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「診断医」としての、自宅療養者の積極的フォローを考える
- 2022/01/31(Mon) -
東京都では、50歳未満で無症状か軽症の自宅療養者は、今後は自分で健康観察を行うことになります。
配布されるパルスオキシメーターで酸素飽和度をチェックしながら、自分の体調は自分でみていく仕組みです。

熊本ではまだ、そこまでのシステムにはなっていませんが、実質的にはそれに近い状況かもしれません。

いま新型コロナは、発症から検査まで1〜3日、検査から結果判明までに1〜2日かかっているのが現状です。
さらに、結果判明後に発生届を提出し、それを受理した保健所が患者に連絡をとるまでにも時間がかかります。

以前は、発生届の当日中には保健所から連絡が入っていましたが、今は2,3日以上かかることもあるようです。
つまり、発症から保健所によるフォロー開始まで、5,6日かかるのが通常なのです。

新型コロナと診断された方からの、「保健所からはまだ何も言ってきませんが」という話もよく聞きます。
幸か不幸か、家族の誰かがすでにコロナに感染していて、自宅にパルスオキシメーターがあったりします。
たいていの方の酸素飽和度に問題は無く、しかし熱と強い咽頭痛の訴えがあります。オミクロンの特徴です。

保健所からの対応が間に合わないなら、それまでは「診断医」としてフォローを行う責任があるでしょう。
体調悪化時の連絡相手としてではなく、定時連絡による経過観察にまで踏み込んでも良いのかもしれません。
さっそく明日から、PCR陽性患者を積極的かつ定期的にフォローしていく仕組みを考えてみましょう。

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「PCR陽性」判定を再検査する必要ある?
- 2022/01/30(Sun) -
この時期の日曜日ですから、予想以上に激しい発熱外来でした。
午前中のうちに夕方の予約枠まで埋まってしまい、午後の予約は早々と中止する羽目になりました。
県の新型コロナ感染症相談窓口には、今日はもう紹介をしないでくれと、かなり早い時間帯に連絡しました。

どうしても検査して欲しいと電話してきた方を何人もお断りしなければならず、申し訳ありませんでした。
今日はPCR検査だけでも63人でした。予約電話を全部受け入れていたら100人を超えていたかもしれません。

今日PCR検査をしてくれるのはそちらだけだと聞いた、という方もいて、断るのが辛い一日でした。
相談センターからの紹介なのだからなんとか検査してくれ、という方も、何人もいらっしゃいました。
どうして検査できないのか(こちらは困っているのに)、とお怒りの方も、実は少なくありませんでした。

前にも書いたように、無料PCR検査で陽性だったので検査してくれ、という方の受診が今日も目立ちました。
すでにPCR陽性と判定されたのに、また検査を受けるなど二度手間の極みです。
ところが聞いてみると、無料検査所からの指示で、当院で確定検査を受けるように名指しされたとのこと。

その「確定検査」のために、医療資源(検査試薬と医療費)を費やし、時間を2,3日ムダにするんですよ。
再検査の必要な「PCR陽性判定」など無意味です。陽性判定を出した人が、責任をもって確定してください。

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「Excel文書」にはもう、目くじらは立てません
- 2022/01/29(Sat) -
昨日書いた「濃厚接触者」の待機解除基準の緩和については、熊本県からも正式に連絡が入っています。

その「熊本県健康危機管理課」から届くコロナ関連メールの差出人はいつも、「コロナ報告」となっています。
差出人名としてどうなの?と最初は思いましたが、意外とパソコン等で見つけやすくていいですね。

昼夜かまわず届く「コロナ報告」ですが、昨日は夕方と夜の2回、さらに午前1時過ぎにも発信されていました。
お疲れ様です。

メールを一読したら、添付ファイルをダウンロードして専用フォルダに格納するのが私のルーティンです。
ひところまでは、これをEvernoteにも入れ、さらにプリントアウトして日付順にファイリングしていました。
しかし書類の数があまりにも多くなったので、少なくともコロナ報告は、デジタルデータでの保存のみです。

「熊本市感染症対策課ワクチン対策PT」からもよくメールが来ます。
「PT」とは「プロジェクトチーム」のことですが、最近は「TF(タスクフォース)」もよく聞きます。
お役人とか学者って横文字が好きですね。でもPTもTFも全部「班」で済むんじゃないの、と思ったりします。

そのワクチンPTからのメールには、回答が必要な連絡が多く、しかも締切が近いので、最も注意を要します。
うっかりしてたら、配給されるはずのワクチンを失うようなことにもなりかねません。

たいていの添付ファイルが「Excel文書」で、その中に記入をして、それを返信するのが基本です。
しかし私の場合、Mac版のExcelで作業を行うので、あちこち文字がズレたりマクロが狂ったりします。
以前はそれがイヤで、あえてプリントアウトしてからFAXしていましたが、最近はもうメール返信のままです。
内容さえ伝わればそれでいいわけで、多少の文字化けやズレはもう気にしません。なんとかなるでしょう。

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手袋も足りません
- 2022/01/28(Fri) -
新型コロナの濃厚接触者の待機期間が、これまでの10日間から7日間に短縮されることになりました。
さらに「エッセンシャルワーカー」は、最後の接触から5日目に、待機を解除できるようになります。

感染拡大のリスクはわずかに高まるとしても、待機を最小限にして社会をを回す方に舵を切ったわけです。

エッセンシャルワーカーの待機解除は、4日目と5日目に抗原検査で陰性であれば、という条件付きです。
さて検査キットが入手できるかどうか、そもそもこの場合の抗原検査が妥当なのかどうか、疑問はあります。

万一当院でスタッフ10人が濃厚接触者となった場合、全員が職場復帰するためにはキットが20回分必要です。
そうでなくても不足気味の、お宝のキットですから、そのような無駄遣いはできるだけ避けたいところ。
最初から職員同士が互いに濃厚接触者とならないよう、常日頃の行動に留意しておかなければなりません。

私の発熱外来の防護具は、マスク2枚+フェイスシールド+ガウン+手袋に、最近はキャップも加わりました。
国や市からの物品配給によって、たいていの物品は足りていますが、手袋だけがどうしても不足気味です。

この機会に言わせてもらいますけど、国から定期的に配給される物品ってバランスが悪いですね。
先週届いたのは、マスク200枚、ガウン200枚、手袋1200枚でした。
患者ごとに必ず取り替える手袋は、他の物品と比べても桁違いの消費量。手袋が真っ先に足りなくなります。
国のやることって、全体の規模が大きいためか小回りが利かず、ムダとムラが大きいのです。

なので手袋だけは、厚労省のサイト「G-MIS」から「緊急配布」を要請して調達することになります。
こういう「緊急ルート」があるのは助かります。だって、通販サイトから買うと、いまだにバカ高いし。

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検査キットが足りません
- 2022/01/27(Thu) -
新型コロナのPCR検査や抗原検査を行うための「検査キット」の不足が問題となっています。

医療機関以外の、家庭や事業者等での検査数が増えたことも、その原因のひとつでしょう。
しかしこれは医療機関の負担を減らすための「予備検査」的な位置づけとして、推奨されている面もあります。

「市販の抗原検査で陽性だった」とか「無料PCR検査で陽性だった」と来院する方は、たしかに増えています。
「市販の抗原検査では陰性だったけど」とか「無料PCR検査では陰性だったけど」と言って来る方さえいます。

家庭や事業所レベルで一種の「トリアージ」が行われているわけで、使い方によってはとても有益です。

しかしここまで感染が拡大することを業界も想定していなかったのか、検査キットが足りなくなりました。
地域によっては、発熱外来での検査を抑制、あるいは休止せざるを得ない一大事になっているようです。

当院では、抗原検査キットの在庫にはまだ余裕がありますが、来週以降どうなるかはわかりません。心配です。
さらに今日、検査センターから、PCR検査用の唾液検体採取容器が足りないという連絡を受けました。
医療用の特殊な試薬やキットではなく、単なる容器の不足なのに、PCR検査ができなくなりかねない事態です。
交渉の末、来週までの想定検査数をカバーできる程度の容器は入手できましたが、先行きはまったく不透明。

検査関連消耗品を増産するだけでよいのか、あるいは検査の流れを変えるべきなのか、抜本的対策が急務です。

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濃厚接触者の未検査での臨床診断は妥当
- 2022/01/26(Wed) -
平日だというのに、今日も発熱外来受診者が多数いました。
その多くが、同居家族に感染者が出た人たち、すなわち「濃厚接触者」でした。

今週日曜と月曜に当院でPCR検査または抗原検査をした90人のうち28人、約3割が濃厚接触者でした。

その28人のうち検査結果が陽性だったのは11人で、そのほとんど(10人)は発熱等の症状がありました。
一方、検査で陰性だった濃厚接触者17人のうち6人にも、微熱や咽頭痛や咳などの症状を認めました。

有症状の濃厚接触者は16人。新しく示された基準では、その全員を検査なしで感染者と診断できます。
しかし実際には、そのうち6人は、臨床診断によって誤って感染者とみなされてしまうことになります。

さて今日は、30人の方が当院でPCRまたは抗原検査を受けました。家族内の濃厚接触者は11人(36.6%)。
濃厚接触者の割合は、どんどん増えてきている印象です。このうち有症状者は8人。うち1人は抗原陽性でした。

オミクロン株だから濃厚接触者が増えているのではなく、検査を希望する濃厚接触者が増えている印象です。
そして無症状の方よりは、たしかに有症状の方の方が明らかに、陽性率は高いようです。
医療ひっ迫対策としては、有症状濃厚接触者を未検査で感染者とみなすのは、いまは妥当と言えそうです。

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たしかに濃厚接触者の検査が多すぎます
- 2022/01/25(Tue) -
新型コロナの感染者数が増える中で、病床だけでなく、検査態勢が熊本でも急激にひっ迫しています。
当院のPCR検査を委託している検査センターも最近はパンク気味で、ついに今夜はトラブって大変な事態です。

当初は、朝11時までの検体提出なら当日夕方に、夕方までの提出なら翌日昼には検査結果が出ていました。
ところが最近は、朝出した検体の結果判明が夜遅くなり、ついに夜中を回るようになりました。
また、夕方提出した検体の検査結果も、翌日夜にやっと判明するようになりましたが、今夜はそれも厳しい。

あまりにも検査数が多くなりすぎたのは、単純に感染者数が増えただけではありません。
感染力が強くてあちこちでクラスターが発生し、家庭内感染も多く、濃厚接触者が増えすぎているのです。

当院でも、陽性診断をした翌日に、その家族が数名まとまって発熱外来を受診するようなケースが増えました。

後藤厚労相は今日、「有症状の濃厚接触者では医師の判断で未検査でも感染が診断できる」方針を示しました。
先日の「若年層は検査をせず症状だけで診断可」には反対ですが、濃厚接触者なら話は別。賛同できます。

「過剰診断」のリスクよりも、検査や診療の資源を減らす効果の方が、いまは確実に有意義でしょう。

ただ、濃厚接触者本人が、そのような「状況証拠」に基づく確定診断に納得してくれるかどうか。
納得が不十分だと「感染者意識」が希薄で、その後の自粛や隔離が不十分になりはしないかと、心配です。

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日常化してきた発熱外来
- 2022/01/24(Mon) -
今日は新たに18道府県が「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請しました。
これで適用地域は34の都道府県に拡大されることになり、人口的には日本の大半を占めます。

平日の今日も、当院の発熱外来受診者は多く、まだまだピークアウトを語るには早いかもしれません。
近隣の小中学校や病院でもクラスターが発生しており、むしろ今後さらに感染が拡大しそうな勢いを感じます。

「じつは抗原検査で陽性でした」と、診療の終わり頃になって教えてくれる方がいて、少々困惑します。
もちろんそのぐらいのことで、ひるんだりはしません。常に受診者全員が感染者と想定して接していますから。

「無料PCR検査で陽性だったので来ました」という方は、相変わらず多いですね。
最初の検査所で発生届を出してくれたらいいのに、ムダな検査と待ち時間(=感染拡大時間)を生むだけです。

診察中にクシャミを浴びそうになることがありますが、瞬時に横っ飛びに逃げるのも上手くなりました。
マスクや手袋等の防護具や消毒液の消費は著しいですが、物品が不足することはなくなりました。
スタッフが保険証や領収証・処方箋や現金を受け渡す流れも、安全な方法が完全に確立しています。

かように発熱外来はもう日常診療となりましたが、いかんせん、いまは受診者や感染者数が多すぎます。
明らかに、非発熱者の診療を圧迫しています。待ち時間が長くなったり、予定検査の取りやめもしばしば。
保健所へのFAXは届かないし、ネットで出した発生届もなかなか読んでもらえず、妙な行き違いも出てきます。
もうそろそろ、「全例検査」は見直す時期なのかもしれませんね。

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発熱外来受診者がようやく横ばいになったということは・・・
- 2022/01/23(Sun) -
日曜日にはいつも、発熱外来の予約電話が、朝から多数入ります。当院の2回線がずっと塞がりっぱなしです。
その多くは、「発熱患者専用ダイヤル」や「新型コロナ相談センター」から当院を紹介された方です。
午前中のうちに夕方までの予約枠が埋まってしまい、昼からはずっと、予約のお断りをする対応に追われます。

今日の検査数は、PCR検査49人、抗原定性検査8人の、合計57人でした。
先週の日曜日は、PCR検査55人、抗原定性検査2人と、やはり合計57人でした。
毎週のように検査数が増えて来たのにこの2週間は横ばいなので、ちょうどいまがピークなのかもしれません。

当院では日曜日には基本的にPCR検査をしていますが、何が理由がある場合には抗原検査を行います。
たとえば、唾液がうまく採取できない3歳以下のお子さんとか、ご高齢の方などです。
今日も抗原検査をした8人のうち4人が陽性でしたが、そのうち2人は1歳児と90代の方でした。

0歳や1歳のお子さんの発熱など珍しくはないのですが、たまたま怪しんで検査すると陽性が出たりします。
家族に感染者がいて濃厚接触者の場合には、最初から用心しますが、まさかと思うような陽性者も時々います。

すべてがオミクロン株かどうかは分かりませんが、最近のコロナの特徴は、咽頭痛を訴える方が多いことです。
とくに、溶連菌感染のような真っ赤な咽頭炎所見が無いわりに「ものすごく痛い」という方は、怪しいですね。
その咽頭をじっくり観察するのはリスキーなので、半身になりながら短時間で診察しなければなりません。

私自身はコロナワクチンを3回接種しており、多少の安心感をもって診療していますが、油断はできません。
第6波もそろそろピークアウトしてもらわないと、来月からはワクチン接種で忙しくなるんですけどね。

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コロナ禍の地震の緊張感
- 2022/01/22(Sat) -
久々に大きく揺れましたね。夜中1時過ぎの地震は、私の住んでいる場所では震度4程度だったでしょうか。

枕元のiPhoneから、けたたましい警告音が3回鳴り、次いで大声で「地震です」というアナウンスが1回。
「んっ?」と身構えた次の瞬間、たぶん1,2秒後から揺れ始めました。そこそこ強く、長く感じる地震でした。

「だいぶ違う」と思いました。5年近く前に起きた熊本地震の記憶と比べた印象です。

まず、地震よりも前に「緊急地震速報」が鳴ったという当たり前のようなことに、意外な感動がありました。
直下型の熊本地震の時は、激しい揺れに翻弄されている途中でやっと速報が鳴り始め、うるさいばかりでした。
速報なんて全然ダメじゃん、と当時は思いましたが、海溝型(プレート型)地震では速報が間に合うんですね。

揺れを長く感じたのも、遠隔地で起きた海溝型地震ゆえでしょうか。なかなか終わらんなぁ、というのが印象。
まあその程度なら良いのですが、大分・宮崎では被害も出ているようです。

コロナ禍のいま、地震に限らず豪雨災害でもそうですが、3密を余儀なくされる避難所生活が心配です。
避難所の入口で抗原検査等を行う余裕もないでしょうし、ワクチン接種歴で区別するわけにもいきません。

いま首都直下地震が起きたらどうすんの、って私はいつも最悪の事態を妄想してしまいます。

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「若者は検査せずに診断」は提言に盛り込まれなくて良かった
- 2022/01/21(Fri) -
「オミクロン株の特徴にふさわしい効果的な対策を早期に打つべき」と言うのは、政府分科会の尾身会長。

オミクロン株は感染力が極めて強いけれど、重症化はしにくいことがわかっています。
これを、重症化率が低くても感染力が強ければ重症者数は同じ。だから対策は緩めるな、と言う人もいます。

しかし、重症者数が同じとすれば、感染者数が多い方が社会機能への影響は大きくなります。
現に、感染者数が多いこと自体が、すでに医療現場や検査体制をひっ迫させています。

そこで政府は「オミクロン株特有のメリハリの付いた対策」を打ち出そうとしているわけです。
たとえば、濃厚接触者の待機期間が短縮されます。そこまではまあ、いいでしょう。

しかし、「若年層は検査をせず、症状だけで診断することも検討すべき」という提案はちょっと、いけません。

当院の発熱外来受診者にも10代から30代がとても多く、症状は様々。ほぼ無症状の濃厚接触者も多数います。
PCR検査の結果に一定の傾向はなく、まさかの陽性が出たり、意外な陰性が出たりと、予測がつきません。
そのような方たちを私は、「診察」しただけでコロナかどうか「診断」できるとは思えません。
検査せずに診断しろというなら、とりあえず安全のために全員コロナと診断することになるかもしれません。

だんだんと「普通の風邪」っぽくなってきたコロナですから、病状だけで診断するのはいよいよ不可能です。
とくに軽症の方は、検査もせずコロナだと言われても、自宅で2週間待機する気にはならないでしょう。
感染者の社会生活への影響が極めて大きい診断をくだすのであれば、それなりの根拠が欲しいですね。

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新型コロナワクチン、5歳〜11歳に拡大決定
- 2022/01/20(Thu) -
新型コロナワクチンの接種対象が、12歳未満の子ども(5歳〜11歳)に拡大されるることに決まりました。
小児への、このワクチン接種の意義や是非については、いつかまた書くことにします。

昨年11月、ファイザーが承認申請を行ったことを受けて、熊本市でもさっそく意向調査が行われました。
5歳〜11歳の子どもへの接種を2月から開始する予定ですが、貴医療機関で接種にご協力いただけますかと。
熊本市では86の医療機関が、接種に協力できると回答したようです。もちろん当院も含まれています。

すると12月には、2月と3月のすべての日付における具体的な接種可能人数を知らせるよう、言ってきました。
当院では、隔週土曜に10人、隔週日曜に20人、2カ月間で150人に接種できる旨を回答しました。
残念ながらその後、5歳〜11歳への接種は後ろ倒しされてしまいましたが、どうやら3月には始まりそうです。

3月といえば、春休みを利用して一気に接種を広げられる機会として期待されています。
なので私としては、18歳以上の方への追加接種(3回目の接種)を3月中旬までに集中的に行いたいところ。

おりしも今日、3月の追加接種体制拡充に際しての、ワクチン追加配分の希望量調査が来ました。
国の「前倒し方針」では最終的に、2回目から6カ月を経過すれば、65歳未満でも、3回目の接種は可能です。
これは3月から適用されるので、3月からは接種対象者が急拡大することになります。

まったく同じ時期に、5歳〜11歳への接種も始まるとなれば、予約受付や接種のやりくりが大変そうです。
接種日を完全に分離して間違いの無いように、しかし効率的な接種ができるよう、当院でも計画中です。
その3月に発熱外来も大忙しなんてことのないよう、第6波が2月中にピークアウトすることを祈るばかりです。

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『ブラックボックス』読中感
- 2022/01/19(Wed) -
「芥川賞」。私はまた、獲り損ねました。敗因はたぶん、私が何も(小説を)書いていないことでしょう。

受賞したのは、砂川文次氏(31)の『ブラックボックス』。都内の区役所に勤める公務員作家ですか。
自衛官時代に『市街戦』でデビューし、芥川賞は3回目の候補だったといいますから、かなりの人物です。

さっそくKindleで購入し、どら焼きを食べながら読み始めました。
これはまた、文が短くて読みやすい。まるで自転車をシャカシャカこいでいるような、スピード感があります。

ところが、短い文ばかりをハイスピードで読んでいると、なんだか過呼吸のような息苦しさを感じてきました。
面白いものですね。やたらに句読点の少ない『苦役列車』で感じた低酸素とはまた異なる息苦しさです。

いや待て、夜10時を過ぎてから小説を読み始めるのも、どうなの。宿題(ブログ)を先に済ませとかなきゃ。
そう思い直して、いまコレを書いています。読書感想文は明日以降に書くことにします。

ところで、「過呼吸症候群(過換気症候群)」の患者さんは、「空気が足りない」と訴えます。
息を吸おうとしても十分に吸えない、肺に入ってこない、そう感じてますます呼吸が速くなります。
これは気のせいではありません。本当に空気が入らないのです。なぜなら、息を十分に吐いていないからです。

なので対処法は、いったん、息を完全に吐き出すことです。吐き出したところで少し息を止めたら、完璧です。
昔よくやっていた「ペーパーバッグ法」は、低酸素を来す危険があるので、今は勧められていません。

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あっちこっちがキャパオーバー
- 2022/01/18(Tue) -
大阪の5千人超えに驚いていたら、熊本も600人超え。新型コロナ感染者は各地で過去最多を更新しています。

当院の発熱外来受診者も、すでに第5波のピーク時に匹敵、いや上回っているかもしれません。
とくに日曜や祝日は、「相談センター」や「専用ダイヤル」から紹介を受けた方からの問合せが多いですね。
当院のキャパをかなりオーバーするぐらい受け入れてはいるのですが、それでもまったく追いつきません。
毎日多くの方の受診・検査をお断りすることになります。申し訳ありません。

PCR検査を数多く行えば、それに伴ってPCR陽性者も多数出てきますが、それ以上に陽性率が高くなりました。
この日曜・月曜に当院で行ったPCR検査の陽性率は、なんと35.8(24/67)%という異常高値でした。
つまり、これだけ検査数を増やしても、まだ感染者数の増加ペースに追いついていないということです。

検査センターも厳しい状況のようですね。結果判明時刻がどんどん遅くなって、ついに真夜中になりました。
昨夜出るはずだったPCR検査の結果は、今朝早くから、患者さんにお伝えすることになってしまいました。
電話連絡を終え、発生届を入力し、それから保健所にFAXしようとしたら、こんどはFAXがつながりません。
電話で問い合わせると、保健所のFAXがパンクしているとのこと。

今日の昼から夕方に判明するはずだった、昨日実施分のPCR検査結果は、20時半にやっと出ました。
もう明日からは、「PCR検査の結果は2日後に判明します」と言った方がよさそうです。

オミクロン株の急拡大で真っ先にひっ迫するのは、医療態勢よりもまず、検査態勢かもしれません。

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ワクチン予約と発熱外来が、完全に同時進行中
- 2022/01/17(Mon) -
一般の高齢者への新型コロナワクチンの接種は、昨年5月19日に始まりました。
その3週間後の6月9日に2回目を済ませた方への追加接種の接種券が、熊本市では今日から届き始めています。
そして今日、その「一番乗り」の人たちからの接種予約の電話が鳴り始めました。

現時点で熊本市では、一般の高齢者への接種は2月1日から行うことと、規定されています。
したがって「一番乗り」の方の2回目から3回目までの接種間隔は、7カ月と3週間ということになります。

岸田首相は今日の施政方針演説で、一般の人の接種間隔を7か月、可能なら6か月に短縮すると表明しました。
首相は以前から前倒しには積極的ですが、それが自治体の施策に反映されるまでには、だいぶ時差があります。

国も自治体も、接種対象者へのワクチン供給のメドがたった上で、計画的に前倒しをしようと考えます。
見切り発車して途中でワクチンが途絶えてしまい、市民に不公平が生じることを嫌うのです。
不公平な接種をすることを避けるためなら、全対象者を等しく待たせた方がマシだという発想なのです。

しかし本来求められるのは、できるところからやる、いまあるワクチンはすぐに打つ、という機動力でしょう。

医療機関が有効利用できることがあるとしたら、ワクチンをムダにしないための「例外規定」です。
ワクチンに端数が生じたら、医師の裁量で、本来の接種対象者以外への前倒接種しができるという規定です。

こんな時ですから、接種を希望する方は皆さん、1日でも早い接種を希望しています。
なので当院では、予約電話がかかってきた順に、最も早い時期に接種する方向で予約を受け付けています。
ただし今日は、発熱外来と追加接種の予約電話が同時に鳴り響く、最悪の二重奏となってしまいました

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日曜の発熱外来が多すぎて、月曜の夜が地獄です
- 2022/01/16(Sun) -
オミクロン株は感染力がとても強いので、家庭内感染が多いと報じられています。
たしかにそうなんですが、実際にPCR検査をしていると、家族全滅のところと、そうでないところがあります。
しかし最初は家族の一部でも、そのあとで結局、全員に順次感染が広がっていく事例も目にしました。

軽症または無症状なので入院は不要だし宿泊施設も少なく、自宅待機となる方が増えています。
発熱外来の受診者の中には、家族に感染者が出たけどまだ自宅で一緒に暮らしてる方も多いですね。
濃厚接触者かと尋ねると、まだ保健所からはそのようには聞いてないと。つまり処理が追いついてないのです。

保健所の方々はキャパを越えてなおも、強い使命感と責任感で仕事しているんでしょうね。頭が下がります。
昨夜11時過ぎに保健所に電話したら、電話の声には妙な活気があり、電話口の向こうもザワザワしていました。
忙しすぎて皆さん、異常な興奮状態になっているのでしょうか。限界を超えなければよいのですが。

検査センターのPCR検査の結果が出る時刻が、昨年のピーク時と同じぐらいに、どんどん遅くなってきました。
朝提出した検体の検査結果報告は、12月には午後5時頃だったのが、先週からは夜10時を回り始めました。

今日の当院でのPCR検査数は、過去最多の55人でした。対応仕切れなかった方の検査は、明日の朝行います。
明日の夜10時以降に、合計60人以上の方へ、検査結果をひとりひとり電話連絡することになります。
その際に、陽性者からは詳しい問診を取り直し、発生届(HER-SYS)に入力し、保健所に書類をFAXします。
それから保健所に電話したら、真夜中なのにザワついている保健所の様子を耳にすることになるんでしょうね。

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「PCR等検査無料化事業実施事業」の中途半端さ
- 2022/01/15(Sat) -
「市販の新型コロナ抗原検査キットで陽性だった」という方が、発熱外来の受診者の中に時々います。
当院でまた同じ抗原検査をしてもしょうがないので、PCR検査で白黒を付けることになります。

「街のPCR検査所で陽性だった」という人も現れるようになりました。
熊本県の「感染拡大傾向時の一般検査事業に伴うPCR等検査無料化事業実施事業者」で検査を受けた方です。
県のサイトによると、1/8時点で検査事業所は県内に28カ所。当院の近所にも1カ所あります。

「検査所ではPCR陽性だったので医療機関を受診するように言われた」という理由で、当院を受診されます。
でも、県が正式に認める検査所で陽性が出た方に対して、当院は何をすればいいのでしょう。

(1)その検査所のPCR検査の結果を根拠に、当院で「確定例」と診断し、保健所に発生届を提出する
(2)当院であらためてPCR検査を行って陽性を再確認し、「確定例」診断した上で発生届を提出する

実は正解は、(3)検査所の提携医療機関の医師が保健所に発生届を提出する、だと思われます。
しかし、検査所の説明が悪いのか、患者さんたちの多くが「新型コロナ相談センター」に相談するようです。
そしてその相談センターは、土日にも発熱外来をしている当院を、今日も紹介してくれるわけです。

その流れで当院を受診された方に対して、症状や状況を踏まえて(2)の方向で検査を進めているところです。
(1)や(3)に比べて(2)は、発生届が2日ほど遅れます。それに伴う治療・隔離・疫学調査も遅れます。

民間検査所は検査だけやりっ放しにせず、発生届の提出(=保健所への報告)までキチッとしてほしいですね。

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濃厚接触者の自宅待機期間の短縮は妥当
- 2022/01/14(Fri) -
オミクロン株は重症化しにくいと言われても、この感染者の増え方はどうしたもんですかね。それはさておき、

濃厚接触者の宿泊施設や自宅での待機期間が、現在の14日間から10日間に短縮されることになりました。
もちろんこれは、医学的なリスクを冒してでも社会経済活動を優先させよう、というわけではありません。
医学的に許容される範囲での、妥当な判断です。これまでの規定ではムダに用心しすぎだというわけですね。

医学的根拠があれば、隔離・待機時間は短縮しても良い、むしろそうすべきだと私も以前から思っていました。
ただし問題が2つ。

ひとつは、今回の変更が適用できる対象はオミクロン株であって、デルタ株には問題があるかもしれません。
オミクロン株への置き換わりが前提の、現実的な方針転換だとは思いますが、感染は少し増えるでしょうね。

もう一つ。エッセンシャルワーカーに限り、6日目の検査で陰性なら復職可という部分には、疑問を感じます。
警察・消防・教育・介護は社会にとって重要だから、感染リスクがあっても出勤して良いわけじゃありません。
6日間待機した上で検査して陰性なら、感染の可能性は無いとみなせるから職場復帰を認めるわけです。

でもそれならば、エッセンシャルワーカー以外の職業だって、医学的観点からの出勤要件は同じでしょう。

濃厚接触者の隔離・自粛期間は、社会的理由で決めるのではなく、純粋に医学的理由で決めるべきもの。
この際、医学的根拠をきちんと詰めて、職業を問わず濃厚接触者全員の行動規制の緩和を打ち出すときです。

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夜のトイレを我慢する生き方
- 2022/01/13(Thu) -
夜間頻尿でお困りの方から、相談を受けることがしばしばあります。

私もときどき、夜間(おもに明け方)尿意で目覚めることがありますが、たいていは朝まで我慢します。
我慢しているうちに寝入ってしまいます。そして朝の目覚ましで覚醒した途端に、激しい尿意が再発します。

このような場合の尿意はかなり強烈で、寝室を出て階段を降りる足運びも、かなりぎこちなくなります。
そして、いよいよトイレの扉の前に到達する頃には、尿意Maxとなります。
あと数秒後には排尿できるとわかったことで、膀胱が臨戦態勢に入り、その内圧を上げるのでしょうか。

ところが希に、トイレが使用中などの不測の事態が勃発することがあります。大ピンチです。
大ピンチですが経験上、1,2分程度ならなんとかしのげます。
そして驚くべきことに、1,2分我慢しているうちに、ス〜っと、ウソのように尿意が消えたりします。

つまり、トイレに到着する段になって急激に尿意が高まっていたのは、おそらく排尿準備反応だったんですね。
実際には、物理的に膀胱が満タンでもうこれ以上1秒も待てない、という状況ではないのです。
なので何らかの理由で排尿が急に先延ばしされても、決して破綻(お漏らし)はしないのです。

あと、便意もだいたい似た感じですが、ここでは割愛します。

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感染しても診療はできる
- 2022/01/12(Wed) -
「医師は感染しても無症状なら、自宅などからオンライン診療を行える」とする通知を厚労省が出しました。
新型コロナ感染の拡大による、医療ひっ迫(医療従事者の不足)を受けたものです。

私もこれには基本的には賛成です。ていうか、以前からそうあるべきだと書いてきました。
ただしそれは、地域全体の医療ひっ迫を踏まえたものというより、もう少し個人的な考え方です。
つまり、私が感染者または濃厚接触者として突然休診すると、確実に困る人がいるからです。
もちろん、経営上の問題もありますが、そんなことよりもやはり、かかりつけの患者さんへの影響です。

たとえば生活習慣病の方の薬が切れては困ります。なんとか処方だけでもしなければなりません。
ワクチンの接種を急に中止すれば、予約者には大迷惑です。とくに新型コロナワクチンの場合はそうです。

なので私がもしも感染したら、院長室にこもってオンライン診療しようかと思っていました。
このたびの厚労省の通知によって、それが公式に認められるなら、好都合です。
ただし「自宅などから」という部分に、「十分に隔離された院長室」を含めることが許容されるかどうか。

使用している電子カルテが「クラウド型」であれば、自宅でログインし、薬を処方することも可能でしょう。
しかし当院のように「オンプレミス型」だと、院内LANに接続できなければ電子カルテが使えません。
院長室から一歩も出ないことを条件に、院長室からの「遠隔診療」を認めてもらえると助かるのですが。

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やはり3回目はつろうござる
- 2022/01/11(Tue) -
新型コロナワクチンの接種後は、3回目にして初めて、倦怠感と寒気が続いています。痛みも前回の3割増し。

でも接種後の痛みや熱は、我慢できるならなるべく鎮めないようにした方が良いと、私は考えています。
その理由は、ワクチンを接種した後に、体に起きる変化を想像すればわかります。

(1)注射されたワクチンの成分(mRNA)は、周辺の筋肉などの細胞内に取り込まれます。
(2)細胞内ではこのmRNAという設計図を元に、新型コロナワクチンのスパイクタンパクが作られます。
(3)できあがったスパイクタンパクが細胞外に出ると、免疫細胞が集まってきて攻撃を開始します。
(4)この攻撃の過程で、体内にはスパイクタンパクと戦った記憶と、専用の武器(抗体)が残ります。

いつかウイルスが体内に入って来た時、またあいつが来たかと、慣れた戦いができるわけです。
また、前回の武器の残りがたくさん残っていれば、初動で一気に敵を鎮圧することもできます。

この免疫の仕組みを考えると、(3)の戦いが激戦であった方が、より強い免疫が付くと私には思えるのです。
熱が出て腫れて痛む腕はまさしく、防衛部隊が激しく「重火器」を使ってる証拠。
今朝は珍しく「からすまがり(こむら返り)」が起きましたが、これもおそらく別働隊の仕事でしょう。

そんなことを考えると私は、戦闘に水を差す「解熱鎮痛剤」はあまり使いたくありません(個人の意見です)。
昨夜はあえて熱を上げるために、いつもよりも熱めの風呂に入ったぐらいですから(よい子はマネしません)。

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新型コロナワクチンの追加接種を受けました
- 2022/01/10(Mon) -
本日、私は新型コロナワクチンの追加接種(=3回目の接種)を受けました。今回もファイザーです。
1回目は昨年4/30、2回目は5/21に接種したので、それから7カ月と20日後の、3回目の接種となりました。
医療従事者等への3回目は、2回目から6カ月後にまで前倒しされましたが、実際には私は約8カ月間隔でした。

厚労省の方針確定までに時間がかかり、地域の現場へのワクチンの「前倒し配給」が間に合わなかったのです。

当院の職員のうち、今日の接種は4人だけに行い、残りのスタッフには別の日に接種することにしました。
副反応が全職員に同時に起きてしまうと業務へ支障を来すため、分散接種を行ったわけです。

そのため、ファイザーのワクチンは1本あたり6人接種する原則なので、2人分余ってしまいました。
そこで急遽、2回目の接種から7カ月以上経過した一般の方に連絡を取り、接種を受けに来ていただきました。

厚労省のマニュアル(Q&A)には当初、次のような記載がありました。

Q「ワクチンの廃棄を防ぐために、急遽初回から8カ月経っていない者に接種を行うことは許容されるか」
A「やむを得ない」

この苦々しい回答がいかにも、例外を嫌うお役人の心情を表してますね。私なら、もっと柔らかくしますけど。

Q「ワクチンの廃棄を防ぐために、急遽初回から8カ月経っていない者に接種を行ってもよいですか」
A「ですね」

接種後8時間ほど経過し、私はいま、ほどほどの筋肉痛を感じていますが、2回目の時よりもやや軽い印象です。
もしかするとこれは、新型コロナウイルスへの私の免疫が、すでにかなり低下していたためかもしれません。
やっぱりもう少し、接種間隔は近い方が良いんじゃ無かろうかと、思ってしまいます。

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『鎌倉殿』始まりました
- 2022/01/09(Sun) -
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が始まりました。
連続ドラマではみな同じでしょうけど、とくに大河の場合、初回放送には力が入ってますね。
しかも、かなり「ふざけた」脚本家として知られる三谷幸喜氏ですから、ツカミが面白くないはずがない。

一刻も早く見なければなるまいと、午後6時のBS4Kを予約録画してました。8時まで待てなかったからです。
ところが今日はとても発熱外来受診者が多く、あれこれ手こずっているうちに、帰宅が7時半になりました。
入浴後、テレビの前に陣取ったのは8時です。なんだ、結局総合テレビと同じじゃん、と言うことなかれ。

大画面の有機ELテレビなんだから、4K画質の5.1chサラウンドで視聴した方が良いに決まってます。

さてドラマは、三谷節が炸裂していますね。平安末期というのに、登場人物は普通に現代言葉をしゃべります。
主要人物の初登場時には役名の字幕が出るだけでなく、ストップモーションが入るのが親切ですね。
まあそれだけ、あと一歩なじみのない時代だということでしょう。そこが戦国時代や幕末とは違います。

古い時代であればあるほど人の命は軽く、今後どれほど残酷な物語が展開するのかと思うと恐怖すら感じます。
適度に笑いを織り交ぜなければ、1年間見続けるのは無理。ていうわけで三谷幸喜なんでしょうかね。

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たとえ弱毒でも、感染力が強ければストレスです
- 2022/01/08(Sat) -
新型コロナの感染者が急増し、「医療ひっ迫」の心配がまた出てきました。
とくにオミクロン株は過去にないスピードで感染が急拡大しているので、ひっ迫の懸念も顕著です。
今回は、病床のひっ迫だけでなく、医療従事者の感染等による診療制限も問題視されつつあります。

いやこの問題は、2年近く前から想定してきたことです。
(1)自分が感染した場合、院長室と診察室を結んで「遠隔診療」をすることは可能か
(2)当院職員が感染した場合に備えて、職員間の濃厚接触を最小限にするためには日頃からどうすべきか
(3)職員の家族や知人・友人等が感染した場合の対処法を、マニュアル化しておくべきではないか

さいわい、昨年までは前述したようなケースには該当しませんでしたが、今後はわかりません。
第5波の収束後からはとくに、院内の休憩室でのマスク着用や黙食が、必ずしも徹底されていませんでした。
ここは改めて初心を忘れないよう気を付けようと、職員みんなで確認し合ったのはほんの2,3日前のことです。

オミクロン株が感染力は高いけど重症化しにくいことは、一般市民にとっては安心材料です。
感染者数が驚くほど多くても、その数字を見て右往左往する必要は無いと言う人もいます。

しかしいくら弱毒でも、医療機関で受診者に感染させるわけにはいきません。
その意味では、弱毒かどうかには関係なく、これまでと同等以上に院内感染の予防に努めなければなりません。
たとえ重症化しにくくても、感染力が高ければ医療現場には大きなストレスがかかるのです。

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爆発的な第6波の予感
- 2022/01/07(Fri) -
3連休を前に、新型コロナのオミクロン株が日本中で猛威を振るい始めています。
今日の東京の新規感染者数は922人。昨日の641人の1.44倍でした。
沖縄はなんと1414人。奇しくも昨日の981人の1.44倍です。まさしく、2日で2倍のペースじゃないですか。

熊本も油断できません。一昨日の5人から昨日24人に増えたと思ったら、今日はもう31人。
もしも今後2日で2倍のペースで増え続けるなら、1カ月後には熊本県民が全員感染してしまう計算になります。

それは無いとしても、欧米のように日本全国で毎日数十万人の感染者が出る日が来る可能性はあります。
オミクロン株は軽症のようですが、感染者数がとても多ければ、一定数の重症者や死亡例も出ることでしょう。

しかし、今年1年間の日本の感染者数が1千万人に達することになったとしても、驚くことはありません。
いまは影を潜めている季節性インフルエンザの感染者数が、2年前までは毎年ほぼ1千万人だったからです。
そのインフルエンザの死亡数は約1万人だったので、死亡率は0.1%。
新型コロナは、インフルエンザに近いか、それよりも軽い感染症に落ち着こうとしているようにも見えます。

両者の大きな違いがあるとすれば、治療薬がまだ十分に普及していない点でしょう。
経口薬の「モルヌピラビル(商品名ラゲブリオ)」は、ようやく一部の医療機関で処方が始まったばかりです。
当院でも処方できるように手続きはしていますが、まだ準備段階です。いや、もう処方できるのかな?
今日はその薬の「市販後調査」に関するWeb説明会が「Zoom」で行われたので参加しました。

どうやら当面は、副作用等の報告を定期的に(2週間毎に!)行うことになります。なかなか面倒臭いです。
いまのところは、インフルエンザに対するタミフルのように、気軽にホイホイ処方できる薬ではなさそうです。

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感染者は増え、大雪も降る
- 2022/01/06(Thu) -
関東南部が大雪に見舞われ、あちこちで交通事故が起きたり鉄道ダイヤが乱れています。

羽田発着便と、一部は成田発着便も含めて、空の便にも多数の欠航が出ています。
JALは68便、ANAは40便、ジェットスターは14便、スターフライヤー7便、ソラシドエアは2便が欠航です。

そのソラシドエアでは、羽田19時5分発の熊本行きが欠航したため、明日の朝の熊本発羽田行きも欠航します。
このような「機材繰り」の影響では、明日のANA便でも7便の欠航が決まっています。

JALとANAの欠航便数がだいぶ違いますが、もしかすると両社の考え方の違いがあるのかもしれません。
千葉に上陸した2019年9月の台風の際には、JALの方がより多くの便を欠航としました。
その時にも書いたように、ANAはギリギリまで粘るクセがありますが、これって諸刃の剣なんですよね。
最終的に無事飛べば喜ばれますが、粘った挙げ句に欠航が決まると大迷惑。かえって恨まれることになります。

しかし早め早めの対策を講じることは危機管理としては正解ですが、その判断は実際には難しいものです。

新型コロナ対策も同様。その意味で岸田首相は、バランスの良い政策を打ち出していると思います。
他山の石のおかげで、あとで後手後手だと批判されないような「さじ加減」もわかっているのでしょう。

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日本もついにオミクロン株が激増か
- 2022/01/05(Wed) -
新型コロナの新規感染者数が、沖縄623人、東京390人と発表され、一気に危機感が高まった気がします。
去年の正月は大変だったけど、今年はわりと平穏だなぁと思っていた自分を、訂正しなければなりません。

当院は今日が、新年最初の診療日でした。昨日の火曜日は当院の定期休診日だったためです。
「2月、3月には第6波を迎えるでしょう」と、職員を前にのんきな話をしたのは、つい今朝のこと。
欧米で感染者が激増していますが、すぐに日本に当てはまることでもなかろうと思っていたのでした。

オミクロン株に置き換わったがゆえの、指数関数的な増え方と考えられます。今後の予測もつきません。
東京の新規感染者の半数以上は、ワクチンを2回接種済だったといいます。もう接種歴はアテになりません。

もちろん、オミクロン株は比較的軽症ということだし、接種歴だってあながち無意味じゃないでしょう。
また、3回目の接種や経口薬に期待することもできます。
しかし当面、指数関数的な感染者数の増加に、迅速かつ効果的なブレーキをかける術はないでしょう。
マンボウとか緊急事態宣言という「劇薬」を使うとしたら、こんどは副作用の方が心配になります。

これまでの感染者数が欧米に比べて圧倒的に少なかったのが日本の奇跡だとしても、今後はわかりません。
デルタ株には比較的強かった日本人が、オミクロン株にはからっきし弱い、なんてことだってあり得ますから。

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院長室を久々に片付けてみた
- 2022/01/04(Tue) -
読んでも面白くない「片付け」シリーズ。今日は、院長室の床を埋めていた文書と雑誌を片付けてみました。

私の文書整理のルールは、原則として、
・デジタル文書:Dropbox内のしかるべき場所に保存 + Evernoteにも保存
・紙文書:スキャンしてDropbox内に保存 + Evernoteにも保存 + 重要書類に限り紙文書もファイル

なのですが、あまり重要じゃないからあとで読もうと思った紙文書等は、ついそこら辺に置いてしまいます。
これがいつしか、山のように積み上がってしまうのです。いわゆる「バベルの塔」ってやつです。
その山があまり高いと不安定になるので、一定の高さになったら、隣に別の山を築くことになります。

さて今日は、山の上の方から順に手に取ってチェックしながら、捨てるか保存するかを分別していきました。
古くて懐かしいのが出てくると、つい見入ってしまうのはしょうがないです。
面白いことに、掘り進めば掘り進むほど古い書類になるとは限りません。
下の方から新しい雑誌が出てきたり、その新しい雑誌に隣り合って、開院当初の古い書類が出てきたり。

おそらく、こういうことだと思います。
書類の積み重ねは通常、下の方が古く、上の方に新しいモノが積み上げられていきます。
そのような山が順にA・Bと2つできたとすれば、Aの下がいちばん古く、Bの上が最新です。
ところが問題は、ちょっとした(中途半端な)片付けの時に、Bの上にAを載せたりするわけですね。
すると新しい山では、比較的新しい層が下の方に来てしまいます。いわゆる「地層逆転」です。
しかも立ち並ぶ山々がときに土砂崩れを起こし、その修復作業によって、地層はいよいよバラバラになります。

地震のあとで大規模な片付けをしたはずですが、どうしたことか開院当初の書類を出土したのには驚きます。
10年以上まったく手つかずの、戸棚の中のガラクタの整理は、今回もまたお預けとなりました。

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ワケあって、Macが並んでますが
- 2022/01/03(Mon) -
当院は年末年始の休診中ですが、今日はコッソリ出勤して、新年の診療に向けての準備を行いました。
ひとつは、今年から(正確には昨年12月31日から)改定された診療報酬に関する、システム更新作業です。

前にも書いたように、PCR検査の点数が大幅に引き下げられました。4月からはさらに下がる予定です。
外部への検査委託料との差額が医療機関の収入となるので、点数の大幅引き下げは一大事(死活問題)です。
と思っていたら検査センターから価格改定の連絡が入り、検査しても赤字にはならない料金に下がりました。

抗原定性検査の点数も下がりますが、検査キットの納入価格を大幅に安くすると業者から連絡が入りました。
それじゃあ最初から安くできたんじゃないの?、と思ったりもしますが、業者もたぶん精一杯なのでしょう。

検査業者も試薬業者も、厚労省のもくろみ通りの「企業努力」を強いられ、利益を圧縮させられたわけです。
そして「末端業者」である医療機関はいつも、このような「医療費削減」の波に翻弄されることになります。

もうひとつ今日したことは、電子カルテの予備機(しかも2台!)の造設です。
1台は予備サーバーに、もう1台はクライアントとして、いつでも稼働できる状態にセットアップしました。
年末のようなコトがまた起きないとも限りません。これも危機管理(機器管理)の一環です。
そしてこのような面倒な作業を、私は嫌いじゃない。ていうか好き。なんなら大好き(嬉嬉管理)。
おかげで院長室には、何に使うのっていうぐらいMacがずらっと並んでいますが、これはムダではないのです。

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書斎を久々に片付けてみた
- 2022/01/02(Sun) -
地震の直後でもないのに足の踏みどころもない自宅の書斎でしたが、今日はほぼ2年ぶりに片付けをしました。
それほど大掛かりなことはやっていません。大々的にやろうとして失敗してきた経験が何度もあるからです。

これまでの私は、書斎の片付けをする時はまず、収納家具やグッズを買いに行くことから始めていました。
なんなら最初に工程表を作ったりして、それが完成したら満足してコーヒーで一服したりしていました。

今回は、何も買わず、何も作らず、ただ淡々と手前のモノから順に片付けるという手法を試みました。
まずは、ドアからデスクまでの床の上に積み重ねられている文書類の「処理」から始めました。

「いつか読もう」と思っていた書籍・雑誌・パンフ・チラシ・取扱説明書は、書籍以外はほとんど捨てました。

Macとスキャナを立ち上げて作業を進めたのが、今回のポイントでしょうか。
すべての書類にざっと目を通し、その中に「捨てがたいページ」を発見した場合は、スキャンして捨てます。
どうしても現物を残しておきたい書類はクリアファイルに入れ、本と一緒に本棚に収納します。
その収納スペースを作るために、本棚を占拠していた雑誌とパンフ類も、同様に断捨離しました。

片付けはまだ、全体の1割程度で今日は終了としましたが、それでも床が見えるようになったことは収穫です。
部屋の奥まで行けるようになりました。床が露出したので掃除機をかけました。これは衛生上も良いことです。
今回スキャンした文書ファイルについては、「いつか読もう」と思っています。

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めでたさも中くらいなり
- 2022/01/01(Sat) -
「新しい年を迎えました 本年もどうぞよろしくお願い致します」

今年は喪中のため、このようないささか「おめでたさ」の欠ける表現になりますことを、ご了承ください。

それに、コロナ禍にはいまだに収束の兆しが見えず、誰にとっても無条件におめでたい新年ではないでしょう。
とは言え、今年こそよい年になりますようにという願いもまた共通。お正月は明るい気持ちで迎えたいですね。

今朝わが家に届いた年賀状は、業者等からのものを除いてわずかに7通。
ゼロかとも思っていましたが、私の欠礼通知に気付かれなかったのか、何かの手違いか、賀状が届きました。

私も過去に、欠礼状を受け取りながら、その方に年賀状を出してしまったことが何度もあります。
それが目上の方だったときは、「寒中見舞い」を出してお詫びをしたこともありました。
ですが逆の立場になってみると、喪中の私に年賀状を送ってくださった方を「非礼」だとは感じませんでした。

去年のことは去年のこと。年が明けたので今年もよろしくという挨拶には、なんの悪気もありませんから。

そもそも年賀状のやり取りなど、形骸化とまでは言いませんが、ほぼ社交辞令を伝え合う恒例行事です。
本当にその方との交流を大事にするなら、欠礼状を送って来た方への返信こそ、大事なのかもしれません。
とは言え、私はこれまでに「喪中見舞い」などを送ったことなど一度もありません。寒中見舞いもわずかです。

そんな手紙や葉書を、適切なタイミングでサクッと書いてすぐ送る、なんて人間になりたかったのですがね。

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