変です。 それがイヤで、4週間ではなく31日間隔でのワクチン接種を希望する親御さんもいるほどです。 自治体によっては、複数のワクチンの同時接種時には、専用の予診票が準備されているそうです。 どうせ設問内容などは全く同じなのだから、複数のワクチン接種のために書く予診票は1枚で良いはずです。 「ワクチンデビューセット」とか「満3カ月セット」みたいな、わかりやすいセットの予診票がいいですね。 熊本でも早く採用していただきたい。 |
小児の新型コロナワクチン接種者が、これ以上増える気がしない
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- 2022/06/16(Thu) -
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高齢者を中心に「4回目接種」の希望者は多く、当院の7月の予定枠はかなり埋まってきました。
ファイザーの供給量が少なくモデルナ主体になるので、それを嫌がる方が一部、接種を見合わせています。 しかし副反応の心配よりも、少しでも早い接種を望む方が、高齢者には圧倒的に多いようです。 それとは対照的に、小児(5〜11歳)の接種が低迷しているのは、先日も書いた通りです。 少しでも接種数を増やそうと、熊本市の予約規定やシステムが変更されます。 予約日に制限を設けず、1回目接種も2回目接種も、接種間隔を守ればいつでも予約できるようになります。 また医療機関へのワクチン供給量の上限も撤廃され、医療機関は何人にでも接種できるようになります。 これで、予約が取れないために希望通りの接種ができない小児はいなくなるはずです。 ですが残念なことに、そもそも接種希望者がいません。当院への問い合わせも、最近はほとんどありません。 振り返ってみると、接種開始前の3月には、多くの熱心な問い合わせをいただきました。 勢いを感じて当院では、熊本市の接種開始日よりも1日前倒しして、3月27日(日)から接種を始めたほどです。 その後の接種希望者の出現具合を、「イノベーター理論」になぞらえると、次のようになります。 待ってましたと、初日の接種に24人の予約が入りました。これはある意味「イノベーター」な方々です。 その後の1カ月で、約30人の予約が入りました。これを「アーリーアダプター」としましょうか。 ところが、その後が続きません。「アーリーマジョリティー」も「レイトマジョリティー」も不在。 世の中の大半は、「ラガード」つまり「様子見」を決め込んでいる人たちなんですね。 夏休みの接種希望者も、いまのところ現れません。問い合わせゼロです。 残念ながら、予約を取りやすくしても接種率が改善するとは思えません。問題はもっと深刻なのです。 |
「4回目接種」後の副反応は過去最強、というわけでもない
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- 2022/06/15(Wed) -
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私自身が新型コロナワクチンの「4回目接種」を受けて2日たちました。まずはその経過報告から。
2日前の接種当日の夜、上腕部から肩にかけての痛みが始まり、翌日さらに強まり、今朝まで続きました。 ただ、寝返りを打って左側臥位で寝ることは可能でした。これは3回目接種後には不可能だったことです。 そして今日の午前中ふと気が付くと、痛みがほとんど消えていました。突然に改善するんですね。熱なし。 熊本市から当院へ配給される、8月接種分の4回目接種用ワクチンの量(接種可能上限量)が通知されました。 当院は、かかりつけの方への接種数を計算して、ファイザー84人分、モデルナ135人分を申請していました。 ところが通知された配分量は、ファイザー30人分、モデルナ135人分。ファイザー大幅削減。モデルナは満額。 これは6月・7月も同様でした。なのでいま予約を受け付けている方は原則として、モデルナの接種となります。 接種希望者の方の反応は、(1)モデルナでもかまいませんよ、(2)ファイザーがいいですね、の2通り。 モデルナOKの方は、接種券が届いてなくても、当院での予約が確定し、接種日時を決定していきます。 一方でファイザー希望の方は、わずかな配給数でやりくりすることになり、接種予定日は決めにくくなります。 3回目でファイザーを接種した際に副反応が強かった方の、4回目接種に対する考え方は、3つに分かれます。 (1)こんどはモデルナを打ちたい:妥当な考え方 (2)やはりファイザーを打ちたい:モデルナを接種したら、もっとひどい副反応が起きそうなので (3)もう、打ちたくない:そのような方には、無理強いはしません |
「4回目接種」開始
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- 2022/06/13(Mon) -
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新型コロナワクチンの「4回目接種」が始まっています。当院でも今日から、接種を開始しました。
その対象となるのは、3回目接種から5カ月以上を経過して、次のいずれかを満たす方です。 (1)60歳以上 (2)18〜59歳で、(A)基礎疾患を有するか、(B)新型コロナの重症化リスクが高いと医師が認める者 当院では今日、6人に接種を行いました。私自身も(1)の「高齢者枠」で接種しました。 4回目接種に限っては、たとえ医療従事者でも基礎疾患が無ければ、59歳以下の方は接種できない規則です。 コロナ病棟や発熱外来に従事する者よりも、高齢者や重症化リスクのある方への接種が優先されています。 ワクチン接種の目的が、感染予防ではなく重症化予防であることが、ここに来て明確になってきたわけです。 でも感染リスクよりも重症化リスクを重要視するのであれば、若者への3回目接種勧奨とは若干矛盾します。 「2回目きつかったし、コロナ罹っても軽いなら3回目は接種しない」という若者の意見は至極真っ当です。 新たな理論で開発されたばかりのワクチンが、治験もそこそこに、世界中で猛然と接種し続けられています。 私は基本的にはワクチン推進派ですが、このような激流に身を任せ続けて良いものか、時々考えてしまいます。 しかし他人に接種を勧める以上、とりあえず自分が打っておかねばと、本日率先して接種したところです。 さて、4回目接種後の副反応は3回目と比べてどうなんでしょうね。あー、そろそろ腕が痛み始めました。 |
HPVワクチンの勧奨接種再開はたぶん、コロナのおかげです
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- 2022/06/11(Sat) -
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HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種の積極的勧奨が差し控えられて9年。もうそんなにたちますか。
世界中で幅広く、粛々と、平然と接種が行われているこのワクチンを、日本人だけが忌避し続けてきました。 最近になってようやく勧奨再開となりましたが、現時点では、接種希望者が急増している雰囲気はありません。 それでも、キャッチアップ接種の希望者はそこそこいます。これからだんだん増えていくのでしょう。 日本人は、理屈よりも情緒の国民性。科学的事実よりも、衝撃的な映像などメディアの影響を強く受けます。 メディアは、そんな国民や各種団体に「ウケ」の良い報道を垂れ流し、あるいは扇動します。 国は、メディアや団体から叩かれるのを嫌い、また過去の判例にとらわれ、事なかれ主義の無策に徹します。 女性を子宮頸がんから守らなければならないことの重要性は、昨今どうしても無視できなくなってきました。 根拠をもって勧奨を止めたワクチンの接種を、一転して推し進めるためには、何かきっかけが必要です。 しかし、ワクチンの成分も有効性も安全性も9年前と同じ。何か新事実が出てくるとも思えない。 そんな時に、突如として現れたのが、新型コロナウイルス感染症であり、新型コロナワクチンなわけです。 日本人は、たとえ副作用があっても有用ならと争うようにワクチンを接種しました。筋肉注射にも慣れました。 この新型コロナワクチンの登場は、HPVワクチンの再開に向けての、追い風どころか神風に近いものでした。 |
小児のコロナワクチン接種はあわてない
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- 2022/06/10(Fri) -
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「感染した後の子どもと比べて抗体の値は高く、発熱などの副反応が出る割合は大人より低かった」
5〜11歳の子どもへの新型コロナワクチン接種について、そんな有効性と副反応のデータが公表されました。 メリット(抗体値の上昇)>デメリット(副反応の頻度)、なのだから「接種の意義はある」という結論です。 ところが、いかんせん、接種率が低すぎます。2回目の接種率は、昨日の発表では14.9%とのこと。 努力義務が課されていないこの年齢層に対して、国や自治体は「積極的勧奨」もできず、もどかしいところ。 なので今回のデータ公表は、科学的な有益情報による「間接的勧奨」を目論むものかもしれません。 ですが世の中の親御さんの不安はおそらく、「発熱などの副反応」だけではないはずです。 もっと後になってわかるかもしれない重大な副反応など、将来への未知の影響があれこれ心配なのです。 小児では罹患してもたいてい軽症なので、不安を感じたままでワクチン接種をする気になれないのです。 私は発熱外来で子どもの感染者を何人も見てきたので、ワクチン接種に対しては積極的に準備してきました。 これまでに、500人分以上のワクチンを確保(予約)しました。ですが、実際に接種したのは約50人です。 この50人の親御さんの多くは、前々から接種の意思を表示され、予約開始を待ち望んでいたような方々でした。 そのような「積極派」の接種がひととおり終わってしまうと、その後の新規予約者がほとんどいません。 ぽつんぽつんと小児の接種希望者が現れますが、人数がまとまらなければ接種予定が組めない問題もあります。 今では私も、小児への接種は「時機を待つ」ことにしました。とりあえず高齢者への4回目接種に全集中です。 |
B型肝炎ワクチン、一部の製剤が品薄です
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- 2022/06/02(Thu) -
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KMバイオロジクス製のB型肝炎ワクチン『ビームゲン注0.5mL』の、出荷調整が行われることになりました。
このワクチンに「想定を上回る注文」が入り、すべての受注に対応できない状況になったからだといいます。 B型肝炎ワクチンを製造しているのは、KMバイオロジクス(KMB)とMSDです。 KMBの「ビームゲン」にも、MSDの「ヘプタバックス–II」にも、0.5mL製剤と0.25mL製剤があります。 ビームゲンは薬液が薬瓶に入った「バイアル製剤」であり、ヘプタはシリンジに入った「シリンジ製剤」です。 バイアル製剤は、接種前にバイアルから薬液を「必要量だけ」吸い出して使用しなければなりません。 一方でシリンジ製剤は、そのシリンジを使ってそのまま接種できるメリットがあります。 接種量は、10歳以上が1回0.5mL、10歳未満は1回0.25mLなので、小児の定期接種に使う用量は後者です。 正確な統計データは知りませんが、私の感覚では、このワクチンの接種対象は圧倒的に小児です。 でも、小児用量である0.25mLの製剤が不足しているのではなく、いま品薄になっているのは0.5mL製剤です。 実はこの「需要偏重」の原因には、思い当たるフシがあります。 ワクチンの値段(納入価格)は、0.25mL製剤と0.5mL製剤とでは、あまり変わらないのです。 おそらく、薬液自体のコストの差よりも、バイアルやパッケージや流通コストの方がずっと大きいのでしょう。 よって、たとえば小児2人へは、0.5mL製剤を使って0.25mLずつ吸い出して接種を行うのが一般的です。 この「節約策」は、一度針を刺したバイアルを24時間以内に使い切るのであれば、正式に認められています。 ただし、シリンジ製剤(ヘプタ)ではこの手法が使えません。使えるのは、KMBの0.5mL製剤だけなのです。 というわけで、このワクチンが大人気となり、注文が増えたのだと私は推測しています(個人の意見です)。 だったら、出荷調整などするよりも、0.5mL製剤を大幅増産してくれた方が、よっぽど嬉しいですけどね。 |
税金のクレジットカード納付あれこれ
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- 2022/05/27(Fri) -
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今月末に納付期限を迎える税金が、いろいろあります。今日はまとめて納付しました。
「法人税」と「地方法人税」と「消費税」は、「国税クレジットカードお支払サイト」から納付しました。 とても簡単です。 「法人県民税」と「法人市民税」は、納付書を使わなければ振り込めません。これは遅れてますね〜。 「固定資産税」は、熊本市の方は「熊本市納付サイト」から、1期から4期分まで全部、カード払いしました。 残念ながら菊陽町の分は、カード払いに対応してません。金融機関で振り込みました。菊陽町、遅れてます。 「自動車税」は、昨年までは熊本県のサイトから「Yahoo!公金支払い」を使ってカード納付していました。 それが今年度からは、スマホ決済アプリ「モバイルレジ」を使えと、いうことになっています。 さっそくiPhoneにインストールして、バーコードを読み取らせようとしたら、ピントが合いません。 県のサイトにも、最上段の「重要なお知らせ」のところに、 「主にiPhone 12 Pro MAX及びiPhone 13 Pro MAX上でバーコードが読み取りづらいというお問い合わせをいただいております」 と書いてある。私のはiPhone 13 Proであって「MAX」ではないのですが、たぶん該当するようです。 おそらく、このアプリがまだ、新しいカメラの仕様に適合していないのでしょう。 このような場合は、ブラウザ版「モバイルレジ」を使え、とあります。 ブラウザ版を使うのであれば、iPhoneではなく、カード番号等の入力が容易なMacを使うことにしました。 バーコードをiPhoneで撮影してエアドロ(AirDrop)でMacに飛ばす手間はかかりましたが、無事完了。 税金のクレジットカード納付は進んでいますが、サイトやアプリの統一がとれていませんね。今後の課題です。 |
運動不足の人、集まれ!
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- 2022/05/26(Thu) -
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新型コロナワクチンの4回目接種が昨日から始まり、その様子が報じられています。
一番乗りで4回目が接種できるのはほぼ、12月までに3回目を済ませた「60歳以上の医療従事者」です。 私は来月中旬に接種を受ける予定です。接種が本格化するのは、概ね7月以降でしょう。 前にも書いたように、4回目の接種対象はかなり限られています。3回目接種から5カ月以上経過した人のうち、 (1)60歳以上 (2)18〜59歳で、(A)基礎疾患を有するか、(B)新型コロナの重症化リスクが高いと医師が認める者 感染時の重症化予防がワクチン接種の主な目的なので、重症化しやすい者が対象になっているわけです。 ワクチンが足りないからなのか、今回の接種対象は少し厳しく規定されています。 厚労省のQ&Aによると(分かりやすくするために一部改変)、 問①:余剰ワクチンが発⽣した際でも、基礎疾患のない60歳未満の⼈に接種してはならないのか。 答①:接種を⾏わないでください。 問②:余剰ワクチンに限って、4回⽬接種対象外の者に接種した場合は、公費負担の対象となるか? 答②:公費負担の対象となりません。 問③:4回⽬接種の対象者外である者に,本⼈が接種を強く希望し、接種した場合,間違い接種になるか。 答③:間違い接種の扱いとなります。 取り付く島もない杓子定規な回答です。ずいぶん前の、新型インフルエンザワクチンの時を思い出します。 ただ「医師が重症化リスクの⾼いものと認めた者」という対象規定があり、医師の裁量が認められています。 厚労省のQ&A(下記)をみると、なかなか「応用範囲」が広いようで、助かります。 問:「重症化リスクが高いと医師が認める者」として想定しているのは、どういった方か。 答:(前略)身体不活動(いわゆる運動不足)といった生活習慣がある方も重症化しやすいとされています。 |
いよいよ明日から、4回目接種
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- 2022/05/24(Tue) -
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「新型コロナワクチンの4回目の接種が25日から始まります」と報じられてますが、慌てる必要はありません。
すぐに4回目接種をしたい人に、「お待たせしました。始まりますよ」と伝えているだけの話ですから。 3回目接種から5カ月経った、60歳以上か基礎疾患のある18歳以上の方が対象です。若い人にはほぼ無縁の話。 その若い人の中には、「何度も接種したくないから、2回目で止(と)めてます」と言う人すらいます。 当院のかかりつけの対象者の中にも、4回目を希望する人とそうでない人とで、かなり「温度差」があります。 4回目を打ったら、次は5回目、6回目と、ずっと打たなきゃならなくなるんでしょう?、と問う方がいます。 ちょうど「高血圧の薬って、飲み始めたら一生飲むことになるんでしょう?」と尋ねたい気持ちと似ています。 その答は私にはわかりませんが、とりあえず今回はどうします?と訊くと、やっぱり打ちます、となります。 市から割り当てられたワクチンは、前にも書いたように、ファイザー42人分、モデルナ210人分です。 ほとんどの方にモデルナを打つことになりますが、一部の方はかたくなに、ファイザーを希望されます。 そこらへんの配分は、なんとかしましょう。不安なままで接種しても良くないですから。 一方で小児用のファイザーは、かなり大量のワクチンを確保できましたが、いかんせん接種希望者がいません。 こんなことでは小児用ワクチンの大量廃棄が起きそうですが、なぜか小児用は有効期限が長いのです。 そんなこんなで、発熱外来とワクチン接種を並行して進める日々が続きます。いい加減に終わって欲しい。 |
「4回目接種」も、当院分は市のサイトからは予約できません
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- 2022/05/20(Fri) -
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新型コロナワクチンの「4回目接種」は、当院での接種を希望する方の予約がずいぶん集まってきました。
ワクチンの供給量が少ないので、当院で3回目を行った方に限定して、来院の都度、予約を受け付けています。 4回目接種の対象は、60歳以上か18歳以上の基礎疾患のある方なので、毎月通院されている方がほとんどです。 熊本市から昨日、市のサイトの「4回目接種実施医療機関一覧」に掲載するかどうかを尋ねる文書が来ました。 実は3回目までは、当院は掲載をしていませんでした。かかりつけ限定接種なので掲載の必要がないからです。 ただ、1回目のとき、「先生のところは接種されないんですね」と尋ねる、かかりつけの方がいました。 あるいは、「先生のところで接種できないので、別のところで予約を入れました」という方もいました。 市のサイトに掲載していないと、当院が接種自体をしていないように見えてしまうんですね。 かかりつけの方に接種する旨を院内に掲示していても、それだけではなかなか周知できないようです。 おそらく、患者さんのお子さん方(=若い方)が、気を利かせてネット検索などをするのでしょう。 ということで、誤解を防ぐために、4回目接種は熊本市のサイトの一覧に掲載することにしました。 ただし市のサイトからは予約できません。あくまで、当院が接種を行っていることを周知するための掲載です。 |