音楽・映画の所有欲減退
- 2017/02/28(Tue) -
映画『ラ・ラ・ランド』はすでに、熊本でも公開されていました。
昨日のブログでは未公開のように書いたのを後悔し、今朝いちばんの上映を観に行きました。
新しい映画なので、ネタバレ禁止です。良い映画でしたが、内容については書きません。

ドラマ『サバイバー 宿命の大統領』がどうしても観たくなり、今日の午後からNetflixの会員になりました。
もちろん、1カ月間の無料体験終了後に脱会する予定です。いや、脱会できるかどうかはわかりません。
Apple Musicがとても快適でやめられないように、Netflixも病みつきになるかもしれません。

以前は、そうはなるまいと思ってましたが、音楽も映画も、将来的にはストリーミングに向かう気がします。
このブログも、『ラ・ラ・ランド』のサントラを聴きながら書いています。買わなくてもすぐ聴ける。便利。
音楽や映画のライブラリーを、個人で所有する量にも限界があるし、そもそも所有欲が減退してきました。

NHKも民放も、オンデマンドと称する有料サービスがあり、パソコン等で過去の番組を見ることができます。
固定電話をもたない家が増えているのと同様に、やがてテレビのない家も増えてくるのでしょうか。

そんなことを考えながら、お約束のドラマ『A LIFE』(第7話)レビューですけどね。
14歳の乳がんを、頭から否定する乳腺外科医って、どうなの。
もうこのドラマは、リアリティーの追求を諦めたのかもしれません。手術シーンは減ったし術野も見えない。

キムタクが「腹腔鏡」を「ふっくうきょう」ではなく「ふくくうきょう」と発音したのにも、ガッカリです。
医療従事者は好んで使うのにメディアは使わない「ふっくうきょう」の方を、ドラマでは使うべきでした。

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『ラ・ラ・ランド』
- 2017/02/27(Mon) -
『ラ・ラ・ランド』がアカデミー作品賞受賞、と発表されたのが間違いだったとは、前代未聞のハプニング。
「な・な・なんで?」と言いたくもなったでしょうね、すでに受賞の喜びをスピーチしていた関係者は。

ぬか喜びさせられた『ラ・ラ・ランド』が気の毒ですが、でも日本で公開されたら、真っ先に見たい映画です。
(追記→あ、もう公開されてました。そのうち観に行きます)
というわけで、その『ラ・ラ・ランド』ってタイトルから空想を広げて、こんな映画どうよ、シリーズ。

『イ・イ・インド』 
カレー会社の社員が主人公。休暇をとって旅行したインドに魅せられ移住を決意するも、妻の反対に遭い・・・

『お・お・音頭』 
和風ミュージカル。夏祭りにかける若者と老人たちとの、葛藤と絆。少し涙あり。いい話になりそうです。

『サ・サ・サンド』
「笹かまぼこ」にヒントを得て「サ・サ・サンド」を発売した商店主と、悪徳製パン会社との、商標権争い。

『せ・せ・鮮度』
いま話題の東京・築地市場。その現場に24時間密着した、リアルタイム・ドキュメンタリー、全24話。長い。

『ど・ど・どんど』
ある村で、小正月に松飾りを焼く、その火柱の高さを競い合う風習が、年々エスカレートして大変なことに。

『ね・ね・ねんど』
映画『キンダガートン・コップ』の日本版。潜入捜査官(大泉洋)が、園児たちに翻弄されるドタバタ劇。

以下、タイトルのみ、『ハ・ハ・ハンド』、『フ・フ・憤怒』、『ほ・ほ・本土』、・・・
あまり悪ノリすると怒られそうなので、これぐらいにしておきます(エ・エ・エンド)。

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独裁国のXデー
- 2017/02/26(Sun) -
プレミアムフライデー」を略して「プレ金」というそうですね。
私はそれを聞いて「ポスト金」という、きな臭い言葉を連想しました。某国の独裁体制終了後、という意味で。

その国の独裁者が暗殺されて国家体制が崩壊する「Xデー」なんて言葉が、以前からささやかれています。

Xデーを阻止するため独裁者にVXで暗殺されたマサオ氏は、国のトップの世襲に反対していました。
おそらく、独裁者その人を除くすべての国民が、本心では世襲に反対しているのではないでしょうか。
独裁者を信奉している人間など、誰一人いない。ただ、恐怖政治で抑え込まれているだけの状態なのです。

国家ナンバー2や兄弟ですら、粛清されてきたのです。それ以下の地位の者などみな、虫けら同然です。

もしも独裁者の取り巻きたちが一斉に反旗を翻せば、その瞬間に、独裁政治を終わらせられるのに、できない。
クーデターを起こしたくても、密告が怖くて誰にも相談できない、そんな状態のように思えます。

2代目が死去したときのタイミングが、絶好の機会と思えたのにそうならず、独裁政権は世襲されました。
しかし、中国との関係はどんどん悪化しているし、米国は何をするかわからない大統領になったし。
そんなタイミングでの、暗殺事件です。これはもう、Xデーが近いんじゃなかろうかと、思えてきます。
こっちに火の粉が飛んでこなけりゃいいんですけどね。

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医者の喫煙
- 2017/02/25(Sat) -
「日本医師会員喫煙意識調査」(2016年調査)の結果が、先週報告されました。

これによると男性医師の喫煙率は、2000年の27.1%から2016年には10.9%に「激減」しています。
ちなみにJTの調査による一般男性の喫煙率は、2000年が47.4%で、2016年は29.7%です。
医師はもともと喫煙率が低く、とくに最近は一般男性よりもずっと速いペースで、禁煙が進んでいるようです。

しかし私が研修医の頃(80年代半ば)は、ひどかった。一般人でも医者でも、非喫煙者の方が少数でした。
病棟のナースステーションや廊下では、医師たちが人目もはばからず喫煙しながら談笑していました。
そういう時代でした。当時は「医師が率先して禁煙してみせよう」という発想など、なかったのです。

今回の調査で、診療科別の喫煙率は、呼吸器科が最低(3.5%)で、泌尿器科が最悪(17.5%)と判明。
呼吸器科の医師ですら、3.5%がタバコを吸っているというのも、どうかと思います。
日本呼吸器学会の呼吸器専門医は、「非喫煙者」であることが資格要件のひとつのはずなんですけどね。

当院では禁煙外来を行っており、「敷地内禁煙」を徹底しています。それが施設基準の条件だからです。
ところが、毎朝駐車場を掃除していると、必ず数本の吸い殻が見つかります。

生活習慣病の最大の要因のひとつが喫煙です。そのような方は、絶対に禁煙しなければなりません。
しかし患者さんの中にも、どうしても禁煙が出来ない方が、おおぜいいます。
毎月しつこく禁煙を勧めますが、喫煙の問題は最終的には自己責任だけに、そう簡単には説得できません。
まして、医師自身が喫煙者だと、このような場合の説得力はゼロでしょうね。

禁煙できない生活習慣病の方の診療というのは、まことに矛盾に満ちたもので、むなしくさえ感じます。
まるで、強い毒を飲み続けている人に、弱い解毒剤を一生懸命処方しているようなものなのです。

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プレミアムフライデー
- 2017/02/24(Fri) -
「プレミアムフライデー」が始まりました。月末の金曜日を、午後3時退社にしようという動きです。
今日のところはお祭り騒ぎ的に、居酒屋などが盛り上がったかもしれませんが、長期的にはどうなんでしょう。
消費の底上げや働き方の改革につながるといいますが、果たしてそううまくいくのでしょうか。

プレミアムフライデーは、企業活動自体を減らすことになるので、企業の業績にはどう考えても不利です。
労働者にしたって、別の日の残業が増えたり、場合によってはサービス残業が増える懸念があります。
国民消費が多少は増えるとしても、サービス業の従業員はむしろ忙しくなり、休めなくなるでしょう。

これは導入初期だけの混乱であって、やがて徐々に定着して当たり前になるのでしょうか。

私が子どもの頃は、学校も役所も会社も、土曜半ドン・日曜休日の、週休1日制でした。
半ドン」とは、ほぼ死語となっている昭和用語で、半分「どんたく(=休日)」の日ですね。
学校などでは、90年代から月に1回だけ土曜日が休みになり、さらに月に2回の週休2日制が導入されました。
そしてそのような移行期を経て、ついに2002年から完全週休2日制になり、現在に至っています。

プレミアムフライデーも、やがて半ドンに、最終的には毎週金曜日が休日になるのでしょうか。まさかね。
完全週休3日制では、あまりにも企業活動時間が短くなりすぎです。もう少し、働きましょうよ。

サービス残業や異常な長時間労働が問題となっているのに、表向きの労働時間ばかりが短くなっていきます。
形式だけの制度など、何の意味もありません。もっと実質的な「ゆとり」を作るような政策をお願いします。

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太陽系外惑星7つ発見
- 2017/02/23(Thu) -
地球サイズの惑星が7つ発見され、少なくともその3つには、地表に液状の水が存在するかもしれない。
この「太陽系外惑星に関する大発見」を、日本時間の今日午前3時から、NASAが会見で発表しました。

地球から39光年の距離にある恒星「TRAPPIST-1(トラピスト1)」の7つの惑星b〜hが、それです。
以前話題になった惑星「ケプラー452b」は1400光年離れていて、人類が訪れるには絶望的な距離でした。
ところがなんと、たったの39光年という、宇宙で言えばほんのご近所に、地球に似た惑星があるとは。

身勝手な地球人はさっそく、この7つの惑星のどれかに移住できないかを、検討し始めることでしょう。

この惑星はすべて、自転周期と公転周期が一致しているそうです。
いつも惑星の同じ側が、恒星の方を向いているわけです。つまり、昼夜の変化がない。
これを住みにくいととるか、利用しやすいと考えるか。

移住すると決まればもう、「地球に優しい」なんてことも、どうでもよくなるかもしれません。

たとえ地球に優しく生き続けたとしたって、あと数十億年といわれる太陽の寿命が、最終的にネックです。
その太陽に比べるとTRAPPIST-1は若い星で、余命があと10兆年あるとか。
だから将来的には、そっちへ移住した方が長く生存できるのです。って、どんだけ長生きしたいの、人類。

39光年と言えば近いとはいえ、光の速度でも39年かかる場所。移動の途中が暇でしょう。工夫が必要です。
たとえ無事向こうに着いても、現地の人(?)たちとの遭遇が、果たして平和的なものになるのかどうか。
彼らの文明が地球人よりも1億年先を行っているとしたら、虫けら相手のようなお出迎えになるでしょうね。

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手術は現場で見ろ
- 2017/02/22(Wed) -
ドラマ『A LIFE』の視聴率が、第6話でV字回復したとのこと。わが家ではずっと、100%ですけどね。

今回、手術はたった1例。「ドベイキーI型動脈解離」に対する「トータルアーチリプレイスメント」でした。
大動脈弓部(=アーチ)をすべて(=トータル)、人工血管で置換(=リプレース)する術式です。

術式名を聞いた及川光博が「トータルアーチかぁ」とつぶやきますが、まさに現場でありがちなセリフです。
こういうディテールをさらっと流すところが、このドラマのマニアックなところ。
従来のドラマならきっと、「全弓部置換かぁ」と説明調のセリフだったはずです。

右鎖骨下動脈送血で人工心肺を開始(=ポンプオン)したのは良かったのですが、トラブルが発生します。
心臓の挙動が急におかしくなります。心臓が張ってきます。こういうのは、手術中に見る最悪の兆候です。

それをモニターで見るやいなや、「逆行性の解離だ」と言い切る副院長もまた、凄い「脳外科医」です。
ところが心臓外科医たちの手が止まる。その時間が長すぎ。いや、効果的に長く見せてるのかもしれません。

その緊迫した術野が大写しになると、人工心肺回路の脱血管には、薄〜い赤インクのような液体が見えます。
おまけにその液体が流れてない。こういうのが興ざめっていうんですよ。せっかくのディテールが、中途半端。

さらに、いつも言いますけど、手術室内のスタッフが少なすぎます。
心臓外科医3人の他に、麻酔科医と看護師と臨床工学技士。全部で8人ぐらいか。
他の心臓外科医はみな、医局でモニターを見てるなんて、どうかしてますね。どうしてオペ室に行かないの?

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ふるさと納税で金券
- 2017/02/21(Tue) -
千葉県勝浦市の、ふるさと納税返礼品のひとつ「七福感謝券」に、高市早苗総務相がいちゃもんをつけました。
「制度の趣旨にそぐわない。転売されているのは問題」と。はたしてそうでしょうか。

ふるさと納税の趣旨って何? ある自治体に対して、他市町村の住民が寄附をして応援することですよね。
その寄附の額だけ、自分の住民税等から差し引かれるので、さほど懐は痛まない。自己負担は年に2千円のみ。

おまけに、そのたった2千円の負担で、ふるさと納税額に応じた返礼品が届くという、おいしい制度です。
納税額が1万円でも100万円でも、自己負担額は一律で年に2千円という、おかしな制度でもあります。

郷里や特別な思い入れがある土地、応援したい市町村を納税先として選ぶのが、この制度の本来の趣旨です。
ところが、欲しい返礼品で検索し、ヒットした市町村に納税する、なんてことになっているのが実情です。

納税先が返礼品目的で選ばれるとするなら、魅力ある特産品がない市町村は、対策を練らなければなりません。
たとえばそれは、観光客を引き寄せるための、その地域限定の金券を返礼品とすることでしょう。
それが転売されたとしても、最終的には誰かが金券を使いに来るわけで、その市町村の目的は叶うわけです。

これが制度の趣旨にそぐわないというのなら、返礼品目的の納税をすべて否定することになります。
ま、それならそれでいいですが、ならば、返礼品を全部禁止にするぐらいの制度改革が必要ですよ、高市さん。

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アスクル火災
- 2017/02/20(Mon) -
オフィス通販最大手「アスクル」の物流倉庫の火災は、発生から4日たってもまだ、消せないようです。
アスクルと言えば当院では、Amazonよりも楽天よりもモノタロウよりも活用している通販会社です。

「明日来る」と言いながら、熊本だと普通は「あさって来る」のですが、そのぐらいはまあいいです。

パソコン周辺機器や書籍はAmazonで買うことが多いですが、一般的な消耗品なら、たいていアスクルです。
つい2,3日前にも、コピー用紙とマスクとハンドタオルと手袋とトイレットペーパーを、発注したばかり。
考えてみると、燃えやすいものが多いですなぁ。

不思議なのは、なぜすぐ鎮火できないのか、ということ。窓の無い大きな空間というのが、問題らしいでけど。
スプリンクラーは、ちゃんと作動したんでしょうか。昔の、ホテルニュージャパンの火災を思い出します。

商品を塗らしたくないのが理由で、スプリンクラーの作動に「手加減」はなかったのか、気になります。
図書館などで見かける、不活性ガスによる消火設備は、このような巨大空間では役に立たないのでしょうね。

アスクル特有の問題があれば別ですが、同様の火災リスクは、他の通販大手や物流会社にもあります。
開口部の少ない巨大倉庫には、通常の建物よりも厳しい消防設備が要求されているはずです。
それがどうして、4日間以上も燃え続けているのでしょう。鎮火後に、徹底的な原因究明が必要です。
もちろん、いちばん心配しているのは、今回の火災が原因でアスクルの販売価格が上がることですが。

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予防接種の行政措置
- 2017/02/19(Sun) -
定期予防接種が規定通りに進んでいないお子さんに、ようやく熊本市も救済の手を差し伸べるようです。
対象年齢を過ぎてからのワクチン接種を救済する「行政措置」の、対象となる予防接種は2つ。
(1)麻しん風しん混合(MR)ワクチン
(2)B型肝炎ワクチン

MRワクチンは、昨年から全国的なワクチン不足が大問題になっており、今なお不足しています。
第1期定期接種の対象は、1歳児。基本的に免疫のないお子さんなので、接種は絶対に必要と考えられます。
第2期定期接種の対象は、年長児。接種期限まであと1カ月少々となりました。

ワクチン不足が起きた昨年9月時点で1歳で、その後接種機会を逸した2歳の子さんが、第1期の救済対象です。
第2期については、現在の対象者の接種期限が、事実上半年ほど延長されます。
いずれの場合も、今年の9月までにはワクチンの供給が完全に回復する、ということを前提とするものです。

B型肝炎ワクチンは、まず化血研の生産停止が痛いですが、予防接種制度自体の問題もあると思います。
昨年10月から始まった定期接種の対象者は、昨年4月生まれ以降の0歳児です。
接種開始は満2カ月からで、合計3回を約半年かけて接種する規則です。

昨年4月生まれのお子さんだと、10月から3月までの半年で、3回の接種を効率よく行わなければなりません。
その接種スケジュールがあまりにタイトなので、何らかの救済措置が求められていました。

そうでなくても昨年4月生まれというのは、震災前後に生まれ、新生児期を過ごした赤ちゃんです。
規定通りサクサク予防接種をこなすという、そんな余裕など、どこの家庭にもないときの赤ちゃんなのです。

小幅な接種期間の延長のよううなケチな行政措置などやらず、もっと太っ腹な救済を望みます。

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リレンザで異常行動
- 2017/02/18(Sat) -
インフルエンザ治療薬「リレンザ」を吸入した中学生が、マンション4階から転落死する事故が起きました。
中学生が、自室の窓から飛び降りるという異常な行動を起こしたようです。ご冥福をお祈りします。

従来から「タミフル」が原因かと疑われている異常行動ですが、このようにリレンザ吸入後でも起きるのです。
さらに言うなら、別のインフルエンザ治療薬「イナビル」吸入後でも、同様の事故は報告されています。

私を含む多くの医師は、インフルエンザそのものが、異常行動の原因と考えています。
しかしインフルエンザではすぐにタミフルを処方するので、異常行動がタミフル内服後に起きてしまいます。
タミフルと異常行動は単なる「前後関係」なのに、そこに「因果関係」があるように見えてしまうわけです。

因果関係は立証も否定もできず、厚労省は10年前、10代へのタミフル処方を原則禁止としました。
ところがその後、リレンザやイナビル使用後の事故が報告されても、10代への処方は禁止されていません。
なぜなら、それらまで禁止すると、10代に対して使えるインフルエンザ治療薬がなくなるからです。

インフルエンザ罹患に伴う異常行動については、10年ほど前から、調査研究が行われています。
飛び降りや急な走り出しなどの危険な異常行動について、すべての医療機関が該当例を報告するものです。

異常行動前に使われた治療薬の頻度を見ると、昨シーズンは、イナビル>タミフル>リレンザ、の順でした。
近年、イナビルがタミフルを抜いて第1位です。10代でのタミフルが禁止されたので、当然の結果です。
さらに言うなら、どのインフルエンザ治療薬も使っていなかった異常行動例も、多数報告されています。

タミフルだけを禁止する根拠は、もはや失われているのに、いまだにタミフルだけが禁止され続けています。
禁止を解除すれば、禁止したことが誤りであったことを、厚労省自らが認めることになるからかもしれません。

それはともかく、インフルエンザ罹患後のお子さんは、本当に注意して見守らなければなりません。
24時間監視するわけにもいかないでしょうが、少なくとも、窓が容易に開けられないように工夫すべきです。

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罹災証明書
- 2017/02/17(Fri) -
熊本地震から10カ月を経過しましたが、いまだにあちこちで建物の解体工事を見かけます。
熊本市は、平成30年3月までの解体撤去完了を、さらに前倒しできるように迅速化を図る、といっています。
それにしても、公費解体撤去の順番待ちの人は、最悪あと1年ぐらい待たされるというわけです。

知人や患者さんの中にも、今月ようやく解体が始まったので引っ越した、などという方が多いです。
解体の直前まで、その半壊した自宅で生活していたわけで、被害状況によっては住みづらかったことでしょう。

公費解体撤去の対象は、家屋等の被害が半壊以上と判定された罹災証明書がある方です。
幸いにも私の自宅にはそのような大きな被害はなかったので、わざわざ罹災証明はとっていませんでした。

しかし、確定申告の時期になり、やはり罹災証明をとることにしました。
住居にも家財にも多少の被害はあったわけで、この際、国税の軽減(雑損控除)を受けようかと考えたのです。
もちろん被害は軽微なので、罹災程度は「一部破損」です。

被害状況の写真と印鑑を持って、菊陽町役場に行くと、すぐに罹災証明発行担当者との面談になりました。

iPhoneで屋内の写真をいろいろ見せていると、外壁や基礎や屋上のひび割れなどなかったですか、と担当者。
外壁はどうもないですが、テラスのタイルが一部欠けましたと写真を見せると、それは基礎ですか、と担当者。
基礎ではなく、タイルですから欠けやすいのでしょうと言うと、外壁はどうでしょうか、と食い下がる担当者。
外壁など、まったくどうもありません、と答えると、いかにも申し訳なさそうに担当者がこう言うのです、
「このたびの被害ですと、一部破損ということになります」
いえいえ、その優しい姿勢はうれしいですが、もともと半壊などの過大な判定は期待しておりませんので。

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予防接種と入園拒否
- 2017/02/16(Thu) -
予防接種を受けていない園児の受け入れを拒否した、新潟市の認定こども園の問題は、私には不可解です
関係省庁が協議した結果、予防接種を受けていないことだけでは入園を拒否できない、と結論したからです。

たしかに、子どもに定期予防接種を受けさせることは、保護者の「義務」ではなく「努力義務」です。
わが子には受けさせないと親が判断すれば、接種しなくてよいのです。思想信条の自由です。

しかし状況によっては、基本的人権よりも、公共の福祉の方が優先される場合もあります。
ワクチン接種の拒絶はその子どもだけの問題ではなく、周囲への感染拡大という問題があるからです。

たとえば麻疹は感染力がきわめて強く、しかも発症する前日から、周囲への感染力があります。
発症した時点ですぐに気付いて隔離・帰宅させても、すでに感染が拡大している場合が多いのです。
MRワクチンがまだ接種できない0歳児を含む集団の中では、感染者が出ては絶対に困ります。

予防接種はその個人の感染防御だけでなく、集団全体の感染症を減らす「集団免疫」の効果があります。
1歳のお子さんがワクチンを接種することで、0歳児も守られるのです。

ワクチンの積極的勧奨を行っている国が、むざむざと感染拡大のリスクを見過ごすのには、理由があります。
感染症の危険よりも、ワクチン反対派の活動の方が怖い(または面倒)と考えているからです。
子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)問題などと同じく、弱腰厚労省の体質そのものです。

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毒針を使う女スパイ
- 2017/02/15(Wed) -
某国の女工作員が、要人を毒針で殺害。まるで昔のスパイ映画じゃないですか。
私はこのニュースを聞いて即座に、映画『007 ロシアより愛をこめて』のワンシーンを思い出しました。
ホテル従業員に化けたソビエト情報局の女性が、いきなり靴の先から飛び出した刃物で蹴ってくる。
あの刃物にも、毒が塗ってあったという話です。小学生のときに見たそのシーンは、とても怖かった。

某国の独裁者は、政府の高官を次々と粛清しています。脱北者などの家族もまとめて公開処刑です。
国のナンバー2でさえ、むごたらしく処刑されました。クーデターを計画していたのが理由とされます。
そしてそのクーデター計画で担ぎ上げられようとしていた人物こそ、このたび殺害されたその人のようです。

工作員たちには、毒針が配布されていたとのこと。そのほかに、どのような凶器を携帯していたのやら。
毒の成分は何でしょうね。殺害現場の国の政府がぜひ、そのあたりを究明してほしいものです。

今回の殺害方法は毒針ではなく、毒薬を染みこませた布で顔を覆ったとも報じられています。
どちらが正しいのか、と悩む必要はありません。毒針がプランAで、毒布がプランBだったのです、たぶん。
一流の秘密工作は、用意周到なのです。ってお前、どっちの味方なんだ、と言われそうですが。

そんなことよりも、もっと重要なのは、本当に殺害されたのか、ということでしょう。
ここは死んだことにして、某国を欺き、その裏でクーデターを起こす、という反撃もアリですから。

(おことわり)
某国関係者がググって当ブログを見つけたら困るので、国名や人名の固有名詞は使いませんでした。
小心者なのです。ご了承ください。

(追記)
女スパイの「毒針」ってガセ情報、どこから出てきたんでしょうね。その後すっかり消え失せましたが。

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手術は低侵襲へ向かう
- 2017/02/14(Tue) -
ドラマ『A LIFE』は、視聴率が少し上向いたそうですが、手術シーンはどんどん減ってきています。
第5話のキーワードは、「医療ミス」と「恩師との確執」。医者モノでは普遍的なテーマです。

登場した外科用語のひとつが、「MICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery;低侵襲心臓手術)」でした。
ドラマでは「ミックス」という言葉が連発したので、「何と何のMixなんだろう」と疑問に思われたかも。

「低侵襲」の定義は本当は難しいのですが、「傷口の小さな心臓手術」と考えても大間違いではありません。

皮膚を小さく切って筋肉や骨の切開も少ないので、術後の痛みが軽く、治りが早いのがメリットとされます。
そのかわり、狭い間口からのぞき込んで手術をするので視野が悪く、手術には時間がかかるのがデメリット。
視野の悪い手術は技術的にも難しく、したがって安全性にも多少なりとも影響するのが、懸念するところ。
しかし、心臓手術に限らず、多くの手術が小切開・低侵襲に向かっているので、これは外科の潮流でしょう。

武田鉄矢が演じる心臓外科の権威が、MICSの手術を急ぐあまりに、不完全な手術をしたという筋書き。
そんな権威が、いちいち普通のMICSを執刀し、しかもすぐ修復できそうな異常を放置するとも思えませんが。

キムタクが心エコー検査をしてました。装置はGEの「Vivid iq」ですか。良いモノ使ってますね。欲しい。
僧帽弁の逆流が中等度以上で、大動脈弁の逆流も見えました。左室が拡張し動きがひどく悪い。大丈夫か?

さて手術では、僧帽弁の逆流テストを繰り返すばかりで、肝心の僧帽弁形成術は描かれていませんでした。
このドラマの手術シーンは、マニアック路線を突き進んでいるようです。大丈夫か?

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成人のMRワクチン接種
- 2017/02/13(Mon) -
不足しているMRワクチンですが、どうやらわずかに流通が改善しつつあるようです。
そのことを踏まえて、子どもの定期接種対象者以外への任意接種も、当院では再開することにしました。
もちろんまた需給バランスが悪化するようなら、再び接種制限を行うことになります。

あれだけ騒がれた麻疹の集団感染はいつのまにか終息したので、任意接種希望者はそれほど多くはありません。
たいていは、医療系の学生さんか若夫婦(または婚約者同士)などです。

先天性風疹症候群の発生を予防するための、予防接種の費用助成制度は、今も続けられています。
たとえば熊本市の助成対象者は、熊本市の住民で、風疹抗体検査による抗体価が陰性(HI法で16倍以下)で、
(1)妊娠を希望している女性
(2)妊娠を希望している女性のパートナーなどの同居者
(3)妊婦のパートナーなどの同居者
このいずれかを満たす方、となっています。
「妊娠を希望」っていうのもアバウトなら、「パートナーなどの同居者」という表現もなかなか幅広い。

さらに、オカシなケースも考えられます。
抗体価が陽性の女性は費用助成の対象外ですが、その夫の抗体価が陰性なら、夫は助成の対象になるのです。
たとえ夫が風疹に感染しても妻は感染しないので、先天性風疹症候群を予防するという趣旨に合いません。

このことが先日行われた予防接種従事者研修会で質問されたところ、お役所からは珍回答が返ってきました。
「(そのケースの夫でも)風疹の蔓延を防ぐ観点から、予防接種の助成対象者として位置付けている」
つまり、夫が感染予防をすることは、妻に対してだけでなく、社会全体にとって有意義である、というわけ。

その理屈なら、抗体価陰性の市民はすべて、接種助成対象ってことになりませんか?
このさい(2)を最大限に拡大解釈して、定期接種漏れの子どもを助成対象とすることだって、アリだと思う。

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井と丼と#と♯
- 2017/02/12(Sun) -
中尾彬は「うな重」は食べず、タレがムダなくご飯に染みこむ「うな丼」を食べると、テレビで言ってました。
なるほど。でも、私はいつも「ひつまぶし」ですけどね。

「丼」は、井戸に物を投げ入れたときの、音を意味する字だとか。「ドブン」みたいな音なのでしょうか。
大きな桃が川を漂い流れてゆく様子を「どんぶらこ」と言ったりしますが、「どんぶりこ」とも言うそうです。

医師用の某サイトに最近、「♯」と「#」の違いについての投稿が出ていました。
カルテに何かを箇条書きにするときには、昔から「#1、#2、・・・」のように「#」を行頭に使います。
紹介状に病名を記載するときも、ほぼ必ず、「#1高血圧症、#2高脂血症、・・・」のように書きます。

この「#」を「ナンバー」と読むのだと、昔先輩医師に教わりました。「井桁(イゲタ)」という記号です。
「#(イゲタ)」と「♯(シャープ)」の区別が付きにくいですが、両者は別物です。
どう区別するんだとおっしゃる方へ一句。「横線が、フラットじゃないのがシャープです」

ところで、ふと電話を見て驚きました。プッシュボタンにあるのは、明らかに♯ではなく#だったからです。
「最後に、シャープを押してください」などとアナウンスされてるボタンが、実はイゲタだったとは。

と思ってググったら、ずいぶん昔から「電話の#はシャープじゃない」というトリビアがあるようです。でも、
「最後に、イゲタを押してください」と言ったのではわかりにくい。「どの下駄ですか?」と苦情が出ます。
「最後に、シャープに似たヤツをおしてください」と言うべきなのか。いや、それでも不親切。
「最後に、シャープに似た、でも正しくはイゲタと言う名称の記号のボタンを押してください」これで行こう。

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地震の時の赤ちゃんたち
- 2017/02/11(Sat) -
熊本市民病院病・病診連携懇談会が、昨夜開催されました。恒例の会合ですが、私は久しぶりに出席しました。
今回は「熊本地震への対応と新病院再建」というテーマだったので、ぜひとも参加せねば、という思いでした。

救急部、循環器内科、新生児内科の医師と、病院長と、地元医師会長の方々の、苦労と苦悩の話が聞けました。
今日はその中で、私があらためて認識したことや驚いたことを、かいつまんで書いてみます。

(1)前震直後から地域の被災者を精力的に診療していた市民病院が、本震でいきなり被災病院になった
救急車をドンドン受け入れて入院治療していたのに、本震の直後から、全患者を退避させることになりました。

(2)深夜の本震だったが、たまたま在院職員数は多かった
準夜勤の看護師と、深夜勤の看護師との引きつぎ時間帯だったため、2勤務帯の看護師が院内に居たわけです。
ただ、深夜過ぎには帰るはずの職員が、そのまま働きづめだったとは、大変な過重労働だったことでしょう。

(3)重要な生命維持装置が林立するNICUで、医療機器が何一つ転落・転倒せず、重大トラブルがなかった
唯一、窒素ボンベが傾いたものの、赤ちゃんにつながる点滴のチューブに支えられて、倒れなかったとのこと。
ボンベが倒れ、点滴を引きちぎるようなことにならなくて、よかった。こうなると、ちょっとした奇跡ですね。

エレベーターが使えないので、患者さんたちは全員、狭い階段を使って人海戦術で運び下ろされました。
問題は、最重症の方、とくに人工呼吸中の赤ちゃんたちの移動と、その後の呼吸・循環・体温管理です。
人工呼吸器は移動できず、NICUの赤ちゃんたちには、手で何時間も人工呼吸を続けたとのこと。
保育器も使えず、赤ちゃんたちは職員が抱いて暖めたそうです。想像するだけでも、涙が出そうになります。

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「積もる」のアクセント
- 2017/02/10(Fri) -
雪のニュースを聞くたびに、どうしても気持ち悪くてしょうがないのが、「雪が積もる」のアクセントです。
NHKも民法も、示し合わせたように、私を不快にさせるアクセントで「積もる」と繰り返すのです。

その気持ち悪いアクセントというのが、「走る」や「見える」と同様に「低高低」と発音する「中高型」です。
ところが、「NHK日本語アクセント新辞典」によれば、そのアクセントが正解だと。
はい、予想も覚悟もしてました。おそらく中高型が正しいのでしょう。でも私は納得がいきません。
いったいいつから、そのようなアクセントになってしまったのか。こう思うのは私だけでしょうか。

ためしに金田一春彦の「新明解日本語アクセント辞典」を見ると、「積もる」は「平板型」じゃないですか。
これは「止まる」とか「決める」と同じアクセント。これですよ、私が納得できるのは。
ただし金田一辞典は、標準アクセントを平板型とする一方で、新しい傾向だとして中高型も並記しています。

どうやら、アクセントの「中高化」が起きているようです。
以前、「重い」や「赤い」のような、形容詞の中高化問題について書きましたが、動詞も同じ傾向のようです。
2014年発行の金田一に対し、NHKは2016年発行。
「積もる」はすでに、平板型から中高型への移行が、ほぼ完了したようです。残念でなりません。

名詞の平板化が進む一方で、動詞や形容詞は中高化するというのは、いったいどういう理屈なんでしょうね。

調べてみたら、昨年のNHKのフォーラムで、その理由を解説した記事を見つけました。
文末は抑揚を下げて終わる流れがあり、文末に来やすい動詞や形容詞は、最後を下げる中高化が進んだと。
たしかに日本語の文って、最後はトーンが下がって終わりますけど、理由はそれだけなんでしょうかね。

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キイトルーダ登場
- 2017/02/09(Thu) -
昨日の中医協で「キイトルーダ」の薬価が決定しました。例の「オプジーボ」と同様の、がん免疫療法薬です。

100mg瓶が410,541円、20mgが84,488円と、オプジーボ同様、異常に高額な薬です。
100mg瓶が364,925円、20mgが75,100円のオプジーボよりも高いのかというと、そうではありません。
体重50kgの人において、キイトルーダとオプジーボが、同じ医療費負担になるように決められたからです。

オプジーボの用量は、体重1kg当たり3mgなので、50kgの人なら150mgとなります。
これを2週間に1回注射するので、1日薬価 (1日当たりの薬価) は、(36,4925 x 1.5)/14 =39,099.11円です。

キイトルーダの用量は、体重と無関係に1回200mg。これを3週間に1回注射します。
1日薬価をオプジーボに揃えるなら、100mg瓶の薬価は、(39,099.11 x 21)/2 =410,541円になるわけです。

体重が50kgを超える人では、オプジーボの方が高額となりますが、それは必ずしも不利な点ではありません。
体重が50kgを超える人では、オプジーボの方がより多量の薬を使えると解釈することもできるからです。

新薬は、類似薬のあるものは「類似薬効比較方式」、類似薬のないものは「原価計算方式」で薬価を決めます。
キイトルーダは、オプジーボの類似薬なので、前者が採択されました。
さらに画期性加算、有用性加算、市場性加算、小児加算、先駆け審査指定制度加算などの補正加算が付きます。
キイトルーダでは、これらの補正加算は何も付かず、前述した通りオプジーボと同じ1日薬価となりました。

当初、キイトルーダ発売元のMSDは、オプジーボと同じ1日薬価であることを不服としました。
非小細胞肺がん治療における優位性があるので、有用性加算を付けて欲しいというわけです。
これに対して中医協は、オプジーボが腎細胞がん等にも効くという面を考慮し、両者に優劣はつかないと判定。

このようにして、今後同様のがん免疫療法薬が発売されたら、みな同じ1日薬価になっていくのでしょう。
つまり、どれを選んでも年間の薬剤費は、39,099.11 x 365 =1,427万円というわけです。
高いといえば高いですが、やがて市場が拡大すれば、例の「市場拡大再算定(特例)」でバッサリ値下げです。

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副大統領が上院議長
- 2017/02/08(Wed) -
米国副大統領が上院議長を兼務していることって、常識なんでしょうか。恥ずかしながら私は今朝知りました。
米上院で賛否が50対50と割れた採決で、議長決裁票を投じた上院議長こそが、ペンス副大統領だったと。

このことによって、長年の私の疑問が解決しました。それはつまり、大統領権限継承順位です。
順位は17位まで決められていて、何があっても誰かが大統領を引き継ぐ体制になっているようです。

『24 -TWENTY FOUR-』などのドラマや映画で、私は大統領権限継承の瞬間を何度も目にしてきました。
大統領職を引き継いだ副大統領が、すぐに殺害されて、下院議長が大統領に就任した映画もありました。

でも、副大統領の次がどうして上院議長じゃなく下院議長なのか。ずっと疑問だったのですが、今朝解決です。

じゃあ、大統領と継承順位17位までが全員、テロで死んだらどうするんだ、とアホなこと考えてしまいます。
ところが、すでにそのことも考慮されているようで、さすがアメリカ。恐れ入ります。
18人全員が、同時に連邦議会議事堂には集まらないようにして、誰かが生き残るようにしているそうですね。

大規模なテロが起きて、順位が終わりの方の閣僚が大統領になる、なんてことが、ドラマになったりします。
『サバイバー: 宿命の大統領』は、キーファー・サザーランド演じる下っ端閣僚が、大統領になる話とか。
あれだけ国家に尽くしたジャック・バウアーなんだから、もう大統領になったって、いいでしょう。

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サテンスキー事件
- 2017/02/07(Tue) -
人間関係や経営問題やらが絡んできて、ドラマっぽくなって来たけど視聴率が低迷している『A LIFE』第4話。
手術シーンはめっきり減りましたが、それでも、リアリティー優先のマニアックな描写はまずまずでした。

術式は「左室形成術および冠動脈3枝バイパス手術」。左心室を修復し、バイパスを3本縫着する手術です。
「バイパスのグラフトはリタ、ライタ、ジーイーエーを使う」というセリフには、説明も何もありません。

このドラマ、手術の雰囲気と流れをリアルに見せるためなら、余計な解説は不要と、割り切っているようです。
ただ、人工心肺装置がほとんど画面に登場しません。心臓手術の現場としては、大いに違和感があります。

問題が起きたのは「IVCのテーピング」をしたときのこと。IVCとは下大静脈のことですが、これも説明なし。
人工心肺のチューブをIVCに挿入したあとで、血管を締め付けるために、あらかじめヒモを巻いておくのです。
この時にヒモを通す道具(鉗子)には、長さ、太さ、彎曲、角、歯、溝によって、種類がヤマほどあります。
しかも、それぞれの鉗子に名前が付いています。たいていは、外人の名前です。

看護師が、外科医(第一助手)の指示に背いて、自己判断で「サテンスキー鉗子」を手渡しました。
「心臓を脱転したくないので、サテンスキーの方が良いと思います」という看護師の発言もすごい。
第一助手がムッとすると、執刀医のキムタクが「僕もサテンスキーの方がいいと思いますよ」と助け船。

これが他の病院に出向いて行った「出前手術」だったものだから、双方の病院の関係がこじれてきます。
ていうか、何度も何度も「サテンスキー」という言葉が説明もなしに出てくるドラマって、どうなの。
「サテンスキー」をどう使うのか、なぜもめるのか、一般の視聴者はそのイメージすらつかめないでしょうに。

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温泉と地震
- 2017/02/06(Mon) -
2月6日なので「風呂の日」だろうと思ってググったら、違いました。「風呂の日」は毎月26日なんですね。
それが11月だと「いい風呂の日」で、4月だと「よい風呂の日」になったりする。

それはそれでかまいませんが、2月6日も風呂の日じゃだめですか。むしろ風呂の日の総本山じゃないですか。
さらに言えば、平成26年は「風呂の年」だったのでしょうか。となると26世紀は「風呂の世紀」か。

先日のブラタモリでは、別府温泉をとりあげていました。湧出量と泉質の多さは日本一だとか。
その秘密は、火山から二手に広がる断層とそれに挟まれた扇状地という、地形の妙だという説明でした。
「断層のおかげ」みたいな表現を、タモリはやや言いにくそうに話し、少しだけ地震にも触れていました。

その別府を通る断層帯ではまさに、昨年4月16日の熊本地震の本震のとき、別の地震が起きていました。
熊本の本震M7.3に誘発されて、その32秒後に、M5.7の地震が大分で起きたことがわかっています。

活断層には歪みがたまっており、1000年から数万年間隔で、ついにずれ動いて地震が起きます。
熊本の断層がずれて歪みが解消したことで、大分の断層の歪みが耐えきれなくなり、ついにずれたのか。

前震に連動して本震が起き、それに誘発されて阿蘇や大分の断層までが活動したのが、一連の熊本地震です。

そして今回の地震活動を起こした断層はすべて、「別府-島原地溝帯」に並んでいます。
これはつまり、別府・由布院・黒川・雲仙などの温泉地を結ぶ、まさに「九州温泉帯」とも呼べるラインです。
「断層のおかげ」「火山のおかげ」という表現も、まあ、しょうがないかもしれません。

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警報レベルを超えた?
- 2017/02/05(Sun) -
熊本県と熊本市がそれぞれ、「インフルエンザが警報レベルを超えた」と発表しました。2日前のことです。

警報レベルかどうかは、定点医療機関あたりの1週間のインフルエンザ報告数によって決められます。
定点医療機関は県内に80カ所(そのうち熊本市に25カ所)。県と市がそれぞれ、集計結果を公表しています。

今年第4週 (1/23-1/29) の報告数は、県が40.51、市が43.64と、いずれも20台だった前の週に比べて激増。

警報レベルには「開始基準値」と「終息基準値」があり、インフルエンザでは、前者は30、後者は10です。
流行が拡大して、1週間の定点あたり報告数が30以上になると、警報レベルということになります。

しかしいつも思いますが、「警報レベルを超えた」という県や市の表現には、違和感がありますね。
超えたのは基準値であって、警報レベルを超えたわけじゃない。警報レベルよりも上のレベルはありません。

厳密に「警報レベル開始基準値を超えた」と言うか、もっと簡単に「警報レベルに達した」と言うべきです。

これはちょうど、「過半数を超えました」という表現の問題に似ています。厳密に言えば、これも誤りです。
「過半数=半数+1」ではありません。半数をいくつ超えたかにかかわらず、超えたらすべて過半数です。
この件は「おかしいけれどもっとふさわしい表現がないためにやむなく使う」とNHKのサイトにありました。
だからNHKも、「過半数以上」という表現はさすがに使わないとのことですが、ちょっと納得できかねます。

それなら「過半数に達しました」と言えばいいじゃないですか。「半数を超えました」だっていい。
オカシイとわかっている表現を「やむなく」使い続けずに、NHKが率先してふさわしい表現を使うべきです。

「警報レベルを超えた」も同じこと。役所は率先して、正しい言葉・表現を使うべきです。
そういうとこって、役所内で誰も気にならないんですかね。

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あえ物で食中毒
- 2017/02/04(Sat) -
こんどは松山赤十字病院で、ノロウイルスの集団感染が起きました。今回も、給食が原因と考えられています。
そのメニューは、「アジの南蛮漬け、ほうれん草と豆腐の白あえ、キュウリのレモンあえ」など、だそうです。
どうも、「あえ物」が怪しいですね。

和歌山県御坊市で起きた、ノロウイルスが原因と思われる集団食中毒の原因メニューは、「磯あえ」でした。
下ゆでしたほうれん草ともやしと、加熱したちくわを「あえて」から、刻みのりを加えたものだったようです。

もしかすると「あえ物」って、製造工程で病原体に汚染され易いんじゃないですかね。よく知らんけど。
あえる食材はそれぞれ、あらかじめ加熱してあっても、あえた後には、あえて火を通さないんでしょう? 

給食レベルの大量製造においては、両手でわっさわっさとあえてるんじゃなかろうかと、想像したりもします。
ちゃんと手袋をしてるんでしょうけど、その手袋の使い方が正しく守られているのか、心配になります。
まず手袋の装着法からして、外科医のように厳密とは思えません。清潔と不潔の区別もそうです。

外科医が手袋で触ってもいいのは、消毒した皮膚と、体の内部と、滅菌済みの手術器械や材料だけです。
ところが調理の現場では、加熱済みの料理も、調理前の食材も、同じ手袋で触れてしまう可能性があります。
調理道具や調理器具のスイッチやエプロンなど、汚染されていると考えるべきものに、触るかもしれません。
そのようなモノに手袋で触れたなら、すぐに水道水で手袋を洗う必要があります。水洗いだけでも有効です。
あと、洗った後の手袋で蛇口に触れるのも、やめましょう。蛇口は、手を洗う前にも触るところだからです。
清潔な操作には、調理場の工夫と、意識改革が必要です。

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高額錠剤偽造事件
- 2017/02/03(Fri) -
C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造事件が起きましたが、医薬品の流通経路って、複雑ですね。
厚労省が公表した「偽造品流通ルート」によると、今回のケースでは、9社の薬品卸が関与していたようです。
メーカーから薬局までの間に、卸が何段階も介在していること自体おかしくないですか。なんか闇がありそう。

C型肝炎が、肝がんの原因のうち約6割を占めることがわかっています。その治療法は随分進歩してきました。
かつてはインターフェロン注射が行われ、15年前から内服薬の併用が始まり、いまでは内服薬1錠だけです。

「夢の治療薬」として1年半ほど前に登場した「ハーボニー配合錠」はしかし、1錠で8万171円もします。
1日1回1錠を12週間。医療費は3割負担でも200万円以上になりますが、国から助成が出ます。

それでも、飲むときに手が滑って、床に落としてコロコロっと転がって見つからなくなったら大変な薬です。
さいわい、転がりにくい小判状の形になっています。落としても、すぐ見つけて拾って飲めるように?

薬の価格は、ひどく複雑かつ厳密なルールに基づいて国が決める、公定価格です。
製造原価や類似薬価格などさまざまな数値を、一定の規則で足したり掛けたり、こねくり回して算出されます。
計算したらひどく高額になったけど、役人は規則に縛られるので、1錠8万171円の薬価に決まったわけです。

さすがに価格が高すぎだろうと、昨年3月には、1錠5万4797円に大幅値下げされました。
これはオプジーボのときと同様の、「市場拡大再算定(特例)ルール」に基づく、薬価値下げの裏技です。
規則に縛られる役人が、なんとか規則で値下げできないかと鉛筆舐め舐め作った、屁理屈ルールです。

ハーボニーは、このルールの初適用医薬品となり、31.7%ほど値下げされました。
それにしても、超高額な錠剤であることに変わりはありません。悪い人は、偽造したくもなるでしょうね。

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ブロッコリーで『安心』
- 2017/02/02(Thu) -
「医師が愛食!ブロッコリーを毎晩1株食べて中性脂肪が正常化!」
本日発売の『安心』3月号(マキノ出版)に、このような記事で紹介された医者がいます。私です。

この健康雑誌には、今回ブロッコリー特集が組まれていて、4人の医師の取材記事などが掲載されています。
そのうちのひとりが私というわけですが、記事を全部読んでみると、私が「浮いて」いるのがわかります。
掲載順に、その要点を書いてみると、こうです。さあ、私はどれでしょう。

(1)医師A:抗酸化作用で老化防止に最適
(2)医師B:毎晩1株食べてます!
(3)医師C:抗酸化力で認知症予防効果あり
(4)医師D:抗酸化力が強く、美容に役立つ

編集部の方もよほど困ったのでしょうか、ネット検索で私を見つけ出し、取材を申し込んできました。
アカデミックなことが何一つ書かれていない私の記事は、他の医師のそれとは一線を画しています。

昨年末に取材を受けたとき、ブロッコリーを毎晩1株食べたことで何が改善したのか、それを尋ねられました。
編集部としては、具体的な数値を示すことで、私の体験談にリアリティーを出すことを求めていたのでしょう。
しょうがなく、体重や中性脂肪の数値を掲載しましたが、私に言わせれば、そのようなことは枝葉末節です。

私が毎晩、食事の最初にブロッコリーを1株食べる目的は、なるべく健全にドカ食いをするためです。
ブロッコリー1株を胃に放り込んだ後の食事は、糖質の吸収もおそらく穏やかで、容易に満腹感が得られます。
私が続けているBOOCSダイエットでは、1日1回の食事でストレスを発散する「1日1快食」が重要なのです。

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ワクチン不足は深刻
- 2017/02/01(Wed) -
今年度も、あと2カ月を残すところとなりましたが、MRワクチンの「駆け込み接種」にはご注意ください。

年長児を対象とするMRワクチン第2期接種は、いつも年度末になって接種希望者が急増するワクチンです。
例年と異なるのは、ワクチン不足。下手したら、品切れのために3月には接種できなくなるおそれもあります。

期限内に接種できなければ、任意接種するしかありません。当院だと、料金は9千円也。やたらに高いですよ。
定期接種なら無料、任意接種は9千円。どうして期限ギリギリまで待つという、リスキーなことしますか。

MRワクチン不足の原因は、これまでにも書いた通り、
(1)ひところの、麻疹(はしか)の集団感染騒ぎで、おもに成人のワクチン接種者が急増した
(2)MRワクチンメーカーのひとつ、北里第一三共が、昨年からワクチンの製造を中断している

しかし実際にワクチンが不足していることを認めると、行政の責任になるので、厚労省の言い分(詭弁)は、
(3)ワクチンの流通や在庫が偏っている(全国的に見れば、ワクチンは足りている

厚労省に尻を叩かれて、保健所があわてて在庫調査や予約数調査をしていることは、前にも書いた通りです。
本日当院が保健所にFAXで報告した、1月末時点でのMRワクチンの予約数は、第1期と第2期あわせて70人。
とてもじゃないですが、そんなに在庫はありません。

途方に暮れていたまさに今日、製造を中断していた北里第一三共が、製造を再開するとの「朗報」あり。
でもよく聞けば、一から作りなおすので出荷まで1年半以上かかるとのこと。朗報じゃなくて「悲報」でした。
MRワクチンの製造が3社体制に戻るのは、1年半後ということです。来年度も、厳しい状況が続きそうです。

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