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緊迫する北朝鮮情勢
- 2017/04/30(Sun) -
スパイ映画とかその手のドラマを見てると、大国どうしは結構、裏でつながってたり取引したりしてますよね。
それならば、彼の国の暴発を防ぐために、そろそろあんた(=米中露)たち、手を打ってはどうですか。

繰り返す挑発に対して、いいかげんにせえよと思う反面、でも米朝開戦は避けたい。戦争は最悪です。
いや、そう思いながら、もしも軍事衝突が起きたらどうなるんだろうと、変な想像も膨らみます。
台風上陸を怖がりながらも期待しているような、子どもの時に抱いたような不謹慎な思いが巡ります。

経済的制裁をいくら強めたところで、まず国民が餓えるのが目に見えています。
こんなふうに、にっちもさっちもいかないときは、極秘作戦でうまいこと工作してほしいものです。
イーサン・ハントとか、ジェームズ・ボンドとか、そういう方向でお願いしたい。具体的には書きませんが。

先月、日本の排他的経済水域にミサイルが落下した際に、菅官房長官は「断じて容認できない」と言いました。
ところが今回のミサイルは北朝鮮内陸部に落下したので、「日本にはまったく影響がない」と官房長官。
じゃあなに、ミサイル発射という挑発行為自体は問題じゃなく、最終的にどこに落ちたかが重要なわけ? 

いやたぶん、緊張が極限に近づいているので、ギリギリまで平静を装おうとしているのでしょう。
トランプ大統領ですら、「小さいミサイルだった(略)何が起きるか様子をみよう」と妙に抑制的な態度です。

こういう場合、逆に裏で極秘作戦が進行中ということがよくあります(スパイ映画等では)。
もうホント、下手な映画よりもドキドキしてきました。どうか、一般市民の被害が最小限でありますように。

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緊張感をもって
- 2017/04/29(Sat) -
北朝鮮の弾道ミサイル発射はまた、失敗しました。発射自体は挑発行為なんだけど、結果が失敗。
これではトランプ米大統領も、なかなか空爆しづらい。結果、奇妙な緊張状態が続いています。

今回のミサイル発射&失敗を受けて、日本でも国家安全保障会議(NSC)の関係閣僚会合が開催されました。
訪英中の安倍首相の臨時代理として麻生太郎氏が出席して、次のように発言しています。

「政府の各機関は、北朝鮮問題について緊張感をもってあたるように」

北朝鮮問題ですから、しかもミサイル発射ですから、関連部署の誰もがみな、ピリピリ緊張しているはず。
その人たちに対して、「緊張感をもってあたれ」などと言うのは、中身が無いだけでなく、ガッカリします。

「緊張感」で思い出したのは、「スピード感をもって」という表現。政治家がよく使いますね。
「スピーディーに」でもなければ「迅速に」でもありません。あくまで「スピード感」です。
「迅速に対処できる保証はありませんが、迅速にやりたい気持ちは理解してください」ぐらいの意味でしょう。

「加速する」と言わずに「加速化させていきたい」などというのも、よく聞きますね。
「加速化」とは「加速する方向で、諸準備を進めていく」というニュアンスです。まだ加速してない。

政治家って、よほど言質を取られるのがイヤなんでしょうか。威勢は良いけど中身の無い言葉が得意ですね。

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春インフル
- 2017/04/28(Fri) -
この時期にもまだ、インフルエンザが散発しています。
つい先週、埼玉県の高校で全校生徒の1割強に相当する101人が欠席し、学校閉鎖になったと報じられました。
埼玉だけではありません。熊本でも益城町の中学校で先週、学年閉鎖が起きているようです。

当院の受診者では、インフルエンザの方はだいぶ減りましたが、このまま終息という保証はありません。

このような時期のインフルエンザには、「春インフル」という呼び名が付けられているようです。
「春だというのに、今年はまだインフルエンザが出てますね」などという言葉が、しばしば聞かれます。

でも、本当にそうでしょうか。今年は流行が異常に長引いているのでしょうか。
調べてみたらちょうど4年前にも当ブログで、「一部地域ではインフルエンザが流行中」などと書いています。

この時期にインフルエンザが出ると、「春なのにインフルエンザ?」と、毎年思うだけなのかもしれません。
国立感染症研究所のサイトで過去10年間の流行グラフを見ると、今シーズンはまったく例年通りのようです。

と思っていたのですが、厚労省のサイトで全国の学校のインフルエンザ情報を見て驚きました。
先週(4/17ー4/23)は、全国で11校が休校し、学年閉鎖は146校、学級閉鎖は353校で実施されています。

いまだに流行が続いているのか、と驚くのはまだ早い。むしろ学校での流行は、いま増えつつあります。
先々週(4/10ー4/16)は、休校3、学年閉鎖35、学級閉鎖46校だったからです。

新学期が始まって、子どもたちの集団生活が再開され、流行が拡大しやすくなったということなのでしょうか。
この大型連休で、学校は休みになりますが、行楽地等では人間が密集します。さて流行はどうなるか。

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いきなり歩く
- 2017/04/27(Thu) -
「大型飛び石連休」に突入したことは、昨日書いたとおり。今回の連休のテーマは、運動不足の解消です。
「1日1食 + 毎晩ブロッコリー」だけでは、体重維持の手段としては、必ずしも健全ではありません。
やはり適度な運動が必要なのです。そんなことはわかっています。わかっちゃいるけど、やってない。

そこで今日は、自宅からクリニックまで歩くことにしました。自転車ではなくウオーキングです。
せっかくの休日だというのに、行き先はクリニックです。距離は5キロ少々。
出かける前に日差しに気づき、急遽、散髪に行きました。変な日焼けを防ぐためです。
十分にストレッチして、軽装で出発です。スマホとカギを入れたウエストポーチが、体に食い込みます。

道中の退屈しのぎに音楽でも聴こうと思ったら、iPhone 7 Plusにイヤホンジャックが無い!
安全のため自転車では音楽を聴くことがなかったので、これまで気付きませんでした。
本来なら、ワイヤレスの「AirPods」(通称「うどん」)を使うべきところですが、購入していませんでした。
これを書いている今になって、イヤホンとLightingをつなぐアダプタがあることを思いだしましたが、手遅れ。

よって今日は音楽なしで、道ばたの草木や街並みや周囲の風景を眺めながら、適度に休憩しながら歩きました。
自宅からクリニックまでは、標高で言うなら下りなのですが、最後に白川の河岸段丘の段丘崖が待っています。
これをゼーゼー言いながら登り切り、ようやくクリニック着。所要時間70分。汗ダクダク。

3時間ほど休憩してクリニックを出発。また歩いて帰らなきゃならないのが、わかってはいたけど、つらい。
こんどは休憩なしで、とにかく風呂に入りたい一心で、サクサク歩いて帰りました。帰路の所要時間は55分。
往復で14,700歩でした。かなりの筋肉痛が、たぶん明後日ごろやって来ると思います。

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大型飛び石連休
- 2017/04/26(Wed) -
大型連休に突入しました。
お前そりゃ気が早いだろう、とおっしゃる方もいるでしょうが、当院は、明日4月27日(木)から連休なのです。

種を明かせば、明日(木)と明後日(金)を2連休し、その次の土日は診療します。
その次の週は、5月1日(月)と2日(火)を2連休し、3日(水)と4日(木)は診療します。

連休期間中でも、土日祝日はなるべく診療し(火金は休診)、そのかわり平日に臨時休診する計画です。

その結果、明日から5月7日(日)までは、2休→2診→2休→2診→1休→2診、という飛び石連休になりました。
暦通りに休む一般企業ならこの期間は、2勤→2休→2勤→5休、と終盤に5連休が控えているところです。

当院では最大で2連休しかありませんが、ちょっと働いたらまた休み、という飛び石気分は十分堪能できます。
「休前日」を何度も味わうことができるのが、飛び石連休の良いところです。

また、当院の職員は、年次有給休暇を適宜取ることによって、飛び石をつなげれば、長期連休になります。

今のような、土日祝日診療、火金休診、というパターンは、今後しばらく続ける予定です。
将来、体力的な理由等から、休診をもう少し増やそうという気分になったら、さてどの日を休みましょうかね。

(案1)火・水・金を休診:現行の休診日に、水曜休診を加える形。移行は容易。
(案2)月・水・金を休診:飛び石連休を堪能するためには、最適なパターン。
(案3)火・水・木を休診:毎週必ず3連休。これも捨てがたいか。

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失言の撤回
- 2017/04/25(Tue) -
今村雅弘復興相はやはり、東日本大震災に関連した発言が元で、辞任することになりました。

(1)「これはまだ東北で、あっちの方でよかった。もっと首都圏に近かったら、莫大な被害だったと思う」
(2)「東北であれだけひどい被害だったのだから、もっと首都圏に近かったら、さらに莫大だったと思う」

大臣の失言は(1)です。「よかった」がNGワード。「まだよかった」と弱めに言ってもマズイです。
しかしこれが(2)であれば、結論は同じでも、あまり問題にならなかったかもしれません。
東北の被害を教訓として、首都圏も備えなければならない、という前向きな趣旨であれば許容されるでしょう。

大臣の失敗は、聞き手の気持ちを十分に配慮して言葉を選ぶ、ということができなかったことです。
これは決して言葉尻の問題ではなく、平気でそのような発言をしてしまう、大臣の人間性の問題です。

最初の失言で性根が露呈してしまうと、発言そのものをいくら取り消したところで無意味です。
だから大臣は、「被災者を傷つける発言をしました」と、発言だけを謝罪してもだめなのです。
「被災者のことを真剣に考えてなかったので、あのような愚かな発言をしてしまいました」ぐらい言わなきゃ。
どっちみち、大臣失格ですけどね。

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定刻での業務終了
- 2017/04/24(Mon) -
ヤマト運輸が今日から、ドライバーへの直通電話と再配達受付時間の締め切りを、19時までに短縮しました。
長時間労働やサービス残業の慢性化が問題になっていたからです。そもそも仕事量が多すぎるのです。

似たような状況は、他の企業や、官公庁や、医療機関にもあるはずです。
当院でも、平日19時、土日祝日は17時までの診療時間が、いつも大幅に延長する問題が続いています。

なぜそうなるかと言えば、診療を求められたら、原則として断らない方針でやって来たからです。
かつてはそのようなやり方で、夜10時11時まででも診療を行っていましたが、さすがにそれは問題です。

この件は前にも書いた通り、徐々に改善してきたつもりですが、まだまだ時間外診療が続いていいます。
ヤマト運輸の件で、世の中が労働時間に厳しくなってきたこの機会に、当院でもさらに見直しを検討しました。

(1)診療を、なるべく定刻通りに終わらせる。
(2)そのために、予約受付段階でやんわりとお断りする。

多くの医療機関では、昔からすでにやっていることかもしれませんが、当院ではまだ不慣れです。
いまだに診療時間の最後の方のやりくりが下手なのか、どうしても30分以上は延長してしまいます。
どうやったら定刻に診療が終了できるんでしょうね。

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日本列島沈没
- 2017/04/23(Sun) -
北朝鮮が、韓国と日本と米国を牽制して、次のような声明を発表しました。
「南朝鮮が灰となり、日本列島が沈没し、アメリカ本土に核が降り注いだとしても、後悔してはならない」

焼き尽くされても核攻撃されてもまだ、国家は再建できますが、国土が沈没させられては、どうしようもない。
日本列島は、ひょっこりひょうたん島のように浮いてるわけではありませんが、ともかく沈めるというのです。

いったいどのような攻撃によって、沈没させようというのでしょう。デジタル大辞泉によると「沈没」とは、
1 船などが水中に沈むこと。
2 酒に酔いつぶれること。
3 遊びに夢中になって仕事や用事を忘れてしまうこと。特に歓楽街などに入り込んでしまうこと。

となると北朝鮮は、日本列島に酒爆弾とか何か楽しいモノを降り注ぐつもりなのでしょうか。

もともと「日本沈没」などと言い出したのは、作家の小松左京氏です。私が中学生のとき(70年代前半)です。
映画『日本沈没』も、テレビドラマの『日本沈没』も、いずれも観ましたが衝撃的でした。

日本列島が海中に没するというストーリーには、科学的な理屈がありました。「プレートテクトニクス」です。
それまでほとんどの国民が聞いたこともなかったこの学説が、映画によって、ごく一般的な用語となりました。
太平洋プレートとフィリピン海プレートが日本付近で沈み込んでいることは、いまなら誰でも知っています。

北朝鮮は、プレートのどこかを効果的に攻撃して、列島付近の地殻活動を刺激しようというのか。まさかね。
もちろん「日本列島沈没」は比喩的表現ですが、どうして「沈没」という言葉を選んだのでしょう。
大陸(半島)側から見て日本列島というのは、海に浮かぶ邪魔な(沈めてしまいたい)存在なのでしょうか。

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ブルーインパルス
- 2017/04/22(Sat) -
航空自衛隊のアクロバット飛行部隊「ブルーインパルス」が、「熊本復興飛翔祭」で明日、展示飛行をします。
今日はその予行として、明日の本番と同じ時間帯に、熊本などの上空を飛んでいたようです。
診療中だったので、残念ながら見ることは叶いませんでしたが、その爆音がしばらく聞こえてきました。

ブルーインパルスの曲芸飛行は、子どもの頃にはよく見ていました。
航空自衛隊基地のある、山口県の防府に住んでいたからです。その航空祭のときに、飛んで来るのです。
自宅が基地に近く、付近に高い建物もなかったので、家の屋上から曲芸飛行の全貌を見ることができました。

そのブルーインパルスの元隊長さんに、医者になってから出遭いました。私が担当した患者さんでした。
術後経過も良く、私はたびたび回診して、隊長さんの体験談を聞きに行きました。
映画「トップガン」がヒットした頃でもあり、興味は尽きませんでした。
急上昇するときのGが強くて網膜の血液が失われ、景色がモノクロになるとか、なにしろそんな話でしたから。

「熊本復興飛翔祭」では、曲芸飛行は行わず、スモークを使った展示飛行にとどめられるようです。
このたびの行事の趣旨からいえば、あまり派手なお祭り騒ぎをするタイミングでもないでしょう。

ブルーインパルスの本拠地は、宮城県の松島基地にあります。浜松と築城基地を経由して熊本に来るそうです。
6年前の3月12日に九州新幹線が全線開通したときにも、ブルーインパルスの展示飛行が行われる予定でした。
しかしその前日に東日本大震災が起き、展示飛行どころか九州新幹線関連の祝賀行事はすべて中止されました。

たまたま地震の前日から九州入りして準備していた機体が、被災を免れたのは、よく知られる話です。
奇しくもそのブルーインパルスが、こんどは熊本地震の復興を応援してくれるというわけです。
熊本の少年・少女や、元少年・元少女たちには、きっと励みになると思います。

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脳で文字入力
- 2017/04/21(Fri) -
Facebookが、頭に思い浮かべるだけで文章が書ける、コンピュータの入力技術の開発を進めているとのこと。
帽子型のセンサーで脳の活動を「読み取る」ようで、脳に電極を刺す方式ではなさそうです。よかった。

このような未来的な技術は、いつか実現できるだろうとは思ってますが、真面目に開発されると戸惑いますね。

Facebookの当面の目標は「1分間に100個の言葉を、思い浮かべるだけで入力できるようになること」とか。
当ブログなど、おおむね頭に思い浮かんだ言葉を書き並べただけなので、そのシステムはうってつけです。

いや、違った。頭に思い浮かんだ邪念や奇妙キテレツなことを必死で消し去りつつ、書いていたのでした。
それらを全部文章化されたら、たまりません。これでもある程度は、考えながら書いているのです。
「それにしては奇妙キテレツなブログだな」という指摘は左へ受け流します。

コンピュータへの「入力」というのは、人間から見れば「出力」になります。
人間からの「デジタル出力」という意味でとらえると、その逆の「デジタル入力」の開発も進むでしょう。

センサーや入出力用装置は小型集約化されて、たとえば歯の中に埋め込んだりすると目立ちませんね。
それが青色なら「Bluetooth」です。どこかで聞いたような気もしますが、気にしません。

電話もメールも手紙も論文も、頭で思い浮かべるだけで完了。何かを書いたりしゃべったりする必要なし。
人と会っても会話は不要。ただし、思っていることがそのまま伝わるので、完全に本音トークになります。
邪念が多い私の場合、いろいろとまずいことが起きるかもしれません。

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大局的マインド
- 2017/04/20(Thu) -
「一番の癌は文化学芸員。この連中を一掃しないと駄目」という地方創生担当相の発言が、炎上中です。
「学芸員の方々も観光マインドをぜひ持ってもらって観光を進める必要があるという趣旨」だったそうです。

冒頭の発言は責められるべきですが、その趣旨については、私はある程度理解できます。
しかしまあ大臣なんだから、常識的マインドをぜひ持ってほしいものです。

学芸員でも、学者でも、医者でも、そのプロフェッショナルだけに徹すれば良い、とは限りません。
何のために仕事をしているのか、ということを突き詰めたら、自分と家族と社会と未来のためだと思います。

プロに徹するのが自分勝手だとは言いませんが、そのプロも、誰かほかのプロに支えられているはず。
プロの農家が作った野菜を食べ、プロの技術者が作った車に乗っているわけですから。
他の業種や、社会全体にも貢献する意識を持って、さらに言うなら未来に続く仕事をしたいものです。

昔から「医は仁術」なんてい言いますが、いまは病院の勤務医にも経営マインドが求められます。
ある意味「医は算術」的な側面も、必要になってきたのです。経営あっての医療だからです。

とは言え、算術にばかり偏りがちな昨今、たとえば診療報酬の削減も、ほどほどにしてもらいたいものです。
医者には伸び伸びと良い仕事をさせて、国は大局的マインドを持って、社会保障政策を進めてしてほしい。

学芸員の件は、彼らを監督する官庁にこそ問題があり、大臣発言はまさにブーメランです。
専門家に良い仕事をさせて、その結果を観光につなげる工夫こそ、まさに地方創世大臣の仕事でしょう。

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ミサイル発射情報
- 2017/04/19(Wed) -
宮城県大崎市で今朝、「ミサイルが着弾する可能性がある」という内容の放送が、防災行政無線で流れました。
誤報でした。職員が事前に音声を確認しようとしたところ、誤って放送してしまったようです。

こんな誤報を出してると、やがて警報への信頼が失われ、いざ「本番」の時に誰も信じなくなってしまうぞ。
というのが私の、最初の感想。いわゆるオオカミ少年です。

ただしイソップの物語では、少なくとも初回の「誤報」では、人々は少年を信じて警戒しました。
はたして今日、大崎市民は警報を信じたのでしょうか。避難騒ぎが起きたのでしょうか。

ネットで大崎市民のツイートを見ると、「テレビで何もやってない」ので、警報は信じてなかったようです。
驚いたり怖がったり、皆さん戸惑ってはいたようですが、大慌てで避難したという話は出てきません。

そうこうするうちに(誤報の6分後)、「試験放送」だと訂正(言い訳)放送があり、さらに誤報だとの放送。
そう判明した後から、大崎市を責めるツイートが続出。まあ、平和なもんです。

誤報は確かに人騒がせですが、市民ののんきな反応の方が、もっと問題でしょう。
北朝鮮からのミサイルは、発射から10分以内に日本に着弾します。
J-ALERT」は、ミサイル発射を関知してから警報を発するまで、数分かかると言われています。
従ってJ-ALERTの着弾警報を聞いたら、3,4分しか時間がありません。何も考えず避難するしかないのです。
ツイートしてる暇もなければ、テレビで情報を確認するのも時間の無駄。

今回の誤報騒動によって、日本人の平和ボケが露呈しました。このままでは、J-ALERTも役に立ちませんね。
そのことに気付かせてくれた、大崎市のいわば抜き打ち予行演習でした。

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Amazonは通常配送
- 2017/04/18(Tue) -
ヤマト運輸は、ドライバーらへの未払い残業代が190億円以上あると発表しました。
サービス残業については、労働基準監督署から是正勧告を受けたりして、以前から問題になっていました。

先月、ヤマトが値上げすると報じられて以来、宅配サービスのいろんな問題が表に出てきています。
ドライバーは人手不足なのに、扱う荷物は増え続け、時間指定に縛られ、おまけに例の「再配達」問題。

荷物が増えても儲からず、ドライバーが悲鳴を上げるようになった原因は、やはりAmazonなんでしょうか。
ついにヤマトは、Amazonの当日配送サービスの受託から撤退すると言い始めました。

そういえば、いつの頃からか私は、Amazonのプライム会員になっています。
普通に注文しても、たいてい自動的に「お急ぎ便」になるので、すぐに届けてほしいときには助かります。
ですが、何も急いでいないときにも、「お急ぎ便」で届きます。これはいけませんね、いま思えば。

たまに、読みたい本を注文したら、すぐに手元に届くのは嬉しいのですが、でも読む暇がなかったりします。
翌日読めばまだ良い方で、どうかすると積ん読状態。「お急ぎ便」の意味ないですね。これはダメ。

本当に急ぐときには、「当日お急ぎ便」がとても便利です。これもプライム会員なら無料。
ところが熊本の場合、鳥栖から発送されても届くのは夜になり、結局、職場では受け取れないことが多いです。
今日中に届けてくれと頼んでおきながら、受取場所には居ない。これはいちばんいけませんね、ホントに。

そんなわけで最近は、「お急ぎ便」などのチェックを外して「通常配送」に変えて発注しています。
これでドライバーの方の負担が、少しでもやわらげばと願っています。
もはや、Amazonプライム会員である必要もないかも。

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麻疹の輸入と集団発生
- 2017/04/17(Mon) -
麻疹の排除」を2年前にやっとWHOに認めてもらえた日本ですが、今年も麻疹の集団発生が起きています。

今年第1〜13週に報告された99例の麻疹のうち68例が、山形・東京・三重・広島の4都県で発生しています。
とくに問題は、海外からの輸入による集団感染です。山形のケースは、バリ島から帰国した方が発端者でした。

このように、国内の土着の麻疹ウイルスは排除できても、近隣諸国からウイルスが持ち込まれてしまうのです。
天然痘のように地球上から病原体を完全に撲滅しない限り、国境をまたいだ感染は防ぎきれません。

いつかブタインフルエンザが流行した時、空港での「水際作戦」が敢行されたことを思い出します。
あの手法では、すでに発症(発熱)した入国者は見つかっても、潜伏期の感染者はスルーしてしまいます。

まして麻疹の潜伏期は10〜12日と長いので、10日以内の旅行であれば、発症は必ず帰国後になります。
その方がやがて発熱しても、当初は風邪との区別もつかず、そうこうしているうちに周囲に感染を広げます。

まずは、海外に渡航しようとする者は、必要に応じて事前にワクチンを接種しなければなりません。

たとえウイルスが輸入されても、地域の大多数の住民が麻疹の免疫をもっていれば、集団感染は起きません。
ウイルスを持ち込んで国内で発症した人が治癒すれば、それで感染源は消えます。
ところが、ワクチン未接種等の理由で、免疫をもっていない人(感受性者)が多数いると、感染が広がります。

国内の麻疹発生が限りなくゼロになっても、MRワクチンの定期接種を続ける必要があるのは、そのためです。
ほとんど流行してないから、自分はワクチンを接種しなくてもいいだろう、なんていう考えは最悪なのです。
現にポリオではそのように思っている方もいますが、もしも海外から持ち込まれたら、それこそ一大事です。

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震災と温度差
- 2017/04/16(Sun) -
熊本地震の本震が起きたのは、1年前。4月16日の未明でした。
前震の夜から大量に放出されていた私のアドレナリンも、本震ですっかり枯れ果て、力が抜けてしまいました。
私や家族や自宅に致命的な被害がなかったことで、ひと安心したのかもしれません。

真夜中に、Facebookでクリニック職員の安否を確認。けが人はなさそうでしたが、皆さん大混乱です。
夜が明けてわが家の被害確認もそこそこに、むしろいつもよりも早いぐらいの時間帯に、私は出勤しました。
ともかく朝いちばんに、クリニックの状況を確認しようと思ったからです。

最初に建物の外観をざっと見た後、院内に入って真っ先に確認したのは、薬品保冷庫です。
さいわい停電はしておらず、保冷庫の庫内温度も正常でしたが、夜間に停電していた可能性はあります。
自宅では、本震の直後に数分間停電しました。それぐらいの時間なら、庫内温度は上がっていないはず。
もしも真夏で、停電時間も長かったら、生ワクチンはダメになっていたことでしょう。

次は、電話回線やインターネットや院内LANの接続確認です。
アナログ回線とは異なり、光電話はこういうときに弱いのですが、さいわい電話もネットもLANもOKでした。
しかし、電子カルテのサーバー機が破損していたほか、クライアント機もほとんどが床に落下していました。
そのいきさつは1年前に書きましたが、なんとか工夫して、サーバー機を交換することができました。

機器の再設定やソフトの再インストールなどは、電子カルテの業者と電話でやりとりしながら行いました。
でも電話口の向こう(=東京)では、こんな日にも平然と通常業務をしていることが、私には妙な感覚でした。
そりゃそうでしょうけどね。東日本大震災とは違って、熊本地震は東京には何の影響もなかったわけですから。
所詮、東京から見たら遠い九州の出来事なんだなあと、その温度差を思うとちょっと寂しくもありました。

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地震に備えているか
- 2017/04/15(Sat) -
熊本地震はしばしば、前震の2日後に本震が起きたと言われますが、そうではありません。二晩連続です。
前震の翌日の4月15日、混乱の中をバタバタと片付けて疲れて眠り込んだら、その夜中に本震が来たのです。

いったんは元通りに片付けた家具調度や書籍などがまた、倒壊したり落下して散乱し、多くが破損しました。
次にまた、同程度以上の揺れが来るとは思っていなかったので、単純に元通りにしか片付けなかったのです。

このことから言えるのは、次の地震への備えは、地震の直後から行うべし、ということでしょうか。
一度大きな地震が起きたら次はしばらく来ない、などと思うのは迷信。一度あることは二度あるのです。
ピンチの後にはチャンスが来る、なんてのはスポーツの話。災害の場合、ピンチの後には大ピンチです。

断水であれだけ苦労したのに、院内でいま水を備蓄しているかといえば、していません。
パソコンをデスクへ固定していたのは一時的。パソコンが床に落下して3台破損したことは、もう忘れてます。
このあたりはあらためて反省し、何らかの具体的な対策を計画するべきでしょうね。

当院には入院設備はないので、夜中に起きた大地震で、急遽クリニックに駆けつける必要はありませんでした。
地震の翌朝にも、自宅に大きな被害の無かった一部の職員にだけ、出勤してもらいました。
優先順位は「自分>家族>自宅>職場」であると職員に指示できたのは、当院に入院患者がいないからです。

一方で病院の場合、「自宅・家族」と「職場・患者」との優先順位を、職員各自が判断しなければなりません。
熊本の多くの基幹病院で、被災した自宅を後にして多くのスタッフが病院に緊急出動したと聞きました。
医療従事者というのは、このようなとき使命感に燃え、底力が出るものです。

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熊本地震から1年
- 2017/04/14(Fri) -
熊本地震から、1年たちました。もう1年たったのか、というのが私の思いです。
多くの命や家が失われ、今なお1万人以上の方が仮設住宅に、3万人以上がみなし仮設住宅に住んでいます。
あちこちに建築中の建物が見られますが、まだ解体されていない被災住宅や、更地も目立ちます。

以前よくドライブしていた阿蘇方面に向かう道路は、メインの国道57号線が、いまだに通行止めです。
そのシンボルともいえる阿蘇大橋が崩落しただけでなく、山の斜面崩壊によって周囲の道路が寸断されました。

国道57号の迂回ルートは、しばらくは、北回りのミルクロードと、南回りのグリーンロードだけでした。
いずれもかなり遠回りの山道。ドライブするならともかく、日常の移動や物流には難儀するルートです。

その後、3つめの迂回路である俵山トンネルルートが開通しましたが、まだ走ったことがありませんでした。
そこで今日は、阿蘇方面の花見を兼ねて、俵山ルートをドライブしてみました。

俵山には元々、急カーブが続く険しい旧道と、トンネルと橋が美しいバイパスがありました。
いま開通しているのは、その両者を部分的に修復・拡幅してつぎはぎし、さらに新設道を加えたルートでした。
橋の復旧工事を横目に見ながら、かなりの急カーブや、ひどい急勾配を走ります。どう見ても暫定的な道です。

道路沿いの草原に立ち並ぶ風力発電機が、俵山の名物のひとつなのですが、回っていたのは1つか2つ。
他のほとんどの発電機にはハネがなく、土台だけがまるで煙突のように、寂しく林立していました。

南阿蘇村に着くと、「一心行の大桜 満開」との看板が出ていました。
今日はしかし、ちょうど「桜まつり」が開かれていた、高森町の「千本桜」の方に行きました。
阿蘇には思いのほか桜が多いことに、今日あらためて気付きました。ちょうど今が見頃です。

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HPVワクチン進まず
- 2017/04/13(Thu) -
子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)は、もう4年近くも、積極的勧奨接種が差し控えられたままです。
世界中で接種が行われ、おそらく数十年後には、子宮頸がんを激減させることが期待されているワクチンです。

日本の若い女性たちは、自分の意思か不本意か、定期接種の対象年齢を未接種のまま過ぎ去りつつあります。
接種機会を事実上奪われた彼女たちが、数十年後に子宮頸がんを発症したとき、誰を恨めばよいのでしょう。

そのような状況がまともだとは、厚労省も思ってはいないはず。接種再開への道を探りつつあります。
最後の切り札とも思えたのが、昨年末の「厚労省班研究祖父江班」の研究結果でした。

それは「HPVワクチンの副作用と思われている症状は、非接種の女性にも見られる」という衝撃的な内容。
報道ステーションが何度も映像を流した悲惨な症状は、ワクチンとは無関係であることを示唆するものです。

ところが、そのセンセーショナルな研究報告で、濡れ衣を晴らせたかと思いきや、厚労省は動きませんでした。
いかに科学的根拠があっても、国民が安心できるレベルには至っていないと考えたのでしょうか。

それから数カ月経ち、つい3日前にまた厚労省が審議会を開きましたが、新たな事実は何もありません。
昨年の研究結果を、もういちど見直しただけです。そして結論は「さらに議論が必要」だと。なんじゃそりゃ。

いくら議論しても新事実が出てくるわけでもなし、勧奨接種を再開に導く根拠が見つかるとは思えません。
かといって新事実が出てこないのに勧奨接種を再開したものなら、今まで接種を止めていた根拠を問われます。
おまけに勧奨接種を再開後に何らかの副反応が出たら、メディアや市民団体に叩かれるのは必至。

もはや厚労省には、勧奨接種の再開を決断する力はありません。ここは、政治決着しかないでしょう。

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一晩寝かせたカレー
- 2017/04/12(Wed) -
世田谷の幼稚園児ら76人に嘔吐・下痢を引き起こした原因は、「ひと晩寝かせたカレー」でした。
カレーのようなとろみがある料理は、熱した後は冷めにくく、熱に強いウェルシュ菌が増殖しやすいようです。

このような食中毒が起きるたびに、「ひと晩寝かせたカレーが危険なのは当たり前」みたいに報じられます。
しかしそれが、「乳児にハチミツを与えてはいけない」と同じぐらいの常識とは思えません。

昔から、カレーは寝かせるほど美味くなると信じられているので、その危険性は受け入れがたい面もあります。

カレーはたいてい、大鍋で大量に作ります。わが家もそう。だから作ったその晩のうちには食べきれません。
翌日の昼にはたぶん家人が食べているでしょうし、その晩には私もカレードリアを食べることになります。

少なくとも、カレーを常温で寝かせるのはやめて、作ったらすぐ冷蔵または冷凍保存すべきなのでしょうね。

奇しくも、カレーとハチミツに共通するのは、食中毒の病原体がめっぽう熱に強いと言うことです。
前者はウェルシュ菌、後者はボツリヌス菌であり、高温などの環境では「芽胞」を作ってその中で休眠します。
100度ぐらいなら数時間耐え、180度でもすぐには死滅しないといいますから、ドリアでもダメですね。

いや待てよ。圧力鍋なら滅菌できませんかね。ウェルシュ菌がいるのはたいてい、ジャガイモなどの野菜です。
最初に具を煮込むときに、2気圧120度で十分に加熱しておけば、無菌カレーができるのでは?
と思ってググったら、すでに知られている調理法でした。これって、実験的に証明されてるのでしょうか。

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受動喫煙問題
- 2017/04/11(Tue) -
自民党内でも意見が分かれる事柄はいくつもありますが、受動喫煙対策の論争は、いただけませんね。
対立軸は「禁煙」vs「分煙」。「党受動喫煙防止議連」vs「党たばこ議連」と言い換えることもできます。

「受動喫煙防止議連」は、このたびの厚労省案に従って、受動喫煙の規制を強化せよ、という人たちです。
一方で「たばこ議連」は、飲食店に「喫煙・分煙・禁煙」の表示を義務づける、という対案を出しています。

たばこ議連というのはつまり、愛煙家の集まりですよね。いま、肩身が狭くなりつつある人たちです。

その自民党の愛煙家のオッサンたちの肩を持つ報道をしているメディアがあり、禁煙学会が反発しています。
先月、各メディアが行った世論調査の結果が、真逆だからです。

朝日新聞:原則禁煙(厚労省案)「賛成」が64%
毎日新聞:原則禁煙(厚労省案)「妥当」が58%
産経新聞:たばこ議連の案を支持する声が60.3%

日本禁煙学会が発表した調査結果では、圧倒的に厚労省案が支持されており、産経の調査には疑問があります。
調査対象中の喫煙者の割合などの詳細を公表しておらず、客観性に問題があるかもしれません。
アンケートなんて、調査対象の選び方によっては、恣意的な結果が出せるということの見本ですね。

世界が禁煙を推進しているいま、「愉しみを奪うな」と厚労省案に反対する議員には、未来はありません。

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将来推計人口
- 2017/04/10(Mon) -
国立社会保障・人口問題研究所が今日、長期的な日本の人口を予測する「将来推計人口」を公表しました。
それによると2065年の人口は、2015年比3割減の8,808万人と試算されています。
これでも、近年の30代から40代の合計特殊出生率の改善を受けての「上方修正」による数値だといいます。

それにしても50年で3割減というのは、かなり急激な人口減少ですね。
高齢化率、すなわち65歳以上の割合は、2015年の26.6%から50年後には38.4%に激増するようです。

50年後でそれですから、100年後の総人口の推計値は、現在の半分以下の5,055万人という驚くべき数値。
もしも出生率を1.00と低く見積もった場合には、100年後の人口は現在の5分の1の、わずか2,649万人です。
さらにその場合、高齢化率はなんと50.3%。すごい未来もあったものです。

ところがもしも、出生率を2.00にすることができたなら、100年後の人口は1億1万人と推計されるそうです。
2.00というのは、日本では1974年ごろの出生率ですが、現在のフランスは、この数値を維持できています。

フランスは数十年前から、あの手この手で少子化対策に取り組み、それを成功させました。
一方で日本は数十年前から、高齢化対策にばかり目が向き、気がつくと危機的な少子化に向かっています。

2つの問題を一緒くたにして論じる「少子高齢化」という言葉が、そもそも間違ってないですか。
本当に重要な問題は少子化であり、高齢者が増えて起きているさまざまな問題は、少子化の結果に過ぎません。
「票」につながる目先の高齢化対策ばかりやってきたものだから、ひどいしっぺ返しに遭っているのです。

フランスというお手本もあるし、さっさと強力な対策を打ち出してほしい。森友なんて、どうでもいいから。

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応召義務と超過勤務
- 2017/04/09(Sun) -
残業上限60時間」と1月に書いた、政府の「働き方改革実行計画」が、「上限100時間」に緩められました。
おまけに医師に対しては、この規制の適用が5年間猶予されました。まったく、骨抜きというほかありません。

昨年自殺した、新潟の女性研修医は、月200時間以上の残業が4カ月続いていたそうです。
多くの勤務医は毎晩遅くまで仕事して、夜遅くに帰宅しても、呼び出されたらすぐ病院に駆けつける生活です。
患者の容態が気になるなら病院に泊まり、土日も欠かさず出勤する。そのような医師は、いくらでもいます。
だれもが過労状態です。カラダを壊すか、精神を病むか、その瀬戸際のような医者も、多いのです。

「残業100時間以上は絶対禁止」。病院長からそのような命令が出れば、どれほど楽なことか。
しかしそれをやると、病院が回りません。急変患者への対応が間に合わず、患者はひどい目に遭います。
急患手術を深夜に行った外科医が翌日は休む義務が生じたら、予定手術のキャンセルが相次ぐことでしょう。

いくら長時間労働になっても、過労気味でも、患者の求めに応じて診療に当たる義務が、医師にはあります。
応召義務」という名の、いわば超法規的な規定であり、事実上、労働基準法違反を黙認するものです。
このたびの「働き方改革実行計画」も、この応召義務にはあらがえず、医者への適用が猶予されました。

日本病院会の調査では「日本の医療は労働基準法違反を前提に成り立っている」と考える病院が47%でした。
診療報酬が安いので、病院は雇用する医師数をケチり、医師一人当たりの仕事量が増えているのです。

さて、残業規制の適用が猶予される5年間の間に、いったい何が変わり、何が是正されるのでしょう。
勤務医が急に増えるのですか。医者を増やしても病院の経営が成り立つ仕組みに、急に変わるのですか。
2025年へ向けて、医療需要がどんどん増えていくというのに、勤務医を守る改革はなされるのでしょうか。

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乳児ボツリヌス症
- 2017/04/08(Sat) -
生後6カ月の赤ちゃんが、ハチミツを食べて「乳児ボツリヌス症」を発症し、死亡しました。

問題のひとつは、「乳児にハチミツを与えてはいけない」ということが、いまの日本人の常識かどうか、です。
(1)常識、(2)なんとなく、(3)聞いたことない

ボツリヌス菌の感染による症状は、菌が産生する毒素「ボツリヌス毒素」によって引き起こされます。

たいていは、食品の中で菌が増殖して多量の毒素を産生し、それを毒素ごと食べて発症する食中毒です。
学生時代には「いずし」で起きる食中毒だと習いましたが、大きな被害が出たのは「からしれんこん」です。
空気に触れないように発酵させたり、食品を真空パックすることが、ボツリヌス菌を増殖させやすいようです。

乳児では、比較的少量の菌を摂取しても、未成熟な腸管内で菌が増え、それが毒素を出して発症します。
80年代にハチミツが原因の事例が相次ぎ、「乳児にハチミツを与えてはいけない」ことが常識になりました。
おかげで90年代の乳児ボツリヌス症のほとんどが、ハチミツ以外の食品によって起きています。

それから20年以上を経て、世の中全体のハチミツに対する警戒が、緩みつつあるのかもしれません。
いまの若い親には、「乳児にハチミツを与えてはいけない」ことが、常識ではなくなりつつあるのでしょうか。

「クックパッド」で「離乳食 はちみつ」で検索したら、147件のレシピが出てくると、ネットで話題です。
実際には、1歳以上限定とする注意書きも見受けますが、それにしても、誤解を招きかねない情報です。

死亡するのは稀な疾患ですが、今回の赤ちゃんは、ハチミツを食べなければ死なずに済んだことは確かです。
この件は詳細に報じて、「乳児にハチミツを与えてはいけない」ことを、世の常識にしなければなりません。

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ゴミの分別
- 2017/04/07(Fri) -
ゴミの分別は、いつ頃からこんなに細かくなったのでしょうね。
私が子どもの頃は、ゴミと言えば、大きいか小さいかぐらいの区別しかなかったような気がしますが。

「分別」と書いて「ぶんべつ」と読むなど、都会の人が生み出した俗語かと、つい最近まで思っていました。

ゴミは、役場から配布された「ゴミ出しルール」のポスターに従って、分別して特定の曜日に出しています。
その種類は、燃やすゴミ、不燃ゴミ、資源物、粗大ゴミ、家電リサイクル法対象機器などに分かれています。

今月に入り、ついに一念発起して書斎の片付けを始めたところ、色んなモノが掘り出されてきたところです。
となると最初の作業は、その物品の「保存」「廃棄」「保留」の分別ということになりますね。
保存と決まれば、どこか適当な場所に再収納し、保留にした場合も結局、どこかにしまい込むことになります。

廃棄と決定したモノだけがすなわち、ゴミです。そして今度は、ゴミとしての分別作業に入るわけです。
燃やすゴミは赤い袋、不燃ゴミは黄色、資源ゴミは緑、という具合に専用のゴミ袋が決められています。
古いパソコンソフトのCD-ROMが出てきた場合、CDは赤袋、CDケースは緑袋に入れなければなりません。

ところが、一昨日出したわが家のゴミ袋(黄)が収集されずに放置されていることに、今日気付きました。
「違反ゴミ」扱いです。袋の表に記名して出すきまりなので、誰が違反したのか、すぐわかってしまいます。

あわててゴミ袋を自宅に持ち帰ってよく見ると、誰かの自動車のホイールキャップが中に入っています。
何者かが、わが家の不燃ゴミの袋に、そのホイールキャップをこっそり「混入」したようです。
町役場に問い合わせると、ホイールキャップは産廃扱いなので、家庭ゴミとしては出せないそうです。
しかし私に落ち度はないので、役場に持って行けば処理してくれるとのこと。さっそく持って行きました。
それにしても、いったい誰が混入したのでしょう。まったく無分別な人間もいたものです。

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百日咳の予防
- 2017/04/06(Thu) -
NHKが昨日のニュースで取り上げたので、このタイミングで百日咳の問題を書いておきます。

百日咳は、赤ちゃんが罹ると命の危険にさらされるほど重症になるので、ワクチンで必ず予防すべき疾患です。
生後3カ月から接種を開始できる「4種混合ワクチン」の中に、百日咳ワクチンが組み込まれています。
その「4種」とは、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオの4つ。それぞれ重篤な疾患です。
このうち百日咳以外の患者さんには、私はこれまでに一度もお目にかかったことがありません。

一方で百日咳は、ときどき当院を受診する成人の患者さんがいます。大学生などの間で流行したりもします。
百日咳は、乳幼児期にワクチンを接種しても、その効果が長続きしないのです。
NHKの番組では最短で4年だと言ってましたが、長くみても12年ぐらいで免疫が切れると考えられています。
したがって中高生、そしてすべての成人が、百日咳に罹るリスクがあるわけです。

ただ、大人が罹ると、咳はしつこいけど熱がないので、ただの風邪だろうと思ってしまうのが問題。
そんな大人が、もしもワクチン未接種の赤ちゃんに接触したら、大変なことになります。
このような悲劇を防ぐためには、成人を含めて全員が、免疫を維持する必要があります。

「4種」のうちのジフテリアと破傷風は、11歳から12歳が行う2種混合ワクチンで、追加免疫が行われます。
ところが肝心の百日咳は、いまの制度では追加接種が行われず、免疫切れが放置された状態です。
欧米ではすでに、その対策が講じられています。日本でも、追加接種の早期導入が求められています。
ただ、4種混合ワクチンですら、きちんと接種できていない人がいます。まずは、そっちの対策からでしょう。

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昼ときどきパン
- 2017/04/05(Wed) -
1日1食が定着していたはずの私ですが、休診日にはなんとなく、昼にパンを食べることが増えました。
その場合、メロンパンとあんこ系とチーズ系と調理系を数個組み合わせて食べ過ぎるのが、私の流儀です。

いつも同じ店で買うと飽きるので、かつては近所のパン屋数軒を、順繰りに巡ったりしていました。
しかしやがて、どこで買っても変わり映えがしなくなり、どの店のパンを見ても食傷気味になるのです。

そんなとき、日頃あまり通らないような路地に、ふと新しいパン屋を見つけると、これはもう新鮮です。

けんた君もきっと、いつもと違う散歩道に新しいパン屋を見つけ、新鮮な気持ちになったのでしょう。
東京書籍の小1向け道徳教科書の題材「にちようびの さんぽみち」は、当初そのようなストーリーでした。

しかしそのようなほのぼのした物語でも、道徳の教科書となると、検定の対象となるようです。
学習指導要領に示す内容「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度を学ぶ」に照らし、扱いが不適切だと。
「我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着を持つことの意義を考えさせる内容になっていない」そうです。
やむを得ず東京書籍は、「パン屋」を伝統的な和菓子を扱う「お菓子屋」に変更したわけです。

文科省は当然非難されるべきですが、それよりも私は、和菓子に食いつきました。食べ物だけに。

だって主人公は小1ですよ。散歩道でふと見つけて「あ、和菓子の店だ」なんて喜ぶでしょうか。
小1なら「あ、パン屋さんだぁ」の方がよっぽど自然でしょう。百歩譲って「ケーキ屋」でもいい。
私ぐらいの年代になれば、「おや、こんなところに和菓子の店がありましたか。ほほう」てなりますけどね。
いや、いまの私だと「あ、パン屋さんだぁ」です。

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公開交通取締り
- 2017/04/04(Tue) -
警視庁は、「公開交通取締り」と称して今月から、交通違反の取締り場所をHP上で公表しています。
そのうち「重点取締場所」には事故多発場所が設定されており、他に「速度取締実施場所」などがあります。

そんなの公開したら、その場所はみな気を付けるから誰も捕まりませんよ、と心配するには及びません。
捕まえるのが目的ではなく、あくまで事故防止のための公開取締りなのです。

違反しやすい場所、スピードを出しやすい場所で、泳がせておいて捕まえる従来の手法は、間違いです。
そのような場所では、本来は違反を未然に防ぐような形で取締るべきです。
取締りやすい(捕まえやすい)から取締るというのでは、事故防止の観点からは問題があります。

当院近くに、見通しが良いのに一旦停止が義務づけられた交差点があります。当然、取締りがよく行われます。
ドライバーは、安全のためというより、捕まるのを回避するために、その場所では必ず一旦停止します。
たまに捕まるのは、そこで取締りがよく行われることを知らない人です。運転が危険だからではありません。

そのような取締りをする暇があったら、もっと本当に危険な場所での取締りを強化してほしいものです。
今回の警視庁の公開交通取締りは、違反を検挙するよりも、事故を減らそうという、正しい考え方です。
もっとも、公開取締りで油断させといて、裏ではあちこちで「未公開取締り」が行われるに決まってます。
でもその両面作戦で、ちょうど良いと思います。

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将棋とAI
- 2017/04/03(Mon) -
将棋の第2期「電王戦」第1局では、AIの「PONANZA」が、人間の佐藤天彦名人を破りました。
羽生善治氏らを下して電王戦に出た、その佐藤氏に勝ったPONANZAは、現時点でほぼ、世界最強でしょう。

しかも、名人に勝っても成長を止める理由はなく、AIには無限の伸びシロがあることがまた、怖ろしい。

羽生氏が以前、将棋とAIの進化について対談したときのこと。
彼は「接待将棋」のことを話題にして、「接待ゴルフのような仕事は絶対なくなりませんよ」と語りました。
この対談をとりあげた記事のタイトルは、「人工知能に『接待将棋』はできない」となっていました。
まさか羽生氏の真意が、「人間はAIに勝てなくても接待将棋ができる」って情けないことじゃないですよね。

たとえAIがとんでもないレベルになったとしても、人間同士の勝負にこそ、将棋の面白さがあるはずです。
自動車という迅速な移動手段が発明されても、人は自分の足で歩き、走り、しかもその速さを競ったりします。
移動の速さで人が車と競争する意味が無いように、将棋の強さで人がAIと勝負してもしょうがないのです。

むしろAIは、そのレベルを自在に設定することができるので、人間が互角に戦える好敵手ともなり得ます。
人間と対戦しながら、そのレベルを判定して接戦や好勝負を演出することすら、AIには可能になるでしょう。
それはそれで、いいじゃないですか。少なくと、AIにとって接待将棋なんて朝飯前なのです。

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オレンズネロ
- 2017/04/02(Sun) -
ぺんてるの「オレンズネロ」という、最近話題のシャープペンを入手したので、そのレビューなど。

筆記用具のうち、診療中にいちばんよく使うのは、他の職場でも同じでしょうけど、普通のボールペンです。
職業柄、医薬品名のロゴが入った、黒単色か、3色とか4色のものを使っています。
多色のボールペンは、便利なんだけど必ずしも書き味がよくないので、あまり好みではありません。
黒色のインクだけが先に消耗してしまうのも、不経済で不愉快です。

背広の内ポケットには、ちゃんとしたボールペンも常備していますが、書き味で満足してはいません。
最高の書き味と思うのは、三菱鉛筆の「ジェットストリーム」ですね。これを超えるモノがなかなか出ません。

鉛筆を使う頻度は、私の場合は多くないのですが、一部の書類で鉛筆書きが求められます。
なので診察机の上のペン立てには、普通の鉛筆を1本置いています。
白衣のポケットにはしかし、鉛筆を差すわけにもいかず、いつかシャープペンを買おうと思っていたのでした。

ネットで見かけた「オレンズネロ」の記事が、私の琴線に触れました。どうせ買うなら話題の品でしょう。
なにしろ芯が「折れん」のです。しかも「ネロ」なのです。税込み3,240円という価格も、実に微妙な設定。

ところがAmazonで探すと、これがなんと8,700円。あろうことかプレミアが付いてる。付きまくっています。
数日後に見たら、こんどは9,000円。なんじゃそりゃ。楽天で見ても、似たような価格です。
あわてて文具店デサキに行ったら品切れ。予約注文して、3週間後にようやく入荷。本日ゲットしました。

自動芯出し機構は、シャープペンで長文を書く人には便利でしょうけど、書き心地はあまり良くないです。
芯をカバーしてるパイプがつねに紙を擦り、どうかすると紙に引っかかるんですよね。レビューこんだけ。

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レタスへ変更
- 2017/04/01(Sat) -
診察室のドアに、開院当初からずっと貼ってあるポスターのキャラクターの名前は、「シナモロール」でした。
そのサンリオのキャラクターのことを私は、この9年半の間ずっと「シナモンロール」と思っていたのです。
今朝スタッフから間違いだと指摘を受け、驚きました。思い込みというのは怖ろしいものです。

私が毎晩1株のブロッコリーを食べ続けているのは、それが多分体に良いことだという、一種の思い込みです。
でも、いいかげん飽きましたね、とでも言ったものなら、「飽きるの遅っ!」という、ご意見もあるでしょう。
話はすぐそれますが、最近よく耳にしますね、「早っ!」なんていう表現。芸人とかCMの影響でしょうか。
診療していると、とくに検査もなく診察がサクッと終わったら、「早っ!」なんて言う小学生がよくいます。

で、モスバーガーのサイトを見て、思いついたのです。そろそろブロッコリーをやめて、レタスにしようかと。

というわけで今年は、毎晩、レタスを1玉食べることにしました。ブロッコリーよりずっと食べやすそうです。
しかも、レタスを1年間続けたら、来年はまた別の野菜にすることに決めています。キャベツです。
キャベツは以前チャレンジしたことがありますが、1玉を全部食べるのはかなりの苦行になりそうです。
さらに、その翌年は白菜の予定です。これも以前試したことがありますが、鍋三昧の日々になることでしょう。
その次の年からも、毎年別の野菜にしていくつもりです。
タマネギ、ニンジンならなんとかなりますが、大根、カボチャの年は、かなり厳しくなりそうな気がします。

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