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ワクチン打ち過ぎ注意
- 2015/11/12(Thu) -
0歳から80代の方まで、毎日20人から30人ぐらいに、インフルエンザワクチンの接種を行っています。
接種回数は、13歳未満は2回、13歳以上65歳未満は1回または2回、65歳以上は1回と決められています。
もちろんこれは原則であって、「オススメ」ぐらいの意味合い。大人で2回接種する方は少ないです。

ちなみに私自身は昨シーズン、3回ほど接種しました。余っていたワクチンを、実験的に接種したのです。
3回接種しても、医学的な問題が起きるワケではないのですが、けっして推奨はしません。
万一、3回目の接種後に異常が起きたときは、「医薬品副作用被害救済制度」の対象にもならないでしょう。

子どもの定期予防接種において、接種回数オーバーが問題になっています。不活化ポリオワクチンです。

3年前、ポリオ生ワクチンの廃止と引き替えに、不活化ポリオワクチンが導入されました。
さらに、3種混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを混合した、4種混合ワクチンの接種も始まりました。
これによって、3種混合ワクチンは役目を終え、製造も中止されました。
わずかなメーカー在庫も、厚労省が厳重に管理しており、流通はしていません。

ところが、3種混合ワクチンの定期接種が4回完了していないお子さんに、時々出くわします。
このような場合、4種混合ワクチンの接種で代用することになります。

しかし、3種の代わりに4種を接種すると、その分、ポリオワクチンを余計に接種することになります。
ポリオワクチンの接種が、規定回数の4回に達していなければよいのですが、4回接種済みの場合が困ります。
4種を接種することによって、ポリオワクチンの接種が通算5回目になってしまうからです。

国は、ポリオ5回目の接種を認めていません。欧州では5回以上を推奨しているのに、日本では5回厳禁です。

つい最近、ポリオワクチンが4回接種済なのに、3種がまだ1回足りないお子さんが来院されました。
3種を接種するためには、保健所を介して厚労省に申請して、特別にワクチンを入手しなければなりません。

というわけで今日は、保健所に「3種混合ワクチン納品希望申込書」を提出した段階です。
ワクチン1本打つために、その都度、厚労省に申請して納品してもらうシステムなんて、面倒な話。
「ポリオワクチンの5回目の接種」を認めるだけで、すべて解決するのに。

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