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高血圧の治療目標
- 2015/10/25(Sun) -
高血圧の治療目標は「120未満」にすべきであると、米国立研究所が発表した基準値が報じられました。
けっこう厳しい数値ですが、この基準を守った場合には、死亡のリスクが4分の1に減ったとのこと。

昨年は逆に、人間ドック学会などが「大甘な」基準値を公表して混乱を招いたのが、記憶に新しいところ。

こういった「目標」とか「基準」とか「正常値」というのは、そのまま万人に当てはまるものではありません。
血圧でも脂質でも血糖でも、目標とする数値は、個人個人の病状や体質や考え方で、異なるはずだからです。

厳しい基準が必要となるのは、次のような考えをお持ちの方です。
(1)少しでも異常があれば、薬物療法であれ生活習慣の改善であれ、早期に治療を導入して改善させたい。
(2)生活習慣病による生命の危険や合併症の発症を、可能な限り防ぎたい。

その反対に、甘い基準を採用するのは、次のような方でしょうか。
(3)薬はなるべく飲みたくない。余計な出費もイヤ(製薬業界と医者が儲かるだけだ)。薬の副作用も心配。
(4)検査の数値には個人差があるはずだから、基準値を画一的に決めるのは疑問。

ここで(1)と(3)は必ずしも矛盾しません。生活習慣を改善させたいという意味では、両者は同じです。
食事運動療法などを導入するタイミングが、早いか遅いかの違いです。もちろん、早い方が望ましいでしょう。

さらに(2)と(4)も、同じ事柄を両面から見たようなもの。
喫煙歴や遺伝歴など、動脈硬化のリスクが高い人では、厳しい基準を、そうでなければ甘くてもよいわけです。

血圧の基準値に幅がある以上に、各人の病歴や遺伝因子や生活習慣や、さらには健康観も、人それぞれです。
目の前の患者さんに、どの基準値を採用して、どのような治療を奨めるか。それが医者の腕の見せ所でしょう。

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