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インフルエンザワクチンは、10月に接種しても早すぎません
- 2020/09/25(Fri) -
インフルエンザワクチンは、当院では今週から接種を開始しています。並行して予約も受け付けています。

厚労省の「お願い」に従って、今シーズンは65歳以上の高齢者の接種を優先しています。
しかしさいわい、すでに十分量のワクチンを確保できたので、高齢者以外の接種も開始したというわけです。

10月からは、ワクチン相互の接種間隔の制限が、注射生ワクチンどうしの場合を除いて、撤廃されます。
なので、不活化ワクチンであるインフルエンザワクチンは、他のワクチンとは無関係に接種を計画できます。
とくに定期接種が立て込んでいる乳幼児において、これはとても助かります。

たとえば昨年までは、インフルを10月に接種するために9月の生ワクチン接種を延期するケースもありました。
でも今シーズンは、定期接種もインフルも、それぞれ必要なタイミングで接種できるようになるわけです。
なので、お子さんのインフルエンザワクチンは心おきなく、10月に1回目の接種を受けましょう。

ところで保護者の方から、10月に接種するのは早すぎませんか、という質問をよく受けます。

たしかに、ワクチンの効果は接種後2週間でピークとなり、その後は徐々に低下することがわかっています。
約5カ月で効果が消えるとも言われ、春先のインフル流行を考えたら10月の接種は早すぎると思うのでしょう。

しかしとくに13歳未満のお子さんの場合、10月接種でも決して早すぎないと考える私の回答は、こうです。
(1)1回目が10月でも、2回目の接種を11月に行う事で、免疫は春先まで十分に保たれます
(2)昨年のように11月に流行する場合もあるので、1回目は10月のうちに接種しておいた方が無難です
(3)13歳以上(1回だけ接種)の方でも、春先のことを心配する前に、真冬のインフルに備えるべきです

医学的観点からは、1回目の接種による免疫が少し消えかける頃に2回目の接種をするのが、いちばん効きます。
たとえば、ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンを4週間以上の間隔で行うのは、そのような理由もあります。

なので理屈では、早めに1回目を接種し、流行にさしかかったらすぐ2回目を接種する、というのがベストかも。

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今年はマジで、インフルエンザワクチンは早めに接種しましょう
- 2020/09/21(Mon) -
この冬は、インフルエンザと新型コロナが同時流行するかも、などと不気味なことが懸念されています。
もしもそうなったら、昨年のインフルシーズンと比べて何が違うのか、それを考えてみました。

いま、軽い風邪症状では医療機関を受診しない方が増えています。病院でのコロナの感染を心配するからです。
一方で、高熱が出たり風邪症状が長引く方の受診は増えています。コロナじゃなかろうかと心配するからです。

例年の冬なら、突然高熱が出て倦怠感の強い方は、ほぼインフルエンザでした。検査しなくてもわかります。
症状がややマイルドで、インフルかどうかはっきりしない方には、鼻腔に綿棒を入れて検査をしていました。

今年は、高熱=インフルとは決めつけにくく、インフルかどうかは検査で白黒をつける必要がありそうです。
問題は、インフルの検査をする時の検体採取に際しては、患者さんからの飛沫を浴びやすいということです。

例年、少々飛沫を浴びても、あまり気にしていませんでした。私がインフルに罹らない自信があったからです。
しかし今年、インフル疑いの患者さんが実はコロナだった場合、私はその飛沫を浴びて濃厚接触者になります。

そんな事態を防ぐためには、すべてのインフル検査を、防護具を着けて行わなければなりません。
駐車場で、車の窓を介して検査を行うのがよさそうですが、それでは診察の精度が落ちるかもしれません。

さらに言うなら、インフルエンザが陽性だったからといって、コロナではないという保証もありません。

もうまったく、やりにくいシーズンを迎えそうです。なので今年のインフルエンザは例年以上に、予防が大事。
悪いことは言いません。早めにワクチンを接種しましょう。(10月26日まで待つのは、オススメできません)

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「封印」を廃止しただけで10日早められたワクチン出荷
- 2020/09/19(Sat) -
インフルエンザワクチンについて、「今年は製造から出荷までの期間が短縮した」と、昨日書きました。
これはおもに、「国家検定」に伴う「封印」が廃止されたためです。

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」
という厚生労働省令が、6月30日に施行されました。
国家検定を簡略化して医薬品を早く流通させる目的の省令改正ですから、コロナ禍との関連もうかがえます。

たとえばワクチンは、製品を封印した後、一部サンプルを国立感染症研究所に申請、検定が行われてきました。
その国家検定に合格したら、封印が解かれ、検定合格した旨と合格年月日を容器に印字し、出荷となります。

今回その封印が廃止されたので、検定中にメーカーは包装準備を進めることができ、出荷が早まったわけです。
その結果、医薬品卸から医療機関への納入も早まり、当院にも例年より約10日ほど早く、昨日届きました。

せっかく届いたのなら早く始めようと、当院では明日から、インフルエンザワクチンの随時接種を始めます。
予約サイトも明日立ち上げるので、予約接種は明後日からになります。いずれも過去最も早い接種開始です。

なるべくなら、当院かかりつけの方の接種を優先したいのですが、ネット予約システム上の設定が難しい。
かかりつけの方のご家族も優先したいし、今後かかりつけになる方にも便宜を図りたいたいからです。
というわけで、まずは真っ先に、当ブログで告知した次第。
明日からは、診療予約サイト(アイチケット)に掲載し、院内にも掲示物を貼る予定です。

なお、65歳以上の方の接種(定期接種)は、規定により10月1日からですので、今月中の接種はできません。
国が進める高齢者への接種が、国の規定によって9月中にはまだ始められないのは、なんとも皮肉な話です。

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インフルエンザワクチン、今年は早めに接種を開始できそう
- 2020/09/18(Fri) -
インフルエンザワクチンの接種は、例年10月1日から、ネット予約の受付は9月20日ごろに開始しています。
毎年のことですが、予約受付の開始時点ではまだ、ワクチンの入荷が確定していません。
薬品卸の担当者の、たぶん9月28日〜30日には入荷するという見込みを信じて、見切り発車しているのです。
実際、9月30日にようやく入手できた年もあり、ホントに毎年ヒヤヒヤしてきました。

今シーズンは、コロナとの同時流行に備える意味でも、ワクチンの供給量(製造量)が増える見込みです。

「過去最大だった昨年の使用量と比較すると、約12%多い」なんて厚労省は言ってますが、オカシな話。
今年の「供給量」を昨年の「使用量」と比較するとは、いかにも官僚が考えそうなトリックですね。
今年の「供給量」は昨年の「供給量」と比べて約7%多いと言えば良いのに、どうしても誇大表示したがる。

例年、国内で製造されたインフルエンザワクチンが100%使われることはありません。その理由は、
(1)必要な場所にうまく供給されない:ワクチンが足りない医療機関と、ワクチンが余る医療機関ができる
(2)必要なタイミングで供給されない:供給の出足が遅いので、希望者への接種が流行に間に合わない

需要のある医療機関に滞りなく供給されるとは限らず、あちこちでワクチンの不足と余剰が起きています。
ムダの無い供給が理想ですが、毎日のインフルエンザワクチンの接種者数は、完全には予測できません。

接種予約者数とまったく同数のワクチンだけ入手して自転車操業的に接種するなど、怖くてできません。
インフルエンザワクチンには時々「検定落ち」という地雷があり、いきなり供給が中断したりするのです。
それに、高齢者や予約漏れの方への救済的な接種も必要なので、完全予約制というわけにもいかないのです。

さいわい今シーズンは、製造から出荷までの期間が短縮したので、思いのほか早くワクチンを入手できました。
前述した(2)については、今年は心配無いかもしれません。当院での予約受付も、もうすぐ開始です。

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インフルエンザワクチンの高齢者優先は、冗談ではないようです
- 2020/09/13(Sun) -
「65歳以上の方(定期接種対象者)以外の方は 10月26日まで接種をお待ちください」

厚労省は本気で、今シーズンのインフルエンザワクチンの接種に優先順位を付けようとしています。
ワクチンが「より必要とされている方に確実に届くように」との配慮らしいですが、浅慮としか思えません。

高齢者の接種はそう多くないと、私は予想します。でも国は、いったん決めたこの原則は変えないでしょうね。
新型インフルのとき、妙な優先順位のせいで接種が流行に間に合わなくなった、あの失策を繰り返すようです。

厚労省はどうしても、疾病の予防よりも、ワクチン不足による混乱を予防したいのです。
このことはちょうど、疾病の予防よりも、ワクチンの副作用を防ぎたいことと同じです。

たしかに例年、10月はワクチンが不足がちです。現場では、予約数ギリギリの供給量で接種をこなしています。
そこへ国が大々的に高齢者優先だとぶち上げるのであれば、例年通りの予約取りではマズいかもしれません。

昨シーズン、当院で接種した65歳以上の方は、10月42人、11月65人、12月15人、合計122人でした。
これが今年は倍増するとしても250人。10月に集中したからといって、ワクチン不足が起きるとは思えません。
それなのに、10月1日〜25日までの貴重な25日間を、高齢者だけの接種期間に限定してしまうのは無謀です。

「お示しした日程(26日まで待て)はあくまで目安であり、前後があっても接種を妨げるものではありません」
と厚労省も言ってるので、優先順位はあくまで「お願い」であって、強制力は無いようです。それは良かった。

当院の予約サイトには今年、次の様な記載をして、厚労省の要請にある程度は応じようと思っています。

・今シーズンのインフルエンザワクチンは、65歳以上の高齢者の方への定期接種を優先します。
・高齢者はなるべく10月中に接種できるよう、ワクチンを準備しています。早めにご予約ください。
・その分、64歳以下の方のネット予約枠を例年よりも少なく設定していますので、ご了承ください。

これで許してもらえますよね。もちろん、ネット予約枠の設定は、高齢者の接種数を見ながらの臨機応変です。

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インフルエンザ予防接種の予約サイト立ち上げ準備中
- 2020/09/08(Tue) -
インフルエンザワクチンは、例年通り当院では10月1日から接種を開始する予定で、ただいま準備中です。
ただし今シーズンはいくつか注意点があるので、今日はその予約サイトの文面の書き直しをしました。
そこで今日は、今季特有のインフルエンザワクチン接種上の注意点について、ご案内します。

(1)コロナ禍を考慮して、例年よりも早めに接種しましょう
インフルエンザとコロナの同時流行の可能性も考慮して、できることは早めに手を打っておきましょう。
厚労省は、今年は高齢者は10月初旬から接種せよと、従来とはだいぶ異なるアナウンスをしています。
1回接種の高齢者に接種を急ぐより、2回接種が推奨される子どもの方が優先だと思うのですけどね。
まあ、厚労省の言ってることに強制力はなさそうなので(今のところ)、とにかく早めに接種しましょう。

(2)他のワクチンとの接種間隔を気にする必要はなくなりました
来月から、ワクチンどうしの接種間隔の規定が(一部例外を除き)撤廃されます。インフルは自由に打てます。
他の定期接種ワクチン等とインフルエンザワクチンは、それぞれ独立して接種計画を立てられるので楽です。
当院では、インフルはネット、定期接種は電話での予約をお勧めしています。もちろん、同時接種も可能です。

(3)ワクチンが一時的に足りなくなる可能性はあります
今季はワクチンが少し増産されると先日書いたばかりですが、最初のうちは供給量が不足するかもしれません。
流通上の問題です。ワクチンって、製造会社と販売会社との関係が複雑で、しかもよく変化するので困ります。

つねに最新情報を得られるようにアンテナを張って、何でも早めに計画すれば、だいたい上手くいきます。

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ロタウイルスワクチンの接種控えを防ぐ規定が、すごく残念
- 2020/09/02(Wed) -
子どもの予防接種の料金は、ほとんどの自治体で「定期接種」は無料、「任意接種」は有料です。
どのワクチンも感染症予防が目的ですが、無料か有料かで接種のモチベーションが違います。

定期接種ワクチンの種類は、近年少しずつ増えています。
ずっと任意接種の地位に甘んじていたワクチンが、ある時点から定期接種に昇格する日が来ます。
定期接種というお墨付きが与えられただけでなく、接種が無料になることで接種率が格段にアップします。

もうじき定期化される(=無料になる)ことがわかっているワクチンは、その日まで待ちたくなるのが人情。
これが「接種控え」です。このことの問題点は、これまでにも何度か書いてきました。

ロタウイルスワクチンは、ようやく10月から定期接種となります。つまり、無料になります。
今回はとくに、接種控えを防ぐために、接種対象者は8月1日生まれ以降、という規定が付いています。
これによって、7月までに生まれたお子さんは、10月以降の接種分を含めて、すべて任意接種の扱いです。

ところが私は、7月以前の生まれでも、2回目の接種が10月以降なら定期接種扱いだと勘違いしていました。
その誤った情報をお母さんに伝えて、10月からは無料になりますよと、ぬか喜びさせてしまいました。
接種控えを防ぐための規定を、うっかり忘れていたのはいけませんでした。さっそく電話して訂正しなければ。

しかしそれにしても、ロタウイルスワクチンは、定期接種化が決定してから実施までに1年もかかっています。
決定したからにはできるだけ迅速に、接種対象は最大限に広くするのが、予防接種の本来の趣旨でしょう。
接種控えを防ぐようなルールを設けるのではなく、接種控えをしなくても済むような制度設計をすべきです。

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インフルエンザワクチンの、増産幅がケチすぎる
- 2020/08/29(Sat) -
インフルエンザワクチンの、供給量と使用量の年次推移のグラフは、見れば見るほど興味深いですね。
とくにこの10年間、比較的安定している様に見えて実はそうでもない。現場の苦労がにじんできます。

平成22〜27年までの6年間(前期とする)は、供給量2900〜3300万本程度で、使用量は2400〜2600万本。
平成28年から昨年までの4年間(後期)は、供給量2600〜3000万本程度で、使用量は2500〜2800万本。

政策によって供給量が格段に減らされた後期に、ワクチン使用量はむしろ増えたことに注目すべきです。
供給は減ったけど需要はむしろ増えたので、医療現場では苦労してワクチンをかき集めて接種したのです。

ワクチン使用率を単純計算すると、前期の76〜86%に対し、後期は95〜96%と、まるで違います。
流通経路や全国の医療機関での不均等な在庫も考慮すれば、95%というのはほぼ限界に近い使用率でしょう。
実際昨シーズンは多くの医療現場で、ワクチンを接種し尽くして欠品騒ぎが起きました。

しかしそれでも、どこかに在庫が残っているので、フタを開けてみたら日本全体では接種率95%となりました。
厚労省はコレをみて、まだ5%も余ってるじゃないか、とうそぶくのです。現場での問題はわかってるのに。

今シーズンは、コロナとの兼ね合いも考慮してワクチンは増産させ、供給量3178万本が見込まれています。
しかし、昨年の2964万本と比べれば、わずかに7%増えた程度。ケチな増やし方です。
今年はインフルエンザをしっかり予防しましょう、というスタンスでありながら、増産幅はたったこの程度。
ちょうど良い需給バランスのはずだ、という厚労省の机上の空論に基づく政策なのです。
ワクチンは、余っても健康問題は起きませんが、足りないと健康被害が出るんですけどね。

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インフルエンザワクチンに妙な優先順位を規定するのはやめてほしい
- 2020/08/27(Thu) -
コロナ禍の渦中、今季のインフルエンザワクチンが不足せぬよう、接種の優先順位が提案されています。
インフルとコロナの区別が困難でもあり、インフルエンザワクチンの需要が高まる可能性があるからです。

厚労省の審議会(予防接種基本方針部会)で示された、優先的な接種対象者および接種を呼びかける時期は、
(1)65歳以上の高齢者(等)に対しては、10月前半から接種
(2)医療従事者、基礎疾患を有する方、妊婦、生後6カ月〜小学校2年生に対しては、10月後半から接種

この書きぶりだと、小学3年以上は11月以降に接種せよという風に読めますが、そんなバカな話はありません。

インフルワクチンの接種回数は、13歳未満は2回、13歳以上は原則1回、65歳以上は1回、という規定です。
1回目と2回目の接種間隔は、できれば4週間程度あけたほうが効果的だとされています。
なので12歳以下の子どもは、1回目を10月に、2回目の接種を11月にするよう、私は推奨してきました。

ところが今回、小学3年以上の接種開始を遅くするのなら、子どもたちの免疫獲得は確実に遅くなります。

前述の(2)は、日本感染症学会の提言に基づくものだといいますが、それは提言の趣旨とは異なります。
提言では、インフルでは年少児対策が重要だとしながらも、小児全体への予防接種を推奨しているからです。

インフルエンザの流行を少しでも阻止したいなら、小中学校での感染拡大を防がなければなりません。
高齢者はともかくとして、小児の優先対象を小学2年で区切るような中途半端なルールはやめていただきたい。

ワクチンの優先接種順位や供給量において、厚労省の机上の空論はしばしば、現場を混乱させるばかりです。

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「同時接種」はOKなのに、「同日接種」はダメなのか?
- 2020/08/01(Sat) -
同時に複数のワクチンを接種する「同時接種」によって、何か特別な副反応が起きることはありません。

しかしつい最近まで、同時接種を嫌うのは被接種者(の保護者)の方だけでなく、そんな先生方もいました。
万一、接種後に副反応が起きた場合に、どのワクチンが原因かわからなくなるというのが、その理由のひとつ。
でもそれを言うなら、混合ワクチン(MRとか4種混合とか)だって同じこと。理由になりません。

とくに乳児に早く免疫を獲得させるためには、効率の良い同時接種が必要で、いまでは当たり前になりました。

今年10月からは、異なるワクチンどうしの接種間隔の規定が、原則として撤廃されます。
現行制度では、不活化ワクチンの接種後は1週間、生ワクチン後は4週間ほど、他のワクチンが接種できません。
しかし新しい規則では、注射生ワクチンどうしでなければ、接種間隔にはいっさいおかまいなく接種できます。
たとえば、今日、水痘ワクチンを接種して、明日、日本脳炎ワクチンを接種することも可能です。

接種間隔の制限撤廃で接種計画の自由度が格段に上がるので、これもまた速やかな免疫獲得のために有益です。

欧米ではワクチンの接種間隔に制限がないのに、日本ではずっと、接種間隔が厳しく制限されてきました。
ワクチンの副反応を確認するための期間が必要だ、というのがその理由。副反応が気になってしかたないのか。
病気を早めに予防することよりも副反応を減らすことの方を重要視する、いかにも日本流の考え方です。

さて、同じ日に別の医療機関等で複数のワクチンを接種する「同日接種」については、いまだにグレーです。
副反応が起きた時の責任の所在が曖昧になる、という理由もあるでしょう。しかし考えてみてください。
次の日に別の医療機関でワクチンを接種するのがOKになるのに、同日がダメな根拠なんてあるのでしょうか。

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コロナよりも怖い病気を、まず予防しましょう
- 2020/07/20(Mon) -
コロナ禍によって医療機関の受診控えが起きていますが、それは子どもの予防接種の接種率にも表れています。

「NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会(VPDの会)」が最近公表した集計結果によると、
・0歳児の予防接種は、肺炎球菌ワクチンやロタウイルスワクチンの接種率低下以上に、BCGが大幅に低下した
・1歳児のワクチンも、定期のMRワクチンや任意のおたふくかぜワクチンともに、接種率低下が続いている

とくにBCGについては、集団接種の延期や大人のBCGワクチン接種による供給不足が考えられるとのこと。
BCG接種が新型コロナの感染予防効果があるという話が出たため、大人が接種する例があったのでしょうか。
たしかに当院でも、成人のBCG接種の問い合わせはありましたが、しかし実際に接種したケースはありません。
熊本では集団接種も行っていないので、VPDの会の集計結果には疑問を感じました。

ならばと、当院の予防接種データベースで、昨年3〜5月の接種件数と今年3〜5月の件数を比べてみました。
対象ワクチンはVPDの会と同様に、0歳児の肺炎球菌1回目とロタ1回目とBCG。それに1歳児のMRワクチン。

その結果、肺炎球菌ワクチンは昨年の48%減、ロタは61%減、BCG27%減、MRワクチンは53%増でした。
これはひどいですね。例数が少ないので統計学的有意性はないとしても、0歳児の接種控え傾向は明らかです。
ただし、肺炎球菌やロタに比べるとBCGの落ち込みは少なく、VPDの会のデータとは一致しません。
またMR1期接種に至っては、今年の方がむしろ件数が増えていましたが、その理由はよくわかりません。
もしかすると、コロナ禍が長引くと見越して、早めに接種する人が多かったのかもしれません。

定期接種対象のなかでも、ヒブや肺炎球菌や百日咳は、乳幼児が感染すると命にかかわりかねない感染症です。
だからこそ、0歳からの定期予防接種が規定されているのです。コロナを恐れるよりも先に恐れるべきです。
どのクリニックでも、乳幼児の予防接種においては、しっかりとコロナ対策を行っているはずです。
だから安心して、受診してください。まずは、いちばん怖い病気を予防しましょう。

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新HPVワクチン「シルガード9」が登場したけど、導入はどうなる?
- 2020/06/29(Mon) -
「シルガード」で検索しようとしたら、「汁ガード」に変換されて少し脱力しました。
気を取り直して「シルガード」でググると、今はまだ、「南蛮しっくい シルガード」がトップに出てきます。

新しいHPVワクチンを調べたいのであれば、「シルガード9」で検索するのがオススメです。
申請から5年経過してようやく先月、厚労省の部会が製造販売を承認。いまは正式承認待ちの段階です。

現在、いちおう定期接種として使われているHPVワクチンは、「サーバリックス」と「ガーダシル」です。
日本では諸問題が提起されたため、WHO等からの非難にもめげず、「積極勧奨接種」が止まっています。
「定期接種だけど接種は勧めませんよ」という、厚労省の意味不明な態度のため、接種率は1%以下です。

幅広い型のHPVに効くように、4価ワクチンのガーダシルをパワーアップして、9価にしたのがシルガード9。
ちなみに4価とか9価というのは、4つあるいは9つの型のHPVに効く、という意味ですね。
海外では「Gardasil 9」という名称ですが、日本では前後ひっくり返して「シルガード 9(Silgard 9)」。
「シル(扁平上皮内病変;SIL)」から「ガード」する、というのが命名の由来。ガーダシルでも同様です。

欧米では、数年前からGardasil 9を導入しているので、日本は周回遅れよりもさらに遅れています。
市民団体やメディアの反対にめげて消極的な態度が続く厚労省なので、シルガード9の正式導入も不透明です。
HPVワクチンの積極勧奨を止めている手前、同種のワクチンを新規導入しにくい面もあるでしょう。
ワクチン名を変えたのも、従来のワクチンとは別物のように印象づける、小手先の策かもしれません。

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新型コロナ流行のいま、とりあえず接種しておきたいワクチンとは
- 2020/06/05(Fri) -
新型コロナウイルス感染に対しては、世界中の研究機関や製薬会社が、ワクチンの開発を進めています。
私たちが普通に接種できるようになるのは、数か月後か数年後か。いずれにせよ待ち遠しいですね。

ではそれまでは、指をくわえて待っているだけかというと、違います。別のワクチンを接種する手があります。

およそ100年ほど前、インフルエンザが世界中で流行して数億人が感染し、数千万人の死者を出しました。
いわゆる「スペイン風邪」です。その命名の由来は、最近テレビでもよく解説されているので割愛します。
そのときの死者の多くは、肺炎球菌の「二次感染」による死亡だったことが知られています。

新型コロナにそのまま当てはまるわけではありませんが、二次感染に注意すべきであることは同じです。
少なくとも中国での死者の一定数には、二次性細菌性肺炎が関与していることが指摘されています。
そしてこのような場合、原因菌の大半は「肺炎球菌」であることも、経験上わかっています。

であるならば、今のうちに高齢者用肺炎球菌ワクチンを接種しておくことは、医学的に正しい考え方でしょう。

この肺炎球菌ワクチンは通常、高齢者や免疫が低下している状態の方に、接種が推奨されています。
しかし、コロナに感染すること自体が免疫の低下状態とみれば、肺炎球菌感染の予防は誰にでも有意義なはず。

肺炎球菌ワクチンの定期接種は、5年間の経過措置の接種率が低すぎたので、二巡目の接種が行われています。
この経過措置を利用するなら、今年度65歳以上の5の倍数の年齢になる未接種の方は、今がチャンスです。

コロナに罹る前に、ダッシュで肺炎球菌ワクチンを接種しておきましょう。いつでもご予約ください。

定期接種対象でなくても、2歳以上なら誰でも、高齢者用肺炎球菌ワクチンを任意接種することができます。
接種の効果は5年続くといわれ、また、5年以内の再接種は副作用が強く出るので原則としてできません。
そういえば私は今年度還暦を迎えます。今年任意接種して、5年後に定期接種という作戦もアリか。

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子どもの予防接種は、対象年齢・月齢になったらすぐ受けましょう
- 2020/05/09(Sat) -
自粛ムードの中、子どもの予防接種だけは控えることがないようにと、各種団体等が啓蒙活動をしています。
ワクチンの接種は決して「不要不急」ではなく、「必要至急」なものです。
なので接種対象年齢に達したら、なるべく早めに接種することをお勧めします。
感染症を予防するための手段ですから、ワクチンの接種を遅らせて得られるものは何もありません。

乳児期に接種するワクチンは定期接種だけで13接種分ありますが、重大な感染症予防のためには全部必須です。
これにロタウイルスワクチンを加え、日本脳炎ワクチンも0歳で開始するとすれば、全部で18接種になります。
誕生日が来たら、すぐにMRワクチンなどを接種したのち追加接種が続き、1歳児では全部で8接種あります。

他の医療機関でも同様とは思いますが、子どもの予防接種は一般診療とは別の、専用の時間帯に行っています。
なのでコロナウイルス感染の危険は少ないはずですが、院内感染を防ぐためには十分な工夫が必要です。

無症状で元気な子どもやその保護者でも、新型コロナに感染している可能性は常に考えなければなりません。
被接種者どうしが接近することも、念のため避けなければなりません。本当に面倒なことになったものです。

新型コロナウイルスのワクチンは、いま世界中で開発が進められています。とても待ち遠しいワクチンです。
それと同様に、現在定期接種をしているワクチンにも、悲惨な疫病を駆逐または減らしてきた歴史があります。
目の前のコロナを恐れるあまり、別の重大な感染症の予防をないがしろにするのは、本末転倒です。
いま、やれることをやれる順にやるのであれば、まずは定期接種を規定通りに受けることでしょう。

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新型コロナに効くかどうかはともかく、BCGの接種には要注意です
- 2020/04/12(Sun) -
「BCGが新型コロナに効く」という情報がありますが、いま成人が接種して有効かどうかはわかりません。

日本では、BCGは0歳児の定期接種ワクチンです。当院でも毎月7〜10人の乳児に接種を行っています。
その接種方法は独特で、「管針法(かんしんほう)」という、いわゆる「ハンコ注射」をします。
管針というのは、9本の針が円筒形のプラスチック容器に植え込まれた、小さな「剣山」みたいな器具です。

ワクチン液を皮膚に塗布しておき、そこへ管針を押し当てると、刺さった針先でワクチンが微量接種されます。
上腕中央部に2カ所並べて接種するので計18個の針痕が並び、接種の1カ月後頃にもっとも赤く腫れます。
その後は徐々に白っぽく目立たなくなりますが、それでも一生残る瘢痕なので、接種時には気を遣います。

絶対にしてはならないのは、ワクチン液を普通の注射器で普通のワクチンのように皮下注射することです。
大量のワクチン液が体内に入るので、その反応はすさまじく、皮膚がひどくただれて悲惨なことになります。

最近、成人へ皮下接種した事例が報じられました。新型コロナ対策の目的で行ったと思われる、過誤接種です。
きっと醜い瘢痕が残ることでしょう。一生消えません。被接種者にも接種医にも、痛いことになりましたね。

日本でBCGを製造してるのは、「日本ビーシージー製造」1社だけです。
接種するのはおおむね、その年に生まれた赤ちゃんだけなので、製造数もその程度で計画されているはず。
ところが先月末の出荷数は通常の3倍に急増したそうで、怪しげな発注が多数含まれている可能性があります。
すでに東京や大阪では、欠品になっているという噂も聞きます。

当院の在庫定数は5本。約半月分の使用数です。熊本ではまだ発注できるようですが、今後どうなることやら。
基本的に乳児用のワクチンです。おかしな使い方をする医者が増えないよう、祈るばかりです。

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ヒブワクチンが突然出荷停止となり、乳児の定期接種に大打撃
- 2020/01/30(Thu) -
乳児の定期接種ワクチンのひとつ「ヒブワクチン」が、供給停止のために接種中断の危機に瀕しています。

コトの発端は昨年12月。ヒブワクチン溶解用注射器の針に「さび」が発見されたことでした。
ワクチン本剤の不良ではありませんが、接種時には必ず用いる専用の注射器のため、問題となります。

ただし、たった1件の事例だったので、製造工程での突発的な事象として、ワクチンの出荷は続けられました。
念のため、注射針の状態や溶解液の色について目視で良く確認するように、という通知が出されました。

ところがその後、同様の事象が複数件報告されるに至り、今週になってメーカーは製品の供給を中止しました。
これによってヒブワクチンは、医療機関と薬品卸の在庫が切れた時点で、完全に枯渇することになります。

不良品の率がきわめて低いため、原因究明がなかなか難しく、時間を要すと考えられています。
メーカーは、来月末頃に供給の見通しを示す予定だといいますが、出荷再開がいつになるのかは不明です。

いずれにせよ、乳児の予防接種計画には大打撃です。規定通りに接種を勧めていくことは、ほぼ不可能です。
厚労省は、追加接種まで計4回の定期接種のうち、1回目と2回目の接種を優先するようにと言っています。
言い換えれば、ワクチンを節約するために、3回目以降の接種は見合わせてくれということです。

この重要なワクチンの接種をきちんと完了できないのは、子どもたちをを危険にさらす非常事態ともいえます。
予防接種では、時々こういうことが起きます。ワクチンの供給量が需要ギリギリだからなのでしょうね。
コスパばかりを考えず、ワクチンはもう少し余裕のある製造・輸入と備蓄が必要だと思います。

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勧奨再開はあるのか
- 2020/01/25(Sat) -
年度末が近づくと、学年単位で接種するように規定された定期予防接種の、駆け込み接種が始まります。
麻しん/風しん混合(MR)ワクチン第2期がその代表ですが、実はHPVワクチンもそうです。

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の定期接種の対象学年は、小6〜高1、となっています。
全3回の接種を、規定内の最短間隔で接種しても、3回目の接種は1回目の4カ月後となります。
つまり、高1の方は11月中に接種を開始しなければ、3回の接種をすべて定期接種(無料)にはできません。
さらにいうなら、2月中に接種を開始しなければ、2回目の接種すら任意接種(有料)となってしまいます。

任意接種だとバカみたいに料金の高いワクチンなので、どうせ接種するなら定期接種の対象期間中に限ります。

やがて厚労省が積極的勧奨を再開した場合、暫定的に特例接種対象を設けて、救済する可能性はあります。
定期接種が始まってすぐに積極勧奨差し控えとなったので、特例対象学年はかなり広い年齢幅となるでしょう。

同様の特例接種が、いま日本脳炎ワクチンで行われていますが、しかし事情はずいぶん異なります。
日本脳炎ワクチンは、新しいワクチンが開発されたことを根拠に、積極勧奨の差し控えが解除されました。
一方でHPVワクチンは、これまでと同じワクチンに対して、積極勧奨の差し控えを解除することになります。

前例踏襲を重んじる官僚が、はたして何を根拠に方針転換の決定を行うことが出来るのでしょう。
ワクチン接種を推奨する医学的知見はヤマほどあったのに、これまで動かなかった厚労省ですからね。

「すみません。判断を誤っていました。やはり接種すべきです」なんて事が言えたら、たいしたものですが。

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ワクチン行政動く?
- 2020/01/18(Sat) -
厚労省が昨日発表した文書に、ワクチン行政の方向性がまとめられていたので、少々けなしながらご紹介。

(1)HPVワクチン
「ワクチン接種後に生じた症状」に対しては、科学的解釈と心情的対応の両論併記ですか。変わってませんね。
積極勧奨再開の突破口になりそうな知見が出ているのに、どうしても心情面が気になって動けないようです。

(2)おたふくかぜワクチン
現行のMRワクチンに混合する形の「MMRワクチン」として、何年も前から検討ばかりが続いています。
どうしても安全性の方が問題になるようです。来年の通常国会には、法令改正案を提出するとかしないとか。

(3)帯状疱疹ワクチン
このワクチンはさすがに副作用を恐れる必要はありません。すでに小児に定期接種してますから。
厚労省の心配はコスパ。でも、ワクチンの有用性を必ず経済効果で評価する発想って、どうなの。

(4)不活化ポリオワクチン
1歳までの接種完了では免疫が長期維持できないため、5回目の接種が検討されていますが、議論が続きます。
そのあたりの対応の鈍さが、日本のワクチン後進国ぶりを露呈する典型例です。

予防接種に関する施策の基本的な方向として、厚労省は以前から次の2つを掲げています。
・ワクチンで防げる疾病は予防すること
・予防接種の効果とリスクについて、科学的根拠を基に比較衡量する

そして「衡量」した結果、ワクチンの効果よりもリスク回避の方を優先してきたのが日本のワクチン行政です。
ワクチンで防げるはずの子宮頸がんやムンプス難聴を見過ごしてきたツケは、決して小さくはありません。

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予診票の刷新を
- 2020/01/09(Thu) -
熊本市の、子どもの定期予防接種の予診票が、最近ますます「改悪」されて、書きにくくなってますね。

まず、医師のチェック欄の枠のサイズが、周辺には余白があるのに、とても小さくなっています。
おそらく、機会読み取りする部分だけを大きく、その他は小さくしたのでしょうけど、小さすぎです。
医師が記入する欄は、十分に大きくしてもらわなければ、私のように困る人間が多いと思いますけどね。

ワクチン名は最上部に記載されており、その上に余白が少なく、バインダーで挟んだら見えなくなります。
以前の予診票ではワクチン名がもう少し下に記載されていたので、クリップで隠れることはありませんでした。
近頃は同時接種が当たり前ですが、ワクチン名が見えない数枚の予診票が並ぶと、とても混乱します。

どうしてこのような、現場の実務を無視したデザインにするんでしょうね。考えが及んでないのでしょうか。

「予防接種番号」は、予防接種の予診票に記入する重要な番号ですが、なにかと問題があります。
「親子健康手帳交付番号」とソックリな番号なので、混同する方が後を絶たないことは、前に書いた通り。

予防接種番号は9から始まる9桁の番号ですが、予診票には1桁目の「9」だけがすでに印字されています。
したがって被接種者は、2桁目から記入すれば良いのですが、それで手間が省けたと喜ぶ人はいないでしょう。
むしろ書き間違いや混乱の元です。印刷してある「9」を無視して9桁の予防接種番号を書く方もいます。

同時接種が当たり前になった現在、いちばん望まれるのは、同時接種用の一括予診票ですね。
複数のワクチンの予診票が1枚で済めば、書くのも見るのも楽。一部の自治体ではすでに実現しています。

今年10月から、ロタウイルスワクチンが定期接種化される予定です。
6カ月未満の乳児が接種するワクチンは、同時接種の組み合わせがほぼパターン化します。具体的には、

(1)2カ月時:ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタの1回目
(2)3カ月時:ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタの2回目+4種混合の1回目
(3)4カ月時:ヒブ・肺炎球菌・(ロタの3回目)+4種混合の2回目
(4)5カ月時:4種混合の3回目+BCG

このうちせめて(1)〜(3)の予診票を一括化していただきたい。刷新するならまさにこの機会でしょう。

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接種間隔の制限撤廃へ
- 2019/12/25(Wed) -
「異なるワクチンの接種間隔」についての規定が、ようやく見直されることになりそうです。
予防接種法の一部改正(案)に関する「パブリックコメント」募集案件が、昨日厚労省から出されました。

現行の「予防接種法第5条第1項」で規定された、ワクチンの接種間隔をまとめると、こうです。
(1)不活化→不活化 :7日間隔
(2)不活化→生 :7日間隔
(3)生→不活化 :4週間間隔
(4)生→生 :4週間間隔

これが、以下のように、シンプルになりそうです。
(1)不活化→不活化 :間隔に制限なし
(2)不活化→生 :間隔に制限なし
(3)生→不活化 :間隔に制限なし
(4)生→生 :4週間間隔(注射生ワクチンの場合のみ。経口生ワクチンの場合は間隔に制限なし)

注射による「生ワクチン→生ワクチン」のときだけ4週間間隔で、それ以外はすべて制限が撤廃されます。
画期的と言えば画期的ですが、諸外国では当たり前の規定。日本が遅れているだけです。

でもこれで、例えばMRワクチンを接種した翌日に、インフルエンザワクチンの接種ができるようになります。
ロタウイルスワクチンは、他のワクチンの接種日程とは無関係に、接種日を設定することもできます。

厚労省が、現行の(1)〜(3)の制限を撤廃する理由が、ウケます。科学的根拠がないからだと。
いやいや。何年も前からわかってたことなのに、今ごろになってどうしちゃったの厚労省。ま、いいけど。

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インフルと同時接種
- 2019/12/23(Mon) -
インフルエンザワクチンと他のワクチンとの同時接種を、当院では推奨しています。
今日も、MRワクチンや日本脳炎ワクチンをインフエンザワクチンと同時接種したお子さんが、数名いました。

インフルエンザは、この時期には誰もが気にしているワクチンです。
一方で定期接種ワクチンは、保健所からの勧奨ハガキが届いた直後でもない限り、接種のことを忘れがちです。
たとえばMRの第2期は、接種期限である年度末が近づいた今でも、未接種の方がけっこういます。

そういったお子さんへの定期接種を促す機会として、インフルエンザとの同時接種がうってつけなのです。

当院でのインフルエンザワクチンの接種は、原則として専用サイトからのネット予約で受け付けています。
ただし、同時接種がある場合には、ネット予約ではなく電話で予約してもらうことにしています。
前にも書いたように、他のワクチンとの同時接種は、ネット予約枠とは別の時間帯に行うようにしたのです。
これは、予約の詰まったインフルエンザワクチンの接種を、できるだけスムーズに実施するためです。

この方式は割とうまくいったと思いますが、問題があるとすれば、たとえば兄弟の同時接種のときです。
1人がインフルのみ、もう1人が同時接種あり、という場合に、兄弟が同じ時間帯に接種できないのです。
実際には、うまく調整してやりくりしていますが、そのようなケースがとても多く、今後の課題です。

全体を通してみると、10月上旬の接種予約率の低さが、毎年のこととはいえなかなか改善できませんね。
その時期だけ安くする「早割」の導入を考えたこともありますが、それはそれで混乱を招きかねません。
料金の値引きは、いかに工夫したところで必ず誰かの不満を生み、苦情の元になるのです。経験済みです。

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ワクチン接種と流行期
- 2019/12/21(Sat) -
インフルエンザは、熊本県・熊本市ともに、すでに注意報レベルの流行期に入っています。
例年だと注意報が出るのは1月か2月なので、今シーズンはかなり早い流行です。

もっとも、当院に限ればすでに警報レベルの患者数で、とくに小学高学年から中学生が多い印象です。
本日インフルと診断された子どもたちは、終業式までには登校できず、早くも長い冬休みに突入しています。

例年、10月から開始するワクチン接種とその後の流行が、ちょうど入り交じるのが12月です。

ただし今シーズンは早い流行が予測されたため、可能な限り早めの接種をオススメしてきました。
すでに今日までに1,349人に接種をしましたが、これは昨シーズンの全接種数よりも100人多い数値です。
まだまだ接種を続けたいのですが、接種から診療に重点を移すため、ネット予約はすでに先週終了しています。
もちろん、ワクチンの在庫がある限り、希望者への接種は続けます。

ネット予約枠は、10月中旬以降ずっと満杯でしたが、10月上旬はガラガラでした。その理由はおそらく、
・10月上旬にはまだ、インフルエンザの予防接種をしようという切迫感がない
・あまり早く接種をすると、春先まで予防効果が持続しないのではないかとい心配する

私のオススメの接種時期(2回接種の場合)は、こうです。
・1回目:流行が早くても間に合うように、10月上旬に。この時期なら予約も取りやすい
・2回目:そのシーズンの流行具合を考慮して、11月の上旬から下旬で調整。

ワクチンの効果持続期間を心配するよりもまず、流行に間に合うように接種するのが先決です。

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消極的勧奨の推進?
- 2019/12/12(Thu) -
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)は、国が動かないかわりに、自治体レベルで動きが起きています。

「定期接種の対応について、市町村長は、接種の積極的な勧奨とならないように留意すること」

厚労省は6年半前に、このような「積極的勧奨接種差し控え」の勧告を、各都道府県知事に出しました。
「定期接種としては継続するけど積極的には接種を勧めるなよ」という、実に不可解なものです。

日本中の自治体がこの勧告にビビって盲従し、対象学年に達した子らへの接種勧奨通知を中断しています。
おかげで対象者や保護者は、このワクチンの定期接種がもはや中止になったのかと、勘違いしています。

そうではありません。HPVワクチンは今でも定期接種です。世界中で接種されている重要なワクチンです。
日本で毎年1万人が罹患し3千人が死亡している子宮頸がんを予防するための、とても大事なワクチンです。

科学的(医学的)に考えたら、積極的勧奨接種の差し控えは愚の骨頂。でも国は動かない、いや動けない。
メディアや市民団体等におされて決定した措置とはいえ、その決定を覆すためには何か理由が必要なのです。

さいわい、積極的勧奨はしないということですから、裏を返せば、消極的勧奨は可能だという解釈ができます
この「盲点」を突いて、やんわりと勧奨を始める自治体が、最近になって次々に出てきました。

「あなたは定期接種の対象年齢ですよ」と連絡する程度の「情報提供」を、対象者に送付するようです。
「あなたは定期接種の対象年齢ですけど、それ以上は何も申しません」という、ギリギリのニュアンスです。
「あとはあなたが決めてください。定期接種の対象なので、いま接種すれば無料ですけどね」的に。

消極的勧奨を積極的に推進する自治体の動きを国が黙認するという、妙な形ができるのでしょうか。
ホンネと建て前を使い分けた、実に日本的な問題解決法とも言えますが、理想にはほど遠いものです。
まあ、どんなやり方であれ、このワクチンの接種が市民に周知されて接種率が回復すればいいわけですけどね。

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発破をかけられるか
- 2019/11/26(Tue) -
「循環器内科」を掲げている当院には、狭心症や心筋梗塞を心配して受診される方が時々います。
共通しているのは「胸痛」です。そして、そのほとんどの方の最終診断はたいてい、逆流性食道炎です。

前にも書いたように、病状や病歴と心電図所見で、それが心臓の痛みかどうかは、あらかた見当はつきます。
そこで逆流性食道炎に効く胃薬を処方し、経過を見ることにしますが、ほとんどの方は、その胃薬で治ります。
最近は、切れ味の良い胃薬があり、それを飲めば逆流性食道炎かどうかがすぐわかるので、助かっています。

一方でワクチンは、感染症にすぐ「効く」わけではなく、またその「予防」効果を実感することもできません。

インフルエンザワクチンを接種した方は、その後インフエンザに罹る場合もあれば罹らない場合もあります。
しかし罹ってしまった方は、ワクチンが効かなかったのだと実感し、その後のワクチン不審につながります。
一方で、インフルエンザに罹らなかったかといって、それがワクチンの効果かどうかは誰にもわかりません。

予防接種の効果は結局、医学的な理論と統計学的な解析という「理屈」によってのみ、判定できるわけです。

ところがワクチン接種後に発症した「事象」は、理論や統計はどうであれ、副反応だと疑われる宿命です。
その典型例が「HPVワクチン」であることは、当ブログの読者であればよくご存じのことでしょう。

理屈よりも心情を重んじるのが日本人の特質なので、「被害者」が出ると反ワクチンに傾きやすいのです。

そんな中、三原じゅん子氏が今日、「HPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す議員連盟」を立ち上げました。
なにかと批判を浴びている三原議員ですが、子宮頸がんで子宮全摘した方ですから、この件は注目に値します。

「政治が何かを動かしていかなければ、子どもたちの命や子宮が守れない」と三原氏は決意表明しています。
フリーズしてしまっている厚労省を揺り動かすには、こういう爆薬(毒薬?)が有効なのかもしれません。

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HPVワクチンいま接種
- 2019/11/24(Sun) -
「HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)」の定期接種対象学年は、小学6年から高校1年までです。

「まだ接種してるのですか?」とか「任意接種ですよね?」という、やや認識不足な質問を時々受けます。
なにしろ国が積極的勧奨を中断しており、したがって公的には誰も推奨していないワクチンですからね。

インフルエンザワクチンの接種にやってきた小6から高1の女の子(の保護者)には、必ず勧めています。
「毎年1万人の女性が罹患し、そのうち3千人が亡くなっている病気を防ぐために、有効なワクチンです」と。
「いまでも定期接種ワクチンです。無料で接種できます。任意接種したら5万円かかりますよ」とも。

任意接種料金は余計かもしれませんが、しかし5万円という金額はかなり大きく、インパクトはあります。

啓蒙活動が奏功したのか、最近になってHPVワクチンの接種希望者がチラホラ現れています。
もっとも切迫している接種対象者は、高校1年生(相当)のお子さんです。

このワクチンは3回接種するのですが、最短の間隔で接種しても、全部で4カ月ほどかかります。
したがって高1の場合、定期接種を完了するためには今月(11月)中に接種を始める必要があります。
もうあと1週間しかありません。事態は極めて切迫しているのです。今すぐにでも接種を開始しましょう。

後になって、接種を逃した対象者を救済する措置(特例接種の設定)が講じられるかもしれません。
同様の特例接種は、かつて積極的勧奨接種を中断したことのある日本脳炎ワクチンで、いまも行われています。

しかしHPVワクチンは、接種年齢に「旬」があり、あとで特例接種しても間に合わない可能性があります。
それがわかっているはずの厚労省は、勧奨接種を中断したことの責任を、どのようにとるつもりなでしょう。

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チメロサールフリー
- 2019/11/06(Wed) -
ワクチンに含まれることの多い保存剤「チメロサール」は、かつて自閉症との関連が疑われたことがあります。
科学的にはすでに完全に否定された学説なので、皆様には安心して接種を受けていただけます。
しかし、過去の誤った議論が一種の風評被害としてくすぶっており、いまでも懐疑的な見方をする人がいます。

現在では、ワクチンのメリットがチメロサールのリスクを上回る、という考え方が一般的です。
しかし一部には、ワクチンのメリットよりもチメロサールのリスクの方が重大だと考える人もいます。

そこで例えばインフルエンザワクチンには、チメロサールフリーの製剤も、製造販売されています。
さらにそれを受けて、「当院のワクチンはチメロサールを含有していません」と宣伝する医療機関もあります。
チメロサールフリーでなければ接種しない、という方に安心して接種してもらうための方策なのでしょう。

しかし、医師がチメロサールフリーワクチンを推奨すると、一般の方は混乱してしまいます。
じゃあやっぱり、チメロサールは危険なんじゃないの、と思われても不思議はありません。

そもそも、チメロサール含有製剤と非含有製剤が混在していることが、よく考えたら混乱の元凶なのです。
チメロサールフリー製剤を販売するのであれば、この際チメロサール含有製剤の方を完全撤廃してもらいたい。
反チメロサールや反ワクチン感情には、客観的な理屈を超えたものがあり、科学では対処しきれませんから。

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乳児のインフルワクチン
- 2019/10/29(Tue) -
インフルエンザワクチンは、規定上は0歳6カ月から接種を受けることができます。
しかし当院ではこれまで、原則として1歳に近い月齢の乳児にのみ、限定的に接種を行ってきました。

0歳児への接種にあまり積極的ではなかった理由は、乳児ではインフルワクチンの効果が弱いからです。

生ワクチンは弱毒化したウイルスであり、体内で増殖して免疫系を刺激するので、強い免疫が獲得できます。
一方で不活化ワクチンは不活化したウイルスなので体内で増殖せず、誘導される免疫も弱いものとなります。
それでも、ウイルス全体を不活化精製した「全粒子ワクチン」はまだ、ある程度の免疫反応を引き起こします。
しかし、ウイルスの一部のみを精製した「スプリットワクチン」では、体内での免疫反応はごく弱いものです。

インフルエンザワクチンはかつて全粒子ワクチンでしたが、発熱などの副反応が多く、嫌われました。
その副反応を減らすべく、厚労省はスプリットワクチンへと方針転換し、現在に至ります。

当時の開発者によれば、「副反応がなければ効き目などはどうでもいい」というのが国の考え方だったとか。

残念ながらスプリットワクチンには、すでに免疫獲得済の抗体産生細胞を刺激する程度の効果しかありません。
つまり現在のインフルワクチンは、過去にインフル感染歴がなければ、ほとんど無効だということです。

そのような理由で、乳児への接種にはあまり積極的ではありませんでしたが、今シーズンは考えを変えました。
0歳6カ月以降であれば、すべての希望者に、原則として制限無く接種を行っています。
なぜなら、今回接種しておけば来シーズンの接種が2回目となり、多少でも効果が増えると思うからです。

いずれにせよ乳児への接種効果は弱いので、そのほかの家族がしっかりと予防することが肝要です。
当院では、家族全員がワクチンを接種することが、乳児へのインフルワクチン接種の条件となります。

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インフル接種専用枠
- 2019/10/27(Sun) -
インフルエンザワクチンを接種しつつ、また別の時間帯にはインフルエンザ患者の診療を行うような日々です。
昨日はまだ流行期ではないと書きましたが、やはりいま、まさに流行期に突入しつつあることを実感します。

予防接種の最大の目的は、感染症の予防です。感染する前にワクチンを接種しなければ、間に合いません。
なので一般に、ワクチンは対象年齢(月齢)になったらなるべく早く接種するのが寺田の鉄則です。
また、予防接種を効率よく進めてできるだけ早く完了するためにの有効な手段が、同時接種です。

ときどき、同時接種には懐疑的(不安)な方がいらっしゃいます。その気持ちはわかります。
しかし、同時接種の安全性と優位性を丁寧にご説明することで、多くの方が納得して接種を受けられます。

当院は以前から、インフルエンザワクチンと他の定期接種ワクチンとの同時接種を推奨してきました。
そうすれば何度も来院する必要がなくなり、早めの接種完了が見込めるからです。
延び延びになっていた日本脳炎ワクチンを、インフルエンザのついでに接種する、なんてこともできます。

しかし、同時接種をすれば接種に時間を要し、全体の流れが悪くなってしまうデメリットがあります。
インフルエンザワクチンは、ネット予約の接種時間枠をギチギチに設定しているので、時間のズレは問題です。

そこで今年はネット予約枠をインフル専用とし、その枠内での同時接種は原則として行わないことにしました。
おかげで、インフル接種はとてもスムーズになりましたが、定期接種にどうしてもしわ寄せが来ます。
今年のやり方はたぶん、少し修正する必要がありそうです。そんな感じで毎年、試行錯誤が続くのです。

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インフルと他のワクチン
- 2019/10/26(Sat) -
「今年はインフルエンザの流行が早いらしいですね」「そうみたいですね」
インフルエンザワクチンの接種をしながら、あるいは一般診療中にも、しばしばこのような会話になります。

ところが、国立感染症研究所の報告によれば、定点あたり報告数は必ずしも増えておらず、むしろ減ってます。
沖縄を除いてまだまだ報告数は少なく、今年の流行が早いなどと言うこと自体が、時期尚早なのでしょうか。

それでも、やはり早めに接種を行った方がよさそうな雲行きです。
2回接種をする12歳以下のお子さんはとくに、1回目の接種はとりあえず、早めに済ませた方がよさそうです。
1回接種の成人の方にも、今シーズンは10月中の接種をオススメしているぐらいですから。

その成人ですが、例の風疹第5期接種の対象者では、インフルエンザワクチンとの接種間隔が問題となります。

MRワクチンという生ワクチンを接種してしまうと、次のワクチンが接種できるのは4週間後になるからです。
風疹対策は大事ですが、インフルエンザワクチンの接種をみすみす4週間も先延ばしたくはありません。
一方で、先にインフルエンザワクチンを接種した場合には、その1週間後にはMRワクチンの接種ができます。
そこで当院では、インフルエンザワクチン接種の予定がある方には、MRより先に打つように勧めています。

実は、そのような接種間隔の規定は、日本独自の「ローカルルール」です。医学的根拠はありません。
そもそも不活化ワクチンは他のワクチンとは影響しないので、接種間隔を気にする必要などないのです。
現に海外では、不活化ワクチンを接種した翌日に別のワクチンを接種したりしています。

この非科学的なルールを見直す動きが厚労省内部にもありますが、その実現には時間を要すでしょうね。
ならばせめて、インフルエンザワクチンだけでもいいから、接種間隔の規定を撤廃してくれませんかね。
他のワクチンとの接種間隔をまったく気にしなくても良いのなら、どれほど接種計画が楽になることか。

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年長児のワクチン
- 2019/10/25(Fri) -
「いま、年長児が接種すべきワクチンは何でしょう?」と問われたら、何ワクチンだと答えますか?

(1)インフルエンザワクチン
ひっかけ問題です。年長児でなくても、この時期には最優先で接種すべきワクチンだと思います。

(2)麻しん/風しん混合(MR)ワクチン第2期
定期接種としては、真っ先に思いつくのがコレ。まだ接種していない方は急ぎましょう。

(3)おたふくかぜワクチンの2回目
1歳の時に1回接種しただけって方がとても多い。通常は2回接種します。2回目は4〜6歳がオススメです。

(4)3種混合ワクチン(DPT)
定期接種としては、ポリオ(IPV)を加えた4種混合ワクチン(DPT-IPV)を、0歳で3回、1歳で1回接種します。
しかし1歳の時の接種の数年後には免疫切れを起こすので、年長児頃の追加接種(任意)が推奨されます。
4種混合ワクチンの5回目の接種が認められていないので、DPTとIPVを別々に接種する必要があります。

(5)不活化ポリオワクチン(IPV)
日本では4種混合ワクチンとして1歳までに4回接種したら終了しますが、そんな先進国は、他にありません。
なぜなら、4歳以降に追加接種をしないと、長期間の免疫が維持できないことがわかっているからです。
欧米のほとんどの国では、0歳で2〜3回、1〜2歳頃に1回、4〜7歳以上で1回以上接種しています。

最近、不活化ポリオワクチンの通算5回目の接種をしたいという、年長児の問い合わせがありました。
われわれの啓蒙活動不足に加えて任意接種の料金も高いので、このような接種希望者はまだ少数派です。

厚労省も数年前から、不活化ポリオワクチンの第2期接種(=通算5回目の接種)を検討しています。
しかし、もっと急ぐワクチン(ロタおたふくかぜワクチン)の導入検討が優先されるのはやむを得ません。

でもそれなら、いい加減になんとかして欲しいのは、HPVワクチンの積極的勧奨接種の再開でしょう。
インフルエンザワクチンを接種しに来た女子中学生にはHPVワクチンも勧めていますが、反応は鈍いですね。

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ワクチンいつ打つ?
- 2019/10/06(Sun) -
インフルエンザワクチンの接種を始めています。
さいわい、現時点ではワクチンの供給に不安はないので、時間枠の許す限り、接種予約を受け付けています。
予約専用サイトの管理画面を見ると、土日枠はかなり埋まっていますが、平日にはだいぶ空きがあります。

例年、もっとも混み合うのは11月です。でも今年はそのピークを10月に持って来たいところです。
どうやら今シーズンはインフル流行が早そうなのです。近隣の小中学校では、学級閉鎖も出始めています。

ワクチンの接種時期に関して、例年よく尋ねられる質問があるので、この場を借りて回答させていただきます。

(1)風邪を引いたが接種できるか?
どのようなワクチンであれ、体調不良のときに接種するのは有効性の面でも安全性の面でも問題があります。
しかし他のワクチンとは異なり、インフルエンザワクチンは旬のモノ。あまり延期すべきではありません。
結局は、風邪の症状や経過を総合的に判断して、接種の可否を決めることになります。

(2)抗生剤を飲んでいるが接種できるか?
そもそも、抗生剤で治療するような感染症は、ワクチンの接種を行う前に治しておくべきです。
とくに、他院で抗生剤等の処方を受けたばかりの場合は、接種を見合わせることが多いですね。
抗生剤を飲むとワクチンが効かなくなるわけではなく、その感染症の経過自体を少し見守りたいのです。

(3)早く接種しすぎると、シーズン後半で効果が切れないのか?
まったく本末転倒な疑問です。日本人にはどうも、メリットよりもデメリットを先に考えるタチがありますね。
ワクチンの効果切れを懸念するよりも、接種が流行期に間に合うかどうかを心配して欲しい。

(4)いったい、いつ接種するのがいい?
「いまでしょう」というのが、冗談抜きで正解。とくにお子さんは、なるべく早く1回目を打ちましょう。
2回接種するお子さんの場合、1回目と2回目の間隔は4〜6週間ほど空けた方がよく効くとされています。
しかし、流行期が迫っていることを考慮すると、2回目を11月中には済ませたい。
となると1回目は、今月前半に接種するしかありません。これホントです。

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ロタワクチン定期化決定
- 2019/09/27(Fri) -
ロタウイルスワクチンは、来年10月から定期接種になることが決まりました。
有効性も安全性もコスパも、ひととおり検討が済んだわけですが、なお実施まで1年待たせるんですね。
それならば無料接種までのつなぎとして、とりあえず接種費用の助成を開始してくれるといいんですけどね。

ところで、ロタウイルスワクチンの接種を行う上で、問題がいくつかあるようです。私が興味深いと思うのは、

(1)2種類のワクチン(ロタリックスとロタテック)の互換性の問題
米国では、両者のワクチンを組み合わせても、計3回接種すればよかろう、という考え方になっています。
組み合わせ接種による安全性と有効性については、厚労省もおおむね(やむを得ず)認めています。
ただ、これまでずっと組み合わせを禁じてきた手前、前言を撤回するための理屈をこね回してるのが笑えます。
日本は里帰り出産が多いから1回目と2回目の接種では医療機関が変わるのが問題、なんて真面目に言ってる。

(2)ワクチンをすぐに吐き出した場合の再接種(再投与)はどうする
現在、ロタリックスでは再接種を認め、ロタテックでは認めないと、添付文書に明記されています。
両者を組み合わせて接種する場合も出てくるので、現状のままでは整合性がとれないのが、お役所的には痛い。
どうやら定期接種では、再接種を認めない方向のようです。ロタリックスにしてみれば、とんだとばっちりか。

(3)接種控え対策はどうする
ワクチンが無料化になる直前に、わざわざ有料で接種したくないのが人情。いわゆる「接種控え」問題です。
乳児期の重症感染症を予防するのがワクチン接種の目的ですから、接種が遅くなればなるほど危険です。
さらにロタウイルスワクチンは、遅い週齡で接種を開始するほど重い副反応が起きやすい問題もあります。
なので厚労省は、来年8月生まれ以降の乳児だけを、10月からの定期接種対象にしようと考えているようです。

(4)他のワクチンとの接種間隔はどうする
現状では、ロタウイルスワクチンは他の生ワクチンと同様に、他のワクチン接種まで4週間の間隔が必要です。
しかし欧米では、ロタと他の注射ワクチンとの接種間隔には何の規定もなく、自由に接種できています。
厚労省はこの機会に、接種間隔について見直そうという言い始めました。これは珍しく良い話。
さらに他のワクチンでも、欧米にならって接種間隔を緩和しようかという動きさえ出ています。朗報です。

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2巡目でおしまい?
- 2019/09/22(Sun) -
高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種は、5の倍数の年齢の方を対象とした経過措置が、5年間行われました。
65歳以上の高齢者全員に等しく接種の機会が与えられたわけで、対象者の多くが接種する見込みでした。

しかし実際には接種率は思いのほか低く、やむを得ず経過措置が「2巡目」に入っています。マヌケな話です。

接種率が低かったのは、自己負担金が高いことと、日頃の啓蒙活動が不十分だったことが要因でしょう。
それに加えて、接種対象がわかりにくい制度設計にも問題があったと思います。

5の倍数の年齢が対象なのだから、今回はパスして5年後に接種しようと考えた方には、何人も出会いました。
本来、この経過措置は、全高齢者に1回だけ接種機会を与えるように考えられた制度でした。
与えられた機会を自ら手放した方には、もう二度と定期接種の機会は与えられないわけです。

私はそのことを、今回が最初で最後のチャンスですよと、口を酸っぱくして説明してきました。
今回、2巡目の経過措置が始まったのは良かったですが、私の説明は嘘になってしまいました。ま、いいけど。

ただ残念なことに、せっかく2巡目が始まったというのに、それならば接種しようという方は多くありません。
この定期接種制度の啓蒙活動が活発になったとも思えません。これじゃあ5年後には、3巡目に突入するかも。

その反対に先日、65歳の時に接種済なのに、今回70歳で2巡目の定期接種を受けに来られた方がいました。
1回目を他県で接種した後に熊本に引っ越したら、また定期接種の対象者として勧奨のハガキが来たとのこと。
どうやら接種情報が、県をまたいで共有できていないようです。お役所の仕事としてはお粗末ですね。

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なるべくネット予約を
- 2019/09/21(Sat) -
当ブログの読者ならご存じの通り、インフルエンザワクチンのネット予約の受付を、昨日から開始しています。
いまのところ、かかりつけの患者さんを中心に、おもに土日の接種日から予約枠が埋まりつつあります。

昨シーズンまでは、インフルエンザの予約者に対して、他のワクチンの同時接種も積極的に勧めてきました。
しかし同時接種をすると接種全体の流れが悪くなりやすく、しばしば接種時間が大きくズレてしまいました。

そこで今シーズンは、インフルエンザのネット予約枠内では、他のワクチンを同時接種しないことにしました。
もちろん同時接種自体は可能ですが、その場合、インフルエンザワクチンの接種のネット予約はできません。

これはネット予約者の接種の流れをスムーズにして、多くの方の接種を予約時間通りに行うためです。
今回が初めての試みなので、目論見通りにうまくいくかどうかまだわかりませんが、ともかくやってみます。

10月から消費税率が上がりますが、インフルエンザワクチンの接種料金は昨シーズンと同じにしました。
増税分だけ値上げする考え方もありますが、そうすると端数が出て、とても煩雑になりそうだからです。

65歳以上の方へのインフルエンザワクチンの接種(定期接種)は、とても重要です。
なので日頃かかりつけの高齢者の方に限り、通常の診察枠でワクチンの接種を行うことにしています。
これは以前から行っていることですが、ネット予約が難しい高齢者の方への配慮でもあります。

ネット予約をしなくても、インフルエンザワクチンの接種は電話で受け付けますが、料金を高くしています。
料金差を作ることによって、予約をネットへ誘導し、受付の電話がパンクするのを防ぐためです。
でも、現状ではまだ「完全ネット予約制」にするわけにはいきません。今後もずっと、無理でしょうね。

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インフル予約は明日から
- 2019/09/19(Thu) -
明日から、当院ではインフルエンザワクチン接種のネット予約の受付を開始します。接種開始は10月から。

他の多くのワクチンでは、希望者にはいつでも接種できるように、一定数のワクチン在庫を確保しています。
安全のために、「在庫数>予約数」を維持しているのです。

しかし適切なワクチン流通のためには、必要なタイミングで必要な本数だけを入手するという原則があります。
理想的には、「在庫数=予約数」なわけです。

一方で、インフルエンザワクチンは予約者が多いので、必要数をすべて確保しておくことなど到底できません。
つまり、「在庫数<<予約数」です。

実際には、ワクチンの入荷はつねに遅れがちなので、綱渡り的な予約管理を行うことになります。
とくにこの数年、ワクチンがなかなか届かない時期があり、ヒヤヒヤしながら予約を受け付けていました。
さいわい今年は、9月末にはワクチンを入手できることがほぼ確実なので、少し安心しているところです。

9月末に一定数を、10月に入ってからも毎週少しずつ、継続的にワクチンが納入されるよう算段しています。
10月から消費税率が上がるので、できれば今月中にまとめて入手したいところですが、そうもいきません。

毎年苦労はしますが、最終的には「入荷数=接種数」でシーズンを終え、ワクチンが余ることはありません。
もちろん、「入荷数<接種数」となるはずはなく、結局、抑制気味に入荷しているということなのでしょう。

この数年、インフルエンザワクチンの接種について当院は、以前ほどアグレッシブではありません。
冬場の診療が混み合う時期に、ワクチン接種にあまり時間を割きたくないという気持ちもあります。
そのため、なるべく10月に集中して接種を行いたいと考えています。
当院での接種をご希望の方は、早めにネット予約を入れていただけると助かります。早割はありませんけど。

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ロタワクチン定期接種へ
- 2019/09/14(Sat) -
ロタウイルス胃腸炎を予防するワクチンがようやく、定期接種になりそうです。だいぶ待たされましたね。
昨日の厚労省の審議会で、早ければ来年度中には定期接種化する方針が示されたようです。

ワクチンの定期接種化を議論するときに、厚労省がいつも問題にするのは以下の3つ。
(1)有効性、(2)安全性、(3)費用対効果

すでに定期接種が行われている諸外国の状況から、ロタウイルスワクチンの有効性は十分に認められています。
一方で副反応としては腸重積症が知られていて、それを恐れるあまりに日本での定期接種化が遅れてきました。

ワクチンの有効性よりも副作用を重要視する日本人の情緒こそが、日本がワクチン後進国たるゆえんです。

さいわい、最近になってようやく、有効性と安全性については合理的な判断に傾いてきました。
となると、定期接種化の最終段階に立ちはだかるのは、費用対効果の壁ということになります。

国は最近、「ワクチン代があと4千円下がれば費用対効果は改善する」と、メーカーに圧力をかけ始めました。
審議会の詳細な内容は知りませんが、おそらく、ワクチンの価格を下げさせることで解決したのでしょう。

お役人には、「 ワクチン代 < ワクチンの導入で削減できる社会的コスト 」であることが重要なのです。
予防費用の方が治療費よりも高いのであれば、その病気を予防するメリットなし、という品の無い考え方です。
子どもたちを病気から守るためではなく、経済的な損益によって定期接種化を決める国の姿勢は疑問です。

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インフル予約どうする
- 2019/08/25(Sun) -
インフルエンザワクチンの接種は、当院では毎年10月初めから始めています。今年も多分、同じです。
その予約受付は、毎年バタバタしてしまい遅れがちですが、例年9月中には始めています。

開院当初は、インフルエンザワクチンの接種で当院の知名度を上げようと、あれこれ工夫していました。
料金面だけでなく、予約受付を9月1日から開始するなど、今では考えられないほど無理してました。

ただこの数年は、ワクチンの製造量が減って供給が不安定なことから、予約受付はたいてい9月下旬からです。
多数の予約を受け付けたのにワクチンが足りず接種ができません、という事態は避けなければなりませんから。

しかしそれでも、接種予約の受付はワクチンの納品前に始めるしかありません。いつも見切り発車なのです。
そしてこのタイミングの問題が、毎年の苦労の原因となるわけです。

近年、というか以前から、インフルエンザワクチンの被接種者には、当院のかかりつけでない方も多いです。
かかりつけでない方にも接種はしますが、そのせいで、かかりつけの方が予約を取りにくくなるのが問題です。

分け隔てなく誰の予約でも受け付けるべきか、それが毎年の悩みの種であり、トラブルの原因にもなります。

いっそのこと、子どもにしか接種しないことにすれば、かかりつけの割合が増えるかもしれません。
しかしそれでは、その子どものご両親への接種はどうするのかなど、別の問題が生じます。

インフルエンザワクチンの接種というのは、労多くしてほとんど利益の出ない業務です。
それを推進するのは、ひとえに患者さんの健康と便宜のためです。その点をご理解いただけると幸いです。

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B型肝炎ワクチンの危機
- 2019/08/19(Mon) -
B型肝炎ワクチンの定期接種が始まって以来、当院でも毎日のように、赤ちゃんに接種を行っています。
ところが、そのワクチンの供給が、いま危機的状況に向かっています。

現在、国内で使われているB型肝炎ワクチンには、2種類あります。
MSDの「ヘプタバックス」と、KMバイオロジクス(KMB)の「ビームゲン」です。

MSDのヘプタバックスは、その原液製造工程に問題があり、最近まで全世界で製造が止まっていました。
製造工程の改良によって出荷が再開されましたが、日本では薬事手続きが必要となるため供給はまだです。
現在、旧ワクチンの在庫分が流通していますが、10月には完全に品切れになる見込みです。
MSDによれば、日本での流通再開は早くても2020年半ば以降とのこと。だいぶ先の話ですね。

この事態を受けて厚労省は、KMBに対してビームゲンの増産と出荷前倒しを要請しました。
まだ熊本地震の影響も残るKMBの工場がどこまで増産できるか、そこが第1の注目点です。

しかしもうひとつ、薬品卸からの供給問題があります。
当院では最近1年以上は、ほぼヘプタバックスだけを使用してきており、ビームゲンの使用は限定的です。
今後ヘプタバックスが入手困難となれば、ビームゲンを購入しなければなりませんが、それが問題なのです。
薬品卸に発注したところ、ビームゲンの購入実績が1年以上無い当院への納入は難しいと、断られました。

取引実績があれば納入し、実績がなければ納入しない、というのは、この業界では一般的なしきたりです。
このような前歴主義あるいは実績主義が足かせとなって、当院では現在、ビームゲンの手配が困難なのです。

実績がないことを理由に医療機関が不利になることがないよう配慮することを、厚労省も求めています。
しかし、実績がない医療機関にワクチンを融通すれば、その分お得意さんへの供給量を削ることになります。
医療機関も、薬品卸も、お互いに苦しい状況なのです。

さいわい、ヘプタバックスの購入実績はかなりあるので、その在庫分は多めに融通してもらってます。
しかし今後、在庫が枯渇した後にどうなるのか、メドが立っていません。なるようにしかなりませんけどね。

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例示のセンス
- 2019/07/22(Mon) -
毎日毎日、赤ちゃんにワクチンを接種しています。乳児だけでなく幼児や児童にも接種しています。
成人に、麻疹風疹混合ワクチンや肺炎球菌ワクチンを接種することもあります。

子どもたちの場合、実施した予防接種の詳細は、母子手帳に記録することになっています。
所定のページに、日付、ワクチン名、ロット番号と有効期限、医療機関名、接種部位、接種量を記入します。
このうちロット番号と有効期限については、ワクチンのパッケージに付属しているシールを利用します。

1本のワクチンのパッケージ(外箱)には、たいてい5枚のシールが付いています。
5枚もあれば、母子手帳だけでなく予診票や予防接種済証やカルテにも、同じシールを貼ることができます。
電子カルテの場合にはカルテに貼るシールは不要で、そうでなくてもシールはたいてい余ります。

ワクチンのパッケージには、あまり見ることもないですが、検定合格年月日も刻印されています。
最近某メーカーのワクチンで、検定合格年月日の表示方法が変更された旨が、ダイレクトメールで届きました。

「1234.56.78」という従来品の表示が、変更品では「345678」になるとのこと。・・・意味わかりません。

「2019.07.22」が「190722」に変わります、と書いてあれば、なるほどそうですかOK、となるのに。
「1234年56月78日」を意味する「1234.56.78」という例示が、センスなさ過ぎなんですよ。

この会社では、別のワクチンに関しても、同様の表示が記載されていました。もう、バッカじゃないの?
例示する際には、わかりやすさが命でしょうに。直感的にスッと入ってくるような記載にしなきゃ。

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HPVワクチンと選挙
- 2019/07/20(Sat) -
「HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)」について、興味深いアンケート調査が行われました。

このワクチンの「積極的な接種勧奨」を再開すべきかどうかを、参議院選挙の立候補者に尋ねたものです。
調査を行ったのは「予防医療普及協会」です。この協会の理事にはホリエモンも名を連ねています。
候補者へのアンケート調査をすることで、HPVワクチン問題を政治に働きかけるのが目的だといいます。

その目論見はしかし、必ずしも面白い結果にはなりませんでした。
299人の立候補者に尋ねたら、93人(31.1%)という低い回答率だったことが、まずひとつ。
さらに、接種勧奨を「再開すべき」とした人が22%、「再開すべきでない」が54%という残念な結果でした。
政党によって回答率と回答内容に偏りもあったようですが、その詳細はは割愛します。

どうやら候補者の方々には、この微妙で面倒な質問には答えない方が賢明と思っている方が多かったようです。

では、国会議員(候補)の先生方がそういうスタンスであるならば、医者の先生方はどういう考えなのか。
数か月前に、医師3千人あまりが回答したアンケートでは、積極勧奨を「再開すべき」が78%でした。
私には驚きだったのは、「勧奨する必要なし」という医師が22%もいたことです。

興味深いのは、「勧奨する必要なし」の理由です。いくつかの回答をまとめると、次の3パターンでした。
(1)まだ不安要素が残っている
(2)国民のかなりが反対している
(3)子宮頸がんを完全に予防できるわけではない

このうち(1)は科学的な発想に欠け、(2)は大衆迎合主義、(3)は屁理屈だと、私は思います。
どの理由があっても、毎年3千人の女性が命を失う感染症を予防するワクチンを止める理由にはなりません。
それなのに「接種は積極的にはお勧めしません」と言い続けている厚労省の姿勢には、心底ガッカリします。
そして、その厚労省を動かせる立場の国会議員(候補)も、残念ながら及び腰、または無関心のようです。

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期限切れワクチン
- 2019/07/18(Thu) -
期限切れのワクチンを接種してしまった、という医療過誤の報道をときどき目にします。

最近報じられたのは、有効期限を9日ほど過ぎた4種混合ワクチンを乳児に接種した、某県立病院の件です。
当初の接種日が延期となったため、準備していたワクチンが実際の接種日には期限切れになっていたようです。

期限切れはもちろん規則違反。でも期限を9日過ぎたぐらいならワクチンの効果にはまったく問題無いはず。
しかしそれでも期限切れがダメな理由は、その医療機関のチェック体制全般に疑問が生じるからです。
期限切れに気づかないようだと、別のもっと重大な問題も見逃される可能性がある思われても仕方ありません。

県立病院の記事には、例によって「今のところ乳児に健康被害はないという」という記載が続きます。
毎度のことですが、笑ってしまいます。だって、期限切れのワクチン接種による「健康被害」って何でしょう。

期限切れを接種して危惧されるのは、そのワクチンの接種によって獲得できる免疫が不十分である可能性です。
なので問題が起きるとすれば、そのワクチンで予防しようしていた感染症に、将来罹患してしまうことです。
そんなことが、ワクチンを接種した直後に、「健康被害」となって出現するはずがありませんよね。

ところで当院に在庫してる4種混合ワクチンは、今日の時点で19本あり、期限はすべて2020年6月でした。
検定合格日は今年1月となっているので、このワクチンの有効期限は製造後1年半程度と推測されます。
つまり、当院で使用中のワクチンは、製造から半年以内の、有効期限まであと1年近くあるものばかりです。

そう考えてみると、冒頭の県立病院の在庫管理って、ちょっと解せませんね。
接種日が延期になったら期限切れになるような、期限ギリギリのワクチンを在庫してること自体が疑問です。

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机上のワクチン接種計画
- 2019/07/05(Fri) -
赤ちゃんの予防接種は、種類が多くて複雑なのでよく相談を受けますが、基本がわかれば意外と簡単です。

病気を予防するのが目的なのだから、規定で許される限りできるだけ早く接種する。それに尽きます。
効率的な接種プランを立てて、年間カレンダーに印を付けてしまいましょう。

前にも書いた通り、4週間間隔でいつも同じ曜日に、以下のように6回で全てを打ち終えるのがオススメです。

(1)生後2カ月:ヒブ、肺炎球菌、ロタ、B型肝炎
(2)生後3カ月:ヒブ、肺炎球菌、ロタ、B型肝炎、4種混合
(3)生後4カ月:ヒブ、肺炎球菌、ロタ(3回接種の場合)、4種混合
(4)生後5カ月:4種混合、BCG
(5)生後6カ月:日本脳炎
(6)生後7カ月:日本脳炎、B型肝炎

ただし、4種混合ワクチンの接種は満3カ月からなので、(1)の4週間後が必ずOKとは限りません。
なので(2)の日付を先に決めて、その4週間前に(1)を接種するのが良いと、前にも書きました。

BCGは満5カ月からが推奨されていますし、日本脳炎ワクチンの接種対象は6カ月からです。
また、B型肝炎の3回目は1回目の20週間後以降という規定があり、(1)と(6)の間隔も20週間あけます。

これらの規定をすべてクリアし、なおかつ分かり易い接種プランは、次のようになります。

1.まず、生後6カ月で(5)を行うことにします。曜日も考慮して、カレンダーに印を付けましょう。
2.この(5)を基準にして、4週間間隔で(4)から(1)の印と(6)の印を付けます。以上。簡単でしょ。

ただしこれは机上の計画。風邪を引いたりして予定はすぐズレます。とにかく(1)を早く始めることですね。

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報道機関の不作為
- 2019/06/09(Sun) -
新年度になって2カ月過ぎましたが、麻疹風疹混合(MR)ワクチン第2期の、接種希望者の出足が今ひとつです。
さらに言うなら、HPVワクチンの接種希望者がまだ、今年度は1人も現れません。

HPVワクチンの積極的な接種勧奨は、すでに6年間差し控えられています。
接種率が対象者の1%未満に下がっていることは、先日も書いた通りです。

厚労省の「子宮頸がん予防ワクチン接種の積極的な接種勧奨の差し控えについてのQ&A」にはこうあります。

問 予防接種対象者への積極的な接種勧奨を差し控えることになったのはなぜでしょうか。
答 (略)定期接種を中止するほどリスクが高いとは評価されませんでした。
  (略)接種希望者の接種機会は確保しつつ(略)積極的な接種勧奨を一時的に差し控えるべきとされました。

「なぜ勧奨差し控えなのか」との問いに「定期接種を中止するほどのリスクは無いから」と論点をすり替える。
肝心なことは何も答えない、まったく無内容な自問自答を演じています。もはや笑うしかありません。

「日本プライマリ・ケア連合学会HPVシンポジウム」では、報道機関の代表者が次のように述べています。

HPVワクチンに対する新聞記事の論調は、「応援期」から「攻撃期」を経て、現在は「不作為期」であると。
ワクチンの副作用報道は減少し、報道機関はそれをまるで過去の出来事のように時折報じていると。

たしかに「不作為」ですけどね、それを他人事のように言いますか。なぜメディアは動かないのですか。
過去の副作用報道が過ちだと気づいたのなら、それをきちんと記事にしたらどうですか。特集組みなさいよ。
毎年3千人の女性が亡くなっている感染症を予防するワクチンです。そろそろ「応援期」に戻りましょうよ。

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ワクチン拒否の国民性
- 2019/06/03(Mon) -
NHKニュース『おはよう日本』が先週、麻疹ワクチン拒否の現状について取り上げていました。
前にも当ブログで書いたように、デマ情報に基づく誤解によってワクチンの接種率が低下してしまう問題です。

万事に言えることですが、いったん広まったデマ情報を打ち消すには、その何倍ものエネルギーが必要です。
番組では最後に、次のように結びました。
「行政や医療機関も、ワクチンの効果について正確な情報をもっと積極的に発信していく必要がある」

そこまで言うなら、どうしてはっきりと、HPVワクチンの問題について触れてくれなかったのでしょうね。
これこそ典型的な、デマ情報(=根拠に乏しい情報)による「国をあげての」ワクチン拒否だというのに。

ところで興味深いことには、HPVワクチン拒否運動が起きたのは、日本だけではありません。
ある医療系記事によれば、デンマークやアイルランドも、反ワクチン運動によって接種率が下がったようです。
しかしそれらの国では、接種率の低迷に警鐘を鳴らす啓蒙活動が奏功し、接種率はV字回復したそうです。
日本以外にも、HPVワクチン接種率の低下を経験し、なおかつそれを克服した国があるのは励みになります。

ただし、そんな諸外国で接種率が下がったというのは、80%から40%に下がった、という程度のもの。
日本において、70%もあった接種率が1%未満に下がってしまったのは、きわめて極端。不可思議な現象です。

これほどまでに徹底して、ほぼ全国民がワクチンを拒否してしまう日本人の国民性って、どうなんでしょう。
ケチが付いたら全否定。疑わしきは罰しまくる。なんかちょっと怖いですね。
もう少し科学的で、合理的で、客観的で、冷静な判断ができないものかと、驚きと同時に悲しくなります。

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反ワクチン対策
- 2019/05/07(Tue) -
海外旅行から帰国した人も多いでしょうけど、いま「伝染病」の持ち帰りによる流行が危惧されています。
麻疹(はしか)が流行している米国から日本へ持ち込まれる「輸入はしか」が、とくに問題になっています。
潜伏期を考慮すると、来週あたりから発病者が出現し始めるかもしれません。しばらくは要注意です。

日本よりもずっと「ワクチン先進国」のはずの米国で、実はワクチン接種率が低下しています。
国のワクチン行政は進んでいる一方で、ワクチンを接種しないという主義主張もまた、存在するわけです。
しかしそれが、「反ワクチン」のデマ情報に基づく誤解であれば、認識を改めてもらわなければなりません。

Facebookは最近、反ワクチンに関する投稿を、上位に表示されないようにするアルゴリズムを導入しました。
しかしそのFacebookこそが、反ワクチン情報を拡散して米国の麻疹流行を助長した張本人といわれています。
個人情報の漏洩問題で利用者が減りつつあるFacebookは、イイコトして挽回しようと躍起なのでしょうか。

医者や薬や医療全体に対する、批判的な言論は自由ですが、一般市民を誤った方向に煽動するのは問題です。
かつては、書籍や週刊誌がその「情報源」でしたが、いまはネットの時代。その情報拡散力は絶大です。
ワクチンの効果や安全性を科学的根拠なく否定し、恐怖まで煽るよう反ワクチンサイトも目立ちます。

Twitterはこのたび、「ワクチン」を含む検索を行うと、厚労省のページを案内する対策を始めたそうです。
簡単に、インチキサイトやデマ情報にアクセスすることができないような、「反ワクチン対策」の一環です。

でもね、科学的根拠のないデマ情報を流して最強の「反ワクチン」運動をしている張本人って、厚労省でしょ。
だって、HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の積極的勧奨接種を、ずっと止めてますからね。
「接種はオススメしません」と言うこと自体、HPVワクチンの危険性を煽ってることと同じじゃないですか。
麻疹の対策も大事だけど、それよりもずっと感染者と死亡者の多い感染症をまず予防しなきゃダメでしょう。

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HPVワクチン早く打て
- 2019/04/24(Wed) -
HPVワクチン」によって、子宮頸がんの前段階「子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)」が激減したという話。
驚くにも値しない予想通りの結果なのですが、英国の医学雑誌に発表されて話題になっています。

スコットランドで、20歳の女性14万人に子宮がん検診をして、一定段階のCINの検出率を調べたところ、
(1)14〜17歳でHPVワクチンを接種した女性は、ワクチン未接種者に比べて、CINが51%少なかった
(2)12〜13歳でHPVワクチンを接種した女性は、ワクチン未接種者に比べて、CINが89%少なかった

「鉄は熱いうちに打て」になぞらえて言うなら、「HPVワクチンは若いうちに打て」です。

厚労省がHPVワクチンの積極的勧奨接種の差し控えを決めてから、もうじき6年経ちます。
接種率は1%未満にまで落ちています。ていうかほぼゼロ。当院での接種者も、月に1人いるかどうか。

世の中が接種に消極的(または否定的)な雰囲気のいま、あえて率先して打とうと思う方がいないのです。
定期接種対象の小6〜高1の子どもたちは、どんどん対象年齢を過ぎ去りつつあります。

日本脳炎ワクチンも、かつて積極的勧奨接種が差し控えられていた時期がありました。
後に、差し控えによって接種を受ける機会を逸した人に対して「特例接種」が行われることになりました。
平成7年6月1日〜平成19年4月1日までの間に生まれた者に対して、19歳までの間に接種を認めるものです。

この特例接種は、かなり幅広い年齢層に対する、驚くほど太っ腹な救済措置です。
そこまでして、多くの子どもたちにワクチンを接種しようと考えるほど、日本脳炎は怖い病気だったのです。
私が6歳のとき(1966年)の日本脳炎の患者報告数は、全国で年間2千人を越えていました。
発病者の3分の1は死亡し、3分の1には重度の後遺症が残るといわれ、その予防が国の重要課題でした。

翻っていま、年間1万人が発症し、そのうちの約3割が亡くなる「感染症」があります。子宮頸がんです。
HPVワクチンの接種で、その患者数・死亡者数を激減できることがわかっています。

いつの日にか、HPVワクチンの積極的勧奨接種が再開し、また特例接種が設定されることでしょう。
でもHPVワクチンは、前述したように接種年齢が遅くなれば予防効果が低下することがわかっています。
のんびりしてる場合じゃないのです。大事なことだから2度言いますよ、「HPVワクチンは若いうちに打て」。

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MR接種はお早めに
- 2019/03/25(Mon) -
あと1週間、新元号の発表が待ち遠しいですが、その前に、年度末の予防接種の期限も迫っています。
いま急を要するのは、接種対象が「学年」で規定されている定期予防接種の対象者で、未接種の方です。

(1)この春、小学校に入学予定のお子さんの「麻疹風疹混合(MR)ワクチン第2期」
(2)いま65歳以上で5の倍数の年齢の方、または、4/1までにその年齢になる方の「肺炎球菌ワクチン」

これらの方の接種機会は、今月いっぱいです。慌てて接種する方が、今日も何人か来院されました。

高齢者の肺炎球菌ワクチンは接種率があまりにも低かったため、来年度からまた5年間、延長されます
でも次のもう一巡で、これまでの未接種者がどれだけ心変わりするでしょうね。過度な期待はできません。

MRワクチンの第2期接種は、今月のかけこみ接種が終わると、4月からは新たな対象者の接種が始まります。
対象者(年長児)にはぜひ、4月のうちに接種を受けていただきたい。接種を遅らせるメリットはありません。

それどころか7月以降は、「風疹第5期定期接種」によるMRワクチン不足も懸念されます。
もちろん厚労省は、ワクチン不足など認めません。医療機関や薬品卸における配分の問題だと言い張ります。
しかし現実には、現場のワクチンが不足して接種計画に支障を来すことなど、過去に何度も経験しました。

第5期接種が始まるまでには、幸いなことにあと3カ月程度の猶予がありそうです。
子どものMRワクチンの接種を確実に行うために、この3カ月間は、願ってもないチャンスなのです。

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接種基準に微妙な違い
- 2019/03/22(Fri) -
「風疹(風しん)の追加的対策」として、「風疹第5期定期接種」が始まることは、2月に書きました。

この第5期接種についてのポイントを列記してみます。
(1)昭和37(1962)年4月2日から昭和54(1979)年4月1日の間に生まれた男性が対象
(2)まず抗体検査(採血)を行い、定期接種の対象かどうかを判定する
(3)抗体価が一定基準を満たした場合に、麻疹風疹混合ワクチンを接種する
(4)抗体検査と予防接種には、市町村から送付されるクーポンが必須
(5)2019年度は、昭和47年4月2日から昭和54年4月1日の間に生まれた男性に、クーポンが送付される

さあて、どこから書きましょうかね。なにしろツッコミどころ満載過ぎて・・・

2月1日には政令が施行されているのですが、準備に時間を要しており、4月1日にはまだ始まらないようです。
それどころか熊本市では、クーポン発送が7月以降にずれ込む公算です。多分全国的にもそのあたりでしょう。

抗体価の基準値は、例えば「HI法」では「8倍以下」です。「16倍以上」の場合は、接種対象外となります。
ところが、現在も行われている熊本市の「接種費用助成制度」では、「16倍以下」が助成の対象基準です。

よく遭遇する「16倍」ちょうどの方は、接種費用助成対象だけど定期接種は対象外、という立場になります。
もっと言うなら、「8倍以下」の方は、今すぐ接種したければ4千円、7月まで待てば無料、となるわけです。
これでは「接種控え」が起きかねません。一刻も早く日本から風疹をなくす趣旨にも反する事態です。

「8倍以下」という低い数値で接種の可否を判定するのには、それなりの理由があるようです。
接種対象者は予防接種歴がないので、風疹の罹患歴があるかないかで抗体価は両極端だろう、という理屈です。
たとえそうでも、従来の判定基準(16倍以下)に準じた方が、よほど混乱は少ないと思うんですけどね。

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壮大なワクチン実験
- 2019/03/05(Tue) -
インフルエンザがまだ、ちらほら出ています。いまごろ流行している幼稚園もあるようで、驚きます。
熊本市の定点あたり報告数も、第7週 ( 2/11-17 ) よりも第8週 ( 2/18-24 ) の方がわずかに増えていました。
ワクチンを接種していても罹ることはありますが、やはり未接種の人の方が感染しやすい印象です。

いま目立つのは溶連菌感染(咽頭炎)ですね。熱と咽頭痛と時に発疹を伴い、ノドが真っ赤になります。
高熱のお子さんにインフルエンザの検査をする前に、のどをよく観察しておかなければなりません。
溶連菌にワクチンができたらいいのですが、菌と人の組織との抗原性が近いので開発が難しいらしいですね。

当院ではまだお目にかかったことがありませんが、関西では麻疹、関東などでは風疹がいま流行しています。
これらを予防するために、麻疹風疹混合 ( MR ) ワクチンの接種を希望する方が、時々来院されます。
来年度からは風疹第5期接種が始まりますが、接種対象者には少々複雑な条件があるのが厄介です。
この問題については、後日あらためて書く予定です。

さて、毎年1万人が罹患し、毎年3千人が亡くなっている病気があります。子宮頸がんです。
ワクチンによって、7割程度は予防できるとされていますが、今ほとんど誰も接種をしていません。
積極的勧奨接種は差し控えられていますが、HPVワクチンは現在も定期接種。なのに接種率はほぼゼロです。
学会や国際機関が何を言っても、厚労省は動きません。
このままでは将来、先進国では日本だけが、子宮頸がんに苦しむ国として取り残される恐れがあります。

諸外国と比べるだけでなく国内でも、ワクチン接種者と未接種者で、発がん率に明確な違いが出るはずです。
これはある意味、壮大な臨床治験(または社会実験)と言えます。将来、厳しい結果が突きつけられるのです。

数十年後に、あのとき積極的勧奨接種を止めなきゃよかったね、と後悔するようなことだけは避けたい。
そのときになって国を責めても、どうしようもない。でもたぶんメディアは、こんどは国を責めるのです。

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風疹第5期接種
- 2019/02/04(Mon) -
2月4日は、2(ふう)4(しん)で「風疹の日」だそうです。
妊娠初期に風疹ウイルスに感染すると、胎児が「先天性風疹症候群(CRS)」になるおそれがあります。
そんな子どもの出生をゼロにすべく、「 “風疹ゼロ” プロジェクト」という啓発運動が立ち上がっています。

しかし先日、埼玉県で生まれた赤ちゃんがCRSと診断されたと報道じられました。
2012〜13年の風疹流行時には45人のCRSが確認されましたが、昨年来の流行では今回のケースが初めて。
これを、たった1人と考えるのは間違いです。様々な努力の結果、やっとここまで減っているのです。

“風疹ゼロ” プロジェクトの目標は、CRSの赤ちゃんをゼロにすること。日本から風疹を排除することです。

それを達成するために、成人男性への風疹ワクチンの「定期接種(第5期)」が行われることになりました。
2月1日に公布(同日施行)された改正政令および省令の要点をまとめると、次の通りです。

・昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性を、 風疹の第5期定期接種の対象とする
・ただし、抗体検査で十分な風しんの抗体がある者は対象から除外する
・風疹ワクチンまたは麻疹風疹混合ワクチンを使用し、接種量を0.5ミリリットルとする

接種の前提となる「風疹抗体価」の検査や接種対象者への通知などについては、今後詰められていくようです。
しかし政令は2月1日施行であり、法に基づけば、希望する対象者は今日にでもワクチンを接種できるはず。
熊本市の準備状態はどうなのか、すぐ接種できるのか、今日の昼休みに保健所に電話してみました。

すると保健所は、政令が出たこと自体をご存じなかったようで驚いていましたが、驚くのはこっちですよ。
国の動きが意外なほど迅速だっただけに、それが末端の自治体にうまく伝わっていないのは残念です。

熊本市としては、早急に接種の準備(予算化や、対象者への通知や予診票の作成など)を進めるそうです。
そんなわけなので、今回の定期接種が熊本市内で行われるまでには、もう少し時間がかかりそうです。

なお、この定期接種に関しては疑問点が多々あり、ブログネタ満載です。今後小出しに書いていきます。

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