ワクチン接種と紛れ込み
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- 2011/07/04(Mon) -
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乳幼児の髄膜炎を予防するための、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンは、その接種後の死亡事例が報道され、3月にいったん接種見合わせとなったことは、以前にも書きました。
その後厚労省は、ワクチンとは無関係の、別の原因(疾患)によって、たまたまワクチン接種後に死亡したのであろうと結論し、4月に接種が解禁されました。 このように、別の原因がワクチンに濡れ衣を着せることを「紛れ込み」といいます。 「紛れ込み」の多くは、乳幼児突然死症候群(SIDS)と考えられています。 SIDSとは、乳幼児の原因不明の突然死のことを、ひとくくりにした総称です。 その数は、昨年147人(このうち0歳児140人)で、0歳児では死亡原因の第3位でした。 3日に1人の赤ちゃんが、原因もわからず命を失っているということです。 その0歳児が受けるべき予防接種の回数は、ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンが加わったことで大幅に増えて、ポリオを除いても、標準で合計10回の「過密スケジュール」となりました。 そのため、ワクチン接種直後に、たまたまSIDSを発症する確率も上がってしまったのです。 表面上は、「ヒブや肺炎球菌のワクチンを導入したら、接種後の突然死が増えた」ように見えます。 また、過密スケジュールをこなすために、2つ以上のワクチンを同時接種する機会も増えました。 そのため、ワクチン同時接種後に、たまたまSIDSを発症する事例も目立ってしまいます。 表面上は、「同時接種をしたら突然死が増えた」ように見えます。 「紛れ込み」による濡れ衣を晴らすためには、正しい情報をわかりやすく示す必要があります。 最近、ワクチン接種の必要性について啓蒙する、テレビCMを目にするようになりました。 抜けているのは、ワクチンの副作用(副反応)への不安を解消するCMだと思います。 それといちばん困るのは、ワクチン接種後の死亡例などを短絡的に報道するマスコミ。
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