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禁煙外来の成功率
- 2015/07/21(Tue) -
禁煙補助薬「チャンピックス」を使った「禁煙外来」を、当院で行っています。
計5回の通院により、12週間にわたって内服を継続する治療です。

毎年7月に、前年度に禁煙外来を受診した患者数と、禁煙成功率を、厚生局に報告することになっています。
このたび報告した当院での成功率は、74%でした。

では、なにをもって「禁煙に成功した」と判定するのか。厚生局に「成功」として報告する際の基準は、
(1)計5回の禁煙治療の終了時点で、4週間以上の禁煙に成功している者
(2)5回の指導を最後まで行わずに治療を中止した者のうち、中止時に禁煙していた者

まず(1)の方。いちおう禁煙成功と言えますが、治療終了後に喫煙を再開する方も、少なくありません。
まあしかし、(1)が禁煙外来における禁煙成功の定義というのなら、それでいいでしょう。

問題は(2)です。5回目までは来院されず、4回目までのどこかの時点で、治療を中断してしまう方。
最終来院時点で禁煙できていれば、成功と判定するという規則ですが、それでは過大評価しがちです。
なぜなら(2)には、2パターンあると考えられるからです。
(2-A)禁煙成功を確信したので、これ以上の通院は医療費のムダと考え、自己判断で治療を切り上げた
(2-B)最終来院後に喫煙してしまったので、禁煙治療の継続を諦め、その次の予定日に受診しなかった

さらに言うなら、(2-A)の方でも、禁煙成功とばかりは言えません。
(2-A-a)禁煙成功を確信して、自己判断で治療を切り上げ、その後も禁煙を継続している
(2-A-b)禁煙に成功したと思って通院をやめたが、結局その後、また喫煙を再開してしまった

集計すると(1)よりも(2)の方が、圧倒的に多い。はたして皆さん、本当に禁煙できているのかどうか。
あとで電話で問い合わせて、確認してもよいのですが、なんか禁煙を疑っているようで、気が進みません。

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