「感染者の全数把握取りやめ」に賛成
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- 2022/07/31(Sun) -
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日曜の発熱外来はいつもキャパオーバー。今日も多くの方の受診予約をお断りすることになりました。
「他にはどこもあいてないのです。お願いします」と言われても、物理的に無理なものは無理なのです。 それでもなんとかしてほしいという方には特別に、明日の診療枠の予約を受け付けました。 そしてそんな方々の予約が明日の夕方分まで埋まってしまい、明日の新規予約の受け入れがすでに困難です。 流行拡大に加えて日曜日が5回と祝日が1回あった今月は、月間の発熱外来受診者総数もかなりの数値でした。 今月のPCR検査478件、抗原検査57件は、6月(PCR 216、抗原66)よりも大幅に増えています。 しかし、今日のPCR検査41件、抗原検査15件は、先週の日曜(PCR55、抗原21)より減っています。 もしかすると、ちょうどピークを超えつつあるのかもしれません(希望的観測)。 今日のPCR検査の結果が判明する明日は、結果連絡と届出(HER-SYS入力など)に追われることになります。 このような事後の事務作業に費やす労力は、発熱外来の疲れを倍増させ、従事者をひどく疲弊させます。 作業時間を作るために、当院では発熱外来の時間を短縮していますが、それって本末転倒な話です。 政府が検討を始めている「感染者の全数把握取りやめ」には、今となっては諸手を挙げて賛成します。 「第7波を乗り越えた後には見直しが不可避だ」なんて言ってますが、それは考え方がおかしい。 この第7波を乗り越えるためにも、作業を合理化すべきなのです。やるなら今すぐでしょう。 「2類」だ「5類」だと議論するから結論が出ないのです。とりあえず全数把握だけ、やめてみませんか。 |
「熊本市医療非常事態宣言」発令
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- 2022/07/30(Sat) -
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爆発的な感染拡大に伴う病床使用率の急上昇を受け、昨日、「熊本市医療非常事態宣言」が発令されました。
大西市長が会見で述べた、市民と医療機関あての「お願い」をまとめてみると、 市民へ (1)基本的な感染防止対策の徹底と、感染に備えた食料・日用品や解熱剤・咳止め等の事前準備を (2)高齢者や重症化リスクの高い方も若い世代も、積極的なワクチン接種を(強制ではなく希望者のみ) (3)医療機関はできる限り平日の昼間に事前予約して受診し、軽症の場合や検査目的で救急病院を受診しない 医療機関へ (1)現在コロナ診療を行なっていない医療機関は、発熱外来への登録と陽性患者の診療への協力を (2)コロナ診療している医療機関は、診療日・時間の拡大と受入対象・体制の拡大に協力を 現時点では一般的な「行動制限」は求めない代わりに、市民に求めるのは「受診抑制とワクチン接種」です。 「発熱外来の拡大」も喫緊の課題ですが、当院はキャパオーバー気味なので、できるのはせいぜい現状維持。 抜本的にコロナ診療体制を拡充するためには、何かインセンティブを付けるなどの効果的な方策が必要です。 一昨日も書いたように、発生届に関連する事務作業を減らしてもらえば、少しは余裕が出るんですけどね。 発熱外来に忙殺されて発熱以外の患者さんの診療が手薄になっている状況は、ホントに不本意です。 |
接種専用日のメリット
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- 2022/07/29(Fri) -
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2週間ぶりに今日も、休診日を返上して新型コロナワクチンの接種専用日としました。
わずかながらファイザーのワクチンも入手できたので、午前中はファイザー、午後はモデルナを接種しました。 両者は希釈の有無や、接種量が違うので、同一日にその両方を接種する場合には、とくに注意が必要です。 休診日に接種するなんて大変ですね、と言ってくれる方がいますが、褒められるほどのことでもありません。 なにしろ、明日土曜は臨時休診しますから、「休診日を返上」なんて偉そうに言うことがおこがましいのです。 最大のメリットは、発熱外来や他の外来者に邪魔されないこと。今日は完全に、接種だけに専念できました。 被接種者の方々にとっても、今日は接種専用の「クリーン」な日であることで、一層安心ができるでしょう。 まとまった数の接種を行うと、その準備を効率良く行うことができます。一種のスケールメリットです。 また1日に50人以上に接種すると、熊本県から補助金が出ます。これも決して無視できない制度です。 さらにもうひとつ、休診日を返上して接種をすると、接種の委託料が加算されて休日料金となります。 これはインチキではなく、ちゃんと認められている裏技です。 そんなこんなで、いろんなメリットを求めて、8月や9月もまた金曜日に接種専用日を設定する予定です。 その代わり土曜休診が増えますが、これは日曜の地獄の発熱外来前の体力温存期間として、有意義なのです。 |
新規感染者の全例報告は、医療現場をムダに疲弊させています
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- 2022/07/28(Thu) -
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新型コロナ感染者への熊本市の対応は、「重症化リスクのある方に集中した対応」に切り替えられています。
以前は、医療機関が「発生届」を出すと保健所が感染者全員に電話連絡を入れていましたが、今は違います。 原則としてSMS送信によって今後の流れが通知され、電話連絡は高齢者等に限定して行われます。 高齢者の他に、重症化リスク因子を複数持っている方や妊婦等の特別に連絡が必要な方に、電話がかかります。 酸素飽和度を測定するための「パルスオキシメーター」の貸し出しも、今は重症化リスクの高い方限定です。 感染者全員を一律にフォローする従来の態勢が破綻しつつあるので、このような方針転換は理解できます。 重症化因子のなさそうな感染者が重症化してしまう可能性はあるとしても、やむを得ない対応です。 しかし、これによって保健所の仕事量は減るかもしれませんが、医療機関の仕事量はあまり変わりません。 保健所がポイントをしぼってフォローするというのに、医療機関には全例報告する義務があるからです。 事ここに至れば、医療機関に対しても、一律に発生届の提出を求めるのをやめてもらえませんかね。 国が感染者の数やプロフィールの把握をしたいのであれば、HER-SYSの入力項目はもっと減らして欲しい。 氏名・性別・生年月日・電話番号・診断日。それだけにしてくれませんか。 そのかわり、重症化リスク因子をもっていると判断したケースについては詳細な報告をしますから。 発熱外来では診療に集中させていただきたい。国の統計解析や疫学調査の手伝いで疲弊するのは御免です。 |
発熱外来の受付時間は、実質的に毎朝30分以内です
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- 2022/07/27(Wed) -
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「発熱患者専用ダイヤル」や「新型コロナウイルス感染症専用相談窓口」に電話がつながらない問題。
やっと電話がつながって当院の紹介を受けたものの、こんどは当院に電話してもなかなかつながらない。 その顛末は、2パターン。いずれも悲惨です。 (1)やっと電話がつながった患者さんに、「当院はもう予約が一杯です」とお断りする (2)どうしても電話がつながらないので直接当院に来た方にも、「当院はもう予約が一杯です」とお断りする 「どうして診てもらえないのか・検査してもらえないのか」と、多くの方が困惑、もしくは少々お怒りです。 しかし、早朝から予約を入れて順番通り来院した方よりも、予約せずに来た方を優先するわけにはいきません。 そもそも、当院のキャパなど考えずに無限に紹介し続ける、市の「ダイヤル」や県の「窓口」が問題でしょう。 その相談窓口に紹介ストップの連絡を入れようにも、発熱者が使う番号にかけたのでは、つながるはずがない。 もっと別の、医療機関用の「緊急裏番号」を教えてもらおうと、県の健康危機管理課に電話しました。 すると担当者の個人携帯番号を教えてくれました。これはなかなか臨機応変で親切な対応ですね。ありがたい。 平日なのに今日も発熱外来の予約電話が多いので、朝のうちに早速その電話を使わせていただきました。 ていうか、平日なのに発熱外来の予約が朝から当院に殺到するって、どうしてなんでしょうね。 |
全国ニュースに出るほどの「HER-SYS」トラブル
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- 2022/07/26(Tue) -
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「HER-SYS」に不具合が発生したけど解決して、嬉しいような嬉しくないような話。
今朝9時台にはまだ、快適に利用できていました。7件の発生届を、HER-SYSからストレスなく入力しました。 10時台にいちどログアウトした後、再ログインを試みたら、「未登録ユーザーのためログインできません」と。 ちょうどその直前に、HER-SYSヘルプデスクに不満の電話をぶつけたので、仕返しされたのかと思いました。 でも、こういう場合の対処法には慣れてますので、順に試していきました。 (1)ブラウザ(Safari)を再起動 → ダメ (2)Mac自体の再起動 → ダメ (3)キャッシュのクリア&再起動 → ダメ (4)ブラウザをChromeに変更 →ダメ (5)ヘルプデスクに電話 →つながらない (6)保健所の専用番号に電話 →つながらない ダメじゃん。 2月のトラブルに愛想をつかして約5カ月間離脱していたHER-SYSに、ついに本格復帰した矢先の不具合。 よほど私はHER-SYSとの相性が悪いのか。システム障害は大規模で、大きな影響が出ているようです。 昨日のブログのタイトルが、いま思えば妙な予兆を感じさせますね、偶然にしても。 と思ってたら、夕方にはシステムが復旧しました。なので午後の発生届12件はちゃんとHER-SYSできました。 ホンネを言えば、昨夜HER-SYS入力で懲りたので、私には手のかからないFAXに戻りたかったのですけどね。 ところで、保健所にFAX送付する発生届や「入院チェックシート」は、メールによる受け入れが始まりました。 いつも混雑しているFAXを、今後は使わなくても済みます。次のHER-SYSトラブルの際にも使えそう。 感染急拡大に伴うトラブルに対処しながら、いろんな仕組みが洗練されていきますね、後手後手だけど。 |
HER-SYSへ完全復帰したけれど
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- 2022/07/25(Mon) -
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さまざまな理由で、HER-SYSから離脱(=入力を拒絶)していた私ですが、先週木曜日から復帰しています。
第一には、この感染拡大のなか、保健所の作業を少しでも減らそうという、ごく当たり前の理由からです。 念のためご説明しますと、HER-SYSとは、新型コロナ感染者の発生届をネットから提出するシステムです。 これまで、HER-SYSの入力項目が多すぎました。フォームのデキも劣悪で、入力1件当たり数分を要しました。 HER-SYS以外に、患者さんへの電話連絡や、保健所提出用のチェックシートの作成にも時間がかかります。 当院では、1日に数十件を超える発生届を提出することが多く、それらの作業の時短が課題でした。 そこで、電子カルテと連動して発生届のFAX様式が印刷できるようにして、HER-SYSを回避してきました。 そんな苦労に厚労省も気付いたのか、最近になって必須入力項目数が激減し、フォームも改善されました。 FAX提出用の様式もOCR対応になったので、これで保健所の仕事も減っただろうと喜んでしました。 がしかし、ここまで簡略化されたのなら、自分で最初から入力するのがスジだと、そう改心したわけです。 さて今日は、HER-SYS復帰後最初の日曜日、の翌日。52件のPCR検査の陽性は31件でした(陽性率60%)。 診療終了後、陰性者も含めて全員に電話連絡、陽性者からは病状等を詳しく聴取し、そして、作業開始です。 測ってみると、電話連絡に約3時間、HER-SYS入力に1時間半、チェックシート作成等に30分。 さて、チェックシートのFAX送信がうまくいくことを祈りつつ、気がつけば時刻は23時半になってる!! なのでいま帰宅前に職場で、当ブログを書いて投稿したところです(23時59分締切なので)。あ〜、疲れた。 |
発熱外来は完全予約制です
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- 2022/07/24(Sun) -
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過去最大級の感染拡大の中、当院の発熱外来も今日は、過去最多の予約が集中しました。
日曜日にはいつも、朝の9時台には夕方までの予約枠が埋まるのですが、今日はそれが8時台でした。 「新型コロナ相談センター」等からの紹介を止めてもらうために電話しても、その電話がつながりません。 先週までは、延々と保留音(パッヘルベル)を聞かされる状態でしたが、最近は電話が切られてしまいます。 しょうがないので、医療機関用の保健所の番号に電話するのですが、これもまたつながらない。 やっとこさつながって、相談センターからの紹介を止めてくれと頼んでも、部署が違うので折り返しますと。 このような電話のやりとりは最近何度も経験しましたが、折り返しの電話がかかってきたタメシがありません。 まして、市民の方が「相談センター」にかけた電話がつながることなど、ほぼほぼ奇跡に近い話なのでしょう。 それと同じぐらいに、当院の電話もつながらないのかもしれません。 電話がつながないので直接来ました、という方も多いですが、直接来られても診療順は早まりません。 高齢者は優先しますが、原則として発熱外来は完全予約順です。これは公平と動線分離のためです。 受診者の多くは熱でキツイので、その中で優先順位は付けられないのです。ご理解ください。 |
無料PCR検査陽性の方には、確定検査を行わない方針に変更
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- 2022/07/23(Sat) -
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今日から当院は、無料PCR検査の判定が陽性であれば、その結果を採用して確定例とすることにしました。
抗原検査も同様に、簡易検査キットの陽性判定をそのまま信用して、COVID-19と診断する方針としました。 これまで、そのような方針ではなかったのは、簡易抗原検査キットの信頼性を疑っていたからです。 また、無料PCR検査所の間違い診断症例(陰性なのに手違いで陽性と報告)に遭遇することがあったからです。 医療機関が責任を持って検査・診断した結果以外は、原則として鵜呑みにしない方針だったのです。 なので無料PCRや簡易キットが陽性だった方にも、改めて「確定検査」としてのPCR検査を行なってきました。 しかし、これだけ感染者が増えてくると、確定検査のために再検査を行っている場合ではなくなりました。 特に今日は、無料PCRで陽性だった方や簡易抗原検査で陽性だった方の受診が、かなり目立ちました。 でも土曜日の午後というのは、検査センターの体制を考えると、PCR検査には一番不向きな時間帯なのです。 そこで今日から、少なくとも有症状の方は、無料PCRや簡易抗原検査の結果を採用することにしたわけです。 さっそく今日は、その方針によるCOVID-19確定診断が3例ありました。 当院での確定検査(PCR検査)を省いたことで、その3人の確定診断を2日早めることができました。 発症後は早めに処方すべき治療薬「ラゲブリオ」を、発症初日の高齢者に処方することもできました。 偽陽性のリスクはゼロではありませんが、早期治療と検査体制のひっ迫対策としては、確かに有効ですね。 |
実質的に発熱専門外来、しかもパンク
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- 2022/07/22(Fri) -
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濃厚接触者の自宅待機期間が、これまでの7日間から5日間に短縮されます。社会経済活動維持のためです。
さらに岸田首相が医師会会長と面会して、 ( 1 ) 休日診療の発熱外来を増やすことや、発熱外来で抗原検査キットを無料で配布することに協力を求め、 ( 2 ) 医療機関への財政支援策のうち今月末が期限となっているものを、9月末まで延長する考えを伝えました。 数日前にも書いたように、休日の発熱外来体制が手薄です。やっている医療機関があまりにも少ないのです。 日頃から日祝診療を行っている当院は、行きがかり上、休日にも発熱外来を行っていますが、パンク寸前です。 電話での受診予約をお断りする方が毎日何十人もいるし、そもそも電話が繋がらない方が何人いることやら。 休日の当院はもはや発熱専門外来のようになってしまい、他の疾患の診療を受け入れる余裕がありません。 なので(1)のような要請に対して医師会側が実際にどのような対応をとるのか、とても気になります。 とりあえず(2)は歓迎します。感染爆発の中で発熱外来の診療報酬が減らされることは、避けられました。 |
異次元の増加パターンに転じてます
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- 2022/07/21(Thu) -
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日曜祝日に、当院の発熱外来受診者が多いのならわかります。
ところが今週は、平日でもPCR検査希望者が殺到しています。 朝9時台のうちに夕方までの予約枠が埋まります。これまで、平日ではあまり見なかった現象です。 熊本県の新規感染者数は、昨日の3千人超えは予想していましたが、今日の4千人台は全く想定外。異常です。 経験上、感染者報告数がもっとも少ないのは月曜、多いのは火曜でした。その理由は前に書いた通りです。 今週は日・月が連休だったので、最少は火曜、最多は水曜と予測できたわけです。でも実態は違いました。 かつては概ね、火>水>木>金>土、のパターンでしたが、7月に入ってそれが崩れてきました。 ついに先週は、火<水<木<金<土、となっています。完全に増加フェーズに転じたことがわかります。 日本全体では今日、18万人超の感染者が報告され、東京でも3万人を超えました。全国各地で過去最多です。 やがて東京は1日5万人に達するだろうと偉い先生方は言ってます。その時熊本は1日6千人程度でしょうか。 東京の5万人は、先週聞いた時はちょっと懐疑的でしたが、今では疑いようのない予測に思えてきました。 感染が確定した後の患者さんが、翌日や翌々日にまた受診するケースも目立ちます。 PCR検査をした最初の来院日よりも、熱が上がったり、咳がひどくなったりする方が少なくありません。 そしてその方と一緒に、ご家族がPCR検査を受けにくるという、そんな同伴パターンが今とても多いですね。 |
『おいしいごはんが食べられますように』読後感
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- 2022/07/20(Wed) -
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芥川賞には、高瀬隼子さんの『おいしいごはんが食べられますように』が選ばれました。
今回も私が受賞を逃した理由は、前にも書いた通りです(小説を書いていないから)。 受賞作はすぐ読むのが私の流儀(礼儀?)ですから、いまKindle版で読みました(以下、ネタバレあります)。 タイトルから、WFP(国連世界食糧計画)的な視点で書かれた啓蒙書かと私は一瞬思いましたが、違います。 「人間の中の多面性がよく描かれている」と選考委員の川上弘美氏は言いますが、それほど複雑な話でもない。 小さな職場の中での人間関係の、悪く言えばどうでもいいようなことが、ただ書き綴られているだけです。 なんなら、WFPから苦情が出そうな感じの食糧描写も少し、登場します。 「ごはん」つまり食事の場面が多く描かれていますが、豪華なフレンチとか、そういう料理ではありません。 そう書くと誤解されそうですが、決して食べ物や食材にこだわった内容ではなく、主体は心理描写ですから。 女性が書いた小説なんだなぁと思わせる部分が所々にあって、そこが私には妙に新鮮でした。 誰かのトークをずっと聞いているような、ごくごく自然な文体なので、悪く言えば気合が入らない小説です。 でもちょっとだけ不穏な雰囲気もあって、それがあるから読み進めてしまいます。やっぱり不穏は大事ですね。 前回の芥川賞の『ブラックボックス』(砂川文次著)のようなスピード感はなく、歩く速さで読めます。 |
久々に検査体制のひっ迫状態に突入
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- 2022/07/19(Tue) -
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昨日は「怒濤の2連戦だ」などとほざいていた私ですが、休診日の今日、その「戦後処理」は地獄でした。
2日間に行った102件のPCR検査の結果の一部(25件)は、昨夜判明したので昨夜のうちに「処理」しました。 処理というと言葉が悪いですが、患者さんに検査結果を電話連絡し、保健所に発生届などをFAXすることです。 25件のうち21件が陽性という、信じがたい陽性率(84%)にくじけそうになりながらの作業でした。 いま流行している株は、第6波の時よりも高熱が続く方が多く、皆さんきつそうです。 ワクチンを3回接種していても、そこそこ高熱が出て苦しんでいる方がいるのが気になります。 さて今日は、残る77件の結果が、2つの検査センターから届くことになっていました。 まず検査センターAから、夕方頃に65件分の連絡が来ました。陽性は48件、陽性率74%。ひどい数字です。 陽性・陰性の全員に連絡して回りましたが、今日は電話がつながりにくい人が少なくて、助かりました。 こういう大事な電話連絡って、つながらないときにはホントに困ります。 2,3回かけてつながるなら良い方で、ときには数時間かけ続けてやっとつながる方もいます。 保健所の方も同じ苦労をされているようで、どうしても電話連絡がつかない場合には自宅を訪問するとか。 さて、検査センターBから来る予定の、12件分の結果報告FAXが、22時半の時点でまだ届きません。 検査センターに尋ねたら、夜中を過ぎるか、場合によっては明日の朝になりますと。 というわけで、22時半から皆さんに「結果は明日になります」と、お断りの電話をかけて回りました。 検査結果がもう少し早く出るといいのですが、センターの人たちだって精一杯なのでしょうね。わかってます。 |
祝日の発熱外来
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- 2022/07/18(Mon) -
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怒涛の2連戦が終わりました。
この日曜・祝日の2日間に行なったPCR検査は全部で102件。それ以外に11件の抗原検査を行いました。 とくに今日のPCR検査数65件は、過去最多だった1月30日の63件を上回る新記録です。 順調な2連戦ではありませんでした。 昨日は朝からクリニックのレジスターが故障して、ウンともスンとも言わなくなりました。 待合室では水漏れ事案が勃発し、それとは無関係だとは思いますが、男性用トイレの水が出なくなりました。 祝日は、日曜以上に発熱外来の受診希望者が殺到します。 朝の9時すぎには、夕方までの予約枠が埋まってしまいました。 それ以降の受診予約の電話は、一部の例外を除いてほぼすべて、お断りすることになりました。 断る際には私が直接電話で事情を説明する方針でしたが、あまりに多いので途中からスタッフに任せました。 102人のPCR被験者のうち81人が、今回当院を初めて受診した方でした。 県内一円から、新型コロナ相談センター等からの紹介を受けて、当院での検査のために来院されました。 受診をお断りした方々も、おそらくは遠隔地から当院までやってくるつもりの患者さんだったのでしょう。 熊本には、日曜祝日の発熱外来が少なすぎます。 通常の休日当番医とは別に、休日発熱外来当番医の制度があっても良いのではないでしょうか。 |
長期的観点はともかく、今は目の前の仕事をするのみ
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- 2022/07/17(Sun) -
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世の中は昨日から3連休中なんでしょうけど、当院は今日から2連戦です。まさにコロナとの戦いです。
発熱外来の予約は朝のうちに満杯になり、その後の電話予約はお断りしなければなりませんでした。 コロナ相談センターから紹介を受けて電話してるのに断るとは何事かと、お叱りも受けました。 そんな異常な感染拡大でありながら、世の中の人々の動きは緩んだままです。今後の感染爆発は必至でしょう。 しかし、果たしてこの状況を危惧すべきなのかどうか、長期的な視野に立ったとき、正解はわかりません。 欧米のように、ウィズ・コロナに舵を切り、もはや感染拡大は甘受すべきなのでしょうか。 某国のように、ゼロ・コロナを目指して社会・経済活動の強力な制限を続ける段階でないことは確かです。 つまり日本は、ゼロではないけどウィズとまでは踏み切れない、中途半端なアンチ・コロナ体制なのです。 ある英国在住の日本人は、英国から見た日本は、日本から見た中国と同じだと言います。そこまで言いますか。 欧米はやがて、全国民が感染して集団免疫が付く段階にまで達するのかもしれません。 一方で日本は、いつまでたっても新規感染者数の増減に一喜一憂する日々を続けるのでしょう。 いや悪く言えばそうなのですが、案外バランスのとれた、最小被害で乗り切れるパターンなのかもしれません。 ともかく今は、必要なPCR検査を行うのが私の役目。明日も発熱外来が忙しいことは間違いありません。 |
心配蘇生はとにかく、ためらわないこと
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- 2022/07/16(Sat) -
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安倍元総理大臣が銃で撃たれた時、現場路上では心臓マッサージとAEDによる救命処置が行われました。
「どんな状況でも心停止を疑ったら直ちにAEDを使用して指示に従ってほしい」と言うのが日本AED財団。 AEDがその場に届いたとしても、いざ使うとなるとためらいがあるかもしれません。 患者さんの衣服をはがすことへの抵抗や、AEDを正しく使える自信がないという方も、多いはずです。 必要のない方にAEDを使ってしまったり、使い方を誤って患者さんを傷つける可能性を怖れるのです。 大丈夫です。AEDは患者さんの心電状況を判定し、AEDを作動させるべきかどうかを指示してくれます。 その指示に従ってスイッチを押しさえすればいいので、使い方を誤って後で責任を問われることはありません。 問題になる可能性があるとすれば、「そこにAEDがあるのに使わなかった」という場合です。 心臓マッサージ(心マ)も同様で、そこに意識の無い方がいれば、すぐに心マすることが救命の決め手です。 ただ、必要のない方に心マして、かえって患者さんにダメージを与える可能性がどうしても気になります。 しかし躊躇している間に救命率がどんどん低下します。心肺蘇生が必要と思うなら、ともかく始めることです。 そのような観点から、迅速な救命行為によって患者さんに与えた不利益は、免責されなければなりません。 残念ながら日本では、その免責を認めるいわゆる「善きサマリア人の法」は、明確には規定されていません。 今回の事件を機に、AEDや心マ実施のハードルを下げる動きがもっと乗り上がってほしいと思っています。 |
たまには接種専用日も
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- 2022/07/15(Fri) -
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毎週金曜日は休診日ですが、今日は特別に、予約者を集めて新型コロナワクチンの4回目の接種を行いました。
当院で3回目接種を2/14までに行った高齢者の中から、82人にモデルナのワクチンを接種しました。 待合室での「密」を避けるため、予約時間通りに来院していただき、接種15分後にお帰りいただく流れでした。 ですが皆さん、早め早めにいらっしゃる。10分前なんてのは遅い方で、たいていは20分前には到着されます。 1時間近く前にやって来る方も珍しくありません。たぶん、起床時刻から何からすべてが、早い方なのです。 徒歩で来院する方も多く、時間まで車でお待ちいただくこともできず、結局、予定より早めの接種となります。 このようにして、「早めに行ったら早めに診てもらえた」という記憶が強く定着していくのでしょうね。 接種(筋肉注射)はすべて、私が行いました。左利きの方1名以外全員が左肩への注射です。 登録作業や確認作業のうち私が行うのは、電子カルテへの記載と、院内データベースの確認と登録です。 私の作業内容だと、1人3分あればこなせますが、他のスタッフの作業を考慮すると1人4分ペースが妥当です。 なので1時間に15人、これはちょうどモデルナ1バイアルからとれる本数(公称値)に相当します。 実際には、ローデッドシリンジなら1バイアル20人分とれるし、慎重にやれば21本、ギリで22本いけます。 ただしワクチンは配給制で無料だし、とくに流通量の多いモデルナでは、あまり無理なことはしません。 一方でファイザーは品薄です。8月分の当院の配給数はたった5本でしたが、9月に至ってはわずかに2本です。 そんなわけで、これまでファイザーを3回打ってきた方も、4回目はほぼモデルナですのでご了承ください。 |
万一自分が感染した場合の診療マニュアル
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- 2022/07/14(Thu) -
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「コロナを一疾患として日常的な医療提供体制の中に位置づける」ための検討も始める必要がある。
オミ会長は今夜の会見で「第7波に向けた緊急提言」を行い、このようにまとめました。 またワクチン接種の加速化などに加え、行動制限を含めた強い対策が必要になることもあるとも言及しました。 当院は今後も、「通常診療」に加えて、「発熱外来」と「ワクチン接種」にも注力していきます。 しかしこれだけ感染者が増えてると、自分やスタッフが感染するリスクも考えておかなければなりません。 もしも私が感染したら診療をどうするか。その場合は一定期間休診しようと、以前は考えていました。 しかし急な休診をすれば、かかりつけの患者さんには多大な迷惑をおかけすることになります。 定期処方や検査や予防接種で予約済みの方をどうするか、工夫をしなければなりません。 そこで今では、私が感染したら院長室等に引きこもって「遠隔診療」を行うつもりです。 生活習慣病の方などへの処方が可能です。スタッフを使って、血液検査や尿検査や心電図検査も実施できます。 慎重に動線を確保すれば、発熱外来だってできそうです。 この時の防護具はもはや、自分を守るためではなく患者さんを守るための装備となるかもしれません。 隔離診察室や駐車場へのアクセスを考えると、私の居所は院長室よりもレントゲン操作室の方が良さそうです。 レントゲン操作室には医用画像システム(PACS)があるので、院内LAN環境には容易に接続できます。 今は半分物置になっていますが、この部屋を新サーバー室にリフォームするのも一興でしょう。 などと思いを巡らせるだけでなく、「院長感染時の診療マニュアル」の構築が必要ですね。 |
「4回目接種」の対象がようやく拡大へ
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- 2022/07/13(Wed) -
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熊本に限らず、全国すべての都道府県で、新型コロナの新規感染者数が前の週を上回っています。
この感染拡大は、オミクロン株の亜系統「BA.5」への置き換わりが進んでいるためだと考えられています。 「BA.5」は「ビーエーファイブ」と読みます。ニュースでそれを聞くたびに、「VO5」を思い出します。 オミクロン株という変異株が登場したのは昨年11月。日本に上陸したのは年末でした。 その後、さらに感染力が強く、一部の検査法では検出されにくい「ステルスオミクロン」が登場しました。 この亜系統は「BA.2」とも呼ばれ、オリジナルのオミクロンは「BA.1」という名称になりました。 その後、私はよく把握していませんが「BA.3」や「BA.4」を経て現在、「BA.5」が猛威を振るっています。 さらに昨日、「BA.2」の亜種である「BA.2.75」が国内で初めて確認されました。 「ビーエーツーセブンファイブ」と読むそうです。スケートボードのトリックかと思うような名称です。 もしも「BA.5.40」という亜種が出現したら、「ビーエーファイブフォーティー」ということになるでしょう。 「BA.5」はワクチンが効きにくいと言われますが、打たないよりマシなので、接種が推奨されています。 今後、高齢者など以外に医療従事者や高齢者施設職員などにも、4回目接種の対象を拡大する方向のようです。 接種の目的は「重症化予防」だとしてきた方針を変更して、いまさら「感染予防」も加えようとするものです。 医学的に正しい判断かどうかはともかく、感染リスクの高い医療現場には好意的に受け止められるはずです。 希望者だけが接種を受けるワクチンなので、対象を拡大して選択の幅を広げるのは、良いことでしょう。 |
つい最近まで「統一協会」かと思ってました
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- 2022/07/12(Tue) -
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大学に入学した頃の私は、右も左も分からない「ノンポリ」な人間でした。昭和54年(1979年)のことです。
そんなウブな新入生が最初に受ける洗礼は、新歓コンパの一気飲みと、政治・宗教団体からの接近でした。 共産党系の団体に所属する先輩方は、基本的に「市民目線」なので親切で面倒見が良く、常識的で穏やかです。 彼らが私たちに、警戒するようにと口を酸っぱくして教えたのは、「反共」団体である「勝共連合」でした。 そしてその団体が学内で活動している組織「原理研」には、決して近寄ってはならぬと言い聞かせられました。 勝共連合も原理研も、実態は「世界基督教統一神霊協会」(当時)でした。 日本での黎明期には、笹川良一・児玉誉士夫・岸信介という、いかにもな人たちが関わっていたようです。 「教会ですらなく協会だからね」とかつて教えられましたが、通称は「統一教会」という不思議な団体です。 私は全く存じませんが、統一教会によって人生を狂わされた人は大勢いることでしょう。 今回はその事実が飛躍して、岸信介の孫である安倍晋三・元総理大臣に、恨みの銃弾が向けられたわけです。 容疑者のとった行動は、いかなる理由があろうともアウトですが、事件の背景はもっと知りたいところです。 メディア(とくにNHK)の報じ方に、統一教会に対する微妙な遠慮を感じてしまうのは、なぜなのでしょう。 日本の政治・社会の中に今なお、迂闊に触れてはならない深い闇があるのでしょうか(陰謀論)。 |
第6波のピーク時を上回るPCR陽性率なんですけど
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- 2022/07/11(Mon) -
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熊本県の新型コロナ新規感染者数が、1週間ぶりに1000人を切りましたが、喜んでいる人は誰もいませんよね。
月曜日には見かけ上、感染報告数がいちばん少なくなることは、いまや小学生でも知ってますから(多分)。 毎週日曜日にも発熱外来をやっている当院は、最近の日曜の午後は、ほぼほぼコロナ専用の時間帯となります。 当院で昨日行ったPCR検査は47件でした。本日判明した陽性数は38件。陽性率はなんと81%。 1月・2月ごろにも経験しなかった異常な陽性率です。 駐車場に車が10台停まっていたら、そのうち8台には感染者がいるという、昨日はそんな状況だったのです。 こんなことばかり書いてたら、「あの医院に行ったらコロナうつされると思われるぞ」と心配する方がいます。 ご心配はごもっともですが、動線分離はしっかりやっています。各部署の感染防御は完璧だと思っています。 現にこのコロナ禍でずっと発熱外来をやってきて、当院職員の誰一人コロナには罹っていません。 とはいえ、近隣の学校や保育園などでは、あちこちでクラスターが発生しています。 子どもがコロナを家庭に持ち帰り、親や兄弟が感染して発症する、というパターンはいまも続いています。 最近は高熱が続く方が目立ちますね。そのかわり強い咽頭痛は減りました。とはいえ、個人差は大きいです。 熱が出てないからコロナじゃない、という考え方は今でも間違っています。油断禁物。 というわけで、当院の昨日の状況を踏まえて、明日発表の熊本県の新規感染者数は2千人超えと予測します。 |
発熱外来が目一杯なら、保健所も手一杯
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- 2022/07/10(Sun) -
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「第7波」を肌で感じる今日の発熱外来でしたが、なにしろ受診予約の電話が引っ切りなしにかかってきます。
固定電話2回線+携帯電話2回線を駆使しても、常時話し中の状態になり、クレームも出ます。 朝のうちに夕方までの予約枠が埋まり、今日も「コロナ相談窓口」からの紹介を止めてもらうことにしました。 が、その相談窓口の電話もつながりません。何度かけても、延々とパッヘルベルのカノンを聞かされるばかり。 しょうがないので保健所に電話したら、関係部署に連絡して折り返します、ということになりました。 が、その折り返しもかかってこない。ていうか多分、当院の電話がつながらないのです。 PCR検査の結果は明日になりますが、抗原検査陽性分は、すぐに発生届等をFAXしました。 確認のために保健所に電話するルールですが、これがまたつながらない。でもかけ直しませんでした。 そもそも必要性をあまり感じない連絡だし、保健所の仕事を増やすだけでしょうから(夕方連絡しました)。 当院ホームページから問い合わせメールを送信してくる方もいますが、残念ながら読むヒマがありません。 電話がつながらず、しびれを切らして直接院内に入ってこられる方もいますが、それがいちばん困ります。 本日のPCR検査の結果は、明日の夕方から夜に判明します。先週は22時過ぎに結果報告のFAXが届きました。 すぐに患者さんに連絡し、保健所に発生届をFAXしますが、保健所が処理を始めるのは翌日(火曜)です。 そんな経緯で、日曜の検査結果が火曜の「新規感染者数」に反映されることは、前にも書いてきた通りです。 なお、発生届を受理した保健所が感染者に電話連絡をするまでに、現在2〜3日程度を要しているようです。 なので本日当院で検査を受けた方が万一PCR陽性だった場合、保健所からの連絡は木曜か金曜になります。 この件では当院にもたびたび問い合わせがありますが、以上のような事情ですのでご理解のほどお願いします。 |
「痛恨の極み」
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- 2022/07/09(Sat) -
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安倍元総理大臣の悲報に接しては、多くの方が口にするように「痛恨の極み」としか言いようがありません。
どんな悪党の凶行であっても許されませんが、こんな素人が易々と遂行できたことがとくに悔やまれます。 どんな政治的理由があっても暴力は認められませんが、単なる個人的恨みによる犯行だったとは悲しすぎます。 この事件がどうして防げなかったのか、メディアが力を入れて報じています。更なる詳細な分析に期待します。 しかしそれ以上に、安倍氏の功績や人物像、思い出についても、今日の番組は時間を割いています。 山口県出身の私は以前から、安倍晋三氏の父親である安倍晋太郎氏の代から、応援していました。 私の母校(山口高校)の同窓会長は、晋太郎氏でした。同窓会名簿の題字は、岸信介氏によるものでした。 その晋太郎氏が総理に選ばれなれなかった、いわゆる「中曽根裁定」では、とても悔しい思いをしました。 たぶん、竹下氏よりも「大物」の晋太郎氏の本格政権を後に回したのだろうと、そう考えて納得していました。 実際、ポスト竹下は晋太郎氏と目されていたのですが、病に倒れ、総理の椅子に座ることが叶いませんでした。 それから15年後。晋三氏の総理就任は本当に嬉しかった。のですが病に倒れ、しかし見事に復活。 ついに、史上最長政権を樹立した大総理となりました。功罪ありますが、歴史に残る人物と言えるでしょう。 だからこそ、今回「小物」に「恨み」で殺害されたことが、本当に悔しいのです。 享年は奇しくも、父晋太郎氏と同じ67歳でした。ご冥福をお祈りいたします。 |
安倍元総理大臣が撃たれて死亡
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- 2022/07/08(Fri) -
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安倍元総理大臣が、奈良市で白昼、演説中に銃で撃たれて亡くなりました。
今後さまざまな分析や論評が行われるのでしょうけど、「あっけなさすぎ」というのが私の第一印象です。 良かれ悪しかれ、安倍氏は今後も日本の政治に大きな影響を及ぼし続けると考えられていた大人物でした。 「令和の妖怪」にさえなりかねないと私は思ってました。それがこんな形で潰えるとは、なんともあっけない。 容疑者の背後関係は不明ですが、おそらくテロでもプロでもない。素人の凶行とするならよけいにあっけない。 どうしてその程度の犯行を、SPや県警の警察官らは防げなかったのでしょう。警護するにも油断しすぎです。 いかにも一般人だから警戒していなかったのか、飛び道具を持って近づくこと自体を想定していなかったのか。 手を尽くしても救命不能だった致命傷を与えたのは、手製の銃による2発。それがいかにもあっけない。 心臓(左心室)を損傷していたのであれば、多量に出血するし、何をやっても有効な心拍は再開できません。 大量の輸血で救命しようとするうちに、全身の血管や臓器が悲鳴を上げ始めたらもう、打つ手なしです。 スマホに「安倍氏が撃たれた」との衝撃的な速報が入ったと思ったら、すぐに「心肺停止」、やがて「死亡」。 今日は展開が早すぎて、咀嚼する時間もありませんでした。ご冥福をお祈りいたします。 |
痛くない予防接種のために
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- 2022/07/07(Thu) -
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「次からココで打ちたい!」
当院で初めてワクチン接種を受けたお子さんが、今日このように言ってくれました。最高の褒め言葉です。 つまり、思っていたほど痛くなかったのです。恐怖のために固かった表情が、一転して明るくなりました。 とは言え、どこの医療機関でも皮下注射の方法(手技)に大差はなく、痛くないように打っているはずです。 (1)腕を消毒したらなるべく早く注射する(恐怖の時間を最小限にする) (2)針を刺入したら間髪を入れず注入する(逆流の確認などやらない) (3)可能な限り素早く注入する(そのために針をシリンジに強くしっかりと装着しておく) よく知られている「常識的な」方法ではありますが、私はそれを強く意識しています。 「(注射する時間は)3秒と5秒と10秒のどれがいい?」と尋ね、「3秒」と答えさせておき1秒で注射します。 「じゃあ、注射するよ〜」と言いながら、「よ〜」の途中で打ち終わるぐらいがベストです。 シリンジの持ち方も重要です。私は押し子が薬指で押せるような指の配置で、シリンジを把持します。 この方法だと、もっとも迅速に片手で(2)が実現できるからです。他の先生方の手技はいかがでしょうか。 |
警察車両に「AirTag」ストーキング
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- 2022/07/06(Wed) -
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愛知県警の捜査車両に、Appleの「AirTag」が取り付けられていた件。起きるべくして起きた事件です。
AirTagは、キーホルダーに付けたりカバンに入れたりしておけば、iPhoneでその場所を探し出せる機器です。 500円玉を一回り大きくしたサイズの、白い碁石に似た形状で、通常は専用のホルダーに入れて使います。 私も1個、銀行の物理的トークンと同じキーホルダーにつなげて、常用しているカバンの中に入れています。 これはつまり、使った後のトークンの置き忘れを関知することと、カバン自体の紛失・盗難に備えたものです。 しかし本来の使い方ではなくストーキング等の目的で悪用できることが、発売当初から問題視されていました。 他人の衣類やカバンや車などにこっそり入れておけば、その位置を追跡できるからです。 「AirTagは、不要な追跡に使われないように設計されています」とAppleは言いますが、完璧とは言えません。 (1)一定時間以上近くにある他人のAirTagは、iPhoneが自動検出して警告を表示し、AirTagが音を鳴らす (2)このアラートは、そのAirTagが持ち主から離れた時だけ有効になる 自分がiPhoneなら良いですが、Androidでは特定のアプリを使って能動的にAirTagを探す必要があります。 なのでAndroidユーザーは、悪用に気付きにくいわけです。さて県警捜査員はどっちを使っていたのでしょう。 |
千人超えは予測していたけど、1,500人超えとは
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- 2022/07/05(Tue) -
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流石にここまで増えるとコメントせざるを得ませんが、コロナ増えてますね、全国で。
今日の熊本の1,589人は思いもよらない数字でしたが、しかし千人を超えるであろうことは予測していました。 それは2日前の日曜日の、当院の発熱外来の状況が、尋常ではなかったからです。 この日はまず、朝から暑く、蝉時雨も激しく、それでいて天気が崩れそうな暗雲も立ち込めていました。 ネット予約枠はすぐに埋まり、8時半の電話受付開始とともに、予約の電話がじゃんじゃんかかって来ます。 予約外の方が玄関に現れたら、感染対策の観点から駐車場に戻っていただき、電話連絡をするよう説明します。 予約済の来院者が駐車場に着いた場合も、まずは電話連絡が入るので、そのまま電話問診に移ります。 このように当院の発熱外来は電話を駆使しているので、auの通信障害には余計な苦労をさせられました。 夕方までの診療予約枠が朝のうちに全て埋まったのは、おそらく2カ月ぶりぐらいです。 当院への紹介をストップしてもらおうと「新型コロナ相談センター」に電話するのですが、つながりません。 そのような勢いの中で、行ったPCR検査は42件。日曜日としてもやはり、5月以来の多さです。 PCRの結果判明と届出は月曜の夕方以降となるため、新規感染者数としては火曜日のカウントに入ります。 なので私は、火曜日には千人超えだと思ったわけですが、それも全く甘い予測でした。 陽性者は26人(62%)。18歳以上の陽性者14人のうち、ワクチン3回接種済が9人もいたのもショックです。 |
電子カルテと診療予約システムと通信障害
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- 2022/07/04(Mon) -
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KDDIの通信障害は、auの通話にとどまらず、さまざまな分野の通信に影響を及ぼしたようです。
一部銀行のATMとか、気象庁のアメダスとか、ヤマトの配送管理システムとか、JALの従業員用無線とか。 トヨタ自動車の「つながる車」サービス「T-Connect」も影響を受け、「つながらない車」になりました。 実はトヨタではありませんが私の車にも、「ConnectedDrive」というサービスが装備されています。 スマホを使って、車をロックしたりライトを点けたりと遠隔操作ができるそうですが、私は未経験です。 しかしそのような便利機能はともかく、自動運転にかかわる通信となると、もしも障害が起きたら大問題です。 電子カルテは、そのネットワーク様式によって、「オンプレミス型」と「クラウド型」に大別できます。 前者は、当院のように院内で完結したLANに、サーバーとクライアントが接続して運用するものです。 後者は、外部のサーバーに対してインターネットを介して院内のクライアントが繋がっているものです。 それぞれ一長一短あるのですが、クラウド型の欠点はセキュリティ面と、通信障害に弱いことでしょう。 一方で、当院が導入している診療予約システム「アイチケット」は現在、クラウドにサーバーがあります。 以前は、自院内にサーバーを起き、ネットに繋げて、予約受付を行っていました。 しかしそのPCにトラブルが起きたり、ネット接続に障害があると、予約システム自体が使えなくなります。 今回のKDDIのような問題が起きると、クラウド型の電子カルテには致命的な影響が出ます。 逆に、予約システムはクラウド型の方が通信障害に強く、安心です。 当院で現在採用しているシステムは偶然にも、通信障害にはもっとも強い組み合わせになっているようです。 |
クマゼミシャワー始まる
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- 2022/07/03(Sun) -
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クマゼミの鳴き声を聞いたのは、今シーズンは昨日が最初でした。
昨日の朝、クリニック周辺の掃除をしていたとき、建物の壁にしがみついている抜け殻を2つ見つけました。 土から出てきてとりあえず登ったら壁面だったのはガッカリでしょうけど、無事羽化して飛び去ったようです。 と思いを馳せながら抜け殻を手に取った、まさにその瞬間、近隣のどこかでセミが鳴き始めました。 よく聞くと2匹の重唱のようです。間違いなく、その2つの殻から出たヤツらでしょう。 1日経って今朝の掃除中には、すでに多数のクマゼミがジュワジュワ鳴いてます。急激に増えましたね。 今日もまた、壁面やブロック塀に絡んだ抜け殻を、数個見つけました。 ケヤキの幹の下のアスファルトの上に1匹、木から落ちたのか、羽化できずに力尽きた青白い幼虫がいました。 まだ脚がモゾモゾ動いていましたが、翅は広がりきれず、すでにアリがたくさん群がってきています。 そっと植込の根元の土の上に移してやりました。セミもアリも、それぞれ自然の摂理の中で生きています。 |
KDDIの大規模通信障害は、発熱外来にも影響しています
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- 2022/07/02(Sat) -
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「予約をしていない方へ 院内に入る前に必ず電話でご連絡ください」
このような掲示物をカラー印刷して、当院の玄関口に何枚も貼り出しています。 受診者がどんな病状かにもよりけりですが、予約外の方は念の為、いったん自家用車内でお待ちいただきます。 発熱外来受診者ならなおのこと。駐車場に着いたらまず電話連絡をしていただき、その後は電話で問診します。 検査等は対面で行いますが、結果説明や会計のご案内など、電話でできることは電話でやり取りします。 このような携帯電話を駆使した感染対策の工夫が、今日はauの通話障害によって少々面倒なことになりました。 KDDIの通信障害は、携帯電話の通話に限らず、さまざまな領域に甚大な影響を及ぼし続けています。 auスマホを使っている家人に、仕事の合間に電話してみましたが、確かにつながりません。 ところが、「電話はどうか」とメッセージを送るとすぐに、「普通に使える」と返答がありました。 不思議に思い、私に電話をかけさせてみると、「通じない」とのメッセージあり。 「そういえば(今日は)電話がかかってこなかった」だと。 電話って、自分からかけようとしない限り、通話障害には気が付かないものなんですね。 たとえ通話障害があっても、家庭内のWi-Fi環境下では、メールやメッセージなどには支障がありません。 そのことをもって、「電話機(=スマホ)が普通に使える」と判断するのは、確かにその通りなのでしょう。 「電話はどうか」という、私の尋ね方が間違っていました。「通話はどうか」と問うべきでした。 明日は日曜日。発熱外来受診者が多く、電話問診や電話連絡は必須です。明朝までの通信復旧を願います。 |
熱中症対策をきっかけに、そろそろマスク外しますか?
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- 2022/07/01(Fri) -
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かつて県外に行くことには抵抗がありましたが、それは熊本より他県の方が感染者が多かった頃の話。
ところがいま熊本の新規感染者数は、4日連続で800人台。人口10万人あたりだと全国第2位が続きます。 もはや県外移動を恐れる理由なしと考え、今日は「所用のため」県外に行って来ました。 厚労相らが最近、「熱中症対策」の観点などから、「会話しなければマスク着用は不要」と言い始めています。 少し前まで体育の授業もマスクしてやってたのに、いま「マスクをはずせ」と指示するのはやや唐突です。 何も喋らず、距離もあるのに、今日屋内外で見かけた(すれ違った)人はほぼ全員、マスクをしていました。 でも私も本来は、誰も喋ってない環境で適度な距離があるなら、マスクを外してのびのび歩きたいところです。 欧米人と異なり日本人がかたくなにマスク装着を続けているのは、「同調圧力」のせいだと、よく言われます。 「他人に迷惑をかけたくない」とか「他人から変な目で見られたくない」ということなのでしょうか。 確かに、いま街中や公共交通機関でマスクをしていないと、「迷惑なやつだ」と変な目で見られるでしょう。 マスク装着のメリットとデメリット、感染対策と熱中症対策を天秤にかけることも、日本人には不得意です。 理屈よりも情緒を重んじる国民性が、さまざまな局面で日本人に不利益をもたらしているかもしれません。 マスク不要が言われ始めた頃から、偶然にも感染者数が増え始めたことも、やや不運な逆風になりそうです。 |
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