ワクチン再接種すべきか
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- 2016/02/20(Sat) -
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北里第一三共の、MRワクチンの話の続きです。
効力の低いワクチンを接種してしまったお子さんに対しては、今月になって、救済措置が決定しました。 その関連資料が、北里第一三共から医療機関に送られてきました。同封されていたフローチャートによると、 (1)対象者の確認:有効性が基準を満たさないワクチンを接種した対象者を、医療機関がピックアップする (2)抗体検査希望の確認:「免疫がちゃんと付いたか検査しましょうか」と医療機関が対象者に連絡する (3)採血、抗体検査、結果の確認:すべて医療機関で行う (4)ワクチンの追加接種:抗体価が低い対象者には、医療機関の判断で追加接種を行う (5)費用の請求:医療機関がいったん負担した検査費用と接種費用は、あとで北里第一三共に請求する しかし考えてみると、オカシな話です。抗体価の検査やワクチンの再接種は、あくまで任意なのです。 なぜなら、問題のワクチンの有効性は十分というのが、厚労省の見解だからです。厚労省通知にこうあります。 「回収対象となったワクチンを定期接種として実施された 者に対して、再接種を勧奨する必要はない」 厚労省の基準を満たさないから回収されたワクチンに、厚労省が、効果十分とお墨付きを与えているのです。 じゃあなんで出荷停止してるの、というのが素直な意見でしょう。ワクチンの再接種だって不要のはず。 ところがメーカーは、抗体検査やワクチンの再接種を「勧奨」し、その費用負担を申し出る始末。 おそらく、こういうことだろうと推測します。 厚労省が「再接種が必要だ」と言い始めたら、大混乱が起きてしまう。ワクチンも確実に不足するでしょう。 なにしろワクチンは、完全に計画生産。需要を予測して、ちょうど足りる供給量が決められています。 もしも大々的に再接種を行うと、ワクチン需要が激増します。しかも1社は出荷停止のままだというのに。 だから厚労省は「再接種不要」と言い、一方でメーカーは念のため再接種を勧奨する、という両面作戦。 その結果、再接種を「したい人」や「させたい医師」を中心に、適度な再接種が行われることになるでしょう。 当院ではとりあえず、フローチャート通りに進めて行きます。
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