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「空博」ほぼ独り占め
- 2021/04/30(Fri) -
「くまもと空博2021」が、いま熊本城ホールで開催されています。
人出も少なくて3密の危険無しと聞いたので、今日の午後、慎重に、出かけてきました。

果たして、まず、「サクラマチ クマモト」全体が、閑散としてましたね。
さらに熊本城ホールには、関係者以外ほぼ誰もいません。まだ準備中かと思える様相でした。
でも恐る恐る会場に入っていくと、スタッフたちが「ようこそ」と、笑顔で迎えてくれました。

イベントの内容は大幅に縮小され展示が中心になっていましたが、それでも私には満足でした。
なぜなら、航空趣味の領域では陰ながら師と仰ぐ、パラダイス山元さんが、現地にいらっしゃったからです。
業界では有名人の山元さんが、まるで空博の顔のように、会場全体を統括されているような雰囲気でした。

他の入場者がほぼ誰もおらず、私は山元さんの案内で各コーナーを見て回るという、贅沢な展開となりました。
ホヌの座席に1年半ぶりに座ったり、JALのキャプテンの制服を着て写真撮影したり、ゲームもあります。
いいオッサンが、まるで子どものように遊んで回るという、大型連休にふさわしいレジャーじゃないですか。

現地で販売されていたのは、航空関係の本とハワイ土産でした。なかなか思い切った絞り込みですね。
とりあえず、マカデミアナッツチョコを買って帰ることになります。

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ウイルスであってウィルスではない(と思う)
- 2021/04/29(Thu) -
「新型コロナウイルス」のように、「virus」に相当するカタカナ表記は「ウイルス」です。
「イ」を小さく書いた「ウィルス」を、最近見たことがありません。たぶん昔はありました。

しかしこれを発音する場合、ニュースでは時々「ウィルス」という発音を耳にします。
さらに不思議なことに、「ウィルス」発音は、テレビよりもラジオのニュースでわりと頻繁に聞きます。

今でこそ「ウイルス」ですが、私が子どもの頃は、表記も発音も「ビールス」でした。
これはおそらく、ドイツ語 (Virus)の読み「ヴィールス」から来ており、「V音」が「B音」になっただけです。

私の記憶では、いつの頃からか「ウィールス」と濁らなくなり、やがていまの「ウイルス」に至ります。
NHKでは1976年の放送用語委員会で、「ビールス」よりも「ウイルス」を優先して使うと決めたようです。

英語(virus)の発音は「ヴァイラス」です。
医者同士や学会等では、日常的によく使います。ただし日本人同士だと、発音は「バイラス」ですけどね。

ラテン語だと「ウィールス」に近い発音のようです。日本語「ウイルス」は、ラテン語由来なんでしょうか。

以上のように「virus」の「vi」の元々の発音は、「ヴァイ (英)」か「ヴィー (独)」か「ウィー (羅)」です。
なので「ウィルス」は間違い。たぶん「wi」で始まる外来語と混同してるんでしょう。(個人の見解です)

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ワクチンの予約受付は、公平にこだわるからトラブるのです
- 2021/04/28(Wed) -
新型コロナワクチンの接種の予診票とクーポンなどが、熊本市でも65歳以上の方に届き始めています。
それに伴って当院でも、「予約」の電話が鳴り始めました。

「5月6日(木)正午から予約受付を開始」と、市のホームページや市政だよりに記載されているのに、です。
一刻も早く、ワクチンを接種したい。そう思う気持ちはわかります。

でもその方たちを責められません。予診票に同封されていた案内状には、予約開始日の記載がないからです。
なので予診票とクーポンと案内状が届いたら、そりゃとりあえず、医療機関に電話をかけるでしょう。

予約は、新型コロナワクチンコールセンターか、接種予約受付サイトから、ということになっています。
ただし「お近くのかかりつけの病院または診療所で予約受付を行っている場合もあります」とも書かれてます。

その記載を頼りに、当院などに電話して来られるのでしょうけど、表向きはまだ、予約は受け付けられません。
とは言え当院では、かかりつけの方に限って、「仮予約」と称して接種枠の確保は行ってます。
問い合わせの都度、仮予約でもしておかないと、5月6日から一斉に予約受付をしたのでは混乱するからです。

熊本市はしかし、5月6日までは医療機関が個別に(勝手に)予約受付をしないでくれと、申し入れてきました。
たとえ受付開始日に予約集中によるトラブルが予測されたとしても、公平の方が大事だと考えているようです。
ワクチンの供給が少ない現状で予約時の混乱を回避するためには、まず、公平へのこだわりを捨てるべきです。

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大規模集団接種で、混乱が起きない理由が無い
- 2021/04/27(Tue) -
新型コロナワクチンの接種を加速するため、東京と大阪に大規模な接種会場が開設されることになりました。
自衛隊が設置と運営にあたり、1日当たり1万人の接種を行うべく、5月下旬から3カ月間、運営するとのこと。

唐突な施策ではありますが、パフォーマンスであれ何であれ、接種ペースを上げるためなら私は賛同します。
ただし、現実的な問題は、山ほどありそうです。

真っ先に心配になるのは予約方法です。対象を絞り込まなければ、電話もネットも大混乱しそうな気がします。
会場やその周辺地域の混雑も心配。毎日毎日1万人の高齢者が、ワラワラと都心のビルを目指す。不気味です。

当院では、かかりつけの方から順に、ワクチンの接種予約を受け付ける予定で計画中です。
かかりつけの方は、病歴や薬や生活歴を把握できているので、問診が容易で接種はたぶんスムーズでしょう。
ところが集団接種では、そうはいきません。病歴が複雑で、問診にも手こずり、きっと時間がかかるでしょう。

田村厚労相は今日、早ければ7月中にも、一般の人への接種を始める地域が出てくると述べました。

どうして与党のお偉いさんたちはこのように、最短最速最良の可能性ばかりを、やたらに強調するのでしょう。
そんなうわべの前向き発言は、現実を直視しようとしない不誠実な態度にしか見えません。
「来年までかかるのでは?」と訊いても、彼らは「そうならないために頑張っている」としか応えないのです。

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「おたふくかぜ」は、予防すべき疾患です
- 2021/04/26(Mon) -
おたふくかぜのワクチンが、いま不足しています。ただし、接種希望者が急増しているわけじゃありません。

このワクチンは武田薬品と第一三共で製造していますが、武田の工場で不具合が見つかり製造中断中なのです。
当院は第一三共の方を使っていたので大丈夫でしたが、武田を使ってた医療機関では接種に影響が出ています。

おたふくかぜに罹ると、髄膜炎や難聴などの合併症が問題になります。
先進諸国の中では日本だけ、ワクチンの接種率が低いせいで毎年多くの子どもたちが難聴になっています。
以前起きた副反応がトラウマになっていて、定期接種化が遅れに遅れているのです。まさに日本的怪現象です。

さらに加えて、世の中でまかり通っている次のような考え方も、予防接種率が上がらない理由のひとつです。

(1)おたふくかぜは、かかった方が、予防接種よりも強い免疫が付く
(2)だから予防接種を受けるよりも、かかって免疫を付けた方が良い

大事なことなので、2度3度、いやたぶん5回以上言っておきます。いや、お尋ねします。

おたふくかぜにかかって強い免疫が付いたら、それが何の役に立ちますか。強い免疫を付ける目的は何ですか。
強く確実な免疫を付けて、おたふくかぜにはもう、2度とかからないようにする。それが目的ですか。

であるなら、2度かかるのを確実に防ぐために、1度かかっておくのですか。
2度目の罹患による合併症を、1度目の罹患による合併症よりも怖れる理由がありますか。

おわかりのように、「かかって免疫を付ける」という戦略は、残念ながらまったく矛盾に満ちているのです。

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手探りのワクチン接種計画
- 2021/04/25(Sun) -
新型コロナワクチンは、熊本市では、一般住民に対して個別接種と集団接種が並行して進められる予定です。
前者は当院のような医療機関で行い、後者は体育館のような会場で行うものです。いずれも完全予約制です。

1回目と2回目の接種間隔は3週間なので、接種場所と日時を、2回目の分まで同時に予約することになります。
接種を担当する医療機関側としては、1人当たり2つの接種枠を、3週間間隔で確保していく必要があります。
さらに、ワクチンを余らせないために、同じ時間帯に6人単位で予約を受け付けなければなりません。

最近問題になっているのは、体調不良等の理由で、予約のキャンセルが出た場合の対処法です。
ワクチンをムダにしないために、予約外の誰かに流用して接種するのが望ましいということになっています。

しかし、物事はそう簡単にはいきません。
キャンセルが出たら、医療機関は誰か他の接種希望者を探して連絡し、接種に来てもらう必要があります。
急に接種の呼び出しがかかった人は、3週間後の予定まで考慮して、接種を受けに行かなければなりません。
キャンセルした人は、2回目の接種も自動的にキャンセルとなり、一から予約を入れなおす必要があります。

当院のような小規模な医療機関ではキャンセル時の対応が難しく、ワクチンを余らせる可能性が高いでしょう。
本来であれば、キャパの大きな接種会場での集団接種の方が、ワクチンの融通もつけやすいはずなのです。

しかしともかく、個別接種と同時接種を同時進行させなければ、なかなか接種が進まないのも事実。
なのでわれわれ医師は、自院で個別接種を行いつつ、空いた時間で集団接種会場に出向くことになっています。
各部署が連携しつつ、手探りで進めている未体験の接種計画です。重大なトラブルが起きないことを祈ります。

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新型コロナワクチンへの、期待と不安
- 2021/04/24(Sat) -
「屋外であっても、無風で密集していたら、マスクなしではコロナの感染リスクは高い」
スパコン「富岳」によるシミュレーションで、屋外での飲食でも油断できないことが判明したとのこと。

でもこれ、60x120cmのテーブルを10人で囲むという、いまどき誰もやらないような設定ですけどね。
まあともかく、屋外でも無風の時は密集するな、マスクを着けよ、ということなんでしょうね。

敢えて言わせていただければ、そんなコトよりも、富岳は治療薬に開発のために集中的に使っていただきたい。
と私が言わなくても、もちろん、あらゆる研究所や大学や企業が、いま全力で開発中だとは思います。
できれば日本から、画期的な特効薬を出したいですね。ワクチン開発では完全に、遅れをとりましたから。

それはともかく、とりあえずはワクチンですが、接種率はまだ低い上に、副反応への懸念もぬぐえません。
1日でも早く接種を受けたい人がいる反面、接種をためらう方も多く、考え方方はさまざまです。
予防接種のメリットとデメリットを天秤に掛けるようことを、全国民に無理強いするわけにもいきません。

少しでも心配な方は、あわてて接種せずに、国民の一定割合が接種を済ませた頃に考えれば良いと思います。
ものすごく心配な方は、国民の大多数が接種するまで待っても良いのです。
集団免疫が成立すれば、未接種の方も感染から守られる日が来ます。その考え方も許容されると私は思います。

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3度目の正直、ていう感じの特別感がない
- 2021/04/23(Fri) -
新型コロナウイルスの3回目の緊急事態宣言が、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に発令されました。
3度目の正直なんですけど、かわり映えしませんね。政治家も相変わらず、困った発言をしています。

「街灯を除き、全ての明かりを消すように徹底していきたい」(小池都知事)
「都民は蛾ですか?」という批判もありますが、夜でも明るい繁華街に集まる若者は、たしかに減らしたい。
しかし、早く、短く、強い措置で、コロナをガツンと減らそうという時に「灯火管制」とは、ズレてませんか。

「何としても感染拡大を抑えたい。誰よりも強く思っています。夜中に何度も目が覚めます」(西村担当相)
悪い人じゃないんでしょうね、この人。真面目です。たぶん勉強家。ですけど、弱い。

「希望する高齢者に、7月末を念頭に、各自治体が2回接種を終えることができるようにする」(菅首相)
新型コロナワクチンについての、極めて楽観的な見通しを、全国的に告知していただきました。
こんなこと言われると、予約を巡る混乱が懸念されます。もう、大風呂敷ばかり広げないでいただきたい。

前にも書いたように、当院かかりつけの高齢者への接種だけでも、8月下旬までかかる計算なんですからね。
できるだけ、接種ペースをアップしたいですけど、今後の発熱外来の混み具合がどうしても心配です。

ワクチンの接種を進めようという矢先に感染者が急増するという、予想していた通りの最悪のシナリオです。
国民全体へのワクチン接種を最速で完了させるためには、いまの感染を徹底的に抑え込まなければなりません。
それこそが、今回の緊急事態宣言の目的でしょう。だったら、本気でガツンとやらなきゃ。

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第4波の中でワクチン接種は進むのか
- 2021/04/22(Thu) -
「今のペースではコロナワクチン接種完了は7年後!?」
日経メディカルの記事のタイトルは、笑うに笑えないというか、でも笑うしかないというか。

今の接種ペースのままであれば、という仮定での話なので、これからペースアップすれば挽回できるはずです。
ワクチンの自国開発の遅れや、輸入に手間取ってきたことなどは、もはや非難してもしょうがないですね。
9月末までにワクチンの確保が完了するのが本当なら、どうやって接種ペースを上げるかが今後の焦点です。

熊本市では5月19日から、65歳以上の方への優先接種が始まります。
各医療機関はいま、何月何日に何人に接種できるか、その計画表を作成中です。保健所への提出期限は明日。

一般外来に加えて当院では発熱外来も続けているので、コロナワクチンの接種にあてる時間は限られます。
最初の1クール(3週間)の接種が終わったら、次の2クール目は、その方たちへの2回目の接種で一杯です。
当院かかりつけの方から接種をしようと計画中ですが、それだけでも4クール(12週間)ほどかかる計算です。
かかりつけではない高齢者への接種を行う枠が、当院ではあと3カ月間は作りたくても作れません。

こんなことになったのも、ワクチンを接種する段になって、コロナの第4波が重なってきたからです。

ワクチン接種の時期までにコロナを抑え込んでおかなかった、国の施策の失敗を責めても、後の祭り。
コロナ診療で多忙な、地域によっては疲弊している医療現場に、ワクチン接種の余裕はあまりないのです。
熊本ですらこの状況ですから、大阪や東京でワクチン接種が進むんだろうかと心配になります。

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やったら薄いiMacなどが登場
- 2021/04/21(Wed) -
たまには明るい話題。
本日未明、Appleの新製品発表会が開催されました。特設サイトからの配信イベントです。

予想通り、M1チップ搭載の「iMac」が登場しました。なんとも鮮やかな7色のカラバリ(青緑桃銀黄橙紫)。
99年に発表された「キャンディーカラー」のiMacを思い出しますが、形状も洗練度もまるで違いますね。

とにかく、やたら薄くて11.5mm、重さは4.5kg弱ですか。ディスプレイは4.5K。その他の性能は割愛。
ここまで進化しますか、ていうぐらいのオシャレなMacですね。
それに比べると初期のiMacは、ブラウン管で重量15kg以上だったし、今から思えばオモチャっぽかった。

M1チップ搭載の「iPad Pro」も出ました。最先端の「Mini LED」ディスプレイと5Gでヤバイ。
これから旅先に持って行くのは、MacBookじゃなくてiPadなんでしょうかね。いつ旅行できるかは別として。

新iMacとiPad Proは、4月30日予約開始で5月後半発売予定。とりあえず、買う予定はありません。
Macの新製品が出たらすぐ飛びつくような、昔の元気が私になくなったのは、いちばん残念なところ。

忘れ物防止タグ「AirTag」なんて小物が登場したので、とりあえずコレ買うか、て感じです。
紛失モードにすると、他人のiPhoneまでが総動員でタグを探してくれるとか。忘れん坊には心強いです。

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高齢者向けワクチン、ついに予約受付へ
- 2021/04/20(Tue) -
「医療関係者の協力が足らず、65歳以上だけに限定しても今年いっぱいか、場合によっては来年までかかる」

昨日も取り上げた、下村政調会長のムカつき発言。ガッカリなのは、メディアも賛同傾向だということです。
モーニングショーでは、医師会何してる、町医者が接種すればいいんだ、みたいな発言が相次いでいました。

何言ってるんですか。少なくとも熊本市では、医師会も開業医も保健所も、みな精一杯協力してますよ。
一般向けの新型コロナワクチン接種について、当院はこれまでに、次のような手続等を行ってきました。

(1)1月30日、熊本市保健所と医師会による、一般向けワクチン接種についての最初のWEB説明会
(2)2月5日、保健所の「住民向け接種に関する調査票」に、当院は4月から一般向け接種が可能であると回答
(3)2月19日、厚労省の専用フォームを使って「集合契約の委任状」を作成、印刷して保健所に郵送

あとは厚労省から、「ワクチン接種円滑化システム(V-SYS)」のIDが付与されるのをずっと待っていると、

(4)3月15日、厚労省からID連絡メール。ずいぶん待たせたくせに、24時間以内に手続きせよとせかします。
(5)そして本日、熊本市から「住民向け接種に係る予約受付の事前準備について」という書類が届きました。

同時に本日、熊本市では高齢者の接種を5/19に開始することが発表されました。予約受付は5/6からです。

ワクチンの確保がこれほどまでに遅いのは、日本がワクチン後進国(=ワクチンを軽視する国)だからです。
しかし自治体は、着実に準備を進めています。コロナ感染対策とワクチン準備を同時にこなすのは大変です。

多くの医療機関が、住民への接種を行う旨を早くから表明し、保健所の準備が整うのをずっと待ってきました。
その予約受付システムがようやく完成し、今日、接種日時や人数を具体的に計画できる段階に入ったのです。
医療関係者はみな「待ってました〜!」と叫んでますよ。「協力が足りない」などと言われる筋合いなどない。

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与党の方々は、コロナを本気で収束させる気があるのか
- 2021/04/19(Mon) -
全国的にも熊本的にも、やばみが増してきましたね。大阪や東京は、緊急事態宣言に向かっています。
医療機関の機能や市民生活が制限されれば、遅れがちなワクチン接種がさらに遅れることになりかねません。
いわんや東京オリンピックをや。
与党の政治家の方々。あんたたちはいったい、本気で新型コロナを収束させる気があるんですかね。

「(国内の全対象者分のワクチンが)9月までに供給されるめどが立った」
菅首相は、ファイザーのCEOに電話でワクチンの追加供給を要請した後に、そのように大風呂敷を広げました。
国民は誰も期待しちゃいませんよ。CEOは単に協議を進めたい(=ま、考えとくわ)と応えただけなんでしょ。
どうしてそのように、確証の無いことを勝ち誇ったように言えるんでしょうね。

「医療関係者の協力が足らず、65歳以上だけに限定しても今年いっぱいか、場合によっては来年までかかる」
下村政調会長の、今日いちばんムカついた発言。あなた、全国の医療従事者を敵に回しましたね。
菅首相の発言を踏まえた上で、しかし医者が協力的じゃないから接種計画が進まないとは、言語道断。
コロナはちっとも収束せず、医療従事者への接種もなかなか進まない中で、政治家は言うばっかりですか。

「緊急事態宣言を出したら病床が増えて重症者が助かるって話はない」
田村厚労相の発言にはガッカリです。重症者を増やさないための緊急事態宣言でしょ。あなたわかってる?
いいこと言うなあ、と思った事もかつてあったけど、撤回。あれは田村氏が閣外のときだけでした。

緊急事態宣言をいつ出していつ解除すれば、感染者数と重症者数の波がちょうど五輪前に底を打つか。
そんな計算ばかりしてきたのでしょうけど、与党のみなさん、たぶん無理。タイミングは最悪でしょうね。

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発熱外来への苦情に反省
- 2021/04/18(Sun) -
新型コロナ第4波が熊本にも迫っていることは、最近の当院の発熱外来受診者数を見てもよくわかります。

そんななかで昨日、受診された1人の方から、当院の発熱外来の診療に対して厳しい苦情をいただきました。
他にも多くの方が同様の思いかもしれません。今日はこの場を借りて、私の反省文を転載させていただきます。


(以下、引用。一部改変)
○○様。

このたびは当院の診療で不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。
ご不満の点、よくわかりました。今後どのようにすれば少しでも不満の少ない診療になるか、改善策を考えていこうと、今朝、スタッフを集めて話し合いました。

昨日○○様が来院された時間帯は、7人の発熱患者さんのうち乳幼児2名を院内で、○○様を含む5名の方を駐車場で、並行して診療を行っているところでした。

当院では、COVID-19の疑いのある方は、院内の隔離診察室か、それが埋まっている場合には駐車場で診察と検査を行っており、それに先だって可能な限り電話で問診をしています。
しかしそのような電話問診ではニュアンスが伝わりにくい点は、たしかに改善の余地があると感じます。
駐車場で長い間お待たせしたあげく、防護具を着けて行う短時間の診療のやり方についても、再検討をする必要があると思いました。

そして何より、当院の発熱外来では現在そのような診療の流れであることを、あらかじめ丁寧にご説明しておかなければなりませんでした。この数か月の間にだんだんと説明不足になって来たことを、いま素直に反省しています。

○○様。このたびは貴重なご意見をありがとうございました。さっそく今日から、改善してまいります。

つるはらクリニック 院長 鶴原由一
(引用終わり)


当院では、過去5カ月で25名の新型コロナ感染者を、抗原検査やPCR検査で診断してきました。
そのうち約半分の方が来院時は微熱または平熱だった経験から、軽症でもけっして油断せずに診療しています。
不愉快な印象をもたれる受診者の方もいらっしるかもしれませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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ネット予約と電話予約を併用する場合の注意点
- 2021/04/17(Sat) -
新潟県津南町の高齢者向け新型コロナワクチンの予約受付で、電話申し込みを一件も受理できなかった件。

午前0時からネットで、午前10時から電話での受付を開始したと言いますから、そりゃそうなるでしょう。
ネットと電話を併用する場合、ネット予約の方を先行させると、このような結果を招くのは当然のことです。

医療機関の診療予約を受け付ける場合でも、同様の注意が必要です。
当院では、電話予約用にいくつか枠をとっておき、残りの枠の範囲内でネット予約を受け付けています。
そうすれば、朝8時からのネット予約で午前中の枠が埋まったとしても、電話予約用の枠は残るわけです。
次いで8時半から電話予約の受付を始めます。予約者には、電話受付用に取っておいた枠をあてがいます。

他の医療機関では、ネットよりも電話予約の方を先行させる方式のところも多いようです。
順番取りとしてはシンプルですが、朝の電話が混み合って繋がりにくいと、不公平を生じることが問題です。

なので当院では公平なネット予約を先行させ、ネットが不得意な人向けに電話用の枠も確保しているわけです。

津南町もおそらく、電話受付の混乱を減らそうとネットを先行させたのでしょうが、むしろ混乱を招きました。
ネットと電話を併用するなら、それぞれを別枠で受け付けるような工夫が必要だったのかもしれません。

どの自治体がどんなやり方をもってしても、新型コロナワクチンの予約に際して混乱はさけられません。
なぜなら、ワクチンの供給数があまりにも少ないからです。問題は結局ここに行き着きます。
どんな方法なら混乱が最小限か、国が具体的には何もしてくれないので、自治体が智恵を絞る必要があります。

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医療従事者へのコロナワクチン接種の予約受付が、ようやく始まる
- 2021/04/16(Fri) -
熊本市では、一般の医療従事者の新型コロナワクチン接種のネット予約の受付が、昨日から始まりました。
驚かないでください。医療従事者のほとんどは、一昨日までは接種の予約すらできていなかったのです。

昨日はサーバーダウンしてなかなかつながりませんでしたが、今日の予約サイトはすっかり落ち着いています。
システムは落ち着いていますが、当院職員が申し込める地域の接種会場の予約枠は、すべて埋まっています。

ワクチンの供給が遅れているので、いまだに医療従事者全員が接種を「予約」できる状況ですらないのです。

と思いきや、指定外の地域の接種会場の予約状況を見てみると、驚いたことに、けっこう空きがある。
どうやら、接種希望者と接種会場のマッチングがうまくいってないようです。これにはガッカリします。

マッチングが悪いせいで、接種したい人が接種できず、一方でワクチンが余ってしまうリスクが出てきます。
こんな時は、指定された地域外の、空いてる会場の接種を「越境」して予約できれば、解決するんですけどね。

県の「コロナワクチン接種体制構築事務局」に電話してみると、現時点では越境OKとは言えませんとの返答。
「河野大臣は、ワクチンを有効利用するために柔軟に対応せよと言ってますよ」と食い下がってもダメでした。

厚労省の「新型コロナワクチンコールセンター」に電話すると、「趣旨はわかるから運用は医師会に聞け」と。
河野大臣の話を持ち出したら、「その件はまだ、降りてきておりません」と。何ソレ。柔軟性ゼロじゃん。

医師会に聞いたら、現時点では、指定された地域での接種を守ってくれと、越境は不可だとの返答でした。
お役所も医師会も、柔軟な運用や臨機応変な対応というのが、どうしてもできない体質みたいですね。
でも、ワクチンを余らせることだけは避けなければなりませんから、そのうちきっと動きがあるんでしょう。

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ブログ連続投稿9年
- 2021/04/15(Thu) -
ブログの連続投稿が、今日で9年に達しました。2012年の4月16日から、毎日書き続けています。
雨垂れ石を穿つがごとく、医療界に風穴を開けたつもりです(うそ)。単なるチリツモです。

連続投稿の記念日である4月15日はしかし、5年前に熊本地震に飲み込まれて以来、存在感がありません。

9年前までの約4年間の投稿は193回とほぼ週1ペースだったのに、その後9年間は連続投稿というのも不思議。
何がきっかけでスイッチが入ったのか、もはや覚えていません。

当初は、根性とか意地だったかもしれませんが、いまや、中断する勇気がないので連続投稿している状況。
一種の強迫神経症なのか、書かなければ良くないことが起きる、みたいな恐怖心が私にあるのです。

ブログの連続投稿を中断した翌日に大地震でも起きたら、たぶん一生後悔します。
そういう風に、無関係なことなのに結びつけてしまう考え方は、「言霊」に通じるものがあります。
と言いながら、ブログを中断してないのに熊本地震が起きたし、コロナ禍なのですが、そこは結びつけない。

いや、中断してたらもっとひどいことが起きた、と考えるのがまた、日本人なんでしょうかね。
ともかく、コロナ禍で微妙な時なので、いま事を起こさず、息を潜めてブログを書き続けることにします。
そんなわけで私は、日本や世界のために書いてますので、内容は二の次であることをご了承ください。

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熊本地震から5年
- 2021/04/14(Wed) -
熊本地震から5年。被害を受けた重要な建造物が、それぞれ息を吹き返しつつあります。

熊本城天守閣の再建工事は、ついに先月完了しました。これこそまさに復興のシンボル。
阿蘇大橋も先月開通しました。場所を変えての架け替えですが、立派な美しい橋が完成しました。
熊本市民病院は堂々たる新病院が建ちました。その内部はまるで、後のコロナ禍に備えたかのような造りです。

当院の建物の被害はわずかでしたが、診療ではずいぶん苦労しました。(それもコロナ禍よりはマシですが)
自宅もクリニックも、地震による壁紙の亀裂の一部は、今もそのまま残しています。一種の遺構なのです。

断水や停電や機器の破損が起きたとき、できるだけ迅速に復旧するための備えの必要性を痛感しました。
しかし、喉元過ぎれば何とやらで、当院の停電対策はいまだに完璧ではありません。いま反省すべき点です。

私事で言えば、この5年の間に子どもたち3人がみな結婚し、孫が4人ほど生まれました。
どういう心境の変化か説明が難しいのですが、飛行機によく乗り、海外旅行に何度も行くようになりました。

ほかの人でも同様だと思いますが、熊本地震は私の価値観を大きく変えてしまう一大事でした。
人生、何が起きるのかわからない。やりたい事はやりたい時に。後悔の無い生き方を考えたものでした。

と思っていたらコロナです。今からやろうと思っていた事がことごとく潰され、意気消沈です。
地震とは違い、時間とともに必ず着実に復旧復興する、という保証がないのが辛いですね。

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余ったワクチンの扱いが硬直でも柔軟でも、それぞれ現場は大変
- 2021/04/13(Tue) -
大阪府はついに、感染確認者数が1,000人越えですか。今後しばらくは減る要素もありませんね。
そんな大阪の万博記念公園内の周回コースで、一般の観客を入れずに聖火リレーが実施されました。
東京五輪が開催されるかも不透明な中を、笑顔でグルグル走る片岡愛之助さんらの姿があまりにも痛々しい。

昨日始まった、新型コロナウイルスワクチンの高齢者への接種でも、やはり問題が起きています。
例の、先着順に予約を受け付けた八王子市です。その経緯をまとめれば、こうでしょう。

(起)供給ワクチンがあまりにも少ないので、公平のために、先着順に予約を受け付けた
(承)予約してないのに、接種会場を訪れた高齢者が、数名いた
(転)予約していたのに、当日キャンセルした高齢者が、2名いた
(結)混乱を避けるために、キャンセル分のワクチン(2名分)は廃棄へ

余ったワクチンを、予約してない高齢者に流用するという臨機応変な判断が、八王子市にはできませんでした。
何が何でも予約通りに公平を維持するという硬直化した態度は、コロナ予防の観点からは本末転倒です。
まさに、危惧していたことが現実のものとなりました。2009年の新型インフルワクチンのときと同じ愚です。

この一件を受けて河野担当相は、余ったワクチンをムダにせず柔軟な接種をするように、と述べました。
接種券がなくても、高齢者ですらなくても、さらに他県の方に打っても、「一向に構わない」と。
実にアッパレな発言ですが、接種会場は混乱するかもしれませんね。お役人も渋い顔してることでしょう。

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高齢者向け優先接種が始まりましたが、ごく一部です
- 2021/04/12(Mon) -
新型コロナワクチンの高齢者向け優先接種が、今日から全国で(ただし、その一部地域で)始まりました。

ワクチンの供給量が当初はとても限られるので、予約の受付方法と具体的な接種順は自治体任せです。
先着順の予約受付での混乱が先日報じられた八王子市は、大騒ぎした割に今日の接種者はわずか248人でした。

東京都内で今日から高齢者への接種が始まったのは、八王子市と世田谷区だけというのも驚きます。
多くの自治体は、少ないワクチンを誰から順に接種すべきか、なかなか決めきれないのかもしれません。
まとまった量のワクチンを確保してから接種を開始した方が、ある意味公平な割り振りができるでしょう。
しかしその考え方では、対象者へは1日でも早く接種をするという本来の目的には反します。

そんな中で熊本市では、本日61人の高齢者に接種が行われたそうです。これは予想外に早い動きですね。
熊本市は、接種を効率的に行う観点から、高齢者施設入所者及び従事者から接種を実施する方針です。
なかでも透析施設に併設した施設を最優先とし、次に入所者及び従事者数が多い施設から実施するとのこと。
限られたワクチンを混乱なく接種する手段として、熊本市のやり方はなかなか賢明かもしれません。

一方で、そんな報道を見てヤキモキしているのは、高齢者施設に入所していない一般の高齢者の方々でしょう。
自分はいつ接種できるのかと私もよく尋ねられますが、高齢者への接種券の発送は今月下旬になるようです。
ただし、その後の具体的な予約方法(予約サイトの利用法など)が、いまひとつ固まってないみたいですね。

当院も、一般向けの接種医療機関として登録していますが、ワクチンの配分時期や配分量の連絡はまだです。
具体的な予約がまったく動き出していないので、私自身、当事者としての実感がまったく湧きません。

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慣らし保育で風邪の洗礼
- 2021/04/11(Sun) -
学校は新学期が始まり、乳幼児には「慣らし保育」の時期です。
これは園児が園生活に慣れるためだけでなく、母親が仕事と育児の両立生活に慣れるための期間でもあります。
その過渡期においては、夫や実家の協力は必須で、また職場では勤務シフトの調整が必要となります。

慣らし保育開始から数日のうちに受ける洗礼のひとつが、子どもの発熱でしょうか。
「慣らし保育で風邪をもらいました」と来院するお子さんが、先週からおおぜいいます。今日も数人来ました。

「今後半年の間に、10回ぐらい風邪を引きますよ。そうやって、ひとつひとつ、免疫を付けていくのです」
私はお母さんにそのように説明していますが、そう言えるのは病状が軽くて元気なお子さんの場合です。

高熱で咳がひどく、聴診で喘鳴を聴取するようなRSウイルス感染のお子さんにも、最近しばしば遭遇します。
肺炎などを疑うような症状と検査所見があれば、日赤などの病院に紹介することになります。
病状によってはそのまま入院となり、退院してもしばらくするとまた風邪を引いて、そこそこ手こずります。
ようやく園に復帰したと思ったら、2,3日後にはまた発熱したり下痢したり。親御さんの心配は尽きません。

かように慣らし保育というのは、子どもの病気に保護者が慣れるための期間でもあるんですね。

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4月9日は子宮の日(でした)
- 2021/04/10(Sat) -
昨日(4月9日)は「子宮の日」だったというのに、HPVワクチンの話を書きそびれたので今日書いてます。

このワクチンの定期接種対象者は、小6〜高1の女子です。3回の接種に最短でも4カ月(と1日)かかります。
従って、3回とも定期接種(無料接種)したい方は、高1の11月末までに接種を始めなければなりません。
実際には、悩んだ末に高1の冬になって接種を始めて、結局3回目は任意接種になる方が、毎年多いですね。

定期接種ワクチンは、対象年齢(学年)になったらすぐに接種する方と、ギリギリで接種する方がいます。
たとえば、年長児が接種する麻しん風しん混合(MR)ワクチンは、年度初めと年度終わりに接種が集中します。

HPVワクチンではそれが顕著で、小6や中1で接種する方と、高1で始める方との両極端になってますね。
とは言え全体的に接種率自体がとても低く、なかには定期接種であることをご存じない方もいらっしゃいます。

これではマズイと、定期接種ワクチンの存在を知らせるリーフレットの個別配布が、昨年から始まっています。
「ワクチンの接種を個別にはお勧めしないけど、ワクチンの存在は個別にお知らせしたからね」
そんな不思議な通知なのですが、厚労省は現時点で、これ以上踏み込もうとはしていません。

新年度に入り、当院を受診した対象学年のお子さんには全員に、HPVワクチンの接種をオススメしています。
特に高1の方。コロナがどうなるか分かりませんから、できれば早めに(至急)打ちましょう。子宮だけに。
ワクチンの院内在庫は十分あります。子宮(ウテルス)だけに、いつでも「打てるッス」。

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第4波の診療前に、できればワクチンを1回は接種しておきたい
- 2021/04/09(Fri) -
熊本市に今日、高齢者向けの新型コロナワクチンが届きました。来週月曜日から接種が始まるようです。
混乱なく、着実に接種が行われてほしいと、心から願っています。もちろん当院も、やがて接種を担当します。

折しも今日、われわれ医療従事者向けのワクチン接種の予約方法を通知するFAXが、医師会から届きました。
接種予約システム「K-SYS」の説明動画が「配信中(随時視聴可能)」という内容でした。

ところがその説明動画のURLが記載されていません。Google先生に訊いても知らない様子。
しょうがないので、FAXにある「サポートセンター」に電話すると、動画のことは医師会に尋ねてくれと。

医師会に電話してみると、URLのQRコードを記載した通知の郵送を、ただいま準備中、とのこと。
動画のURLを連絡していないうちから、FAXに「配信中(随時視聴可能)」と書いちゃダメでしょう。

医療従事者の接種が完了していないのに、高齢者への接種を始めるのはいかがなものか、という人がいます。
接種を取り仕切っている組織(県と市)の違いもありますから、まあ同時進行でもいいじゃないですか。
ワクチンを接種する作業自体は、新型コロナに感染するリスクが格段に高い業務ではありませんからね。

ただし心配なのはコロナの「第4波」。発熱外来がまた大忙しになったら、ワクチン接種への影響は必至です。
なので今のうちに自分の接種を済ませておき、「勇気百倍」で診療に臨みたいところなんですけどね。

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ウ〜マンボ〜
- 2021/04/08(Thu) -
マンボミュージシャンのパラダイス山元氏が、週刊誌の取材を受けたと、今朝のClubhouseで言ってました。
どうやら、「まん延防止等重点措置(通称「まん防」)」から発想した、こじつけ取材のようです。

この措置の名称からは誰もが、「マンボウ(魚)」を連想してしまいますよね、普通。
さらに、「どくとるマンボウ北杜夫」を思い出したり、「ウ〜マンボ〜」と叫びたくなったりするわけです。
しかしあからさまに面白がると不謹慎な雰囲気なので、メディアではあまりイジラないような印象ですね。
こういうのも一種の「言葉狩り」なんでしょうか。元々は「まん延防止等重点措置」って命名が悪いんですよ。

すでにコロナがまん延している都道府県に、まん延「防止」等重点措置を適用するのも、いかにも後付けです。
本当に防ぎたいのは、緊急事態宣言の発出でしょう。前回の宣言の解除を批判されたくはありませんからね。
なので名称は「緊急事態宣言発出防止等重点措置」にしてはどうですか。通称「緊防(きんぼう)」。

今日の新規感染者数は、関西、首都圏、沖縄が大爆発する中で、全国で熊本だけがゼロ。まったく驚きます。
こうなったらもう、今すぐにでも熊本を鎖国したくなる気分。
せっかく熊本にコストコができたというのに、医療従事者としては安易に行くことがはばかられます。悔しい。

ニュース映像を見ていると、関西圏や首都圏の街中の人出の多いこと多いこと。街の市民たちの声は、
「こんなに人が多いとは思いませんでした」あのね、あたなたちが街に出てくるからでしょうが。
「みんな、緩んでますね」こら、あんたが言うな。

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大阪府が「医療非常事態宣言」
- 2021/04/07(Wed) -
大阪府が「医療非常事態宣言」を発出しました。重症患者用病床のひっ迫度合いの高まり受けたものです。

大阪:緊急事態宣言解除(2/28)→666人(4/3)→「まん防」適用(4/5)→878人(4/7)→医療非常事態宣言
東京:緊急事態宣言解除(3/21)→555人(4/7)→「まん防」適用要請準備

吉村・大阪府知事が、緊急事態宣言を「前のめり解除」したせいで、感染が拡大したと批判されています。
横目に見ていた小池・東京都知事は、大阪のようになるまいと、早めに動き出そうとしているのでしょうか。

しかし、変異株が広がり、新手の強力な方策もない現状では、感染者数の急増は止められないでしょう。
不思議なことに熊本の感染者数はまだ少ないですが、人の移動が多い大型連休後にどうなるか、わかりません。

最初の「緊急事態宣言」が出されたのが、ちょうど1年前。その日の感染者数は、東京87人、大阪53人。
東京と大阪が逆転していますが、いまの感染者数は1年前のちょうど10倍です。
でも緊急事態宣言は出てない。しょうがないので大阪では独自に「医療非常事態」を宣言したというわけです。

ところで「非常事態」と「緊急事態」って、どう違うんでしょうね。以前から私を悩ませ続けている疑問です。
「非常」とまでは言えなくても「緊急」性が求められることはありそうなので、前者の方がより重大なのか?

今夜のNHK「ニュースウオッチ9」では、誤って「医療緊急事態宣言」というテロップを出していました。
プロでも間違えるんですから、両者に明確な違いは無いんでしょうね。(前に「禍」と「渦」も間違えたけど)

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昨年度の補助金がみな実績報告段階に入り、正直面倒くさい
- 2021/04/06(Tue) -
コロナ禍の外来に奮闘する一般の医療機関に対して、昨年度は4つの支援策が準備されました。

(1)新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業(慰労金)
すべての医療従事者に対する「慰労金」。コロナ診療の濃密さによって給付額が異なります。当院は1人5万円。
申請は簡単で、給付後の実績報告書の作成も容易でした。職員への振込を証明すればよいわけですから。

(2)新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(支援金)
感染拡大防止対策や診療体制確保等に要する昨年度1年間の費用を、都道府県が「支援」してくれるもの。
申請はかなり簡単。その1カ月半後に入金あり。実績報告書の締切は今月末です。そろそろ準備しなくちゃ。

(3)令和2年度新型インフルエンザ流行期における発熱外来診療体制確保支援補助金
発熱外来「枠」の確保に対する、所得補償的な補助金なので、診療が暇なほど給付額が大きいのが特徴。
ギリギリ3月末に振り込まれてました。なので敬意を表して、今月10日の締切を前に、本日実績報告書提出済。

(4)令和2年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金
昨年12月15日から今年3月末までの経費を補助するぞと、急に言ってきた補助金。大慌てで2月末に申請。
実績報告書の締切は今月10日ですが、いまだに入金なし。厚労省に聞いたら「遅れてますw」と低姿勢。

予算を投下して、次々に支援事業を打ち出してきたのはよいですが、申請受付と給付の処理が滞っています。
厚労省も大変なのは分かりますから、ゆっくりどうぞ。でも、実績報告書もゆっくり書かせてくださいね。

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コロナワクチンは高齢者への接種段階に入るそうですが・・・
- 2021/04/05(Mon) -
新型コロナワクチンは、医療従事者への接種に続いて、来週12日からは高齢者への優先接種が始まります。
ていうか、医療従事者のほとんどがまだ未接種なのですが、それはまあそれとしましょう。

熊本市には、今週と来週で合計3箱(1,462人分の2回分)の、ワクチンが届くことになっています。
それを踏まえて今月下旬から、高齢者と高齢者施設従事者宛に、接種券の発送が行われる予定だそうです。
わずか1,500人弱分のワクチンを、どの高齢者にどのような順番で接種するのか、これは悩ましい問題です。

少ない供給量では、誰も不満に感じない接種順などありません。ここは自治体の、工夫と割り切りが必要です。
にしても、医療従事者の方もチャッチャと進めてくださいね。おっとこちらの担当は熊本県でした。

ちょうど今日、ベルギーのファイザー工場からのワクチンが、成田に届きました。通算11回目の空輸です。
使用機材は、先週まではB787–9でしたが、今回はB777–300ERに大型化しています。
これにより、届いたワクチンは先週の1,206箱から今回は1,700箱に大幅増です。
蛇足ながらこのB777(JA797A)はいま、サンフランシスコに向かって飛行中(NH8便)。働いてますね。

厚労省は「コロナワクチンナビ」を開設し、今日から接種会場を検索する機能を追加したようです。
どれどれ、熊本市内の「一般受入可の会場」を検索してみると・・・ありゃ、当院が出てない!
あわてて確認。なぜか「コロナワクチンナビ非公開」に設定してました。すぐに設定変更。再び確認。おけ。

なお、現在予約受付中の会場など、熊本にはひとつもありません。
ワクチンはいつ届くのか、どのタイミングで予約受付を開始したらよいのか、私にはまったくわかりません。

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二重マスクだからと油断しないこと
- 2021/04/04(Sun) -
「二重マスク」の人が増えていますね。
2カ月前頃からでしょうか、日本だけでなく、アメリカのニュース映像を見ても、多くの方が二重です。
以前、マスクはファッションじゃない、などと河野大臣の二重マスクを批判的に書きましたが、訂正します。

基本性能に優れる不織布マスクと、オシャレな布マスク。二重マスクはいいとこ取りができますからね。

となるともちろん、内側が不織布で、外側が布になるように着けなければなりません。
もしもその反対に装着すると、隙間はあくし、見た目も不格好で、二重マスクのメリットがゼロです。

二重にすれば、二枚のマスクを貫いて正面に抜ける呼気の抵抗が増します。
その分、マスクの上下左右の隙間から逃げ出る呼気が増えやすくなります。だからフィットは重要です。
逆に、内側の不織布マスクが完璧に装着してあれば、感染防御の観点からは、一重でも十分とも言えます。

そう言いながら実は、最近私は診療中に、不織布のサージカルマスクを二重に着けています。
外側のマスクを、内側のマスクよりも数ミリ頭側にずらして着け、鼻の脇の隙間を完璧に塞ぐ魂胆です。

そのような二重マスクに加えて、発熱者等の診察では必ずゴーグルかフェイスシールドも着けています。
コロナの疑いが少しでもあれば、これにガウンと手袋と、場合によってはキャップも加わります。

そんなに物々しく防護を重ねていますが、私がいちんばん注意しているのは、最初の内側のマスクの装着です。
感染防護具として重要なのは、内側の不織布マスクが隙間なく装着されているかどうか、それに尽きます。
二重に着けていることで油断して、顔へのフィットをおろそかにすることは絶対避けなければなりません。

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地理も歴史も、なぜか大人になってから好きになります
- 2021/04/03(Sat) -
高校の「地理A」と「地理B」が統合されて「地理総合」が新設され、地理が必履修科目に返り咲きます。

A+Bだけど「地理AB」じゃない。じゃあ単なる「地理」でいいのに「地理総合」とはコレいかに。
と思ったのですが、「地理総合」で学んだ後に、さらに深い学習を行う「地理探求」も設置されるようですね。
同様に歴史は、必履修科目「歴史総合」に加えて、「日本史探究」と「世界史探究」が設置されます。
さすがに地理は、「日本地理探求」と「世界地理探求」に分けられなかったようですね。それは良かった。

私は地理も日本史も世界史も履修しましたが、地理がいちばん手こずった思い出があります。
時間の流れという縦軸が存在する「歴史」とは異なり、軸もなく果てしなく広がる「地理」は苦手でした。

実生活では、初めての土地に旅行するときに、国内でも海外でも、旅先の地理や歴史を少し予習しますよね。

まずは場所。隣接地域との位置関係。そこに至る交通手段。そして地形や自然などのブラタモリ的アプローチ。
それらの、地理的予習に次いで歴史、さらに産業や文化・娯楽までおさらいしてから、旅行に出発します。
で、家に帰ったらこんどは写真と動画の整理。こまめな方ならデジタルアルバムまで作ったりするでしょう。

考えてみると旅行って、地理と歴史の予習と実践と復習なんですね。だから記憶には強く定着する。
一方で学校の授業は、実戦を伴わないからイメージしにくいし定着しにくい。それでも無理くり暗記する。

歴史文学やドラマや紀行番組が、勉強の助けになるんでしょうけど、私は高校時代にはあまり見ませんでした。
受験が終わって大人になってから、俄然、地理や歴史が好きになったのは、まったく皮肉な話です。

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「まん延防止等重点措置」適用決定
- 2021/04/02(Fri) -
熊本市医師会PCRセンターに、2カ月ぶりに出動してきました。昨年8月以来、5回目のご奉公です。

PCRセンターの外来受入検査枠は、感染拡大に伴って当初の1日20人から徐々に増え、今では50人まで可能。
ですがおそらく、1月をピークに減っています。2月に私が出動したときは30人台、今日はわずかに7人でした。

とは言え、全国の感染確認数は明らかに増えており、第4波に向かっています。熊本でも怪しい雲行きです。
来週5日からの1か月間、大阪府、兵庫県、宮城県に対して「まん延防止等重点措置」の適用が決まりました。
この3府県で済むはずもなく、やがて東京都を含む各地で適用されることになるんでしょうね。

首相「緊急事態宣言に至ることを防ぐための、そしてまた感染拡大を防ぐための措置であります」
記者「今回の措置で十分な効果が得られなかった場合、再び緊急事態宣言を出すことは検討されるのですか」
首相「ですから、緊急事態宣言に行かないような、また感染拡大防止につながるような、対応策であります」

「まん防」決定に際して記者会見(質疑応答)が行われましたが、首相に真摯な返答を期待するだけムダです。

緊急事態宣言に至ることを防ぐための措置なのだから、緊急事態宣言に至ることは議論も想定もしません。
いまから取りかかろうかという施策が失敗する可能性など、間違っても口にしない、「言霊」の国なのです。

悪い展開は想定せず、物事は常に良い方向に進む前提です。結果的にうまくいかなかったら、想定外なのです。
「後手後手」だと叩かれてきた昨年来のコロナ対策は、残念ながら未だに「先手先手」とは言いがたいですね。

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県内初の「コストコ」オープン
- 2021/04/01(Thu) -
エイプリルフールネタを書いてやろうと思ったのですが、ダメですね。アイデアが出ません。
人をコロッと騙すような気の利いたウソが書けません。ふざけた架空話なら得意なんですけどね。

熊本では初の「コストコ」が、今日オープンしました。「コストコ熊本御船倉庫店」です。
朝早くから開店を待つ行列ができていたので、店側も予定を早めて朝6時にオープンしたと報じられました。
この報道が、エイプリルフールなのかどうなのか。現場を直接見ていない私に、真偽のほどはわかりません。

開店当初の4日間は、名字のアルファベットによる入場制限があるそうですね。今日はA〜M、明日はN〜Z。
ならば「近見」さんなら、今日はヘボン式(CHIKAMI)、明日は訓令式(TIKAMI)で、両方いけますね。
という訳にはいきません。会員カードの裏には、名前がローマ字で記載されていますから。

いずれにせよ私は、そんな人混みの店舗内に入ろうとは思いません。ほとぼりが冷めるのを待ちます。
コストコの所在地の御船という場所からは、つい新型コロナの変異株を連想してしまいます。
そんなことは直接関係のない先入観に過ぎませんが、ともかく、開店セールの賑わい(=3密)は避けたい。

でもいつか時期が来たら、昼休みにBBQ用の食材とかを買い出しに行ったりできますね。
なにしろ、クリニック近所の熊本ICからコストコ横の御船ICまで、標準所要時間はわずか8分ですから。
確認のため、先日自分で走行してみたら6分で着きましたが、これは追い風参考記録なので問題ありません。

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