ワクチン再開のめど
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- 2014/07/28(Mon) -
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「HPV(子宮頸がん予防)ワクチン、やってますか?」
夏休みに入って、このような問い合わせをときどき受けます。今日も受けました。 昨年の積極的勧奨の差し控え以降、接種希望者はほんとにごくわずか。事実上、ストップ状態です。 しかしこのワクチンは、いまも定期接種です。対象学年の方は無料で接種できます。 厚労省の審議会では、HPVワクチンの取り扱いについて、定期的に会合を開いています。 しかし「差し控え解除=積極的勧奨接種再開」には至らず、現状維持(=何もしない)が続いています。 厚労省が、勧奨接種を再開するためには、それなりの理由(根拠)が必要なのです。考えられるものは、 (1)ワクチンの副反応が、これまでに考えていたものよりも軽いことが、新たに判明する これは望みが薄いです。接種が事実上止まっているので、ワクチンに有利な情報が出ることもないでしょう。 (2)海外では問題無く接種が続けられているし、WHOは勧奨接種の再開を勧告している これらのことは承知の上で、勧奨接種を差し控えたのです。いまさら勧奨再開の理由にはなりません。 (3)子宮頸がんを予防できる機会を失っている その通りなのですが、この重大な事実をわかっていながら、厚労省は勧奨接種を中断したのです。 このように、いまのタイミングで勧奨接種を再開するための理由は、残念ながら何もありません。 もし再開するとすれば、これまでの厚労省の判断・施策が誤っていたことを認めなければなりません。 しかしそうすれば、この1年間に接種機会を失ったためにHPVに感染した人への補償問題が生じかねません。 さらに、勧奨接種再開後にまた副反応が出ると、マスコミから叩かれるでしょう。 「副反応の原因は痛みによる心身反応」と審議会が結論づけた1月の時点で、勧奨接種を再開すべきでした。 厚労省は接種再開のチャンスをとっくに失っており、自縄自縛に陥ってしまっているのです。
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