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DeNAがDNA検査
- 2014/07/31(Thu) -
モバゲーのDeNAが、8月12日(火)から遺伝子検査サービスを始めるようです。
DeNAがDNA検査かい、とツッコミたくもなりますが、かなり大まじめで用意周到な事業展開のようです。

「DeNAライフサイエンス」社のサイトを見ると、その検査内容の詳細がよくわかります。

検査メニューは「オールインワン」「ヘルスケア」「カラダ」の3つ。価格はおよそ3万、2万、1万円ナリ。
オールインワンで調べる項目は、ガンや生活習慣病や体質など、多岐にわたって282項目。
健康に関わる情報ではあるけれど、それを知ってどうするのか。重要なのはむしろ、その後でしょう。

ある種のガンや生活習慣病のリスクが高いとわかれば、検診や生活習慣改善のきっかけになります。
リスクの高い領域を重点的に警戒するという、新しい予防医療のあり方につながるかもしれません。
遺伝子情報を元にしたヘルスケア産業の前途が、無限に広がりそうな気もします。

それにしてもDeNAという会社、ゲーム会社かIT関連企業かと思ったら、突飛な事業展開をするものです。
楽天の三木谷社長の妨害に遭いながらも敢行した、ベイスターズの買収もそうでした。

そもそも、どういう経緯で「ディー・エヌ・エー」という社名にしたのでしょうね。
もしかして、最初から遺伝子事業を目論んでいたのか。あの創業者の南場智子氏なら、あり得なくもない。

遺伝子検査サービスは現在、Amazonで先行予約受付中。いかにもお手軽な印象を与える販売スタイルです。
もしかして今後も、窓口はAmazon限定でいくのかも。少なくとも、楽天では販売しないでしょうね。

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夏休みの宿題
- 2014/07/30(Wed) -
8月末になって着手し、最後は父が作り直し。私の夏休みの宿題の工作は、毎年そのパターンでした。

吊り橋の模型を作ったのは、小学校の高学年だったでしょうか。
全長30cm程度のいびつな物体ができあがりつつあるのを見て業を煮やした父が、竹ヒゴと角材を大量に購入してきました。一から作り直すというのです。もう夕方なのに。
翌朝、登校する私が両手に抱えていたものは、全長1メートルをゆうに超える、それはそれは立派な吊り橋でした。友達はみな賞賛のまなざしでしたが、担任の先生の、やや冷たい笑顔が忘れられません。

ある年は、投入した硬貨を自動選別するような箱形の貯金箱を作りましたが、これも父が作り直しです。当時の父は自作スピーカーに凝っていた頃で、その材料が余っていたのです。
完成した貯金箱の表面には木目をプリントしたシールがびっしりと貼られ、市販品ならB級な仕上がり。少なくとも、こどもの工作には似つかわしくない雰囲気に溢れていました。

中学時代には、壁にぶつかると自動的に逆方向に進む車を作りました。
アイデアは評価してくれた父でしたが、完成度にはまったく満足できなかったのでしょう。材料を買い込んできて、作業を始めてしまいました。
そしてできあがったのは、高専の生徒が作ったのかと見まごうばかりの、精巧な模型でした。恐る恐る学校に提出すると、技術の先生に本気で褒められてしまい、とまどいました。

そのような父の、凝り性で完璧主義の血を、私が受け継いでいなかったはずがありません。
しかしまた、子どもの宿題に親が介入しても、当の本人が必ずしも喜ばないことは、私自身がよく承知しています。なので私が子どもの工作の手伝いをしたことは、記憶にある限り一度だけかもしれません。
学校に持って行かせた金峰山の模型は、誰の目にも大人が作ったとしか見えない代物でした。子どももそこそこに喜んでくれたので、救われた気がしますが、私に気を遣ってくれたのかもしれません。

ーーー
保険医協会の新聞に投稿するつもりだった原稿ですが、締切に間に合わなかったのでここに掲載しました。

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豊後街道を走る
- 2014/07/29(Tue) -
自転車通勤は快調に続いていますが、それに飽き足らず、休診日には自転車で遠出しています。
爽快な風を受け、山道で汗を流し、広がる風景を堪能し、路傍に面白いものを発見したりします。

目的地を決めず、これまでに走ったことのない道を選んで走るような、行き当たりばったりが好きです。
走行ルートや距離は、あとでiPhoneのアプリで確認できます。

とは言いながらも最近は、何か目的地を決めた方が、達成感があるような気がしてきたところです。

マイブームは豊後街道です。自宅からアクセスしやすく、阿蘇に向かって上っていく適度な辛さがいい。
豊後街道とは、肥後から豊後までを結ぶ交通の要として、加藤清正が作った街道です。

この道を走って便利なのは、一里(約4km)ごとに設けられた「一里塚」の跡が残っていることです。
走る目標を作りやすく、石碑などを探しながら走るのも面白い。歴史的な興味もそそります。

先週は手始めに、「二里木」「三里木」から「四里木」まで走りました。「一里木」と熊本城はパスです。
二里木は、前に自転車で転倒した交差点の近所。三里木は、ハンズマンに行く途中です。
それらとは異なり知名度の低い四里木は、県道沿いの木の下に、目立たない石碑が建っているだけでした。

さて今日は、土用丑の日にふさわしい猛暑日の中、「五里木」と「六里木」にチャレンジしました。

五里木へ向かう途中から、本当の豊後街道は、一般に豊後街道と言われている県道から離れていきます。
山道を登っていき、距離的には頃合いだろうと思うあたりの茂みの中に、あった。石碑を見つけました。

そして六里木。「清正公道」とも呼ばれる延々と続く山道。汗だくで見つけた石碑は、少々みすぼらしい。
今日はここまで。帰りは下りです。助かった。途中でデサキに立ち寄って、かき氷を食べました。旨し。

次回は「七里木」の予定ですが、このサイクリングって、だんだんと距離が伸びていくのが問題ですな。

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ワクチン再開のめど
- 2014/07/28(Mon) -
「HPV(子宮頸がん予防)ワクチン、やってますか?」
夏休みに入って、このような問い合わせをときどき受けます。今日も受けました。

昨年の積極的勧奨の差し控え以降、接種希望者はほんとにごくわずか。事実上、ストップ状態です。
しかしこのワクチンは、いまも定期接種です。対象学年の方は無料で接種できます。

厚労省の審議会では、HPVワクチンの取り扱いについて、定期的に会合を開いています。
しかし「差し控え解除=積極的勧奨接種再開」には至らず、現状維持(=何もしない)が続いています。

厚労省が、勧奨接種を再開するためには、それなりの理由(根拠)が必要なのです。考えられるものは、

(1)ワクチンの副反応が、これまでに考えていたものよりも軽いことが、新たに判明する
これは望みが薄いです。接種が事実上止まっているので、ワクチンに有利な情報が出ることもないでしょう。

(2)海外では問題無く接種が続けられているし、WHOは勧奨接種の再開を勧告している
これらのことは承知の上で、勧奨接種を差し控えたのです。いまさら勧奨再開の理由にはなりません。

(3)子宮頸がんを予防できる機会を失っている
その通りなのですが、この重大な事実をわかっていながら、厚労省は勧奨接種を中断したのです。

このように、いまのタイミングで勧奨接種を再開するための理由は、残念ながら何もありません。
もし再開するとすれば、これまでの厚労省の判断・施策が誤っていたことを認めなければなりません。
しかしそうすれば、この1年間に接種機会を失ったためにHPVに感染した人への補償問題が生じかねません。
さらに、勧奨接種再開後にまた副反応が出ると、マスコミから叩かれるでしょう。

「副反応の原因は痛みによる心身反応」と審議会が結論づけた1月の時点で、勧奨接種を再開すべきでした。
厚労省は接種再開のチャンスをとっくに失っており、自縄自縛に陥ってしまっているのです。

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内部犯行
- 2014/07/27(Sun) -
ベネッセの情報漏洩事件は、外部からのハッキングではなく内部犯行でした。
どのようにセキュリティーを強化しても、情報管理の担当者が関与したんじゃあ、どうしようもありません。

今回は、ひとりのSEのモラルの問題として決着しそうですが、はたしてそうでしょうか。
何らかの弱みを握られたり、極端な話、家族を誘拐され脅されて犯行に及ぶと言うこともあり得るでしょう。

2月に発覚した横浜銀行のカード偽造事件は、ATMの保守管理をしていた会社のベテランの犯行でした。
口座データをいくら暗号化していても、職務上それを復号することができる人は、必ず存在します。

「情報を管理する立場の人間に、不正を働く者はいない」などという性善説には、根拠がありません。

高松市選挙管理委員会事務局長らによる、昨年の参院選での選挙違反も、ある意味同種の内部犯行でしょう。
票を厳正に管理する、その担当責任者が、こともあろうに票の不正な増減工作を行った事件です。
中国やロシアで起きたことなら、さもありなんと思うところですが、それが日本でも可能だとは驚きます。

票が足りないと勘違いして水増したら、こんどは票が見つかったのでそっちは隠す。まるでドタバタ劇。
その結果、特定議員の得票数がゼロになり、工作が発覚。ゼロにならなきゃ、わからないところでした。

責任者の手にかかれば不正が可能となるシステムであれば、途中で何重にチェックしても無意味です。
いかなる権限や技術をもってしても、情報を操作・漏洩することができないシステムを作るしかありません。

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ノイズキャンセル
- 2014/07/26(Sat) -
「音で音を消す」 逆位相の音によって元の音を消してしまう技術は、昔からよく使われています。
それを耳栓にした商品があることを、最近知りました。キングジムの「デジタル耳栓 MM1000」です。

「みみせん」をもじった型番MM1000や、重さが33gなど、遊び心もウケているそうです。

このようなノイズキャンセル技術は、高級ヘッドフォンにも採用されています。
定評があるのはBoseですが、ソニーやその他のメーカーも発売しています。
米国の高級ヘッドフォン市場で5割以上のシェアがあるBeatsにも、ノイズキャンセルモデルがあります。

昨日そのBeatsを、Boseが提訴しました。ノイズキャンセリング特許の侵害を訴えたものです。
AppleがBeatsを30億ドルで買収すると発表したのは5月のこと。
今回BoseがBeatsを訴えたのは、この買収発表と無関係ではないでしょう。ではAppleはどうすべきか。

(1)訴訟を受けて立つ。
負けるでしょうね。BoseもApple相手なので、かなりの損害賠償額をふっかけそう。まさに、Bose丸儲け。

(2)Beats買収を破談にする
だいたいBeatsって、なんかうさん臭い。ジョブズなら絶対、買収しないような会社ですよ。

(3)Boseも買収する
Boseのブランドイメージの高さは、Appleの買収対象として不足はありません。この際、買収しちゃえ。

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使用済みの注射針
- 2014/07/25(Fri) -
BCGの予防接種で、使用済みの針を使って、5人の乳児に誤って接種をしてしまう事故が起きました。
千葉県東金市の集団接種で起きた、接種過誤のいきさつはこうです。
(1)医師Aが、BCGを5人に接種し、使用済みの針5本をトレーに置いた。
(2)接種医師が交代した。
(3)医師Bが、トレー上の針を未使用品と思い込んで、再使用した。

いやいや、間違えてくれと言わんばかりじゃないですか。まるで絵に描いたような顛末です。問題は3点。
(1)医師Aは、使用済みの針を置くべき場所(廃棄用容器)を知らず、トレーに置いた。
(2)接種補助を行っていた看護師が、医師Aやトレーに注意を払っていなかった。
(3)医師Bは、針の異変に気づかなかった。

ポイントは(1)でしょう。なぜならそれは、単なる不注意や勘違いによるものではないからです。
人はうっかりするもの。だからそれが事故に至らないようなシステムを作ることが、何よりも重要です。

BCGの接種に限らず、使用済みの針は、使った直後に、使った本人が、専用容器に廃棄すべきです。
廃棄容器に確実に捨てるまでは、手に持った使用済みの針を、どこにも置いてはならないのです。
事故を防ぐためのシステムは、絶対に例外を認めないことで、効力を発揮します。

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炭化水素と脂肪酸
- 2014/07/24(Thu) -
「未来からの宿題」というタイトルの本が、注文もしていないのに宅配便で届きました。
どうやら「全国LPガス協会」が送ってきた、ていうか送りつけてきた、PR本のようです。しかも漫画。

主人公は、未来の小学生。タイムトラベルして、現代の小学生に意見を申し述べに来る、というストーリー。
エネルギー問題を提起するのは、まあ、許します。しかしこの「LPガス賛歌」みたいな話はなんですか。
「オール電化」の家に住む友達を、ちょっと意地悪っぽく描くところも、なんかイヤな感じ。
地震で停電になり、最後はオール電化の子が自分の過ちを認めて詫びます。電力会社にケンカ売ってますね。

昔の「プロパンガス」は、いつのまにか「LPガス(液化石油ガス)」という言い方になっているようです。
ボンベの中には、プロパン以外にブタンも充填されているからだそうです。

ブタンなんて懐かしい。化学で習いました。メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン・・・
これらの「炭化水素」は分子式も単純。それぞれ、CH4、C2H6、C3H8、C4H10、C5H12、C6H14・・・

モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、などの数詞を覚えとくと、便利なんですよね。

思い出して来ました。炭化水素にカルボキシ(ル)基が付いたのが「カルボン酸」。その一種が「脂肪酸」。
途中に二重結合が入った脂肪酸を「不飽和脂肪酸」と言い、二重結合のことを「エン」と言ったりする。

炭素数20(エイコサ)で5個(ペンタ)の二重結合(エン)があれば、エイコサペンタエン酸(EPA)。
炭素数22(ドコサ)で6個(ヘキサ)の二重結合(エン)なら、ドコサヘキサエン酸(DHA)、て感じ。

エイコサは「えいこらさ」に似てるし、ドコサは「どこさ?」って感じで、どちらも親しみが湧きますね。
二重結合の多い脂肪酸(=多価不飽和脂肪酸)は、細胞膜を柔軟にするので、人体にはとても有用なのです。

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粉チーズ
- 2014/07/23(Wed) -
チキンナゲットの期限切れ問題が報じられた昨日、たまたまナゲットを買ってしまった人はいるでしょうか。
幸いにして、わが家の夕食はミートソース・スパゲッティ(別名スパゲッティ・ボロネーゼ)でした。

そのボロネーゼにふりかけるつもりだった粉チーズはしかし、賞味期限を4カ月過ぎていました。
「いったい中国はどうなっとるのか」などと文句を言っていた手前、この粉チーズは使えません。

ところで、粉チーズといえば「パルメザンチーズ」でしょう。とくに米国KRAFT社のものが代表的です。
これはイタリアのチーズ「パルミジャーノ・レッジャーノ」を粉にしたもの、と私は思っていました。
しかし実際には、本家イタリアのチーズが原料ではなさそうです。あくまで米国産の類似品です。

本来ボロネーゼには、本家イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノを、削りながらかけるべきでしょう。

パルミジャーノ・レッジャーノは、イタリアのチーズ屋さんの店頭に、たくさん鎮座しています。
特大の鏡餅みたいなヤツです。イタリア半島の付け根に位置する、エミリア・ロマーニャ地方が産地です。

エミリア・ロマーニャ地方の州都はボローニャ。ボローニャソーセージとか、ボロネーゼの発祥の地です。
実はボローニャは、私にとって思い出の深い町。以前、学会発表で訪れたことがあるからです。
その際お土産に、パルミジャーノ・レッジャーノのブロックを買って帰ったことは、言うまでもありません。

帰国後さっそく、チーズを削りながらボロネーゼに振りかけたときの、あの風味の豊かさは本物でした。
と、その時は思ったのですが、結局今は手軽な粉チーズ。風味が劣る分、多量に振りかけてカバーします。

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土用のうなぎ
- 2014/07/22(Tue) -
暑いです。今日は休診日なので、運動不足解消も兼ねて、無謀にも炎天下サイクリングを敢行しました。
見上げる太陽も、すでに夏至から1カ月を経過してその高度は下がっているはずですが、むしろ熱い。

太陽と地球の位置関係から「春分」「夏至」「秋分」「冬至」が定まり、1年が4等分されます。
暦の上では、すでに夏至から秋分に向かいつつあり、その中間地点が「立秋」です。今年は8月7日。
そして立秋の直前の約18日間を「夏の土用」と呼び、その開始日(土用の入り)は7月20日でした。
夏だけでなく、春、秋、冬にも土用があり、それらは次の季節への過渡期のような位置づけなのでしょう。

土用の間は穴掘りなどして土をいじってはならないと、幼少期に親から教えられ、しばらく守っていました。
迷信と言ってしまえばそれまでですが、それなりの意味があると考えるべきでしょう。
夏の土用でいうなら、夏バテしやすい時期なので不要な土木作業はひかえなさいと、そういうことかも。

同様の理由から、夏の土用には十分な栄養を摂りなさいと、それが「うなぎ」につながったのでしょう。

うなぎにもいろいろな食べ方(料理)がありますが、マイブームは「ひつまぶし」です。
今日はまだ丑の日ではないですが、一足早く、ひつまぶしの旨い某店にてうなぎを食してまいりました。
旨かった。旨かったのですが、満腹かつ炎天下の帰路は、地獄のサイクリングなのでした。全行程34km。

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料理と水の硬度
- 2014/07/21(Mon) -
料理と水の硬度との関係については、あちこちに詳細なサイトがあります。
硬度というのは、水に含まれるカルシウムイオンとマグネシウムイオンの量を定量化した数値です。

肉料理には硬水がいいとか、日本料理には軟水がいいとか言いますよね。
素材に味を閉じ込めるときは硬水、素材の味を引き出すときは軟水、と言うと少しわかった気になります。

熊本は水(水道水)がおいしいと、引っ越してきたころに聞いたことがあります。
河川やダムからの取水ではなく、地下水を水源にしているからだといいます。
水道水の平均硬度は、全国4位だそうです。阿蘇からの地下水にはミネラルが溶け込みやすいのでしょうか。

当院最寄りの「熊本市健軍水源地」の水は硬度78。軟水ではありますが、全国の水道水のなかでは高めです。
自宅を管轄する「大津菊陽水道企業団(名称が田舎くさい)武蔵ヶ丘水源地」だと、硬度62でした。
このような硬度では、水として飲んだときには美味しくても、日本料理には少々不利かもしれません。

では、ウイスキーのロックアイスに使う水は何がいいのか。考えてみたら、氷の透明度よりずっと重要です。

サントリーのHPを見ると、スコッチのモルトの個性を楽しみたいなら軟水、と書いてあります。
理想的には、その蒸留所で使われた仕込み水と同じ水(無理なら同じ硬度)で作るのが良いらしいですね。
一般に、国産ウイスキーは軟水、欧米では硬水仕込みとされますが、スコッチは軟水が多いようです。

とくに、私の好むアイラ島のウイスキーで使われているのは、ピート層で濾過されたわ湧き水、軟水です。
というわけで、純水で作ったロックアイスこそが究極。氷屋さんから通販で買った氷で正解でした。

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直流式扇風機
- 2014/07/20(Sun) -
九州北部の梅雨明けは、たぶん明日ぐらいだと言われてますが、どうして中国・四国より遅いんでしょうね。
なんか釈然としませんが、ともかく夏本番です。

2年ぐらい前から、直流(DC)モーターを搭載した扇風機が目に付くようになりました。
風量が細かく調整でき、静かで、消費電力が少ないのも特徴です。ただし、値段は高め。

最大の長所は、風量の微妙な調整(プログラム)ができること。だから各社のうたい文句が面白いですね。

東芝「上高地に吹く自然の風を計測し、不規則に変わるその風量や風速の変化のパターンに近づけた」
パナソニック「蓼科高原に吹く風を計測し、それに似せて風量に変化をもたせ心地よく優しい風を実現した」

いったいどんな風が吹いてくるのか、興味はありますが、あまり期待しすぎない方がいいかもしれません。
そもそも、実際の上高地とか蓼科高原の風が心地よいのは、風のパターンだけの問題ではないでしょう。
高原の風景とか開放感とか旅情とか、別の因子の方がよほど重要だとは思います。

とか言いながら今年、ついに買ってしまいました、直流式扇風機。時代の流れには逆らえません。

驚いたことに、回っているのがわからないほど、音が静かです。だから消し忘れが多い。これホント。
優しい風なので、ずっと吹かれていても疲れにくいですね。別の言い方をすれば、少々もの足りない。

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ワクチン中断中
- 2014/07/19(Sat) -
HPV(子宮頸がん予防)ワクチンは、積極的勧奨接種が中止された宙ぶらりんの状態で、1年過ぎました。
法令で規定された定期予防接種でありながら、接種はオススメしませんよ、という妙な位置づけです。

産婦人科学会などは、日本が子宮頸がん後進国になると危惧しています。私もそう思います。

ワクチン接種の意義を認めたくないマスコミは、がん検診の推奨へと、論点をずらしています。
たしかに「検診率」を上げることは早期発見・早期治療に結びつき、「死亡率」を減らせます。
しかし、検診で子宮頸がんの「発病率」を減らすことはできません。早期発見できても、手術が必要です。
手術にも危険があるし、合併症も起こりえます。手術内容によっては、妊娠ができなくなるかもしれません。

若い人の子宮頸がん発症が増えているいま、晩婚化が進む日本で、ますます出生数が減る可能性もあります。
子宮頸がんの発病率を確実に減らせるのは、ワクチンだけです。

いつも思いますが、日本人というのは、理性よりも心情に左右されやすい面があります。
その結果、ワクチンの副反応を問題視するあまり、将来の子宮頸がん発生には目をつぶることになります。
両者を天秤にかけ、論理的に比較検討し、合理的に判断する、ということが、日本人は下手なのです。

まさに厚労省はいま、目の前の副反応問題によって思考停止に陥っているところです。
しかし現在でも、HPVワクチンの接種は可能です。合理的思考が出来る方は、ぜひ接種をご検討下さい。

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法律上の親子関係
- 2014/07/18(Fri) -
最高裁は、科学的根拠のある血縁関係よりも、子どもの身分の法的安定性を優先する判断を示しました。

この判決は議論を呼んでおり、どちらかというと世の中には反対意見が多いようです。
しかし最高裁が敢えてこのような判断を下した理由について、よく考えてみる必要もあります。

(1)「いったん定まった親子関係を、後の鑑定で取り消せるようになると子への不利益が大きい」
実態は知りませんが、もしかすると本当は血縁関係のない親子が、世の中には多いのかもしれません。
何年も偽りの父子関係を続けているから、あとでこじれるのです。
新生児のDNA鑑定を義務づけてはどうでしょう。その方が後腐れがありません。取り違えも防げます。

(2)「法律上の父子関係と生物学上の父子関係が一致しないこともあるが、民法は容認している」
そのような民法自体が、時代遅れと考えるべきかもしれません。ならば民法を改正する必要があるでしょう。
昔は生物学上の父子関係を確実に明らかにする手法がなかっただけです。
DNA鑑定がここまで簡単に行えるようになった現状に、民法の方が合わせなければなりません。

子どもが血縁上の父と暮らすか、別の家庭で暮らすかは、子どもの現状を踏まえて決めるべきです。
最高裁はただ、扶養義務や相続権などが問題となる法律上の父子関係を、民法に従って判断したまでです。

裁判の詳細を把握していないのでアレですが、基本的人権で争えば、判決は異なったのではないでしょうか。

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AppleとIBM
- 2014/07/17(Thu) -
AppleとIBMが、大規模提携を打ち出しました。昔の感覚だと、絶対にあり得ない組み合わせです。

もともとIBMは大型コンピュータのメーカーであり、パソコンを発売したのはAppleの方が先です。
Appleの成功を見て巨大企業IBMがパソコンに参入したために、Appleの経営は一転悪化していきました。

80年代末にMacユーザーとなった私を含む、すべてのAppleファンにとって、たぶんIBMは宿敵でした。
AppleのCMフレーズ「最高を最初から」をもじって、IBM PCを「最低を最後まで」とけなしたものです。

当時のMacはかなり高額でした。最初に買ったSE/30は、いまならMacBookAirが4台買えるほどの価格。
IBM PCがビジネス用として広がる一方、Macは創作家や医者などを中心に生き延びるのがやっとでした。

ところで、IBM PCの中核を担っていたのは、実はMicrosoftのOS(MS-DOS)とIntelのCPUでした。
このOSとCPUがあれば、別にIBMじゃなくてもいいじゃん、ってわけで、安い互換機が台頭します。
IBMは一気に落ち目となり、Appleファンとしては溜飲を下げたものです。
しかし後に、IBMがパソコン事業を中国企業に売却するに至っては、悲しい時代の流れを感じました。

MicrosoftやIntelの天下がしばらく続いたものの、その後Googleが台頭し、IT界は混沌としています。
Appleは復活し、時価総額はかつての巨人IBMの3倍を超えています。
ここでビジネス需要を拡大したいAppleが、企業向けサービスに秀でたIBMと手を組むのは魅力です。

どうも最近、Googleやサムスンにやられっぱなしな気がしてたので、久々に明るいニュースでした。

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診療報酬の審査
- 2014/07/16(Wed) -
「『ご当地ルール』無駄の温床」
医療機関が請求する診療報酬の審査基準が、地域によって異なることを問題にした、新聞記事の見出しです。
どうしてすぐ、こういう発想になるんでしょうね、マスコミというのは。

「後期高齢者1人あたりの医療費でみると、最も多い福岡県は最も少ない岩手県の6割増し」
この書きぶりでは「福岡県は審査が甘く、過剰診療を誘発している可能性がある」と言わんばかりです。

診療報酬の請求が適切かどうかは、社会保険診療報酬支払基金などの機関が審査しています。
ここで重要なのは、審査しているのはレセプトであって、診療内容ではないということです。

ある患者さんの「病状」に対して、適切な診療が行われたかどうかは、審査対象ではありません。
その患者さんに付けられた「病名」に適合する診療が行われたかどうか、そのことのみを審査しています。
所詮、書類審査です。医師の診療にかける熱意や患者さんに対する誠意については、何も考慮しません。

「電子化したデータを分析し(中略)ムダな受診行動や過剰な治療行為をあぶり出す必要がある」
記事はこう結論づけていますが、このような一方的な考察ばかりはびこることは、大問題です。

診療費用については以前も書きましたが、「多いのは悪、少ないのが善」という図式は正しくありません。
医師が適切と思う診療を、過不足なく行うのが善です。
そのために審査機関は、医師の裁量を信頼して不要な制限を行わないことが、良い医療につながるはずです。

福岡県と岩手県の比較で言うなら、岩手県は審査基準が厳しすぎて萎縮医療になっていないか、心配です。

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スマホの電池切れ
- 2014/07/15(Tue) -
気がつくと、iPhoneのバッテリー残量が10%を切っていることが多くて、ヒヤヒヤします。
メールや通話や音楽を聴くことが多いわけではないし、ゲームはまったくやりません。
おそらく原因は、ライフログ系アプリでしょうね。私の移動や運動を、複数のアプリが逐一記録しています。
それは、しょうがない。好きで記録しているので。

もう一つの原因は、バッテリーを長持ちさせるための、私の充電方法にあるのかもしれません。
リチウムイオン電池は、こまめに「継ぎ足し充電」するのが原則であることは、以前も書きました。
電池残量は20〜80%の間を保ち、フル充電を避けるのが私の流儀なのです。

ところがこの手法は裏目に出ることが多く、うっかり充電の機会を失うと電池枯渇の窮地に追い込まれます。

そんなとき役立つのが「モバイルバッテリー」ですね。遅ればせながら、大容量のやつを買いました。
自宅でいちど充電しておくと、iPhoneを何回分かフル充電できるほどの性能があります。
旅行の時でも、ACアダプタを持ち歩くよりも、モバイルバッテリーの方が便利かもしれません。
屋内外を問わずこまめに充電できるので、「継ぎ足し充電派」には必須のアイテムです。

私には当面関係ないですが、米国へ旅行される予定の方は、必ずモバイルバッテリーを買っておきましょう。

というのも、米国への直行便に搭乗する際には、スマホの充電が切れていたら大変なことになるからです。
一部の空港では、保安検査場で携帯端末の電源がONにできなければ、搭乗できなくなるそうです。
「アルカイダが携帯電話に仕込める新型爆弾を開発した」との情報を元に、保安検査が強化されるためです。
つまり、バッテリー切れのスマホを所持していたら、テロリストと見なされても仕方がないということです。
まったく、アルカイダも余計なことしてくれますが、でも、モバイルバッテリーがあれば安心ですね。

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水あかゼロへ
- 2014/07/14(Mon) -
車を洗った後は、手早く拭き上げないと「水あか」が付いてしまいますね。
あれと同じでグラス類でも、洗った後は水あかが付かないように、水滴を拭き上げる必要があります。

グラス拭きの用途では、ガラスに布巾の繊維が残らないように、リネンや化学繊維の布がよく使われます。
東レの「トレシー グラスの磨き上げ用 玄人はだし」が定番らしいので、さっそく試してみましたが・・・

手がかぶれました。トレシーの素材はポリエステル。じゃあ、ポリエステルアレルギー? 困った。

東レがダメなら、同業他社の製品はどうか。帝人の「あっちこっち食器・グラス拭き」を急いで購入。
発注したあとで気づきました。これもポリエステルじゃん。

で、悩んだ末にひらめきました。グラスを純水ですすげば、水あかが付かないぢやないか(高村光太郎風)。
水あかが付かないのなら、拭き上げる必要もなく、洗った後は自然乾燥でOKぢやないか(くどい)。

思い出してみると、大学で実験をしていたころ、ガラス器具に水あかが付いた経験がありませんでした。
いつも仕上げに、純水ですすいでいたからでしょう。理論的には、不純物がなければ水あかも付かないはず。

純水はどうするかって? ほら、透明な氷を作るためにAmazonで購入した純水があるでしょう。
500mlのボトル1本100円。コストを考慮して、1回のすすぎに使うのは50mlぐらいにしておきます。

さっそく試してみましたが、むむむ。水あかが、わずかに付いてゐるぢやないか。純水をケチりすぎたか。

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凝固点降下
- 2014/07/13(Sun) -
透明なロックアイス作製の研究を始めてから、すでに1週間以上を経過しています。
前回は、「凝固点降下」を応用してー10℃で純水をゆっくり凍らせる実験を開始したと、書きました。
では、お待たせしました。実験結果の発表です。失敗です。

まあ、そう言っては元も子もないので、少し経過を書きましょう。まずは、凝固点降下のおさらいから。
-10℃のシャーベットを作るには、水500gに食塩を何グラム溶かせばよいか。

NaClの組成式量58.4、水のモル凝固点降下を1.85とすると、10 = 0.5 x ( 食塩量 / 58.4 ) x 2 x 1.85

いちおう解説しますと、右辺の0.5は、0.5kgすなわち500gの意味です。
食塩量を組成式量で割れば、モル数が出ます。電離するので、質量モル濃度は2倍と考えます。
上の式を解くと食塩量は316g。よく溶かして冷凍庫で半日冷やし、良い感じのシャーベットが完成です。

純水のペットボトルをこのシャーベットに浸け、全体をクーラーボックス内に安置。ここからが難しい。
純水は徐々に凍ってきますが、気がつくとシャーベットが溶けています。ボックス内の温度が高すぎました。

そこで次は、冷凍庫内に安置してみると、こんどは純水のボトル内が真っ白に凍りました。冷えすぎです。
野菜室内でもだめ。溶けます。どうもこの方法は、-10℃のシャーベットを作った後の維持が難しい。

で、結局どうなったかというと、氷屋さんの通販で透明な氷を買うことにしました。安易ですみません。
氷代って意外と安い(送料は高い)のです。これまでの実験のコストと手間の方が、よっぽど大変でした。

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政務活動費
- 2014/07/12(Sat) -
大泣きした兵庫県議の野々村竜太郎氏が、ついに辞職しました。
海外の某メディアは、あの号泣会見を「メルトダウン」と表現しているようです。座布団2枚。
では私も。竜太郎が泣いたので、日光の「鳴竜」ならぬ「泣竜」はどうでしょう。座布団もってけ。

それにしても「政務活動費」って、いい加減な使い方しても(通常は)おとがめナシなんですね。

「切符代」
自動発券機で購入した場合は領収書が不要、って例外規定があるものだから、野々村氏は悪用しまくりです。
でも自動発券機には「領収書ボタン」があるはず。あれを押すヒマもないぐらいに、議員は忙しいのか。

「切手代」
野々村氏だけでなく、兵庫県議の中には他にも、大量に切手を購入していた方がいたと報じられました。
政務活動費は、毎月前払いで支給され、使わなければ(領収書がなければ)返還しなければなりません。
そのためとりあえず、あとで換金できる切手を購入しておこうと、誰でも考えそうなことです。

「切子代」
どうせなら、ここまで韻を踏んでほしかった。薩摩切子とかを大量購入してませんかね、野々村氏。

普通の事業主が、あとで換金できるようなモノを大量に購入して、税務署はそれを経費と認めるでしょうか。
世の中のシステムは、政治家の金の使い途には、とっても甘いです。

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子どもの名簿漏洩
- 2014/07/11(Fri) -
ベネッセの顧客情報が流出したと報じられました。
「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」などの利用者の名前や住所、電話番号などが漏洩したようです。

「ベネッセにのみ登録していた個人情報で、他社からセールスが来る」とのクレーム急増が発端でした。
この「他社」というのがジャストシステムであったとの続報には、少々驚きました。

ジャストシステムといえばワープロ「一太郎」。Macを買う前のPC-9800時代には、よく使っていました。
その流れもあって、Macの漢字変換ソフトは、いまでもジャストシステムのATOKを愛用してます。
通信教育をしているとは知りませんでしたが、いかがわしい名簿業者から子どもの情報を買うとは残念です。
「出所不明でもかまわない」といって購入したと報じられており、不正を了解していたということです。

ベネッセはデータベース管理を別会社に委託し、その会社はさらに複数の管理会社に再委託していました。
ありがちな構図です。情報に接触しうる会社と人間が増えれば増えるほど、漏洩の危険も高まります。
社員の関与はないと原田泳幸社長は強調しますが、情報管理に問題があったのだから、会社の問題です。

今回の一件で、ベネッセは信頼を失い、ジャストシステムは評判を下げましたね。

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備えあれば憂いなし
- 2014/07/10(Thu) -
台風8号にはかなり警戒していました。昨日のうちに、暴風雨や停電に対応した準備を行いました。
今朝は6時に出勤してクリニック周囲を巡回し、院内では電源等を再チェックし、台風の直撃に備えました。

さいわい、進路は熊本をそれました。去年10月と同様、ほとんど風も吹かない肩すかし台風でした。
しかしそれは、自己中心的な考え方。この台風では全国で犠牲者も出ており、今も東日本に接近中です。

台風の進路を完璧に予測することはできません。なので我々は、ある程度の幅をもって臨む必要があります。

地震とは異なり台風は、2,3日前にはその襲来を知ることができます。準備する時間はあるのです。
ただ余裕があるわりに、直前になってバタバタしたりもします。台風を侮って、何度失敗したことか。

熊本を流れる白川は、2年前に氾濫しました。台風直撃で大雨が降れば、また危険な状況になりかねません。
安全を期すならば、自治体は「避難勧告」や「避難指示」を、早めに出すべきでしょう。
しかし不要な警報によって市民生活を乱すことになれば、あとで叩かれかねません。
過剰な警報を繰り返せば、オオカミ少年になってしまい、いざというとき困ります。難しいものです。

熊本の学校は、昨日のうちから休校が早々と決まっていました。
ところが台風はそれて、暴風雨なし。仕事を持つお母さんたちは、不要な欠勤をすることになりました。

「備えあれば憂いなし」とは言いますが、備えるのも程度問題です。
ちなみにどうでも良いことですが、私が好きなフレーズは「お供えあれば幽霊なし」です。すみません。

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消費税の軽減税率
- 2014/07/09(Wed) -
消費税の軽減税率導入をもくろむ与党税制協議会が、飲食料品を中心に、対象品目の検討を進めています。
対象かどうかの「線引き」は難しく、協議会の検討資料を見ると、真面目な議論なのに、なぜか笑えます。

(1)飲食料品の定義に関する課題・論点
・地域や国によっては食される動物(うさぎ等)は食料品か?
これが対象なら、ペットショップで動物を買うときに「これは食用にします」と言えば安くなるってこと?
・輪島塗や有田焼などの高級容器に入ったおせち料理はどう扱う?
どう扱うも何も、こんな贅沢なおせちなら、容器も中身も軽減税率の対象外でしょう。

(2)酒を対象から除く場合の課題・論点
・ウイスキーボンボンは酒とみなすのか?
与党の先生方が「おい、ウイスキーボンボンはどうするんだ」と言い合っている姿を想像すると、笑えます。
・居酒屋で、酒とソフトドリンクがまざって「飲み放題メニュー」となっている場合にどうするか?
そんなことを心配し始めたら、水割りのウイスキーと水と氷で税率をどうするか考えなければなりませんが。

(3)外食を対象から除く場合の課題・論点
・レストランの調理スペースと飲食スペースが別会社になっていれば、外食にはあたらないのか?
この理屈が通るなら、調理会社と飲食スペース会社の共存施設が乱立しそうです。
・牛丼屋の牛丼は対象外、すき焼き用のブランド牛は軽減対象、という線引きではバランス上よいのか?
外食は贅沢だ、という発想がもはや、現状に合わないんでしょうね。

(4)菓子類を対象から除く場合の課題・論点
・果物の缶詰は菓子類なので対象外、高級メロンは軽減対象でよいのか。
遠足に持って行くときにも、しばしば問題となります。

このほか、飲料を除く場合や加工食品全般を除く場合も検討されています。
考えれば考えるほど、境界線が曖昧で、とてもすんなり線引きが出来そうにありません。
欧州ですでに導入されている制度とはいえ、多くの矛盾をはらんでいます。
それでも導入しようとするのは、国民のためではなく、利権が絡むオイシイ何かがあるからなんでしょうね。

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台風8号接近中
- 2014/07/08(Tue) -
大型で非常に強い台風8号が、ジワジワと九州に迫ってきました。明後日には上陸しそうです。

ご存じのように、この台風の「大きさ」と「強さ」を表現する言葉には、一定のルールがあります。

まず、大きさ。これは「強風域」(平均風速15m/s以上の範囲)の半径によって、階級が決められています。
それが500km以上だと「大型(大きい)」、800km以上だと「超大型(非常に大きい)」と呼びます。
でもこの2段階だけ。その上の段階がないです。作るとするなら「超々大型(極めて大きい)」でしょうか。

次に、強さ。これは最大風速によって階級分けされています。
33m/s以上を「強い」、44m/s以上を「非常に強い」、54m/s以上だと「猛烈な」と表現します。
これも上の段階がほしい。たとえば最大64m/s以上のものを「激烈な」と表現してはいかがか、気象庁の方。

できれば「非常に強い」を「強烈な」に変えていただくと、強烈<猛烈<激烈という序列が分かり易いです。

ところで、漢字2文字の表現方法で思い出すのが、地震の揺れの強さです。
少し前までは、いまのような震度の数値だけでなく、漢字2文字で表現していましたね。
弱い方から順に、「無感」「微震」「軽震」「弱震」「中震」「強震」「烈震」「激震」でした。
いまでは震度0〜7の数値で表します。さらに震度5は5弱と5強に、震度6は6弱と6強に分かれました。

数値の方が分かり易いかもしれませんが、強とか弱を付けるのは、あと一歩スマートじゃないですね。

そのうち台風も、数字で言うようになるのでしょうか。
「大きさ4、強さ5の台風が接近中」などという表現では、感じ(漢字)が出ませんが。

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透明な氷を作る
- 2014/07/07(Mon) -
たまには自宅で、スコッチのロックグラスを傾けてみたい。最近急にそんな気分になり、行動開始です。
準備すべきものは「好きなお酒」「素敵なグラス」「透明な氷」「旨い料理」「良い雰囲気」でしょうか。

このうち「透明で大きなロックアイスの作り方」について、今日は私の試行錯誤を披露しましょう。
あちこちのサイトを見て回ると、そのポイントは、おおむね次の2つに集約されるようです。
(1)不純物の少ない水を使う
(2)ゆっくり凍らせる

まず(1)。浄水器を通した水を煮沸させ、冷ましてから凍らせてみましたが、あと一歩、うまくいかない。
ならば、市販の「純水」を使えば良いのでは? さっそくAmazonで購入。PETボトル500mlで約100円。

問題は(2)です。家庭用冷凍庫のー20℃は温度が低すぎて、急激に凍ってしまうのが良くないそうです。
水の中に残っている不純物や空気が、氷結の過程で氷の中に残り、濁りの原因となるらしいですね。
製氷業者が大きくて透明な氷を作るときは、ー10℃ぐらいでゆっくり凍らせるとのこと。

では、透明で大きな氷を家庭で作ることはできないのかと言うと、方法はあるようです。
ネットで調べた限り、唯一と思われるそのやり方とは、水が全部凍ってしまう前に取り出す方法です。

凍り始めの部分には不純物や空気が含まれておらず、部分的に透明な氷ができる性質を利用するものです。
さっそく試しました。なるほどたしかに部分的には透明な氷ができます。しかし、何かスマートじゃない。

容器内の水をすべて、完全に透明な氷にしてしまいたい。そんな思いでこの数日、実験してきました。
そしてついに、ひらめいたのです。凝固点降下を応用すれば、容器をー10℃で冷却できるんじゃないか!

具体的にはこうです。
凝固点がー10℃になるように計算して塩水を作り、大きな容器に入れ、冷凍庫で凍り始めるまで冷やします。
これがまさに、ー10℃のプールとなります。その中に、氷にしたい純水のPETボトルを入れて冷やすのです。
どうです。アイデアでしょう。え、その結果はどうなったかって?

実はまさに今、実験中なのです。つい先ほど始めたばかり。結果が出るのは明日。また報告します。

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大病院受診の割増金
- 2014/07/06(Sun) -
紹介状を持たずに大病院を受診する際は、一律に割増金が課されることになりそうです。
その趣旨には賛同します。大病院や救急病院の外来を、軽症の受診者が占拠している現状は問題です。

割増金というペナルティは、軽症患者が大病院を受診しないようにするための、いわば抑止力です。

現在までに、割増額・割増方法については、3つの案が浮上しているようです。
(1)初診時10,000円、再診時5,000円
(2)初診時5,000円、再診時2,500円
(3)初再診料を10割負担とする(元々3割負担の人の場合、初診時約1,970円、再診時約500円の割増)
あまり低額だと実効性が伴わない心配もありますが、患者負担を考慮すると(3)案が有力とのこと。

正式な紹介状は、一定の体裁を備えた「診療情報提供書」という形態をとるのがルールです。
医者の名刺の裏に走り書き、といった昔風のメモでは、有効な紹介状とはみなされません。

医療機関が診療情報提供書を発行すると、「診療情報提供料」という診療報酬が生じます。点数は250点。
3割負担の方であれば、窓口での支払いに紹介状代750円が加算されることになります。

なので(3)案だと再診時は、紹介状をもらうより、直接大病院を受診した方が安くなってしまいます。
大病院志向の者が地域の診療所を受診する動機がなくなり、大病院受診の抑止力にもなりません。
最終的に(3)にまとまるようでは、厚労省の本気度にも疑問を感じますね。

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プロポフォール問題
- 2014/07/05(Sat) -
東京女子医大の、鎮静剤「プロポフォール」使用による2歳の子の死亡事故問題が、波紋を呼んでいます。
この問題は、2つに分けて考えなければなりません。
(1)東京女子医大固有の問題
(2)小児医療における薬剤使用の問題

プロポフォールは、全身麻酔の際に用いられる、かなり一般的な薬です。
手術中の麻酔だけでなく、集中治療においても、鎮静の目的でしばしば用いられています。

一般に、呼吸や循環が不安定で高度な全身管理を行っている場合には、十分な鎮静が必要となります。
手術中と同程度かそれ以上に緊迫した重篤な状況では、プロボフォールで鎮静するのは適切な医療行為です。

プロポフォールが危険なのではなく、生死をさまようような危機的状況だからこそ、この薬を使うのです。
使った結果だけが問題視されますが、別の薬を使った場合と比較しなければ、正しい評価にはなりません。

医薬品は、成人における治験は行われても、小児での治験は難しいものです。とくに乳幼児はそうです。
治験はしていないけれど、成人での使用経験を踏まえて、乳幼児にも流用しているのが現状です。

使用上の注意には「乳幼児での安全性は確立していない(使用経験がない)」とのお断りが書かれています。
そのように書かれていても、重篤な小児には、必要があれば使うしかないのです。

ところが、何か悪い結果が起きると、「使用が認められていない薬」を使ったことが、問題になります。
このたびのプロポフォール問題は、小児の集中治療を明らかにやりにくくしたと、私は思っています。

なお女子医大の問題は、別の意味で根が深く、このブログで書ききれるものでもないので今回は触れません。

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低血糖で交通事故
- 2014/07/04(Fri) -
御堂筋の暴走事故は、やはり危険運転致傷に問われることになりました。原因は「低血糖」だったようです。

インスリンを注射している糖尿病患者さんでは、つねに低血糖の危険がつきまといます。
血糖値は、安定しているように見えても、実は微妙なさじ加減によって絶妙にコントロールされています。
体調が悪かったり、激しい運動をしたり、食事の量や内容が変動しただけでも、血糖値は大きく動きます。

5月20日に施行されたばかりの「自動車運転死傷行為処罰法」が、今回初めて低血糖症に適用されました。

この法律により「特定の病気により正常な運転に支障が生じる恐れがある状態で運転」しても罰せられます。
「特定の病気」とは、「自動車運転死傷行為処罰法施行令」によって、以下の6つが規定されています。
(1)統合失調症(*1)
(2)てんかん(*2)
(3)失神(*2)
(4)低血糖症(*1)
(5)そううつ病(*1)
(6)睡眠障害(*3)

それぞれの病気には、下記*1、2、3のような限定条件が付きます。
*1:安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くおそれがあるもの
*2:再発するおそれがあるもの
*3:重度の眠気の症状があるもの

法律が適用されるかどうか、判断が難しい事例も出てきそうで、拡大解釈の心配もあります。
しかし今回のような事件があると、少なくとも低血糖については、今後は厳しい対処となりそうです。
インスリン治療中の方は、低血糖にならないような注意と、低血糖時の適切な対処が必要です。

御堂筋の運転手は、低血糖を感じて、どら焼きを食べてジュースを飲んだそうですが、効果不十分でした。
患者さんの治療状況によっては、「甘い物(砂糖)」を食べても血糖値がすぐ上がらない場合があります。
低血糖時に必要なのは「ブドウ糖」です。万全を期して、ブドウ糖を常に携行する必要があるでしょう。

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号泣会見
- 2014/07/03(Thu) -
今年の「泣き虫大賞」は、兵庫県議会議員の野々村竜太郎氏に決定です。
あの号泣映像は今後、YouTubeで何百万回も再生されること必至ですね。

この野々村氏に比べたら、ときどき目にする芸能人の号泣シーンなど、まったく演技力不足でしょう。

人前での「ベソかき」で忘れられない名シーンと言えば、民主党の海江田万里氏の国会答弁ですね。
菅首相にハシゴを外されて、泣きたい気持ちだったことには同情しますが、ホントに泣いちゃだめでしょう。
おまけに首相夫人には「泣くような人に大臣は任せられない」と、たたみかけられる始末。

その海江田氏、よく党代表まで昇り詰めたものです。それほどまでに人材がいないのか、民主党。

東京都議会の、セクハラ野次事件では、塩村文夏都議もよく耐えましたが最後は涙声でした。
塩村氏の過去がどうであれ、あの場は野次(鈴木章浩都議)の方が悪いに決まっています。

こう考えると、男が泣くと泣いた方が悪い、女が泣くと泣かせた方が悪い、という不公平な図式になります。
男って損ですね。ただし小保方氏の「STAP細胞はあります」会見での涙声は、評価が微妙なところ。

それにしても、海江田氏や塩村氏は悔し泣きだと思いますが、野々村氏は何なんでしょうね。情動失禁?

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暑熱順化
- 2014/07/02(Wed) -
日頃私は、エアコンの効いた室内で仕事しているので、炎天下で活動する機会はほとんどありません。
すると休診日に屋外に出た時に、慣れない猛暑に晒されることになります。昨日がまさにそうでした。

庭の草取りをしたのです。狭い庭ですが、草だけはボウボウに茂ってきます。
丈が短く生え揃っているなら、芝生っぽくていいのですが、どんどん伸びてくるのが雑草の悪いところ。
引き抜いていてはラチがあかないので、草は全部刈り取っていきました。

作業の後半はもう、汗ダクダクでヘトヘトで意識もうろう。足腰に力が入らない。吐き気もしてきました。
やばい。熱中症になりそう。身の危険を感じ、屋内に入って扇風機に当たる。そして、水分と塩分補給!

通常このような時は、わあわあ言いながら家人に飲み物を用意してもらうのですが、いない。買い物か。
勝手の違うキッチンで、塩を探す。引き出しを開けるとジップロックに入った白い粉末を発見。塩か砂糖か。
砂糖でもよかろう、カロリー補給になるし。思い切って小さじ一杯ほおばる。う〜ん、甘い!
その隣に茶色い粉末を発見。あった! 小さじ一杯ほおばる。また甘い! 黒砂糖か。
やっと「モンゴル塩」の容器を発見。助かった! しかし振っても振っても出ない。ガリガリ回すタイプか。
その隣に「アジシオ」を発見。手のひらに振ってはなめ、振ってはなめ、やっと塩分補給ができたのでした。

一般に、暑い環境で濃い汗を大量にかくと、体内の塩分を喪失するので脱水の危険が高まります。
ところが日頃から暑さに慣れていると、汗の塩分濃度が薄くなり、熱中症になりにくい体になります。
これを「暑熱順化」といいます。私は徹底的に、暑さに慣れていない、ひ弱な体だったようです。

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1000本目
- 2014/07/01(Tue) -
当ブログは本日、通算1000タイトル目を達成しました。
URLの後半は「 /blog-entry-1001.html 」となっていますが、欠番があるので今日が1000番目です。
6/30に1000本目になると、以前予告していましたが、計算違いしてました。今日が本当です。

「千里の道も一歩から」
開院後すぐに、ブログを始めたわけではありません。重い腰を上げるまでに、なんと8カ月かかりました。
つまり何事も、始めなければ始まらないのです。

「塵も積もれば山となる」または「枯れ木も山の賑わい」
2012年4月16日からは、連続投稿記録を更新中です。今日で807日連続。
でもその前は、4年弱で200本にも満たない。平均週1回ペース。まあ、続けたから今があるってことです。
投稿間隔の統計をとってみると、1カ月以上のブランクが空いたのが7回、最長は7カ月と5日でした。

熊日新聞の「読者のひろば」に、ブログと同じ内容の投稿をしたことが2回あります。
心臓外科医不足について私見を述べたものと、MRワクチン接種制度の問題点を提起したものです。

医学的な話題ばかり書いても面白くないので、診療に関係ない話も、時々書いてみようと思っていました。
ところが気がつくと、医療とは無縁の内容ばかり。まったく無節操なブログになってます。ま、いっか。

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