血圧人体実験
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- 2017/06/30(Fri) -
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ナイスじゃないカップ麺について、昨日書きましたが、塩分が多い食事を摂ると、ただちに血圧が上がるのか?
これは科学的に検証する必要があります。つまり、実験です。人体実験です。 そこで今晩、問題のカップ麺摂食前後の血圧、とくにスープを飲む前後の血圧を精密に測定してみました。 血圧は、オムロンの上腕式血圧計HEM-7600Tを使って、毎回2度計測してその平均値を測定値としました。 この血圧計は、測定値がBluetoothによってリアルタイムにiPhoneに送信され、記録・管理できます。 入浴後、ビールを2本飲み、地鶏焼きとカボチャコロッケと佐賀牛を食べ終わってから、実験開始です。 「カップヌードル ナイス 濃厚! ポーク しょう油」を、硬麺の状態で食べました。汁は全部飲みました。 まず、言いたい。塩辛いことこの上なし。カップの底に、濃厚な辛いスープが沈殿しており、のどが痛みます。 コクやうま味よりも、とにかく塩辛い。やっぱりダメでしょう、この味付けは。で、血圧は、 食前:116/73 → 麺食直後:108/68 → スープ飲んだ直後:101/62 → その30分後:108/70 めちゃ塩辛いスープを飲んだ直後は、血圧はむしろ下がっています。カーッとして、血管が拡張したのか。 その後、スコッチをロックで2杯飲み、1時間後に血圧を測ってみると、血圧はさらに下がって94/65。 食塩摂取による血圧上昇は、もっと後で起きるのでしょう。飲酒による血圧低下作用の方が強く現れています。 アルコールって、思いのほか血圧下げますね。飲酒後の入浴が危険なはずです。 |
ナイスじゃないカップ麺
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- 2017/06/29(Thu) -
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「カップヌードル ナイス」が、バカ売れしていると聞きました。「こってり濃厚だけどヘルシー」だと。
食べることの「罪悪感」を払拭すべく、糖質40%、脂質を50%減らしてヘルシーにしたというカップ麺です。 一見ナイスな話ですが、問題は塩分。濃厚でこってりな味にするために、塩分を増量しているからです。 通常のカップヌードル1個当たりの食塩含有量4.8gに対して、ナイス2種の食塩含有量は5.3gと5.6g。 ダメでしょう。塩分増やしちゃ。どうしてそれで「ヘルシー」なんですか、「ナイス」なんですか。 WHOが推奨する食塩摂取量は、1日当たり5gです。その量を、カップ麺1杯で超えるとは。血圧が心配です。 高血圧症の治療は、生活習慣の改善と、必要なら降圧剤によって行います。塩分制限はとくに重要です。 治療経過を見るために、患者さんには自宅で朝晩の血圧を測ってもらいます。 専用の手帳に、できれば折れ線グラフで記録してもらうと、血圧の推移の全体像がつかめます。 ときどき血圧が、ビュンッ、と上がっている朝がありますが、たいていその前の晩が飲み会だったりします。 飲み会翌朝の血圧上昇は、多くの患者さんで見られる現象です。原因はおそらく、塩分の摂りすぎでしょう。 居酒屋等のメニューを、しかも暴飲暴食して、おまけに締めのラーメンを食べたりすると、効果てきめんです。 その締めのラーメンを、「ヘルシー」だからと「カップヌードル ナイス」に変えても、ダメなのです。 通常品よりもある意味不健全なこのカップ麺を、「ヘルシー」だと強調して販売するのは問題でしょう。 少なくとも高血圧や腎臓病の方にとっては、ナイスじゃないッス。 |
禁煙外来、次も来てね
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- 2017/06/28(Wed) -
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「禁煙外来」における診療報酬「ニコチン依存症管理料」の算定要件が、今年から厳しくなっています。
禁煙外来は、5回の通院によって、問診・診察・呼気一酸化炭素濃度測定と禁煙治療薬の処方を行うものです。 ところが、途中で禁煙に失敗(または早々と成功)して、通院を自己中断する方がけっこう多いのです。 それどころか、初回だけ受診して、2回目からはもう来なくなる方も時々います。こういう方が問題です。 昨年の診療報酬改定によって、通院回数が少ない医療機関では、診療報酬が減額されることになりました。 過去1年間の禁煙外来の通院回数が、一人当たり平均2回未満の医療機関は、管理料が7割しか算定できません。 このたび厚生局から、昨年度の平均継続回数を算出して提出するようにと、調査用紙が届きました。 当院の実績を計算したところ、平均継続回数は2.75回。今年度の診療報酬は減額されずに済みそうです。 もしこの数値が2を下回ったら、全ての禁煙外来受診者に対して診療報酬が減額されるので、大変なことです。 それを防ぐためには、禁煙外来には必ず、少なくとも2回は通院してもらわなければなりません。 1回でやめるのは、禁煙治療を始めたものの禁煙できそうな気がしなくて、早々と治療を諦める方でしょう。 そのような、1回だけで通院をやめるケースが多い医療機関は報酬を減らすぞ、と厚労省は言うのです。 でもどうなんでしょう。1回だけでやめるかどうかは、その人の問題であって医療機関の問題ではありません。 確実に2回以上禁煙外来を受診できそうな人にだけ、禁煙治療薬を処方せよというのもおかしな話です。 むしろ、禁煙が成功する自信は無いけど禁煙治療にチャレンジしたい、という人を応援すべきじゃないですか。 禁煙治療の導入に積極的な医療機関ほど、禁煙外来の平均継続回数は減るんじゃないかとさえ思えるのです。 |
日本脳炎ワクチン厳しい
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- 2017/06/27(Tue) -
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全国的には不足していないと厚労省が強弁している「日本脳炎ワクチン」。現場ではまったく足りていません。
ワクチン不足の理由は、前に詳しく書きましたが、もういちど簡単にまとめるなら次の3つです。 (1)0歳6カ月からの接種を推奨する動きによって、乳幼児へのワクチン接種が拡大した (2)これまで定期接種が行われていなかった北海道での、日本脳炎ワクチンの定期接種が始まった (3)震災で製造を中断していた化血研が、復旧後から製造を再開したものの、できあがるのは来年1月 日本脳炎ワクチンの製造元は、阪大微研と化血研の2社。化血研のシェアは、かつて36.2%でした。 地元のメーカーということもあり、当院ではおもに化血研製の日本脳炎ワクチンを使っていました。 ところがその化血研製が完全に欠品となり、日本脳炎ワクチンの流通は阪大微研製だけになりました。 当院では、阪大微研製ワクチンを大慌てで薬品卸各社に発注したのですが、各社とも厳しい対応でした。 「申し訳ないですが、先生のところにはこれまで、阪大微研のワクチンを納入していなかったものですから」 つまり、納入実績が無い医療機関への新規納入は、現時点では難しいというのです。 薬品不足の際にはいつも、薬品卸はこのような態度になります。既存の顧客を優先するわけです。 そうは言っても、夏を前にして日本脳炎ワクチンの接種数がいちばん増える時期です。なんとか確保したい。 薬品卸各社に何度も何度もお願いして、少しずつ少しずつ、ワクチンを手に入れているところです。 当院かかりつけのお子さんへの接種分だけでも、と思って確保していますが、かかりつけ以外の方も来ます。 他の小児科で日本脳炎ワクチンの接種を断られた、と当院に来られる方にも、できれば接種してあげたい。 少なくとも乳児の場合には、人道的理由で、なるべく希望者全員に接種を行う方向で受け入れています。 今月はどうにかしのげました。来月も何とかなりそうですが、8月以降はかなり厳しくなると思います。 厚労省の言うようにワクチンが不足していないというのなら、余っているところから当院に回して欲しい。 |
秘蔵のスコッチ
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- 2017/06/26(Mon) -
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ショットバーなどに(ごくまれに)行くと、壁の棚にズラッと、さまざまな色や形のボトルが並んでますね。
できれば壁がガラス張りで、向こうに夜景が見渡せるような高層ビルの店が、自宅徒歩圏内に欲しいものです。 さて、現実にはほぼ毎晩「家飲み」の私です。日頃はビール。たまにワイン。ただし庶民的な価格帯のもの。 数年前からウイスキーに目覚め、休前日にはスコッチとバーボンを交互に呑んだりしています。 最近ふと、わが家の納戸に高価なウイスキーが数本、眠っていることを思い出しました。 それらはバブル時代に、誰かからもらったか免税店で買ったような、いずれも名の知れた高級スコッチです。 以前はスコッチに興味が無く、でも高価な品なのでずっとこれまで、保管(秘蔵)し続けてきたのです。 その間に何度引っ越したことか。そのたびに、スコッチはうやうやしく梱包されて運ばれ続けてきました。 熊本地震のとき、その1本が床に落ちて割れ、家中にスコッチのスモーキーなフレーバーが充満したものです。 納戸の高級スコッチはどれも、いま通販で買えば当時(30年前)の2割程度の価格。まことにガッカリです。 さいわいウイスキーの良いところは、何年経っても劣化しない(はず)、ということ。 そこでこのたび、その秘蔵のスコッチを開封して飲むことにしたのです。 まず1本目。プラスチックシールを剥がしてコルク栓をねじると、見事にコルクがねじ切れてしまいました。 気を取り直して2本目。シールを剥がしてコルク栓をねじると、これまたねじ切れました。 コルクが劣化していたようです。そんなコルクは、うかつにねじってはならないことを、あとで知りました。 ねじ切れてボトルに残ったコルク栓をなんとか除去した苦労話は、また後日書くことにしましょう。 ウイスキーとは、飲まずに秘蔵するものではなく、ときどき開栓して味わってやらなければならないのですね。 |
小田原のドンペリ
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- 2017/06/25(Sun) -
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いつも年末になってバタバタ駆け込んでいる私の「ふるさと納税」ですが、今年は早い出足です。
先月発注したのは、毎年お世話になっている「佐賀牛」。ところがこれが、美味しいのだけど、もたれます。 上等な肉がドーンと届くものだから、つい食べ過ぎてしまう。消化機能は年々衰えてきているのに、です。 やはり旨い肉は、少しずつ有り難がって食べるのが良いのでしょう。 果物とか肉とか野菜などの、定期便コースもいいですね。 忘れた頃にひょっこりと、美味しいハムやフルーツが届いたりすると、けっこう嬉しいものです。 できれば次は、自腹では買わない(買えない)ようなマンゴーを発注してみたい。 ワインとかシャンパンも良いなと思って検索してたら、小田原市では「ドンペリ」が返礼品でした。 ドンペリって何?って人もいるかもしれませんが、シャンパンの銘柄「ドン・ペリニヨン」のことです。 バブル時代には、巷にあふれていましたが、近年、あまり口にすることがなくなりました。 でもまさか、ドンペリって小田原の特産品?、いやよく見たら、特産品はシャンパングラスのようです。 小田原の返礼品は正確には「高級シャンパングラス(ドン・ペリニヨン付き)」でした。 でもこれって、実質的には「ドン・ペリニヨン(高級シャンパングラス付き)」って意味ですよね。 農産物の特産品がなくても、上手い(えげつない)工夫をこらしている市町村があるようです。 |
なるべく定刻診療
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- 2017/06/24(Sat) -
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厚生労働省は来月から、午後8時に庁舎を一斉消灯・施錠する取り組みを始めるそうです。
「強制労働省」と揶揄されるほど、中央官庁でも断トツの残業時間で知られる厚労省が、まさかの荒行。 ただし、午後8時消灯を毎日実施できるはずはなく、月1回ですらなく、年に1回以上行う計画だと。はあ? 残業を減らして職場環境を改善したいのは、当院でも同じです。 そのために「どうやったら定刻に診療が終了できるんでしょうね」と書いたのは、ちょうど2カ月前のこと。 そこで連休中から、診療をできるだけ定刻の30分過ぎまでには終わるように、調整してみました。 具体的には、予約人数から診療終了時刻を予測して、あらかじめ、予約の受付を早めに終了したわけです。 定刻よりも前に予約受付を終了する。この当たり前のようなことを、じつは初めて私は実践しました。 それ以前は、診療がすべて終了した時点で予約受付も終了する、というスタイルだったのです。 なにしろ、夜遅くなっても診療の予約は断らない、というのが当院開院当初からの原則(ウリ)でしたから。 医者が院内にいるのに受付をお断りするなんてことは、厳密には医師の「応召義務」違反です。 しかし今後は、それもやむを得ません。応召義務よりも、過重労働の回避の方が、いまは重要なのです。 本心ではまだ心苦しいのですが、どうかご理解いただきますよう、お願い申し上げます。 |
リボ払いしません
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- 2017/06/23(Fri) -
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今からでもリボ払いに変更できますよ、みたいなメールが、カード会社から何度も何度も届きます。
リボ払いなんてうかつにしたら、金利は付くし支払期間はどんどん長くなってしまいます。 こんな借金を巧妙に勧める悪質な勧誘は、いいかげんに法律で規制してもらいたいものです。 リボ払いに切り替える気なんて私にはサラサラ無いので、どうかそのような確認メールは今後ご遠慮願います。 このようなことは、あらかじめこちらの意向を尋ねてくれませんかね。たとえば次のように。 お客様の、今後のリボ払いについてのご意向をお尋ねします。次の中からお選びください。 □ 1.私に確認することなく、今後はつねにリボ払いにしてほしい。 □ 2.今回の支払を、リボ払いに変更します。次回以降の支払では、その都度また確認してください。 □ 3.今回の支払では、リボ払いへの変更は希望しません。次回の支払では、また確認してください。 □ 4.このカードでの支払では、今後もリボ払いはしませんので、毎回の確認メールは不要です。 □ 5.貴社との取引において、リボ払いをする気は一切ないので、しつこい勧誘はやめてくれ。 □ 6.クレジットカード全社において、リボ払いなどする気なし。各社に伝えとけ。( ← 私はコレ) |
2万円の札束
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- 2017/06/22(Thu) -
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加藤一二三・九段と、籠池泰典・森友学園前理事長。昨日はこの二人のおかげで、笑わせていただきました。
最多連勝記録に並んだ藤井聡太・四段よりも、テレビ的にはずっと面白いのが「ひふみん」こと加藤九段。 将棋では、藤井四段の方がもはや強いとしても、おちゃめ度では、ひふみんの方が圧倒的に上でしょう。 あちこちの報道番組などに登場し、生放送にもかまわずしゃべり続けるので、見てる方がヒヤヒヤします。 いっとき加計学園に負けていた森友学園ですが、ここに来て存在感を見せてくれたのが籠池氏でした。 昨夜は、三流手品師でも使わないようなフェイクの札束を持参して、安倍首相に返すと息巻いていました。 表と裏だけが本物(たぶん)で、残りは全部白紙という札束を、自らパラパラっとめくる大胆さには驚きます。 首相に返したいと警護の警官に差し出すも、受け取れませんと断られ、「しゃーないな」みたいに諦める。 受け取られない予定のパフォーマンスでしょうけど、もし受け取られたらどうするつもりだったのか。 素晴らしいのは、やはり藤井四段です。次も勝てば、単独最多記録を樹立します。 「デビュー戦以来の連勝記録」は、負けたらそこで途絶えます。プレッシャーはかなり大きいはず。 その藤井四段と対局する相手の棋士たちにも、たぶん大きなプレッシャーがあることでしょう。 オレが彼の連勝を止めてやる、みたいな気負いのせいで、実力者たちは次々と敗れてきたのかもしれません。 できればオレは藤井君の連勝を止めたくないな、ぐらいに力の抜けた棋士に限って、コロッと彼に勝つのです。 |
築地ブランド
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- 2017/06/21(Wed) -
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「豊洲か築地か」。東京都の市場移転の二択議論で、小池知事がようやく出した結論は「豊洲も築地も」。
「どちら」にするかで悩むなら「どっちも」を採るなんて、まるで日本生命のCMみたいなことになりました。 その計画の実現性や資金面など、今後の問題は山ほどありますが、でもなぜか明るい解決策に思えます。 この「折衷案」は、「ウルトラC」と言われたり、「二兎を追う」と批判されたりもしています。 でも、メディアも市民も、全面的には賛同しかねるものの真っ向から反対もしにくい、実に微妙な決着ですよ。 「都議選対策」だと言われるのは当たり前。むしろ、選挙前に方針を明らかにしなければ、都民が困ります。 豊洲の土壌汚染は、科学的にはほぼ「安全」とみなされて風評レベル。あとは「安心」対策を加えるのみです。 いったん豊洲に移転し、築地を再開発して市場機能を戻すなんて、賛否あるようですが、私は面白いと思う。 「築地は守る、豊洲を活かす」で市場が2つでは過剰にも思えますが、数十年後まで考えたら正解でしょう。 やがて来る首都直下型地震の際の食料品備蓄供給基地としても役立つように設計してあれば、なおいい。 あ、そうそう。小池知事は何かというと「築地ブランド」にこだわるご様子ですが、それなら策がありますよ。 「江東区豊洲」を「江東区築地」に町名変更すればいい。そうすれば、どちらの市場も「築地」ですから。 |
謝罪しながら反論する愚
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- 2017/06/20(Tue) -
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国会閉幕を受けて、記者会見した安倍首相。謝罪はしましたが、まだ不十分。ていうかほぼ逆効果でしたね。
とくに残念に思ったのは、次の発言です。 「印象操作のような議論に対してつい強い口調で反論してしまう私の姿勢が、政策論争以外の話を盛り上げてしまった。深く反省している」 反省して謝罪しているはずなのに、「印象操作のような議論」をふっかけられたと、自己弁護している点です。 謝罪するときは、見苦しい言い訳をすべきではありません。ひたすら誠実に謝るのみです。 ところがそれが出来ない安倍首相を、これまでに何度も目にしてきました。 たぶん、ひどい負けず嫌いなのでしょう。一方的に謝罪するだけでは、自分のプライドが傷つくのです。 そんなプライドが邪魔をして、結果的に自分の品格を下げていることには、気付いていないようです。 「つい反論」する姿も、よく見かけます。これも理由は同じこと。 もっと悠然と構えたらどうですか。ヤジを飛ばす総理大臣の姿など、みっともなくて見られたもんじゃない。 ムキになって反論するところは、トランプ大統領によく似ています。まさにあのレベル。 東京オリンピックまで続くだろうと思ってた安倍政権ですが、だんだん厳しくなってきましたね。 信念を持って、大きな事を成し遂げようとしてるんでしょうけど、何をやってもその、プロセスが悪すぎです。 |
漢方薬とドーピング
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- 2017/06/19(Mon) -
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風邪の初期症状の方には、漢方薬の「葛根湯」を処方することが、ときどきあります。
飲みやすい液状の薬も市販されているようですが、私が処方する場合にはいつも、ツムラのエキス顆粒です。 このような「○○湯」という名称のエキス製剤は、熱湯に溶かしてすすって飲むのが正しい作法です。 漢方薬には製品番号があります。ツムラでもクラシエでもコタローでも、同じ薬の番号は基本的に共通です。 そして葛根湯には、栄誉ある1番が付けられています。漢方薬のホームラン王みたいなものでしょうか。 いったい何番まであるんだろうと調べてみると、それが必ずしも連番ではなく、3000番台もあったりします。 妊婦さんや授乳中の方が風邪を引いたときは、最小限の薬を処方することになります。 うがい薬と解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)だけだったり、去痰剤を加えたりする程度です。 臨床所見や迅速検査等から細菌感染が疑われるときなどに限り、抗生剤を処方することもあります。 葛根湯は、妊婦さんの長期間内服はお勧めできませんが、授乳婦の方にはよく出します。乳腺炎にも使います。 市販の総合感冒薬には抗ヒスタミン薬が入っていることがあり、眠くなるので運転等には注意が必要です。 最近、薬物による意識障害や眠気が原因で重大な交通事故が起きたケースが、よく報道されます。 飲酒運転と同じで、運転することがわかっている人にその薬を処方した場合には、責任が問われかねません。 そのような患者さんには、眠くなる成分の薬は除外し、それこそ葛根湯などを処方するのがよいでしょう。 しかし先日当院に、あるスポーツ選手が来院した際には、逆にその葛根湯が処方できませんでした。 葛根湯に含まれている成分である麻黄(エフェドリン)は、ドーピング禁止薬物に指定されているからです。 スポーツの場合、眠くなるよりも興奮させる薬の方が問題のようです。 |
ハイブリッド車に乗る
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- 2017/06/18(Sun) -
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ハイブリッド車なんて、いまどき珍しくもありませんが、遅ればせながら私は最近、初めて運転しました。
愛車の点検修理の間の代車です。2泊3日ほど借りていましたが、結局、通勤に使っただけでした。 それでも、ハイブリッド車の乗り心地(ていうか運転し心地)は、十分に堪能できました。 モーターでスッと走り出したと思ったら、遠くでかすかなセルの音がして、こっそりとエンジンが始動します。 その引き継ぎがまた、よくできてますね。モーターとエンジンの共存具合は、もう十分に洗練されています。 走り出す時には、モーターならではの太いトルクを低速域から感じます。 出足に少しショックを感じるので、スムーズさという点ではやや難ですが、街乗りには適した特性ですね。 もちろん、音が静かなことは格別。早朝の出勤時には、モーター単独モードで音も無く動き出せるのもいい。 ハイブリッド車なんて、過渡期の車だと思っていましたが、どうやら私の思い違いのようです。 将来(未来)は電気自動車が主流になるとしても、しばらくの間は、ハイブリッドが君臨するかもしれません。 しいて言うなら、低回転域のトルクは維持しながらも、出足のあのショックだけは上手に消してもらいたい。 さて、その代車を返却し、元の自分のガソリン車に乗って驚きました。走り出しがヌラっと遅いのです。 発進時のトルクはモーターの圧勝ですね。次に買うなら、ハイブリッドか?(それともEV?) |
最期の瞬間の映像
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- 2017/06/17(Sat) -
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ロンドンのビル火災は、逃げ遅れて高層階から飛び降りる人が多数いたと報じられました。痛ましい話です。
その瞬間がカメラで撮影されたかどうかは知りませんが、そんな映像をニュースで使うべきではありません。 報道するのはその事実だけで十分。ことさらに悲惨な映像をテレビで放送する必要はありません。 東日本大震災のとき、NHKの中継で津波から逃げる人々や乗用車の映像を見ました。 しかし、その車が津波にのみ込まれるシーンはありませんでした。被害者や家族の心情を気遣ったものです。 人が絶命したと思われる最後の瞬間は映さない。それがNHKの方針だと、後に聞いたような気がします。 さて先日の、東名高速での事故。ドライブレコーダーのあの衝撃的な映像も、よく考えれば問題です。 対向車線から飛んでくる乗用車の中には、それを運転していた医師が乗っているわけですから。 医師の死因は病死ではなく、バスに激突した衝撃で圧迫死(おそらくは即死)したと考えられています。 あの映像に医師の姿こそ映っていませんが、医師がまさにいま死亡する最期の瞬間をとらえたものです。 空中を舞う車内で、いったい何を思っていたのか。その62歳の医師の最後の数秒間を思うと、心が痛みます。 ところがその最期の瞬間を、何度も何度も映すテレビ。その無神経さはどうなんでしょう。 そもそも、あのドラレコ映像は捜査関係者が見とけばよいものであり、誰がマスコミに渡したのか。 いちど公開された映像は、誰かが複製し、ネットに流し、もう永久に消えることはありません。 |
そもそも
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- 2017/06/16(Fri) -
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「加計学園」問題では何がいったい真実なのかは、私にはまったくわかりません。
ただ言えることは、政治家や官僚には誠実(素直)じゃない人が多い、ということでしょうか。 再調査で出てこなかった文書は、追加調査によって見つかったのであって、再調査自体は適正だったと。 自分の非や問題点を本心では認めているからこそ、そのような屁理屈で言い逃れしようとするわけです。 官僚や副大臣はもちろんのこと、さらにその上の官房長官や首相までが、まことに見苦しい詭弁の毎日。 政治家が、その信念と良心によって大局を見据えて行動するのであれば、私は細かい文句は付けません。 だからそうであるなら、政治家はつまらないウソをついたり言い逃れたりしないでほしい。 「テロ等準備罪」法案では、その適用要件について、大臣や首相の答弁が二転三転してきました。 「そもそも罪を犯すことを目的とする集団でなければならない」と1月に述べた安倍首相が、翌月には、 「オウム真理教は当初は宗教法人だったが犯罪集団に一変したので適用対象となる」と答弁しました。 この答弁の趣旨は理解できます。集団の性格が、途中からガラッと変わることだってあるでしょう。 本質的には別の団体になったのであれば、その団体はもはや、そもそも罪を犯すのが目的なのです。 ところが、です。首相の1月と2月の答弁が食い違うことを民進党議員に指摘され、首相が言い訳をします。 「『そもそも』の意味を辞書で調べたら『基本的に』という意味もある」と。 「そもそも」という言葉の使い方なんてどうでもいいのに、ムキになって言い訳するから墓穴を掘るのです。 記者や学者や一般人が、あらゆる辞書を調べ、「基本記に」の意味がないことを確認することとなりました。 |
ぞろぞろ投票の不思議
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- 2017/06/15(Thu) -
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「テロ等準備罪」を新設する「改正組織犯罪処罰法」が、徹夜審議の末、今朝参議院で可決・成立しました。
さて、久しぶりに国会のインターネット中継(録画)を眺めてみましたが、おかしな流儀があるものですね。 【参議院本会議】昨日午前10時より まず6つの法律案は、委員長の報告を受けて「押しボタン式」投票での採決が行われました。これは合理的。 ところが「国務大臣山本幸三君問責決議案」の段になって、おかしなことが始まります。 「議事における発言時間は趣旨説明については十五分、討論その他については一人十分に制限することの動議」 なるものが提出され、しかも、「表決は記名投票を持って行われたいとの要求」が出されたのです。 議員がぞろぞろ歩いて投票する作業が始まりました。点呼・投票・計算から議長による結果宣告まで約13分。 重要法案の採決ならともかく、こういう枝葉末節な動議は、ちゃっちゃと押しボタンで採決したらどうなの。 動議の可決後にようやく趣旨説明と討論が行われ、またぞろぞろと記名投票。当然ですが決議案は否決ですよ。 結果の見えていることに、2度もぞろぞろ投票するバカらしさ。そうこうするうちに、昼になり休憩。 【参議院本会議】昨日午後6時21分より こんどは「法務大臣金田勝年君問責決議案」からです。 まず例の、発言時間を制限する動議。ぞろぞろ投票。可決。決議案の趣旨説明と討論。ぞろぞろ投票。否決。 いよいよ「改正組織犯罪処罰法の中間報告を求めることの動議を議題にすることの動議」が提出されます。 ぞろぞろ投票が行われ、可決。 つづいて「議院運営委員長山本順三君解任決議案」です。 さっそく、発言時間を制限する動議。ぞろぞろ投票。可決。決議案の趣旨説明と討論。ぞろぞろ投票。否決。 結局、本筋の討論に入らないまま、議長は「本日はこれにて延会する」と宣言。午後9時42分。 疲れたので、以下駆け足で。 昨日午後11時32分に、衆議院本会議に緊急動議「安倍内閣不信任決議案」が提出され、そのまま延会。 翌日未明から、衆議院本会議での審議がおこなわれ、午前1時36分に記名投票により、決議案は否決。 それを受けて、参議院本会議で、「改正組織犯罪処罰法」に関する審議が始まりました。 流れは同じ。以下同文です。最終的に「改正組織犯罪処罰法」の表決は、今朝7時46分。 議員の皆さま、お疲れさんでした。でも、よく歩きましたね。良い運動にはなったでしょう。 |
医療機関の口コミサイト
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- 2017/06/14(Wed) -
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医療機関は、限られた事項以外の広告が禁じられており、おおっぴらに宣伝できないことになっています。
ただしホームページは例外。検索して閲覧するものなので広告とは扱わない、というのが医療法上の解釈です。 だから医者は、自院の詳細な紹介や実績やお知らせや自慢話を、何でもホームページに書いているのです。 あるいはまた、診療とはあまり関係のない医師の個人的な思いなども、ブログに書いたりするわけです。 しかし先週、医療法の改正法案が参院本会議で可決・成立し、今後はウエブサイトも規制が始まりそうです。 広告ではないという解釈は、今回の改正でも変わりませんが、いきすぎた表現を規制しようというわけです。 現行の医療法でも、バナー広告や費用負担による検索結果の上位表示は、広告と解釈されるそうです。 じゃあ、食べログのような、第三者によるランキングや口コミなどは、広告にはならないのでしょうか。 いや食べログだって、店側が評価者を接待したりするわけだし、客観的な評価とは考えない方がよいでしょう。 ネット情報を鵜呑みにしてはならないというのは常識です。医療機関の口コミサイトだって怪しいものです。 あのクリニックは良かったとか悪かったとか、その個人的意見にどれほどの統計学的意味があるのか。 などとは思いながらも、間違った情報や誤解に基づく口コミを書かれたら困ります。 そこで「つるはらクリニック」で検索して、各サイトの口コミをチェックしてみました。以下、表示順です。 【カルー】 口コミ3件。最新のものは約2年前。これじゃ、あまり役に立ちそうにありませんね。 【病院なび】 口コミ0件。情報更新日2012年4月。ナビできてないじゃん。 【お医者さんガイド】 口コミ0件。話になりません。ガイドする気あるの? 【マイクリニック】 口コミ1件。しかも2009年1月。オーマイガッ。 【ベネッセ ウィメンズパーク】 口コミ16件。でも最新は2年前のもの。メジャーなサイトと思ってたのに。 【くまもと医療ナビ】 熊本県のサイトなので、口コミ欄自体がない。 【エストドック】 口コミ0件。 【スクエル】 口コミ欄なし。けっこう詳しいサイトなのに。 【エキテン】 口コミ0件。 (以下省略) こう言うと怒られるかもしれませんが、ほとんどのサイトが作っただけ。有効に活用されていません。 |
正義のウイルス
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- 2017/06/13(Tue) -
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「正義のウイルス出現」という見出しに、思わず見入ってしまいました。IT系の記事です。医療系じゃなくて。
機器に感染して乗っ取り、他を攻撃するための踏み台にするようなものを「邪悪なウイルス」としましょう。 狙ったサイトをDDoS攻撃などして、使えなくするような悪事を働き、政府機関や企業や社会を混乱させます。 その邪悪なウイルスに乗っ取られるような、セキュリティーの甘いIT機器なら、いっそのこと破壊してしまえ。 それが正義のウイルスの発想なのですが、感染したが最後、その機器は永続的に使えなくなるそうです。 ある正義のウイルスを作った人物は、それを「インターネットの化学療法」だと表現したとか。 大きな被害を防ぐためなら、多少の副作用はやむを得ない、ということなのでしょうか。 江戸の「火消し」を思い出しました。彼らの消火方法は、火事場周辺の家屋の破壊(破壊消防)です。 大火を防ぐためならば、延焼しそうな民家をあらかじめ壊しておくのもやむを得ない、というわけです。 例のランサムウエアに感染したIT機器も、犯人に金銭を支払ってデータを復旧するべきかどうかは疑問です。 そんな脆弱な状態なら、大きな悪事の踏み台にされる前に、いっそ初期化してしまうべきかもしれません。 もちろん、データは常にバックアップしておく(またはクラウドに置く)のが、前提条件ですけどね。 初期化して、OSをインストールして、環境を再構築して、ソフトを1つずつ入れて、最後にデータを戻す。 もともと私は、そんな初期化作業が好きです。書斎は片付きませんが、Macの中はいつも片付いています。 |
武田薬品吹き飛ぶ
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- 2017/06/12(Mon) -
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武田薬品の関連の方、すみません。比喩的表現です。他意はありません。日経記事にそうあったので。
Amazonの株価が急落し、武田薬品の時価総額に相当する4兆4千億円が一瞬で吹き飛んだと、そんな話です。 昨日の米株式市場での出来事。「フラッシュ・クラッシュ(瞬間急落)」というそうです。 Appleの次期iPhoneの発売延期の予測に、コンピュータの自動取引アルゴリズムが反応したのが原因とか。 先日ご紹介した「WWDC 17」は、予想どおりかそれ以上の発表内容に、Appleファンは好意的でした。 しかし次期iPhoneの話は登場せず、私のApple製品購入アルゴリズムにも、少々乱れが出始めています。 これまで毎年9月に発表されてきた新型iPhoneが、今年は2カ月ほど遅くなるとの情報です。 前からそんな噂はありましたが、具体的な情報が流れたせいで、ともかくAmazonの株価が急落したわけです。 自動取引アルゴリズムは、商売敵Appleのネガティブ情報でも、Amazonにプラスとは評価はしないようです。 次期iPhoneは、有機ELディスプレイの製造が遅れていると噂されています。 それなら大丈夫。少しぐらい待ちますから、画期的な製品を、完璧な完成度で発売してほしいものです。 毎年iPhoneを新型に買い換えている私としては、もう少し発売間隔をあけていただければ、助かるのですが。 |
受動喫煙させる罪
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- 2017/06/11(Sun) -
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受動喫煙の規制強化における「厚労省 vs 自民党」という構図は、「清廉 vs 醜悪」にも見えてきます。
「サンドバッグになるつもりで党と話し合いを進める」と語る塩崎恭久・厚労相は、まことに頼もしい。 最近の日経に出ていた、塩崎氏の発言内容を書き並べてみると、説得力があります。 ・受動喫煙被害で年間1万5千人が亡くなり、医療費も3千億円以上かかっている。 ・職場の送別会や接待などで、自らの意思とは関係なく喫煙の店舗に行く人を守らねばならない。 ・自民党側が求める広範な例外を東京に当てはめると、85%以上の飲食店が例外扱いになる。 ・海外から来る人は受動喫煙対策に慣れている。おもてなしを考えれば原則室内禁煙という線は譲れない。 しかし私に言わせれば、厚労省案ですら手ぬるい。この際、受動喫煙させる行為を違法としたらどうか。 だって、タバコの煙はある意味、毒ガスです。それを他人に吸わせるのは「危険喫煙致死傷罪」でしょう。 すべての飲食店を禁煙にする必要はありません。禁煙店か喫煙店か、その二択を明確にすればいい。 そして喫煙店で、非喫煙者を雇用したり非喫煙者を入店させたら、店主が罰せられる。それでどうですか。 喫煙店に非喫煙者を入れないよう、店主に義務づけるわけです。入れたら営業停止です。 一方で禁煙店には、タバコや喫煙道具を持ち込んだだけでも罰せられます。「タバコ等準備罪」です。 |
ドライブレコーダー
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- 2017/06/10(Sat) -
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東名高速道路で今朝起きた観光バスと乗用車の衝突事故は、ドライブレコーダーの映像が衝撃的でした。
この映像がなければ、これほどまでにテレビやネットで取り上げられることもなかったでしょう。 これが偶然撮影できたビックリ映像かといえば、そうじゃないですよね。記録すべくして記録した映像です。 ドライブレコーダーは元々、交通事故の瞬間を記録する目的で装備されているものだからです。 それらは事故原因の究明にも役立つでしょうし、当事者間の過失割合を決める上でも決定的な証拠になります。 訴訟等で役立つだけでなく、その衝撃映像が「ドッキリ映像100連発」みたいな番組のネタにもなってますね。 数年前のロシアの隕石落下映像は、同じ隕石を複数のドライブレコーダーが記録したものでした。 事故後のトラブルや警察の腐敗がひどいロシアでは、ほとんどの車がレコーダーを装備しているとのこと。 日本でも、バスやタクシーなどはもちろんですが、個人の自家用車に取り付ける人が増えているそうですね。 そのような流れに乗って、私も最近、自分の車にユピテル製のドライブレコーダーを装着しました。 ユピテルって、昔はレコード会社でしたが、気が付くと、こんなもの作ってたんですね。 そのドライブレコーダーを愛車に取り付けてから、およそ3カ月たちました。 テレビ番組で使ってもらえそうなドッキリ映像は、これまでのところ撮影できていません。 幸か不幸か、事故原因の究明や過失割合の評価に役立つような映像も、いまのところ記録できていません。 ひとつ良いことがあるとすれば、私の運転がよりいっそう大人しくなったことでしょうか。 万一事故が起きたときに、自分自身に不利な映像が記録されたのでは、元も子もないからです。 |
本を読む時間
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- 2017/06/09(Fri) -
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この時期、診療の待ち時間が長いです。患者さんの待ち時間じゃありません。私の待ち時間です。
つまり、患者さんが少ないのです。人間がいちばん健康的な季節なのでしょう。そう、思っておきます。 診療の合間に何をして時間をつぶすか。流行り物「ハンドスピナー」を買ってみましたが、まあ、つまらない。 ネットを見たり、細切れで読めるような本を読んだりもしています。いま診察室に置いているのは、 『図25枚で世界基準の安保論がスッキリわかる本』(高橋 洋一著) 『謎の漢字』(笹原宏之著) 高橋氏には最近、露骨に政権寄りの発言が多くて、ちょっとイヤですね。 それよりも面白いのは漢字の本。たとえば、「謎」という字をよく見たら、しんにょうの点がふたつある。 これまでの人生で、私はたぶん、この字のしんにょうの点は、ひとつしか書いてこなかったような気がします。 (追記:表示環境によっては、点がひとつのしんにょうに置き換わってますね) この本の受け売りを書き並べていけば、ブログも捗(はかど)りますね。で「捗」の字。 旁(つくり)の「歩」の部分の、右下の点がない。知らんかった(フォントによっては点が登場しますが)。 もともと「歩」には右下の点がなかったそうです。 自宅でいま読んでいるのは、2冊。並行して2冊読んでいる理由は、1冊だけだと根気が続かないからです。 『佐藤慶太郎伝』(斉藤泰嘉著)は、「石炭の神様」と言われた人物の話。九州の人なので馴染みもあります。 『医者という仕事』(南木佳士著)の著者は、芥川賞作家で医師。私より一回り年上ですが、考えが近い。 読みたい本は山ほどありますが、全部読むには時間が足りません。 でも、齋藤孝氏のように速読をしようとは思いません。単に情報を得るための読書じゃないからです。 それは映画やドラマやドキュメンタリーでも、あらすじだけ聞いたのではまったくつまらないのと同じです。 |
Amazonの過剰包装
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- 2017/06/08(Thu) -
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Amazonの過剰包装(梱包)には、すでに慣れているはずの私ですが、今日はあきれました。
日立の、リビング扇風機を発注したら、Amazonにしても初めて見るほど大きな段ボール箱が届いたのです。 組立後の扇風機を送って来たのかと思うぐらいの大きさでしたが、梱包を開けて驚きました。 中には、同じぐらいの大きさの段ボール箱が2個。一方は日立のロゴ入りで、もう一方はAmazonのロゴ入り。 前者には、扇風機の型番や絵が印刷されています。どうやら、メーカーオリジナルの梱包です。 後者を開けてみると、空き箱でした。その箱全体がクッション剤として、使われていたようです。 日立の梱包のまま発送すれば良いものを、それを敢えて、さらに別の巨大な箱に入れることのムダ。 しかもその大箱が大きすぎるので、スキマを埋めるために、空の段ボール箱を入れるというムダの上塗り。 こんな過剰梱包でも、扇風機の値段は家電量販店よりも安く、しかも送料無料。もちろん包装代も。 これじゃどこかにしわ寄せが来るのは当然です。たとえばヤマト運輸のドライバーとか。 梱包サイズの種類を少なくすることは、効率の良い輸送計画のためには、有利なことでしょう。 しかし今、少しでも早く商品が届くかどうかよりも、運送従事者の過重労働の方が気になります。 それに省資源に反する過剰包装を続けていると、やがて企業イメージを損ね、利用者に嫌われますよ。 包装は必要最小限で、発送は1日ぐらい遅くなってもかまいません。あ、価格は安い方がいいけど。 |
HomePod発表
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- 2017/06/07(Wed) -
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奇抜なまでにシンプルなデザインが好きですね、Appleは。きのう発表された「HomePod」のことです。
Appleの新作発表会(WWDC)については、毎年その当日に、当ブログで取り上げてきました。 しかし、昨日の「WWDC17」にはあまり感動が無かったので、ピザの生地(記事)に負けてしまいました。 念のため追記しておきますと、昨日のピザの2枚目以降は、上手く焼けました。しかも美味しかった。 で、その、花瓶のようなHomePodですが、「家庭向け音声制御スピーカー」というカテゴリーの商品です。 この分野では、Amazonの「Amazon Echo」とGoogleの「Google Home」が先行しています。 そこへ満を持して、ていうかかなり遅れて、ようやくAppleが参入してきたわけです。しかも花瓶、または繭。 Amazon Echoに搭載されている、音声認識AI「Alexa」は、すでに一般家電への搭載も広がっています。 冷蔵庫や洗濯機や、あらゆる家電にAlexaが搭載されAmazon化していくとすれば、驚異(脅威)的です。 かつてはAppleが、iPodやiPhoneによって、人々の暮らしに入り込み、生活を一変させました。 次に生活を支配するとすれば、家庭全体のIT化だと考えられます。そこにAmazonが、一歩近づいています。 遅れて登場するAppleのHomePodに、はたしてどれだけの革新性があるのか。生活を支配できるのか。 デザインでいうなら、Amazon EchoやGoogle Homeも、それなりに洗練されています。今風です。 でもHomePodは、今風を通り越して未来的。リビングに置くなら、これでしょう。 |
ピザを生地から作る
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- 2017/06/06(Tue) -
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九州は今日、全域で梅雨入りしました。その雨のしょぼ降る中を、今日はピザを生地から作って焼きました。
攻略本を読み込み、ネットで下調べして、今朝から例のパンと菓子用品の店に行き、小麦粉の買い出しです。 選んだのは、クリスピー生地用の小麦粉ミックスと、モチモチ生地用の強力粉。ドライイーストも購入。 帰りに薪ストーブ屋に寄って、小ぶりの薪を一山購入。2.5キロで300円。 生地の作り方は、それぞれの小麦粉の袋の表記を忠実に守り、材料を混ぜて、こねて、しばらく寝かせました。 その間に、クリニックで書類仕事を済ませ、Netflixで海外ドラマを2本視聴し、トッピング具材を買い出し。 さて、5時から炭火を熾し、さらに薪を投入すると、激しく炎が燃えあがり、すぐに350度を越えました。 あわてて、慣れない手つきでピザ生地をのばします。ピザは全部で4枚。クリスピーが2枚で、ナポリ風2枚。 トマトソースを塗り、トッピングをやたらにのせまくり、最後にチーズをてんこ盛りのせます。 さて、ここからが涙の物語。覚悟のある方のみ、読み進んでください。 まず1枚目で、いきなりの緊急事態。ピザが作業台にくっついて剥がれません。打ち粉が足りなかったのか。 むりやり剥がして、だいぶ変形したピザを皿にのせ、庭のBBQコンロまで運びます。 こんどは、ピザを窯(BBQコンロ)の入れ込むための「パーラー」に移します。ヘラのバカでかいやつです。 パーラーを窯に入れ、スッと勢いよく引き抜くと、ピザがピザストーンにストーンと着地、するはずでした。 ところがパーラーにくっついたピザが、これまた剥がれない。しまった、また打ち粉が足りなかった。 トングでむりやり押すと、ピザはどんどん崩れていき、グチャグチャになってピザストーンに落ちました。 砕けてバラバラのピザは、ストーン上に散らばり、それぞれが香ばしく焦げ始めたのでした。 |
スペシャルなエンジン
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- 2017/06/05(Mon) -
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Facebook等に勝手に現れる広告は、(1)興味が湧くもの、(2)興味がすごく湧くもの、に分かれます。
今朝はそれが、「Ferrari 458 Speciale(スペチアーレ)」という、私には無縁のスーパーカーでした。 まあいちおう、その動画広告を見ておきます。さらについでに、フェラーリのサイトも覗いておきます。 フィッシングサイトだと困るので、フェラーリの純正サイトから入ります。これ、常識ですね。 さて、なになに、0-100km/h加速が2.0秒だと。バケモノですか。エンジンは自然吸気のV8、出力605CV。 「CV」というのは、イタリア語 “Cavallo Vapore” の略。イタ車で出てくる「馬力」の意味ですね。 「PS」というのが、日本でもよく使われる馬力の単位ですが、ドイツ語 “Pferdestärke” が由来です。 これらはいずれも、フランス式の「仏馬力」を表しています。つまり、仏・独・伊は、同じ単位のグループ。 一方で、英米で使われているのが「英馬力」。 “horse power” を略した「HP」が使われます。 PSとHPは、ほぼ同じ意味なのに厳密には微妙に違い、数値は、PS>HP、となります。 最近の馬力表示は「kW(キロワット)」が使われることが多く、直感的にピンとこなくなってきましたね。 Ferrari 458 Specialeの、自然吸気、つまりターボなどの過給器なしで605CVという馬力は驚異的です。 排気量は4497mlなので、リッター当たり出力135CVという、まさにスペチアーレ (スペシャル) なエンジン。 昨年買い替える前の私の愛車も、リッター当たり137PSの高出力でしたが、それはツインターボ付きでした。 ターボで加給しまくって絞り出せる馬力を、このFerrariは自然吸気で達成してるところが、すごい。 フェラーリのサイトで、そのエンジン音を「大音響で」聞いてみると、これがまた、実にいいサウンド。 自然吸気の高性能エンジン車って、ドライブフィールも最高でしょうね。持ってる人がいたら乗せてください。 |
藤井四段20連勝の余談
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- 2017/06/04(Sun) -
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将棋の藤井聡太四段が、史上最年少でプロ棋士となって以来、デビュー戦から負けなしの20連勝中です。
ニュースを聞いていると、「四段」のことをいつも、「よんだん」ではなく「よだん」と発音しています。 「よだん」が正式な言い方なのかもしれません。でも私には「よんだん」の方がしっくりくるのですが・・・ NHKの「日本語発音アクセント新辞典(2016)」で確認してみると、 (1)階段などの段は、四段=「よんだん」 (2)段位のときには、四段=「よだん」 つまり、四つの段 “four steps” なら「よんだん」、四つ目の段 “fourth rank” だと「よだん」、てこと? と思って辞書を引いたら、(2)は “fourth-dan rank” とか、 “fourth dan” などともありました。 それはともかく、日本語の数詞の発音は、難しいものです。 「一・二・三・四・五」は、音読みでは「いち・に・さん・し・ご」、訓読みなら「ひ・ふ・み・よ・いつ」。 ところが具体的にモノを数えるとき、音読みと訓読みが混在してくるからややこしい。 階段の段数なら「いち・に・さん・よん・ご」なので、「四」だけ訓読みです。 一般的に「四」の読みは、「し(死)」を避けたいためか、訓読みになることが多いですね。 「一人・二人・三人・四人・五人」だと、「ひと・ふた・さん・よ・ご」なので「一・二・四」が訓読み。 「一皿・二皿・三皿・四皿・五皿」では、「ひと・ふた・み・よん・ご」なので「一・二・三・四」が訓読み。 ただし伝統的には、「四皿」は「よさら」とも言うし、「五皿」は「いつさら」と言ったりもします。 「四」を「よ」とだけ読む言葉は、「四年」「四人」「四時」などあまり多くなさそうです。 「四」を「し」と読むものも「四角」「四分咲き」など少なく、「よん」と読むものが圧倒的に多いようです。 歴史的背景や変遷があるんでしょうけど、ホントにややこしい規則(または慣用)ですね。 日本人でもわかりにくいのに、日本語を学ぼうとしている外国人には、すごく難しいと思う。 |
出生数100万人割れ
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- 2017/06/03(Sat) -
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2016年に生まれた子どもの数は、1899年に統計をとり始めて以来初めて、100万人を割り込みました。
その原因をまとめてみると、こういうことでしょうか。 (1)若い女性が、なかなか結婚しない (2)若い女性が、子どもを産まない (3)若い女性が、減っている 女性の初婚年齢は、平均29.4歳。これは前年と同じだそうです。 1人の女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)は、この10年ジワッと増えてきています。 しかし、今回は前年を下回りました。とくに、いちばん大事な30~34歳の出生率が低下したことは問題です。 さらに大問題なのは、子どもが減ったいま、出産適齢期の女性が今後もずっと、減り続けることです。 出生率を、あの手この手で増やすことができたとしても、子どもを産む女性が減ったのではどうしようもない。 よほど極端に出生率を上げない限り、子どもの数は増えません。まさに少子化の悪循環です。 こようなことは誰にでも想像できたことです。なぜ10年、20年前に、抜本的な手が打てなかったのか。 「安倍政権としては最優先課題として、しっかり対策を講じていきたい」と、菅官房長官は述べました。 「結婚や子育てに関する希望の実現を阻害している要因」を、1つ1つ取り除いていくそうです。 受動喫煙禁止の実現を阻害している要因すら取り除けないのに、そんな難しい政策が実現できるのでしょうか。 |
ピザを焼く
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- 2017/06/02(Fri) -
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ひとくちにピザを焼くと言っても、いったいどの段階から取り組むのか、ということになります。
たとえばコーヒーであれば、生豆を焙煎機で炒って、挽いて、淹れる、ということを私はやっていました。 可能なら豆を収穫するところから始めようかと、リビングではコーヒーの木を育てています。 あいにくマイブームは去り、電気式熱風焙煎機は棚の中で眠っています。木はなかなか実をつけません。 さてピザです。当然、ピザ生地作りから始めるべきところですが、今回は焼くところだけを実践しました。 なにしろ、いつも使っているBBQコンロに装着するピザ窯キットが、昨日届いたばかりなのです。 ドーム状の蓋を開けずに、横からピザを出し入れできる構造なので、高温と熱対流が維持できる仕組みです。 多めの炭の火を熾してしばらく見ていると、庫内温度がすぐに300度を越えました。 薪を少し加えると、さらに火力が増して400度を超えるそうですが、今日は薪の準備がないので炭火だけです。 熱源でいちばん大事なのは対流熱だとか。ピザの裏を焦がさないために、炭はコンロ中央部には置きません。 近所のスーパーで買った生地に、ピザソースとチーズと、あとは適当に何かのせただけのシンプルピザです。 初心者なので今日はピザストーンは使わず、ステンレスの皿にピザをのせて焼きました。 トッピングやソースや生地には今後こだわるとして、まあ初回としては成功。美味しかった。 焼き始めてからでき上がりまでが、3,4分程度と短時間。焼け上がってからすぐ、熱々を食べられるのもいい。 焼いている間、愛犬・花はずっと、室内から窓越しにこちらを見つめています。 BBQのときもそうですが、高温のコンロに跳びかかりそうで、どうしても庭には出せないのです。 |
加計学園と日本語変換
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- 2017/06/01(Thu) -
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「森友学園」といい「加計学園」といい、学園問題がこじれています。ある意味「学園紛争」です。
真相はともかく、官邸側の説明から得られる心証は悪いですね。「詭弁学園」なんて言葉も連想しました。 「加計」という言葉を入力するのに、最初、「かけ」では変換できませんでした。皆さんはどうしてますか? で私が思いついたのは、「かさん」と「けいさん」で変換した後に「算」を取り除くという手法。 今時の日本語変換システムは賢いので、この手法で一度変換すると、次からは「かけ」で「加計」が出ます。 具体的には、以下のような手順です(ATOKの場合)。 (1)「かけ」で変換 →「欠け」などと出る → deleteボタンで戻る (2)「かさん」で変換 →「加算」と出る →「算」だけ削除して「加」を残す (3)「けいさん」で変換 →「計算」と出る →「算」だけ削除して「計」を残す (4)「『かけ』から【加計】に変換できるようにしますか?」というメニューが現れる(←これがすごい) (5)学習する(=shift+return) 日本語変換システムというのは、こちらが四苦八苦している一部始終を、黙ってじっと見てるわけですね。 そうして、変換が完了するまで見届けてから、いまの言葉、登録してやろうか?、と持ちかけてくる。 賢いというか、ちょっと上からな感じがします。 |
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