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サバを読む
- 2018/09/30(Sun) -
今朝はいつもよりも少し早く、台風24号の風雨が強まる前に出勤しました。
実は、電子カルテのシステムトラブルが、まだ完全には解決していないのです。

もちろん、クライアント兼用として使っていたサーバー機は、サーバー専用として独立して稼働させています。
そのため、クライアント機が一台減って5台になり、月末のレセ時期だというのに、少々困った状況です。

新しいMacを買ってサーバー専用機にするつもりでしたが、最新のOSというのは、何かとトラブるもの。
なので、いま院長室で使っているMacを、新しいサーバー(新サバ)として構築することにしました。
かわりに、院長室用には新しいMacを導入しようというハラです。

そこで今朝から、院長室のMacを電子カルテのLANにつないで、新サバの運用を試してみました。

こういう場合、Macを初期化してOSをクリーンインストールすることから始めるのが、正しいやり方です。
でも、今朝は手抜きして、サーバーのプログラムを追加インストールするだけでお茶を濁してしまいました。

このように安易に構築した、ごまかしサーバー(ごまサバ)がうまく作動するはずがありませんよね。
クライアントの挙動がどうもおかしい。一見うまういったように見えたサバが、生き腐れしていたようです。

というわけで、慌てて旧サバを蘇生して本サバとし、今日の診療を行ったのでした。
やっぱり、サバは血抜きしても手抜きせず、肝腎な部分は締めないといけませんね(しめサバ)。

(おことわり)「関サバ」をうまく挿入できませんでした。

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苦肉の策
- 2018/09/29(Sat) -
9月29日のネタとして「苦肉の策」に触れるのは、意外にも、今回が初めてです。
その語源とされている、私の好きな三国志の名場面は、あえて身内を痛めつけて相手をだます計略でした。

偽りのいさかいによって激しくムチ打ちされた部下が敵に偽装投降し、敵陣内で放火を敢行した作戦です。
映画『レッドクリフ』でも描かれた「赤壁の戦い」の中のエピソードなので、結構知られている話ですよね。

投降が偽装であることを悟られないためには、次の条件が重要でした。
(1)ムチ打ちの刑に処されるまでの経緯が自然であること
(2)ムチ打ちの程度があまりにもひどく、敵に寝返ることが自然に見えること
(3)それらの一部始終を、敵のスパイが見ていること

つまり、偽装とは思えないほど重い刑罰を、敵のスパイに目撃させることが、成功の秘訣だったわけです。

身内(=肉)を苦しめれば苦しめるほど、敵はだまされるわけで、ムチ打ちのリアリティーがカギですね。
「苦肉の策」とは、それほどまでに味方を痛めつけることを前提とした計略なわけです。

なので「苦し紛れにひねり出した妙案」ぐらいの意味で「苦肉の策」を使うのは、厳密には間違っています。
苦肉の策とは、「自らを傷つけて相手をだまし、信用させて油断を誘うこと」とすべきでしょう。
その意味では今日のブログも、苦肉の策と言うにはおこがましい、単なる苦し紛れのダジャレネタです。

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インフル季節に突入
- 2018/09/28(Fri) -
来月からインフルエンザワクチンの接種を始めますが、すでに熊本でもインフルエンザが発生しています。
当院ではまだインフルエンザと診断した方は出ていませんが、近隣では複数の発症者がいると聞きました。

流行が早ければ、予防接種と並行して治療も行うようなシーズンになるかもしれません。

インフルエンザワクチンのネット予約状況を見てみると、すでに200人程度の予約が入っています。
例年同様に、土日祝日から順に予約枠が埋まっているようですが、まだまだどの日にも空きはあります。

スムーズな接種のために今年とくに工夫したいことは、子どもの定期接種ワクチンとの同時接種です。
当院ではこれまで、インフルエンザと他のワクチンとの同時接種を、積極的に勧めてきました。
効率よく接種を進めることで、できるだけ早く、お子さんの免疫を獲得してもらうためです。

その方針は今後も変わりませんが、予約の取り方には配慮(というか一種の制限)は必要だと思います。

インフルエンザワクチンの接種枠に、多数の同時接種が入り込むと、時間通りに接種できなくなるからです。
同時接種をご希望の方にはぜひ、インフルのネット予約後早めに連絡していただくよう、お願いしています。

インフルエンザワクチンは例年と同様のものですが、治療薬は、今シーズンから大きく変わります。
ゾフルーザ」という、1回内服するだけの、新しい作用機序の抗インフルエンザ薬が加わったからです。

従来の、タミフル・リレンザ・イナビル・ラピアクタ、との使い分けは、患者さんと相談して決める予定です。
12歳以上なら、一番のお勧めはゾフルーザかもしれませんが、長所は「効果」、短所は「高価」なのです。

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ホワイトボード
- 2018/09/27(Thu) -
文書やパンフや請求書など、あらゆる紙ベースの印刷物を、私は原則としてスキャンして保存しています。
重要なものは紙のオリジナルも保管しますが、実際に参照・再利用するときに使うのはデジタルデータです。

それらはEvernoteなどのアプリで管理したり、pdfファイルのまま整理したりしています。
デジタルデータは、検索や再利用や加工のしやすさに加えて、異なる端末で同期できるところが良いですね。

さらに最近では、ちょっとした覚え書きなどを書くのにも、MacやiPhoneを使うようになりました。
電話は、その内容をMacやiPhoneにメモしながら通話するので、紙のメモのような散逸もなくなりました。

では、これが理想的な状態なのかと言えば、否。デジタルメモではできないこともあります。
何らかの作業において、アイデアやイメージを書き出しながら考えをまとめるのは、紙でなきゃだめですね。
まあiPadを使えば、紙ベースに近い作業ができるかもしれませんが、書き殴り感が十分には表現できません。

さらに、もっとイメージを膨らませようとするときは、ホワイトボードが最もふさわしいと思います。
少なくとも私は、ボードにマーカーで書いたり消したりしながら作業するのが、いちばんはかどります。

ホワイトボードは、複数人数がプレゼンや議論に使うイメージがありますが、一人だけで使っても有効です。
頭の中のアイデアを「ブレインストーミング」的に抽出して、思考を深める作業に使えるからです。

ドラマ『A LIFE』では、キムタクが巨大なホワイトボードに書き殴りながら、考え込むシーンがありました。
あれをマネて私も、書斎に大きなボードを設置し、作業中のいろんな事柄を書き込んで、毎日眺めています。
計画やアイデアの全体像を俯瞰できることも、大きなボードの利点。パソコンの画面じゃピンときませんね。

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忘れた頃にやって来る
- 2018/09/26(Wed) -
忘れた頃にやって来るもの。それは私の場合、電子カルテのシステムトラブルですね。もう何度も書いてます。

MacやiPhoneやクラウドストレージにおける不具合なら、だいたい自分で対処できます。
Evernoteが固まっても、Facebookの挙動がおかしくても、間違えてデータを消去しても、何も慌てません。
データは二重三重に、アプリもバックアップをとっています。ウイルスチェックも繰り返しています。

しかし、電子カルテのシステムトラブルだけは、滅多に起きないのですが、起きたら肝が冷えます。
その日の診療に、重大な支障をきたす恐れがあるからであり、私一人の不便では済まないからです。

今朝7時過ぎに出勤後、電子カルテを立ち上げたところ、いままでに見たこともないアラートが出ました。
受付の端末が立ち上がりません。でも診察室は問題なし。てことは、サーバーやネットワークの問題ではない。
そうこうするうちに、診察室のMacもおかしくなった。最終的には全滅。全身から脂汗。お腹も痛くなる。

職員が出勤してきます。電子カルテのサポートセンターは9時からの営業なので、まだ電話がつながらない。
しかし9時前になると患者さんもちらほら現れる。電子カルテは使えず、診療録の記載どころか受付も不可能。

こうなったら、電子カルテのデータベースを総替えじゃあ。保存してあったバックアップで、まるっと上書き。
おそるおそる立ち上げてみると・・・なんとかなるかも。毎日バックアップしてて良かった。
9時にサポートセンターに電話したら、データベースが壊れていたようなので、私の対処法で良かったと。

どうやら、サーバー機でクライアントも兼用していたのが問題でした。過剰な負担がかかっていたようです。
Macを1台ケチったのが間違い。しょうがないので、サーバー専用機(=新しいMac)を買うことにします。
さて、どれにしようかな♪

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噴火警戒レベルは1
- 2018/09/25(Tue) -
ふと空を見上げたら、青空を「くまモンジェット」が飛んでいました。
黄緑色の尾翼のソラシドエア版のくまモンではなく、尾翼に花柄のあるチャイナエアのくまモンジェットです。
しげしげと見たことはなかったのですが、あらためてネットで見てみたら、何とも言えない微妙な図柄ですね。

「三熊友達号」ですか。くまモン以外に、台湾の熊キャラ2匹が描かれているのですが、その片方が怖い。
週3回、台湾・高雄と往復してるようです。火・金・日の午後5時から6時ごろ、熊本空港に居るはずです。

今日は良い天気だったので、久々にBBQをしました。わが家付近からは、阿蘇の外輪山も綺麗に見えます。
最近は、あまり噴火のニュースを聞きませんが、いまの阿蘇の活動状況はどうなんでしょうね。

気象庁のサイトを見たら、「噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)」となっていました。
「火山だってことを忘れるなよ」ぐらいの意味ですかね。忘れてはいませんが、だから何、って感じです。

伊方原子力発電所3号機の運転停止を広島高裁が昨年命じた仮処分を、その広島高裁判が今日取り消しました。

昨年の仮処分理由は「阿蘇山の破局的噴火で、火砕流が原発に達する可能性は小さくない」ということでした。
それを取り消したのは「阿蘇山の破局的噴火の頻度は著しく小さい」との理由です。

可能性が小さくないと去年は言ったけど、よく考えたらやっぱり小さかったと、そういうことですかね。
科学的な可能性を最大限に追求することよりも、国民がどの程度深刻に考えているかを考慮したようです。
30年以内に70%という首都直下地震の確率ですら、東京での生活を危ぶむほど高い可能性ではないですから。

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便秘にイチジク
- 2018/09/24(Mon) -
便秘のお子さんが、浣腸のために来院されることがよくあります。
5日ぐらい排便がなくても元気な赤ちゃんは多いですが、そろそろ浣腸した方がよいでしょう。
5kgの体重の乳児から、50gの便が出たりします。自分の体重に置き換えてみて、あらためて驚きます。
腹痛を訴えて苦しそうな顔つきで来た幼児は、浣腸して排便した後は、明るい表情になって帰って行きます。

浣腸には「グリセリン浣腸液」を使うのが一般的です。成分はグリセリン50%です。
浣腸液を適温に温めて、専用の容器で適度な圧力で直腸内に注入しますが、重要なのは体位です。
左半身を下にした「左側臥位」で行います。この体位なら、浣腸液がS状結腸方向に流れ込み易いからです。

まちがっても、立位のままで注入してはなりません。直腸壁を損傷し、腸管穿孔をきたす危険があります。

このたび「イグノーベル賞」を受賞した「痛くない大腸検査」は、座った格好で行う内視鏡検査法でした。
たぶん、座位なら直腸の角度がちょうど良いのでしょうね。でも浣腸には不向きです。液が垂れますから。

市販の浣腸薬と言えば「イチジク浣腸」ですね。あれも成分はグリセリン50%。医薬品と同じです。
イチジクに似た形の容器が特徴ですが、最近の製品をネットで見ると、いろんな形があるようです。
長いノズルとか、フレキシブルな根元など、イチジクにこだわらない姿勢が見られます。でもイチジク製薬。

子どもの頃、カミキリムシを捕まえるときは、近所のイチジクの木を探せば、たいてい見つかりました。
でも、あのベトベトする樹液は苦手でした。イチジクに限らず、私はベトベトする食べ物は嫌いです。

もう長いことイチジクなんて食べてませんね。たまに店頭で見かけると懐かしく感じますが、でも買いません。
干した実は緩下剤になるといいますから、イチジク浣腸とは便秘つながりがあると言えばあるか(苦しい)。

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誤飲と誤嚥
- 2018/09/23(Sun) -
「子どもがタバコを食べた」「オモチャを飲み込んだ」などという電話相談を、ときどき受けます。
毒物か、腐食性があるか、尖っているか、そしてお子さんの様子はどうか。
誤飲・誤食したモノの内容や子どもの病状によっては、日赤などの救急病院に直行していただきます。

子どもが口にするモノは、さまざまです。保護者の方におかれましては、くれぐれもご注意ください。

「誤飲」「誤食」「誤嚥」の3つの言葉は混同されやすく、そもそも、厳密な定義があるのかも疑問です。
昔は、これらの意味をひっくるめて、広い意味で「誤嚥」を使っていたような気がします。

しかし最近では、「誤嚥」は「飲み込むべきモノを誤って気道に吸い込んでしまうこと」の意味で使います。
その一方で「誤飲」は、「飲み込んではならないモノを誤って嚥下してしまうこと」です。

つまり、誤って嚥下してしまったのが「誤飲」で、ちゃんと嚥下できなかった場合が「誤嚥」です。
日本語的には、しっくりきませんね。

「飲み込む(=嚥下する)」ことを英語で “swallow” といいますが、「ツバメ(燕)」も “swallow” です。
当然、両者は同語源かと思いきや、そうでもない。スペルが同じなのは、偶然の一致のようですね。

中学生時代に、スズメの “sparrow” と、ツバメの “swallow” を、私はよく混同していました。
で、私なりの覚え方。「進め!、じゃないのが、座ろう!」

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耳うどん使えねえ
- 2018/09/22(Sat) -
新型iPhoneが昨日発売されたというのに、お前のブログには何も書かんのか、というご意見を頂戴しました。
あのね、刺激しないでください。せっかく今回はパスしようと思ってるんだから。先日そう言ったでしょう。

報道も穏やかで、昨年と比べるとまったく盛り上がっていない気もして、私もあえて触れたくないのです。

昨日発売されたiPhoneは、「XS」と「XS Max」の2機種。さらに10月26日には「XR」が発売されます。
あるニュースでは「XS」のことを「エックスエス」と紹介し、番組の最後で「テンエス」と訂正してました。
「XS Max」に至っては、「クリスマス」って言うんじゃないかと、ヒヤヒヤしてました(うそ)。

昨年発売された(そして私も使っている)「iPhone X (テン)」の読み方を、皆さんお忘れなのでしょうか。
「X」は過去最高に良いiPhoneだと、私は思います。もちろん毎年、前年よりも良くなっていくはずです。
不満があるとすれば、診療中にマスク付けたままだと、顔認証が利かないことぐらいでしょうか。

そうそう。不満話で言うなら、イヤホンの「AirPods(耳うどん)」では、時々困った目に遭いますね。

いま、たいていの旅客機は、Wi-Fi完備でインターネットにつながるし、Bluetoothによる通信もできます。
ところがたまに、Wi-Fiもなけりゃ、Bluetoothも禁止という、「使えねえ」機材に当たります。
どうやら、通信電波に対する「耐性」が、飛行機によって違うらしいですね。

国土交通省による航空機区分でいうところの「タイプ I 」なら耐性あり、「タイプ II 」なら耐性なし。
B767やB737の一部にタイプ II の機材があり、Bluetoothが使えません。なのでAirPodsも使用不可です。

そんな時のためだけに、AirPodsのほかに有線のイヤホンを持ち歩く気にはなりません。
シンプルでスタイリッシュなライフスタイルを追求すると、ときどきこのような、不便な目に遭うのです。
「耳うどんがスタイリッシュなのか?」とは、言いっこナシです。

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母子手帳の2つの番号
- 2018/09/21(Fri) -
熊本市の母子手帳(親子健康手帳)の表紙には、氏名等のほかに熊本市固有の2つの番号が記載されています。

(1)親子健康手帳交付番号(本稿では、母子手帳番号とします)
(2)予防接種・乳幼児健診番号(通称、予防接種番号)

前者は妊娠中には必要かもしれませんが、出産後十数年間ずっと必要なのは後者の予防接種番号です。
問題は、この両者がともに「9」から始まる9桁の数字だということです。見た目がそっくりなのです。

母子手帳番号は、手帳が交付された際に、手書きで記入されます。
予防接種番号は、出産後にシールで交付され、母子手帳の表紙裏にそのシールを貼る場所が作ってあります。
シールを貼れば別の場所に書き写す必要はないので、表面の予防接種番号欄は空欄の場合が多いようです。

その結果、母子手帳の表には、予防接種番号にそっくりな母子手帳番号だけが記載された形になります。

お子さんの予防接種の予診票は、保護者の方(たいていは母親)が記載します。
その予診票に、予防接種番号の記入欄がありますが、ときどき、間違えて母子手帳番号を記入する方がいます。
でも保護者の不注意は責められません。紛らわしい別の番号が存在することが、そもそも問題なのです。

これは明らかに、熊本市のシステムの不備です。危機管理の観点からは、避けなければならないことです。
わざわざ混同しやすい2種類の番号を作った、その企画立案者のセンスを疑います。

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返品を前提とした注文
- 2018/09/20(Thu) -
まだ夏風邪の患者さんも多い中で、インフルエンザワクチンの予約受付を開始していますが、これでも遅い方。
開院2年目のときは、9月1日から予約受付を始めたことを思い出します。
まだ来院患者さんが少なくて、あの手この手で当院を知って来てもらおうと工夫・画策していた時期でした。

今年もワクチン供給量が潤沢ではないので、厚労省の締め付けは、厳しかった昨年をそのまま踏襲しています。
(1)医師がとくに必要と認める場合を除き、13歳以上は「1回注射」とすること
(2)医療機関は返品を前提とした注文を行わず、必要量に見合う量のワクチンを購入すること

このうち(1)については前にも書いたので、今日は(2)の在庫管理の問題点について考えてみます。

まず、インフルエンザワクチンの接種というものは、多くの医療機関で、基本的には予約制で行っています。
たとえば10月1日に10人の予約があれば、その前日までに5バイアルのワクチンを準備する必要があります。
(すべての被接種者が3歳以上、つまり0.5ml接種とした単純計算です)
10月2日も3日も4日も、それぞれの予約数に見合ったワクチンを入手しておくことになります。

しかし実際には、毎日毎日、5本とか11本とか17本とか、そんなチマチマした発注などしてはいません。
1週間単位とか2週間単位ぐらいの大枠で、50本とか100本ずつワクチンを発注するのが普通です。
その期間の予約数をカウントし、追加予約数も見込み、不足しないだけのワクチンを入手する必要があります。

さらに、原則予約制であっても、予約なしで当日接種を希望する方が、何人も来院されます。
インフルエンザの流行期が近づく11月以降になると、その傾向が強まります。
予約数ギリギリの在庫では、とても接種が間に合いません。なので在庫管理には多少の余裕が必要なのです。

ところが、接種シーズンも終盤になると、予約をキャンセルする方が多くなってきます。
当院の予約日を待ちきれず他院で接種したとか、もうインフルエンザに罹ったので接種しない、とかです。
ドタキャンもあれば、ノーショー(予約しても来院なし)もある。
その結果、ギリギリと思っていたワクチンが、ふたを開けてみたらけっこう余ってしまうこともあり得ます。

ワクチンが不足していたのか、足りていたのか、大余りなのか、シーズンが終わってみなければわかりません。
厚労省は「必要量に見合う量のワクチンを購入すること」と言いますけど、それができりゃ苦労はしません。

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予約の優先順位
- 2018/09/19(Wed) -
「先行予約受付開始」なんてのがありますよね、コンサートとか、航空券とか。
特定の団体の会員が、一般向けよりも1日とか1週間ぐらい前から、予約申込みができたりするやつです。

インフルエンザワクチンの接種に、そのような優先順位を付けるわけにはいきません。みな平等が原則です。
それでも、当院おなじみの方に少しでも便宜を図るとすれば、予約開始の周知方法を工夫することでしょうか。

10月から始めるインフルエンザワクチンの接種は、じつは今日から、ネット予約の受付を始めています。

例年と同じネット予約のサイトを、今朝早く、どこにも告知・広報等せずに、ひっそりと立ち上げてみました。
接種はまだかと、当院の予約サイトをたびたびチェックしている方なら、きっと気付いてくれるはず。
当院に興味のある方だけが先行予約することができるので、「ウォッチャー特典」とでも言いましょうか。

ですが数時間様子を見ていましたが、誰一人予約を入れてきません。さすがに周知しなさすぎでしょうかね。

そこで次に、診療予約サイトのアイチケットに、インフルエンザ予約サイトへのリンクを張ってみました。
言うなれば「お得意さん特典」です。すると、わずかですが気付いてくれた方がいて、予約が入りました。

少し時間をおいて、こんどは当院のホームページのお知らせ欄にも、リンク付きで記事を出しました。
これは「ごひいき特典」というべきかもしれませんが、予約数はなかなか増えません。

本格的には明日の朝、診療予約のためにアイチケットを見た方が、予約を入れ始めるだろうと想像しています。
ならばその前にもうひとつ、「読者特典」を。というわけでこのブログを見た方は、いますぐ予約をどうぞ。

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出張中のブログ投稿
- 2018/09/18(Tue) -
東京には定宿があります。どこのホテルかは、ここには書けません。パパラッチやテロ等を防ぐためです。
決して高級ホテルではありません。交通の便が良く、清潔であること。それが第一です。

もうひとつ。ホテルに求めるのはネット環境です。最近はたいていWi-Fiが完備されているので助かります。
少し前までは、LANケーブルでネット接続するホテルもありましたが、今はあまり見かけませんね。
ネットにつながらないと、ブログが投稿できなくなって、大変なことになります(どんだけブログが大事?)。
これまでに、出張や旅行の際にも、なんとか工夫して(何が何でも)投稿を続けてきました。昨日もです。

そうそう。昨日のバースデーフライトのブログですけどね、あれは締切ギリギリのヒヤヒヤものでしたね。

東京のホテルに着くのは深夜になるので、実はブログの前半は、出発前までに書いておいたのです。
重要なのは後半部分ですが、これは実体験を元に書くしかない。その実体験の詳細は、昨日書いたとおり。

嬉しい気分のままホテルにチェックインした後、余裕をかまして23時半ごろまで、ホテルのバーにいました。
ソーセージの盛り合わせを食べながら、アードベック・テンのストレートをチビチビやっていました。

そのとき突然、気付いたのです。持って来たMacBookの中に、半分まで書いていたブログ原稿がないことに。

私のブログ原稿は、どのMacでも随時編集できるように、クラウドストレージのDropboxに入れています。
ところが、出張・旅行用に最近買ったMacBookにだけは、Dropboxをインストールしていなかったのです。
これは、パソコンの盗難や紛失を考慮した危機管理です。重要データは原則として持ち出さないわけです。

そのことを忘れていたものだから、持って来ているMacBookに原稿がないことに、気付いてなかったのです。
もう、バーから大慌てで部屋に戻り、酔った頭でブログを一から書きました。投稿時刻は23時59分でした。

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バースデーフライト
- 2018/09/17(Mon) -
誕生日に飛行機に乗る「バースデーフライト」。今日の「熊本–羽田」便が、まさにそれでした。
念のため申し上げておきますが、今日は私の58回目の誕生日です。ありがとうございます。

日ごろ学会等の所用で上京するときは、火曜か金曜の休診日に往復しています。日帰りの強行軍です。
でも今日のように休前日(休診日の前日)が祝日の場合には、最終便で東京入りできることに気づいたのです。
土日祝日の診療終了時刻は、平日よりも2時間早い、午後5時に設定しているからです。

そんなわけで今日は、午後6時前に診療を終えると、ダッシュで熊本空港に向かいました。
いつもはわりと閑散としているのに、この時間帯は混み合ってますね。祝日なのに?祝日だから?

私が今日、誕生日であることに、空港の誰かが気づいてくれるかどうか。
搭乗者の個人情報が、どこまで伝わっているのか。それを検証するフライトでもありました。

とくに受託手荷物はないので、チェックインカウンターは経由せず、直接保安検査場に向かいました。
「ピンポーン。お誕生日おめでとうございます」なんてアラームが鳴るわけがありません。
いつものように粛々と、保安検査場を通過。係員からは何のコメントもなし。当たり前か。

ついで搭乗口です。ここは一人一人の個人情報が漏れている可能性がある部署。通過してみると、
「お客様、お誕生日おめでとうございます」なんてコメントもなく、これまた淡々とゲート通過。

さて、機内に入ると、CAさんたちが出迎えてくれました。
彼女たちは、乗客名簿を持っています。それにはもしかすると、生年月日が記載されているかもしれません。
いや、そんな情報はないかも。ならば、旅の恥はかき捨て。乗り込むときに自分から伝えてしまえ。

というわけで、そこにいたCAさんに、今日は誕生日なんですよね、と一方的に情報提供してみたのです。
で、どうなったかと言うと、羽田到着時に、手書きのメッセージカードと、プレゼントをくれたんですね。
何でも言ってみるもんです。

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ワクチンの需給バランス
- 2018/09/16(Sun) -
インフルエンザワクチンの接種は、まだ予約できないのかと、お問い合わせをいただくようになりました。
お待たせしておりますが、ようやくワクチン入荷のメドが付いたので、今週中に予約受付を開始できそうです。

それにしてもこのワクチン、製造がギリギリなので出荷もギリギリ。入手できるのか毎年ヒヤヒヤします。

インフルエンザワクチンの製造量は、5年前の3388万本をピークに、毎年だんだんと減っています。
一方でワクチン使用量は、この数年間、全国でおおむね毎年2600万本程度でした。

3年前は、製造量3072万本に対して、使用量は2565万本。500万本以上の余裕、というか余剰がありました。
2年前は、製造量2784万本に対して、使用量は2642万本。この年も100万本以上余りました。
ところが昨年は、トラブルがあって製造量は2643万本。節約して接種したので、使用量は2491万本でした。

なんだ、昨年も結局は50万本以上余裕があったじゃん、というのは間違いです。
製造されたワクチンが、全国各地の需要に応じて完璧な配分で供給されるはずがないからです。
需給バランスは地域によって異なり、同じ地域内でも医療機関によって異なります。

ワクチンの納入本数以上に接種することは不可能なので、多くの医療機関で接種は頭打ちとなりました。
当院もそうです。例年よりも早い時期に在庫はゼロとなり、泣く泣く接種を打ち切ることになりました。
ところが全国的には、52万本余った計算です。つまり、どこかの医療機関では余剰在庫が出たのです。
このことは、50万本程度の余裕では、全国的な安定供給を確保できない、ということを意味します。

今年の製造予定量は2650万本だそうです。昨年のようなトラブルがないのに、昨年並みじゃないですか。
ということは、需給バランスも昨年並み。実質的にはまた、ワクチン不足になるのでしょうね。

厚労省は今年も「13歳以上の接種回数は1回」とアナウンスしきりです。
2年前までの、「13歳以上65歳未満の接種回数は1回または2回」という規定は、どこかに消えました。
「ワクチンは足りているが1回接種で十分なのだ」と言う厚労省。まったくご都合主義としか思えませんね。

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「1期初回」問題
- 2018/09/15(Sat) -
医師系サイトでも話題になってますが、「ちょっと変だよ『初回接種』」は今に始まった問題ではありません。
お役所仕事を象徴する、国民の常識とは少しズレた、オカシな言葉遣いの問題です。

子どもの定期予防接種には、ワクチンごとに定められた接種スケジュールがあります。
それらは「1期」と「2期」の接種時期が設定される場合があります。
さらに「1期」は「1期初回」と「1期追加」に分かれます。

問題は、「1期初回」接種が、さらに2回か3回の接種で構成されているということです。

4種混合ワクチンであれば、「1期初回1回目」「1期初回2回目」「1期初回3回目」の3回です。
その1年後に「1期追加」があり、厳密には少し違いますが、2種混合ワクチンが「2期」の位置付けです。

ヒブと肺炎球菌ワクチンも同様に「1期初回」が3回あり、「1期追加」まで合計4回の接種があります。
日本脳炎ワクチンだと「1期初回」が2回目までで、1年後に「1期追加」、さらにその5年後に「2期」です。

でも「1期初回2回目」なんて変な言葉です。「初回」が2回も3回もあるって、日本語としてどうなんですか。

ある先生は、「初回」のかわりに「基礎」としてはどうかと提案してます。あ、それいいね。
「1期基礎1回目」「1期基礎2回目」「1期基礎3回目」「1期追加」「2期」という流れですか。

まあ、だいぶわかりやすいですが、いっそのこと「1期」を外してしまっても、いいんじゃないですかね。

「基礎1回目」「基礎2回目」「基礎3回目」「追加」「2期」ですよ。う〜ん、こうなると「2期」が唐突か。
「基礎1回目」「基礎2回目」「基礎3回目」「追加1回目」「追加2回目」でどうですか。うん、スッキリ。

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地場産品の定義
- 2018/09/14(Fri) -
国から地方に交付される財源に国民の意思も反映できるようにするのが、ふるさと納税の当初の趣旨でした。
なので特定の市町村に寄附金が集中しても、それは国民の意思。総務省にとやかく言われる筋合いはないはず。

しかし寄附金が大きくなりすぎると、総務省の地方財源への支配力が減るので、総務省的には面白くない。
そこで、寄附金額が大幅に伸びている自治体を標的にして、しめつけてやれ、ということなのでしょう。

たとえば「大阪府泉佐野市」と「佐賀県みやき町」は、総務省のターゲットとなっている代表的な自治体です。
昨年度の寄附金額は、それぞれ135億円と72億円。自治体の予算規模からすると、とても大きな額です。

野田総務相の示した返礼品の条件は、(1)調達費を寄附額の3割以下に、(2)地場産品に限る、の2点。
このうち「地場産品ルール」については、定義も曖昧だし、各自治体とも簡単には譲れないところでしょう。

かく言う私も各地に寄附していますが、地場産品とは思えない返礼品を、当たり前のように受け取っています。

泉佐野市からは、泉州タオルという有名な地場産品のほかに、ビールも届きました。しかもアサヒビール。
みやき町からは、ダイソンのドライヤーをいただきました。風力が強くて髪がすぐ乾くので、重宝しています。

泉佐野市にビール工場があるかどうかは知りませんが、みやき町にダイソンの工場はないでしょう。
みやき町長の理屈は、「町内の電器店で(ダイソン製品を)取り扱っている」からだそうですね。ウケる。

このほか、某市からは有名なシャンパンを、別の町からは私の好きな銘柄のスコッチを送っていただきました。
それぞれ、ガラス製品やハム製品との組み合わせですが、そんな「地場製品」など方便のようなものです。

真の意味での完全な地場産品なんて、かなり限られます。ゆかりのある製品、ぐらいの定義でよいでしょう。
金額規制はともかく、地場産品規制はほどほどでお願いします。

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新型iPhoneは静観予定
- 2018/09/13(Thu) -
本日午前2時、米太平洋夏時間(PDT)だと9月12日の午前10時、Appleの新製品発表会が開催されました。
いつもこの時期に新型iPhoneが発表され、数日中に予約開始、その1週間後頃に発売となる流れです。
今回は、明日16時01分(日本時間)から予約受付、その1週間後(9/21)に発売開始となります。

思えば2008年に日本でiPhoneが発売されて以来、2009年を除けば毎年、私は最新機種を購入してきました。
2年間隔で買えば十分だという意見もあるでしょうけど、その時々で買い替えたくなる理由があったのです。

(1)2008年7月:iPhone3G:発売日に家電量販店に並んで購入。
(2)2010年8月:iPhone4:先代を買って2年経ったので、順当な機種変更です。
(3)2011年10月:iPhone4S:ジョブズ追悼(4S=for Steve)の思いで、発売日に購入。
(4)2012年9月:iPhone5:フルモデルチェンジして、大きく薄く軽くなったので、つい。
(5)2013年9月:iPhone5s:指紋認証機能「Touch ID」が搭載されました。これは買うしかない。
(6)2014年9月:iPhone6 Plus:フルモデルチェンジなので買いました。Plusはめっちゃデカイ。
(7)2015年9月:iPhone6s Plus:本体素材が硬くなったので(6 Plusは曲げてしまった)。でも落とした。
(8)2016年10月:iPhone 7 Plus:「Apple Pay」搭載。当然、買いでしょ。
(9)2017年11月:iPhone X:全面有機ELスクリーンに顔認証 (Face ID)。買わない理由が見つからない。

で、今回の「iPhone XS」なんですけどね。スペックアップ以外には新味が無い(気がする)。
じゃあ「iPhone XS Max」ならどうだ、と言われるとちょっと悩みますが、今回はパスします。
それよりも、フルモデルチェンジした「Apple Watch」を買い替えようかと思ってたりして。

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ふるさと納税の楽しみ
- 2018/09/12(Wed) -
野田聖子総務相が昨日、ふるさと納税制度見直しの方針を表明しました。返礼品競争を解消するためです。

「ふるさと納税はショッピングではない」と野田氏は言いますが、そんな制度に誰がした、って話ですよ。

そもそも、本来のふるさと納税の趣旨を考えれば、返礼品自体が間違っています。
礼を言いたけりゃ礼状でいいはず。百歩譲って、その土地の絵ハガキか写真付きカレンダーぐらい。
ところが野田氏が明言した「3割ルール」は、「3割までの返礼品OK」のお墨付きを与えたことになります。

各自治体は今後、返礼品を3割に合わせてくることでしょう。
3割の返礼品を付けなければ、相対的にみすぼらしく映り、他の自治体との競争に負けてしまいます。
あるいは、調達業者から返礼品を買いたたき、見かけ上3割に押し込めてくるかもしれません。
結局、競争は続くのです。

返礼品競争が、本当に国民のためにならないのか。突き詰めて考えると、どちらとも言えないかもしれません。

3千円相当の肉に進んで1万円を払い、それが届くのを心待ちにする。新たな娯楽のジャンルとも言えます。
いったん立て替えるにしても、最終的にはほとんど懐を痛めない、実に楽しく安全な買い物なのです。
そんなことは最初から(ふるさと納税制度を設計したときから)、官僚たちにはわかっていたはずです。

今頃になって「ふるさと納税はショッピングではない」と野田氏は言ってますが、それはまやかしです。
「3割ルール」はまさに、ふるさと納税のショッピングの要素を国が認定したことに等しいものです。

私も、返礼品目当てにふるさと納税してる人間の一人ですが、返礼品をいただくだけではありません。
寄附金の支払いに、ポータルサイトを利用してポイントを稼ぎ、クレジットカードでまた稼いでいます。
そんな小さな裏技も含めて、庶民の楽しみなのです。

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航空会社の医師登録制度
- 2018/09/11(Tue) -
旅客機内で「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか」という場面に遭遇した顛末は、前に書きました。
昨年は、東京に2往復しただけというわずかな私の搭乗歴のなかでそれが起きたのは、奇跡的な出来事です。
ドクターコールのアナウンスよりも前に、すでに私が心肺蘇生を開始していたことも、特筆すべきでしょう。

ただし日本では、善意で診療行為をしても、その内容に問題があれば、医師の責任になる可能性があります。

一方で米国には、善意で行った場合には結果が悪くても免責されるという「善きサマリア人の法」があります。
救命のために果敢に手を貸す医師を守り、ひいては急病人をできるだけ救けようとする考え方です。

日本では法整備が遅れているので、医師がドクターコールに名乗りを上げることを躊躇しがちです。
国内線の機内に準備されている救急キットだって、貧弱すぎます(少なくともANAの場合には)。
昨年末のケースでは、気管内吸引が必須の病状でしたが、吸引装置が機内にはありません。口で吸うわけ?
呼吸が停止していましたが、気管内チューブもなければ喉頭鏡もない。アンビューバッッグで押し続けるのみ。

機内でどのような急病人が出るかわかりませんが、心肺蘇生を行うには、現状では厳しい環境ですね。
でもそれなのに、JALもANAも、2年前から医師登録制度を始めています。
あらかじめ医師が搭乗していることがわかれば、乗員には安心材料でしょうけど、医者にとっては微妙です。

そんな議論の余地のある医師登録制度ですが、私はこのたび「ANA Doctor on board」に登録申請しました。
どうやら昨年末の一件以来、私が医者であることが、乗客名簿に書かれているフシがあるのです。
医者であることがバレてるのなら、今後知らんぷりもできないので、いっそのこと自発的に登録した次第です。

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さくらももこ氏死去
- 2018/09/10(Mon) -
「さくらももこの訃報を目のあたりにして『神のちから』(さくらももこ 小学館)を引っ張り出した」

週刊文春の『私の読書日記』欄で、三上延氏がそのように書いていたので、私も引っ張り出してみました。

『神のちから』が書斎にあることは、わかっていました。震災後の片付けの時に、目にした記憶があるのです。
では、どこにあるのか。メインの、作り付けの棚ではありません。そこは今、スコッチが占領してますから。
古い(購入して20年以上を経た)本ばかりを収納した、いちばんへんぴな書棚を探してみます。
はたして、前後に重なった本の後ろ側のいちばん日の当たらない場所に、その『神のちから』はありました。
まあ、もともと書斎自体に日は当たりませんけどね。窓は小さい上に、シャッターを下ろしてますから。

あらためて読むと、ひどくシュールですね。四半世紀ぶりに読んだのに、ほとんど内容を覚えていました。
とくに私が好きなのが『それていくかいわ』です。当ブログの読者なら、お分かりいただけるでしょう。

『神のちから』に収録されている最後のエッセイは、「こんすたんちのーぷるのおもいで」です。
それは、「まだ見ぬ土地、コンスタンチノープルよ、さようなら。おなら。」で締めくくられていました。
そのシュールさは、私にはとうていマネできません。『ちびまる子ちゃん』とのギャップも、なかなかです。

53歳という若さで、さくらももこ氏の命を奪ったのは「乳がん」でした。
息を引き取る前の最後の言葉は、「さようなら、おなら」だったかもしれません。

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半分、バルミューダ。
- 2018/09/09(Sun) -
わが家のLDKにある家電の多くが、バルミューダの製品です。
空気清浄機、加湿器、トースターに炊飯器、書斎にはノートPC用の冷却器も。
扇風機もありましたが、地震で首が折れてしまい、強度に不安を感じたので、買い替えたのはダイソンです。

来月、バルミューダから「The Light」という名の電気スタンドが新発売されます。価格はかなりのもの。
正直言って、今回はパスですね。これまでの製品とは少し違うというか、微妙にダサい(言ってしまった)。
子どもの学習机用らしく、光の質も考えられていますが、もうわが家には不要です。

バルミューダの創業者・寺尾玄氏が、起業して最初に生み出したのが扇風機「The GreenFan」でした。
自然の風に似せた、渦のない優しい風が吹くのが特徴だといいます。
同時に速度の違う風を送り出す二重構造の羽根と、世界で初めてDCモーターを扇風機に採用しています。

加えて、同社の製品に共通するのは、シンプルでボタンが少ないこと。これはApple製品にも似ています。
購入後の組み立てや消耗品の交換も、大手メーカーの製品よりもシンプルでわかり易くなっています。
なので私がバルミューダ・ファン(扇風機ではなくて愛好者の意味)になるのは、当然の帰結でした。

「家電という道具を通して、心躍るような、素晴らしい体験を皆様にお届けしたいと考えている企業です」

寺尾玄氏は自社のことを、そのように言ってます。まるでAppleじゃないですか。
同社のサイトでは、だいぶ前から、NHKの連ドラ『半分、青い。』への「協力」をアピールしています。

ドラマでは今週、扇風機の発明品が登場しそうな雲行きです。バルミューダ臭が露骨でなけりゃいいのですが。

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ブラックアウト
- 2018/09/08(Sat) -
「ブラックアウト」という言葉は様々な状況で使われますが、今回は広範囲に一度に起きた停電のことでした。
北海道の大地震によって、北海道全体が瞬時に、真っ暗になりました。文字通りのブラックアウトです。

その原因は、北海道内の発電が、震源地近くの苫東厚真発電所に一極集中していたためだとされています。
泊原子力発電所が稼働していなかったために、高効率の苫東厚真発電所がフル稼働していたのも遠因とか。

停電には2種類あることを、このたびのブラックアウトで知りました。
ひとつは発電所や送電網等のトラブル。今回の、苫東厚真発電所の、地震による稼働停止はそれですね。
そしてもうひとつが、電力需給のバランスが崩れて発電機に負担がかかり、自発的に発電を停止するもの。

発電機は、過大な電力需要に耐えられないとき、自らを守るために発電を停止する機能があるようです。
1カ所が停止すれば残りの発電機にはますます負担がかかるため、結局全部が止まってしまうわけです。

もしも苫東厚真が止まった時点で、すぐ北海道の半分を停電にすれば、需給バランスを保てたかもしれません。
たとえば今回、札幌以外を全部強制的に停電にすれば、札幌だけは停電を防げたんじゃないでしょうか。

苫東厚真発電所が止まったら、残りの発電所も全部止まることは、理論的には十分に想定できていたはずです。

なのに対策をしてこなかったのは、科学的には想定できても、心情的に想定しようとしなかったからでしょう。
極端にひどい災害だとか最悪のケースというのを、どうしても想定したがらないのが日本人の特徴なのです。
あれだけの大地震や津波や豪雨災害を経験したのです。そろそろ真剣に最悪の事態を想定しませんか。

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プロペラ機に乗る
- 2018/09/07(Fri) -
大阪で開催されている「日本心臓病学会」に参加するために、日帰りで大阪に行ってきました。
3月に「日本循環器学会」で大阪に行ったときとは異なり、今日のANA便は往復ともにプロペラ機でした。

空港の掲示板に、わざわざ「プロペラ機で運航」と記載されるぐらいですから、比較的珍しいのでしょう。
私も、プロペラ機に乗ったのは、たぶん22年ぶり(1996年に福岡–高松便で乗ったような記憶あり)でした。

ボンバルディアの「DHC-8-Q400型機」というのが、今日の機材。74人乗り。CAさんは2名。
翼が胴体上部に付いていて、翼の付け根付近の両側に、大きな黒い6枚羽のプロペラが存在感を出しています。

乗り込む前は「ちっこい」、乗り込んでみて「狭い・低い」、というのが印象と感想。
エンジンがかかるとブーンとうなり始め、離陸直前から音量が増してひどくブンブン言い始めました。

まさに離陸する時、かなり激しいブンブン丸になりましたが、それよりも、加速の強さに驚きました。
加速が強いというより、機体が軽いからなのか、すぐに速度が乗って、ヒョイっと離陸してしまいました。

プロペラ音が機内に入るとき、逆位相の音を重ねてノイズキャンセルをしているらしいですね。
型番に着けられた「Q」は「quiet」の意味だとか。でもそれだけノイズ低減して、あのブンブン丸ですか。

巡航中の機体は安定そのもので、音も気にならなくなりましたが(寝てた)、着陸前の揺れで目が覚めました。
ジェット機だとユッサユッサと大きく揺れるところですが、プロペラ機では細かく強く速く揺れます。

そして着陸。ジェット機兼用の長い滑走路には、大丈夫か?と思うほど、なかなか着地してくれません。
ジェット機だと「ドスン」と着地するところですが、プロペラ機では「ダンッ」と硬いショックでした。

飛行に不安はなく、もう少し広ければ言うことないですが、ジェット機と同じ運賃というのが解せませんね。

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予防接種歴の管理
- 2018/09/06(Thu) -
当院でワクチンの接種を行ったお子さんの予防接種歴は、自作の「予防接種台帳」で管理しています。
私がMacの「ファイルメーカーPro」というソフトで作製したデータベースです。

熊本市在住の方であれば、熊本市の「予防接種番号」が「母子手帳(親子健康手帳)」に記載されています。
定期予防接種の予診票には、その予防接種番号の記入欄があり、市が管理できるようになっています。

おそらく市のデーターベスには、市内のすべてのお子さんの予防接種歴が入力されているはずです。
ときどき、母子手帳を紛失して、再交付を受けた方が来院されます。予防接種のページは「まっさら」です。
でも、大丈夫。保健所に問い合わせれば、データベースを参照して、その子の予防接種歴を教えてくれます。

ただし、保健所があいているのは平日のみ。土日の問合せに対応してくれないのは、けっこう痛いですね。

さて今日は、平日だというのに、保健所がまったく役に立たないケースに遭遇しました。
県外からの転入者で、しかも母子手帳を紛失したという方です。
熊本に来て再交付されたばかりの母子手帳は、まっさら。予防接種歴は保護者の記憶に頼るしかありません。

ワクチンの過剰接種を避けるためには、過去の接種歴を確認しなければなりません。
保健所に尋ねると、他県での接種歴は熊本市では把握してないので前の居住地の自治体に尋ねてくれ、だと。

はぁ?、そういう「名寄せ」作業って、一医療機関がすることですか?、保健所の仕事じゃないの?
そのように私は、実際に少々厳しく言い返してしまいました。あとで仕返しされたら怖いですが。

他の自治体、とくに他県からの転入者については、熊本市は予防接種歴を把握できないようです。
マイナンバーでも活用しない限り、子どもの予防接種歴を全国で統一して管理することは難しいのです。

なので現行システムでは、他県で接種済のワクチンを、転居後にまた定期接種してしまうことがあり得ます。
過剰接種が医学的には問題がなくても、公費を使って無料で接種する以上、できれば避けるべきです。
それを防ぐのは、国や自治体の仕事です。医療機関に頼らないでください。

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医学部合格率の男女比
- 2018/09/05(Wed) -
文部科学省が昨日、医学部受験合格率は全国77%の大学で男子の方が高かったと、調査結果を公表しました。

男子受験生の合格率が女子の合格率の何倍かで表すと、順天堂大が1.67で最大だったようです。
誤解のないように付け加えますが、これは合格者の男女比ではありません。合格率の男女比です。

問題となった東京医科大は1.29でしたが、この東京医科大をも上回る大学が13大学もあったそうです。
もちろん、だからといって、それらの大学でも不正があったというわけでは、もちろんありません。

私の母校も、男女比では高い方から数えて5番目、国公立では全国トップの1.43でしたが、大学サイドは、
「男女の区分なく合否判定を行っているため、男子の合格率が女子を上回る理由は特に把握していない」
とコメントしているようです。

このように大きな男女比が生じた原因として考えられることは、
(1)物理や数学を難しくするなど、入試科目や配点が男子に有利である(ように作ってある?)
(2)一般の男女の学力差とは異なり、医学部の受験生層では男子の学力の方が高い(のではないか?)

このうち(1)については、科目別・男女別得点を公開してもらえば、その詳細がわかるかもしれません。
また、有名進学校の多くが中高一貫の男子校であることが、(2)に関与している可能性もあります。

医師としての適性を判定する入試において、そもそも学力試験は万能ではなく、限界があるのです。
かといって面接試験は客観性に乏しく、男子を採りたい心理が作為的な評価につながる懸念がありますけどね。

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医師の働き方改革
- 2018/09/04(Tue) -
厚生労働省は昨日、「第9回 医師の働き方改革に関する検討会」を開催しました。
医師・医療の特殊性をふまえて、医師の時間外労働の上限規制をどうするか、ということが焦点です。

この議論を行うとき、真っ先に上がってくるキーワードが、医師法19条に規定された「応召義務」でしょう。
「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」

その月の残業時間が上限に達した医師が、さらなる残業が必要となる診療を求められた時、どうすべきなのか。
医師の応召義務については、これまでにも書いて来ましたが、残業規制とは両立しにくい規定です。
患者と医師の両方を守るためにも、応召義務の「正当な事由」については、きちんと規定してもらいたい。

医師は自分の技術を高め知識を深めるために、自分の時間を犠牲にして研鑽に励む傾向があります。
やるべき業務の多い医師に杓子定規に残業制限をすると、まず自己研鑽に充てる時間が削られかねません。
それよりも、現状で医師が従事している仕事のうち、削るべき時間はほかにあります。雑用です。

医師ではなくてもできる仕事は、医師以外が行うようにする「タスクシフト」が、検討されるべきです。
『ドクターX』の大門未知子が言ってた「医師免許が無くても出来る仕事は一切致しません」が、理想ですね。

手術前の説明(インフォームドコンセント)は、医師がすべき重要な仕事ですが、かなり時間を食います。
かつて私は、患者家族の都合を考慮して土日に行うことも多かったですが、それは私の休日出勤が前提でした。
それをヨシとしてきた時代もありましたが、今後は見直す部分かもしれません。

クリニックを開業する際に、何のためらいもなく「土日祝日診療」をすることに決めました。
勤務医時代にいつも休日出勤していた生活に慣れきっていたので、何の違和感もなかったのでしょうね。

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ANAの新運賃体系
- 2018/09/03(Mon) -
ANAは、国内線航空券の運賃制度を大幅に刷新し、搭乗日の355日前からの予約・購入が可能になりました。
それが今日、9月3日からです。今日以降は毎朝9時半に、その355日後のチケットが発売されます。

今日の355日後は来年8月24日。つまり今朝9時半から、8月24日の航空券が買えるようになったわけです。
さらに経過措置として、今日の午前0時から、8月23日までのチケットが全部自動的に発売開始となりました。

ちょうど私は、来年5月の羽田–熊本の往復航空券を購入する必要があったので、昨夜予約作業を行いました。

発売時刻の少し前からANAの予約サイトを立ち上げておき、臨戦態勢で0時を待ちました。
0時0分1秒に空席検索ボタンをクリックしたところ、まだ早すぎた模様。5秒後のクリックで反応あり。

まあそれにしても、チケット代が高い。半年以上も前なのに高い。それもそのはずで、ANAの新運賃体系は、
(1)まず「定価」で先行発売し、(2)しばらくして「特価」で発売し、(3)だんだんと価格が上がる
という戦略に変えたのですね。早ければ早いほど安いワケではないのです。まあ、うまく考えたとも言えます。

たしかにそのおかげで、私は大型連休中の航空券を容易に入手することができました。
でも、絶対その日のチケットが欲しいから高くても買う人間の、足元を見るような料金体系にも思えますね。

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採血の難しさ
- 2018/09/02(Sun) -
採血に失敗して、患者さんに痛くて不快な思いをさせたことが、最近ありました。
その失敗の瞬間の当方の対応にも問題があり、まことに申し訳ない出来事でした。
患者さんの言い分を聞き、謝罪し、やり直し採血にも成功し、最終的には円満解決しました。たぶん。

血管が出にくい方の採血に失敗することはしょうがないとしても、大事なのはその時の対応なんでしょうね。
好きで採血されているわけでもなく、やたら痛く、それをまた失敗されたのでは、だれでも不愉快です。

小児心臓外科の勤務医時代、手術の前に最初にする準備は、子どもにたくさんの点滴を入れることでした。
手足に点滴を2,3カ所、中心静脈にカテーテルを1,2本、さらに動脈圧監視用の管も入れる必要があります。
同時に複数の心臓外科医や麻酔科医が点滴に取りかかり、ときには小児科医にも手伝ってもらいます。

毎日毎日、赤ちゃんに点滴を何本も入れる仕事を何年も続ける中では、困難なケースに何度も出くわしました。
点滴用の特殊な留置針を、多いときは一人当たり20本も30本も使ってしまいます。
何時間トライしても点滴が入れられず、ついに手術そのものを中止・延期したことも、一度ありました。

開業して、小さな赤ちゃんに点滴を入れることは減りましたが、大きな子でも手こずる場合はあります。
また、大人の血管は赤ちゃんよりも何倍も太いはずなのに、驚くほど針が入りにくい方にも出くわします。

採血に苦労した患者さんが、「私は入りにくいからね」と笑ってくれると救われます。ありがたいことです。
そのような方にこそ、次はスパッと入れて見せたいものです。

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定期接種では足りません
- 2018/09/01(Sat) -
夏休み中には、小中学生の予防接種が多いのは、毎年のこと。
その多くが、11〜12歳で接種する二種混合ワクチンと、9〜12歳で接種する日本脳炎ワクチン(第2期)です。

いま二種混合ワクチン(DT)接種をしているのは、過去に三種混合ワクチン(DPT)を接種したお子さんです。
標準的には、0歳時にDPTを3回、1歳時にDPTを1回、11歳でDTを1回接種するというスケジュールです。
約6年前からは、DPTに不活化ポリオワクチンが加わった四種混合ワクチン(DPT-IPV)が導入されています。

念のため説明を加えておくと、D:ジフテリア、P:百日咳、T:破傷風、IPV:不活化ポリオ、です。

さて、これらの不活化ワクチンは、何度も接種しなければ免疫が付かず、しかもなかなか長持ちしません。
現行制度では、DとTは標準的には0歳・1歳・11歳で合計5回接種しますが、PとIPVは4回止まりです。

小中高校生や大学生、成人での百日咳流行を考慮すると、Pの接種回数が不足していることは明らかです。
なので小児科学会では、11歳のDTの代わりに、DPTを任意接種することを提唱しています。

さらに、1歳までにDPT-IPVの接種を完了したお子さんの場合、就学前ごろには免疫低下も危惧されます。
なので5〜6歳児へのDPTとIPVの接種が推奨されます。これは先進諸国の多くですでに行われています。

じゃあ年長児にDPT-IPVを接種すればいいのかというと、現状ではそれはできません。
5回目のDPT-IPV接種は、まだ認められていないからです。よって、DPTとIPVを別々に接種します。
このような用途もあって、かつて一度は廃止されたDPTが、今年から製造再開されています。

ややこしい話なので、まとめておきます。
(1)定期接種としては、DPT-IPV(四種混合)を、0歳で(3カ月から)3回、1歳でもう1回接種
(2)免疫低下対策として、5〜6歳時に、DPT(三種混合)とIPV(不活化ポリオ)を任意接種
(3)百日咳の免疫低下対策として、11〜12歳でのDT(二種混合)定期接種の代わりに、DPTを任意接種

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