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エアロゾル感染を意識するなら、十分な換気を
- 2022/03/31(Thu) -
「新型コロナは『空気感染』すると感染研が認めた」
センセーショナルに報じられていますが、驚くほどでもないニュース。何を今さら、という反応が適切です。

たしかに以前は、新型コロナの感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」だと感染研は言ってきました。
しかし最近になって、「エアロゾル感染」も否定できない、と言い始めました。
そして3日前に、主な経路は「エアロゾル感染」「飛沫感染」「接触感染」の3つであると改めたわけです。

「飛沫」は、感染者の口から飛び出した、ウイルスを含む液体の大きな粒子で、数分以内に床に落下します。
「エアロゾル」は、飛沫が乾燥した小さな粒子で、軽いので空中を長時間浮遊するとされています。

両者は、元をたどれば同じモノであり、飛沫の一部がエアロゾルとなって漂うことは、誰でも想像できます。
これまでに部屋の換気が推奨されてきたのもエアロゾル対策であって、飛沫対策ではなかったはず。
すでに分かっていたことを改めて感染研が認めたとしても、今からやるべき対策は変わらないのです。

ただし飛沫とエアロゾルでは、それぞれに適した対策をとるべきです。診療における私の基本的な考え方は、
(1)飛沫対策:感染者等と対面するときは、十分な防護具を装着し、距離をとり、真正面を避ける
(2)エアロゾル対策:感染者等が滞在している(いた)個室は、つねに十分に換気し、長時間の滞在を控える

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発熱外来は、来月もやるしかなさそう
- 2022/03/30(Wed) -
熊本市の保健所は最近、無症状の濃厚接触者の積極的なPCR検査を行わない方針に切り替えています。
発症したら検査を考えましょう、という姿勢です。検査態勢のひっ迫を考慮したものかもしれません。

しかしそのおかげで、濃厚接触者の感染の有無が不明のまま、自宅療養が解除されていきます。
遅れて発症した濃厚接触者に遭遇することも多く、検査を抑制することの弊害は、すでに出始めています。

「オミクロン株」の派生型「BA.2」の感染者が、昨日熊本県内で初めて確認されました。
お隣の鹿児島県では、熊本よりも11日早い今月18日に初感染が確認されています。

その鹿児島は、先週から新規感染者数が上昇に転じており、昨日からは2日連続で過去最多を更新しています。
これがBA.2の拡大によるものであるのなら、熊本でも同様の事態が今週末ごろから始まることでしょう。
ちょうど春休み・新年度の人の移動(異動)の多い時期なので、タイミングとしては最悪かもしれません。

感染の再拡大があろうとも、発熱外来の診療報酬は4月から大幅に引き下げられることになっています。
なので当院の発熱外来も規模を縮小しようかなと思っていましたが、しばらくはまだ無理そうですね。

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数字で個性を出してみる
- 2022/03/29(Tue) -
保険会社の「チューリッヒ」が、ロシア支持を誤解されぬよう、企業ロゴ「Z」の使用をとりやめたとのこと。
そう聞いてすぐ同社のサイトを見たら、まだ出ています。どうやら、SNS上での使用だけ中止したようですね。
さて「Z会」はどう出るか。

「Z」の文字を書くとき、真ん中の斜めの線を横切るように、短い線を書き加えることがありますよね。
あれは「ストローク」といって、私も格好付けに書いてます。でも本来は「2」と区別するためのものですね。
いや確かに、ストローク抜きで「Z」を書いたら、よほどカクカク書かない限り、2との区別が付きません。

「D」や数字の「7」にストロークを付ける人を見かけますが、これはちょっと気取った感じが私はイヤです。
もちろんそれぞれ、本来は「O」や数字の「1」と区別しやすくするためなんでしょうけどね。

そもそも外人の書く「1」は、頭がやたらに大きく折れ曲がっていて、ほとんど「逆V」になってますからね。
これは「1」と「l (Lの小文字)」を区別するためなのでしょうけど、日本人にはあまりピンと来ません。
しかしおかげで「1」と「7」を区別する必要が生じ、「7」にストロークを付けることになったと推測します。

でも公的な文書でもなければ、わざとストローク付きで数字を書くのも個性的かなと、急に思い始めました。
数字の「4」は、横棒が縦棒の右には突き出さない書き方をすると、いかにも外人(かぶれ)風になりますね。
「2」の左下を丸くしたアヒルみたいにするとか、「3」の上を平らにして「ろ」みたいにしてもいいかも。

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新型コロナワクチンもMRワクチンも大事です
- 2022/03/28(Mon) -
新型コロナワクチンは、他のワクチンとの接種間隔が2週間必要です。
しかしその他のワクチンにおいては、生ワクチン同士の注射を除いて、接種間隔に制限はありません。

これはわりと最近決まった規定なので、以前のルールをご存じの親御さんに、驚かれることがあります。

かつて、不活化ワクチン後には1週間、生ワクチン接種後には4週間、他のワクチンが打てませんでした。
日本以外でそのように規定している国はなく、言うなれば日本だけの「ローカルルール」でした。

ワクチン接種後に一定期間だけ、他のワクチンを打てなくしていた理由は、副作用の観察のためでした。
近接した日程で接種をすると、最初の接種の副反応が次の接種の時期と重なる可能性があります。
ワクチン接種の副反応の有無を十分観察して、それから次の接種を行うべきだと、慎重に考えていたのです。
その観察に要する期間が、不活化ワクチンなら1週間、生ワクチンなら4週間あればよかろうという考え方です。

しかしながら近年、定期接種の種類も増え、複数のワクチンを同時接種するのが当たり前になりました。
同時接種するということは、そろぞれのワクチンの副反応を個別に観察することをやめたということです。
であるならば、副反応の観察のために間隔をあけて接種する意味も無い、ということになります。

やがて撤廃されるとは思いますが、新型コロナワクチンの接種前後には2週間の間隔をあける規定があります。

来月から本格的に始まる、5〜11歳の新型コロナワクチン。年長児ではMRワクチンの接種開始と重なります。
旬のワクチン(=コロナ)を優先するなら、コロナ→ ( 3週間 ) →コロナ→ ( 2週間 ) →MR、の順でしょうね。
いや、MRが大事だと思うなら、MR→ ( 2週間 ) →コロナ→ ( 3週間 ) →コロナ、でもいいと思います。
どっちも早く打ちたけりゃ、コロナ→ ( 2週間 ) →MR→ ( 2週間 ) →コロナ、もアリでしょう。

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花粉症になりました
- 2022/03/27(Sun) -
晴天に恵まれた今日、花粉の飛散量も多かったのでしょうか。かなり厳しい一日となりました。

元々花粉症とは無縁の人生を歩んできた私ですが、2,3年前から怪しくなり、今年はもう、いけません。
鼻水だけなら風邪でも引いたかと思うところですが、コロナ禍の今、逆に風邪など引かないはずです。
それに加えて目が痒い。むしろ痒い。これはもう、花粉症を患ったと考えるしかありません。

私もついに、この歳になって、そちら側の人間になってしまったことを潔く認めざるを得ません。

マンボウが終わり、年度末になり、人の移動が増え、各地がコロナ前のように盛り上がっているようです。
発熱外来の受診者はしかしまだ多く、第6波の収束が見えません。まさかこのまま第7波に向かうのでしょうか。
診療報酬が、4月から大幅に削られることが決まっています。厚労省のやり口にはガッカリします。

マスクを装着していても鼻水が垂れます。花粉が防げてないのにウイルスを防御できるのか、不安になります。
我慢できずにアレグラを飲みました。しばらくすると鼻水は止まりましたが、鼻の奥がツンツンします。

いまのところ、私の鼻炎症状は左の鼻だけです。なのでまだ「左花粉症」です。なんなら半人前の状態です。
これが両側になってやっと「花粉症で辛いねぇ」と顔をしかめることができるのでしょう(個人の見解です)。

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「順列組み合わせ」が好き
- 2022/03/26(Sat) -
「ファイザー」と言えば、いまや誰もが知る製薬会社です。新型コロナワクチンの代名詞とも言えるでしょう。

あるとき、「ハイザー打てますかね」と尋ねる高齢の方がいました。モデルナの副反応が気になるようです。
でもそれ以前に、「ハイザー」の響きが懐かしくて、言葉を訂正するようなことはしませんでした。

子どもの頃(60年代)、わが家に「ハイザー」がありました。「自動計量米びつ」のことですね。
当院スタッフの自宅や実家では、まだ大切に使っているお宅もあるようで、その寿命の長さには敬服します。

1・2・3のレバーがあって、押すとそれぞれ1合・2合・3合のお米が、はい、ザーッ、と出てきます。
4合以上必要なら、レバー操作を何回か繰り返せば目的量のお米が得られるという、画期的な台所用品です。

その、小さな数のたし算が必要だというところが、幼少期の私にはとても興味深い学習機材でもありました。
子ども心に、5合のときはどのレバーを押そうか、6合ならどうしようかと、シミュレーションしていました。
5合だと3→2の順なんですよね、2→3じゃなくて。最初になるべく多く確保したい気持ちのせいでしょうか。
6合は3→3が順当だけど、1→2→3もアリなはず。いや、3→2→1だって、2→1→1→2だってあるはず。

私は昔から、「数列」とか「順列組み合わせ」とかが好きでした。もちろん「純烈」とは無関係です。
でも、純烈のメンバーから2,3人のユニットが何通りできるか、という問題なら「純烈組み合わせ」ですかね。

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新型コロナワクチンの間違い接種事例
- 2022/03/25(Fri) -
新型コロナワクチンの接種が進められているなかで、「間違い接種」も起きているようです。
熊本市が今日、注意喚起の一環として「間違い接種事例集」を医療機関に送って来たので、ご紹介します。

(1)接種間隔の間違い
2回目の接種から6カ月を経過しないうちに3回目接種をした事例は、たぶんかなり多いと思われます。
対象者の利便性のため、まだ6カ月たっていないうちに3回目用の接種券が届くので、誤解されるのでしょう。
接種当日というよりも、予約段階で気付かないのでしょうか。そこがいちばん大事なポイントですけどね。

(2)接種器具の扱いが適切でなかった
接種時に針とシリンジが外れて薬液が漏れるアクシデントは、すべての注射作業に起こり得ることです。
某大学病院で、私自身がまぶたに注射された時、針が外れて液が散り、ひどい目に遭った思い出があります。
注射を行う医師(または看護師)には、注射の直前に、針をシリンジに押し込む癖が必要です。

(3)期限切れワクチンを接種した
ワクチンの製造から9カ月の「有効期限」のほかに、解凍からの日数で決まる「保管期限」があります。
保管期限はファイザーが解凍から31日間、モデルナは30日、小児用ファイザーは10週間と、微妙にバラバラ。
さらに、室温に戻したりシリンジに吸引した後の使用期限にも細かい規定があり、じつに面倒なワクチンです。

(4)2回目の接種の方に、3回目として接種した
モデルナの3回目は半量だけ接種するので、2回目のモデルナも同時に扱っていると、間違いの元です。
当院では、1回目も2回目も3回目も行っていますが、間違いを防ぐため、モデルナは3回目だけにしています。
誰かがウッカリしても、確認が不十分であっても、原理的に間違えないような仕組み作りが、何より重要です。

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新型コロナワクチン4回目接種実施へ
- 2022/03/24(Thu) -
「また接種しなきゃならないんですかね」と尋ねる方が、ちらほら出てきました。
新型コロナワクチンの4回目接種について、厚労省が議論を始めたと報じられたからです。

皆さんの意見は賛否分かれていて、「もううんざり」の方もいれば、「するなら早めに」という方もいます。

厚労省のワクチン分科会では今日、次の4点について議論がなされました。
(1)オミクロン株へのワクチンの有効性
(2)12-17歳に対する3回目接種
(3)4回目接種
(4)武田社製ワクチン(ノババックス)

その結論は、こんな具合です。
(1)デルタよりは有効性が劣るけど、オミクロンにもわりと効くよ。でも子どもでは効きが弱いかもね。
(2)12-17歳でも有効で、副反応も許容範囲。とりあえず、ファイザー限定でリスクのある子に打とうか。
(3)4回目を推奨している国は限定的だけど、日本はやるよ。全ての者に4回目接種の機会を提供しよう。
(4)有効性も安全性もまずまず。接種する国は増えているようですな。

欧米諸国では、高齢者や医療従事者等を対象に、限定的に慎重に、4回目接種が行われているようです。
一方で日本は、「全ての希望者への接種を想定する」と前のめっています。
3回目接種の方針が二転三転したために進捗が遅れたと批判されたため、ムキになっているのでしょうかね。

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ゼレンスキー大統領
- 2022/03/23(Wed) -
ウクライナのゼレンスキー大統領が、日本でオンライン演説をしました。Tシャツ姿ではありませんでした。

この人は各国で、その国の国民感情を意識した内容の演説を行ってきています。なかなか巧みです。

「真珠湾を思い出してください。(略)9月11日を思い出してください。(略)私たちの領土は毎日これを経験しているのです」
米連邦議会に対してそう語りました。「真珠湾」と「9.11」が同列に米国人ウケするのかと愕然としました。

「ロシアは核物質の処理場を戦場に変えました。戦争のあとこの処理にどれほどの時間がかかるか想像してみてください」
日本に対しは、フクシマの事故以来、実は日本人がとても苦しんでいるところに、きわどく踏み込んで来ます。

「ロシアがサリンなどの化学兵器を使った攻撃を準備しているという報告を受けています」
敢えて「サリン」を盛り込んできます。ロシアの極悪非道ぶりを日本人に訴えるには、効果的な言葉でしょう。

演説を批判しているわけではななく、ただ、上手いなあと思うのです。もちろん応援・支持しています。
大統領がすごいのか有能なスピーチライターがいるのか、「言論」で「武力」に立ち向かう姿が鮮明です。

ドラマの「大統領役」俳優から本物の大統領に転身するという、まるで冗談のような経歴ですからね。
いまなお彼は、大統領を演じているのかもしれません。もちろん、良い意味で、です。誤解の無きように。

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意外と減らない熊本のコロナ
- 2022/03/22(Tue) -
最近1カ月間で、熊本県で新型コロナ新規感染者数が最も多かったのは、2週間前の火曜日(861人)でした。
その後、水>木>金>土>日>月と減り続けた後、火曜日にまたポーンと感染者数は増えました(699人)。
そしてまた、水>木>金>土>日>月と減り続けた後、火曜日なのに今日も減っています(239人)。

週末の検査態勢等の低下によって報告数が減っているだけの話だということは、誰もが分かっていることです。
今回は、日・月が連休だったので報告数の減少が長引きました。明日はきっと、ポーンと上がることでしょう。

当院では、3/20(日)のPCR検査23人中の陽性は18人 (78%)、3/21(月)は38人中で陽性19人 (50%)でした。
それらの検査結果が判明したのが今日の午後だったので、発生届を保健所に出すのは今日の夕方になりました。
結果的に、新規感染者数として日・月の検査分がカウントされるのは、明日・水曜日になります。
そんな具合に、休日に行った検査の結果は、平日よりも遅れて表に出ます。これは全国共通の現象です。

いまだに驚くべき陽性率です。検査数を増やせば、もっと感染者数が増えることは間違いないでしょう。

それに加えて、感染者のプロフィールが先月までとは少し異なる様相だと感じます。
家庭内感染があいかわらず多い一方で、どこで感染したのかはっきりしない人が増えているのです。
強い咽頭痛を伴う傾向は変わりませんが、以前より高熱が続く人が増え、遅れて下痢が始まる人も目立ちます。
もしかすると、ウイルスが少し変異しているのかもしれません。いずれにせよ、まったく油断ができません。

ワクチンを3回接種した方の感染も、残念ながらよく目にします。重症化はしないはずだと思いたいですね。

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PCR検査の委託先を変えました
- 2022/03/21(Mon) -
臨床検査センターは、概して日曜祝日の検査受入態勢が弱く、日祝診療をしている当院はいつも困っています。

そこで昨日から、PCR検査の委託先を、これまでとは別の業者(検査会社)に変えました。
その最大の理由は、新たに委託する会社なら、日祝日の検体回収をしてくれるからです。
これは当院にとってかなり大きなことで、日祝日のPCR検査の結果が判明する時間帯が大幅に早くなります。

結果判明が早ければ、患者さんへの連絡も早くなり、必要な治療も早くなり、保健所への届出も早くなります。
患者さんにとっては、出勤の可否や家族への影響も甚大ですから、一刻も早く白黒を付けたいはずです。

日祝日には、「新型コロナウイルス感染症専用相談窓口」で紹介を受けた、という方からの電話が相次ぎます。
昨日も今日も、そのような電話によって、朝の内に夕方までの予約枠が埋まりました。

当院の発熱外来では、唾液が採取できる方は原則としてPCR検査を行い、抗原検査は限定的に行っています。
高齢者や重症化のリスク因子をお持ちの方など、早く陽性診断を付けたい場合に限り、抗原検査を行います。

抗原検査で陰性の場合でも、それが偽陰性の疑いがあれば、あらためてPCR検査をすることになります。
このような場合、PCR検査は原則として抗原検査の翌日以降に行っています。

かつて両者を同日検査していた当院は、国保連にバッサリと全症例の診療報酬をカットされてしまいました。
その苦い経験に懲りて当院では、抗原検査とPCRを同じ日に行わないようにして膾を吹いています。
患者さんには別日にPCR検査に来ていただくので、検査結果が出るのが遅れます。医療費もムダに増えます。
医療費削減をもくろむ国保連の狙いとは裏腹に、医療費は余計にかかり、患者さんの負担も増えているのです。

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HPVワクチンの「積極的勧奨接種」、まもなく再開します
- 2022/03/20(Sun) -
HPVワクチンは来月から、これまで差し控えられてきた「積極的勧奨接種」が再開します。
厚労省は、そのように決定するに至った議論を3つ、提示しています。
(1)HPVワクチンの安全性についての特段の懸念は認められない
(2)HPVワクチン接種後に生じた症状に苦しんでいる方に寄り添った支援を続けていく
(3)HPVワクチンに関する情報提供が広がった結果、国民の理解が進み、接種者数が増えてきている

まず、とくに新たなエビデンスが出たわけでもないのに、いまさらのように(1)を言い出すのは不誠実です。
さらに(2)は(1)と矛盾します。単に、いかにも国民に寄り添ってます感を出すための誤魔化しです。
挙げ句の果ては(3)のように、国民がこれまでワクチンの安全性を理解していなかったかの様に言う始末。

国は、その判断の誤りと、それによる国民の不利益については何一つ触れずに、やり過ごそうとしています。

毎年1万人以上が罹患し、3千人近くが死亡する「感染症」を、国が予防しない道を選んだ事実は消えません。
感染症から国民を守ることよりも、予防接種という「施策」による健康被害を防ぐことを優先させたのです。
これが愚策であることは、ほかならぬ厚生官僚がいちばんわかっていたのですが、ずっと動けませんでした。

これまでの経緯はどうであれ、積極的勧奨接種を再開するのであれば、私はもう何も申しません(たぶん)。
接種機会を失ってしまった方への「キャッチアップ接種」も、十分にやっていただけるのでしょう。
さらにその方が将来子宮頸がんを発症してしまった場合はもちろん、十分な対応をとっていただけますよね。

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『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
- 2022/03/19(Sat) -
映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』を観ました。今年のアカデミー作品賞の最有力候補などと言われてますね。

話題まっただ中の映画なのに、観たければ家庭ですぐ観られるのが「Netflix作品」の良いところです。
(この映画、たぶんネタバレ厳禁だと思いますので、これから鑑賞予定の方は、以下は読まないでください)

この映画のジャンル、「ウエスタン・サスペンス」で、合ってますかね。

タイトルが「犬の力」なので、動物映画かと思ってましたうそ。でもたしかに、動物が重要な意味を持ちます。
しかし犬にそれほどの直接的な力はなく、兎でも馬でもなく、しいて言えば「牛の力」でしょうか。
ただし時々犬が吠えるので、そのたびに我が家の愛犬・花ちゃんが、画面に吠えかかります。

重要な登場人物は4人。みなそれぞれに被害者でありながら加害者で、今風に言えば全員が「クセツヨ」です。
雄大な西部の山々の描写のもと、最終的な「犯行」に至るまでジワジワと控え目な伏線が張られていきます。

私が感じとった解釈が本当に正しいのかどうか、自信はありません。実はもっと別の物語かもしれません。
見落とした伏線、描かれてすらいない真実、どこまで想像で補えば良いのか、考え出したらキリがありません。

例によって偶然が重なってこそ成り立つ展開ですが、そこは映画ですから、そういう事例を描いたまでの話。
いずれにしても2度観が必要ですね。アカデミー賞の審査員が好きそうな映画だと思います。

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PCR検査の診療報酬に、わずかばかりの救済措置
- 2022/03/18(Fri) -
マンボウを予定通り21日にすべての地域で解除することを、政府は決定しました。
けっして感染が終息したわけではなく、むしろ感染再拡大の懸念の残る中で、あえて舵を切ったわけです。

発熱外来をやっていると、たしかにピークは過ぎたと感じますが、ダラダラと感染者が減らない印象です。

そんな中、4月からPCR検査の診療報酬がほぼ半減するなど、医療機関には大打撃が待ち構えていました。
以前は18,000円だったものが、12/31から13,500円、4月からは7,000円と、大幅に減額される予定でした。

診療報酬と検査用経費の差が医療機関の収入ですが、ヘタをすると赤字になりそうなぐらいの「改悪」です。
このままでは検査すればするほど損をする、ならばPCR検査なんてやめようかという人も出てくるほどです。

そう思っていたら、診療報酬の引き下げが少しだけ、ほんの3カ月間だけ、緩和されることになりました。
4/1から6/30までは8,500円という「経過措置」を、中医協(中央社会保険医療協議会)が提案したのです。
まったくケチな見直しですが、じゃなくて、中医協の皆さまには、格別のご配慮、痛み入ります。

一方で検査センターには、検査委託料のさらなる引き下げをお願いします。
ていうかそもそも、最初から委託料が高すぎたのです。医療機関が利に走っているわけではありませんので。

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こんな時に大地震(こんな時でなくても)
- 2022/03/17(Thu) -
東北地方で昨夜、福島県沖を震源とする地震がありました。
私はスマホのニュース速報で寝入りばなを起こされ、しかし東北の出来事と知って、また寝入りました。失礼。

東北新幹線の車両が高架の上で脱線しましたが、けが人がなかったのは地震対策技術のおかげでしょう。
東北地方の皆さまのご無事をお祈りしています。あと、原発の無事も。あと、今夜「本震」が来ないことも。

停電のために冷凍・冷蔵庫内の温度が上昇し、保管していた新型コロナワクチンが大量に廃棄されたとのこと。
報じられたのは自治体で保管していたものですが、おそらく、医療機関でも同様の損害は起きたことでしょう。

あるいは、停電中の温度上昇に気付かれないまま保管が続けられれてるワクチンも、あるかもしれません。
前にも書いたように、冷蔵保管中のワクチンは、温度管理がいかにルーズでも外見上は何も分かりません。
医療機関等が、保管温度についてどこまで厳しく管理しているか、その熱意と良心がすべてなのです。

記者会見の報道で久しぶりに、気象庁の島田洋七こと、中村雅基「地震火山技術・調査課長」の姿を見ました。
3年前に初めて拝見した「地震津波監視課長」時代よりも、島田洋七度がかなり低下しています。
しかも元気がありません。当然のことならが、徹夜なのでしょう。昭和40年1月生まれ。57歳ですか。
気象庁ではおなじみの、口元が透明なマスクを装着しています。これって、いつまでたっても慣れませんね。

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子どものオミクロン
- 2022/03/16(Wed) -
子どもの感染が増えていると言われる、新型コロナのオミクロン株ですが、当院でも小児例が増えています。

昨年1年間のPCRまたは抗原陽性例は97人で、うち15歳以下は18例 (19%)、11歳以下は10例 (10%)でした。
ところが今年はこれまでの陽性例449例のうち、15歳以下は121例 (27%)、11歳以下は104例 (23%)でした。

当院の0歳児の陽性例も、昨年1年間で1人でしたが、今年はすでに3人ほど出ています。すべて8カ月児です。
1人は、38度台の熱以外に症状もなく元気で、突発性発疹かと思いましたが念のため検査したら、陽性。
2人目は、38度台の熱と鼻水。兄弟がコロナに罹患していたので検査したら、陽性。
3人目は、熱も無く下痢のみ。両親がともに風邪を引いている状況を怪しみ、念のため検査したら、陽性。

このように、風邪か胃腸炎か突発性発疹かと思うような、比較的元気なケースが、コロナでした。

日本小児科学会が最近、過去2年間の国内の小児新型コロナ感染者5,129例の調査結果をまとめました。
コロナ流行初期と、デルタ株流行期と、オミクロン株流行期の症状などを比較分析したものです。

その結果オミクロンでは、発熱・咽頭炎・頭痛・嘔吐の割合が多いことがわかり、私の経験にも一致します。
すなわちオミクロン株感染は、上気道炎や胃腸炎など、普通の風邪に近い症状に向かいつつあるようです。

岸田首相は今日の会見で、一般の事業所での濃厚接触者の特定をやめる方針を示しました。
マンボウも解除されるし、もうそろそろ隔離一辺倒な対応は見直す時期かもしれませんね。

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マスクを着けていても「Face ID」が使えるようになりました
- 2022/03/15(Tue) -
このご時世、マスクを着けたままでiPhoneを使おうとしたら、Face IDが働かなくて苦労しますね。
しかしその不便ともおさらばです。今日(日本時間)配信された「iOS15.4」で解決です。

マスク装着時のFace ID機能が追加されたと聞いて(読んで)、さっそくアップデートしました。
再起動後、「マスク装着時にFace IDを使用する」という選択肢が出るので、タップして先に進みます。
いつものようなFace IDのセットアップが行われますが、その際にマスクを装着する必要はありません。
さらに、メガネを外して2回目の顔スキャン。設定を間違えたのか、なんのかんので計4回スキャンしました。

さて、大型のマスクを着けて試してみましたが、驚いたことに、一瞬にしてロックが解除されました。
目の周囲の特徴を認識しているそうですが、それにしても、これほど早い認証で大丈夫かと思うほどです。

メガネを変えたらダメでしたが、「メガネを追加」で追加スキャンすると、そのメガネでもOKになりました。
さらに、サングラスでも認証できました。マスク+サングラスでも認証できるとは驚きです。
ていうか、いったい何を認識しているのでしょう。逆にセキュリティが甘くなってないか心配になります。

でもともかく、明日から診療中にiPhoneを使いやすくなることは朗報です。皆さまもぜひどうぞ。

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ワクチンでは、「副作用」と言わずに「副反応」を使います
- 2022/03/14(Mon) -
「こないだのワクチン、どうでしたか?」
新型コロナワクチンの3回目接種後に初めて受診された方には、たいていこのような質問をしています。

「どうもなかった」という方もいれば、「高熱が出ました」「2,3日寝込みました」という方もいます。
このような「副反応」については、昨年来の周知徹底が行き届いているので、皆さんわりと冷静です。
「高熱が出ましたが、大丈夫でしょうか」と問い合わせて来る方は、滅多にいません(たまにいます)。

一般の医薬品で「副作用」と呼ぶような現象について、ワクチンでは以前から「副反応」と表現しています。

前者は薬の「薬理作用」に付随するもので、後者はワクチンの「免疫反応」に付随するものだからでしょうか。
敢えて言い換えるなら、副作用は薬の「異常作用」であり、副反応は生体の「異常反応」という解釈です。
しかしおそらくその両者には、厳密な意味での生理学・薬理学的な差はないでしょう。

以前「HPVワクチン」問題が起きたとき、副反応という言葉がごまかしのように捉えられたりしました。
「ワクチンのせいじゃなく、体の異常です」と、まるで責任逃れのように聞こえるからです。

コロナワクチンで市民権を得た「副反応」ですが、「副作用」とは言いたくないニュアンスはつねに感じます。
英語ではいずれも「side effect」であり、両者を使い分けているのは日本(語)だけだといいます。
日本人独特の婉曲表現というか、一種の本音と建て前なのかもしれませんね。

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発熱外来受診者が減った気がしません
- 2022/03/13(Sun) -
今日の発熱外来も思いのほか受診者が多く、午前10時台には予約受付を終了する羽目になりました。
「新型コロナウイルス感染症相談窓口」から紹介を受けた方が、次々に電話をかけてくるのです。

まずはその「相談窓口」に電話して、今日はもうこれ以上当院を紹介してくれるなと伝えなければなりません。
さらに当院のネット予約システムをストップし、お急ぎの方は電話でご相談くださいと、お知らせを出します。

かかってきた電話にはなるべく私が出て、今日の内に診察・検査等を行う必要のある方を絞り込みます。
それ以外の方は、休日当番医や救急病院を受診していただくか、明日まで様子を見ることになります。

どうしても当院でのPCR検査をご希望の方は、明日の午前中に来ていただきます。
実は、今日PCR検査しても明日の朝検査しても、その結果が判明するタイミングはほとんど同じなのです。
せっかく日曜日に検査をしても、検査センターの関係で、検査の実施自体が平日回しになるからです。
このように、曜日によって検査態勢に大きなムラがある問題は、コロナ禍の初期から続き、解決していません。

無料PCR検査所で検査を受ける方が増えていますが、「確定検査」が必要になるのであれば、二度手間です。
市販の抗原検査キットも、偽陰性が多いことへの周知が不足している点が問題でしょう。
いま望むのは、極めて高感度の抗原定性検査キットでしょうか。いやそれよりも、使いやすい経口特効薬かな。

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小児(5〜11歳)用新型コロナワクチン、予約受付を始めました
- 2022/03/12(Sat) -
モデルナの新型コロナワクチンを、遅ればせながら当院では今日初めて接種しました。
なにしろ、1バイアルで15人から20人に接種するワクチンですから、なかなか希望者がが集まらないのです。
ただし、ファイザーのワクチンのような「希釈」作業が必要ないので、準備作業はかなり楽です。

小児(5〜11歳)用のファイザーのワクチンは、熊本市では2日前に、対象者に接種券が発送されました。
その問い合わせや予約の電話が入り始めたので、さっそく今日から予約の受付を開始しました。

当院ではこれまで同様、熊本市の予約システムを使わず、独自の予約受付で接種を行う方針です。

熊本市の予約サイト経由では、3月19日から予約受付が始まり、接種開始は3月28日(月)となっています。
しかし当院では、お子さんの保護者の都合が付きやすい、3月27日(日)から接種を始めることにしました。
念のため今日、保健所に連絡して、当院では市の設定よりも1日前倒しすることを伝え、了解を得ています。

熊本市では、ホテルやスポーツセンター等でも、小児ワクチンの集団接種が行われる予定です。
学校での集団接種は、「個々の意向が尊重されず同調圧力を生みがち」との理由から、実施しないそうです。

当院では、接種対象年齢だからといって接種を強く推奨することはありません。
しかし、5〜11歳のお子さんも12歳以上の方と同様に、重症化リスクを軽減するためにはワクチンが有効です。
接種のメリットとデ メリットを十分に理解していただくために、これからも情報提供を進めてまいります。

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ウクライナ危機の先が見えません
- 2022/03/11(Fri) -
ウクライナの惨状を、毎日のようにニュース番組で目にします。
プー○ン(プーさんではありません。それはまた別の国)はもはや、狂い始めたのかとさえ思えてきます。
最後はいったいどうなるのか。世界大戦か、それともプーチン失脚か。なんならゴルゴ13にご登場を願うか。

おおむねそんな妄想を抱きつつある私ですが、だからこそ、敢えて別の考え方の人の意見を聞いてみました。
最近ネットで一部話題にもなっている、元駐ウクライナ日本大使の馬渕睦夫氏です。彼の著書には、

(1)自国民保護を名目に、ロシアがウクライナに侵攻する
(2)プーチンは世界から侵略者と断じられ、国際社会で孤立し、ロシア国内の混乱も招き、ついに失脚する

というシナリオが書かれていますが、それを書いたのが2014年だということに驚きます。
馬渕氏によれば、現在のウクライナ危機は、プーチンを失脚させるための用意周到な策略だというわけです。

多分一種の「陰謀論」なんでしょうけど、でもその観点で報道を見ると、奇妙に納得できる面も多々あります。
映画の見過ぎかもしれませんが、結局一番怖いのは、米国(の一部の組織)だったりしますよね。

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ワクチン打っても罹るとしても、重症化は予防できるはず(期待)
- 2022/03/10(Thu) -
発熱外来の受診者は減ってきた印象がありますが、PCR陽性率がまだ高く、油断なりません。

家庭内で1人感染者が出ると、通常はその他の同居家族全員が「濃厚接触者」ということになります。
このとき、感染者だけ隔離して、他の濃厚接触者全員は一緒に暮らして良いのか、という疑問をよく聞きます。

そうなのです。ひとくちに濃厚接触者と言っても、誰が感染者で誰が非感染者かわかりません。
ひとりでも感染者がいたなら、濃厚接触者同士がまとまって暮らすことで、感染が拡大するリスクがあります。

なので濃厚接触者同士が互いに濃厚接触してはならないのですが、実際にそれを徹底するのは難しいものです。
濃厚接触者が数名、1台の車で発熱外来を受診されたりしますが、感染拡大の観点からは心苦しい限りです。

多くの家庭で家族内に感染が広がり、ついには感染者の方が多数派、非感染者が少数派になっていきます。
最初は感染者を隔離していたのが、数日後には、非感染者の方を隔離することになります。
いっそのこと、家族全員が感染した方が、むしろ暮らしやすくなったりもします。

感染者の中には、ワクチンをしっかり2回接種、あるいは3回接種した方もしばしばいます。
私の経験だけで3回接種の感染予防効果を云々はできませんが、ともかく、3回打っても罹ります。
おそらく、3回打てば重症化しにくいんだろうなと期待はしますが、私の経験数ではその評価も下せません。
でも、これだけ感染が広がっているいま、個人として何ができるかと言えば、やはりワクチン接種でしょうね。

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新型Mac「Mac Studio」など登場したけど、興味ある?
- 2022/03/09(Wed) -
「最高峰を解禁 ( Peak Performance ) 」と銘打ったApple Eventが、本日未明(日本時間)開催されました。
たまにはこのような楽しい話題を、お届けしたいものです。発表されたのは、次の5つの新製品など。

(1)新色(グリーン)のiPhone 13/13 Pro
(2)第3世代のiPhone SE
(3)M1チップ搭載のiPad Air
(4)超高性能な新型Mac「Mac Studio」
(5)5Kの新型ディスプレイ「Studio Display」

私がそそられたのは、iPhoneでもiPadでもない、斬新で高性能なMac StudioとStudio Displayです。

「Mac Studio」は、20cm四方で高さ10cmの、ちょうど「Mac mini」の背を高くしたような形のMacです。
「G4 Cube」という、2000年に発売された、ほぼ立方体の未来的デザインのMacを思い出します。

Cubeを私はほとんど買おうと思っていましたが、高額なのでためらっているうちに、1年で姿を消しました。
空気の対流だけで内部を冷却する仕組みが熱暴走を起こし、また静電気による誤作動も問題となったのです。

2013年の「MacPro」は、放熱を考慮した奇抜な円筒形でしたが、これも結局、放熱が問題となりました。
とは言え、私はいまなお電子カルテのクライアントPCとして、メインの診察室で毎日使っています。
考えてみると、同じMacを10年近く使うなど以前はあり得ないことでしたが、MacProだから使えるんですね。

いや、MacProに限らず、iMacでもMac miniでも、最近のデスクトップ型Macはかなり長持ちします。
たぶんそれは私が、最新OSが登場してもすぐにはインストールせずに、我慢するようになったからでしょう。

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「北回り」にしても「南回り」にしても、いったいいつ乗れるのか
- 2022/03/08(Tue) -
ANAが、「第3ブランド」として、中距離国際線の航空会社「Air Japan」を立ち上げました。
フルサービスのANAと、LCCのピーチの中間に位置し、両者の「良いとこ取り」を目指すといいます。
中途半端と言われることのないよう、お願いします。

もともと「エアージャパン」はANAブランドでの運航も行っているので、今後は2ブランドかけもちです。
そんなことする余裕あるのか。それこそ、虻蜂取らずにならないかと心配になります。

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、航空各社はロシア領空を避けるルートに切り替えています。
日欧間路線では、JALは「北回り」、ANAは「南回り」の、いずれも遠回りを余儀なくされました。

JALの北回りは往年のルートですが、昔のようにアンカレッジには寄らず、グリーンランドの真上を飛びます。
逆にこんなルートは今しか飛べないかもしれないと、一部航空ファンがいま、かなり熱くなっています。

ANAの南回りはトルコ経由です。ANAはイスタンブール線を持ち、トルコ上空の飛行許可を得ています。
一方でJALはトルコは未就航なので、領空飛行許可を得るのが面倒だといいます。

いずれにしても飛行時間はかなり長くなってしまいますが、航空旅行が好きな方には苦痛ではないでしょう。
グリーンランド上空とか、トルコ・中央アジア上空など、ロシア上空よりもずっと面白そうじゃないですか。
と言っても、いったいいつになったら国際線に乗れるのでしょう。しばらく実現しそうな気がしませんね。

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温度管理の悪いワクチンは、通常はダメになります
- 2022/03/07(Mon) -
土佐清水市で、温度管理が不適切だったワクチンを、集団接種会場で約1,800人に接種してしまった件。
市役所の冷凍庫の電源に問題があったようですが、それに1カ月以上気付かずに接種し続けていたわけです。
この取り返しのつかない一大事に最初に気付いた職員は、さぞかし背筋の凍る思いがしたことでしょう。

例によって市のコメントは、「これまでのところ健康被害は確認されていません」。
いつも思うんですけど、効果不十分なワクチンの接種を受けた人にとっての「健康被害」って、何ですか。

(1)コロナに罹ってしまうこと(それに伴う合併症や死亡も含む)
(2)ワクチンが効果不十分だと知ったことによる精神的ショック(それに伴う身体症状も含む)
(3)後日あらためてワクチンを接種するなら、接種回数が(微妙に)過剰になることに起因する副反応も心配

件の不良ワクチンの接種を受けた方は、抗体検査も検討されています。この検査結果はとても興味深いですね。

接種した1,800回分以外に、同じ保管環境だった不良ワクチンが2千回分あったそうですが、廃棄されたとか。
安易に廃棄せずに、ワクチンの有効性の検査に回して欲しいですけどね。失敗は生かして欲しいものです。

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当院の発熱外来では、原則として自家用車内でお待ちいただきます
- 2022/03/06(Sun) -
当院の発熱外来へは、可能な限り自家用車で来院していただくよう、お願いしています。
順番待ちの間や、PCR検査のための唾液採取や、処方や会計待ちの間も、車の中に居てもらうためです。

しかし時には、タクシーで来院する方や、徒歩や自転車やバイクで来る人もいます。
そのような方は隔離診察室に入っていただきますが、同時に複数部屋の確保ができない場合があります。
最悪の場合、この寒いのに屋外でお待ちいただくことになります。
そうならないよう、電話予約の際に来院時間を打ち合わせるのですが、しばしば予約無しの方が来られます。

予約も無く、突然受付に入って来る有症状の方に申し上げたい。せめて、来院前に電話の1本をお願いします。

前述したように、発熱外来では原則として自家用車内でお待ちいただくのですが、そこにも問題はあります。
工夫して接触を避けてきたご家族同士を、発熱外来待ちの車内で濃厚接触させてしまうかもしれないからです。

「発熱者」と「非発熱者」を長時間車内で過ごさせることは、たしかに家族内感染を招く可能性があります。
「車で待っている間に感染した」とあとで言って来られる方も、実際に時々いらっしゃいます。
感染拡大を防ぐために、当院の物理的人的キャパでどのように対応できるのかは、いまだに試行錯誤中です。

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新型コロナに罹った人の追加接種の時期
- 2022/03/05(Sat) -
新型コロナワクチンの追加接種(3回目接種)を前に、コロナに罹ってしまう方が増えています。
「来週接種する予定だったんですが、どうしたらいいでしょう」ということになりますが、延期です。

厚労省のQ&Aには、「次の接種までは、感染後3カ月あけましょう」とあります。
感染によって得られた免疫は3カ月程度続くだろう、という推測による暫定的な目安です。

ただし、3カ月を待たずに(2回目から6カ月後以降なら)接種しても構わない、ということになっています。
なので私の現在の説明は、以下の通りです。
(1)厚労省のオススメでは3カ月程度あけることになっています
(2)感染が重症であった方はしっかり3カ月待ち、軽症なら1,2カ月間隔でもよいでしょう
(3)別の変異株による流行が来た場合は、長く待たずに早めに接種した方がよい(かもね)

一般にワクチンの追加接種の時期は、いま予防したいか長く予防したいか、どちらを優先するかで決めます。

例えば水痘ワクチンの定期接種が始まった頃、2回目の接種は1回目の3カ月後を私はオススメしていました。
毎年100万人の水痘感染者が出ていた時代です。間隔を開ければその間に感染する危険があったのです。
でもワクチンのおかげで水痘は激減しました。いま2回目の接種は、1回目の半年後前後を推奨しています。

それと同じで、コロナ流行期と収束後では、追加接種の時期の考え方は異なるはずです。
そして今はまだ(流行期なので)、可能な限り迅速に追加接種を進めた方がよいと、私は考えています。

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電気自動車の回生ブレーキ
- 2022/03/04(Fri) -
愛車の点検でディーラーに行ったついでに、EVを試乗させてもらいました。メーカーの最新モデルです。
前回の試乗(他社)でBEVのトルクフルな加速性能は経験済みだったので、さほど感動はありませんでした。
しかしその「回生ブレーキ」の利き具合には驚きました。ていうか、まったく好きになれませんでした。

それは日産リーフなどの「e-Pedal」と同様の、「ワンペダル」操作が可能な仕様の車でした。
アクセルから不用意に足を離すと、強烈な回生ブレーキがかかり、そのままだと車が停止します。
要領が分かれば、アクセルワークだけで加速も減速も自由自在、となるわけですが、どうにも慣れません。

たとえば私は、次の交差点の信号が赤なら、アクセルから足を離してしばらく「空走」するのが好きです。
そのまま走って、交差点に到達する頃にちょうど信号が青に変わらないかなと「空想」したりするのです。

いまの愛車はエンジンブレーキが極端に弱いので、ほとんどニュートラルに近いぐらいに空走します。
かつてマニュアル車に乗っていた頃には、交差点前では実際にギアをニュートラルに入れて走っていました。

そんな私の「空走趣味」を、回生ブレーキが邪魔するのです。それどころか、ワンペダルでは空走は不可能。

その点、前回試乗したBEVは、エンジンブレーキ的な意味での回生ブレーキは、ほとんど利きませんでした。
なので減速するときは、ブレーキペダルを踏むわけですが、実はこれが、回生協調ブレーキなんですね。
ブレーキペダルを踏んだ時に作動するのは回生ブレーキで、油圧ブレーキは通常は作動しないのだそうです。
私には、こっちの方が合ってます。減速したければブレーキペダルを踏む。その癖を失わない方がいい。
ワンペダルに慣れてしまうと、急ブレーキが必要な緊急時のペダル操作を誤りそうな気がしてなりません。

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接種済なのに接種を勧めるハガキが届いています
- 2022/03/03(Thu) -
日本脳炎ワクチンは、前に何度も書いたように、現在「特例接種」が行われています。
かつて「積極的勧奨接種の差し控え」が行われたことに起因する、未接種者への救済措置です。これにより、
(1)平成7年度〜18年度生まれの方は、19歳までの間に不足回数分を接種できます
(2)平成19年度〜平成21年度生まれの方は、12歳までの間に不足回数分を接種できます

熊本市では、下記の定期接種の対象者に、「予防接種のお知らせ」という「勧奨ハガキ」を送付しています。
(1)MRワクチン(第2期):年長児に
(2)二種混合ワクチン:6年生に
(3)日本脳炎ワクチン:4年生と高3相当者に

このように日本脳炎ワクチンの勧奨は、通常の定期接種対象者と特例接種対象者への二段構えになっています。
問題は、過去の接種歴にかかわらず、18歳のお子さん全員に、特例接種勧奨のハガキが送られていることです。

ハガキの文面をよく読めば、接種歴がある方は対象外だとわかりますが、見落とす方も少なくありません。
対象外の者にまで接種を勧めるハガキが届く可能性など、一般市民の誰も想定していないはずです。
母子手帳の、日本脳炎ワクチン第2期接種の記録場所が分かり難い部分にあることも、トラップとなります。

そのまま間違えて接種を予約し、医療機関側も接種歴を見落とせば、過剰(過誤)接種となってしまいます。

こんなオカシな勧奨ハガキが届くのは、熊本市のシステム上、古い接種歴が把握できていないからです。
なのでとりあえず全員に送っとけ、ということなのでしょうが、過誤の原因になるとは思わないのでしょうか。

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3回目接種は、18歳以上だけです
- 2022/03/02(Wed) -
5〜11歳への新型コロナワクチン。当院でも接種を計画中です。対象は、当院かかりつけのお子さん限定です。
イメージとしては、当院でMRワクチンの第2期接種を受けた、対象年齢のお子さんを想定しています。

このワクチン、すぐ接種したいと思っている方もいれば、打つかどうか悩んでらっしゃる方も多いでしょう。
「積極派」の親御さんからは、すでに多くの問い合わせを頂いています。

ところで、12歳以上のお子さんの3回目の接種に関しては、重要な注意点がひとつあります。
それは、「3回目の接種は18歳未満は対象外」ということです。現時点ではそういう規定なのです。
このことをご存じない方が意外に多くて、18歳未満のお子さんへの追加接種の問い合わせがしばしばあります。

「新型コロナワクチンの3回目は、接種券が届かなくても、2回目から6カ月たてば接種できます」
一般の方への、国や自治体のこのような広報が、間違いの元なのです。
18歳未満に接種券は届きませんが、届かなくても6カ月経った時点で、接種できると思ってしまうからです。

で、5〜11歳へのワクチン接種の話に戻ります。
メディアでは、基礎疾患のあるお子さんや高齢者と同居しているお子さんは接種すべきだ、という論調ですね。
前者はいいでしょう。けれど、高齢者と同居していることを接種を推奨する理由にするのは間違っています。

子どもへの接種は、子ども自身を守るために行うものであって、高齢者を守るために行うものではありません。
インフルワクチンのような「集団免疫」目的で、コロナワクチンを子どもに接種するのは時期尚早でしょう。

米国での調査で、小児用ワクチンは接種後の感染予防効果が劣り、重症化予防効果は持続すると判明しました。
つまり、小児への接種は同居する高齢者への感染対策にはならないということです。
もちろん、小児への接種は有意義だと考えて私は接種を行いますが、あくまで、その子のためです。

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毎朝が踏ん張りどき
- 2022/03/01(Tue) -
「足置きを置いたら子どもの便秘が治りました」という方がいました。
そうなのです。子どもに限らず、ていうかむしろ大人こそ、排便時の姿勢は大事です。
直腸から肛門まで一直線にするためには、「うんこ座り」がベスト。洋式トイレよりも和式の方が良いのです。

私は毎朝、洋式トイレではありますが、そのかわり、便座にはかなりの前傾姿勢で座ります。
上体の重みを大腿部に置いた両肘で支え、手にしたiPhoneでニュースでもつらつら眺めます。

そのように、和式トイレで踏ん張るときと同じような体位をとると、直腸内様物がスルッと出易いのです。
おそらく、「踏ん張る」の語源は「糞ばる」なのでしょう(個人の意見です)。

「ばる」は「排泄をする」という意味なので、「糞ばる」なら「大便をする」という意味になります(個人)。
考えてみると、そこから派生した言葉は意外と多いですね。(すべて個)。

【きばる】気合いを入れて「ばる」、というのが原義です。できれば、力まずに出したいですが。
【ねばる】あきらめないこと。【がんばる】に近い。
【へばる】屁もセットで出たヤツですね。勢いがある。
【ちらばる】汚しちゃいましたね。
【ほおばる】(ノーコメント)
【さばいばる】震災などのとき、屋外避難所周辺でいちばん困るのは、トイレです。

わが家の愛犬・花ちゃんも、体を屈曲させて排便します。出しやすい体位を本能的に知っているのでしょう。
ヤンキーには便秘がいないともいいます(個)。

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