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統計
- 2009/05/19(Tue) -
勤務医時代のある日、集中治療室(ICU)にいた5人の患者さんの平均年齢を計算してみました。
およそ30歳ぐらいでした。

30歳と言えば、体力が充実し活力に満ちた年齢のはず。
さては深夜の交通事故で負傷した若者たちが一度に担ぎ込まれたのか・・・と想像してみることもできます。

タネを明かすと、5人の内訳は乳児(0歳)3人と高齢者2人。
0+0+0+70+80を5で割って30といったところです。すべて心臓手術後の患者さんでした。
平均年齢30歳という統計値には、何の意味も無いどころか、間違った印象を与えることがよくわかる典型的な事例です。

テレビの報道番組や特集を見ていて、視聴者に誤解を与える(または誘導する)統計値をしばしば目にします。
縦軸の目盛りがゼロから始まっていない棒グラフを出すような番組を、私は信用しないことにしています。

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植物と太陽
- 2009/05/09(Sat) -
数年前から鉢植えのコーヒーの木を育てています。
いつか実をつけたら、泣きながら収穫して、焙煎して、じっくり味わうつもりです。涙の味しかしないかもしれませんが。
最近、めいっぱい日の当たる所に、鉢の置き場所を変えてやりました。

さて今日は、ヒマワリの生態について、一般にはあまり知られていない珍現象をお教えしましょう。

ヒマワリは太陽光を感知すると、植物ホルモンの作用によって茎が曲がり、花が太陽の方向に向きます(正の屈光性)。
これは、光エネルギーをもっとも効率よく受容するための合目的的な現象です。
太陽の動きにつれて茎の曲がり具合も刻々と変化するので、あたかも花が太陽を追いかけるように、東から南、南から西へと向きを変えていきます。
日が沈むとホルモン分泌は途絶え、ヒマワリも眠りに入ります。したがって花はみんな西向きで夜を過ごすのです。
ところが翌朝、東の空が明るくなると、花はあわてて東向きに急転回します。これは数分間、おそらくは数秒以内の現象でしょう。
花は西から南を経由して東向きに戻ります。もしも北回りだと、茎がよじれてしまうからです。
ヒマワリ畑で、この急転回の決定的瞬間を見てみたいものです。
おそらくザワザワと音をたてて大騒動になっていると思われますが、いまだに目撃者はいないようです。

今日の話、子供には教えないで下さい。事実とは少し異なりますので・・・
(正しい現象についてはまた後日)

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スピーチ
- 2009/05/08(Fri) -
当院の看護師長が先月めでたく結婚いたしました。私は新婦側の主賓として披露宴に招かれました。
その主賓スピーチをめぐるドタバタが、今回のお話です。

格調高い祝辞にするために、書店をまわってマニュアル本を購入。しかも3冊。しかし読まずに寝かせておく(イメージトレーニング)。
式の前日、異常なまでの集中力(焦りとも言う)をもって本を読破、ただちに原稿執筆開始。
祝辞にはひととおりの挨拶言葉が必須(社交辞令)。新婦を褒めるかと思えば、説教もたれる(アメとムチ)。
印象的なエピソードも3つぐらいは盛り込みたい(三点盛り)。
聴衆をホオッとうならせ、クスッと笑わせ、ホロッと泣かせて、あれもこれも・・・
あまり長いと途中で新婦のお色直しが入るかもしれません。
原稿を短くするのはホントに難しい作業です。

会場に向かう5分前に脱稿(人気作家並み)。念のため原稿を印刷。プリンタ設定がうまくいかず、異様に小さいフォントになったけど修復の余裕なし。
この日のためにヨネザワで新調したメガネ(遠近)は仕上がりが間に合わず。
車中で原稿を暗唱しようにも、意外に早く会場に到着。会場では知人に邪魔されて暗唱もままならず。
緊張を和らげるためのアルコール摂取は、尿意をもよおすばかりで逆効果。
テーブルに着いたらもはやまな板のコイ状態。
そして新郎新婦が入場。急に私は気が楽になりました。
「私の出番はたかだか3,4分間。この人達は2時間緊張の連続なのだ」と。

気がつくとスピーチは終了していました。
それを撮影したビデオを、私はまだ見ることができません。

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