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ホリエモンのロケット
- 2017/07/31(Mon) -
「ホリエモンのロケット」って、「ドラえもんのポケット」に似てますね。

それはともかく、日本初の民間単独開発のロケット「MOMO(モモ)」が昨日、打ち上げられました。
結果は失敗でしたが、壮大なプロジェクト全体を考えれば、むしろ一歩前進したととらえるべきでしょう。

「インターステラテクノロジズ」社は、堀江貴文氏が創業したことで知られるベンチャーです。
ところが面白いことに、昨日のTVニュースでは、ホリエモンの「ホ」の字も報じないメディアがありました。
彼を賛美したくないのか、テレビ局とスポンサーとの関係なのか、その辺りのことはよくわかりません。

新聞報道にも温度差が大きく、とくに産経が抑制気味。ははあ、ホリエモンって、そういう位置づけなのか。
打ち上げ前には「ホ」の字も書かなかったのに、打上失敗報道では「ホリエモン」を全面に押し出しています。
「打ち上げ失敗が今後の計画に影響を与えるのは必至だ」なんて論じ方しかできない態度は、いただけません。

Teslaのイーロン・マスクだって、失敗を繰り返しながら、まったくめげずにロケット開発を進めています。
Amazonのジェフ・ベゾスも2020年の初打ち上げを予定しており、二人とも宇宙進出を目指しているとか。

莫大な損失をモノともせず資金を投入し続ける宇宙開発は、大富豪がやるべき使命のひとつかもしれません。
資産規模は違いますが、ホリエモンも同じ思いなのでしょう、きっと。

イ社のサイトを見ると、ファンクラブがあって会員を募集中でした。よしよし、応募してやろう。
月会費は、学生500円、レギュラー1,000円、プレミアム10,000円。毎月払うのは、ちと高いかな。保留。

この会社の所在地は、北海道広尾郡大樹町。今日のところは、大樹町にふるさと納税をしておきました。

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ウイスキーのふるさと
- 2017/07/30(Sun) -
ふるさと納税では、全国の4分の1超の自治体で、住民税の控除額が寄付金額より大きいと報じられました。
そのような「赤字」自治体のトップ3は、横浜市55億円、名古屋市31億円、世田谷区30億円だそうです。

横浜市は昨年度まで、驚くべきことに、返礼品を用意していなかったようです。
大都市だからこそ、下品な返礼品競争には加わるまいと、やせ我慢をしてきたわけです。
しかし寄附は受けるが返礼はしないという、堅物というか高飛車な態度で、横浜市は結局、大損をしました。

その反対に、ふるさと納税こそチャンスと、返礼品競争に活路を見いだした自治体も、たくさんあるでしょう。
農畜産物などの特産物の多いところは、ここぞとばかりに張り切っています。
「黒字」自治体のトップは、宮崎県都城市の73億円だそうです。私も今年寄付して、豚肉を受け取りました。

それどころか、もはや農畜産物なんてどうでもいいのです。返礼品が特産物である必要はないからです。
私が常飲してる「アイラモルト」(スコッチウイスキーの一種)も、いくつかの市町が返礼品にしています。
本来であれば、アイラモルトを返礼品に出来るのはアイラ島だけですよ。ていうかそこは、日本じゃない。

ラフロイグ」や「ボウモア」を得るために、日本のどこかの町に寄附するなんて、間違ってます。
「余市」をもらうために北海道の余市町に寄附した私の方が、よほど日本人として正しい態度でしょう。

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こりゃなんだー
- 2017/07/29(Sat) -
「コリアンダー」の話なのですが、読者にオチを予測される前に、先手を打ってタイトルに書いておきました。

NHKのサイトで、「コリアンダー」と「パクチー」と「香菜(シャンツァイ)」についての記事を見かけました。
これらは全部同じモノだけど、どの呼び名がよく知られているかは年齢層によって異なる、というお話。
40〜50代はどの呼び名もよく知っていて、若い人ほどパクチー以外はあまり知らない、と。

NHKの調査結果の詳細が分かりませんが、問題の本質は、単に言葉遣いの違いではなさそうです。
どの年代がどのような食生活をしてきたか、ということでしょう。

パクチーの中国語が香菜で、コリアンダーはその果実を乾燥させて香辛料にしたものを指す場合が多いとか。
若者たちに人気のタイ料理にはパクチーがよく登場するので、その知名度が高いのでしょうね。

そう言えば、小学生時代に読んだ、吉四六(きっちょむ)さんのトンチ話を思い出しました。
なにぶん、昔の話なのでうろ覚えで、肝心な部分が少し間違ってるかもしれませんが、多分こんな具合です。

ある畑で獲れた見慣れぬ野菜のことを、吉四六さんは出まかせで「ぱくちい」だと知ったかぶりました。
あとで殿様に呼ばれ、その野菜は何と申すのかと尋ねられ、苦し紛れに「こりゃなんだー」と答えます。
前に言ったのとは違うではないかと咎められると、乾燥したものはそう呼びます、とトンチを利かせたとか。

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電気自動車シフト
- 2017/07/28(Fri) -
ヨーロッパ諸国は、電気自動車(EV)にシフトしようとしています。とくにこのところ動きが急です。

英国の環境相は一昨日、今後10年間でディーゼル車とガソリン車を全廃する、と語りました。
スウェーデンのボルボが、2019年以降は全車EVかハイブリッドにする、と発表したのが今月初めでした。
ドイツの大手3社も、今後のEV化を表明したし、フランスやその他の欧米諸国も同様の動きです。

考えてみたら、EVのデメリット、つまりEVがガソリン車に劣る点は、今後すべて解消されそうな気がします。

バッテリーはどんどん安くなり、小さくなり、高性能化するでしょう。それが技術革新というものです。
たとえばパソコン用の外付けHDDを考えてみると、私が最初に買ったものは、10MBで10万円でした。
それが今だと、3TBで1万円を切ります。容量当たりの単価は、実に3百万分の1に下がった計算です。

私はガソリン車特有のエキゾーストノートや振動や、個性的なトルクカーブが、車の魅力だと思っています。
でもそれは多分、電気的に作れるでしょうね。音や振動や動力特性なんて、どうにでもなりそうです。
低速域でのトルクは抑えめにして、中速域にわざとピーキーなトルクを持って来るような設定もありです。

懐古趣味の人のために、EVなんだけど「ガソリン車モード」なんて選択が、できるかもしれませんね。
なんなら、フェラーリ458 スペチアーレに似せた音やトルクカーブすら、電気的に作れるはずです。

バッテリー問題が解決したら、もうガソリン車がEVに太刀打ちできる余地はないかもしれません。
環境問題の観点だけでなく、自動運転への移行を考えれば、流れは確実にEVに向かうはずです。

その点で、動きが鈍く見えるのが日本です。流れに乗り遅れず、むしろ世界の先端を走ってほしい。

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厚労省のダジャレ
- 2017/07/27(Thu) -
2年前にやっと「麻疹排除国」に認定されたばかりの日本ですが、麻疹は今なおたびたび集団発生しています。
その多くは、幕張メッセとか関西空港とかの例のように、海外で感染した方が日本に持ち込んだケース。

かつて「麻疹輸出国」と揶揄されていた日本が、いまは晴れて「麻疹輸入国」の仲間入りです。
などと冗談を言ってる場合ではなく、海外渡航者に対する麻疹予防の啓発が喫緊の課題となりました。

厚労省のキャッチコピーは、『マジンガーZ』とコラボして、「みんなで目指そう『麻しんがゼロ』」だと。
なるほど「麻しんがーゼロ → マジンガーZ」って、誰ですか、その苦しいダジャレを採用した責任者は。

今日からダウンロードできる、マジンガーZをフィーチャーしたポスターは、まあ悪くない仕上がりですけど。

それにしても最近の厚労省は、啓発ポスターのダジャレがひどすぎませんか。
たとえば、デング熱ジカウイルス感染症など、海外の蚊は意外に危険だという趣旨のポスターのコピーは、
「蚊意外にキケンあり」「キケンな蚊、どうする蚊?」

思わずズッコケながら、ポスターを詳しく見ると、さらに悪ノリしています。
「さされないために何ができる蚊?」「さされるとどんな病気にかかるの蚊?」

鳥インフルエンザ発生地域への旅行者に対する啓蒙ポスターでは、ニワトリやアヒルに近づかないようにと、
「鳥扱い注意」「海外での鳥扱い説明書」

あのね、厚労省の方。少々ふざけ過ぎ鳥ません蚊?(ありゃ、うつった)

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私の記憶をたどる限り
- 2017/07/26(Wed) -
参院予算委員会の閉会中審査も、おおむね衆院と同じでした。ネタにするとすれば、前首相秘書官の答弁か。
「私の記憶をたどる限り、今治市の方とお会いしたことはございません」
「それは、否定と考えてよろしいですか」
「私の記憶をたどる限り、お会いしたことはございません」(以下、繰り返し)

質問者が同じことばかり尋ねるから、こうなるのです。こういうときは質問を変えましょう。たとえば、
「私の記憶をたどる限り、お会いしたことはございません」
「わかりました。人は覚えてないことなどしゃべれませんからね。だからあなたの表現は、きわめて正確です。
 あなたはいま、ご自分の脳内の情報を元に、今治市の人と会ったことを、明確に、否定されたわけですね」
「私の記憶をたどる限り、お会いしたことはございません」(以下、繰り返し)
やっぱりダメか。


安倍首相と加計理事長という旧友の間にかわされた会話など、誰にもわかりませんが、どうでもいいことです。
二人がきわめて親しい間柄だという事実があるだけで、秘書官も、閣僚も、官僚も、みな忖度するからです。
だから首相は何も、具体的に指示する必要がありません。その意味で、首相は本当に潔白かもしれません。

ただし、忖度とはいわば無言の指示なので、それを具体的な言葉で伝えたり、文字に起こしてはなりません。
ところがお役人は、何でもメモしたり、関係者にメールする癖があるものだから、そこから足が付きます。
その物証を追求して首相に近づいていくと、忖度を言葉(文字)にした人物あたりで、行き止まるわけです。

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炊き餃子もどき
- 2017/07/25(Tue) -
上野動物園の赤ちゃんパンダが、うっすらと目が開き始めたと報じられました。体長は34センチ。
いい感じの大きさです。ずっとこのぐらいのサイズなら、家で飼ってリビングでゴロゴロさせたいですけどね。

でもニュース映像をよく見ると、パンダの目はまだ開き始めだからでしょうけど、細目でつり目です。
昔、漫画で「パンダはたれ目で可愛いけどよく見るとつり目で怖い」というのを読んだ記憶があります。
その4コマ漫画とそっくりの、遠目にたれ目なのに本当はつり目の赤ちゃんパンダに、ちょっと驚きました。

パンダつながりで言うなら、「独立行政法人医薬品医療機器総合機構」は、通称「PMDA」でパンダ似です。
“Pharmaceuticals and Medical Devices Agency” なんだから、どうせなら「PAMDA」にすればいいのに。

そのPMDAの専門委員をしている友人が、しばしばFacebookで飯テロをしかけてきます。
このたびは博多名物の「炊き餃子」の画像でした。これは見た目にも、かなり旨そう。ひどく食べたい。

博多まで出かける暇がないので、自宅で「炊き餃子もどき」を作ってみました。
スープに餃子とネギをぶち込んで、ついでに御飯も入れて、豚骨餃子雑炊みたいな感じになりました。
不味くはないけど、まあ、あれです。ちょうど、餃子付きのラーメンライスを食べてる感じ。
いつか本場のを食べに行こう。

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李下に冠を正さず
- 2017/07/24(Mon) -
安倍首相は昨日、「自民党は政権与党として責任感を持って憲法議論を深めていく」と述べました。

「責任を持って」と言うべきところで「責任感を持って」と発言することが多いですね、政治家の人たちは。

「責任を持って」には義務が生じますが、「責任感を持って」だと、あくまで努力目標のように聞こえます。
いったいいつから、「責任感を持って」なんていう曖昧な表現が、まかり通るようになったんでしょうね。
直接的な表現を使わず、ぼかした表現で言質を取られまいとする態度を感じるので、とてもイヤな言葉です。

同種の表現として、「スピーディーに」と言わずに「スピード感を持って」という言葉も耳にします。
「加速する」のかわりに「加速化する」と言うのにも似たような、間接的なニュアンスを感じます。

今日の安倍首相は、衆院予算委員会の閉会中審査で、「私の答弁姿勢への批判もあるだろう」と述べました。
加計問題については、「李下に冠を正さず」という言葉を使って、反省してみせました。
しかし反省するならば、獣医学部新設は潔く白紙撤回して、ついでに稲田防衛相もスパッと更迭しなきゃ。

国家戦略特区なんて、よく言われるように利権の巣窟です。
だからこそ、首相と関係のある人間にはいっさい関与させないぐらいの、慎重さと頑固さがほしかった。
首相はかつて野党に対し「私と付き合いがあったら特区に指定されないのか。おかしな話だ」と言いました。
でも、おかしくないのです。それが「李下に冠を正さず」なんですよ。わかっとるんかな。

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諫臣か奸臣か
- 2017/07/23(Sun) -
今朝の日経の「春秋」は、「首相の周囲にはわずかな諌言さえする人はいない」と厳しく指摘していました。

主君の過ちを指摘・忠告する「諌言」のできる部下を「諫臣」といい、歴史小説にはよく出てきますね。
しかし現代社会ではどうなんでしょう。とくに官僚組織においては、あり得ないことかもしれません。

コラムの最後は「君主は諫臣がなければ正を失う」という、小説からの引用で結ばれていました。
ところが面白いことに、その文の隣には、「組織の不正を未然に防止!」と書かれています。
さらに隣には、「内部通報制度の導入・整備で自浄作用を向上!」と続くものだから驚きます。

まるで、上司の不正を内部告発する部下こそ諫臣である、と言わんばかりの構成になっています。

タネを明かせば、春秋の隣にたまたま政府広報が並んでいたのですが、なんとも絶妙なつながり具合なのです。
紙面のその位置に、消費者庁の「内部通報制度」の広告が入ると知って、狙って書いたコラムかもしれません。

加計問題で大胆な証言をした某前次官などは、発言が真実なら、さしずめ諫臣ということになるのでしょうか。

同じ「かんしん」という読みでも、「奸臣」の方は感心しません。これも中国歴史モノなどに出てきます。
「姦臣」とも書きますが、悪だくみをする家臣のことですね。
もしも、誇張した発言で官邸を攻撃しようとしているのであれば、前次官は「奸臣」ということになります。

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サントリー頂けない
- 2017/07/22(Sat) -
ビール類の酒税一本化のニュースは、私にとっては朗報です。いつも飲んでるビールが値下げされるからです。
一方で、逆に値上げされることになる発泡酒や第3のビールは、幸いなことに私はあまり飲みません。

そんなリッチな話ではありません。ひと晩に2,3本飲んでいたビールを、最近は1本に減らしているのです。
仕事帰りの風呂上がりに、たった1本なのだから、旨いビールを飲む小さな贅沢ぐらい、多めに見てください。

そうは言っても、新製品が登場したときには、それが発泡酒でも第3のビールでも、とりあえず試すタチです。

最近だと「サントリー頂(いただき)」です。CMで気になってたので、さっそく頂きました。
が、意外にも、唐沢寿明が「コックゥ~ん!」と言うほどの強さがありません。むしろマイルド。
と思ったら、しらばくして効いてきましたね、7%というアルコール度数の高さが。これって、酔いますね。

口当たりに刺激が少なく、のどごしも軽く、しかしあとから効いてくる。ビールとしてはダメなやつでしょう。
私がビールに望むのは、その真逆。ノドに突き刺さり、ゲップが出まくり、鼻にツーンと来るやつがいい。

「サントリー頂」のCM『絶頂うまい出張編』の内容が不適切だとクレームが出て、炎上したことが話題です。
サントリーのサイトからは削除されていますが、もちろんネット上には残っています。
後学のため見てみると、まあたしかに、不快に思う人もいるでしょうけど、その逆の人も大勢いそうです。

こんなCMを削除するような弱腰だから、ビールもぼんやりしてくるのです。

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磁気メディアを捨てる
- 2017/07/21(Fri) -
書斎を片付け続けて7年目ですが、今日はかなり進捗しました。懐かしい物品の多くを今日は断捨離しました。

私や家族や、もしかすると仕事上の個人情報が含まれている書類は、すべてシュレッダーにかけました。
問題は、そのような個人情報が含まれているかもしれない、デジタルメディアの捨て方です。

片付けてるとウジャウジャ出てきたのは、フロッピーディスク(FD)です。
「3.5インチFD」は、すぐにそのまま捨てても良いのですが、中身の情報がちょっと気になります。
ほとんどが20年以上前のものですが、患者データも含まれているかもしれず、うかつに捨てられません。

「5インチFD」も多量にありました。これはおもに実験データなので、個人情報は含まれていないはず。
25年以上前のデータなのに、しかも読み取り装置もないのに、なぜかいまだにしっかり保管していました。

大学で実験していた80年代は、「8インチFD」を使っていましたが、さすがに自宅では見当たりません。
90年代によく使っていた「MOディスク」は、容量も大きく便利だったので、ザクザク見つかりました。
そのMOも、その後に登場したUSBメモリに、すっかり駆逐されてしまいました。

3.5インチFDを捨てる前に、中身を見ておこうと思ったのですが、読み取り装置(FDD)がありません。
確認のためにドライブを購入するのもどうかと思うし、知らんぷりして捨てて良いのでしょうか。
念のため、パキッと折ってから捨てるのがよいかもしれませんね。

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アイラ巡り
- 2017/07/20(Thu) -
村上春樹の『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』という、読めば飲みたくなる本があります。
アイラ島とアイルランドを巡って、その土地と人とウイスキーの話を書いた、すぐ読めてしまう旅行記です。

すぐ読めるけど文章の洗練度は高く、さすがです。彼の小説はあまり読みませんが、エッセイの類は好きです。

アイラ島には現在8カ所の蒸溜所があり、独特の香りのする、いわゆる「アイラ・モルト」を作っています。
ピートに由来するヨード香(またはイソジン臭)が特徴で、しかも蒸溜所によって香りと味わいが違います。

ネットで「アイラくらべ」などという記事をよく見かけるように、香りを比較して楽しむ人は、かなりいます。
アイラ党を自負するからには、私も飲み比べて違いを把握しなければなりません。
というわけで、自宅の書斎にアイラ・モルトを収集して、夜な夜なテイスティングをしているわけです。

何種類も味わうために、毎晩何本かのボトルから少しずつ、ほんの少しずつ味わいます。
ストレートで飲むべきであることは承知していますが、私はロックです。そこが邪道です。すみません。

村上春樹氏によれば、癖の強さは「アードベック」が筆頭。これは私も認めます。荒々しく突き刺さります。
私はいつも、一番好きな「ラフロイグ」から始めます。これが私なりの基準なのです。
それから「アードベック」の刺激を味わい、「ボウモア」で少し落ち着けてから、「カリラ」に手を出します。
アイラ・モルト以外にも浮気したりしながら、最後に「ラフロイグ」に戻って、アイラ巡りを終えます。
そうこうするうちに、心地よい眠気に襲われるのです。

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転居と定期予防接種
- 2017/07/19(Wed) -
熊本市以外にお住まいの方が、熊本市にある当院で、定期予防接種を受けることがしばしばあります。
県内の多くの市町村は、「予防接種広域化」という制度によって、越境して接種することが可能なのです。
他県の方の場合には、接種費用をいったん自費負担とし、あとで「償還払い」される仕組みがあります。

最近、県外の某自治体Aに在住のお子さんが、熊本にしばらく滞在するため、当院で予防接種受けました。
窓口でいったん支払った接種費用は、あとで自治体Aから全額還付されることになります。「償還払い」です。

さて、その方が熊本滞在中に、自治体Aから自治体Bに住民票を移されました。
保護者の方にしてみれば、どこに住んでいようと、赤ちゃんの予防接種は無料だと思うものです。
ところが、自治体Bでは「償還払い」を認めていないので、お子さんの接種費用は自費になってしまいました。

この方は二人のお子さんの2回分の接種で、十数万円の自己負担になりそうです。予防接種代って高いのです。
あんまりだろうと思い、熊本の保健所に尋ねましたが、残念ながら救済できません、とのこと。

日本に生まれた赤ちゃんが、どうして日本の法律で定められた予防接種を無料で受けられないのでしょう。
どの市町村で受けても同じじゃないですか。人は移動するのです。どこに滞在していても、同じ日本ですよ。

赤ちゃんの定期予防接種では、自治体の垣根を払い、できれば国が直接責任をもって行うべきです。

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あれなくばこれなし
- 2017/07/18(Tue) -
「植え込み型補助人工心臓」の植え込み手術を受けた方が、人工心臓特有の合併症で亡くなった医事訴訟。
植え込み基準以下の小柄な患者さんで、体格が原因ではないにせよ、死亡と手術の因果関係が認められました。
これは何年も前の事件ですが、最近解説記事が出ていたので、あらためて一般論で考えてみました。

一般的な治療法では治る見込みのない、死期も迫る病状で苦しむ患者さんがいるとします。
ある特殊な先進医療があるけれど、それを受けられるための適応基準は、ギリギリ満たしていない。
患者も家族も、藁にもすがる気持ちでその治療を望み、主治医もなんとか期待に応えたい。
その治療法を選択しなければ、患者はやがて確実に死亡する、という差し迫った状況。

数値を少しごまかして、基準を満たしたことにして治療を受けさせた場合、それはルール違反です。
もしもその結果、この治療ではときどき起こり得る合併症で患者さんが亡くなった場合に、問題となります。

裁判所は、規定に反する治療をして死亡したのだから、死亡の原因は治療である、と解釈するからです。
いわゆる「あれなくばこれなし」、治療しなければ死なずに済んだと、因果関係を認める理屈です。
たとえ治療をしなければ死亡する病状であったとしても、死亡の原因は不適切な治療ということになるのです。

このような解釈は、科学的とは言えません。
治療を行った場合と行わなかった場合とで、死亡率やその時期、その他の因子を比較していないからです。

難しい治療に挑んだ医師を、結果が悪ければすぐ非難するような社会は、医療を萎縮させるばかりです。

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フレイル対策
- 2017/07/17(Mon) -
先月公表された、厚労省の「平成28年 国民生活基礎調査の概況」で「介護の状況」をみると、
「要支援」となった原因の第1位は「関節疾患」、2位が「高齢による衰弱」、3位「骨折・転倒」でした。
「要介護」となった原因の第1位は「認知症」で、2位は「脳卒中」、3位が「高齢による衰弱」でした。

「要支援」も「要介護」も、「高齢による衰弱」が主要な原因だったというのがポイントです。

ちなみに平成28年の「国民生活基礎調査」には、熊本県が含まれていません。
熊本県ではこの年、震災で調査どころではなかったのです。県内の介護認定も滞った年でした。

厚労省は「高齢者の虚弱(フレイル)に対する総合対策」を打ち出しましたが、その「フレイル」って何?
お役人だけが悪いとは思いませんが、このようなカタカナ言葉を登場させられても、市民はピンときません。

「加齢とともに心身の活力が低下し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの危険性が高くなった状態」
これが厚労省による「フレイル」の定義ですが、つまり簡単に言えば「老衰」のことですよね。

医学・医療が進歩し、がんでも心臓病でも脳卒中でも感染症でも、昔のようには死ななくなった。
人間は、その心身能力の限界まで生きるようになってきたわけで、その最終段階がフレイル(老衰)なのです。

後期高齢者の保健事業の在り方として、「フレイルの進行を予防する取組が重要」だと厚労省は言っています。
でも、たとえ老衰の進行を予防できたとしても、結局その先に待っているのは、老衰なんですけどね。

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仮眠時間も労働時間
- 2017/07/16(Sun) -
世間では3連休だというウワサです。こんな時には恨み節っぽく、土日祝日診療の話題を書くのが恒例です。
そうは言ってもこの季節、夏風邪は多いですが冬期よりは急病人も少なく、明るいうちに診療を終えています。
帰宅するときにはまだ日差しが強いので、自転車通勤するだけで日焼けしそうです。

私はこんな毎日を、贅沢だと感じています。ほぼ自分の決めた時間に、仕事を終えることができるからです。
もちろん所定の時間よりは多少超過勤務しますが、そんなことなど勤務医に比べたら屁みたいなものです。

以前、「勤務医の宿直には残業手当を払え」という最高裁決定が画期的だと書いてからもう、4年たちました。
なのにいまだに多くの病院や企業が、当直・宿直勤務に対して残業と同等の手当は支給していないようです。

私の勤務医時代はもちろん、長い間病院に泊まり込んでも、微々たる「当直手当」しか支給されませんでした。
いや、支給されればまだマシで、某大学病院では、そもそも残業手当自体がありませんでした。

しかし今後は、そのような前近代的な事業所の雇用主にとっては、厳しい時代になるでしょう。

少し前に、流通大手イオンのグループ企業の社員の訴えが認められ、千葉地裁は残業代の賠償を命じました。
「仮眠時間も労働からの解放が保障されているとは言えず労働時間にあたる」と裁判長。進歩的な解釈です。
残業代のほぼ全額である約100万円に、慰謝料の一部を合わせた180万円の賠償が命じられました。

私も市民病院時代には、術後管理のために病院に泊まり込んでも、実労部分にしか手当が出ませんでした。
実労と実労の合間の休憩室での待機や、まして宿直室での仮眠時間は、残業手当の対象外でした。
いま、その時間を残業時間とカウントできるのであれば、月に50時間として7年間で4200時間になります。
こりゃ賠償金は1千万円は超えますね・・・などと空想し、無意味にほくそ笑んでみたりしますが、時効か?

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スーツかスイーツか
- 2017/07/15(Sat) -
少し減量しようと思います。ビールと食後のデザートの量と、その結果としての体重を、です。
梅雨も明けた(ような)ので、自転車通勤も再開しました。
自転車は電動アシストですが、帰路では電源オフです。例外は登り坂だけ(ただし帰路には登り坂が多い)。

1日1食は、ほぼほぼ続けていますが、夕食のドカ食いもまた、継続しています。これがいかんのでしょうね。
おまけにアルコール摂取量が、夏場は増えますね、どうしても。
しかも以前だと、ビールをグビグビっと飲んだらそれで満足していたのですが、最近はそれで終わらない。
食後に延々と、夜遅くまで、ロックグラスを傾ける癖が付いてしまいました。バーボンアイラの。

夕食の概要は、ビール→枝豆→ブロッコリー→ビール→食事→コーヒー→デザート→ウイスキー、という具合。
ブログの執筆は、ウイスキーのときです。今もです。

いちばん問題があるとすれば、食後のデザートの量が多すぎることでしょうね。わかってます。
平均的には、菓子パンか饅頭+アイスクリーム、ってのが毎晩ですから。そういえば最近は、ぜんざいがない。

訳あって、8月までにスーツが必要になりました。ところが驚いたことに、サマースーツを持ってない。
この際、スーツを1着買おう。どうせ買うなら、もう少しスリムな体型で買いたい。ま、そんな流れです。

そういうわけで、スーツを得るためにスイーツを捨てると、そういう覚悟なのです。

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がん検診の見落とし報道
- 2017/07/14(Fri) -
青森県が行ったがん検診の調査検査を、NHKが大きく取り上げて、波紋を呼んでいます。
NHKは「胃がんと大腸がんでは、4割が見落とされていた可能性がある」などと報じました。

これに対して国立がん研究センターが、今回の調査では評価困難だととの声明を発表しました。

青森県がん情報サービスのサイトで調査結果をよく見てみると、ほぼNHKの誤報ですね。問題点は2つ。
(1)症例数が少なすぎる
(2)観察期間が短すぎる

これは青森県の責任ではありません。予備的調査として、10町村の検診結果をまとめてみただけなのです。
たとえば胃がん。ある1年間で見つかった胃がん患者は、全部で10人。
そのうち検診で要精査とされていたのが6人。あとの4人は精査不要と言われていた。だから見落とし4割だと。

たったの10人ですよ。この人数で、どれだけ正しい評価ができるというのでしょう。
調査対象の10町村の、それぞれの町村1つずつの結果を見ていくと、その問題がもっとはっきりします。

ある町(村)では、胃がん患者は1人だけ。この人は検診で要精査だったので、この町(村)は見落としゼロです。
一方で別の町(村)では、胃がん3人が全員、検診では精査不要との判定だったので、なんと見落とし10割です。

このように、少人数の患者の調査で、的中率だとか見落とし率だと言うこと自体、ナンセンスなのです。
せめて、がん患者100人単位で調べた結果なら、多少は統計学的に意味があるでしょうけどね。

もちろんこのことは青森県もわかっていて、やがて全県に広げるつもりの調査の、あくまで予備調査なのです。
ところがNHKはその数値の部分に食いついて、大きく報じたわけです。統計学的な思考が全く欠けています。

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ヒアリ・ハット
- 2017/07/13(Thu) -
ヒアリに遭遇して「ヒアリ・ハット」。いわゆる「ヒヤリ・ハット」をもじったダジャレです。
誰でも思いつくフレーズだとは承知しています。あえて口にしない(書かない)のが大人なんでしょうね。
まして医療従事者が言うのははばかられますが、ノドまで出かかった言葉は、吐き出さなければ気持ちが悪い。

先月以来続いているヒアリ発見情報は、兵庫、愛知、大阪、そして東京にも広がりました。
中国南部から、コンテナに乗ってやって来たらしいので、今後はすべての港町で要注意です。

ためしに「ヒアリ・ハット」でググったら、114,000件もヒットしました。
驚いたことにその多くは、「ヒアリ」をもじったダジャレではなく、「ヒヤリ・ハット」のつもりのようです。
「ひやりとした」と言うべきところを、「ひありとした」と覚え込んでいる方が多いのか。よくわかりません。

昔「ヒヤリ・ハット」という言葉を初めて聞いたとき、なぜか恥ずかしい気持ちになりました。
小規模な事業所の壁新聞や社内ポスターに出てきそうな、田舎くさくて素人っぽい造語を想像したからです。

ところがいつのまにかこの言葉は全国区になりました。今なら、口に出しても恥ずかしくない言葉です。

しかし私は、この言葉の構造が気に入りません。理にかなってないのです。
「ヒヤリとした+ハッとした」を元にした造語だというのに、なぜ「ヒヤリ・ハット」なのでしょう。
正しく短縮するなら、「ヒヤリト・ハット」か「ヒヤリ・ハッ」のはず。
「ヒヤリ・ハッ」なんて言うと、まるで和田アキ子にニアミスしたときのような緊張感が走りますけどね。

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迷惑メールでアド変?
- 2017/07/12(Wed) -
インターネットの情報は玉石混淆と言われますが、メールも似たような状態になってきました。
本当に重要なメールが、毎日受信する数十から100件ほどの雑多なメールの中に、埋もれてしまうのです。

迷惑メールと思われるものは、開かずにゴミ箱に入れるのですが、毎日何十通と来るので、正直困ってます。
もちろん、それらが「迷惑メール」フォルダに自動的に振り分けられるように、ソフトを設定しています。
しかし、ごくまれに、迷惑メールに酷似した、そこそこ大事なメールが、迷惑メールフォルダに紛れ込みます。
だから無造作に、迷惑メールが自動的に削除されるような設定にもしにくいのです。
結局は、迷惑メールフォルダの全てのメールの、差出人と件名をいちいちチェックすることになります。
便利になると面倒になる世の中ですね。

迷惑メールのほとんどが、クリニックの公的なアドレス宛に送られてくるので、アドレスの変更も難しい。
とはいえ、これ以上状況が悪化する場合には、アドレス変更もやむを得ません。
となると、役所や取引先へ、アド変の連絡(手続き)をしなければならなりません。それも面倒な話です。
ホームページの修正も必要だし、なによりも名刺の作り直しは痛い。今月増刷したばかりなので。

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デキャンタージュ
- 2017/07/11(Tue) -
「デキャンタージュ」とは、抜栓後のワインを別の容器に移し替えて、空気に触れさせることですね。
「ワインを開かせ」てワイン本来の風味を取り戻すこの操作を、ウイスキーで行うのは無意味とされています。

ところがこのたび、ウイスキーでデキャンタージュをする羽目になったので、その詳細を。
ていうか、古いスコッチの栓を回したらコルクがねじ切れたという、先日の悲報の続きです。

ウイスキーは、「BELL’S」の「ベル型陶器」というユニークなボトルの、失うのはもったいないスコッチ。
ボトルの首の中に詰まったコルクを、ワイン用のコルク抜きで引っこ抜こうとしても、コルクは砕けるばかり。
ついに諦めて、コルクをボトル内に押し込みました。ボトルは不透明なので、中がどうなってるのかは不明。

ともかく中身を、コルクかすが混入しているはずなので茶こしで取り除きつつ、別の瓶にうつし替えました。
そのために、ウイスキー用のデキャンタを買っておいたのです。クリスタルですが、通販で買った廉価品です。
デキャンタはまず、少量のウイスキーで「共洗い」したのち、残りのウイスキーを注ぎ込みました。

共洗いというのは一般に、後にその容器を満たす予定の液体で、あらかじめその容器を洗うことです。
今回は、水洗いしたデキャンタ内の水滴を除去して、スコッチの味を薄めないための操作です。

さて一連の作業を終えてよく見ると、細かく砕けたコルクが、デキャンタの中を無数に浮遊しています。
コルクの微粉末が、茶こしではこし切れてないのです。これは困った。
で、どうしたかというと、コーヒー用のペーパーフィルターで濾過しました。バッチリうまくいきました。
味わってみると、これが驚くほどマイルドで美味なのです。
ウイスキーでも、デキャンタージュは有効かもしれません。あるいはただ、香りとアルコールがとんだだけか。

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フリクションで軋轢
- 2017/07/10(Mon) -
子どもの予防接種の予診票を書くのが、けっこう面倒だという話を、先日書きました。
そこで来院後の手間を省くために、あらかじめ予診票を持ち帰っておき、自宅で書いて持って来る方もいます。
その場合は、来院したらすぐに、検温・診察、という流れになり、接種前の待ち時間が短縮できるのです。

ところが、自宅で予診票を書いて来るような準備の良い方に限って、「フリクション」で書いてきたりします。
例の、パイロットの消せるボールペンです。このペンで書かれた予診票は、残念ながら書き直しとなります。
せっかく書いてきたのに、どうにかなりませんか、みたいなことになり、親御さんとは多少の軋轢が生じます。
フリクションだけに。

改ざんを防ぐため、公文書にフリクションを使うことはできません。でも予診票はどうなんでしょう。
被接種者も医者も保健所も、予診票を改ざんする理由が見当たりません。
しいて言うなら、保健所が予診票を集計処理する際に、問題があるかもしれません。
スキャナを通して機械処理するときに、スキャナの内部が高温になっていたら、字が消えてしまうからです。

そこで実験です。フリクションで文字を書いた紙を、院内のコピー複合機に通してみました。その結果、
(1)通常のコピー → 変化なし
(2)通常のスキャン → 変化なし
(3)コピー用紙として使用 → 文字消失(すっかり消失)

コピー元の用紙に熱は加わりませんが、コピー用紙は加熱されるようです。トナー定着のためでしょう。
その紙を冷凍庫に入れたら、瞬時に文字がよみがえりました。その予想できた結果にも、あらためて驚きます。

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それ、弁膜症かも
- 2017/07/09(Sun) -
最近テレビを見てて思わず吹き出したのが、ACジャパンの支援キャンペーンの、「日本心臓財団」のやつ。
「心臓弁膜症」について啓蒙する、コントのようなCMです。見てない方はぜひ、ネットでご覧ください。

登場人物は、上杉謙信と武田信玄。声の出演はサンドウィッチマン。
「息切れするし、もう年だわ」と嘆く謙信に、「弁膜症のせいかもよ」と信玄。
「ちょっと何言ってんのか、わかんないけど」という謙信の反応は、富澤たけしのお決まりのセリフですね。

たしかに「弁膜症」という聞き慣れない病名の登場が唐突なので、視聴者も「何それ?」ってなりそうです。
まあそのような疑問を抱かせることができれば、このCMも成功したと言えるのかもしれません。

ただしCMには時間が足りなくて、「弁膜症」自体の説明がほとんど、ていうかまったくありません。
結局言ってることは、「息切れが気になったら病院へ」ということ。
最後に、信玄が「高齢者に進言を!」、謙信が「早めに検診を!」というダジャレで締めくくります。

今でこそ、心臓病の代表と言えば、狭心症・心筋梗塞のような虚血性心臓病。次が不整脈かもしれません。
しかし弁膜症も意外に少なくはなく、息切れの原因は弁膜症かもしれませんよと、CMが訴えるわけです。

私が研修医の頃は、「心臓弁膜症」と「先天性心臓病」が、二大心臓病とも言えるものでした。
そのころの心臓手術症例のほとんどが、このいずれかでしたが、とくに多かったのは弁膜症でした。

しかも心臓弁膜症のほとんどが「リウマチ性心臓病」で、その多くが「僧帽弁膜症」でした。
若い医師の方には想像もつかないでしょうけど、昭和の時代はリウマチ性心臓病がとても多かったのです。

そのリウマチ性心臓病の原因は、溶連菌感染症です。いまでも日常的によく遭遇する、子どもの病気です。
今日1日だけでも、新患4人、再診7人の、溶連菌感染症の患者さんが来院しました。それほど多いのです。

さいわい、いまは有効な抗生剤治療があるので、溶連菌感染者が将来弁膜症になる可能性は低いでしょう。
ACジャパンが啓蒙している弁膜症は、実際のところリウマチ性以外のものが多いかもしれません。
でも私は弁膜症と聞くと、リウマチ性の僧帽弁膜症の、再手術・再々手術で苦労した時代を思い出すのです。

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手袋の使い回し
- 2017/07/08(Sat) -
歯科医院では、その約半数が手袋や医療機器を使い回していると、センセーショナルに報じられました。
歯を削るドリル(あの、イヤな音がするヤツ!)の柄や手袋を、患者ごとに交換していないというのです。

問題がないとは言いませんが、報道は表面的、メディアは感情的であり、情報は正確ではありません。
たとえば手袋は、「使い回し」という言葉で短絡的に非難していいのか、疑問です。

もちろん、すべての患者で新品の手袋を使うのが理想です。
私が診療中になにかの処置等を行う際の手袋は、いつも新品を使い、使用後にすぐ廃棄しています。
毎回捨てるのはもったいないので、アスクルで購入可能ないちばん安い手袋を使っています。

そもそも私の場合、手袋を使う機会は少なく、通常の診察は素手で行い、手指はたびたび消毒をしています。
たまに手袋を使ったとしても、いちど外すと手袋が裏返るので、それを再使用するのは少々面倒です。
したがって手袋を使い回そうとすれば、その手袋をずっと外さないままで使い続けることになります。
もちろんその都度、手袋のまましっかりと手を洗うことが大前提です。

しかしそれでも、手袋を使わずに素手で処置するよりはずっと、患者さんにとって清潔だと思います。
素手はいくら丁寧に洗っても、外科医が手術前に洗うような厳密さがなければ、つねに汚染されているのです。
一方で手袋には、爪やシワや毛穴が無いので表面が平滑であり、かなりきちんと洗うことができます。
手袋を手にはめたままでしっかり洗い、ハンドタオルで水をぬぐえば、清潔度はかなり高いと考えられます。

「手袋の使い回し」というと不潔な印象がありますが、「素手の使い回し」よりはよほど清潔だと思います。

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ロックアイス
- 2017/07/07(Fri) -
ウイスキーを飲むときのロックアイスは、自分で作るのはもう諦めて、通販で「丸氷」を買っています。
少量買うと送料の方が高く付くので、大量に買います。おかげでわが家の冷凍庫は氷だらけ。

丸氷を使うときは、まずグラスに氷と水を少量入れ、氷をグルグル回してグラスを冷やします。
ところがこのとき、氷の表面に、無数のヒビが入り、せっかくの透明な氷が不透明になってしまいます。
まったく残念なことです。

そこである日、知り合いのショットバーのマスターに訊いたら、室温で1,2分放置しとけばいいですよ、と。
そんな単純なことですか?、まさかね。半信半疑でやってみたら、なんと氷にヒビが入らない!
マスターを疑ってすみませんでした。

どうやら、冷凍庫から取り出したばかりのマイナス15℃の氷と水とでは、温度差が大きすぎるのでしょう。
グラスに入れて放置すると、室温に晒されて氷がわずかに溶け始め、つまり氷の表面が0℃になるわけです。
おかげで今では、ロックアイスはいつも透明で、良い感じです。

丸氷は、見かけの美しさのほかには、長持ちすることが特徴だと言われています。
球は、一定体積当たりの表面積が最小なので、溶けにくいからです。

しかし考えてみると、ロックアイスの冷却作用って、氷が溶けるときに奪う融解熱も重要ですよね。
だからなかなか溶けない氷というのは、なかなか冷やしてくれない氷とも言えるわけです。
まあ、氷がすぐとけて、ロックのつもりが水割りになるのは避けたいですけどね。

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豪雨と避難勧告
- 2017/07/06(Thu) -
西日本各地で豪雨被害が出ています。梅雨前線の南側にできた「線状降水帯」の仕業です。

雨雲レーダーで見ると、東西に延びた雨雲が東に移動するものだから、同じ地域にばかり雨が降るようです。
それが筑後川流域の広範囲に大雨を降らせ、水を集めた筑後川沿いには重大な被害が出ています。
日田ではJR久大線の鉄橋が流されました。日田の観光スポット豆田町から、そう遠くない場所です。
久留米市など各地では「避難指示(緊急)」が出されました。

わが家付近では、今朝3時から4時頃に豪雨があり、とどろき続ける雷鳴が、愛犬「花」をおびえさせました。
一昨日の台風では、庭の物品や樹木が揺さぶれれるのを見て果敢に吠え続けた花ですが、犬は雷に弱いのです。

雨が続くので地盤も緩み、熊本市では白川の氾濫も気がかりです。
そう思っていたら、仕事中の午前9時半ごろ、ケータイ(スマホ)がけたたましく鳴り響きました。

熊本市に、「避難準備・高齢者等避難開始」が発令されたようです。
昨年までの「避難準備情報」が、高齢者の適切な避難を促すために、こんな長い名称に変わりました。

避難場所は、熊本市ホームページで確認してください、とあるので念のため見てみると、
「非難準備・高齢者等避難開始」発令、と太字で記載あり。誤字がありますが、市を非難したりはしません。
誤字のチェックよりもきっと、避難情報の公開の方を急いだのでしょうから。

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北朝鮮がICBM発射
- 2017/07/05(Wed) -
米国の独立記念日に合わせて、北朝鮮はついに、ICBMと思われるミサイルを発射しました。
これがいわゆる「レッドライン」を越えたことになるのか。トランプ大統領はどう出るのでしょう。

少し前まで北朝鮮は、ミサイル発射実験のことを「人工衛星の打ち上げ」だと言い逃れていました。
ところが最近はむしろ堂々と、ミサイル開発してますよ、軍備増強中ですよ、とアピールする変貌ぶりです。

おかしなことに、日米韓の態度はちょうど、北朝鮮と逆に見えます。
北朝鮮が「人工衛星」だと言うと、いやそれは「事実上の弾道ミサイル」だと日米韓は非難していました。
なのに最近の北朝鮮のミサイルについては、「現時点ではまだ、ICBMとは言えない」と平静を装う態度。

最悪の事態を考えたくないので現状を矮小化して評価する、一種の「正常性バイアス」なのかもしれません。

昨日だって、北朝鮮がICBMだと言ってるのに、米国は当初、中距離弾道ミサイルだと分析していました。
その後しぶしぶICBMと認めたわけですが、レッドラインを越えたとはまだ言いません。

もしも米軍が北朝鮮を攻撃したら何が起きるのか、それを考えると慎重にならざるを得ないのでしょう。

でも、トランプ大統領は何をするかわからない人物です。レッドラインの解釈など、すぐ変わるでしょう。
韓国や日本の被害には目をつぶって、いきなり北朝鮮を空爆する、という可能性もありそうで恐ろしい。
そしてもしもやるなら、北朝鮮の報復ミサイルがまだ米西海岸に届かない、今のうちかもしれませんね。

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同時接種用予診票を
- 2017/07/04(Tue) -
予防接種の予診票は、住所・氏名・生年月日などの他に、既往症や体調や出生時体重などの記載欄があります。
それを全部埋めるのに、だいぶ時間がかかります。ワクチンをいくつも同時接種する場合は、かなり面倒です。

何枚も書き上げた挙げ句に、熱を測ったら37.6度、なんて場合には、接種見合わせとなります。
そして後日、体調改善後にまた来て、また何枚も予診票を書いて・・・という作業を繰り返すことになります。

そこで提案なんですけどね。
ワクチンが異なっても、予診票の内容はほぼ同じ。ならば、複数ワクチン同時接種用の予診票ってどうですか。
そう思って調べてみたら、一部の自治体ではすでに、そのような予診票を使っているようですね。

乳児早期はとくに定期接種ワクチンが多いですが、同時接種の組み合わせパターンは決まっています。
任意のロタウイルスワクチンも加えると、満2カ月で4つ、3カ月で5つ、4カ月では4ワクチンを接種します。
そこまではほぼ全員が同じ組み合わせ(ロタの有無の違いのみ)、同じペース(4週間隔)で接種します。
現状では、その13のワクチンの接種を受けるためには、合計13枚の予診票を書かなければなりません。

ところが複数のワクチンの同時接種に対応する予診票であれば、1回の接種で1枚だけ書けばよいのです。
熊本市の定期接種の予診票は、機械処理用の様式なので、改変には多少の手間が必要になりそうです。
ですが一度作ってしまえば、予診票の枚数が減る分、機械処理の作業量はむしろ削減できるはず。
定期接種分だけでも、同時接種用予診票にしてくれませんか、保健所の方。

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天地無用
- 2017/07/03(Mon) -
「天地無用」という慣用句(四字熟語)は、誤解を招きやすいので最近はあまり使われないらしいですね。

平成25年度の文化庁の「国語に関する世論調査」によると、「天地無用」の意味を尋ねた場合の回答は、
「上下を逆にしてはいけない」(正しい解釈)55.5%、
「上下を気にしないでよい」(誤った解釈)29.2%。
どのような慣用句でも見られる傾向ですが、若い人ほど誤用が多く、10代では正誤が逆転しているようです。

さて、先日書いた、ナイスじゃないカップ麺「カップヌードル ナイス」の話。
私は二度と食べようとは思いませんが、念のため他人の評価も聞いてみようと、当院職員用に箱買いしました。
Amazonで12個入りを1箱発注。メーカーの梱包で配達されるのかと思ってたら、Amazonの箱が届きました。

そのAmazonの箱を空けると、ビニールで固定された、日清の箱が入っていました。「二重箱」状態です。
小さな商品が、大きなAmazonの箱の底にビニールで固定された状態で届くのなら、見慣れた光景です。
しかし日清の箱は、Amazonの外箱にギリギリ入る大きさです。そこまでして、Amazonの箱に入れますか。

よく見ると、日清の箱には「天地無用 この面を必ず底面にしてください」と印刷されています。
ところがそこまで明記してあるにもかかわらず、その面を上にして、上下さかさまにビニールで固定してある。
箱の天地などまったく気にしていないどころか、メーカーの注意書きすらも無用だというわけです。
機械処理ゆえの問題でしょうか、それともAmazonの係員は「天地無用」の意味を知らない若い人なのか。

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30連勝ならず
- 2017/07/02(Sun) -
都議会議員選挙の行方よりも、藤井四段の竜王戦トーナメントの方が気になってましたが、残念な結果でした。
藤井四段の30連勝は成りませんでしたが、まだまだこれからいくらでも強くなり、活躍することでしょう。

彼のこれまでの29勝の内容は、詳細に分析されています。
そして、藤井四段の指し手と将棋ソフト(AI)の最善手との一致率が、極めて高いことがわかっています。
もしかして、将棋ソフトで修練を重ねた藤井四段は、脳内回路がAIに近い状況になってるんでしょうかね。

将棋ソフトはどんどん強くなっているので、人間が戦ってももう、なかなか勝てません。
2年前の「将棋電王戦」では3勝2敗で人間が勝ちましたが、そのうち2勝はソフトの弱点を突いたものでした。
ソフトの弱点が分かっていてその手を使った面があり、正々堂々としていないという批判もありました。

しかし将来、人間がコンピュータと戦う日が来たら、機械の弱点を突く戦略しかないでしょう。
真っ向勝負して勝てなければ、合理的に考えたらあり得ないような作戦で、機械を混乱させるしかありません。

藤井四段は、守りも責めも強い、スキが無い、などとプロ棋士たちが言います。
まさに無敵かとも思えていたのにしかし、実際に対局したら、今日のようにあっさり敗れたりするんですね。
将棋ってほんとに奥が深い。となるとまだしばらくは、人間とAIは互角に戦えるかもしれません。

「Mr.サンデー超拡大スペシャル」では、小池都知事のインタビューを中断して、将棋を中継していました。
解説する「ひふみん」は、いつも以上に気持ちが高ぶって、言ってることが半分もわかりませんでした。

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iPhone10年
- 2017/07/01(Sat) -
Appleが初代の「iPhone」を発売したのは、米国時間の2007年6月29日でした。
日本上陸は2代目の「iPhone3G」からで、その発売は2008年7月11日。私も朝から並んで買いました

「iPhoneが世界を変えた」と、Apple信者の私が言わなくても、まあ誰もが認める事実でしょう。
現代人にはもはや、スマホ無しでの生活は想像もできません。発売から10年しかたってないのに、です。
いまでこそiPhoneの世界シェアはそれほど高くないですが、スマホ文明を牽引したことは間違いありません。

では、次の10年はどうでしょう。どの企業のどのような製品・サービスが世界を変えるのでしょうか。
GoogleやTeslaやAmazonやFacebookなどのIT企業が、それぞれの分野で最先端を走っています。
Appleが彼らと同じ土俵で勝負するのは難しいでしょうけど、きっとまたやってくれると思うのが信者です。

逆に、iPhone以前の10年はどうかといえば、ジョブズが復帰して、Appleがなんとか復活した10年でした。
90年代は、身売りするかどうかが噂されるほど落ち込んでいた会社でしたが、いまや時価総額世界一です。
Windowsに比べるとまったくマイナーなパソコンだったMacも、いまはかなり人気があります。

Apple快進撃のさなかに亡くなった、カリスマCEOジョブズは、ほぼ神格化して現在に至ります。

iPhoneが登場した10年前、その評価は賛否が分かれました。ジョブズすら過小評価していたもといわれます。
後の世界を変えるモノは、それが登場した時点ではまだ、世間には評価され難いのかもしれません。
逆に言うなら、簡単には価値が推し量りかねるぐらいのモノが、後の世界を変えるのでしょうね。

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