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コロナワクチンの他に、接種すべきワクチンがあります
- 2021/03/31(Wed) -
「コロナのワクチン、ここで接種してもらえるんですか」「先生はもう、済んだんでしょう?」
生活習慣病で当院に通院されている方が、最近このように尋ねることが増えてきました。

「ここで接種できるはずですよ。いま、市の方で準備中だと思います。でも、私もまだ接種してないんですよ」
そのようにお答えすると、ありゃ、先生もまだなんですか、みたいな顔をされますが、本当にそうなんです。

問診票とクーポンだけは、だいぶ前に受け取りましたが、具体的な接種の日程は、まだ決まっていません。
来月後半に1回目、5月に2回目の接種ができたら、まあいいか、ぐらいの気持ちで待っているところです。

今夜の「報道ステーション」で、先進諸国の中で日本だけが断トツに、接種が遅れていると報じていました。
英米では半分近くの国民が接種済なのに、日本はまだ1%にも満たないという、まことに情けない体たらく。

日本はなぜ、こんなに遅れてるんでしょうね、などとキャスターが言ってましたが、笑わせてくれますね。

根拠も曖昧なまま、HPVワクチンの副反応を疑う動画を繰り返し放送して、接種を事実上止めたのは誰ですか。
科学に基づかない反ワクチン報道を続けてきたメディアが、コロナワクチンの遅れをよく指摘できたものです。

先進国の中では日本だけ、女性が子宮頸がんに罹患し、子どもがおたふくかぜで聴力を失う。そんな国です。
コロナでこれだけ大騒ぎするくせに、毎年3千人亡くなる子宮頸がんを、どうして予防しないんでしょうね。
年度末の駆け込みのHPVワクチン接種も、それほど多くはありませんでした。まったくガッカリです。

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筒井康隆『ジャックポット』毒中感
- 2021/03/30(Tue) -
筒井康隆を久しぶりに読みました。短編集の『ジャックポット』です。思った通り、筒井節が炸裂しています。
まだ全部は読んでませんが、すでに私の精神が披露宴。全話読めるかどうか、震度1ほどの自信もありません。

言葉遊びと言うにはほどがある、不適切・不穏当な言葉がイヤと言うほど登場します。(以下、ネタバレあり)
ネットなら炎上して燃え尽きるような問題表現が、書籍だからこそ自由自在の書き放題なんですね、逆に。

「親しき仲にもコロナあり」「一難去ってまたコロナ」「のど元過ぎればコロナを忘れる」「弱り目にコロナ」
こんなのは、品の良い方。よい子はうっかり読まない方が良い本です。

ただ、最後に収載されている『川のほとり』は、ホントに切なく、静かに泣かせる話でした。
癌で昨年亡くなった息子さんとの、夢の中での邂逅。それが夢だとはわかっていても、静かに会話を続けます。

私は不意に、江戸末期に博多の聖福寺の住職だった、僊厓義梵 (せんがいぎぼん) 和尚の話を思い出しました。
正月にめでたいことを書けと殿様に言われて、「親死ね 子死ね 孫死ね」と書いたことでも知られる人です。

この逸話を、中学生時代に美術の木本先生から聞きました。後に、山口県立美術館の館長になった人です。
その木本先生があるとき「絵心とはなにか」という宿題を出しました。親に訊いて、次の授業で提出せよと。
あれから半世紀近くたっても時々思い出しますが、先生が求める答案は何だったのか、いまだにわかりません。

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尖閣に上陸されてしまう前に
- 2021/03/29(Mon) -
「電子戦」に対応する最新鋭システムを備えた部隊が、熊本市の西部方面隊に日本で初めて設置されました。
その名も「第301電子戦中隊」。そこに「ネットワーク電子戦システム(NEWS)」が配備されています。

平時は電波による情報収集、有事には相手へ通信やレーダーを無力化するなどの任務を行うといいます。
「無力化」というのは、相手の通信を混信させ、ミサイルやドローンの誘導を妨害することのようです。
もしかすると、相手の電子機器を一瞬にして無力化する「EMP(電磁パルス)」機能を持っているのかも。

熊本に続き、今後は北海道、長崎、鹿児島、沖縄などにも電子線部隊を配備する計画とか。
電子戦の「相手」は誰を想定しているのかは、言わずもがな。ていうか中国ですね。

「陸」「海」「空」に次ぐ新しい安全保障領域が、「宇宙」「サイバー」そして「電磁波」だとされます。
この3つの「新領域」の頭文字をとって「ウサデン」。「ウナデン」じゃないです。「ウナドン」でもない。

「サイバー」だけ英語っていうのが統一感がないので、ここは「電脳(空間)」とすべきでしょう。
なので、新3領域の呼称は「ウデンデン」でいきましょう。

陸自のNEWSは地上配備の車載型ですが、米軍にはすでに戦闘機型の「電子攻撃機」があります。
「電子妨害士」が搭乗して、ミサイルの代わりに妨害電波を発射するとか。「妨害士」って、なんかウケる。

中国軍が尖閣諸島に上陸するのは時間の問題のような気がしますが、はたしてそれをNEWSが阻止できるのか。
電子戦で対抗できなかったら、次は従来の「陸海空」で戦うしかないんでしょう? それだけは避けたい。

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こむら返り予防法(重い掛け布団が好きな私の場合)
- 2021/03/28(Sun) -
こむら返り」に悩まされている人は多いと思います。私も時々(油断したとき)、夜中に突然襲われます。

突然と言っても、少なくとも私の場合、前触れがあります。
こむら返る直前、たぶん1,2秒ぐらい前、ハッと目覚め、次の瞬間にやって来る激痛を予感するのです。
ちょうど、地震の「S波」が来る前の「P波」を感じたときに、「来るっ!」と身構える瞬間にも似ています。

残念ながら地震は、敏感にP波を察知できたところで次のS波を防ぐことはできません。ただ待つのみです。
一方で、こむら返りの場合は、予兆を感じた後に一切動かなければ、痙攣の開始を遅らせることはできます。
とにかくじっと動かず、次の激痛に耐える心の準備をして、それから受け入れ、悶えるのです。

患者さんにもよく相談されるので、私は次のような、こむら返り予防法をいつもお伝えしています。

(1)日頃から運動不足にならないようにすること(これ、私自身がいちばんできてない)
(2)寝る前に水分を十分に摂ること(私は枕元に水筒を置いて、寝る前と夜間覚醒時に飲んでいます)

仰向けに寝て、つま先が伸びた(足関節が底屈した)状態は、こむら返りを誘発しやすいといわれます。
とくに私のように重い掛け布団に圧迫されて寝るのが好きな場合、足にはかなり負担がかかりるはず。なので、

(3)横向きに寝ること(夜中に、うっかり仰臥位で寝ていることに気付いたら、すぐ横を向くこと)

このうち(1)(2)では完治しなかった私のこむら返りが、(3)の導入によってすっかり消え失せました。
寝始めぐらいは仰臥位になりたいのですが、うっかりそのまま寝入るのが怖くて、最近は最初から横向きです。

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発熱外来は規模を縮小しますが、来月も続けます
- 2021/03/27(Sat) -
一昨日の昼休みに院内で、職員と一緒に昼食を摂りました。もちろん、もろもろ配慮した上での会食です。
来週から産休に入るスタッフの壮行会と、入れ替わりに入職するスタッフの歓迎会も兼ねた食事会です。

好天だったので3方向の窓とドアを全開にして、みな窓際に座り、互いの距離を最大限に確保して行いました。
しかもほとんどの職員が、たまたま先週PCR検査(スクリーニング検査)を受けており、陰性確認済。

「換気十分」「距離確保」「短時間」「PCR陰性」という、今どきの手立てはすべて打った上での会食です。
あ、いや、これに「ワクチン接種済」が加われば最強なのですが、当院ではまだ誰も接種できていません。

医療従事者のワクチン接種が始まってだいぶ経ちますが、末端の医療機関まではなかなか順番が回りません。
先日、クーポン付きの問診票だけは届きましたが、実際の接種は来月中旬以降になりそうです。

大都市や中核都市で感染者数が増えているなか、さいわい、いま熊本での感染者数はとても少ないですね。
しかし、愛媛や宮城のように、ひとたびどこからか感染者が入り込むと、あっというまに感染が爆発します。
この年度末〜年度初めに、大都市圏からの人の移動が増えたらどうなることやら。まったく油断できません。

発熱外来への国の補助金は3月末で終了しますが、当院は4月も、時間枠を縮小して発熱外来は続ける予定です。
受診ご希望の方は、必ずあらかじめ電話でご予約の上で、できるだけ自家用車でご来院ください。
なお、時間的・空間的分離は厳格に維持していますので、一般の受診者もどうかご安心を。

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要点をすぐに言わない人に、いちいちイラつかない(自戒)
- 2021/03/26(Fri) -
「文を頭から読み進めたとき、読み返さなくても理解できるのであれば、長さにこだわる必要はありません」
という、先日読んだ某「文章術」の意見には、禿同(←いまどき言わんかな)。

以前、ブログ記事を1つの長文で書いたこともありましたが、アレは息切れするので書いてて面白苦しかった。
けれども、思ったままにその順番で言葉を書き連ねた文章は、読む側には意外と楽かもしれないと思いました。

と言うのも、大事なことを後回しにして喋る人が時々いて、私は聞いてて少しもどかしい思いをするのです。
とくに若い頃には私は、「できたら要点から先に言ってほしなぁ」と、いつも思っていました。
修飾語はあとでいいから、まず結論をストレートに言ってほしいのです。せっかちなんですね。

でも、優しくて奥ゆかしい人ほど、話がソフトになり、主旨がとらえにくくなりがちなことに気付きました。
なので私も最近は、大事なことを後回しにするのは親切心ゆえだと考えて、イラつかなくなりました(多分)。

「問診」は文字通り「聞くこと」ですが、効果的な問診ができるかどうかは結局、「訊き方」次第ですね。
私は、年上の女性と雑談しながら問診を深めるのが好きですが、しばしば漫才みたいな会話になります。
そのようにして経験豊富な先輩方と世間話をしながら問診する術を、毎日実地訓練させられているわけです。

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「聖火リレー」スタート
- 2021/03/25(Thu) -
「聖火リレー」がついに始まりました。
コロナ禍がどうなるにしても、とりあえず始めると。軽々しく賛否を述べるには、状況があまりにも複雑です。

リレーが全国を走るのは、五輪に向けて国民が盛り上がるのが目的であり、本来声援は多いほど良いはず。
競技をテレビでしか見られない人が、ある意味で五輪を「生で見た」感覚に浸ることもできます。
前回の東京五輪のとき私は、岩国市内を走る聖火ランナーを沿道で見ました。当時4歳。おぼろげな記憶です。

しかし今回、コロナ禍のせいで、実に盛り上がりに欠ける変則的な聖火リレーとなってしまいました。
沿道に観衆が集まりすぎた場所は、リレーが「スキップ」されるという、おかしな規定も作られています。

応援が少なければ走れるけど、人が集まりすぎたら走れない、誰がどう調整してリレーを成立させられるのか。
思慮深い有名人なら、何か理由を付けて、あるいは正直に懸念を述べて、走るのをやめることでしょう。

「暗闇の先の一筋の光として希望の道をつなぎ(略)大きな光となって国立競技場に届くことを祈念する」
というふうに、大会組織委員会の橋本会長らが無難な挨拶をする中で、小池都知事は、
「聖火リレーが(略)コロナ禍からの『サステイナブルリカバリー』の一歩につながることを確信したい」
と、分かり難い言葉を操りたがる。どうして「持続可能な復興」と言わないのでしょうね。

聖火リレーはどうやら、五輪強行への突破口のような、ある種の象徴となっているような気がします。
多くの一般市民を巻き込んで、五輪を中止しにくくするための、既成事実作りの第一歩なのかもしれません。

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申請書の処理が間に合わない厚労省の苦肉の策
- 2021/03/24(Wed) -
「令和2年度新型インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援補助金」というものがあります。
当院のような「発熱外来」で、インフルかコロナかわからない発熱者を、診療・検査するための支援金です。
とは言っても、インフルなんてまったく流行ってないですけどね。時限を切るための大義名分なんでしょうか。

この補助金には、診療体制を確保したのに発熱患者が来なかった医療機関への「休業補償」的側面があります。
なので、実際に患者を診療すればするほど、その人数に比例して補助が減額されるという仕組みです。

発熱外来に設定した「枠」の時間数や予想患者数等から補助金額を算出して、概算で申請したのが11月のこと。
ところがフタを開けてみると、12月後半から2月前半にかけて発熱外来の受診者が予想以上に多かった。
となると補助金額には大幅な減額が見込まれます。なにしろこの補助金は、前述したとおり休業補償ですから。

そこで、発熱患者数を修正予測して減額した補助金額を計算した「変更申請書」を提出したのが2月のこと。
その申請通りの修正後の補助金が振り込まれるのを待っていたら、昨日の午前3時前にメールが届きました。
これこれの金額を振り込むがよいか、という内容ですが、なぜか変更申請が考慮されていない金額なのです。

今日、厚労省から電話がありました。もう年度内に私の変更申請書を処理する時間が無い、というのです。
なので申し訳ないけど、私の変更申請を無視して、当初の概算申請のままで振り込みます、だと。

補助金やら支援金やらの処理を、なんとしても年度内に終わらせるための、厚労省の苦肉の策のようです。
新型コロナウイルス感染症への直接的な対応に加えて、ワクチンの接種でもますます忙しくなりますからね。
来月には、さまざまな補助金の「実績報告書」の期限が集中しますが、なんなら期限を延ばしてもいいですよ。

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季節はずれのRSウイルス感染症大流行
- 2021/03/23(Tue) -
「RSウイルス感染症」がいま、熊本で大流行しています。
この感染症は例年、秋口から冬に流行し、インフルエンザが流行り出すとまるで道を譲るように影を潜めます。
ところが今期は、そのライバルのインフル不在をいいことに、年明けからぐんぐん増えてきました。

いま3歳以下の、高熱+ひどい咳、のお子さんの大半は、RSウイルス感染症かもしれません。
いや、大きな子でも大人でも、病状は軽くてもRSウイルス感染による咳をしている方がいるかもしれません。
あちこちの保育園で流行しているので、「園で検査するように言われた」と来院する方が毎日何人もいます。

しかし、要望されたからといって検査(鼻咽腔ぬぐい液による迅速検査)するわけではありません。なぜなら、
(1)1歳以上では(原則として)検査に保険がきかない
(2)RSウイルス感染に特効薬はなく、RSであろうとなかろうと治療法は病状に応じた対症療法になる

ということで当院の場合、すぐに検査をするのは、0歳で高熱で呼吸音や顔色が悪い子などに限定しています。
3歳未満の子は医療費がタダなので、気軽に検査を希望する親御さんがいますが、そういう訳にはいきません。

1歳以上だと保険がきかないので自費診療となり、乳幼児医療の恩恵もなくなって窓口負担が生じます。
自費診療と保険診療を併用する「混合診療」は禁じられているので、規定により医療費は全額自費になります。
RSウイルスの検査をしたばっかりに、驚くほど高額な医療費を窓口で支払うことになりかねないのです。

そのような医療制度でありながらしかし、現実には必要に応じて1歳以上でもRSの検査を行うことはあります。
保険が利かないし、しかし混合診療にもできないので、結局、医療機関がサービスで検査しているのです。
園の要望だから検査するのではなく、その子の診断を確定させて納得して治療をしたいがための検査です。
当院に限らず多くの医師が、そのようなサービス検査をしているのが現状です。これは本当に問題なのです。

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見かけはシンプルでも、内容はくどいのが好き
- 2021/03/22(Mon) -
「文章術」を指南する本やサイトは無数にありますが、私はなるべく読まないようにしています。
なぜなら、自己流が否定されそうな気がするからですが、今日うっかり、その手の記事を読んでしまいました。

その記事によると、「1文の長さは60文字以内が好ましい」とか。
おおっ。好ましいかどうかはともかく、たまたま当ブログは、原則として1文を50文字以内で書いています。
でもその理由は前にも書いたように、ブラウザで表示したときに次の行に折り返されるのがイヤだからです。

ですが無理くり50字におさめる推敲過程は、まるでパズルみたいで、実は私の大好きな作業なのです。

「シンプルに書く」=「なくても意味が通じる言葉を削る」だと、件の記事にあります。
なるほど。半分同感。ですが、シンプルがベストとは限らないのが、文章の面白さだと私は思っています。

たしかに、くどい文章は読みにくいですが、敢えてくどく書くことで、読者をイラつかせることができます。

読者のハートを刺激できれば、それはそれでインパクトのある文章と言えるでしょう。好印象ではなくても。
所詮、文字面だけの表現ですから、どれだけの効果を与えられるかを、最大限に工夫しなければなりません。
シンプルで読みやすい文章なんてのは、あっさりしすぎて記憶に残らないんじゃないかと、心配になるのです。

読んでスッキリ何も残らない「低残渣」ブログよりは、消化しきれず胃がもたれるような文章が私の狙いです。

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「積ん読」は、本の熟成作業なり
- 2021/03/21(Sun) -
積ん読」を、よくやります。本を買っても読まずに、そこら辺の本の上に積み重ねてそれっきり、ってやつ。
何冊も積み上げ続けていると、やがて崩れます。上層面だけが滑落したり、大元から倒壊したりもします。

そんな災害が起きたら起きたで、深い層に眠っていた本が発掘できたりして、それも積ん読の醍醐味です。
買った時とはまた異なる、新たな興味が湧いてきて、図らずもその場で読みふけることさえあります。

積ん読に批判的な人がいますが、私は反論したい。そもそも、読書の目的って何ですか、と。
ジャンルにもよりますが、純文学を除けば私の場合たいてい、「好奇心を満たす」ために本を読んでいます。
医学に限らず科学全般、芸術、歴史、生き物、乗り物、食べ物、そのほか森羅万象に、好奇心が入り込みます。

好奇心を満たすことが目的なのであって、「読書」はその手段に過ぎません。
さらに、その好奇心を満たす目的を突き詰めてみると、結局は自己満足なのかもしれません。

本が手元に届いた瞬間から、もう私はワクワクし始め、すでに一定の満足感が得られていることに気づきます。

家を出発するときから旅のワクワクが始まるように、広義の読書の楽しさは、本を手にした時から始まります。
読み進んだらどんな世界が広がり私は何を得られるだろうかと、読まないうちから気分が高揚してきます。

装丁を優しく愛でた後、ページを開き、目次などに目を通し、そして本を閉じます。よし、そのうち読もう。
こうしていよいよ、積ん読が始まるのです。

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ワクチンの接種は、優先順位の規定に縛られない弾力的な運用を
- 2021/03/20(Sat) -
緊急事態宣言が、ついに明日、全面的に解除されます。
「解除して大丈夫ですか」と蓮舫議員が問えば、「そこは大丈夫だと思っています」とうそぶく菅首相。

正解を出せるはずもない意地悪でどうでもいい質問に、根拠も無いのに自信たっぷりのいいかげんな回答。
漫才でなければ、こんな不毛な質疑応答などやめてもらいたい。

継続したってラチがあかないから解除するという苦境をわかっていながら、野党もくだらない質問しますね。
もしも政府が緊急事態宣言の継続を決定したものなら、今度は「継続して大丈夫ですか」と訊くのでしょう。

そんなことよりも、本気(マジ)で今後、政府はどのような戦略を繰り出すのか。
感染対策と経済政策の、両方とも満足できるバランス点などありません。我慢できる妥協点を探るのみです。

PCR検査や積極的疫学調査の拡充は、いまさらのようですが、はばかることなかれ。
ワクチンの接種は、各都道府県が供給の範囲内で「弾力的に対応できる仕組み」を構築するらしいですね。

思い出すのは、2009年の、新型インフルエンザワクチンの接種です。
優先接種順位が決められ、たとえその日のワクチンが余っても、優先対象外への接種は禁じられました。
「余ったワクチンは、捨ててください」という非情な言葉を、私は厚労省の担当者から直接聞きました。

まさか新型コロナでは、そんなアホなことはしないだろうと思っていたら、最近気になる文言を目にしました。
「使わなかったワクチンについては、ワクチン接種の優先度が同一順位の対象者ならば接種して良い」
裏を返せば、たとえワクチンが余っても、優先度の低い者に流用して接種してはならない、ということですか。
規則に縛られるお役人には難しい判断かもしれませんが、今回こそは、弾力的な運用を期待します。

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LINEしたことないので、痛くも痒くもない
- 2021/03/19(Fri) -
LINE利用者の個人情報や会話内容にまで、中国の会社がアクセスできる状態だった問題。

「看過できない」と与党議員らの怒りを買い、ついに行政サービスへの利用が停止されることになりそうです。
新型コロナウイルスの予約をLINEで行うつもりだった自治体は、予約方法を変えることになります。

問題が拡大して仮に、LINEのサービスが全面停止に追い込まれたとしても、実は私はいっこうに困りません。
この会社が、かつては外国企業の子会社だったことが気になって、私はまだLINEを使っていないからです。
どんだけ偏見を持ってるのかと思われるかもしれませんが、でも現に今回のようなことが起きてしまうでしょ。

とは言え、与党議員も野党議員も、みなさんLINEユーザーのためか、国会論戦にも歯切れが悪い。
なにしろ国内のアクティブユーザー数は8,600万人という、圧倒的なシェアですからね。
こうなると、「LINEしたことない」私などは、極めて希有な存在と言えるでしょう。
ちょうど、芸人「かまいたち」の左側が、「トトロ見たことない」ことを自慢するのと同じですけどね。

中国の企業は、中国政府からの要請があれば、情報を提供する義務があります。例の「国家情報法」です。
なのでLINEのデータにアクセスして中国企業が得た情報は、すでに中国政府に渡っている可能性があります。
日本人の恥ずかしい会話やくだらないダジャレが、中国共産党の担当者の失笑を買っているかもしれません。

SNSでもメールでも電話でも、誰かに盗み見聞きされている可能性は、つねに考えておくべきなのでしょう。
あるいは、誰に盗み見られても良いように、当ブログのような毒にも薬にもならない文章を書くことです。

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火山国ですが、巨大噴火のことまでは想定しません
- 2021/03/18(Thu) -
四国電力伊方原発3号機は、運転差し止めの去年の仮処分決定が本日取り消され、再稼働が認められました。

前回は、阿蘇山が過去最大規模の噴火をした場合、火砕流の影響を受けないとはいえない、との判断でした。
しかし今回は、伊方原発にまで影響を及ぼすような阿蘇の巨大噴火の可能性は高くない、というのが決定理由。

阿蘇山噴火の科学的評価が変わったわけではなく、その影響に対する判断が変わったわけです。
つまり、たとえ噴火被害が甚大でも、その確率がきわめて小さければ考慮しなくても良い、ということです。

あるいは、被害が極端に大きな破局的天変地異は、もはや想定しても意味がないというニュアンスも感じます。
伊方原発を巻き込むような巨大噴火が起きたら、それこそ原発どころの騒ぎじゃないでしょ、というわけです。

いやしかし、単なる噴火だけなら、たとえ西日本が火砕流で焼き尽くされても、日本はきっと再起できるはず。
生き残った東日本の人たちが徐々に西日本に移り住んで、きっとまた西日本を再建してくれることでしょう。
その証拠に、9万年前の阿蘇の巨大噴火でほとんどの生物が死滅した九州は、現在すっかり繁栄しています。

それにしても、原発が火砕流に飲み込まれて完全にメルトダウンしたら、いったい日本はどうなることか。
その意味で、過去最大規模の噴火すら想定した昨年の仮処分決定は、じつに誠実な判断だったと思います。
ですが日本人は、最悪の事態を想定することを忌み嫌う国民性ですから、今回の決定の方がなじむのでしょう。
地震や津波はともかく、噴火のことはもう、考えないことにしたわけです。
それに、原発が破局噴火の火砕流に巻き込まれたとき、それが稼働中かどうかはもはや関係ないですからね。

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アクションドラマに邦画的な「間」は不要
- 2021/03/17(Wed) -
テレビ朝日のドラマ『24 JAPAN』。まだやってますよ。
何が何でも24話を完結させるしかない、製作スタッフにとっては苦行のような企画になってませんかね。

これまで第1話と第9話を観ただけでしたが、けなげに放送が続いていたので、先日の第22話を観てみました。
しかも続けて、オリジナルの『24-TWENTY FOUR』シーズン1エピソード22も観ました。私も好きですね。

でもおかげで、日米の作品の決定的な違いが、このたびハッキリしました。
日本版には「間」が多い。それはたいてい、心理描写のためにゆったり流れる、ちょっとした安らぎの時間。
しかし敢えて言わせてもらいますが、この手のアクションドラマに、そんな時間は不要。むしろムダです。

オリジナルではその時間の分、テロリストらの犯行のディテールの描写が多いことに気付きます。
主人公の娘が縛られたシーンをオリジナルでは細かく描いているのに、日本版では完全に省いていました。

物語の進行とドラマの進行が完全に一致していることに、このドラマの特徴と面白さがあります。
犯罪が行われれば、それを細かく描けば描くほど、リアリティが出てくるというもの。
それを日本版では省き、登場人物が見つめ合うシーン等に時間を割き、実に邦画的な雰囲気に仕上げています。

なのでオリジナルを観るときは一瞬たりとも目が離せませんが、日本版ではコーヒーを飲んだりできます。
ほとんど同じストーリーなのに、映像の密度が違うんですよね。これでは日本版が失敗するはずです。

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延長するにしてもしないにしても、これまでと違うコト、始めましょう
- 2021/03/16(Tue) -
東京の感染者が減らず、変異ウイルスが増えています。緊急事態宣言はどうなるのか。もしや再々(々)延長?
事態は改善してないどころか、むしろ悪化してます。しかし、延長して意味があるのかもわからない。

前回延長を決めたとき、ただ延長するだけじゃダメだと書きましたが、結局、ただ延長しただけでした。

飲食等関連業界の疲弊と病院病床のひっ迫はひとつも改善してないのに、首都圏の人出だけは改善しています。
漫然と宣言を続ければ、だれだって緊急事態慣れするんです。「コロナが出たぞ〜」になっちゃうんです。

何かガツンと手を打って、これまでと違うコトしなきゃ。じゃあ何すれば良い?、と訊かれても困りますが。

一方で地方都市では、感染者が激減してもなお、市民が慎重に行動し続けているところもあります。
熊本は時々クラスターが出ていますが、それでも全体的には市中感染がずいぶん減っている印象です。

年度末から連休にかけて都会と地方で多くの人が行き来して、熊本の感染者数も増加に転じるんでしょうかね。
私はPCR検査至上主義者ではありませんが、次の波が来る前の今、検査態勢の拡充こそ必要だと思います。

その一環か、熊本市が医療従事者等の一斉PCR検査を打ち出し、当院職員も今週検査を受けたところです。
こういったスクリーニング検査は、批判もあるでしょうが、今後の再流行の芽を摘む意味で重要だと思います。

待ちに待った新型コロナワクチンの接種が、医療従事者から始まっています。
誰がいつ接種したかを、自治体や国がきちんと把握するシステムが、構築されています(されつつあります)。
この機会を利用して、接種しに来た全員に、ワクチン接種と同時にPCR検査をするなんて、どうでしょうかね。

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唐突にパスワードのリセットを促すメールは、信用できるか
- 2021/03/15(Mon) -
「ワクチン接種円滑化システム(V-SYS)」という、新型コロナワクチン接種のためのシステムがあります。
その「V−SYS」のID・パスワードがしかし、申請して1カ月近く経つのに、待てど暮らせど送られてきません。
と思っていたら本日昼ごろに突然、次のような件名のメールが届きました。

「パスワードのリセットを完了してください」

私の何かのパスワードを管理者がリセットしたので、24時間以内に完了シナケレバナラナイと、せかします。
でも日本語がおかしいし、「あなたのアカウントは一時的にロックされています」メールと同じ臭いがする。
送信元アドレスに心当たりなし。記されたリンクの長く複雑なURLは、明らかに危険なオーラを放っています。

URLをクリックしたとたん、私のMac内の個人情報がすべて盗まれ、わずかな資産をも失うかもしれません。
フォルダ最深部に隠匿している私の恥ずかしい写真が、全世界に拡散する可能性も覚悟しなければなりません。
と、最大限の警戒をしていたところ、その約30分後に、次のような件名のメールが来ました。

「パスワード設定メールについて」

今度は、見かけ上は厚労省からの、「パスワード設定メール」を送りますので、という予告メールでした。
そこには、「件名が分かりにくいため、不審メールと認識し削除されませんようご注意ください」とある。
どうやら先ほどの怪しいメールは、ID・パスワード設定のための、極めて重要なリンク情報だったようです。

あのね、そういう周知情報って、不審メールに先だって送ってくれなきゃダメでしょ。
厚労省の担当者がメールを出す前に、委託業者からメールが送信されてしまったのかもしれません。

「パスワードをリセットせよ」なんていう危険メールは、いまどき読まずに真っ先に削除する対象ですからね。
コロナ禍で多忙を極めていることでしょうけど、かなり危ういことしてますよ、厚労省の方。ご注意を。

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筋肉注射は深さが大事
- 2021/03/14(Sun) -
医療従事者への新型コロナワクチンの接種が進められています(私にはまだ何の音沙汰もありませんが)。
慣れない「筋注(筋肉注射)」なので、その実際の注射方法においては、少々議論が巻き起こっています。

医師会が推奨する、「日本プライマリケア連合学会」による筋注法のポイントをかみ砕けば、次の通りです。

(1)注射する部位(三角筋)をつままないこと。(つまむと、針が筋肉に届かなくなるため)
(2)針は必ず、皮膚に対して直角に刺すこと。(斜めに刺すと、針が筋肉に届かなくなる可能性があるため)
(3)血液逆流を確認する操作を行わないこと。(陰圧により筋肉組織が傷むとワクチンの効果を弱めるため)

しかし、新型コロナワクチン接種のニュース映像を見ると、現場での筋注の流儀はさまざまです。
皮膚を軽くつまんだり、針の角度が45度程度だったり、血液逆流を確認する様子をよく目にします。
まったく別の筋注法を推奨する先生や団体もあります。つまり、絶対的な正解はないということでしょう。

いま年度末なので、HPVワクチンの定期接種期限が切れる高1女子たちが、毎日のように接種に来ます。

このワクチンも筋注です。私はプライマリケア連合学会の方法に準じています。使う針の長さは16ミリです。
筋肉の深さ(皮下脂肪の厚さ)は様々なので、針を刺入する深さの加減(調節)はとても大事です。
針を根元までは刺さない場合もあれば、全部刺し込んでさらに少々皮膚が凹むほど押し込む場合もあります。
いちいち超音波検査などしていません。私の手触りと目測で決めていることを、お断りしておきます。

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「国民の疑念は招いていない」と、アンタが言うな
- 2021/03/13(Sat) -
歴代の総務大臣らがNTT幹部と会食したようですが、皆さんおおむね、似たような釈明をしています。

高市早苗氏は、「割り勘にするか全額を自身が負担する対応を徹底していた」ので接待は受けてないと言い訳。
野田聖子氏は、「プライベートの会合という認識だったので、接待という認識はなかった」と述べました。
武田良太・現総務相は、「国民の疑念を招くような会食や会合に応じたことはない」の一点張り。

すみませんが、疑念を招いたかどうかは、国民が決めることです。そして現に、国民は疑念を抱いています。

高市氏も野田氏も、あわてて「差額」を返金したようですが、それこそ、墓穴を掘ったようなもの。
割り勘というのは形だけで、実質的には接待だったことを認識していたことの表れです。

数百万円とか数千万円とかの金額ならともかく、どうして数万円得する程度のケチな過ちを犯すのでしょう。
仮に政治家はノラリクラリで逃げ切ることができても、官僚はそれで将来を棒に振ってしまいます。

「国民の疑念を招かない」=「李下に冠を正さず」ですよ。どうしてみなさん、それができないのか。

でも、「国民の疑念を招くようなことはしていない」と釈明する方はまだ、比較的善良な人かもしれません。
本当に悪質な方ならたぶん、「国民の疑念を招いてしまいました」という言い訳をするでしょうから。

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日本はアナフィラキシーが多すぎか?
- 2021/03/12(Fri) -
新型コロナワクチンの接種後に起きたアナフィラキシーが、日本では約18万回接種中に36例起きています。
欧米に比べると一桁多い、異常に高い発生率です。

「アナフィラキシーの診断基準が違うんじゃないの」と私はすぐに思いましたが、もちろん憶測にすぎません。
でもたしかに国際的な基準に照らすと、本来のアラフィラキシーは実際はもっと少ないという報告があります。

医療従事者への接種では、欧米でもアナフィラキシーの発生率は高かった、という情報も出ています。
では日本で医療従事者以外への接種ではどうなのか、その答えが出るまでにはまだ何か月もかかりそうです。

日本も欧米も共通して、アナフィラキシーのほとんどが女性に起きている事実は、とても重要なポイントです。
性差があるなら、人種差があっても不思議じゃないし、それこそ例の「ファクターX」があるかもしれません。
欧米よりもなぜか感染者が少ない日本人の持つ「免疫体質」が、過剰な反応を来した可能性は、あり得ます。

たとえ日本人にアナフィラキシーが起きやすいとしても、ただちに接種を中断すべき理由にはなりません。
日本人にとってはそのようなワクチンなのだと、十分に理解して万全の準備で臨めばよいのです。
実際に、すべてのアナフィラキシー例がきちんと対処され、事なきを得ています。

欧米各国は、アナフィラキシーが起きてもそれはそれとして、粛々とワクチンの接種を遂行しています。
日本ではとくに慎重に接種する必要はありそうですが、副反応の議論ばかりが過熱しないことを祈ります。
HPVワクチンのように接種を中断して感染予防をストップさせる愚だけは、避けたいものです。

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東日本大震災から10年
- 2021/03/11(Thu) -
大地震、大津波、原発事故。あの悲劇から10年。復興しつつあるとは言え、亡くなった人は帰って来ません。
ちょっとした避難の兼ね合いが、子どもたちの生死を分けたことは、返す返すも悔しいですね。

では次の地震、次の津波に対して、すべての日本人が我が事のように今備えているかと言えば、そうでもない。
私にとって、東日本の惨状はややもすると他人事でした。が、熊本地震を経験して、少し考えが変わりました。

熊本地震は、津波も原発事故も起きませんでしたが、私の生き方や価値観を変えるのには十分な一大事でした。
贅沢な夢は捨て、職場を守り、堅実に生き残り、それで生涯を終えればそれでいいと、そこまで意識しました。
さいわい熊本の復興は早く、私もやがて元気を取り戻したわけですが、コロナ禍でまた、少々萎え気味です。

東日本大震災が今も引きずる大問題は、人災の側面もある、東京電力福島第一原発の事故です。
責任ある立場の人たちには厳しい沙汰があるべきだと、直接の被害者でもない私ですが、思ってしまいます。

いまなお、水を注入して冷却し続けてやっとのこと抑えられている(とされている)原子炉内の核燃料デブリ。
それが先日の地震で、さらに水の注入量をアップしなければならなくなったという、けっこうギリギリな状況。
私はときどき、地震で核燃料プールが損壊して、燃料棒がゴロンゴロンと地面に落下する状況を想像します。
すべての燃料棒がメルトダウンを始めてしまい、もうみんな、逃げ出すしかありません。

10年前に、同様の破局的状況が想定され、東京や横浜まで人が住めなくなることが示されたといいます。
そうならなかったのは、単に幸運が重なったからだとすれば、次も幸運が続くとは限りません。

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ついに「8回接種できる注射器」が登場?
- 2021/03/10(Wed) -
「ファイザー製の新型コロナワクチンが8回接種できる」という触れ込みで注射器を販売していた男(52)が、逮捕されました。

医療用品販売の正規ルートではなく、メルカリに出品されていたものを都内の医師(46)が発見し、購入してみたら8回接種はできないことがわかったため、警察に通報して発覚したものです。

医師によると、注射器は8本入りパックが2,040円で出品されており、1本単位でも300円(いずれも送料込み)で購入できたようです。
はじめは1本だけ購入したそうですが、その後、8回分接種するためには8本必要だと気付いて追加発注したため、医師の元には合計9本の注射器が届いたとのこと。
注射器は、外見上はテルモの正規品で包装に破れ等はないものの、そのまま使用して8回接種できる気がしなかったため、医師が出入りの納入業者に見せたところ、悪質な転売だと判明。警察に連絡したそうです。

警察の取り調べに対して、出品した男は「8本使えば8回接種できる。どこがおかしい」という供述を繰り返しており、また「12回接種用の1ダースパックも出品している」とも言っていることから、警察は余罪を追及しています。

(注)虚構新聞風のフィクションです

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ひと瓶から8回分以上吸い出せたら、手品師
- 2021/03/09(Tue) -
ファイザーの新型コロナワクチンを、1バイアル(瓶)から7回分接種できた、という朗報が今日の話題です。
ついこの前まで5回か6回かと言ってたのに、7回が可能だとすれば、これまでの議論は何だったのって感じ。

ワクチンの自国開発では残念ながら日本は「後進国」ですが、器具と工夫なら「技術立国」の面目躍如ですね。
ファイザーも想定外の「用法」ですが、薬の効果には無関係なので問題ありません。日本の作戦勝ちでしょう。

7回接種を可能にしたのは、インスリン注射用の特殊なシリンジ。たしかにデッドスペースが無いし針も極細。
ワクチンの容量0.45mlに希釈液1.8mlを加えると2.25mlなので、0.3mlの注射量だとたしかに7回可能です。
溶液を希釈した場合、合計量は単純計算通りにはいきませんが、少なくとも2.1ml以上はあったわけです。

河野大臣などは、「大いにやっていただきたい」と大喜びしていますが、そう軽く言わないでください。

なにしろ針が短いので、いま報じられている製品では、誰に使っても針が筋肉まで届くとは限りません。
うっかり浅く接種して筋肉まで届いていないと、せっかくのワクチンが効果不十分となるリスクがあります。

このワクチンは、起死回生の期待の星です。接種法が悪くて効果不十分となることは、許されません。

その点を考慮してテルモは、針を長くした製品を量産するとのこと。でも市場に出回るまでに時間がかかる。
今後1年で2千万本生産するそうですが、それとて1千万人分にすぎません。なかなか戦力にはなりませんね。
また、従来のインスリン用注射器が不足するようなことになると、糖尿病の患者さんが困ります。

やはりここは、妙な色気を出さず、規定通りに確実に接種するのが肝要。無理をしないでいきましょうよ。
とは言え、7回打てると聞かされてしまうと、5回しか接種できないシリンジを使うのは気が引けますね。

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井の中の蛙、共通語を知らず
- 2021/03/08(Mon) -
手指消毒用エタノールの押売り(国による優先供給スキーム3月分)メールが届きました。懲りませんね。
いつもの「サラヤ ヒビスコールSH ポンプ付1L 1本4,378円(1〜4点ご購入時、税込、配送料込)」です。

どうしてこのような、市場価格よりも格段に高い製品を、優先だと公言(広言・巧言)して売りつけるのか。
最初に設定した価格から変更することが、お役人にはできない事情でもあるんでしょうか。

だいたい、スキームなんてエラそうな言葉遣いがもう、いただけません。計画とか政策とか言えばいいのに。

「スキーム(scheme)」に近い言葉に「スキーマ(schema)」があります。図解とか計画の意味です。
そのドイツ語「シェーマ(Schema)」なら、私は以前からよく使ってきました。
一般的なのかどうかは知りませんが、「シェーマで示します」なんて表現を、医者や研究者は頻繁に使います。

それと似た音がするドイツ語に「シェーレ(Schere)」があります。手術用のハサミのことです。
大学や医局による違いもありますが、私が育った医学部では、この表現が標準でした。
いや、「シェーレ」と正しく言う医者は少数派で、おおかたは「セーレ」と言ってました。
前者が方言っぽく聞こえるので、勝手に「洗練」させた歴史があるのかもしれません。

ところで20年以上前、私と先輩医師が2人で九州を出て、四国の医科大学(当時)に一時赴任したときのこと。
手術中に「セーレ!」と言っても、まったく通じない。この時、セーレが共通語じゃないことを悟りました。
狭い社会にずっと留まっていてはいけない、外に出なければわからないことがあると、思い知った話です。

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地図を眺めて妄想に入り込む
- 2021/03/07(Sun) -
幼少期から地図を見るのが好きでした。なので今でも時々、GoogleMapであちこちトリップしています。

ジブラルタル海峡と津軽海峡、どっちが狭いんだろう。今日はその疑問を、Google先生にぶつけてみました。
検索窓に、「ジブラルタルか」まで入れたら、「ジブラルタル海峡 距離」っていう項目が出現。これは親切。
それを選択してみると、最上段の「回答」には地図入りで「11,119km」とありました。1万?km?

よく見ると、熊本県熊本市東区上南部からジブラルタル海峡までの距離らしい。そんな情報は要りませんが。
気を取り直して2段目の回答(Wikipedia)を読むと、14kmだと判明。やっぱり津軽海峡より狭いんですね。
こう狭いと、橋を架けるかトンネルを掘りたくなりますよね。と思ったらすでに工事中ですか。

九州で言うなら、橋を架けたいトップは天草(下島)と島原の間でしょうね。あと天草–長島間も捨てがたい。
平戸から五島は、ちと遠いか。陸路で繋げたらまさに「Goto(五島)トラベル」(これが言いたかった)。

プレートが移動しているので、海峡は今後、徐々に広がるか逆に狭くなって衝突するかの、いずれかでしょう。

そんな風に地図を眺めていたのか、アフリカの左側に南米の右側がピッタリはまることに気付いた人がいます。
ある学者のアイデアだそうですが、ウェゲナーが「大陸移動説」を提唱するのはその300年後のことらしい。
でも大陸移動説ですら、世の中で広く認められるようになったのはウェゲナー没後、つい数十年前のことです。

「パンゲア大陸」が分裂していまの大陸を形成したというのが定説ですが、また数億年後には再結合するとか。
大西洋が閉じるか太平洋が閉じるかの2説あるそうで、後者の場合、超大陸「アメイジア」ができます。
アメリカ大陸とアジアが結合するとなると、日本は米中間の緩衝帯としての重責を担うことになるでしょう。
もうその時は、日本国内の全ての海峡も島もくっついて海は消失しているので、橋もトンネルも不要です。

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天災は、いつ来るか
- 2021/03/06(Sat) -
「熊本市ハザードマップ」が、クリニックに今日届きました。
コロナ禍のさ中、なぜ今なのか。熊本地震から5年、東日本大震災から10年の節目だからでしょうかね。
市のサイトを見ると3月5日付で、「ハザードマップを令和3年3月中に全戸配布します」とありました。
コロナで市役所も忙しいでしょうに、恐れ入ります。

その大きな冊子をパッと開くとちょうど、「布田川・日奈久断層帯地震」のマップが目に付きました。
この断層こそまさしく、あの熊本地震を引き起こした断層じゃないですか。久しぶりにその文字を見ましたね。
なんとマップは、平成23年3月作成。熊本地震よりも前、たぶん東日本大震災の直後に作られたようです。
ほほう。熊本地震よりも5年も前にはすでに、あの断層は危険視されていたというわけですか。

ところがよく見ると、マップの上には「今後30年以内の地震発生確率 ほぼ0%〜6%」とある。ありゃりゃ。
せっかくマップで「ココが危険」と言いながら、「でも地震は起きませんけどね」と付け足してるのと同じ。
熊本で巨大地震が起きることなんてほとんど想定させない、むしろ油断しそうな数値じゃないですか。

どうして地震後にマップを修正しなかったのでしょう。しかも今になってそのまま配るとは大胆ですね。

でもその「ほぼ0%〜6%」を見ていると、天災って予測するのが難しいんだなと、改めて思いました。
想定不足を反省する意味で敢えて残した、他山の石としての「ほぼ0%」表示なのかもしれません。

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緊急事態宣言は、ただ延長するだけじゃダメですからね
- 2021/03/05(Fri) -
東京、神奈川、埼玉、千葉に発令されていた緊急事態宣言はやはり、21日まで再延長されることになりました。
宣言が出された1月7日頃に比べれば感染者数は激減していますが、いま解除すべきじゃないという判断ですね。
病床使用率がまだ高いことや、感染者数の減少が鈍化していることを考慮したものでしょう。

この緊急事態宣言や、それに伴う時短営業や自粛が守りの感染対策なら、攻めの対策はワクチン接種です。
全国に人口比例で配分しつつあるワクチンですが、この際、思い切って首都圏を優先したらどうでしょう。
もちろん、熊本にも十分に配分してもらいたいところですが、日本全体の感染抑制の方がもっと大事です。
ワクチンは、人口比ではなく感染者数に比例した配分の方が理にかなってると、私は思います。

さて、緊急事態宣言を延長したからには、その2週間で何をするのか、その具体的な内容が重要です。
首相は「状況を慎重に見極めるための2週間」だと言いますが、まさか言葉通りの様子眺めじゃないですよね。
国民はもう、今まで通りの生活しかできませんから、国や自治体が変わらなきゃだめですよ。
PCR検査や積極的疫学調査の規模を拡大するなんて言ってますね。それが本当に具体的に進むことを願います。

延長は困ると嘆く人もいれば、2週間程度の延長では生ぬるいという専門家もいます。
何が正しいかは分かりませんが、あの延長は有意義だったね、と後で思える2週間であってほしいですね。

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目を休めれば脳も休まる
- 2021/03/04(Thu) -
診療中の電子カルテ操作を含めると、驚いたことに私は毎日16時間以上、Macを触り続けているようです。
もちろんパソコンのMacです。バーガーを触り続けてたらオカシイでしょう

いまの世の中の人々(とくに若者)の多くは、パソコンではなくスマホを、ほぼ一日中触っていますね。
ごくまれに電車に乗ると、乗客の9割方がスマホをいじってる。他の場所でも、似たり寄ったりです。
SNSか、音楽聴いてるのかゲームしてるのか、とにかく、何もしないでボーっとしてる人などほぼ皆無です。

私はそんな時、たまにメールチェックなどすることはあっても、基本的には目を閉じて黙想するタイプです。
視覚からの情報量はとても多いので、閉眼するだけで脳はずいぶん休まり、疲れもとれます。
環境音は聞こえているのだけど、それが気にならなくなって眠くなります。これはまさしく至福の時です。

それなのに今の人はどうして、時間さえあれば目からの情報を吸収し続けるという苦行を選択するのでしょう。
あ、そうか。私も自宅ではずっとMacしてますから、人のことは言えませんか。

スマホもケータイも無かった頃の電車や待合室などでは、人は本や雑誌を読むか、閉眼するかの二択でした。
その頃から比べると、現代人の脳に入る視覚情報量は飛躍的に増えたわけです。そりゃ、疲れるでしょう。

最近、朝の二度寝をしてる時などに、覚醒度が高まるまで目を閉じたまま、Clubhouseを聴いたりしています。
情報密度が低い分、ボンヤリした頭でも楽に聞けるので、早朝にうってつけのSNSだと見直したところです。

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家で機内食を食べたっていい!(ぺこぱ風)
- 2021/03/03(Wed) -
ANAの国際線エコノミークラスの機内食のネット販売が、大ヒットしています。
最初は、わずかでも利益を上げるとともに、雇用維持やフードロス対策も兼ねた取り組みだったはず。
ところがこれが図らずも、ANAファンあるいは航空旅行ファン(機内食ファンも?)の心を捉えたようです。

昨年12月11日発売の第1弾は、和食・洋食・子ども用のメインディッシュが4つずつ、計12食のセットでした。
この2100食分が数日で完売し、12月22日と1月18日の発売分各1000セットも、すぐに売り切れました。
1月の分は私も買いました。自宅で冷凍保存し、ときどき食べています。

「脳内旅行」をしながら食べれば、それなりに楽しい、一種の「行楽弁当」のようなものです。

あまりにも大人気なので、最近は毎週水曜日に発売していますが、いつも1時間以内に完売となるようです。
今日もすぐに売り切れ。アクセスが集中して買うことができなかったANAファンからは、苦情が出ています。

次は3月10日(水)発売らしいですけど、そんな風に日付を予告するからアクセスが集中するんじゃないの。
混雑緩和策は簡単。次回の販売が何月何日であるかを、あらかじめ伝えないことです。

ところで、ANAは「潜入!ANA機内食工場見学と機内食の秘密ツアー」なんてのも、企画してしまいました。
オンラインツアーです。機内食の製造工程をビデオで見たり、ANA総料理長とZoomでチャットするとか。
一般視聴者枠300人のほかに、機内食付き100人枠があり、あらかじめ機内食が送られてくるようです。
昼に気付いたツアーですが、夜帰宅後に見たら、その100人枠は埋まっていました。ま、悔しくはないけど。

「わざわざあまり美味しくないものを食べたいというのは、理解に苦しみます」とホリエモンは言います。
美味しいかどうかの問題じゃないのです。それどころか、ファンにはそれなりに美味しく感じるのです。
プライベートジェットを乗り回す人間から見れば、ANAに乗る人間の気持ちすら、わからないのでしょうね。

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温度が上がってダメになったワクチン
- 2021/03/02(Tue) -
新型コロナワクチンを保管していた冷凍庫が故障して、172バイアルがムダになったとは残念なニュース。
(追記:その後の調査では、冷凍庫の故障ではなく、電源に問題があったようですが)

この手の特殊な冷凍庫や冷蔵庫は、庫内温度の記録が残るようになっています。
それによると、金曜の深夜から温度が上がり始めていたようで、月曜には27度。これはどうしようもない。

このワクチンの保管条件は、マイナス25〜15度でも2週間まで保管できるように緩和されたばかりでした。
土曜の朝、誰かが温度計を見ていれば、もしかするとまだマイナス15度以下で、間に合ったかもしれません。
月曜まで気付かなかったのはなぜなのか。先行接種を実施するレベルの医療機関にしては、お粗末です。

いったん「解凍」すると、2〜8度の保冷庫(冷蔵庫)で5日以内の保管が可能ということになっています。
一般の医療機関では、配送されたワクチンを冷蔵庫に保管して、その4日後までに使い切ることになります。
熊本市では、各医療機関での保管期間が最長でも4日以内となるよう、週に2回の配送が計画されています。

最終的に問題となるのは、接種する医療機関の冷蔵庫の品質は確かか、取り扱いは大丈夫か、ということです。

当院ではコロナ専用の冷蔵庫を準備する余裕はないので、他のワクチン用の保冷庫を共用することになります。
最大でも4〜10バイアル程度の保管ですが、扉の開け閉めは最小限にして、庫内温度に注意したいところです。
保冷庫の中に、さらにクーラーボックスを入れるなどの工夫も有効かもしれませんね。

残念ながら、当院の保冷庫では庫内温度の記録が残りません。いま現在の温度が分かるだけです。
なので夜間や休診日に停電が起きてなかったか、その確認が重要だと思っています。
知らぬ間に一時的に温度が上がってワクチンがダメになっているのに、それに気付かず接種するのが最悪です。

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順調に届いているワクチンですが、まだまだ少数です
- 2021/03/01(Mon) -
新型コロナウイルスワクチンの第3便が、本日ブリュッセルから成田空港に届きました。今回は450箱。
え〜っと、ANAの便名情報とか不要ですかね。これまでと同じNH9648便で、機材はJA891A (B789)ですが。
今回も貨物専用便としての運航ですが、この機材はたぶん明日、旅客便としてジャカルタに向かうのでしょう。

今週からついに、医療従事者向けの優先接種分の全国配送が始まります。
都道府県ごとに、医療従事者数に応じた配分になるようですが、その総数は当初の予定通り今週は500箱。
熊本県に届くのは10箱=1,950バイアル=11,700回分(1バイアル6回として)=5,850人分(1人2回接種)。

自分の順番がいつになるかは分かりませんが、いつ接種したとしても、私の懸念は「油断」です。
ワクチンを接種することで安心感は得られますが、「無敵」になるわけじゃありません。
感染防御の姿勢が緩むと、たとえコロナには罹らなくても風邪を引く可能性があり、それが心配です。

思えば昨年1年間、私は風邪を引きませんでした。もちろん今年も。たぶん多くの方がそうでしょう。
つまり、新型コロナウイルスも普通の風邪のウイルスも、同じ方法で予防出来ているということです。

もしも今後、風邪を引いて咳や微熱でも出たとき、それがコロナではない保証はありません。
なので大事を取れば、白黒が判明するまで、状況によっては臨時休診にしなければならないかもしれません。
そのようなリスクを考えると、もうしばらくはホントに、うかつに風邪を引くわけにもいかないのです。

というわけで普通の風邪の方に対しても今なお、やや重装備で診療を行っておりますことを、ご了解ください。

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