インフルワクチン4価へ
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- 2015/06/03(Wed) -
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インフルエンザワクチンは、長い間「3価」でしたが、次のシーズンから「4価」になります。
「何です価?」て感じでしょうか。4価というのは「4つの株のウイルスに有効」という意味です。 ここで言う「株」とは、同じ遺伝子のウイルス、のような意味で考えてください。 インフルエンザウイルスは抗原変異(=遺伝子の変化)を起こすので、流行する株が、コロコロ変わります。 なのでワクチンに使う株も、毎年選定しなおす必要があります。 このたび厚労省は、来シーズンの流行株を予測して、ワクチンに使うべき4つの株を決定しました。 これを受けて、いまワクチンメーカーは大慌てで、その株に合わせて製造を始めたところです。その株とは、 (1)A/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09 (2)A/スイス/9715293/2013(NIB-88)(H3N2) (3)B/プーケット/3073/2013(山形系統) (4)B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統) A型のうち(1)は、2009年に大流行した、豚インフルエンザの株。pdmはパンデミックの意味です。 また(2)は、いわゆるA香港型の株。昨年は抗原変異のために、ワクチンが効きにくかったようです。 なので早い時期から流行が始まったのは、記憶にも新しいところ。そのため今年は、スイス株に変更です。 B型は近年、山形系統とビクトリア系統の混合流行です。どちらが流行の主流かを予測するのは困難でした。 これを受けてWHOは、B型を2つとも入れ、A型2価、B型2価の、合計4価ワクチンを推奨しました。 欧米では2年前から4価ワクチンが導入されており、今シーズンからは日本でも導入されることになりました。 世界の流れに、わずか2年の遅れで日本が追随するのは、ワクチン行政ではかなり珍しいことです。
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