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接種料金と接種者数
- 2015/11/30(Mon) -
インフルエンザワクチンの価格が上がり、接種料金も軒並み値上げされていることは、前にも書いた通りです。
4価ワクチンとなり「よく効く」ようになりましたが、値上げされればどうしても、接種希望者は減ります。

それを見越して、ワクチンの供給予定量は2,973万本と、昨シーズンよりも11.5%ほど減らされています。
昨シーズンの使用量が2,649万本と推計されているので、もともと供給過多だったようです。

さて、接種数は現実にはどうなっているのか。当院だけの数値では何とも言えませんが、集計してみると、
昨シーズン:10月377人、11月589人、今シーズン、10月303人、11月561人。

やはり減っていますね。あるいは、出足が遅いようです。その原因として考えられるのは、
(1)接種料金の値上げ(前述した通り、ほぼ全国的に値上がりです。もちろん、当院も)
(2)予約方法の変更(実質的にネット予約限定にしました。これは当院だけの事情です)
(3)定期接種の負担金の値上げ(2年前までは無料、昨年は1000円、今年は1500円。熊本市の事情です)
(4)先週までは、やや暖冬気味だったので、出足が遅い(この数日、急に寒くなってきましたが)
(5)化血研の出荷が出遅れた(化血研占有率の高い熊本では影響が大きかったようですが、当院は無関係)

今シーズンから4価ワクチンとなったので、ワクチン自体の予防効果は、増強するだろうと期待されています。
しかし一方で、接種人数が減ることにより、インフルエンザ患者数はむしろ増えるかもしれませんね。
さて、どうなりますやら。

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生活習慣改善の指導
- 2015/11/29(Sun) -
「生活習慣の改善が必要ですね」と毎日何度も口にしている私ですが、それは自分への戒めでもあります。
1日1食という、いびつな食生活も、決して好ましいとは思っていません。
しかし2食以上食べると、それに比例して摂取カロリーが増えることがわかっているので、できないのです。

運動は、ひところは、バカみたいに自転車で遠乗りしたりしていましたが、最近はパッタリです。
寒いので自転車通勤自体が、ほぼ途絶え気味。せっかく新しいダウンジャケットを買ったというのに、です。
筋トレやろうと計画したことは何度もありますが、3日坊主まで行けば良い方。たいていは計画倒れ。

「RIZAP(ライザップ)」のCMを見るたびに思うのは、
(1)RIZAPのプログラム通りにやっていくこと自体が、通常の減量法よりもずっと厳しそう
(2)やめたら即、リバウンドしそうな気がする
(3)お金がかかりすぎ

このうち(3)については、お得な情報が出てきました。どうやらRIZAPの料金は、経費にできそうです。

某民主党議員によると、以下の目的でなら、RIZAPの料金が政治活動の一環として支出可能とのこと。
「RIZAPの肉体改造がどのようなものか体験して見識を高め、スポーツ振興に役立てる」

良かった、そのような解釈がOKなんですね。ならば私も、
「RIZAPの肉体改造がどのようなものか体験して見識を高め、患者指導に役立てる」ことにしましょうか?

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白熱灯・蛍光灯は禁止
- 2015/11/28(Sat) -
白熱灯と蛍光灯の製造と輸入を2020年までに禁止する、と政府が決定しました。
主旨はわかりますが、そこまで強制すべき事なのでしょうか。2020年というのも、急ぎすぎな気がします。

当院の照明は、ほとんどが蛍光灯ですが、一部のダウンライトには白熱灯も使っています。
省エネの観点からは、たしかにLED照明の方が圧倒的に優れているので、いつかはLED化するつもりです。

しかし照明器具が高額なので、電気代の節約分を取り戻すには、何年もかかる。そう考えるから躊躇します。

国は、LED照明を増やしたいのであれば、その購入に何かインセンティブを付けるのが、正攻法でしょう。
すでに補助金制度はありますが、給付条件が厳しくて、個人や小さな事業所はほとんど使えません。
もっと簡単な、たとえばエコポイントのような仕組みを作ってくれませんかね。

しかしそれにしても、従来の白熱灯や蛍光灯を禁止にするなどというのは、安倍首相、ちょっと横暴です。
課税するなど、多少のペナルティを科してでも、白熱灯を製造販売する自由を残して欲しいものです。

このままだと、エコでないものは次々に粛清されてしまいそうです。
やがて、ガソリン車も禁止されるのでしょうか。もちろん、BBQなんて論外でしょうね。

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ふるさと納税
- 2015/11/27(Fri) -
「ふるさと納税」については、最近とくに報道番組の特集が目立ちますね。ネットも賑わっています。
今年分の期限である年末が近づき、おまけにメディアが煽るものだから、ふるさと納税は過熱気味です。

わずか2,000円の負担で地方の特産品が手に入る、というお得な話なので、盛り上がるのは当然です。
しかしそこに冷や水を浴びせるように、ふるさと納税の問題点も、詳しく報じられるようになりました。
たとえば、
(1)お礼品合戦になっている:これがなくちゃ、盛り上がりませんけどね
(2)ふるさと納税の主旨を逸脱している:じゃあ名称を「自由納税制度」に変えましょう
(3)住民サービスの受益者負担原則から逸脱する:それがわかっていて、始められた制度です
(4)高額納税者ほど得:それもわかっていて、設計された制度です
(5)お礼品納入業者選定は公正か:ちゃんと入札しているのでしょうかね、あまり話題になりませんが
(6)地方活性化に役立たない:人気のある自治体だけが活性化して、全国的なバランスを欠きますね

ふるさと納税制度では、東京がいちばん損をしているといわれますが、必ずしもそうではないでしょう。
3年前に、尖閣諸島の購入に賛同して東京都に寄付した人は、ふるさと納税と同様の扱いが受けられたとか。

つまり東京都なら、何か大規模なテーマを打ち出して、用途を明確にした寄付金を募るという手があるはず。
すぐ思いつくのは、東京オリンピックのチケット優先購入券(権)でしょうか。

ということで今年私は、縁もゆかりも無い某町に、ふるさと納税を申し込みました。お礼品は・・・秘密です。

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睡眠時無呼吸症候群
- 2015/11/26(Thu) -
「睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠中の無呼吸や低呼吸によって、さまざまな身体障害を引き起こす疾患です。
当院でも、簡易検査や治療を行っていますが、その原因や治療法についての詳細は、ここでは割愛します。

それよりも、私自身の睡眠中の呼吸は大丈夫なのか。以前から、そのことが気になっていました。
ちょうど最近、手首と指先にセンサーを取り付けるだけの簡易検査装置が発売されたので、試してみました。

結論から言いますと、呼吸がやや乱れた時間帯はありましたが、さいわい、全体としては正常範囲でした。

約6時間の私の睡眠は、前半はとても深く、後半は浅くなってREM睡眠が増え、朝方はREM睡眠だらけ。
REMはからだを休め、non-REMは精神を休めるとすれば、朝方は気の休まる暇もないほどの精神活動です。

ぐっすり眠れたと言う場合、REM睡眠とnon-REM睡眠の、どちらを十分に摂れた場合の表現なのでしょうね。
一般的には、浅い眠りのときにちょうど覚醒すると、心地よく目覚められるといわれます。

しかし、精神的な疲労回復でいうなら、non-REM睡眠が十分摂れれば、それだけでもよさそうな気もします。
ソニーの大賀氏のように、睡眠前半の深い部分だけを、1日に2回摂るような眠り方にも、一理あります。

でも私はイヤ。睡眠後半の浅い眠りで見る、奇想天外な夢が好きなので、どうしても6時間は眠りたいのです。

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棒グラフと折れ線グラフ
- 2015/11/25(Wed) -
「秋には本は売れないのに、なぜか『読書の秋』」という新聞記事に、目が留まりました。
3月4月や、年末年始や、夏休みなどに比べると、秋は相対的に売れ行きが鈍る時期だそうです。なるほど。
が、その内容よりも、月別の「書籍への支出額」の平均値を比較した棒グラフが、とても気になりました。

支出額が年間最高の12月と比べて、11月はその半分にも満たない、ように見えるからです。
実際には、12月は900円強、11月は700円弱なのに、棒グラフではその差がきわめて強調されています。
なぜなら、縦軸が途中で省略されていて、棒の高さが数値に比例していないのです。

棒グラフは、その長さの絶対値どうしを比べるのが本筋。縦軸は0から始まらなければなりません。
差を強調するために、棒の先っちょの部分だけを切り取って比較するのは、ルール違反です。
テレビや新聞ではしかし、縦軸を操作したインチキグラフをよく見かけます。

ところで、高血圧の方には、毎日朝晩の血圧を測定して、血圧手帳にグラフを描いてきてもらいます。
このように、血圧や体重や体温などの経時変化を記録するときは、折れ線グラフを使います。

折れ線グラフであれば、見たい範囲を強調するために、縦軸を自由に設定できます。
だから血圧や体重のグラフの縦軸が、0から始まる必要はありません。絶対値ではなく、変動を見たいのです。
体温に至っては、その数値は絶対値ですらありません。どうしても絶対値で描くなら、縦軸は絶対温度です。

科学雑誌のグラフにも間違いは散見されますが、テレビや新聞に登場するグラフはひどいのが多い。
縦軸に細工がしてある棒グラフを出すようなメディアは、科学的分析能力を疑わなければなりません。

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ロケットの次は人工心臓
- 2015/11/24(Tue) -
H2Aロケットが、打ち上げに成功しました。カナダの通信放送衛星は、予定の軌道に投入されたようです。
打ち上げ直前に、警戒区域内で船舶が確認されたために、打ち上げが27分ほど遅れたのには驚きました。
だって、2年前のイプシロン打ち上げのときと同じじゃないですか。あの時も、船舶侵入で15分遅れました。

警戒の告知や管理が不十分なのか、それとも警戒を無視して故意に妨害する勢力(他国?)があるのか。

下町ロケット」というTBSのドラマが、今週から、新たなステージ「ガウディ計画編」に入りました。
それまでは、ロケット産業という、私の知らない分野だったのに、次は医療機器の話になるようです。
しかも「人工心臓」の主要部品である「人工弁」がテーマです。いきなり、よく知っている分野になりました。

医療分野がテーマになると、どうしても、あちこち気になる点が見えてきます。ガッカリするばかりです。

たとえば、人工弁の開閉する部分(弁葉)が、一枚(一葉)より優れた、二枚(二葉)を思いつくシーン。
画期的なアイデアのように描かれていますが、二葉弁なんて、私が研修医の頃から使われている、普及品です。
ドラマでチラッと登場した試作品も、おそらくその、ごく一般的な二葉弁に見えます。

あるいは、伸展しやすい特殊素材を使うことで、成長に応じてサイズが大きくなる人工弁のアイデアもダメ。
弁の外周がいくら拡大したところで、内部の弁口(血液が通る部分)のサイズが変わらなければ無意味です。
どうしてそのような、あまりに基本的な間違い(勘違い)を、堂々と描くのでしょう。

原作がそうなら仕方ありませんが、ドラマ化する時点で、専門家(心臓外科医等)による監修が必要でした。
どのような業界を描く場合でも、それが専門的であればあるほど、リアリティが重要です。
せっかく面白い人間ドラマなのに、あちこちアラが目立って、感情移入できそうにありません。

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勤労感謝よりも新嘗祭
- 2015/11/23(Mon) -
「勤労感謝の日」の今日11月23日は、元はと言えば「新嘗祭」の日でした。

新嘗祭とは、天皇がその年の新穀を神に供え自らも食するという、宮中恒例祭典でも最も重要なものです。
宮中以外に全国の神社でも行われ、今朝不審な爆発事件が起きた靖国神社でも、新嘗祭が行われていました。

「新嘗祭が済むまでは、新米を食べるべきではない」という人もいるようですが、私には関係の無いことです。
近年私は、主食としてのご飯は、なるべく食べないようにしているからです。ただしデザートは食べます。

ではなぜ11月23日なのか。建国記念の日(紀元節)や文化の日(明治節)のような由来のある日でしょうか。
もともと新嘗祭は、日付は固定されず、陰暦11月の2回目の卯の日(=中卯の日)に行われていたそうです。

最重要な宮中祭典である新嘗祭は、卯(うさぎ)の生命力にちなんで、卯の日が選ばれたといわれます。
子(ね)から数えて4つ目の卯は、方位では東、時刻では午前6時をさすのも、陽気を感じさせます。

日付の十二支は12日周期で巡り、卯の日は毎月2回か3回訪れます。1回目が「上卯」で2回目が「中卯」。
1873年の太陽暦導入時に、ちょうど11月の中卯の日であった11月23日が、新嘗祭の固定日となりました。

国民の祝日の多くが、ハッピーマンデー制度によって固定日を失った経緯とは、正反対の変化です。
しかし、前にも書いたように、歴史的由来のある祝日は、オリジナルの名称や日付を尊重・維持すべきです。

「勤労感謝の日」という、GHQに変えさせられた、ボンヤリした名称には、何の由緒も情緒もありません。
名称は「新嘗祭」に、日付は11月の中卯日に戻してこそ、祭日としての歴史的意義が感じられるというもの。
暦を見てみると、偶然にも、今日が中卯じゃないですか。今年から、元に戻すのはどうですか、安倍首相。

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ど見放題
- 2015/11/22(Sun) -
「飲み放題」に聞こえたので、テレビに目をやったら、「ど見放題」でした。ジェイコムのCMのようです。
「ど根性・どストライク・ど見放題、ど素人・ど下手・ど見放題」のように、韻を踏んでいます。
「どシンプル・ど天然・ど見放題、ど遅刻・ど忘れ・ど見放題」のバージョンも、あるようです。

この「ど見放題」に限らず、最近「どM」だの「どS」だのと、品の無い言葉が氾濫しています。
「ど○○」などという言葉は、私が子どもの頃は「ど真ん中」か「ど根性」か「ど近眼」ぐらいのものでした。

あらためて辞書(日国)を引くと、接頭語としての「ど」の意味は2つ。
(1)ののしる意味を込める。近世以来の上方の俗語で、現在も関西方面を主として用いられている。
(2)まさにそれに相当する意であることを強調する俗語。

たとえ(2)の場合でも、どちらかと言えばネガティブな言葉が多いのは、(1)の意味があるからでしょう。

強調の「ど」に似たものに、ずば抜けた規模を表す「超ド級(超弩級)」という言葉があります。
「ドレッドノート級戦艦(ド級戦艦)」を越える規模の戦艦を、「超ド級戦艦」と呼んだのが由来ですね。

その軍事用語が一般化したのは、「超ド級」の「ド」に、強調の「ど」を感じるからではないでしょうか。
もはやいま使われている「超ド級」は、「ドレッドノート」の「ド」ではなく、「ど迫力」の「ど」なのです。

しかし強調表現というのは、徐々に陳腐化するもの。
やがて、「超ど真ん中」のように、二重に強調する接頭語「超ど」も、一般的になりそうです。

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白鵬猫だまし問題
- 2015/11/21(Sat) -
大相撲九州場所10日目に、横綱白鵬が「猫だまし」を使った件を受けて、世間が騒々しくなっています。
賛否両論では「否」が優勢ですが、「賛」も負けてない。久々に、面白い議論になっています。

テロだったら誰もが反対するでしょうし、安保法案ならイデオロギーが絡んで楽しい議論にはなりません。
そこへくると「白鵬猫だまし問題」は、みんなが安心して言い合うことのできるテーマでしょう。

反対意見は、「横綱としてやるべきことじゃない」という、北の湖理事長の苦言(遺言?)に代表されます。
つまり、そのような奇策は「横綱らしからぬ行為」であり、白鵬は「横綱の品格に欠ける」というわけです。

映像を見ていると、気になるシーンが4カ所ありました。
(1)猫だまし1回目、(2)猫だまし2回目、(3)勝った後のにやけ顔、(4)懸賞金でガッツポーズ

このうち(2)以降が無く、猫だましを1回試してみただけなら、戦術の探求だったと思えなくもない。
猫だましは、正式に認められている戦法であり、舞の海しか使ってはならないという規則はありません。

しかし「小さい人が変化しても拍手が起きますが、大きい人が変化すると批判される」と舞の海も言ってます。
大相撲は、単なるスポーツではなく日本の伝統文化であり、そこには守るべき礼儀や作法があるわけです。

その意味では、今回は猫だましよりも、その後のにやけ顔とガッツポーズの方こそ問題だと、私は思います。

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がんは早期発見
- 2015/11/20(Fri) -
厚労省が「がん対策加速化プラン」をまとめました。その柱は「予防」「治療・研究」「共生」の3つ。

進行がんの「予防」という意味では、早期発見が重要ですが、「がん検診」の受診率が低いことが問題です。
たとえば乳がん検診の受診率は、欧米では70〜80%以上なのに、日本ではまだ40%だそうです。
胃がんも、肺がんも、大腸がんも、子宮がん(子宮頸がん)も、検診率が50%を越えるものはありません。

治療や研究では世界最高の医学水準を誇る日本ですが、予防(検診)ではまだ、後進国なのです。

内閣府の調査によると、がん検診率が低い理由は、主なものから順に、
(1)受診する時間がない(勤務時間が長い、夜間・休日に検診がない)
(2)費用がかかる
(3)がんであるとわかるのが怖い
(4)健康に自信がある
(5)いつでも医療機関を受診できる
(6)検査に伴う苦痛が不安

などだそうです。健康のために、積極的に時間やお金を使うという発想が、日本人には乏しいのでしょうか。
女性の受診率が全般に男性よりも低いことを考えると、(1)や(2)が主因ではないかもしれません。

一般外科で研修していた頃、極度に進行したがんの患者さんを、何人も見かけました。
受診が遅くなった理由は、ほとんどが(3)でした。これこそ、日本人的情緒なのかもしれません。
誰だって、進行がんという告知は受けたくありません。許容できるのは、早期がん。だからこそ検診なのです。

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最低2日間見張ること
- 2015/11/19(Thu) -
インフルエンザ。熊本ではまだ流行していませんが、いまのうちに書いておくことがいくつかあります。
それは「タミフル」などのインフルエンザ治療薬による、こどもの異常行動についての注意点です。

異常行動の多くは、幻覚に起因するものであり、当院を受診する患者さんにも、ときどき起きています。
見えないモノが見えると言い始めたり、うわごとを言ったり、急に起き上がったりもします。

この異常行動は、タミフルの影響がいちばん懸念されてはいますが、それは濡れ衣だと、私は思っています。
前にも書いたように、インフルエンザによる異常行動は、タミフルを内服しなくても起きているからです。
現に、別のインフルエンザ治療薬、リレンザやイナビルでも、使用後の異常行動をよく聞きます。

インフルエンザウイルス感染後の、病状の勢いがいちばん強いときに、異常行動が起きやすいと考えられます。
たまたま、タミフルの内服後に異常行動が起きたとしても、それは前後関係でしかないのです。

前後関係しかないのに、因果関係があると疑われるのは、ちょうどワクチンの副反応問題と同様です。

タミフルを処方する医師は、添付文書の冒頭に記載された、次の「警告」を遵守しなければなりません。
「本剤による治療が開始された後は(中略)少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと」

そりゃ説明はしますが、「タミフル飲ませたら最低2日間見張れ」というのも、いかにも形式的でイヤですね。

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マイナンバー通知
- 2015/11/18(Wed) -
待ちに待った(?)マイナンバーの「通知カード」が届きましたが、吹けば飛ぶような、紙切れですね。
実際には、一昨日届けられたのですが、そのときわが家には誰もおらず、本日再配達されました。
早く受け取りたかったのに、再配達は翌々日以降と決められています。集中を避けるためとか。意味不明です。

家族のマイナンバーを見比べてみましたが、なんの共通点もない、バラバラの番号ですね。
12桁の番号は、4桁ずつに区切られています。さて、どのように覚えるか。語呂合わせでも考えてみますか。

1592 6535 8979 = 以後国、向こうサンゴ、吐く泣く。

もちろん、覚える必要はないのでしょうが、私は目の前に数字が並ぶと、すぐにイジりたくなるのです。
一生涯変わらない番号なんだし、たかが12桁ぐらい覚えておきたいものです。
ただしその12桁を覚える代償に、何か大事な記憶を失いそうな気もします。

さて次にすることは、「個人番号カード」の交付申請です。顔写真は、吟味して準備しなければなりません。
一生モノのカードなので、一世一代のプロフィール写真というわけです。場合によっては、遺影にも使えます。

個人番号カードが、どれほど役立つのかわかりませんが、新しもの好きの私としては、とりあえず作りたい。
と、明日にでも申請したい気分になったのですが、いま申請しても、受け取りは来年から。少しガッカリです。
(ちなみに前述の1592・・・は、円周率の3.14に続く数字です。私のマイナンバーじゃありませんので)

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4種混合ワクチン品不足
- 2015/11/17(Tue) -
4種混合ワクチンは、化学及血清療法研究所(化血研)と阪大微生物病研究所(阪大微研)の2社が製造しています。
国内シェアは、化血研が64.2%、阪大微研が35.8%。

このうち、化血研の4種混合ワクチン(商品名クアトロバック)が欠品となって、3週間ほどたちました。
日本中が、阪大微研のワクチン(商品名テトラビック)を求めているのですが、それもそろそろ品不足気味。
ワクチンというのは、簡単に増産できるものではないのです。

そんな折も折、救世主が登場します。北里第一三共の「スクエアキッズ」です。発売は12月14日。
ただ残念なことに、「スクエアキッズ」の製造量は、それほど多くはありません。
よもや化血研の「事件」など想定していなかったので、需要に見合った本数しか作っていないからです。

4種混合ワクチンは、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオの4つを予防するワクチンです。
子どもの頃にこのワクチンを接種した、いまの大人が、ときどき百日咳に罹ります。大学で流行したりします。

大人の百日咳は、咳が長引いて困る、ぐらいの症状のことが多いのですが、これが乳児にうつると一大事です。
乳児が百日咳に罹患すると、しばしば重症で、生命に関わることもあります。
だから、生後3カ月からすぐに、4種混合ワクチンの接種を始めるのです。

そのワクチンの供給がいきなり3分の1に減ってしまったいま、接種には優先順位を付けざるを得ません。
一度も接種をしていない乳児が最優先です。3回の接種を済ませた後の追加接種は、いちばん後回しです。

実害があまりに大きいので、化血研のワクチンをなんとか出荷できないか、各団体から要請が出始めています。
しかしまた、いくら緊急措置だとしても、化血研のワクチンは信頼できるのかと、危ぶむ声もあります。

化血研からワクチンが再出荷される場合、それは作り直したものではなく、出荷を止めていたワクチンです。
再出荷に際しては、万全の品質点検と徹底的な情報開示が、絶対条件でしょう。

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トリコロール仕様
- 2015/11/16(Mon) -
パリの同時テロ事件を受けて、Facebookの自分の写真に、フランス国旗を重ねるオプションが登場しました。
「パリ市民の安全と平和を願うプロフィール写真を設定しよう」とFacebookが呼びかけたもの、らしいです。

私の周辺では、トリコロール仕様に変えた友達はまだ少数ですが、友達以外にも、あちこちで目にします。
多くの犠牲者のことを思うと、この運動の主旨は理解できますが、私は、トリコロールにはしていません。

ネット上でも「賛成派」ばかりではなく、むしろ「反対派」や「慎重派」の声も聞かれて、混乱気味です。

まず「テロはフランスだけで起きているのではない」という正論。まあしかし、今はフランスでいいでしょう。
このタイミングでフランスに目を向けたからといって、他のテロを無視していることにはなりません。

極端な話、世界中のテロや災害や伝染病や不幸な出来事に、すべて均しく配慮することなどできないのです。

ただ、ロシア旅客機の墜落原因がテロだと判明したとき、Facebookにロシア国旗を重ねる動きがあったのか。
同じISからテロの標的にされたのに、このように扱いに差をつけるなら、それは別の主義主張につながります。

とか言いながら、私がトリコロールにしていない理由は、別の話。
ひとつは、波に乗り遅れたからです。「遅ればせながら私も・・・」っていうのがどうも、照れくさいのです。
だから遅れれば遅れるほど、ますます乗れなくなり、いよいよ意固地になってしまいます。イヤな性格です。

もう一つは、やめ時がわからないこと。短期間だけ、お祭りのように参加することは、ためらってしまいます。
納得してやめるタイミングが見つけられそうにないので、最初から始められないのです。困った性格です。

などと躊躇しているうちに、トリコロールキャンペーンにスパム疑惑が出てきました。まさかとは思いますが。
たしかにマルウェアではないとしても、世の中を混乱させたという意味では、スパムでしょうね。

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パイル業界の壁
- 2015/11/15(Sun) -
杭打ち不正問題では、同業他社のデータ流用も判明し、この業界全体の問題であることが明らかになりました。
業界団体の会長も務める、ジャパンパイルの黒瀬社長の発言で、すべてが飲み込めてきました。

記者「記録・報告用のデータが取得できないと流用するのか」
社長「そうだ。業界全体で行われているだろうが、工事はしっかりやっているはずだ」
  「杭が想定より短ければ元請けに必ず報告し対処する。未到達を知りながら放置することはあり得ない」

ここですね。元請けや一次下請けレベルの言うことは、建前なのです。
孫請け以下の不正を、うすうす感じていたとしても、見て見ぬ振りをして責任を回避し、納期だけは守らせる。

阪神・淡路大震災のとき、倒壊した建物に、多くの手抜き工事(欠陥住宅)が見つかりました。
倒壊さえしなければ発覚しなかった問題点も多く、見つからなければ何でもアリとも言える様相でした。
まして基礎工事は、横浜のマンションのように、建物全体の傾斜でも生じない限り、永久にバレません。

ジャパンパイルと聞いて思い出したのは、「パイルD-3の壁」という、ドラマ「刑事コロンボ」の一話です。
(以下、ネタバレあります)

基礎工事で打ち込んだ杭(パイル)というものは、いちど打ち込むと、めったに抜くことがありません。
そこで、パイル打ち込み場所の深い穴の底に死体を隠せば、永久に見つからない、ということになります。
真犯人に墓穴を掘らせるために、コロンボが仕組んだワナとしては、とくに秀逸な部類に入るものでした。

杭打ちデータ偽装も、絶対に発覚しないと思うからこそ、つい手抜きや不正に手を染めてしまうのかも。

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杭打ち業界みな不正
- 2015/11/14(Sat) -
旭化成建材の杭打ちデータ改ざんは、一人の社員が起こした悪質な不正行為だと、当初はそう思っていました。
しかし、今後予想される建て替え費用や賠償金は巨額です。とうてい、個人が償える額ではありません。
このまま個人攻撃が続くと、ヘタをしたらその社員は自殺でもしかねないと、内心オロオロしていました。

ところが幸か不幸か、杭打ちの不正行為は、他の社員が担当した工事でも、たくさん見つかりました。
つまり、会社の体制や体質に問題があったか、もしかすると会社ぐるみの不正だったということになります。
特定の人物だけが集中砲火を浴びなくてもよくなったので、少しホッとしました。

相手が会社となれば、徹底的に糾弾されるべきです。この際、全部建て替えてしまえ、とさえ言いたくもなる。

と思っていたら、業界大手のジャパンパイルでも、杭打ちデータ改ざんが見つかりました。
杭打ち業界でのシェア25%というのは、旭化成建材の10倍の規模です。
ここまで問題が拡大すると、もはや全部立て替えろとも言えません。日本中が混乱してしまいます。

ジャパンパイルは、ゼネコンから杭打ち工事を受注すると、別の会社(=孫請け)に工事を発注するようです。
さらに、そのまた下請け(=ひ孫請け)が、工事を担当する場合もあるとのこと。

杭打ちの大手と言われる会社が、自前では工事せず、これだけの多層下請け構造になっているとは驚きます。
おそらく杭打ちに限らず、建築の各工程がいちいち、下請け孫請けのオンパレードなのでしょう。
不正や手抜きの入る余地など、あちこちにありそうです。建設業界の闇の部分かもしれません。

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大村智はすごい人
- 2015/11/13(Fri) -
ノーベル医学生理学賞を受賞した、大村智氏の本、「大村智–2億人を病魔から守った化学者」(馬場錬成著)。
この本を慌てて発注した顛末は、前に書きましたが、手元に届くまでずいぶん待たされました。

先日、久しぶりに紀伊國屋書店に行ったら、いきなり、大村智氏の本のコーナーを発見。
普通なら、アイドル関係の本を陳列してるコーナーに、大村智氏の本が平積みです。もはやアイドル扱い?
よく見たら、大野智の関連本でした。

それはともかく、3週間待ってやっと届いた本を、さらに2週間寝かせ、本日読みました。一気に読めました。
すごい人ですね、大村先生。まあ、興味深いエピソード満載ですが、私が気に入った話を少し紹介します。

「イベルメクチン」は元々、ゴルフ場の土から発見した話は有名ですが、ゴルフを始めたきっかけについて。
研究のしすぎで精神に変調をきたした時、精神科の医師から「気晴らしにゴルフしなさい」と勧められたとか。
別の方法で気晴らしをしたら、どうなっていたことか。

何しろイベルメクチンは、年に1回だけ飲めばよい薬です。学会発表した際の質疑も、よく知られていますね。
「本当に1回だけで効くのか?」「効くから1回なのだ」
一見、ジョークですが、薬の特性を率直に述べたとも言えます。薬剤耐性は、いまだに確認されてないとか。

メルク社が、イベルメクチンを3億円で売ってくれと言ってきたのを、大村先生は蹴ったそうです。
あくまでロイヤリティ契約を主張し、結果的に200億円以上を入手します。研究者らしからぬ手腕です。

大村先生に断りもなく、メルク社が、オンコセルカ症へのイベルメクチン無償供与を決めたときのこと。
これに対しては意外にも、大村先生は憤慨したとのこと。手続きとか、筋の通し方にはうるさい方のようです。

「人と同じことをやっていると、うまくいってもその人と同じレベルで止まる」私がいちばん好きな言葉です。

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ワクチン打ち過ぎ注意
- 2015/11/12(Thu) -
0歳から80代の方まで、毎日20人から30人ぐらいに、インフルエンザワクチンの接種を行っています。
接種回数は、13歳未満は2回、13歳以上65歳未満は1回または2回、65歳以上は1回と決められています。
もちろんこれは原則であって、「オススメ」ぐらいの意味合い。大人で2回接種する方は少ないです。

ちなみに私自身は昨シーズン、3回ほど接種しました。余っていたワクチンを、実験的に接種したのです。
3回接種しても、医学的な問題が起きるワケではないのですが、けっして推奨はしません。
万一、3回目の接種後に異常が起きたときは、「医薬品副作用被害救済制度」の対象にもならないでしょう。

子どもの定期予防接種において、接種回数オーバーが問題になっています。不活化ポリオワクチンです。

3年前、ポリオ生ワクチンの廃止と引き替えに、不活化ポリオワクチンが導入されました。
さらに、3種混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを混合した、4種混合ワクチンの接種も始まりました。
これによって、3種混合ワクチンは役目を終え、製造も中止されました。
わずかなメーカー在庫も、厚労省が厳重に管理しており、流通はしていません。

ところが、3種混合ワクチンの定期接種が4回完了していないお子さんに、時々出くわします。
このような場合、4種混合ワクチンの接種で代用することになります。

しかし、3種の代わりに4種を接種すると、その分、ポリオワクチンを余計に接種することになります。
ポリオワクチンの接種が、規定回数の4回に達していなければよいのですが、4回接種済みの場合が困ります。
4種を接種することによって、ポリオワクチンの接種が通算5回目になってしまうからです。

国は、ポリオ5回目の接種を認めていません。欧州では5回以上を推奨しているのに、日本では5回厳禁です。

つい最近、ポリオワクチンが4回接種済なのに、3種がまだ1回足りないお子さんが来院されました。
3種を接種するためには、保健所を介して厚労省に申請して、特別にワクチンを入手しなければなりません。

というわけで今日は、保健所に「3種混合ワクチン納品希望申込書」を提出した段階です。
ワクチン1本打つために、その都度、厚労省に申請して納品してもらうシステムなんて、面倒な話。
「ポリオワクチンの5回目の接種」を認めるだけで、すべて解決するのに。

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一生に1回だけ、の誤解
- 2015/11/11(Wed) -
西田敏行がCMで勧めているワクチンがありますね、成人用の「肺炎球菌ワクチン」。
日本人の死因の第3位(1位はがん、2位は心臓病)である肺炎を、ある程度予防する効果が期待されています。
昨年10月から、65歳以上の高齢者を対象として、肺炎球菌ワクチンの定期接種が始まりました。

高齢者全員が一度に接種を受けに来ると大変なので、5年間かけて、順次接種を受けてもらう計画です。
具体的には、65歳以上の、5の倍数の年齢になる方だけが、その年度の接種対象ということになります。
つまり、5年間の間に、自分の順番が来るのは1回(1年間)だけ。そして、2巡目はないのです。

ところが、この接種対象年齢については、誤解が多いです。たとえばCMでは、次のように説明しています。
「該当する年齢の方が定期接種の対象となるのは、ひとり1回だけ。今年度だけです」
たしかに言ってることは間違いないですが、正しく伝わらない気がします。

先日も、65歳の方に接種をお勧めしたら、
「今はまだ体力があるので、70歳の時に受けるつもりです。だって、接種は一生に1回だけなんでしょう?」
申し訳ないですが、一生に1回の定期接種の機会を、ご自分で選ぶことはできません。

大事なことなので、何度でも書きます。成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種対象は、基本的に65歳だけです。
それが平成30年度までに限って、70歳以上でも、5の倍数の年齢の方も対象となっているだけなのです。

国の規定自体がよくないのですが、誤解をなくすため、CMのナレーションは、次のようにしてもらいたい。
「定期接種の対象となるのは、最初に対象年齢になったときだけ。その次の機会はありません」

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ステーキの温度管理
- 2015/11/10(Tue) -
ステーキを美味しく焼く方法は、どうやら2つに大別できるようですが、それが真逆です。

(1)まず表面をよく焼き、その後、内部に適度に火を通す
肉汁を漏らさないようにと、私が日ごろBBQで行ってきた焼き方も、おおむねこの手順。
表面をしっかり焼いた後、火から下ろし、アルミホイルで包み、余熱だけで火を通す方法もあるそうです。

(2)ゆっくり弱火で内部まで火を通し、最後に表面をよく焼く
最初は低温で加熱するのがミソで、こちらの方法が料理科学にかなっているとか。

肉を焼くときの内部温度は60度前後が望ましく、65度を越えてはならない、などとよく言われます。
したがって、(1)の後半も(2)の前半も、内部が65度を越えないように火を通すのがポイントです。

しかし実際問題として、肉の内部にちょうど良い具合に火が通ったかどうか、素人が見極めるのは難しいもの。
専用の温度計を使って、肉の内部温度を測定しながら焼くのも面倒。では、どのように温度管理をすべきか。

思いつきました。60度のお湯で肉を温めて火を通し、最後に表面をさっと焼いたらどうか、と。

本日、実験しました。失敗するともったいないので、グラム198円の、お手頃価格の豪州肉を準備しました。
鍋にたっぷりのお湯を沸かします。火を止め、温度計を入れて温度を見ながら、64度に調整します。
あらかじめ室温に戻しておいた肉を、ジップロックに入れて密閉し、湯に浸し、鍋に蓋をします。

庭に出て、BBQの炭火を起こします。約20分後には、最強の火力となりました。
ここで、肉が浸かっている鍋の湯の温度を見ると、57度でした。温度管理は、思いのほかうまくいきました。

肉を湯から出してみるとしかし、ジップロック内には、多量の肉汁が出ていました。イヤな予感がします。
もたもたしているうちに、炭火の火力が落ちたため、肉の表面を焼くだけのために、10分以上かかりました。

果たしてステーキは、火が通り過ぎてカチカチ、しかも旨味ゼロ。実験大失敗です。

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薬と眠気と運転
- 2015/11/09(Mon) -
病気が原因で起きた交通事故の話は、先日書きましたが、薬物の影響による事故も、問題です。

かぜ薬などには、眠気を催す成分が含まれていることがあり、居眠り運転につながる危険があります。
禁煙治療薬「チャンピックス」もまた、内服後の眠気で事故を起こした事例が、報告されています。

チャンピックスは、平成20年の発売時より、「めまい、傾眠」という副作用があることがわかっていました。
しかし、喫煙という「毒」に拮抗する画期的新薬なので、少々の副作用は軽視されていた嫌いがありました。

ところが発売後、意識障害によって自動車事故を引き起こした3つの事例が報告され、雲行きが変わりました。
ただちに「使用上の注意」が改訂され、本剤内服中は「自動車の運転に従事させない」と記載されました。

チャンピックス内服による禁煙治療は、通常12週間にわたって続けられます。その間、薬は毎日服用します。
なので「禁煙したけりゃ3カ月間は車を運転するな」ということになってしまいます。

現に、「車を運転する方には、禁煙治療薬を処方できません」という姿勢を貫いている医療機関もあります。
たしかにそれは正論です。他人を危険にさらしてまで、禁煙治療などしなくてよろしい、というわけです。

しかし、禁煙治療を希望する方のほとんどが、日常的に車を運転しています。
喫煙がもたらす疾病を減らそうというのなら、もっと現実的な対応をして、禁煙治療をしやすくすべきです。

私は「試しに内服して、もしも眠気がくるようなら、運転前には飲まないように」と指導して処方しています。
実際の印象としても、内服しても眠くならない方がほとんどです。
国やメーカーは、「運転禁止」と規定して責任回避ばかりせず、もっと現実的な運用を支援すべきです。

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医者と患者のギャップ
- 2015/11/08(Sun) -
「医療事故調査制度」が始まりました。
医療機関は、「診療行為に関連した患者の予期せぬ死亡事例」を、報告・調査する義務があります。

たとえば手術後に死亡した場合、手術と死亡の関連性は明らか。問題は、死亡が予期できていたかどうかです。

もちろん外科医は、術中に起こりうるあらゆる可能性を想定し、すべての死亡を予期できているはずです。
予期できているのであれば、それを患者に説明していたか、さらに記録に残していたか、という点が重要です。

手術前には、いわゆる「インフォームドコンセント」と呼ばれる説明を尽くし、患者の同意をとります。
具体的には、病気の状態、手術の必要性、手術しなかった場合に予測される経過などを、ありのまま話します。
次いで、予定術式の詳細、術中・術後に起こりうる合併症・偶発症、術後の見通しなどを詳しく説明します。

手術中や術後に死亡する可能性とその確率も、具体的な数値で示すことになります。

そのような説明の後、万全の準備で行った手術が、しかし結果的にうまくいかない場合があります。
「死亡する可能性は低いと聞いていたのに」というご家族の言い分は、よくわかります。
医者と患者家族との間には、大きな意識のギャップがあります。
いくら死亡の可能性をあらかじめ説明していても、家族側はそのような事態を想定してはいないのです。

まして、手術ですらない、たとえば予防接種でも、アナフィラキシーショックで死亡する危険性はあります。
もちろん、医療者側は想定していることですが、その危険性が、被接種者に十分伝わっているとは思えません。

一般に、「言った、言わない」の水掛け論は、得てして「言った側」の言い方が悪いのです。

さっそく明日、予防接種後のアナフィラキシーについて、厳しめのポスターを作って掲示することにします。
ひとつひとつ、医者と患者の意識のギャップを埋めることが必要なのでしょう。

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短期記憶力テスト
- 2015/11/07(Sat) -
宮崎市で先週起きた重大な交通事故の原因は、運転していた男性の認知症などが原因とみられています。
無謀運転や飲酒運転ではなく、男性の健康上の問題が引き起こした事故だけに、なんともやりきれません。

抗てんかん薬の飲み忘れで、運転中に発作が出てしまったケースは、これまでに何度か報じられました。
昨年は、インスリンを注射している糖尿病の方の、低血糖が関与したと思われる事故が起きました。

薬で管理できる病状ならまだしも、心筋梗塞や脳梗塞などは、どのように管理しても起きるときは起きます。
極端な話、運転中のくしゃみが原因でハンドル操作を誤りそうになることだって、私でも経験があります。

医学的なリスクを抱えている人に、運転を認めるかどうか、その線引きはとても難しいと思います。
しかし、認知症と診断され、過去には事故歴もある今回の男性が運転できていたことは、たしかに問題です。

75歳以上の場合、記憶力や判断力を調べる「講習予備検査」をパスした人だけが、運転免許を更新できます。
その検査のひとつ「手がかり再生」に使うイラストを、テレビで紹介していたので、チャレンジしてみました。

まず8つの絵が提示され、「8つのモノの名前を覚えてください。2分後に答え合わせをします」と、CM入り。

こう言っちゃなんですが、私は記憶力が良い方です。とくに、短時間で集中的に記憶する作業が、好きです。
一見無関係にみえる8つのイラストも、それらを関連づけるような物語を創りながら、覚えていくのです。

さて、CMがあけました。ところがです。なぜかどうしても4つしか思い出せません。冷や汗が出てきました。
番組では、私よりもだいぶ年配のコメンテーターが、7つ言い当てました。
「全問正解でなかった方は、医師の診察が必要な場合もあります」とのこと。かなりヤバイです。

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ごまめの歯ぎしり
- 2015/11/06(Fri) -
国会議員の河野太郎氏は、入閣を機に、自身のブログ「ごまめの歯ぎしり」の公開を制限しています。
10月8日以降の、大臣としてのブログは読めますが、その前のヤンチャな時期のバックナンバーは読めません。

「今までは外から言っているだけだった。今度は政府内の議論でしっかりと言うべきところは言っていく」
と河野氏は言っていますが、バックナンバーの閲覧を制限する理由にはなりません。残念です。

政権批判だけでなく、国会内の悪習を疑問視するところなど、なかなか面白いブログでした。たとえば、

あらかじめ、反対する政党がないとわかっている議題は、本会議では「異議なし採決」が行われます。
そうなると、議長の「ご異議ありませんか」に対しては、「異議なし」しか選択肢はありません。

ある緊急動議が出されたとき、議長がそれを採択すべく「ご異議ありませんか」と諮ったときのこと。
河野氏があえて「異議があります」と発言したのに、議長は「ご異議なしと認めます」と押し通したとか。
まさに「ごまめの歯ぎしり」が聞こえてきそうなシーンです。

ところで、このネット社会。いちど立ち上げられた有名人のブログなど、コピーサイトがすぐ見つかります。
現に私も、そのようなサイトのバックナンバーを、河野氏入閣後になって、あらためて読み始めたところです。

閉鎖されたと聞くと、逆に読みたくなるもの。皮肉にも、ブログ読者はむしろ、今後拡大するかもしれません。
閣僚として表向きは公開を制限し、裏ではバックナンバーを読ませようというのなら、河野氏もなかなかです。

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加工肉と大腸がん
- 2015/11/05(Thu) -
「加工肉を毎日50g食べ続けたら、大腸がんにかかる確率が18%増える」
WHOがこのたび発表した、国際がん研究機関の報告が、世間を騒がせています。

毎日50gって、そんなに大量の加工肉を食べなきゃいいでしょう、と思ったら大間違い。
フランクフルト1本が約50gなので、下手したら、その2倍、3倍を食べる日だってありそうです。

それよりも問題は、18%という数字の持つ過大なイメージが、一人歩きしていることです。

かつて胃がんが多かった日本ですが、「食の欧米化」によって、大腸がんが増えています。
2013年の統計では、日本人の約8%が、一生のうちに大腸がんと診断されたそうです。けっこう多いです。
もちろん、早期発見された場合には、ほぼ100%根治できます。

その8%が、18%増えるというのなら、8+18=26%になるのかというと、そうではありません。
8%の18%、つまり8x0.18=1.44%だけ増えるので、9.44%になるということです。

では、加工肉がなぜ悪いのか。加工に用いる化学物質が問題とも言われます。
化学物質と同様に、高温加熱も良くないらしいですね。
以前、焼き魚やフライドポテトによる発がんが問題になりましたが、それと同様のメカニズムでしょう。

タンパクやアミノ酸に高熱を加えすぎると、よからぬ反応が起きるようです。
BBQで肉を焼くときにも、ほどほどの火加減で、ゆっくり火を通した方が良いのかもしれません。
そして、焦げすぎた部分は食べないこと。でも、そのカリッとした部分がまた、美味いんですけどね。

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絶食と体脂肪
- 2015/11/04(Wed) -
1日1食、夕食のみ」の生活を、ほぼ10年ほど続けています。たまに昼食も食べますが、それは例外的。
朝ヨーグルトを食べたり、昼はソイジョイを食べていた頃もありましたが、今は朝・昼とも、飲み物だけです。

1日1食には慣れましたが、胃腸の検査の前日、夕食も食べられなかった完全絶食の日は、さすがに辛かった。

比叡山延暦寺の荒行「堂入り」を、住職が無事「満行」したと、先日報じられました。
断食、断水、不眠、不臥の9日間を耐え、しかも達成後にしっかりした足取りで歩く住職の姿には驚きました。

榎木孝明氏の30日間の「不食」にも驚きましたが、荒行の方は断水かつ不眠です。
どうしてそのようなことが、医学的に可能なのか。ともかく、驚異的な精神力が必要だとは思います。

災害時などに「72時間の壁」という言葉がよく出てきます。
被災後は72時間を境に生存率が低下する、という経験則です。
しかし72時間を過ぎて、ほぼ絶望視されていた被災者が、無事救出されることが、ときどきあります。

飲まず食わず、寒さや痛みや絶望感にさいなまれて過ごす72時間超を、よく耐えられるものだと思います。
体温が下がり、意識レベルも下がり、基礎代謝が下がったことで、体力消耗を最小限にできたのでしょうか。
体内に備蓄していた脂肪を、きわめてゆっくりと消費して生き延びたのでしょう。

ちょうどクマが、秋に過食して蓄えた体内脂肪をエネルギー源にして、冬眠する仕組みと似ています。

そのような事を考えると、十分な体脂肪の蓄積こそ、極限状態を生き抜くための要件と言えるでしょう。
「脂肪の燃えやすいからだ」は、生活習慣病の予防には有利でも、被災時には不利な体質かもしれません。

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明治の日よりも明治節
- 2015/11/03(Tue) -
「文化の日」を「明治の日」に名称変更しようという動きがあり、私もその方がマシだと思います。

祝祭日というのは、何か具体的な出来事や名目があってこそ、その日を祝うわけです。
「文化」なんて特定の日に祝うモノでもないし、もともとの「文化の日」という名前が間違っているのです。

11月3日は明治天皇の誕生日。明治時代はこの日が、祝祭日のひとつ「天長節」でした。
大正時代の天長節は、大正天皇の誕生日である8月31日、昭和に入ると天長節は、4月29日になりました。

「明治節」は、明治天皇の誕生日を祝う日を休日として復活させるべく、昭和に入って作られたものです。
戦後、日本国憲法が公布されたのが、昭和21年11月3日。その6カ月後の5月3日に、施行されました。
諸説はありますが、どう考えたって、憲法公布を「明治節」に合わせたと考えるのが自然です。

「明治の日」は戦前回帰だと批判も出ていますが、それほど大げさに考える必要もないでしょう。
戦前から即位していた昭和天皇の誕生日だって、「みどりの日」を経由していまは「昭和の日」です。

ただし、祝日が必ず「○○の日」とか「○○日」という名称であるのは、いかにも画一的で個性がありません。
歴史的な由来があって作られた祝日であればなおさら、歴史的な名称をそのまま使うのが適切だと思います。
なので「文化の日」は、このさい「明治節」に変えましょう。ついでに「建国記念の日」は「紀元節」に。

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MRワクチン回収騒ぎ
- 2015/11/02(Mon) -
北里第一三共が製造した「麻しん/風しん混合(MR)ワクチン」と「麻しんワクチン」が、回収騒ぎです。
麻しんワクチンとしての効力が、有効期間内に承認規格を下回る可能性があることが判明したため、とのこと。

日本中で流通していたMRワクチンの相当数が、今回の回収対象ロットに該当します。影響は大きいです。

第一三共は「これまでに有効性や安全性に影響があったとの報告はない」と言っています。
たしかに、安全性に重大な影響を及ぼすような不具合ではなかったことは、不幸中の幸いです。
しかし、有効性が十分だったかどうかは、数年、十数年以上経たなければわかりません。それがワクチンです。

有効性が低いワクチンの接種は、将来、はしかに罹るという「被害」をもたらしかねません。

かつて、「麻しんワクチン」の効力不足が原因で、大問題を引き起こした事件があります。
平成13年、沖縄県宜野湾市周辺で、ワクチンを接種したはずの子どもたちが、次々とはしかにかかりました。

使われていたのは千葉県血清研究所(千葉血清)製ワクチン。当初は、ワクチンの保管法が原因とされました。
しかしその後、あらためて検証を進めると、ワクチン接種後の抗体陽性率が異常に低いことが判明。
同様の被害は、千葉、福岡、熊本からも報告されましたが、特別な措置はとられませんでした。
そしてあろうことか、平成14年には、千葉血清という会社自体が閉鎖してしまいました。真実は闇の中です。

今回の北里第一三共のワクチンは、まず原因究明をしなければなりません。
有効性の低いワクチンを接種してしまった人を、どのように救済すべきかも、検討が進められているようです。
あらためてワクチンを再接種するのか、その場合の費用負担はどうするのかなど、面倒な問題が山積です。
化血研のときと同様に、「全ワクチン出荷停止せよ」などと厚労省が言い出すと、大変なことになりますが。

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ライオンを区別せよ
- 2015/11/01(Sun) -
数日前、Facebookで投稿しようとしたら、セキュリティー上の問題があると、警告画面に切り替わりました。
ずらりと十数枚の画像が並んでおり、その中からライオンの絵を全て選べという、セキュリティチェックです。
ライオンの絵は3枚。そのほかに、ライオン以外の動物や植物などの画像が並んでいますが、なぜライオン?

Facebookのセキュリティチェックには、時々出くわしますが、画像選択など聞いたことがありませんでした。

ともかく、ライオンの画像を3カ所クリックして、無事その場を切り抜けましたが、何だったのでしょう。
「近ごろ、ライオンとトラの区別が付かないヤツがいるので、セキュリティー上問題があるのではないか」
などという意見が、Facebookの上層部で出ていたのでしょうか。

そのうち、ピューマをすべて選べ、などと言われたら、正しく解答できるか自信がありません。
ヒョウやレパードも難しい。ネコ科じゃないけど、コヨーテとハイエナも、私はときどき間違えます。

こういった、セキュリティー上の問題を警告する画面が、実はマルウェアということもあるようです。
もしかすると私は、セキュリティチェックを装うサイトに誘導されてしまったのかもしれません。
さいわい、パスワードや私の個人情報を入力することはなかったので、実害はなかったはずです。
しいて言うなら、私のライオン認識能力という個人情報が漏洩したことになりますが、まあいいでしょう。

それにしても、セキュリティチェックが純正のものかどうか、どうやって判別すればよいのでしょうね。

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