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未曾有の災害
- 2019/10/17(Thu) -
台風19号がもたらした災害を「未曾有」だというなら、その言葉の意味を考え直す必要がありそうです。

「未(いま)だ曽(かつ)て有らず」=「今までに一度も無かったこと」というのは、あくまで狭義。
実際には、「滅多に起きない」とか「自分では経験したことがない」ぐらいの意味でしかありません。

台風被害について、「まずまずに収まった」と二階・自民党幹事長が発言したことが、激しく非難されました。
被害者への配慮のなさや無神経な態度は責められるべきですが、その発言内容自体は誤りではありません。

例えば千曲川の氾濫は、ハザードマップに示されていた洪水範囲よりも狭く、まったく想定内の被害でした。
そのマップも、改訂版が2カ月前に、浸水想定エリアの全戸に配布されており、準備万端の状態でした。

要は、専門家や自治体等が想定する被害を、住民がどれほど現実的に捉えるか、という点につきます。
きちんと科学的に検討されていても、受け取る側が想定をないがしろにしたのでは、意味がありません。

今回の台風19号の規模や風雨被害は、1000年に1度のレベルなどといわれました。
しかし1000年に1度というのは、1000年間隔で起きるという意味ではありません。
毎年1000分の1の確率で、そのような大災害が起きるということであり、今年も来年も確率は同じです。

確率でいうなら、今後30年以内に70%の確率で起きるとされている、未曾有の天災がありますね。
これは政府の地震調査委員会による「首都直下地震」の発生確率ですが、とんでもない大きな数値です。
ところが不思議なことに、住民が大挙して東京から逃げ出すような気配がありません。

日本人は、自分で想定した結果が不本意なら軽視して、算出した確率を客観視できないようです。

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ブルーシートで囲う
- 2019/10/16(Wed) -
台風災害で屋根をブルーシートで覆った家々のニュース映像を見ると、熊本地震を思い出して胸が痛みます。
あの地震の直後に降った大雨で天井が落ちて、それが原因で住めなくなってしまったという人がいました。

屋根を覆う以外に、災害や事故現場で犠牲者の姿を隠すために、ブルーシートはよく使われます。
警察や消防関係者らが数名がかりで、四方をブルーシートで囲いながら移動するあのシーンです。

犠牲者の姿を公に晒さないように、とりわけ、撮影をされないようにするためでしょう。
撮影された映像が何度も何度も報道番組で使われでもしたら、犠牲者の遺族もやりきれませんからね。

法律的にはどうなんでしょう。事故・事件の犠牲者の撮影や放送を禁止する規定はあるのでしょうか。
それが明文化されていないのであれば、これはモラルの問題ということになります。
おそらく、かつてマスコミの犠牲者撮影が問題となり、シートで隠すようになった経緯があるのでしょう。
ケータイが普及して、一般人もカメラを持ち歩くので油断なりませんが、元々の原因は報道機関にあるはず。

電車の人身事故現場で、シートの中を映そうとした一般人のことが、最近問題になりました。
しかしこのことをメディアがモラルの問題だと偉そうに論じることには、違和感があります。
もしも事件・事故現場で、犠牲者をシートで隠さなかったら、メディアは撮影を自粛するでしょうか。

仮にメディアが自主規制したとしても、一般人が撮影してすぐネットに上げるでしょうけどね。嫌な時代です。
そういえば私が機上で行った心肺蘇生シーン。誰かが撮影していましたが、アレどうなったんでしょうかね。

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予約のない来院者
- 2019/10/15(Tue) -
寒くなってくると、インフルエンザや風邪などの感染症が流行して、熱の高い方が朝から大勢来院されます。
当院の診療は予約制なので、診察は原則としてネットや電話で受け付けた予約の順番です。

ただし、病状の重い方は、予約の有無やその順番にかかわらず、早めに診察するように配慮しています。

しかし、すべての患者さんを重症順に診療していたら、軽症の方はいつまでたっても順番が回ってきません。
なので、病状と待ち時間の両方を勘案して、診察順を決めなければなりません。

高熱が出たと、予約なしで朝いちばんに来院してすぐに診察を希望する方が、この時期には結構多いです。
一方で、そこそこ病状の重いお子さんでも、ネット予約を入れた方は予約時間まで待ってから来院されます。

予約なしで直接来た方は、比較的軽症でも、あまりお待たせせずに診察せざるを得ません。
しかしそのような予約外の方を多く受け入れると、その分、予約患者の診察がどんどん遅れてしまいます。
真面目に予約した方が損をしないように配慮したいのですが、なかなか思った通りにはいきません。

「予約の無い方は一切受け付けません」などという強硬な対応ができるはずもありません。
しいて言うなら「予約の無い軽症の方は受け付けません」でしょうけど、それも判断が難しいし角が立ちます。

結局、現実には、予約外で軽症の方はそこそこお待たせしてから診察する、というスタンスで対応しています。
「予約が無い場合はお待ちいただきますよ」ということを、わかっていただくための、苦しい運用です。

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悲しすぎる救助ミス
- 2019/10/14(Mon) -
多くの犠牲者が出た台風19号ですが、もっとも悲しいのは、救助ヘリからの落下死亡事故でしょうか。
病人でもけが人でもない健常な77歳の女性が、やれやれ助かったと思いきや、命を落としてしまいました。

最初にこのニュースを聞いたとき、突風やその他の突発的な原因による転落を想像しました。
しかし東京消防庁の会見で、救助手順の「単純ミス」が原因であることがわかりました。

救助隊員が、自分と被救助者の両方に固定すべきフックが、隊員の方にしか固定されていなかったとか。
何かバタバタしていて、フックの装着を忘れたのかといえば、それも少し違うようです。
どうやらそのフックは、第3者(別の隊員)が装着したようですね。つまりこういうことだと思います。

隊員Aは、自分と女性Bにフックを装着すべきところ、別の隊員Cが手伝ってくれたので彼に任せた。
ところが隊員Cは、Aのフックだけ取り付け、Bには着けなかった。
それなのに隊員Aは、隊員Cが、AとBの両方にフックが取り付けてくれたと思い込んでしまった。

根本的な問題は、Aが手順通りの操作を行わなかった事に尽きます。
そしてその誘因は、Cがイレギュラーな介入を行ってAのルーティンを乱したことです。
現場での臨機応変な対処だったとはいえ、通常の手順を逸脱する場合には、極めて厳格な確認が必要です。

似たようなことは、医療現場でも別の業種のあらゆる現場でも、起こり得ます。
重要な作業を他人に任せる際には、双方に油断や思い込みがないか、細心の注意を払わなければなりません。
私がいつも、ダブルチェックはリスキーだと言ってるのは、そういう側面があるからです。

本当に重要な局面では、自分がすべき手順は自分の責任で全うすること。そのことに尽きますね。
人命救助のような緊急事態でも、基本的なことをおろそかにしてはならないという教訓のような出来事でした。

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ラグビーが面白い
- 2019/10/13(Sun) -
ラグビー・ワールドカップの日本対スコットランド戦は、日本が見事に勝ちました。良い試合でした。
台風19号の影響も心配される状況でしたが、試合が開催されてホントによかった。
試合中止で決勝トーナメントに進出するのと、勝って進出するのとでは、大違いです。

それにしてもラグビーって、サッカーとも野球とも違う、見ててすっごく力が入るゲームですね。
多分それは、格闘技だからでしょう。緊張と興奮が波状的に持続するので、まったく気が休まりません。

日本代表メンバーの顔ぶれは、とても国際色豊かですね。
調べてみると、日本人の次に多いのがトンガとニュージーランド出身者で、5人ずついます。
そのほか、南アフリカやオーストラリアなど。地球外からも1人(プレデター)。

近年、試合の放送やそれに伴う解説を目にすることが増え、日本人のラグビーへの理解が深まってきました。
私も元々はラグビーには疎かったのですが、いまでは見れば見るほど面白いスポーツだと感じています。

今回のラグビー・ワールドカップの日本誘致に、森喜朗元総理が尽力したことは、否定はしません。
失言の多かったタヌキ親父ですが、今日のゲームを見ていると、なかなか良いことしたなと思ってしまいます。

2011年の開催招致に敗れたとき、森氏はラグビー界の閉鎖性を批判して、次のように語ったといいます。
「あなたたちはいつまで仲間うちでパスを回していれば気が済むのか」

森氏にしては、まともな事を言ってますが、裏を返せば、仲間に入れて欲しいことの現れかもしれません。
でもラグビー界の歴史がどうであれ、ともかく日本が強くなりゃいいのです。きっと発言力も増すはずです。

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ダムの緊急放流
- 2019/10/12(Sat) -
台風19号のニュースを見ながらこれを書いていますが、あちこちで河川が氾濫し始めていますね。
そこへ追い打ちを掛けるように、各地のダムの「緊急放流」が次々に始まっています。

これは、河川の氾濫を防ぐために放流量を調節するというダムの基本的な機能が、破綻した状態です。

昨年の西日本豪雨では、愛媛県のダムの緊急放流によって下流が氾濫し、8人の住民が犠牲になりました。
緊急放流という、いかにも人為的な操作によって流域の人命を失ってしまったのは、なんとも辛いことです。

しかしそのように思えてしまうのは、「緊急放流」という名称が悪いのです。
緊急放流と聞くと、もう限界なので一気に放流しちゃいますからね、という意味のように誤解されかねません。

そうではなく、これ以上新たに水を貯めるはのはムリです、というダムのキャパオーバー宣言にすぎません。
水が一杯に溜まって、ついにダムの縁から水が溢れ出した状態と考えても、意味はほぼ同じでしょう。

なので「緊急放流」される水量は、降雨によって流れ込む水量そのものであり、それは自然が決めることです。

ならば、素人考えかもしれませんが、事前に多めに放流して貯水量を減らしておけなかったのでしょうか。
なにしろ、太平洋のはるか南方に台風が発生したのはだいぶ前のことですから。
いやそれだけでなく、台風シーズンのダムはいつも空っぽにしておく、なんてのはダメなんですかね。

昨年の愛媛県のダムでは、豪雨に備えて4日前から事前放流を行っていたそうですが、結果的に不十分でした。
放流しすぎてダムが空っぽになったら、雨が降らなかったときに何かと問題が起きるからでしょうか。

治水の難しさはわかりますが、水不足よりも洪水の方が問題だと思うのですが。

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巨大台風への準備
- 2019/10/11(Fri) -
台風19号が接近しています。大きな被害が予想されるため、今日のニュースはほぼ台風一色です。
たぶん明日こそ台風ネタになると思いますが、今日も書いておきます。

この台風は勢力が強いだけでなく、先月の15号と同じ進路をたどりつつあるところが何よりも問題です。
前回の被害から復旧しきれていない家屋などが、また暴風雨に晒されようとしています。辛いです。

地震とは異なってわずかに幸いともいえるのは、台風は、それが近づく日時がわかっていることです。
15号の時は「想定外」の面もありましたが、それを経験した今回、台風被害はある意味「想定内」です。
もちろん、想定できたからといって、暴風雨や高潮などによる被害自体は防ぎようがないかもしれません。
しかし、停電・断水等に備える時間や、逃げる暇だってあります。

各種交通機関は、これまでの経験を踏まえて早めに欠航・運休等を決めています。これは英断ですね。
商業施設の営業停止やスポーツイベントの中止なども、早々と決定しています。残念ですが正しい判断です。
利用者に不便を強いることになるので、台風被害が小さかった場合には不満を訴える人も出てくるでしょうね。
すでに一部の人が、航空便の欠航の判断が早すぎて困ると、ネットに書き込んでいるのを目にしました。

しかし、防災においては、警戒しすぎたことをあとで責めるのは間違っています。
準備や想定が甘くて甚大な被害が出るよりは、警戒しすぎて空振りに終わることの方が、よっぽどマシです。
でも後になって、そこまでやる必要があったのか、的な報道をするメディアがあるんですよね、きっと。

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リチウム化合物
- 2019/10/10(Thu) -
ノーベル化学賞受賞のニュースで、今日も大いに盛り上がっています。
医学・生理学賞の報道が淡々としていると思ってたら、やはり日本人が受賞するとすごいことになりますね。

研究の経緯や詳細、リチウムイオン電池の将来性、吉野氏の人柄等、いろんな切り口から報じられています。
その中でも、今夜の「報道ステーション」で富川MCが最後にチラッと口にした言葉が、私は気になりました。
それは「リチウム」という言葉のアクセントについてです。

「頭高型(例:仙台)」「中高型(福岡)」「平板型(熊本)」のどれなのか。
私は「カリウム」と同様に、中高型だと思っています。
「NHK日本語アクセント新辞典」にも「新明解国語辞典」にもそうあるので、間違いないでしょう。
ただ、リチウムという言葉が広く使われるようになれば、他の名詞と同様に平板化に向かうのかもしれません。

リチウムイオン電池についての報道を聞いていて、「リチウム=リッチ生む」なんて発想をしてしまいました。
こういう品の無いことを思いつくのが、私の悪い癖なのです。せめて「利智生む」を思いつくべきでした。

リチウム化合物は、昔から双極性障害の治療に使われてきました。
それ以外では、原子番号3番という好位置にありながら、リチウムは知名度の低い元素でした。
しかし近年、リチウム電池やリチウムイオン電池が開発されたおかげで、いまや花形元素です。
将来もっと重要な元素になるような気がします。原子が小さいのは、応用範囲が広いってことですよね。

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リチウムイオン電池
- 2019/10/09(Wed) -
「え〜見事に、あの〜今年のノーベル化学賞を受賞いたしましたことを、ご報告したいと思います」
満面の笑みでこう語る、吉野彰氏の開口一番を聞いて、私はズッコケました。もちろん、良い意味で。

「仲間たちのおかげで」とか「まことに光栄なことに」などの修飾語がなく、喜びがストレートなのです。
記者会見が実にざっくばらん。笑顔もいいというか、笑いすぎでしょう、このオッサン(失礼)。

ファラデーの『ロウソクの科学』を小学時代に読んで、理科が好きになったそうですね。
それなら私も小学生の頃に読んだような気がするのですが、読んだあとの生き様はだいぶ異なったようです。
この機会にまた読んでみたら何か得られる発想があるかもしれぬと、いまAmazonで1冊発注しました。

現代のIT機器に欠かせない「リチウムイオン電池」ですが、吉野氏らが開発したのは数十年前の話です。
画期的な研究業績にノーベル賞が与えられるのには、それぐらいの年月がかかるってことですね。

NHKを見ていたら吉野氏は、数年前まで携帯電話を持っていなかったとカミングアウトしていました。
これはある意味、世界のために研究したのであって自分のためではない、ってことの象徴みたいな逸話です。

電池応用の最終目標のひとつは、発電所に匹敵する規模の「蓄電所」を作ることでしょう。
太陽光発電は日中しか発電できないのがネックですが、蓄電が可能ならそのデメリットは消えます。
発電は全部太陽光に一本化でき、原子力発電所も火力発電所も不要になります。
そのような、世の中を変える次世代電池の登場が待たれます。電池研究はまだまだ盛り上がりそうですね。

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低酸素誘導因子
- 2019/10/08(Tue) -
ノーベル医学・生理学賞は、「細胞が酸素を感知し適応する仕組み」を解明した3人の研究者が受賞しました。
昨年とは打って変わって、日本人が受賞しないと報道量が圧倒的に少ないですね。これじゃイカンでしょ。

酸素は、生命活動に必要な基本中の基本物質。細胞内の酸素不足を敏感に感知する仕組みがあって当然です。
詳細をここで解説する能力は私にはありませんが、あらゆる細胞に関わる重要機構であることはわかります。

「低酸素誘導因子(HIF)」の面白いところは、細胞内で常に合成され、しかもすぐ分解されてる点ですね。
その分解には酸素が必要な酵素反応があり、低酸素状態になると分解が滞ってHIFが溜まります。
するとHIFはDNAに結合し、細胞機能のさまざまな調節因子の遺伝子発現を制御するというわけですよね。
(ざっくりと、私はそのように理解してますが、間違っていたら恥ずかしいので早めにご指摘ください)

貧血や心臓病や脳卒中など、低酸素が関連する病態にHIFは必ず関わっているため、臨床応用は広範囲です。
がん細胞が低酸素状態でもガンガン増殖できるのは、HIFを「悪用」しているからだとも解説されています。
HIF研究が今後臨床応用されていくとしたら、がん治療もその1つになるでしょう。

ただ一般的に、臨床応用に直結する実用的な研究ばかりを優先する昨今の風潮は、とても悲しいことです。
「人体の仕組みを知りたい」という純粋な気持ちこそが、将来の人類に貢献する大研究を生むと信じています。

残念ながら、そのような研究を育むための、教育環境・システム・予算が、いまの日本にあるとは思えません。
それ以前に、子どもの人口がジリ貧です。このままでは将来の研究者自体が足りません。どうするんだろ。

「日本の近年のノーベル賞ラッシュは、過去の遺産を食いつぶしたものに過ぎない」
3年前にノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典先生の言葉が、ズシッと重いですね。

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他動詞と自動詞
- 2019/10/07(Mon) -
扁桃腺を腫らした子が最近よく来院しますが、予想に反して、溶連菌やアデノウイルスが検出されません。
つまり、それら以外の病原体感染による、急性扁桃炎というわけです。熱は高めですが、けっこう元気です。

「扁桃腺を腫らした子」と冒頭に書いたのは、「扁桃腺が腫れた子」と書くよりも、表現に味があるからです。
「腫らす」は他動詞で、「腫れる」は自動詞です。

患者は意図的に扁桃腺を腫らしているわけではないので、自動詞で書いた方が、医学的には正しいのでしょう。
しかし敢えて他動詞で書くことで、「腫らしてしまった」という苦悩や後悔を表現できるような気がします。

同様に、「熱が出た子」よりも「熱を出した子」の方が好きですが、よく使うのは「発熱した子」ですね。
漢語を使うと叙情的なニュアンスが消えてしまい、いかにも科学的・客観的で無味乾燥な表現になりますね。

前にも書いたことがある、自動お湯張り浴槽のアナウンス「お風呂が沸きました」は、自動詞です。
これを他動詞で「お風呂を沸かしました」と言われると、「そう言うあんた誰?」とツッコみたくなります。

自動詞も他動詞もある動詞の場合、主体(主語)をボカしたいときに、自動詞を使うのかもしれません。
だからたとえば病状を客観的に表現するときは、「腫れる」「熱が出る」の方が適切なのでしょう。
そしてもっと(いかにも)医学的に言おうとすれば、「腫脹する」「発熱する」となるのでしょう。

一方で将来、AI家電が家中に配置される時代になると、それらはみな擬人化してくるかもしれません。
アナウンスもたぶん、他動詞を使い始めるのでしょう。「お風呂を沸かしましたよ」みたいに。

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ワクチンいつ打つ?
- 2019/10/06(Sun) -
インフルエンザワクチンの接種を始めています。
さいわい、現時点ではワクチンの供給に不安はないので、時間枠の許す限り、接種予約を受け付けています。
予約専用サイトの管理画面を見ると、土日枠はかなり埋まっていますが、平日にはだいぶ空きがあります。

例年、もっとも混み合うのは11月です。でも今年はそのピークを10月に持って来たいところです。
どうやら今シーズンはインフル流行が早そうなのです。近隣の小中学校では、学級閉鎖も出始めています。

ワクチンの接種時期に関して、例年よく尋ねられる質問があるので、この場を借りて回答させていただきます。

(1)風邪を引いたが接種できるか?
どのようなワクチンであれ、体調不良のときに接種するのは有効性の面でも安全性の面でも問題があります。
しかし他のワクチンとは異なり、インフルエンザワクチンは旬のモノ。あまり延期すべきではありません。
結局は、風邪の症状や経過を総合的に判断して、接種の可否を決めることになります。

(2)抗生剤を飲んでいるが接種できるか?
そもそも、抗生剤で治療するような感染症は、ワクチンの接種を行う前に治しておくべきです。
とくに、他院で抗生剤等の処方を受けたばかりの場合は、接種を見合わせることが多いですね。
抗生剤を飲むとワクチンが効かなくなるわけではなく、その感染症の経過自体を少し見守りたいのです。

(3)早く接種しすぎると、シーズン後半で効果が切れないのか?
まったく本末転倒な疑問です。日本人にはどうも、メリットよりもデメリットを先に考えるタチがありますね。
ワクチンの効果切れを懸念するよりも、接種が流行期に間に合うかどうかを心配して欲しい。

(4)いったい、いつ接種するのがいい?
「いまでしょう」というのが、冗談抜きで正解。とくにお子さんは、なるべく早く1回目を打ちましょう。
2回接種するお子さんの場合、1回目と2回目の間隔は4〜6週間ほど空けた方がよく効くとされています。
しかし、流行期が迫っていることを考慮すると、2回目を11月中には済ませたい。
となると1回目は、今月前半に接種するしかありません。これホントです。

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先入観は最大の敵
- 2019/10/05(Sat) -
医療現場では、しばしばヒヤリハットが起きますが、当院も例外ではありません。

過去に(7,8年以上前に)とくに問題になったのは、予防接種のワクチンを取り違えそうになったことです。
どのような作業においても、つねにダブルチェックを行っていますが、それでも漏れが起きます。

ダブルチェックには、自分以外の目があることで油断してしまうという問題点があるのです。

いろいろ試行錯誤の末、被接種者の腕にシールを貼るということで、ワクチンの接種ミスはなくなりました。
しかし時々、そのシールがお子さんのシャツに貼り付いたりして、紛失することがあります。
ごく希(?)には、ウッカリ私がシールを貼り忘れることもあります。

スタッフは一生懸命シールを探します。見つからないけど、まあいいや、では決して済まさないルールです。
その作業を安易にスルーすると、いつかきっと、接種ミスにつながるかもしれないと思うからです。
皆でさんざん探しても、どうしても見つからない時、ついに諦めて、私がシールを再発行します。

ここまで皆の目が注がれる事態に至っては、さすがに接種ミスなど起こりようもないからです。

ヒヤリハットを防ぐために、私が重要と思うのは次の2つです。
1.確認作業には先入観を持たず、手順通りに行うこと。例外は認めない。
2.日頃から、ウッカリとか、ボンヤリとか、ノンビリした行為を慎むこと(←私)。

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自転車通勤再開予定
- 2019/10/04(Fri) -
「ポケモンGO」で約2兆円の医療費抑制効果があったとの試算を、ポケモンの社長が講演で紹介してました。

ある研究によると、ウォーキング1歩あたりの医療費抑制額は0.061円と見積もられるとか。
で、世界中のユーザーがポケモンGOをしながら歩いた距離の合計230億kmから計算すると、総抑制額2兆円。

つまり、ポケモンGOをやることで、世界中の人々が2兆円分「健康」になったというわけですか。

興味深い計算結果ですが、もちろんそんなのは物事の一面に過ぎず、単なる数字の遊びです。
ポケモンGOをしながら運転したりして、事故を起こしたりケガをした損失のことは、考慮してないからです。

しいて言うなら、抑制した2兆円のかわりに、何億円か知りませんがゲーム会社が儲けたはずです。

私もひと頃、バカみたいにポケモンGOをやっていました。とは言っても、歩きじゃなくて自転車ですけどね。
自転車通勤の帰り道ではいつも回り道をしたし、休日には近隣をサイクリングして回ったりもしました。
ですが、ある日ふとやめました。飽きたというよりも、冷めたのです。急につまらなくなったのです。

しかし、得たモノが無いわけではありません。それまで行ったこともない公園や路地を知ることができました。
そうそう。武蔵塚公園に行ったのも、その時が初めてでした。何年も近隣に住んでいたんですけどね。

そういえば今年は、梅雨入り以降ずっと自転車通勤を中断したままです。これはマズイですね。
とっくに梅雨はあけました。ていうか、夏も終わりました。うかうかしてると寒くなります。

この運動不足の不健全な日々を反省しつつ、ふと思いついていま、久々にポケモンGOを立ち上げてみました。
がしかし、アカウントがわからず立ち上がりませんでした。まあ、いいけど。自転車通勤再開しようっと。

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保安検査ミスの連鎖
- 2019/10/03(Thu) -
1週間前に世間を騒がせた、伊丹空港刃物持ち込み男保安検査スルー事件は、むしろ後日談の方に驚きます。
刃物男は伊丹から羽田を経て、さらにジャカルタに飛んだようで、その過程には問題点山盛りです。とくに、

(1)男が伊丹から羽田に行くことを係員が記憶していたのに、羽田行きの便を出発させてしまった
(2)羽田空港国際線の保安検査でも、その男の刃物の持ち込みがスルーされた

男が搭乗したANA14便の機内を検査担当係員が探したのに、その男を見つけきれなかったのが大問題です。
ひとたび探した場所は、二度と疑わないもの。「確認済み」のANA14便は、悠々と飛び立ってしまいました。

続く16便も18便もそれぞれ確認作業が行われましたが、件の男が見つかるはずもなく、そのまま飛びました。
この後、ANAが全便運行を見合わせて制限エリア内の客を全員エリア外まで出すという大混乱が始まります。

返す返すも、最初のANA14便での機内探索の不十分さが悔やまれます。このミスこそ致命的だと思います。

しかし、伊丹よりも問題が深刻なのは、羽田の国際線の保安検査場での刃物スルーでしょう。
国際線ともなると保安検査は格段に厳しいはずなのに、こんどは刃物を発見すらできてなかったからです。

刃物を所持したまま2度も保安検査場を通過した男って、いったいどういう人物なんでしょう。
いつもあらかじめベルトを外して保安検査を通るほど慎重な(臆病な)私からは、とても信じられません。

ちなみにその男はジャカルタでANA職員に諭され(?)、帰国便では刃物を手荷物として預けたとのこと。
悪意はないけど常識もない、自己中な人物のようです。

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経産省アプリ使えねぇ
- 2019/10/02(Wed) -
待ちに待った(?)「キャッシュレス・ポイント還元事業」が始まりましたが、全国的にバタバタしてますね。
消費税増税に加えて、軽減税率の導入とポイント還元が同時に始まったせいで、混乱に拍車を掛けています。

ポイント還元による「焼け太り」を楽しみにしてきた私ですが、いま素直には盛り上がれません。なぜなら、

(1)「ポイント還元」とは名ばかりで、多くの決済手段で実質的には「現金値引き」になっている

どっちでも良いじゃん、むしろ値引きの方がスッキリしてるし、とお考えの方も多いでしょう。
しかし、私のようにポイントをあれこれ活用したい人間には、ポイントと値引きでは雲泥の差なのです。
もともと「ポイント還元」と銘打った制度なのだから、ポイント還元を貫いてほしかった。

(2)対象店舗がわかりにくいし、決済手段でも混乱がある

近隣の対象店舗がすぐわかるように、経産省がアプリを作ってますが、これがまあ、使えませんねぇ。
私はあまり汚い言葉を使いたくはないのですが、ネット上の表現をそのままご紹介しますと、「クソ」です。

立ち上げると目立つ場所に検索ボタンがありますが、押しても何も起きません。つまり未完成なのです。
表示される内容に誤りが多いことも、全国的に問題になっています。
日頃よくカード払いで利用する近隣の某店舗は、このアプリでは「d払い」のみ使えると記載されていました。
それは困ると店に尋ねたら、店主も首をかしげている始末。決済手段の誤表示って、致命的ミスじゃないの。

ネット通販では、ポイント還元商品かどうかが一目でわかるようになっていますが、還元方法がまちまちです。
いずれにしても、半年以上前から期待してきたポイント還元制度は、私には期待外れに終わりそうです。

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開院12周年
- 2019/10/01(Tue) -
本日、つるはらクリニックは、開院12周年を迎えました。
これもひとえに、地域の皆様方の温かいご支援のおかげです。厚く御礼申し上げます。
また、当院の現職員やかつて共に働いたスタッフの方々には、言葉にならないほどの感謝の気持ちで一杯です。

何年も前から、あるいは開院当初から、ずっと当院に通院しておられる方も、たくさんいらっしゃいます。
かつて小学生だった子が、いまでは母親となってお子さんを連れてきたりします。

「ミニカルテ」と「土日祝日診療」は、まだまだ堅持します。
医療ニーズの多い土日祝日は、半年前から診療終了時刻を1時間延ばして夕方6時までとしました。
その一方で、平日の診療終了時刻を夜7時から6時に変更したことは、開院後最大の苦渋の決断でした。

夕方6時台といえば、共働きの方や一人親の方が、お子さんを連れて来院されるゴールデンタイムでした。
だいぶ無理をして、5時台に当院に駆け込まれる方は今も多いですが、間に合わない方も多いはずです。
そのような方々には、まことに申し訳なく思っています。

12年前に開業したときの私は、土日も夜もへっちゃら、という勤務医時代から続くノリでした。
その後数年間は、冬場には夜10時台まで診療することは当たり前で、11時を過ぎたこともありました。
診て欲しいと言われたら、絶対に断らないスタンスだったのです。スタッフはよくついてきてくれました。

いまはもう、そんなことはしていません。それは職員だけでなく、私自身の「働き方改革」でもあります。
土日祝日に診療するかわりに、平日に休診をさせていただくことが時々ありますが、これも働き方改革です。

ほぼ定刻で診療を終わらせることには、今なお多少の後ろめたさを感じますが、自分が揺れてはいけませんね。
今後もずっと診療を続けるためには、長距離ランナーのようなペース配分も必要なのだと思っています。

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