一生に1回だけ、の誤解
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- 2015/11/11(Wed) -
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西田敏行がCMで勧めているワクチンがありますね、成人用の「肺炎球菌ワクチン」。
日本人の死因の第3位(1位はがん、2位は心臓病)である肺炎を、ある程度予防する効果が期待されています。 昨年10月から、65歳以上の高齢者を対象として、肺炎球菌ワクチンの定期接種が始まりました。 高齢者全員が一度に接種を受けに来ると大変なので、5年間かけて、順次接種を受けてもらう計画です。 具体的には、65歳以上の、5の倍数の年齢になる方だけが、その年度の接種対象ということになります。 つまり、5年間の間に、自分の順番が来るのは1回(1年間)だけ。そして、2巡目はないのです。 ところが、この接種対象年齢については、誤解が多いです。たとえばCMでは、次のように説明しています。 「該当する年齢の方が定期接種の対象となるのは、ひとり1回だけ。今年度だけです」 たしかに言ってることは間違いないですが、正しく伝わらない気がします。 先日も、65歳の方に接種をお勧めしたら、 「今はまだ体力があるので、70歳の時に受けるつもりです。だって、接種は一生に1回だけなんでしょう?」 申し訳ないですが、一生に1回の定期接種の機会を、ご自分で選ぶことはできません。 大事なことなので、何度でも書きます。成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種対象は、基本的に65歳だけです。 それが平成30年度までに限って、70歳以上でも、5の倍数の年齢の方も対象となっているだけなのです。 国の規定自体がよくないのですが、誤解をなくすため、CMのナレーションは、次のようにしてもらいたい。 「定期接種の対象となるのは、最初に対象年齢になったときだけ。その次の機会はありません」
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