0歳からの日本脳炎予防
|
- 2015/09/18(Fri) -
|
ついに0歳児が、日本脳炎を発病しました。先月、千葉県に住む乳児が発症し、今月診断が確定しました。
乳児でも蚊に刺されるし、刺されれば日本脳炎に罹ることもある、ってことです。 日本脳炎は、小さな子どもは発症しないというのが通説でした。医者も厚労省も、ずっとそう思って来ました。 だから0歳6カ月から接種できる日本脳炎ワクチンも、勧奨接種は3歳からでした。 ところが最近、高知と沖縄でそれぞれ1歳の子どもが発症し、あれっ?、という雰囲気になっていました。 3歳からの予防で間に合うのか、3歳まで待つ意味って何なのか、そのような疑問が医者の間に出てきました。 かつて副反応が問題となったワクチンも、製造法が変わって安全性が高まり、積極的勧奨接種に戻りました。 しかしいまなお、日本脳炎ワクチンの標準的な接種年齢は、3歳のままです。 日本脳炎は、世界中で毎年1万人以上が罹る病気ですが、さいわい、日本ではかなり減っています。 2013年の発病者はわずかに8人。地域別では、熊本2人の他に、6府県で各1人ずつ。熊本、多いです。 しかし、感染リスクのある地域は、日本全国に及びます。 ブタのウイルス抗体保有率が、定期的にチェックされていますが、東北・北海道でもしばしば陽性が出ます。 感染しても発病する率は低い病気ですが、もしも発病すれば、高い率で死亡または重い後遺症が残る疾患です。 それがワクチンで予防できるなら、おまけに無料なら、ぜひ接種を受けておくべきでしょう。 例外的に定期予防接種が実施されていなかった北海道でも、ようやく接種が始まることになりそうです。 接種対象年齢(月齢)である0歳6カ月になったら、できるだけ早めの接種を、当院ではオススメしています。 標準接種年齢を3歳とする理由は、ありません。それに3歳未満でも、いくらでも蚊に刺されます。
|
コメント |
コメントの投稿 |
| メイン |
|