障害と障碍
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- 2016/05/20(Fri) -
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子どもの頃は、和式便所でした。毎朝、しばらくしゃがんでいる間、じっと見つめていた文字があります。
便器メーカーのロゴ「Toyotoki」です。筆記体の青い文字で、2つの「T」の横棒がつながっていました。 小学生になって、ローマ字が少しわかるようになると、その文字を「トヨトキ」と読んでいました。 当時、東芝のロゴも筆記体の「Toshiba」でしたが、これは少し崩してあったので、私には読めませんでした。 ある時代から、いつのまにか「Toyotoki」を見なくなり、周囲は「TOTO」だらけになりました。 なんのことはない、「東洋陶器」の社名が「東陶機器」になっただけの話ですが、これは後から知りました。 「INAX」(現LIXIL)も、元はTOTOと同じ企業グループだったことを、大人になって知りました。 ライバル会社が同根だというのは、「積水ハウス」と「セキスイハイム」の関係にも似ています。 ついでに言うなら、食器や研磨工具の「ノリタケ」も、TOTOやINAXと同じ「森村グループ」。 「Noritake」のロゴは、今なお青い筆記体ですね。その雰囲気が、昔の「Toyotoki」に似ています。 企業のロゴはおおむね、筆記体からブロック体、しかもゴシック体へと、移り変わってきました。 なので今となっては逆に、筆記体のロゴはレトロでいいですね。 「ノリタケ」の前身の「日本陶器」から、「碍子」部門が独立したのが「日本ガイシ」。 碍子とは、電線などの絶縁に使うセラミック。子どもの頃は「が石」と思ってましたが、「碍子」なんですね。 碍子の「碍」(礙)は、妨げとか邪魔という意味で、「害」とほぼ同義。 「障害者」と書くかわりに、最近は「障がい者」とか「障碍者」という文字が使われることがあります。 イメージの悪い「害」の字を避けるために、あまり使われていない「碍」に置き換えてみたのでしょう。 置き換えたところで意味は変わりませんが、なんらかの配慮をした、という事実が重要なのかもしれません。 こういう無意味な言葉狩りには、賛同できません。その意味では「障がい者」でも同じです。 「日本ガイシ」から点火プラグ部門が独立したのが、世界トップシェア「NGK」ブランドの「日本特殊陶業」。 最初に買った車は、時々プラグの清掃などやっていましたが、この30年間、自分ではやったことないですね。 NGKは、一度行ったことがあります。プラグは売ってなかったですが、芸人さん達がスパークしていました。
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