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薬と眠気と運転
- 2015/11/09(Mon) -
病気が原因で起きた交通事故の話は、先日書きましたが、薬物の影響による事故も、問題です。

かぜ薬などには、眠気を催す成分が含まれていることがあり、居眠り運転につながる危険があります。
禁煙治療薬「チャンピックス」もまた、内服後の眠気で事故を起こした事例が、報告されています。

チャンピックスは、平成20年の発売時より、「めまい、傾眠」という副作用があることがわかっていました。
しかし、喫煙という「毒」に拮抗する画期的新薬なので、少々の副作用は軽視されていた嫌いがありました。

ところが発売後、意識障害によって自動車事故を引き起こした3つの事例が報告され、雲行きが変わりました。
ただちに「使用上の注意」が改訂され、本剤内服中は「自動車の運転に従事させない」と記載されました。

チャンピックス内服による禁煙治療は、通常12週間にわたって続けられます。その間、薬は毎日服用します。
なので「禁煙したけりゃ3カ月間は車を運転するな」ということになってしまいます。

現に、「車を運転する方には、禁煙治療薬を処方できません」という姿勢を貫いている医療機関もあります。
たしかにそれは正論です。他人を危険にさらしてまで、禁煙治療などしなくてよろしい、というわけです。

しかし、禁煙治療を希望する方のほとんどが、日常的に車を運転しています。
喫煙がもたらす疾病を減らそうというのなら、もっと現実的な対応をして、禁煙治療をしやすくすべきです。

私は「試しに内服して、もしも眠気がくるようなら、運転前には飲まないように」と指導して処方しています。
実際の印象としても、内服しても眠くならない方がほとんどです。
国やメーカーは、「運転禁止」と規定して責任回避ばかりせず、もっと現実的な運用を支援すべきです。

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