おたふくワクチンの問題
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- 2015/08/21(Fri) -
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おたふくかぜワクチンは、近い将来(2,3年以内?)定期接種ワクチンに組み込まれることになっています。
ワクチンの有効性と安全性は明らかです。だからこそ、日本以外の多くの国で、定期接種が行われています。 かつて日本でも、1989年から93年までの4年間、おたふくかぜワクチンの定期接種が行われました。 諸外国と同様に、生ワクチンを3つ混合した、麻しん/おたふく/風しん混合(MMR)ワクチンの形での接種です。 生ワクチン接種後には、自然感染(病気としてのウイルス感染)と同様の症状が起きる場合があります。 これが副反応として捉えられます。おたふくかぜワクチンでは、最も問題となる副反応が、無菌性髄膜炎です。 接種3週間後ごろに、高熱・頭痛・嘔吐などの症状で発症しますが、その経過は比較的良好です。 しかし、日本のMMRワクチン接種後の髄膜炎発生率は、1000に1人程度と、欧米の100倍以上でした。 この無菌性髄膜炎の多発が社会問題となり、MMRワクチンの定期接種は中止されました。 某メーカーは、きわめて副反応の少ないデータを出しましたが、ワクチンのすり替え疑惑などが発覚しました。 そうでなくても副反応に過剰に反応する日本人ですが、メーカーの不祥事が火に油を注いだわけです。 ワクチン後進国と揶揄されている日本が、先進国の仲間入りできるとすれば、MMRの再開がカギでしょう。 まずは、現在任意接種で行われているおたふくかぜワクチンの、安全性を再確認して、社会に示すことです。 先月より、おたふくかぜワクチン接種後の副作用調査が、全国規模で始まっています。当院も参加しています。 おたふくかぜに罹れば、数%の率で髄膜炎を発症します。睾丸炎や難聴などの合併症を起こす場合もあります。 子どもの難聴が日本に多いことについて、なぜ予防しないのかと、海外の学者はあきれているそうです。 ワクチンの副反応を無視することはできませんが、おたふくかぜに罹るよりもずっとマシなのです。
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