インフルエンザワクチン不足
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- 2011/09/28(Wed) -
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待望のインフルエンザワクチンを、本日入荷しました。
10月1日から接種開始だというのに、例年このワクチンが届くのは9月下旬です。 しかし接種の予約は、それよりも前から受け付けなければなりません。 手元に現物がないのに、予約数が100人、200人と増えてくるのは、小心者の私には耐え難い恐怖です。 とくに今年はワクチン不足が懸念されています。 その理由のひとつは、先日も書いた、小児接種用量の変更(増量)です。 当院で、昨年と同じ年齢分布および人数での、今年のワクチン必要量を試算してみると、昨年よりも38%余計に必要であることがわかりました。 厚労省によると、今年のワクチン需要予測量は、2,771~2,798万本とのこと。 昨年の実使用数2,447万本で割り算すると、今年は13~14%増と見積もっているようです。 その程度の増量で済むのか、疑問です。 ワクチン不足のもう一つの原因は、北里第一三共の問題です。 もともと北里は、震災の影響による減産を発表していましたが、最近になって、製造されたワクチンに異物(トリレオウイルス)が混入していたことが判明し、236万本の出荷減です。 これによって、今年の国内ワクチン供給量(製造量)は2,700万本となりました。 さて、需要と供給の数字を、じっくり見比べてみましょう。 |
年齢が変わるのは誕生日の前日です
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- 2011/09/27(Tue) -
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民法上は、年齢が繰り上がるのは、誕生日の前日の午後12時とされています。
そして、午後12時というのは前日に属するので、したがって年齢が変わるのは誕生日の前日ということになります。 以前にも書いたように、この法律のために、あちこちでへんてこりんなことが起きます。古くて新しい問題です。 最近、予防接種に関連したサイトでも、この「年齢問題」が盛り上がっていました。 たとえば、1歳児が接種する麻しん/風しん混合(MR)ワクチンは、1歳の誕生日の前日から接種可能であり、逆に、2歳の誕生日の前日には、すでに2歳になっているので、接種できない、ということになります。 同様の解釈によって、選挙権は、20歳の誕生日の前日から与えられています。 私はこれまで、診療においては、誕生日の日に年齢が変わるものとして対処してきました。 したがって、予防接種対象年齢の解釈については法律違反をしてきたわけです。 急に心配になって、昨日、保健所に電話してみました。担当者曰く 「民法の規定とは異なりますが、熊本市では、2歳の誕生日の前日までは1歳として扱っています。」 ちょっと聞くと、不思議な回答ですね。 民法の年齢規定の趣旨を理解するために、こう考えてみました。 元日に生まれた子がいるとします。 その夜、家族は赤ちゃんを囲み「今日は良い1日だったね」とほほえむことでしょう。 同様に、大晦日の夜には、「無事1年経ったね」とほほえみます。 これこそが、「満1歳」という意味ではないでしょうか。 つまり、満1歳になるのは、出生日から1年目(12月31日)であって、出生日の1年後(1月1日)ではない、ということです。 |
生演奏とCDの違い
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- 2011/09/25(Sun) -
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バッハのロ短調ミサを聴くために、先日、福岡に行ってきました。
福岡古楽音楽祭の、オープニングコンサートです。 CDやDVDでは何度も聴いた曲ですが、やっぱり演奏会はよいですね。 では、生演奏の何がCDとは違うのか、考えてみました。 ・臨場感:ひとことで表すなら、結局この言葉でしょうか。陳腐ですが。 ・緊迫感:一発勝負の演奏者。彼らと対峙する聴衆。聴衆を前にますます緊張する演奏者。 ・同好の士の存在:その1曲を聴くためだけに、1000人を超える老若男女が集まっている。 ・音域:CDでは再現できない、可聴域外の低周波音や高周波音を体が感じます。たぶん。 ・音量:ダイナミックレンジが広い。いくら小さな音でも、耳を澄ませば聞こえてくる。 ・視覚:特定の演奏者に注目すると、その人の楽器からの音を選択的に聴ける(気がする)。 ・行儀:きちんとした服装と姿勢で聴く。ゴソゴソしない。咳もがまん。飲食など論外。 ・連続性:邪魔は入らないが中断もできない。ポーズボタンなし。最後まで一気に聴くのみ。 ・出費:交通費(新幹線代)も含めると巨額の支出。元を取らねば、と気合いが入ります。 ・手間ひま:会場までの移動で体力を消耗。適度に疲労した後の音楽が体に染みました。 いつでも好きな音楽を聴くことができるITの世の中になりましたが、時には原点に立ち返ってみたいものです。 |
インフルエンザワクチン接種量増量へ
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- 2011/09/20(Tue) -
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インフルエンザ予防接種の時期が近づいてきました。
ワクチンの供給に目処がついたので、当院でも本日よりネット予約の受付を始めました。 さて、今シーズンからは、小児の「1回当たりの接種量」が変わります。 昨年までは、0歳0.1ml、1~5歳0.2ml、6~12歳0.3ml、13歳以上0.5mlでしたが 今年からは、3歳未満0.25ml、3歳以上0.5mlと、全体的に増量され、シンプルになります。 実はこれが、WHO推奨用量であり、主要先進国の標準接種量なのです。 これまでの日本の小児接種量が少なすぎることは、少なくとも10年以上前から指摘され続けてきました。 それなのに厚労省は、接種量を変えようとしませんでした。 その理由は、接種量を増やすことによって副反応が増えることを、厚労省が嫌ったのではないかと、私は推測しています。 「効果があるかどうか」よりも「副作用がないかどうか」を重視する、おきまりの厚労省のスタンスです。 ようやくこのたび、国内ワクチンメーカー4社による、WHO推奨量での臨床試験によって、その効果が認められ、接種量が変更されました。 ただ、おかしいのは、その臨床試験です。 接種量を変更しようというのなら、「従来接種量」と「WHO推奨量」の2グループを設定して、抗体の獲得率などを比較検討し、「WHO推奨量」の方が優れていることを証明する必要があります。 これはすなわち、「従来接種量」では効果が劣っていたことを立証することにもなってしまいます。 そこで実際はどうしたかというと、「従来接種量」のグループは設定せず、「WHO推奨量」だけを試験したわけです。 従来量との比較検討をしなかったことについては、一応言い訳がなされていますが、それがケッサク。 「海外主要先進国では、WHO推奨量はすでに確立された用量であるから」とのこと。 はじめから結論ありき、です。わかってたのなら、早く変えればよかったのに。 |
書籍の整理
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- 2011/09/13(Tue) -
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公文書、手紙から請求書まで、可能なものはすべてスキャンし、pdfファイルにして保存しています。
このことは以前にもご紹介した通りです。 次に手をつけるとすれば、貧乏性ゆえに読みもしないのに所蔵している、本や雑誌です。 これらを全部pdf化してしまえば、部屋がずいぶんスッキリするのに・・・つねづねそう思っていたら、世の中でも同じ考えを持っている人は多いようです。 本を自分で裁断し、スキャンし、pdfなどのファイルにして保存して、iPadなどで読む。 これを称して「自炊」というのですが、iPadの発売以来、自炊は静かなブームのようです。 本を送ると、1冊100~150円ぐらいでpdf化してくれる業者も、調べてみたらたくさんあります。 これは厳密には「他炊」というそうで、著作権法上は、微妙な商売のようです。 私も遅ればせながら、本格的な裁断機を購入し、いよいよ書籍の「自炊」に着手しました。 まず手始めは、練習がてら?医師会雑誌から。 ひと思いにザクッと裁断する感触は、やみつきになりそうです。 ただ、裁断・スキャン後の本を捨てるのが、なんだかもったいない。貧乏性なので。 |
iPhone5情報
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- 2011/09/07(Wed) -
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Appleの秘密主義は有名です。
新製品は通常、発売直前まで、その詳細はおろか発売日も秘密にされています。 iPhone5は来月7日発売と噂され、私もおおいに期待していますが、ネットや雑誌で目にするiPhone5情報はすべて、推測によるものです。 2年前、iPhone4の試作機を紛失した台湾のOEMメーカーの社員が、不幸な転帰をとった悲劇がありました。 昨年は、泥酔したApple従業員が、発売直前のiPhone4をビヤホールで紛失。詳細な情報がネットに流出してしまいました。 最近また、Appleの従業員が、iPhone5の試作機をバーで紛失したというニュース。 そんな極秘製品を、軽々しく持ち歩いて、なおかつ紛失するとはどういう神経なのか。 台湾の悲劇を忘れているのでしょうか。 普通に考えたら、Appleの情報管理の不備を露呈したことにもなります。 しかし、紛失ではなく、故意に置き忘れたとしたらどうでしょう。 「紛失した」のは、情報攪乱のための、ニセの試作機。 いまごろ中国で、その試作機そっくりのコピーが作られてたりして。 |
宇宙の研究
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- 2011/09/04(Sun) -
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「下町ロケット」が面白いです。
描かれているような、宇宙研究や宇宙開発には、あこがれます。 同じ宇宙モノで言えば「はやぶさ」の映画化も3本同時に進行しています。 大人になっても宇宙とかかわっている人を、とてもうらやましく思います。 宇宙関係のニュースで、私が最近気になったものをあげてみましょう。 「初期の宇宙には3000万個のブラックホールが存在していたことがわかった」 この場合、初期というのは10億年のことらしいです。 3000万個には驚きました。それが3個でも3兆個でも、やっぱり驚きますけど。 「地球から39億光年の銀河で、星が巨大ブラックホールに吸い込まれる瞬間をとらえた」 この瞬間をとらえたのは、国際宇宙ステーションの船外観測装置です。 2年前にその装置をロボットアームで設置したのは、誰あろう若田光一さんです。 「120億光年離れた天体に、地球の海水の100兆倍の水の存在が明らかになった」 将来の水不足に備えて、覚えておいても損はない情報でしょう。 「銀河の中を浮遊する惑星が発見された」 なんらかの原因で恒星の周囲を公転するのをやめて、気ままに宇宙を漂っているらしいです。 ひょっこりひょうたん星とでも名付けますか。 |
野田新総理
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- 2011/09/01(Thu) -
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「ドジョウが出てきてこんにちは」
野田氏を見て、このフレーズを思いつき膝を打ったのがつい昨日のこと。 私よりも先にこれを思いついた者がいるだろうか、とググってみたら、すでに星の数ほど使われていました。残念。 少し前まで、野田氏のことはあまりよく知らなかったので、好印象は持っていませんでした。 それに、いまの民主党では誰が総理になっても「ドングリ」かと。 しかし報道等を見るにつれて印象は変わるものです。 自らをドジョウに例え、泥臭い政治を行っていくと語る野田氏。 震災後の対応で、泥沼(=お池)にはまってしまった前総理よりは、だいぶマシかも。 駅前演説を20年以上続けているそうで、本人曰く、「駅前演説は野田、駅前留学はNOVA」 このダジャレが私の琴線に触れてしまいました。ダジャレ好きに悪い人はいません、たぶん。 格好つけてないとこが、この人のいいところかもしれません。 正式には明日総理大臣に任命される野田氏。間接的とはいえ、国民が選んだ首相です。その手腕・行動力に期待させてもらいましょう。 できることなら、ちょいちょいダジャレを発するくらいの余裕もほしい。 |
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