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国民は緩んでも、医療機関の緊張感はMAXです
- 2022/12/31(Sat) -
コロナはいつまで続くのかと1年ほど前に人に訊かれ、「2月には収束(終息)するよ」と予言したのは私です。
しかし、ご存じの通り、年が明けたら第6波が襲来し、さらに夏には第7波、いまは第8波の真っただ中。

予想を大幅に上回り、ほぼ3年経っても終息しませんが、世の中の状況はずいぶん変わりました。
市民の行動制限がほぼありません。社会経済活動や教育の停滞を招かないことの方が、いまは重要なのです。
水際対策も撤廃され、旅行も出張もしやすくなりました(ただし今、中国は例外)。
診療報酬はかなり減額され、新たな補助金もほとんど無くなり、医療機関はまた厳しい状況になっています。

第8波で一番気になるのは、死亡者数が多いこと。おそらく、把握できている数より感染者は多いのでしょう。

「ゲームチェンジャー」だと期待されていた内服薬は、全体的に劇的な効果を生んでいるほどではありません。
同様にワクチンも、ようやく「オミクロン株対応」が登場したと思ったら、接種率が低迷しています。

これほど感染が再拡大していても、もはや社会・経済の再活性化の方が国民には喜ばれているようです。
観光地や空港の混雑ぶりを報道で目にします。もう、この流れを止めることはできないのだろうと思います。
しかし、いまも多くの死者が出ています。医療機関としては、来年も強い緊張感を持って臨むしかありません。

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第8波は、かなり過小評価していることを考慮すべきです
- 2022/12/30(Fri) -
「はい、年末です。事件ですか、事故ですか」
そんな感じでやっております。年末年始の連休に入り、戸惑いながら1日ずつ消化しているところです。

「緊急事態宣言」下に息を潜めていた2年前とは真逆の、「ウィズコロナ」への茨の道に苦しむ1年でした。
欧米のように割り切る勇気は無く、中国のようなコトもできない、日本流の「中庸」はしかし悪くないのかも。

新規感染者数の棒グラフは、そろそろピークを迎えそうな勢いに見えますが、そんなのアテにはなりません。
以前と比べて、感染者の把握が圧倒的に不十分・不正確だからです。

まず、検査キットで自己検査した感染者の実数が、どれほど報告されているのか疑問です。
濃厚接触者が高熱などを発症した場合、もはや検査すらしないかもしれません。これも報告数には入りません。

でもそれで良いと思います。
親が感染した後に幼い子どもが発熱したとき、いちいち検査して確認する意味があるとは思えません。
幼いお子さんの場合、親との密着が続くので一蓮托生です。どっちみち、いつか感染すると考えましょう。

いや、インフルエンザや他の疾患の鑑別のためには、やはり検査が必要じゃないかと、厳密に言えばそうです。
ですが私は、状況証拠がコロナを示している方には、わざわざ検査のための受診を求めたりはしません。
そのように私自身が敢えて検査しないケースが増えているので、国への報告数なんてアテにはならないのです。

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「5類化」を前にして補助金を駆け込み申請
- 2022/12/29(Thu) -
「R4年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業費補助金」の交付が、なんとか認められそうです。
あらかじめ「事前相談」の書類を提出していたところ、ようやく、本申請の書類提出を求める連絡が来ました。

補助金による導入を考えているのは、「HEPAフィルター付空気清浄機」と「等温遺伝子増幅装置」です。
前者は、「陰圧隔離室」を前提として使用する物で、コロナ禍後にも役立つ重要な院内装備となる予定です。
後者は、「NEAR法」による検査装置で、PCR検査並の感度がありながら13分で結果が出る優れモノです。

新型コロナが「5類」になったとしても、それぞれの装置は今後長期的に有用であろうと考えています。

補助金交付の条件として、当院の隔離診察室の「陰圧化」が求められたため、その工事が必要となりました。
たしかに、窓全開だけでは換気には限界があります。風雨が強い日には窓が開けにくいこともありました。
風向きによっては、窓から入口ドアの方向に空気が流れることもあり、隔離室としては問題を感じていました。
今回の工事と清浄機設置は、これまでの懸案を解決する良い機会だと思っています。

検査装置の方は、ランニングコストが高いのがネック。いま外部委託しているPCR検査代よりも高額なのです。
現行の診療報酬であればなんとかなりますが、今後それが「改悪」されたら、厳しいことになってしまいます。
しかし、すぐに結果が出ることは患者さんへのメリットだけではなく、私の仕事も効率的になるということ。
「5類化」によって感染者数や検査体制がどうなるか未知数ですが、いまやるべきことをやるのみでしょう。

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補助金で「焼け太り」とは言葉が過ぎませんか
- 2022/12/28(Wed) -
新型コロナ対策で支払われた補助金が病院を「焼け太り」させていると、批判的に報じられています。

コロナ患者を受け入れるために病床を空けた病院に支払われる「病床確保料」が、そのおもな標的です。
これはコロナ第1波で病院の収益が悪化したことを受け、減収分を補うために導入されたものでした。

病床を「確保」して稼働させないほど補助金額が大きくなるのは、たしかに制度設計上の問題かもしれません。
しかし、それまで赤字経営だった病院がこの補助金で「黒字化」したことを問題視するのは、いかがなものか。

これまで構造上の問題に苦しんできた病院が、この補助金によって図らずも息を吹き返したのです。
そしてそれがコロナ診療のモチベーションとなり、この3年間の日本の医療を支えてきんじゃないですか。

病院に限らず、当院のような発熱外来でも同様に、「発熱外来診療体制確保補助金」が支払われました。
発熱外来専用の時間枠を「確保」したのに実際に発熱患者が来なかった場合に支払われる補助金です。
これも、発熱患者を受け入れない方が補助金額が大きくなるという、矛盾をはらむ制度でした。

当院では、最大限の時間枠を発熱外来に充てることにして、いったん、かなり巨額の補助金を得ました。
しかしご存じの通り、実際に発熱患者を多数受け入れてきたので、補助金の多くを返還する必要があります。

その年内返還の可否を問う「不幸のメール」が厚労省から届いた話は、2カ月以上前に書きました。
しぶしぶ、年内返還可能と返信して待っていたところ、先日厚労省から、年内は無理だと連絡が入りました。
こっちは返す気になってるのに、まあ待てと、まだ返すなと。どんだけ厚労省忙しいんでしょうね。

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インフルワクチンの接種枠がなかなか作れないシーズンでした
- 2022/12/27(Tue) -
当院で使っているインフルエンザワクチンの予約サイトが、今年も利用者アンケートを実施しました。
毎年、皆さんの「ご意見」欄を読むのが楽しみです。そしていつも、反省したり元気が出たりしています。

例年とは異なる「良い点」を挙げるなら、「注射が痛くなかった」という意見が多かったことでしょうか。
今年は、消毒してから注射するまでの時間を「早く」、ワクチンを注入するスピードも「速く」しています。
「来るぞ!」「うっ!」「痛たた!」という一連の「恐怖の時間」を短縮したことが奏功したかもしれません。

一方で、予約時間通りに来たのに待たされたという意見も多く、これは申し訳なかったと反省しています。
また、せっかく早めに来てくれた方に、「3密」を避けるために駐車場に戻っていただいたこともありました。
そういった、全体の時間配分のまずさや、不都合が生じたときの説明が足りなかったと思っています。

今シーズン最大の問題は、ネット予約が取りにくかったことでしょう。苦情・苦言の大半がそのことです。
お子さんの2回目の予約がとれず、他院で接種した方も多数いらっしゃったようです。申し訳ありません。
接種予約枠が1回目の接種分ですぐ埋まってしまい、2回目を希望する多くの方にご迷惑をおかけしました。

コロナワクチンの接種も別の時間帯に行っており、インフルエンザ接種枠が多く作れなかったのが一因です。
またとくに日曜日には発熱外来の受診者が多く、ワクチンの接種を行うことがほぼ不可能でした。
年末の最終診療日である明日は、午後をすべてインフルワクチン接種に充てる予定ですが、焼け石に水ですね。

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異常な陽性率は「大波」の証拠
- 2022/12/26(Mon) -
連日コロナの話題もイヤなんですが、どうやら重大な局面に差しかかったように感じています。
昨日の当院のPCR検査は26件と、第7波の頃に比べれば少ないですが、陽性23件(陽性率88%)は異常です。

濃厚接触かつ高熱が出て半日以上経過した方などは、PCRではなく抗原定性検査を行うことが増えました。
昨日と今日で抗原検査を行った方は22件。陽性は17件なので、陽性率は77%。これも高い。
しかしそのような、いかにも「怪しい」ケースを除外して行ったPCRの陽性率が88%ですから唖然とします。

60歳以上の陽性者は少なく、ほとんどは40歳代以下でした。
家庭内の濃厚接触者は3分の1程度で、職場やクラスや部活内での(セミ)クラスターも散見されます。

こまめに自宅で抗原検査をする方も多く、発熱外来としては大いに助かっています。
PCR検査をご希望の方にも、できれば自宅を出る前に、抗原検査をしていただくようお願いしています。
もしも抗原が陽性なら、PCR検査が不要となるばかりか、処方等が不要な方には来院の必要すらなくなります。

そのような、医療機関が関知しない陽性者の数が、国や自治体の集計に全て正しく反映されるとは思えません。
毎日発表される「新規感染者数」は、おそらく実態とはかなり隔たりがあるはずです。
もしかすると、すでにもう第7波を越える「大波」になっているのかもしれません。

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「インフルエンザにタミフル」は、実に気楽
- 2022/12/25(Sun) -
コロナとインフルは同時大流行かも」と一昨日「予言」した事態に、確実に近づきつつあります。

コロナの濃厚接触者の抗原検査で、コロナは陰性でしたがインフルが陽性の事例がありました。
これはもう「家庭内同時流行」です。コロナだと決めてかかると、インフルを見逃しかねません。

滅多にないだろうと思っていた、「コロナとインフルの同時感染」も、ついに今日、現れました。
あり得るとは思っていましたが、そのようなケースが実際に出てくる様になったことは衝撃的です。

今日は発熱外来を午後に限定したので、先週の当番医の時よりは受診者数こそ少なかったものの、濃厚でした。

「インフルのような寒気がした」「前にインフルに罹ったときと同じ症状」
そんな訴えの場合でも、インフルだけでなくコロナの検査も行うと、しばしばコロナ陽性でした、これまでは。

ところがいまは逆。コロナだろうと思った時でも、インフルの検査も行った方が良い状況になっています。
コロナの濃厚接触者に対してすら、念のためにインフルも調べときましょうか、という提案が必要です。

インフルが陽性なら、原則としてタミフルを処方しています。特別な同意書は不要で、処方も簡単です。
一方でコロナの薬は、今日も同意書を読んだ挙げ句に処方を断る方もいて、まだまだ手軽な薬ではありません。
「ウィズコロナ」は、ワクチンの普及に加えて、治療薬がもっと一般的になった時点で使うべき言葉でしょう。

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年賀状宛名書きソフト更新顛末
- 2022/12/24(Sat) -
毎年わが家で年末に繰り広げられるドタバタといえば、年賀状の準備作業でしょうか。
昨年は、喪中欠礼状という、ある意味「楽」なコトをしたので、今年は一波乱あることは覚悟していました。

年賀状の印刷は業者に頼んでいたので、すでに昨日までに入手できています。あとは宛名書きです。
でもその前に、住所録の更新作業が必要です。住所変更はないか、喪中ハガキは誰から来ているか、等々。
そして、2年前の実績などを踏まえて、誰に出すか出さないか、チェックを入れていき、印刷するわけです。

でも何がドタバタかって、年賀状宛名書きソフトを更新する作業でトラブることが多いのです。そして今日も。

「宛名職人」という、Macでは一般的な宛名印刷ソフトがあります。もう何年も使い続けています。
今日はその最新版「V.29」をダウンロードして、自宅のMacにインストールしました。ここまでは順調。

ところが、昨年使った住所録ファイルが開けない。これはたぶん、マズい。いやな汗が出てきました。
大丈夫。きっと解決するはず。メーカーの「下記の操作を順番にお試しください」に従って対処していきます。

(1)パソコンを再起動 → ダメでした。もとより、その程度で解決するとは思っていません。
(2)言語環境を設定し直す → え、そんなこと関係あるの。ま、いいけど、設定したけど、ダメだけど。
(3)「アップデート」を削除 → ふ〜ん。したけど。ダメ。
(4)プリンタドライバを再インストール → ありゃ。プリンタドライバ入れてなかった。でもダメでした。
(5)エントリー情報を削除 → よくわからんけど、指示通りやりました。ダメで〜す。
(6)ソフトを再インストール → これと(1)は最初に自主的にやりました、って。
(7)macOSをアップデート → ほう。やってみましょう。でもダメね、時間がかかったけど。
(8)新規アカウントで起動 → 専用アカウントを作り、(1)から(6)まで全部やりましたが、ダメ。

ということで、「宛名職人」は旧バージョン「V.26」に戻しました。ウソのように普通に起動しましたとさ。
あと1,2週間早けりゃ、新バージョンで解決するまで工夫したんでしょうけどね。来年は早めに準備しよう。

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コロナとインフルは同時流行ではなく「同時大流行」かも
- 2022/12/23(Fri) -
新型コロナとインフルエンザの同時流行が、いよいよ現実味を帯びてきました。
熊本市の定点当たりのインフル報告数が、先々週(12/5〜12/12)の1.00から、先週は3.12に増えました。
この分だと(同じ比率で増えると)今週は約10となり、「注意報レベル」に達するかもしれません。
さらにその翌週にまた3倍(報告数30)となれば、これは「警報レベル」です。

インフルエンザに対しても、コロナと同様の予防法(3密回避・マスク・ワクチン)しかありません。
しかし、世の中はすでにウィズコロナに向かいつつあり、それらの予防策も以前より緩んできました。
ここでインフルが同時流行したとしても、もはや緩んだ流れは変わらないかもしれません。
つまりこの先、ウィズコロナ&インフルが待ち受けているということです。

今年最後の日曜診療となる明後日は、もしかすると先日の当番医の時よりも激しい発熱外来になりそうです。
よほどコロナの疑いが強くない限り、発熱者にはインフルの検査も併用する必要があるでしょう。

いつも日曜診療をしている当院が当番医をするのは、市内の休日診療体制にとっては不利だと先日書きました。
そのことを医師会事務局に相談したところ、当院は当番医のローテーションから外されることになりました。
もちろん、今後も毎週日曜に診療を行うことが条件です。大丈夫。日祝診療は今後も続けます。

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巨大な「飛蚊」襲来
- 2022/12/22(Thu) -
午後は休診にして、クリニックの大掃除(第2弾)を行いました。
一昨日は、床にある物を片付けてワックスがけしたので、今日は高い位置にある物の整頓と清掃を行いました。

その作業の終盤に差し掛かった頃、それは突然、私の視界に現れました。巨大な「飛蚊症」です。
小さな点々や短いヒモ状の飛蚊症なら私には日常なのですが、今日のはあまりにも巨大なので驚きました。

錆び付いた色の、さまざまな形状の長短のヒモが多数、左目の視野に集結して、どんより動いています。
それは朽ちた醤油漬けの輪ゴムにも見えるし、目の前を流れ落ちるウスターソースの滝のようでもあります。
いや、粘り具合からすると、とんかつソースか中濃ソース。ややとんかつ寄りか。(どうでもいいですかね)

慌てて眼科で診てもらうと、「後部硝子体剥離」みたいなヤツだと判明。突き詰めれば、老化現象の一種。
とりあえず、網膜剥離ではなかったので、安心して帰宅して、入浴していまビールをたらふく飲んでおります。

巨大な飛蚊症なので、「蚊」を「蠅」に置き換えて「飛蠅症」という呼称を思いつくのは当然のことでしょう。
ですが、「飛蠅症」の読み方がわからない。私は「蠅」の音読みを知〜らなかったYO!
漢和辞典で調べてる時点で、オーライ蠅が襲来、それは「よう」っと読むようだYO! センキュー!

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「マイナ保険証」普及のための「加算」の右往左往
- 2022/12/21(Wed) -
「マイナ保険証」普及のため、来年4月から従来の保険証の利用者負担がさらに増やされることになりました。

今年4月の診療報酬改定では、マイナ保険証を利用した方が診療報酬が高くなるように設定されていました。
初診料の「加算」は、3割負担の場合、マイナ保険証だと21円、従来の保険証なら9円の患者負担でした。

マイナ保険証に対応するための設備投資等が医療機関の負担となるため、それを手当するための措置です。
しかし、患者負担が割高になることはマイナ保険証の普及には逆効果であることが問題となりました。

すると10月からは180度方針転換。こんどは従来の保険証を使った方が、患者負担が高くなりました。
初診料の加算は、マイナ保険証だと6円、従来の保険証なら12円の患者負担になりました。
そしてこのたび、来年4月から従来の保険証の場合の患者負担が、18円に増えることが決まったわけです。

このような改定は、マイナ保険証への切り替えを促す、国民に対するインセンティブです。
ただし医療機関にとっては、マイナ保険証が普及する方が損をするという、微妙な逆効果を生み出しています。

あちらを立てればこちらが立たず。大事な制度改革を姑息的に済まそうとするから、こうなるのです。
マイナ保険証普及のインセンティブを、診療報酬の微調整で手当てしようという発想が、そもそも間違いです。

医療機関にとって、マイナ保険証対応設備の初期費用は補助金では足りず、導入後も永続的に負担が続きます。
これは重大な医療制度の改革なのですから、政府が全工程の面倒をきっちりみるべきです。

なお、マイナ保険証の有無にかかわらず、マイナ保険証「未」対応医療機関を受診すれば、加算が付きません。
当院もまだ未対応(カードリーダーは届いたけど準備中)。今ならオトクですよ。

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電子機器は、いきなり電源プラグを抜かないこと
- 2022/12/20(Tue) -
清掃業者にお願いして、院内のワックスがけをしました。今日は年末バージョンなので徹底的に行いました。
その準備作業として、床の上にある動かせる物はすべて、別の場所へ移しておきました。

電子カルテ用のMacや大型FAX複合機は、すべてのケーブルを外して丸裸にして運び出しました。
こういう作業は後々の再設置・再配線を考えると面倒ですが、私は嫌いじゃありません。なんなら好きです。

ワックスがけが終わり、複合機を元の位置に戻した時にしかし、そのトラブルが発覚しました。
電源を入れても起動しないのです。初期画面が出てもそれ以上進まず、再起動を何度も自動的に繰り返します。
これは緊急事態。このままでは、FAX送受信・コピー・スキャン・処方箋や領収書の印刷ができません。
スキャンや印刷は他の機器で代用できますが、コピーとFAXが使えないのは明日の診療において致命的です。

すぐにサービス業者に連絡し、来ていただきました。3時間以上かかりましたが、無事修理できました。
重要部品が壊れていたようで、交換したら治りました。私の電源の切り方が悪かったのかもしれません。
本来なら、主電源を落としてから電源プラグを抜くべき所を、私はいきなりプラグを抜いたのです。
プリンタやスキャナならそれでも良かったかもしれませんが、FAXの場合は通信中の可能性がありました。

たとえ静かにスリープしていても、複合機はいつも稼働している可能性を考慮しなければなりませんでした。
この複合機はリース期間が終わって再リースしたばかりでしたが、つまり故障する頃合いなのかもしれません。

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乳幼児への新型コロナワクチンの接種は、まだわずかです
- 2022/12/19(Mon) -
オミクロン株対応ワクチンの発症予防効果は71%だったことが、国立感染症研究所の分析で判明しました。
思いのほか良い数字だと思います。
面と向かって咳込まれたり、どうしても密着して診察する必要に迫られたとき、ワクチンの効果が頼りです。

毎日のように何人もの感染者と対峙している私は、防護具だけで感染が完璧に予防出来るとは思っていません。
ワクチンで獲得した免疫が、ウイルスを毎日適度に吸い込むことによって強く維持されていると考えています。

昨日行ったPCR検査43件のうち、陽性は32件でした。この陽性率74%は、第7波のピーク時に匹敵します。
ワクチンの接種が進んだ上での、この陽性率ですから、これまでよりも大きな波の到来になるかもしれません。

そんな中で、子どもへのワクチン接種が低迷しています。乳幼児に至っては、ほとんどゼロに近い接種率です。
定期接種時に親御さんに尋ねると、接種を前向きに検討している人がほとんどいません。
「悩み中」だと答える人もいますが、大半は「接種するつもりはない」という回答です。

遅ればせながら今週、当院では初めて乳幼児への接種を行う予定です。今日はそのワクチンが届きました。
配送してくれた方に尋ねると、乳幼児用ワクチンの配送はほとんどない、とのこと。
小児へのワクチン接種後の死亡事例が報じられ、そうでなくても低迷している接種が、ますます進みません。
オミクロン株対応でもないし、現時点で私は、乳幼児への接種を強く推奨する気にはなれないのです。

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休日当番医はほぼ、休日発熱外来
- 2022/12/18(Sun) -
なんとも寒かった今日、当院は休日当番医でした。予想通り、いつもの日曜日以上の混雑でした。

固定電話は2回線あってもすぐにパンクするので、かかってきた予約電話では長話をしない作戦で臨みました。
氏名や最小限の病状と連絡先だけを尋ね、あとは携帯電話で折り返して病状を尋ねることにしたのです。

その結果、固定電話も携帯電話もパンクしてしまいました。
朝のうちに夕方までの予約枠が埋まりましたが、そんなことはお構いなしに、電話は途切れずかかってきます。
電話が繋がらないのでしびれを切らして直接来院される方もいて、窓口のやりくりは困難を極めました。

今日の市内の当番医は、小児科を標榜している医療機関が当院1カ所のみという割り振りの悪さ。
しかも、日頃も日曜診療をしている当院を当番医に当てることは、市内の休日診療体制にとっては不利です。
その意味で、今後は当番医の分担を返上しようかと、今日は本気でそう思いました。

受診者は全部で86人。PCR検査を43人に、抗原検査は33人に行うという、発熱外来メインの当番医でした。
その抗原検査の陽性者は21人。陽性率は6割を超えています。明日判明するPCRの結果は果たしてどうか。

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私の頭部に生えている「毛」たち
- 2022/12/17(Sat) -
【髭(くちひげ)】
もう20年近く、生やし続けています。今は白い毛が6割。開業した15年前頃は、黒だけだったんですけどね。

【鬚(あごひげ)】
開業前にいったん剃ったのですが、やがて復活。ただし今は、髭とともにずっとマスクに隠れてます。

【髯(ほおひげ)】
これも数年前に復活。マスクからはみ出しています。髭・髭・髭の手入れはいつも休診日(火・金)の朝です。

【睫毛(まつげ)】
しばしば抜けて目の中に入り込み、チカチカ痛むので困ります。もともと少ない睫毛がますます減っています。

【眉毛(まゆげ)】
トシをとると、ペンギン(または村山さん)のようにすごく長いヤツが生えてるくるのは、どうしてですかね。

【耳毛(みみげ)】
これもまた、よく伸びますね。時々専用のカッターで切りますけど、しばらく忘れてるとかなり長くなります。

【鼻毛(はなげ)】
そんなに悪い空気は吸ってないのに、勢いよく生えてきます。余計なお世話です。幸い、マスクに隠れてます。

【頭髪(とうはつ)】
昨日も美容室でカット(だけ)するという不法行為を犯してしまいました。でも、おかげでスッキリです。

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インフルエンザがついに、流行入り
- 2022/12/16(Fri) -
熊本市のインフルエンザ患者の定点当たりの報告数が、1.00となりました。「流行入り」を意味します。
市内に25ある定点医療機関の患者報告数の合計が、12/5〜12/11の週はちょうど25だったということです。

当院でも、先週2人、先々週は1人のインフルエンザ感染を診断しています。定点よりも1週間早い動きです。
インフルエンザによる学級閉鎖も、先週2年9カ月ぶりに報告されました。今後爆発的に増えそうな気がします。

コロナ禍下の2020年と2021年は、ほぼゼロに近いほどインフルエンザが流行しなかったのはご存じの通り。
実はその前年の2019年もインフルエンザは例年ほど流行しませんでしたが、その前年は流行りました。

2018年の定点あたり1を超えた「流行入り」は、奇しくも今年と同時期の12/3〜9日の週でした。
その3週間後には定点あたり10を超える「注意報」、その2週間後には30以上の「警報」レベルとなりました。
つまり、流行入りしてから5週間で、警報レベルの大流行に至ったということです。

今期も4年前と同様に経過するとすれば、年末年始に大流行を迎えることになります。
そしてまったく同時期に、コロナ第8波がピークを迎える雲行きです。いやはや、だいぶヤバいと思います。

先週の当院のインフル2名は、コロナとインフルの同時検査をしたら、インフルの陽性が判明したケースです。
濃厚接触者などよほどコロナの疑いが強くない限り、発熱者にはコロナとインフルの同時検査をべきでしょう。

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「NEAR法」検査機器の導入へ
- 2022/12/15(Thu) -
発熱外来における新型コロナの検査法は、「核酸検出検査」と「抗原検査」に大別されます。

核酸検出検査とは、ウイルスの遺伝子(核酸)を増幅して検出する方法で、「PCR検査」もその一種です。
PCR検査は、温度の上げ下げと酵素反応によって時間をかけて核酸を増幅する、感度の高い検査法です。

抗原検査は、ウイルスの構成タンパクを検出する方法で、「定性検査」と「定量検査」があります。
定性検査は、感度では劣りますが簡便で迅速に結果が出るので、医療現場以外に家庭でも利用されています。
定量検査は、核酸検出検査並に感度が高く、空港検疫等で使われています。

さて、当院で行っているのは、PCR検査と抗原定性検査です。
前者は外部の検査センターに検査を委託するため、結果判明までに半日〜1日以上かかります。
後者は院内で鼻腔または鼻咽腔拭い液によって行い、最近ではインフルエンザとの同時検査も増えました。

問題は、とくに日曜祝日の場合は、検査センターが休業のため結果が出るまでに時間がかかることです。
その待ち時間を嫌って、抗原検査を希望する患者さんも多いのですが、そうなると偽陰性が増えてしまいます。

そこで登場するのが、温度の上げ下げを伴わない「等温核酸増幅法」です。検出時間が短いのが特徴です。
その等温核酸増幅法のひとつに「NEAR法 (Nicking Enzyme Amplification Reaction)」があります。
すでにこれを導入している医療機関がかなりあり、短時間で高感度の検査が出来ることをウリにしています。

当院でもだいぶ前から、NEAR法の検査機器の導入を検討してきたのですが、時期を逸して今に至ります。
しかしこのたび遅ればせながら、当院でもNEAR法を導入することにしました。
PCR検査並の高感度でありながら、準備も含めて20分以内に結果が出るので、有効なツールになりそうです。
加えて、鼻腔拭い液を用いるので、乳幼児でも検査ができることも、当院の場合にはとても重要なことです。

というわけで、ついに検査機器の購入を決定。近日正式に発注予定。稼働は来月。続報を待て。

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ニュースはもっぱら追っかけ再生で見る
- 2022/12/14(Wed) -
Netflixなどの配信が発達しているいま、録画環境を充実させる意味あるの?、というご意見を頂戴しました。

たしかに、映画を録画する必要はほぼなくなりました。しかし、レコーダーの意義は限定的ですが、あります。
たとえばNHKや民放のローカル番組。これはもう、録画しておかなければあとで見ることができません。

ときどきあるんですよね、NHKのローカルニュースでちらっと出てきた映像を、もう一度確かめたいことが。
全国ニュースならNHKプラスで見返せますが、ローカルはどうしようもない。
たぶん、どうでも良いシーンなのですが、いちど気になると確認したくてたまらなくなるのです。

レコーダーの最大のメリットは、全録機能と追っかけ再生にあると、私は思っています。

夜7時のNHKニュース7は、いつも追っかけ再生で8時ごろ見ています。どうしてもその時間帯になるのです。
そのとき同時に、手元のMacでNHKプラスを、TVの追っかけ再生に同期させて見るのが私の流儀です。
なんでそんな面倒なことするのかと言えば、画像は手元で見た方が良く見えるし、音声もよく聞こえますから。
じゃあTVで追っかけ再生をする意味はと言えば、NHKプラスがときどき配信してくれない場面への対策です。

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クックCEO来菊(ていうのか?)
- 2022/12/13(Tue) -
Appleのティム・クックCEOが今日、菊陽町に来たそうですね。夜のニュースを見るまで知りませんでした。
菊陽町の目的地はソニーの工場だったわけですが、隣接地に建設中のTSMCの工場も見て帰ったはずです。

昨夜は大西市長と熊本城前で記念写真撮ってるし、今日は五福小学校を訪問したと報じられています。

五福小は、日本の公立学校では唯一「Apple Distinguished School」の認定を受けた学校だそうですね。
ていうか、すみません。今日までその認定の存在自体を知りませんでした。
たぶん、学校ではiPadやMacをふんだんに使っているのでしょう。
創造性、共同作業、分析的思考を引き出し、いきいきと好奇心を持って学べる環境を育むのだといいます。

Appleは昔から教育熱心です。教育現場用の製品やソフトやシステムの開発には力を入れてきました。
ただし、せっかく学校でMacに馴染んだ子も、大人になるとWindowsユーザーになるのが常でした。
ところがiPadは、社会で汎用されるツールとして先に定着し、むしろ教育現場にはあとで入って来ました。

以前から教育現場のデジタル化が始まってはいましたが、それがコロナ禍で格段に加速しました。
緊急事態宣言中は、発熱外来の待ち時間にiPadで「宿題」をしている子どもを、よく見かけました。
ジワッと進むはずのデジタル化が、必要に迫られて急ピッチで進んだのは、コロナ禍の良い副産物でしょう。

(補足)
「来菊」=菊陽に来ること。私の造語です。読みは「らいきく」。菊陽に限らず菊池郡市はすべて来菊ですか。
「菊」の「きく」って、訓読みっぽいけど、音読みなんですよね。

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「噛み付く」のではなく「食い付く」べし
- 2022/12/12(Mon) -
問診あるある。

「子どもが熱を出しました」「どのぐらいの熱ですか」「あ、いまは下がってます」

対応例1「だ・か・ら、どのぐらいの熱が出たんですかって」(気持ちはわかりますが、コレはダメ)
対応例2「そうですか。で、下がる前の熱はどのぐらいでしたか」(普通の対応)
対応例3「そりゃ良かった。でもまた上がらないといいですね。高いときは何度ぐらいでしたか」(模範回答)

「おいくつですか?」「来月3歳になります」

対応例1「だ・か・ら、尋ねてるのは来月じゃなくていまの年齢でしょうが」(ダメ)
対応例2「ということは、いま2歳ということですかね」(皮肉めいてて、コレも避けたい)
対応例3「そうですか。もうじき3歳になるんですね」(模範回答)

尋ねたことに対して少しズレた返答が来たとき、いちいち「噛み付く」のでは互いに良い気分にはなりません。
むしろそのズレに沿うように「食い付く」対応で臨むのが吉。最近わかってきた境地です。

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録画機能付きテレビ
- 2022/12/11(Sun) -
16年以上使ってきた実家のテレビが故障したので、ついに新しいテレビを購入しました。

以前から買い換えを勧めていたのですが、まだ不自由なく見れるからと、母はアクオスを使い続けてきました。
昭和ひと桁生まれの人間には、使えるモノはムダにしないという倹約精神が、戦前から染みついているのです。
しかし最近、画面が乱れたり突然フリーズするようになり、母もついに買い換える気になったようです。

そうと決まれば、家電製品を買うのが私はわりと好きなので、すぐにエディオンに走りました(車で)。
簡単操作を突き詰めたら、やはり録画用HDD内臓テレビでしょう。Blu-rayレコーダー内蔵ならさらに良い。
そのような条件を満たすテレビはしかし、意外と機種が限られるようですが、ありました。買いました。

外付けの機器を接続する必要が無いし、リモコンはひとつだけ。母にはそのテレビがベストだと思います。
でも一般的には、HDD内臓テレビって流行らないようですね。
録画容量等の選択の自由度や将来の拡張性、故障時の修理なども考えると、一体型は不利です。
なので自分用なら、私がそんな製品を買うはずがありません。これはあくまで母用なのです。

自宅のテレビには、外付けHDDをUSB接続するタイプの録画機能が備わっています。いまはこれが主流です。
さらに全録機能付きBlu-rayレコーダーを接続し、もうこれ以上の環境はない、と自分では思っています。
録画容量は合計10TB(テラバイト)を超えていますが、異常な高容量とは思いません。いまどき普通ですよね。
ただ、これだけ環境を整備したのはいいけど、録画番組を見るヒマがないですね。残念ながら。

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政治家は曖昧な表現を好む
- 2022/12/10(Sat) -
「いま、国際情勢は、不安定化、流動化しています」
岸田首相は今夜の記者会見で、防衛力強化の必要性を説くための前提として、冒頭のように述べました。

「いま、国際情勢は、不安定で流動的です」
このように言った方が日本語としてはこなれていますが、敢えて堅苦しい表現を使いたがるのが政治家です。

「不安定に向かっている」という意味での「不安定化」なら、現時点ではまだ安定しているのでしょうか。
いやおそらくは、「すでに不安定だが、ますます不安定になっている」の意味なのでしょう。

「流動化」にしたって、「いまから流動的になる」ではなく「ますます流動的になる」という意味のはず。

政治家は何にでも「化」を付けたがります。
前にも書いたように、「加速する」と言わずに「加速化する」と言うのがいい例です。
「加速する」=「速度が増す」であるならば、「加速化する」=「加速度が増す」と考えるべきです。
つまり、実際に加速するかどうかではなく、今後加速する方向であるという間接的な表現なのです。

「化」をつけることで、何もかもが具体性や確実性を欠き、「前向きに善処」と同じ精神論になります。
言葉尻を曖昧にして言質を取られないような発言をするのは、政治家の性(さが)なのでしょう。

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乳幼児の新型コロナワクチン、もしも接種を希望するならお早めに
- 2022/12/09(Fri) -
乳幼児への新型コロナワクチンの接種は、希望者が少ないため、当院ではまだ始めていません。
また、いざ接種するとなると、他の年齢層の新型コロナワクチンとの取り違えを防ぐ注意が必要です。
専用の時間帯を作らなければならないので、とりあえず今月中に1枠だけ、接種日(接種枠)を作りました。

しかし1枠作ると、2・3回目用の接種枠を、1回目のそれぞれ3・11週間後に設定する必要があります。

熊本市から今日、「特例臨時接種期間満了に伴う留意事項について」という連絡メールが届きました。
新型コロナワクチンの予防接種法の特例臨時接種の実施期間は来年3月末までなのでよろしく、との内容です。

ということは、乳幼児の3回目を期限内に終わらせるには、1回目を1月13日までに開始しなければなりません。
いま接種を決めかねている方や考え中の方には、もし接種するなら、年明け早々がリミットだということです。

定期接種を受けに来る方にいつも尋ねているのですが、新型コロナワクチン接種の希望者はわずかです。
しかも具体的な希望ではなく、多分打つ、世の中の様子を見てから時期を決める、みたいな方がほとんど。

ワクチンは希望する数だけ配給されるはずなので、ワクチン不足で接種できないことはありません。
ただ、早く接種計画を立てないと、規定上、接種ができなくなってしまうかもしれません。
慎重に構え過ぎてていたら打ち損ねる可能性があります。悩んでいる方は、とりあえず早めにご相談ください。

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卵は物価の優等生
- 2022/12/08(Thu) -
「物価の優等生」と言われる卵の値段がどんどん上がっていると、今日も激しく報じられていました。
飼料価格の高騰や、鳥インフルエンザの影響によるものです。

私はしかし、メディアが、NHKですら、「優等生」という言葉を連呼していることが不思議でなりません。

「優等生」を辞書で引くと、「成績・品行とも特にすぐれている学生や生徒」とあります。
でも「成績」や「品行」によって生徒を「優等」だと短絡的に評価するのは、「昭和の発想」じゃないですか。
いまは「みんな違って みんないい」(金子みすゞ)の時代です。ともかく、人に優劣を付けないことです。

世の中の物価が全般的に上がっても、卵は値段はずっと上がらず、これが人々にとっては高評価でした。
そのことを擬人的に、卵には「優れた品行」が備わっているとして、優等生だと認定したのでしょう。

私はしかし、何十年たっても値上がりしないモノって、どこか構造的におかしいと思います。
生産の効率化によって値段を維持してきた生産業者にとっては、地獄のようなデフレだったのかもしれません。
それを優等生だとはやし立てて無理をさせて来たのは、一種の「いじめ」じゃなかろうかとさえ思えます。

などと書きながら、ところで「物価の劣等生」って何だろう、と考え始めて答えが出ません。

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熊本は日本のアリゾナか
- 2022/12/07(Wed) -
「AppleがTSMCの新工場の最大の顧客になる」と、AppleのクックCEOが今朝のイベントで発言しました。
残念ながらこれは熊本工場ではなく、米アリゾナ州に建設中の半導体工場の話でした。

記事には、「TSMCは日本の熊本県やアメリカのアリゾナ州で半導体工場の建設を進めています」とあります。
もしや熊本は「日本のアリゾナ」じゃあるまいか、と思ってしまいますが、なんかちょっと響きがイヤ。

アリゾナ州は、カリフォルニア州に隣接し、グランドキャニオンがあり、ハイテク産業の拠点らしいぞなもし。
同様に熊本県も、福岡県に隣接し、阿蘇があり、ハイテク産業の拠点。やはり、日本のアリゾナなのか?

アリゾナの新工場では、3nmプロセスの半導体を量産する計画だといいます。
当初5nmだったものを4nmのラインに切り替えたと最近報じられたばかりというのに、もう3nmですか。
さらに、2025年までには2nmの量産も始めるべく、開発を進めているとか。

世界の最先端半導体チップの製造は、台湾TSMC、米国Intel、韓国Samsungの3社がほぼ支配しています。
かつて「電子立国」と呼ばれていた日本は、再び地位を挽回すべく、2nmより先の開発を進めているようです。

アポロ11号に搭載されていたトランジスタ数は全部で数万個。MacBookには160億個。有名な比較話です。
そのレベルをさらに超えて、シリコン原子の大きさに迫る極微半導体回路の開発には、驚嘆するぞなもし。

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発熱外来の報酬は下げ、支援金は渋る
- 2022/12/06(Tue) -
熊本県内の新型コロナ新規感染者数が、今日は2236人でした。2千人超えは3か月ぶりのことです。
以前ほど一喜一憂しなくなった感染者数ですが、それでもとくにこの2,3週間は気になる推移を見せています。

全数届出が終了し、感染者数も以前ほど厳密には把握されていないでしょうから、実数はもっと多いはずです。
自宅での抗原検査キットで陽性だった方には、医療機関を受診しない方も増えています。

新型コロナはやがて、普通の風邪と同じような扱いになるのでしょう。欧米ではすでにそうです。
その真逆にあるのが中国。そして日本はその中間かもしれません。ある意味で、発展(?)途上なのです。

発熱外来に対する国の補助金や助成金も、2年前には大盤振る舞いでしたが、最近はサッパリです。
診療報酬もどんどん減らされ、発熱外来の役割は終焉に向かって(向かわされて)いるようにすら感じます。

と思っていたら実は、まだ国の支援事業が行われていました。空気清浄機の購入等に支援金が出るようですね。
あまり大々的には周知されていないものだから、私も最近まで気付きませんでした。
今日になって大慌てで、空気清浄機や検査装置などの購入についての「事業計画書」を提出したところです。
いったい国や自治体って、医療機関を支援したいのかしたくないのか。金を出すようで出し渋るんですよね。

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ドローンの迷惑飛行には厳罰を
- 2022/12/05(Mon) -
ドローンの「有人地帯の目視外飛行」(レベル4)を認める改正航空法が、本日施行されました。
飛行ごとに国からの許可が必要ですが、住宅地などの上空でもドローンを自動運転で飛ばせるようになります。
十数年前にスマホが登場して一気に発展したように、ドローンも今後爆発的に普及が進むのでしょうか。

一方で、ドローンを使った犯罪やドローンに関連した事故や迷惑行為も、今後爆発的に増えそうです。

事故には至りませんでしたが、昨夜は那覇空港の近くでドローンの飛行が目撃される騒ぎがありました。
安全確認のため、同空港の離着陸が1時間半ほど見合わせられました。航空機利用者には大迷惑な話です。
幸い時間帯が夜遅かったので、影響を受けたのは、ANA4便とJAL1便など計7便だけで済んだようです。

目的地を変更した6機のうち、福岡から那覇に向かっていたANA1217便は、米軍嘉手納基地に着陸しました。
私も急病者の発生のためのダイバート経験はありますが、米軍基地に着陸するなんて普通あり得ないでしょう。

レアな体験ではありますが、実際には少々悲惨な出来事だったようです。むしろ、涙無しには語れません。

この便は、福岡空港を20時15分に出発して、那覇空港に21時55分に到着する予定でした。
ところがドローン騒ぎで那覇空港に着陸できず、沖縄南方の海上を細長くグルグル回って解決を待ちます。
最初は左回りに半回転、すぐに8の字に回って向きを変え、右回りに6回転、ついに諦めて嘉手納に向かいます。
機長からは「燃料が持たない」というアナウンスがあったようで、機内は静かな緊迫ムードだったはずです。

大変だったのはそのあと。嘉手納に22時42分に着陸した後、窓のシェードを下げさせられて機内待機。
降機なんてできるはずもなく、給油にも手間取り、那覇にむかって出発できたのはなんと午前4時28分。
乗客・乗員の皆様、お疲れさんでした。せっかくですから、乗り合わせた方はぜひネタにしてください。

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ついにインフルエンザが出ました
- 2022/12/04(Sun) -
久々に、当院の迅速検査でインフルエンザと診断するケースが出ました。約2年10カ月ぶりです。A型でした。

今年(こそ)はインフルエンザが流行するだろうと予測して、当院の発熱外来でもずっと警戒してきました。
コロナの抗原検査をする場合は、コロナの濃厚接触者でもない限り、インフルの同時検査を勧めています。
あるいは、コロナのPCR検査とインフルの抗原検査を同時に行う場合もあります。

コロナ陰性ならインフルと診断せよと厚労省が言うぐらいですから、同時検査のハードルは低いのです。
しかもコロナとインフルの同時検査は同じ綿棒で実施出来るので、患者さんの負担も軽くて重宝しています。

熊本市の、定点あたりのインフルエンザ報告数は、10月までは0でしたが、11月はジワジワ増えています。
問題は、今日のようなインフルエンザの方が、コロナの発熱外来の中に紛れ込んでくるということです。
未明から発熱と咽頭痛があり、今朝から嘔吐を伴い39度台の熱。コロナと区別がつかないじゃないですか。

多くの園でクラスターが発生しています。コロナが20人出ているという園もあるようです。
インフルの同時流行が起きたらとても厄介です。インフルエンザワクチンの接種が推奨されるべきでしょう。

さらに言うなら、あまり人気は無いですが、小児への新型コロナワクチンの接種も検討すべきかもしれません。
そんなわけで、乳幼児へのコロナワクチンも希望があれば接種すべく、予約受付を開始したところです。

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新空港オープンまで、あと110日
- 2022/12/03(Sat) -
街中も観光地も、日本中のあちこちが賑わっています。今朝の羽田空港は6時頃から大混雑だったそうです。
ANAが11/29から12/1までの3日間、国内線全区間7,000円(搭乗日は1/5〜2/28)セールをしていました。
実際には、これに別の経費が加わるので、空港ごとに異なりますが7千数百円になっていました。
対応する座席数はあまり多く無いので、特定の路線や日付によってはすぐに売り切れたようです。
元々の運賃設定が高額な、概ね長距離の路線ほど、人気が集中したのは当然のことでしょう。

私も、熊本-羽田-石垣-羽田-熊本、という楽しげな予約を入れてみましたが、決済しなかったので流れました。
もちろんこれはコロナ禍ではおなじみの、旅程を具体的に計画して楽しむ「脳内旅行」です。

コロナ第8波を考えると1月・2月の旅行は抵抗がありますね。でも3月には「実践」できるかもしれません。
3月23日には、熊本空港の新旅客ターミナルビルが供用開始となります。これは行かなければなりません。
「新空港オープンまで、あと110日」と、今日の阿蘇くまもと空港のサイトには表示されています。
でも残念ながらその日は木曜日。なので翌日の休診日(金曜日)に、空港を「堪能」してみたいと思います。

なんならその日に飛ぼうかと、ANAのサイトで3月24日の便を見て驚きました。
マニアックな話で恐縮ですが、熊本-羽田間に「ボーイング787−8(通称78M)」が2往復も飛んでるんです。
これは中距離国際線仕様の機材で、現在国内線・国際線兼用として、主に幹線を飛んでいるヤツです。
熊本に来ることは希でしたが、どうやら来年3月17日からは、羽田との間を毎日2往復飛ぶようです。
このタイミング。どう考えても熊本空港新ターミナルへのご祝儀でしょう。コレは乗らなくては。
というわけで、朝から空港内を探索し、78Mで東京往復、帰熊後に空港で食事、という計画です(脳内)。

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スペインに逆転勝利して決勝トーナメント進出へ
- 2022/12/02(Fri) -
サッカーW杯カタール大会。スペイン戦はすばらしい逆転勝利で、日本は決勝トーナメント進出を決めました。
早起きして生で観て良かった。いや、ごめんなさい、録画中の番組を5時から追っかけ再生で観たのでした。
試合終了後の時間帯から観始めたのでは、ニュース速報などで結果を知ってしまうリスクがあります。
それを避けるために、試合途中の時間帯から録画を観始めたわけで、つまり「生」じゃないけど「半生」です。

それにしても、あのゴール。三笘がゴールラインぎりぎりから折り返して田中が押し込んだヤツね。
私の位置からはアウトに見えました。もう少しリビングの左側から観ていたとしても、たぶん同じでしょう。
しかしラインの真上から見たらどうか。もしかするとボールは、ラインに2,3cm重なってるんじゃないの?
もしもアウトなら、VARの判定にこんなに時間はかからないはず。これはきっと良い結果が出る兆しか。
などと良い方向に推理していたら、その通り。日本のゴールが認められました。
のちにビデオやネット画像で見ると、2,3cmどころか、数ミリレベルじゃないですか。

公式ボールにはセンサーが内蔵されていて、1秒間に500回もボールの位置情報を発信してるんですってすね。
単にビデオで詳しく見るだけではなく、最新の計測システムのおかげで、正しい判定につながったのでしょう。

さて、決勝トーナメント第1戦のクロアチア戦は、12/6(火)の午前0時。またまた休診日じゃないですか。

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左右対称神経症
- 2022/12/01(Thu) -
 子どもの頃から私は、歩く時に足底にかかる圧力の感覚において、左右対称にこだわる性質がありました。
 たとえば、奇数段の階段を上り終わった時、あと一段足りないアンバランスな感覚にどうしても耐えられず、その違和感を打ち消すために昇り終えた足とは反対の足ですぐに地面を強く踏みしめ、ようやく心の平静を取り戻していました。

 このことをずっと誰にも言えずに大人になり、やがて一種の強迫性障害であると知りましたが、それほどの実害を伴っているわけでもなく誰かに迷惑をかけるわけでもなく、しかもある日、同じ症状を持つ同僚に出会ってからは不思議と左右対称がそれほど気にならなくなりました。
 最近ではあのベッカムも偶数神経症だとカミングアウトしたものだから、自分と良く似た性質の有名人もいるんだと(風貌も身体能力もまったく違うけど)、むしろ稀少個性をもっていることを誇れるぐらいの気持ちになっています。

 理科室の人体模型を見たときに思ったのは、肺は左右対称なのに心臓はなぜ胸の真ん中じゃなくて左側に偏ってるんだろう、という素朴な疑問です。先生に尋ねても解決せず、しばらく心の片隅に引きずっていました。
 なので、胎児の内臓が最初は左右対称に形成され始め、そのカタチや位置がどんどん変わり、やがて非対称の完成形に向かうことを人体発生学で学んだときは衝撃的でした。もともと左右対称のものが、非対称になって落ち着くこともあるのだと。
 のちに小児心臓外科医を志すことになったのも、先天性心臓病の発生学と病態生理に魅せられたからかもしれません。

 景色や建物やすべての事物が、左右対称だとすごく落ち着きます。だから縦書きした時の私の名前「由一」は好きなのですが、名字までもが左右対称の「高木由一」には完敗です。「三谷幸喜」にだって負けています。
 でもそんな左右対称のこだわりがあるにもかかわらず、記念写真を撮ると最近は、まっすぐ立っていたつもりなのにたいてい左肩が下がっています。これを私は「右肩上がり」と前向きに受け止めているのですが、骨盤や背骨や内臓から臍に至るまで、あちこちが曲がり歪んでいるのでしょうね。

 医学部に入学した私に、最初に近づいて親切にしてくれた先輩たちはみな、某教会には気をつけろと教えてくれました。そのやや左寄りの方々の影響もあって、大学時代は自治会活動にも足を突っ込みました。
 ところが社会人になると色々あるもので、徐々に右傾化した時期もあります。以来私は、右に行ったり左に来たり、センターラインをまたいでいまもウネウネ歩み続けています。左右対称神経症は、治り切れていないようです。


※熊本市医師会の会誌「森都医報」11月号に投稿した拙文が掲載されたので、転載しました。

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