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北海道の日本脳炎
- 2014/08/15(Fri) -
熊本県では先週(8月7日)、日本脳炎注意報が発令されました。昨年よりも、ひと月近く早まっています。

ブタをサンプル調査して、最近日本脳炎ウイルスに感染した証拠などが見つかると、注意報が発令されます。
注意報には至らなくても、日本の広い地域で毎年、日本脳炎ウイルス抗体価が陽性のブタが確認されます。

感染したブタを刺したコガタアカイエカが、別のブタを刺すことによって、ブタの間で感染が拡大します。
そのブタを刺したコガタアカイエカが、ヒトを刺すことによって、人間も日本脳炎ウイルスに感染します。
この蚊は飛翔力があり、数kmから20km以上飛ぶそうです。近くに養豚場がなくても油断はできません。

ワクチン未接種の子どもの7.9%が日本脳炎の抗体が陽性、つまり感染していたという調査結果もあります。

もちろんウイルスに感染しても、実際に日本脳炎を発症するのは数百人に1人の割合です。毎年数人程度。
ただし運悪く発症したら、致死率の高い病気です。だからこそ、定期予防接種が行われているのです。

ところが日本国内で唯一、北海道では例外的に、日本脳炎ワクチンが定期接種化されていません。
これは、予防接種法および予防接種法施行令の規定に基づき「接種が必要ない」と判断したための措置です。

これまでに患者が発生していないから、北海道では接種不要など、お役所の発想のいかに貧困なことか。
北海道で育った子どもたちが、あとで本州や九州に転居する可能性について、考えが及ばなかったようです。
ワクチンの定期接種化を求める、至極当たり前の署名活動が行われ、ようやくお役所も動きそうです。

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