感染症と株価
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- 2014/08/29(Fri) -
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「フマキラー」と「アース製薬」の株価が、大幅に上がっているようです。
蚊が媒介するデング熱が国内で、しかも東京で発生したために、殺虫剤需要の高まりが見込まれるからです。 この両社はまさに「デング株」と言えるでしょう。 となると気になるのは「金鳥(大日本除虫菊)」の株価です。調べてみたら、この会社は非上場のようです。 記憶に新しいのは「エボラ株」こと「富士フイルム」の、株価上昇でしょうか。 新しいインフルエンザ治療薬「ファビピラビル」が、エボラ出血熱治療薬として有望視されているからです。 ファビピラビルを製造しているのは、富士フイルムHD傘下の「富山化学工業」です。 一般の方にはなじみのうすい会社ですが、抗生剤などで昔からお世話になっている製薬会社です。 ただしそれらの薬は、現在は関連会社の「大正富山医薬品」が販売しています。大正製薬グループです。 しかしながら、製造しているのは富山化学工業のようです。ここらへんの関係はややこしい。 ファビピラビルは本年3月24日に、厚労省の審議会で、製造販売が承認されました。 富山化学工業が製造販売を申請したのが、2011年3月30日なので、承認まで3年かかったことになります。 同社の研究者がこの薬を発見した1998年からだと、苦節16年。医薬品の開発って、まあ時間がかかります。 おまけにファビピラビルは、インフルエンザパンデミックの際の切り札として承認されました。 通常のインフルエンザには使わず、必要時に厚労相の要請を受けて製造する、というのが条件でした。 ところがそこへ、エボラです。ファビピラビルの作用機序なら、エボラにも効く可能性がありそうだと。 国家的危機への対応が早い米国で、迅速に臨床試験が進められ、日本より先に発売されそうな勢いです。 そういうことなら、日本国内でただちに、製造・備蓄しておくのが危機管理というものだと思うのですが。
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