ブリンクマン指数
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- 2016/01/16(Sat) -
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ブリンクマン指数とは、喫煙歴の程度を数値化するもので、「1日の喫煙本数x喫煙年数」で算出されます。
たとえば肺がんの発病率など、ブリンクマン指数とさまざまな疾患・病態は、高い相関が認められています。 禁煙治療において保険が適用されるためには、この指数が200以上あることが必要です。 禁煙外来受診者の多くは、ブリンクマン指数が200〜600です。例えば20本x20年=400のように。 なかには、40本x50年=2000などという、強者もいらっしゃいます。 あるいは、20本x10年=200という、20代半ばの方もいます。禁煙したい気持ちがあるなら、年齢不問です。 しかしたとえば、18歳から1日20本平均でタバコを吸っている若者は、28歳までは保険が適用できません。 そのような25歳の方が来院して、どうしても禁煙したいと訴える場合、どう対応すれば良いのでしょう。 「あー、あと3年ほど、いまのペースで吸っててください。3年後には保険が利きますから」 こんなバカな話はないでしょう。タバコをやめたい若者がそこに居るのに、なぜ助けてやれないのか。 若者に保険が適用しやすいようにしてはどうか、という動きは以前からありました。 しかし前回、2014年の診療報酬改定では結局、要件は緩和されませんでした。 喫煙には「自己責任」とか「自業自得」という考えが、つきまとうからです。さて今年はどうなるでしょうね。 参考までに、昨年10月に行われた中医協(中央社会保険医療協議会)総会での、委員らの言い分はこうです。 健保連「自分の意思で禁煙する人もいる」「予防は保険の給付外だ」(=禁煙治療に保険適用すべきではない) 経団連「タバコを購入する時点で本人の意思が働いている」(=喫煙は自己責任だ) 厚労省「ブリンクマン指数の要件を撤廃すると、125億円ほど医療費が増える」(=財源がない) 医師会「医療には包容力が必要」「喫煙による疾病の重症化予防は重要」(=結果的に医療費も削減できる) 医師会は良いことを言っているのに、なぜか四面楚歌なのです。
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