パーセントとポイント
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- 2016/05/02(Mon) -
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安倍内閣の支持率が、3月の46%から今月は53%へ、7ポイント上がったと日経が報じました。
熊本地震後に発表された内閣支持率は、FNNが3.1ポイント、ANNですら3.9ポイント上がったとしています。 地震対策が、おおむね評価されているようですが、パフォーマンスではなく、実のある施策をお願いします。 「率の変化量」を表現するとき、マスメディアはよく「ポイント」を使いますが、微妙に問題を感じます。 46%から53%への上昇を、変化率で言うなら、(53-46)/46=0.15、つまり15パーセントです。 これを「支持率が46%から15パーセント上がって53%になった」と言ったのでは、わかりにくい。 だから数値の変化をわかりやすく表現する方法として、「ポイント」を使う意義は理解できます。 しかし、そのようなメディアが「パーセント」を使うとき、こんどはまた別の誤解を招きます。 「加工肉で大腸がんにかかる確率が18%増える」という、昨年話題になった件が、まさにそれです。 大腸がん罹患率は約8%なので、これが8x0.18=1.44%だけ増えて9.44%になる、というのが正しい解釈。 ところが日頃から「ポイント」表現に慣らされていると、8+18=26%なのかと、勘違いしてしまいます。 このように、元々の確率が低い場合ほど、その変化を表すポイントとパーセントの差が大きくなってきます。 誤解を招きそうな数値を持ち出すときは、補足説明を加えるなど、慎重に表現してもらいたいものです。 しかしメディアはえてして、メディアに都合の良い誤解を誘うような表現をしたがるので、タチが悪い。
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