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舛添問題
- 2016/05/31(Tue) -
パナマ文書に比べたら、舛添問題など屁みたいな話ですが、それなのに毎日のように報じられています。
なんか、どうでも良くなってきましたよ。もっと大事な問題が、ほかにあるんじゃないの?

以前は悪徳政治家を批判していた舛添氏なので、その豹変ぶりは、たしかに問題にされてもしょうがない。
庶民感情からすれば許せない面もあります。しかし悪質度の低いセコい「悪事」ですよ、実際のところは。

舛添氏は頭脳明晰だと、かつて言われていましたが、それは間違いだったようですね。
本当に頭がよければ、たとえ合法的でも、あとで叩かれるかもしれないようなことは、最初からやらないはず。
疑われそうなことは、やるべきではないのです。昔から言うでしょう、「李下に冠を正さず」と。

何よりも、問題発覚後の舛添氏の対応がいけません。記者会見等における言動が、まったくダメ。
法律違反はしていないという自信があるものだから、謝る必要性を感じていないのでしょうが、それが間違い。
そんなことしてたら、マスコミはいくらでも、プライベートでも何でも、重箱の隅までほじくってきますよ。

庶民が求めているのは、真相究明よりも先に、舛添氏の真摯な態度です。まずは、反省と謝罪が欲しいのです。

「すみません、私が間違っていました。もう二度とこのようなことはいたしません」と、最初から謝れば、
「まあまあ、お手をお上げください。今後はしっかり頼みますよ」と、なるでしょう(ならないか?)。
これを機に、正しく豹変してほしいものです。

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河岸段丘
- 2016/05/30(Mon) -
沼田城が「河岸段丘」の地形を利用した堅城であったことを、昨日の「真田紀行」が紹介していました。
河岸段丘とは、河川の浸食作用によって、河川に沿って台地が階段状にできたものです。
おそらく、これまででいちばん詳しく河岸段丘について解説した番組は、「ブラタモリ」でしょう。

タモリが学生時代に「地形好き」に目覚めたという、思い出の地が、この沼田の河岸段丘だったとか。

熊本を流れる白川も、なかなかの河岸段丘を形成しています。
毎朝の通勤で、豊後街道から左折して白川を横切る手前は、比較的ゆるやかで長い下り勾配が続きます。
ところが白川を渡って少し行くと、こんどは険しい段丘崖の登り坂となります。
どうやら河岸段丘は、必ずしも左右対象とは限らないようです。川の蛇行なども関係するのでしょうか。
その崖の上の段丘面に、ポニョ、じゃなくて当院があります。

豊後街道は、白川の右岸(上流に向かえば左側)の段丘面を、阿蘇方向に向かって伸びています。
しかし、穏やかに走る街道に沿った、民家の裏側を少し行くと、実は険しい崖が待ち構えているのです。
自転車通勤で裏道を通るときには、この段丘崖を登ります。電動アシストを使っても、ヘトヘトです。

平坦な段丘面を東に向かう豊後街道は、徐々に北上して白川から遠ざかりながら、ある所で登り坂になります。
地形図で確認すると、ここで段丘面が終わるようです。幅数キロに及ぶ、かなり広大な河岸段丘でした。

一方で白川左岸を見ると、空港付近で、やたらにだだっ広い平坦な台地が出現します。
これが高遊原台地(たかゆうばるだいち)です。河岸段丘ではなく、溶岩台地です。
熊本というのは、阿蘇から流れ出てきた、岩や水(白川)が作った土地なんですね。

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消費税増税再延期へ
- 2016/05/29(Sun) -
「リーマン・ショック級、大震災級の事態にならない限り、予定通り引き上げていく」
熊本地震を受けて、消費税増税は先送りしないのかという質問に対する、4月18日の安倍首相の答弁です。

増税を延期したがっている様子の安倍首相も、さすがに熊本地震を延期の口実にはしませんでした。
熊本の人間にとっては大震災でしたが、日本全体から見れば、それほどでもないということなのでしょう。

ところが最近になって「(現在の状況が)リーマン・ショック前の状況と似ている」と伏線を張り始めました。
実に分かりやすいです、安倍首相。増税延期の臭いが、プンプン漂ってきてましたね。

そもそも安倍首相は、本気で増税する気があったのか。「税率を上げる上げる詐欺」だったのかもしれません。
延期を口にしたからには、もう後戻りできません。「増税を延期するぞするぞ詐欺」はないのです。

いつまで延期するかは、国政選挙や安倍首相の任期や、東京五輪のタイミングなどとの兼ね合いでしょう。

小さな意見を言わせてもらえるなら、診療報酬改定と同時が嬉しいです。つまり、2018年か2020年の4月。
保険診療は非課税のため、消費税増税によって仕入れ価格が上がっても、収入は増えません。
増税による減益をカバーするためには、増税時に診療報酬改定で「手当て」してもらうしかないのです。

ところが安倍首相は、選挙対策を重要視して、2019年10月に増税するハラです。
診療報酬の改定時期とは、ズレています。もちろん医療機関への手当てなど、最初から考えてはいないのです。

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益城町の光景
- 2016/05/28(Sat) -
益城町方面に行く用事があり、地震被害がとくに大きかった地域の様子を、昨日初めて目にしました。
町の中心を走る県道から見た範囲だけですが、涙が出そうになるほど悲しい光景に、言葉がありませんでした。
住宅の多くが、グシャッと崩れていました。崩れていなくても、倒れそうなほど大きく傾いていました。
すでに解体された住宅もありましたが、がれきが撤去されておらず、そのまま放置された状態でした。

狭い県道沿いには、いまにも道に向かって倒れてきそうな住宅や店舗が、いくつもありました。
かなり危険な状態ですが、生活にも復旧にも必要な道路なので、交通規制をしていません。
傾いたブロック塀は、傾いたままです。その脇の歩道を、現地の人たちが普通に歩いています。
復旧以前の、まだ震災途上といった印象を受けました。

人々の暮らしはズタズタにされましたが、住宅の全半壊が合わせて2万5千棟という惨状で、死者は49人です。
決して少ない人数とは言いませんが、その倒壊住宅の多さと死亡者数との間には、たしかに乖離を感じます。

震度7の地震が、2晩続けて襲ってきました。
多くの家屋が、前震には耐えました。しかし住民の方々は、前震後に避難所や親戚宅などに避難したようです。
頻発する余震が怖いのに加えて、停電と断水のために、生活がひどく不自由だったからです。
そのように、居住者が退避した次の深夜、本震が起き、家屋が倒壊しました。

前震後の停電・断水がなかったら、本震の前には家に戻って寝ていたかもしれない、と言う人の話も聞きます。

ライフラインが途絶えたのは、ひどく不便なことですが、それで命が救われたことになります。
余震が減り、ライフラインも復旧し、人々が家に戻った頃に本震が起きなくて良かったと、思うばかりです。

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処理場にゴミ持ち込み
- 2016/05/27(Fri) -
「シュレッダーダスト」の山ができた話は、先日書きました。今日はその、処分譚。
日頃廃棄物の処理を委託している業者が、受け取ってくれなかったものだから、面倒なことになりました。

明らかに産業廃棄物でしょうから、そこらへんの「ごみステーション」に捨てるわけにもいきません。

ところが調べてみると、シュレッダーダストは、厳密には産業廃棄物ではないことが判明したのです。
産業廃棄物とは「事業活動に伴って生じた廃棄物であって廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物」です。
そのうち「紙くず」の場合は、建設業・製紙業・出版業等の事業活動に伴うものに限定されているようです。

つまり、医療機関から出る「紙くず」は、廃棄物処理法で規定された「産業廃棄物」には含まれないのです。
そのようなゴミは「事業系一般廃棄物」と呼ばれ、「家庭廃棄物」とともに「一般廃棄物」の仲間です。

それじゃあ、近隣のゴミステーションに捨ててもよいのでしょうか?
確認のために昨夕、ゴミ処理場へ電話してみると、処理場への持ち込みなら受け付けますよ、との返事。
そこで本日、自家用車にそのゴミ袋17袋を積み込んで、東部環境工場へ持ち込んだのです。

まず、入口ゲートで車の総重量を計測。そして工場内に入り、焼却炉につながる場所に、ゴミを投げ捨てます。
帰りにまた車の重さを計り、重量差に応じた手数料を支払います。今回は、90キロなので1,350円でした。

実は、現地で少々すったもんだがありました。当初、シュレッダーダストは受け取れないというのです。
昨日電話ではOKだったと言ったら、じゃ今回はいいでしょう、となりましたが、どうも釈然としません。

帰宅後、市役所に電話しました。その結果、事業所からのシュレッダーダストは持ち込めないことが判明。
リサイクルの推進を図るため、再利用可能な紙類は搬入ができなくなったようです。6年前からだと。
市のホームページに、そのように明記されていました。ありゃ、知らなかった。次からは気をつけます。

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制服と勤務状況
- 2016/05/26(Thu) -
熊本地域医療センターのナースの制服が2種類あることを、最近になって知りました。2年前からだそうです。
看護師長とそれ以外、じゃなくて、ある年齢よりも上か下か、という失礼な区分でもありません。

勤務時間帯によって、色を変えるそうです。「日勤は赤、夜勤は緑を基調とし、勤務者が一目瞭然」だとか。
残業者を分かり易くして、超過勤務をなるべく減らそうという工夫なのでしょう。

これを、医者でやったら面白い。地域医療センターにも、そう思った医者がいたはずです。

昨日、長崎の市民病院の医師の、過労死に対する提訴が報じられましたが、これは氷山の一角。
どこの病院でも勤務医は過労気味です。そして病院経営者は、見て見ぬ振りをしています。
それが見ぬ振りできぬよう、医師の白衣の色で残業がわかるようにするのは、有効かもしれません。

たとえば、先日も書いた「連続勤務は36時間まで」という規則を遵守するためにも使えそうです。

出勤日(自宅から病院に出勤して来た日)の曜日によって、制服の色を変えるわけです。
火曜日なのに月曜の色の白衣を着てる者がいたら、今日は早く帰れよ、と声をかけてやりましょう。
水曜日なのに月曜の色だと、完全に規則違反。すぐに帰宅させましょう。
1週間ほど病院に泊まり込むと、制服は同じ色に戻りますが、そこに至るまでに、誰かが止めましょう。

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カンパに感謝
- 2016/05/25(Wed) -
県外に住んでいる大学時代の旧友たちから、思いもかけないカンパが送られてきました。ありがたい。
震災の見舞い金を通り越して、被災から復旧するための資金援助ともいえる金額でした。感謝、感謝です。

その友人達とは、毎年ゴールデンウイークにどこかに集まるのがしきたりですが、私はまだ2回参加したのみ。
今年は嬉野温泉で、その会合「とり福の会」が催されたのですが、それはちょうど、熊本地震の直後でした。

「カンパを募る」なんて言うように、本来カンパは、不特定多数を相手に資金援助を求めるものです。
今回のように、気の置けない友人によるものは、狭義のカンパとは違うかもしれません。でも、いいのです。

「カンパ」の語源はなんだろう、といつもの癖で調べたら、ロシア語の「カンパニアkampaniya」でした。
政治団体が運動を起こし、大衆を組織するという意味。
さらにその語源は、中世ヨーロッパにさかのぼります。市会議事堂の大鐘「カンパネラ」だそうです。
鐘の音が、市民が武器を取るときの合図だったとのこと。

「ラ・カンパネラ」という、作曲家リストの、有名な曲があります。
私には、逆立ちしても弾けない曲です。ていうか逆立ちしたら、弾ける曲も(あったとしても)弾けません。
この「カンパネラ」は、イタリア語で「小さな鐘」とか「呼び鈴」の意味です。

呼び鈴で思い出すのは、学生時代の頃の、某医局の教授回診の風景。
教授が教授室を出て病棟に近づくと、看護婦長が病棟で鐘を打ち鳴らしていました。
助教授以下、すべての医局員が直立不動になるのは分かりますが、患者までもが極度に緊張して待ちます。
はっきり言って、映画やドラマの「白い巨塔」の比じゃありませんでしたよ、現実は。

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ワクチンデビュー
- 2016/05/24(Tue) -
赤ちゃんは、生まれてからちょうど2カ月後に「ワクチンデビュー」をするのが理想です。
とくに、乳児期に罹患すると重症化しやすい感染症については、できるだけ早めに免疫を付けておきたいもの。
複数のワクチンを同時接種すれば、日程を早めにこなすことができます。

しかしその同時接種を駆使しても、0歳の間に計6回ほど、予防接種のために受診してもらう必要があります。
(1)生後2カ月:ヒブ、肺炎球菌、ロタ、B型肝炎
(2)生後3カ月:ヒブ、肺炎球菌、ロタ、B型肝炎、4種混合
(3)生後4カ月:ヒブ、肺炎球菌、ロタ、4種混合
(4)生後5カ月:4種混合、BCG
(5)生後6カ月:日本脳炎
(6)生後7カ月:日本脳炎、B型肝炎

すべて4週間間隔で、いつも同じ曜日に接種するのが分かり易いでしょう。
ただし(1)の4週間後にはまだ、生後3カ月になっていない可能性もあるので、その点だけは注意します。
裏技的には、(2)が満3カ月になるように、逆算して(1)を計画するという手があります。

BCGは、標準接種月齢が5カ月なので、(3)の4週間後がまだ5カ月でなければ、あと1週間遅らせましょう。
諸事情で遅れて(4)の時点で満6カ月になっていたら、(5)の日本脳炎ワクチンも同時接種できます。

日本脳炎は、昨年0歳の発病者が出てしまい、小さな子は日本脳炎に罹らない、という俗説は崩れました。
子どもは蚊に刺されやすいので、少なくとも西日本では、0歳のうちから日本脳炎ワクチンを接種すべきです。

生後5,6カ月頃から、赤ちゃんは風邪を引いたり発熱することが増えて来ます。予防接種にも影響します。
計画を順調に進めるためにも、早め早めに、生後2カ月からの「ワクチンデビュー」がいちばんオススメです。

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検索しない楽しみ
- 2016/05/23(Mon) -
「西部劇で風に吹かれてくるくる回って飛んでく藁のかたまりみたいなやつ、あれってなんていうんだっけ?」

という、藤野可織のエッセイの書き出しを引用して、私の「検索地獄」について、前に書きました
その、くるくる回るやつではないけれど、ずっと以前から疑問だったことがあります。

阿蘇付近を、たとえばミルクロードをドライブしていると、牧場にある白い大きな固まりが目に付きますね。
直径も高さも1.5メートルぐらいの円柱状の物体で、牧場の真ん中、あるいは隅の方に、置いてあります。
ポツン、ポツンと点在していたり、数個あるいは十数個以上がまとめてあったり、規則性がありません。何?

肥料?、土?、牧草?、中身全部ミミズ?、非常用の何か?、軍事機密?、宇宙から見たら絵文字?

こういうモノこそ、ネット検索したらすぐに判明しそうですが、敢えて私は、ずっと調べませんでした。
ミルクロードを走るたびに、あれ何やろうね、といつも同じ疑問を発したかったからかもしれません。
いつかふと、ひょんな所でそれに出くわし、手で触れて、ははあなるほど、という判明の仕方が、ベストです。

言い換えるなら、ネット検索して、そのモノの概要を知り、ふーん、でオシマイになるのが最悪です。

地震後の片付けをしていたら、古い問診票などが大量に出てきたので、この機会に処分することにしました。
患者さんの個人情報が記載されているので、たとえ産廃業者に出すにしても、シュレッダー作業が必要です。
その数万枚にも及ぶA4の紙を、延々とシュレッダーにかけると、その紙くずが山のように溜まってきます。

院長室前の廊下に積み上げられた、その白いゴミ袋の山を見て、あの牧場の白い物体を思い出しました。
あれってもしかして、牧草をみじん切りして袋に詰め込んだものなのか。
そう思うと、居ても立っても居られなくなり、ついにググると・・・
「ロール・ベール・ラップ・サイロ」でした。美味しい牛乳のための、大事なモノだったようです。

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学校のホームページ
- 2016/05/22(Sun) -
今朝6時、野菜ジュースを飲んでいたとき、爆竹の音が聞こえました。近所の学校の、運動会の合図でしょう。
地震のせいで、さまざまな学校行事にも影響が出ましたが、運動会をやる活気が戻ってきているようです。

自宅のすぐそばに「菊陽町立武蔵ヶ丘中学校」があります。今日は運動会なのでしょうか。
確認のために同校のホームページを見たところが、驚いたことに、最終更新日は2012年4月1日でした。
閲覧できるのは、「校訓・学校教育目標」「校歌」「本年度異動」という3つのページのみ。
「本年度異動」と言ったって、数年前の異動ですけどね。
「校長のご挨拶」のページはアクセス不可。校長はもう何年も、だんまりを決め込んでいるようです。

次に自宅から近い学校は「熊本市立武蔵中学校」です。
「武蔵ヶ丘」ではなく「武蔵」なのは、以前、武蔵小学校の件で書いたようないきさつがあるのでしょう。
学校のサイトを見ると、トップページに、更新日が2015年5月8日とありました。1年前ですか、残念。
昨年の学校行事では、5月17日(日)が体育大会となっています。今年は今日がそうかもしれません。

意外と直線距離が近いのは「合志市立南ヶ丘小学校」。サイトの最終更新日は、あー、2015年8月5日ですね。

その次に近いのは「熊本市立武蔵小学校」。なんと、サイト更新日は今年の5月10日です。やりますね。
とは言え、中身はほとんど更新されていない様子。今日が運動会かどうかは、不明です。

こういった、小中学校のホームページは、とりあえず作りました、みたいな、形式的なものが多いですね。
学校による差もあるでしょうが、子どもたちのホットな情報を発信する、という作りのものが少ないです。
サイトの担当者に熱意がないというよりも、異動等によって、担当がうやむやになっているのかもしれません。

そういえば当院のサイトも、新着情報(お知らせ)以外は、ほとんど更新していませんでした。いけませんね。
ブログばかり更新したのでは、まったく本末転倒かもしれませんが、ま、書きやすい方を書かせてください。

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肝炎ウイルスと肝炎
- 2016/05/21(Sat) -
「B型肝炎ワクチン」は、今年10月から、0歳児を対象とした定期接種が始まります。
全部で3回接種します。その「推奨」接種時期は、生後2カ月、3カ月、7〜8カ月、の3回と定められました。

やはり、新生児期からの接種は、推奨しないようです。その悲しくなるような理由は、前にも書きました。
新生児という不安定な時期に、わざわざワクチンを接種して何か起きたら面倒だと、そういうことなのです。

WHOはしかし、新生児期からの接種開始を推奨しています。多くの国が、新生児から接種しています。
なのに日本は、副反応で叩かれないことを優先するために、より安定した時期に接種を始めるのです。

B型肝炎ウイルスは、それ自体が肝臓に炎症を起こすのではありません。ウイルスは肝細胞内に居るだけです。
リンパ球がウイルスを排除しようとして、感染した肝細胞をまるごと攻撃するから、炎症が起きるのです。
例えるなら、家に居座るよそ者に対して、家まるごと火炎放射器で焼き払うようなもの。これが急性肝炎です。

乳幼児、とくに赤ちゃんは、免疫機構が未熟なため、B型肝炎ウイルスに感染しても急性肝炎は起きません。
思春期を過ぎた頃、免疫が発達してくると、リンパ球がウイルスを排除しようと、肝細胞の攻撃を開始します。
しかし、ウイルスが簡単には撃退できない場合には、攻撃ばかりが何年も続きます。これが慢性肝炎です。
そのような経過のなかで、一部が肝硬変、さらに肝がんへと進行していくのです。

B型肝炎ウイルスは、汗や涙や唾液に存在するので、保育園や部活での集団感染が問題になっています。
いつどこで感染するかわかりません。ならば、生まれてすぐにワクチンを接種しておこう、となります。
諸外国はそのような発想なのですが、日本ではそうならないんですね。不思議な国です。

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障害と障碍
- 2016/05/20(Fri) -
子どもの頃は、和式便所でした。毎朝、しばらくしゃがんでいる間、じっと見つめていた文字があります。
便器メーカーのロゴ「Toyotoki」です。筆記体の青い文字で、2つの「T」の横棒がつながっていました。
小学生になって、ローマ字が少しわかるようになると、その文字を「トヨトキ」と読んでいました。

当時、東芝のロゴも筆記体の「Toshiba」でしたが、これは少し崩してあったので、私には読めませんでした。

ある時代から、いつのまにか「Toyotoki」を見なくなり、周囲は「TOTO」だらけになりました。
なんのことはない、「東洋陶器」の社名が「東陶機器」になっただけの話ですが、これは後から知りました。

「INAX」(現LIXIL)も、元はTOTOと同じ企業グループだったことを、大人になって知りました。
ライバル会社が同根だというのは、「積水ハウス」と「セキスイハイム」の関係にも似ています。

ついでに言うなら、食器や研磨工具の「ノリタケ」も、TOTOやINAXと同じ「森村グループ」。
「Noritake」のロゴは、今なお青い筆記体ですね。その雰囲気が、昔の「Toyotoki」に似ています。

企業のロゴはおおむね、筆記体からブロック体、しかもゴシック体へと、移り変わってきました。
なので今となっては逆に、筆記体のロゴはレトロでいいですね。

「ノリタケ」の前身の「日本陶器」から、「碍子」部門が独立したのが「日本ガイシ」。
碍子とは、電線などの絶縁に使うセラミック。子どもの頃は「が石」と思ってましたが、「碍子」なんですね。

碍子の「碍」(礙)は、妨げとか邪魔という意味で、「害」とほぼ同義。
「障害者」と書くかわりに、最近は「障がい者」とか「障碍者」という文字が使われることがあります。
イメージの悪い「害」の字を避けるために、あまり使われていない「碍」に置き換えてみたのでしょう。
置き換えたところで意味は変わりませんが、なんらかの配慮をした、という事実が重要なのかもしれません。
こういう無意味な言葉狩りには、賛同できません。その意味では「障がい者」でも同じです。

「日本ガイシ」から点火プラグ部門が独立したのが、世界トップシェア「NGK」ブランドの「日本特殊陶業」。
最初に買った車は、時々プラグの清掃などやっていましたが、この30年間、自分ではやったことないですね。
NGKは、一度行ったことがあります。プラグは売ってなかったですが、芸人さん達がスパークしていました。

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老衰と医療費
- 2016/05/19(Thu) -
「都道府県別にみる老衰死率と高齢者一人あたり医療費」というグラフを見て、考えさせられました。
福岡県は、75歳以上死亡のうちの老衰死の割合は全国最低ですが、高齢者一人当たりの医療費は日本一です。
その反対に、老衰死の割合が多い都道府県ほど、高齢者一人当たりの医療費は安いことがわかります。

つまり、老衰死を受け入れるか、徹底的に高齢者に医療介入をするか、という考え方の違いが表れています。

老衰は自然現象であり、心肺機能や神経・骨格筋など、全身の臓器機能の低下が、並行して進行していきます。
それぞれが緩やかに、同時に機能低下をしていくとき、誰の目にもそれが老衰だと映ります。

ところが、どれかの臓器が突出して機能低下すると、治療の対象となります。
ひとつの治療を始めると、今度は別の臓器が問題となり、そっちの治療も始まります。
このように、老化現象に対する医療介入を行えば行うほど、自然な老衰への道は遠ざかります。

「一病息災」というのは、「医療介入による不自然な長寿」なのかもしれません。

老衰死の割合と高齢者医療費が逆相関することは、当然のことです。
どちらが善い悪いということではありません。ただ、どのような形を目指すべきなのでしょうか。

頭もカラダも内臓も「バランス良く老いていく」、というのが理想かもしれません。
そのためには、高齢になる前に、自分の弱点を補強してバランスを保ってておく、ということなのでしょうね。

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日本の活断層
- 2016/05/18(Wed) -
「全身状態良好」などというフレーズを、診療中に電子カルテに入力することは、しばしばあります。

「ぜんしん」で変換されるのは「全身」なのですが、自宅のMacだと、まっ先に「前震」が出ます。
「ほんしん」も、以前は「本心」と変換されていたのですが、いまは「本震」が第一候補。
「前」の反対は「後」です。ためしに「ごしん」と入力したら、「誤診」と出ました。ウケる。

「前震」という専門用語は、このたびの地震によって、日常用語に昇格しました。
「活断層」という言葉はおそらく、阪神・淡路大震災のときから、一般的にになったと記憶します。

「断層」と「活断層」の違いは何でしょう。あらためて確認してみました。
「数十万年前以降に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる断層」のことを活断層というらしいですね。

「火山」と「活火山」も、それに似たような間柄です。
「おおむね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山」が活火山、とのこと。

活火山かどうかは1万年程度で判断し、活断層は数十万年のオーダーで考えるとは、ずいぶん開きがあります。

活断層にかかる力は、元々は地球のプレート運動なので、いつも同じような力が同じ向きに作用しています。
力が作用し続けているのに断層面が固着しているので、ひずみがたまり、ついにずれ動くというわけです。
そのような動きが起きる周期は、1000年から数万年間隔と考えられています。
つまり、活断層が地震を起こすのはとても稀なできごとです。ただ、日本列島には活断層が多すぎるのです。

直下型地震に襲われたら大変なことになることは、このたびあらためて、日本中が痛感しました。
この機会に、首都機能の移転や分散を、真剣に検討すべきじゃないでしょうか。

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BCGの目的と変遷
- 2016/05/17(Tue) -
ACジャパンのCMの影響でしょうか、「2週間以上咳が続く」と結核を心配して来院する方が、時々います。

BCG打ってるから、結核は予防できてるんじゃないの?、とお考えの方。残念ながらほぼ、間違いです。
BCGの目的は、子どもの重症結核を予防することです。BCGの効果は、大人になるまでは続きません。

以前は、BCGの前に「ツベルクリン反応」という検査が行われていましたね。
ツベルクリン反応が陰性の子どもだけが、「ハンコ注射(=BCG)」という災難に遭うことになります。
私も子どもの頃、友達とツベルクリン反応の発赤を見せ合い、「良かったぁ〜」などと喜び合っていました。

何のことはない、ツベルクリン反応が陽性というのは、すでに結核菌に感染して免疫が付いていることの証。
結核菌に感染した時点で体力(免疫力)十分だったので、たまたま発症しなかっただけの話です。
昔は、そのような感染者が多かったので、ハンコ注射不要の子どもも、多かったのです。

ところが結核感染者がだんだん減ってくると、ツベルクリン反応陰性の子どもが多くなります。
そこで平成17年、事前のツベルクリン検査が廃止され、いきなり全員にBCG接種を行うことになりました。

どうせ接種するなら、結核の早期予防の観点から、なるべく早いうちに接種しよう、ということになります。
それまでは4歳未満が接種対象年齢だったのが、生後6カ月までにBCGを接種するという規定になりました。
推奨接種月齢は、生後3,4カ月。当院でも、BCGはなるべく早く打ちましょうね、と啓蒙していました。

ところが平成25年から、規定が180度変わります。BCG接種後の骨炎・骨髄炎が問題となったからです。
こんどは、骨炎・骨髄炎の起きにくい生後5カ月以降の接種が、推奨されることになりました。
ついこの前まで、早く打ちましょうと言ってのに、今は、なるべく遅く打ちましょう、なのです。

すでに、米国、英国を始め、欧米先進諸国の多くで、BCGの定期接種は行われていません。
厚労省もBCGの中止を検討し始めていますが、そうなるまで、もう少し時間がかかりそうです。
なぜなら日本はいまだに、人口10万人あたり患者数が10人を超える「中蔓延国」だからです。
戦後の流行期に結核菌に感染して、高齢になって免疫力が落ちてから発病する人が多いとも言われています。
他の感染症のように、予防接種を徹底したら劇的に発病者が減る、という病気ではないのです。

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新たな肺炎球菌ワクチン
- 2016/05/16(Mon) -
肺炎球菌ワクチンは、ややこしいことになりつつあるので、ここらで、まとめてみます。
まず、成人用と小児用に大別できます。それらは予防接種の目的、つまり予防したい疾患が違います。

日本人の死因の第3位は肺炎ですが、その主要な原因菌が肺炎球菌。なので高齢者で予防したいのはコレです。
一方で、小児とくに乳児において、肺炎球菌は重篤な髄膜炎の原因となります。小児で予防したいのはこっち。

肺炎球菌には90以上の種類(血清型)があり、複数の型に効くような成分が、ワクチンには入っています。
成人用ワクチンには、23の型の成分(抗原)が入っており、こういうのを23価ワクチンといいます。
一方で、小児用ワクチンは13価。2年半前に7価(PCV7)から13価(PCV13)に増えた話は、前にも書きました。

ややこしいのは、小児用13価ワクチン(PCV13)が、2年前から高齢者への任意接種も可能になったことです。
高齢者には、定期接種(対象年齢限定)の23価と、任意接種(65歳以上全員OK)の13価があるわけです。
医学的には、その両方を接種すればなお良いと考えられ、米国では両方の接種が推奨されています。

さて最近になって、小児用の10価ワクチン(PCV10)が日本でも発売され、一層ややこしくなってきました。

もともと世界での製造販売は、PCV7(2000年)→PCV10(2008年)→PCV13(2009年)という流れでした。
ところが日本での製造販売は、PCV7(2009年)→PCV13(2013年)→PCV10(2015年)の順です。
世界の流れに乗り遅れた日本が、あわててPCV13を採用したことも、混乱の一因と言えるかもしれません。

PCV10には独特のメリットがあるのですが、細かい話なので、また別の機会に書きましょう。
ともかくPCV10は、立ち位置が微妙なワクチンであり、厚労省もあまり乗り気でないことは確かです。

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地球温暖化と人類
- 2016/05/15(Sun) -
今日も暑くて、ひどく蒸しましたね。テント生活をしている人たちが熱中症にならないか、心配です。

さまざまな気候データは、異論を唱える人もいますが、地球の温暖化を示していると考えるのが常識的です。
そしてその原因は、大気中の温室効果ガスの増加によるもの、つまり人類の文明が原因だと考えられています。

だから先進諸国はやっきになって、二酸化炭素の排出を減らそうとして、省エネを推奨しています。
人々がエコカーを求め、政府も税制面で優遇するので、それに乗じてインチキをする自動車会社も出てきます。
二酸化炭素を減らそうというお題目は、原発推進の口実にも使われます。

太陽光発電導入への強烈なインセンティブはしかし、最初だけでした。住宅用買取価格は、安くなる一方です。

2010年に導入したわが家では、1キロワット時あたり48円が10年固定という、奇跡のような買取価格でした。
それ以前は24円だったのが、2009年11月から「10年で元が取れる」とされる、48円にアップしたのです。

ところがなぜか、福島原発事故後にむしろ、買取価格は年々ジリジリと引き下げられ、今年度は31円です。
10年の固定期間が終わると、国の制度からはずれるので、九電の買取価格はもっとずっと安くなりそうです。

世界各国の二酸化炭素排出量は、中国と米国が断トツ。いずれも、他国の非難に耳を貸す国ではありません。
でもたまに阿蘇の噴煙を見ると、地球自体もかなりの量の二酸化炭素を、毎日出しているようにも思えます。

人間が、地球のためと言いながら省エネしているのに、その地球は、人間の心配などお構いなしなのです。

そもそも地球には、もっと大きな気候変動があります。氷期と間氷期です。約10万年周期だそうです。
いまの間氷期は、約2万前から始まっています。どうせ数万年後には、また氷期。極寒の時代が来ます。
阿蘇の最後の大噴火は、約9万年前。九州の大半が火砕流で埋まりました。次がいつ来てもおかしくない。

そのような地球スケールで考えてみると、人間が地球に及ぼす影響など、微々たるものです。
省エネとかエコは、人類が、より良い環境でより長く生存したいがための、「人類に優しい」理屈です。
それを「地球に優しい」などと言うのは、おこがましい話です。

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市民病院、移転新築へ
- 2016/05/14(Sat) -
被災した熊本市民病院は、現地建て替えではなく、移転して新築する方針だと、大西市長が明らかにしました。
震災前には、現地で建て替える計画がありましたが、その工事は、大西市長によって昨年凍結されていました。
大西市長はもともと、市民病院を移転したかったのでしょうか。

市民病院は市民のための病院なので、熊本市電の電停に近い現在地は、とても良い立地と考えられてきました。
その利便性を捨ててでも移転するのは、広い敷地を確保して、駐車場問題を解決したいこともあるでしょう。
あるいは、移転予定地にはまた別のメリットがあるのかもしれません。

移転予定地は、陸上自衛隊西部方面総監部がある健軍駐屯地に隣接し、消防署と警察署もすぐ近くです。
防災意識や災害医療への期待が高まっている今、この地区への移転は、たしかに違和感がありません。

そこには現在、国家公務員宿舎が建っています。最初に、その取り壊しが必要です。立ち退きはどうするのか。
と思ったら、12棟の公務員宿舎のうち、9棟は未使用(空家)とのこと。そのことに改めて、驚きます。
今回のことがなければ、ずっと未使用のままだったのか。こんな形で、国のムダが露呈してしまいましたね。
あるいは、いざというときに役立てるために、一見ムダな土地を温存していたとでもいうのでしょうか。

自衛隊や消防署に隣接した立地を生かして、この際、災害医療にめっぽう強い病院を目指してはどうでしょう。
すでに定評のある周産期母子医療と、新たに救急救命医療が、新生市民病院の2本柱になればいいと思います。

(追記)
遅ればせながら5月15日になって、熊本市のサイトに、病院再建計画が詳しく示されていることを知りました。
私が偉そうに書いたことは、ほとんど二番煎じでした。ちょっと恥ずかしいかも。

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自動車保険と個人情報
- 2016/05/13(Fri) -
最近、車を買い替えた際に、自動車保険の登録内容も変更しました。
ところが、保険会社A社に電話したら、今回買い替えた車種ではなぜか、車両保険を扱えないというのです。
しょうがないので、別の保険会社B社の自動車保険に加入することにしました。それが3月の話。

さて、自動車保険の切り替えで大事なのは、「等級」の引き継ぎです。等級は、保険料の割引率に影響します。
私は割引率最大の「20等級」だったので、これを新しい保険に引き継いでもわらなければなりません。

細かいことは省きますが、B社ではA社の等級を引き継ぐことができない、という問題が勃発しました。
長い間無事故で「20等級」だったのに、今回は初期値の「6等級」で契約してくれ、というのです。
通常の継続契約では、20等級は63%引きですが、6等級は17%引きです。保険料は2倍以上違います。
しかも来年もまだ7等級なので、やはり保険料は2倍以上の差があります。再来年も同様です。
つまり、今回20等級を獲得しなければ、今後10年以上にわたり、損をし続けるのです。

どうやら、私の個人情報が、A社からB社に正確に伝わっていないことが判明しました。
しかも問題は、A社からB社に、直接私の個人情報を伝えることは、A社の規則に反すると言うのです。

保険会社同士は、契約者の個人情報をやり取りしているはずですが、今回は、やり取りしてくれないのです。
プライバシーの保護は大事ですが、本人がOKと言うのに個人情報を他社に渡さないという、融通のなさ。
私がいくら説明をしても、それぞれの会社の規則を遵守するために、杓子定規な対応しかしてくれません。

「お気持ちがわかりますが、規則上・・・」という苦しい返答。それって、何か間違ってませんか。
個人情報も過度に保護すると、その個人本人が不便な目に遭う、という事例です。
車を買い替えて2カ月近くたちますが、いまだに解決に至っておらず、自動車保険は宙に浮いています。

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構造色発色
- 2016/05/12(Thu) -
今朝5時頃、左後頭部に違和感を覚えました。痛みではなく、拍動感とでも言うべき、頭皮の異常感覚です。
だいたい朝の5時頃といえば、震度2か3の揺れで目覚めるのが定番でしたが、最近は余震も減りましたね。

それはともかく、枕カバーのシワがダマになって、それが頭皮の動脈を圧迫してるのかと思ったわけです。
こういうときは、頭の位置や向きを変えてみるに限ります。寝返りを打って、右側を下向きにしてみました。
するとどうでしょう、今度は右側頭部に、違和感が移動しました。てことは、違和感の原因は頭ではなく、枕?
そこでガバッと起き上がって枕を見ると、そこには一匹のカナブンが、ゴソゴソしていました。

夢ならここで醒めてほしいところなのですが、残念。今日に限って現実でした。
そういえば昨夜、寝室で何か虫がブンブン飛んでいる音が聞こえていましたが、眠いので無視していました。
あれはカナブンだったのですね。それがどういうわけか、私の頭と枕の隙間に入り込んでいたわけです。

カナブンといってもそいつは、まるでタマムシのように、メタリックグリーンに輝いていました。
これは色素による色ではなく、太陽光が干渉・回折・屈折・散乱してそのような色に見える「構造色」です。
どうやらカナブンやタマムシの翅(羽)の表面構造は、液晶にとてもよく似ているそうですね。

法隆寺の国宝「玉虫厨子(たまむしのずし)」の装飾には、タマムシの翅が、何万枚も使われていたそうです。
私はもう何十年も、生きたタマムシを見ていませんが、カメムシなら、日頃イヤというほど見かけます。
臭いで知られるカメムシですが、なかには、構造色でメタリックに輝くヤツもいます。
だれか「亀虫厨子(かめむしのずし)」なんてのを作った人、いませんかね。臭そうですが。

(追記)あと、「油虫厨子(あぶらむしのずし)」。まったく蛇足ですが、どうしても頭から離れなくて。

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書斎のドア、まだ開かず
- 2016/05/11(Wed) -
地震で建物がゆがんで、玄関などのドアが開かなくなるトラブルはよく知られています。
「地震が来たら、まずドアを開けておけ」なんて言われますが、そんなのは、机上の空論です。
大きな揺れでは、そんな余裕はありません。実際私は、ただ揺れに身を任せるしかありませんでした。

まず第一に、突然すぎです。第二に、何か行動を起こそうにも、物理的に不可能。揺れが強すぎました。
実態に即せば、「地震が来たら、揺れておけ」です。身を守る準備は、地震の前にしておくべきなのです。

建物はゆがまなくても、倒れた家具や散乱した家財が、ドアの開閉を妨げることがあります。
院長室のドアを、苦労してやっと開けた話は、先日書きました。

部屋の内側に向かって開くドアは、書棚等が倒れ込んだた場合、開かなくなるんですね。今回思い知りました。
もしも内部に人が閉じ込められたら、救助に手間取る危険もあります。
地震対策を第一に考えるなら、ドアは外側に向かって開くように作るべきかもしれません。

さて、自宅の書斎のドアは、いまだに開いていません。地震から4週間近くたつのに、手つかずです。
ずっと書斎に入れないのに、どういうわけか日常生活にはまったく支障がありません。不思議です。

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倒壊ブロック塀の撤去
- 2016/05/10(Tue) -
避難所で、炊き出しのオニギリが原因で、集団食中毒が出てしまいました。黄色ブドウ球菌が原因のようです。
飲食店が準備したといいますが、たくさん作ろうとして、うっかり素手で握ったのでしょうか。

暑い日であれば、食中毒以外にも熱中症が気になります。雨が降れば、土砂崩れなどの二次災害が心配です。

屋根瓦が落ちたので、屋根をブルーシートで覆った家が、クリニック周辺にもたくさんあります。
本震直後には強い余震が続き、なかなかシートで覆う作業ができないうちに、何度も大雨が降りました。
泥混じりの雨水が屋根裏の断熱材にしみ込んで、重くなって天井が落ちた、という家の方の話も聞きました。

今日は雷も鳴るような大雨の中、当院の駐車場に隣接する民家の、ブロック塀の撤去作業が行われました。
地震で一部が倒壊し、まだ崩れていない部分も傾いていて、駐車場の方に倒れ込みそうな状態だったのです。

作業を見ていると、塀には縦横にしっかりと鉄筋が入っていたようですが、それでも崩れたわけですね。

民家4軒分のブロック塀が、おそらく同時期に作られたようで、全部つながっています。
その一部が倒壊したために、横に張られた鉄筋に引っ張られるように、倒壊範囲が拡大したような印象です。
横方向の鉄筋というのは、塀全体を頑丈にする反面、1カ所が倒れると近隣を道連れにするようですね。

そう言えば、院長室の本棚も同様でした。ビスでつないであった3つの書棚が、つながったまま共倒れです。
つながってなくても、それぞれ別々に倒れたでしょうけど。

ブロック塀を撤去した後には、フェンスを設置するようです。それがいい。もうブロック塀はゴメンです。

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Apple製品無償修理
- 2016/05/09(Mon) -
Appleがおととい、「熊本地震による被災地向け特別修理サービス」を発表しました。
対象は「地震により直接的な被害を受けた」アップル製品であり、MacでもiPhoneでもOKです。

私が所有するMacの中に、このたびの地震で破損したMacが1台あります。電子カルテのサーバー機でした。
すぐに代替品が必要だったので、修理よりも何よりも、ともかく新規に1台、Macを買いました。
破損したiMacは保証期間中でしたが、落下が原因なので、無償修理は無理だと思っていました。

ところが今回の「特別修理サービス」は、地震による故障が前提の修理なので、当然、落下もOKのはず。

Appleに電話で確認したところ、落下による故障・破損も、すべて無償修理の対象とのこと。これは太っ腹!
この際、破損した1台のほかに、地震で落下して調子が悪くなった他の2台も、修理に出すことにしました。

「ピックアップ&デリバリー修理」なので、私が準備するものは、何もありません。楽なものです。
特別に急いでもらって、今日の午後、ヤマト運輸が専用の搬送箱を持って引き取りに来る、はずでした。

ところが、約束通りの時刻に現れたヤマトの方は、手ぶらでした。専用の箱がまだ、熊本に届いていないと。
たぶん箱は、Appleから送られてくるのでしょう。なぜそれが遅れているのかは、わかりません。

昨日はAppleの、迅速な対応に感謝したものですが、今日は一転、ムカついてます。できない約束はするなと。
いやいやこれは、タチの悪い被害者意識かもしません。反省。いつでもいいので、でも早めに、修理よろしく。

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外科医の待遇改善
- 2016/05/08(Sun) -
外科医の待遇を改善しよう、と叫ばれて久しく、しかしなかなか、具体的な改善策が軌道に乗りません。

日本外科学会がこのたび、特別企画の中で掲げた「処遇改善計画」というのが、次の3つ。
(1)連続勤務時間を36時間までとする
(2)2週間に1日以上休暇を取る
(3)時間外勤務、手術手当を支給する

連続勤務36時間までは認めることがすでに、弱気です。
しかしこれでも、朝の8時から勤務している者は翌日の夜8時には帰宅できる、という夢のような提案です。

月に1日も休めないようなことは、私も勤務医時代に何度も経験しました。それから考えると2週に1日は贅沢。
それに、休んでいる間の手術や術後患者の状態が気になるのが外科医。休日を堪能できない商売なのです。

現実的で効果的なのは「手術手当」でしょう。これには、佐賀大学附属病院の成功例があります。
佐賀大学では、手術の執刀医には、診療報酬の手技料(技術料)の7%が入るそうです。やる気が出ますね。
助手や看護師にも、それぞれ手当があり、その総計は年額3億円だそうです。

この制度を作ったのは、当時の病院長だった宮崎耕治先生(現学長)。個人的に、よく存じている方です。
「医療者の労力は、使命感と感謝、そして報酬で報いるべき」。これが宮崎先生の持論です。

もちろん、第一に認められるべきなのは、時間外手当です。でもまっとうに支払ったら、病院が破綻します。
中央官僚自身が長時間のサービス残業をしているこの国で、勤務医が正当な残業手当を望むのは無理なのかも。

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サンピアン全面改修
- 2016/05/07(Sat) -
当院に隣接するショッピングセンター「ゆめタウンサンピアン」が、地震で損壊し、閉店したままです。
外壁が崩落し、割れっぱなしのガラスが痛々しい姿をさらし続けています。
内部を見ることはできませんが、従業員の方によると、天井が落ちてひどい状況とのこと。
本震が真夜中だったのが、せめてのも幸い。昼間だったら、死傷者の出る大惨事になっていたことでしょう。

建て替えは必至かと思っていましたが、基本的な構造が頑丈だったのか、改修で済みそうだという話です。
ただし、営業再開まであと半年以上はかかるとのこと。それまでの間、当院近隣はゴーストタウンです。

たまたま半年ほど前に、サンピアンを全面改装して、3階部分を巨大書店にするアイデアについて書きました。
まさかこんなことになるとは思いもよりませんでしたが、この機会に、ゼロベースでの売場設計を期待します。
トイザらスとベビーザらスもあるので、この際3階は全部、熊本最大の、子ども用品売り場にしましょう。
巨大書店は諦めます。いや、絵本専用の書店を併設する手はあるかも。

2階は幼稚園や保育園にしてはどうでしょう。問題は法律面ですけどね。なんとかなりませんか。
「幼稚園設置基準(省令)」では、園舎が耐火建築物であれば、保育室や遊戯室は2階でも良いとあります。
もちろん同じフロアに、運動場や水遊び場や給食室や図書室も作ります。これで認めてもらいたい。

1階はやはり、食品売り場と飲食店ですかね。これは地域住民のためです。
光の森とかクレアとかができて、寂れ気味の感があったサンピアンですが、この機会に盛り返しましょう。
何なら、売り場設計私案、出しましょうか。

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「ひとみ」を失う
- 2016/05/06(Fri) -
今日は、熊本地震とは関係ない話。2月に打ち上げられた、人工衛星「ひとみ」のトラブルについて。

けっこう期待していたのに、運用断念という結末は残念です。JAXAのサイトによると、そのいきさつは、
(1)回転していないのにもかかわらず回転していると誤って判断し、回転を止めようとしたら逆回転を始めた
(2)危険な状態と判断してスラスタ(推進装置)を噴射したら、それが不適切で、余計に回転が加速した
(3)遠心力が増し、構造的に弱い太陽電池パドルの取り付け部分が破損し、両翼が分離した

スラスタ噴射の設定値を調節した際に、プログラムミスがあったとのこと。これじゃ、やりきれませんね。
万全を期した最初のプログラムではなく、途中で修正したときにこそ、うっかりミスには注意すべきなのに。

事実を明らかにするのは大事なことですが、私個人としては、こんな事実など知りたくありませんでした。
「隕石が衝突して破損したらしい」ぐらいの、ウソの発表をしてくれた方が、今回は良かったとさえ思います。
その方が、よほどガッカリ感が少なかったのに。
震災で大変なときに、300億円以上がムダになったという話はショックですが、いまそれを言いますまい。

全長14メートルの巨大な衛星は、いまも宇宙のどこかでグルグル回転し続けているのでしょうか。
遠心力で飛び出した2枚のパドルは、それぞれ別々の方向に、一定の速度で飛び続けているのでしょうか。

ブラックホールの観測や宇宙の成り立ちの解明が、いったい暮らしに役立つのか、というのは近視眼的発想。
すぐに役立ちそうにないからこそ、夢がある。これにめげず、再チャレンジしてほしいです。

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地鳴りと地震
- 2016/05/05(Thu) -
熊本の人々の多くはいま、毎日毎日何度も地鳴りを聞き、その直後に地震の揺れを感じているはずです。

昨日も今日も、室内で比較的静かにしているときは、ほぼすべての揺れの直前に、地鳴りが聞こえました。
「ドン」とか「ドドン」と、遠くで大太鼓(または大砲)が鳴ったような、少し振動を伴う重低音が響きます。

食事中でもパソコンしてても、地鳴りが聞こえると、ハッ!と顔を上げて、なぜか遠くを見てしまいますね。
周囲の家族や職場の同僚も、ハッ!と顔を上げて、アイコンタクトで確認し合ったりします。
ちょうど、ミーアキャットの家族が、何かを感じてスクッと立ち上がり、周囲を警戒しているような感じです。

そして次の瞬間に、揺れます。このところ「地鳴り→ハッ!→揺れ→やっぱり」のパターンの繰り返しです。

調べてみると地鳴りは、地震の「P波」が、地表から大気に伝わった時の音だという説があります。
これは直下型地震特有の現象で、大気に抜けた音波が、揺れよりも少し先に、観測点に伝わるのだと。
ふーん、なるほど、と一度は思ったのですが、ちょっとおかしい。
P波の方が、音波よりも圧倒的に速いはず。音波がP波よりも先に届くはずがないのでは?

私の仮説は、こうです。地鳴りは、自分の真下の地面まで到達したP波が、大気に抜けたときの音であろうと。
だからP波の到達と地鳴りは、ほぼ同時。持続時間はP波の方が長いので、地鳴りが先に来たように感じる。

熊本地震は直下型地震で、余震も含めて、震源から私までの距離は、ほとんどが15〜30キロぐらいです。
P波とS波の速度差から計算して、地鳴り(約1秒、P波含む)→P波持続(1〜3秒)→S波到達、となるわけです。

地鳴りは地震の予兆だと言われることもありますが、予兆ではなく、初期徴候と言った方がよいでしょう。
つまり、地鳴りは地震そのものです。予兆とするにはあまりにも遅すぎ。
地鳴りが聞こえてから何か準備する時間はなく、緊張するのがせいぜい。恐怖感が増すばかりです。

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市民病院建て替えを
- 2016/05/04(Wed) -
2日連続の市民病院ネタですみませんが、勢いで書いておきます。
大西一史・熊本市長はもちろん、被災者救援と復旧の最前線に立って、尽力されていることと思います。
しかしながら、昨年1月に市長が、市民病院の建て替え工事を凍結したことは、今となっては悔やまれます。

早く建て替えておけば良かったのに、なんてことは、そりゃあ地震の後なら誰でも言えます。
大事なのは、今回の経験を次に生かすこと。しかもすぐに行動すること。市民病院建て替えの、即時再開です。

もともと市民病院南館は、1981年の耐震基準を満たしておらず、以前から、耐震対策が求められていました。
そのことを背景に、2011年に「市民病院のあり方に関する特別委員会」が設置されました。
そして委員会は「2015年度までに耐震化が必要」と提言し、2015年4月からの着工が決まっていました。
ところが市長は、着工直前の昨年1月になって、建て替えを凍結。
そしたらその1年3カ月後に、地震が起きて病院が損壊したと、そういう流れです。市長も不運といえば不運。

市長が着工を延期した理由は、建設費の高騰です。このままだと、市民病院の経営に影響が大きいとの判断。
しかし着工を延期したというのに、いま市民病院は、地震によって経営上の大打撃を被っています。

まさかこんな大地震が起きるとは思ってなかった、なんてセリフは、今後わが国では言いっこナシです。
日本では、いつどこででも、大地震が起きると想定しなければならないということを、再認識しましょう。
市民病院はできるだけ早く、建て替えを着工すべきです。熊本城ホールよりも、優先すると思いますけど。

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熊本市民病院被災
- 2016/05/03(Tue) -
熊本市民病院は、私が開業する前の7年間(2000〜2007年)、小児心臓外科医として奉職した病院です。
今回の地震で建物が損壊し危険があるため、入院患者全員が、4月17日までに転院または退院しました。
4月28日からは、耐震基準を満たしている場所で外来診療を一部再開しましたが、入院診療は止まったまま。

いちばん問題となっているのは、熊本市民病院が地域の中核だった部門「総合周産期母子医療センター」です。
総合周産期母子医療センターとは、リスクの高い母体と胎児や新生児に、高度な医療を専門に行う施設です。

センターには、大規模な新生児集中治療室(NICU)と母体胎児集中治療室(MFICU)が備わっています。
熊本県内外から、新生児医療の最後の砦として最重症の赤ちゃんが搬送され、最高度の医療を行ってきました。
ところが今回は、NICUなどにいた赤ちゃん38人を、熊本県内外の病院に搬送しなければなりませんでした。

熊大病院にも総合周産期母子医療センターはありますが、熊本市民病院の方が、より高度なセンターでした。
なぜなら市民病院には、新生児科や産婦人科を支える診療部門が、きわだって充実していたからです。

たとえばそれは、重症新生児の外科手術を行う技術のある、小児心臓外科や小児外科や麻酔科の存在でしょう。

私が勤務してた頃、新生児の心臓手術ができるのは、熊本・鹿児島・宮崎の3県では熊本市民病院だけでした。
各地の大学病院や基幹病院から、心臓手術を依頼されて患者の搬送を受けることを、誇りに思っていました。

今回の地震は、病院の建物が古かったというだけで、この総合周産期母子医療センターを壊滅させました。
復旧には時間がかかるでしょうけど、この際、さらに高度で機能的な新センターを再建してほしいものです。

ちなみに、熊本市民病院に小児心臓外科が開設されたのは23年前。初代部長は、恩師・米永國宏先生でした。
手術数はどんどん増え、病院の新生児医療レベルの高さを背景に、新生児の心臓手術を行うまでになりました。
あるいは、心臓手術を支えるために、皆が努力して、病院全体のレベルが上がったという側面もあるでしょう。

今日、5月3日は、熊本の新生児医療に大きく貢献された、米永先生の命日、十三回忌でした。

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パーセントとポイント
- 2016/05/02(Mon) -
安倍内閣の支持率が、3月の46%から今月は53%へ、7ポイント上がったと日経が報じました。
熊本地震後に発表された内閣支持率は、FNNが3.1ポイント、ANNですら3.9ポイント上がったとしています。
地震対策が、おおむね評価されているようですが、パフォーマンスではなく、実のある施策をお願いします。

「率の変化量」を表現するとき、マスメディアはよく「ポイント」を使いますが、微妙に問題を感じます。

46%から53%への上昇を、変化率で言うなら、(53-46)/46=0.15、つまり15パーセントです。
これを「支持率が46%から15パーセント上がって53%になった」と言ったのでは、わかりにくい。
だから数値の変化をわかりやすく表現する方法として、「ポイント」を使う意義は理解できます。

しかし、そのようなメディアが「パーセント」を使うとき、こんどはまた別の誤解を招きます。

「加工肉で大腸がんにかかる確率が18%増える」という、昨年話題になった件が、まさにそれです。
大腸がん罹患率は約8%なので、これが8x0.18=1.44%だけ増えて9.44%になる、というのが正しい解釈。
ところが日頃から「ポイント」表現に慣らされていると、8+18=26%なのかと、勘違いしてしまいます。

このように、元々の確率が低い場合ほど、その変化を表すポイントとパーセントの差が大きくなってきます。
誤解を招きそうな数値を持ち出すときは、補足説明を加えるなど、慎重に表現してもらいたいものです。
しかしメディアはえてして、メディアに都合の良い誤解を誘うような表現をしたがるので、タチが悪い。

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災害時のデマ
- 2016/05/01(Sun) -
「前震」で大混乱した挙げ句の「本震」は、いま思い出してもショックでした。
何度も何度も余震が起きるので、もう一度また震度7クラスが来るのではないか、という恐怖がありました。

こういうタイミングを狙って、デマが流れます。被災者の不安につけ込んだ、深刻なデマです。
「まだ地震のエネルギーは解消されていない」とか、「M7.4以上の地震が12時間以内に起きる」とか。

愉快犯の仕業か、もしかすると誰かの発言が伝言ゲームのように広まった流言かもしれません。たとえば、
「地震って、溜まったエネルギーが解消されるまで余震が続くわけ?」というネット上の素朴な疑問が、
「つまり、もっと大きな地震が起きないと、エネルギーは全部解消されないってことか」という納得を経て、
「まだ地震のエネルギーは解消されていないので、M7.4以上の地震が起きる」と完成していく、みたいに。

多くのデマがツイッターで広がりました。ツイッターの圧倒的な情報拡散力が、デマの主犯格とも言えます。
こんな重大な情報は広めなければ、という善意の人がリツイートして、情報の信憑性が増していきます。

「ライオンが逃げた」とか、「某小学校で肉100キロを焼くBBQをやる」などという変なデマもありました。
仲間内でしゃべるようなネタが、簡単に拡散して信じられていくことで、発端者が快感を得るのでしょうか。
当院の近所の小学校にSMAPの中居君が来てくれた、という噂も流れました。あ、これは本当でした。

もう、何がなにやら。悪質なデマには、公的機関やメディアが、早く正しい情報を出して打ち消すに限ります。
私も、知らず知らずのうちにデマの拡大に荷担せぬよう、ブログで取り上げる情報には注意せねば。

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