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過払い金の返還額
- 2016/03/31(Thu) -
「過払い金」返還についてのテレビCMを、最近よく目にしますね。とくにアディーレ法律事務所。

「おひとりあたり平均160万円」という回収実績を謳っていますが、過払い金の平均値って何でしょう。
正規分布に従うはずもない過払い金を単純平均しても、何の情報にもならないどころか、誤解を招くだけです。

たとえば、こういうことです。過払い金返還の対象者が10人、回収額が平均160万円とします。
1人が突出して1,510万円、他の9人が10万円ずつ、合計1600万円、という場合でも、1人平均160万円です。

このように、金額の平均値というのは、とびぬけて巨額な事例によって、大きく上ぶれしてしまうのです。

アディーレ法律事務所は、その錯覚を利用して、返還金額を大きく見せようとしているような気がします。
確認のためアディーレのサイトを見ると、「過払い金事例紹介」として、6つのケースが挙げられていました。
その6つの事例の返還額はそれぞれ、60、396、430、98、92、246万円、平均220万円です。
これまた、返還額を大きく見せる事例ばかりを並べた印象があります。

「過払い金回収実績」を見ると、2つの数値が記載してありました。
過去全ての回収金額は、285,222件で1,614億324万円。平均額は約56万円。160万円には遠く及びません。
最近1カ月間の回収金額は、4,978件で31億165万円。これでも平均で約62万円。

テレビCMでいう「160万円」の根拠を探すと、「2014年1月~12月当事務所実績より算出」とあります。
つまり過去全体の実績でもなければ、最近の実績でもない、ちょっと古い実績を前面に出しているようです。

たぶんその頃の実績が、いちばん良かったのでしょう。そう考えてしまうので、余計うさん臭く感じるのです。

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水痘が減り帯状疱疹が増える
- 2016/03/30(Wed) -
水痘ワクチンの定期接種が始まって1年半たちましたが、水ぼうそうの子どもが、すっかり減りましたね。
当院で水痘と診断した人数は、定期接種開始前の1年間の60人に対し、最近1年間は18人と、まさに激減です。

その水痘ワクチンに、「50歳以上の帯状疱疹の予防」という効能・効果が、今月18日から追加されました。

もともと、帯状疱疹の予防に有効だとわかってはいたのですが、ようやくそれが正式に認められたわけです。
どうしてこのタイミングなのかと言えば、逆説的な理由ですが、水痘患者が減ってきたからです。

では「水痘が減ると帯状疱疹が増える」という、風が吹けば桶屋が儲かる的な図式を、見ていきましょう。

帯状疱疹は、過去に水痘に罹った人の神経内にずっと潜んでいた水痘ウイルスが、不意に暴れ出す病気です。
水痘ウイルスが、日頃は体内で大人しくしているのは、体の免疫力がその活動を抑え込んでいるから。
だんだんと免疫が低下すると、いつかウイルスが暴れ出すので、ときどき免疫を強めてやる必要があります。
免疫を強めるためには、ときどき外部からのウイルスに触れて、免疫を活性化するのが有効です。

ほんの2年前までは、毎年100万人が罹患するほど、水痘はありきたりの病気でした。
そこら中に水痘の子どもがいたので、水痘の免疫は自然に活性化され、維持されてきました。

ところが、水痘ワクチンの定期接種化によって患者が激減すると、免疫をなかなか維持できなくなってきます。
つまり、「水痘が減ると帯状疱疹が増える」というわけです。

最終的に、水痘罹患歴のある者が世の中からいなくなれば、帯状疱疹の心配もなくなるでしょう。
しかし今はまだ過渡期。新たな水痘患者は減っても、水痘罹患歴のある人はたくさんいます。
帯状疱疹の心配は、むしろこれから増えるのです。だから中高年の方はワクチンを打ちましょう、というわけ。


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iPhone SE発売
- 2016/03/29(Tue) -
次期iPhone(iPhone 7)は待ち遠しいですが、明後日発売されるiPhone SEには、あまり興味が湧きません。
5.5インチのディスプレイに慣れてしまい、もはや4インチでは満足できないカラダになってしまったのです。

iPhoneロック解除」問題は、ついにFBIが、Appleの助けなしに、ロック解除に成功したと報じられました。
先週FBIは「独自に解除できる」と言い始めていましたが、どうやら強がりではなく、根拠はあったようです。

Appleは、最後までFBIに協力しなかったことで、プライバシー保護を最優先とする姿勢を貫きました。
FBIは、自力でロック解除に成功することで、テロリストに対する断固たる態度を示しました。

つまり、AppleもFBIも、どちらも満足できる結果に終わったわけで、少々話がうますぎる感じもします。
どうもこの件は、そう単純ではなく、私は3つの可能性を考えます。

(1)FBIに協力する第3者(セキュリティーの専門家、またはハッカー)が、FBIにロック解法を教えた
(2)Appleが、FBIにその方法をこっそり明かした(つまり、出来レース)
(3)Appleが、第3者を介して、FBIにその方法をリークした(Appleが協力したことは、FBIも知らない)

このたびのロック解除は、テロ容疑者が所有していたiPhone 5cに対するものです。
これがiPhone 5s以上だと、CPUに「Secure Enclave」が実装されているため、ロック解除は不可能。

そこに登場したのが、iPhone 5のサイズに最新のCPUとセキュリティーを備えた、iPhone SEというわけ。
今回の一件は、iPhone 5cからiPhone SEへの買い換えを促す、ちょうど良い機会だったとも考えられます。

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肝心か、肝腎か
- 2016/03/28(Mon) -
「心臓外科」「脳外科」「肝臓外科」と並べてみると、テレビドラマで描きやすいのは、心臓外科でしょう。
なにしろ心臓は、「見た目」に動く臓器なので、手術が成功したシーンを表現しやすいですしね。

しかし、術後に心拍動が再開したからと言って、それは術後経過の初期段階の、そのまた入口に過ぎません。
問題はその後、安定して力強く拍動し続けてくれるかですが、まあそのことは、今回はあまり言いません。

考えてみると心臓は、血液を全身に送り出してるだけなのに、人体の最重要臓器のような顔をしています。
それはそれで重要だし、心臓にはほかの働きもあるのですが、ほかと比べれば比較的シンプルな臓器です。

最も複雑で高度な臓器は脳でしょう。ただ映像的に、脳外科の手術シーンは、ドラマで描きにくいのが難点。

心配したり、心が躍ったり、心を痛めたりしますが、心臓は脳のように思考する場所ではありません。
なのに「心」が心臓に宿ると感じるのは、感情の起伏が自律神経を介して、心拍動に影響するからでしょうね。
その結果、心臓がドキッと(動悸が)したりして、心臓の動きと心の動きが、リンクして感じるわけです。

「肝心」という言葉は「肝腎」とも書きます。それから考えると、心臓と腎臓は置き換え可能な立場です。
「肝心」と「肝腎」に共通する肝臓こそが、心臓や腎臓よりも格上と、位置づけられていたのかもしれません。

古来より、肝臓は人間の感情の根源と考えられています。英語の “liver” は生命 “life” と同語源だとか。

それだけ重要だからでしょうか、肝臓は、他の臓器にはない「再生力」を与えられています。
肝臓だけは、いくら切除しても、まるでプラナリアのように、元通りの大きさに戻ります。

ギリシャ神話の「プロメテウス」は、火を盗んだために、鷲に肝臓を食べられるという罰を与えられました。
しかし翌日には肝臓が再生するものだから、毎日毎日、三万年間食べられ続けたという、まあ気の長い話です。
ギリシャ神話が作られた昔から、肝臓の驚異的な再生能力が知られていた、ということにも驚きます。

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病気とニュース映像
- 2016/03/27(Sun) -
国内4例目のジカ熱感染患者の女性は、さいわい、症状も回復しているとのこと。
しかし今後、南米からの帰国者が日本にジカ熱を持ち込むケースは、ますます増えてくるでしょう。
夏場に入り、蚊がとぶ季節になれば、二次感染の恐れも出てきます。

ジカ熱で怖いのは、感染した妊婦から生まれる赤ちゃんの「小頭症」です。
そんな赤ちゃんの映像を、ときどきテレビで見かけますが、インパクトがありますね。
「ジカワクチン」ができたら、すぐ接種したくなります。

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)」の副反応とおぼしき女性の映像。あれも衝撃的でした。
報道ステーションが、何度も何度も、あの映像を放送しました。誰の目にも、悲惨な病状に映ります。

しかしこのような、医学的因果関係が明確ではないのに、映像のインパクトで問題提起するのは疑問です。
百歩譲って、この女性の病状の原因がワクチンだとしても、あのように一方的に提示するのはフェアじゃない。

それならば、子宮頸がんの罹患率や死亡数などのデータについても、よくわかるように報じるべきです。
さらに、子宮頸がんの手術シーンとか、摘出臓器の画像さえも、ニュース番組で放送したっていいと思います。

副作用を問題にするのなら、そのワクチンで防ごうとしている病気の悲惨さも、同時に伝えるべきだからです。

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医療費助成、中3まで?
- 2016/03/26(Sat) -
「子ども医療費助成 付帯決議案可決」
「子ども医療費助成拡大 見送り」
この2つの見出しの記事が、同じ内容を報じているので、ちょっと戸惑いますが、先週の熊本市議会の話です。

子どもの医療には、その対象年齢や金額は自治体によって異なりますが、医療費に助成があります。
熊本市では、対象者が診療を受ける際には「子ども医療費受給資格者証(ひまわりカード)」を提示します。
これによって、医療機関の窓口で支払う自己負担は現在のところ、
(1)3歳未満のお子さんは、自己負担なし
(2)3歳以上小学3年生まで(9歳到達後の3月末日まで)は、1医療機関につき1カ月あたり500円

この対象年齢を中3まで拡大します、というのが、大西一史市長の選挙公約の一つでした。
(2−2)3歳以上中学3年生までは、1医療機関につき1カ月あたり1000円の自己負担

やたらに助成を増やすと過剰医療にならないか、という危惧もありますが、問題は別のところにありました。
つまり、従来の(2)の対象者については、自己負担額が500円から1000円に増額されてしまうということ。
このことなどを問題視して、助成制度の内容を再考するように市側に求めたのが「付帯決議」です。

少子化対策のひとつとしても、小児医療費助成の拡充は意味があるかもしれませんが、単純ではないのです。
現行制度でも、すでに過剰医療気味な側面は感じます。対象を拡充すれば良いというものではありません。
必要な医療には十分に助成し、不要な医療には自己負担を課す。そんな細やかな制度になればいいのですが。

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人工知能が書いた小説
- 2016/03/25(Fri) -
人工知能(AI)が創り出した小説が、第3回「日経 星新一賞」の一次審査をパスしたと、話題になってます。

「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」の作品。さっそく、応募作のうち2つを読んでみました。

『私の仕事は』は、意外と面白かった。ありがちな設定なので陳腐化しやすく、何度も使えないでしょうけど。
『コンピュータが小説を書く日』はしかし、ちっとも面白くなかった。いや、負け惜しみじゃなくて。

「星新一賞」といえば、私もその第1回に応募しました。そして敗退した顛末は、前にも書いた通りです。
その後、賞の企画者らの内部対立が判明し、嫌気が差したので第2回以降には応募していません。

先日は、AIが囲碁のプロ棋士に圧勝したことが話題になりましたが、小説の場合と共通点がありそうです。
つまり、AIは「総当たり」計算をするのではなく、「創造」をする段階に入った、ということです。

これまでのAIは、膨大な計算を、超高速で処理し、解決策を見つける、いわば「力業」型の知能でした。
これからのAIは、膨大な情報を、山ほど学習して、経験を積んでいく、いわば「応用」型の知能です。

情報を与え、学習させ、経験を積ませ、あとは成長するのを待つ。まるで人間と同じ。
これが本来の人工知能であり、やがて応用力も想像力も創造力も発揮するようになるのでしょう。

ちなみに星新一賞のグランプリは、『ローンチ・フリー』が受賞しました。著者は佐藤実氏。
「宇宙エレベーター」に関する著作などがある、東海大理学部の先生だそうです。実在人物、のはずです。

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読書感想文
- 2016/03/24(Thu) -
小学校6年生の時、担任の先生に読書感想文を褒められたことがあります。しかも、クラス全員の前で。
名探偵ホームズの、どれかの話でした。当時私は、読書感想文が得意だったのです。
でも本当は、褒められた話ではありません。なぜなら、コツを知っていたからです、先生が喜ぶような。

遠藤周作の『海と毒薬』を読んだのは、学生時代ですが、自分の内面を見透かされたようで、ショックでした。
先生が「悦ぶ」ような文章を意図的に書き、クラス全員の前で褒められる、いやな少年が登場したからです。

よく知られているようにこの小説は、いわゆる『九大生体解剖事件』にヒントを得て書かれたものです。
しかし、取材メモはすべて捨て、改めてフィクションを書いたのだと、後に遠藤周作は言っています。
フィクションだからこそ逆に、登場人物の描き方が実に深く、彼らの気持ちが「よくわかる」のです。

一方で、実際の事件は、実行した教授と同門なので私も無縁ではなく、いつか研究してみたいテーマです。
当事者のうちで、ただ一人ご存命の東野利夫先生(産婦人科開業医)には、以前、家族がお世話になりました。
事件を題材にしたノンフィクションで有名な、上坂冬子氏の本を読むのなら、東野氏の著作も読むべきです。
さらに関係者の親族による近著も、身内が書いたというバイアスを考慮しながら、読んでみるべきでしょう。

そんなわけで、数年来の私の課題は、九大生体解剖事件の全容解明(把握)なのですが、なかなか進みません。
とりあえず、研究題材(東野、上坂、熊野の著書と、九大第一外科の関連資料)を、読み進めている途中です。
あるいはフィクションではあっても、遠藤周作も読み直す必要があるでしょう。何か意味があるはずです。
いつかそれらの感想文(私の思うところ)を、まとめてみたいと思います。

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ナイト・シフト
- 2016/03/23(Wed) -
昨日、iOS 9.3がリリースされたので、さっそくiPhoneにインストールしました。
新バージョンにありがちな想定外の不具合など恐れず、進んで人柱になるのが、Apple信者なのです。

その新機能をひとつ挙げるなら、「Night Shift(ナイト・シフト)」モードの導入でしょうか。
夜になると(標準では日没時から)、画面の色合いが全体的に暖色系になるという、ただそれだけの機能です。
何時から何時まで作動するかとか、色合いの強さなどは、自分で設定できます。

どうでもいいと言えばどうでもいい機能ですが、暗い寝室で見る時などには、目に優しいかもしれません。

それで思ったのですが、室内の照明そのものが、昼と夜とで色合いを変えてくれると面白くないですか。
わが家のリビングなどの共用スペースは、主としてやや暖色系の蛍光灯や電球を配置しています。
ハウスメーカーのお奨めで、家庭の暖かみを演出できるということなのです。
たしかに、夜に仕事から帰って来て屋外からわが家を見ると、暖色系の窓の明かりは穏やかで、ほっとします。

しかし、夕暮れ時や曇りの日には、暖色系では室内の明るさが足りません。もっとビシッと照らして欲しい。
こういうとき、時間帯や屋外の明るさに応じて、照明の色合いを自動的に切り替えてくれるといいですよね。
そう、「ナイト・シフト」でね(AppleのCM風)。

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ポリオ5回目OKへ
- 2016/03/22(Tue) -
不活化ポリオワクチンの、通算4回を越える接種が、ようやく解禁されました。
これで、3種混合ワクチンの接種漏れをカバーするために、4種混合ワクチンを使えることになりました。

これまでは、3種の回数を4種で満たそうとすれば、ポリオの回数オーバーがネックになっていたのです。

ポリオワクチンの、5回以上の接種が禁止されていたのは、安全性が確認できていないという理由でした。
バカな話です。フランスなんか、5回も6回も接種してますよ。
だいいち、3年半前から日本で使い始めたワクチンは、そのフランス製じゃないですか。

フランスでは、不活化ポリオワクチンを、小児期に5回と、25歳と45歳に1回ずつ接種しています。
さらに、65歳以上では10年に1回追加接種をし続けるので、生涯に10回以上接種することもあり得ます。

ではなぜ、いまになって日本で通算接種回数の上限が撤廃されたのでしょう。
今年2月に更新された、厚労省の「ポリオワクチンに関するQ&A」によると、理由が2つ書いてあります。

(1)通常の市場での3種混合ワクチンの販売が終了していて、入手困難であるから
(2)4回を超える不活化ポリオワクチン接種後の、有効性及び安全性が確認されたから

実際上は(1)です。すでに3種混合ワクチンは存在しません。そのようにしたのは厚労省です。
ところが、3種混合ワクチンの接種漏れが思いのほか多く、厚労省は(2)と言うしかなくなったのです。

このような混乱は、不活化ポリオワクチンと4種混合ワクチンの、導入開始時期のズレが原因でしょう。
ポリオワクチンだけ先行させたものだから、ポリオワクチンの接種が先に満了してしまったのです。
少し考えたら、そうなることはわかっていたのに、国は先が読めず、対応は後手後手で、見苦しい結末でした。

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小児かかりつけ診療料
- 2016/03/21(Mon) -
この4月の診療報酬改定で、「小児かかりつけ診療料」という診療報酬が新設されます。

「かかりつけ」というのは、1人の患者を継続的に診療する、いわば主治医のような医療機関のことです。
「診療料」とは、そのような制度を利用する医療機関へのご褒美であり、インセンティブなわけです。

このように、国が何らかの制度を導入・誘導する際には、「アメ」(または「ムチ」)が用いられます。
先日書いた「お薬手帳」の件は、アメとムチを使い分けた例のひとつといえるでしょう。
今回の「小児かかりつけ診療料」は、とりあえず「アメ」です。

そして、その医療機関がゲットする「アメ」代は、医療費の増額という形で、患者が負担することになります。
言い換えれば、「患者がかかりつけ医にかかると、医療費は高くなる」ということです。
逆に言うなら、「患者はかかりつけ医にかからない方が、医療費は安くなる」わけです。おかしな話です。

医療機関へのインセンティブを、患者に負担させるような仕組みに、問題があるのです。

幸か不幸か「小児かかりつけ診療料」の対象は3歳未満。多くの自治体では、医療費の自己負担がありません。
なので患者は「かかりつけ医」にかかっても、負担が増えることはありません。ならいいのか?

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MRワクチン問題と自治体
- 2016/03/20(Sun) -
北里第一三共のMRワクチン問題。有効性が、国の基準を満たしていないことがわかった件の続きです。

当院では、該当者をすべてピックアップし、優先度の高い方から順に、連絡文書を郵送しているところです。
連絡を受けられた方からは続々と、電話での問い合わせがあり、抗体検査(血液検査)も順調に進んでいます。
さいわい、これまでに検査したお子さんはすべて、十分な抗体価でした。つまり、ワクチンは効いていました。

なので今回の問題は実際のところ、それほど神経質に対応する必要はないのかもしれません。

とは言え、熊本市から合志市へ転居したお子さんの件で、合志市役所に問い合わせたときには、驚きました。
なんと合志市ではこの件で対策をとる予定がなく、再接種等はすべて医療機関に任せるというのです。

どうやら全国的に、この問題への対応は自治体によって大きく異なるようです。パターンは次の2つ。

(1)厚労省が問題なしとしているので、自治体としては何もしない(何もできない、何もしたくない)
(2)厚労省は問題なしとしてはいるが、自治体としては独自の対応をとる

まず(1)は、穏便に(事なかれ主義的に)済ませようとしている国の姿勢に同調する、官僚的な態度です。
一方(2)は、国の方針とは多少異なっても、許容される範囲で最大限の市民サービスをしようというもの。

熊本市は日ごろ、予防接種行政においては必ずしも先進的ではないのですが、今回は、まずまずの対応です。

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消炎酵素剤の販売中止
- 2016/03/19(Sat) -
「あらためて調べ直してみたら、効果が無かったので、販売は中止します」
臨床現場で長年使われてきた薬が、なんのことはない、毒にも薬にもならなかったことが判明した話です。

今週、販売中止が決定したのは、「リゾチーム」と「プロナーゼ」。「消炎酵素剤」という種類の医薬品です。
慢性副鼻腔炎や気管支炎や捻挫の腫れに用いられる薬ですが、風邪薬としても、昔からよく使われてきました。

たしかに消炎酵素剤は、効果は強くないけど副作用も少なそう、的なポジションだったかもしれません。
しかし、何十年も使い続けてきたのに、いまさら「効果ナシ」とは、なんじゃそりゃ、です。

じつは「リゾチーム」と「プロナーゼ」には、先輩格の薬があります。「セラペプターゼ」です。
セラペプターゼは5年前に販売が中止されました。調べてみたら効果が無いことが判明したからです。

薬の効果の有無は、「プラセボ(偽薬)」との比較で、統計学的に有意な有効性があるかどうかで判定します。

つまり簡単に言うなら、セラペプターゼの有効性はメリケン粉と同程度だった、というわけです。
そのことが判明した結果、同じ消炎酵素剤であるリゾチームとプロナーゼにも、疑いの目が向けられました。
そして数年間の確認試験の結果、リゾチームもプロナーゼもメリケン粉と同じだったと、そういうことです。

たいていの風邪は、休養と水分・栄養補給によって、数日の内に治っていきます。
処方された消炎酵素剤が効いたように見えたのは、「プラセボ効果」ですらなく、自然経過だったのでしょう。

この数十年の間に、消炎酵素剤よりもよく効く(効果がはっきりした)医薬品が、たくさん登場しました。
消炎酵素剤のような、ボンヤリとした薬は、もう役目を終えたと言うべきなのかもしれません。

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電動式パワステと操舵感
- 2016/03/18(Fri) -
車を買い替えました。詳細をここで披露はしませんが、もちろん気に入っています。
しかし今日は敢えて、良い話や自慢話ではなく、むしろ問題点、懸念、違和感について書きたいと思います。

それは「操舵感」。新車の「電動式パワステ」に、どうしても慣れない(慣れそうにない)のです。

前の車は「電動油圧式パワステ」でした。ほどほど重く、遊びが適度で、ダイレクトな操舵感がありました。
ハンドルを切るのは自分。それを手伝ってくれるのが油圧。そういう、役割分担がありました。

「油圧式パワステ」は一般に、油圧を上げるためにエンジンのパワーを使う点が、不利だとされています。
それを解決したのが、電力で油圧を上げる「電動油圧式」だったのです。

ところが最近の車は、ほとんどが「電動式パワステ」なんですね。ハンドルが、驚くほど軽くなりました。
おかげで、運転者が「腕力」で前輪の向きを変えるという、ダイレクトな操舵感がなくなりました。

ハンドル操作への追随が悪いのではありません。むしろ逆。あまりにも反応が俊敏で、曲がりすぎるのです。
自分のイメージと車の曲がり具合が、残念ながらまったく一致しません。クイックすぎて戸惑います。
曲がりすぎてハンドルを戻せば、今度は戻しすぎる。その連続で、ウネウネしたコーナリングになります。

ハンドルは、タイヤの向きを変えるメカではなく、曲がる方向を車に指示するスイッチになりつつあります。
だからそれはハンドルの形状ではなく、ダイヤルでも、ジョイスティックでも、矢印キーでも良いのでしょう。

「レーンキープアシスト」機能があるような最近の車は、車が勝手にハンドル操作をするまでになりました。
もちろん、その先にあるのは「自動運転車」。完全自動になれば、もはやハンドルの存在自体が不要です。

私の新車は、もちろん運転して楽しいのだけど、コーナリングだけは、慎重第一。ひどく大人しい運転です。

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持続脈拍監視装置
- 2016/03/17(Thu) -
日頃はまったく意識していませんが、私のApple Watchはずっと、私の心拍(脈拍)を監視し続けています。
せっかく監視しているのなら、もしも私の脈拍に何らか異常があったとき、それを教えて欲しい。
不整脈などの異常を警告したり記録する機能が付いたら、健康管理(病気発見?)に役立つんですけどね。

しかし心拍数を表示するだけでも、場合によっては人の命を救うこともある、という最近の話題を2つ。

ある米国人。とてもキツイのでApple Watchを見たら、心拍数が210だった。
慌てて救急車で病院へ。心臓発作と判明し、治療を受けることができたと。
奥さんから反対されながら購入したApple Watchで命が助かり、その後奥さんは何も言わなくなったとか。

ある少年。部活後に胸痛があり、十分に休憩した後なのにApple Watchを見たら、心拍数が145だった。
その数値に驚いて病院を受診。横紋筋融解症と診断され、治療を受けることができたと。
親に反対されながらやっと購入したApple Watchで命が助かり、その後両親もApple Watchを買ったとか。

こういう、我田引水な記事を鵜呑みにはしませんが、もう少し改良すれば、Apple Watchはかなり使えます。

たとえば「心室細動」を捉えたら、大音量のアラームが鳴って「AEDが必要です」という音声が流れるとか。
同時に119番に電話して、自動音声で病状を伝えることもできるでしょう。
精度が上がれば、長時間心電図検査がわりに使えるようになるかもしれません。
せっかく1日中腕に付けているのだから、もうちょっと色んな付加価値がほしいですね。

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アマゾンが自動補充
- 2016/03/16(Wed) -
Amazonが、日用品を簡単に「補充」してくれる、新しいサービスを始めようとしています。
まず、すでに米国で無料配布されているのが「ダッシュボタン」。

洗剤が切れたら、すぐに補充できるような専用の発注ボタンを、洗濯機に貼り付けておこう、という発想。
ボタンを押すと、家庭のWi-Fiを通して、Amazonに洗剤が発注されるように設定されています。
食料品発注ならキッチン、シェーバーの替え刃なら洗面所に、ダッシュボタンを貼り付けておきます。

1個のボタンにはひとつの商品が設定され、あらかじめ発注量やサイズ等を設定できるとか。
「買う必要を感じたときにすぐ発注できる」というのが強みですが、家中ボタンだらけになりそうですな。

この異様な過渡期の次に登場するのが「ダッシュ・リプレニッシュメント・サービス(DRS)」です。
家電にセンサーを付けて、消耗品の補充が必要になったら、自動的にAmazonに発注する仕組みのようです。

似たようなものは、すでに実用化されています。たとえば当院のコピー複合機がそうです。
利用状況は管理会社が常に監視していて、トナーが減ってきたら、タイミング良く新しいトナーが届きます。
とても便利なのですが、コピーの枚数やサイズ、カラーまですべて、モニターされているのが気になります。
技術的には、コピーの中身(画像)まで、管理会社が把握してるんじゃなかろうかと、疑ってしまいます。

DRSとは、要はAmazonによる囲い込みですが、それが便利で価格も安いのなら、文句はありません。
やがて、冷蔵庫のビールや食材が減ってきたら、Amazonが自動的に届けてくれるようになるのでしょう。
便利だけど気味の悪い話です。

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動力巡回調査中
- 2016/03/15(Tue) -
電力小売全面自由化を前に、契約内容見直しに関連した、いろんな動きが起きているようです。

数日前、診療中に九州電力から電話だというので、大事なことかもしれないと思って出てみると、

男「動力の検査でお電話しました。『使用量のお知らせ』のうち『低圧電力』の方は、手元にありますか?」
私「(スキャンしてある検針票を、パソコン上ですぐに確認できたので)ありますよ」
男「その中の、『ご契約容量』はいくらになっていますか」
私「5KWですが」
男「それなら、検査の対象外です。お手数をおかけしました」
私「はいどうも」

さて昨日のこと。またまた仕事中の忙しい時に、九州電力から電話。今度は女性です。

女「動力の検査のため、担当者が巡回しています。『使用量の・・・」
私「あ、それなら先日も尋ねられましたよ」
女「そうでしたか」
私「『使用量のお知らせ』の数字を伝えたら、対象外だと言われましたが」
女「そうなんですね。行き違いでした。失礼します」

社内の連絡ぐらい、徹底しとけよ九電、と昨日は思ったのですが、今日調べてみてびっくり。詐欺でした。

同じ詐欺グループからの電話だったのか、はたまた別の詐欺グループからの電話が2件続いたのか。
いずれにしても、グループ内やグループ間の連絡が、不徹底だったようです。

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福島の被曝被害
- 2016/03/14(Mon) -
「福島の被曝量は仏コルシカ島より低い」と、英国の分子病理学の世界的権威が報告したそうです。
政権寄りの産経新聞が大々的に報じましたが、このニュースは偏向報道ではないかと疑問を感じます。

自然科学を学んできた者の端くれとして言わせてもらうなら、なぜコルシカ島と比較するのか、です。
チェルノブイリの被曝被害がとくにひどいコルシカ島と比較する論法は、いかにもインチキ臭い。
英国の権威が問題なのではなく、その研究結果の都合の良い部分だけを利用するメディアが、問題なのです。

「福島の小児がん発生率上昇と原発事故との間には因果関係はない」とする報告も、最近の話題です。
これまた英国の、甲状腺癌の権威が「Science」に投稿した論文です。
ひとことで言えば、「福島では神経質に調べすぎたから、これまで見つからなかった癌までみつかった」と。

自然科学を学んできた者の端くれとして言わせてもらうなら、なるほどその通りかもしれん、です。
徹底的に小児の甲状腺を調査したら、原発事故とは無関係の癌まで見つかることもあるでしょう。
たとえば西日本で、小児の甲状腺を調べたら癌がどのぐらい見つかるか、そんな比較研究をぜひしてほしい。

何かを比べるときは、それが公平な比較かどうかを、つねに大局的な視点から意識しておく必要があります。

赤ワインはポリフェノールが健康に良いといいますが、値段が高ければ、精神衛生上のストレスを生みます。
ワインとビールを健康面で比較するなら、その成分だけでなく、価格も重要な因子なのです。
そこで私は、ワインは1本800円未満のものを2日で1本と決めています。これならビール1日2缶と同額です。
お気に入りは、798円のチリワイン。近所のスーパーで「迷ったらコレ!」とあるワインを、迷わず買います。

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アルファ碁と自動運転車
- 2016/03/13(Sun) -
Googleの人工知能(AI)「アルファ碁」が、囲碁で世界トップの棋士に、あっさり3連勝しました。
「ディープラーニング(深層学習)」と「ニューラルネットワーク(神経回路網)」がそのAIのミソだとか。
要は、機械的に総当たり計算をするのではなく、人間と同じようなやり方で探索し学習したということです。

今日の第4局はしかし、李九段の妙手をきっかけに、アルファ碁が混乱してしまい、人間側が勝利しました。
人間の予測不可能な行動に、AIが対応しきれなかったのか。アルファ碁もまだ、学習途上なのでしょう。

AIといえば、「自動運転車」の開発でも、Googleが世界の最先端を走っています。
最近その車が、交通事故を起こしたことが話題になりましたが、それもまた、AIの学習過程なのでしょうか。

人間だって、自転車の乗り始めは、何度も転びながら上達していきます。
車の運転でも、塀でこすったり、交差点でヒヤッとしたりしながら、だんだんと上手になるものです。

GoogleのAI車は、障害物を避けるために隣の車線に割り込んで、後続のバスと接触する事故を起こしました。
「バスは減速しないかもしれない」と考えず、「バスが減速してくれるだろう」と判断したからだそうです。

AIが、「かもしれない運転」ではなく、「だろう運転」をしていたというところが、実に面白いですね。
つまり、AIは必ずしも絶対安全を目指すのではなく、適度に人間的な運転をしようとしているのでしょう。

今回Googleはソフトを修正して、「バスや大型車は、他の車より道を譲る可能性が低い」と教え込んだとか。
こうやって、AIは経験を積んでいくのでしょうね。

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東大理三面接試験導入へ
- 2016/03/12(Sat) -
東大理科三類が、2年後の入学試験から、面接を導入する方針だと報じられました。
「医師になるのにふさわしい資質のある学生を、学力だけでなく多面的に選抜するため」だといいます。
良い話みたいに聞こえますが、ツッコミどころ満載です。

(1)これまでの選抜法ではダメだったと、東大が認めたのか
つまり、いま東大病院には、医師になるのにふさわしい資質のない医師が、うじゃうじゃいるわけですか。

(2)面接で、医師の適性は見抜けるのか
面接で見るのは、第1にコミュニケーション能力。たしかにそれは、医師としての必要条件かもしれません。
しかし十分条件ではないはず。面接内容が学力試験の結果よりも優先する、なんてことはないでしょう。

東大は、「医師になるのにふさわしい人物」を選ぶ目的で面接を行うつもりは、さらさらないのです。
たぶん、「医師になるのにふさわしくない人物」を選別して落とすために、面接をしたいのでしょう。
一般的に面接試験には、そのような側面があります。

東大理三は、1999年から2007年まで、面接試験を実施していました。
それをやめたのは「臨床研修制度によって人物評価ができる」という理由からでした。
再導入する理由は「臨床研修制度では人物評価ができなかった(または手遅れだった)」からなのでしょうね。

しかし理三ともなると、医師には不向きでも、研究には驚くべき能力を発揮する天才がいるかもしれません。
そのような逸材を引き受けるのが、東大医学部の役割であるのなら、面接は止めた方が良いと思うのですが。

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震災から5年
- 2016/03/11(Fri) -
原発事故は、原発再稼働にも関連して今もホットな話題ですが、震災関連で最近忘れていたのが、津波でした。

我々は、ハリウッド映画などで、驚異的なCG映像を、日常的に目にしています。
最初『ジュラシック・パーク』を見たときはとても怖かったのに、今ではすっかり慣れてしまいました。
激しいシーンを見て怖くなっても、それが作られた映像であることを思い出すことで、安心できるのです。

しかし東日本大震災の津波映像は違います。一瞬見るだけで、本当に怖ろしく感じます。
それが現実であること、実際に被害をもたらしたこと、そして今後も起きうることを、知っているからです。

今夜のNHKスペシャルで、あたらめて津波被害の凄まじさと、その避難の難しさを再認識しました。つまり、
(1)地震のあと、一定の時間差をもって津波が来たのに、多くの人が巻き込まれた
(2)高台に逃げた人は助かったのに、避難所にしていた建物に逃げた人は被災した

「地震のあとはすぐ高台に逃げる」という原則を言うのは易しいですが、実行は難しかったのです。
だから、親から昔の津波の話を聞き、日頃から避難訓練をしている地域の人たちなのに、被害に遭ったのです。

いま、地震が起きて津波警報が出たら、みな高台に逃げるでしょう。少なくとも東北では100%逃げるはず。
しかし警報は、あくまで安全のために出されるもの。もともと、はずれることの方が多いのです。
でもそんなことが今後何年も続くと、避難する方もだんだんと手抜きにならないでしょうか。
地震予測は難しくても、津波警報はもっと精度を上げてほしい。警報がオオカミ少年になっては困るのです。

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世界腎臓デー
- 2016/03/10(Thu) -
毎年3月の第2木曜日は「世界腎臓デー」。慢性腎臓病(CKD)の早期発見と治療について、啓発する日です。

成人8人に1人ともいわれる「CKD (Chronic Kidney Disease)」は、新たな国民病と位置づけられています。
「Chronic」は「慢性」の意味で、「Kidney」は「腎臓」、なので「CKD」で「慢性腎臓病」。

腎臓病は、自然に治らないことが問題。CKDと診断されたら、とにかく悪化させない工夫が必要です。
塩分を控え、食事のバランスを改善し、適度な運動して、血圧や血糖値も適正に保ち、ストレスも避けて・・・

まあ要するに、体にイイコト全部やれと、そういう管理法になります。

世界腎臓デーのイメージキャラクターは「そらまめくん」です。腎臓がそらまめに似た形だからです。
熊本市では、独自ののCKDイメージキャラクターを作っています。「ジンくん」と「ゾウちゃん」です。
いずれもそらまめの形ですが、「ゾウちゃん」が元気そうなのに比べて、「じんくん」は元気無く病的です。
そんな病的なキャラまで作らなきゃいいのに、って思います。いったい誰が考えるんでしょうね。

ドイツ車のBMWは、フロントに「キドニーグリル」という、豚鼻に似た意匠をあしらっています。
エンジンルームへの吸気口であるなら、「ノーズグリル」でも良いのですが、なぜかキドニーなのです。

かつては、縦長のそらまめ型だったのですが、最近のモデルでは、どんどん横長になってきています。
もはや、腎臓に似ているかどうかは関係なく、「キドニーグリル」なのです。
それにしても、なぜBMWは腎臓型のグリルを採用したのでしょうね。そのもともとの理由がわかりません。

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エレガントな癌検診
- 2016/03/09(Wed) -
寄生虫の一種「線虫」を使って、癌を早期発見する、という研究が報じられたのは、ちょうど1年前のこと。
たった1滴の尿から、1時間半程度で、数百円の費用で、多種類のしかも早期癌を、高感度で発見できる。

夢のような話なので、「STAP細胞」みたいなことにならないだろうか、という意見も出るほどでした。

サバを食べてアニサキス症で受診した患者を、胃カメラ検査したら、アニサキスが胃がんに食らいついていた。
これをヒントに、アニサキスの仲間である線虫で癌検出能力を発見した、という話も少々出来すぎています。

ところがいつのまにか、実用化に向けて、ベンチャー企業が立ち上がったとのこと。本気なんですね。
HPを見ると、会社の名は「SmartCelegans」。これで「スマートエレガンス」と読ませるようです。

線虫の学名「Caenorhabditis elegans」は通常「C. elegans」と略され「シー・エレガンス」と読みます。
学名をこのように略すことは珍しくなく、すぐ思いつくのは、大腸菌「E. coli」(イー・コライ)です。

それはともかく、「C. elegans」を「Celegans」にして、しかも「エレガンス」と読ませるとはオシャレ。
敢えて、「エレガンス(elegance)」を連想させようということなのでしょう。

それで思い出すのは、昔のダーバンのCMの、アラン・ドロンのセリフ。ある年齢以上の方ならわかりますね。
今日調べてみたら、あれは “D'URBAN, c'est l'élégance de l'homme moderne.” と言ってたのだとか。

ある人は、この発音をカナで、「ダーバン、セレレガンス・ドゥロン・モデルヌ」だと書いています。
しかし、私が子どもの時には、「ダーバン、それでごんす、ドロン、までやん」という風に聞こえていました。
ま、今日はこういう展開でごんす。

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金持ちけんかせず
- 2016/03/08(Tue) -
最近、今の私の車よりもずっと大型の車に試乗する機会があって、ゆったりした阿蘇ドライブを楽しみました。
その車に慣れていなかったこともありますが、セカセカしない、穏やかな運転になるんですね、大きな車って。

ある意味「金持ちけんかせず」だなと、その時は思ったのですが、もちろん言葉の使い方は間違っています。

【金持ちけんかせず】
(1)金持ちは利にさとく、けんかをすれば損をすることを知っているので、人と争うことはしない
(2)経済的に余裕があると、こまかい損得が気にならず、他人に対しても寛容になり、争うことがなくなる

正しい意味は(1)ですね。悪く言えば打算的、良く言えば慎重。だからこそ、金持ちになれるのでしょうか。
一方で(2)は間違っていますが、金持ちの良い面、あるいは逆に周囲を見下した態度を言い表しています。
それで思い出すのが、「情けは人のためならず」です。

【情けは人のためならず】
(1)人に情けをかけておけば、巡り巡っていつか自分のためになる
(2)人に情けをかけてやると、その人のためにならない

文化庁の調査では、平成12年時点では、(1)と(2)の解釈が、世の中では拮抗していたようです。
多分今は、間違いの(2)の意味で使っている人の方が、多いでしょう。
つまり(1)のような自分に甘い考えよりも、(2)のような厳しい考え方の方が、受け入れられ易いのです。

ことわざや教訓たるものは、人にとって厳しいものであってしかるべきだと、みな考えているのでしょうね。

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聖火台忘れた
- 2016/03/07(Mon) -
新国立競技場問題。また新たな火種が見えてきましたね。昨年からの経緯を振り返ってみると、こうです。
「費用かかりすぎ」→「白紙に戻します」→「A案に決定しました」→「あ、聖火台忘れた」(←いまココ)

誰ですか、その忘れんぼさんは。責任者出てこい!、ですよ。出てこないでしょうけど。

「どうして誰も気づかなかったの?」と疑問に感じますが、そんな人ばかりではなかったはずです。つまり、
(1)ホントに気づかなかった(←アホ)
(2)なんか変だとは思っていた(←惜しいがアホ)
(3)気づいていたが、なんとかなるのだろうと思っていた(←ひと任せ)
(4)他の部署が対処すべき問題だと考えていた(←無責任)

「日本スポーツ振興センター(JSC)という少し頭のおかしな連中が、聖火台を忘れた設計図を作った」
と言い放つ森元首相の態度は典型的な責任転嫁ですが、森氏個人としては、おそらく(1)でしょうね。
一方でJSCは、「組織委の要望の中に、聖火台を競技場内に置くという話はなかった」と(4)の態度です。

いま責任をなすり合っている関係者は、(3)か(4)というよりむしろ、(1)や(2)の方が多いかも。
でもって、私はと言えば、恥ずかしながら(1)なのです。マスコミだって(1)か(2)じゃないの?
今回の問題は、関係者を批判すると、それがブーメランのように返ってくるというジレンマがあります。
日本中のみんなが、聖火台のこと、忘れていたのです。

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朝三暮四
- 2016/03/06(Sun) -
茂木健一郎氏がFacebookで、辺野古裁判和解の件をふまえて、「朝三暮四」という言葉を使っていました。

老婆心ながら説明しておくと、故事成語「朝三暮四」の意味はこうです。
ある老人が、飼っていた猿にやる餌のどんぐりを減らそうと考えて、猿に伝えた。
「朝3つ暮れに4つ」と言ったら猿は怒ったが、「朝4つ暮れ3つ」にしたら猿は喜んで受け入れた、という話。
トータル7個は同じでも、目先の利益を多くしたら、猿はコロッとだまされたわけです。

消費税も、来春の税率アップが再延期されるのではないかという話が、最近よく聞かれるようになりました。
国の税収が増えないことで、あとで別の問題が起きるかもしれないとしても、目先の増税回避は嬉しいもの。
もちろんそれが、景気対策に名を借りた選挙対策であったとしても、多くの国民は喜んで受け入れるでしょう。

さらに、われわれ医療関係者にとって、消費税増税延期には別の意味があります。

仕入れなどには消費税がかかるのに、医療費は非課税のため、医療機関は患者から消費税を受け取れません。
消費税率が増えるのなら、その分、診療報酬も増額してもらわなければ、医療機関は損をするばかりです。

2年前に消費税率が5%から8%にアップした際には、診療報酬が1.36%ほど「手当」されました。
3%分の増税による医療機関の負担増加は、1.36%に相当するだろうと、厚労省は計算したわけです。
ただし最終的には、また別の理屈によって、この1.36%が0.1%にまで圧縮されてしまいました(泣)。

さて今年、診療報酬はマイナス0.84%で改定されます。来年の消費増税のことなど、考慮されていません。
したがって、来年の増税によって、診療報酬は実質的にもう一度、マイナス改定されることになります。
そんなひどい話だったので、もしも増税が延期されれば、とりあえず私は猿のように嬉しいのです。

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啓蟄
- 2016/03/05(Sat) -
「啓蟄」と言われても、生活上どのような心構えが必要なのかピンときませんが、今日は啓蟄だそうです。

啓蟄は「二十四節気」のひとつで、「冬ごもりの虫が這い出る日」ということになっています。

ただしこの場合の「虫」は、昆虫のような虫ではなく、蛇や蛙などのことなのだそうですね。
鳥や獣や魚以外の小動物をまとめて「虫」と呼んだ名残は、蛇や蛙という漢字の「虫へん」に見られます。
ま、このへんは全部、林修先生の受け売りです。

二十四節気は、太陽の運行を元に考案された、季節の節目であり、言うなれば、四季を細分化したもの。
そのうちの1つの「啓蟄」は、春分の一歩手前という、微妙な季節感を表現するものなのでしょう。

ところで啓蟄は、雛人形を片付ける日だとされていますが、そこにはどのような理由があるのでしょうね。
雛人形を「片付ける」ことと、虫が「這い出る」ことの対比に、何か意味がありそうな気がします。

もともと「雛祭り」は、古代中国で行われていた、季節の変わり目の邪気払いにルーツがあります。
それが日本に伝わり、「流し雛」を経て、厄払いや子どもの成長を願う行事として、引き継がれています。

元はと言えば、冬から春に向かうこの時期の、人々の健康を願うための儀式が、雛祭りというわけです。
雛人形を片付けるタイミングは、無事に新たな生命(虫)が登場する啓蟄が、ちょうど良いのかもしれません。

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MRワクチン再接種の壁
- 2016/03/04(Fri) -
効力が厚労省の基準を下回っていたため回収された、北里第一三共のMRワクチン
該当ワクチンを当院で接種した方には、希望があれば抗体検査や再接種を行うための、準備を進めています。

安心のために言っておくと、該当ワクチンだからと言って、必ずしも再接種が必須というわけではありません。

厚労省は、再接種を勧奨する必要はないとしています。ワクチンの有効性は、国際基準の範囲内だからです。
メーカーも、有効性および安全性に特段の懸念はないとしていますが、再接種すれば費用は負担するとのこと。

さて問題は、自治体です。定期予防接種の実施主体です。
熊本市では、再接種を定期接種として扱うか、任意接種として扱うか、厳しく線引きをしているようです。
定期接種として扱うための基準は、
(1)まず、抗体検査(血液検査)を行い、抗体価が不十分(=再接種が必要)であることが確認されること
(2)再接種を行う時点で、定期接種の対象年齢(1歳児または年長児)であること

これは難しい注文ですね。まず、血液検査しなければ再接種させないという条件が、小さい子どもには厳しい。
検査によって抗体価が十分と判明する可能性も高く、それはそれで意味はありますが、再接種はできません。

さらに問題なのは(2)の条件。再接種対象者の多くが、現時点ですでに、対象年齢を過ぎているのです。
つまり、このたびの再接種を定期接種扱いで行うことのできる対象者は、実際にはごく少数と考えられます。

当たり前のことですが、定期接種であろうと任意接種であろうと、ワクチンの効果は同じです。
接種費用もメーカーが負担するので、被接種者にも医療機関にも、何の違いもないように思えます。

しかし、万一そのワクチンの接種によって健康被害が起きた場合、適用される救済制度がまったく異なります。

たとえば、死亡した場合の補償は、定期接種なら4,310万円ですが、任意接種なら約718万円と、大違いです。
前者は「予防接種健康被害救済制度」による補償であり、支払うのは自治体です。
後者は「医薬品副作用被害救済制度」による補償であり、メーカーからの拠出金がその原資です。

両者の違いが大きいので、熊本市は今回の再接種に対して厳しい条件を付けていると、思わざるを得ません。
定期接種の効果が不十分だったから再接種するのなら、少なくとも年齢は関係なく定期接種扱いにすべきです。

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AppleとFBI
- 2016/03/03(Thu) -
Appleの、iPhoneロック解除拒否問題、こじれてますね。Appleの言い分はもちろん、

(1)テロリストとはいえ、個人情報は保護されるべきだ
という議論ではなく、前にも書いたように、

(2)ロック解除用プログラム(OS)を作ることは、他の事例にも使えるマスターキーを作ることに等しい
という考えからからくる拒否反応なわけです。もっと言うなら、

(3)Appleは、そのような権力に屈してプライバシーをないがしろにする企業ではない
ということを、この機会にアピールしておきたいことは間違いありません。さらに踏み込めば、

(4)Apple自身ですら、現時点では個人の端末のロック解除をすることは、技術的に不可能である
ということも(本当かどうかはわかりませんが)あらためて強調して、顧客を安心させようというわけです。

万一、トランプ大統領が誕生したら、Appleをはじめ、IT企業にはかなり厳しいことになりそうです。
もしかすると、(2)のマスターキーを作らなければ、スマホの製造・販売ができなくなるかもしれません。

ところで、もしもAppleとFBIが裏でつながっていたら、今回の問題は「出来レース」ということになります。
Appleの信頼が高まれば高まるほど、FBIは個人情報を簡単に(Appleから)得ることができます。
まさかとは思いますが、米国では、ありそうな話です。

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お薬手帳が割引手帳
- 2016/03/02(Wed) -
来月からの診療報酬改定では、「お薬手帳」にまつわる改定が、今ちょっと話題です。
従来の「お薬手帳を断ると20円安くなる」が、「お薬手帳が無いと30〜40円高くなる」と逆転するからです。

調剤薬局が、薬についてあれこれ「指導」をすると、「薬剤服用歴管理指導料」という報酬が発生します。
現時点ではこれが41点(410円)なのですが、お薬手帳を利用しなければ、34点(340円)に減額されます。
お薬手帳を利用しないのなら、その分だけ指導も不十分だろうから報酬は減らしますよ、という理屈です。
これによって、3割負担の方の場合には、窓口での支払いが20円ほど安くなります。

この仕組みを利用(悪用)して、お薬手帳を拒み、支払いを20円ほど安くすることが、現行の制度では可能。
これが「裏技」として広まり、「おくすり手帳を拒んでムダな出費を省こう」みたいになっていました。

しかし本来、お薬手帳は、その患者さんの処方内容を一覧できる、便利で重要なもの。だから普及させたい。
それならば、お薬手帳を持参した方が安くなるようなインセンティブを付けよう、というのが改定の趣旨です。

来月からの薬剤服用歴管理指導料は、初回が50点(500円)、2回目からは38点(380円)になります。
同じ薬局に行くなら、2回目からは安くしますよという、リピーター割引です。
ただしこの割引は、お薬手帳を持参した者にのみ認められます。つまり、お薬手帳が「割引手帳」なのです。

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どこか痒いところ
- 2016/03/01(Tue) -
「どこか痒いところはありませんか」美容室・理容室でシャンプーのときに尋ねられる、定番の質問です。
「背中です」とか「お尻の右半球」などと答えたいのを、ぐっとこらえます。大人なので。

「周囲でなにか流行っているものはありませんか」電話で予約が入った時には、必ずこの質問を付け加えます。
保育園等で、インフルエンザや水痘などが流行ってないか、患者周辺での流行情報を知ることは重要です。
診療予約の時点でそれがわかれば、その病気に感染している可能性を考慮して、準備ができるからです。
でも私は「周囲でなにか流行っているものはありませんか」と訊かれたら「BBQかな」とトボけてみたい。

「お客様の中に、お医者様はいらっしゃいませんか」というのは、旅客機内でのアナウンス。
この件については、本当はまじめに書きたいのですが、その前にどうしても、ギャグが湧き上がってきます。

「お客様の中に、爆弾処理班の方はいらっしゃいませんか」真っ先に思いつきますよね、この手のジョーク。
「お客様の中に、折れた操縦桿の接着が上手な方はいらっしゃいませんか」細かい。
「お客様の中に、アロンアルファかなんかをお持ちの方はいらっしゃいませんか」そんなのでいいわけ?
「お客様の中に、ジカ熱の方はいらっしゃいませんか」大丈夫、人から人にはうつりません(蚊がいたら別)。
「お客様の中に、周囲でなにか流行っている方はいらっしゃいませんか」意味不明になってきた。
「お客様の中に、どこか痒いところはありませんか」

すみません、なかなか止まりません。
「お医者様はいらっしゃいませんか」問題は、実はじっくり議論すべき、とても重要なテーマなのです。
キーワードを挙げるなら「善きサマリア人の法」です。後日書きます。今日はふざけすぎて紙面が足りません。

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