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軽症インフルが多い理由
- 2018/01/31(Wed) -
インフルエンザの流行は、いまだにとどまる気配がありません。今日も新規の罹患者が何人も来院しました。
しかし一方で、ワクチンの接種を受ける方も、まだいます。でもそれは正解。正しい対処法だと思います。

ワクチンに含まれる4つの型のうち3つが同時に流行している現状では、ワクチンの接種はとても有用です。
ただし当院のワクチン在庫もあとわずかなので、今週中には接種を終了することになるでしょう。

「今年のインフルエンザは症状が軽い」なんて、よく聞きますね。いわゆる「隠れインフル」です。
でも本当に、今年だけの特徴なのでしょうか。
去年までは、症状の軽い人は検査しなかったので、軽症のインフルに気付かなかっただけかもしれません。

今年はA型とB型の同時流行やワクチン不足などによって、過去最大級のインフルエンザ流行が起きています。
学校や家庭など、自分の周辺がインフルだらけなので、軽症でも「念のため」検査するケースが増えています。
その結果、例年よりも軽症のインフルが、たまたま見つかっている。そう考えることはできないでしょうか。

いまの隠れインフルの実体は、ここ数年いつも春先に流行している、B型(山形系統)と思われます。
そのうち軽症例が、昨シーズンまでは見逃されていたとすれば、それこそが正真正銘の、隠れインフルです。
今シーズンはそのB型インフル軽症例を、隠れさせず顕在化させただけなのかもしれません。

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喫煙者の医療保険
- 2018/01/30(Tue) -
米国では、喫煙の年齢制限を21歳以上に引き上げる州が増えつつあるようです。
若い頃に試しに喫煙した者は、たいていそのまま習慣的な喫煙者になるともいわれます。
つまり、若者にはできるだけ、喫煙の機会を与えないことが大事だということになります。
その意味で、喫煙年齢の引き上げは、喫煙者を減らすための有効な手段かもしれません。
隠れて吸う若者もいるでしょうけど、法的に規制されていれば、ある程度は抑止できるでしょう。

一方でわが国には、喫煙年齢制限を「実情に合わせて」引き下げようかと、バカなことを言う人がいます。

私も若い頃に(何歳かは忘れましたが)、何本か吸ったことがありますが、幸い習慣にはなりませんでした。
たぶん、喫煙した場所(パチンコ店や雀荘等)になじめなかったのでしょう(パチンコも麻雀も下手だった)。
パチンコや麻雀が上手かったら、私の人生(健康状態を含む)も変わったかもしれません。

タバコが原因で起きるさまざまな疾患の治療に対して、非喫煙者と同等に保険が利くのは釈然としませんね。
喫煙者の医療保険の自己負担額を増やすとか、何か差別化を図るべきでしょう。
喫煙に関連した疾患・病状であることが統計学的・疫学的に認められたら、窓口負担割合を増やす、とか。

その際の自己負担増を補償するために、喫煙者専用の医療保険制度を作ってみたらどうでしょう。
保険料はタバコ代に含んでおけば、すべての喫煙者を被保険者にすることができます。「喫煙者皆保険」です。
タバコ代は、保険料のぶん値上げです。喫煙者は、喫煙本数に比例して保険料を負担することになります。
この制度、いいなあ。厚労省と財務省とJTでよく検討してみてください。

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チャイルドロックの問題か
- 2018/01/29(Mon) -
また、洗濯機に子どもが閉じ込められた死亡事故が起きました。
こんなときの頼みの綱のチャイルドロック機能が、今回の事例ではオフになっていました。
洗濯前にオフにして、洗濯後にオンにする、そんな操作が必要なチャイルドロックって、どう考えても面倒。
毎日毎日、オンオフを繰り返すうちにアホらしくなって、いつのまにかオフのままになりそうです。

それに、たとえチャイルドロックがされていても、メカ好きの小学生なら、いつか解除するかもしれません。
ドラムの中にどうしても入ってみたければ、日頃の母親のロック解除風景を、こっそり見ているはずです。

それよりも、洗濯機の中からロックが外せないことが根本的な問題なんですよ。前にも書きましたけど。
これじゃまるで、中に入った子どもを閉じ込めるという意味の「チャイルドロック」じゃないですか。

もちろん、簡単な力ですぐにドアが開くようだと、洗濯物に押されてドアが開いてしまうので、困ります。
洗濯の真っ最中にドアが開いてしまったら、辺りの床はビシャビシャの悲惨な状態になるでしょう。
今風の家だと(わが家も?)、洗濯機を直接フローリングに置いてたりするので、水漏れの被害は甚大です。

最近発売されている洗濯機には、「閉じ込め防止機能」が付いている機種もあるみたいですね。
しかし、たとえばその日立の機種の場合、閉じ込め防止機能オンの状態では、洗濯もできない仕様のようです。
洗濯するたびに設定と解除を繰り返す必要があり、やがて面倒になりそうです。

そもそも、洗濯中でもないのにドアロックがかかるような仕様自体が、おかしくないですか。
運転スタートしてはじめてロックがかかり、運転してなければ常に自由に開く。それでいいじゃないですか。
その程度の仕組みが、作れないものですかね。

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地球寒冷化対策
- 2018/01/28(Sun) -
寒い日が続きます。朝の通勤時に、自動車が暖まるまで待つその間の寒いこと。エアコンのタイマーが欲しい。
車に表示された外気温を見たら、3日前のマイナス4度にも驚きましたが、昨日はマイナス5度でした。

さいたま市では観測史上最低のマイナス9.8度を記録したというし、この冬はとにかく、やたら寒いです。

夏には異常に暑くて、やれ地球温暖化の影響だなどと騒いだのに、冬が異常に寒いのはどうしてなんでしょう。
年間の平均気温が上がっているのに冬が寒いのであれば、夏はますます暑くなるのでしょうか。
あるいは、温暖化には地域差があって、全体として平均すれば温暖化ということなのかもしれません。
地球温暖化によって、中緯度地域はむしろ寒冷化するという説もあります。

いずれにせよ、いまの間氷期が終わって次の氷期が来れば、地球温暖化問題も終了です。
そのときに、日本の(とくに熊本付近の)気温がどうなるかわかりませんが、かなり寒いのでしょうね。

次の氷期は1万年以上先らしいですが、最近話題の「ミニ氷河期」は、もう始まっているとも言われます。
太陽活動が弱まることで、今後200年ぐらいの間に、地球が寒冷化するとのこと。これは切迫してますね。

ホントかどうかわかりませんが、もしも寒冷化が進み始めたら、人類はそれにどう対処すべきなのか。
まず、これまでの地球温暖化対策はすべて中止して、地球寒冷化対策に切り替えなければなりません。
二酸化炭素などの温室効果ガスを多量に放出して、地球をガンガン温めるというのも手でしょうね。

「地球温暖化は原発推進の格好の口実だ」と、最近目にした記事に書かれていました。
ならば地球が寒冷化し始めたら、脱原発も進めやすくなります。火力発電の方が、地球に優しいからです。

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滑舌の悪さ
- 2018/01/27(Sat) -
安倍首相の滑舌の悪さには、いつも閉口してしまいます。まあ私も他人のことは言えませんけどね。
滑舌の悪さが原因で聞き間違えられて、ネットで話題になってる人がいますね。立憲民主党の枝野幸男氏。

草津白根山の噴火被害者に対し「心からお見舞い」と発言したのが、「心からお祝い」と聞き間違えられた件。

どれどれと動画で確認してみると、 “ OMIMAI ” の “M” が弱くて、 “ OImAI ” みたいな発音になってますね。
私の耳にはもはや、「お祝い」にしか聞こえませんでした。
たぶん、この発言を先入観なしに聞いていれば、文脈から「お見舞い」に聞こえたと思います。

今回の答弁を国会中継で見ていて、最初から「お祝い」に聞こえた人の、その「聴力」には恐れ入ります。
コイツはきっとおかしなことを言うはずだ、という先入観(または偏見)で、そう聞こえたのかもしれません。
人の揚げ足をとる気まんまんだと、そういう聴覚回路になるのかもしれません。

いずれにしても、公的な場での発言は、言い間違えるどころか、相手に聞き違いをさせても責められるのです。

ただし言い間違いなど、たいした問題ではありません。もっと重大なのは、某副大臣のような失言でしょう。
在日米軍機の事故に関して国会で、「何人死んだんだ」とヤジを飛ばしたあの方です。
この手の失言は、言い間違いではなく本心から出た言葉なので、訂正しても謝っても、もはや手遅れです。

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インフル激しく流行中
- 2018/01/26(Fri) -
インフルエンザの話ばかり書きたくはないのですが、なにしろ過去最多患者数だと報じられているので。

今年第3週(1/15-21)の定点当たり患者数は、熊本市で68.00、熊本県で66.26と、いずれも先週の2倍。
これは、例年第4週ごろに記録する年間のピーク値と比べても、約2倍です。
患者数の流行カーブはまだ上昇中なので、ヘタをすると、過去最悪の流行になるかもしれません。

このような、近年まれに見るインフルエンザ流行の原因は何でしょう。
特殊なウイルスが出ているわけではないし、衛生環境の悪化や異常気象が原因とも思えません。

混合流行(A型とB型の同時流行)が、いまの大流行の原因だと、国立感染症研究所の方が説明していました。
それもあるでしょうけど、いまA型はむしろ沈静化しており、B型が単独で大流行しているような印象です。

今期のB型には、症状が比較的軽い、いわゆる「隠れインフル」が多いのも、感染拡大の原因かもしれません。

インフルエンザワクチンは、2年前から4価になったので、とくにB型に対しては予防効果が強まったはず。
それなのにB型が大流行しているのは、ワクチンの接種率の低下が原因ではないかと考えずにはおれません。

今期のワクチン不足がインフルエンザの大流行を招いたのだとしたら、厚労省はおおいに反省すべきです。
来シーズンは絶対に、同じ轍を踏まないように。

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インフル検査希望
- 2018/01/25(Thu) -
インフルエンザの検査を希望して来院する方が、毎日何人もいます。
このような場合、実際に検査をするかどうかは医師が判断すべきです。希望により行うものではありません。
ただしその際には、医学的な観点だけでなく、さまざまな社会的事情を考慮しなければなりません。

たとえば、まだ発症したばかりの方が検査を希望する場合、私はその目的が次のどちらなのかを尋ねます。
「インフルエンザ陽性」を確認したいのか、それとも、「インフルエンザ陰性」を確認したいのか。

前者には、もしもインフルエンザであるならば一刻も早く治療を開始したい、という願いが込められています。
なので病状の重症度によっては、ダメ元で検査することがしばしばあります。早く治してあげたいからです。
状況(家族がインフルなど)等でインフルの疑いが強ければ、もはや検査すら必要ないこともあります。

問題は後者です。念のため園に検査するように言われたとか、会社から求められた方も時々います。
残念ながら、検査して陰性であっても、インフルエンザではないという証明にはなりません。
インフルエンザではないことの証明は、インフルエンザであることの証明よりもずっと困難なのです。

したがって、インフルエンザ陰性の証明を強く希望される方には、検査をお断りすることがあります。
少なくともそのような方は、発症して十分に(24時間以上)時間が経ってから、検査を受けるべきです。
偽陰性の可能性がある方に、いたずらに陰性のお墨付きを与えるわけにはいかないのです。

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米国もインフル大流行
- 2018/01/24(Wed) -
毎日毎日、インフルエンザに罹った方(またはその疑いのある方)が押し寄せてきます。
今年第2週(1/8〜1/14)時点で、熊本県および市は、インフルエンザが警報レベルを超えたと発表しました。
県内に80(うち市内に25)ある定点医療機関あたりの患者報告数が、1週間で30を超えたということです。

土日祝日診療を行っているためか、当院単独では12月下旬時点ですでに、「警報レベル」並の患者数です。

先日まとめた通り、12月に流行したのは、A型7割、B型3割というのが、全国的な傾向でした。
ところが年末頃からB型が増え始め、今月は圧倒的にB型。この1週間では、約9割がB型という印象です。

「B型は比較的軽症なので『隠れインフル』に注意しよう」などと、テレビ番組の特集でも言っていました。
B型すべが軽症とは限りませんが、たしかに今月は、熱の高くないB型が目立ちます。

例年、B型はA型よりも2カ月程度遅れて流行が始まりますが、今シーズンはほぼ、同時スタートです。
今年に入ってB型ばかり目立ち、逆に言えばA型が早々に沈静化した理由は、よく分かりません。

ところがそのA型インフルエンザが、米国でいま近年まれに見る規模で流行しているそうです。
気になるのは、そのほとんどがA(H3)(いわゆるA香港型)だということ。ワクチンの効きにくい型です。

先月日本で流行したA型は、ほとんどがA(H1)pdm09(いわゆる新型)でした。ワクチンが効くやつです。
つまり、もしも今後、米国からA(H3)が入ってきたら、日本ではまたA型が流行する恐れがあるわけです。
例年よりも早く流行が始まった今シーズンですが、場合によっては、例年よりも長引くかもしれませんね。

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学会の開催曜日
- 2018/01/23(Tue) -
開業して10年間、あまり、めったに、ほとんど学会に行ってませんでしたが、今年は頑張るつもりです。
メジャーなものだけでも、内科学会と循環器学会と小児科学会。あと外来小児科学会や小児循環器学会。
さらに昔のなじみで、外科学科や胸部外科学会や心臓血管外科学会にも顔を出したいところ。

いまあげた8つの学会総会のうち、3月から9月の、当院があまり忙しくない時期に行われるものは6つ。
それらの開催場所は、大阪、京都、福岡、横浜、そして東京が2回。
開催曜日は、金曜〜日曜の3日間が4学会で、あとの2学会は木曜〜土曜に行われるようです。

なるべく臨時休診をしないようにするのであれば、どの学会も当院休診日の金曜に参加することになります。
つまり、日帰り参加です。移動ばかりでバタバタです。正味の学会参加時間は短いかもしれません。

そうなのです。土日祝日診療をしていると、必ず週末に開催される学会なんて、まともに参加できないのです。

私が若い頃(80〜90年代前半)には、学会はたいてい平日に開催されていました。
月曜〜水曜とか水曜〜金曜などという、いまでは考えにくい日程が、当時はむしろ一般的でした。
そして学会前後の土日は、しばしば観光日(接待ゴルフなど)でした。よき時代だったのです。

でも今は、学会は土日を潰して行うのが当たり前になっています。平日は病院で働けということでしょう。

ちょうど今日から、ANAの3月25日〜10月27日搭乗分の予約受付(ANAカード会員先行)が始まりました。
まあ、学会に行けばいいってもんじゃあないですけど、学術的刺激を受けて帰って来ることはできそうです。

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朝一番の来院者
- 2018/01/22(Mon) -
当院では、朝8時からネットによる診療予約の受付を開始し、8時半から電話予約の受付を始めています。
他院ではたいてい、この受付順が逆で電話が先なのですが、それだと電話口が混乱すると私は思うのです。

完全ネット予約制が私の理想ですが、ネット予約が難しい方のことを考慮して、電話予約枠を残しています。

ネット予約システムは、患者のアクセスがたとえ0.01秒差でも、正確に順番通りに受付処理を行うでしょう。
ところが電話だと、運が悪いとなかなかつながりません。電話をかけた順番が予約順とはならないのです。

当院では2回線を使って、事務職員と私が朝の電話番をしていますが、受話器を置くとすぐ次が鳴る勢いです。
もちろん、インフルエンザが大流行しているこの時期だけの話ですけどね。

そのように電話応対でバタバタしている時に、直接来院して診察を求める方も、しばしばいらっしゃいます。
軽症の方はなるべく出直していただきますが、わざわざ来院された方をむげに断るのは難しいものです。
たいていは、その場で受付をして朝1番で診察することになります。次にもうひと方来院されたら、2番です。

しかし、ネット予約して順番を待つ高熱の乳児よりも、直接来院した予約なしの大人を優先すべきなのか。

予約制をよく理解している方は、自分の順番が来たら来院されます。なので待合室はそれほど混んでいません。
そこへ予約せずに直接来院した方には、待合室がガラガラなのに待たされることが理解できないようです。

誰が良い悪いという問題ではありません。すべての方への理想的な対応というものが、存在しないのです。

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異常行動の誤解
- 2018/01/21(Sun) -
タミフルって、不運な薬だとつくづく思います。
インフルエンザ罹患に伴う異常行動の原因であると、いまだに濡れ衣を着せられているからです。

異常行動の主な原因はタミフルではなくインフルエンザそのものだと、私は日頃の経験からよく知っています。
今日も、それを裏付けるような2つの症例に出くわしました。

(1)昨夜から熱が出て、意味不明のことを話し続けていたという男児
検査でB型インフルエンザ陽性。「インフルエンザのせいで異常行動が出たようですね」と強調しておきます。
さらに「異常行動を防ぐためにも、早くインフルエンザを治しましょう」と説明してタミフルを処方。

タミフル内服前から異常行動が出ていたことを、親御さんにはしっかりと覚えておいていただきます。

(2)昨夜わけもなくグルグルと家の中を徘徊していたという男児
昨日はインフルエンザ陰性だったので、タミフルは処方せずに経過観察してたら、その晩に異常行動が出現。
今日再検査したら、B型インフルエンザ陽性。「インフルエンザの異常行動が出たようですね」と説明。
もしも昨日、見切り発車してタミフルを処方していたら、内服の直後に異常行動が出ていたかもしれません。

タミフルで異常行動が出るのではなく、異常行動が出るタイミングでタミフルを飲ませることが多いのです。

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ストレスと疾患
- 2018/01/20(Sat) -
「ストレスが高いと長期的に感じている男性は、そうでない男性に比べがんにかかるリスクが高まる」

国立がん研究センターが国内で行った、長期間の大規模な観察型研究の結果が、最近公表されました。
40〜69歳の約10万人を約20年間追跡して、「自覚的ストレス」と「がん罹患」との関連を調べたものです。

「日常あなたの受けるストレスは多いと思われますか? 」
この質問に対して、少ない、普通、多い、という3つのストレスレベルを選択させ、5年後に比較しています。

その結果、持続的に高ストレス、または5年間でストレスが高まった者で、がん罹患リスクが増加しました。
とくに男性で強く認めました。メカニズムは不明ですが、ストレスによる免疫機能の低下も考えられています。

ところで、生活習慣病の場合には、ずっと以前からストレスとの関連が指摘されています。

血圧や血糖値が悪化したり、体重が急に増えた人には、私はいつも診察しながらお決まりの質問をします。
「最近、ストレスはありませんか」「あるんです」「やはりそうですか」「そうなんですよ」「ですよね」
言ってみれば、「最近、寒いですねぇ」「寒いですね」「ですね」みたいな、当たり障りのない会話です。

しかしそのような世間話をきっかけにして、やや深刻な問題が見つかることもあり、問診はやはり重要です。

たまに、「ストレスありませんか」と尋ねると、キッパリ「ないですね」と応える方もいて、逆に驚きます。
本人はそうだとしても、周囲の家族のストレスはどうなんだろうと思うケースも、しばしば見受けますけどね。
あ、私のことだったりして。

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HPVワクチン動かず
- 2018/01/19(Fri) -
厚労省は昨日、「HPVワクチンに関する情報提供」として、新たに3つのリーフレットを発表しました。
(1)HPVワクチンの接種を検討しているお子様と保護者の方へ
(2)HPVワクチンを受けるお子様と保護者の方へ
(3)HPVワクチンの接種に当たって 医療従事者の方へ

「子宮頸がん予防ワクチン」という表現はやめて、今後は「HPVワクチン」という呼称でいくようです。

現状では、ワクチンの接種率は限りなくゼロに近いので、当面は(1)が最も重要なリーフレットでしょう。
そこには、HPV感染症の現状とワクチンの有効性等について記載したうえで、1ページ目の最下部に、

「HPVワクチンは、積極的におすすめすることを一時的にやめています」

と意味ありげに目立つように書かれ、2ページ以降には、留意点や副反応などの説明が記載されています。

ところが、なぜ積極的勧奨接種を中止しているのか、その直接的理由については、まったく書かれていません。
これこれの疾患があり、ワクチンの効果はこうで、副作用はこうだと、ただ淡々と事実を羅列するのみです。

「副反応を危惧して中止しています」と書けば、それは明確な薬害であり、予防接種自体が成り立ちません。
かといって、実際に積極的勧奨接種中止している手前、いまさら「副反応は心配ありません」とも書けない。

結局、「接種しましょう」という文言を一切書かない、ただの「情報提供」という形になってしまっています。
「情報は提供しましたよ。接種するかどうかは、自分で考えてね」というのが厚労省のスタンスなのです。
じゃあ、定期接種をやめて任意接種にするのかというと、そこまでやる根性もない。
進むことも戻ることもしない。そんなのが、先進国の「ワクチン行政」なのでしょうか。

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インフル治癒証明
- 2018/01/18(Thu) -
インフルエンザに罹ったお子さんは、原則として初診の2,3日後に、経過観察のために来院していただきます。
その経過に応じて、いつ頃から登校・登園できるかを、親御さんに口頭と文書(ミニカルテ)でお伝えします。

学校は口頭で十分なのですが、幼稚園・保育園はしばしば、「治癒証明書」とか「登園許可証」を求めます。
簡単な書類なので、当院では無料で交付していますが、数が多くなるとそこそこ面倒です。

学校保健安全法による「登校(園)基準」は、
「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児においては3日)を経過した後」となっています。
すなわち、順調に下熱したお子さんの場合、「登校(園)は発症の6日後から」ということになります。

すると次は「いつ発症したのか」という点が問題になります。その解釈しだいで登校可能日が変わるからです。
たとえば、朝から熱が高かった、というケースでは、前夜から熱が出ていた可能性があります。

ある調査によると、「治癒証明書」の要求に応じるのは医師の約8割で、約15%は応じないそうです。
患者(子ども)と親の利益を考慮して私はすぐに書類を書く方ですが、その必要性には疑問を感じています。

いちばん困るのは、他院でインフルの診断や治療を受けた後、治癒証明書のためだけに当院を受診するケース。
子どもを月曜から登園させたければ、日曜診療を行っている当院で書類をもらうのが、うってつけなのです。
ですが、全体の病状経過を把握できてないのに、書類だけ書くのはまったく不本意です。書きますけどね。

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タミフルの予防投与
- 2018/01/17(Wed) -
インフルエンザの疑いのない方には、当院では原則として、抗インフルエンザウイルス薬を処方していません。
しかし、家族がインフルエンザに罹った場合に、タミフルの処方を希望する方がいます。気持ちはわかります。

抗インフルエンザウイルス薬の予防投与は、保険適応外です。自由診療(自費診療)となります。
また予防投与の対象は原則として、インフルエンザ患者に同居する高齢者か一定の持病のある方に限られます。

受験生だという社会的理由では、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与を受けることはできないのです。
当院ではその規定を遵守していますが、医学的な理由が「少しでも」あれば、処方をするスタンスです。

(1)高熱・筋肉痛・倦怠感、周囲にはインフルエンザがいる、迅速検査で陽性
(2)高熱が出たばかり、周囲にはインフルエンザがいる、迅速検査は陰性(または未検査)
(3)微熱で元気、周囲にはインフルエンザがいる、迅速検査は陰性(または未検査)
(4)無症状、周囲にはインフルエンザがいる、未検査

私の場合、抗インフルエンザウイルス薬の処方率は、(1)ほぼ100%、(2)半々、(3)微妙。
予防投与は(4)のケースになると思います。やはり、高齢者などに限って処方するのが原則でしょう。

ところが最近、無症状だけど他院で予防投与を受けたという患者さん(しかも保険診療で!)に出会いました。
そういうコトする「親切な」医療機関が近隣にあるので、当院は融通が利かないと思われかねません。
でもやっぱり、(3)と(4)の間には、きちんと線を引きたいのです。

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インフル情報まとめ
- 2018/01/16(Tue) -
インフルエンザは全国で、とくに西日本で、なかでも九州で、大流行しています。
当院でも初診だけで毎日10人から20人、多い日は再診も含めると50人以上がインフルエンザの患者さんです。
そこで今日は、日頃の診療で患者さんからよく聞く質問や誤解について、まとめておきます。

「マスクは意味ないとテレビで言ってたが、どうなの?」
私は使っています。いつも患者さんの咳を浴びているからです。たびたび手洗いもします。これも大事です。
一般の方は、少なくともインフルエンザに罹った本人は、感染拡大を防ぐためにマスクを装着しましょう。

「38度を超えなかったので、インフルエンザじゃないと思ってました」
私の印象として、インフルエンザの方の2,3割は、熱が38度を超えません。1割ぐらいは37.5度も超えません。
すぐ下熱して元気なので、受診せず登園・登校したお子さんの中には、インフルエンザの方もいるでしょうね。

「B型は軽いと思ってたのですが」
ほぼ、都市伝説です。熱の高さや倦怠感の強さは、A型かB型かよりも、個人差の方がよほど大きいようです。
とくに今年は、B型に胃腸症状(嘔吐・下痢)を伴うケースが目に付きます。結膜炎や中耳炎も見かけます。

「先月A型に罹ったのですが、こんどはB型に罹ることもあるのですか?」
12月のデータでは、ざっとA(H1)pdm09が6割、A(H3)(いわゆるA香港型)が1割、B(山形系)が3割でした。
A型とB型が拮抗している今期は、その両方に罹る可能性があります。とくに今月はB型が増えてますね。

「いまからワクチンを打っても、もう間に合わないでしょう?」
間に合います。すぐ接種しましょう。すでにA型かB型の一方に罹った方でも、まだ接種する意味はあります。
ワクチンの効きにくいA(H3)の割合が少ないので、今年は予防接種の効果は高いと思います。

今シーズンは、ワクチン不足のせいで未接種の方が多いのが問題です。早い流行と関係があるかもしれません。

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ムーミン問題
- 2018/01/15(Mon) -
センター試験の「世界史B」ネタを書いていた昨日、世間の話題をさらったのは「地理B」だったようです。
問題となったのが第5問の問4。北欧を舞台にしたアニメと言語から、フィンランドのものを選ぶ設問。

二択のアニメ(のイラスト)は、『ムーミン』と『小さなバイキングビッケ』でした。
ムーミンを知らない受験生が多かったようですが、バイキングとノルウェーを結びつければ解ける問題です。

ムーミン』は、私が小学生の頃、毎週日曜の夜7時半から放送されていた、大好きなアニメ番組でした。
その時期の日曜の晩は、『サザエさん』→ 風呂 →『ムーミン』という流れが、私のルーチンでした。

「ムーミンの舞台はフィンランドではなくて『ムーミン谷』だ」などという記載が、ネットを賑わせてます。
「出題ミスだ」という意見も出ていますが、深刻な非難というよりは、楽しいツッコミに思えてなりません。

作者の出身はフィンランドだけど、原作の舞台がフィンランドだとは断定できない、という学者もいます。
たしかに、「ムーミン谷」は架空の場所なので、それがフィンランドに「実在した」とは言いがたいですね。

菅官房長官は記者会見でこの件を問われて、「政府の立場でコメントすることは控えたい」と述べました。
この人はどんな質問でも、「コメントすることは控えたい」と言って逃げますね。実につまらない。
「政府の立場でコメントすることは控えますが、個人的には、大好きなアニメです」ぐらい言えばいいのに。

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正誤問題でいいのに
- 2018/01/14(Sun) -
センター試験の「世界史B」は、今年も悪問ぶりが健在ですね。たとえば第3問のCは、

「中国最大の都市である上海の外灘に立ち並ぶ重厚な西欧風建築は、往時の繁栄を今に伝えている(以下略)」
(この文章の、「都市」の部分に下線が引かれています)

そして設問は、「下線部について述べた文として誤っているものを、次の1〜4のうちから一つ選べ」
とあり、景徳鎮、リューベック、モンバサ、ポンディシェリという4つの「都市」についての文が並びます。

もはや上海など無関係。冒頭の文章は、「都市」という名詞を引っ張り出すためのものだったのです。
まったくナンセンス。くだらない。深みも何もありゃしない。

そんなこじつけの設問がまかり通るのであれば、こんな問題はどうか。作ってみました。

「インドアスポーツの発祥は古代ローマにさかのぼることができ、当時は貴族と民衆がともに熱狂した(略)」
(この文章の、最初の3文字「インド」に下線が引いてある)

続く設問はもちろん「インド」に関するものです。これだって、同じことでしょう?

さらに言うなら、「誤っているものを一つ選べ」とか「正しいものを一つ選べ」という設問も、ダメ。
選択肢の文の正誤を4つ全部は知らなくても、正答ができてしまう可能性があるからです。
それよりも、ひとつひとつの選択肢(文)の正誤をそれぞれ答えさせりゃいいじゃないですか。

前にも書いたように、世界史Bの凝った文章問題のような体裁は「まやかし」です。
求められているのは、短文の正誤判断でしかありません。もう単純に、正誤問題の羅列でいいんじゃないの?

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試験直前の悪あがき
- 2018/01/13(Sat) -
この寒い中、今年も始まった「センター試験」。中国風に書けば「中心試験」となるのでしょうか。
ネットで調べたら中国語の「試験」はちょっとしたテストのことで、入試にあたるのは「考試」のようですが。

大雪のために交通機関が乱れ、試験開始が繰り下げられた会場が何カ所もあったようです。
1時間繰り下げとなってある受験生は、「これでもう1時間勉強できる」と言ったとか。前向きでいいですね。

ただし、その1時間で何かしらの勉強をしたところで、試験の得点に貢献する可能性はほとんどゼロでしょう。
出題範囲は広いし、しかも深い洞察力や応用力が試されるはず、だからです。

と書きましたが私自身が受験生のときは、いつも試験開始直前ギリギリまで、参考書に目を通していました。
一度、最後の悪あがきで得た知識が出題されたことがあって、その成功体験を引きずってたのかもしれません。

それは高2の時の模擬試験でのこと。級友と、ひとつ単語を覚えよう!、と英和辞典を無作為に開きました。
指さした部分にあったのは “obvious” 。恥ずかしながら私は、その単語の意味をその時に初めて知りました。

さて、試験が始まって英語の問題用紙を広げたら、なんと “obvious” が出てる!
以来、往生際が悪いのが私のスタンスなのです。今風に言うなら、悪あがきは恥だが役に立つ、ですか。

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器物損壊事件
- 2018/01/12(Fri) -
休診日の今日、書類整理のために職場に向かおうとした私が目を疑ったのは、車のボンネットの傷でした。
近所の子どもの野球ボールが当たった跡や、ハトの糞ぐらいなら、まだ諦めもつきます。
しかしその傷は、石か釘か何かで、ボンネットに大きく深〜く刻まれた、「バツ印」でした。

悪ふざけやいたずらでは済まされない、嫌がらせです。犯罪行為と言ってもいい。
ただちに警察に通報しました。しばらくしてパトカーが来ました。警察官は3人。これは頼もしい。

警察官2名が現場検証(写真撮影やさまざまな計測)をする間に、残る1人が私と一緒に被害届の作成を開始。
たぶん夜中の犯行だし、使ったのはそこらの石ころでしょうから、目撃情報にも物証にも乏しいのが難点です。

車に傷が付いていないことを最後に確認した時から、今朝傷を発見した時点までの経過を、細かく記載します。
iPhoneのライフログアプリには、私の移動時刻と場所が細かく記録されているので、こういうとき便利です。

イモビライザーやドライブレコーダーは、今回まったく役に立ちませんでした。必要なのは防犯カメラです。
あとは、警察の方との連携を深めて、これまで以上の頻度で、近隣をパトロールしていただくことでしょうか。

ディーラーで修理の見積もり。うわ高い。傷が深いので板金塗装が必要とのこと。ボンネットは全部塗り替え。
保険で修理できますが、そうすると保険料がアップして、修理代分よりも値上がりする可能性があるとのこと。
なんじゃそりゃ。保険の意味ないし。とりあえず、保険料がどのぐらい上がるかの見積もりを依頼中なり。

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元号と年齢計算
- 2018/01/11(Thu) -
昭和3年1月11日に生まれた私の父は、今日が満90歳の誕生日でした。
90歳というのは、「卒寿(卆寿)」のお祝いをする年齢ですが、本来これは数え年が基準です。
なので正式(?)には、昨年が卒寿だったはずなのですが、今回は満年齢で考えることにしました。
2年前の満88歳の誕生日に「米寿」のお祝いをしたので、それとの整合性をとるためでもあります。

数え年というのは、現代社会では古風かつ面倒なカウント法ですが、合理的な面がないでもない。

たとえば和暦は、数え年と同じで、元年(1年)から始まるシステムです。
平成元年生まれの人は、数え年と年数がちょうど一致します。今年平成30年は、数えで30歳というわけです。

来年4月30日に天皇陛下が退位し、翌5月1日に皇太子が即位します。さて新元号は何になるのでしょうね。
新元号を暫定的に「暫定」とすると、暫定元年は2019年。暫定の年数に18を加えれば西暦になります。
昭和のときにはこれがプラス25でしたが、いま平成だとマイナス12ですよね。

患者さんの年齢を、生年月日を元に暗算で計算しようとするときに、この換算がなかなか面倒なのです。
このブログを書いてる途中でも、少々混乱して、書き間違えてしまいました(修正済)。
来年からはさらに面倒な時代に突入します。子どもの年齢計算で、現場はだいぶ混乱すると思います。

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国税庁からウイルス届く
- 2018/01/10(Wed) -
国税庁の「e-Tax」のインストーラに脆弱性があり、ウイルスに感染する危険があると報じられています。

e-Taxとは、国税に関する手続きをインターネットを利用して行えるシステムです。
私も先月から、「源泉所得税」のクレジットカード納付の際に利用しています。

初期登録(利用開始届出書の提出と利用者情報の登録)などの手続きが、少々面倒ですが、なんとかなります。
源泉所得税の納付の場合、まず「徴収高計算書データ」を「e-Taxソフト(WEB版)」で作成します。
データは自動的に「国税クレジットカードお支払サイト」に送られるので、カード情報を入力して納付します。

問題は、「e-Taxソフト(WEB版)」事前準備セットアップのインストーラに存在していた不具合です。
この脆弱性の影響を受けるのは、インストーラの起動時のみとは言いますが、じゃあもう私は手遅れなのか?

国税庁は、修正版のインストーラを先週公開しましたが、そのサイトの文言が、いただけません。

「国税庁が提供しているe-Taxソフト等の各種インストーラについて、メンテナンスを実施いたしました。
 平成30年1月4日以降e-Taxソフト等をご利用になる場合は、最新版のインストーラをダウンロードし、
 ご利用いただきますようお願いいたします(以下略)」

旧バージョンのインストーラに、不具合や脆弱性があったことには一切触れておらず、まったく不誠実。
こういう風に、しれっと修正して済ませようという責任逃れの態度が、お役所なんですよね。
おかげでそれ以来、私のMacに何が起きているのか気が気でなく、何度も何度もウイルスチェックしてます。

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厳冬期の大学入試
- 2018/01/09(Tue) -
「本来不合格の受験生が合格」大阪大・入試ミス

 大阪大が昨年2月に実施した入試の物理科目でミスがあり、本来合格していた30人を不合格にしていた問題で、本来不合格だったのに合格となった受験生が同数程度いたことが8日、大学関係者への取材で分かった。

 阪大は「入学した学生に資格はなく、本人に通知する」として合格を取り消す方針。同大はさらに、これらの学生がこれまでに大学で学んだ知識についても、返還または忘却を求めることを明らかにした。

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悪ノリして「虚構新聞」風の文章を書きました。すみません。でも前半部分は実在の新聞記事からの転載です。
Facebookでも指摘されてましたが、どうして「本来不合格者」を新聞ネタにする必要があるのでしょうね。
そこは普通、触れないところですよ、日本人なら。そもそも、記事として書く社会的意義(正義)がない。

実際には大阪大は、「学生に落ち度はない」として合格を取り消さず、通知もしない方針とのこと。当然です。
それよりも、落ち度のあった教官や大学職員の資格についてこそ、検討すべきです。

大学入試の合否は、その学生の人生に大きく影響します。
不合格という結果が、自分の学力不足が原因ならともかく、他人のミスが原因では納得しがたいでしょう。
しかし、いまの環境で頑張りたいと大阪大への転入学を希望しない学生もいて、その前向きな姿に打たれます。

インフルエンザが流行しているこの時期、今週に入って私がインフルエンザと診断した受験生がいました。
土曜日から始まるセンター試験を、受験できるかどうかの瀬戸際。追試験を受けることになるかもしれません。

いくら万全の体調管理をしていても、入試は厳冬期に行われ、インフルエンザの流行期と重なります。
大学の秋季入学構想とは別に、試験日だけでも少しずらすわけにはいきませんかね。

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入試の出題トラブル
- 2018/01/08(Mon) -
大阪大学の昨年の入学試験で、物理の問題に問題があった問題は、かなり問題ですね。
出題ミスそのものもさることながら、指摘を受けた大学側の対応も、遅すぎました。
本来なら合格していたはずの30人が追加合格となるようですが、それぞれ事情があり悲喜こもごもでしょう。

(1)他大学に入学していた人
いまの大学で青春を謳歌していた若者がいまさら、大阪大に転入学できますよ、と言われてもね。
うれしさ100%、というわけにもいかないでしょう。こういうことは、もっと早く決めてくれないと。

(2)浪人中の人
今期も大阪大の受験を予定していた方にとっては、腰砕けになりそうな顛末ですね。時間を返せと言いたい。
さらに上を目指して猛勉強中の受験生もいるでしょう。大阪大などに行くものかと、闘争心を燃やすかも。

入試問題作成者の不注意と、誤りに対する大学側の謙虚かつ迅速な対応の欠除が、今回の悲劇を生みました。
昨年6月と8月にも外部から指摘を受けていたのに、12月に指摘を受けるまで再検討をしなかったのは遅すぎ。

検証のため、件の入試問題をネット検索してみました。興味と暇のある方はググってみてください。
反射音で音が大きく聞こえるときの、音叉と壁の距離「 d 」と波長「 λ 」の関係を数式で表せというもの。
素直な気持ちで解くと、まず「 2d = nλ 」という式が思い浮かびますが、当初これは不正解だったようです。
大阪大の当初の正答は「 2d = (n-1/2)λ 」だったそうですが、私にはどうしても真逆にしか思えません。
今回、「 2d = nλ」も「 2d = (n-1)λ 」も「 2d = (n-1/2)λ」も全部正答にするというのも、一層不可解。

残念ながら、これ以上は私も解説する能力がありませんけど、ともかく、受験生が振りまわされたことは確か。
入試問題は、慎重な作成は当然ですが、万一誤りを指摘されたときの、その対応の早さが何より大事です。

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『西郷どん』始まる
- 2018/01/07(Sun) -
NHK大河ドラマ『西郷どん(せごどん)』が始まりました。これはかなり、楽しめそうな予感がします。
大河ドラマが面白いか面白くないか、それを決めるのは、題材・原作・脚本・主役・脇役、の5つでしょうか。

(1)題材:西郷隆盛と幕末
幕末を描いても、主人公が無名の人物だと盛り上がりに欠けた前歴があるのですが、西郷どんなら文句なし。

(2)原作:林真理子
この人の作品は、日経連載中の『愉楽にて』しか読んだことがないので、西郷をどう描くのか想像できません。

(3)脚本:中園ミホ
Doctor-X 外科医・大門未知子』やNHK連続テレビ小説『花子とアン』を書いた人ですか。じゃ面白そう。

(4)主役:鈴木亮平
すみません。よく知りません。今日の放送はまだ子役の回なので評価不能ですが、第一印象は悪くない。

(5)脇役:渡辺謙、西田敏行(語り)、沢村一樹
とりあえず、好きな俳優が3人出るので満足です。あと大村崑も出てますね。メガネはかけてませんでした。

私の独断で言うなら、ドラマに興味が湧くかどうかは題材しだいですが、面白いかどうかは脚本で決まります。
そして最終的に、そのドラマが好きになるかどうかは俳優によります。なので今回は、期待できそうなのです。

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医師偏在是正の方策
- 2018/01/06(Sat) -
地域と診療科による医師偏在の是正が必要だと言われて久しいですが、これは本当に難しい問題です。

厚労省が先月とりまとめて発表した論点のなかで、次の3点は、私も同じ認識です。
・長時間労働が常態化している外科や産婦人科は、精神科や放射線科に比べて医師の比率が下がっている
・女性医師は、出産育児等を見据えた勤務形態を余儀なくされ、一定地域・診療科に集中している
・医師が地方勤務する意思がない理由として、20代では「専門医の取得に不安がある」という意見も多い

勤務地や診療科を医師が自由に選択できる現状を改め、一定の規制を含めた対策が必要だという厚労省。
じゃあ、あれですか。医者の一定数を、強制的に外科医や産婦人科にならせるというのですか。ナンセンス。
医師は、自分の夢・希望・将来計画・やりがい・信念によって、自分の進むべき診療科を決めるべきです。

厚労省はまた、医師の少ない地域での勤務を促すインセンティブを高める対策も重要だと言ってます。
どうなんでしょう。そもそも若い医師は、都会でもまれ、豊富な臨床経験を積みたいのです。当然のことです。
それに加えて専門医制度があります。どう考えても、医師偏在対策と専門医制度は両立しにくい話です。
この点が問題となって、新専門医制度の導入が1年延期されましたが、いよいよこの春、始まります。

医師偏在への対策案を出してみろと、もしも私が言われたら、次の3点を提案したい。

(1)勤務医にできるだけ診療以外の仕事をさせないようなシステムを作り、長時間労働を是正すること
大門未知子のように、医師免許不要の雑用を一切せずに済めば、勤務医はどれほど診療に集中できることか。

(2)長時間労働が常態化している科の診療報酬を増やし、病院管理者は給料にも格差を付けること
多忙でも給料が高ければ、人は集まります。人が集まれば、多忙ではなくなり、バランスがとれてくるはず。

(3)新専門医制度は、医師の偏在を助長します。もう中止はできませんが、制度の修正が必要です。
卒後2年目の研修医の約9割が登録した結果を見ると、地域偏在・診療科偏在はますます悪化しています。
地方勤務を促す「有効な」方策があるというのなら、早く打ち出してくださいよ、厚労省の方。

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久々の緊急地震速報
- 2018/01/05(Fri) -
九州自動車道を走っているときに、突然、テレビの音声から「緊急地震速報」が聞こえてきました。
なにしろ高速走行中なので、地震の場所によっては重大事故に巻き込まれる恐れがあり、警戒しました。
さいわい、というとアレですけど、地震が起きたのは関東地方のようで、私の走行に支障はなさそうでした。

震度が心配で、聞き耳を立てていたところ、震度3だといいます。震度3なのに、緊急地震速報?
この誤報の原因は、あとでニュースでも解説されたので、皆さんもご存じの通り。気象庁のサイトによれば、
「近接して発生した地震を1つの大きな地震と認識し、適切な緊急地震速報を発表できないことがあります」

今日の場合、北陸と関東で同時に(3秒差で)起きた2つの地震を、1つの大きな地震と認識したのでしょう。
それじゃ仕方ないな、とも言えるし、もっと予想精度を上げてくださいよ、と注文を付けたくもなります。

でもそれよりも私は、わずか3秒差で、富山県西部と茨城県沖で地震が起きた事実に、むしろ興味があります。

本当に偶然でしょうか。2つの地震は本当に無関係でしょうか。
たとえそうだとしても、同時に起きた2つの地震が、別の巨大地震を誘発することはないのでしょうか。
もしも今回、2つの震源がもっと近接した、たとえば神奈川県東部と茨城県西部だったらどうでしょう。

ほぼ同時に、そこそこ近接して起きた2つの地震は、やはりそれなりに警戒してしかるべきだと思うのです。
間違えて緊急地震速報を出してしまったことが、怪我の功名となる可能性だってあるわけですから。

システム改修で精度を上げることも大事ですが、間違いを恐れない「疑わしきは速報を」の姿勢は大事です。

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リアルな手術ドラマ
- 2018/01/04(Thu) -
『DOCTORS~最強の名医~』が、新春スペシャルとして3年ぶりの復活です。あれから3年たちましたか。

医療界のドロドロ部分や、少し泣かせる人間ドラマ的側面よりも、私の最大の興味はいつも手術シーンです。
残念ながら、『Doctor-X』と同じく、医療監修が森田豊氏なので、リアリティーはいまいちです。

ですが今日の新春スペシャルは、3年前よりはマシでした。
たぶん、昨年放送された『A LIFE』のマニアックさに影響を受けたのでしょう。

森田氏が、外科医としてどれほどの経験・技量があるかは存じませんが、少なくとも、テレビに出過ぎです。
外科医として過ごす時間が短すぎる、ということを言いたいのではありません。
テレビ番組にたびたび登場するうちに、番組制作者に迎合するスタンスになっているフシがあるのです。
それはたとえば、手術シーンをついつい分かりやすくしてしまうような部分です。

いまの視聴者は、海外ドラマや映画で、徹底的にリアルな手術シーンや救急現場を見ています。
なので逆説的ですが、詳細不明でよくわからない部分があればあるほど、そこにリアリティーを感じるのです。
説明調なセリフを聞いたとたん、シラけてしまい、緊迫したシーンが台無しになってしまうのです。

その意味で、今日の新春スペシャルの手術シーンは、森田氏にしては、そこそこリアルでした。70点。
今後放送されるであろう続編では、より一層リアリティーを追求してもらいたいものです。
コメディー基調のドラマに、リアルすぎる手術シーンというギャップこそ、面白いと思うのです。

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加熱式は禁煙にあらず
- 2018/01/03(Wed) -
元旦から禁煙している方へ。それが3日坊主にならないための方法はただ1つ。決して1本も吸わないことです。

昨年から「非燃焼・加熱式タバコ」が問題視され、日本呼吸器学会など各種団体が、その害を警告しています。
前にも書いたように、加熱式タバコでも、喫煙者の健康には悪影響があるし、受動喫煙の可能性もあります。
ところが、喫煙者にも周囲の人間にも、そのような認識が不足していることが問題なのです。

受動喫煙についてはとくに、東京五輪との兼ね合いもあって、近年社会問題化しています。
喫煙者自身の健康問題よりも、受動喫煙の問題の方がクローズアップされているのは、新しい傾向です。
そのためか、周囲に煙をまき散らさない加熱式タバコへのシフトが加速しているように感じます。

実際はPM2.5を含むエアロゾルが拡散する加熱式タバコですが、目に見えない分、気にならないのでしょう。
私の外来を訪れる生活習慣病の方にも、紙巻きタバコを加熱式に切り替えた方が目立ちます。

気になるのは、当院の禁煙外来受診者が激減していることです。
昨年、禁煙外来を新たに受診した方は20人でした。一昨年までの7年間は、年平均39.4人だったのにです。

加熱式に切り替えることで少し安心して、禁煙する意識が薄れてしまった方がいるのかもしれません。
しかし加熱式でも、ニコチンをガッツリ吸い続けることになります。「ニコチン依存症」は治りません。
加熱式タバコが発売されたばっかりに、喫煙率の減少傾向が鈍化しないかと心配です。

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Appleの初売り
- 2018/01/02(Tue) -
Appleの恒例「初売り」は、今日、1月2日限定です。
全国のアップルストア(実店舗)と、オンラインのApple Storeで開催されています。

Macを買う予定があるなら初売りまで待て、という主旨のことを書いたのは4年前のこと。
あの時は、前年末にMacBook ProとiMacを購入してしまい、ひどく後悔したものでした。

今回はリベンジです。今日はMacがほぼ全部、18,000円引き(ギフトカードで還元)になっています。
このチャンスを生かして、クリニック用にiMacを1台購入しました。

それだけでも十分なのに、欲張って楽天の「Rebates」経由でApple Storeにアクセスしました。
仕組みがいまひとつよくわかりませんが、RebatesからApple Storeに入ると、楽天のポイントが付きます。
おまけにいま、Rebates→Apple Storeルートは、ポイント還元率が3%にアップしているようです。

これにクレジットカード独自のポイントも加わるので、iMacはだいぶ安い買い物になりました。

新しいMacのOSは、最新の「macOS High Sierra」です。Macなのに「Siri」さんが使えます。
先進機能満載ですが、よく使うソフトのうちいくつかは、このOSでは動作しないことがわかっています。
しかしどうしても、最新OSを搭載したMacを少なくとも一台は、職場か自宅に配備しておきたいのです。

古いOSから最新のOSまで、なるべく幅広いバージョンのOSを揃えるのが私のポリシーでもあります。
今回のiMac購入によって、10.6(Snow Leopard)から10.12(High Sierra)まで、7つのOSが揃います。
幅広いバージョンを揃える意味は何か。今風に言えば「ダイバーシティ(多様性)」の尊重でしょうかね。

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年賀状が減っている
- 2018/01/01(Mon) -
年賀状が減っています。元日に配達される年賀状は、この10年で4分の3近くになったとのこと。
SNSやスマホのメッセージに置き換わってきたのが原因だといわれます。
そうかもしれませんが、そうじゃないかもしれません。

私の場合、人間関係の広がりと共に、年賀状投函数はどんどん増えていましたが、そのピークは越えました。
今年新たに、10人ぐらいの方に年賀状を出しましたが、それ以上に、今年から出さなくなった方がいます。

年賀状ソフトでデータ管理をしているので、過去の年賀状のやりとりが、ずっと記録されています。
私が年賀状を出しても先方からは届かない、ということが過去2年間続いた方には、今年は出していません。
その方の事情は不明ですが、ともかく、年賀状のやりとりはお終いにする時期だと判断したわけです。

こうして徐々に年賀状の数が減っていますが、それは決してSNSやスマホが原因ではなく、「自然減」です。

表面的には、年賀状のやりとりが続いている方でも、それこそ本当に、形ばかりの賀状の方もいます。
前にも書いたように、私は手書きのひと言が大事だと考えている人間なので、手書きなしの賀状は疑問です。

手書きなしの年賀状が2年続いた方は、来年の投函は止めておこうかと、真面目に考えているところです。
先方にとっても、形ばかりの年賀状を私に差し出すのは、もともと気がすすまないはずですし。

私は毎年の年賀状をすべてスキャンし、相手別にファイリングしているので、内容の変化がよくわかります。
人によっては、私への賀状が完全に形式だけになって来たことが、はっきりとわかります。
たとえ形ばかりの年賀状であっても続ける意味はある、と考えてきましたが、それも程度問題ですね。

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