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胃腸検査の前日に絶食すると前処置が楽です
- 2021/11/30(Tue) -
人間ドックに行ってきました。
ちょうど半年前にPET/CT検査をしたので、今回はその「裏」ドックです。

全大腸CT検査を行うため、前日に食べるための低残渣食が3食分届いていましたが、昨日は絶食しました。
「いい肉の日」だというのに、皮肉にも絶食です。朝からコンソメスープや牛乳などを飲んだだけです。
さらに一昨日の食事も、夕方低残渣食を食べただけです。
つまり過去2日間、ほとんどまともに食べずに、今日の検査に臨んだわけです。

おかげで、大腸検査の前処置完了は私が一番乗りでした。ていうかそもそも今日は、最初から残渣なしでした。

さて今回も、済生会病院に7時45分までに着くためには自宅を何時に出れば良いのか、それで悩みました。
前回までの試行錯誤の記録も記憶もないので、今日もまた、念のため早めに出発しなければなりませんでした。
学習してませんね。
案の定、6時半に自宅を出たら、済生会には7時10分に着いてしまいました。早すぎです。
そんなわけなので今回こそは、この情報を当ブログに記載しておきます。次回のために自戒を込めて。

諸検査の結果、重大な病変は何も見つかりませんでしたが、前回よりもまた少し、背が低くなっていました。
身長が毎回確実に縮んでいます。脊柱のあちこちが圧縮され、ついでに頭頂部も薄くなっているのでしょう。

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大人も子どもも、胃腸炎がやたら多い
- 2021/11/29(Mon) -
ひところは手足口病が多かったのですが、最近は胃腸炎が増えています。
下痢は軽く嘔吐が主体で、それも1日ぐらいで改善する例が多く、風邪症状を伴っている方も目立ちます。
保育園などで流行していて、それが家庭に持ち込まれて大人にまで広まるケースが多い印象です。

熊本市の「感染症発生動向速報・疾患別グラフ」を久々に見てみると、今年はかなり特徴的で驚きました。

まずインフルエンザは、今年1月からずっと、報告数がゼロです。あり得ないほどゼロの連続です。
地球上のインフルウイルスが増殖する機会を逸して、なんなら絶滅しつつあるんじゃなかろうかと思えるほど。

驚いたことに、乳幼児の感染性胃腸炎のボス格とも言えるロタウイルス感染も、ほとんど発生していません。
いま流行している胃腸炎は、たぶん風邪のウイルスによる胃腸炎症状ということなのでしょう。

さらに、リンゴ病、おたふくかぜ、クラミジア肺炎、マイコプラズマ肺炎なども、今年は激減しています。
このような変化も全部、新型コロナウイルス感染対策の「副産物」なのでしょうか。

一方で、突発性発疹やプール熱はほぼ例年通りで、手足口病やRSウイルス感染は例年以上に大流行しました。
マスクや手洗いが徹底しにくい乳幼児がメインの感染症だからでしょうか。

ならば、新型コロナが乳幼児の間に広まりやすいように変異すると、これはもう一大事ということになります。
ワクチンはもちろんですが、インフルに使うタミフルのような、子どもでも使える特効薬が早く欲しいですね。

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「尾身苦労」なんて言ってる場合じゃないかも
- 2021/11/28(Sun) -
南アフリカで確認され、欧州に広がりつつある新型コロナ変異ウイルス「オミクロン株」が不気味ですね。
感染力が強く、ブレイクスルー感染が多いというのも気になります。

今後、デルタ株はどんどんオミクロン株に置き換えられていくのでしょう。喜ぶのはデルタ航空だけです。

「ゲームチェンジャー」だと期待してきたワクチンが、もしかすると役に立たなくなるかもしれません。
今度はオミクロン株の方が、新たな(悪い方向への)ゲームチェンジャーになるんでしょうか。
日本の奇跡が、絶妙なタイミングで一気に接種が進んだワクチンのおかげだとしたら、その威光も消えます。

ギリシャ文字のアルファベット順に命名していた変異株名を、WHOは2つ飛ばして「オミクロン」としました。
以前私が「予言」していた「クサイ」が、なぜ飛ばされたのか。何か臭いますね。ネットもその話で持ちきり。

WHOは、「クサイ」の英語表記「xi」が人名に使われるので、ガイドラインに基づいて避けたとしています。
でもはっきり言えば、習○平の「習 (xi) 」と同じ表記なので、WHOが中国に配慮したということですよね。

ちなみに「クサイ」の日本語表記は「臭」です。ふざけて「臭○平」なんて書いたら、絶対怒られます。

(おことわり)本日のブログが中国共産党のネット検閲組織に見つかったら困るので、一部伏せ字にしました。

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複数のワクチンを同時に取り扱え、しかし取り違えるな
- 2021/11/27(Sat) -
新型コロナワクチンに限らず、似たような物を同時に使うとき、そこには必ず取り違えのリスクが発生します。

これまでファイザーとモデルナを同じ医療機関が同時には取り扱わないとしてきた原則は、そのためです。
なのに「追加接種 (=3回目の接種) 」では両方接種しろという国のご都合主義については、先日も書いた通り。

そこへ加えて、小児用(5〜11歳)ファイザー社ワクチンの接種も、来年2月から始まります。
同じファイザーなのに、バイアル原液の中身も、希釈法も、接種量も、12歳以上用とはまったく異なります。
またモデルナの場合、追加接種では接種量が1,2回目とは異なります(ファイザーは同量)。

ともかく来年は、種類や希釈法や接種量が異なる複数のワクチンの接種を、並行して行うことになるわけです。

過誤を防ぐためには、「それが起こり得ないシステムにする」というのが最も有効・確実な手段です。
次善の策としては、「取り違えが起きにくい運用を工夫する」ということになります。
いちばんダメなのが、「よく注意しましょう」という精神論です。

残念ながら今後の新型コロナワクチンは、「混同しないように注意して運用する」という体制で行われます。
具体的な工夫として厚労省が示しているのは、
・ワクチン毎に接種日時や接種を行う場所を明確に分けること
・同一の冷蔵庫内において保管する場合には、容器・管理を明確に分けること
・複数人での確認を徹底するとともに、接種関連器具・物品を区別し、責任者・担当者を置くこと

当院で最大限に運用を工夫するとすれば、曜日や午前・午後等で接種ワクチンを変えることでしょうか。
薬品用保冷庫なんて、ひとつしかありませんよ。ワクチン管理はなかなか厳しくなるでしょうね。
さらに、1バイアルで接種する人数は、ファイザー12歳以上用6人、同11歳以下用10人、モデルナ15人です。
接種対象者を、それぞれ6、10、15人の倍数になるように予約数を管理するなんて、できるんだろうか。

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年賀欠礼状を準備する
- 2021/11/26(Fri) -
毎年この時期に受け取る「喪中はがき」ですが、今年は自分が準備することになり、本日投函しました。

すでに今日までに、何通かの欠礼状が届いています。
その文面で多いのは、「喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます」ですね。
私はその「ご遠慮」に違和感があって、「喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます」としました。

年賀状の宛名書きソフト「宛名職人」を立ち上げ、過去3年間に賀状のやりとりのあった方々を抽出しました。
当院の職員や親戚など、もはや欠礼状を出す必要のない人たちを除外して、送付対象者を絞り込みました。
さらに、すでに私が欠礼状を受け取った方々へも、こちらからも出す必要性がないので、除外しました。

あっという間に印刷が終わると、何も「添え書き」をせず、そのまま束ねて北郵便局に行って投函しました。
年賀状には何かひと言書き添えるのがマナーだと思っていますが、欠礼状では失礼させていただきました。

例年の年賀状の準備と比べると、ほとんど労力やストレスがなく所要時間もわずかで、ホントに楽でした。
ていうか、毎年の私のストレスは、この「添え書き」書きだったんですね。たいした内容でもないのに。

手書きで書き添えるからこそ意味があるのだとは思いながらも、本来は内容の方が大事かもしれません。
来年は思い切って、近況報告をあらかじめ印刷しておき、添え書きをしないスタイルにしようかな。

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「ファイザーとモデルナの両方を接種しろ」というお達しあり
- 2021/11/25(Thu) -
新型コロナワクチンの「追加接種(=3回目の接種)」についての厚労省の方針は、こうです。
・1回目・2回目に用いたワクチンの種類にかかわらず、ファイザーまたはモデルナを用いることが適当
・来年2月以降の接種に使用するワクチンについては、ファイザーとモデルナを用いて配分していく

これを受けて熊本市から今日、「追加接種にどのワクチンを使用しますか」という意向調査が来ました。
(1)ファイザーとモデルナのどちらも接種する
(2)これまで通りファイザーのみ接種する
(3)モデルナのみ接種する

そりゃ当然、これまで使ってきたファイザーだけを接種したいですよ。面倒と間違いを防ぐためにも。
ところが熊本市(感染症対策課)は、次のようにたたみかけてきます。
・可能な限りファイザーとモデルナの両方を接種していただきたい
・2月以降の追加接種に必要なワクチンは、国から示されているファイザー社ワクチンの量では賄えない
・ファイザー社ワクチンのみを希望する医療機関様には、希望量を配分できない可能性が高いと想定される

これはつまり、「選択肢(2)を選んだらワクチンの供給がどうなるか知らんよ」という脅しにもとれます。
それなら、「ファイザーを十分量確保できないので3回目はモデルナでよろしく」と言えばいいのにね。

そんなわけで2月以降、2種類の新型コロナワクチンを扱うことになれば、かなり神経を使いそうです。
でも、モデルナは15の倍数の人数を1日で接種しなければならず、当院では厳しいと思うんですけどね。

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発「熱」外来だというのに、ひどく寒いです
- 2021/11/24(Wed) -
急に寒くなりました。まだ11月なのに。この先が思いやられます。
血圧が上がってきた患者さんが多く、降圧剤の種類や用量を増やすなどの「冬モード」に突入しています。

新型コロナ感染者は激減していますが、発熱外来は続けているので、駐車場での診療も行っています。
その駐車場がとっても寒くて、問診や簡単な診察や検査をしているうちに、体が凍っていくのがわかります。

去年も同じような事をしていましたが、当時はユニクロの「ヒートテック」を上下、着用していました。
その上に白衣を着て、その上に予防衣を着て、マスク2重でフェイスシールドも装着していました。

ところがいま、急に寒くなってきたものだからヒートテックが間に合わず、とても寒い思いをしているのです。
いちおう「ミートテック」は着込んでますが、これって皮膚より下にあるので、肌寒さには無効なんですね。

今後第6波が来るとすれば、1月か2月。極寒の発熱外来がまた来るのでしょうか。
そんな中で新型コロナワクチンの3回目の接種が行われ、11歳以下の小児への接種も始まるかもしれません。
その上でさらに、インフルエンザが流行したらどうなるんだろうと、つい修羅場を想定してしまいます。

となると、今のうちにできることは、とりあえずインフルエンザワクチンの接種でしょう。
不足気味のワクチンも、今日新たに少し入荷できたので、それに合わせてネット予約枠を拡大しました。
来月もワクチン不足が続く気配です。まだ考え中だった方、いまが予約のチャンスですよ。

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悪いクチコミを無視するのはもったいない
- 2021/11/23(Tue) -
「悪意あるクチクミ消します」のようなメールやFAXが、聞いたこともないような業者から最近よく届きます。
たしかに消したくなるような投稿を目にしたことはありますが、業者に消してもらおうとは思いません。
無視も放置もできないクチコミなら、自分で対処するのがスジでしょうから。

悪いクチコミを気にしてもしょうがないから最初から読まないようにしてる、という方もいるでしょう。
しかし私は、「火のない所に煙は立たぬ」的な意味で、興味を持ってその投稿を読みます。

誤解・曲解による自己中心的な意見もありますが、痛いトコ突かれたと思うことも、たまにあります。
いちど、かなりひどいクチコミに対して、このまま放置したのではマズいと思い、返信を書きました。

ご不快な思いをさせてしまったことを真摯に詫び、誤解を招いた経緯や私の考え方など具体的に説明しました。
今後同じことを繰り返さぬように職員と話し合い、さっそく様々な点を改善していることも述べました。

しばらくして気が付くと、件のクチコミは消えていました。投稿者が削除されたのでしょうか。
私の対応が正攻法であったと確信しました。誠実が第一。それに、クリニックの運営のためにもなりました。

また別の、私には一切の落ち度の無い、お門違いなクチコミも頂戴したことがあります。
単に言いがかりなので、反応せず静観していたら、やがて消えました。これはこれで、良かったと思います。
いずれにしても、妙な「クチコミ削除業者」の出る幕は無いわけです。

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最愛の車に乗り換える時が来たかも
- 2021/11/22(Mon) -
高齢者ドライバーが起こした悲惨な事故のニュースを見て、憤るだけでよいのかと、自問自答しています。
体力も反射神経も認知機能も、どんどん衰えていくのは自分も同じ。他人事ではないのです。
そうなったら早々に免許を返納すべきだ、と言って済む問題ではありません。

そんな思いで、「安全運転寿命を延ばすレッスン」(松田秀士著)を読みました。
著者は私よりも6歳年上の、プロレーシングドライバー兼カージャーナリスト兼浄土真宗本願寺派の僧侶です。

書いてあることは、概ね当たり前の内容なのですが、なるほどと思ったフレーズを挙げると、
「速さではなく上手さを競う楽しさ」→正確な運転に徹する
「自分自身の運転を俯瞰して見る」→運転の善悪を素直に見つめ直す

視力や体力の鍛錬法や、予知運転や最新技術についても詳しく書かれていますが、私が惹かれたのは、
「どうせなら人生最後の愛車ともっと『仲良く』付き合ってみよう」という提案です。

50歳の時に私は、それまでのセダンからクーペに乗り換えました。
60歳になるまで乗ろうという思いで、ナンバーを「50-60」にしました。
ですが諸事情あって55歳の時にまた、セダンに戻りました。いま乗ってる愛車です。不満はありません。

不満はないのですが、その落ち着いた車のままで良いのだろうかと、最近思い始めたのです。
運転能力(体力も反射神経も認知機能も)のあるうちに、「乗りたい車」「最愛の車」に乗りたいと。
というわけで、またクーペ熱が再燃してきたのです。しかもどうせなら電気自動車(EV)ですよね。

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予防接種のオーバーブッキングは、無事解決
- 2021/11/21(Sun) -
昨日は羽田空港の「オーバーブッキング」の話を書きましたが、これは航空便だけの問題ではありません。
実はインフルエンザワクチンの予約状況がまさに、オーバーブッキングになるかどうかの瀬戸際なのです。

ワクチンをムダにしないために、先に予約を取ってからワクチンを発注しろと、厚労省が無理難題を言います。
しかしこれでは、予約を取った分のワクチンを入手できなかったらどうするの、ってことになります。
なので前にも書いたように、薬品卸とはある程度の口約束をして、ワクチン入荷量のメドを立てておきます。
そしてその見込み数の範囲で、ネット予約の枠などを設定して、予約を受け付けていくわけです。

ところが今シーズンは、入荷見込が当初予定よりも減ってしまいました。
今年のワクチン供給量自体が昨年よりも減っただけでなく、供給ペースが予定よりも遅いのです。
その後ろ倒しになった供給予測から、11月下旬はオーバーブッキングになりそうなことが判明しました。

とその時、「ローデッドシリンジ」の話を耳にしたのです。なかでもテルモの「FNシリンジ 27G」は最強。
これは新型コロナワクチン用として、針を16mmにして筋注用に改良したものが話題になったシリンジです。
針の短い従来品でも、皮下注には使えます。いまやインフルワクチン不足を解決する救世主です。
ていうか、以前からこのシリンジを使ってきた医療機関もあるでしょう。私は不覚にも今月使い始めました。

ワクチン接種量と使用バイアル数から計算してみると、10月は1バイアル平均2.14人の接種ペースでした。
ところが11月に入ってFNシリンジに変えてからは、1バイアルで平均2.45人も接種できているのです。
この節約効果は素晴らしい。おかげで、ヒヤヒヤしていたオーバーブッキング(予測)もすっかり解決です。
シリンジ代はちょっと高いですが、ワクチン代が節約できるのでお釣りが来ます。

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人々が動き始めました
- 2021/11/20(Sat) -
世の中、あちこちが混み合ってきているようですね。国内移動も活発化しています。
私などはすぐ、空の便はどんな具合だろうと、思ってしまいます。空(から)の便(べん)じゃないです。

Facebookなどで見てみると、今日の羽田空港も激混みのようですね。朝の6時ごろから、随所に長蛇の列。
保安検査場通過は出発時刻の20分前まで、というのが通常の規定ですが、今日は40分前との案内だったよう。

ご存じのように羽田の第2ターミナル(国内線)には、A〜Dの4つの保安検査場があります。
そのほかに、PREMIUM CHECK-INが2カ所、SUITE CHECK-INが1カ所あります。
最上級ステータス専用のSUITE CHECK-INが、皮肉にもいまいちばん混み合っているようですね。笑えます。

これら7カ所の検査場のうちA・B検査場にだけ、最先端の「スマートレーン」が導入されています。
スマートレーンでは、手荷物のカバンから、パソコンやペットボトルなどを取り出す必要がありません。
特大のトレイに、カバンと上着を全部いっぺんに乗せればOK。なので行列が最も短い検査場です。

昨日今日は、遅延やオーバーブッキングもひどかったようですね。とくに羽田–伊丹便は、軒並みオーバー。
最終的には満席にはならないだろうと予約を詰め込んだら、キャンセルが少なくてオーバーになるわけです。

利用客がコロナ禍前の混み具合に戻るペースが、航空会社の予想を上回っていたということでしょうか。

オーバーブッキングが出た時は、搭乗口の前に「ご搭乗便変更のご協力について」という掲示が出ます。
その下の方に、後続便などへの振替に協力すれば1万円か7500マイルあげるよ、的なことが書いてあります。
なかには、この協力金(マイル)目当てに、オーバーブッキングしそうな便を予約する強者もいるとか。

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3回目のワクチンの選択は自由、というけれど
- 2021/11/19(Fri) -
「新型コロナワクチンの3回目は、2回目までとは異なるワクチンを打っても良い」ということになりました。

これを聞いて、いや〜な予感がしてる医療機関は多いと思います。少なくとも私はそう。
だってそうでしょう。モデルナはファイザーよりも概して発熱などの副反応が強いことは周知の事実です。
とりわけ若い男性では、心筋炎・心膜炎の恐れを考慮してモデルナ→ファイザーの変更OKとされてきました。
当院への問い合わせでも、ファイザー打ってもらえるんですね、と電話で念を押す方が何人もいました。

そんな状況なのに、3回目の接種でわざわざ、ファイザー→モデルナに変えたい人なんているんでしょうか。
むしろ今回の方針変更によって、モデルナ→ファイザーの変更を加速するような気がしてなりません。
結果的に、ファイザーが足りなくなって、仕方なく3回目だけモデルナを打つような人が出てきそうです。

というよりも、ファイザー→モデルナの変更を可能にするための方針変更としか思えません。
おそらく、3回目用のファイザーが足りないのでしょう。それをごまかすための稚拙な施策なのです、きっと。

「自分の打ちたい方を予約の段階で選択してほしい」なんて堀内担当相は言ってますけど、とんだ詭弁です。
自分の打ちたい方がすんなり予約できるとは思えません。そしてそのしわ寄せは結局、医療機関に来るのです。
その結果、これまでファイザーしか打って来なかった医療機関が、モデルナも扱う必要が出てくるのです。

「1つの医療機関で複数のワクチンを取り扱うことを可能にする」というのは、ホントに重大な方針変更です。
保存法も調整法も接種量も異なるので、間違いを避けるため、両方を同時に扱わないようにしてきたからです。
許してもらえるなら、当院ではモデルナは扱いたくありませんね。ワクチン取り違えの元ですから。

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気が動転、が大事故の始まり
- 2021/11/18(Thu) -
大阪で高齢ドライバーが起こした事故は、クリープ現象で車が動いたことに動転したのが原因だったようです。

マニュアル車では、停車中にはギアをニュートラルに入れていましたが、オートマ車でそんなことはしません。
ブレーキペダルを踏むだけです。ペダルから足を離せば、アイドリングによって車がゆっくり動き出します。
これが「クリーピング」とか「クリープ現象」といわれるものです。コーヒーとは無関係です。

以前私が被害に遭った事故も、クリーピングによって動き出した後続車が私の車に追突したものでした。
信号待ち中に車内で何かよそ事をやってるうちに、ブレーキペダルに乗せた右足が離れてしまったのでしょう。
もしもそのドライバーが、慌ててブレーキを踏もうとしてアクセルペダルを踏んでしまったら・・・

事故につながるかどうかの分かれ目は、慌てたときに適切な対処ができるほどの反射神経があるかどうかです。
そして解決策は、急にアクセルを踏むような異常な状況では車が反応しないような、安全システムでしょう。

突然のアクセル全開が、意図したものか誤操作か、いまどきの車はそのぐらい判断できなきゃダメです。

でもときには、いきなり急加速・急発進を楽しみたいという方もいるでしょう。それはわからないでもない。
そういう場合のためには、安全システム一時解除スイッチがあればよいのです。
一度急加速したら、その解除スイッチはリセットされ、再び安全システムが稼働する、それでいいでしょう。

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医療従事者への新型コロナワクチン追加接種の問題
- 2021/11/17(Wed) -
新型コロナワクチンの3回目の接種について、厚労省は今日、2回目から原則8か月以上あけるよう求めました。

厚労省の分科会は一昨日、「自治体の判断で6か月以上の間隔での接種」が可能だと示したばかりでした。
ところが昨日になって、「6か月はクラスターの発生など特殊な状況の場合」だと条件を厳しくしました。

この方針が感染症学的に適切なのかどうかはともかく、これで自治体は混乱を免れることでしょう。

熊本市は各医療機関に対し、12月および1月に3回目の接種を受ける医療従事者の人数の調査を行っています。
また、その対象者へは自院で接種するのか、他院で接種するのか、その意向調査も行われました。

当院のスタッフのうち、今年5月に接種を受けた者は7名。これらが来年1月に接種する対象となります。
ただし、5月中に接種した者が全員、8カ月後の1月にできるというわけではありません。
ファイザーのワクチンは6人単位の接種なので、対象者7人のうち6人しか、1月中には接種できません。

その6人への接種を自院内で行うとなると、つまり、6人全員が同じ日に接種をすることになります。

コロナワクチンは、熱などの副反応を考慮して、2回目までは日時をずらしてスタッフへ接種してきました。
何人ものスタッフが同時に、高熱を出したり体調不良になっては困るからです。
ところが3回目の接種は、6人まとめて打たなければならず、皆が同時に副反応を起こす危険があります。
リスク回避のためには、あらかじめ接種後2日間程度の臨時休診日を設定しておく必要があるかもしれません。

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命名のセンスが無いから取り違える
- 2021/11/16(Tue) -
医薬品「カナリア配合錠」と「カナグル錠」の取り違えが起きたという、注意喚起のメールが届きました。

よくある案件とは異なる点は、両者がいずれも糖尿病の治療薬、しかも成分が半分同じだということです。
じゃあ、たとえ取り違えても、薬の作用が強まるか弱まるかの違いだけか、と考えるのは早計です。
副作用が原因で薬を変更した患者へ、取り違えによってまた同じ成分を含む薬を処方した事例だったからです。

「カナリア配合錠」は、「テネリア錠」と「カナグル錠」の成分を配合した「配合錠」です。
「テネリア」と「カナグル」から2文字ずつとって結合して「カナリア」というわけです。

このような命名法によって、配合錠として認知されやすくしたつもりでしょうけど、センスがないですね。
たしかに「カナリア」自体は覚えやすいですが、配合した元の薬の名称の存在感が希薄なのが問題なのです。

「テネリア」の個性は「テネ」にあるし、「カナグル」の特徴は「グル」ですよ。
なので、両者の存在感を残しつつ結合するなら「テネグル」しかないでしょう。

配合錠でいうなら、以前書いた「ミカルディス」+「アムロジン」→「ミカムロ」、は良い命名例ですね。
センスの良い命名は、覚えやすいだけでなく配合内容がよく分かるし個性的なので、取り違えも防げます。
前から言ってますけど、医薬品に命名する前にひとこと私に相談してくれたら、きっと良い名前を考えるのに。

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「メタバース」を考え過ぎてみる
- 2021/11/15(Mon) -
メタボのおっさんたちのチーム名じゃありませんよ、「メタバース」。
Facebookが社名を「Meta」に変えたことで、急にメディアを賑わし始めましたね、この言葉。

メタバースとは、自分のアバターを操作して他者と交流する、インターネット上の仮想世界のこと。
ちょっとRPGっぽいイメージが私にはあって、大企業がどんどん参入している意味がまだわかりません。

「Metaverse」は、「meta」(超越)と「universe」(宇宙)を合わせた造語だと。じゃあ「meta」って何。

「メタ」と聞けば、「オルト(オルソ)・メタ・パラ」を連想しますよね、化学のお勉強をした方なら。
ベンゼン環の2つの置換基の位置関係(離れ具合)による呼び名です。と書きながらひどく懐かしい。

例えるなら、お隣さんが「オルト」で、お向かいさんが「パラ」、はす向かいが「メタ」ですね。
オルトは「正規」、パラは「反対」を表し、メタは「間・変化」を表すと、辞書には書いてあります。

メタは言うなれば「あさっての方向」に当たり、「超越」という意味につながったことも納得できます。
なのでメタバースは、別次元のようなパラレルワールドのような、しかし現実とリンクした空間なのでしょう。

今すぐに私の仕事に役立つものではなさそうですが、興味はあります。と同時に、危惧することもあります。
メタバースの居心地が良すぎて、現実の人間はただ、生命を維持するだけの存在になったりしませんかね。
もはや現実生命の意義すら不要視するような未来にはなりませんかね。メタバースだけでいいじゃん、なんて。
そして最後には、メタバースのシステム自体が利用者をコントロールする『マトリックス』みたいになる。

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EVシフトの障壁〜自宅編〜
- 2021/11/14(Sun) -
NHKスペシャル「EVシフトの衝撃~岐路に立つ自動車大国・日本~」を見ました。

やや冗長な部分もありましたが、私が懸念していることが取り上げられていました。日本は出遅れていると。
ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)という中途半端はもう、世界では通用しないのです。

その意味で、純粋な電気自動車(EV)を最近は、「BEV(Battery Electric Vehicle)」と表記したりします。
これが原理的には最終形なので、課題はバッテリーの性能だったり、充電インフラということになります。

私が次に買う車をBEVにするとすれば、それは環境問題を考慮した理由ではなく、単純に性能です。

テスラの「プラッド」は、0–96km/h加速は1.99秒というバケモノです。数字を見ただけで興奮します。
私が先日試乗したのは、実は0–100km/hが3.3秒の車でしたが、それでも頸椎をやられそうな加速でした。
イーロン・マスクCEOがアピールするまでもなく、EVの動力性能は、最終的にはガソリン車に勝るでしょう。
ただ、パワーを与えすぎると制動など他の機能が付いてこれないので、ほどほどに抑えているだけなのです。

とは言え、実際にBEVを所有するとなると、自宅に充電設備を設置しなければなりません。
わが家の場合、ガレージ全体を作り直すとか、外構を大幅にリフォームすることになるかもしれません。
図に描いてみると、ガレージの位置やサイズと現有の生垣や塀との兼ね合いが、なかなか難しいのです。
ひとくちにEV導入と言っても、乗り越えるべき障壁は山ほどあります。もちろん資金面も。

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新型コロナワクチン1,2回目の接種終了
- 2021/11/13(Sat) -
当院での、新型コロナワクチンの1,2回目の接種は、本日で終了しました。
配給を受けていたファイザーのワクチンは、本日最後の1バイアルまで使い切りました。
キャンセルの影響等でワクチン液は少量残りましたが、廃棄しました。自分にこっそり接種、していませんよ。

大多数の医療機関とは異なり、当院は市の予約システムを利用せず、独自の予約受付で接種を行いました。
その理由は、日頃のかかりつけの方に必ず当院で接種できるようにするためです。

市のシステムを利用しても、独自の予約枠を別に設けることは可能です。
しかし、かかりつけの方全員の接種枠を作ったら、他に一般予約を受け付ける余地がないことに気付きました。
なので市のシステムから離脱し、独自に予約を取り、市からワクチンの配給を受け、接種をしてきたのです。

5月19日から開始した一般向け接種は、約半年の間に、当院で603人の方への接種を行いました。
6の倍数ではないのは、ドタキャン等さまざまな要因によるものです。
2回目の接種をしたのは597人。1回目のあとでアレルギー反応等が強かった方には、2回目を行っていません。

さて次は、3回目の接種(=「追加接種」)が始まります。
2回目の接種後、おおむね8カ月を経過した方が対象なので、実質的にはまず、医療従事者から始まります。

しばらくはインフルワクチンに注力したいので、当院ではコロナは原則1月以降に接種を始める予定です。
当院で1,2回目の接種を行った一般の方には、当院で責任を持って3回目の接種をしたいと考えています。
おそらくそれは2月からですが、その頃にインフル大流行やコロナ第6波が来ていないことを祈るばかりです。

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HPVワクチンの「積極的勧奨の再開を妨げる要素」はありません
- 2021/11/12(Fri) -
「大きな方向性として、積極的勧奨の再開を妨げる要素はない」
HPVワクチンについてのこれまでの検討を踏まえて、厚労省の審議会は今日、このように言い始めました。

「積極的勧奨の再開を妨げる要素」が消失したわけでもなく、元々そんなものは無かったのです。

しいて言うなら、たとえ副反応があっても必要なワクチンは打つべきだと、厚労省も考え直したのでしょう。
強い副反応がある新型コロナワクチンの接種を推進してきた経験から、少し強気になったのかもしれません。

今後はHPVワクチンの接種を推進しようということになり、以下のポイントが挙げられました。
(1)有効性に関する新たなエビデンスが確認され、安全性についての特段の懸念は認められない
(2)接種後に生じた症状に苦しんでいる方に寄り添った支援策を今後も進めていく
(3)HPVワクチンに関する情報提供を充実していく

こうした中でついに厚労省は、「積極的な勧奨を差し控えている状態を終了させる」ことになりました。
口が裂けても、これまでの差し控えは誤りだったとか、もっと早く再開すればよかった、とは言いません。
これは極めて妥当・適時な判断なのである、と屁理屈を通す窮屈な人種なのです、官僚とは。

ああもうわかりましたから、やるなら徹底的に、これまで接種機会を失った人たちへの救済もお願いしますよ。
反ワクチンの意見も無視はできませんが、情に棹さして流されっぱなしではダメです。予防接種は科学です。

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通信エラーが目立ってきたら、Macも入れ替えの時期?
- 2021/11/11(Thu) -
毎日使っているAirPods Proの左側だけが、今日の夕方から突然、聞こえなくなってしまいました。
買って13日目なので、重大な初期不良にしては故障発現が遅すぎます。これまでの取り扱いも問題ないはず。

ならばたぶん、すぐに修復できるエラーでしょう。ということで、私が実際に試みた原因検索と対処法を。

(1)充電不足?:充電ケースにしばらく(30秒以上)入れてみる →ダメ
(2)iPhone側の問題か:iPhoneをリスタート →ダメ
(3)音量バランスの不良:iPhoneでチェック →問題なし
(4)自分の耳の問題:耳元で指先をこするテスト →聴力左右差なし(たぶん)
(5)Bluetoodh再接続:いったん登録解除し、再接続 →見事に解決

そんなことだろうとは思ってました。Bluetooth機器のトラブルはしばしば、再接続で解決しますね。
逆に言うなら、とくにBluetoothのバージョンが古い場合には、接続トラブルが頻繁に起きます。

当院の電子カルテの端末には古いMacを使っているので、Bluetoothエラーでけっこう苦労しています。
個人用などの電子カルテ用途以外のMacとは異なり、電子カルテ用はなるべくシステムを変えたくないのです。

とはいえ、最新でも5年前、古いものは10年前に買ったMacを使い続けているので、そろそろ刷新の時期です。
通信エラーが目立つようになってきたら、もうOSだけバージョンアップしてもダメなのです。
すでに新しいMacは5台ほど買い揃えています。あとは電カルソフトをインストールして入れ替えるのみ。

というと簡単なのですが、全部同時に入れ替えようと思っているので、なかなか腰が上がりません。
その結果、ときどきトラブルを起こしながらも、ずっと同じ機器を使い続けて現在に至っているのです。
年末年始の休み中に、総入れ替え作業を行う予定です。逆に重大なトラブルを生まないように気を付けながら。

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新型コロナワクチンは、余っても規定外の利用は禁止
- 2021/11/10(Wed) -
ワクチンの不足感が例年以上に高まるなかで、今年もインフルエンザワクチンの接種を行っています。
予約にギリギリ間に合うきわどい量とタイミングでワクチンが納品されるという、ホントに綱渡りの毎日です。

一方で新型コロナワクチンは、当院では今週土曜日で、1,2回目の接種は終了となります。
諸事情あって、その最終日にはワクチンが少し余ってしまうことになりそうです。
空き枠があることを数日前から診療予約サイト上に告知してはいますが、いまのところ応募者はありません。

さいわい本日、熊本市感染症対策課から次のような通知が来ました。
「今後新たに余剰ワクチンが発生し医療機関様において接種可能な方が見つからない場合は、やむを得ない廃棄分として適正に廃棄いただきますようお願い申し上げます」
もったいない話ではありますが、ワクチンの廃棄が許容されることが正式に認められ、ホッとしています。

でも廃棄するほどなら、少し早めですが、自分に「追加接種(=3回目の接種)」したい気がしてなりません。

もちろんそれは御法度。市は昨日、次のような「留意事項」を発出して釘を刺してきました。
「追加接種可能日より前に接種された場合は、『間違い接種』となり、国への報告が必要となります」

医学的には有効だとしても、2回目の接種から8カ月経たなければ接種させない杓子定規なルールなのです。
ワクチンが余っていても使わず捨てろという融通の利かなさは、新型インフルワクチンの時と変わりませんね。

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HPVワクチンの接種機会を逃した方への救済接種対象はどうなる?
- 2021/11/09(Tue) -
HPVワクチンの接種機会を逃した方への無料接種を厚労省が検討していることは、2日前にも書いた通り。
さっそく、その件でお尋ねになる親御さんもいます。メールでの問い合わせもいただきました。

未接種のまま対象年齢(高1まで)を過ぎた方や、3回の接種の途中で高2になってしまった方もいます。
自費で接種をした方もいれば、中断してしまった方もいます。任意接種するとかなり高額なワクチンです。

当院で、今年1月から現在までに接種したHPVワクチンの接種回数を集計してみると、合計90回でした。
1回目の接種だけ見ると、今年は39人でしたが、昨年の同時期には13人、2年前は2人、3年前は1人でした。

HPVワクチンは、2013年4月から定期接種となりましたが、実は2011年から無料接種が始まっています。
その無料化元年に、当院で接種を受けた対象者は、なんと164人。
ところが、定期接種化直後の2013年5月頃から副作用問題が高まり、6月には勧奨接種差し控えとなります
その翌年2014年に当院で接種を受けたのは、たったの1人。以後、同様の状況が2年前まで続いたわけです。

さて厚労省は、勧奨接種を差し控えた2013年時点で何歳だった方までを、無料接種の対象とするでしょうね。

最大限に救済するなら、2013年で高1だった方までが対象なので、8学年分に相当します。
しかし、標準的な接種年齢は中1だとケチな理屈をこねて、救済対象は5学年分程度になるかもしれません。
国の判断ミスで接種機会を逃したのだから、国の責任で幅広く救済すべきですが、さてどうなることやら。

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コロナ禍だからこそ、インフルワクチンなのに
- 2021/11/08(Mon) -
インフルエンザワクチンを毎日数十人に接種していますが、気になることや心配事はいくつもあります。

予定通りにワクチンが納入され続け、予約済の方全員に接種を行うことができるのか、というのが最大の懸念。
そもそも今シーズン、インフルエンザが流行するのか、はたまた空振りに終わるのか、それも未知数です。
来月から新型コロナワクチンの追加接種(3回目の接種)が始まりますが、同時進行となればまた面倒です。

今後インフルエンザが流行しても新型コロナがまた流行しても大変ですが、両方流行すればなおさら大変です。
2009年に新型インフルが流行したとき、ワクチンの接種をインフルの流行が追い越し、混乱しました。
今期はさいわい、インフル流行の兆しはまだ見えませんが、予防接種の方が滞りがちなのが心配です。

インフルとコロナの、予防接種と流行がすべて並行して起きるのが、この冬に想定される最悪の事態です。
であるならば、できることから順にやっておくとするなら、いまはインフルエンザワクチンの接種なのです。
ところがそのワクチンが、足りない。もう、堂々巡りです。

今シーズンのインフルワクチンは、製造効率が悪いなどの理由で、供給量が昨年よりも激減しています。
ところが厚労省は、(一昨年以前の)「例年の」使用量に相当する程度は供給される見込だと、言うのです。

使用量と同程度の供給量ということはつまり、100%使い切ってやっと、例年並みの使用量ということです。
バカな話ですが、予算を余らせたら翌年度の予算を減らす、というお役所の理屈と同じ発想なのです。

そもそも、このようなコロナ禍にあって、一昨年までと比較するのはナンセンス。比較するなら昨年でしょう。
この冬こそインフルが大流行する、と懸念して準備しているのに、ワクチンの製造を減らしてどうしますか。
本来今期は、昨年の使用実績から大幅に乖離しないように、周到に準備してワクチンを製造供給すべきでした。

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HPVワクチンは、ついに勧奨接種再開へ動き始めるのか
- 2021/11/07(Sun) -
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)はようやく、接種の積極的勧奨再開が見え始めてきました。

「接種はお勧めしません」から「お勧めします」への手のひら返しですから、相応の理由が必要です。
厚労省が審議会で示した理由は、
(1)HPVワクチン接種後に生じた症状とワクチン接種との関連性は明らかになっていない
(2)HPVワクチン接種による、子宮頸部異形成や子宮頸がんの予防効果も示されてきている
(3)HPVワクチン未接種の女性や男性においても、HPV感染に対する集団免疫効果が報告されている

以上はすべて周知の事実であって、厚労省の方針を覆す新たな知見が得られたワケでも何でもありません。
そろそろやらねばと感じてきた厚労省の科学的良心が、勇気をもって立ち上がったというところでしょう。

厚労省は、これまでに接種を逃して対象年齢を過ぎた人たちへの救済接種を検討中だとも報じられました。
当然のことでしょう。かつて勧奨接種を見合わせたことのある日本脳炎ワクチンの「特例接種」と同じです。

日本脳炎は、年間の国内感染者が数名程度なのに、特例接種は広い年齢層を対象に今も行われています。
子宮頸がんの発症者は毎年約1万人ですから、重大性は桁違い。特例接種は一刻も早く開始すべきでしょう。

英国の研究グループが最近発表したように、HPVワクチンの接種年齢が若いほど、がんのリスクは減らせます。
特例接種も大事ですが、それと同時に本来の定期接種を、できるだけ早く元の形で推進してほしいものです。

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思春期の心雑音
- 2021/11/06(Sat) -
学校検診をしていると、しばしば心雑音が聞こえる子に遭遇します。
小学校の高学年で初めて指摘された心雑音では、心臓病は希で、たいていは貧血による「機能性心雑音」です。
よく尋ねてみると、立ちくらみがするとか、体力が落ちたとか、朝起きるのが辛くなった等の訴えがあります。
あるいはまた、微熱や舌の荒れなどの、明らかな貧血兆候が出ているお子さんもいます。

眼瞼結膜がまっ白な貧血例は多くなく、血液検査でわかる程度の軽い貧血と鉄欠乏を認めます。
あるいは、ヘモグロビンは正常だけど貯蔵鉄量を示す「フェリチン」が低値のケースにもよく遭遇します。
体内の鉄分が少ないと、すでに貧血の症状が出てきます。これが「潜在性鉄欠乏」です。
一般的な血液検査では貧血とは診断されないので、見逃されることも多いようです。

小学高学年から中学生は、からだの発育や運動量の増加によって、鉄やその他の栄養素が欠乏しがちです。
急に身長が伸びつつある時期や、部活で激しく運動しているお子さんは、しばしば鉄欠乏になっています。
それに加えて思春期は、月経が始まったりメンタル不安定だったりダイエットしたりと、鉄欠乏の要因だらけ。

鉄欠乏症状のお子さんの体調は、造血剤によって目に見えて改善し、たとえば部活の成績が向上したりします。
ただし薬の副作用で、下痢や便秘、食欲不振や吐き気を起こし、薬の中断を余儀なくされることもあります。
日頃から、鉄分を多く含む食品(たとえば赤みの肉や魚)を多く摂るような食生活を心がけるのが肝要です。

ちなみに私が中学生の頃、今風に言うと「鉄分が濃い」時期がありました。鉄道ファンだったということです。
そんな私も市民病院時代には、軽い貧血になったことがありました。4カ月で16キロ減量したときです。
いまでは「鉄分」(=鉄道への興味の度合い)はすっかり薄れていますが、体重は維持し貧血はありません。

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リスタートが増えたら要初期化のサイン?
- 2021/11/05(Fri) -
テレビが映らん、と家人が言うので、リモコンボタン長押しによるリスタートを提案しました。直りました。
つい先日は、AirPodsがつながらん、というので、iPhoneのリスタートを提案したら改善したばかりです。

IT機器なんてのはパソコンと同じで、エラーが起きたらリスタート、というのが寺田の鉄則です。

私など、おもにMacで、これまで何百回、いや何千回リスタートしてきたことか。
まさにリスタート人生なのです。人生リスタート。リスタートを憚ることなかれ。だって人生だもの。

最近のMacは比較的安定していますが、それでも時々リスタートや強制終了を要することもあります。
ちょっとしたトラブルが「おり」のように溜まってついに、Macが音(ね)を上げるのです。
単にリスタートで改善する場合もあれば、SMCリセットとかPRAMクリアなんて方法も、たまに行います。

それでもスッキリしないとき、究極の根治療法は「HDDの初期化+OSクリーンインストール」ですね。
これでMacを完全に初期状態に戻し、必要なソフトを全部、手作業で再インストールしていきます。
すべての設定を整え、最後にバックアップデータをリストアするという、ほぼ丸1日を要する作業になります。

以前は、年に1回は定期的に初期化を行うほど私は初期化好きでしたが、最近はほとんどやらなくなりました。
それだけMacが安定してきたことと、初期化作業を行うために必要な体力・気力がなくなってきたのです。

ですが初期化は、Macの「おり」を除去するためには最も抜本的な方法です。おまけにOSの更新もできる。
考えてみると、1台初期化するのも、何台かのMacを同時に初期化するのも、要する作業時間はほぼ同じ。
ならば、ということで、こんどの年末年始には、久々に何台か初期化してやろうかと思っているところです。

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インフルワクチン、ケチケチ大作戦
- 2021/11/04(Thu) -
インフルエンザワクチンが不足している中で、あちこちの医療機関で行われつつある「工夫」があります。
それは、「ローデッドスペース」のシリンジを使って、ワクチンのムダを徹底的に無くして節約する方法です。

ローデッドを使わなければ規定人数の接種が不可能になる新型コロナワクチンを、医療従事者は経験しました。
じゃあその作戦でインフル接種人数を増やせる、と誰でも思いつくことを、実は私は思いつきませんでした。

もちろん日頃から薬液の節約には心がけてきましたが、ローデッドをインフル接種に使ったのは今日が初めて。
1本1ml入りのはずのバイアルから2人分 ( =1.0ml ) 吸引してもまだ、乳児1人分 ( 0.25ml ) ほど残りました。
どこから湧いたの。そこまでひねり出せますか。これぞまさにローデッドマジック。大幅に節約ができますね。

インフルワクチンのバイアルの薬液量が規格量よりもかなり多めであることは、以前から分かっていました。
これはおそらく、薬液吸引用と接種用の針を付け替える際や、エア抜き時の薬液ロスを考慮したものでしょう。

ところが新型コロナワクチンではその「遊び」がほとんどありません。
なので、ローデッドではなんとか6人分吸引できても、通常のシリンジでは5人分しか取れないのです。

ローデッドシリンジを使うような場合、ロスを徹底的に排除するために、基本的には針の付け替えはしません。
バイアルから薬液を吸引したときに使用した針を装着したまま、その針で接種を行います。
いちどバイアルのゴム栓を貫いた針なので、わずかながら針が鈍っています。
なので、皮膚を貫くときに抵抗があり、痛みも若干強いでしょうね。ケチケチ作戦の避けがたい問題です。

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温室効果ガスとしてのメタン
- 2021/11/03(Wed) -
「COP26」が開催されて地球温暖化に目が向く中で、メタンガスの問題がクローズアップされています。
地球温暖化に影響してるガスって、むしろメタンの方がメインじゃないの?、って思うぐらい重大なんですね。

しかもメタンの発生源は「牛のげっぷなど」だと今朝のNHKニュースが言うものだから、私も食いつきます。

メタンガスといえば、昔からおならの主成分として知られますが、こうなるとオチオチおならも出せませんね。
おなら出したら罰せられたり、「放屁税」が課されたりするかもしれません。(コレが言いたかった)
できれば私の場合は、お腹が弱いので、軽減税率の適用をお願いしたいところです。
いやいや、お前のは格段に臭いから、臭加算税じゃ、なんて言われるかもしれません。

などとアホなこと書いてますが、ググってみると「放屁税」の発想自体はもう古くからあるようですね。
家畜が排出するげっぷとおならに含まれるメタンが地球温暖化をもたらすこと自体、新しい話ではないのです。
NHKは「牛のげっぷ」としか書きませんでしたが、正確には「牛や羊のげっぷやおなら」だったんですね。
朝から「おなら」のテロップは出しづらかったのでしょうか。

牛や羊は、放屁量が多いと言うよりも(多いかもしれませんが)、飼育している頭数が多いんでしょうね。
牧場で耳を澄ませると、ゲーップゲップ、プップカブーブー、あちこちから聞こえくるのかもしれません。

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電気自動車(EV)を試乗する
- 2021/11/02(Tue) -
「電気自動車『に』試乗する」なのか、「電気自動車『を』試乗する」なのか、悩んだ挙げ句の投稿です。

「試乗車『に』同乗」したのではなく、「試乗車『を』運転」したというニュアンスを出したかったわけです。
ていうか、四の五の言わずに試乗記を早よ書けや、という声が聞こえてきます。

今日は某社の(あえて秘す)、わりとパワーのある電気自動車(EV)に試乗する機会がありました。
ガソリン車→ハイブリッド車(HV)→プラグインハイブリッド車(PHV)という流れを経て、EVは車の最終形。
燃料電池車(FCV)というのもありますが、まあ傍流でしょう。

ずっとガソリン車に乗ってきた私でも、HVの発進時のスムーズさは、何度か試乗して知っています。
しかしEVの、スピードを上げてもエンジン音もせずに加速し続ける走りは、初めての不思議な体験でした。
そのかわり、ロードノイズと風切り音がやたら目立つので、逆に耳障りですね。人間の耳も勝手なものです。

フル充電で500km以上走れるのは、現在の愛車が満タンで約600km走れるのと比べても、遜色はありません。
自宅に充電設備を造設する必要がありますが、隣のサンピアン駐車場でも充電できるので、しばらくはそれで。

欧州の主なメーカーは2030年までに、なかでもAudiは2026までに、新車販売をすべてEVにする方針です。
日本でも経産省が、2035年までに新車販売に占める乗用車を電動車100%とする目標を掲げました。
しかし残念ながらこの「電動車」にはPHVも含まれています。日本はまだ、思い切りが悪いようです。

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新型コロナワクチンの接種制度は、改善の余地大
- 2021/11/01(Mon) -
新型コロナワクチンの当院での個別接種(1,2回目)は、残すところあと2週間となりました。

このワクチンが、いまの日本の感染者の減少に貢献したことは間違いないでしょう。
遅れていた日本の接種を挽回すべく一気に進めてきたので、何かと不備が目立ったのは致し方ないですね。
予約システムは各地で混乱し、ワクチン供給ではドタバタしたし、接種会場でもあれこれ問題が起きました。

さらに、個別接種を行う医療機関での、ワクチンの入手と接種に厳密な紐付けができていない点も問題です。

ワクチンは、医療機関が受け付けている予約数に応じて、必要な分だけ(上限あり)、市から供給されます。
届いたワクチンは保冷庫で適切に保管し、予定日に予定通りに希釈調整して接種をします。
接種後、その予診票を市に提出すると、市が国のシステムにその方の接種歴を登録します。
また市は、その予診票の枚数に応じて、医療機関に接種費用を振り込みます。

問題は、市が医療機関に配給したワクチンの本数と、実際に使用された本数とを照合できないことです。

ワクチン1本で必ず6人に接種できるとは限りません。急なキャンセルで、ワクチンが余ることもあるのです。
バイアルやシリンジの不具合等でワクチンをボツにしたことも、当院だけでもこれまでに3回ありました。

現行制度では、医療機関が受け取ったワクチンのうち何本使ったかを、報告する義務も手段もありません。
ワクチンを一部横流しする、なんてことは誰もやらないはずだ、という性善説なシステムなのです。

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