化血研出荷停止問題
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- 2015/10/13(Tue) -
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インフルエンザワクチンの製造メーカーは4つあると、先日書きました。
そのひとつである「化血研」からのワクチン供給が、今シーズンはまだ、ストップしたままです。 例年なら、9月末までには医療機関に届くところですが、10月中旬のいまも、納入のめどが立っていません。 問題の発端は、日赤から供給を受けた献血由来の血漿を元に、化血研が製造販売している「血液製剤」です。 それが厚労省から承認された方法とは異なる製造工程であったことが判明し、出荷停止となりました。 これには、血友病治療に用いられる血液凝固因子製剤などが含まれます。 「代替品がないか、代替品に切り替えると患者の生命に影響を及ぼす」とされる、重要な薬もあります。 そのような製剤は、安全性を確認しつつ在庫の出荷ができるように、特別な配慮がなされています。 この問題の影響で化血研は、インフルエンザワクチンも、製造工程を確認するために出荷を停止しています。 インフルエンザワクチンは、他社も製造しており、化血研の出荷停止で危機的状況に陥るわけではありません。 しかし化血研は、4社で3千万本製造するうちの、850万本を担う予定でした。その影響は小さくありません。 しかも接種には「旬」というものがあります。出荷停止が長引けば、接種のタイミングをのがします。 さいわい当院は、化血研以外のメーカーのワクチンを準備していたので、今回の被害には遭いませんでした。 しかし過去には、インフルエンザワクチンの納期が数日遅れて、9月末にバタバタしたことはあります。 インフルエンザワクチンは、流行する「株」を予測して製造するので、流通するのは毎年ギリギリになります。 予約受付を開始する時点では、ワクチンの納期はまだ確定しておらず、医療機関は毎年ヒヤヒヤなのです。
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