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MRワクチン回収騒ぎ
- 2015/11/02(Mon) -
北里第一三共が製造した「麻しん/風しん混合(MR)ワクチン」と「麻しんワクチン」が、回収騒ぎです。
麻しんワクチンとしての効力が、有効期間内に承認規格を下回る可能性があることが判明したため、とのこと。

日本中で流通していたMRワクチンの相当数が、今回の回収対象ロットに該当します。影響は大きいです。

第一三共は「これまでに有効性や安全性に影響があったとの報告はない」と言っています。
たしかに、安全性に重大な影響を及ぼすような不具合ではなかったことは、不幸中の幸いです。
しかし、有効性が十分だったかどうかは、数年、十数年以上経たなければわかりません。それがワクチンです。

有効性が低いワクチンの接種は、将来、はしかに罹るという「被害」をもたらしかねません。

かつて、「麻しんワクチン」の効力不足が原因で、大問題を引き起こした事件があります。
平成13年、沖縄県宜野湾市周辺で、ワクチンを接種したはずの子どもたちが、次々とはしかにかかりました。

使われていたのは千葉県血清研究所(千葉血清)製ワクチン。当初は、ワクチンの保管法が原因とされました。
しかしその後、あらためて検証を進めると、ワクチン接種後の抗体陽性率が異常に低いことが判明。
同様の被害は、千葉、福岡、熊本からも報告されましたが、特別な措置はとられませんでした。
そしてあろうことか、平成14年には、千葉血清という会社自体が閉鎖してしまいました。真実は闇の中です。

今回の北里第一三共のワクチンは、まず原因究明をしなければなりません。
有効性の低いワクチンを接種してしまった人を、どのように救済すべきかも、検討が進められているようです。
あらためてワクチンを再接種するのか、その場合の費用負担はどうするのかなど、面倒な問題が山積です。
化血研のときと同様に、「全ワクチン出荷停止せよ」などと厚労省が言い出すと、大変なことになりますが。

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