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万葉仮名風の名前
- 2015/12/21(Mon) -
いわゆる「キラキラネーム」に限らず、最近の子どもの名前には、万葉仮名風のものが増えてきました。
漢字の読みを全部使わず、頭の1音(または2音)だけを使って、組み合わせたものです。

「心」という漢字を使った名前の場合を検証してみます。訓読みなら「こころ」、音読みなら「しん」です。
人名には「きよ」「ご」「ごり」「さね」「なか」「み」「むね」「もと」も使えると、辞書にあります。

しかし実際には、それ以外の使われ方を、しばしば目にします。当院の患者データベースで調べてみました。

「心」の字を含む名前の方は、全部で222名でした。
名前が「心」1文字の人が10人。読みは、「こころ」「しん」「じん」「ここ」の4パターン。

2文字以上の名前で、その先頭文字が「心」の人は、全部で117人。
「心」の読みは、「ここ」38人、「こ」31人、「しん」6人、「し」4人、「み」38人。
とくに今風なのが、「こころ」や「しん」の頭1音だけを借りた「こ」と「し」です。

2文字以上の名前で、名前の末尾の文字が「心」の人が全部で94人。
「心」の読みは、「ここ」1人、「こ」23人、「しん」42人、「み」16人、「く」1人、その他(省略)。
「し」はいませんが「こ」が多いです。「く」は「こ」からさらに派生したものなのでしょうか。

音訓にかかわらず、漢字の読みの1音だけを組み合わせれば、命名の自由度はいくらでも広がります。
名付けたい「よみ」と、使いたい「漢字」を両立させるための、今風の工夫なのかもしれません。

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