化血研、業務停止へ
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- 2016/01/08(Fri) -
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厚労省は今日、化血研に対して110日間の業務停止を命じました。そのいきさつは、前にも書いた通りです。
「(医薬品)製造販売業許可の取り消し相当の悪質な行為だ」と、塩崎厚労相は厳しく発言していますが、 「(化血研製の)血液製剤やワクチンには、国民の健康確保や医療に不可欠なものもある」とも言っています。 その結果が「業務停止」。他社の製品で代替できるものがない製剤を除いて、販売ができなくなります。 今月18日から5月6日までの110日間は、長いですね。現場ではかなりの混乱が起きそうです。 とくに重大なのは血液製剤なのですが、当院では現在、化血研の血液製剤を使うような診療は行っていません。 当院で日常的に使っている化血研の製剤は、ワクチンです。その出荷状況は、次のようになっています。 (1)出荷停止のまま:日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、2種混合(ジフテリア、破傷風)、破傷風 (2)必要性があれば出荷する:狂犬病、まむし抗毒素、はぶ抗毒素 (3)必要性がありすでに出荷中:インフルエンザ、4種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ) 日本脳炎ワクチンは、毎年春から接種者が増えます。今はまだ豊富に流通していますが、今後どうなるやら。 B型肝炎ワクチンはすでに、流通量が激減しています。ある程度の接種制限も、考慮しなければなりません。 必要性があって(3)を出荷したのは、製剤の安全性には問題がないと、厚労省が認めたからです。 それなら同じ理屈で(1)も出荷すべきでしょう。製造法における問題は(1)も(3)も同じです。 業務停止というペナルティが科される対象は、会社や経営者であって、製品(製剤)の利用者ではないはず。 厚労省は、誰を保護するために製薬会社を監督しているのか。そのことを忘れているような気がします。
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