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憂いがあるから備えるのか備えないのか
- 2021/02/27(Sat) -
いま10都府県に発令されている緊急事態宣言が、首都圏を除く6府県で明日、解除されることになりました。
これによって、感染防止対策が段階的に緩和されていくわけですが、感染再拡大の懸念はつねにあります。
今後は各自治体が臨機応変に、迅速に、その都度細かい対策を行うことになるのでしょう。

熊本県の新型コロナウイルス感染者は、今日も0人でした。過去1週間でわずか2人。ずいぶん減りましたね。
もちろん人は移動するので、首都圏などの感染者数がもっと減らない限り、まだまったく油断はできません。
とは言え、当院の発熱外来受診者も「激減」しており、肌感覚で、コロナ収束が見えてきた気がします。

一気呵成にワクチンを接種すべきなのは、まさにこういうタイミングなのですが、ワクチンが足りません。
GDP世界第3位の大国だというのに、自国でワクチンがまだ作れない。他の先進国に頼る始末です。

目の前の災難には、猛烈な集中力と協調性を発揮する日本人ですが、将来のために備えることが不得意です。

起きて欲しくないことは口にすることも忌み嫌う、「言霊の国」ゆえの特性なのでしょうか。
何かに備えること自体に憂いを感じてしまう。科学が指し示す予測よりも、情緒や人の和が大事なのです。

副作用っぽく報道された映像に恐怖を感じて、毎年3千人が亡くなる感染症を予防するのをためらう日本人。
もう、くどいように書き続けていますが、HPVワクチン、打ちましょう。
高1の方は、2回目までを定期接種(無料)にするためには、今月中の接種開始が必要。明日が最終日ですよ。

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新型コロナワクチンに限らず皆さまに知ってほしいこと
- 2021/02/26(Fri) -
「新型コロナワクチンについて皆さまに知ってほしいこと」
このようなタイトルの2ページのパンフレットを、首相官邸と厚労省が先週からサイトに掲示しています。
そこに記載された7つの項目をご紹介しつつ、ついでに厚労省に言いたいことなどを併記しておきます。

(1)「新型コロナワクチンは、発症を防ぐ効果が認められています」
2回接種の有効率が95%だと。そう書くならば、「1回接種でもOK」なんて妙なことは言いっこナシですよ。
それでなくても未知の部分があるワクチンですから、ともかく最初は、治験通りに接種することです。

(2)「新型コロナワクチンは(略)医療機関の負担を減らすための重要な手段にもなります」
重症者や死亡者を減らすと書くのはいいけど、医療機関云々は余計。まるで病院のためのワクチンに聞こえる。

(3)「どんなワクチンでも、副反応が起こる可能性があります」
HPVワクチンの副反応騒ぎを真に受けて、定期接種を事実上中止しておきながら、どの口がそう言いますか。

(4)「新型コロナワクチンの承認後も、継続的に安全性を確認します」
何が起きても、メディアが騒いでも、冷静に、客観的に、科学的に評価することを忘れないでくださいね。

(5)「新型コロナワクチンの接種には、優先順位があります」
接種現場としては、「基礎疾患を有する方」かどうかの確認で混乱しそうな予感。ま、だいぶ先の話ですが。

(6)「新型コロナワクチンは、誰もが全額公費(無料)で受けることができるようにします」
ついでに、高齢者への肺炎球菌ワクチンの接種も無料にすればいいのに。コロナの二次感染予防にもなります。

(7)「ワクチンについて、正しく知ったうえで、判断しましょう」
「ワクチン接種のメリットが、副反応といったデメリットよりも大きいことを確認しています」だと。

新型コロナワクチンよりもずっと厳密な治験を終えて、すでに世界中で接種されているのがHPVワクチンです。
無事コロナが終わったら、次は真面目に、HPVワクチンの接種を推進すべきでしょう。

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駆け込みHPVワクチン接種、好評受付中
- 2021/02/02(Tue) -
新型コロナウイルスワクチンの輸入について、ヤな予感はしてたけど、やはり暗雲が立ちこめてきました。
こんな大事なワクチンを、当面は自国で作れず海外に頼るということがそもそも、情けない話なのです。
国内での綿密な接種計画が絵に描いた餅にならなければよいですが、準備は粛々と進めていくしかありません。

テレビでは、接種準備の進捗状況や問題点、ワクチンについての科学的評価等について、連日報じています。
ただし、得てして掘り下げ不足のことが多いし、事実誤認や論点がズレたコメントなどはやめていただきたい。
コロナワクチンに絡めて日本のワクチン行政の問題点について触れたりもしますが、それもサラッと流す程度。

とくに、世界中で日本だけが事実上接種をストップしている「HPVワクチン」の取り上げ方なんて、浅い浅い。

ワクチンとの因果関係が不明の「副反応」を子宮頸がんよりも恐れ、HPVワクチンの接種をやめた日本人。
科学や統計を客観的に評価して、メリットとデメリットを天秤に掛けることができない国民性なのです。

同調圧力が強いのか、和を以て貴しとなすのか、ひとたびコトが起きたら、全国民一斉に引いてしまいます。
日本人の「ワクチンアレルギー」体質は、言うなれば、アナフィラキシーレベルでしょう。

そんな中、海外ではアナフィラキシーが起きても平然と、コロナワクチンの接種が続けられています。
もしも日本でそのようなことが起きたらどうなるのか。メディアの暴発と厚労省の弱腰が心配です。

でも最近、HPVワクチンの接種希望者が増えてきました。日本人も少しずつ客観性を身につけてきたのかも。
【お知らせ】接種を計画中の高1の方は、お急ぎください。今月中に接種を始めれば、2回目までは無料です。

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新型コロナワクチンには、余裕のある接種計画を
- 2021/01/28(Thu) -
「人流(じんりゅう)」って言葉を、小池都知事などが最近よく使いますが、聞いててなぜかムカつきます。

お役所が好きそうな「漢語」です。手持ちの辞書には出ていませんが、人の流れという意味だとはわかります。

日本国語大辞典で「流」が語末に付く言葉を調べると1080件ありましたが、「人流」はありませんでした。
かように一般人にはなじみが薄いので、俗語でなければ「業界用語」でしょうか。

しかし調べてみると何年も前から、「物流」に対する言葉として「人流」が提唱されているようです。

新型コロナワクチンの担当となった河野行政改革担当相は、「ワクチンのロジを担当します」と言いました。
この「ロジ」というのは、元々は軍隊用語の “Logistics” ですが、「調達」という意味でしょう。

転じてロジは、「物的流通」と「人的流通」の両方を指し、前者が「物流」で後者は「人流」というわけです。

河野氏はおそらく、ワクチンの物流だけでなく、接種に関わる人的調達も含めて「ロジ」と言ったのでしょう。
そうであるならば、彼はなかなか思慮深い、物事の本質を捉えた人物です。

当初問題視されたのは、ファイザーのワクチンの保管や流通ですが、いま問題なのは接種現場の人的配置です。
昨日川崎で行われた訓練では、「1人3分で接種」が絵に描いた餅であることが明らかになりました。

そんなに短時間で流れ作業のように接種ができるのは、季節性のインフルエンザワクチンぐらいでしょう。
希望者だけが任意接種を受けに来る、例年通りのワクチンだからこそ、接種作業はスムーズにいくのです。

新しいメカニズムで効くワクチンを恐る恐る接種しに来た人を相手にして、流れ作業は無理でしょう。
無理な接種計画が破綻して混乱するよりは、最初から十分な余裕を持って臨みたいものです。

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ワクチン接種の管理にマイナンバーを使うのは賛成
- 2021/01/20(Wed) -
「今回使わなくて、いつ使うのか」
息巻くのは、平井デジタル改革担当相。新型コロナワクチンの接種対象者の管理に、マイナンバーを使おうと。
いいね平井ちゃん。でもこの人、見かけが堅そうなのが難。台湾のIT担当相みたいにロン毛にしてはどうなん?

個人番号って、かつて究極の個人情報のような扱いだったのに、いまじゃ公的書類には平気で記入しています。

悪用されて大変な目に遭った、みたいな事例を、私は寡聞にして知りませんが、調べてみたらあるにはある。
でもほとんどは、「個人番号の登録に訂正が必要」みたいな、役所をかたる偽電話事例が多いみたいですね。

つまり、入手した他人の個人番号を直接何かに使って儲けるという犯罪が、まだ開拓されていないようです。
いや、あるのかもしれません。たぶんある。報じられていないか、発覚すらしていないのかもしれません。

特別定額給付金」のときには、マイナンバーカードがもっと普及しときゃなあ、って多くの方が思ったはず。
私もその一人。でも結局、いまだにカードは作ってないんですね。多分コレ、平均的な日本人の姿でしょう。

カードはともかく、個人番号自体はどんどん活用していきましょうよ。
乳幼児の予防接種番号も全国統一して欲しいと思ってましたから、この際それも、巻き込んでしまいましょう。

運転免許証とマイナンバーカードは、あと3,4年で一体化することになっています。
いっそのことこの機会に、免許証保有者8千万人分のマイナンバーカードを国が作ってしまったらどうですか。
免許証の(不本意な)写真を流用してもいいですから、勝手に作って送りつけてくれたら意外と助かります。

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ワクチン接種とカイワレ摂取
- 2020/12/22(Tue) -
バイデン次期米大統領の、新型コロナウイルスワクチン接種シーンが、テレビ中継されました。
最近のアナフィラキシー報道が気がかりなファイザー製のワクチンの安全性を、国民にアピールするためです。

残念ながらそんな行為で、ワクチンの安全性は何ひとつ立証できません。彼の勇気をアピールしただけです。
問題はいろいろあります。

(1)アナフィラキシーの危険を払拭したいなら、接種の様子を短時間だけ中継するのでは不十分
(2)アナフィラキシーはまれな副反応なので、バイデン氏が接種して問題がなくても、科学的な説得力はない
(3)万一、何らかの異変が中継中に起きてしまったら、それが偶然でも、ワクチンにはイメージダウンとなる

医薬品の安全性は科学的・統計学的に判断されるべきものであり、特定の人物への投薬シーンなど無意味です。
バイデン氏の姿を見て、菅(かん)直人厚生相(当時)の「カイワレ大根」一気食いシーンを思い出しました。
いずれも、薬や食品の安全性をアピールするためのパフォーマンスにすぎないということです。

幸か不幸か、ファイザーのワクチンが日本へ導入されるまで、あと2カ月以上はありそうです。
それまでに海外で多くの人に接種されるので、急性期の副反応については白黒がついていることでしょう。
ただし欧米では粛々と接種が続けられていても、日本で何か起きたら、日本では接種が止まるかもしれません。

史上初の「mRNAワクチン」であり、一般的にも新薬の長期的なリスクなど、厳密には誰にもわかりません。
でも短期的には、有望・有益なワクチンだと思います。私は、順番が回ってきたら接種を受けるつもりです。
自分が接種してなきゃ、一般の方に接種を勧めるのに説得力がないですからね。ありゃ、私もパフォーマンス?

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新型コロナワクチンの副反応に、日本人は耐えられるか
- 2020/12/13(Sun) -
新型コロナワクチン。ついに接種が始まった初日から、接種後のアナフィラキシーが2例も出てしまいました。
2名とも深刻なアレルギー反応の既往があり、アドレナリン注射液を携帯しているほどの人でした。
ワクチンは慎重に接種すべき人だったのに、初日から接種するとはチャレンジャーです。

そのようなワクチンですが、英国では粛々と接種が続けられているし、米国FDAも緊急使用を許可しました。
どのような医薬品にもアナフィラキシーを起こす危険性はある、と理解した上での冷静な科学的判断です。

しかしこれが日本で起きた事例なら、国内メディアは大騒動し、弱腰の厚労省は接種を中断することでしょう。
実際に来年日本でも接種が始まる段になって、市民団体が動きだし、国が接種を尻込みする可能性はあります。

現に、世界中で粛々と行われているHPVワクチンの接種を、日本は7年以上、実質的に止めたままですからね。

欧米人は、アナフィラキシー等の既往がある人だけ接種を控えればよいだろう、という合理的な考え方です。
ところが日本人はそのようにドライには割り切れず、怪しいものはともかく止めようと考えてしまいます。

日本人は、ワクチンで感染症を予防することよりもワクチンで副反応を起こさないことの方に関心があります。
副反応を減らすためなら予防が不十分でも構わない、というスタンスなのです。

新型コロナワクチンは、来年、数千万人単位の日本国民が接種することになるはずです。
それなりの副反応報告が相次ぐことでしょうが、ワクチンの目的を見失わないようにしなければなりません。
果たして日本人は、ワクチンのメリット(効果)とデメリット(副反応)を天秤に掛けることができるのか。
世界中で日本だけが、新型コロナワクチン接種の一時ストップなんて愚行に走るような気がしてなりません。

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喜ばしいことに、HPVワクチンを接種する方が徐々に増えています
- 2020/11/16(Mon) -
WHOが発表した、「はしか(麻疹)」の昨年の死亡者数20万人が、大きく報じられています。
感染者数も近年では最多の87万人。となると死亡率は20%超ですか。そのことにいちばん驚きます。

予防接種率の停滞が、麻疹急増の原因といわれています。意識的にワクチンを接種しない人がいるのです。
問題は、その人たちの影響で集団免疫の成立が阻害され、地域で麻疹が流行してしまうことにあります。

これはワクチン後進国と言われてきた日本の話ではなく、先進国であるはずの米国で起きていることです。
反ワクチン団体や個人からの偏った情報がSNSを通じて拡散することが、現代の深刻な問題なのです。

選択の自由は尊重すべきですが、デマを元にした選択は、間違っているし不幸なことです。
どのような選択も、正しい科学的事実を十分に与えられ、吟味した上で、自由意志でなされるべきです。
しかし、だからといって、科学・医学が絶対なのかと問われたら、私には返す言葉がありません。
社会が成熟すればするほど、あえて科学に反する自由にも、一定の理解が必要になるのかもしれません。

だからこそ、科学的事実そのものについては、歪曲したり隠蔽するようなことは許されません。
たとえば、HPVワクチンの副作用を調べるために、3万人の若い女性を対象に行われた「名古屋スタディ」。
本来は、ワクチンの副作用を立証するための調査でしたが、蓋を開けてみたら副作用は認められませんでした。

ところが、「HPVワクチンはシロ」と言える決定的な調査結果は、事実上隠蔽されてしまいました。
いったんは、名古屋市のサイトに調査結果の速報が掲載されましたが、半年後に削除されました。
ワクチンに副作用がなかったことが立証されて公表されては困る人たちの意をくんだものです。

世の中にはいろんな考え方の人がいますが、でも厚労省は、科学的事実に従って動いてほしいものです。
さいわい、HPVワクチンを接種する人が最近増えつつあります。国が動かなくても、国民はわかっています。

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新型コロナウイルスワクチン接種の優先順位には、柔軟性が必要です
- 2020/11/10(Tue) -
「ファイザー」が開発中の新型コロナのワクチンに、「90%以上の予防効果があった」と発表しました。

統計学的に有意な情報なのか、安全性はどうか、冷凍保管が必要など、クリアすべき問題は山ほどあります。
もちろん期待はしていますが、ここは慎重に、まさかの薬禍が起きるようなことのないようお願いしたい。

ファイザーのワクチンも、アストラゼネカのワクチンも、完成後には日本への供給が基本合意されています。
両者を合わせると、日本人全員が接種できる本数となる見込みですが、本来なら国産に期待したいところです。

コロナワクチンの開発では、日本は世界の最先端からは少し出遅れていますが、鋭意開発中です。
インフルエンザと同様に毎年ワクチンを接種する必要があるとも言われるので、国産は絶対に必要なのです。

で、有効かつ安全なワクチンが無事開発され、約束通り日本に輸入されたとして、次は接種の順番です。
優先順位について厚労省は、まず高齢者、次いで基礎疾患のある人に接種する方針を固めました。
さらに医療従事者を高齢者よりも優先するかどうか、そこが気になるところですが、検討中のようです。

11年前の新型インフルエンザ流行時のワクチン接種にも、厳格な優先順位が設定されました。
あの時は、医療機関にワクチンが余っていても、優先接種対象者以外への接種を認めない徹底ぶりでした。
柔軟性のない接種計画は効率が悪く、結果的にインフルの流行を阻止できなくなってしまいました。

今回のコロナワクチンは、新型インフルのとき以上に、接種の希望者が殺到する可能性があります。
コロナがインフルと異なるのは、重症化しやすいのは高齢者ですが、感染を拡大するのは若者だということ。
重症化阻止の目的なら高齢者への接種が優先ですが、集団免疫の確立のためには若者への接種も重要です。
妙に硬直化した優先順位規定とならぬよう、ある程度は臨機応変な運用ができる余地も作って欲しいですね。

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インフルワクチンの供給量は増やしたというけど、結局不足気味です
- 2020/10/25(Sun) -
「いよいよ明日10月26日から、65歳未満の方もインフルエンザワクチンの接種が可能となります」
厚労省の「お願い」に従えば、そういうことになります。
しかしながらすでに当院では、65歳以上も未満も分け隔て無く、ワクチンの接種を行っています

ワクチンが足りずに65歳以上の方への接種が制限されるなら問題ですが、その心配は今のところありません。
厚労省の宣伝のおかげで10月中に接種を希望する高齢者が多いですが、今月であればワクチンは足りています。

ただし、すべての年齢層で接種希望者が多いため、64歳未満の方の接種予約枠はかなり制限しています。
おかげで、お子さんの1回目の接種はできたが2回目の予約が取れない、とご不満の方はとても多いです。

予約を取り過ぎて接種できなくなるのが最悪なので、ワクチンの納入予定数を考慮して予約枠を作っています。
現時点では、11月末までの予約者に接種できるだけのワクチン+αがありますが、けっこうギリギリです。
例年なら、12月どころか1月上旬まで接種をしていましたが、今年は12月に接種ができるのかどうか微妙です。

どうして厚労省は、もっと潤沢にワクチンを作らせないのでしょう。余ったっていいじゃないですか。
「余るほど製造するから無駄に接種するのだ」という理屈は、いい加減に捨てましょう。
むしろ厚労省の思惑とは反対に、ワクチンが足りない雰囲気だから接種が殺到するのです。

ワクチンが有り余るほど作ってあれば、誰もが落ち着いて自分の好きなタイミングで接種できます。
そうすれば医療機関側も、変に窮屈な予約枠を作らなくても済むし、被接種者も焦ることがありません。
それなのに厚労省は、ちょうど過不足無い需給バランスを目指したがり、しかもうまくいかないのです。

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コロナのワクチン、少しぐらい待ちますから良いヤツよろしく
- 2020/10/22(Thu) -
「新型コロナのワクチン ブラジルで臨床試験の参加者が死亡」
ミスリードを誘う「つかみ」はメディアの常套手段だとしても、人の命がかかった話にこの見出しはどうなの。
報じられているように、亡くなった方(28歳の男性医師)は、ワクチンの投与は受けてなかったようです。

医薬品の治験では、薬の有効性と安全性を調べるために、患者や健常人に薬を投与してデータを取ります。
検証に客観性を持たせるために、本来の薬(実薬)とニセの薬(偽薬:プラセボ)を、無作為に使い分けます。

件の医師は被検者として治験に参加し、偽薬のワクチンの投与を受け、コロナに感染して死亡したようです。
この死亡にワクチンが関与していた可能性は、科学的にゼロです。彼が投与を受けたのは偽薬ですから。
もしも実薬の投与を受けていたら、コロナに感染しなかったか、感染しても軽症だったか、それは不明です。

コロナ感染者や死亡者が、実薬よりも偽薬グループに多いという統計学的な有意差が出れば、彼も報われます。
とは言え、今のブラジルで偽薬を割り振られる被検者は、やはり不運ですね。治験の宿命なのでしょうけど。

英国では、ワクチン投与後の被検者を人為的にコロナに感染させるような治験を、政府が支援するとのこと。
またその前段として、ワクチン未投与の健康人をコロナに感染させる予備実験を行うといいます。
倫理的にどうなのかと思える手法ですが、当局の承認を得て来年も開始する見通しとのこと。

ジェンナーが開発した「種痘法」を、最初は難癖つけながらも最終的に支援したのは英国政府でした。
正しい目的のために科学的かつ大胆に行動できるのは、英国の気質なのかもしれません。日本じゃとても無理。

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今期インフルは流行しないかも、という楽観的予測はさておく
- 2020/10/18(Sun) -
「今シーズンはインフルエンザは流行しないだろう」と、あちこちで言われ始めています。
コロナ対策としてのマスクと手洗い、3密を避ける行動などがすべて、インフル対策としても有効だからです。

国や医療機関の啓蒙活動もあって、例年以上に多くの方がインフルエンザワクチンの接種を希望しています。
もしかすると、コロナとインフルの同時流行が想定される、という懸念は、杞憂に終わるかもしれません。
現に、インフルが南半球で流行しなかったこともわかっており、国境をまたぐ人の動きも少ないですから。

とはいえ「杞憂」は、終わった時点で初めてそれとわかることであり、まずは用心に越したことはありません。
そして今シーズン、インフルエンザが本当に流行しなかった場合、人類は大きな成果を得ることになります。
世界中の人々や社会や国家が、神経質なほど感染対策を徹底すれば、インフルは流行しないとわかるからです。

新型コロナよりも圧倒的に多くの、患者や死亡者を毎年出しているのが、季節性インフルエンザです。
コロナで失われた命はたくさんありますが、今年インフルエンザで失わずに済む命もきっと多いはず。

そんな期待をしつつも、当面はインフル固有の対策にも手を抜かないこと。つまり、ワクチン接種です。
今日も多くの方に接種をしましたが、接種する時間(接種枠)が足りず、ご迷惑をおかけしています。
一方で、まだ接種を計画していない方や接種するつもりのない方も多く、個人レベルでも温度差を感じます。

この冬、コロナとインフル同時流行の惨状は見たくありません。
インフルが流行しないという楽観的予測を鵜呑みにせず、やれること(予防接種)はやっておきたいものです。

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「肺炎球菌ワクチン」の出荷制限が始まりました
- 2020/10/17(Sat) -
高齢者への定期接種が行われている「肺炎球菌ワクチン」は、今月からメーカーの出荷調整が始まっています。
新型コロナ流行の影響による「肺炎予防意識の高まり」によって、接種数が大幅に増えているからです。

昨年までは、定期接種対象者の接種率がイマイチだったので、低い水準で需給バランスが保たれていました。
ところが今年、定期対象者に加え非対象者も接種を希望するようになり、供給が追いつかなくなったのです。
有効性の高いワクチンですから、このようなコロナ禍の時期に接種するのは、たしかに理にかなっています。

想定外の需要増が原因だとしても、定期接種用のワクチンが不足するのは問題です。
いや定期接種用に限らず、コロナ禍だからこそ必要性の高い、いまいちばん大事なワクチンのひとつですよ。
危機管理としては、政府が日頃から多めに輸入・備蓄して、今年のような異常事態に備えるべきでした。

インフルエンザワクチンでも同様です。コロナ禍における需要増加で品不足が懸念されています。
専用の受精鶏卵1個から、およそ1人分のワクチンしか製造できないので、急に供給を増やすことはできません。
今シーズンは多少増産したと国は言いますが、今の圧倒的な需要の高まりに対しては、まったく足りません。

そのような、先を見越すことができなかったことを棚に上げて、国は例によって小手先の規制を繰り出します。
厚労省は、例年11〜12月に接種することの多かった高齢者に、今年は10月中の接種を勧奨しています。
早く免疫を獲得させるためだとしていますが、本音は、11月以降にワクチンが不足したら困るからでしょう。

ワクチンが不足することはないと強弁するのなら、高齢者には11月の接種を推奨すればいいのです。
10月は、2回接種する子どもの1回目とか、過去に接種歴が無い方の接種を優先させるべき時期です。
64歳以下の者は10月26日まで待てと言いますけど、2回接種をする人が1回目を始めるには遅すぎます。
国の方針は、子どもを危険にさらします。なので申し訳ないですが当院では、その方針を遵守しておりません。

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インフルエンザワクチンは、結局、何回接種すべきなのか
- 2020/10/15(Thu) -
インフルエンザワクチンを、毎日せっせと接種しています。
今年はコロナのことがあるので、いつもより早めに接種する方や、初めて接種する方も多いようです。

厚労省による啓蒙が奏功して、65歳以上の方の「定期接種」の出足も好調です。
「生まれて初めてインフルエンザの予防接種をする」という人が目立つのが、今シーズンの特徴です。

今日、ご高齢の「初インフル」の方が、接種は何回するのかと尋ねました。私は言葉に詰まりました。
規定では1回接種ですが、その方の場合には2回接種した方が医学的には望ましいと思ったからです。

インフルエンザワクチンの接種回数について、日本の規定はこの数年で変わりつつあります。
かつては、12歳以下は2回、13〜64歳は1回または2回、65歳以上は1回、というのがルールでした

ところが3年前のワクチン不足の折、厚労省は「13歳以上は1回の接種で十分効果がある」と言い始めました。
ワクチンが足りないから1回で十分というのは、理屈としてもオカシな話ですが、厚労省がよく使う手口です。
以前は、受験生や妊婦さんや喘息の方には2回接種を私はお勧めしていましたが、それも難しくなりました。

米国ではもっと少なくて、「9歳以上は1回。8歳以下は2回。過去に2回以上の接種歴があれば1回」です。
それと比べたら日本ではまだ接種回数が多いようにも思えますが、大事なのは過去の接種歴なのでしょう。

医学的に考えたら、必要な接種回数は年齢の絶対値だけで決まるものではないということです。
毎年2回接種してきた小学生なら1回の接種で十分だし、逆に初インフルの高齢者には2回接種すべきでしょう。
杓子定規に決めつけず、医師の裁量で臨機応変に接種回数を選択できるようにしていただきたいものです。

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HPVワクチンの「積極的勧奨」再開への伏線?
- 2020/10/11(Sun) -
「HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)」は、厚労省もついに、「積極的勧奨」の方向へ動き始めたのか。

約7年前に定期接種となったのも束の間、「副作用問題」によって、いまも積極的勧奨が止まったままです。
多くの医師や学会等は、その問題を「濡れ衣」と考えていますが、その反対の考えの方もまた、多くいます。

世界中で接種が行われているワクチンなのに、日本での接種率は1%未満という、事実上の停止状態です。

定期接種を統括しているのは国(厚労省)ですが、実際の管理業務は自治体が行っています。
自治体は、対象者や保護者に対して個別に、接種を「オススメ」するお知らせを送ります(積極的勧奨)。

ところが7年前、国は自治体に対して「積極的勧奨は差し控えるように」との通知を出しました。
定期接種でありながら、自治体は対象者や保護者に対して何も知らせないという異常事態が始まったわけです。

それから7年余り経過し、HPVワクチンの接種は安全かつ有益であるという、科学的証拠が蓄積してきました。

とうとう厚労省は一昨日、自治体に対して「ワクチンの情報提供を徹底するように」との通知を出しました。
何をいまさら「情報提供」ですか。どの口が「徹底するように」と言ってるんでしょう。

一方で、「積極的勧奨を再開したわけではない」「接種を判断するのは本人だ」と言い張る苦しい状況です。

しかしおそらく今回の通知が、これから勧奨接種の再開に向かう伏線であることは間違いないでしょう。
過ちを認めない体質の官僚が、どのような口実で方針を変えるのか、知恵の絞りどころです。でも早くしてね。

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ワクチン接種間隔の規定が撤廃されても、接種歴の確認は重要です
- 2020/09/30(Wed) -
明日、10月からは、注射生ワクチン同士の接種を除き、ワクチン間の接種間隔の規定が撤廃されます。
これは諸外国では当たり前のこととは言え、日本のワクチン行政史上ではきわめて画期的な方針転換です。

ところが、一部の自治体には、この規定を勘違いしている担当者がいるようです。つまり、次の様な誤解です。

「新しい規定は10月からの接種に対して有効なのであって、9月に接種したワクチンについては旧規定に従う。
よって9月30日に生ワクチンを接種した場合、インフルワクチンが接種できるのは10月28日からである。」

少し考えれば、これは誤りだとすぐわかります。
10月1日にたとえ生ワクチンを接種しても、翌日にはインフルエンザワクチンを接種できるようになるのです。
そんなときに9月中のワクチン接種歴など、なんの影響もあるはずがありません。
なので私は、いつ何のワクチンを接種したお子さんでも、10月1日からはインフル接種OKと説明しています。

ただし、注意点が一つあります。それは、注射生ワクチン同士は、今後も4週間の接種間隔が必要ということ。
したがって9月30日にMRワクチンを接種した人が次に水痘ワクチンを接種できるのは、10月28日からです。

面白いのは、その人でも、MRワクチンと水痘ワクチンの間に、別の不活化ワクチンは接種できることです。
なので、MR→水痘、を4週間待っている間に、インフルエンザの接種を済ませてしまってもよいのです。

今後気をつけるべきことは、「前回接種したワクチン」だけでなく、「前回接種した生ワクチン」の情報です。
その確認が不十分だと、生ワクチンの接種においては、過誤接種が起きる可能性があります。
「ワクチンの接種間隔の規定が撤廃された」ことで油断すると、落とし穴が待っているということです。

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ネットスキルがどうしても必要な世の中になりました
- 2020/09/29(Tue) -
「インフルエンザワクチンの接種が、あさって10月1日から始まります」というNHKのニュースに驚きました。

当院では、先週から接種を始めてますけどね。9月からの接種は、禁じられているわけではありませんので。
また、厚労省の言う「高齢者優先」をないがしろにしているわけでも、決してありません。何度も言いますが、

(1)ワクチンのメーカー出荷が例年よりも10日程度早かったので、その分早く接種を開始できている
(2)すでに高齢者の接種予約を何人も受け付けており、多くの方に予診票をあらかじめお渡ししている
(3)高齢者の予約人数を差し引いてもなおワクチンに余裕があるので、64歳以下の方の接種も開始している

というわけですから、NHKの誤解を招く報じ方は、それも7時のニュースで大々的にやるのは困ります。

ただ、インフルエンザのネット予約サイトには、実は以前から少々問題を抱えています。
こういったインターネットサイトって、どうしても、一種の「バグ」があるんですよね。
思った通りに予約できなかったり、規定に反する予約ができてしまったり、その都度微調整が必要になります。

もうひとつの問題は、ネット予約が得意な人に有利で、不得意な人には不利だということ。
現代社会においては、さまざまな場面でネットスキルが必要になります。インフル予約サイトも同じです。
さいわい、厚労省のネット申請とは違ってウェブフォームなので、MacやiPhoneからの予約も可能です。
実際にログを見たら、iPhoneとAndroidからの予約が多く、Windows経由は少数。Macは希(ガッカリ)。
もう世の中、パソコンじゃなくてスマホなんですかね。国勢調査もスマホで回答できるぐらいですから。

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インフルエンザワクチンは、10月に接種しても早すぎません
- 2020/09/25(Fri) -
インフルエンザワクチンは、当院では今週から接種を開始しています。並行して予約も受け付けています。

厚労省の「お願い」に従って、今シーズンは65歳以上の高齢者の接種を優先しています。
しかしさいわい、すでに十分量のワクチンを確保できたので、高齢者以外の接種も開始したというわけです。

10月からは、ワクチン相互の接種間隔の制限が、注射生ワクチンどうしの場合を除いて、撤廃されます。
なので、不活化ワクチンであるインフルエンザワクチンは、他のワクチンとは無関係に接種を計画できます。
とくに定期接種が立て込んでいる乳幼児において、これはとても助かります。

たとえば昨年までは、インフルを10月に接種するために9月の生ワクチン接種を延期するケースもありました。
でも今シーズンは、定期接種もインフルも、それぞれ必要なタイミングで接種できるようになるわけです。
なので、お子さんのインフルエンザワクチンは心おきなく、10月に1回目の接種を受けましょう。

ところで保護者の方から、10月に接種するのは早すぎませんか、という質問をよく受けます。

たしかに、ワクチンの効果は接種後2週間でピークとなり、その後は徐々に低下することがわかっています。
約5カ月で効果が消えるとも言われ、春先のインフル流行を考えたら10月の接種は早すぎると思うのでしょう。

しかしとくに13歳未満のお子さんの場合、10月接種でも決して早すぎないと考える私の回答は、こうです。
(1)1回目が10月でも、2回目の接種を11月に行う事で、免疫は春先まで十分に保たれます
(2)昨年のように11月に流行する場合もあるので、1回目は10月のうちに接種しておいた方が無難です
(3)13歳以上(1回だけ接種)の方でも、春先のことを心配する前に、真冬のインフルに備えるべきです

医学的観点からは、1回目の接種による免疫が少し消えかける頃に2回目の接種をするのが、いちばん効きます。
たとえば、ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンを4週間以上の間隔で行うのは、そのような理由もあります。

なので理屈では、早めに1回目を接種し、流行にさしかかったらすぐ2回目を接種する、というのがベストかも。

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今年はマジで、インフルエンザワクチンは早めに接種しましょう
- 2020/09/21(Mon) -
この冬は、インフルエンザと新型コロナが同時流行するかも、などと不気味なことが懸念されています。
もしもそうなったら、昨年のインフルシーズンと比べて何が違うのか、それを考えてみました。

いま、軽い風邪症状では医療機関を受診しない方が増えています。病院でのコロナの感染を心配するからです。
一方で、高熱が出たり風邪症状が長引く方の受診は増えています。コロナじゃなかろうかと心配するからです。

例年の冬なら、突然高熱が出て倦怠感の強い方は、ほぼインフルエンザでした。検査しなくてもわかります。
症状がややマイルドで、インフルかどうかはっきりしない方には、鼻腔に綿棒を入れて検査をしていました。

今年は、高熱=インフルとは決めつけにくく、インフルかどうかは検査で白黒をつける必要がありそうです。
問題は、インフルの検査をする時の検体採取に際しては、患者さんからの飛沫を浴びやすいということです。

例年、少々飛沫を浴びても、あまり気にしていませんでした。私がインフルに罹らない自信があったからです。
しかし今年、インフル疑いの患者さんが実はコロナだった場合、私はその飛沫を浴びて濃厚接触者になります。

そんな事態を防ぐためには、すべてのインフル検査を、防護具を着けて行わなければなりません。
駐車場で、車の窓を介して検査を行うのがよさそうですが、それでは診察の精度が落ちるかもしれません。

さらに言うなら、インフルエンザが陽性だったからといって、コロナではないという保証もありません。

もうまったく、やりにくいシーズンを迎えそうです。なので今年のインフルエンザは例年以上に、予防が大事。
悪いことは言いません。早めにワクチンを接種しましょう。(10月26日まで待つのは、オススメできません)

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「封印」を廃止しただけで10日早められたワクチン出荷
- 2020/09/19(Sat) -
インフルエンザワクチンについて、「今年は製造から出荷までの期間が短縮した」と、昨日書きました。
これはおもに、「国家検定」に伴う「封印」が廃止されたためです。

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」
という厚生労働省令が、6月30日に施行されました。
国家検定を簡略化して医薬品を早く流通させる目的の省令改正ですから、コロナ禍との関連もうかがえます。

たとえばワクチンは、製品を封印した後、一部サンプルを国立感染症研究所に申請、検定が行われてきました。
その国家検定に合格したら、封印が解かれ、検定合格した旨と合格年月日を容器に印字し、出荷となります。

今回その封印が廃止されたので、検定中にメーカーは包装準備を進めることができ、出荷が早まったわけです。
その結果、医薬品卸から医療機関への納入も早まり、当院にも例年より約10日ほど早く、昨日届きました。

せっかく届いたのなら早く始めようと、当院では明日から、インフルエンザワクチンの随時接種を始めます。
予約サイトも明日立ち上げるので、予約接種は明後日からになります。いずれも過去最も早い接種開始です。

なるべくなら、当院かかりつけの方の接種を優先したいのですが、ネット予約システム上の設定が難しい。
かかりつけの方のご家族も優先したいし、今後かかりつけになる方にも便宜を図りたいたいからです。
というわけで、まずは真っ先に、当ブログで告知した次第。
明日からは、診療予約サイト(アイチケット)に掲載し、院内にも掲示物を貼る予定です。

なお、65歳以上の方の接種(定期接種)は、規定により10月1日からですので、今月中の接種はできません。
国が進める高齢者への接種が、国の規定によって9月中にはまだ始められないのは、なんとも皮肉な話です。

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インフルエンザワクチン、今年は早めに接種を開始できそう
- 2020/09/18(Fri) -
インフルエンザワクチンの接種は、例年10月1日から、ネット予約の受付は9月20日ごろに開始しています。
毎年のことですが、予約受付の開始時点ではまだ、ワクチンの入荷が確定していません。
薬品卸の担当者の、たぶん9月28日〜30日には入荷するという見込みを信じて、見切り発車しているのです。
実際、9月30日にようやく入手できた年もあり、ホントに毎年ヒヤヒヤしてきました。

今シーズンは、コロナとの同時流行に備える意味でも、ワクチンの供給量(製造量)が増える見込みです。

「過去最大だった昨年の使用量と比較すると、約12%多い」なんて厚労省は言ってますが、オカシな話。
今年の「供給量」を昨年の「使用量」と比較するとは、いかにも官僚が考えそうなトリックですね。
今年の「供給量」は昨年の「供給量」と比べて約7%多いと言えば良いのに、どうしても誇大表示したがる。

例年、国内で製造されたインフルエンザワクチンが100%使われることはありません。その理由は、
(1)必要な場所にうまく供給されない:ワクチンが足りない医療機関と、ワクチンが余る医療機関ができる
(2)必要なタイミングで供給されない:供給の出足が遅いので、希望者への接種が流行に間に合わない

需要のある医療機関に滞りなく供給されるとは限らず、あちこちでワクチンの不足と余剰が起きています。
ムダの無い供給が理想ですが、毎日のインフルエンザワクチンの接種者数は、完全には予測できません。

接種予約者数とまったく同数のワクチンだけ入手して自転車操業的に接種するなど、怖くてできません。
インフルエンザワクチンには時々「検定落ち」という地雷があり、いきなり供給が中断したりするのです。
それに、高齢者や予約漏れの方への救済的な接種も必要なので、完全予約制というわけにもいかないのです。

さいわい今シーズンは、製造から出荷までの期間が短縮したので、思いのほか早くワクチンを入手できました。
前述した(2)については、今年は心配無いかもしれません。当院での予約受付も、もうすぐ開始です。

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インフルエンザワクチンの高齢者優先は、冗談ではないようです
- 2020/09/13(Sun) -
「65歳以上の方(定期接種対象者)以外の方は 10月26日まで接種をお待ちください」

厚労省は本気で、今シーズンのインフルエンザワクチンの接種に優先順位を付けようとしています。
ワクチンが「より必要とされている方に確実に届くように」との配慮らしいですが、浅慮としか思えません。

高齢者の接種はそう多くないと、私は予想します。でも国は、いったん決めたこの原則は変えないでしょうね。
新型インフルのとき、妙な優先順位のせいで接種が流行に間に合わなくなった、あの失策を繰り返すようです。

厚労省はどうしても、疾病の予防よりも、ワクチン不足による混乱を予防したいのです。
このことはちょうど、疾病の予防よりも、ワクチンの副作用を防ぎたいことと同じです。

たしかに例年、10月はワクチンが不足がちです。現場では、予約数ギリギリの供給量で接種をこなしています。
そこへ国が大々的に高齢者優先だとぶち上げるのであれば、例年通りの予約取りではマズいかもしれません。

昨シーズン、当院で接種した65歳以上の方は、10月42人、11月65人、12月15人、合計122人でした。
これが今年は倍増するとしても250人。10月に集中したからといって、ワクチン不足が起きるとは思えません。
それなのに、10月1日〜25日までの貴重な25日間を、高齢者だけの接種期間に限定してしまうのは無謀です。

「お示しした日程(26日まで待て)はあくまで目安であり、前後があっても接種を妨げるものではありません」
と厚労省も言ってるので、優先順位はあくまで「お願い」であって、強制力は無いようです。それは良かった。

当院の予約サイトには今年、次の様な記載をして、厚労省の要請にある程度は応じようと思っています。

・今シーズンのインフルエンザワクチンは、65歳以上の高齢者の方への定期接種を優先します。
・高齢者はなるべく10月中に接種できるよう、ワクチンを準備しています。早めにご予約ください。
・その分、64歳以下の方のネット予約枠を例年よりも少なく設定していますので、ご了承ください。

これで許してもらえますよね。もちろん、ネット予約枠の設定は、高齢者の接種数を見ながらの臨機応変です。

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インフルエンザ予防接種の予約サイト立ち上げ準備中
- 2020/09/08(Tue) -
インフルエンザワクチンは、例年通り当院では10月1日から接種を開始する予定で、ただいま準備中です。
ただし今シーズンはいくつか注意点があるので、今日はその予約サイトの文面の書き直しをしました。
そこで今日は、今季特有のインフルエンザワクチン接種上の注意点について、ご案内します。

(1)コロナ禍を考慮して、例年よりも早めに接種しましょう
インフルエンザとコロナの同時流行の可能性も考慮して、できることは早めに手を打っておきましょう。
厚労省は、今年は高齢者は10月初旬から接種せよと、従来とはだいぶ異なるアナウンスをしています。
1回接種の高齢者に接種を急ぐより、2回接種が推奨される子どもの方が優先だと思うのですけどね。
まあ、厚労省の言ってることに強制力はなさそうなので(今のところ)、とにかく早めに接種しましょう。

(2)他のワクチンとの接種間隔を気にする必要はなくなりました
来月から、ワクチンどうしの接種間隔の規定が(一部例外を除き)撤廃されます。インフルは自由に打てます。
他の定期接種ワクチン等とインフルエンザワクチンは、それぞれ独立して接種計画を立てられるので楽です。
当院では、インフルはネット、定期接種は電話での予約をお勧めしています。もちろん、同時接種も可能です。

(3)ワクチンが一時的に足りなくなる可能性はあります
今季はワクチンが少し増産されると先日書いたばかりですが、最初のうちは供給量が不足するかもしれません。
流通上の問題です。ワクチンって、製造会社と販売会社との関係が複雑で、しかもよく変化するので困ります。

つねに最新情報を得られるようにアンテナを張って、何でも早めに計画すれば、だいたい上手くいきます。

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ロタウイルスワクチンの接種控えを防ぐ規定が、すごく残念
- 2020/09/02(Wed) -
子どもの予防接種の料金は、ほとんどの自治体で「定期接種」は無料、「任意接種」は有料です。
どのワクチンも感染症予防が目的ですが、無料か有料かで接種のモチベーションが違います。

定期接種ワクチンの種類は、近年少しずつ増えています。
ずっと任意接種の地位に甘んじていたワクチンが、ある時点から定期接種に昇格する日が来ます。
定期接種というお墨付きが与えられただけでなく、接種が無料になることで接種率が格段にアップします。

もうじき定期化される(=無料になる)ことがわかっているワクチンは、その日まで待ちたくなるのが人情。
これが「接種控え」です。このことの問題点は、これまでにも何度か書いてきました。

ロタウイルスワクチンは、ようやく10月から定期接種となります。つまり、無料になります。
今回はとくに、接種控えを防ぐために、接種対象者は8月1日生まれ以降、という規定が付いています。
これによって、7月までに生まれたお子さんは、10月以降の接種分を含めて、すべて任意接種の扱いです。

ところが私は、7月以前の生まれでも、2回目の接種が10月以降なら定期接種扱いだと勘違いしていました。
その誤った情報をお母さんに伝えて、10月からは無料になりますよと、ぬか喜びさせてしまいました。
接種控えを防ぐための規定を、うっかり忘れていたのはいけませんでした。さっそく電話して訂正しなければ。

しかしそれにしても、ロタウイルスワクチンは、定期接種化が決定してから実施までに1年もかかっています。
決定したからにはできるだけ迅速に、接種対象は最大限に広くするのが、予防接種の本来の趣旨でしょう。
接種控えを防ぐようなルールを設けるのではなく、接種控えをしなくても済むような制度設計をすべきです。

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インフルエンザワクチンの、増産幅がケチすぎる
- 2020/08/29(Sat) -
インフルエンザワクチンの、供給量と使用量の年次推移のグラフは、見れば見るほど興味深いですね。
とくにこの10年間、比較的安定している様に見えて実はそうでもない。現場の苦労がにじんできます。

平成22〜27年までの6年間(前期とする)は、供給量2900〜3300万本程度で、使用量は2400〜2600万本。
平成28年から昨年までの4年間(後期)は、供給量2600〜3000万本程度で、使用量は2500〜2800万本。

政策によって供給量が格段に減らされた後期に、ワクチン使用量はむしろ増えたことに注目すべきです。
供給は減ったけど需要はむしろ増えたので、医療現場では苦労してワクチンをかき集めて接種したのです。

ワクチン使用率を単純計算すると、前期の76〜86%に対し、後期は95〜96%と、まるで違います。
流通経路や全国の医療機関での不均等な在庫も考慮すれば、95%というのはほぼ限界に近い使用率でしょう。
実際昨シーズンは多くの医療現場で、ワクチンを接種し尽くして欠品騒ぎが起きました。

しかしそれでも、どこかに在庫が残っているので、フタを開けてみたら日本全体では接種率95%となりました。
厚労省はコレをみて、まだ5%も余ってるじゃないか、とうそぶくのです。現場での問題はわかってるのに。

今シーズンは、コロナとの兼ね合いも考慮してワクチンは増産させ、供給量3178万本が見込まれています。
しかし、昨年の2964万本と比べれば、わずかに7%増えた程度。ケチな増やし方です。
今年はインフルエンザをしっかり予防しましょう、というスタンスでありながら、増産幅はたったこの程度。
ちょうど良い需給バランスのはずだ、という厚労省の机上の空論に基づく政策なのです。
ワクチンは、余っても健康問題は起きませんが、足りないと健康被害が出るんですけどね。

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インフルエンザワクチンに妙な優先順位を規定するのはやめてほしい
- 2020/08/27(Thu) -
コロナ禍の渦中、今季のインフルエンザワクチンが不足せぬよう、接種の優先順位が提案されています。
インフルとコロナの区別が困難でもあり、インフルエンザワクチンの需要が高まる可能性があるからです。

厚労省の審議会(予防接種基本方針部会)で示された、優先的な接種対象者および接種を呼びかける時期は、
(1)65歳以上の高齢者(等)に対しては、10月前半から接種
(2)医療従事者、基礎疾患を有する方、妊婦、生後6カ月〜小学校2年生に対しては、10月後半から接種

この書きぶりだと、小学3年以上は11月以降に接種せよという風に読めますが、そんなバカな話はありません。

インフルワクチンの接種回数は、13歳未満は2回、13歳以上は原則1回、65歳以上は1回、という規定です。
1回目と2回目の接種間隔は、できれば4週間程度あけたほうが効果的だとされています。
なので12歳以下の子どもは、1回目を10月に、2回目の接種を11月にするよう、私は推奨してきました。

ところが今回、小学3年以上の接種開始を遅くするのなら、子どもたちの免疫獲得は確実に遅くなります。

前述の(2)は、日本感染症学会の提言に基づくものだといいますが、それは提言の趣旨とは異なります。
提言では、インフルでは年少児対策が重要だとしながらも、小児全体への予防接種を推奨しているからです。

インフルエンザの流行を少しでも阻止したいなら、小中学校での感染拡大を防がなければなりません。
高齢者はともかくとして、小児の優先対象を小学2年で区切るような中途半端なルールはやめていただきたい。

ワクチンの優先接種順位や供給量において、厚労省の机上の空論はしばしば、現場を混乱させるばかりです。

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「同時接種」はOKなのに、「同日接種」はダメなのか?
- 2020/08/01(Sat) -
同時に複数のワクチンを接種する「同時接種」によって、何か特別な副反応が起きることはありません。

しかしつい最近まで、同時接種を嫌うのは被接種者(の保護者)の方だけでなく、そんな先生方もいました。
万一、接種後に副反応が起きた場合に、どのワクチンが原因かわからなくなるというのが、その理由のひとつ。
でもそれを言うなら、混合ワクチン(MRとか4種混合とか)だって同じこと。理由になりません。

とくに乳児に早く免疫を獲得させるためには、効率の良い同時接種が必要で、いまでは当たり前になりました。

今年10月からは、異なるワクチンどうしの接種間隔の規定が、原則として撤廃されます。
現行制度では、不活化ワクチンの接種後は1週間、生ワクチン後は4週間ほど、他のワクチンが接種できません。
しかし新しい規則では、注射生ワクチンどうしでなければ、接種間隔にはいっさいおかまいなく接種できます。
たとえば、今日、水痘ワクチンを接種して、明日、日本脳炎ワクチンを接種することも可能です。

接種間隔の制限撤廃で接種計画の自由度が格段に上がるので、これもまた速やかな免疫獲得のために有益です。

欧米ではワクチンの接種間隔に制限がないのに、日本ではずっと、接種間隔が厳しく制限されてきました。
ワクチンの副反応を確認するための期間が必要だ、というのがその理由。副反応が気になってしかたないのか。
病気を早めに予防することよりも副反応を減らすことの方を重要視する、いかにも日本流の考え方です。

さて、同じ日に別の医療機関等で複数のワクチンを接種する「同日接種」については、いまだにグレーです。
副反応が起きた時の責任の所在が曖昧になる、という理由もあるでしょう。しかし考えてみてください。
次の日に別の医療機関でワクチンを接種するのがOKになるのに、同日がダメな根拠なんてあるのでしょうか。

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コロナよりも怖い病気を、まず予防しましょう
- 2020/07/20(Mon) -
コロナ禍によって医療機関の受診控えが起きていますが、それは子どもの予防接種の接種率にも表れています。

「NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会(VPDの会)」が最近公表した集計結果によると、
・0歳児の予防接種は、肺炎球菌ワクチンやロタウイルスワクチンの接種率低下以上に、BCGが大幅に低下した
・1歳児のワクチンも、定期のMRワクチンや任意のおたふくかぜワクチンともに、接種率低下が続いている

とくにBCGについては、集団接種の延期や大人のBCGワクチン接種による供給不足が考えられるとのこと。
BCG接種が新型コロナの感染予防効果があるという話が出たため、大人が接種する例があったのでしょうか。
たしかに当院でも、成人のBCG接種の問い合わせはありましたが、しかし実際に接種したケースはありません。
熊本では集団接種も行っていないので、VPDの会の集計結果には疑問を感じました。

ならばと、当院の予防接種データベースで、昨年3〜5月の接種件数と今年3〜5月の件数を比べてみました。
対象ワクチンはVPDの会と同様に、0歳児の肺炎球菌1回目とロタ1回目とBCG。それに1歳児のMRワクチン。

その結果、肺炎球菌ワクチンは昨年の48%減、ロタは61%減、BCG27%減、MRワクチンは53%増でした。
これはひどいですね。例数が少ないので統計学的有意性はないとしても、0歳児の接種控え傾向は明らかです。
ただし、肺炎球菌やロタに比べるとBCGの落ち込みは少なく、VPDの会のデータとは一致しません。
またMR1期接種に至っては、今年の方がむしろ件数が増えていましたが、その理由はよくわかりません。
もしかすると、コロナ禍が長引くと見越して、早めに接種する人が多かったのかもしれません。

定期接種対象のなかでも、ヒブや肺炎球菌や百日咳は、乳幼児が感染すると命にかかわりかねない感染症です。
だからこそ、0歳からの定期予防接種が規定されているのです。コロナを恐れるよりも先に恐れるべきです。
どのクリニックでも、乳幼児の予防接種においては、しっかりとコロナ対策を行っているはずです。
だから安心して、受診してください。まずは、いちばん怖い病気を予防しましょう。

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新HPVワクチン「シルガード9」が登場したけど、導入はどうなる?
- 2020/06/29(Mon) -
「シルガード」で検索しようとしたら、「汁ガード」に変換されて少し脱力しました。
気を取り直して「シルガード」でググると、今はまだ、「南蛮しっくい シルガード」がトップに出てきます。

新しいHPVワクチンを調べたいのであれば、「シルガード9」で検索するのがオススメです。
申請から5年経過してようやく先月、厚労省の部会が製造販売を承認。いまは正式承認待ちの段階です。

現在、いちおう定期接種として使われているHPVワクチンは、「サーバリックス」と「ガーダシル」です。
日本では諸問題が提起されたため、WHO等からの非難にもめげず、「積極勧奨接種」が止まっています。
「定期接種だけど接種は勧めませんよ」という、厚労省の意味不明な態度のため、接種率は1%以下です。

幅広い型のHPVに効くように、4価ワクチンのガーダシルをパワーアップして、9価にしたのがシルガード9。
ちなみに4価とか9価というのは、4つあるいは9つの型のHPVに効く、という意味ですね。
海外では「Gardasil 9」という名称ですが、日本では前後ひっくり返して「シルガード 9(Silgard 9)」。
「シル(扁平上皮内病変;SIL)」から「ガード」する、というのが命名の由来。ガーダシルでも同様です。

欧米では、数年前からGardasil 9を導入しているので、日本は周回遅れよりもさらに遅れています。
市民団体やメディアの反対にめげて消極的な態度が続く厚労省なので、シルガード9の正式導入も不透明です。
HPVワクチンの積極勧奨を止めている手前、同種のワクチンを新規導入しにくい面もあるでしょう。
ワクチン名を変えたのも、従来のワクチンとは別物のように印象づける、小手先の策かもしれません。

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新型コロナ流行のいま、とりあえず接種しておきたいワクチンとは
- 2020/06/05(Fri) -
新型コロナウイルス感染に対しては、世界中の研究機関や製薬会社が、ワクチンの開発を進めています。
私たちが普通に接種できるようになるのは、数か月後か数年後か。いずれにせよ待ち遠しいですね。

ではそれまでは、指をくわえて待っているだけかというと、違います。別のワクチンを接種する手があります。

およそ100年ほど前、インフルエンザが世界中で流行して数億人が感染し、数千万人の死者を出しました。
いわゆる「スペイン風邪」です。その命名の由来は、最近テレビでもよく解説されているので割愛します。
そのときの死者の多くは、肺炎球菌の「二次感染」による死亡だったことが知られています。

新型コロナにそのまま当てはまるわけではありませんが、二次感染に注意すべきであることは同じです。
少なくとも中国での死者の一定数には、二次性細菌性肺炎が関与していることが指摘されています。
そしてこのような場合、原因菌の大半は「肺炎球菌」であることも、経験上わかっています。

であるならば、今のうちに高齢者用肺炎球菌ワクチンを接種しておくことは、医学的に正しい考え方でしょう。

この肺炎球菌ワクチンは通常、高齢者や免疫が低下している状態の方に、接種が推奨されています。
しかし、コロナに感染すること自体が免疫の低下状態とみれば、肺炎球菌感染の予防は誰にでも有意義なはず。

肺炎球菌ワクチンの定期接種は、5年間の経過措置の接種率が低すぎたので、二巡目の接種が行われています。
この経過措置を利用するなら、今年度65歳以上の5の倍数の年齢になる未接種の方は、今がチャンスです。

コロナに罹る前に、ダッシュで肺炎球菌ワクチンを接種しておきましょう。いつでもご予約ください。

定期接種対象でなくても、2歳以上なら誰でも、高齢者用肺炎球菌ワクチンを任意接種することができます。
接種の効果は5年続くといわれ、また、5年以内の再接種は副作用が強く出るので原則としてできません。
そういえば私は今年度還暦を迎えます。今年任意接種して、5年後に定期接種という作戦もアリか。

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子どもの予防接種は、対象年齢・月齢になったらすぐ受けましょう
- 2020/05/09(Sat) -
自粛ムードの中、子どもの予防接種だけは控えることがないようにと、各種団体等が啓蒙活動をしています。
ワクチンの接種は決して「不要不急」ではなく、「必要至急」なものです。
なので接種対象年齢に達したら、なるべく早めに接種することをお勧めします。
感染症を予防するための手段ですから、ワクチンの接種を遅らせて得られるものは何もありません。

乳児期に接種するワクチンは定期接種だけで13接種分ありますが、重大な感染症予防のためには全部必須です。
これにロタウイルスワクチンを加え、日本脳炎ワクチンも0歳で開始するとすれば、全部で18接種になります。
誕生日が来たら、すぐにMRワクチンなどを接種したのち追加接種が続き、1歳児では全部で8接種あります。

他の医療機関でも同様とは思いますが、子どもの予防接種は一般診療とは別の、専用の時間帯に行っています。
なのでコロナウイルス感染の危険は少ないはずですが、院内感染を防ぐためには十分な工夫が必要です。

無症状で元気な子どもやその保護者でも、新型コロナに感染している可能性は常に考えなければなりません。
被接種者どうしが接近することも、念のため避けなければなりません。本当に面倒なことになったものです。

新型コロナウイルスのワクチンは、いま世界中で開発が進められています。とても待ち遠しいワクチンです。
それと同様に、現在定期接種をしているワクチンにも、悲惨な疫病を駆逐または減らしてきた歴史があります。
目の前のコロナを恐れるあまり、別の重大な感染症の予防をないがしろにするのは、本末転倒です。
いま、やれることをやれる順にやるのであれば、まずは定期接種を規定通りに受けることでしょう。

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新型コロナに効くかどうかはともかく、BCGの接種には要注意です
- 2020/04/12(Sun) -
「BCGが新型コロナに効く」という情報がありますが、いま成人が接種して有効かどうかはわかりません。

日本では、BCGは0歳児の定期接種ワクチンです。当院でも毎月7〜10人の乳児に接種を行っています。
その接種方法は独特で、「管針法(かんしんほう)」という、いわゆる「ハンコ注射」をします。
管針というのは、9本の針が円筒形のプラスチック容器に植え込まれた、小さな「剣山」みたいな器具です。

ワクチン液を皮膚に塗布しておき、そこへ管針を押し当てると、刺さった針先でワクチンが微量接種されます。
上腕中央部に2カ所並べて接種するので計18個の針痕が並び、接種の1カ月後頃にもっとも赤く腫れます。
その後は徐々に白っぽく目立たなくなりますが、それでも一生残る瘢痕なので、接種時には気を遣います。

絶対にしてはならないのは、ワクチン液を普通の注射器で普通のワクチンのように皮下注射することです。
大量のワクチン液が体内に入るので、その反応はすさまじく、皮膚がひどくただれて悲惨なことになります。

最近、成人へ皮下接種した事例が報じられました。新型コロナ対策の目的で行ったと思われる、過誤接種です。
きっと醜い瘢痕が残ることでしょう。一生消えません。被接種者にも接種医にも、痛いことになりましたね。

日本でBCGを製造してるのは、「日本ビーシージー製造」1社だけです。
接種するのはおおむね、その年に生まれた赤ちゃんだけなので、製造数もその程度で計画されているはず。
ところが先月末の出荷数は通常の3倍に急増したそうで、怪しげな発注が多数含まれている可能性があります。
すでに東京や大阪では、欠品になっているという噂も聞きます。

当院の在庫定数は5本。約半月分の使用数です。熊本ではまだ発注できるようですが、今後どうなることやら。
基本的に乳児用のワクチンです。おかしな使い方をする医者が増えないよう、祈るばかりです。

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ヒブワクチンが突然出荷停止となり、乳児の定期接種に大打撃
- 2020/01/30(Thu) -
乳児の定期接種ワクチンのひとつ「ヒブワクチン」が、供給停止のために接種中断の危機に瀕しています。

コトの発端は昨年12月。ヒブワクチン溶解用注射器の針に「さび」が発見されたことでした。
ワクチン本剤の不良ではありませんが、接種時には必ず用いる専用の注射器のため、問題となります。

ただし、たった1件の事例だったので、製造工程での突発的な事象として、ワクチンの出荷は続けられました。
念のため、注射針の状態や溶解液の色について目視で良く確認するように、という通知が出されました。

ところがその後、同様の事象が複数件報告されるに至り、今週になってメーカーは製品の供給を中止しました。
これによってヒブワクチンは、医療機関と薬品卸の在庫が切れた時点で、完全に枯渇することになります。

不良品の率がきわめて低いため、原因究明がなかなか難しく、時間を要すと考えられています。
メーカーは、来月末頃に供給の見通しを示す予定だといいますが、出荷再開がいつになるのかは不明です。

いずれにせよ、乳児の予防接種計画には大打撃です。規定通りに接種を勧めていくことは、ほぼ不可能です。
厚労省は、追加接種まで計4回の定期接種のうち、1回目と2回目の接種を優先するようにと言っています。
言い換えれば、ワクチンを節約するために、3回目以降の接種は見合わせてくれということです。

この重要なワクチンの接種をきちんと完了できないのは、子どもたちをを危険にさらす非常事態ともいえます。
予防接種では、時々こういうことが起きます。ワクチンの供給量が需要ギリギリだからなのでしょうね。
コスパばかりを考えず、ワクチンはもう少し余裕のある製造・輸入と備蓄が必要だと思います。

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勧奨再開はあるのか
- 2020/01/25(Sat) -
年度末が近づくと、学年単位で接種するように規定された定期予防接種の、駆け込み接種が始まります。
麻しん/風しん混合(MR)ワクチン第2期がその代表ですが、実はHPVワクチンもそうです。

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の定期接種の対象学年は、小6〜高1、となっています。
全3回の接種を、規定内の最短間隔で接種しても、3回目の接種は1回目の4カ月後となります。
つまり、高1の方は11月中に接種を開始しなければ、3回の接種をすべて定期接種(無料)にはできません。
さらにいうなら、2月中に接種を開始しなければ、2回目の接種すら任意接種(有料)となってしまいます。

任意接種だとバカみたいに料金の高いワクチンなので、どうせ接種するなら定期接種の対象期間中に限ります。

やがて厚労省が積極的勧奨を再開した場合、暫定的に特例接種対象を設けて、救済する可能性はあります。
定期接種が始まってすぐに積極勧奨差し控えとなったので、特例対象学年はかなり広い年齢幅となるでしょう。

同様の特例接種が、いま日本脳炎ワクチンで行われていますが、しかし事情はずいぶん異なります。
日本脳炎ワクチンは、新しいワクチンが開発されたことを根拠に、積極勧奨の差し控えが解除されました。
一方でHPVワクチンは、これまでと同じワクチンに対して、積極勧奨の差し控えを解除することになります。

前例踏襲を重んじる官僚が、はたして何を根拠に方針転換の決定を行うことが出来るのでしょう。
ワクチン接種を推奨する医学的知見はヤマほどあったのに、これまで動かなかった厚労省ですからね。

「すみません。判断を誤っていました。やはり接種すべきです」なんて事が言えたら、たいしたものですが。

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ワクチン行政動く?
- 2020/01/18(Sat) -
厚労省が昨日発表した文書に、ワクチン行政の方向性がまとめられていたので、少々けなしながらご紹介。

(1)HPVワクチン
「ワクチン接種後に生じた症状」に対しては、科学的解釈と心情的対応の両論併記ですか。変わってませんね。
積極勧奨再開の突破口になりそうな知見が出ているのに、どうしても心情面が気になって動けないようです。

(2)おたふくかぜワクチン
現行のMRワクチンに混合する形の「MMRワクチン」として、何年も前から検討ばかりが続いています。
どうしても安全性の方が問題になるようです。来年の通常国会には、法令改正案を提出するとかしないとか。

(3)帯状疱疹ワクチン
このワクチンはさすがに副作用を恐れる必要はありません。すでに小児に定期接種してますから。
厚労省の心配はコスパ。でも、ワクチンの有用性を必ず経済効果で評価する発想って、どうなの。

(4)不活化ポリオワクチン
1歳までの接種完了では免疫が長期維持できないため、5回目の接種が検討されていますが、議論が続きます。
そのあたりの対応の鈍さが、日本のワクチン後進国ぶりを露呈する典型例です。

予防接種に関する施策の基本的な方向として、厚労省は以前から次の2つを掲げています。
・ワクチンで防げる疾病は予防すること
・予防接種の効果とリスクについて、科学的根拠を基に比較衡量する

そして「衡量」した結果、ワクチンの効果よりもリスク回避の方を優先してきたのが日本のワクチン行政です。
ワクチンで防げるはずの子宮頸がんやムンプス難聴を見過ごしてきたツケは、決して小さくはありません。

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予診票の刷新を
- 2020/01/09(Thu) -
熊本市の、子どもの定期予防接種の予診票が、最近ますます「改悪」されて、書きにくくなってますね。

まず、医師のチェック欄の枠のサイズが、周辺には余白があるのに、とても小さくなっています。
おそらく、機会読み取りする部分だけを大きく、その他は小さくしたのでしょうけど、小さすぎです。
医師が記入する欄は、十分に大きくしてもらわなければ、私のように困る人間が多いと思いますけどね。

ワクチン名は最上部に記載されており、その上に余白が少なく、バインダーで挟んだら見えなくなります。
以前の予診票ではワクチン名がもう少し下に記載されていたので、クリップで隠れることはありませんでした。
近頃は同時接種が当たり前ですが、ワクチン名が見えない数枚の予診票が並ぶと、とても混乱します。

どうしてこのような、現場の実務を無視したデザインにするんでしょうね。考えが及んでないのでしょうか。

「予防接種番号」は、予防接種の予診票に記入する重要な番号ですが、なにかと問題があります。
「親子健康手帳交付番号」とソックリな番号なので、混同する方が後を絶たないことは、前に書いた通り。

予防接種番号は9から始まる9桁の番号ですが、予診票には1桁目の「9」だけがすでに印字されています。
したがって被接種者は、2桁目から記入すれば良いのですが、それで手間が省けたと喜ぶ人はいないでしょう。
むしろ書き間違いや混乱の元です。印刷してある「9」を無視して9桁の予防接種番号を書く方もいます。

同時接種が当たり前になった現在、いちばん望まれるのは、同時接種用の一括予診票ですね。
複数のワクチンの予診票が1枚で済めば、書くのも見るのも楽。一部の自治体ではすでに実現しています。

今年10月から、ロタウイルスワクチンが定期接種化される予定です。
6カ月未満の乳児が接種するワクチンは、同時接種の組み合わせがほぼパターン化します。具体的には、

(1)2カ月時:ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタの1回目
(2)3カ月時:ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタの2回目+4種混合の1回目
(3)4カ月時:ヒブ・肺炎球菌・(ロタの3回目)+4種混合の2回目
(4)5カ月時:4種混合の3回目+BCG

このうちせめて(1)〜(3)の予診票を一括化していただきたい。刷新するならまさにこの機会でしょう。

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接種間隔の制限撤廃へ
- 2019/12/25(Wed) -
「異なるワクチンの接種間隔」についての規定が、ようやく見直されることになりそうです。
予防接種法の一部改正(案)に関する「パブリックコメント」募集案件が、昨日厚労省から出されました。

現行の「予防接種法第5条第1項」で規定された、ワクチンの接種間隔をまとめると、こうです。
(1)不活化→不活化 :7日間隔
(2)不活化→生 :7日間隔
(3)生→不活化 :4週間間隔
(4)生→生 :4週間間隔

これが、以下のように、シンプルになりそうです。
(1)不活化→不活化 :間隔に制限なし
(2)不活化→生 :間隔に制限なし
(3)生→不活化 :間隔に制限なし
(4)生→生 :4週間間隔(注射生ワクチンの場合のみ。経口生ワクチンの場合は間隔に制限なし)

注射による「生ワクチン→生ワクチン」のときだけ4週間間隔で、それ以外はすべて制限が撤廃されます。
画期的と言えば画期的ですが、諸外国では当たり前の規定。日本が遅れているだけです。

でもこれで、例えばMRワクチンを接種した翌日に、インフルエンザワクチンの接種ができるようになります。
ロタウイルスワクチンは、他のワクチンの接種日程とは無関係に、接種日を設定することもできます。

厚労省が、現行の(1)〜(3)の制限を撤廃する理由が、ウケます。科学的根拠がないからだと。
いやいや。何年も前からわかってたことなのに、今ごろになってどうしちゃったの厚労省。ま、いいけど。

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インフルと同時接種
- 2019/12/23(Mon) -
インフルエンザワクチンと他のワクチンとの同時接種を、当院では推奨しています。
今日も、MRワクチンや日本脳炎ワクチンをインフエンザワクチンと同時接種したお子さんが、数名いました。

インフルエンザは、この時期には誰もが気にしているワクチンです。
一方で定期接種ワクチンは、保健所からの勧奨ハガキが届いた直後でもない限り、接種のことを忘れがちです。
たとえばMRの第2期は、接種期限である年度末が近づいた今でも、未接種の方がけっこういます。

そういったお子さんへの定期接種を促す機会として、インフルエンザとの同時接種がうってつけなのです。

当院でのインフルエンザワクチンの接種は、原則として専用サイトからのネット予約で受け付けています。
ただし、同時接種がある場合には、ネット予約ではなく電話で予約してもらうことにしています。
前にも書いたように、他のワクチンとの同時接種は、ネット予約枠とは別の時間帯に行うようにしたのです。
これは、予約の詰まったインフルエンザワクチンの接種を、できるだけスムーズに実施するためです。

この方式は割とうまくいったと思いますが、問題があるとすれば、たとえば兄弟の同時接種のときです。
1人がインフルのみ、もう1人が同時接種あり、という場合に、兄弟が同じ時間帯に接種できないのです。
実際には、うまく調整してやりくりしていますが、そのようなケースがとても多く、今後の課題です。

全体を通してみると、10月上旬の接種予約率の低さが、毎年のこととはいえなかなか改善できませんね。
その時期だけ安くする「早割」の導入を考えたこともありますが、それはそれで混乱を招きかねません。
料金の値引きは、いかに工夫したところで必ず誰かの不満を生み、苦情の元になるのです。経験済みです。

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ワクチン接種と流行期
- 2019/12/21(Sat) -
インフルエンザは、熊本県・熊本市ともに、すでに注意報レベルの流行期に入っています。
例年だと注意報が出るのは1月か2月なので、今シーズンはかなり早い流行です。

もっとも、当院に限ればすでに警報レベルの患者数で、とくに小学高学年から中学生が多い印象です。
本日インフルと診断された子どもたちは、終業式までには登校できず、早くも長い冬休みに突入しています。

例年、10月から開始するワクチン接種とその後の流行が、ちょうど入り交じるのが12月です。

ただし今シーズンは早い流行が予測されたため、可能な限り早めの接種をオススメしてきました。
すでに今日までに1,349人に接種をしましたが、これは昨シーズンの全接種数よりも100人多い数値です。
まだまだ接種を続けたいのですが、接種から診療に重点を移すため、ネット予約はすでに先週終了しています。
もちろん、ワクチンの在庫がある限り、希望者への接種は続けます。

ネット予約枠は、10月中旬以降ずっと満杯でしたが、10月上旬はガラガラでした。その理由はおそらく、
・10月上旬にはまだ、インフルエンザの予防接種をしようという切迫感がない
・あまり早く接種をすると、春先まで予防効果が持続しないのではないかとい心配する

私のオススメの接種時期(2回接種の場合)は、こうです。
・1回目:流行が早くても間に合うように、10月上旬に。この時期なら予約も取りやすい
・2回目:そのシーズンの流行具合を考慮して、11月の上旬から下旬で調整。

ワクチンの効果持続期間を心配するよりもまず、流行に間に合うように接種するのが先決です。

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消極的勧奨の推進?
- 2019/12/12(Thu) -
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)は、国が動かないかわりに、自治体レベルで動きが起きています。

「定期接種の対応について、市町村長は、接種の積極的な勧奨とならないように留意すること」

厚労省は6年半前に、このような「積極的勧奨接種差し控え」の勧告を、各都道府県知事に出しました。
「定期接種としては継続するけど積極的には接種を勧めるなよ」という、実に不可解なものです。

日本中の自治体がこの勧告にビビって盲従し、対象学年に達した子らへの接種勧奨通知を中断しています。
おかげで対象者や保護者は、このワクチンの定期接種がもはや中止になったのかと、勘違いしています。

そうではありません。HPVワクチンは今でも定期接種です。世界中で接種されている重要なワクチンです。
日本で毎年1万人が罹患し3千人が死亡している子宮頸がんを予防するための、とても大事なワクチンです。

科学的(医学的)に考えたら、積極的勧奨接種の差し控えは愚の骨頂。でも国は動かない、いや動けない。
メディアや市民団体等におされて決定した措置とはいえ、その決定を覆すためには何か理由が必要なのです。

さいわい、積極的勧奨はしないということですから、裏を返せば、消極的勧奨は可能だという解釈ができます
この「盲点」を突いて、やんわりと勧奨を始める自治体が、最近になって次々に出てきました。

「あなたは定期接種の対象年齢ですよ」と連絡する程度の「情報提供」を、対象者に送付するようです。
「あなたは定期接種の対象年齢ですけど、それ以上は何も申しません」という、ギリギリのニュアンスです。
「あとはあなたが決めてください。定期接種の対象なので、いま接種すれば無料ですけどね」的に。

消極的勧奨を積極的に推進する自治体の動きを国が黙認するという、妙な形ができるのでしょうか。
ホンネと建て前を使い分けた、実に日本的な問題解決法とも言えますが、理想にはほど遠いものです。
まあ、どんなやり方であれ、このワクチンの接種が市民に周知されて接種率が回復すればいいわけですけどね。

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発破をかけられるか
- 2019/11/26(Tue) -
「循環器内科」を掲げている当院には、狭心症や心筋梗塞を心配して受診される方が時々います。
共通しているのは「胸痛」です。そして、そのほとんどの方の最終診断はたいてい、逆流性食道炎です。

前にも書いたように、病状や病歴と心電図所見で、それが心臓の痛みかどうかは、あらかた見当はつきます。
そこで逆流性食道炎に効く胃薬を処方し、経過を見ることにしますが、ほとんどの方は、その胃薬で治ります。
最近は、切れ味の良い胃薬があり、それを飲めば逆流性食道炎かどうかがすぐわかるので、助かっています。

一方でワクチンは、感染症にすぐ「効く」わけではなく、またその「予防」効果を実感することもできません。

インフルエンザワクチンを接種した方は、その後インフエンザに罹る場合もあれば罹らない場合もあります。
しかし罹ってしまった方は、ワクチンが効かなかったのだと実感し、その後のワクチン不審につながります。
一方で、インフルエンザに罹らなかったかといって、それがワクチンの効果かどうかは誰にもわかりません。

予防接種の効果は結局、医学的な理論と統計学的な解析という「理屈」によってのみ、判定できるわけです。

ところがワクチン接種後に発症した「事象」は、理論や統計はどうであれ、副反応だと疑われる宿命です。
その典型例が「HPVワクチン」であることは、当ブログの読者であればよくご存じのことでしょう。

理屈よりも心情を重んじるのが日本人の特質なので、「被害者」が出ると反ワクチンに傾きやすいのです。

そんな中、三原じゅん子氏が今日、「HPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す議員連盟」を立ち上げました。
なにかと批判を浴びている三原議員ですが、子宮頸がんで子宮全摘した方ですから、この件は注目に値します。

「政治が何かを動かしていかなければ、子どもたちの命や子宮が守れない」と三原氏は決意表明しています。
フリーズしてしまっている厚労省を揺り動かすには、こういう爆薬(毒薬?)が有効なのかもしれません。

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HPVワクチンいま接種
- 2019/11/24(Sun) -
「HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)」の定期接種対象学年は、小学6年から高校1年までです。

「まだ接種してるのですか?」とか「任意接種ですよね?」という、やや認識不足な質問を時々受けます。
なにしろ国が積極的勧奨を中断しており、したがって公的には誰も推奨していないワクチンですからね。

インフルエンザワクチンの接種にやってきた小6から高1の女の子(の保護者)には、必ず勧めています。
「毎年1万人の女性が罹患し、そのうち3千人が亡くなっている病気を防ぐために、有効なワクチンです」と。
「いまでも定期接種ワクチンです。無料で接種できます。任意接種したら5万円かかりますよ」とも。

任意接種料金は余計かもしれませんが、しかし5万円という金額はかなり大きく、インパクトはあります。

啓蒙活動が奏功したのか、最近になってHPVワクチンの接種希望者がチラホラ現れています。
もっとも切迫している接種対象者は、高校1年生(相当)のお子さんです。

このワクチンは3回接種するのですが、最短の間隔で接種しても、全部で4カ月ほどかかります。
したがって高1の場合、定期接種を完了するためには今月(11月)中に接種を始める必要があります。
もうあと1週間しかありません。事態は極めて切迫しているのです。今すぐにでも接種を開始しましょう。

後になって、接種を逃した対象者を救済する措置(特例接種の設定)が講じられるかもしれません。
同様の特例接種は、かつて積極的勧奨接種を中断したことのある日本脳炎ワクチンで、いまも行われています。

しかしHPVワクチンは、接種年齢に「旬」があり、あとで特例接種しても間に合わない可能性があります。
それがわかっているはずの厚労省は、勧奨接種を中断したことの責任を、どのようにとるつもりなでしょう。

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チメロサールフリー
- 2019/11/06(Wed) -
ワクチンに含まれることの多い保存剤「チメロサール」は、かつて自閉症との関連が疑われたことがあります。
科学的にはすでに完全に否定された学説なので、皆様には安心して接種を受けていただけます。
しかし、過去の誤った議論が一種の風評被害としてくすぶっており、いまでも懐疑的な見方をする人がいます。

現在では、ワクチンのメリットがチメロサールのリスクを上回る、という考え方が一般的です。
しかし一部には、ワクチンのメリットよりもチメロサールのリスクの方が重大だと考える人もいます。

そこで例えばインフルエンザワクチンには、チメロサールフリーの製剤も、製造販売されています。
さらにそれを受けて、「当院のワクチンはチメロサールを含有していません」と宣伝する医療機関もあります。
チメロサールフリーでなければ接種しない、という方に安心して接種してもらうための方策なのでしょう。

しかし、医師がチメロサールフリーワクチンを推奨すると、一般の方は混乱してしまいます。
じゃあやっぱり、チメロサールは危険なんじゃないの、と思われても不思議はありません。

そもそも、チメロサール含有製剤と非含有製剤が混在していることが、よく考えたら混乱の元凶なのです。
チメロサールフリー製剤を販売するのであれば、この際チメロサール含有製剤の方を完全撤廃してもらいたい。
反チメロサールや反ワクチン感情には、客観的な理屈を超えたものがあり、科学では対処しきれませんから。

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乳児のインフルワクチン
- 2019/10/29(Tue) -
インフルエンザワクチンは、規定上は0歳6カ月から接種を受けることができます。
しかし当院ではこれまで、原則として1歳に近い月齢の乳児にのみ、限定的に接種を行ってきました。

0歳児への接種にあまり積極的ではなかった理由は、乳児ではインフルワクチンの効果が弱いからです。

生ワクチンは弱毒化したウイルスであり、体内で増殖して免疫系を刺激するので、強い免疫が獲得できます。
一方で不活化ワクチンは不活化したウイルスなので体内で増殖せず、誘導される免疫も弱いものとなります。
それでも、ウイルス全体を不活化精製した「全粒子ワクチン」はまだ、ある程度の免疫反応を引き起こします。
しかし、ウイルスの一部のみを精製した「スプリットワクチン」では、体内での免疫反応はごく弱いものです。

インフルエンザワクチンはかつて全粒子ワクチンでしたが、発熱などの副反応が多く、嫌われました。
その副反応を減らすべく、厚労省はスプリットワクチンへと方針転換し、現在に至ります。

当時の開発者によれば、「副反応がなければ効き目などはどうでもいい」というのが国の考え方だったとか。

残念ながらスプリットワクチンには、すでに免疫獲得済の抗体産生細胞を刺激する程度の効果しかありません。
つまり現在のインフルワクチンは、過去にインフル感染歴がなければ、ほとんど無効だということです。

そのような理由で、乳児への接種にはあまり積極的ではありませんでしたが、今シーズンは考えを変えました。
0歳6カ月以降であれば、すべての希望者に、原則として制限無く接種を行っています。
なぜなら、今回接種しておけば来シーズンの接種が2回目となり、多少でも効果が増えると思うからです。

いずれにせよ乳児への接種効果は弱いので、そのほかの家族がしっかりと予防することが肝要です。
当院では、家族全員がワクチンを接種することが、乳児へのインフルワクチン接種の条件となります。

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インフル接種専用枠
- 2019/10/27(Sun) -
インフルエンザワクチンを接種しつつ、また別の時間帯にはインフルエンザ患者の診療を行うような日々です。
昨日はまだ流行期ではないと書きましたが、やはりいま、まさに流行期に突入しつつあることを実感します。

予防接種の最大の目的は、感染症の予防です。感染する前にワクチンを接種しなければ、間に合いません。
なので一般に、ワクチンは対象年齢(月齢)になったらなるべく早く接種するのが寺田の鉄則です。
また、予防接種を効率よく進めてできるだけ早く完了するためにの有効な手段が、同時接種です。

ときどき、同時接種には懐疑的(不安)な方がいらっしゃいます。その気持ちはわかります。
しかし、同時接種の安全性と優位性を丁寧にご説明することで、多くの方が納得して接種を受けられます。

当院は以前から、インフルエンザワクチンと他の定期接種ワクチンとの同時接種を推奨してきました。
そうすれば何度も来院する必要がなくなり、早めの接種完了が見込めるからです。
延び延びになっていた日本脳炎ワクチンを、インフルエンザのついでに接種する、なんてこともできます。

しかし、同時接種をすれば接種に時間を要し、全体の流れが悪くなってしまうデメリットがあります。
インフルエンザワクチンは、ネット予約の接種時間枠をギチギチに設定しているので、時間のズレは問題です。

そこで今年はネット予約枠をインフル専用とし、その枠内での同時接種は原則として行わないことにしました。
おかげで、インフル接種はとてもスムーズになりましたが、定期接種にどうしてもしわ寄せが来ます。
今年のやり方はたぶん、少し修正する必要がありそうです。そんな感じで毎年、試行錯誤が続くのです。

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インフルと他のワクチン
- 2019/10/26(Sat) -
「今年はインフルエンザの流行が早いらしいですね」「そうみたいですね」
インフルエンザワクチンの接種をしながら、あるいは一般診療中にも、しばしばこのような会話になります。

ところが、国立感染症研究所の報告によれば、定点あたり報告数は必ずしも増えておらず、むしろ減ってます。
沖縄を除いてまだまだ報告数は少なく、今年の流行が早いなどと言うこと自体が、時期尚早なのでしょうか。

それでも、やはり早めに接種を行った方がよさそうな雲行きです。
2回接種をする12歳以下のお子さんはとくに、1回目の接種はとりあえず、早めに済ませた方がよさそうです。
1回接種の成人の方にも、今シーズンは10月中の接種をオススメしているぐらいですから。

その成人ですが、例の風疹第5期接種の対象者では、インフルエンザワクチンとの接種間隔が問題となります。

MRワクチンという生ワクチンを接種してしまうと、次のワクチンが接種できるのは4週間後になるからです。
風疹対策は大事ですが、インフルエンザワクチンの接種をみすみす4週間も先延ばしたくはありません。
一方で、先にインフルエンザワクチンを接種した場合には、その1週間後にはMRワクチンの接種ができます。
そこで当院では、インフルエンザワクチン接種の予定がある方には、MRより先に打つように勧めています。

実は、そのような接種間隔の規定は、日本独自の「ローカルルール」です。医学的根拠はありません。
そもそも不活化ワクチンは他のワクチンとは影響しないので、接種間隔を気にする必要などないのです。
現に海外では、不活化ワクチンを接種した翌日に別のワクチンを接種したりしています。

この非科学的なルールを見直す動きが厚労省内部にもありますが、その実現には時間を要すでしょうね。
ならばせめて、インフルエンザワクチンだけでもいいから、接種間隔の規定を撤廃してくれませんかね。
他のワクチンとの接種間隔をまったく気にしなくても良いのなら、どれほど接種計画が楽になることか。

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年長児のワクチン
- 2019/10/25(Fri) -
「いま、年長児が接種すべきワクチンは何でしょう?」と問われたら、何ワクチンだと答えますか?

(1)インフルエンザワクチン
ひっかけ問題です。年長児でなくても、この時期には最優先で接種すべきワクチンだと思います。

(2)麻しん/風しん混合(MR)ワクチン第2期
定期接種としては、真っ先に思いつくのがコレ。まだ接種していない方は急ぎましょう。

(3)おたふくかぜワクチンの2回目
1歳の時に1回接種しただけって方がとても多い。通常は2回接種します。2回目は4〜6歳がオススメです。

(4)3種混合ワクチン(DPT)
定期接種としては、ポリオ(IPV)を加えた4種混合ワクチン(DPT-IPV)を、0歳で3回、1歳で1回接種します。
しかし1歳の時の接種の数年後には免疫切れを起こすので、年長児頃の追加接種(任意)が推奨されます。
4種混合ワクチンの5回目の接種が認められていないので、DPTとIPVを別々に接種する必要があります。

(5)不活化ポリオワクチン(IPV)
日本では4種混合ワクチンとして1歳までに4回接種したら終了しますが、そんな先進国は、他にありません。
なぜなら、4歳以降に追加接種をしないと、長期間の免疫が維持できないことがわかっているからです。
欧米のほとんどの国では、0歳で2〜3回、1〜2歳頃に1回、4〜7歳以上で1回以上接種しています。

最近、不活化ポリオワクチンの通算5回目の接種をしたいという、年長児の問い合わせがありました。
われわれの啓蒙活動不足に加えて任意接種の料金も高いので、このような接種希望者はまだ少数派です。

厚労省も数年前から、不活化ポリオワクチンの第2期接種(=通算5回目の接種)を検討しています。
しかし、もっと急ぐワクチン(ロタおたふくかぜワクチン)の導入検討が優先されるのはやむを得ません。

でもそれなら、いい加減になんとかして欲しいのは、HPVワクチンの積極的勧奨接種の再開でしょう。
インフルエンザワクチンを接種しに来た女子中学生にはHPVワクチンも勧めていますが、反応は鈍いですね。

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ワクチンいつ打つ?
- 2019/10/06(Sun) -
インフルエンザワクチンの接種を始めています。
さいわい、現時点ではワクチンの供給に不安はないので、時間枠の許す限り、接種予約を受け付けています。
予約専用サイトの管理画面を見ると、土日枠はかなり埋まっていますが、平日にはだいぶ空きがあります。

例年、もっとも混み合うのは11月です。でも今年はそのピークを10月に持って来たいところです。
どうやら今シーズンはインフル流行が早そうなのです。近隣の小中学校では、学級閉鎖も出始めています。

ワクチンの接種時期に関して、例年よく尋ねられる質問があるので、この場を借りて回答させていただきます。

(1)風邪を引いたが接種できるか?
どのようなワクチンであれ、体調不良のときに接種するのは有効性の面でも安全性の面でも問題があります。
しかし他のワクチンとは異なり、インフルエンザワクチンは旬のモノ。あまり延期すべきではありません。
結局は、風邪の症状や経過を総合的に判断して、接種の可否を決めることになります。

(2)抗生剤を飲んでいるが接種できるか?
そもそも、抗生剤で治療するような感染症は、ワクチンの接種を行う前に治しておくべきです。
とくに、他院で抗生剤等の処方を受けたばかりの場合は、接種を見合わせることが多いですね。
抗生剤を飲むとワクチンが効かなくなるわけではなく、その感染症の経過自体を少し見守りたいのです。

(3)早く接種しすぎると、シーズン後半で効果が切れないのか?
まったく本末転倒な疑問です。日本人にはどうも、メリットよりもデメリットを先に考えるタチがありますね。
ワクチンの効果切れを懸念するよりも、接種が流行期に間に合うかどうかを心配して欲しい。

(4)いったい、いつ接種するのがいい?
「いまでしょう」というのが、冗談抜きで正解。とくにお子さんは、なるべく早く1回目を打ちましょう。
2回接種するお子さんの場合、1回目と2回目の間隔は4〜6週間ほど空けた方がよく効くとされています。
しかし、流行期が迫っていることを考慮すると、2回目を11月中には済ませたい。
となると1回目は、今月前半に接種するしかありません。これホントです。

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ロタワクチン定期化決定
- 2019/09/27(Fri) -
ロタウイルスワクチンは、来年10月から定期接種になることが決まりました。
有効性も安全性もコスパも、ひととおり検討が済んだわけですが、なお実施まで1年待たせるんですね。
それならば無料接種までのつなぎとして、とりあえず接種費用の助成を開始してくれるといいんですけどね。

ところで、ロタウイルスワクチンの接種を行う上で、問題がいくつかあるようです。私が興味深いと思うのは、

(1)2種類のワクチン(ロタリックスとロタテック)の互換性の問題
米国では、両者のワクチンを組み合わせても、計3回接種すればよかろう、という考え方になっています。
組み合わせ接種による安全性と有効性については、厚労省もおおむね(やむを得ず)認めています。
ただ、これまでずっと組み合わせを禁じてきた手前、前言を撤回するための理屈をこね回してるのが笑えます。
日本は里帰り出産が多いから1回目と2回目の接種では医療機関が変わるのが問題、なんて真面目に言ってる。

(2)ワクチンをすぐに吐き出した場合の再接種(再投与)はどうする
現在、ロタリックスでは再接種を認め、ロタテックでは認めないと、添付文書に明記されています。
両者を組み合わせて接種する場合も出てくるので、現状のままでは整合性がとれないのが、お役所的には痛い。
どうやら定期接種では、再接種を認めない方向のようです。ロタリックスにしてみれば、とんだとばっちりか。

(3)接種控え対策はどうする
ワクチンが無料化になる直前に、わざわざ有料で接種したくないのが人情。いわゆる「接種控え」問題です。
乳児期の重症感染症を予防するのがワクチン接種の目的ですから、接種が遅くなればなるほど危険です。
さらにロタウイルスワクチンは、遅い週齡で接種を開始するほど重い副反応が起きやすい問題もあります。
なので厚労省は、来年8月生まれ以降の乳児だけを、10月からの定期接種対象にしようと考えているようです。

(4)他のワクチンとの接種間隔はどうする
現状では、ロタウイルスワクチンは他の生ワクチンと同様に、他のワクチン接種まで4週間の間隔が必要です。
しかし欧米では、ロタと他の注射ワクチンとの接種間隔には何の規定もなく、自由に接種できています。
厚労省はこの機会に、接種間隔について見直そうという言い始めました。これは珍しく良い話。
さらに他のワクチンでも、欧米にならって接種間隔を緩和しようかという動きさえ出ています。朗報です。

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2巡目でおしまい?
- 2019/09/22(Sun) -
高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種は、5の倍数の年齢の方を対象とした経過措置が、5年間行われました。
65歳以上の高齢者全員に等しく接種の機会が与えられたわけで、対象者の多くが接種する見込みでした。

しかし実際には接種率は思いのほか低く、やむを得ず経過措置が「2巡目」に入っています。マヌケな話です。

接種率が低かったのは、自己負担金が高いことと、日頃の啓蒙活動が不十分だったことが要因でしょう。
それに加えて、接種対象がわかりにくい制度設計にも問題があったと思います。

5の倍数の年齢が対象なのだから、今回はパスして5年後に接種しようと考えた方には、何人も出会いました。
本来、この経過措置は、全高齢者に1回だけ接種機会を与えるように考えられた制度でした。
与えられた機会を自ら手放した方には、もう二度と定期接種の機会は与えられないわけです。

私はそのことを、今回が最初で最後のチャンスですよと、口を酸っぱくして説明してきました。
今回、2巡目の経過措置が始まったのは良かったですが、私の説明は嘘になってしまいました。ま、いいけど。

ただ残念なことに、せっかく2巡目が始まったというのに、それならば接種しようという方は多くありません。
この定期接種制度の啓蒙活動が活発になったとも思えません。これじゃあ5年後には、3巡目に突入するかも。

その反対に先日、65歳の時に接種済なのに、今回70歳で2巡目の定期接種を受けに来られた方がいました。
1回目を他県で接種した後に熊本に引っ越したら、また定期接種の対象者として勧奨のハガキが来たとのこと。
どうやら接種情報が、県をまたいで共有できていないようです。お役所の仕事としてはお粗末ですね。

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