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3種混合ワクチン品切れ
- 2014/12/07(Sun) -
子どもの予防接種のひとつ「3種混合ワクチン(DPT)」が、いきなり全国一斉に品切れとなりました。
いちおう説明しますと、「3種」というのは、ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)の3つです。

2年前に「4種混合(=3種混合+ポリオ)ワクチン」が導入され、3種混合はやがて消えゆく運命でした。
メーカー各社は製造を中止し、北里第一三共だけがただ1社、細々と販売を継続していました。
ところが、その北里の貴重なワクチンに欠陥が見つかり、12月4日より販売が中止されてしまったのです。

くしくも12月4日は「血清療法の日」。北里柴三郎らが、破傷風とジフテリアの血清療法を発表した日です。
ただしこの業績で、第1回ノーベル生理学・医学賞を受賞したのは、北里の共同研究者のベーリングでした。
それはともかく、この記念すべき日に、北里第一三共がワクチンで失態を演じたという巡り合わせなのです。

現時点ではまだ、3種混合ワクチンの接種を全部(4回)完了できていないお子さんがいます。
そのようなお子さんは、残りの接種をポリオワクチンを加えた4種混合ワクチンで行うことになります。
しかし、「3種混合ワクチンの残り必要接種回数 > ポリオワクチンの残り必要接種回数」の場合が問題。
3種混合の接種回数を4回にしようとすると、ポリオワクチンの接種が5回以上になってしまうからです。

ポリオワクチンの5回以上の接種は、安全性が確認できていないという理由で、日本では禁じられています。
しかし、長期間の免疫維持のためには、5回以上の接種が必要というのが欧州諸国の考え方。
いま日本で使われているポリオワクチンはフランス製。そのフランスでの接種回数は7回以上です。

5回目のポリオを禁じるあまり、3種混合の免疫獲得が完了できないなど、本末転倒というほかありません。

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