ミサイル渋滞中
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- 2017/09/30(Sat) -
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広島県内の県道の交通電光掲示板に昨日、「ミサイル渋滞中」という情報が30分間表示されていたと。
これを聞いて最初に、6年前の「セシウムさんテロップ騒動」を思い出しました。 東海テレビが、番組のプレゼント当選者名を「セシウムさん」と表示して放送してしまった件です。 福島原発事故で日本中がピリピリしていた時期だけに、大ひんしゅくの放送事故でした。 職員が、ダミーの当選者名を入力して準備していたものを、新人の手違いでそのまま流したという悲劇です。 手違いや伝達ミスよりも、まず、そのような不謹慎なダミーを着想すること自体が、最大の問題でしょう。 さて「ミサイル渋滞中」ですが、じつは、「ミサイル」と「渋滞中」が交互に表示されていたようですね。 「ミサイル」は、Jアラートのミサイル情報を表示できるようにするための、作業中の誤作動だったとのこと。 なんだ、不適切なダミーがそのまま表示されたのではなかったのか。ちょっとつまらない結末。 これがもしも、「ミサイル」だけが単独で表示されていたら、かなりドライバーを驚かせたことでしょう。 ところが、「ミサイル」に「渋滞中」が続いたことで、ミサイルという言葉の深刻さが中和されたのです。 このさい、「ミサイル」「飛び出し注意」のペアであれば、もっと笑えたかもしれません。 なんなら、「ミサイル」「お先にどうぞ」なんてのもいいな。こういうのはたぶん、熊本県警が得意です。 |
開院当初を振り返る
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- 2017/09/29(Fri) -
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10月1日に、つるはらクリニックは開院10周年を迎えます。
その記念祝賀会を、本日、当院スタッフを中心とした身内で行いました。 節目の年なので、開業前後から現在に至るまでの写真や資料を整理して、一冊のアルバムにまとめました。 その、アルバム作成作業を通じて振り返ってみると、10年間は苦労と喜びの繰り返しだと感じました。 熊本市民病院を退職するにあたっては、病院、大学、家族、実家、そして友達への相談や説得が必要でした。 大学の先輩が開業するときの姿を過去に何度も見てきましたが、やっと、先輩たちの気持ちがわかりました。 小児心臓外科医としての仕事には、誇りも責任も愛着もありましたが、信頼できる後輩にバトンを渡しました。 土日祝日は診療日とし、金曜休診・火曜半ドン(午後休診)という、かなり意欲的な診療体制で始めました。 最初の1週間の来院患者数は、月曜16、火曜3、水曜7、木曜12、土曜8、日曜11人でした。 私とスタッフが、診療と電子カルテに慣れるにはちょうど良い(?)患者数だったかもしれません。 当初は、金曜が祝日なら診療を行いましたが、いまは祝日でも休診しています。火曜も休診にしました。 アドレナリンが激しく出ていた開院当初は平気でしたが、だんだんと、疲れが出てくるものです。 それに、スタッフの休日・休息を確保しなければなりません。土日診療には、労務上の苦労も大きいものです。 開院前の研修の中で、職員が短期的・中長期的な目標を言い合いました。私の5年後の目標が、笑えます。 「医療以外の地域貢献、健康・体重維持、託児室・シャワー室・調理室をつくる、スタッフに1カ月の休暇を」 ブログが地域貢献に該当するかどうかは、わかりません。体重はまずまず。長期休暇は、すみません。 |
腕時計で電話
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- 2017/09/28(Thu) -
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新型の「iPhone 8」の売れ行きがイマイチなのは、11月に「iPhone X」の発売が決まっているからでしょう。
私も含めてApple信者はiPhone Xを待つだろうし、信者でなければ急いでiPhone 8を買う理由もないわけで。 先週は、iPhone 8と同時に「Apple Watch Series 3」も発売されました。 興味ない人は興味ないでしょうけど、Apple Watch Series 3が「単体の電話」になったのも注目点です。 これまでと異なり、Series 3は、iPhoneとは独立して単独で通話ができるのです。興味ないですか? 私のWatchは初代です。ペアリングしたiPhoneが近くにある時にのみ、電話としての着信や発信ができます。 カバンの中にiPhoneがあれば、かかってきた電話をWatchで受け、会話を続けることができます。 ただし、腕を口元に近付けて喋るのは、まるでSFアニメかB級スパイ映画のようで、人前では避けたいもの。 急ぎの電話であれば、とりあえずWatchで喋り始めながら、iPhoneを手に取る、というのが通常です。 ある日、自転車で通勤中に、実家からの着信があったときのこと。 農道で人目が無かったので、走りながら通話を続けました。手をハンドルに置いたままでも、十分話せます。 ところが、話がこじれてケンカ腰になり、気がつくと市街地を大声でしゃべりながら走っていたのでした。 その光景はまるで、大声で独りごとを言い続けながら自転車に乗っている、危ないオッサンそのもの。 街中で人々が、Watchで堂々と通話できるようになるまで、まだしばらくかかりそうですね。 |
バーボンのあれこれ
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- 2017/09/27(Wed) -
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愛飲しているのはスコッチウイスキーのシングルモルトですが、ときにはバーボン(bourbon)も飲みます。
昔は「アーリータイムズ」とか「ジャックダニエル」とか「ワイルドターキー」を、よく飲んでました。 先日、池上彰氏の番組で、「自由の女神像」はフランスからアメリカに贈られた、という話が出ました。 付け加えるなら、その贈り主は、イギリスに対抗してアメリカを支援していたフランス国王ルイ16世です。 後にフランス革命で処刑された、ブルボン(Bourbon)朝の国王ですね。 米大統領は、ブルボン朝への感謝を込めて、ケンタッキー州の郡のひとつを「バーボン郡」と名付けました。 ケンタッキー州のウイスキーは、おもにバーボン郡の港(川の港)から出荷されたそうです。 出荷地の名前が樽に刻印されたため、そのウイスキーは「バーボン」と呼ばれるようになったとのこと。 面白いことにバーボン郡には現在、バーボンの蒸溜所はないそうです。 最近、ジャックダニエル(標準のブラック)を久々に飲んだら、妙に辛く感じてしまいました。 いつもシングルモルトばかり飲んでるから、味覚が変わってしまったのか、体だけでなく舌も肥えたのか。 ジャックダニエルの蒸溜所があるのは、テネシー州ムーア郡。 面白いことにムーア郡は、禁酒法施行以来ずっと、郡内で酒類の販売ができない「禁酒郡」だとか。 子どもの頃好きだったお菓子「ルマンド」の製造元、あれも「ブルボン」ですよね。 調べてみると、「ブルボン朝」か、コーヒー豆の「ブルボン種」の、いずれかにちなんだ命名だとか。 ブルボン種の由来の「ブルボン島」はルイ13世が命名したので、どっちみち元はブルボン朝です。 ブルボン朝つながりですが、バーボンを飲むときのつまみにブルボンのお菓子は、たぶん合わないと思います。 |
希望のシャンシャン
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- 2017/09/26(Tue) -
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上野動物園のパンダの赤ちゃんの名前は、「シャンシャン(香香)」に決まりました。
「香」と書いて「シャン」と読むのは、よく行ってた中華料理店「一品香(イーピンシャン)」で知ってます。 選考会はたぶん、すんなり委員の意見が一致して決まる「しゃんしゃん会議」だったのでしょう。 「シャンシャン」の命名を記者会見で発表したのは、ほかならぬ小池百合子・東京都知事でした。 引き続いて小池氏は、自身が立ち上げて代表に就任する新党の名称を、「希望の党」にしたと発表しました。 1日に2つの「命名案件」を、立て続けに晴れがましく披露するとは、なかなか上手い演出です。 どうせなら、旗揚げ会見の場で、「希望の党」のかわりに「シャンシャン」のパネルを出してほしかった。 「あ、うっかり間違いました」とか言って笑ってみせる。すると誰か記者が、 「どうせなら『シャンシャン党』にしてはどうですか」と突っこむ。 「いえ、それでは『シンシン党』に響きが似てて、縁起が悪いです」といなす小池氏・・・(以下略) 「希望の党」ではなくて「野望の党」だ「失望の党」だと、言葉遊びが始まっています。良い傾向ですね。 「○望」という二字熟語を調べてみると、聞いたこともない言葉がたくさん出てきました。 「鶴望」は、首を長くして待ち望むことだそうです。文字面も良いですね。いつか使おう。 「望望」なんてのもある。意味は(1)がっかりするさま、(2)遙かに望み見て思い慕うさま。 2つの意味がだいぶ違いますが、遙かに望み見たけれど叶わずがっかりする、ということなのでしょうか。 「ヒゲ望望」とは、ダンディーになりたくて伸ばしたけれど、結果ガッカリなヒゲのことなんでしょうね。 |
菊陽のトライアングル
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- 2017/09/25(Mon) -
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地方都市の、そのまた郊外に住んでいると、どうしても街に出る機会が減ります。
近所に郊外型の大型ショッピングセンターなどがあるので、日頃の生活はほぼ地元で完結してしまうのです。 でもたまには街の空気も吸いたいし、その反対に、もっと田舎の自然を満喫したくもなる。 福岡に住んでいた頃は、たびたび上京して東京の街をうろついたり、阿蘇方面に遊びに行ったりしていました。 熊本に来てからは、ときどき福岡に遊びに出るか、あるいはやはり阿蘇をドライブしたりしてきました。 それから菊陽町に引っ越すと、たまに熊本市中心市街に出かけるか、そうでなければ阿蘇方面を訪れます。 求める街の規模が、だんだんと小さくなっていますが、満喫する自然はいつも、阿蘇なんですね。 それと同時に、自分自身の居住地がだんだんと阿蘇に近づいていることに気付き、愕然としました。 もしかして、終の住み処は阿蘇なのか。そのときは街の空気が吸いたくなると、菊陽に出てくるのか。 最近、菊陽の中でもやや郊外にある、「ドン.キホーテ」「ハンズマン」「デサキ」の3店舗をよく巡ります。 これを「ド・ハ・デ」トライアングルと命名しましょう。庶民的な客層の店ですが、あなどれません。 ドンキは、一部の銘柄の商品(酒類)が、ネット通販の最安値よりも安いという、穴場なのです。 ハンズマンは、最近特殊なネジを購入したときに、そのありがたみを再認識したばかり。とにかくネジが多い。 デサキは・・・う〜ん、余計な日用品置くのやめて全部文具にしたら、そうとう面白い店だったんですがね。 |
RSウイルス検査希望
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- 2017/09/24(Sun) -
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「アデノウイルスの検査をしてください」という患者さん(の親御さん)が、最近チラホラいます。
高熱を伴う強い咽頭炎・扁桃炎の所見があれば、アデノウイルスの迅速検査をする場合があります。 アデノが出なかったら普通のノド風邪の治療をしますが、アデノが出ても結局は普通のノド風邪の治療です。 じゃあ、検査する意味あるのか、って話です。 患者が保育園に報告するという社会的意義はありますが、治療に結び付く医学的意味は、あまりありません。 「RSウイルスの検査をしてください」という方が、今月はとても多いですね。 0歳で39度以上で咳がひどくて喘鳴が聞こえていれば、まあ、検査します。低酸素があればなおさらです。 ただし、保険が利くのは0歳だけです。1歳以上の方にRSの検査をすると、「自由診療」(自費)となります。 ところが、RSウイルスの検査料を自由診療として患者に負担させると「混合診療」となり、御法度です。 つまり、自費でもいいから検査してくれ、と言われても、自費では検査ができないルールなのです。 結局、検査費用は、保険診療でも自由診療でもないサービス(=医療機関の負担)ということで決着します。 以前は、このようなサービス検査を私もしばしば行っていましたが、最近は減らしています。なるべくしない。 1歳以上で、病状が比較的軽くて入院治療が必要とは思われない場合には、基本的に検査しない方針です。 だって、RSウイルス感染であろうとなかろうと、処方や吸入や点滴などの治療内容に差は無いからです。 いや待てよ、治療中の疾病に無関係な自由診療を行った場合は、混合診療にはならないのではなかったっけ? たとえば、高血圧の治療で通院している人に、インフルエンザワクチンを接種する時などがそれです。 RSウイルスの検査結果は治療には無関係だから自費検査OKだ、と強弁することはできないのでしょうかね。 |
口論エスカレート中
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- 2017/09/23(Sat) -
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「過去最大の水爆実験を太平洋上でやる」と、過去最大の激しい表現を、北朝鮮が繰り出しました。
まったく言い放題やり放題ですが、北朝鮮が何をやっても、それを直接取り締まるすべがありません。 ミサイルを発射し、核実験もやり、非難されたらますますエスカレートする。まるで子どもです。 じゃあ、世界各国が非難もせず、制裁も加えず、報道もせず、ひたすら無視してみたらどうなるんでしょうね。 自国の領土内で何度核実験をしようと、公海上に何発ミサイルを撃ち込もうと、徹底的に無視する。知らん。 いやいやそれだと、他国の領海ギリギリに着弾させたり、核弾頭を公海上に落としたりし始めるかもしれん。 そうこうするうちに、精度の低いミサイルが、どこかの国の領海か領土に落ちたりする。 先日のミサイル発射のとき、着水域を事前通告してなかったのは国際法違反だ、なんて言ってる人がいました。 寝ぼけちゃいけません。国際法なんて、あの国に通用するものですか。 あらゆる国際法が、あらゆる条約が、あらゆる常識が、すべて適用外です。 おまけに、金正恩委員長だけが子どもかと思ったら、トランプ大統領というガキ大将がいるので、ややこしい。 「ロケットマン」→「老いぼれ狂人」→「リトルロケットマン」 と、悪態の応酬が続いてます。容貌容姿に関わる言葉が出始めたので、いよいよ口げんかも末期ですね。 それにしても、このレベルの低さは何なんでしょう。かりにも国家元首ですよ。 |
顧客ファースト
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- 2017/09/22(Fri) -
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新入社員が過労自殺した電通の違法残業事件では、今日の初公判で社長が謝罪しました。
「顧客ファースト」で、深夜残業や休日出勤もいとわない考えが蔓延していたと、検察は指摘していました。 顧客のために、顧客の要求に応じて、顧客第一で社員が働いたことが、過重労働につながったのだと。 ところで、「顧客」を「患者」に置き換えてみましょう。 「患者ファースト」で、深夜残業や休日出勤もいとわない考えが、医療界にも蔓延しているからです。 患者のために、患者の要求に応じて、患者第一で医師が働くことが、過重労働につながっているのです。 電通や新国立競技場建設工事での「顧客第一」体質が、新入社員を過労自殺へと追い詰めました。 企業の「顧客第一」はつまり、営利目的であり、社員に過重労働をさせれば糾弾されなければなりません。 一方で東京や新潟の医師の過労死は、残念ながら、電通事件ほど日本中を騒がせる問題にはなりませんでした。 病院の「患者第一」はむしろ、賞賛対象なので、勤務医の過重労働にはメディアも見て見ぬふりなのです。 過労事故を防ぐための、厚労省の「働き方改革」では、医師への規制適用を暫定的に除外してしまいました。 医師には「応召義務」があるので、時間外労働を機械的には規制できない、というのが理由です。 しかしもうそろそろ、応召義務については考え直すときでしょう。できれば、撤廃すべきです。 医師は、その使命感と責任感によって自発的に診療を行うのであって、強制されるものではないのです。 |
解散に大義はあるのか
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- 2017/09/21(Thu) -
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衆議院の解散が、迫りつつあります。野党やメディアは「大義なき解散」だと猛烈に批判しています。
しかし、大義はともかく、理由ならあります。今なら勝てるからです。誰もがそう思っています。 来年12月には任期満了となる衆議院で、いつ選挙するのが最善かと考えれば、おのずと答は出るでしょう。 準備がまったく間に合わない野党があと1年待ってくれと言ったって、与党が待つはずがありません。 解散の大義を、なぜいま解散するのか、に求めるからおかしくなるのです。 選挙で大勝したとして、その後何をしたいのか。それこそが解散の大義でしょう。野党はそれを問わなければ。 普通に考えたらそれは、多数勢力に頼った憲法改正(の発議)でしょうね。 「憲法改正が大義である。そのためには発議可能な議席確保が必要であり、だからいま解散するのだ」 そうハッキリ言ってくれればスッキリするものを、安倍首相はどうも、素直じゃない。 消費税の増税分を幼児教育や高等教育の無償化に充てる、などと脈絡もなく言い出すのがダメなのです。 たしかに「日本経済が抱える最大の壁は人口減少だ」と安倍首相が言うとおり、少子化問題は極めて深刻です。 しかし、そんな重要なことを海外の証券取引所で「公約」するものだから、「取って付けた感」があるのです。 ならばそのことを国連でももういちど明言するのかと思えば、国連演説は異常なまでに北朝鮮一色でした。 そこまでトランプ米大統領に迎合したいなら、「ロケットマン」を使ってほしかったな。 |
書斎のバー化
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- 2017/09/20(Wed) -
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未開栓のウイスキーを、20年以上自宅で寝かせて(=放置して)いたものが何本もあると、以前書きました。
栓のコルクが傷んで気密性が悪くなり、中身が揮発して、未開栓なのに内容量がだいぶ減ってたりします。 密閉できてないくせにガラスにしっかり貼り付いたコルクが抜けなくなり、砕けてしまうこともしばしばです。 そのコルク抜きの苦労談は前に書いたので、今回は別の話を。 まず、すでに開栓して日頃ときどき飲んでるウイスキーボトルの扱い、とくに密栓法をどうするか。 1,2カ月で飲み干すつもりなら特段の工夫は必要ないでしょうけど、開栓後何年も保管するとなると問題です。 私が自宅でウイスキーを飲むとき、1銘柄につき1杯25mlほど、それを3,4銘柄というパターンが多いです。 大衆的な銘柄はたびたび出番が来ますが、ちょっと高級なヤツは月に1回飲むかどうか、という頻度です。 それが750mlのボトルだと、月に1回の飲み方では飲み干すのに30カ月かかる計算。中身の揮発が心配です。 そこで、コルク栓の気密性を補強するために、周囲に巻き付けて使うのが「パラフィルム」なのです。 医学・生物学や化学実験の経験がある方なら、おなじみですね。試験管やフラスコの口を密閉するシールです。 手で引っ張るとグニューンと伸びて、色んな形状の部分に密着し、その内部を密閉し、しかも剥がれません。 幅4インチのパラフィルムを長さ1インチほど切り取り、コルク栓の根元に巻き付けて綺麗にシールできます。 もちろん、ボトルの保管場所(=書斎)の温度管理にも気を付けています。夏場はエアコンつけっぱです。 もともと暗い部屋ですが、窓には常にシャッターを下ろし、日光が入らないようにしています。 書棚にはウイスキーボトルを産地別に整然と並べ、地震で落ちないように、棚にはチェーンを張ってます。 先日は糸を張っていると書きましたが、どうも見栄えが悪いので、すべて黒いチェーンに取り替えました。 かくしてわが書斎は、震災後の混沌から立ち直ったどころか、いまや私には快適なバーと化しているのです。 |
どうなるザらス
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- 2017/09/19(Tue) -
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米国の「トイザらス」が、経営破綻したザらス。Amazonの激流に、押し流されてしまったらしいザらス。
破産手続きの対象は米国とカナダの店舗だけで、日本法人の営業は継続するらしいザらス。くどいザらスか? 当院の隣には「ゆめタウンサンピアン」があり、そこに「トイザらス」と「ベビーザらス」が入居しています。 昭和の時代、この地には地元スーパーのニコニコ堂が経営する「サンピアンプール」があったそうですね。 いろいろあってプールは廃止され、1996年に「ニコニコドーサンピアンシティモール」ができました。 そのニコニコ堂が2002年に経営破綻し、イズミグループの「ゆめタウンサンピアン」となったわけです。 トイザらスとベビーザらスが近いのもメリットと考え、私はその隣で、2007年にクリニックを開院しました。 ところが3年前、熊本市の比較的中心部に「ゆめタウン大江」ができると聞き、戦々恐々としたものです。 その新しいショッピングセンターに、トイザらスたちが移転してしまうのではないかと思ったからです。 さいわい移転はなく、ほっと胸をなで下ろしたと思ったら、昨年の熊本地震。 老朽化していたサンピアンは構造が損壊したので、完全に建て替えるのではないか、という噂も聞きました。 それだと、営業再開まで年単位かかるでしょう。今度こそ、ザらスたちが逃げてしまうのかと心配しました。 ところが、サンピアンは持ちこたえました。地震の4カ月半後には、トイザらスも営業を再開しました。 彼らは残ってくれたのです。可愛いやつらです。応援シナケレバ。 考えてみると、クリニックの備品のオモチャを最近は、Amazonで買ってましたね。これはいけませんザらス。 |
世界最高齢ナビ
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- 2017/09/18(Mon) -
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鹿児島県の田島ナビさんが世界最高齢の人物となり、久々に日本人が一位の座を奪還しました。
1900年(明治33年)生まれの117歳。この方に比べたら、57歳の私など、ひよっこ同然です。 「日本で存命する最後の19世紀生まれ」とも言われています。面白い。足かけ3世紀生きてるわけですか。 ナビさんの夫(故人)の名前が富二子さんというのもまたウケます。富二子は「とみにし」と読むそうです。 世界最高齢って地位は、ひとたび獲得すると生涯破られることのないタイトルですよね。誰も追い越せない。 だからナビさんは安心して、のんびりと、こんどは史上最高齢記録の122歳を目指していただきたい。 長寿世界一(または二位)の日本です。平均寿命が伸びればおのずと、世界最高齢になる確率も上がります。 しかし、生存年齢には個人差が大きく、平均値が伸びることと、最高齢記録の数値は必ずしも相関しません。 現に昭和の時代にも110歳以上生きた日本人は多数いるし、過去最高記録の118歳は昭和30年代のものです。 明治33年生まれと聞いても、実は私には驚きがありません。以前は明治生まれなど珍しくなかったからです。 子どもの頃、身近にいた高齢の方の多くが、慶応生まれでした。言うなれば、江戸時代の生まれです。 そんな時代と比べ隔世の感があるのに、最高齢記録(正式な記録)の数値自体は、意外と伸び悩んでいます。 120歳あたりが、ヒトという生物の寿命の限界なんでしょうか。 科学が進歩して、150歳や200歳まで生きる時代は来るのでしょうか。それもどうかとは思いますが。 |
誕生日に台風
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- 2017/09/17(Sun) -
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私の57回目の誕生日を、はるばる祝いに来たかのようなタイミングで、台風18号が九州に襲来しました。
鹿児島・宮崎、この時間帯だと四国方面の方が大変だと思いますが、熊本が直撃を免れたのはさいわいでした。 なにしろ熊本のあちこちではまだ、震災後の復旧作業が続いている現状なのです。そこは勘弁してください。 メールやFacebook等で、お祝いのメッセージをいただきました。みなさん、ありがとうございます。 しかしこの数年、私自身は、Facebook等で知人・友人の誕生を祝うことを控えてきました。 その理由は1年前に書いた通りです。ていうか、面倒くさがりなんですね、私は。 台風18号は、南方海上でしばらく力を蓄えた後、いきなり東へと舵を切り、列島を駆け抜けつつあります。 私は24歳で医者になり、ずっと心臓外科医の道を歩んできましたが、47歳で突然開業して現在に至ります。 まだ、駆け足段階とは思いませんが、時間を無駄にしている場合でもないことは、十分承知しています。 最近読んだ『定年後』(楠木新著・中公新書)によれば、60歳から74歳が「黄金の15年」だそうです。 50代までは、そのとき輝くための助走期間だと。ならば私はすでに、準備の仕上げ段階というわけですか。 ・・・などという意識をもちつつ、さてこの1年で、何をやらかそうか。 |
収穫加速の法則
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- 2017/09/16(Sat) -
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日産自動車のMr.ビーンこと、カルロス・ゴーン氏が、2022年に完全自動運転を実用化すると表明しました。
また、自動車販売台数の3割を電動車にするとも。 なにしろ英仏は40年までにガソリン車の販売を禁止するわけだし、世界の流れは完全に、そっち向いてます。 こういうのを「パラダイムシフト」というのでしょうか。この変化はもう、止まらないどころか加速しますね。 ゴーン氏は「自動車産業はこの先10年、過去50年よりも多くの変革を経験する」とも語りました。当然です。 技術革新は年々加速し、指数関数的に発展していきます。これを「収穫加速の法則」というそうです。 指数関数のグラフは、あるところから急に立ち上がるように見えるので、そこを「特異点」と言ったりします。 しかし私はただそれだけで、「技術的特異点(シンギュラリティ)」だとする理論には賛同できません。 だって指数関数のグラフって、縦軸をぐっと圧縮すれば、カーブはまたなだらかになるからです。 将来、22世紀の人が21世紀を振り返ったら、あの時代はずいぶんのんびりしてたなぁ、と思うでしょう。 しかし23世紀の人から見れば、22世紀までの技術的進歩は緩やかだったね、などと言うはずです。 それぞれの時代の住人が、こりゃ大変革が来るぞ、シンギュラリティだと、その都度思うだけの話でしょう。 ただ、今世紀のシンギュラリティでAIが人類を超えてしまう点が、人類にとっては大問題ですけどね。 22世紀以降は、AIが勝手に技術革新を進めていくので、人間がいたとしてもただの傍観者かもしれません。 |
虫の音(おと)
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- 2017/09/15(Fri) -
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「イグ・ノーベル賞」の受賞者が発表され、日本人の研究者らが「生物学賞」に輝きました。
「オスとメスが逆転した昆虫『トリカヘチャタテ』の発見」が、その受賞理由です。 メスが細長い「交尾器」をオスの体内に差し込んで、オスから精子(と栄養)を受け取るそうです。 諸事情によってメスの方が交尾に積極的になり、ついに、構造が逆転したと考えられています。 「性別を取り換えて育てられた男女」を描いた古典『とりかへばや物語』にちなんで名付けられたとのこと。 私の興味はしかし「トリカヘ」の方ではなく、「チャタテ」です。「チャタテムシ」の方です。 トリカヘチャタテは新種ですが、チャタテムシ目に属する昆虫は、世界で数千種類もいるそうです。 わが家でもときどき、わりと古い本の間で見かけます。あれはダニじゃなくてチャタテムシらしいですね。 捕まえようとするとページの間に入り込んでしまい、不本意ながら、そのままページを閉じることになります。 なんで「チャタテムシ」というのか調べたら、障子にとまった虫が茶をたてるような音を出すからだとか。 「茶をたてるような音」というのがよくわからないのでYouTubeで見たら、カサカサいってました。 カビを食べてくれるらしく、まんざら悪い虫でもなさそうです。目に付かない所に、ひっそり居てほしい。 虫といえば以前、小麦粉に湧いたゴマみたいな虫のことを書きましたが、あれは「シバンムシ」のようです。 時計の秒針に似た音をさせるところが、死神の秒読みの音を連想させ、「死番虫」となったとのこと。 そういった小さな音から、昔の人は想像を膨らませたんですね。 |
セイタイ調査
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- 2017/09/14(Thu) -
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厚労省が3年ごとに行っている、「医療施設静態調査」の調査票が届きました。
医療施設の「分布及び整備の実態を明らかに」して、「診療機能を把握」するための調査です。 先日ブログに書いた「患者調査」はサンプル調査ですが、「静態調査」の方は全ての医療機関が調査対象です。 考えてみると、両調査はいずれも3年毎に行われているので、おそらく両者を統合して分析するのでしょう。 問題点が2つ。まず「静態調査」って言葉ですよ。「動態調査」と対をなす用語でしょうけど、聞き慣れない。 「セイタイ」と聞いてふつう思い浮かぶのは、生態か生体か、せいぜい声帯か整体でしょう。 これまで五十数年の人生で私が目にした「静態」は、この厚労省が使っている「静態調査」の時だけです。 医療機関などの開設・廃止などの調査が「動態調査」で、診療内容の調査が「静態調査」らしいですけどね。 例によって「オンライン回答」が推奨されていますが、これがまた問題。Excelファイルでの提出なのです。 Windows環境で厚労省サイトから回答用Excelファイルをダウンロードして、記入して、アップロードしろと。 だから、口を酸っぱくして言ってますけど、Excelのファイルで回答させるのはもう、やめてくれませんか。 先の「患者調査」でも、Macなので回答できないと申し入れたら、回答用紙がドサッと送られてきました。 紙への記入だと、こっちもだいぶ手間がかかりますけど、そっち(厚労省)の方も面倒じゃないの? 百歩譲ってExcelを使うとしても、マクロを埋め込まない単純なワークシートにはできないのですか。 そうすれば、Macの表計算ソフトが使えるんですけどね。 それが無理なら次回からは、Macユーザーは調査対象免除、ってことにしてくれませんかね。 |
iPhone 10周年
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- 2017/09/13(Wed) -
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発売10周年の節目となる新型iPhoneの名称は、「iPhone X」でした。「X」は「テン(10)」ですね。
この10周年記念モデルについては、この数カ月間ずっと、リーク情報と臆測がネットを賑わせてきました。 デザイン、機能、認証方法、充電方法、そして名称について、さまざまな可能性が議論されていました。 「7s」をとばして「8」か「X」だ、なんて話が出てましたが、結局、「8」と「X」の両方でしたね。 そのうちの「X」の方がまさに、10周年記念と言える斬新なモデルのようです。もう、買うしかありません。 デザインは事前情報通り、全面フル有機ELのベゼルレス。「7 Plus」よりも小さなボディで大きな画面です。 とはいえ、完璧なベゼルレスではなく、周辺に1ミリか2ミリの縁があるのが、惜しい。 ホームボタンの場所が無くなるわけで、「指紋認証(Touch ID)」はどうなるのかという心配がありました。 画面の中に認証部分を設置するのは、技術的に困難だったようですね。 そこで「顔認証(Face ID)」です。顔に3万以上の見えないドットを投写して、赤外線カメラで読み取るとか。 髪型やメガネを変えても認証するといいます。これで精度が完璧で速度が速ければ、すごい技術ですけどね。 それを検証するためには、自分で(買って)試すしかありません。 予約開始は10月27日。いつものように金曜日(=休診日)です。また頑張ろうっと。 |
野菜不足に野菜ジュース
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- 2017/09/12(Tue) -
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Amazonから、おかしなメールが届きました。妙なメールはスパムの疑いが濃厚なので、注意が必要です。
慎重に開けてみると、「Amazon定期おトク便」に関連した、以下のような内容でした。 「『伊藤園 1日分の野菜 900g×12本』について、ご注文商品が発売元で発売中止となりました」 「『伊藤園 1日分の野菜 900g×12本』を『伊藤園 1日分の野菜 900g×12本』に変更させていただきました」 う〜ん、なんでしょう。Amazonからの純正のメールのようですが、内容的には、ほぼスパムです。 「商品『A』は発売中止になったので、かわりに商品『A』を送ります」という、文章の意味がわからない。 おまけに『伊藤園 1日分の野菜』なら昨日、いつものように12本、自宅に届いてますけどね。 なんのこっちゃと思いながら、キッチン横のパントリーを見るとしかし、新旧のボトルの外見が微妙に違う! 今月届いた『伊藤園 1日分の野菜』のボトルの左肩には、「管理栄養士推奨」の文字があります。これか!? メーカーのサイトを見ると、今月からパッケージを一新したと書いてありました。 それと同時に商品コード(JANコード)も変更されたので、Amazon的には別商品扱いになったのでしょう。 「管理栄養士推奨」の根拠は、267人の管理栄養士への、アンケート調査結果を受けたもののようです。 「野菜や栄養が不足している方に『1日分の野菜』を紹介したいと思いますか?」というのが、その質問。 野菜不足の人に野菜ジュースを推奨するなど当たり前。そんなことでこの商品を「推奨」したことになるのか? |
緊急停止が悪いのか
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- 2017/09/11(Mon) -
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小田急線沿線の火災が電車に燃え移った昨日の事故が、ひとつ間違えば大惨事だったと報じられています。
消防隊員から要請されて警察官が非常停止ボタンを押したら、電車が火災現場の真ん前で止まったようですね。 安全に現場を通過できたはずの電車が、わざわざ危険な場所に長居したというのは、いかにもマズイ話。 火災現場の建物で何かが爆発したりすれば、それこそ一大事でした。 自動停止するよりも、指令所と運転士の判断で安全な場所に止めるべきだった、という意見も出ています。 でも、後からなら何とでも言えるのです。 今回は、火災現場が1カ所だけだったので、たしかにできるだけ速やかにその場を離れるべきでした。 しかしもっと大規模な災害、大地震やテロやミサイル着弾などの場合、最適な停止位置を誰が判断できるのか。 目先の火炎や煙だけを避けて走り続けたら、もっと悲惨な被災現場に突っ込むような事だってあり得ます。 緊急事態において、いちばん時間を浪費するのは「人が判断するために要する時間」だと思います。 「Jアラート」だって、なるべく人的な判断を介さず、できるだけ自動的に発令するから、意味があるのです。 火事でも航空機の墜落でもゴジラの出現でも、何か重大な異変が起きた時は、乗客の避難が最優先。 誰かが何かを判断する時間がもったいないなら、とりあえず、すぐ電車を停止させるのは正しい選択です。 指令所が運転士に指示を出す前に、現場の消防隊員が電車の停止を要請したことは、責められないのです。 それよりも、沿線火災ぐらいAIが判断して、その場を避けて自動停止するような仕組みにはできませんかね。 |
予約制の苦労
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- 2017/09/10(Sun) -
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久々の「休日当番医」でした。さわやかな良い天気で行楽日和なのか、あまり忙しくない日でした。
当院の診療は日頃、ネットや電話による予約制ですが、当番医の日だけは、来院順の診療受付にしています。 なぜなら、この日は当院を初めて受診される方が多く、予約方法のことをご存じないからです。 したがって、当院をかかりつけにしている方にとっては、今日だけは予約が出来なくなる不便な日なのです。 日頃は予約制だと書きましたが、それは「順番予約制」であって「時間予約制」ではありません。 なので電話予約のときなどは、こんな具合になります。 患「診察の予約をしたいのですが」 私「いまだと20番になります」 患「20番というと、何時になりますか」 私「目安としてはだいたい11時ごろですが、診療の状況によっては、時間がずれる場合もあります」 ところが、急患が割り込んだり病状の重い方の診察が続くと、予約していた方の順番がどんどん遅くなります。 「11時と聞いてたのに、どうして1時間も待たされるのか」と苦情が出ます。 いつも予約時間の目安には幅をもたせて言うのですが、なかなか真意が伝わりません。 「目安としてはだいたい11時ごろですが・・・」と言われたら、ちょうど11時だと思うものなんですね。 しかし「順番は20番ですが、何時になるかは申し上げられません」などと突っぱねるのは不親切だし、 あるいは「目安は11時ですが、12時過ぎるかもしれません」などと幅広く伝えても混乱させるだけでしょう。 いつもそんな苦労をしているものだから、当番医の日の「来院順番制」は、ホントに気が楽です。 |
忘れ去られたカード
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- 2017/09/09(Sat) -
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街に出かけたときなどに、何らかの特典が目当てで、その場でクレジットカードを申し込むことがありますね。
最近は、そのような理由で新しいカードを作るのは極力控えてますが、以前私は良く誘いに乗ってました。 おかげでクレジットカードが、ザクザク増えて来ます。使わないので引き出しにしまい込んだカード多数。 問題は、年会費です。 1年に1度でも利用すれば年会費は無料ですよ、などという誘い文句にも乗って作ったカードが危ない。 初回の特典さえゲットすれば、来年には退会すればいいと考えて、安易に入会してしまうからです。 ところがそのカードはどこかにしまい込み、カード会員になった記憶すらなくしてしまいます。 Web明細に設定していると利用明細書が郵送されないし、明細メールもうっかり見逃しやすいものです。 そうこうするうちに何年か経ち、期限の更新されたカードが郵送されてきて、思い出すのです。 先日「JQカード」の更新カードが送られてきて、何年か前に博多駅で入会したことを思い出しました。 あ、こんなカードあったなあ、と。そして次の瞬間、ムダに数年間年会費を払い続けていたことに気付きます。 これって、私の不注意のせいだけじゃないでしょう。カード会社にも問題があると思いますよ。 クレジットカードは、会員であることを年に1回ぐらいは確認させる仕組みが欲しいですね。 そして年会費徴収の前月ぐらいには、年次更新してよいかと尋ねるメールをくれませんかね。 あるいは、1年間一度も使わなかったら自動退会にしてもらっても結構。私はぜひ、そうしてもらいたい。 |
残業300時間
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- 2017/09/08(Fri) -
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勤務医の過労死が問題となっていますが、国立循環器病研究センターの一件がまた、センセーショナルですね。
時間外労働を月300時間まで可能にするような、労使協定(36協定)を結んでいたからです。 月300時間を単純計算すると、土日も含めて毎日10時間の残業となります。 私も、大学病院に勤務していた頃は、毎月200〜300時間程度の残業をしていました(もちろん手当なし)。 このようなことはもはや自慢にもなりませんが、全国の多くの勤務医が、今も似たような状況だと思います。 今日のNHKニュースでは、学校の教員が部活の顧問などのために、長時間労働していると報じていました。 その解決策として、週に3日は部活をしない日を作って、生徒と教員を休ませようという話でした。 しかしこれを勤務医にも適用して、週に3日は定刻で帰宅させよう、なんてことにはなりませんね。 主治医制が基本なので、担当患者の容態が悪ければ、夜遅くまで病棟を離れることができません。 当直医でもないのに夜の急患に対応することもあるし、緊急手術ともなれば、すぐ夜中になります。 医師は使命感に燃えているので、気が付けば月に200時間でも300時間でも残業してしまうのです。 残業300時間で36協定を結んでいた国立循環器病研究センターは、ある意味、正直というか律儀です。 300時間を堂々と明文化すること自体、一般的には非常識ですが、現場では違和感を感じないのでしょうね。 |
新聞連載小説
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- 2017/09/07(Thu) -
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伊集院静氏による、日経の連載小説『琥珀の夢——小説、鳥井信治郎と末裔』が、おととい完結しました。
サントリー創業者である鳥井信治郎の生涯を軸に、その息子と孫たちの現在までの活躍も描かれていました。 NHKの『マッサン』以来、ウイスキーがマイブームなので、『琥珀の夢』はとても興味深い物語でした。 とは言え、私がジャパニーズウイスキーで飲むことがあるとすれば、マッサンの方(ニッカ)です。 鳥井信治郎氏と、マッサンことニッカ創業者の竹鶴政孝氏とは、こだわりも思想も違います。 しかしこの両者が共にいなければ、世界的評価の高い今のジャパニーズウイスキーはなかったでしょう。 竹鶴氏の強烈なモルトと、天才経営者鳥井氏のグレーンが、見事にブレンドされたわけです(うまくない)。 私がニッカびいきなのは、竹鶴政孝の「鶴」の文字に親しみを感じる面もあります。 銘柄でいうなら、ピュアモルトの「竹鶴」や、ブレンデッドの「鶴」もいい。「鶴」はボトルの形も大好き。 シングルモルト「余市」も、私の名前「由一」を「ゆいち」と読めば、似てなくもない。 さて、日経の連載小説は昨日から、林真理子氏の『愉楽にて』に変わりました。 男女の話から始まったこともあり、なんだかなあ、て感じ。日経の読者層にウケる物語になるんだろうか。 それにしてもこういう新聞連載って、作家は原稿を何日前に書いてるんでしょうね。1週間?、1カ月? まさか毎回、前日執筆なわけないでしょうけど、もしそうなら、地獄ですね。 |
医療費助成の拡大
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- 2017/09/06(Wed) -
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来年1月から、熊本市の「子ども医療費助成制度」が変わります。助成対象が中学3年生まで拡大します。
医科外来の場合、3歳未満はこれまでと同様に無料です。 3歳から小学3年生までは、これまで自己負担の上限が月額500円だったのが、700円に増えてしまいます。 そのかわり新たに、小学4年から中学3年までの月額上限が1200円となり、助成対象が6学年も拡大します。 来年4年生になるお子さんが、いちばんオトク感がありますね。 しかしこのように、医療費助成を手厚くすればするほど、国から自治体への支援が減らされます。 以前にも書いた、「国庫負担減額調整措置」というペナルティーです。 医療医助成を増やすと安易な医療機関受診につながるので、ムダな医療費が増える、というのが国の理屈です。 国の理屈が正しいのかどうか、最近調査が行われました。 その結果、低所得者層においては、医療費助成によってむしろ入院医療費が減ったとの結果が出たそうです。 助成があるから早めに受診するので、重症化を防ぐことができ、入院しなくても済んだというわけです。 少しムダ目の医療介入でも、数打ちゃ重症例を減らす効果はあるという、予想通りの結果ともいえます。 「軽い風邪で病院にかかるな」という意見を裏返せば、「風邪がこじれそうなら病院にかかれ」となります。 しかし、軽い風邪か、こじれそうな風邪か、それを患者本人や家族が早い段階で判断するのは難しい。 その判断こそが、医者の仕事です。早めの病院受診が、最終的に医療費を減らすことにつながると思います。 もちろん、ムダな処方や検査は減らすべきですが、受診だけなら、むしろ敷居を低くしても良いのでは? |
電磁パルス攻撃
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- 2017/09/05(Tue) -
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北朝鮮は、「広大な地域への超強力EMP(電磁パルス)攻撃を加えることができる」と主張しました。
出ました!「EMP」。映画『マトリックス』で「センチネル」を撃退したときの、アレですね。 SF上の兵器かと思ってたら、ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』では、テロ用に使われていました。 核爆弾を、地上数十〜数百キロの高高度で爆発させると、広い範囲にEMP攻撃が及ぶとされます。 EMP実現のためには、ICBMの大気圏再突入技術は不要なので、北朝鮮リスクは一気に高まった気がします。 強力なEMPによって、あらゆる電子機器が破壊され、インフラや経済活動や防衛網も無力化できるとか。 当然、米国などではEMP対策を行ってることでしょうけど、それは国防上の重要拠点など一部でしょうね。 EMPが落雷の親玉みたいなものだとすれば、「電磁シールド」が有効かもしれません。 学校で習った「ファラデーケージ」のような、金属製の網で覆われた部屋などなら、安全なのでしょうか。 自動車や航空機に落雷しても、中の人間には影響がありません。でも、EMPだとどうなんでしょうね。 そういえば20数年前頃、私は毎日電磁シールドの中に入って、実験をしていたことがあります。 単離心筋細胞を使って、「パッチクランプ」という方法で細胞膜の単一チャネル電流を調べる研究です。 極めて小さな電流を計測するので、電気的ノイズを徹底的に排除するために、シールド室で実験します。 実験室内に、目の細かい金属の網で四方八方を囲まれた小部屋を作り、その中で作業するわけです。 でもEMP攻撃は、自動車や航空機の電子部品も破壊するらしいので、金網シールドぐらいじゃダメでしょう。 どのぐらい強力なシールドが必要なのでしょうね。鉛入りの壁でできた、レントゲン室なら大丈夫でしょうか。 万一に備えて、予備のパソコンやスマホや電子機器を、レントゲン室に保管しておくと有効でしょうか。 EMPでインフラ(電気、通信)が破壊されたら、パソコンやスマホがあってもあまり役に立ちませんけどね。 |
ペースメーカーの脆弱性
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- 2017/09/04(Mon) -
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「セキュリティに脆弱性が発見されたので、リコールしてファームウェアをアップデートします」
ありゃりゃそうですか。じゃあよろしく。パソコンや家電なら、その程度の反応でしょう。 ところが今回、脆弱性解消のためにリコールが発表されたのは、米国某社製の体内植込型ペースメーカーです。 不整脈などの治療のために、体内に植込まれ、24時間ずっと心臓の電気活動をサポートする医療機器です。 リコールだと言っても、植込まれたペースメーカーを、体外に取り出してメーカーに送ることなどできません。 体内に植込まれたままの状態で、皮膚の外部から、特殊な機器を使って更新作業をすることになります。 ところが、パソコンでも何でもそうですが、ファームウェア更新中には普通、そのIT機器は作動を停止します。 そこで、停止している間に業務を止めたくなければ、別のIT機器でバックアップすることになります。 24時間稼働中のペースメーカーは、原則として作動を停止することはできません。 かといって、体内に植込まれているペースメーカーは1個なので、別の機器でバックアップはできません。 そんな時などのために、「バックアップモード」という、固定心拍数で作動する緊急モードがあります。 このモードに切り替えている間に、ファームウェアを更新するわけで、その所要時間は約3分間だそうです。 患者さんがどのような疾患・病状であれ、更新作業中の3分間は、一定心拍数で生命維持することになります。 更新に失敗する可能性は低いそうですが、もし失敗すれば、そのペースメーカーは機能を喪失するとのこと。 これを航空機のシステムに例えると、こうなります。 飛行中の旅客機でファームウェアの更新を行うため、3分間ほど、一定速度での飛行モードに切り替える。 更新に失敗する可能性は低いけど、もし失敗すれば、その航空機のシステムは機能を喪失する。 恐ろしい話です。 |
核実験と地震
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- 2017/09/03(Sun) -
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北朝鮮の核実験には驚きましたね。
「ICBM搭載用の水爆実験に、完全に成功した」と豪語してますけど、いったいアナタは何したいの、戦争? 先日、ミサイルがグアム方向を避けて発射されたときには、米国を刺激したくないのだろうと報じられました。 それがなんのこっちゃない、米国を刺激しまくりじゃないですか。そろそろ、レッドライン超えじゃないの? 米国が我慢してるものだから、どんどんエスカレートしてきましたが、さてトランプ大統領はどうするのか。 安倍首相も「容認できない」と言ってますけど、これはいつも言ってます。いつも「容認できない」のです。 地震波形が自然地震とは異なることから、人工地震、すなわち核実験であろうと気象庁などは推測しました。 最初の揺れ(P波)に引き続いて大きな揺れ(S波)が来るというのが、学校でも習った自然地震の波形です。 人工地震の場合は、いきなり大きな揺れで始まるのが特徴。今日もテレビでそのように解説していました。 でも、この話をネットで掘り下げると、色んな意味で興味深いページがいくらでも出てきますね。 東日本大震災の地震波形は、いきなり大きな波から始まっており、実は人工地震(米国の核実験)だった、とか。 阪神淡路大震災も、同様に人工地震特有の波形であり、あれも米国の陰謀だったのだ、とか。 このような陰謀論は、その理論武装がキモであり、荒唐無稽であればあるほど読んでいて面白いものです。 東京湾にもすでに、首都直下型地震の「準備」はできているらしいです。 |
市民病院の外科の今後
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- 2017/09/02(Sat) -
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「熊本市民病院病・病診連携懇話会」(この「病・病」はどうにかならんか)が、昨夜開催されました。
新病院は来年建設が始まり、早ければ2019年の秋から診療を始める計画とのこと。 一刻も早い「再稼働」を市民は待望しているでしょうけど、地震から3年半の実質的ブランクはちょっと長い。 働き盛りの中堅・若手医師が何人も、すでに病院を去っています。診療科によっては、全員いなくなりました。 部長もしくはそれ以上の管理職はおおむね残留し、外来診療を受け持っています。 「外来担当医はベテラン揃いです」と髙田院長が語りましたが、私には笑えないジョークでした。 外来はまだしも、入院治療を前提とする外科系の診療科は、ほとんどの手術ができないので壊滅的惨状です。 しかし、手術をあきらめた科が多い中で、小児心臓外科は熊大病院の手術室を間借りして手術を続けています。 間借り手術では、医師・看護師・技士のチームを編成して熊大に出かけ、すべての診療を独立して行います。 手術室やICUはもちろん病棟でも、1名の心臓手術患者のために、市民病院チームが24時間体制で働きます。 熊大と市民病院のスタッフは、互いに一切の干渉をしない取り決めなので、まことに居心地が悪いそうです。 おまけに、診療報酬の半分は熊大に取られます。なんとも理不尽ですが、手術の灯を消すわけにはいきません。 小児心臓外科が自前手術を続けるのは、県内の他の病院には、小児の心臓手術ができる医師がいないからです。 一方で、胃腸・肺・乳腺・脳神経などの外科疾患は、他の病院にお願いして、手術してもらうことになります。 このように市民病院の外科系は、一部を除いてほとんど、他の医療機関でカバーできているのが実情です。 あと2年間このような状況が続くうちに、市民病院の存在意義がどんどん低下するような気がしてなりません。 また緊縮財政の中で新病院ができても、はたして市民を呼び戻すような魅力的な医療ができるのでしょうか。 優秀で経験豊富な外科医や麻酔科医が、2年後にまた集まってきてくれる保証もないのに。 |
ゴールド免許喪失
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- 2017/09/01(Fri) -
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3回連続獲得していた「ゴールド免許」を、本日の運転免許証更新で、ついに喪失してしまいました。
「ブルー免許」に転落です。その原因は、4年前のスピード違反です。痛恨の極みです。 過去5年間に、1度でも違反を犯してしまうと、次の更新ではゴールドはもらえないのです。厳しい掟ですね。 ただし私の場合、軽微な違反が1回のみなので、ブルー免許なのに有効期間は5年です。初めて知りました。 違反が2回以上だったり、軽微でない場合には、ブルーの3年になるようです。 つまり同じブルーでも、比較的優良なブルーと比較的不良なブルーの2種類あるわけですね。 ゴールドは「優良運転者」、ブルーの5年は「一般運転者」、ブルーの3年は「違反運転者」と呼ばれます。 前回の講習は30分でしたが、今日は60分に倍増です。ブルーの3年だと120分も拘束されるところでした。 でも、ブルーの5年って、今後いくら優良な運転を続けても、ゴールドに復帰できるのは5年後なんですよね。 もしもブルーの3年なら、3年後にはゴールドに戻れる(可能性がある)のに。なんか、やりきれません。 2年以上前までに、もう1回違反をしておけば良かったのか。う〜ん、それを知ってたらどうしたでしょうね。 スコッチウイスキーの「ジョニーウォーカー」は、黒ラベルの「ジョニ黒」で有名ですが、別の色もあります。 低価格の方から順に、「レッド」「ブラック」「グリーン」「ゴールド」「プラチナ」「ブルー」です。 最上位の「ブルー」に比べたら、「ゴールド」なんて屁みたいなものですよ。そう思っとこう。 |
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